ベルサイユのばらでエロパロat EROPARO
ベルサイユのばらでエロパロ - 暇つぶし2ch1:名無しさん@ピンキー
09/12/27 00:20:06 L2dy98Q4
ベルばらのエロ専SS板です。
☆アブノーマルなものは、頭に注意書きを。
☆エロでも、法律に引っかかりそうなものは気をつけてね。
平和なエロをみなさまで共有してください。

2:名無しさん@ピンキー
09/12/27 00:21:20 L2dy98Q4
職人様、引き続きよろしくお願いします。
住人たちよ、心ゆくまで堪能してくだっせ。

3:名無しさん@ピンキー
09/12/27 08:31:35 xzue5DhQ
>>1
乙!

4:名無しさん@ピンキー
09/12/28 21:42:00 oW/yKIAh
>>1 乙!

5:名無しさん@ピンキー
09/12/28 21:49:24 +7oBn1d3
>>1
乙です

6:名無しさん@ピンキー
09/12/28 23:23:47 7z01n9C9
投下祈願age

7:名無しさん@ピンキー
09/12/29 22:06:15 1cCR/TwV
みんな、年末は忙しいのね。
とっても静か・・・

8:名無しさん@ピンキー
09/12/30 21:40:31 8jcEpXve
だね。うちは今日外回り掃除しようと思ってたら雨だったので
一日ごろごろしてたよ

9:名無しさん@ピンキー
09/12/31 11:50:53 uVCyWX8n
>>8
薔薇のお手入れはどう?
今日は絶好の日和だよね。

10:名無しさん@ピンキー
10/01/02 18:44:35 LTwSviuM
あけおめ!

11:名無しさん@ピンキー
10/01/03 22:29:18 qApgGta1
ことよろ

12:名無しさん@ピンキー
10/01/05 21:28:36 pj4NUIWP
投下ないのは規制かかってるせいかな?
それとも…

13:名無しさん@ピンキー
10/01/06 01:00:06 YhOcoW5f
あまりに静かで寂しい

14:名無しさん@ピンキー
10/01/06 12:20:34 esTjCVg+
毒杯タンの続きも読みたいし…

他の職人さん達も、かえってきて~

15:名無しさん@ピンキー
10/01/06 17:50:16 0ADd+jHO
新年あけたばっかで急がしかとね

16:名無しさん@ピンキー
10/01/07 17:50:08 bFWmKZ2K
落ちたらこまるから保守おねがいら

17:名無しさん@ピンキー
10/01/08 01:16:32 5Z/pRZ32
保守

18:名無しさん@ピンキー
10/01/09 08:32:14 kvfkHl1q


19:班長の独白
10/01/10 00:34:56 gmexEgOE
前スレ 毒杯続き。
エロくないっす。
アランの立ち位置は結構好きです。


20:班長の独白1
10/01/10 00:36:08 gmexEgOE
あいつは戻って来なかった。
『露見した。将軍の部屋へ行く』と言って去っていった男。
次の日からあいつは、衛兵隊へやってくることはなかった
残された片割れの女隊長が、振り向くことなく金髪をなびかせて司令官室へ
歩いていく。
“あいつはどうしたんだ!”
俺は叫び出したかった。女を追いかけて無理やり腕をつかみ、
その顔へ唾を吐くようにして、挑みかかってやりたかった。
だが、軍服姿の女隊長は足取りを緩めることなく、いつもと同じ調子で去っていく。
御者はあいつじゃない。貴族の御仕着せを着た知らない男だ。
“この女!どうしてそんなに冷静なんだ!貴様の従僕が殺されちまったんだぞ!!”
その均整のとれた美しい横顔を見ながら思う。
“しょせんは大貴族の人形なのか、この女は。あんなにも自分を慕っていて、
荒くれた軍隊の兵士どもから守ってくれた男が父親に殺されても
血も涙もなく軍隊にやって来られるのか。“
俺の胸にあいつの言葉が去来する。
『俺が戻らなかったら、後のことはお前に頼む。・・・・・お前は貴族だしな。
「ちくしょう!」
演習の際にいきなり叫んだ俺に、周りの班員らが驚いて振り返った。


21:班長の独白2
10/01/10 00:37:31 gmexEgOE
その晩、俺は眠れなかった。
仲間の衛兵に命じて女隊長を拉致した夜を思い出す。
切り裂いた軍服から覗いた白い胸のふくらみ,そこから続く上腹部の窪みと
その先の・・・
恥骨丘の膨らみを覆っていた柔らかな金色の陰毛・・
女が身をひねるとその身体はしなやかにうねった。
「ちっ」
硬い寝台に横たわりながら、俺は奴に撃ち抜かれた手で勃起した俺自身を
握った。
もとより、あんな気の強い女にどうこうするつもりもなく、
またあの従僕との仲を知る今では、好んで抱きたいわけではないが、
それでもその裸身を思い浮かべると、男の性がたまらなくうずいた。
軍を率いる勇ましい女隊長が1衛兵に抱かれ、女の声をあげている。
普段の細い眉を吊り上げた威風堂々とした女隊長は、
あの従僕にどのように抱かれていたのだろう。
あいつに銃で撃ち抜かれた手は完治に近い状態だったが
その手の平からはあの時の鋭い痛みの記憶がよみがえってきた。
その手で握る男根はこれまでにないほど逞しく勃起し、
俺は手で亀頭を前後して刺激した。
「ちくしょう・・ちくしょう・・俺は許さねえぞ・・」
何をどう許さないのかもわからないまま、興奮を繰り返し、
俺は寝台の中で射精を迎えていた。


22:班長の独白3
10/01/10 00:38:25 gmexEgOE
初日、いつもいる黒髪の従卒がいないことに、周りの衛兵たちは気付いていたが、
たまたまその日は何か他に都合があったのかと、特にその日は誰も訊ねることはなかった。
しかし、二日目が過ぎ、三日目ともなると、さすがに兵士たちは騒ぎだした。
その間、俺はわき目も振らず、女を見つめていた。
女は二日目も三日目もいつもと変わらず、馬車で定刻にやってきて、司令官室で執務をし、午後の演習に出て、定時に帰っていく。
俺の隣の雀斑の兵士が、女隊長に話しかけた。
「隊長!その・・」
「ん?」
女隊長が振り向き、少年の面影を残した兵士を見つめる。その碧い瞳を縁取った陰りを帯びた女の睫毛の長さに若い兵士は言葉を失くした。
“聞けない・・とても・・”
根が優しい雀斑の兵士は隣の栗毛の兵士を肘でつついた。
「イテ。」
つつかれた兵士はもちろんその意味を察した。
「あの・・」
「なんだ?」女隊長の声が還る。
栗毛の兵士もまた涼やかな女隊長を眼の前にして言い淀み、
さらに隣の小柄な兵士をつついて促した。
「お前、聞けよ」
「え、お、お、俺?」
吃音に悩む小柄な兵士は慌てて、誰かにその任務を譲るべく、隣を見たが
そこには誰もいなかった。
「お、俺?」周りを見ると、周りの兵士たちの眼は残らず、“お前”といっている。
兵士は、凛々しい女隊長を見上げおずおずと切り出した。
「あ・・あ・あの・・・ご、護衛のシトは・・・」
金髪の女隊長がじっと彼を見つめる。小心な兵士はその眼差しにドギマギした。
彼女はふっと空を仰ぎ、言った。
「護衛か・・・。護衛の彼はもういないのだ。」



23:班長の独白4
10/01/10 00:39:21 gmexEgOE
衛兵の詰め所で第1班の兵士たちは大騒ぎとなった。
「どういうことだ?あいつはどうしちまったんだ?」
「なんで?何があったんだ?」
「おい、班長、何か知っているか?」
「うるせえな。」
俺は低い声で不機嫌に怒鳴った。
「お前ら勝手に動くなよ。」
そう言い放って俺は詰め所を出る。
あの女を直に問い詰めるつもりだった。
半開きになっている扉から覗くと
司令官室には、見知らぬ従卒が貴族の御仕着せを着て立っていた。
女隊長がいらだった声で話している。
「この書類を整理してくれと言ったはずだ!」
見慣れぬ従卒は女隊長の横に立ち、答える
「お言葉ですが。」
年配の従卒は静かに答えた。
「御父上が私に命じたのは貴女の護衛でも手伝いでもありません。
私の任務は貴女の監視です。」
女隊長の顔に、瞬間、驚きと怒りの表情が浮かんだが、
それはすぐ消えて彼女は眼をふせた。
女隊長は彼女の従僕を探すかのように、脇の机を見つめ、
ため息をつく。
「・・そうか。では、待っていてくれるか?」


24:班長の独白5
10/01/10 00:40:05 gmexEgOE
俺は半開きの扉を蹴飛ばすように開けて
司令官室の女と向かい合った。
「隊長さんよ、あんたはひでえ女だな。」
女隊長が驚いて顔を上げる。
「あいつも可哀そうな奴だ。女を守ったあげく営倉に入り、
事が露見して将軍に処分されたのに、女はのうのうと暮らしてやがる。」
女の碧い瞳に一瞬鋭い光が宿ったが、女は鼻先で笑い男を無視した。
「ふっ、そうだな。」
その態度に俺はもう我慢できなかった。
「所詮、あんたは大貴族の人形なんだ!貧しいやつらや身分の低い男の
ことなんか虫けらも同然だろう!これっぽちも考えてやしねえ。」
怒鳴り立てると俺は踵を返して、司令官室を歩み去った。

さらに数日が過ぎると、衛兵らは別の話を始めた。
「なあ、あいつがいないってことはさ・・」
「ん?」
「隊長、男欲しくならないかな?」
「おい。」
「なあ、班長。も一回・・そのさ・・食堂にさ・・」
俺は彼らの言うことを察して、睨みつけて怒鳴った。
「お前ら、あの女に手を出したら、承知しねえぞ!」
営倉に入る前、あの女はあいつから自決剤をもらって頸に下げていた。
今度そういう目に会えば迷わずそれを煽るだろう。
それともあの男のことなど忘れて、軍を退き、
いつぞやの婚約者とやらと結婚するのだろうか。
「とにかく」
俺は兵士どもに言い放った。
「あの女のことは俺がするから、手を出すんじゃねえ」


25:班長の独白6(終)
10/01/10 00:41:36 gmexEgOE
何日か後、俺は再び女隊長と向き合っていた。
「なんだって、そんな平静な顔で仕事してやがるんだ?」
女隊長が言う。
「お前の言う通りかもしれん」
女の碧い眼が俺を見つめる。
「だが、お前はどうなのだ?妹御を守ったあげく一兵卒に
落とされても、軍を辞めることはできないのではないか?」
俺が言葉を返せないでいると、女は自嘲気味に続けた。
「確かにお前の言うとおり私は人形かもしれんな。
軍務をこなすこと以外、何もできない人間だ。」
俺の胸に奴の言葉がよみがえる。
『彼女は小さい頃から軍の武官の生活しか知らないし、他の生活などできない。
仕事を続けさせてやってくれ。』
ほんとにそうなんだな。
男のように育ったこの女にとっては奴だけが心のより処だったのだろう。
“お前、罪な奴だぜ。”
心の中で呟きながら、俺は女に悪態をついた。
「けっ、そんなにあの片目野郎がいいんですかい!?」
次の瞬間、俺の頬がビシッっと音を立てて鳴った。
「あいつの眼のことを侮辱する奴は、今から腕を磨いておいた方がいいぞ!」
俺の胸の中にある確信が湧き上がった。
“生きている! あいつは生きている!! 少なくともこの女の中には!”
頬を打たれた痛みが湧きあげる喜びに代わる。
かつて男を“めっかち”とからかった時、奴は自分のことは何を言われても
怒ることはなかった。
しかし、女のことを言ったとたん、殴りつけられたのだ。
“あの時と同じだ。この女もあの男のことになれば・・”
俺は打たれた頬を押さえながら、ただ茫然と女の顔を見つめていた。


26:名無しさん@ピンキー
10/01/10 04:02:49 gQ6Z/df9
毒杯タン投下ありがとう!
しかも一括。とてもうれしい。
続きもまた楽しみにしています。


27:名無しさん@ピンキー
10/01/10 15:33:23 7aFHGjMC
毒杯タンお待ちしてましたGJ!
凛としたオスカル様の美しさが素敵です

26タン同様続きを楽しみにしています♪

28:名無しさん@ピンキー
10/01/13 00:25:24 BaehIivy
どうなるんだろう?
続き楽しみ
ありがとう毒杯タン
GJ!

29:名無しさん@ピンキー
10/01/13 16:05:19 WfsKmtqT
毒杯タンありがとう(´∀`)

30:名無しさん@ピンキー
10/01/13 20:12:41 RQorPY9x
初めてベルばらってのを読んだが、
原作10巻は素晴らしいと思うんだが、あの外伝(黒衣の伯爵夫人じゃない方)は何なんだろうな
絵柄も全然違うし、そもそも作る必要があったのかね…
なんかすべて台無しになってる気が…

31:名無しさん@ピンキー
10/01/13 20:54:30 vXBl6sKF
>>30
そうですねー。
あの外伝は、自分の中ではできの悪いサイドストーリーの位置付けとなっております。
本編とは切り離して考えてます。

32:名無しさん@ピンキー
10/01/13 21:23:24 gk4L9gOD
黒衣の伯爵夫人も突込みどころ多いけどな
外伝は本編と比べるとレベルが落ちるよね

33:名無しさん@ピンキー
10/01/14 00:36:32 +/wgCXK+
黒衣の伯爵夫人の中で
OAが見つめ合う場面(森の中)は、結構エロっぽく感じるんだけど…


34:名無しさん@ピンキー
10/01/14 02:48:36 ALmhnmo6
エロさではあの国外逃亡に失敗する辺りからのマリーに勝るものはないと思う
特に幽閉されて髪を下ろしたあたりからはもう神がかってる

そしてあのギロチン直前の、
「さあ見るがいい! マリア・テレジアの娘の最後を」
って決意を固めたあの表情はもうたまらんね

要は何が言いたいかというと、そんなマリーを主人公にエロパロをかいてみようかな、ってことだ
こんなに萌えたキャラ久々だわw

35:名無しさん@ピンキー
10/01/14 11:11:35 JLca8g82
>>33 そうそう。あれは、本編だとどの時点なんだろう、
アンドレは両目あるし… とか。真剣に考えた憶えが。

36:名無しさん@ピンキー
10/01/14 11:25:07 X4m9q78m
>35
黒い騎士がどーたらこーたらって言ってたから
アンドレ黒い騎士偽装工作あたりってな頃じゃないか?

37:名無しさん@ピンキー
10/01/14 11:41:03 BzM7ISgp
>>34
待ってるよん

38:名無しさん@ピンキー
10/01/14 13:30:45 IfuYCfkM
あれは、ようするに作者が
髪切ってからの男っぽくて両目があるアンドレを
描きたかったが為に生まれたどうしようもないサイドストーリー
だろ?

39:名無しさん@ピンキー
10/01/14 13:34:27 IfuYCfkM
>>34
あのギロチンの後マリーの身体が弄ばれたらしいね
そりゃあの胸にあの肌なら身体を見たい欲望は涌くだろうけど
首なしにっていうのは流石にあの時代の野蛮さだろうな

40:名無しさん@ピンキー
10/01/14 23:19:49 VtbjxxLv
>>38
だけど作者はSS嫌いってwww

41:名無しさん@ピンキー
10/01/15 22:33:26 cne+9wJf
>>39
それは萌えないな
せめて牢獄にいるマリーが夜中に襲われた、とかいうシチュなら萌えるんだが

42:名無しさん@ピンキー
10/01/16 02:38:24 bAUZE3+P
ギロチン後の首なしの胴体、こわ・・い・・・。

43:名無しさん@ピンキー
10/01/16 17:15:04 kl6OOLr5
マリーなら
革命に荷担する実力者から
「お前の夫である国王の処刑が決まった。だが自分に一晩身を任せれば
 密かに身代わりを立そいつを処刑し表向きは死んだことにして命だけは助けてやる。」と言われ
フェルゼンへの愛に悩みながらもこんな自分を献身的に愛してくれた陛下を救えるならと
要求を受け入れる。
しかし裏切られ「約束が違う」とそいつに詰め寄るも
「約束?何のことです?では聞きますがあなた方がこの国を治めていた頃
どれだけ民を裏切りましたか?民との約束をどれだけ破りましたか?
そんな貴方が約束を守って欲しいなどとよくもいえましたね。ずうずうしい。恥を知りなさい」と冷たくあしらわれ
牢獄の中で「私は愛する人を裏切ってあんな事をしたのに」と嘆くっていうのもいいな。


44:名無しさん@ピンキー
10/01/16 23:48:20 fp5HMULH
>>43
そこまで話が出来上がってるんなら自分で書いてみては?
読みたいっす

45:名無しさん@ピンキー
10/01/17 21:17:40 V9jxFqgD
>>42
こわくないから

46:名無しさん@ピンキー
10/01/17 22:57:27 P4XmwlUb
前スレ711(過去スレのルイ×デュバリー×O~)続き
OF後OA 



「わかっているのか!? 戦場なんだぞ!!」
生きて帰れるのかさえもわからない遠征軍になぜ・・
話を聞いたとたん、供も連れずに馬を走らせていた。
案内も請わずに飛び込んだ部屋で私の目に映ったのは、北欧の貴公子と
呼ばれる友人ではなく、深く沈んだ瞳をした男だった。
「私だって軍人のはしくれだ。わかっている」
「本気か、なぜだ!」
「あの方の側にはいられない。私は・・自分を抑えることができないのだ。
湧きあがる熱い自分をこれ以上抑えることなどとうてい無理だ!
・・お前にはわからないだろうが」
自嘲を浮かべ煽るように飲み続ける男は私を見てはいなかった。
私にはわからない?女だからわからないと言いたいのか。
熱いものが湧きあがるのは男だけだと。
「飲み過ぎだ」
グラスを取り上げた私の手を一瞬後れて追った男の腕は、大きく逸れて体ごと
私の脇腹へぶつかった。そのまま椅子から転げるように崩れ落ちる男の下に
倒された。重い。体の下になった自分の腕には力が入らず、圧迫する男の体から
逃れることができない。
逃れる?私は逃れたいのだろうか。



47:46
10/01/17 22:58:50 P4XmwlUb

逞しいこの腕に抱かれるのは私ではない。そういつも自分を抑えてきた。
危ない禁断の深みに沈みそうな2人を見るたび胸が痛んだ。
何故私ではないのかと。
国王陛下の肉体的な欠陥を知らぬ側近はいない。
嫁いでも数年間少女のまま清らかだったあの方を恋い焦がれ、追い求める男。
何故・・ 
私は処女ではない。
どくん、と瞬時にあの日の疼きが甦った。
両肩を押さえられ、後ろから突き上げられ、羞恥と屈辱に耐えたあの日。
その後続いた亡き国王とその愛妾との月日が体に残したもの・・・

自由になる片手だけを逞しい男の背中にまわす。
ブラウス越しに背骨の窪みを指でなぞり、気が付いたように顔を向けた男に
口付ける。誘うように軽く。男の瞳には女の顔をした私が映っていた。
そのままどちらからともなく深く口付けた。侵入してくる男の舌に応える。
黒髪の幼馴染みとは違う感触。俺ではだめかと激しく問うた男にも
何も言わず飛び出してきた。きっと心配しているはずだ・・
浮かびあがった面影を胸に閉じこめた。



48:46
10/01/17 23:00:26 P4XmwlUb

寝室で服を脱がされても、何故か正面から顔をあわせることができなかった。
視線をそそらしたまま胸毛の手触りを楽しんでいた私の手を取り、
彼は自身の熱さを示すように握らせる。
これが・・想像したことが無いといえば嘘になる。
熱い視線は私を通り過ぎ、いつもあの方へと向かっていた。
胸の先端を吸われるとため息が漏れた。胸から脇へ、脇腹から臍へと
唇が降りていく。自分が熱く潤んでいるのがわかる。
今、私は彼に女として抱かれようとしている・・
内股から恥骨へそして又内股へと手のひらで撫で上げられると、ざわざわと
とした感覚が足下から這い上がってくる。私の中心が潤んでいることを
確かめると、そのまま彼は体を重ねてきた。
膝裏から差し込まれた手で引き上げられた片足の指先が、心許なく宙を彷徨って
いる。中に擦れる彼自身が熱い。
耳元で荒くなる息使い・・

・・こんなものだろうか。
恋しいと初めて思った男の胸に抱かれたのに。
酒の為かそのまま眠りについた男は少しやつれた頬をしていた。

身支度を整えてひとり友人の私室から出た私に、彼のじいやが、迎えが
来ていることを告げた。
迎え?何も言わずに出てきたのに・・・
案内された控えの間には、いつもは友人の私室に一緒に入る黒髪の従僕が
待っていた。従僕は無表情のまま立ち上がると、馬車を用意してくる旨を
じいやに告げ、私と目を合わせることなく部屋を出ていった。



49:46
10/01/17 23:02:16 P4XmwlUb

馬で帰るという私を無言で馬車に乗せた男は、御者台に座った。
男の青ざめた顔は私の事なら何でも知っていると言っているように見えた。
恋しい男に初めて抱かれた余韻より黒髪の従僕の様子に胸が痛む。
俺ではだめかと激しく抱きしめられたあの日から、幾度となく夜を共にした。
私の望むままに、優しく激しく抱きしめてくれる。
あの熱さを望む時には何時でも・・そう思っただけで体の芯がうずく。
そんな自分の淫らさがたまらないが、一度感じた体のほてりは埋み火のように
静まることはない。

屋敷に着くには早すぎる時間で馬車が止まると、着いたのは屋敷ではなく、
パリ郊外の小さな館だった。
確か先代の当主が身分の低い愛人の為に買ったという館で、今ではほとんど
使われていないはずだ。私も一度だけ、士官学校入学前、姉上の買物でパリに
来た時、何かで寄ったことがあるだけで、存在自体忘れていた。
だが、確かに今屋敷へ帰りたくは無い。
小さな馬車寄せに出迎えた使用人は老夫婦だけだった。
緊張しているのだろう、たどたどしく出迎えの挨拶をする。急なことで何も
準備出来ないことを必死に謝っている。
出された食事は質素で、給仕にも馴れてはいないようだ。
食欲もなかったので早々に部屋へと案内させた。ベルサイユの屋敷とは
比べるまでもないが、この屋敷の中では一番なのだろうと思われる
用意された部屋で軍服を脱ぎ部屋着に着替える。
黒髪の従僕の姿はそこにもない。
問いかけると、馬車を片づけて外の仕事をしていると言う。
後でワインを持って部屋へ来るように伝えた。



50:46
10/01/17 23:05:42 P4XmwlUb

ノックとともに、黒髪の従僕が無言のまま部屋へ入ってきた。
テーブルへグラスを置き、ワインを注ぐ。
その長い指先を見ながら、問いかけた。
「何故?」
「・・・」
「彼を訪ねたことが?」
「志願されたことを聞いたから」
「ここへは?」
「遅く・・なるかもしれないと、屋敷ではない方が良いと思ったから」
語尾が震えていると思ったとたん、大きな手で二の腕を捕まれ揺さぶられた。
「何故だ!! 何故、今、俺を呼ぶ!」
腕が痛い。燃えるような黒い瞳が青ざめた炎を放っていた。

着替えたばかりのブラウスが音を立てて引きちぎられた。
そのまま寝台へ押し倒されると、裂けたブラウスで両手を後ろ手に
縛られた。拘束されたことより男の瞳が不安だった。
乱暴にコルセットとキュロットを脱がされ、大きく足を広げられる。
見られている。他の男に抱かれた後の体を確認されているようで視線が痛い。
そのまま男は何かを確かめるように私の中心を割り開き差し込んだ舌で
舐めあげたものを唾液とともに寝台の横へ吐き飛ばした。
「あの屋敷で待っている間も、ここまでの御者台でも必死で自分を押えた!
俺を部屋へ呼べばどうなるのか判っていただろう」
穏やかな男だと思っていた幼馴染のこんなに激しい一面を見たのは初めてだった。
恐怖と同時に下腹が熱くなる感覚に体が震えた。



51:46
10/01/17 23:08:24 P4XmwlUb

カーテンの飾紐で両足を寝台に固定されると、開かされた足を自分では
閉じることもできなくなった。そのまま体の下になった手の周りに羽根枕が
敷き詰められた。それは足を広げたまま腰を突き出す形になり、羞恥に目眩が
する姿だった。はりつけられた標本のように動くことも出来ない私の肌を、
男の指が辿っていく。
くすぐったさとじれったさが交錯し、動けない不自由さが快感を増幅する。
「伯爵にどんなふうに抱かれた?」
「・・・・」
「優しくしてもらったか?」
「・・・」
優しく問いかける言葉とは裏腹な、ぎらぎらとした黒い瞳から目を逸らすことが
できない。無言のまま息を呑む私の頬を両手で挟み男は耳元で囁いた。
「でも、まだ満足していない・・
だから俺を部屋へ呼んだ・・・そうだろう。
ここには誰もいない。管理をしている老夫婦は別棟でもう休んでいる。耳も遠い。
この部屋でどんなに声をあげても誰にも聞こえない」
既に立ち上がっている胸の先端を指で弾かれると、自分でも驚くような
大きな声が響いた。
そう、何時も声を抑えてきた。屋敷では誰に聞かれるかわからないから。
でも、お前を部屋へ呼んだのはそんなつもりでは・・・なかった・・
そうだろうか。 本当に・・?
否定する気持ちを自問していると、左足の小指にぬるっとした暖かさを感じ
思考が飛んだ。男は足下へ移り指の間の薄い皮膚に舌を這わせている。
足先から這い上がる感覚が痺れるように増していく。指先を吸い込まれると、
動かせない足が紐に食い込む程引きつり、快感は弾かれた乳首へと突きあがる。
抑える必要のない自分の嬌声がさらに感覚を高ぶらせる。
そして臑へ、内股を下から上へ舐めあげられる。触れて欲しいと思う場所の
ほんの少し手前まで。
何度かそこで止められると、その先への刺激が欲しくて自然に腰が浮きあがる。
「あ・・あ・・もう・・」
「・・・」
いつもなら促す間もなく望む場所に愛撫を移す男は、焦らすようにその場所へは
触れてこない。
もう限界だった。追いつめられて男の名前を呼ぶ。
「 ・・何? どうして欲しい?」
分かっていて聞く男。 躊躇う余裕もなく言葉にする。
このままでではおかしくなってしまう・・
小さな声で伝えると、やっと待ちわびていた小さな核を吸い上げられた。
「ああああああっ!」
全身がががくがくと震え、頭の中が真っ白になる快感に呑まれた。



52:46
10/01/17 23:11:48 P4XmwlUb

荒い呼吸を繰り返す私の足から紐を外した男は、そのまま私の膝を立て
達したばかりのそこへ息を吹きかける。それだけでも駆け上がる快感に
声が抑えられない。
「濡れて光ってる。とても綺麗だ。ひくひくと淫らに俺を誘っている」
シーツを汚す程濡らして言葉で責められ、尚このまま奥の疼きを沈めて
欲しいと願う自分はなんと淫蕩な人間なのだろう。
それでもこのまま私をいっぱいに満たして欲しかった。
いつものように優しく抱きしめて欲しいと思っていた私は、俯せにされた。
やっと手を解いてくれるのかと期待したが、男は無言のまま腰を持ち上げ
膝を立てさせた。
いやだ!!
自由にならない腕のせいで、頭から寝台に突っ込む形の顔を捻り視界の端の
男に抗議する。この体勢を嫌いなことは知っているはずなのに、何故。
「おまえの全てがみえる。
赤くふっくらと開いた薔薇もその上の小さな菊も・・」
自分でも見たことのない恥ずかしい場所を凝視され、言葉にされる
恥ずかしさに体が燃えるように熱い。
「本当はいやじゃないはずだ。」
熱い塊に押し広げられ突き上げられると、全身の毛穴が総毛立つ。
体の内側がお前を求めて蠢いている。
このまま満たされたい思いだけが私を支配している。
「本当にいやなら、こんなふうにはならないはずだ」
激しく動きながら、腰をつかんでいたはずの男の手に小さな芽を摘まれると
目の前に火花が散った。



53:46
10/01/17 23:14:37 P4XmwlUb

胸が燃えるように熱い。
目を開けると胸の上に黒い頭が見えた。
両手でそれぞれ両方の乳房をもみ上げられ。敏感になっている乳首を
交互に吸われている。
自分が意識を失ってしまっていたことに気が付き、黒髪に手を差し込む。
男の名前を呼ぼうとして、両手が自由になっていることに気が付いた。
乳首に歯を立てられ名前呼んだつもりの声はそのまま意味の無い喘ぎ声にしか
ならなかった。
男の瞳が私をとらえる。
ぎらぎらとした青い炎は消えていた。
苦しいほど悲しく優しい瞳で見つめられ、抱きしめられたまま口付けを交わす。
口内を深く探り、舌を絡め唾液を交換する口付けに熱が籠もる。
体中が敏感になっていて、どこに触れられても、何をされても身をよじるほどの
快感が駆け抜けた。
体の中心に深く男を受け止め、ゆっくり動き出す男の腰に足を絡める。
浅く深く何度も抜き差しされ、絡めた手足で高まる感覚を伝える。
あ・・んあぁ・・
お前の腕の中で上りつめる高揚感に包まれた。


「愛している。 ・・・誰にも渡さない。俺のものだ」


      おわり


54:名無しさん@ピンキー
10/01/18 10:58:07 3sWNxYwM
46タン
GJ!

55:名無しさん@ピンキー
10/01/18 12:35:59 liGzWs8W
46タソ
ごっそーさまでした
GJ!

56:名無しさん@ピンキー
10/01/18 18:36:42 Fu+5BSkK
46タン
GJ!
萌え。


57:名無しさん@ピンキー
10/01/18 20:22:05 vhGCxgKt
ぶっちゃけ、エロパロどころか小説書いたことがないのですが。
アニメネタでちょっと思いついたのを書いてみます。

ジャルジェ将軍はジュローデルの報告を聞いて驚いた。
娘が、着飾ってブイエ将軍の舞踏会に参加したはずの娘が、軍服姿をして現れ、
しかも主催者であるブイエ閣下に挨拶もせずにその場を去ったと言うのである。
暴漢に襲われた痛みが酷く疼き、兵の前では厳めしい顔も弱気な表情を浮かべていた。
「いや、何も言いますまい」
将軍は呻いた。
「私が正しく、あれが間違っている、そうとも限りません。
娘は子どもの頃から自分を抑え、他人の気持ちを思いやる、優しい子でした」
一人の父と求婚者は、もうこの結婚話は諦めざるを得ないとの思いを強くした。


:::::::::::::::

「何卒、アルデロス公護衛の際のB中隊の成果に免じて、何卒」
「オスカル君、君の父上とは古くからの友人だ。
しかしね、国家から支給された銃を兵が売って、銃殺というのは動かしがたい。
それに…
君のことは今までどれだけかばってきたか、分かってくれていると思ったが」
「はい、ブイエ閣下には今まで様々なご温情をかけて頂いておりました。
不義理も致したこともございます。
それに関してはお詫びのしようもございません」
不義理とは、先日ブイエがオスカルのために開いた舞踏会のことだ。
「ふうむ…」
ブイエ将軍はオスカルの顔をじろじろと眺め回し、
視線をつま先にまでゆっくりと移動させ、またゆっくりと顔にもどした。
そのまなざしに尋常ではないものを感じて、オスカルはたじろいだ。
「君が、どこまで本気なのか、その覚悟によっては考えても良い」
オスカルの顔が一瞬青ざめた。
しかし、部下の人命がかかっているのだ。
どんなことでもしよう、そうオスカルは覚悟を決めた。


58:名無しさん@ピンキー
10/01/18 20:46:16 vhGCxgKt
ブイエ将軍はオスカルの返事を聞いて満足げににやりと笑った。
そして、衛士たちに下がるように命じた。
部屋の中に二人きりになると、ブイエ将軍はゆっくりと椅子から立ち上がり、
オスカルに近づいた。
オスカルは足の震えが止まらなかったが、気取られてはならないと必死で
平静を装った。
ブイエの手がオスカルに伸びる。
その手はオスカルの肩にかけられた。
「部下の責任は上官の責任、先ほど君はそう言ったね?」
間近で話しかけられ、ブイエの加齢臭の強い口臭が鼻をつく。
「はい」
「では、軍を去ることも覚悟の上だろうね?」
「もちろんでございます、閣下」
オスカルの語尾が震えた。
「そうか」
ブイエは満足げに頷いた。


59:名無しさん@ピンキー
10/01/18 21:12:01 vhGCxgKt

「私はね、部下の結婚をまとめるのが得意でね」
「は?」
「君の結婚をまとめれば、めでたく20組目だったのだよ」
「それは、知らずに失礼を致しました」
「20組目は、ほかならぬジャルジェ君の娘だと、妻とも喜んでいたのだ」
「は…」
「君は、お父上がどれだけジェローデル君との結婚を望んでいたか、知らんだろうが、
私はよおく知っている。
あの舞踏会も、ジェローデル君を君に見直させる為のものだった、
そこまで言えば分かってくれるかな」
ブイエはそこまで言うとオスカルから手を離した。
「オスカル君、君のお父上も君のことを武官として潮時だと考えておられる。
軍を辞め、ジェローデルと結婚したまえ。
それが、ラサール・ドレッセルを無罪釈放する条件だ」
オスカルの唇がぶるぶると震えた。
先ほどの覚悟を口にした以上、もはや嫌というわけにはいかなかった。

B中隊の兵舎は、ディアンヌの結婚についての話題でもちきりだった。
残念そうな口ぶりで彼女の結婚を祝う兵士たちだったが、その顔には一点の曇りがあった。
ここにラサールもいたら…
誰もが口に出さない。
しかし考えていることは同じだ。
その時、大声が上がった。「ラサールが帰ってきたぞ!」

隊長室でオスカルはぼんやりと窓の外を眺めていた。
ノックの音で振り返ると、開け放したままのドアの前にアンドレがいる。
「オスカル、アランがここに謝りに来ただろう?」
「ああ。
『俺が銃を売るときもよろしく頼む』と言われた」
オスカルの暗く沈んだ声にアンドレは驚いた。
「オスカル、何があった?!」
オスカルは大きく息をついた。
「私はそう簡単には嫁に行かぬ…つもりだった…。
だが、世の中はそんなに思い通りにゆくものではないな…」
「…え?」
「アンドレ、私は今月いっぱいで軍を辞める。
来月にはジェローデルと結婚だ」
ジェローデルの名前を聞いたとたん、アンドレは総毛立った。
オスカルが近衛にいたころから、ジェローデルがオスカルに送る眼差しが不快だった。
貴公子然とした女のような顔で、オスカルの気を引こうとする態度や、
アンドレに対する細かい嫌みがカンに触った。
オスカルに持ち上がっていた結婚話とは、ジェローデルとのものだったのか!
全く見ず知らずの相手であれば、これほどの嫉妬と怒りはなかっただろう。
アンドレは息を荒くして、かすんでいるオスカルの後ろ姿を見つめた。
手がぶるぶると震えながら、オスカルに伸びようとしたその時、
心の中で「触るな! 俺は二度とこんなことはしないと誓ったはずだ!」という
叫びが聞こえた。



60:名無しさん@ピンキー
10/01/18 21:50:31 tVtXNxNS

書いてくれる心意気は素晴らしいが
最初にカップリング書いてください

61:名無しさん@ピンキー
10/01/18 21:52:17 vhGCxgKt
>>60
すみません、B×Oと見せかけて、A×OとJ×Oです。

62:名無しさん@ピンキー
10/01/18 22:02:09 sx50rfyo
AO以外は
必ずカップリングを書いて下さい


63:名無しさん@ピンキー
10/01/18 22:21:20 vhGCxgKt
>>62
はい、今後気をつけます。


どうやって兵舎に帰ったのか、よく覚えていない。
夕食は腹が痛いと言って食べなかった。
皆が食堂に行っている間、一人ベッドに転がっていると、
近衛だった頃のオスカルに供をしていたことが思い出される。
ジェローデルがオスカルのことが好きだというのは知っていた。
やつとは天と地ほど身分の違いがあったが、
オスカルを手に入れられないという点では同等の立場だったはずだ。
いや、自分のほうがオスカルに近い分、優越感すら感じていた。
それでも、時折オスカルを見るジェローデルの目が潤み、
股間が膨らんでいた時などは、殺意を覚えた。
 -俺が睨む目をそらそうともしなかった-
その時のことを考えると、今でもなぜあのとき殴らなかったのかと後悔する。
いや、後悔するとすれば…
一度だけ見たオスカルの乳房をアンドレは脳裏に浮かべた。
あの時は、まだときどき目が霞んでいたとはいえ、まだ今よりはだいぶはっきり見えていた。
どうしてあんなことになったのだろう。
記憶をたぐってみる。
 -オスカルは俺の頬を打って襟首に掴みかかってきた。
 その時、指先が、確かにのど元に、ほんの僅かだが触れたはずだ。 
 あんなに顔が近づいたのは、子どもの時以来ではなかったか。
 手首を掴むと、細さに驚いたー
そこまで思い出すと、ため息が漏れる。
「答えろ、アンドレ! 返答次第では…」
答えは言葉にならなかった。
口づけで答えるしかなかった。
女にキスするのすら初めてだった。
どうすればよいのかも分からず、ただ自分の唇でオスカルの唇をまさぐった。
オスカルは抵抗していたつもりだったのだろうか。
あまりにも簡単にベッドに押し倒せたことに驚いた。
白いうなじが鼻先にあり、無我夢中でそれに舌を這わせたはずだ。
もっと柔らかい部分へ…
その衝動がつきあげて、ブラウスに手をかけると、それはあっけないほどたやすく破れ、
思いがけないほど鋭い音を立てた。
その時、アンドレの中で何かが崩れ落ちたのだった。
見ればオスカルは泣いていた。
その時に見た丸い乳房とその上に慎ましく乗った乳首が今でも目に焼き付いている。

あの時は、それ以上のことはできなかった。
できるわけがなかった。
 -オスカル、ごめん-
アンドレは右手を下腹部に伸ばした。猛りきったものがそこにはあった。


64:名無しさん@ピンキー
10/01/18 22:31:05 d7u48J8m
>>63タソ、気にしない
投下、楽しみに待ってるよ。

投下中、ぶった切ってごめん


65:名無しさん@ピンキー
10/01/18 22:47:39 vhGCxgKt
>>64さん、ありがとうございます。
最後まで書けるようにがんばります。
で、でもなんだかエロくならない…難しいですね。


あの時以来、アンドレは一人きりでオスカルを思うとき、
あの乳房をいつも思い浮かべる。
想像の中で、あの乳房をゆっくりと掌で転がし、口づける。
何度もした空想の中で、それは次第にくっきりとした感触を伴うものになっていた。
オスカルはもう泣いてはいない。
静かに自分に身を任せている。
はっきりと分からない秘所は、何かで読んだ「熱くてぬめったところ」という説明で
想像を補う。
思い切り抱きしめて脚の間に分け入り、あらんかぎりに狂おしく腰を動かし、
二人が繋がっている部分に意識を集中させる。
オスカルの腕が自分の背中に回っている、そう思うと余計に熱い気持ちが高まった。
想像の中とはいえ、心の中には罪悪感がある。
それを押しのけるように、最後にアンドレはつぶやく。
「愛している…」。

全てを放出し、後始末をするとどうしようもない自己嫌悪がいつものように襲ってきた。
そもそも、なんでオスカルに結婚話が来たのだろうか。
アントワネット様の護衛として男として生きるとオスカルが誓ったのは、
彼女が14の頃だ。
もしも、女として生きることをあの時点でオスカルが選んでいたら、
結婚の準備が進んでいたことだろう。
まだ、月のものが始まったばかりの堅い蕾がどこかの貴族の男によって
無理矢理こじ開けられていたはずだ。
そのことは、あの時すでにアンドレには分かっていたが、今のように生々しい形で
自分をさいなむことはなかった。
まだ、男と女が体を重ね合うということに現実味を感じていなかったこともある。
のちのち、あの時の彼女の決断を思い出すと、危なかった…と冷や汗が出てくる。
そして、フェルゼン…
オスカルの気持ちが彼に傾いていたことは知っている。
フェルゼンが王妃の愛人でありながら、自らもまた何人もの愛人を囲っていたことは、
世事に疎いオスカルは知らなかったが、アンドレの耳には入っていた。
なんであんな女癖の悪い男に、と苛立たしい気持ちを抱えながらも、
嫉妬のあまりそれをオスカルにぶちまけることはできなかった。
オスカルの潔癖さや、家に対する責任感はフェルゼンに体を求められてもきっと拒む、
そういう確信がアンドレにはあった。

66:名無しさん@ピンキー
10/01/18 23:14:32 vhGCxgKt
思えば、オスカルはもう自ら男として生きることを選んで、20年近く経つのだ。
結婚話などないとずっと安心しきっていた。
先日の舞踏会、オスカルが「あんなもの、ばかばかしくてまともに参加できるか!」
と帰ってきてから強気に笑っていたのを見て、
やはりあれは何かの間違いだったのだと安堵したのに、やはり結婚話は進んでいたのだ。
 -オスカル、なぜ…-
そう思うと涙が流れてくる。
俺のせいだろうか、とアンドレは自問自答する。
 -あの夜、俺がおまえを汚そうとしたからか?-
ふと思いついたその考えに彼は戦慄した。
 -俺に汚されることを恐れて、その前に結婚、…か!?-
だとしたら、自分は一時の激情でなんと取り返しの付かないことをしたのだろう。
彼の顔は青ざめ、自分の胸の前で両手を交差させて二の腕を掴んだ。
二度としない、神に誓うと言ったあの言葉はなんの効力も持たなかったのか。
オスカルは俺に供をさせないだけではなく、二度と届かないところへと行ってしまうのか。
足下から地面が崩れ落ちるような錯覚を感じながら、アンドレは隊員達が夕食から
帰ってくる足音を聞いていた。

皆が寝静まったあとも、アンドレは眠れなかった。
兵舎の同室にはひどい鼾をかくものが数名おり、彼の寝返りやため息などは
その騒音でかき消された。
 -なぜ、ジェローデルなんだ…?-
他にも貴族の男はいくらでもいるだろう。
フェルゼンは外国人だから論外とはいえ、よりによってジェローデルとは。
オスカルが彼を選んだのだろうか。
俺があれほど忌み嫌ったジェローデルを、オスカルは愛するとまで言わなくても、
夫として好ましく思っていたのか。
十代の頃と違い、結婚の意味がぬらぬらとした感触で迫ってくる。
ジェローデルがオスカルの夜着を剝ぎ、あの自分しか知らない乳房に口づけし、
そして、全く知らない場所をじっくりと見つめ、指でなぞり、口づけし、舐め回す、
あの、ジェローデルが!
あまりにもおぞましいその想像は、いくらやめようとしても頭の中で止まることをしらなかった。
彼はまた手を怒張した下半身にのばした。

67:名無しさん@ピンキー
10/01/18 23:51:01 vhGCxgKt
「マドモアゼル!」
明るい声がオスカルの後ろから聞こえた。
見ればそこには明るいジェローデルの笑顔がある。
「ドレス姿も素敵です。最近流行のシュミーズドレスというのですか、
口の悪い平民どもは女王陛下のシュミーズドレスの肖像画を寝間着姿と勘違いして
大騒ぎしておりましたね」
オスカルは自分のドレスの裾を見て力なく首を振った。
女に戻る練習として、毎日家ではドレスを1時間ほど着る。
あまりコルセットがきついドレスはフェルゼンと踊ったときに死にそうだった。
それでも愛している相手と踊るためならばとあの拷問のようなコルセットをはめたのだ。
今はどう考えてもシュミーズドレスが限界だった。
ドレスを着ているときは、自分の部屋に籠もりきりとなる。
できれば誰とも顔を合わせたくなかった。
しかし、求婚者から婚約者へと格上げになった男を通さないというのも憚られる。
「このようなもの、私が着たところで世間の物笑いだ」
オスカルは誰に聞かせるともなくつぶやいた。
化粧をしていない顔はシュミーズドレスの軽さに合い、まさしくシルフィードだ。
「なんということを。
あなたはご自分の美しさがわかってらっしゃらないのですか?」
ジェローデルはそう言ってオスカルの腰を抱いた。
いつもの婚約者としての儀礼的なキスがオスカルの頬に触れるはずだったが、
思いがけずその口づけは彼女の唇をゆっくりと覆った。
優しく、そっと置かれた唇に戸惑っている彼女の体を抱いているジェローデルの腕に、
思いがけず強い力が入り、オスカルは驚いた。
身をよじろうとしたが、着慣れないドレスのために上手く動けない。
舌で唇を舐められ、そのまま口の中にねじ込まれる。
苦しい。
なんとかジェローデルの胸に手を置いてキスを引きはがす。
「な、何を…」
「男女のキスにすら、慣れていないのですね、美しい方」
ジェローデルはいとおしそうにオスカルの顔を両手で挟んだ。
「そんなあなたにこんなことをするのは心苦しいのですが」
彼はすっと足下にかがみ込んだ。
ドレスの裾をまくり上げると、いきなりむき出しになった下腹に舌を這わせた。



68:名無しさん@ピンキー
10/01/19 00:25:49 HGT6SRmM
「何をする!」
オスカルは後ろに飛びずさってドレスの裾を元に戻した。
「結婚までは…そのようなことは…」
式は2週間後だ。
その時まで、自分の体は自分のものであるはずだ。
「あなたを汚すようなことは誓って致しません」
貴公子としてのほほえみを崩さず、ジェローデルが歩を進めた。
「ブイエ閣下から、あなたが私との結婚を実は望んでいると聞いたときの、
あの私の天にも昇る気持ちが、あなたにお分かりでしょうか。
一度はあなたをあきらめた。
だが、あなたのほうから私を求めてくださった、その気持ちに応えたいだけなのです」
じりじりとオスカルに近づく男は、その視線に遠慮というものがなかった。
こういう無遠慮な視線から、今までどうやって自分は身を守っていたのだろう。
そう思うと、なぜかアンドレの顔が脳裏に浮かんだ。
 -アンドレか-
アンドレが今まで、この視線を蹴散らしていたのだ、オスカルは初めてそのことに気づき、
愕然とした。
「汚したりしません。お約束します」
ジェローデルはそばにあったソファにオスカルを抱いて倒れ込む。
普段、男物の服で隠されていた胸元が大きく開いている。
そこにジェローデルの荒い息が熱くかかる。
「い、嫌…!」
「恥ずかしがらないで、可愛い人」
「人を呼ぶぞ!」
その言葉は前にも確かに、言った。
ただし、この男が相手ではなかったはずだ。
「大丈夫です、あなたがどのように大きな声を出されても、ご心配なさらぬようにと
お父上には申し上げておきました」
 -父上が…-
もうだめだ、オスカルは観念した。
ジュローデルの女と見まごう細い指がオスカルの鎖骨をなぞった。
「ずっと、こうしたかったのですよ。
ここに愛の印を付けるのは、まだ未婚のあなたにしてはならぬことでしょう」
そういうと、ジェローデルはオスカルの胸元をまさぐって乳房を露わにした。
「素晴らしい。想像以上です」
乳首を軽くついばむと、そこはみるみる尖り、堅さを増した。


69:名無しさん@ピンキー
10/01/19 00:48:16 HGT6SRmM
「そんなに暴れないで、あなたの美しさを賛えているだけなのです」
そういいながら、男の手はドレスの裾を手早くたぐると、金色の茂みへと指を進めた。
「おや。こんなことになっていますよ」
ジェローデルの声がはずんだ。
信じられないことに、オスカルの花びらは濡れそぼり、蜜を滴らせていた。
「ああ。私は愛されている。
本当は心配だったのです、あなたの心が他の男のものになってはいないかと」
オスカルの体がぴくりとする。もしや、フェルゼンのことか?
「あの、あなたがいつも連れている従僕、アンドレと言いましたか、
私はあなたがあの男に密かに心を寄せているのではないかと、それだけを
心配しておりました。
いつぞや、あなたをこのお屋敷までお送りすると言ったときも、
心はあの男への疑念と嫉妬で揺れていました。
でも、あなたが選んだのは、私だ!」
そういうとジェローデルはドレスの裾の中に顔を潜り込ませた。
両腕でオスカルの太ももをしっかりと抱えると、舌で最も敏感な場所を探り当て、
念入りにねぶった。
オスカルは不意に出たアンドレの名前に動揺していた。
自分が本当に愛していたのは、人生も片目も差し出してくれた、
あの幼なじみではなかったのか。
突然気づいた自分の気持ちに、オスカルは呆然とし、がくりと体の力を抜いた。
それを自分への服従と取り違えたジェローデルは嬉々として乳房をそっとつかみ、
乳首を指で転がした。

オスカルが絶頂に達したのを見計らって、彼は荒い息をつきながら体を引き離した。
「結婚前にあなたを汚さないとお約束しましたから」
そういって自分の乱れた髪をなでつけ、次にオスカルの金髪をその手に巻き、
香りを嗅いだ。
「今日はもうこれでおいとま致します。
また明日来ます。私のオスカル・フランソワ」
婚約者がそう言って部屋を出て行った時には、すでに日はとっぷりと暮れていた。

オスカルは泣いていた。
自分にとって一番大切な人が誰だったのか、それを知ったときにはすでに遅すぎたのだ。
(一応の了)

70:名無しさん@ピンキー
10/01/19 09:35:52 tYqe3Eta
GJ!
気が向いたら
続きをお願いします


71:名無しさん@ピンキー
10/01/19 11:51:25 tKFTuDGs
>>70
ありがとうございます。
もうちっと書いてみました。


アンドレはオスカル専用の厩舎で寝転んでいた。
ここにはつねに僅かな馬しかいない。
昔から一人になりたくなるとここへ来た。
どうせここに来るのはオスカルと自分だけだし、
オスカルに家庭教師がついている時は確実に自分だけの場所だ。
屋敷であてがわれている部屋は執事やメイド頭の祖母に続いて良い部屋とはいえ、
所詮は使用人部屋で、いつ呼び出し鈴が鳴るかと落ち着かなかった。
寒くない季節になると、ここで夜明かしすることもしばしばだ。
先ほどまで、頭の中で何度もオスカルを抱いた。
それも、手ひどく乱暴に。
自分の体の下に組み敷いたほっそりとした裸体は悶えながらも淫らに絡みついてくる。
それが現実にはありえないことだとしても、せめて今はそれで自分を慰めるしかない。
二度の射精の後の気だるさが一気に襲ってくる。
そうしていると、先日のアランとの会話が思い出されてきた。

「休暇って、何があったんだ? ずいぶん浮かねえ顔じゃねえか」
「ああ、アラン。
ディアンヌの結婚祝いだけど、もうみんなに渡しておいたよ。
こっちもおめでたい話なんだ。
…オスカルの結婚が決まって、それがかなり急ぐんだ。
お屋敷では人が足りないということで呼び戻されたんだが、
落ち着いたらまた帰ってくるよ。
そうそう、オスカルは今月いっぱいはここにいるそうだ」
努めて明るく振る舞ったつもりだったが、唇のこわばりは隠せない。
「おい、アンドレ!」
アランは激高した。
「おめえは、それでいいのか? あの女におめえは…!」
「もう、いいんだ。というより、最初からなんの望みもない相手だったんだよ、
オスカルは。
ラサールも帰ってくるし、二つも結婚式が重なるなんて、こんないい話…」
少ない身の回りの品を整理しながら、アンドレの目からはとめどなく涙が流れ落ちた。
「…あの女! ぶん殴ってくる!」
飛び出そうとしたアランをアンドレは止めた。
「やめてくれよ、アラン。いくらオスカルが男みたいだとはいえ、
婚約中に殴り合いで顔に痣をつくるわけにはいかないだろう?」
冗談めかして言ってはいたが、涙は止まらない。
「おめえはそれでいいのか?」
「もちろんだよ、アラン。アランだってディアンヌの結婚がちょっと寂しいんだろう?
俺だってそんなものさ」
アランはそこに立ち尽くした。
アンドレの気持ちが自分と全く同じなわけがないことは十分に通じてくる。
だが、一度決まった貴族の結婚が、自分の拳でなんとかなるわけがない。
乱暴に口元に笑みを浮かべ、ぼそりとアランはつぶやいた。
「ま、しゃあねえな…」

72:名無しさん@ピンキー
10/01/19 11:52:40 tKFTuDGs
もう夕刻を過ぎている。
屋敷に戻らねばと体を起こし、植え込みの間をひょいひょいと近道をする。
向こうから来る馬上の人影を認めて、アンドレは道を空けて頭を垂れた。
「おや、アンドレだね」
その声は、いくら憎んでも飽き足らないジェローデルだ。
どんな毒のある言葉を吐かれるのかとアンドレは緊張する。
ジェローデルは婚約者の、今は片目となった従僕を眺め回した。
かつては、こいつとオスカル嬢をはりあったものだ。
しかし、彼女をこの手に抱くことを望めないという意味では、
なんと空しいつばぜり合いだったことか。
今となってはこいつを哀れんでやってもいい。
「君のご主人は、貞淑な人だ。キスにすらあんなに狼狽えるなんて。
君のおかげだ、今まで彼女に男を寄せ付けなかった、君のね」
アンドレは答えない。黙って頭を垂れたままだ。
ジェローデルの中でこの従僕をからかってやりたいという気持ちがもたげてきた。
「まあ、キスと言っても、上の唇だけでなく、下の唇まで奪ったのがいけなかったのかな。
もちろん、あの人の純潔は新床まで取っておくつもりだけどね」
アンドレが驚き、顔を上げる。
ジュローデルが続ける。
「私にだって、平民に憐憫するぐらいの情はある。
妻を慕う召使いを結婚後もそのままそばに置くぐらいはしてやってもいい」
アンドレの形相が変わった。
ジェローデルは思わずたじろいだ。
しかし、アンドレは声を震わせながらもやっとのことで声を振り絞った。
「正門はこちらからでございます」
所詮は従僕だ。ジェローデルは胸のすく思いだった。
以前、オスカルに
「自分が貴族などと言う面倒な家柄に生まれなかったら、
あなたの従僕にも馬丁にでもなってみせるのに」
と言ったが、それは間違いだった。
従僕ではあの美しい女神に求婚することすらかなわないではないか。
ジェローデルの姿を姿がすっかり見えなくなると、アンドレは生け垣の薔薇を
握りしめていたことに気がついた。
その刺は深々と掌に食い込み、たらたらと血が流れていた。


73:名無しさん@ピンキー
10/01/19 11:53:04 tKFTuDGs
「お嬢様、一日にほんの少しの時間だけでよろしいのです、
ドレスをお召しになってください」
「ふざけるな! あんな…あんなものが着られるか。
動きにくい上に、それに…」
ばあやの言葉に激しく応じたオスカルは、その後の言葉が紡げなかった。
昨日のことを思い出して、無防備すぎる、男の手がすぐに入ってくる…
とはさすがに言えなかったのだ。
ごく普通のローブ・デコルテなら、パニエに阻まれて容易に男の手は秘所に
達しないだろう。
しかしパニエを使うデコルテは女用のコルセットとセットになっている。
普段は男用のやや緩やかなコルセットしかしていないオスカルには
窮屈を通り越して地獄の責め苦だった。
かといって、シュミーズ・ドレスは論外だ。
あれは男の淫らな手の進入を易々と許し、あまつさえ唇や舌までもが好き勝手に
肌の上を這い回る始末だ。
その感触が生々しくよみがえり、オスカルは身震いした。
そこに一人の女中がやってきて、ジェローデルの来訪を告げた。
普段、オスカルに来客を取り次ぐのはアンドレだ。
オスカルは入れ替わり立ち替わり、さまざまな使用人に囲まれることが
あまり好きではない。
気に入った少数の者だけを常にそばに置くことを好んだ。
しかし、この来客をアンドレに取り次がせるのはあまりにも酷だ。
「私は熱を出して寝込んでいる。ジェローデルには帰ってもらえ」
オスカルがそう命じるのと同時に、女中の影から麗しい婚約者が現れた。
「では、あなたを見舞うことに致しましょう」

人払いをされた部屋で、オスカルは婚約者と対峙した。
「昨日のようなことしてみろ、ただでは済まさないぞ」
睨む顔もまた彫像のような端正さだ。
「なぜです。あなたは婚約者に接吻すら許さないとおっしゃるのですか?
それはあまりにも潔癖すぎる」
あれが、婚約者に与える口づけだろうか。
オスカルは屈辱のあまり歯を食いしばった。
ジェローデルは一歩一歩彼の女神へと近づきながら言った。
「まだ、体の芯に残っているでしょう?
私が与えたあなたへの賛美の証が。
あなたは私の愛撫で、処女でありながら女の快楽を得たのですよ?」
それは、紛れもない事実だった。
あの時、オスカルはドレスの裾をはぐった男の舌が与える執拗な責め苦に耐えかね、
すらりとした脚をあらん限り伸ばし、体をのけぞらせ、振り絞るような声を出して
全身を痙攣させたのだ。
何が起きたのかは分からなかった。
だが、それは自分の体が女だという紛れもない証なのだということが分かるのに、
さしたる時間はかからなかった。
しかし、それを知るのは結婚の後でも良かったのではないか?
なぜ、この男は私を愛していると言いながら、今このような無体を働くのだろう。
アンドレは違った、とオスカルは思う。
アンドレは一時の激情に駆られても、愛する女が嫌がっていると見れば
すぐに伸ばした手を引いた。
なぜ、この部下だった男は婚約者だと言うことを振りかざして自分を辱めるのか。

74:名無しさん@ピンキー
10/01/19 11:59:46 tKFTuDGs
一応、これでまた一区切りです。
もしも続きが思いつくようならまた書きます。

75:名無しさん@ピンキー
10/01/19 12:35:52 eGzaFX65
GJ!
続きも楽しみにまってる!

76:名無しさん@ピンキー
10/01/19 14:09:57 NmrhbDEe
どのSSもそうだけどオスカルがただ流されまくりだよね
エロパロだから仕方ないのかな
もう少し主体性を持ったオスカルのエロが読みたい
自分じゃ書けないので職人さん待ちだけど

77:名無しさん@ピンキー
10/01/19 14:30:31 tKFTuDGs
>>75では、またちみっと。
次の投下はおそらく夕方ぐらい(かも)。

>>76
初心者なので、他の方のを見本にして書いてます。
自分も職人さん待ちの一人です。

アンドレの様子は傍目には淡々としたものだった。
執事と一緒になって招待状の返事をより分け、このたび雇い入れた
臨時の使用人の配置を決める。
届いた祝いの品々のリストを作り、礼状をしたためる。
花嫁の気が変わることを周囲が恐れたため、あまりに急に決まった結婚は
もうあと十数日後に迫っていた。
あまりにその様子が静かだったために、誰もが彼の唇が僅かに動いているのに
気がつかなかった。
唇は、ずっと呪いの言葉を呟いていた。
「殺してやる、殺してやる、殺してやる」
しかし、それは呪っている本人にさえ成就の見込みがない呪いでしかなかった。

ジェローデルは、そもそもオスカルを怒らせるために狼藉を働いたのではなかった。
この結婚が決まってからというもの、彼は方々の知人友人から祝福と共に
様々な脅しを言われていたのである。
曰く「処女をあの歳まで守った女は、恐ろしい」。
女も何も分からぬ少女のうちに結婚すれば恥ずかしさも何もろくに分からず
夫に脚を開くが、十分に体が熟れてからの結婚だと拒み方が並大抵ではない、
というのである。
ある子爵夫人は美貌で聞こえていたが、30過ぎまで独身でいた。
結婚初夜に夫にのしかかられ、あまりの恐怖に夫の睾丸を蹴り上げたと
まことしやかに語られている。
「オスカル嬢も、おそらくその手合いだろう」
友人達は口々に無責任な話をする。
「かの子爵はそのまま男性機能を失って、夫人は生涯処女だったそうだ。
君もオスカル嬢に蹴り潰されないよう、気をつけることだ」
冗談ではない、とジェローデルは思う。
 -連隊長ならやりかねない-
そう考えるだけで、一物が縮みあがった。
「その子爵は愚かなことだ。
結婚前に十分花園を耕しておけば、初夜に十分な蜜を味わえたものを」
という者もいる。
その男は尼僧に懸想したことがあり、けしてあなたを汚さないからと
固く約束をして体の隅々までを舐めあげたことがあるという。
「何回か臥所を共にしたら、最初はあんなに拒んでいたのに、
最後には神を棄てるからお慈悲を、とまで叫んでいた」
にやにや笑いながら話すと、隣の者がその続きを促す。
「いや、さすがにこれ以上妾は増やせない。
清い体のまま修道院にお帰り願ったよ。
彼女もオスカル嬢と同じぐらいの年齢だった」
それを聞いて周囲はどっと笑う。
「ほう、それはちょっと聞き逃せないね。
そんな堅固な女性をどうしたらそこまで堕ちさせることができるのかな」
ジェローデルはその男に熱心に舌の使い方を聞いた。
今まで彼が相手にしてきたのはアバンチュールになれた奥方ばかりだった。
積極的に自分から女に何かをしたことなど一度もない。
何も知らない花嫁に自分が快楽の手ほどきをする、それはめくるめくような
今まで見たことのない世界のはずだ。

78:名無しさん@ピンキー
10/01/19 20:09:54 tKFTuDGs
昨日は不意を突くことができた。
まくり上げやすいシュミーズ・ドレスであったことも幸いした。
しかし、今日、美しい婚約者は眉をつり上げてこちらを見据えている。
下手に抱きつけば組み討ちを仕掛けてきそうだ。
剣ならともかく組み討ちならばこちらにも分はあるが…
と考えたところでジュローデルは可笑しくなった。
少なくとも自分はそんなことをしに来たのではないのだ。
それにしても、やはり処女を頑なに守る女というのは、男を手こずらせるものだ。
「わかりました。今日はあなたに手を触れないことにしましょう。
それをもって私の誠意とさせてください。
しかし、マドモアゼル、あなたはなんと酷い仕打ちを男になさるのでしょうね。
男が一度愛しい人の肌に触れ、その後触れることを禁じられたら
どれだけ苦しむとお思いですか?
今、私の理性を支えているのはかろうじて結婚式が近いということだけですよ」
ジェローデルが語っていたのは、自分自身のことだったが、オスカルには
アンドレのこととして心に響いた。
 -男が一度愛しい人の肌に触れ、その後触れることを禁じられたら…-
それは正しくアンドレのことではないか。
アンドレは苦しんでいるのだろうか。
もしも今でも心が変わっていないのなら、いや、変わるはずなどない。
さらにこの結婚がどれだけ彼を傷つけているだろうか。
沈み込むオスカルを見て、ジェローデルは言葉を続けた。
「ほら、あの長椅子をごらんください。
あなたと私が昨日愛を交わしたあの長椅子を。
あなたは私の手の中で、やわやわと溶けてしまいそうなほどだった。
愛の女神だってあんなに美しい乳房はおそらく持っていますまい。
その頂に咲いた薔薇を口に含んだとき、あなたは体を反らせて男を惑わす吐息をはいた」
「やめろ。そんな話は聞きたくない!」
聞いていると、脚の付け根にある小さな裂け目が疼き、震えてうねり出す。
ジェローデルはそのまま話を続ける。
「絹糸を集めてできた草叢には、私の渇きを潤すための泉が用意されていたはずです。
私の魂はあの泉に湧いた蜜でしか癒せません。
私ひとりのために、あの蜜はこんこんと湧き出ていた、
違うのですか、マドモアゼル?
あの泉に口を付けて飲み干すことが、あなたにとって歓びではなかったと?」
「やめろ! この部屋を叩き出されたいか!」
オスカルの顔が怒りでか羞恥でか、みるみる紅潮した。
 -やはり恥ずかしいのだ-
そうジェローデルは理解した。
「分かりました。私はお父上とお茶でも飲んで参りましょう。
今日はあなたの機嫌を損ねてしまったとお詫びを申し上げねばならない」
やっと、ジェローデルが出て行ってくれる。
そうほっとしたオスカルに、部屋を出る間際、ジェローデルは告げた。
「愛しています。心から」
その瞳はまぶしいほどまっすぐにこちらを見つめていた。

79:名無しさん@ピンキー
10/01/19 20:10:19 tKFTuDGs
「オスカルが結婚か」
フェルゼンはやや憮然として呟いた。
アントワネットが王太子の病状を鑑みて自分と密会をしなくなってから、
彼はいくつもの愛人宅を渡り歩いていた。
そもそも愛人を囲う費用はアントワネットの口利きで得た軍人としての給与なのだが。
とにかくそのために結婚式の招待状が来ていることを知るのが遅れた。
本宅に帰ると執事が「出席とお返事しておきました」と言う。
いざとなれば代理の者を立てれば良いということだろう。
オスカル・フランソワ。
フランスだけでなく故国の友人も含めて最も素晴らしい親友である。
彼はもとより王妃以外の女に誠を尽くすつもりなどさらさらないが、
性別を超えた友誼を結んだオスカルだけは別だった。
しかし、女としてはどうだったか。
最初は女だということすら分からなかった。
分かってからも、どうにも女に見えなかった。
それでもどうやら自分のことを愛してくれているらしい。
手を出す気にはなれなかったが、悪い気はしなかった。
よくよく見れば、従僕のアンドレは彼女のことを深く、静かに愛している。
バカなやつだ、フェルゼンは己にやや重ね合わせて嘲笑する。
だが、彼の女主人はそんな従僕の気持ちになど全く気がついていないではないか。
しかも、友人である私のことを女の眼差しで見つめている。
アメリカから帰ってきた日、ジャルジェ邸のそばで
オスカルに林檎を放り投げるアンドレを見つけた。
ほお。あの罪の果実に自分の心を込めてオスカルに投げ渡すのか。
だが、一度自分に心を奪われた女が、他の男の好意を受け取るのはあまり
嬉しいことではない。
フェルゼンは鳥を狙うはずだった銃口を林檎に向け、打ち砕いた。
そして、走り寄るオスカルの笑顔を見て確信した、まだこの友人は私を
男として愛していると。
オスカルが屋敷に滞在していけと言ったときに、さすがにアンドレに対して
悪いという感情が湧いた。
しかし、彼は「ぜひ伯爵の話が聞きたいです」と言って引き留めてくれた。
悪いことをした、彼は心映えのまっすぐな男なのだ。
舞踏会で踊った外国の伯爵夫人、最初は美しさに打たれたが、
すぐにオスカルに似ていると気がついた。
一緒に踊って間近で見ると、ますますうり二つだ。
だが、あの男のような女性にこんな女としての瑞々しさが備わっていただろうか。
アントワネットと決別した日の夜、久々のジャルジェ邸でそれを確かめると、
彼女は泣きながら一方的に別れを告げてきた。
あの時ばかりは本当に世の中には悲しみの愛しかないと思い知らされたものだ。
それでもフェルゼンはどこかで自惚れていた。
彼女はこれからも自分を忘れずに愛し続けるだろうと。
なのに今回の結婚話だ。
漏れ聞く噂だと、最初申し込んだのはかつての部下のほうだったと言うが、
その後オスカル本人が大乗り気でブイエ将軍に頼み込み、父を説得したという話だ。
 -女心の気まぐれさよ-
フェルゼンは独りごちた。
そして、今夜はどの女の所に行こうかとぼんやり考えた。


80:名無しさん@ピンキー
10/01/19 20:11:04 tKFTuDGs
まだ日のあるうちに馬を洗って飼い葉をやらねばならない。
アンドレはオスカルの厩舎でせっせと藁を整えた。
本来ならこれは彼の仕事というわけではない。
しかし、昔からオスカルはこの馬屋にアンドレ以外の者が入るのを嫌った。
自然、オスカルの馬はアンドレだけが世話することになる。
さっぱりとした厩舎でアンドレは一息つける。
あれはいつだっただろう、ここで眠っていたのをオスカルに見つかったのは。
あの時は慌てた、オスカルの夢を見て夢精していたのだ。
心なしか、オスカルの自分を見る目が軽蔑していたように感じたのは
錯覚だっただろうか。
もしや、気づかれていたのかもしれない。
そう思い、ため息をつくと後ろで人の気配がする。
 -ここに来るのはオスカルしかいない-
そう思って振り返ると、そこには彼が20年間ただひたすら見つめていた女の
姿があった。
「オスカル! どうしたんだ、馬の用意ならできているが、もう日暮れが近いぞ」
なるべく平静を装って普段通り話しかける。
「アンドレ。私を許してくれるか?」
「許す? 何をだ?」
「このたびの結婚、私が望んでの結婚という噂が流れているが、あれは嘘だ。
私はやむを得ない事情で結婚する。そのことを悔やんではいない。
私が軍人として、人として信ずる行いをするためだからだ。
だが、この結婚でこの身を引き裂かれるほど辛いことが一つだけある。
それは、おまえを傷つけているということだ」
アンドレは驚いた。この結婚はオスカルの望んだものではなかったのだ。
「オスカル。俺はおまえが結婚しても何も変わらない。
おまえを愛している。今までも、これからもずっとだ」
二人の目から同時に涙がこぼれた。
「私はかつておまえに愛されながら、フェルゼンを愛した。
そして今、おまえに愛されていることを知りながら、ジェローデルに嫁ぐ。
それでも愛していると言ってくれるのか」
「全てを。命ある限り」
これほど深い愛を20年も捧げられていたのだ。
もう、何が起こっても怖くはない。
オスカルはアンドレの胸に顔を埋めた。
「アンドレ。愛しています。心から」
それはオスカルの心の最も深いところから出た声だった。
「知っていたよ」
久々のアンドレの明るい声だった。
「何年も前から、いや、生まれる前から、ずっとだ!」
オスカルがアンドレの胸においた手を、アンドレはそっと掌で包み込んだ。


81:名無しさん@ピンキー
10/01/19 20:12:40 tKFTuDGs
一応、以上が夕方の投下分です。
おそらく、今晩中に本当のラストを書いてしばらくまたROMに戻ります。

82:名無しさん@ピンキー
10/01/19 21:41:44 4t4yf6/l
イイ!

83:名無しさん@ピンキー
10/01/20 05:10:41 G+bg5tV5
原作の雰囲気壊れてなくてすごくイイ!

84:名無しさん@ピンキー
10/01/20 06:45:19 jIYjsamp
GJ!
力作をありがとうございます~!
続き待ってます。

カップリングの明記してくださいの件は
次に点プレに入れたほうがいいですね。

85:名無しさん@ピンキー
10/01/20 21:51:03 tb4vigk6
自惚れ気味のフェルゼンがいいなぁ
続き、待ってるよ~

86:名無しさん@ピンキー
10/01/21 17:47:20 PUZKsjfC
>>57-80
の続き。

アンドレは壊れ物を扱うようにそっとオスカルを抱きしめると、
不器用に唇を重ねた。
オスカルはひとしきり泣いた。
いつの間にか日が落ちていた。
彼女ははっとしてアンドレから体を離すと、ためらうことなく服を脱ぎ始めた。
その様子は視界のぼやけたアンドレにもはっきりと分かる。
「オスカル! なにをしているんだ?!」
驚くアンドレの呼びかけにも答えず、オスカルは最後の一枚を脱ぎ捨てた。
残照の中で白い裸身が浮かび上がる。
それはアンドレの胸にもたれかかると小さく、だがはっきりと告げた。
「待たせて悪かった…」
もう一度背中に手を回して抱きしめる。
練り絹の手触りと匂い立つ肌の香りに心を締め付けられた。
ああ、だが、この美しい恋人をどうやって抱けばよいのか。
幸い柔らかな馬草が積んであるそばには、自分がここで寝泊まりするための
毛布がおいてある。
あれを馬草の上に敷いて、自分だけの新妻の褥としよう。
アンドレは手早く新床を作ると、その上に最愛の人を横たえた。


87:名無しさん@ピンキー
10/01/21 17:57:29 PUZKsjfC
>>86の続き。

こんなふうに愛し合える日が来るのを、果たして自分は知っていたのか、
アンドレにはわからない。
実現してみるとこれは最初から決まっていたことのようにすら感じる。
お互い一糸まとわぬ姿になり、抱き合い、またキスをする。
オスカルの舌を翻弄すると、それは驚くほど従順だった。
いつか、舌を這わせたうなじ。
もう一度あの時の感触を確かめるようになぞる。
そして、いつも夢見ていた乳房。
手の中にある実際のそれはいつもの想像よりもずっとなめらかで暖かかった。
そっと、そっとなでる。
「う…」オスカルの声が漏れた。
「…いやか?」アンドレが尋ねる。
オスカルは首を横に振った。そしてアンドレの背に手を回した。
それを合図のようにして、乳首をなでるように吸う。
かつてオスカルの服を破いたとき、自分はこうしたかったのだとあらためて思う。
唇を脇腹に移し、なおもキスを降らせる。
下腹の感触を確かめていると、絹の繁みが頬に触れた。
 -この下に、ジェローデルが奪ったという女の隠れた唇がある-
やや嫉妬しながらも、脚の間に顔を潜り込ませる。
オスカルはぎこちなく体を震わせながらも、素直に脚を開いた。

88:名無しさん@ピンキー
10/01/21 18:05:13 PUZKsjfC
>>87の続き。

何度も絹の毛並みをなでる。
意を決してぴったり閉じた唇を指で開くと、驚くほどの蜜が溢れ出てきた。
思わず、それを舌で掬う。
「うっ、うっ、くっ…」
今まで聞いたことのないオスカルの最も女としての声が微かに厩舎の中で響く。
この花園は、一体どのようになっているのだろう。
唇と舌だけではなく、指も使って奥の様子を確かめてみる。
だいたいの景色は掴めてきた。
だが、オスカルは体を固くこわばらせている。
肩に置かれた手の指が微かに震えている。痛みがあるようだ。
 -大丈夫だ、ここはまだ、俺だけのものだ-
しかし、なんと狭隘なところだろう。
中に入れた指ですら、十分に締め付けられている。
この狭い場所で男を受け入れられるのだろうか。
「痛かったか? すまない…」
子どもの頃、傷口を舐めてやったときのように、舌を再び這わせる。
夢中になって舐めていると、花びらがひくひくと震え、
手は今まさに夫とならんとする男の黒髪を掴んで、
「お願い、だめ…!」と潤んだ声で懇願してきた。
結ばれるときが来た、と思えた。

89:名無しさん@ピンキー
10/01/21 18:08:48 PUZKsjfC
>>88の続き。
再び本来の唇にキスをする。
固くお互いの体を抱きしめ合ってから、僅かに体を離した。
先ほど指で探った場所に、滾った熱い血潮のうねりを押しつける。
あまりにぬめりすぎて却って入りづらい。
花びらと花芯でできている迷路で迷う刺激で果ててしまわぬよう、
注意深く花園への門を見つける。
先ほど指を入れた記憶を頼りに押しつけると、一つの狭い道が見つかった。
そこをめがけて腰を落とす。
「うっ…」
今まで固く閉じられていた門が開き、
きつい隘路が音を立てんばかりに押し広げられる。
オスカルの吐息と共に二人は一つになった。

「しばらく、こうしていよう」
今妻となったばかりのオスカルにそう言うと、彼女は無言で頷いた。
じっと、お互いの背に腕を回して抱き合う。
しばらくするとオスカルが切なそうに埋めている胸の中に頬をこすりつけ始めた。
アンドレはオスカルの中がうねうねと動く様子を感じた。
腰を動かせる姿勢をゆっくりと探す。
即席の閨が平らではないことが幸いし、容易にそれは見つかった。
最も深く差し入れたところをこすり付けるように突き上げる。
最初は優しくゆっくりと、そしてそれは次第に激しさを増していった。


90:名無しさん@ピンキー
10/01/21 18:13:26 PUZKsjfC
>>89の続き。

どれだけそうしていただろうか。
アンドレはオスカルの息づかいが狂おしくなっているのに気がついた。
もう自分も限界だ。
「愛している、愛している!」
一番奥まったところで、叫びながら果てた。
オスカルの破瓜したばかりの秘所もそれに併せて激しく痙攣した。

荒い息をつきながら、アンドレは少しばかり体を浮かせた。
完全に自分の妻となったオスカルの僅かに汗ばんだ体がそこにある。
 -初めてなのに、乱暴にしすぎてしまっただろうか-
額にかかった髪をかき分け、まぶたにキスしながら後悔する。
ぐったりと力なく横たわるオスカルの裸身は、
あれほど激しい快感を貪ったはずなのに、下腹の高ぶりが全く収まっていない。
耳とうなじを愛撫していると、オスカルの唇がキスをせがんできた。
軽く音を立てて接吻する。
するとオスカルは、荒い息の舌、うるんだ声で言った。
「もう一度」

91:名無しさん@ピンキー
10/01/21 18:15:39 PUZKsjfC
>>90の続き。

「え?」
「もう一度だ、アンドレ」
「大丈夫なのか?」
心配になり、アンドレはオスカルの小さな窪みに手をやる。
「痛みはないのか?」
「…ない」
いくらなんでもそれは嘘だと口調で知れた。
しかし、新妻の初めてのわがままと嘘に逆らえる夫がいるだろうか。
もう一度、という言葉はその後何度も朝までアンドレの耳にささやかれた。

東の空が白み始めるまで、どれだけの愛を重ねたか、もはや二人は数えていなかった。
魂の限り愛し合ったというこの記憶がある限り、生きていける、生きていきたい。

 -了-

92:名無しさん@ピンキー
10/01/21 18:17:43 PUZKsjfC
>>91の続き。

追記:
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
フランス革命の激化により、ブリュッセルに亡命。
のちにスウェーデン元帥にまで上り詰めるが、暴動により惨殺される。

オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
結婚の翌年、女児出産。
同時に結核療養のため夫と娘を残しアラスへと赴く。
半年後、結核悪化により病死。

アンドレ・グランディエ
幼い頃より仕える女主人の療養のため、パリを離れてアラスへ。
女主人を看取った直後に完全に失明、二年後に喀血のため窒息死。

ヴィクトル・ド・ジェローデル・ド・ジャルジェ
妻の残した忘れ形見の娘を連れてスイスへ亡命。
ナポレオン失脚後、ノルマンディーで余生を送る。
妻そっくりな娘を溺愛し、その出生を終生疑うことはなかった。

(本当に終わり)

93:名無しさん@ピンキー
10/01/21 19:28:32 f5erkTrO
GJ!

94:名無しさん@ピンキー
10/01/22 00:24:00 yXV5CPZT
GJ!
SS自体がはじめてって…マジですか?
すごいです!

これからも、どんどん書いて下さい

95:名無しさん@ピンキー
10/01/22 01:12:25 CG2BEJxL
GJ
だが…馬鹿ジェローデルが娘の出生に疑問もたなかったとあったが…初夜のオスカルのぜひ様子がしりたい

96:名無しさん@ピンキー
10/01/22 01:25:25 5gi8q8Lt
>>92                                     
GJ!
神職人降臨でイイ!                                    
ROMに戻るなどと言わず                   
また書いて下さいね。                         
                                  
>その出生を終生疑うことはなかった
この部分、ジェローデルじゃなく、アンドレとの間に                                                 
生まれた女の子と解釈していいのかな?                                            

97:名無しさん@ピンキー
10/01/22 04:29:32 gHbdCyiH
神作品をありがとう!

98:名無しさん@ピンキー
10/01/22 07:08:45 Z2xmHucS
GJ!
とても読み応えがあった。

このスレ、エロパロスレだと侮れない。
ベルサイトよりも、続きが読みたいと思う話が多い・・・。
流れていってしまうのが惜しい。


99:名無しさん@ピンキー
10/01/22 07:10:25 NiPpiKaI
神作品が落ちてたなんて。
朝にPC開くことめったに無いのに
開いて良かったよ。

今日一日、良い日が送れそうだ。
神職人さん、ありがとう。

100:名無しさん@ピンキー
10/01/22 07:30:11 LzqwLzLV
>>92
GJ!
の追記が良かったよ
こままジェローデルで終わるのかと思って
萎えた時もあったけど
最後はAO落ち。
最高!
AOは永遠の王道だね(*´∀`*)

ありが㌧



101:名無しさん@ピンキー
10/01/22 16:11:42 ROupwA+G
>>57-92のSSを書いた者です。
全くの初心者ということもあり、誤記や分かりづらい表現があり、なおあまりなじみのないアニメのベルばらパロにも拘わらず、望外の評価をいただき、ありがとうございます。
どの程度の長さになるのかも分からず書き進めたら、かなり長くなってしまいました。
途中、ホスト規制されてしまい、アップするのに難民板でお世話になりました。
いくつもの長文を即座にこちらに移動してくださった難民板の方には本当に感謝です。
(現在もホスト規制中です。これが皆様の目に届いている場合は、難民板の方にまたお世話になっているということです)。
当方、ベルばら原作は原典としてリスペクトしておりますが、基本としてアニメのほうのそれも出崎演出回のファンです。
手元に原作もないため、もしも次にまたエロパロをベルばらでやるとしてもアニメを基本としたものになると思います。
ホスト規制が解けたらまた何かアップするかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。

102:名無しさん@ピンキー
10/01/22 16:16:43 j0uYy2kM
だよね
「原作の雰囲気」って書いてる人がいて爆笑したもん
あしたのジョー崩れのアニばらベースだわな

103:名無しさん@ピンキー
10/01/22 17:00:53 mTBho8Up
オスカルの「愛しています」はアニばらだもんね

104:名無しさん@ピンキー
10/01/22 18:57:13 4kZvHE8U
久しぶりに来たらなんだか繁盛してるなw

ええよ~

105:R16×0
10/01/22 22:10:56 C/7PpmRt
ちょっぴり妄想したので、職人さんたちの合間に紛れて投下してみます。
カップリングは、ルイ16世×0 のつもり(逃げてください)
駄文な上に色々と間違ってます。ルイさん仮性になってます。スンマセン…

106:R16×0
10/01/22 22:12:23 C/7PpmRt



 私は、幸せな男なのだ。
類稀なる愛くるしさで全ての人々を魅了してやまない素晴しい女性を我が妻に迎えることができたのだから。

引っ込み思案で地味な私に不釣合いな位華やかで快活な妻が、この国に嫁いできて数年が過ぎていた。
だが、私達夫婦は今だ肉体的に結ばれてはいなかった。
しかし、妻に非はない。 私がその行為を恐れ、いつも逃げていたのだ。
勿論、王太子という立場上、国王である祖父をはじめとした周囲の人々が世継ぎの誕生を心待ちにしていることも
知らない訳ではなかった。
 
 だから、必ず立ち寄るように言われたその部屋に足を踏み入れた瞬間に、
愚鈍な私でもそれが祖父の差し金であることに気がついた。


そこには薄い夜着のようなものを身につけ、恭しく腰を折り頭を下げている女がいた。

「あ…私は…失礼するよ」

「お待ちください」
あわてて部屋から出ようとしたが、彼女がすばやく私の前に回り込み跪いた。


「どうか… 無礼をお許しください」
女性としては低めな、しかし柔らかな声。どこかで聴いたことがあったような。
跪いたまま私の手を取り、そっと顔を上げる。
彼女は仮面を付けていた。
見事な金髪を軽く結い上げ、仮面の隙間からは深く碧い瞳を覗かせている。
その細身で、少しばかり上背のある色白な肢体を透けそうな夜着に包んでいる様子は、
普段祖父の周りで色香を撒き散らしている女達とは違い、不思議と嫌悪感を感じさせなかった。


107:R16×0
10/01/22 22:13:42 C/7PpmRt
するり と彼女は身に纏っていたもの床に落とし、
ゆっくりと私の手を取ったまま寝台まで導いていった。
妻の裸身すら面と向かって見た事が無かったが、
女性の体とは何と美しいものなのだろう。
その形良く張り、動く度に控え目に揺れる乳房や括れた腰に続く柔らかそうな尻、
薄い恥毛に隠された下腹、長くしなやかな下肢を盗み見た。
肌理細やかな白い肌からはふわりと花の香りが立ち上る。


緊張の余り、身動きも取れずこわばっていたに違いない私に
「殿下、お気持ちを楽に…」
そう言いながら、彼女は私の着ているものを解いていった。

彼女の白く細い指が、私の体の上を辿っていく。
それは決して慣れた感じではなく、むしろ遠慮がちに触れてくるといった様子で、
それが私の抵抗する気力を失わせ、また今まで抱えていた行為への恐怖は次第に薄らいでいった。


「ふうっ」
乳首を舐められる。
勿論、こんな経験は生まれて初めてだ。
今まで狩りや錠前作りといった趣味に興じる事こそが、何より自分の気持ちを高揚させてくれるものと思っていたが。
人に触れられて、そこが痺れ、体の内から昂ぶりを感じる。こういった感覚が私の中にもあったとは。
恥ずかしいが息が弾み声が出てしまう。
結われていた筈の彼女の金髪が一房落ちてきて胸を擽り、
そうこうしている内に彼女の生暖かくざらついた舌は私の臍へとたどり着く。

見ず知らずの女の奉仕を受けている筈なのに、何故こんなに心が落ち着くのだろうか。
頭の隅にそんな疑問が浮かんでは、次の瞬間にはもう快楽の渦に呑み込まれていく。

「そ…んな所をっ…」
女は硬くなりかけた私の性器にそっと触れたかと思うと、大事そうに両手で挟み、顔を近づける。
「んっ」
彼女は、皮が被ったままの先端をぺろりと舐め口に含んだ後、唾液に濡れた陰茎に細い指を絡め上下に扱く。
すぐさま強張りやっと顔を覗かせた亀頭の先端から滲み出た汁を舌先で拭いながら、
女はさらに慎重に皮を引き下ろし剥いていく。
「…っつ…ああっ!」

「ん…殿下…少しだけ…少しだけ我慢して…ください」

痛みに目が霞みながらも、自分の股の間で揺れる彼女の方を見た。

仮面の女は蒸気した顔で、亀頭部分を完全に露出させた性器を優しく握り、舌を伸ばしては夢中になって舐めていた。
再度咥えられると剥きだしになった神経にねっとりとした感触が絡みつく。

「うううっ…!」
次の瞬間、耐え難い程の快感が全身に走り、そのまま射精をしていた。

108:R16×0
10/01/22 22:14:53 C/7PpmRt

「…それで…よろしいのです」
彼女は体に被った精液を気にすることもなく、今だ放出の快感の名残でひくつく私の性器を労わる様に口に含んだ。

これで終わりではないのだなと、ぼんやりした頭で確信する。

「殿下…こちらに…」

目の前でゆっくりと下肢を広げ、中心に手を添える女の指も震えているように感じたのは気のせいか。
手を伸ばせば触れられるそこにあるのは、医学書でしか見たことがなかった女の性器だ。
唇のように艶やかな濃い桃色の肉の割れ目は、女の指でそっと広げられ淫らに濡れそぼっていた。

俯き恥じるように全身をほんのりと染めながら、彼女はそこに再び硬さを取り戻した私を導いていく。

「あ…ふっ…うんっ!」
狭い膣口に無理矢理突き入れると中は暖かくぬめり、柔らかな淫肉に包まれた。
時折きゅっと圧迫され、その強烈な刺激に脳髄が痺れる。

「い、一端抜いて…く…また…入れ…っん!」

多分、彼女は息を荒げながらも生真面目に教えてくれていたのだが、
私はただ本能のまま夢中で腰を動かしていた。
眼下で揺れる乳房をぎゅっと握ると、彼女の膣に咥えこまれた肉茎が絞られるように締め上げられた。

もはや限界が近いことを感じた途端、すっと女は腰を引き、抜け落ちた性器を手に取るとそのまま擦り上げ、
そして私は再び果てた。

   -----------


 やがて、行為の後の気だるさがそのまま睡魔に変わり瞼が重く閉じかける頃、
仮面の女は、シーツの上に投げ出された私の手にそっと唇を寄せ、小さく囁き部屋を出て行った。
「どうか自信をお持ちください…殿下…いつも御側に居りますから」

意識が遠のいていく中、もうそこにはいない女に心の中で呟いた。

「ありがとう………。」





109:R16×0
10/01/22 22:16:22 C/7PpmRt
--蛇足--

従僕は何とも言えない複雑な気持ちで、主人の帰りを待っていた。
その日、彼の女主人は特別な使命を終えてくる予定だった。

「おかえり」
「ただいま」

「あ…その…仕事は…」
「ああ」
彼女の表情は普段どおりで、こちらも普段通り出来るだけ明るく声をかけようとしたが、
ついぎこちない喋りになってしまった。動揺してるのがバレバレか?

「何とか無事には終えることができたと思う。
満足していただけたかどうかは正直わからないが。」

そう淡々と答える彼女は、綺麗な顔をほんの少し柔らかく綻ばせた。

平民である自分がどうあがいても太刀打ちできない立場の相手。
そんな相手にすら嫉妬にも似た気持ちが沸いてしまう。
彼の胸の奥が痛んだその時だった


「お前にも世話になったな!おかげで助かったぞ。
いや、確かに形や大きさは多少違ったが、それも聞いていたしな。
お前ので訓練させてもらったから、むしろ考えていたより楽だったかも…」


 『・・・・はぁ?・・・・・・』

いきなりな話の流れに思わずあっけにとられていると

「あっ、いや、お前のが大変だったとか言ってる訳ではないぞ!」
「あの咥えたりする時は、ちょっと…あ、だがな…」

彼の開いた口が塞がらなくなった理由を、彼が気分を害したと思いっきり誤解した彼女は
必死に彼をフォローしようとよく通る声で言葉を続ける。

 『何・・・何言ってるんだよ!ここ廊下だぞ』

そのままとんでもないことを発言しかねない彼女の口をあわてて両手で塞ぎ、
キョロキョロ見回して周囲に誰もいないことを確認した。

彼の女主人は仕事熱心で生真面目な性格だが、時々、予想外の行動をしでかすので油断できない。
そんなこんなも全てひっくるめて、彼は彼女に強く惹かれていた。

「まあお前にはいつも感謝しているぞ!本当だ!これからもよろしく頼む。」

「こちらこそ…オスカル。」



(スンマセンっ)

110:名無しさん@ピンキー
10/01/22 23:59:34 Gk762T2K
>「原作の雰囲気」って書いてる人がいて爆笑したもん
んー出崎アニばらのファソだけど
>>57タソはアニメというより原作の雰囲気だ

111:名無しさん@ピンキー
10/01/23 00:37:11 77ryBKvq
どちらにせよ
57タンが素晴らしい職人さんであることに変わりないですよ

R16×OタンGJ!
出来れば訓練の様子も詳しくお願いします

112:名無しさん@ピンキー
10/01/23 10:25:50 PB1zq4N/
L15によって開発・調教される少女オスカルを見たい

113:名無しさん@ピンキー
10/01/23 15:05:47 3MQB0g2/
>>112
どっかで見たなぁ

114:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:35:29 PZhQTngl
も一個思いついたので書きます。難民板に貼っておきます。またアニメネタなのですが、よろしくお願いします。AOです。

二人はベッドの中で身じろぎもしなかった。
窓から差す月の光に照らされて、アンドレはオスカルを後ろから抱きしめるようにして腕を回し、胸に手を当てていた。
時折オスカルが軽く咳き込む音だけが小さく部屋に響いていた。
オスカルはうとうとと眠っていた。
アンドレは気持ちの高ぶりが吐息に出ないよう、必死になって息を殺していた。

欠席裁判によってアベイ牢獄で銃殺刑を待っていた部下達が釈放され、ほっとしたオスカルを待っていたものは、父から申し渡された退役だった。
「なぜです、父上。先日のことはアントワネット様によっておとがめなしのご沙汰ではなかったのですか?」オスカルが父に詰め寄る。
父は大きくため息をついた。
「そのことではない、オスカル。ダグー大佐とラソンヌ医師の両方から全く別個に前後して、おまえの病状についての報告があったのだ」
歳のせいか最近涙もろくあった父は涙を浮かべていた。
「すまない、オスカル。おまえをこのように育てるのではなかった。聞けば持ったとしてもあと半年…! 親としておまえがそこまで無理をしていたことに気づかなかった父を許せ」
「なにをおっしゃってるのです、父上、私は…」
その途端、雨の任務にたたられていたオスカルは激しく咳き込んだ。押さえた口からは鮮血が迸った。もはや隠しようがなかった。

115:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:36:06 PZhQTngl
(AO)
末娘の命が残り僅かと知ったジャルジェ将軍が真っ先に娘のためにしてやろうとしたことは、どこか空気の良いところでできるだけ娘の命を長らえさせること、
そしてアンドレとの二人だけの時間を作ってやることだった。
 -以前オスカルは「女として燃えるような恋もしました」と言っていたが、
 おそらくそれはアンドレのことであろう-
先日、オスカルを成敗しようとした際にアンドレに制止され、その時のオスカルの表情から将軍はやや勘違いをしていた。
 -あの様子では、アンドレもオスカルを愛しているに違いない。
 だが、幼少の頃からオスカルについての扱いを周囲にたたき込まれたあの若者は、
 職務への忠実さから、我が娘の愛を拒んだのだ。許せ、二人とも-
誤解に基づくものにせよ、将軍の下した決断は正しかった。
彼は領地のアラスにオスカルを送り、そこで療養を命じ、供としてアンドレただ一人を付けたのである。
送り出すとき、将軍自らアンドレに細々とした指示を与えた。
オスカルの神経に障らぬよう、他の者はできるだけ近寄らせないこと。
着替えや湯浴みなどの手伝いも含めて、アンドレだけがオスカルに接触するようにすること。
夜はいつ発作が起きても良いよう、必ず同室で寝ること。
そして、最後に付け加えた。
「もしおまえが貴族であったなら、オスカルとの結婚を許していたであろう、いや、祝福していたはずだ。
アンドレ、最期まであれのそばにいてやってくれ」
いくらなんでもここまで念を押せば、あとは自然にことが進むはずだと将軍は思った。
しかし、将軍はアンドレの律儀な物堅さを甘く見ていたのである。

116:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:36:38 PZhQTngl
馬車でさんざん揺られていたオスカルはアラスの領主館につくと、疲弊の色を隠せなかった。もはや隠す必要もなかった。
部屋につくなり、旅装のままベッドに倒れ込んで言った、「湯を使いたい」。
「大丈夫か? 今、用意をしてやる」アンドレはそう言って、猫足の浴槽を部屋に運び入れた。
夏とはいえ、冷夏である。暖炉には火があかあかと燃えており、湯はすぐに沸いた。
それを浴槽に移し替え、最後に水を加えて心地よい温度にした。
「ありがとう、アンドレ」
その言葉を聞いてアンドレは胸が痛む。
いつもオスカルはちょっとしたことでも「ありがとう」と言う。心のこもった口調だ。
俺のような従僕にありがとうなんていうことはないのに、そうアンドレはいつも思っていた。
 -服を、脱がさねば…-
オスカルはベッドに仰向けになったままだ。
いくら旦那様の言いつけでもこんなことをしてもいいのだろうか。
意を決して「服を脱がせていいか?」と聞いてみた。
おそらく「自分で脱ぐ」という答えが返ってくると思ったが、案に相違して答えは「ああ、そうしてくれ」だった。
上着を取り、クラバットをゆるめる。オスカルのブラウスのボタンをはずしながら、アンドレの指は細かく震えた。
 -俺を信じているのだ。決して何もしないと。
 ましてや、旦那様までもが、俺がオスカルに淫らなまねはしないと信じて、
 ああいう言葉をかけてくださったのだ。その信頼を裏切ることだけはできない-

117:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:37:08 PZhQTngl
ブラウスを脱がせると、その下にはコルセットがなかった。まろびでた乳房を見て、めまいがするほど動揺したが、できるだけ平静を装う。
ここまでは以前オスカルの部屋で無理矢理ブラウスを破いて見てしまった。
そして次はキュロットだ。顔を背けて下ろそうかとも思ったが、却ってそのほうがなにか淫らがましい。
乱暴にならないように、だが手早く脱がせると、金色の繁みが慎ましくあるのが目の前にあった。
ごくり、と生唾を飲みそうになるのをこらえて、抱きかかえて浴槽へと運んだ。愛しい人の裸体を抱いたことより、その軽さにアンドレは驚く。
どうしてこんなになるまで自分はオスカルの状態に気がつかなかったのだろうと思うと、哀しみで胸が締め付けられた。
「どうだ。ぬるくはないか?」
「うん。もう少し熱いほうがいい」
アンドレは暖炉にかけた大鍋から湯を汲み、浴槽へと少しずつ移す。
「ありがとう。ちょうどいい。背中を流してくれ」
「はいはい、お嬢様」おどけた口調で応じるが、語尾は確実に震えていた。
髪が濡れないよう、簡単にリボンで結い上げ、次に柔らかな布でオスカルの背を流す。
遠くのものが霞んで見える目にも、手元の距離はまだある程度はっきり見える。
白い肌が上気して桜色に染まり、湯をはじいていた。
もうさっきからアンドレの下半身は激情で高ぶっている。
今すぐにでも解き放ちたいという禍々しい情欲を押さえているのは、かつてブラウスを破った際にした、
「二度とこのようなことはしない」という神への誓いだった。

118:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:37:59 PZhQTngl
背中から乳房を盗み見る。
乳暈の色が鮮やかな薔薇に似ているのを改めて知り、ああ、という声が漏れそうになった。
「そろそろ休みたい」とオスカルが言うのを合図に、別の布で体を拭き上げる。
濡れたままの場所があっては体に毒だろう。
まず、背中から、そして胸も拭かなければならない。
布越しに乳房の感触を感じ、あまりにも甘い苦痛に顔をゆがめそうになるが、それをアンドレは必死にこらえた。
一番敏感な部分を前にして、本当に自分がここを布越しとはいえ触れて良いのかと気が狂いそうになった。
だが、早くしないと体が冷えてしまう。
意を決して、なるべく見ないように、だが水滴を残さぬように布を滑らせた。
やっと夜着を着せる。残念というより、一息つけて安堵した。
抱き上げてベッドにオスカルを移すと、羽布団をかけた。
オスカルが軽く寝息を立て始めると、アンドレはため息ともあえぎ声とも付かぬ息を吐いた。
 -これから、毎日がこうなのか-
終わる日はオスカルが死ぬ日だ。一日でも遠いことを祈らねばならない。

119:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:38:25 PZhQTngl
アンドレは長椅子をオスカルのベッドのそばに運んで、そこで毛布を被って寝た。
だが、寝ようとすればするほど目が冴えた。
目にも手にも焼き付いた先ほどの記憶が心を淫らに翻弄して胸と下半身を苛んだ。
けほっ、けほっ。
オスカルが咳き込む。アンドレははっとして毛布を跳ね上げ、オスカルのベッドをのぞき込んだ。
「悪いが、背中をなでてくれ」
「わかった」
夜着の上からなでると、絹の布よりなめらかな背の感触があった。
「こうか?」
「布団をめくっていると肌寒い。一緒に布団に入って中でさすってくれ」
「わがままなお姫様だ」
「可憐な姫でなくて悪かったな」
冗談がお互いの口から出た。
だが、なんと残酷なわがままをいう姫だろう。男がどれだけ辛いかなど全く考えていてはくれないのだ。
オスカルはさらにこんこんと咳をした。
「すまない。ここもさすってくれ」
そういって、アンドレの手を取り、鎖骨よりやや下の胸の中央に置いた。
腕に乳房の丸みが感じられて、アンドレの手が一瞬こわばった。
しかし、それでも軽く咳き込むオスカルをそのままにはできなかった。

120:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:38:58 PZhQTngl
「こうか?」
できるだけ痛みや苦しさを和らげてやれるようにとさする手の強さを工夫した。
「背中が寒い。もうちょっとこっちによれ」
自然とアンドレの顔はオスカルの金髪の中に埋もれた。
今まで何度もこんなふうにしてみたいと思っていたが、実現すればそれは地獄の業火で焼かれるよりも辛い。
自分の心臓の音がそのままオスカルに伝わるのではないかと思うと怖かった。
せめてキュロットの中のこわばりだけでも悟られないようにと、腰を引いた。
荒い息がオスカルにかかってしまっては潔癖な彼女はこんなふうに身を任せてはくれないだろう。
呼吸すらままならない状態で一睡も出来ずアンドレは朝を迎えた。
厨房に行き、料理人から二人分の食事を受け取り、オスカルの部屋へ運んだ。

まだ、昨日の疲れが残っていたが、オスカルは朝食をベッドで取らず、テーブルで食べた。
アンドレと向かい合ってどうでもいい話をしながら、心の中で落胆していた。
 -とうとう何もされなかった-
残り半年の命なら、アンドレに全てを捧げてみたかった。
「愛している」と言えばそれはたやすく実現したのかもしれないが、残りの命が少ない自分がそれを言えば、死後もアンドレをしばることになるだろう。
それだけは避けたい。
アンドレにとってはほんのはずみでのことであればいいのだ、自分にとってはそれでも今生の名残の情交となろう。
どうすればよいのか確たることはわからないが、一糸まとわぬ姿を見せるとか、同じベッドに入って胸をまさぐらせるとかすればなんとかなるのではないか。
結局恥ずかしさをこらえてそんなことをしても、アンドレは少々照れくさそうにして終わりだった。
一晩中、呼吸一つ乱さなかった。
かつてオスカルをベッドに押し倒したときは、低くうなり声を上げながらあれほど荒々しい吐息をうなじに吹きかけてきたのに。キュロットの下で熱くしこったものを力づくで押しつけてきたはずではないか。
男のそういう衝動は女にはわからないということか、それともすでに病み衰えた自分にはアンドレを引き寄せるほどの魅力がないのか。
それでも背中に感じる胸の暖かさは心地よく、眠りについていると幸福感に包まれた。朝の目覚めは久々に爽快だった。
もう女として愛されるのは無理であっても、せめて幼なじみとしての愛は受けられるだろう。

121:名無しさん@ピンキー
10/01/23 23:40:13 PZhQTngl
アラスに来てから三日目、オスカルは小康状態にあった。
遠乗りがしたいと言ってアンドレに止められ、「病人ではないぞ」と言ってから自分が療養に来たのに気づく始末だった。
今はなき王太子と馬に乗ったことが思い出された。
それに引き替え、アンドレのほうは息も絶え絶えという状態だ。
なにせ、ほとんど寝ていないのだ。夜はオスカルと同じベッドに横たわっている。
いつ咳き込んでもいいように、後ろから息を潜めて抱いて寝る。
官能の全てを刺激されながらも、それを放出する機会がない。夜中にそっと離れようとしたときにオスカルの咳が軽くだが出て、慌てて後ろから胸をさすった。
朝も夜もオスカルに密着している。男の精をため込みすぎたのと寝不足で今にも気が狂いそうだった。それでもオスカルについていなければならない。
館のまわりを二人で散策していると、下働きのジルベールがいた。以前、二人がアラスに訪れた折りに危篤状態だったジルベールは、今や立派な青年になっている。
あの頃の二人は今のジルベールぐらいだったはずだ。あのあとも二三度会っている。
ジルベールはオスカルに挨拶をし、「アンドレさん、ちょっと」と言ってアンドレを引き留めた。
オスカルは少々離れた場所に移り、丘の上を流れる雲を眺めていた。
ジルベールは屋敷の薪について簡単な質問をしたあと、アンドレに聞いた。
「アンドレさんはオスカル様の恋人ですか?」
アンドレは慌てた。「まさか。身分が違う」
「そうですか、お似合いの二人だと思ったんですが。それにしても、オスカル様はますますお美しくおなりだ。
子どもの頃は美しいけれどどうにも男にしか見えないと思ったものですが、今ではあのように男のなりをしていても女神のようだ」
本当にそうだとアンドレも思う。
軍を退いてから、オスカルの周りにあったなにかしらの鎧が剥がれた。
今まで見え隠れしていた彼女の本質、柔らかくて暖かく白く光る穏やかさが包み隠されず外面に現れた。
だが、それもあと半年なのだ。そう思うと胸がきりきりと痛んだ。
自分の情欲のことなど、それに比べれば些細なことであるはずだ。
(続きます。またそのうち書きます)
『以上レス代行』

122:名無しさん@ピンキー
10/01/24 05:20:33 BAM/5C9u
GJ!
続き待ってます。

将軍の勘違いと、アンドレの律儀さと、病に冒されたオスカルは悲しい・・・。
将軍、ちゃんといっちゃってくれたらよかったのに。
娘はお前にやるから好きにしろって・・・ちがうか・・・。



123:名無しさん@ピンキー
10/01/24 10:07:26 0Bh7yviw
GJ!
ここまできてまだ耐えてるのはアンドレらしいよ
出動前夜まで辛抱したもんな
続きを楽しみにしてる!

124:名無しさん@ピンキー
10/01/24 13:39:03 SNroZ8+Q
読み始めたが「ラソンヌ」が出たとたんに萎えてしまった…ごめん
職人さん 頑張って下され

125:名無しさん@ピンキー
10/01/25 07:50:26 Mfca5F7M
>>114-121の続き)
今日もアンドレはオスカルを背中から抱きしめてベッドで寝た。
もう幾日も寝ていない。情欲と睡魔の間に揺れた体はようやく眠りを選択した。
窓から月を見ていたオスカルは、アンドレのほうが先に寝入った様子をけどり、上半身を起こして月明かりに照らされた幼なじみの顔をしげしげとみつめた。
華奢ではないが、些細なことにまで気配りの出来る繊細さが顔つきに表れていた。
おおらかで明るい性格、自称楽天家というわりにはやや寂しげなところもある。それは幼いときに両親を亡くしたということが関係しているのだろうか。
まるきり無防備に寝ている、私のエンデュミオン。そっと口づけを唇に落としてみる。
もしかしたら目を覚ましてくれないかと期待したが、アンドレの眠りはかなり深いようだった。
さっきまでオスカルの胸に回していた手を取ってみる。やや節くれ立った男の手だが、指の形がきれいだということに初めて気づく。
オスカルはもう一度夜具の中に潜り込んだ。男に体を愛撫されるというのはどんな気持ちなのだろう、そういう小さな好奇心がいたずらっぽくわきあがる。
夜着の前ボタンをいくつか外すと、オスカルはアンドレの手を取って自分の胸にすべりこませてみた。
もしこんないたずらをしているところでアンドレが目を覚ましたらどうしようとちょっと思ったが、その時はその時だ。
乳房に押しつける。
 -アンドレだったらどう触るのだろう-
よくわからないので、掌で乳房全体を覆うようにしたり、一番尖ったところに指が触れるようにしたりしてみる。
くすぐったい。
アンドレはよほど疲れているのか、全く起きる気配がない。
 -アンドレ、本当はおまえに抱いてほしいんだ-
オスカルは夜着のボタンを全部はずした。胸も腹も脚も全てがあらわになるとアンドレに抱きついた。
しばらくそうしていたが、アンドレの手を取って自分の女の部分にあててみる。
なんだか生きているということの根源にその手が触れたような気がした。

126:名無しさん@ピンキー
10/01/25 07:51:02 Mfca5F7M
自分の手をその上に重ねて僅かずつ動かしてみる。
 -あ…-
今まで全く知らない感覚が訪れ、オスカルは驚いた。
なんなのだろう、このくすぐったさとはまた違った感覚は。思わず息を深く吸い込み、フーっと吐き出す。
それにしても、アンドレは起きない。
ちょっと寂しい気分になった。アンドレの手を使ってそのまま繁みをなでさせる。
そのうち、繁みの奥に思いがけず敏感な突起があるのにオスカルは気づいた。そこにアンドレの指を這わせてみる。
ああ、なんだろう、この疼きは。背中がぞわりとする。
いつしか吐息は荒い呼吸となった。
自分の体が病魔とは違う熱に浮かされている。アンドレが寝返りを打とうと体を動かしたとき、じん…とオスカルのその熱は一点から広がり、全身に広がった。
頭の中で何かが小さく破裂すると、体がふわりと浮いたような錯覚があった。
何が起きたのかわからなかった。
くるくると目が回る感触が終わると、オスカルはアンドレの手をどけた。今まで感じたことのない罪悪感が小さく棘となって心を刺した。
夜着の前ボタンを留めていると、ついコンコンと咳が出た。
「…う、うん?」隣でアンドレがやっとアンドレが目を覚ます気配がする。

深い眠りの中で、アンドレは夢を見ていた。
ああ、これはいつもの夢だと彼は思う。白いオスカルの裸身が自分の下で息づき、自分の愛を受け入れている。
それにしても今日の夢はなんだか感触がいきいきしている。
肌の手触りがなまめかしい。濡れそぼった薔薇がうねって絡みついてきて…。ああ、なんて今日の夢は鮮やかなんだろう。



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