10/01/21 18:15:39 PUZKsjfC
>>90の続き。
「え?」
「もう一度だ、アンドレ」
「大丈夫なのか?」
心配になり、アンドレはオスカルの小さな窪みに手をやる。
「痛みはないのか?」
「…ない」
いくらなんでもそれは嘘だと口調で知れた。
しかし、新妻の初めてのわがままと嘘に逆らえる夫がいるだろうか。
もう一度、という言葉はその後何度も朝までアンドレの耳にささやかれた。
東の空が白み始めるまで、どれだけの愛を重ねたか、もはや二人は数えていなかった。
魂の限り愛し合ったというこの記憶がある限り、生きていける、生きていきたい。
-了-