保健室の死神でエロパロ 入室者1人目at EROPARO
保健室の死神でエロパロ 入室者1人目 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
10/09/19 05:17:45 uMQ1esXQ
返答ありがとう。頑張ってみるw

701:名無しさん@ピンキー
10/09/19 14:45:34 nvS2E8OB
操を書いた
エロ展開は自粛しておく

702:少女毒 1
10/09/19 14:46:45 nvS2E8OB
それは突然のことだった。
「おひさしぶりです」
目の前に現れた幼い少女に、ハデスは声を失った。
いや、今日のこの時まで何故か少女ではなく少年だとすっかり思い込んでいた。それほど以前
対峙した時には手こずった相手でもあったのだ。結局は異常な父親に振り回されて心身の健康
を損なった犠牲者でもあった訳だが、今こうして眺めれば、随分と回復しているようだ。
やはりあの父親が最大のガンだったのだろう。
このまま何事もなく成長して普通の少女になっていければいいのだが、と思わずにはいられな
かった。

「あの子はカオスね」
鈍がぽつりと呟く。
「父親の呪縛が完全に解けきれているとは言えない。開放されるまでにはまだ随分時間も手間も
掛かるわね…とても厄介だわ」
蛇の女が出来るだけ感情を消して続ける言葉が気になった。しかしまだ今はこれ以上、他者が
何かを助力出来る時期でもない。ゆっくりと、ただ確実に魔毒のように浸透した呪縛が解けるのを
待つしかなかった。

操は一人で石を積み上げている。飽きもせず。
「操ちゃん」
「ハデス先生」
「それは、何?」
「すとーんへんじを作っています、操はいま超こだい文明にこっているのです」
「そう、面白そうだね。手伝ってもいいかな」
「…はい」
まだ人と接することに慣れていないのか、ぎこちない言葉が痛々しい。それでも、失われた子供
の時間を少しずつ自力で取り戻してきている。それは無残なほどに損傷してしまったと思われて
いた柔らかい心の、奇跡的に目覚しい復活でもあった。

703:少女毒 2
10/09/19 14:47:31 nvS2E8OB
石を持つ手が配置に迷っている。
まだ完成しない小さなストーンヘンジは、それでもなかなか良く出来ていた。どこで見て興味を
持ったのかは知れないが、操の知能や感性そのものは人並み以上であることが分かる。九歳
という年齢を考えれば驚くべきことだろう。
そんな幼い横顔がぽつりと呟く。
「いつか、ブリテン島にいって本物をみたいのです」
「そうだね、いつかきっと行けると思うよ」
「…本当?」
ぱっと顔を上げた操の表情は今までにないほど輝いていた。本来の子供らしさが大分戻ってきて
いることを感じて、つられるように笑みが漏れる。
「操ちゃんならね」
「ハデス先生がいうことなら、しんじます」
恥らうように染まる頬がとても愛らしい。なのにあの父親はこんな風に娘と普通の会話を交わした
ことすらなかったのか、一体この子の何を見ていたのだろうと今更ながらに憤るばかりだ。
積み上げた石がバランスを崩して一つ落ちた。
「操ちゃんは、今幸せなんだね」
「はい、ここはみんなとてもやさしいです」
「それは良かった」
しかし操は一瞬、表情を曇らせる。
「でもおとうさんはどうして操になにもおしえてくれなかったのでしょう」
「えっ…」
「操はわるい子だったのですか?」
見上げる瞳が微かな不安に揺れていた。あれだけ強く洗脳されきっていても、やはり心の隅には
疑念が残っていたのだろう。それだけはまだ解決されていないまま残っていたのだ。
「だからおとうさんは操がきらいだったのでしょうか」
「…そんなことはないよ、操ちゃん」
ハデスは言葉を濁すしかなかった。操は何も悪くはない。ただ、あの父親が只の自分の自尊心
を満たす為の道具としてだけではなく、純粋に娘を愛していた部分が少しでもあったのかどうかは
まだ誰にも分からないことだ。
願わくば、もし残酷な結果であったとしてもこの少女が傷つきはしないようにと祈るしかない。

704:少女毒 3
10/09/19 14:48:16 nvS2E8OB
「みんなが優しいのは、操ちゃんがいい子だからだよ」
その言葉に、あどけない綺麗な瞳が潤んだように見えた。
「では、みんな操がすきなのですね」
「そうだよ」
「いい子でいれば、いつかおとうさんにも会えますね」
「…それはまだ保証出来ないけど、多分ね」
少し考えていたのか、時間を置いてから再び操が恥らいながら口を開く。
「ハデス先生も、操がすきでいてくれますか?」
「うん、もちろん」
「じゃあ、操ははやく大人になります」
言ったと同時に持っていた石を放り出して、ハデスに抱きついてきた。突然だったので振りほどく
ことも出来ないままでいるうちに、安心したように操が少し笑った。
「そしたらおよめさんにしてくれますか?」
「それは」
「やくそくですよ、ハデス先生」
「操ちゃん…」
操の変貌に戸惑いながらも、ハデスは考えを巡らせる。どのみちこんなものは他愛ない子供の
言葉だ。父親という大人の男の愛情が完全に欠乏していたから、本能が闇雲に求めているだけ
のことでしかないのだろう。
「そうしたら、操はもうさびしくなりません」
縋るように腕を回してくる操の華奢な身体から、体温が伝わってきた。幼いながらに必死で自分
を再構築しようとしている。そして居場所を探している。決して安易な返事などは出来ないと思い
つつも、何が最善の言葉なのかは分からずにいた。

そんな危うい雰囲気を、つんざくような美作の叫び声が打ち消した。何か異変が起こったらしい。
思わず声が響いた場所に駆けて行こうとしたハデスに、再び一人残される操が声をかけた。
「やくそく、わすれないでくださいね」






705:名無しさん@ピンキー
10/09/20 00:08:27 8OAuF2xX
とても良かったです
ありがとう

706:名無しさん@ピンキー
10/09/20 17:51:05 GdgYjYIN
一通り見た感じ、操はハデスかアシタバと絡むのか
女の子だとバレたあたりの描写から経一とのカプを想像してた

707:名無しさん@ピンキー
10/09/20 18:50:24 S/lf/WBe
エロパロでエロ自粛する意味がよく分からん

708:名無しさん@ピンキー
10/09/20 19:26:09 YJkHMKDx
操の年齢考慮しただけじゃね?
俺もロリは好きだけど、ストレートにエロにいかれると萎える

709:名無しさん@ピンキー
10/09/20 20:03:26 eKpYLFHO
>>708
ストレートとは、本番のことかな。
例えば

操と一緒に風呂に入り、体を洗う経一
子供だと思って、無造作に操の股間もゴシゴシ
「あ…」と頬を染める操
彼女の中の女が目覚めたのだった

くらいならどうかね?

710:名無しさん@ピンキー
10/09/20 20:44:31 YJkHMKDx
うん、それぐらいなら大丈夫かな
>>696の不埒な出来心ってのも、経一のキャラからするとちょっとどうかと
思うし

711:名無しさん@ピンキー
10/09/20 23:38:24 S/lf/WBe
いや、エロパロだからストレートいってなんぼだと思うが…
過程はまぁ書く人がそれぞれ工夫するだろし

712:名無しさん@ピンキー
10/09/21 00:46:18 yZWZuzUr
アシタバは将来ロリトリオに逆レ4Pされる、間違いない

713:名無しさん@ピンキー
10/09/21 03:34:45 fuP5Oxqz
>>712
ロリトリオって誰だよw
操と人形の女の子と…三途川先生?

714:名無しさん@ピンキー
10/09/21 08:54:06 I8+bavpT
6年…いや3年後ぐらいなら操もエロでいける

715:名無しさん@ピンキー
10/09/21 09:07:47 yZWZuzUr
>>713
妹・操・しおりの3人

716:名無しさん@ピンキー
10/09/21 21:37:10 QFRkFPmR
>>714
今がド真ん中だぜ?

717:名無しさん@ピンキー
10/09/22 12:03:39 7CV/tsre
保健室に住みたい

718:名無しさん@ピンキー
10/09/22 19:02:59 LA+RIPRq
みのりちゃんのファスナーがどんどん下がってる

花巻さん「服着てるの恥ずかしい」
みのり「その趣味は否定しない」

Σ( ゜д゜) はっ…!

719: ◆rnZrKZqoCA
10/09/22 22:46:22 eDwYj5JH
>>700ですがなかなかすんなり書けないw
しかも長くなりそう・・・。

>>718
おみやげドゾー
URLリンク(chan.sankakucomplex.com)

720: ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:04:37 7y5Ea8jb
書き上がりましたー。が、導入部分がちょっとあるのでいらない方は3章からどうぞ。
一応、1・2章のあらすじを。

ハデスがアシタバと看板立ててたらみのり先生に怒られた。
アシタバにも注意がいったので「冷血」使ってみのり先生の「怒り」を吸収。
アシタバに悟られ、注意されたのでお詫びにみのり先生を食事に誘う。

ここから3章です。

721:悪の罠 序章 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:05:31 7y5Ea8jb
俺の本性は何だ?

子供の頃は泣き虫だった。
それが原因でよくいじめられていた。
いくら泣いてもいじめられ続けた俺は些細なことでも怒るようになった。
感情の発露が止められなくなり普通なら気にならないような事でも見咎め、煽り、怒りをぶちまける。時には暴力も。
辺りかまわず感情を爆発させ続ける俺から人はいつしか離れていった。
いじめはなくなったが代わりに俺は孤独になった。

悔しかった。辛かった。誰かに助けて欲しかった。
そんな時、ヤツに出会った。
「冷血(クルエル)」
コントロールできない感情を喰ってくれるという言葉に乗り、更なる悪夢に迷い込んだ。
地獄から救ってくれた4人の恩人。

僕は今、善人でいられる。

722:悪の罠 1章 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:06:28 7y5Ea8jb
「ごめんね、アシタバくん。手伝って貰っちゃって」
校庭横の手洗い場でハデスはデカイ看板を立てていた。
木枠にブリキ板を釘で打ちつけたそれには、
【水は浄水器から飲みましょう。生水を飲むとおなかを壊します。】
と、白地に赤ペンキでデカデカと書かれていた。
「いやぁ運ぶだけなら・・。でも、こんなのいつ作ったんですか?」
「勤務の合間にね。簡単な物だからすぐに・・・」
答えかけた時、背後から大声が飛んできた。
「ハデス先生!!」
「さ、才崎先生?」

ハデスが何かを作ってみのりに注意されるのはいつもの事である。
アシタバが(またか・・・)と思うのも無理も無い事であった。
「いったい何を作っていらっしゃるんですか!?」
「いえ、ここの所かなり気温が上がってきてますので生徒達が水の飲み過ぎで腹痛など起こさないようにですね・・・」
「でしたらプリント也を配って注意喚起して頂ければ結構です。勝手に看板を設置されては困ります!まして風で倒れて生徒が怪我をしたら・・・」
「そ、それは確かに・・・」
ハデスがみのりに怒鳴られている間、特大看板を支えていたアシタバは「いつまで持ってたらいいんだろう・・」等と他人事であった。
しかし、
「だいたいアシタバ君もいけないわ。ハデス先生が変な事を始めたら何故私に報告しないの!?」
この一言で風向きは急変した。

それから怒涛の攻撃が始まった。普段から藤に「口やかましい」等と言われているみのりだが基本的にお説教の時でもちゃんと生徒のフォローをしている。
だが今回はハデスの行為のおかげでヒートアップしているのか、フォローも無い上にかなりキツイ口調だ。
「あの・・、才崎先生・・・?悪いのは僕ですから・・・。アシタバ君は何も・・・・」
ハデスは懸命に助け舟を出そうとするが、それが癪に障ったのか全くの逆効果であった。
「ハデス先生は黙ってて下さい!アシタバ君の担任は私です!!それからアシタバ君。用もないのに保健室に入り浸る事がいけない事ぐらい君なら分かって・・・」
自分にとって最悪の話題が出始めたところで、ハデスはみのりの肩に手を置いて言った。
「才崎先生。下校時刻も迫ってますし、もう、この辺にしませんか。悪いのは僕です。アシタバ君に責任はありません。」
「え・・ええ、そうですね。では、ハデス先生。今後、何かを設置するときは職員会で許可を得てからにして下さい。アシタバ君も早く下校するように」
不思議な事にあれだけ熱くなっていたみのりが急におとなしくなり、その場を去っていった。
「????」
「さ、アシタバ君も帰りなさい。後片付けは僕がキチンとしておくからね」
「・・・は、はい」

その日の夜中、ハデスは腹の奥底で違和感を覚えた。だが、それはまどろみに紛れ夢か現実か判断できなかった。

『美味ェ・・・』

723:悪の罠 2章1 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:08:01 7y5Ea8jb
看板騒動から数日後、ハデスは自身の変化に気付き始めていた。元々食への興味など無いに等しかったが、あの日を境に翌日の献立を考える様になっている。
睡眠時間も普段は6時間前後、最低限休まなければならない程度だったものが昨日の休日など昼過ぎまで寝ていた。
前日に酒を飲んだわけでもなく、特に疲れていたわけでもない。
だが変化に気付いても、それをどうこうしようという意識はなかった。食事に気を遣う事が悪いわけでは無し、休みに少々寝過ごす事等、誰にでもあるだろう、と。

午前中は保健室に来客は少ない。
いや元々終日利用者は殆どいないのだが、いつも集まってくれるメンバーは大体、昼休みと放課後だ。
しかしこの日は珍しく1時間目が終わって早速生徒がやってきた。
「失礼します・・・」
とはいえ、いつものメンバーの一人に変わりはないのだが。
「やぁ、アシタバ君。どうかしたの?」
「はぁ・・その・・・」
「?」
何か言いにくい事を切り出そうとしているのは容易に分かったが、それが何かは気付かなかった。
しかし、それが分かった途端、背筋に寒気がした。
「この間、みのり先生に何かしませんでしたか・・・?」
「!?」
「おかしいですよね?あんなに怒ってたのに急に・・・」
「相変わらず・・・・鋭いな・・・・君は・・・・」
観念したのかハデスは事のあらましを語りだした。

「僕の力は病魔だけを喰うわけじゃないんだ。人の精神、感情を喰うんだよ。病魔は感情の塊だ、だからこそこれで退治できる」
「じゃあ、あの時はみのり先生の・・・?」
「そう。怒りの感情を少しね。本来絶対にしちゃいけない事だった・・・。才崎先生に謝らないと」
「いや、それを本人に言うのはどうかと・・・。病魔の事も知らないしバカにされてると思って逆に怒り出しそうですよ?」
「そ、それは困るな。どうしよう・・・?」
「お詫びの印に何か送ればいいんじゃないですか?病魔云々は伏せておいて、看板の事だけ謝るとか・・・。あ、もう時間が・・・、じゃあ僕はこれで」
「うん、何か考えておくよ。あ!アシタバ君!!」
退出しかけたアシタバをハデスが呼び止めた。その顔は本当に辛そうな、切なそうな表情だった。
「ごめんね。本当に・・・ありがとう・・」

本当に嬉しいのだった。

724:悪の罠 2章2 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:10:05 7y5Ea8jb
(2-1最後の「本当に~」はコピペミスですorz)

アシタバが去った後、ひとしきり自己嫌悪に陥ってから意を決して引き出しを開ける。
アシタバは何かプレゼントして、と言ったが女性が好む物どころか世間の流行すら全く知らないハデスに「みのりが貰って喜ぶ物」など見当がつくはずが無い。
下手なものを送って激昂させては詫びどころか嫌がらせである。しかもそれは不本意ではあったものの以前にやらかした事だ。
二回も繰り返せばどうなるか、考えるまでもない。
ハデスが手に取ったのは、備品のカタログに付いて来たフリークーポン誌だった。
近場で予算ギリギリのなるべく女性受けしそうな、更に言えばどこを選んでも自分も初めての店になるので注文で悩まないようコース料理のある店を片っ端から探しまくる。
散々迷った挙句、なんとか店を選び予約を入れようとした所で、ハタと手が止まる。
(才崎先生の予定も都合も聞かずに予約していいのだろうか?)
生まれて初めて女性を誘い、店の予約をしようとしているハデスである。
「キャンセル」などという単語が思い浮かぶはずもない。
「先に聞いてから電話しよう・・・」

「え!?」
授業後、職員室に戻る途中で呼び止められたみのりは真っ赤になって聞き返した。
「いえ、ですから、先日・・というか最近ずっと大変な御迷惑をお掛けしていたお詫びと以前、食事に招待して頂いたお礼をですね・・・」
欠片も予期していなかったハデスからの誘いである。耳元で自分の心音が聞こえるほど舞い上がったが、勤務中の校内ゆえ努めて冷静に振舞う。
「こ、光栄ですけど、そ、そ、そのようなお話は勤務後に、な、なさ、なされりゅ・・」
冷静に対応していると思っているのは本人だけなのだが。
「そ、そうですよね。申し訳ありません。全く僕は・・・」
いや、ここにもいたらしい。みのりの動転ぶりに全く気がついていない。
「あ、いえ、お誘いは本当に・・。きょ、今日は予定もありませんので・・・」
「え?では・・?」
「は、はい。あの、詳しい事は放課後に・・」
「はい!ありがとうございます!」
「あら、そんな・・・」
その後は頬が緩みっぱなしであった。帰りのHRの時など美作から「みのりちゃん、なんか良いことあっただろ?」と詮索される始末である。
自分がハデスに対して四苦八苦していた事をハデスが自分にしてくれている事がとても嬉しかった。
見た目はさて置き、絶えず何かを作っては騒動を起こす人物だが、一部とはいえ生徒からの信頼は誰よりも勝ち得ている。
生徒からちゃん付けで呼ばれている自分にはない、ある種のカリスマ性があるのでは?そう思う事も多くなってきた。
それに常中史上最大の問題児とまで言われる安田を一時とは言え別人のように更生させたのは後にも先にもハデス唯一人である。
どんな指導をしたのか想像もつかないが今の自分では絶対にできない事だ。
「それに・・・」
(優しい)
慈愛という言葉がこれほど似合う人物もそうはいないはずだ。
誰に対しても平等に接するハデスが自分に対して特別な事をしてくれているというのが本当に嬉しいのだった。

725:悪の罠 3章1 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:11:21 7y5Ea8jb
異変を感じたのは店を出た後の事だ。
昼間に返事を貰い、すぐに予約を取った。放課後、落ち合って店に行き食事を堪能し、アルコールも入った。
あまり飲まなかったハデスに対し、緊張していたのかみのりは結構なペースで杯を重ね、今はハデスの腰に手を回し支えてもらって歩いている。
学校ではないのだからと「逸人さん」と気さくに名前で呼びかけられ少々驚きはしたものの、自分も思い切って「みのりさん」と呼ぶ事にした。
ここまでは良い。上出来である。しかし・・・。
「逸人さん、ちゃぁんと部屋まで送って下さいね。途中で帰っちゃ嫌ですよ。とっておきの紅茶、ご馳走しますわ」
(いくら酔っているとは言え、才崎先生はここまで明け透けだったか??)
「もちろん、きちんとお送りしますよ、さい・・みのりさん。ですが、少しどこかで休まれた方が・・・」
「ま、どこに連れ込む気ですか、いやらしい」
「え!?いやいや、そのような事は決して・・・ぇ!?」
紳士の務めとして車道に近い左側を歩いているハデスの右わき腹辺りに、「明確な意図の元」胸の膨らみが押し付けられてきた。
これだけならみのりは酔うと変わる、で終わるのだが問題はこの先にある。
(・・・・・・・・・・・!!!!!!)
制御しきれないほどの劣情がハデス自身を襲い始めたのである。自分が酔っていれば多少理解もできようが、ハデスが口にしたのはグラスワイン1杯だけだ。
いくらなんでも、これで酔うほどの下戸ではないのは自分が一番よく知っている。
「嘘。嘘です。知ってます、逸人さんがそんな事考える人じゃないことぐらい。言ってみただけですわ」
上目遣いで胸を押し付けられながら囁かれると、そのまま押し倒してしまいたくなる。
実際、肩を抱いている手の指先には知らず力が込められていた。
「冗談は止めてくださいよ・・・」
「ふふ。でも私の部屋ならいいですわよ?他に誰もいませんし」
「才崎先生・・・、本当にもぅ・・・」
「みのり。そう呼んで下さらないともっと言いますわよ?」
「ああ、すいません。でも、もう困らせないで下さい、みのりさん」
「普段いつも困らせて頂いてますもの、お返しです」
「これは・・・参ったな・・・・」
自然と二人とも笑い出す。しかし、あの劣情は消えない。

みのりが部屋着に着替え、紅茶を用意する間、ハデスは考えていた。
(どう考えてもおかしい。何かが変だ。病魔?違う。そんな気配は全然・・・)
「お待たせしました。さ、どうぞ」
着替えたみのりの姿を見るや、ハデスの目が見開いた。
「な・・・・な・・・・・・」
シースルーではないが肩紐のネグリジェというかミニドレスというかそんな姿なのだ。
(どうなっている!?夢か、これは!??)
狼狽するハデスの前に紅茶が並べられる。
飲んで少しは落ち着かなくてはと思い、口を付けるが動悸は早まるばかりだ。
「逸人さん・・・」
左隣に座ったみのりが潤んだ目で見つめながらしな垂れかかってきた。
(!!!!!!!!!!!!)
「ちょ、ちょっと、みのりさん!?」
「魅力・・・ないですか・・・?」
「とんでもない!あり過ぎて困ってるんです、僕は・・・」
「良かった・・・。嬉しい・・・・」
言うが早いか、みのりの両手がハデスの頭を捕らえ、唇を重ねてきた。間髪入れず舌を絡めてくる。
(!?・・・・才崎・・・・せん・・・)
頭の中が真っ白になり、疑問も不安も罪悪感も快楽の前に吹っ飛んだ。冷静さなど、とうに消えている。
「ふぁ・・・」
みのりが唇を離すと二人の舌に唾液の糸がひいた。
惚けているハデスの左手を取って微笑む。
「触って・・・・下さい・・・・」
そのまま胸元に手を導いた。
手の平に吸い付くような瑞々しい肌と大きさ、何よりその柔らかさ。全く未経験の触り心地であった。
「みのりさん・・・」
指先に力を込める度、みのりの息が大きくなる。
無心になって感触を楽しんでいた時だ。

726:悪の罠 3章2 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:13:30 7y5Ea8jb
『羞恥心の無い女は大胆だねぇ』
(!?)
声が聞こえた。みのりではない。自分の中からだ。
(貴様!?どうして?何故!?)
声の主は「冷血」。ほぼ完全にハデスの意思でコントロールしていたはずが、その呪縛を解いていた。
『何故もなにも。腹が減った。それだけだ』
(ふざけるな!病魔(ごちそう)はやってるし、僕の感情(エサ)も食わせているだろう!)
『まぁな。だがエサに飽きた』
(なんだと・・・・?)
『前に喰った安田とかいうガキの感情はテメーのエサと大して変わらなかったがな。この女の「怒り」ってのは抜群に美味くてなァ』
(!??)
『網張って待つのは得意だからな。テメーの感情をあえて喰わずにしたりよぉ。こんなに早くありつけるとは思ってなかったがな』
(き・・・さ・・・・ま・・・・!!)
『この女の羞恥心と自制心はかなり美味かったぜェ?快感はもっと美味そうだ。早く食わせろ!』
(ふざけるな!!誰がそんな真似!!)
『そうかい。じゃあ好きにしな』
感じるのは「冷血」の声だけだ。しかし、ハデスははっきりと分かった。ニタニタしながら笑う「冷血」を。
『俺が喰わなかった「欲望」をお前が自分でどうにかできるもんならなぁ!』
「グッ!」

「冷血」との会話中に肉体の自由を奪われたわけではない。だが、ハデスの手は休むことなくみのりの乳房を弄んでいた。
そればかりか、さらに奥へ手を差し込み、指先で探り当てた乳首もいじくり始める。
「・・・あっ?」
硬くなったそれに触れられた瞬間、みのりが声を上げた。
「あ、あの、みのりさん・・・」
「嬉しいですわ・・。邪魔だから、脱ぎますわね・・・」
ハデスの手を抜き取り、手早く服を脱ぎ落とす。二つの白い乳房を隠すものは無くなった。
(よせよせよせ。やめろやめろやめろ!!)
頭でいくら叫ぼうが声にならない。体は本能の向かうまま動き出す。
今までハデスがどんな事態でもほぼ冷静に対応できていたのは自身の精神が優れていた訳ではない。
全て「冷血」がその時の障害となりうる感情を喰らっていたからこそなのだ。
そのブレーキ役が職務を放り出し、自分の感情が暴走しかけている今の現状はペーパードライバーがアクセル全開で高速道路を走るに等しい。
コントロールなぞ、できるわけがないのだ。

727:悪の罠 3章3 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:14:21 7y5Ea8jb
「んっ・・・」
乳首を口に含み、舌先で転がすように舐めまわす。両手はもちろん柔らかい塊を優しく揉みほぐし続けている。
舌を突き出し乳首の根元を掘るように動かす。歯で軽く刺激を与える。乳輪を舐め、乳首を吸う。
「んっ・・・くぁ・・・・あぁっ・・・・」
何かをする度、押し殺したように甘い声を漏らし、それが更にハデスを興奮させた。
自分から唇を求め、舌を絡め、唾液を啜る。耳たぶを噛み、首筋を舌でなぞった。
「ひゃうっ・・・・。い、逸人さ・・・ん・・・・」
「みのりさん・・・・、し、下も触って・・・?」
「えぇ・・・・。もち・・・ろん・・・・」
一応、確認してから最後の下着の中に手を入れる。茂みをかき分けトロトロになった亀裂に指を這わせた。
「んきゅっ・・・」
胸とは違った柔らかさの箇所を体液を絡めながら刺激しているとみのりの声が明らかに変わってきていた。
「んあっ!・・・そっ・・・こっ・・・・ひぅあ・・・んっ!んっ!んっ!」
手を引き抜いたハデスは今度は了解を得ずに、みのりを全裸にした。そのままさっきまで指で弄っていた所に口を付ける。
「いっ、逸人さん!そんな、汚い・・・」
「気にしません」
舌先を亀裂にねじ込んだ直後は刺激が舌に伝わったが、奥の肉穴から次々溢れ出す液体がすぐさまその刺激を中和していった。

「やあぁ・・・・あんっ!・・・・んっ!あぁっ!・・・はぁっ!・・・う・・・そ・・・何で・・・」
「嫌ですか?」
「違ッ・・!気持ち・・いい・・・。私・・・こんな・・・・」
肯定の言葉を聞くとハデスは行為を再開した。電気は付いたままなので色艶、形もハッキリ見て取れる。
肉穴に舌を差込んで愛液をかき出し、尿道を舐め、唇で陰唇を刺激してクリトリスを舌で押し潰す。
一連の動作を延々としていると、みのりの腰が跳ね上がり中断してしまった。
「みのりさん・・・。じっとして・・・」
「ご、ごめ・・・なさ・・・。でっ!・・でもっ!・・・か、勝手にぃ!」
「仕方ないな・・・」
両手でみのりの腰を持ち上げ、そのまま抱え込んでから股間に口を付けた。
「ひんっ!・・・や・・・ぁあ・・・」
しかし、その内これでも暴れ始めてしまった為、ハデスは諦めてみのりをベッドまで連れて行き、横たわらせた。

「い、逸人さん・・・、ごめんなさい・・・」
「気にしないで下さい。僕が・・・しつこ過ぎましたね」
「そんな・・・」
衣服を全て脱いだハデスはみのりの上に覆いかぶさった。
「指なら大丈夫ですかね?」
「・・え?・・・・うんっ!」
右手の中指を一本、膣口に潜り込ませる。十分に濡れていた穴はすんなりと異物を受け入れた。
中は狭く、大量の愛液と相まって肉壁の凸凹が指に絡みつくような感覚を覚える。
「すごいな・・・。締め付けてるのが分かりますよ・・・」
みのりの返事は無い。息を荒げてしがみついてくるだけだ。
「・・・動かしますね」
「っっっっ!!」
抱きついたまま、頷くのが今の精一杯の返事のようだ。
指を出し入れし、一番奥でかき混ぜる様に動かす。そんな事を繰り返している間、みのりは必死で声を抑え、ハデスにしがみ付いていた。
だがそれも束の間。すぐに声が上がり始める。
「いっ・・ひと・・・さっ・・・!。わっ!わたっ・・。もう・・・」
「・・・いいですよ。一度・・・終わらせましょう・・・」
口づけをしたまま、指を激しく動かし続ける。膣口が締め付けられるのと背中に爪を立てられたのは同時だった。

728:悪の罠 3章4 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:15:11 7y5Ea8jb
柔らかい体を抱きしめる。汗ばんでいた。
「大丈夫ですか?」
「は・・・い・・・。あの、背中・・・・ごめんなさい・・・」
「傷にもなってないですよ。平気です」
みのりの額に軽くキスをする。
「次・・・、いいですか・・・?」
「・・・はい」
「じゃぁ・・・いきますよ・・・」
すっかり準備のできていた自身をみのりの体内に埋め込んでいく。
「んっ!ぐっ!逸人さん、・・・痛い」
指一本でも狭く感じたところに明らかにそれより太いものを挿入しているのだから、痛みも当然であろう。
「ゆっくり・・・します・・から・・・。我慢・・・して下さい・・」
返事は無い。それどころかハデスの腰に手を回し引き付けてきた。
「・・・みのりさん?」
「痛く・・なくなりました・・・。平気です・・・」
(・・・・また貴様か!!)
『御名答。「苦痛」もいけるなぁ』
(二度と手を出すな!)
『いいのか?その女の「苦痛」と「嫌悪感」「羞恥心」が出てきたら困るのは誰だ?』
(だまれ!!)
『ヒヒャハハハハハ・・・』
「逸人さん・・・?」
形相のハデスを見て、みのりが心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫です。痛みがなくて・・・良かった。・・・動いても?」
「ええ・・・」
初めはゆっくりと、そして段々と加速していき数分後、みのりがまた声を上げた。
「あっあっあっあっ!んっくっ!あっあっあっ!!」
声が一気にうわずり、間隔が短くなったと思った瞬間パタリと止んだ。
「みのり・・・さん?」
果てたかと思って顔を覗き込むと、不思議そうな表情で見つめ返された。
「逸人さん・・?今、私・・・その・・・イキそうになって・・でも・・・」
すぐに理由がわかった。「快感」を喰われた、と。
(二度と手を出すなと言ったぞ・・・)
『これが目的だってのに引っ込むバカがいるかよ。心配するな、お前の「快感」も摘んでるから女より先に果てる事はないぞ。女に負けちゃカッコつかねえだろォ?』
(こ・・・の・・・)
『何、普通より少し長めに時間かかるだけだ。誰も損しねぇよ。アハハハハ!』
「逸人さん・・・ごめんなさい・・・。私、もう大丈夫ですから・・・。動いて・・・」
「え?あ、はい。・・・わ、わかりました」
みのりが声を上げ、果てる直前ふいに黙り込む。そんなやり取りがもう5、6回も繰り返された時だろうか、叫び声が上がった。
「逸人さん!私、私イキたいッ!お願い、イキたいのッ!イカせてッ!お願い!・・・助けて・・・」
「みのりさん!」
(いい加減にしろ!もういいだろう!!)
『ゲェ~ップ・・・。狂われても困るな。お開きにしてやるよ』
(クソッ!!この・・・!!!)
「お願い、早く!お願い・・・お願い・・・・」
「みのりさん、大丈夫ですから!落ち着いて。すぐ、終わらせますから・・・」
思い切り抱きしめ、メチャクチャに動いた。
「きひっ!?アッ!クァッ!アッアッアッ!!やぁっ!こわっ・・・れ・・・、ぅああああああああ!!!」
みのりの全身が硬直し直後、弛緩した。だが、余韻が残っているのか太ももは痙攣し続け、時折体も震わせている。
少し経って体を離すとドロリとした液体がみのりの膣内から太ももを伝いシーツに流れ落ちた。
「逸人さん?」
「あ・・・・あの・・・」
困惑しきりのハデスをみてみのりは優しく微笑んだ。
「平気ですわよ。嬉しいです、とても。もう一つ、お願いいいかしら?」
「・・・なんでしょう?」
「朝まで一緒に・・・。お願い・・・」
「・・・・・もちろんです」

729:悪の罠 4章 ◆rnZrKZqoCA
10/09/23 05:16:20 7y5Ea8jb
翌朝。
ハデスは目を覚ました瞬間、戸惑った。上半身だけ起こし、辺りを見回す。
(・・・そうだ、ここはみのりさんの・・・)
近くにあった時計を見ると午前5時半。外がようやく明るくなり始めていた。
隣に目をやると裸のみのりが幸せそうに眠っている。その寝顔を見つめていると体が震えだした。
(僕は・・・・なんて事を・・・・!!)
『おいおい、言い訳は男らしくねーぜェ?』
(全て貴様のせいだろうが!!!)
『・・・寝ぼけんなよ?』
「冷血」が今までのチャラけた物言いとは打って変わってドスの利いた口調になった。
『俺が喰ったのは女の「羞恥心」「警戒心」「恐怖」「嫌悪」「自制心」「苦痛」「快楽」。お前の「快楽」だけだ』
(な・・・に・・・?)
『お前の「自制心」やら制止、抑止型の精神には一切手を出してない』
(で、でたらめを・・・・!)
『あの女をお前が抱いたのはな、お前が抱きたかったからだ』
(!!!!!!)
『言ったハズだ。俺が喰わなかった「欲望」を自分で制御できるならやれ、とな。結果は?見ての通りだ。お前はガキの頃から変わってない。俺の喰った残りカスの感情を制

御していたくらいで「大人」になれたと思っていたか?お前が俺を制御していたんじゃない。俺がお前を制御してたんだ』
(やめろ・・・)
『ああ。・・・・いつでも助けてやるぜェ!?ヒャハハハハ!アハハハハハハハ!!』

笑い声が耳に残った。頭を抱え込み、声を押し殺して・・・・・、泣いた。

(僕は・・・・・、悪人だ・・・・・)



730:名無しさん@ピンキー
10/09/24 07:22:28 AtMpbuzr
GJ!
こういうハデみのもいいね


731: ◆rnZrKZqoCA
10/09/26 01:26:39 I/pjiNk0
>>730
お褒め頂き恐縮です。
暗黒堕ちとか言った割には、ハデスが常識的な言動で堕ちる前って感じになってしまいました。
続き考えようかどうしようか迷ってたりしますw

732:名無しさん@ピンキー
10/09/26 21:28:35 ov8jXPJF
こういうの・・・待ってました!!
GJ過ぎてGJだぜ

733:sage
10/09/26 23:09:41 bioyWV8Z
萌えたぜ!
先生の過去設定が好きだっ
是非続き書いてほしい

734:名無しさん@ピンキー
10/09/26 23:41:35 ov8jXPJF
おっと、テンション上がり過ぎてageちまった。
すまねぇ。 新たな職人の誕生を心から祝います!

735:藤花
10/10/03 05:19:43 hm7N0jgS
空気を読まず投下
覗き注意

『うっ……は、ぁ…もーちょい強くできる?』
『…こう…ですか?』
『おぅ…いいぞ花巻……っ』
『あ…かたい……』
『うぉっ!そこ、ヤバっ……』

安田貢広、通称希代のエロリスト。彼は今、普段ではありえない事態に遭遇していた。
放課後に何気なく立ち寄った保健室。扉の向こうからは藤らしき人物の声と、状況から推測するに、花巻の声が聞こえる。

(うほっ、ラッキー!誰も来るんじゃねえぞ……)
安田のエロ魂を煽るように、二人の声はだんだんと盛り上がってくる。

『ふぅ。変わってやるよ』
『え…あの…あ、ありがとう』

(変わるだとぉぉ!けしからん!けしからんそ!)

「おい、安田」
「うわっ……ってなんだよ美作かよ」
いきなり声をかけられたので繕う暇も無かったのか安田の表情は変質者のそれに近かった。
さすがの美作も若干引き気味である。
「うるせぇな。お前、遠目で見ても気持ち悪かったぞ。何やってんだよ」
「俺は今、股間のセンサーがビンビンである」
「だから?」
美作がそう切り返すと、安田は不愉快なポーズをとりつつ答えた。
「わからんのか性少年よ。保健室の中は今、俺たちの癒しという名のエロティシズムに満ち溢れている。この声を聞きたまえ、哀れな子羊よ」
「いや、意味わかんねぇよ」
「正直俺もわからん」
二人は保健室の扉に耳を近づけ、教室内の音を探る。

『あ…藤くんっ、ふ……ぁっ、イヤっ』
『イヤ?花巻の嘘つき』
『ひゃあぁ!』

「これ、藤と花巻じゃねーか!」
「うおおおお!ムカつくぜイケメン!でも俺たちに癒しをありがとぉぉ!」
「ちょ、安田うるせぇぞ!中に聞こえる!」

そんな二人をよそに、保健室からの声は大きくなるばかりだ。


736:藤花2
10/10/03 05:24:47 hm7N0jgS
『はぁ……んっ…んぅっ』
『ここはどう?』
『…ひゃあ!…あ、…あっ』
『気持ちいい?』
『あっ……気持ちぃ…です』
『こういうのは?』
『痛ぁ…あ、ごめんなさ……やっ!』
『イヤ?ほんとに?』
『んんっ……ふっ、あっ!』

安田も美作も、何かに取り憑かれたように聞き入る。
美作は普段の彼らの関係からは想像できないような色っぽい関係に軽く混乱状態に陥る。
「お、やるじゃんイケメン。イケメンはイケメンなだけじゃなくテクニシャンなのか。けしからん!」
安田は一人で何かつぶやいていた。鼻血を垂らしながら。
「ふ、藤のナニって、でかいのかな」
「はぁ!?何言ってんだよアホか!」
「いや、美作……貴殿も生粋の男子ならば気になるはずだ。藤のナニの大きさがな!」
「オイィ!…でもまぁ、気にならないわけでもない」
「だよな。コレで藤のナニが俺らのナニよりもでかかったら俺は本気で落ち込むぞ」
一瞬の沈黙。先に口を開いたのは美作だった。
「さすがにドアを開けるのはマズい。結構音が鳴るからな。なんか状況証拠的なやつで何か無いのか?」
「……そういえば、お前が来たのって交代した後だったな」
「は?なんだよ交代って」
安田の目が、ありえないくらいに見開かれる。
「それはその……アレだよ」
あの安田が言葉に詰まるなんてよっぽどのことだろう。美作は期待に胸を膨らませながら話すように促す。すると、安田も決心したように目をつぶる。
「おそらく最初に、藤は花巻に自分のナニをその、アレさせてたわけだが……」
「えええ!マジかよ!」
「気が済んだ藤は花巻のナニをアレし始めたと……こういうことではなかろうか」
「えええええぇぇぇえぇえ!!!」
「ちょっと!うるさいぞみまさ『うるせぇよお前ら』
「え?」
安田と美作の前には、冷たい目つきで二人を見下ろす藤が仁王立ちしていた。

「全部聞こえてんだよ。特に安田。お前の頭は全部そっち方向にしか変換できねぇのかよ」
「だって花巻喘いでたじゃん」
「喘いでねえよアホが。俺が花巻の肩を揉んでただけだ」
「十分エロいじゃねぇかぁぁぁイケメンコルァァ!」
「す、すまねえ藤……」
申し訳なさそうに侘びを入れたのは美作だ。
「あぁ。美作は特別に許してやるよ」
「俺は!?俺はぁぁぁ!?」
美作は安田をずりずりと引きずりながら下駄箱へと向かった。


737:藤花3
10/10/03 05:34:30 hm7N0jgS

『悪い花巻』
『ううん、大丈夫…だよ』
『変なとこで止めちゃってごめんな。続き、やろうぜ』
『うん』

安田は、実は自分の推理が当たっていたことなど知る由も無い。





例の安田の覗きに便乗してやってしまった。
なんかすっきりしないのでその後も作るかもしれません。


738:名無しさん@ピンキー
10/10/03 08:19:43 pPAttCn1
乙です!
途中まではマジで肩もみオチなんだろうなーとか思ってた

739:名無しさん@ピンキー
10/10/03 14:02:29 lPLiAnOB
乙!藤花いいな!

740:名無しさん@ピンキー
10/10/03 14:30:54 h09UhVkt
乙~
やっぱり藤花っていいよな

安田と美作は本当にこんなことしてそうだな。

741:名無しさん@ピンキー
10/10/03 21:22:01 x5m1kpWT
しばらくネット落ちしてたら素晴らしい作品が二作も!
>>720
ハデみのごちです。
超良かったので、是非とも続きを希望。

>>735
藤花いいなー。
安田は絶対いつも覗いてるだろw

藤花に刺激されたので、リハビリがてら書いてみた。

742:すぐに届かなくてもいい 1
10/10/03 21:23:39 x5m1kpWT
花巻家は毎日朝から慌しい。
大抵家族の誰かが絶叫する声から一日は始まる。

「やあああーーー!!!」
その日は妹、美玖の声で始まった。
「…るっせーな、まだ5時半だろが。時間考えろ時間」
隣の部屋から兄の満が寝ぼけ顔で出てきて、美玖の部屋のドアを叩いた。すっかり慌てふため
いている美玖は、ドアを開けると縋るような目で見上げて声を絞り出した。
「…お兄ちゃん…宿題しておくの忘れちゃった」
「はぁあ??んなのお前だったら今からだって出来るだろ。落ち着けって」
100人が100人、この二人を見たら必ず兄妹だと判断するぐらいそっくりな兄は、それでも何とか
テンパっている妹を落ち着かせようとしていた。
「ほら、椅子に座る。それから教科書とノート開け、時間はあるから出来るだろ…」
「うん、ごめんね」
半べそになりながらも宿題に手をつけ始めた美玖は、一日の始まりがこんな風に始まったことに
ちょっと不吉なものを感じていた。

「…はあ…」
登校の足取りはいつも以上に重い。
少し寝不足になりながらも、何とか宿題は完成していた。ただ、そのせいか朝からすっかりペース
が狂ってしまっている。朝食のミルクは床にこぼすし、目玉焼きはすっかり焦げてしまった。これ
ではきっとこれから一日中何かが起こるに違いないと今からびくびくしているのだ。
「よっ、おはよ。どうした?」
「えっ…?」
お腹が痛いとぐずって学校へ行きたがらない小学生のように、道端で足を止めたままの花巻の
肩を誰かが後ろから叩いた。
「…藤くん…」
最近何かと声をかけてくるようになった藤が、相変わらずぶっきらぼうに顔を覗き込んでくる。それ
だけで鼓動が乱れてしまいそうだった。
「なあに朝っぱらから暗くなってんだよ。らしくねーぞ」
「えっ、そんな…」
どう言おうかと考えるだけで、顔が熱くなる。言葉が出なくなる。

743:すぐに届かなくてもいい 2
10/10/03 21:25:42 x5m1kpWT
「まさか腹が痛いとか、じゃないな。顔色は悪くねーしさ」
「う、うん…全然大丈夫。大丈夫、だから…っ」
「そっか。じゃあな」
花巻の動揺を気にも留めないように、藤はさっさと離れてしまった。それでようやく気分が落ち着い
てくると、さっきのことはもしかしたら大変な一瞬だったのではないかとまた慌ててしまいそうになる
のだった。
しばらくはつかず離れずでようやく最近少し進展したかも、ぐらいの感覚だったのに、いきなりさっき
のようなことがあったら、心が追いついていけそうにない。
世の中の片思いをしている女の子たちは、本当にどうやって段階を踏んでいるのだろう。それが
本当に分からない。人によっても違うことだからおいそれと聞けない。
だから自分からどう出ればいいのか、全然分からないままなのだ。

ここ数日、常中の女子生徒たちの話題の中心はこの間公開された恋愛映画の話題ばかりだ。
不器用で感情表現の苦手な少女と、女の子たちの憧れの的の少年の優しくも爽やかな恋愛を
綴った物語だ。
その少年とはあまり共通点がないと思うのだが、映画を見たばかりだということで、藤とダブらせ
て興奮したように話している女子生徒たちがやたら多い。
「ねっ、そう思うでしょ?」
花巻の友人たちも何人か映画を見たらしく、同じようにダブらせているようだ。
「う…うーん、そうかなあ」
映画に興味はあるのだが、さすがにあの映画の少年と藤は似ていないと思う。確かにかっこいい
し、憧れてはいるけど、藤はあんな風に女の子の理想そのもののようには優しくない。漫画の中の
世界と現実は違うのだ。
だからこそ花巻にとっては都合がいい。
もしも藤があの映画の中の世界にいるように、優しく、思い遣りに溢れていて、花巻の気持ちをも
察してくれたとしたら、それこそどうしていいのか分からなくなるに違いなかった。今の自分にも
出来ることで、少しずつ、ゆっくり理解をして、もし進展する関係であるなら着実に進めれば良い
ことだから、とても急ぐ気分にはなれなかった。
「藤くんかっこいいもんねー、やっぱ○○くんみたいっていつも思うよ」
友人たちは花巻が返答をしなくとも全く構わず、話に花を咲かせている。声も大分大きかったの
だろう。
藤が一瞬不愉快そうにちらりとこちらを見た気がして、身が竦む思いだった。

744:すぐに届かなくてもいい 3
10/10/03 21:26:45 x5m1kpWT
「花巻、一緒に帰ろうぜ」
「えっ」
放課後、帰り支度をしていた花巻に近付いてきた藤がそう言い放った。何となく怒っているようで
ずっと気になっていたことは本当だったのだと思い知った。
「あの、藤くん…」
まだ教室には他に何人もの生徒たちがいる。普段花巻と藤はこれといった接点を持たないでいる
ので、突然のことだとその場にいる誰もが思っているだろう。
「他に用事があるのか?」
「ううん、ないけど…」
「じゃ、帰ろう」
もう教室にはいたくないのか、藤は花巻の手を引いてもう一歩を踏み出そうとしていた。慌てて
その後をついて行く花巻は、一体何を言われるのかと嬉しさよりも不安で心が弾けてしまいそう
だった。

「…藤くん」
押し黙ったまま校門を出て商店街まで進んだ藤は、そこでようやく手を離した。
「怒ってるね、怖いよ…」

「怒ってなんかない」
「じゃ、何で?」
「何でだか、なんて分かるかよっ」
怒っていないと言いながらも、藤は不機嫌な顔を隠すこともなく顔を背けている。拗ねた子供の
ようだと思いつつも下手に何か言葉をかけることすら出来ず、花巻もただしばらくの間黙り続ける
しかなかった。
夕方の商店街、そんな二人を買い物に来た人たちが邪魔そうに避けながら通り過ぎていく。
「…お前は、そう思ってないんだろ?」
「え?」
「だ、だからっ、あの映画の、○○とかいう奴がっ…」
やはり映画の中の少年と藤をダブらせている多くの声が藤自身にも聞こえていたようだ。花巻も
同じだと思っていたのだろう。それで怒る理由は分からないままだが。
「だって、私まだ映画見てないもの。原作も読んでない。だから分からないよ、そんなの」
「…そっ、そっか…」

745:すぐに届かなくてもいい 4
10/10/03 21:30:31 x5m1kpWT
ようやく少しだけ藤は態度を軟化させた。
秋の日暮れはとても早い。もう周囲は薄暗くなってきている。家に帰らなければと思う反面、何故
だかこんな藤を放ってはおけないような気がした。
本当に、全然優しくはない。勝手に勘違いして怒るし、いつもこんな風に振り回されている。けれど
それだからこそ映画などではない生身の感情であることが分かる。
「私何も知らないんだけど、多分映画を見たとしてもきっと似ているとは思わないよ。きっと」
「…当たり前だ、あんな気色悪い奴現実にいる訳ないだろ」
すっかり機嫌を直したらしい藤は、また何も言わずに花巻の手を取って夕暮れの商店街の中を
進み始めた。
「あの、藤、くん…」
「こんな時間になっちまったし、腹減ってるだろ。コロッケぐらいは奢るさ」
いつもの素っ気ない声が、わずかに揺れていた。
散々通行人の邪魔をしていたことに心を痛めながらも、花巻はこれがまた二人の関係を少しだけ
進めたことを感じていた。
「うん、ありがとう…」
二人はきっと、これでいいのだ。
現実は夢でも映画でもない。性急に事が進んでしまっては大切なことを幾つも置き忘れてしまう
危険がある。だからすぐにお互いの気持ちが届かなくても、いい。






746:名無しさん@ピンキー
10/10/04 07:17:51 KzVUFG/9
乙!
可愛えぇー!!
藤花はエロもいいけどほのぼのもいいよな!

747:名無しさん@ピンキー
10/10/04 08:42:49 l1VwvUpo
超乙です!
藤が違和感ないなw
ほんとにこんなことでムシャクシャしてそう

748:名無しさん@ピンキー
10/10/04 22:45:27 mUgh3+u/
映画って君に届けか?w
藤花はいいな、エロもいいけどほのぼのも読んで和む。
乙!

749:名無しさん@ピンキー
10/10/05 20:06:34 a3I70cwt
藤花が増えて嬉しいぜw
自分も刺激されてオリエンテーションネタを思いついたんだか文章に出来なかったorz

750:名無しさん@ピンキー
10/10/05 20:15:39 y6GPrwA9
そろそろ保管庫欲しいよね

751:名無しさん@ピンキー
10/10/05 20:45:15 QFtiAUWd
でも非エロばっかよ

752:名無しさん@ピンキー
10/10/05 20:51:20 Gwsw80QK
シンヤにも日の目を…

753:名無しさん@ピンキー
10/10/05 21:06:05 KH7WYL8R
龍黄とシンヤが読みたいが…なんかエロは似合わない気がするな

754:名無しさん@ピンキー
10/10/05 21:11:13 e721gl5T
シンヤ厨は自分で書けよ
面白かったらGJするからさ

755:名無しさん@ピンキー
10/10/07 21:12:42 fpB/0kuf
シンヤはパンチラすらないからネタにしにくい

756:名無しさん@ピンキー
10/10/07 21:45:21 r9LJTBjX
やっぱネタになりやすいのは、ちょっとエロいか隙のあるキャラだよな

お硬いのに胸の谷間丸見えなみのりちゃんや、天然でパンチラ要員の花巻が
登場回数多いのは当然のような気がする
シンヤは可愛いけど隙がなさすぎるんだよ
スパッツで完全防御の下半身も、強すぎるところもエロ的にはマイナス

757:名無しさん@ピンキー
10/10/07 21:59:02 5Lu9zSVz
>>756
まあ、そういう守りの堅いキャラだからこそ、修学旅行で乳揉まれたり、
イカレたコスチュームにチェンジさせられるという、時々来る
強烈な場面を任されるのかもしれんなw

758:名無しさん@ピンキー
10/10/07 23:43:26 RgbV6Uxm
鈍ちゃんと安田を密室に二人きりで
閉じ込めたらどうなるか観察したい

759:名無しさん@ピンキー
10/10/08 00:03:04 zFGEwH69
>>758
安田は手も足も出ないまま食われる。もちろん性的な意味で。

760:名無しさん@ピンキー
10/10/08 00:29:24 yje/zVqx
エロ妄想だけが肥大してるだけの、所詮は中学生だ。
鈍にとっちゃちょろい相手だろう。
ちょこっと挑発してやりゃあっさり鼻血拭いてブッ倒れるオチになるだけ。



761:名無しさん@ピンキー
10/10/09 14:27:45 tVi0tBKN
>>752
と言った途端に、風呂上がりタオルブラで登場w

762:名無しさん@ピンキー
10/10/11 11:52:01 mncVp9BH
あのタオルのかかり方がいいよな

763:名無しさん@ピンキー
10/10/12 22:21:28 qfOvduRS
本好母の霞さんがかわいすぎる件について、なんかエロいww

764:名無しさん@ピンキー
10/10/14 21:13:39 cMtwj49W
本好家はなんか変な色気があると思う

765:名無しさん@ピンキー
10/10/16 03:14:22 2stbig/Y
>>756
妹尾姉妹を忘れないで下さい。

766:名無しさん@ピンキー
10/10/18 03:05:34 wqWxUrBI
最近、身辺が色々と落ち着かないのでこんなネタが降ってきた。

767:シュラバル 1
10/10/18 03:06:16 wqWxUrBI
「んっ…っ」
突き上げられる快感に負けそうになって、ずっと抑えていた声が漏れた。
思わず手で口を押さえて頬が熱くなる。
校内で、というのはもう珍しくないことになっていたけれど、まさかここでそうなるなんて思っても
いなかったので、花巻はまだ何がどうなってこうなったのか、頭が全然ついていかなかった。
「我慢するなよ、どうせ誰もいないんだから」
膣内を存分に犯しながら、藤はいつものようにしれっと言い放つ。
「でも…誰か入って来たら…」
「この時間、わざわざ来る奴はいないだろ。よっぽどドジ踏んだ奴なら別としてさ。先生は相変わ
らず屋台かリヤカー引いてほっつき歩いてるだろうし」
「ん、うん…」
藤にそう言われると、そうなのかなと思ってしまう。つくづく意志薄弱だと思いながらも、こんな風
に抱かれたら女なら誰でも流されてしまうに違いないのだと思うのは、決して間違っていないよう
に感じていた。

ここ、とは放課後の保健室のベッドだ。
この場所の主である養護教諭のハデスがいようといまいと、藤はお構いなく立ち寄っては小腹を
ふさぐお菓子を食い漁るのが習慣になっている。今日もそのつもりでたまたま廊下で出くわした
花巻を伴って立ち寄ったものの、何となくそういう雰囲気になって事に及んだ。
つまりはそういうことだ。
こんな慌しい、いつどうなるか分からないハラハラするばかりの場所でなんて怖いし恥ずかしい。
そんな花巻のなけなしの理性をあっさりと押し流して、藤は欲望を叩きつけてくる。そこまで求め
られては、もうどうでも良くなってしまいそうだった。
「ぁあんっ…も、もうっ…」
限界を感じて、思わず声が甘く上擦る。つられるように藤の動きが早まってきた。ずる、とベッドに
押し付けた頭の位置がずり上がる。
「いくぞ、花巻っ…」
「…うん、藤、くんっ…」
その瞬間、凄まじい衝撃が走った。

768:シュラバル 2
10/10/18 03:06:57 wqWxUrBI
夏と比べてもすっかり日の短くなった放課後、既に窓の外は陰影が濃くなっている。
「…大丈夫か?」
「あ、ありがとう…大丈夫、だから…」
事の最中、保健室に誰も来なかったのは本当にラッキーだったと思う。ベッドの上で半端に脱が
された制服を調えながら、花巻は今までかなり危ないことをしていたのだと改めて肝を冷やして
いた。
「腹、減ってないか?」
そんなことも別に意に介していないのか、藤はどこからか持ち出した袋菓子を口にしながら、花巻
にも盛んに勧めた。
「私は、いいの…それよりも」
「ん?」
ハムスターのように頬いっぱいにお菓子を詰め込みながら、藤は子供のように振り向いた。
「藤くんはどうして私に構うの?」
その質問にしばらくの間、藤は突拍子もないことを言われたような顔で口をもぐもぐさせながら黙り
込んでいた。それもそうだろう。こんな愚問にまともに答える必要など微塵もない。
だが。
「んー…別にない。強いて言うなら、気になるかもって感じかな」
「気になる?」
「だって花巻のリアクション、有り得なさすぎだろ。それが面白いっていうか、他の奴にはないトコっ
ていうか」
別にからかっている風でもなく、藤はさらりと言う。これまで花巻が藤に対して取ってきた、テンパ
り過ぎる態度には特に悪い印象を持っていないようだった。それはずっと気になっていたことだった
ので、ほっとしたのが本音だったが、逆に罪悪感のようなものが湧いてくる。
「あ、ご、ご…ごめんなさい。私、そんなこと、思ってもいなくてっ…」
「だーかーら!」
一人でまたテンパってしまった花巻を、強引に抱き締めてきた。
「別に大きく考える必要ないじゃん、花巻はそのままでいいんだよ」
「…え」
「誰かと比較してもつまんないだけだし、私は私って笑ってりゃそれでいいってこと」
「…う、ん…」

769:シュラバル 3
10/10/18 03:07:30 wqWxUrBI
抱き締められたまま、まるで夢の中にいるような心持ちになってしまった。
まさかこんなことを藤が言うなんて思ってもみなかった。他の女の子たちのように花巻が一方的に
思っていただけで、決して進展なんかないと諦めていただけに、こんな風になることなど期待すら
していなかったのだ。
「藤くん、私…」
怖い、恥ずかしい、ここから離れたい。
何故かそればかりが頭の中を占めていて、搾り出す声はろくに喉を通らなかった。
「…しっ、静かに」
突然、藤が口を押さえる。今になって、保健室に誰かがやって来る足音が聞こえてきた。二人は
咄嗟にカーテンの陰に隠れて様子を伺うことにした。
入って来たのは二人だった。

「何度言ったらお分かりになるんですか、あなたという人は!」
保健室に入っても声を張り上げているのは、二人のクラスの担任でもある才崎だった。その前に
いる長身のハデスはいつものことだと思っているのか、宥めるように時々声をかける。
「申し訳ありません、でも、こればかりは」
「ハデス先生、私だってこんなこと言いたくて言ってる訳じゃありません」
「…まあ、お茶を淹れますから落ち着きましょう」
この二人の諍い(というよりは才崎の一方的な注意)は今に始まったことではないし、校内のどこ
でも見ることが出来る珍しくもないものだ。藤はやれやれと溜息をついたが、今日は様子が違って
いた。
「…わ、私は…あなたが他の誰かに少しでも悪い印象を持たれるのが我慢ならないのです…」
お茶の用意を始めたハデスを見遣りながら、いきなり才崎の声が震えた。
「それだけは、分かってくださいね…逸人さん」
「…ええ、分かっています、美徳さん」
俯いた才崎を緩く抱き締めたハデスの指が、綺麗に切れ込んだ目尻を撫でていた。
「泣かないで下さい」
「あなたが突飛なことをする度に、私はハラハラします。誰かが悪く言う度に、どうすれば良いか
考えてしまいます」

770:シュラバル 4
10/10/18 03:08:03 wqWxUrBI
はらりと頬を流れ落ちた涙を長い指が払った。
とんでもない方向に話が進みそうになっていた。思わずカーテンの奥に更に身を潜めた二人は、
成り行きを伺うしかない。
「美徳さん…僕はあなたをそんなに悲しませていたのですか?」
「いえ…いいえ…ただのお節介な危惧でしかないのかも知れません。でも、私は…」
「申し訳ありません」
隠れている二人にからはよく分からなかったが、声が途切れたところからしてどうやらキスをして
いるようだった。たまたま長身のハデスの背中に遮られて何も見えないが。
しかも、随分長い。
そうこうしているうちに、また声が聞こえてくる。
「ごめんなさい、逸人さん。取り乱して」
「いいんですよ」
いつも顔を付き合わせれば諍っている様子の二人が、まさかこんな関係だったとは二人とも予想
すらしていなかった。誰もいない場所ではいつもこんな風に接していたのだろうか。生徒たちに
対してはただ優しく、穏やかなハデスがこんな場面にだけ密かに見せるだろう意外な包容力が
新鮮に思えた。
「…私、戻りますね」
「そうですね、また次にお伺いした時にでもゆっくりと話しましょう」
「ええ、では後ほど」
気持ちがようやく落ち着いたのだろう、才崎は鮮やかな笑みを浮かべながら保健室を出て行った。
少ししてから用意しかけていたお茶の道具を片付けているハデスの隙を伺って、こっそりと出よう
と無言で示し合わせた二人だったが、それは無理だったようだ。
「…ぅわっ!」
まるでコントのように、藤がカーテンに絡まって派手な音をたてて転んでしまったのだ。一緒にいた
花巻も、巻き添えになった。
「どうしたの、君たち!」
背後の物音に、ハデスが驚いて駆け寄って来る。
「あ、あははは…ちょっと腹減っててさー、でも誰か入って来たから隠れてた」
「…もしかして、見てた?」
才崎との例の場面を言っているのだろう。
「不本意だけど、見た」
何でもないことのように平然と言葉を返している藤とは対照的に、花巻はもう何を言っていいの
か分からずにいるばかりだった。
これが夢だったらどんなにいいだろうと、何度も願った。
これが修羅場というものなのかと、目の前が真っ白になりそうだった。






771:名無しさん@ピンキー
10/10/18 07:00:22 GwB2E9r1
乙!

やっぱり藤花とハデみの好きすぎる…!

772:名無しさん@ピンキー
10/10/18 12:12:26 DX9DsigM

乙!

みのりちゃん可愛いよみのりちゃん

普段怒ってるのがそんな理由だとしたら萌える

藤花もGJです!

773:名無しさん@ピンキー
10/10/19 20:45:48 ERuxmqBk
乙!そしてGJ!!

774:名無しさん@ピンキー
10/10/25 12:56:16 DvHCGvtK
今週の扉の煽りで一本つくれるな

775:名無しさん@ピンキー
10/10/26 04:22:51 kjGgbzAO
花巻さんもシンヤもエロすぎだろ

アシタバとか藤あたりにいたずらされればいい
もちろん性的な

776:名無しさん@ピンキー
10/10/26 22:44:26 kjGgbzAO
コミック読み返してたら安田が化学部で媚薬つくるのが夢っていうの見てやった
勢いだけで書いたので無駄に長いし変なところがありますがそこはご勘弁を。

最初、安田×花巻でやったんだけど、なんかお互い可哀想になったので、結局藤花になってしまいました。

空気読んでなくてすみません

777:化学部の実験1
10/10/26 22:46:18 kjGgbzAO
「ついてないなぁ…」
本当に自分は運が悪い。濡れた制服を見てため息をつく。別に今日は雨だったわけではなく、むしろ清々しいほどの快晴だ。こうなってしまったことには、安田絡みのある事情が関係しているのだが、花巻は知るわけもない。

事情というのは、1時間前にさかのぼる。
『ムフフフフ…これで常中、いや全国の女共は俺にひれ伏す!』
理科室では、化学部の生徒が集まり、各々が実験や薬品の調合などに取り組んでいた。
その中でも一際目立っていたが、安田貢広その人である。
なにやらバケツに怪しい薬品を大量に投入している様は、西洋の魔女を彷彿とさせた。しかも、なにやらぶつぶつと呟いている。
『何言ってんの?安田お前キモいよ』
露骨に顔を歪めるのは、学年一の秀才、本好である。
『フッフッフ…本好。お前は何も分かっちゃいねぇ。これは、俺の俺による俺のための楽園を創るために必要不可欠なものなんだ!』
『馬鹿じゃない?みっちゃん見習えよ』
『美作だって喜ぶに違いないぜ!俺の楽園は美作の楽園。…そうだろ?』
安田の、にやりと上がる口角に、バケツの中身を理解する。
『安田…!お前まさか、そのバケツの液体は…!』
『おっと、それ以上言っちゃいけないぜ…!?本好、みっちゃんの為だ…俺に協力しろ!』
『みっちゃんの…為…!?』
みっちゃん。その名前を聞いた瞬間にあの日の決意を思い出す。そう、俺はみっちゃんの為になることは、なんでもする。それが例え、安田のクズが考えるような下劣なことでも…。
『そうだ…!ちなみに俺も貢広だからみっちゃんだけどな!…なぁ、いいだろ?』
『お前とみっちゃんを一緒にしないでくれる?それで俺は何をしたらいいの?』
『この薬を、より強力にしてくれ!』

それから30分ほどかかり、安田の作った原液に本好が手を加えた、安田いわく『女にしか効かないエッチな薬』が完成した。

『して、本好よ。効果はいかほど?』
『みっちゃんの為だからね。頑張っちゃったよ』
『え!?それって、どれくらい効くの?』
本好の本気は、どれくらいのものなのか。安田は興奮を抑えきれず声を荒げる。
『俺もわからないなぁ。だから誰かで実験してデータを取らないと。とりあえず被験者に塗るという方法を取りたいと思います』
『うっひょぉおおぉい!誰?誰でやんの?やっぱ俺みのりちゃんがいい!』
安田のその発言に、本好は冷静な判断を下す。
『才崎先生は運動神経もいいし、これを使おうとしても躱されるのがオチだよ。それにデータも取りにくい』
『トロいやつのほうがいいってことか…』
ふと窓の外を見ると、花巻が歩いていた。
『なぁ、花巻は?』
『彼女なら尾行も楽そうだよね。よし、決めた』
丁度窓の下あたりを歩いていたのが彼女の運の悪いところだ。次の瞬間、本好は窓から花巻の真上でバケツをひっくり返した。
『ひゃぁぁぁぁああ!』
断末魔が聞こえる。おそらく、彼女はびしょ濡れになっているだろう。
『お前、案外容赦ねーのな…』
『みっちゃんの為だから』


778:化学部の実験2
10/10/26 22:49:09 kjGgbzAO
そんな事情を知るわけもない花巻は、なぜ自分がいきなりこんな風にずぶ濡れになってしまったのか。そもそも、なぜ今日は晴れているのに空から水が降ってきたのか。なんで自分のところにだけ降ってきたのか。
慌てて胸に抱いていたノートを開くが、台本にはこんなことが書いてあるはずもなく、いつものように混乱するだけだった。

「……寒い…とにかく着替えないと…」
昼間は暑いくらいなのだが、夕方になれば気温もぐっと下がる。濡れていればなおさら寒く感じられた。
「教室にたしか、体操服があったはず…」
早くこの寒さから逃れたくて急いで教室に向かう。
途中階段でこけそうになったがなんとか持直し、やっとたどり着いた。

「花巻?なんで濡れてんの?」
「ふ、藤くん!なんでここに!?」
教室にいた藤は、驚いたように濡れた花巻を見つめる。
「いや、教室にカバン忘れてて。お前は、水遊びでもしてたの?」
「いや…あの…上から降ってきて…水が…」
藤は、あまりにアバウトなその答えに思わず吹き出してしまう。それに気付いた花巻は顔を真っ赤に染める。そして、取り繕うかのようにロッカーを開けて、目的のものをさがす。
「あれ…?」
ない。もしかして持って帰ってしまったのだろうか。こんな時に限って…!
冷や汗がだらだらと背中を伝う。どうしようどうしようどうしよう…
「俺のジャージ使えよ」
「へっ?」
「いや、ジャージ無いんだろ?」
さも、当たり前とでも言いたげな表情だ。
顔だけじゃなくて、こういうところもモテる要因なんだろうなぁ、と妙に納得してしまう。
「でも…あの、私なんかが藤くんのジャージを着るなんておこがましいというかっ……恐れ多いというか…」
別に放っておいてもよかったのだが、ずぶ濡れの花巻を見ていると、なんだか不憫になってきた。

「んー、そのままじゃ、お前可哀想だしな。保健室に予備の制服があったはずだけど…でも今日は」
「あ!なら借りてきますね!藤くん、あ、ありがとう!」
「あ、ちょっと話聞けって……あーあ、行っちまった…」
今日はハデス先生居ないから保健室は入れないぞー、と去り際の背中に一声かけるが、聞こえた気配はない。
「チッ、めんどくせー…」
頭ではこのまま帰ろうと思っているのだが、体がなぜか言うことをきかない。
気付けば、花巻の背中を追って保健室へと向かっていた。

「うぅ、鍵が閉まってる…」
ついていない。本当についていない。基本的に自分はドジだからこんなことはしょっちゅうだし、自分のせいだから納得はできた。でも今日は自分のせいではないのだ。
やり場のない気持ちを持て余していたときだった。

―ドクンッ!

「あ、れ…?」
急に脚の力が抜けて、へなへなと座り込んでしまう。その割に、心臓はドクドクと、早鐘を打つように音を立てた。
ハァハァと息が荒くなり、身体中から汗が噴き出る。
「な…に、これ……」
体の変化についていけない。気持ちが焦るのに比例するように体温も上昇していく。
丁度その時に、追い付いてきた藤が肩に触れた。
「おい、大丈夫か!?」
「ひゃぁぁあ!」
ビクンッ!と体が跳ねる。その反応に藤は驚いたが、それ以上に花巻が驚いているらしかった。
「ハァ…ぁ、おねが…します。さわらないでぇ…」
頬を紅潮させ目を潤ませる。鈍感な藤でも、さすがにこれはおかしいと感じた。

779:化学部の実験3
10/10/26 22:51:02 kjGgbzAO
「とりあえず中入るぞ。立てるか?」

藤は、なぜか持っている保健室の鍵を使いドアを開ける。手を差し伸べるが、花巻はうつむいたままで、一向に手をとる様子はない。
「仕方ねぇな」

脇に手を入れ、幼児を抱き上げるようにして花巻を持ち上げソファーまで運ぶ。それから、制服の予備を探しに棚の方へ向かった。
「ほら、あったぞ。着替えろ」
着替えを渡すが一向に反応はない。ただうつむいて、荒い呼吸を繰り返すだけだ。

まさか、熱があるのか?

「お前、熱あるの?」
ふるふると首を振る。
「嘘だろ」
額に手を当てると、かなり熱い。手を離そうとすると、熱い小さな手で、手首を抑えられる。
「ぁ…冷た…気持ちぃ…」
花巻のその反応にモヤモヤしたものが込み上げるような、変な気分になる。

「っ花巻…!とにかく着替えろ」

誤魔化すようにそういうと、素直に手を離し、あろうことか、そのままシャツを脱ぎはじめた。

「ちょ、お前!」
「ぁ、下着まで…濡れてる…」
藤は普段からは想像できないような花巻の痴態に釘づけになる。
ブラを外した花巻はスカートにも手をかけた。

「花巻!」

藤も男だ。トロンとした目で見つめてくる花巻を押し倒す。

「ふぁああ…あ!」
首から鎖骨へと手を滑らせると面白いように体が跳ねた。ほんのりと赤く染まり、濡れている花巻を、何かに取り憑かれたように触る。
「あああぁあ…ひゃぁっ!」
胸の頂点を触れば声が一際大きくなる。おもしろくなってそこばかり触れていると、花巻が太ももを擦り合わせていることに気付く。
「どうした?」
「いやぁ!止めないでぇっ!」
「いやでも、股擦り合わせてるし…」
なぜかは分かっていた。しかし、花巻が乱れるところをもっと見たい。本心からそう思ったのだ。
「や…なんでもなぃです…だから、早くぅ…」
顔をさらに赤くし、ハァハァと息を吐く。
そんな彼女を見て何を思ったのか、藤は赤子のように胸を吸い上げた。
「ぁぁああん!」
そして、スカートの中に手を忍ばせる。
布ごしにスリスリと撫でると、花巻の方から指に腰を擦り付けてきた。
「ぁぁあああ!ダメぇ!もぉだめぇえ!」
半ば絶叫しながら藤の頭を押さえ付ける。どうやら吸われるのが好きらしい。もう片方の乳首は、摘んでコリコリといじめてやる。
そうすると、狂ったように腰を振り出し、一瞬ビクッと痙攣したかと思えば、糸が切れたように脱力した。「うわー、すげー…」
激しく上下する胸は、汗や、俺の体液で濡れて、眉根を寄せ目を瞑り、だらしなく開いた口からはだらだらと唾液が零れている。こんないやらしい花巻は初めてみた。

780:化学部の実験4
10/10/26 22:53:01 kjGgbzAO
「ふじくん…もっとぉ……」
そう言って花巻は藤の手をパンツの中に導く。
一番最初に触れた、豆のような場所をコリコリと転がすと、びくびくと体を震わす。
「あ…あ…気持ちっ……はぁあ…ん!」

指を下に移動させると、ぬるんとナカに入り込む。
あー、ここに入れるんだなと、なんとなくわかった。
よくわからないので、入れたり出したりしていると、いいところを擦ったのか、一際声が大きくなった。

「なに?ここがいいの?」
ひたすらそこばかりを攻めると、花巻は頭をぶんぶんと振り、藤の制服を握り締めた。

やがて絶頂が訪れる。

「ふっ…あぁああー!!」
指を引き抜くと、花巻の体液がドロドロとまとわりついていた。

ふと様子を伺うと、どうやら気絶してしまったようだ。ぺちぺちと頬を叩くが、反応はない。

「なんだよ…生殺しじゃねぇか…」

今までの行為を思い出し、頭をボリボリと掻き毟る。
「あー、やっちまった…」

ソファーを見ると、見る人が見ればわかるくらいに汚れていた。
とりあえず花巻を着替えさせ、掃除をする。
それでもまだ起きる気配がなく、ぐったりとソファーの背もたれに体重を預けていた。

「こんにゃろ…」

ちょっとしたイタズラ心から、無防備に開いた唇にキスをする。それでも、起きない。

「仕方ねぇなー」


起きる気配のない花巻を、家に送るためにおんぶし保健室を出る。
「俺、花巻のこと好きなのかな…」
なんかよくわかんねー、と思いながら、薄暗くなった通学路を歩む。

その時、藤は気付いていなかった。自分が花巻の家を知らないことに…


781:化学部の実験5
10/10/26 22:56:58 kjGgbzAO

実験データ
被験者…花巻美玖
15分くらいで効いてくる
効果はかなり強い

安田作『女にしか効かないエッチな薬』に俺が手を加えたものですが、
安田や藤は、ああいう薬品を使わないとコトには及べないと思いますが、俺の尊敬するみっちゃんはあんなものを使わなくても大丈夫だと思いました。
とにかく、安田にはもう手は貸しません。
ごめんなさい花巻さん。

本好暦





782:名無しさん@ピンキー
10/10/27 00:03:28 VXBk8xRP
GGGGJJJJJJJ!!!!
花巻さんすごい可愛かったし
本番まで行かないってのがやりきるより余計に萌えた…!!
本好のレポート吹いたww
GJでした

783:名無しさん@ピンキー
10/10/27 00:17:46 YMb132Mw
GJ!
徹頭徹尾冷静な本好が、らしくていいな。
確かに美っちゃんは薬に頼るなんてせずに、正攻法でいくだろう。
花巻もエロ可愛かったので満足。

784:名無しさん@ピンキー
10/10/27 01:03:25 rmypidzl
>>775
トリックオアトリートで藤にいたずらされる花巻さん…かわいいな

>>776
GJすぎる
本好が冷静w

785:振り向いてくれたら良いのに
10/10/28 20:12:46 EjAgfXKz
シンヤ少なすぎてもう泣いた
無理やり藤シンでよければ投下!


「あ…っ、く、ふ、」
「う…きっつ……」
ぬるぬると濡れた其処にそそりたった自身を突っ込む。
きゅうきゅうと強く締め付ける其処は指一本で慣らしたくらいじゃまだまだ足りなかったらしい。
「や…っ!な…、んで…っん!」
ねじこむようにして奥へ、奥へ。
いやあ、と途切れ途切れに言うものの、動かしてみるとびくりと震えるから、感じている様子が伺える。
「や…っあ、ふじ…く…も、やめ…っ」
いやというなら俺を殴ってでも止めればよかったのに。
てっきり、自慢の腕っ節で俺を殴り飛ばすのかと思いきや、俺の下で鏑木は瞳に涙を浮かべてか細い声でやめて、と俺に訴えかけるだけだ。

押し倒した瞬間の鏑木から香ったあの甘い香りが、まだ俺の鼻を擽っている。
とん、とその身体を押しただけなのにいとも簡単にベッドに倒れた鏑木の唇を奪うことなんて簡単だった。

「や、やめて…よ、ふじく…っ」
生意気だ、なんて思いながら突くスピードを速めた。
「あっ、はっ…あっ!」
シーツを鏑木の両の手がぎゅっと握る。
「感じてる癖に」
「ちが…っ」
やめて、藤くん、ねえ、と繰り返す鏑木の口を自分の唇で塞ぐ。
鏑木の口内に舌を進入させて、逃げ惑う鏑木の舌を捕まえて絡めて。
苦しそうに漏れる鏑木の吐息が、心地よい。


786:振り向いてくれたら良いのに 2
10/10/28 20:13:55 EjAgfXKz
これで静かになるか、と唇を離した瞬間、(喘ぎ声なら聞いてやってもいいのだが)
鏑木の口からは尚もやだ、という言葉が出る。
「藤く……あっ!」
「…うるせえよ」
いい加減、俺も我慢ならなかったのだ。
もう、見たくなかった。
先生先生と嬉しそうに跳ね回るあいつを、柄にもなく顔を赤くするあいつを。
ああ、思い出すだけでも苛つく。
あいつは口を開けば先生、先生と。

恋する輝く瞳、
俺が、見てもらえたなら。
恋する熱い視線、
…俺が、受けられたなら。


鏑木は熱っぽく潤む瞳で俺を見て、押し出すように言った。
「なんで…ぇ…?」

「なんで」だって?

(そんなの、)
乱暴に動かす。快感を我慢するように硬く閉じた目からは、溢れ出る涙が鏑木の頬をぬらす。
ああ、綺麗だ。
俺は顔を鏑木に近づけ、その涙を舌で掬い取った。
それにびくりと震えた鏑木が、おそるおそる目を開けた。
(お前が好きだからに決まってんだろうが…)
涙にぬれるその瞳が見たくなくて俺は目を閉じる。
「あ、ん…っあっ!は…あ、も…だめ……っ!」
荒々しく息をする鏑木に、そろそろ限界かと心の中で思う。
鏑木の切ない喘ぎ声は俺をも切なくさせると同時に興奮を誘う。どうしようもないのだ。
下半身に感じる締め付けがよりいっそう増した。


ああ、これが終わってしまえばどうなってしまうんだろう
敵意を露わにした鏑木の瞳に、あの強い眼差しに射抜かれたなら、俺の心はどうなってしまうんだろう

さまざまな不安要素を残したまま、しかし快感の波が俺を襲ってくる。
逃げようもなかった。


続…かない

駄文でスマン

787:名無しさん@ピンキー
10/10/28 20:44:59 T0rxLlJ7
校長にいたずらしたくなった強者はいないのか

788:名無しさん@ピンキー
10/10/28 20:51:38 6UqRsFwh
GJです!
藤花も藤シンも大好物!


校長は、アレだな…
後が怖そうw

789:名無しさん@ピンキー
10/10/29 19:33:46 TXzvexGq
校長にいたずらしに行ってきた
気づいたら吊るされてた

790:名無しさん@ピンキー
10/10/29 19:53:46 n/xZLKx5
藤シンGJー!
夏から全裸待機してた甲斐がありました

791:名無しさん@ピンキー
10/10/29 21:48:02 boJ0Sre8
ところでそろそろ次スレの時期なんだが。

今書いてるハデみのを投下したら、次スレも立ててないうちに埋まりそうなので、
比較的短いものを投下してからスレ立てに挑戦してみる。
テンプレ案があったらよろしく。

そんで、もし出来なかったら誰か頼む。



792:名無しさん@ピンキー
10/10/30 02:03:13 VM2e+GSg
>>791
任せた!


そういえばここって強姦モノとかないけど、おkなのかな?
今ちょっと、シンヤと花巻さんで考えてるんだけど、
保健室常連組だと無理矢理襲ったりしなさそうだしな…
相手はクラスの男子とかになりそう。



793:名無しさん@ピンキー
10/10/30 02:05:42 gsiYbX61
クラスの男子なら、いいんじゃないかな
期待してるよ

794:君が大人になる前に 1
10/10/30 02:27:28 gsiYbX61
日の暮れかけた河川敷の道を、花巻は藤の後ろについて歩いていた。
何だか、頭の中がぐるぐる回って考えがまとまらない。
「どうした?」
珍しく藤が振り向いた。
「えっ…あの、何、でもないの…」
「何でもないって感じじゃ、ないよな」
「えぇっと…ホント、何でもないから…」
周囲にはもうあまり人はいないとはいえ、あまりに距離が近いと動揺してしまうのは以前も今も
変わらない。

あれから、特に何があったという訳ではない。
ハデスは困ったように笑いながらも、特にあのことを誤魔化すでもなくありったけのお菓子でもて
なしてくれたし、藤もそれが当たり前のように食べ続けた。花巻の方は出されたお茶すら一口も
喉を通らないままだったのだが。
知っている大人たちの恋を目の前で見てしまったことは、想像以上にショッキングだった。明日
から才崎やハデスの顔をまともに見られそうにない気がして、今から頭の中がぐるぐるしそうに
なっている。
けれど、大人になれば何でも自由になると思い込んでいたのは間違いだったようだ。大人には
大人の悩みがやはりあって、誰もがそんな風に人知れず解消したり積み重なったりしながらも
胸の中でずっと抱え続けているのだろう。いつも毅然としていて美しく、きっと悩むことなどない
ように見えた才崎もまた同じなのだ。
そう考えるだけで、何となく大人になることはそう怖くないことのように思えた。もしかしたら今
から覚悟をしておけば、もっと自信の持てる自分にもなれるかも知れない。
いつもただ憧れるだけの藤の後ろ姿を眺めながら、花巻は小さな、本当に小さな決意をした。

「…あのね、藤くんっ」
時々足が止まる気配につられるように、藤も何度か立ち止まる。
「どうした」
「わ、私…ね、もっと頑張るの。大人になるまでに」
「頑張るって、何を」
「う、ん…色々…かな」
「ふぅん」

795:君が大人になる前に 2
10/10/30 02:28:39 gsiYbX61
今、決めたばかりのことだ。何も具体的なことなんてまだ一切考えていない。それでも、大人に
なるまでの数年間の間にきっと何か出来る筈だと思った。もっと藤にふさわしい存在になる為に
でも、自分自身の人生に有利になることでも、これから幾らでも可能性はある。
藤はそんな花巻の決意に気付いている訳もなく、ただ立ち止まって珍しく思案でもしているように
頭を掻いただけだった。
「…まあ、それなりにやればいいんじゃね?」
「う、うん…」
「行くぞ」
「あっ…」
たびたび立ち止まる花巻がまどろっこしいのか、藤は強引に手を繋いできた。突然のことで、どう
反応していいのか分からないまま、また頭がついていかずに手を引かれながら花巻も頬を火照
らせながら歩く。
こんな毎日は果たして前進なのか後退なのか。それはまだ分からない。そもそもこの世の中は
分からないことばかりで構築されている。それを少しでも知ることで切り崩していくのが大人になる
ということなのだろう。それによる結果はそれぞれの資質や考え方によってももちろん変わりゆく。
喜ばしいものか、そうでないかはまた別のこととしても。
だからこそ、人生は面白いと大人になってから言えるのだろう。

「花巻」
不意に、藤が足を止めた。
「…え、え?」
ただ手を引かれて歩いていた花巻は、考え事をしていて少しぼんやりしていたせいで藤にぶつ
かりそうになった。
もう辺りはすっかり暗くなっている。
「どんな風になっても、お前らしさだけは忘れんなよ」
「あ…」
その言葉がどういう意味か、分からずにいるうちに抱き締められて息が詰まりそうになった。それ
でも何となく嬉しさが込み上げてきたのは間違いではないのだろう。







796:名無しさん@ピンキー
10/10/30 02:30:05 gsiYbX61
以上。
一応この前の話の続き。
さくっと書いたのでエロは入れられなかった。

797:名無しさん@ピンキー
10/10/30 02:39:03 gsiYbX61
そして次スレ

スレリンク(eroparo板)

798:名無しさん@ピンキー
10/10/30 08:15:06 VM2e+GSg
藤花GJ!



799:名無しさん@ピンキー
10/10/30 08:44:00 KMyIl0FM
藤花の後日談待ってた!
ほのぼのして癒されるな藤花は
乙でした

800:名無しさん@ピンキー
10/10/30 09:10:38 VM2e+GSg
>>797


801:名無しさん@ピンキー
10/10/30 09:54:53 9RHuCsVv
GJです!

便乗して続き投下。
エロくしようとしたらgdgdになりました。

藤花です

802:本好的後日談1
10/10/30 09:56:21 9RHuCsVv
こんにちは。俺こと本好暦の身に起きたあるできごとを話そうと思います。


例の、保健室での事を藤はハデス先生に相談したそうなんです。ふざけるなって感じだよね。
でも、たまたまその場に居合わせた美っちゃんが俺にそのことを相談してくれたんです。
こんな残念なイケメンの為にいろいろと奔走してくれる美っちゃんって本当に器が大きくて、人間的にも素晴らしいよね。
なかなか真似できないことだと思います。


それで、その相談の内容を簡潔にまとめると、花巻さんが病魔にかかってるかもしれないってことらしいんだよね。
なんでも、昼休みに藤が『花巻って病魔かかってんのかな?すごいエロくなるやつ』とか言ってたらしくて。
本当にアイツは余計なこと言うよね。イライラします。

今日、花巻さんは学校を休んでいました。
悪いことしちゃったなぁ。花巻さん、本当にごめんなさい。
でも、これって7割は安田が悪いよね。俺は美っちゃんの為になるって言われてやらされたんだから。つまり、俺は安田に騙されたんだよね。
そんな俺がこれくらい真摯に謝ったってことは、安田は一万回くらい土下座しないといけないって計算になるよね。
でも、日頃の行いが悪すぎるから五万回くらいは必要だと思います。


そういえば昨日、藤と花巻さんが保健室に入ったあたりで、
安田は『イケメンなんてこの世から居なくなればいい!』と叫びながら途中で居なくなりました。
ふざけてるよね。なんで当事者が途中で帰るんだよって突っ込みたくなるよね。

俺は、科学者的な興味とデータの取得のためにずっと二人の行為を見てました。

俺の個人的な感想を言うとしたら、藤のどや顔に多少苛つきました。

最後らへんは、なんだか眠くなっちゃって、花巻さんが気絶したあたりに帰っちゃったんだけど、
ちゃんとデータは取れたしいいよね。

憶測だけど、藤はヘタレだから花巻さんの貞操もちゃんと守られたと思います。


803:本好的後日談2
10/10/30 10:02:45 9RHuCsVv
大分話がそれちゃった。ごめんなさい。
昼休みが終わった後に心配になったハデス先生が
花巻さんに電話したそうなんだけど、
自宅用の電話だったから花巻さんのお母さんが出たらしいんだよね。

呼吸が苦しそうで顔も真っ赤だったから休ませたって話だけど…。

まさか、薬の効果が抜けてないのかな。それはすごく可哀想だよね。

だから俺はこっそり解毒剤を作ろうとしたんだけど、それには安田が必要だよね。
でも、なかなか安田が捕まらないんだよね。
エデンが終焉を迎えるなんて嫌だとか言って俺の前からすごい速さで逃げて行くんだ。
最終的には、放課後にエロ本で釣れたんだけど、本当に手間かけさせるよね。美っちゃんを見習うべきだと思います。

それから、安田を罵倒するのに40分、解毒剤つくるのに20分、計一時間かかり本当に疲れました。


学校からそのまま直行で花巻さんちに行って(めんどくさくなりそうなので安田は追い払いました)、
インターホンを押したら、花巻さんによく似た男の人が出てきました。
たしか運動会のときにドジ巻さんって呼ばれてたような気がする。
彼は、俺の顔を見て『えー!また男だ!』って思いっきり顔をしかめました。
俺は少し不快になりましたが、『また』ってことはすでに誰か来たのかな?
そう思ったので、『友達が来てるはずなんですけど』ってカマをかけました。
そしたら、ドジ巻さんは『あぁ、なんだ。』と頷いて
『あいつもあんたも一人で来るから彼氏かと思っちゃったじゃねーか』とぼやいていました。
あいつって誰だろう。玄関の靴を見ると、美っちゃんのサイズの靴はありませんでした。

じゃあ、藤かアシタバくんだよね。でも可能性としては藤の方が濃厚だと思います。


これはすごく拙いよね。花巻さんの貞操がかなり危ういよね。
家族を除けば美っちゃん以外のことは至極興味ないんだけど、
俺のせいで、花巻さんがあの残念なイケメンの好きなようにされるのは少し胸が痛むよね。
だからドジ巻さんに『美玖さんの貞操が危ないんです。早く美玖さんの部屋を教えてください!』って頼んだら
『なんだとぉおお!』って叫んで階段を上がって行っきました。
俺も後に続くと、ドジ巻さんが階段から落ちてきて、思わず避けてしまったんです。
だって転けたら痛いよね。みんなそうすると思います。




804:本好的後日談3
10/10/30 10:09:52 9RHuCsVv
とりあえず、花巻さんの部屋が二階ということがわかったので、階段を上がってそれっぽい部屋を探しました。
奥の方の部屋から、かすかに『あぅ…』とか『はぁあ』とか聞こえてきたので、適当に見当を付けてノックをしたけど、返事はありませんでした。

念のため、よく集中して耳を傾けると、花巻さんの『あー!』という悲鳴じみたものが聞こえてきました。
しかし、その後藤の声が聞こえてきて『止めてやらねーぞ』やら『足も感じるの?』やら、いろいろ聞こえてきました。

これはもう、確定だよね!
ドアをあけたら、予想どおりビンゴでした。

花巻さん上半身はパジャマがたくしあげられてて、下半身は藤で隠れてるけど、おそらく裸だと思う。

藤は全部服着てた。なんでだろう、そんなに自身に自信がないのかな。あ、ダジャレだ、
とか考えてたら、周囲の空気が凍っていることに気付きました。

思わず口をついてでた言葉は『お盛んだね』でした。

すると、藤は露骨に嫌そうな顔をして『ノックぐらいしろよ!』って怒ってました。
いや、したけど気付かなかったのお前じゃん。と言い返そうとしましたが、
背後から殺気を感じたので振り替えると、ドジ巻さんが立ってました。

『イケメン、この野郎…』

その声に反応したのか、花巻さんが虚ろな目をこちらに寄越してきました。
その瞬間、思い切り目が見開かれます。
『へ?お兄ちゃん…!?』
妹のあられもない姿を見たからでしょうか。ドジ巻さんは卒倒してしまいました。
しゃがんで確認してみると、泡を吹いて気絶してました。
俺は、『気絶してる』と言いながら花巻さんに目を向けると、彼女も泡を吹いて気絶していました。
俺は、やっぱり兄妹なんだな、としみじみと感じました。

藤は『また寸止めかよ…』と呟いていました。


念のため、藤にこんな行為に及んだ経緯をを聞いてみると、
『最初は見舞いに来たんだけど、昨日と同じで様子がおかしくて』と、珍しく話しはじめました。
要約すると、昨日よりも症状が酷くなってる花巻さんが、
藤に『昨日の…してください…』って言ったらしくて、
『俺なんかでいいのかよ?』って問い返したら
『藤くんじゃないと嫌なのぉ…』と潤んだ目で見つめられノックアウトというわけらしいです。

本当に藤は本能だけで生きてるよね。
普段から好きなときに寝て、好きなときに食べたりしてたから、まさかとは思ってたけど、予想どおり過ぎて笑っちゃうよね。
美っちゃんを見習って、奥の深い男になるべきだと思います。

心の中で、美っちゃんと藤を比べて、美っちゃんのすごさに感動していると、
『俺、よくわかんねーんだ』と、藤が投げやりに言いました。

無視しても良かったけど、何故かそんな気にもならなかったので
『何が?』とだけ問うと、
『俺、花巻とこういうコトできるの嬉しいんだけど、いつもと様子が違うからさ』
なんかスッキリしねーんだよ、と言って、藤は俯きました。

『なら、いつもの花巻さんに戻ったら、自分でその気持ちを伝えればいい。』

俺は解毒剤の入ったビンを渡して帰りました。

『ありがとな!』と聞こえたような気がしたけど、気のせいだということにします。




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