09/12/21 08:02:16 32ss2dcI
「あ、……」
「っひにゃ」
「ご、ごめんなさいっ、羽礼霧(はれいむ)くん」
「お、おにいちゃんっ?」
で、後ろにも走者がいる訳だから……当然の如く全員に踏まれた。特に、ハイヒールの先生がものっそい痛い。
「ぐはぁあっ! お、おのれ勇者たちよ、たとえ我は滅びてm」
「ふふふ、形勢逆転!」
「て、人の断末魔を聞けよ! 水色のストライプ!」
幼なじみはこれ幸いと、俺を追い越して差を付ける。なぜかものすごいうれしそうだ。やはり運動部のプライドがあったのか。
しかしいつの間に競争になっているんだ。俺を追い越したら意味がないような……そして、水色のストライプパンツが見えているぞ幼なじみよ。
「えっと、ごめんね? 羽礼霧くん」
「……統司。貴方の犠牲は無駄にはしない」
「え? え? 私も行くの??」
そして、何か俺には見えない空気を読んだ残りの三人も幼なじみに次いで俺との差を開いていく。
だからなぜ競争になっているのだろう。近所の姉妹(妹)がものすごい困惑した顔をしているし。だが流されている。そんなだから俺にだまされるのだ。ふははは。
「……黒、黒、黒か、って。先生と先輩の黒すげえ。そして中学生、背伸びをしすぎだ、だがGJ……ぐふ」
俺は真っ白に燃え尽きたぜ……、とでもいうように道路の真ん中で大の字に寝転がり青空を見上げた。今日も良い天気だ。
何処までも広がる青空。
手を伸ばせばすぐにでも届きそうなのに、決して届かない。人とはなんてちっぽけなのだろう。
……いや、四連続で年頃の娘たちのパンツを見てしまい、身体の一部が果てない空を目指しているから因数分解をしているわけではない。信じてくれ。
空を目指しているのは本当に腕だけだ。ほんとだぞ?
「あ、あの、大丈夫ですか?」
とその時、視界いっぱいの空を遮る影が差した。
そよ風に揺れるさらさらの長い黒髪、透けるように白い肌、淡い桜色の麗しいくちびる。思わず見とれて固まってしまいそうなほど整った顔。
どうやら、例のお約束パン食い美少女を追い越してしまっていたようだった。
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主人公の名前、勝手に羽礼霧統司(はれいむとうじ)とか決めてしまいましたorz
気がついたら208の人と口調が違うのは、初対面の人にはとりあえず敬語でSHINSHITEKIに接すると言うことで。ぐふ