保健室の死神でエロパロ 入室者1人目at EROPARO
保健室の死神でエロパロ 入室者1人目 - 暇つぶし2ch379:名無しさん@ピンキー
10/06/10 06:39:46 MMfgh8VD
鈍ちゃん、みのりちゃん両方きてるとは俺歓喜

380:名無しさん@ピンキー
10/06/10 12:57:33 hGglTMAV
経鈍書いた者です。読んでくれた人ありがとう!

>>370
いつか本誌の経一も報われる日が……………来ると良いなwこのままでも良いけどw

>>372
>>359は本当に最高でした。テンションが上がりまくったw
でもってハデみのGJ!!初々しいの凄くきゅんとくる…!



ドSな鈍ちゃんも書きたいな…経一に内緒で副業風俗嬢とか。
うっかりバレて嫉妬に狂った経一に犯ry

それかハデ鈍…鈍ちゃんの一方通行襲い受けで。
そんで嫉ry



鈍ちゃん絡みの神が現れるのを待ってます…

381:名無しさん@ピンキー
10/06/10 22:21:11 //aEg7tf
経鈍もハデみのもGJ!!

経鈍、エロくてイイよイイよー
男くさい経一イイ!
まともに本誌見られないw

ハデみの職人さんの書かれるハデス先生が
優しくて紳士で好きだ。


382:名無しさん@ピンキー
10/06/10 22:58:45 1sgM8FIx
>>380 ぐあっ!ハデ鈍が未遂に終わった後で
嫉妬に狂った経一→鈍とみのりちゃん→ハデスのお仕置きエロが読みたくなった!

つーか嫉妬のあまり涙目でハデス先生を責めちゃうみのりちゃん騎乗位とか
嫉妬のあまり涙目で鈍ちゃん縛ったりしちゃう経一とか、誰か書いてくれ

383:名無しさん@ピンキー
10/06/11 02:08:45 VD5ztK1Z
>>380
>>382
さあ、その素晴らしい妄想を書いて形にする作業に入るんだ!

エロなし安田×熱子なんつーヘタレなモンが出来たので投下しておく。

384:未来のアイドル(幻) 1
10/06/11 02:10:00 VD5ztK1Z
『新曲、50万ダウンロードおめでとう。すごく素敵な曲だから私も着メロにしてます』
都心のライブが終わった後、何気なく携帯を見たら花巻美玖からのメールが届いていた。
「花マッキー、いい子だなあ…」
今をときめく国民的アイドルグループ、AKY108の後前田熱子はとあるきっかけで出来た友達の
メールに感動していた。
忙し過ぎて生まれ故郷の幼馴染や学校の友達にもなかなか会えない今の状況の中、花巻だけ
が熱子にとって日常を思い出させてくれる普通の友達だった。
「そういえば…」
あと数日後に、また花巻のいる街でライブが行われることになっている。その時にはまたちょっと
でもいいから会えると嬉しいと思いながら、その旨をメールした。

「時間が欲しい?ダメだ」
マネージャーの青山はさらりと断る。
「10分、いや5分でいいの。友達と会いたいんだからっ」
懇願する熱子だったが、無駄のようだ。
「以前お前が勝手に抜け出したせいで、どれだけ周囲に迷惑をかけたと思っているんだ。それで
なくても今のスケジュールは秒刻みなんだぞ。余計な時間を捻出することは出来ないな」
「何よケチ。この間のことだって、精神的ストレスが元になったってカウンセラーの先生にも言わ
れたじゃない。あんまり負担をかけられたら、また何するか分かんないからね!」
青山がこういう反応をするのは分かっていた。言ってもダメだったらどうするか。
もう熱子にはある計画があったのだ。

ライブ当日の午後。
『ちょっと出かけるね☆』と書置きをして外出した熱子は浮かれていた。
髪はすぐに落ちるスプレーで染めて、メガネをかけて、服はちょっとダサめにしたら案外誰だか
分からなくなる。先輩アイドルが遊びに出る時、よくそんなことをしていたのを覚えていた。
「あたし地顔は地味だからなあ。メイクしてなきゃバレっこないよね」
とは思っていたものの、わざと変なカットソーを着て変な帽子を被っているせいもあるのか、本当
に誰も熱子に気付く様子がない。

385:未来のアイドル(幻) 2
10/06/11 02:10:35 VD5ztK1Z
メールによると花巻は今日のライブを見に来てくれるらしいが、その前にどうしても普通の女の
子として会いに行きたかった。
「さて…花マッキーの学校は、と…」
この街はそれほど小さくもない。駅前の交番で場所を尋ねてみると、ここからは少し歩くことに
なりそうだった。道はそれほど複雑ではないので迷うこともないだろうと思いながら、てくてくと
歩いていく。
「最初の曲がり角を左、か」
きょろきょろしながらも進もうとしていたら、突然角で誰かと出会い頭にぶつかってしまった。
「いったー」
「あ、悪ぃな」
制服からしてぶつかったのは中学生だ。
「ちょっと、痛いじゃないの!」
思わず声を上げた熱子に、相手は何となく面倒臭そうな顔をしている。早くここから離れたがって
いるのだろう。
「だから悪ぃって言ってんじゃん」
「そんなの謝ってることにならない、怪我してたらどうすんの、あたしア…」
アイドルなんだから、とうっかり言いそうになった熱子の顔を、相手は急にはっとしてまじまじと
覗き込んできた。
「…誰かに似てるって言われない?」
「え、さ、さあ…こんな顔、どこにでもいるでしょ」
「そうか、だよなあ…」
まさか後前田熱子と気付かれたのではと冷や汗がどっと出たが、それは何とか上手く誤魔化
せたようだ。しかし、次の言葉に思わずキレそうになる。
「熱子はこんなダサくないしな」
「なっ!」

386:未来のアイドル(幻) 3
10/06/11 02:11:20 VD5ztK1Z
何て失礼な奴だろう。熱子は変装しているのも忘れそうになった。
「でもなんか似てんなー」
「だからー、こんな顔よくあるってば」
「じゃあさ、痛い思いさせたみたいだから何か奢るよ。それでいいだろ」
中学生は熱子の手首を掴むと、側にあったカフェを目指して大股で歩いて行く。
「ちょちょっと、何であたしが…」
強引に引っ張られていく熱子は、全く訳が分からなくなった。

店内は涼しくて気持ちが良かった。
少し日差しの下を歩いていたので暑かったから、それは有り難かった。ただ、目の前に座って
いるのは名前も知らない中学生だ。それだから居心地が何となく良くない。
「昨日小遣い貰っといて良かった」
中身の少なそうな財布の中を覗きながらぶつぶつと何か呟いている姿が滑稽だ。
「あの」
「あ、アンタ…好きなの注文していいよ」
「じゃ、アイスティー」
「分かった、あ、俺安田。よろしくな」
注文を取りに来た店員に二人分のオーダーを頼んでから、急に馴れ馴れしくなった相手に熱子は
戸惑った。一体どういうつもりなのだろうと。つられて間抜けな返事になる。
「…はぁ?」
「アンタ、そのうちアイドルになるつもりだろ。そういうの、何か分かるんだよ。そしたら俺が一番に
ファンになってやるよ」
「いや、別にそういう気はないけど…」
「そうかぁ?後前田熱子って知ってるだろ、AKY108の」
「ああ…まあ知ってるような、知らないような」
「アンタやっぱ似てるんだよ。俺、熱子の一番のファンだからさ、アイドルで光る子にはそういう
オーラがあるんだよな!」

387:未来のアイドル(幻) 4
10/06/11 02:12:01 VD5ztK1Z
急にやたら饒舌になったかと思ったら、熱狂的なファンの一人だったかと熱子は呆れた。この手
のファンは飽きてしまうほど見ている。それでも、ファンでいてくれる気持ちは素直に有り難い。
こんな風に熱っぽく語られるほど自分は大層なものじゃないけど、と熱子は運ばれてきたアイス
ティーを飲みながら少し申し訳ないような気分になった。
「…あの」
調子付いたのか延々AKY108の話をしている安田の話を遮って、熱子は尋ねてみる。
「後前田熱子の、どこが好きなの?」
その質問に安田は何の疑問を持つこともなく、当たり前のように胸を張った。まるで恋人の自慢
でもしているようだ。
「そりゃ、何でも一生懸命だからだよ。レコーディングも一発でOKが出るように何度も一人で練習
するし、踊りも何時間だって満足なものになるまで稽古をする。だからあんな人数いるのにセンター
張ってるんだろ?大変だよな」
以前どこかのアイドル誌の取材で言った大嘘を、安田はそのまま信じ込んでいる。忙し過ぎる
のもあって、実際はそこまで練習や稽古に時間を掛けていない。だから失敗もよくある。
熱子はますます申し訳ない気持ちになった。

「じゃ、頑張ってすごいアイドルになれよ」
店を出て別れるまで、安田は熱子の正体を知らずにいた。一人で笑って、一人で盛り上がって、
一人で目の前にいる未来のアイドルがどれだけ輝く原石であるかを語った。
「ええ、まあその時があったらね」
「アンタならきっとすぐだから!」
安田はぶんぶん大袈裟に手を振って、帰っていった。
そうだね、もう少ししたらすぐにまた会えると思うよ。言葉には出さずに口の中で呟く。
「…帰ろうかな」
花巻に会いに来たつもりだったが、こんなところで大分時間を食ってしまった。それに、ファンの
あんな純粋な顔を見てしまったら、ちゃんとアイドルとしての仕事をしなければ申し訳が立たない。
「うん、帰ろうっ」
熱子の二度目の冒険は、こうして終わった。

「なあなあ、今日の熱子メチャ目が合う気がすんだけど、気のせいじゃないよな。こりゃやっば
俺の思いが通じたかぁ…どう思う?」
「あ、あの…」
ライブ会場で偶然安田と顔を合わせた花巻は、その後もずっとそんな妄想を語られ続けて拒否
することも出来ず、しかも会場の異様な熱気もあって今にも倒れそうになりながら、熱子が元気
に歌い踊るのを見ていた。






388:名無しさん@ピンキー
10/06/11 02:21:47 VD5ztK1Z
>>381
ありがとう。
キャラ的にも設定的にもエロは無理だろうと思ってたハデスだけど、書いたら
なんか慣れた。じぶんなりに書くとあんな感じになった。
結果的に生徒と教師の二人食ってるけどなw

389:名無しさん@ピンキー
10/06/11 03:05:11 /1cABJYD
>>384
なにこれ、2人ともかわいいw



390:アシタバ×花巻
10/06/11 10:58:39 Qy+sW4Yc
ドクン、ドクン。
どちらの鼓動かわからないくらいに高まる心音。
お互いに正座をして向かい合ってから何分位過ぎたのだろうか?
握る拳に汗をかきながら、アシタバは目の前に居る花巻を見た。
正座に両手は拳。顔を真っ赤に染め、俯く姿は自分ときっと変わらないであろう。
(男の僕がリードしなきゃ…っ)
緊張でガチガチの身体。なんとか立ち上がり花巻へと近付いた。

「花巻さん」
「は…ははははい!」

小さく身体を震わせる彼女はまるで小動物。その姿を可愛いと感じながら、アシタバは花巻の肩に手を添えた。



391:アシタバ×花巻2
10/06/11 10:59:21 Qy+sW4Yc
「その…始めよっか」
「…っ。よ、よろしくお願いします」

きっとお互いがファーストキスであろう。歯を当てないように気を付けながら、アシタバは震える唇を花巻の唇へと重ねた。

2人は付き合っている訳ではないし恋愛感情を抱いているかもわからない。じゃあ何でこんなことを?
それはコンプレックスだった。周りに居る人達に比べて幼い身体と顔立ちの2人。小学生に間違われる時もあった。
早く成長したい。大人になりたい。その大人に近付く為の第一歩として。2人はこの行動を選んだのだった。

(花巻さんの唇…すごく柔らかい)
(ど…どうしよう。恥ずかしくて目が開けられない)
舌を入れることなんて知らない。ただ唇を重ね合わせるだけのキスを数回。



392:アシタバ×花巻3
10/06/11 11:00:11 Qy+sW4Yc
「つ…次に進むね」

アシタバは確認するように告げると花巻の制服へと手を伸ばした。
年中発情期の安田が普段から色々喚いているおかげか。アシタバにもそれなりに知識はあった。
ベストを脱いでもらい、震える手でシャツのボタンを外していけば、薄いピンク色のブラジャーが目に入る。これはどうやって外すのだろうと戸惑っていれば、
「う…後ろにほほほホックが…っ」
赤かった顔を更に真っ赤にしながら、花巻がそう教えてくれた。
言われた通りにホックを外せば、お世辞でもあるとは言えない程の小さな胸が露になる。だけど形はよく乳首の色もとても綺麗なピンク色だ。


393:アシタバ×花巻4
10/06/11 11:00:50 Qy+sW4Yc
「さ…触るね」

その光景に。思わずゴクリと唾を飲むアシタバ。言葉と同時にそっと触れれば、花巻の身体がピクンと跳ねた。

(安田君の言ってた通りにすればいいんだよね)

安田の発言にはいつもヒヤヒヤしているアシタバも、この時は安田のお陰で助かったと思った。数回胸を揉んだ後、ピンク色の先端に唇を寄せた。そっと口へと含めば今までよりも大きな花巻の声。

「ん…っや…」

その声が可愛くて。アシタバは夢中で乳首を愛撫し続けた。

「あ…アシタバ君っ」

花巻の太ももがもじもじと揺れてる。これは次へと進んだ方がいいのだろうか?
手を下へと伸ばしたアシタバは、スカートの中へと差し入れショーツを撫でてみた。

「ひゃぁっ」

しっとりと湿ってる気がする。確認するかのように数回上下に撫でれば花巻の反応も強くなっていった。

「濡れてる…」

無意識に出たアシタバの言葉に。恥ずかしさから顔を両手で隠した花巻は今にも泣きだしそうだった。

「脱がすよ花巻さん」

その状態で何度も頷いた花巻。アシタバが脱がせやすいようにお尻を軽く浮かせれば、みるみるうちにショーツが脱がされた。


394:名無しさん@ピンキー
10/06/11 11:03:02 Qy+sW4Yc
頑張って書こうとしたが限界だった。
中途半端ですまない…orz

395:名無しさん@ピンキー
10/06/11 18:49:47 /4wYYAB8
なんつー放置プレイwww
だがGJ

この2人はコトが終わるまで何度もゴメンを連発しそうだな

396:名無しさん@ピンキー
10/06/11 20:27:15 pje6YJdK
経鈍からしばらく時間おいて覗いて見ればまた色々とGJなことで・・・

397:名無しさん@ピンキー
10/06/12 02:54:08 hYIP768+
>>382
>嫉妬のあまり涙目でハデス先生を責めちゃうみのりちゃん騎乗位

書きたくなったので書いてみた。
最初から書こうとするとえらく長くなるので、ここは省く。

鈍がハデスとの再会をきっかけに何か変なドーパミン分泌
「話したいことがある」とか何とか上手いこと言って夜の保健室で落ち合う
ガンガン言い寄られて、ハデスは拒むものの(ry
その頃、鈍の不在を不審に思った経一が手当たり次第に探しまくって学校へ
同じ頃、都合良く虫の知らせを感じたみのりちゃんがやっぱり学校へ
知らない同士が落ち合って保健室へ行くと、鈍がハデスにのしかかっている状況
幸い、キスと身体のあちこちを触ったぐらいで済んだ

この前提があって、続いてる話ということで。

398:保健室の夜 1
10/06/12 02:55:21 hYIP768+
急に不安を感じた美徳と、経一と名乗る謎の男が深夜の保健室に乗り込んだ時、そこには信じ
たくない場面があった。
ベッドの上で寄り添っている二人の男女。
ハデスと、経一によれば鈍という名らしい美女だ。
「美徳さん…どうしてここへ…」
二人の姿を見つけたハデスは呆然としていた。
「ふふっ…」
美女は駆けつけてきた二人の姿を見ても全く動揺することもなく、いとも妖艶に笑う。切れ長の
目とミステリアスな雰囲気が女から見ても魅力的だ。
「…逸人さん…」
美徳は頭の中が真っ白になった。
「お嬢さん」
美女はベッドから降りると美徳に近付いてきた。そして繊細な指先が顎を撫でてくる。挑発する
ような微笑は男なら誰でも心を蕩かされるだろう。それほど完璧だった。
「逸人は、とても素敵だったわ…じゃあね」
「待てよ鈍ちゃん!」
風のように軽やかに去っていく女の後を、経一は慌てて追い掛けていく。
残されたのはハデスと美徳の二人だけだ。

「あなたという人は…」
美徳はもう何もかも信じられなくなっていた。ハデスは隣で懸命に宥めている。
「弁解をするつもりはありません、ただ…鈍は昔からの友人で…」
「ただの友人と、あんなことをするのですか?」
「ですから、それは謝ります」
美徳にも本当は分かっているのだ。二人の着衣には少しの乱れもない。危惧することなど何も
ない筈だと。それでも、知らないうちにハデスが他の女とこういう行為に及ぼうとしていたのが
やはり許せない。

399:保健室の夜 2
10/06/12 02:55:59 hYIP768+
「私、嫌なんです…逸人さんが私に少しでも秘密を持つことが。そしてもっと嫌なのはそうやって
何もかも知りたがっている私自身です。そうやってどんどんあなたにとっての嫌な女になっていく
のは耐えられません」
「悪いのは全て僕です。美徳さんが思い悩む必要は」
「そりゃ…私はあの人とは全然違います。私はあの人みたいに大人じゃありません。すぐ怒るし
すぐ手が出るし…逸人さんをまだそんなに悦ばせられないし…」
こんな時に上手い言葉がなかなか出て来ない。いつもなら抱き寄せられるだけでも舞い上がる
ほど嬉しいのに、今夜に限っては心のどこかが凍てついている。
「つまり…怒っているんです。とにかく我慢出来なくて」
「美徳さん、本当に申し訳ありません…」
「ですから、お詫びの気持ちがあるのでしたら私の気が済むようにさせて下さい」
ほんのわずかな時間とはいえ、ここに他の女といたことは許すことが出来ない。顔を合わせて
いるととんでもない罵倒の言葉が出て来そうになるのを堪えて、美徳は着ているものをかなぐり
捨てるように脱いでいった。ハデスは驚いたように目を見張っている。
「美徳さん、何を…」
「あの人ほどにはなれなくても、私は逸人さんの為ならどんなことでも出来るでしょう。ただ、私に
隠し事をしようとしたあなたに罰を与えたいのです」
最後の一枚を足から抜くと、恥ずかしさで頬が熱くなる。けれど、こうして包み隠すことなく裸体を
晒すことで、どれだけ本気でいるのかだけは分かって欲しかった。
「ベッドに…寝て下さい」
命令をする声が不覚にも震えた。ハデスは何も言わずに素直に従っている。これから何をしよう
としているのか自分でもはっきりしてはいない。あるのはただ怒りの芯となる熱い情だけだ。それ
が絶え間なく燃え盛っている。今となってはもう止められそうもなかった。
「そうです、これから言うことを聞いて下さいね」
美徳の声は更に震えていた。

400:保健室の夜 3
10/06/12 02:56:44 hYIP768+
おぼつかない手で探り出したものは、既に熱を帯びていた。
これまでに全く経験はないものの、これも互いに高まる為には必要なことだという知識ぐらいは
あった。さすがに間近で目にすると完全に欲望の塊のようで、怖気を催してしまう。そんな気持ち
を懸命に堪えて先端に舌を這わせた。
「くっ…」
その刺激にハデスが耐え切れずに声を漏らす。
「まだです、まだこれから…」
握り締めているものは生き物のようにひくひくと脈動している。わずかな刺激に反応しているの
だと嬉しくなった。手管など何もないひどく拙い愛撫ではあるが、形に添うように丹念に舐め上げ、
舌先でつつくだけで充分なほどに手の中にあるものは大きくなる。
「逸人さん…」
これが、いつも自分の中に入っているのかと思うと不思議なほどだった。
逸る心がぶるっと身を震わせる。掴んだまま意を決して跨り、先端をまだ全然慣らしてもいない
膣の入口に押し当てた。
「美徳さん、いけません…まだ」
さすがにハデスが驚いて起き上がろうとするのを制して、美徳は婀娜な笑みを漏らした。
「いいんです、私がそうしたいんですから」
息を吐きながら腰を落としていくうちに、濡れてもいない粘膜が引き攣れる痛みで肩が微かに
震えた。少しずつ収めていくだけでも脂汗が滲むほど辛い。けれど決してそれだけは言いたく
なかった。
「あ、ぁ…」
「美徳さん、無理をなさらないで下さい。痛いでしょう?」
「こ、んなもの…痛くも何ともありません…それよりも…」
シーツに投げ出されていたハデスの手を取り、割れそうなほどの鼓動を刻んでいる左胸に押し
付けた。
「私が痛いのはここです。逸人さんを好きになったから感じる痛みです。でも、私は決して後悔
なんてしてませんから…隠し事だけは、嫌…」
「美徳さん、僕は何てことを…」

401:保健室の夜 4
10/06/12 02:57:19 hYIP768+
見交わす目が様々な色を宿した。言葉にならない思いだけがその中で弾け、霧散していく。
やがて、時間をかけてようやく全てが膣内に収まった頃、美徳の心身は異様なまでに高揚して
いた。
「逸人さん…ここにいる私は、あなたが作り上げた女です。あなたと出会わなければ、もっときっと
つまらない女でいた筈…」
はらりと涙が零れた。内部が馴染み始めると同時にゆっくりと腰が蠢く。
「ぅあっ…」
その刺激はひどく激しく、背がしなって膣内が驚くほど熱くなった。痛みよりも熱に支配されて
身悶える度に髪がふわふわと舞い上がる。まるで何かに操られてでもいるように男の上で腰を
振る美徳の表情は、それでもまだどこかに苦悶を残していた。
「美徳さん、そのまま…もっと罰して下さい」
「あっ…逸人、さんっ…」
いつの間にか膣内は愛液で潤っていたのだろう。もう痛みはそれほど感じない。むしろ、熱だけ
が更に身体の昂りを増させていく。もう、何も分からなくなりそうだった。不意に内部が締まった
のか、ハデスが低く呻く。
「やっ、あ…あぁ…!」
いつにない体位が性感を倍増させたのか、美徳は呆気なく達してしまった。
「あ…」
肩で息をしていると、ハデスが腕を伸ばしてくる。咄嗟のことにまだ頭がついていかないうちに
体勢を変えられ横たえられた。まだ膣内のものは収められたままで、相変わらず硬く大きい。
腕の中に抱き竦められながら、美徳は戸惑う。
「逸人さん…は?」
「僕はまだ、いかないですよ。美徳さんにお詫びをし足りていないですからね。さっきの言葉の
通りにあなたの気が済むまで幾らでもお詫びをして差し上げます。いいですね?」
こうして間近で見る顔は、今まで以上に優しく温かい。もう何に対して怒っていたのかどうでも
良くなってふっと微笑んだ。

402:保健室の夜 5
10/06/12 02:57:55 hYIP768+
「はい…もっとたくさんお詫びを下さい」
腕を回して抱きつき、身体の力を抜くと大きな手が頬を撫でて涙の跡をなぞる。
「では、愉しみましょう。美徳さん」
二人にとっての夜は、これから本格的に始まった。

「うふふっ…」
同じ頃、鈍はグラスを傾け、謎めいた笑いを漏らしていた。
久し振りに会った変わり者の友人は昔と随分様子が違っていると思っていたら、思った以上に
美しい娘と相愛関係になっていることを知った。
面白そうだからちょっかいをかけてみたものの、あの二人にとっては冗談で済まなそうなものが
あったので、早々に手を引いたのは正解だったようだ。
「逸人、なかなかやるじゃない…まあ、本当の試練はこれからだけど」
過酷極まりない罹人の運命に屈してしまわなければいいわね、と呟きながら飲み干してしまった
グラスを爪で弾いた。






403:名無しさん@ピンキー
10/06/12 04:16:35 AAlny3VL
…神!

404:名無しさん@ピンキー
10/06/12 08:34:28 2BRetIVZ
ハデみのGJ!!

405:名無しさん@ピンキー
10/06/12 10:10:49 nhqGVVqB
なんだ、ただの神か

406:名無しさん@ピンキー
10/06/12 14:03:56 X9I52rnR
騎乗位キタアアアアアアアア

407:名無しさん@ピンキー
10/06/12 16:09:49 vP8SI7k+
保健室のエロ神がわんさかいるスレですね

先生に妖しく絡む鈍ちゃんを見て
先生への恋心を自覚するみのりちゃんとか本誌でも来てほしい

408:名無しさん@ピンキー
10/06/12 17:11:37 dIzOPdb5
>>397-402
騎乗位神様、乙です

409:名無しさん@ピンキー
10/06/12 19:11:43 4elBkKCi
>>407

連載が続いたらそういう場面もあるかも知れない
ただ、今のところは全く自覚すらしそうにない状況だ

410:名無しさん@ピンキー
10/06/14 00:22:52 9IKF1+7L
3巻表紙も良かったけど、髪切った校長も可愛い

411:名無しさん@ピンキー
10/06/14 02:42:07 14aFtDG4
梅雨入り記念投下。

412:雨に抱かれる 1
10/06/14 02:43:11 14aFtDG4
一日中曇り空だったのに、天気予報が外れて夕方からは雨が降り始めた日曜日。
日付も変わる頃、一つの傘の下で寄り添う二つの影があった。
「…それでは、また明日」
「はい、おやすみなさい。今日は楽しかったです」
「僕もですよ、美徳さん。おやすみなさい」
「あっ…」
傘を美徳に握らせると、ハデスはそのまま濡れながら立ち去ってしまった。住んでいるアパート
まではあとほんの少し。別に雨に濡れたとしても大したことはない。それなのに、と申し訳ない
気分になった。
ハデスには、終始こういうところがある。
いつもこちらが恐縮してしまうほど細やかに気を遣う。それをさらりとやられるから、いつも気付く
のは事後だ。あの優しい男には無論何も不満はない。強いて挙げるとするならやはりそこまで
気遣われるのが心苦しいことだけだ。
「私、そこまでの価値はないんだけど…」
美徳はしばらく男の姿が消えていった方向を眺めていた。

部屋の明かりをつけると、もう何もしたくなくて服を着たまま乱暴にベッドに倒れ込んだ。せめて
入浴ぐらいはしておかないと疲れが取れないような気がするけれど、今日の楽しかった気分が
全部消えてしまいそうで怖くもあった。
「逸人さん…」
見慣れた部屋の中で一人きりになって思い出すのは、やはりあの男のことばかりだ。抱き合う
ようになってから、どんどん気持ちが傾倒していくのが自分でも分かる。むしろ、あまり良く知らず
にいた頃にきっと怖い人だと敬遠していたことすら今となっては惜しい。
他には誰も知らないことだ。性の匂いどころか普段の生活臭すら一切感じさせないハデスが、
二人きりになるとどれだけ優しくしてくれるのかを。それは学校での生徒たちに対するものとは
明らかに種類の違うもので、それを甘受しているのが自分一人だけであることを声高らかに自慢
したいぐらいなのだ。
「…っ」
抱き締められる感覚を思い出すだけで、胸がじんわりと熱くなる。

413:雨に抱かれる 2
10/06/14 02:44:08 14aFtDG4
あまりにもリアルな記憶とは逆に、先刻まで一緒にいたのに今はここに一人だけでいるのが妙
に寂しく感じて、両腕を回して自分を強く抱き締めた。出来れば今すぐ会いたい、あの声が聞き
たい、息が詰まるほど抱き締めて欲しい。
「…やだっ…」
一度思い出すと、脳裏に先刻までの出来事が止め処なく溢れ出してくる。つられて身体の昂り
も蘇ってきた。
「逸人さん…」
美徳は横たわったまま服を脱ぎ、熱を帯びた指先で身体を撫で回した。ハデスにされたことを
そっくりそのままなぞるようにブラのホックを外し、豊かに張り詰めた乳房に触れ、痛いほど強く
揉みしだいた。
「あっ…」
気持ちが良かった。ハデスは決して強引なことはしない、卑猥なことを言ったりもしない。だから
こそ抱き合う時には緩やかに燃え上がってしまう。そのようにして煽られた身体の熱はなかなか
引かずに篭り続ける。
今の美徳は、二人きりでいた時間の埋み火で寂しい気持ちを支えていた。
『綺麗な肌ですね、美徳さん』
囁かれた声を思い出して、探る手が一層熱っぽくなる。指先が乳首を弄ぶようにくるくると撫で
回し、摘まみ上げ、押し潰すように力を加えた。
「もっと…触って下さい…」
ここには一人しかいないのに、触れられる感覚だけが生々しく身体の上に残っている。行為を
追うように焦る指先がまだ身につけていたショーツを引き剥がした。
「そこです、もっと強く…」
自分ではあまり触ったことのない場所ではあったが、既に男の手によって隅々まで探られ尽くし
ていることが大胆さに拍車をかける。別にそう難しいことではない、ただされたことの通りに真似
をすればいいのだから。何ひとつ迷うこともなく、指は触れられるだけで痺れてしまう核を擦り上
げる。
「ぁっ…」
声が甘く蕩けた。
それでも、すごく気持ちが良くて夢中で真似をしても、あの繊細ながら的確に快感を引き出して
くれる指遣いにはどうしても辿り着けない。

414:雨に抱かれる 3
10/06/14 02:44:40 14aFtDG4
「どうして…」
こんなに恋しいのに、どうしてあの男はここにいないのだろう。そんな理不尽な寂しさに負けて
しまわないように、指の動きを早めていく。膣の入口の襞を撫で、様子を伺うように少しずつ浸入
させていく度に身体がおかしいほどに跳ねた。
「あ、ぁ…逸人さん…」
いつもされているように指先で内部の壁を擦り、爪の先で蹂躙し、出来うる限り奥まで抉っていく
うちにシーツをびっしょりと濡らすほどの愛液が溢れていた。それほどまでに感じやすい身体に
なっていることに恥じ入る余裕もないまま、空いている片方の手で乳房を揉む。
すっかり快楽の虜となった美徳の頬に涙が伝っていく。
「いい、とても…嬉しい…」
今はここにいない男に抱かれている。そう思い込むことで必死で寂しさを紛らわせていた。今は
もうそうするしかなかったのだ。

翌日、何事もなかったように美徳は出勤して来た。
昨夜の孤独な姿など一切感じさせない凛とした立ち姿に声をかける者がいる。
「おはようございます」
「あ、おはようございます、ハデス先生」
誰も昨日の二人を知る者はいない。特に後ろめたいものではないが、今はまだ秘密にしておく
方が何かとお互いに都合がいいだけのことだ。
「あ、袖口」
ふと、ハデスのシャツに目を留め、袖のボタンがひどく緩んでいるのを目敏く見つける。
「そんなことではいけませんよ、後で付けて差し上げますからお昼休みにでも持って来て下さい
ね」
「あ、すみません。才崎先生」
そんな、ごく当たり前の教職員同士としての遣り取りをしながらも、周囲の人目を盗んでそっと
近付いてみる。
昨夜のことは忘れていないというように、微かな雨の匂いがした。






415:名無しさん@ピンキー
10/06/14 04:10:21 qt4qFRN8
騎乗位の次は自慰か
GJが尽きんな

416:名無しさん@ピンキー
10/06/14 06:11:20 RKwRoFVW
みのりちゃんのオナニーか…股間が熱くなるな

417:名無しさん@ピンキー
10/06/14 06:21:40 LChCnvdJ
朝からいいもん見させてもらった!GJ!

418:名無しさん@ピンキー
10/06/14 12:50:10 DJknSHX5
経鈍きてたー!
マジGJ

419:名無しさん@ピンキー
10/06/14 22:25:30 laHzvDmP
ハデスの病魔は感情を食うらしいけど、性欲は辛うじて食われてないといいな。
エロが成り立たなくなったら困る。

420:名無しさん@ピンキー
10/06/14 22:47:11 5nhBt0Kd
食欲は既にやられてるっぽいし危ないな。

421:名無しさん@ピンキー
10/06/15 02:42:36 jECC6jVD
病魔にどの感情が食われているかは今後ある程度明かされるだろうけど、さすがに
性欲は出てこないだろうな。
気にしてても仕方がないので、今まで通りに書くことにする。

422:男嫌い 1
10/06/15 02:43:30 jECC6jVD
放課後の人が出払った職員室。
そろそろ校内を巡回しようと準備をしていた美徳は、ある若い教師に呼び止められた。
「…はい、何か?」
教師は何かを言い淀んでいる。なにか伝達があるのであれば早くして欲しいと軽く苛々しながら
も、決して顔に出さないように堪えている美徳に、彼は一大決心をしたような顔で告白してきた。
「才崎先生、僕と付き合って頂けますか?」
「はあ?」
「ですから、これから僕と…」
一体何を言われたのかすぐには分からず、首を捻ったまま考え込んでしまった。それを困惑と
捉えたのだろう、彼は更に具体的なことを言ってくる。
「あなたが好きなんです、才崎先生」
「困ります」
今度は即答した。もちろんハデスが心の中にいるからこその拒絶だったが、もしそうでなくても
誰かと交際することには抵抗を感じて断っていただろう。今になってもまだ男というものはどこ
か怖いと思っているのだ。
「好きな人がいるんですか?」
諦めきれないのか、彼は縋るように尋ねる。酷とは思ったが変に期待を持たせて焦らす気も特に
ない。
「はい…今とても好きな人が」
誰かを思って微笑む顔は、彼にとってとても残酷に見えていることだろう。そんな面をも持ち合わ
せていることに美徳は初めて気がついた。
それも恋の成せる技なのだろうか。

「そうですか…分かりました」
明らかに落胆した様子で職員室を出て行く彼を見送りながら、美徳は短く溜息をつく。誰も悪く
ないのだ。ただ誰が思いを寄せてきても受け入れる気持ちが美徳には一切ない。
「男なんて、嫌…」
無意識に呟いた言葉に自分自身驚く。随分長い間、男嫌いのまま過ごしてきて、それを当たり
前と感じていたのだ。誰も愛さなくても愛されなくても決して寂しいと思わず、このまま一人で
生きていくのだとばかり。
ハデスに恋をしたことでそんな感情は消えてしまったが、どうしてそれ以前の自分はそんな頑な
で嫌な女になっていたのだろう。
どう考えても分からなかった。

423:男嫌い 2
10/06/15 02:44:29 jECC6jVD
校内を巡回していると生き生きとそれぞれの部活動に精を出している生徒たちや、どこにも所属
せずに帰途につく生徒たちをいつものように目にした。みんなそれぞれに夢があり、恋をしている
のだと思うと感慨がある。
同じ年頃だった時、美徳には何もなかった。機械のように両親の言う通りに勉強をして、部活動
をして、帰るだけの日々。誰かに恋をして胸をときめかせたり、友達と遊びに行って羽目を外す
ほど楽しんだりといった記憶はない。
思えばつまらない毎日を過ごしていたようだ。そして、楽しみの蓄積のないまま大人になった今、
まともに恋と向き合うことになったのだから悪戦苦闘してもそれは当然だったのだろう。
「会いに行こうかな」
わずかに迷う心に言葉でけりをつけ、美徳は保健室に向かった。

保健室のドアを開ける。
「あ…」
中にはアシタバがいた。生徒は他にいないらしく室内は静まり返っている。
「才崎先生、いらっしゃい」
ハデスは今日も何一つ変わらない。あくまでも穏やかで優しい笑みを浮かべている。それが肝を
冷やすほどに怖いものであろうと、美徳にとっては心を蕩かすほどの微笑だった。
「校内巡回していたら喉が渇きまして。お茶を一杯頂けますか?」
「ええ、もちろん。すぐにお淹れしますからお待ち下さい」
急に緊張した顔になったアシタバの隣に座ると、ちらちらと何事かを伺うように目線を送られる。
少し前にある出来事があったせいだと思うが、今更それでどうこう言い訳をするのも変な気が
するので、とりあえずなかったことにしようと思った。
生徒たちに見せるいつもの顔でにっこりと笑いかける。
「何ですか?アシタバくん」
「…い、いえ、特に何も…」
アシタバは困り果てたようにしどろもどろになって目を伏せた。そして慌てて腰を浮かす。
「あの、僕ちょっと急用を思い出して…帰りますっ」
「じゃ…アシタバくん、そこのお菓子持ってってもいいよ」
丁度お茶を淹れ終わったハデスが声をかけたが、アシタバはカバンを抱えるとぺこりと頭を下げ
て、逃げるように出て行った。
「先生、じゃあさようならっ…」

424:男嫌い 3
10/06/15 02:45:15 jECC6jVD
「用事があるなら、仕方がないですね」
ハデスはわずかに寂しそうな声だった。
「ええ、本当に…」
あの真面目で小心な少年はこの場の気まずさに耐え切れずに帰ったのだと、ハデスも当然気付
いているだろう。だが、それについてはお互いの口から何も出て来なかった。その代わりに腹を
読み合うような応酬があった。
「ではお茶をどうぞ、才崎先生」
「ありがとうございます」
テーブルに置かれた湯呑みを手にする。一口飲むと気持ちがすうっと落ち着いてきた。そんな
美徳の様子を眺めながら、ハデスが静かに口を開く。
「珍しいですね、こんなところにおいでになるとは」
「そう、でしょうか」
「単なる僕の主観です、お気になさらず」
「会いたいから来たのです、いけませんか?」
二人きりでいるといっても、職場である保健室の中ではハデスの態度も口調もどこか他人行儀
に見える。それも当然のことだろうが、わずかに不満を感じた。
次の言葉を聞くまでは。
「いいえ、嬉しいです」
口調がわずかに変わる。その変化を感じ取って美徳は心が震える思いだった。もう誰もここには
入って来る気配がないのをドア際で確認してから、ハデスは隣に座る。
男という男はみんな嫌いな筈だった。なのにどうしてこの人だけは平気になったのだろう。それを
今更ながらに不思議に感じて、美徳は笑った。
「逸人さん、私…最初の頃はあなたを敬遠していたんです」
「もちろんそれは存じ上げていましたよ、美徳さん」
見交わした目にはお互いの姿しか映ってはいない。男嫌いでも、怖いと思う気持ちが残ってても、
目の前にいる男には決してそんな気持ちを持つことはないのだ。それが美徳にとっての幸せと
いうものなのだろう。





425:名無しさん@ピンキー
10/06/15 02:57:27 jECC6jVD
色々と気にしてたらエロ入れるの忘れてた。

426:名無しさん@ピンキー
10/06/16 02:59:18 SvXcniDy
久しぶりに覗いたら100近く伸びててワロタ

427:名無しさん@ピンキー
10/06/16 20:31:55 UfKNch84
操くんなのか操ちゃんなのか……正直あれだけ可愛ければもうどっちでもいい気すらしてきた。

428:名無しさん@ピンキー
10/06/17 00:06:56 Fk11QD5m
>>427
あの腰周りの露出具合、登場時のガキ扱いフラグからして、
8割以上の確率で女だと思うのだが。

429:名無しさん@ピンキー
10/06/17 01:41:06 PrZxQ0sG
アシタバに色欲の魔物が取り付いて校長から姉妹まで全て食い散らしてほしいものだ

430:淫感覚 1
10/06/17 02:55:13 tMDuFuDE
最初はわずかな異変を感じただけだった。
新しい服の生地が少しごわついていたか、季節の変わり目で一時的に敏感肌にでもなったのか
と思ってしばらくは軽い不快感を抱えたまま過ごしていた美徳だったが、ある日の朝に出勤して
きてから明確な感覚に襲われた。
誰かに身体を触られている。
もちろん直接ではない。そんな感覚を覚えているだけのことだ。けれど、はっきりと胸を触られて
いることが不快でならない。
そうは言っても仕事は疎かに出来ない。持ち前の責任感の強さで何事もないような顔を作って
遣り過ごすことにした。これはきっと何かの精神的ストレスか何かだとしか思えない不可解な
感覚だとしても。

「顔色が優れないですよ、どこかお加減が悪いのでは」
三時間目が終わった後の休み時間、美徳の変化を目敏く察知したハデスが廊下で擦れ違い
ざまに声をかけてくる。
「大丈夫です、少し眠れなかっただけですから」
咄嗟の嘘で誤魔化して急いで通り過ぎたが、何故かその時だけはあの不快な感覚は綺麗に
消え去っていた。
やはりあれはただの気のせいか何かの間違い。
そう思いたかった美徳の思いを裏切るように、授業を担当している間ずっと見えない何者かに
胸を揉まれ、下腹部を探られ続けた。そんなことは今までなかっただけに、原因は何かと勘ぐる
ことすらも出来ない。
焦りだけが大きくなるまま時間だけが無駄に過ぎていき、あらぬ刺激で身体に蓄積されていく
熱は考えられないほど膨れ上がっていった。

昼休み、ハデスは校長室に呼ばれていた。
三途川はデスクの上でいとも優雅に指を組んで、皮肉っぽく笑う。
「さて逸人くん、最近はプライベートも順調なようで何よりだ」
「茶化さないで下さい、わざわざその為に呼んだわけではないでしょう」
不愉快顔を隠すこともなく、ハデスは吐き捨てる。
「当然だ」
「…穏やかではありませんね」
不愉快さは一瞬にして消え失せ、神妙な表情へと変化していく。多少人の悪さのある恩師では
あるが、核心だけは外さない。何かまた一大事でもあったのだろうと容易に推察出来た。

431:淫感覚 2
10/06/17 02:56:00 tMDuFuDE
「実はな、このところ女子生徒に異変が起こっている。先々週は三年C組の村井、先週は二年
D組の伊藤という生徒が授業中に倒れて入院した。二人とも原因はと尋ねてもなかなか答えよう
とはしなかったが、検査の結果とんでもないことが判明した」
一息に言い切ってしまうのもためらわれることなのか、傍らにあったティーカップを持ってお茶を
飲む。
「何が、あったのですか?」
「奇妙なことに、性行為の痕跡と思しき傷のようなものが確認されたのだ。無論、両者共にその
ようなことをしでかすような生徒ではないと聞いている。共通しているのは朝から具合が悪そうに
見えたこと。そして授業中に突然面妖な声を上げて失神したことだ」
「面…妖?」
何事かと聞き返したハデスを眺め、空になったカップの陰で三途川はわずかに笑う。
「今の君なら分からんでもないだろう。まあその辺は察してくれたまえ」
「…そうしておきます。で、結論としては、そこに病魔が介在していたのですね」
「その通りだ。ごく最近まで大層微弱な気配しか感じなかったのでそこまで凶悪なものとは察知
出来なかった。だが、生徒二人を襲ったことで勢いづいたのだろうな。昨日今日になってやたら
はっきりと感じられるようになったぞ。ただ、気配を隠す為に拡散する性質もあるようだ。くれぐれ
も舐められるなよ」
「まあ、心しておきますが…僕にはまだ察知出来ていないのです」
実際、生徒に被害者が出ている以上、悠長に構えてもいられないだろう。手掛かりになるもの
は、と考えているうちにあることに思い至った。
「まさか…いや、聞いてみるだけでもやってみることにします」
「まあ、しっかりやってくれたまえ。期待してるぞ」
ハデスの口調に好転の兆しがあると見たのか、ほっとしたような顔になった三途川は無理矢理
に会話を締めた。

職員室で昼食を終え、手持ち無沙汰を隠す為に小説の文庫本を開いていた美徳は突然ハデス
に声をかけられた。
「才崎先生、ちょっとよろしいでしょうか」
「…はい、何でしょう?」
正直、身体に異変が起こっている今はあまりハデスに関わりたくなかった。言えばどのみち心配
をさせてしまうし、こんなことは些細なものに思えたのだ。

432:淫感覚 3
10/06/17 02:56:51 tMDuFuDE
「率直にお聞きしますが、今朝方から何か不調を感じていませんでしたか?」
廊下の隅で、ハデスは声を潜めながらそんなことを尋ねてきた。もしや何か気付いたのではと
危惧しながらも、あくまで平然を装った。
「…いいえ何も。どうしてですか?」
「このところ不審な出来事が校内で起こっているようですので、ご存知のことがあるのではと」
「さあ、私は全く…」
「そう、ですか」
ハデスの言う不審な出来事には心当たりがない。女子生徒が二人入院しているとは職員同士
の会話で知っていたが、もしかしてそれなのだろうか。だとしても、美徳には関連性が全然分か
らない。
「分かりました、お時間を取らせて申し訳ありませんでした」
名残惜しそうに背中を向けたハデスの姿が消える間もなく、しばらく収まっていたあのリアルな
感覚がまた蘇ってきた。
「あっ…」
突然のことだった。膣内に指を挿入されている。
今までにない感覚に、思わず座り込んでしまった。目に見えない、物質でもないだろう指が思う
ままに内部を探り尽くしている。少しでも身動きをすれば変な声が漏れてしまいそうで、美徳は
ただ身を硬くしているしか出来なかった。そのうちに、指どころではないものが押し当てられて
強引に突き進んできて、両手で必死に口を押さえながら声を堪えた。
「…っ、ぅう…っ」
きっちりと着ている服は少しも乱されていない、何も周囲には不審な者などいない。なのに確実
に犯されていることが信じられなかった。もしかしておかしくなったのではとも思った。いつ誰が
通りかかるか分からないところで、どうしてこんな目に遭っているのか考えるだけで本当におか
しくなってしまいそうだった。
「ダ、メっ…」
ズブズブと鈍く濡れた音が体内で響いている。角度を変えて突き上げてくるものが容赦なく美徳
の精神までを攻めたて、この苦しい責め苦から逃れようもなかった。
苦しい。
そう、こんな空虚な行為にはわずかの快感も感じない。悦びも達成感も微塵もない。ただ強引に
何者かに身体を侵食されているだけだ。

433:淫感覚 4
10/06/17 02:57:33 tMDuFuDE
「ぅ…」
この苦しみから逃れる為に、もう美徳は考えることをやめた。見えない何者かが満足してしまう
まで、されるに任せてしまった。
午後の授業はまだこれからだ。きっとまた同じような感覚を繰り返しながら何度も犯されるに違い
ないと、今から心が押し潰されそうになる。
「先生、どうかしたんですか?」
自分で身体を抱き締めたまま耐える美徳の前に、心配そうな声と共に手が差し出された。そこ
にいるのは鏑木真哉だった。
「…いえ、何でもないの…すぐ収まるから」
「お加減が悪いのでしたら、保健室に行きましょう。お手伝いします」
「本当に、いいの…大丈夫だから。ありがとう」
こんな状態の自分をハデスに見られたくない。ここまで追い詰められているのに、何故か変な
プライドが邪魔をしていた。ここは何としても誤魔化さなければいけない、と無理に立ち上がって
見せた。
「ね、大丈夫でしょ?」
「そう、ですか…」
出来るだけ平気な顔で歩き出した美徳に、最後まで心配そうに見ていた真哉もようやく諦めが
ついたようだ。
そのまま廊下をまっすぐに進み、角を曲がったところで再び耐えられなくなる。こんな時までどう
して意地を張ってしまうのだろう。素直に保健室に行けば良かったと心のどこかで自分を責める
声がする。
それでも、どうしてもこんな風になった自分をハデスに知られるのは嫌だったのだ。
見た目には何もされていなくても、身体の内部はもう汚れてしまったのだと悲しくなる。
しかし、本当の責め苦はまだこれから延々と続いていくのだ。




続く

434:名無しさん@ピンキー
10/06/17 13:05:19 /93mgW0A
不気味エロくていい!!
けど幸せになってほしいのも確かで胸にズンと来るな…

435:名無しさん@ピンキー
10/06/19 03:56:26 470CT1NW
続き書いた。

436:淫感覚 5
10/06/19 03:59:26 470CT1NW
昼休み終了の予鈴三分前に保健室にやって来た真哉は、いつもの元気溌剌とした様子とは
どこか違っていた。
「才崎先生を助けて下さい!」
「…どういうこと?詳しく話すんだ」
入って来るなり穏やかではない口調に色めき立つハデスだったが、つい先程の出来事を聞くに
つれて疑惑が核心に変化していくのを感じていた。
「何てことだ…」
「ハデス先生、これも病魔なのですか?」
「だと思う。ただ、才崎先生には何らの気配も感じなかった。多分別のところで病魔は遠隔操作
的に人を操っているのだろうね」
「ひどい…」
真哉は純粋に同じ女としての義憤を感じているようだ。それもそうだろう。ある日突然見えない
何者かのあらぬ欲望を叩きつけられたら、ただ困惑するだけだ。もし心が弱ければ発狂しかね
ない。そういう意味でも、この病魔の性質は女性に付け込む分悪質と言える。
「とにかく話は聞いたから、鏑木さんはそろそろ教室に戻りなさい。才崎先生は僕が必ず助ける
から」
「…本当?」
心配そうな顔が一瞬だけ輝いた。
「安心しなさい、僕はこの学校の皆を守る為にここにいるんだから」
「はい、じゃあ後は全てお任せしますね」
深く頭を下げて、真哉は教室に戻って行った。その直後に予鈴が鳴り渡る。
生徒が誰一人いなくなった後の廊下は驚くほど静かだった。この平穏を壊す者がいるとすれば
全力で阻止をする。改めてその決意を固めた。
この学校で、病魔などに勝手な振る舞いをさせる訳にはいかない。今回は既に被害者が出て
いる上に現在進行形で被害を受けている者がいる。いくら拡散して存在を隠していたからとは
いえ、明確に気配を感じることが出来なかったのは迂闊だったとしか言いようがない。そのせい
でもし取り返しのつかない事態になったらと思うと気が逸った。
「美徳さん、すぐに助けるから…」
普段生徒たちの前で見せるものとは全く別の厳しい顔で、ハデスは空を睨んでいた。

437:淫感覚 6
10/06/19 04:00:08 470CT1NW
五時間目の授業は体育館で三年A組を受け持つことになっていた。
学期末に行われるバレーのクラス対抗試合に向けて、どのクラスも繰り返し練習試合を行わせて
意識向上を狙っているつもりなのだが、正直はかばかしいとは言えない。まだどこか遊び半分で
参加している生徒が中にいるのだ。
「そこ、ボールをしっかり見なさい。トスが遅いですよ」
満遍なく目を運んでいる間も、あの淫らな感覚は絶え間なく続いていた。ある程度の慣れもあって
授業中は何とか誰にも知られることなく誤魔化せるつもりでいたのだが、そんな美徳のなけなしの
思いを見透かすように断続的に感覚は激しくなる。
「ぅっ…」
まただ、また犯されている。
急に眉を顰めて声を殺したことを誰かに知られないように、あまり動き回ることをやめて壁際に
寄って凌いだ。せめて授業だけは最後まで続けたいのに、もう身体がついていきそうにない。
「先生、どうしたんですか?」
側にいた生徒が異変に気付いて駆け寄って来る。
「大丈夫よ、少し休めば…」
そう言っている間にも、身体が震え出して止められなくなる。まるで何人もの手が一斉に身体中
を探っているような、凄まじい感覚に襲われたのだ。思わず目を見張って身体を硬直させている
美徳を見て、生徒の一人が保健室へ走って行ったようだ。
「何で、こんなことに…」
息を荒げながら何とか立ち上がろうとしたのだが、もう我慢の限界だった。気力を振り絞ろうと
足掻いたまま、美徳は気を失ってしまった。

それより少し前のこと。
昼休みが終わってすぐに、再び校長室へと呼び出しがあった。
「才崎くんは今朝から体調不良らしいな」
「あの状態は明らかに尋常ではありません。恐らくは病魔かと」
「それでだな、先だっての二人と、才崎くんの共通点が分かったぞ」
「それは何ですか?」
全く手掛かりは掴めないものの、恐らくは美徳の周囲の誰かに病魔は憑いているものと踏んで
見張るつもりでいたハデスは苛々と言葉を促す。そんな教え子を面白そうに眺め、三途川は口を
開いた。

438:淫感覚 7
10/06/19 04:01:12 470CT1NW
「村井と伊藤、この両者は大層容姿端麗でよく男子生徒からの告白を受けていたそうだ。だが、
当然ながらまだ早いということで全て断っていた。ストーカーに至るほどの直接的な執念を持つ
輩はいなかったというが…どうかな。思う女子生徒に思いを遂げられない鬱屈を抱えた者が複数
いたとして、同時多発的にその欲求を噴出させるきっかけになったのが病魔とすれば」
その線は正直考えてもいなかった。いや、あえて考えないようにしていたのは美徳の男嫌いという
性質もあっただろう。まさかそれが美徳自信の弱みになってしまうなど理解の範疇を超えていた。
「まさか…それが本当だったとして、身体に実害を及ぼすほどのものがあるとは」
「他に説明がつくのか?才崎くんも時々生徒や職員からの告白を受けては全て断っていたという
じゃないか」
その言葉に絶句していた時、美徳が気を失って倒れたという知らせが届いたのだった。

保健室に収容した後も、意識を失っている筈の美徳は苦しみ続けた。しかし気にはなるものの
側についていることは出来ない。病魔の炙り出しと始末があるからだ。
「う…」
夢の中でも美徳は陵辱されている。全てが終わって目覚めた後、この生真面目な女性がどれ
ほど深く苦悩するのだろうか。
「すぐに終わりますから、それまで少し我慢をしていて下さい」
ハデスは冷たい汗の浮いた額を撫でてわずかな安堵の表情を確認した後、大股で保健室を
後にした。
この病魔が憑いているのが複数いるとしても、先刻まで美徳が担当していた授業を受けていた
生徒の中に必ず一人はいる。一人判明すれば後はたやすいことだ。拡散して気配を薄める性質
の病魔であれば最初の一人がまずは肝心なことだと当たりをつける。
すぐに体育館に入るなり、思った以上に強い病魔の気配を感じた。やはりここにいるのだと脇目
も振らずに気配の根源である人物を追う。
「な…何ですか、先生」
美徳がいなくなってほぼ自習状態になっていた生徒たちは、てんでに話し込んだりしてまともに
バレーの練習をしていない。そこに突然現れたハデスの姿を見て、一体何が起こったのかとどよ
めきが起こっていた。
そんな周囲に構うことなく、気配を追っているうちに、ある一人の男子生徒に辿りつく。
「…君に聞きたいことがある、ちょっといいかな」
「何ですか、いきなり」

439:淫感覚 8
10/06/19 04:02:21 470CT1NW
彼はハデスの容姿に恐れを抱いているようだ。
この生徒に間違いない。しかしさすがに大勢の生徒たちがいる場所で咀嚼する訳にはいかない
ので、何とか体育館の外に誘い出すことにした。
「才崎先生のことなんだけど、ちょっといいかな」
「…知りません。気にはなるけど僕は何も…」
見た目にはっきり分かるほど動揺している。やはり彼の何らかの意識が美徳の症状に作用して
いるのだ。妄想だけならそれは男として共感するしかない。ただ、今回の場合は被害者が出て
いる。妄想に収まりきらない欲望というものの恐ろしさをしかと自覚して貰う必要があった。
「心当たりはあるんだね?」
「知…りません」
彼は尚も首を振って否定する。それを無視して強引に体育館の外へと連れ出した。普段は決して
生徒たちに手荒なことなどしないハデスだったが、こればかりは迅速に事を進めないといけない
とばかりに妙に対応が荒っぽい。ましてこの容姿のせいか、彼はすっかり萎縮している。
「…さあ、詳しい話を聞こうか。才崎先生は今、苦しんでいる」
確かに病魔の気配は彼の中にある。それを確信してハデスは手を禍々しい異形へと変化させて
いった。
『それは…何だ』
ようやく事態を悟ったのか、深く潜伏していた病魔が姿を現す。残忍な笑いを浮かべた男の姿を
していた。この病魔の名は実存(エグジスト)だったか。
「説明するまでもない。おまえを食ってやるからな」
『フン、ようやくまともな餌にありつけたと思ったのになあ』
この期に及んでも病魔はうそぶいた。
「餌だと?」
『ああ、餌さ。くだらない肉欲で悶々としている奴らの欲を叶えてやる代わりに、何が起こったか
分からないまま犯される女たちが感じる恐怖は、俺にとって最高の御馳走だったぜ』
「女性たちの恐怖が餌か…なるほど。拡散して気配を消している間に、一度に何人もの相手にも
憑いていたという訳か。まあいい、まとめて始末してやろう」
こんな卑劣な病魔などこれ以上関わっているつもりもなかった。

440:淫感覚 9
10/06/19 04:02:59 470CT1NW
凶器と化した手を振り上げるハデスは、病魔よりも恐ろしい顔になる。
「覚悟しろ!」
『やめろ、俺はただ、餌を食ってただけだ、待…!』
一切の言い訳も許されず、実存(エグジスト)は地獄の入り口と化した手の中に吸収され、咀嚼
され尽くしてしまった。
「あ、あ…」
この全てを見ていた生徒は、声もないままへたり込んでいた。ハデスは立ち上がらせる為に手を
貸そうとしたが、やはり恐怖心が強く残ってしまったようだ。そんな彼に仕方なく声をかける。
「君だけが悪いとは決して言えないけど…才崎先生の具合が悪くなったことに君が少なからず
関係しているのは間違いないんだよ。それだけは覚えていて欲しい」
「あ…は、はい…」
まだ彼は呆然としていたが、何とか宥めて体育館の中に戻した。随分大人しそうに見える上に
病魔を見てしまったこと、自分が美徳を傷つけた原因でもあることにショックを受けている様子
なので、あまり余計なことは言わないだろう。
病魔も始末したことだし、今回の件はこれで終結した。
残るは一つ、しかし最も大事になりそうな一つだった。

保健室に戻った後も、美徳は時折うなされていた。時折様子を伺いながらも雑務をこなしている
うちにようやく目が覚めたようだった。
「…私、どうしてここに?」
ベッドから起き上がった美徳は、しばらく何も思い出せないほどに疲弊していた。
「授業中に倒れたのです」
「えっ…」
しばし目を泳がせていた美徳は、倒れた原因をやっと思い出してさあっと顔色を変える。
「あ…私…」
あまりの混乱振りに、ハデスは宥めようと側に近寄っていく。しかし手が頬に触れかけると美徳は
びくっと身を竦ませて振り払ってしまった。
「美徳さん?」
「ごめんなさい…でも、触ってはいけません。私なんかに…」
ぽろぽろと涙を零して、美徳はシーツを被った。触れられることを頑として拒んでいる姿は頑なな
子供のようだ。

441:淫感覚 10
10/06/19 04:04:16 470CT1NW
「何を言うんです、一体」
「私は汚れています、もうおしまいなんです」
駄々をこねるように泣く美徳に業を煮やしたのか、ハデスは被っているシーツを乱暴に引き剥が
した。
「…そんなことは、二度と言ってはいけません。いいですね」
頬に当てられた手はとても温かかった。それだけで何も言えなくなってしまう。
「随分大変な目に遭ったのですから、身体は疲れているでしょう。もう少し休まれてはいかがで
すか?」
優しい目に見つめられているうちに心も温まってきた。そういえばあの不快な感覚はもうすっかり
消え失せている。口調からして、また不思議な力で助けてくれたに違いないのだと思った。だと
したら美徳の災難の詳細ももう分かっているのかも知れないが、それは考えないことにした。
「そう、ですね…ではお言葉に甘えて、もう少しここで休みます」
「それがいいですね、ではごゆっくり」
引き剥がしたシーツをもう一度丁寧に掛け直して、ハデスはまた雑務に戻って行った。身体を
横たえて目を閉じているうちにまた眠気を覚えて、余計なことを考える間もなく眠りに入る。

再び目覚めた時には、もう窓の外は真っ暗だった。
「あ…今、何時ですか?」
慌てて起き上がる美徳に気がついたハデスは、窓の側から声をかけた。
「七時半ですよ、とてもよく眠っていました」
「やだ、私ったら…」
「それだけ疲れていたということですよ。ご気分はどうですか?」
そう言われれば、長い間眠っていたせいかとてもすっきりしている。最近こんな風に時間を気に
せずに眠ったことなどなかっただけに、余計に爽快感があった。
「とても、良い気分です」
「それは良かった」
美徳が起きたことで、ハデスはいつも着ている白衣を脱いで傍らのハンガーに掛けた。
「それではもう遅くなりましたし、送って行きますから帰りましょう」
「あ…」
もう少しここにいたい、とは言えなかった。今日はずっと迷惑のかけ通しだった。とんでもない
姿も見せてしまったし、変なことも言った。そのせいで何となく素直になりきれないでいるのは
良くないことだと分かっているのに、何をどうすれば一番効果的なのかが分からない。
「…分かりました。支度をして来ますので、もう少しお待ち下さいね」
ベッドから降りると、美徳はもう誰も残っていないだろう職員室に向かって歩いて行った。薄暗い
廊下が何故か今日は少しも怖いと思わなかった。

442:淫感覚 11
10/06/19 04:04:52 470CT1NW
寄り添う夜道はいつも以上に心を燃えたたせていた。今日ずっと感じていたあの不快な感覚は
まるで夢か幻のように思えていた。もちろん抵抗出来ないまま好きなようにされる恐怖は完全に
消えた訳ではないが、ハデスと一緒にいるだけで緩和されていくのが分かった。
なのに、もうアパートが近付いてくる。
「美徳さん、そろそろ着きますよ」
そんな声も聞かない振りをして腕にしがみつく。
「…今夜は一緒にいて下さいませんか?」
「美徳さん?」
「一人になるのが怖いんです。せめて今夜だけは…嫌ですか?」
「そんなことは、ありません」
また嫌な女の面が出てしまった、と思った。一人が怖いのは本当だけど、ハデスの優しさに付け
込むような真似をしてしまう自分の弱さや狡さが何となく許せない。けれどそれがなければ今夜
一人で寂しさに泣くことになる。それもまた嫌だった。
遂に部屋のドアの前まで来てしまった。ドアの鍵を開けると、美徳は縋るような目をしてハデスを
見上げた。
「一緒にいて欲しいんです、一人でいるのは嫌…」
「美徳さん」
ハデスは大きな手で髪や頬を撫でてきた。まだわずかな迷いがあるらしかったが、すぐに抱き
寄せてきた。
「…困った人ですね。僕は大概堪え性があるものと自負してきましたが、あなたを前にすると
堪えきれなくなります」
「じゃあ…」
抱き込まれたまま、言葉を促した。今の美徳にとっては、たとえ笑顔や温もりひとつであっても
与えられるもの全てが愛を渇望している心にすんなりと落ちていく。
「そんな美徳さんを放っては帰れません」
「逸人さん、嬉しい…」
本当に、今日は何という日だろう。良いことも悪いこともあまりにも色々とあり過ぎて、とても一人
では抱えきれないでいた。そんな負担がたった一言で驚くほどに軽くなる。まだドアの外側にいる
というのに、いつ誰に見られるかと危惧することも忘れて美徳は頼れる腕の中で心からの安堵を
感じていた。

443:淫感覚 12
10/06/19 04:05:43 470CT1NW
部屋に招き入れてからも、狭い玄関で靴さえ脱がないまま長い時間舌を絡ませ合った。不安も
恐怖もこうしていることで急速に幸せな記憶に上書きされていく気がした。
極限までひそめた低い声が唇を撫でる。
「今夜は歯止めが利かなくなるかも知れません、いいですか」
「…はい、どうぞご存分に」
靴を脱ぐことすらももどかしく、美徳はハデスの手を引いて奥のベッドを目指した。もう躊躇する
必要もないほどに早く欲しくて仕方がない。
上着も脱がないまま抱き合って倒れ込むと、目眩がするほど優しい目に見つめられた。それだけ
で心が蕩けてしまいそうになる。
「美徳さん、素敵ですよ」
身体を探る手はあくまでも穏やかだ。一つも乱暴な動作などない。なのに今夜はそれすら焦れっ
たく感じて、自分で手を動かしてショーツを脱いだ。
「慣らさなくてもいいんです…逸人さん、そのまま来て下さい」
「苦しいですよ、無理はいけません」
「構いません、すぐに欲しいんです」
美徳はわざと見せつけるように大きく膝を開いて、指先で限界までそこを開いた。見えないもの
に汚された身体が少しでも元に戻る手立てがあるのなら、それは今すぐに抱いて貰うしかない
のだ。
「今日のことは、もう忘れたいんです…お願い」
「分かりました。では少し我慢をしていて下さい」
ハデスは余計なことを何も聞かなかった。ただ美徳の望む通りに男の切っ先を押し当ててくる。
膣の入口を開いて待ち構えていた指先に熱くて硬く滾るものの感触が触れた。
「早く…いらして」
呼吸を整える間もなく、一気に奥まで突き入れられてあまりの衝撃に目を見開いた。
「ひっ…」
これは決して目に見えない誰かではない、美徳が唯一心を許す男だ。そんな男がもたらしてくる
凄まじくリアルな性感に意識が飛んでしまいそうだった。
「ぅ、あ、あぁ…」
全く慣らしてもいない膣内の粘膜は、擦れる度に鈍い痛みを伝えてくる。まだ決して快感は完全
なものではないが、それでもここで抱かれていることだけで最高に燃え上がれた。

444:淫感覚 13
10/06/19 04:12:24 470CT1NW
「あ、あ…逸人、さん…」
服ひとつ脱がないままベッドの上で悶え狂っている美徳の指は、しっかりとシーツを握って離さ
ない。突き上げられる度に甘く苦しい快感が押し寄せてきて、手放したらこの凄まじい波に呑ま
れてしまいそうな気がしたのだ。
「美徳さん、もう平気のようですね」
「ん…大、丈夫…」
今度は声に縋るようにしっかりと腕を回して抱きつきながら、出来る限り最大の笑みを浮かべる。
身体の奥底に刻み込まれる波のうねりが大きく、小さく渦を巻いて堪らないほどに翻弄されていく
のがとてもいい。
声もなく耐えているうちに、膣内を掻き回していたものが一層熱くなった。
「あっ…」
快感の不意をつかれた途端に、快感が背筋を駆け抜ける。美徳は名残を惜しむこともなくあっと
言う間に達してしまった。予期もしていなかったのはハデスも同じだったようで、強く締め上げて
くる膣壁の動きに抵抗しきれなかったようだ。
「くっ…」
いつにない焦ったような声がする。どうやら中で出されてしまったらしい。これまでお互いの間で
は禁止していたことだった。
「美徳さん、すみません…」
気の毒になるほどうなだれるハデスの頬を、気にしなくていいからと撫でて宥める。何だか今夜
ばかりはどんなこともやれてしまいそうだった。
「…今夜は、不問にしましょう。実は安全日ですから」
「本当、なんですね?」
「私、女です。自分の周期ぐらい知っています。それよりも、もっと下さい」
今達したばかりで息が荒いままだが、気分は悪くなかった。もっとたくさん時間をかけて、今日の
忌まわしい記憶を消してしまいたい。
もうただの言い訳にしかならなくなっていることを考えながら、美徳はまだ着たままだった上着を
始めとして身につけていたものを次々と脱いでいった。
そして全て捨ててしまってから二度と離さないように強く抱きつく。
「私は自分の身は自分で守ります、大人ですから。それでも今日のようにどうしようもない時は
あると思います。その時があるとしたら、守って下さいますね?」

445:淫感覚 14
10/06/19 04:13:08 470CT1NW
まるで子供にするように、すぐに背中がぽんぽんと叩かれてから抱き締められた。
「もちろん、あなたでも対処しきれないものはあるでしょう。その時は幾らでも守ります。今日の
ようにね」
「約束ですよ」
抱き締められる腕の力が強まっていく。これから先、感じることの出来る淫らな感覚の全てが
この人から与えられるものであればいい。他に望むものは何もないから、ただそれだけが叶え
られれば幸せでいられる。
再び熱を帯びて昂っていく身体を誇らしく思いながら、美徳は目を閉じた。






446:名無しさん@ピンキー
10/06/19 12:36:28 x3XFE+SQ
ハデみのGJGJ!!
レベル高ぇ…!

447:名無しさん@ピンキー
10/06/20 00:02:15 45mOM3/h
これは…上手い。GJ!
大人な二人の会話にゾクゾクした


448:名無しさん@ピンキー
10/06/20 03:54:10 2lgHovdQ
昨日投下したのはバランス的にエロ少な目になったけど、なんか書き足りない
のでエロ場面だけ番外編で書いた。

449:淫感覚 番外編 1
10/06/20 03:55:02 2lgHovdQ
ベッドサイドの置時計が時を刻んでいる。
そのわずかな音に、時間なんてもう止まってしまえばいいと思った。
再びベッドに身を横たえた美徳は、まるで焦らすように緩やかで優しい愛撫を受けて熱い吐息を
漏らした。さっきまでの激しい行為の名残がまだ身体の中にじりじりと燻っていて、妙にむず痒い
ような感覚に囚われている。
不意に首筋から胸元に唇を落としていたハデスが顔を上げて正面から美徳の顔を見た。ほんの
少しのきっかけでまた燃え上がりそうな身体を持て余しているのに、それだけで一気に火がつい
てしまいそうに思える。
「…何ですか?」
「僕は、誰かとこんな風に過ごすことなんて有り得ないと思っていました」
こんな時に急に一体何だろうと考えてから、懸命に回らなくなりつつあった頭を巡らせて最適と
思える返事を探す。
「それは、私がまだ聞かずにいるあなた自身のことに関係があるのですね?」
「ええ、そうです」
「でしたら、それはまだしばらく秘密になさって下さい。いずれ明かす時が来れば喜んで伺いま
しょう。あなたにどれだけの秘密があろうと、本当のあなたがどんな方であろうと、それは些細な
ことに思えます。私は、今ここにいて私を愛して下さっている逸人さんが好きなのですから」
自分でも愚かだと思えるほど、美徳は嘘がつけない性格だった。それで空気が読めずに随分
損な思いもしてきた。けれど今はそれで良かったのだと思える。
心を許せる相手に本音を言えずに、いつ言えるというのか。
ハデスはほんのわずかに表情を歪めた。見ようによっては泣き顔にも似ている。
「ですから、今はまだその時ではありませんから何も仰らないで」
「…あなたは不思議な人ですね、美徳さん」
女というものはすぐに人の事情を詮索しがちだ。恋をすれば尚更相手のことを知りたがってしまう
だろう。だが、それはまだハデスにはしてはいけないように思った。この話はもう終わり、と目を
閉じてすぐに愛撫は再開された。
「今夜は『存分に』、してもいいんですよね。ではそのように致します」
ハデスの声音が微妙に変わった。押し殺していた欲を垣間見せるような熱っぽい声に、肌の内側
がざわめく。

450:淫感覚 番外編 2
10/06/20 03:55:44 2lgHovdQ
「あ…」
両手で捏ね上げるように乳房を揉まれて、耐え切れない声が漏れた。肌の感触を楽しむように
指先が絶えず蠢いている。しばらくは乳房の形をなぞりながら巧みに肌を吸い、歯を立て、舌を
這わせていたが、柔らかな感触が次第に胸元から下がっていくのに気付いた。
未知の感覚に思わず不安な声が出る。
「何…?」
返事はなかった。その代わりに力の抜けていた膝が限界まで開かされて、疼いている中心に
顔を埋められる。
「や、ぁっ…」
まさかそこを舐められるとは思ってもいなかった。なのに指よりも柔らかく繊細な感触に現金な
身体はすぐに反応して、声はより甘くなる。ダイレクトにその反応を感じて喜んだのか、ハデスは
憎らしいほど落ち着き払って宥めてきた。
「怖がらなくてもいいですよ。あなたに痛い思いをさせないようにしているだけですから」
「だって…だって、そんなトコは…」
「とても、可愛いですよ。こことか」
言いながら硬く充血しているだろう核をいじる。
「あああっ!」
元々そこを指で探られたら、すぐに感じてしまうほど弱いのは知られている。これで『存分に』され
たらどうなってしまうのか今夜ばかりは本当に分からない。しかしその先をもっと知りたいという
期待もあった。
「そう、感じた通りに振舞って下さい」
指で悪戯をしながら舌先で丹念に膨れ上がった核やその周囲を舐め尽くされ、やがて膣の入口
の襞を分けるように広げられた。あまりにも感じ過ぎている為に一切の抵抗も出来ないまま震え
ていた美徳の耳に、ごく冷静な声が届く。
「内部に幾つか軽い擦り傷がありますね。後で処置しておきましょう」
「えっ…」
「気にされることはありません、僕のせいですから」
もしかしたら見えない何者かにつけられた傷では、という思いはハデスの言葉に打ち消された。
もちろんどちらかには間違いないが、ハデス自身も今日の事件はなかったことにしておきたいの
だろうと判断した。
そんな感傷めいた気持ちは、すぐに掻き消された。

451:淫感覚 番外編 3
10/06/20 03:57:37 2lgHovdQ
「やあああっ」
すぐに処置出来ないから、というのはただの言い訳だろう。舌先が膣内に潜り込んできた。
「ダ、ダメ…そんなの」
少し前に中に出されたものが愛液と混ざり合って溢れている。それを舐められていることに頬が
熱くなる。
「綺麗にしているんです、後で治療する為ですから」
また言い訳めいた言葉と共に一番感じるところを直接舐められ続け、もう胸の鼓動が痛いほどに
なっている。感度が上がったせいもあるのか、舐め取る音が卑猥に変化しているのがはっきりと
分かった。
「あ、あ…あ」
爪先が何度も空しくシーツを蹴る。もうおかしくなってしまいそうなほど乱れ悶えていた美徳の
目に、ようやく顔を上げて口元を拭うハデスが映った。
「逸人さん…」
「今度は痛くないと思います。美徳さんには傷一つつけたくありませんから」
霞みかけた視界を補足するように、今の感覚の全てが散々舐め尽くされて十二分に蕩かされた
そこに集中している。ずっと待ち侘びていたものの感触がようやく与えられようとしていた。灼熱
の先端が襞を擦るだけでも、肌が震えるほど感じる。
「…あぁ…」
感嘆のような声が漏れた。それが合図のようにずぶっと一切の躊躇もなく、膣の奥まで突き立て
られる。
「ああんっ!」
凄まじい感覚だった。ついさっきの行為がまるで別のことに感じるぐらいに気持ちがいい。わずか
の隙間もなく擦れ合っているお互いの粘膜越しに思いが伝わってくるように思えた。何もかもが
ぴったりと馴染んでいることも快感に更に拍車をかける。
「逸人さん、もっとぉ…」
もはや性感の虜になった美徳を満足そうに眺めて、ハデスは突き上げを一層激しくしていった。
「幾らでも差し上げます、『存分に』愉しんで下さいね」
「はぁううっ…」
もう苦しくも切なくもない、脳髄を蕩かしてしまうほどの全てを越えた特別の感覚がそこにあった。
心を許し身体を許し全てを明け渡したその先にある法悦。その境地を見た美徳はようやく女に
なったような気がしていた。

452:淫感覚 番外編 4
10/06/20 03:58:16 2lgHovdQ
「うっ…」
あと少し、というところで突然体位を変えられた。動物のように後ろから突き上げられて、必死で
シーツを握って耐える。膣内で当たる場所が変わったことも、ますます快感を増大させた。身体の
中を行き場のない熱が巡って、熱くて苦しい。けれどこの感覚はとても心地がいい。
高く上げた腰を支えるように掴んでいた手が、綺麗に反る背中を撫でてから無防備だった乳房を
強く握ってきた。覆い被さって耳を舐めてくる舌に、甘い呻き声が漏れる。
「本当に、素敵ですよ…」
「あ、ぁ…逸人さん…」
もう美徳の目にはハデスしか映っていない。無粋な時を刻んで二人のひとときを阻む置時計など、
もう存在をすっかり忘れていた。
女の意識の中で時が、止まる。






453:名無しさん@ピンキー
10/06/20 13:47:16 +wcmcovO
このハデス、雄だ!!
美徳ちゃんは大人の恋愛可愛い

454:名無しさん@ピンキー
10/06/21 22:14:51 hbnJmdFi
いやはやいやはや。
ちょっと遅れたけどGJ!

455:名無しさん@ピンキー
10/06/22 15:21:21 ++oyiJT+
みのりちゃん可愛いよみのりちゃん

やっぱりアシタバ×鈍もありなんじゃないでしょうか

456:名無しさん@ピンキー
10/06/22 23:31:05 qYXMA65P
いやいや鈍×アシタバもありだ。

457:名無しさん@ピンキー
10/06/23 00:06:36 Pq6oHxZO
鈍×みのりもアリじゃね
鈍百合っぽいし「逸人のこと教えてあげる」とか言って釣って。

458:名無しさん@ピンキー
10/06/23 00:15:12 K/tdK6X5
さあ、その勢いのままに何か書いてくれよう

459:名無しさん@ピンキー
10/06/23 08:57:31 DfmmubpM
ここは百合SSの投下も可なんだろうか?
まだ接点無いけど鈍×花とか結構好きなんだ。
もし可なら書いてみたい。

460:名無しさん@ピンキー
10/06/23 11:12:17 EjOV1KIr
百合そのものは問題ない
ただ、今現在作中で接点がないキャラ同士っていうのはどうなんだろう

461:名無しさん@ピンキー
10/06/23 13:42:01 vXrujX3h
いいんじゃないか?特に不自然なシチュエーションでなければ。

例えば、普通の美容院と思ってサロン・ユグドラシルに行った花巻が
例のごとくドジ連発で、保管していたエロ病魔を逃がしてしまい、
花巻をかばって取り憑かれた鈍が、花巻を食ってしまうとか。

462:名無しさん@ピンキー
10/06/23 13:52:24 EjOV1KIr
それもそうだな
エロパロなんだから、不自然にさえならなければありかも

463:名無しさん@ピンキー
10/06/23 20:25:39 5wax509V
>>457
こんな感じか?

「離して下さい!」
美徳は慌てて身を捩った。ここに来たのは自分からとはいえ、こんなたやすい罠にかかったこと
が悔しくてならない。
「あら、どうして?」
罠を張った女は平然として穏やかな微笑を浮かべるのみだ。
そもそも、ハデスと学生時代に親友だったというこの女に関してあまり良い感情は持っていない。
今になってもまだ何かと関わりを持とうとしてくるのが、美徳自身の足元を脅かされているようで
不安になるのだ。
「逸人のことが知りたいんでしょ?だからわざわざ来たのね。可愛いわあ~」
「う…」
決して否定は出来ない。ハデスのことはほとんど何も知らないに等しいのだ。あえて詮索しない
ことを旨としているだけに、情報には飢えている。だからつい、鈍という名のこの妖艶な女の誘い
に乗ってしまった。
「ホント、逸人には勿体無いぐらい綺麗なお嬢さんねえ…妬けるわね~」
艶やかに彩った爪がするりと頬を撫でる。身動きすら出来ないほどの恐怖を感じながらも、美徳
は何とか逃れようと足掻いていた。

464:名無しさん@ピンキー
10/06/23 22:56:32 DfmmubpM
百合可なんだな。二人ともレスありがとう!
不自然じゃ無いシチュでやってみる。

>>463
GJ!ちょっとこれ続きが凄く気になるよ…!

465:457
10/06/23 23:17:05 IPXZ26+o
>>463
GJ!!!超滾った。
なんという俺得!

466:名無しさん@ピンキー
10/06/23 23:32:37 5wax509V
百合は書いたことないから、試しにざっくりやってみた。
今度はちゃんと書き直してみる。

467:名無しさん@ピンキー
10/06/24 03:11:53 WnwJ1yf5
書いた。
そういや、美徳と鈍も今のところは接点ないな。
それ考えると、いかに自然なシチュでエロを書けるかってのは大事なこと
だと改めて思った。

468:蛇の罠 1
10/06/24 03:12:51 WnwJ1yf5
「ようこそ、ユグドラシルへ」
暗い店内に一歩足を踏み入れた途端に、絡みつくような声が聞こえた。
好奇心だけならこんなところに来たりはしなかった。美徳は懸命に目を凝らして店内に目を配る
うちに、ここが普通のサロンではなさそうなことに気がつく。
「奥へいらっしゃいな、お嬢さん」
声はどこか面白そうな、からかうような口調だ。

前日のこと。
帰宅する為に校門を出たところで一人の女に声をかけられた。
それは以前、あまり思い出したくもない出来事で顔を合わせたことのある女で、それがあるから
こそあえて無表情を通していたのに女の方は至って穏やかな顔をしている。何度見ても妖しい
魅力を漂わせている美しい女だ。側にいると余計な嫉妬心が起きそうになるので足早に通り過ぎ
ようとしたその矢先のこと。
「お久し振り~、この間は悪いことしちゃったわねえ…」
「…何のことでしょうか」
「うふふっ、まあそれはいいわ…お近付きの印に明日うちの店に遊びにいらして。逸人のことも
幾つか教えて差し上げられるかも知れないし」
とんでもないことを言い出す女に無視を決め込もうとした美徳だったが、素早く小さなメモを握ら
されてしまった。
「あっ、ちょっと」
「その時間にお待ちしているわね、ふふっ…」
追いかけて返そうとしたのだが、用件を果たした女の姿は呆気ないほど早く消えていた。メモを
開くと簡単な店の地図と時間が書かれていた。

店の奥は普段休憩室として使っているのか簡易ベッドが置かれていて、店内の様子とは違って
妙に殺風景な印象を受けた。鈍という名らしい女は休憩室の照明をつけると艶然とした微笑を
漏らす。
「ごめんなさいねえ~、さっきまで予約のお客様がいて立て込んでいたの」
「…そんなことは、どうでもいいんです」
わざわざこんなところまで来たのだ、少しは何か得るものがないと無駄足になる。そればかりが
頭の中にあった美徳はその時まだ気付いていなかった。この鈍という蛇のような女の危険性を。

469:蛇の罠 2
10/06/24 03:13:31 WnwJ1yf5
「何かお飲みになる?この時間からお酒でもいいのよ…」
「いえ、お気遣いなく」
休憩室は殺風景な上に狭かった。他に座る場所もないということで簡易ベッドをソファー代わりに
座ってと言われ、仕方なく腰を下ろした。好きで訪れた場所ではないだけに、何となく居心地が
良くない。それに、鈍の雰囲気が妙に気になるのだ。
それは本能が危険を知らせているのだと気付けば、まだ結果は違っていたかも知れない。

いきなり首筋に何かが触れてきた。
「えっ?」
振り向こうとして、それが鈍の指先だと気付く。その指が胸元に落ちてくるのを感じ、慌てて振り
きろうとしたのだがわずかに遅かったようだ。物凄い力で両手首を一纏めに掴まれて身動きが
取れなくなる。
「離して…!」
美徳は精一杯身を捩って抵抗した。ここに来たのは自分からとはいえ、こんなたやすく罠にかか
ったことが悔しくてならない。
「あら、どうして?」
罠を張った鈍は平然として穏やかな微笑を浮かべるのみだ。
そもそも、ハデスと学生時代に親友だったというこの女に関してあまり良い感情は持っていない。
今になってもまだ何かと関わりを持とうとしてくるのが、美徳自身の足元を脅かされているようで
不安になるのだ。
そんな心中を見透かしたように、鈍は罠を念入りに強化する。耳元で囁く声が猛毒のように甘くて
おかしくなりそうだ。
「逸人のことが知りたいんでしょ?だからわざわざ来たのね。可愛いわあ~」
「う…」
決して否定は出来ない。ハデスのことはほとんど何も知らないに等しいのだ。あえて詮索しない
ことを旨としているだけに、情報には飢えている。だからつい、鈍という名のこの妖艶な女の誘い
に乗ってしまった。
「ホント、逸人には勿体無いぐらい綺麗なお嬢さんねえ…妬けるわね~」
艶やかに彩った爪が弄ぶようにするりと頬を撫でる。心さえ縛られるような凄まじい恐怖を感じな
がらも、美徳は何とかここから逃れようと必死に足掻いていた。

470:蛇の罠 3
10/06/24 03:14:29 WnwJ1yf5
「あら、ダメ…おいたはいけないわ…」
子供をたしなめるような優しい声を出しながらも、鈍は掴んでいた美徳の両腕をようやく開放した
かと思うと今度は後ろ手に縛り上げた。そのあまりの早技に、すぐには何をされているのか分か
らなかったほどだ。
「や、やだっ!」
もう心底恐ろしくなって、身が竦んでしまう。だが、鈍は相変わらず穏やかに美徳を眺めている。
まるで鼠をいたぶる猫か獲物をなぶり殺す蛇だ。
「ごめんなさいね~威勢のいいお嬢さんの扱い方はよく分からないの…だからちょっと我慢して
てね。暴れると腕に痣がつくわよ…」
目を細めて笑う鈍の表情は、こんな時でも魂を抜かれるほど綺麗だった。もしも美徳が男であれば
全てのプライドをかなぐり捨ててその足元に膝まづくことだろう。
「ふふっ…」
一層細めた目が蛇のようにぎらりと光った。全身を舐めるように見られるのは嫌で仕方ないのに、
何故か視線に晒されているだけで身体が熱くなってくる。ハデス以外の誰かにまで、まさかこう
なってしまうとは思いたくもなかった。
なのに、否定しようとしても一度着火した身体の熱はどんどん燃え上がり始めている。
「あっ…」
疼きを察したように、白い手がゆっくりと身体を撫で回し始めた。その間にするすると服が脱がさ
れていく。とはいっても、後ろ手に縛られたままの体勢なので、シャツがはだけられてブラが引き
上げられるに留まった。
それでも直に乳房を撫でられて、恐怖と快感がない交ぜになった悲鳴に近い声を上げる。
「やだ、やめてっ…」
この女は一体何をいるつもりなのだろう。これからどうなってしまうのだろう。考えるだけで美徳
は軽率な行動をしてしまったことを悔いた。
こんな女の誘いなんかに、最初から乗るんじゃなかったと。
「まあ、とても綺麗な肌ね~、何を使っているのかしら…」
そんな美徳の気持ちにも構うことなく、鈍は面白いオモチャでも手に入れた子供のようにとても
嬉しそうだった。わざと力を入れて乳房を揉んだり握ったりして手に伝わる弾力を愉しんでから、
じっくりと唇や舌を這わせてくる。

471:蛇の罠 4
10/06/24 03:15:12 WnwJ1yf5
ハデスにされている時とは全く違う、最初から性感を鷲掴みにされるようなダイレクトな感覚に
肌が粟立った。
「やめてったらぁ…」
美徳の声はもう懇願になっていた。これ以上何かされたら本気でおかしくなりそうで、自制出来る
自信が持てない。なのに、鈍はますます楽しそうだ。
「ホントに綺麗な肌ね…逸人ったら、跡一つつけてないなんて随分律儀だこと…うふふ」
「うっ…」
鈍の口からハデスの名を聞きたくはなかった。耳を塞ぎたいのに、わざとなのか何かにつけて
その名前を出すこの女の残酷さに涙が滲んだ。
「あらあ~、そんなに気持ちがいいのねえ…じゃ、ここもかしら」
細く綺麗な手がジーンズ生地の上から一度するりと股間を撫で、ファスナーを開くなりショーツも
一緒に脱がしてきた。すっかり身体の力が抜けきっていた美徳には、もうどうすることも出来なか
った。こんなことは本当に嫌なのに、抵抗さえ封じられているのが悔しい。
「そんな顔、しないの」
あらわになった箇所に滑らせた指が、びっくりするほど優しい仕草で感じ入っている核をなぞる。
二本の指を擦り合わせるようにして核を挟み込んでは、時折刺激を与えるように摘まみ上げられ
て、その度に肌がざわりと波立った。
「ねえ、お嬢さん…ここ、逸人はどうやって可愛がってくれるの?教えて…」
「や…そんな…」
激しい快感に、息が上がっていく。とてつもなく気持ちがいい。けれどこれはまやかしの快感で
しかなかった。美徳が心から燃え上がれるのはハデスが与えてくれるもので、それ以外は一切
受け入れたくない。それが本心だ。
それでも、今は自分を守る為にひとまず鈍の手に落ちることを選択するしかなかった。この快感は
それほどまでに逃れ難く、心を切り離さなければ壊れてしまいそうだったのだ。
「あっ、あぁ…」
身体が震え出した。もう限界を迎える時が来ている。
「うふふふっ、こんなに濡らして…素直でいい子ね…さあ、いっちゃいなさいな」
内部を掻き回す指の動きが早まっていく。思うように操られて、ギリギリのところまで追い詰めら
れて、美徳にはもう何も残されてはいなかった。細い指がぐいっと奥までを深く抉り抜いたタイミ
ングで、身体中の意識が束になって天へと駆け上がっていく。
「ああああっ!」
室内を震わせるほどの絶叫を上げながら美徳は達してしまった。

472:蛇の罠 5
10/06/24 03:15:48 WnwJ1yf5
しばらくは身体を動かすのも億劫なほどだった。
「…ちょっと遊びすぎたかしらね~、ごめんなさいね…」
後ろ手に縛られていた手首はすぐに開放されたが薄く跡が残っていた。すぐに消えてしまう程度
のものでも数日は人目から隠しておかなければいけないのだろう。
鈍は簡易ベッドに横たわったままあまり反応のない美徳の髪を撫でてきた。
「逸人のことを教える約束だったわね…そうね、逸人はいつでもとても寂しそうだった…だから、
この間再会した時は別人だと思ったほどよ。それはお嬢さんのお陰かしら…」
「…それだけ?」
事後、初めて美徳は口を開いた。
「ええ、そう。今はね」
「…そう、それで充分よ。私その為にここに来たんだもの…」
それだけを言うと、美徳はずっと張り詰めきっていた意識を手放した。

「三途川先生ですか?実は才崎先生がこちらにおりまして、訳あって迎えを頼みたいと思うの
ですが逸人を呼んで貰えますか?はい、ありがとうございます…」
携帯を切ると、鈍は眠り込んでいる美徳の頬を撫でた。
「お嬢さん、今日は楽しかったわよ…あなたは後で逸人にたっぷりと慰めて貰えるんだから、
忘れてしまいなさいな」
その声はとても楽しそうだったさっきまでの調子とは全く異なっていて、軽い羨望の混じった苦い
ものだった。きっと鈍自身も意識していないものだったに違いない。






473:名無しさん@ピンキー
10/06/24 20:28:03 98WeyYlq
>>467
GJ過ぎるありがとう神…!!
投下の早さに感動した!
二人とも可愛いよー。
鈍ちゃんが悪女のままで終わらず切ないのがいい!

474:名無しさん@ピンキー
10/06/26 01:48:34 hSpkEyFE
GJ!百合もいいな


シンヤ分が足りないので誰か頼む

475:名無しさん@ピンキー
10/06/28 18:32:56 vkPktBKU
ハデス先生がすごく興奮すると黒髪になるのか……。

476:名無しさん@ピンキー
10/06/28 18:55:25 yKyV8vvK
いい設定が追加されたな。
それだけでも、今後色々書けそうな気がするよ。
とりあえずエロなしシンヤが出来たので投下。

477:ifで逢いましょう 一
10/06/28 18:56:57 yKyV8vvK
土曜日の午後九時半、真哉は賑わう繁華街にいた。
午後から封切りになった映画を観に行き、それから買い物がてらしばらくぶらぶらして食事をする
といういつものコースを辿っていて、もう少ししたら帰るつもりだった。
本当なら弟の刀哉を連れて来るつもりだったが、映画の内容が好みではなかったようで、今日は
ずっと一人で行動していた。だからなのか、あまり気分は盛り上がらないままだ。
「…そろそろ帰ろうかなあ」
コーヒーショップの席からぼんやりと行き交う人々を見るともなしに眺めていると、そこに良く知る
人の姿を見かけた気がした。人違いかと目を凝らしても見間違いなどではない。
「先、生…?」
真哉は反射的に立ち上がると、慌ててバッグを抱えてショップの外に出た。姿を見失ってしまって
は何もならない。人影に紛れそうになってはいるが、見慣れた後ろ姿は確かにハデスだ。そして
隣には女がいる。それもまた良く知っている人物に間違いない。
「どうしてこんなところに」
思わず呟いてしまう。
別に何かやましいことなどある訳でもない。ハデスも職務を離れれば普通の若い男なのだし、
プライベートで何をしようと自由ではある。ただ、その隣に美徳がいたのが意外だと思っただけ
のことだ。
学校では何かとハデスに突っかかっている美徳が、今は随分親しそうに話し、そして屈託なく
笑っている。その笑顔が観たこともないほど柔らかく穏やかなものだったことも手伝って、急に
嫉妬心が湧き上がってきた。
あんなに幸せそうに振舞うことなど、真哉には許されてはいないのだ。

最初はそのつもりもなかったのに、いつの間にか二人の後をつけていく形になっていた。
二人は真哉がつけていることなど全く知ることもなく、談笑しながら街の中を歩いていく。一体
どこまで行くのか分からなかったが、こうなったら意地だった。
やがて街の中心部を離れてきた頃、とあるアパートの前で立ち止まった二人は低い声で何か
しばらく話していた。美徳が引き止めているような素振りを見せている。どうやらハデスの方は
送って行ってすぐに帰るつもりだったらしい。だが、それもわずかの間のことだった。
声など聞こえて来なくても分かる。二人の間にある濃密な恋人同士の雰囲気は、些細な仕草
だけで全てを伝えているのだ。見つめ合う表情そのものが誰も立ち入らせない。
やがて二人はアパートの一室に入って行った。多分今夜はそこで過ごすのだろう。さすがにそれ
以上追求するのは憚られた。あまりにも分かり過ぎていることで、自分が惨めになるだけなのは
明らかだったからだ。
「…何してんだろう、私」
一人残された真哉は街灯の下で呟く。
今日は本当につまらない日だったけれど、最後の最後でとどめを刺された気がした。

478:ifで逢いましょう 二
10/06/28 18:57:39 yKyV8vvK
あの夜の二人の姿がいつまでも頭の中に残っていたせいか、月曜日になっても真哉の気分は
優れないままだ。そのせいか三時間目の体育の授業で柄にもなく派手に転んで膝を擦り剥いて
しまった。
「あ…」
傷は浅いものの、結構大きく擦っている。放っておいてもすぐに治りそうなものではあったが、
クラスの友人たちが余りにも痛そうだと騒ぐこともあって、仕方なく授業を中断して保健室へと
向かう羽目になった。
「跡が残ったら大変だから、すぐに行きなさいね」
怪我の状態を見て、美徳もあっさりと促した。
本当はこんな重い気分を抱えてハデスの顔を見たくはなかったのだが。

「珍しいね、鏑木さんがこんな怪我をするなんて」
ハデスはいつもと全く変わりがなかった。いつものようにとても優しく、いつものように適切に傷口
を消毒してから処置を施す。何もかもが変わらなさ過ぎて拍子抜けするほどだ。
あの夜美徳を見ていた愛しそうな表情ではなく、生徒の誰にでも見せるただの養護教諭としての
笑顔を向けられても、それはもう巧みに本音を隠す大人のずるさにしか思えなくなっていた。
「鏑木さん?」
椅子に座って処置を受けている真哉の反応が全くないせいか、ハデスは不思議そうな顔をして
いた。
「あ、私…ちょっとぼんやりしていて…」
「女の子なんだから、気をつけないとね」
「先生」
ずっと静かだった真哉は急に語調を強めた。
「今、好きな人がいるのですか?」
「何を…」
予期もしていなかったことを聞かれて、ハデスは面食らっているようだ。
本当なら、こんなつまらないことでこの優しい人を困らせたくはないのに、どうしてもあの夜の表情
がちらついてしまう。真哉などただの生徒の一人でしかないのだと思い知らされるのなら、いっそ
困らせてでも少しでも長く側にいたいと思ってしまう。
「聞きたくなっただけです」
「…うん、いるよ」
嘘がつけそうにないハデスがどんな言い訳をするのかと思いきや、さして迷うこともなくそんな
言葉を返してきた。そこに軽い驚きを感じた。

479:ifで逢いましょう 三
10/06/28 18:58:35 yKyV8vvK
ずるい大人ならば、たかだか生徒のそんな質問などには適当な嘘を与えておけば済むことと
高を括る。実際にそうした方が世間的にいえばずっとスマートだろう。
なのにハデスは嘘すらも言わなかった。それほどに美徳の存在が心の中で大きくなっている
のだろうか。
「…どんな人なのですか?」
「とても可愛い人だよ。脆くてすぐに傷だらけになっても、決して挫けない強さもある」
それは間違いなく美徳のことだ。何にでもすぐに欲情する男子たちは美徳の顔に、胸の大きさ
やスタイルに、いつもいやらしい妄想絡みの話をしている。だが、もちろんその程度のくだらない
女性ではないことなど同じ女だから分かる。
だからこそ悔しく、また焦りにも似た気持ちがあった。
別に真哉には何の約束があった訳でもない。ただ十年経って大人になった頃にまだハデスが
一人でいるのであれば、遠慮なく近付けると思っただけのことだ。当然気持ちは変わらずにいる
つもりだったし、きっと願いは叶うだろうと根拠もなく信じていた。
なのに、こんなに早く覆されるなんて思ってもみなかった。
最初から真哉の一人相撲だったのは分かっている。分かっているからこそ余計に悔しいのだ。
「そうですか…そんなにその人を」
膝に巻かれた包帯の下で、擦り傷がじくじくと痛む気がした。こんな子供にまで嘘も言えない
ほど好きなのであればもう第三者がどうこう言える筈もない。

授業が終わって家に帰って来てからも、気分は最悪なままだ。
あれほどはっきりと好きな人がいると言われるとは思ってもいなかったのもある。もしかしたら、
それは変に期待を持たせてせっかくの時間を無駄にさせないようにというハデスなりの配慮だった
のかも知れないが、もうどうでも良いことだ。
真哉に出来るのはこれから十年、思い続けることだけ。
こんなことを考えるのはいけないのだろうが、あの二人が今後上手くいくかどうかは当人同士でも
分からないことだ。十年の間に真哉が目論んだ通りになっている可能性だってある。わずかでも
可能性があるのであれば、決して諦めることなど出来ない。
身体の中に、ハデスがしてくれたことが刻み込まれている。それがある限りは望みを繋げることは
出来るのだ。
「絶対、待つんだから…」
男勝りでさっぱりした気性だとよく人には言われる真哉だが、やはり根は女だった。望むものが
あればどんなことをしてでも手に入れようとする。その為の情熱や時間は惜しまない。
それで万に一つでも願いが叶うのであれば安いものだと思っていた。

480:ifで逢いましょう 四
10/06/28 18:59:12 yKyV8vvK
時は緩やかに過ぎていく。
真哉もまた、何事もなかったように昼休みには保健室に行く。何もかもがいつもと変わらないと
ハデスは思っているのだろう、相変わらずの笑顔を見せている。
変わらない筈がないじゃないですか。
素知らぬ顔でお茶を受け取りながら、真哉は胸の内で呟いた。
変わらないものなどこの世に何一つないし、もしかしたら考えもしなかった事態が今すぐに起こる
ことだってあるだろう。
そして。
いつものように開く保健室のドアが、ある日わずかだけ違う世界に繋がっていることだって有り
得るのだ。その世界の保健室にいるハデスなら無条件で真哉を受け入れてくれるかも知れない
と妄想するだけで、毎日の希望が持てる。
先生、私を愛してくれるあなたにいつか逢いに行きますね。
その日は遠い未来かも知れない。明日か、明後日なのかも知れないけれど。






481:名無しさん@ピンキー
10/06/29 01:12:21 gj+B6rcI
おおおおおGJ
切ないw

482:名無しさん@ピンキー
10/06/30 03:11:13 S8NyulKl
日本代表ベスト8ならず。
試合見ながらこんなの書いてた。

483:その気になりたい 1
10/06/30 03:12:09 S8NyulKl
「あなたという人はあああーーーっ!!!」
五時間目が始まって十分ほどした頃、突如として保健室の方から絶叫が聞こえてきた。
「お、今日は随分派手だな」
校長室で食後のお茶を嗜んでいた三途川がしみじみと呟く。多分時間的にいって生徒も教師も
誰一人聞いてはいないだろうが、一体何があったのかそのうちハデスにからかいがてら尋ねて
みようとほくそ笑んだ。

保健室で髪を逆立てているのはもちろん美徳だった。
今日は五時間目に担当するクラスもないことだしとハデスの顔を見がてら保健室にやって来た
ものの、そこであるものを見つけてしまったからこその逆上だ。
「こ、こ、こ…こんなものが何でここにあるんですか?」
震える手が握り締めているのはエロ本だった。恐らく昼休みに入り浸っている生徒たちの誰か
が悪ふざけで持ち込んだのだろう。
「…いや、それは僕にも分かりませんが、とにかく落ち着きましょう」
保健室に来てすぐにこんな感じで劣化の如く怒り狂っている美徳に、ハデスも及び腰になって
必死で宥めている。
「た…たとえ生徒が持って来たものだとしても、それを指摘するのも教師の役割でしょう。しかも、
こ…こんなものを…」
エロ本は言わずもがなの巨乳女教師ものだ。以前ならその類のものは見る度にいちいち勘に
触って仕方なかったものの、さすがに今はまあ隠れて見るぐらいなら、と寛容な気持ちになって
いる。
ただし生徒限定でだ。
こんな下品なものをハデスが目にしたかも知れないと思うと、どうしようもなく怒りが湧いてきて
止まらない。
「とにかく、こんなものがここにあることが嫌なんです」
「分かりました、分かりましたから…落ち着きましょう。お茶を淹れますから」
やや腰が引けていながらも、ハデスは何とか美徳をソファーに座らせてお茶を淹れに行った。
まだ怒りは収まらないものの、一人でぷんぷん怒っているのも何だか滑稽に思えてきて少し
だけ落ち着きを取り戻してくる。
手持ち無沙汰なせいもあってまだ手にしていたエロ本をぱらりと開いてみると、目も眩みそうな
刺激的な写真がずらりと並んでいて、思わず呆気に取られてしまった。

484:その気になりたい 2
10/06/30 03:12:51 S8NyulKl
以前なら目の毒過ぎて絶対に見られなかった、そんなあまりにもエロティックな場面の写真の
迫力にすっかり怒りも忘れて見入ってしまう。
若く美しく巨乳の女教師が場所も時間も憚らず生徒たちや同僚教師との情事に耽って歓喜して
いる。男子生徒たちはいつもこんなものを眺めて発散出来ない欲求の憂さを晴らしているのだと
思うと、少しだけ気の毒に思えてしまう。
それは少しだけ美徳が大人として成長したということだろうか。
しかし、それよりも困ったことが起こってしまった。

「はい、どうぞ」
熱い湯呑みを置いたハデスは、すぐに異変に気付いたのか奇妙なものでも見るように美徳の
顔を覗き込んだ。
「何か、あったんですか?」
「…ええ、まあ…」
美徳は頬が熱くて堪らず、俯くしかなかった。エロ本を見ただけで身体の奥が疼き始めている
なんて、自分でも信じられないほどだ。男たちに貫かれながらも悦びに打ち震えている女教師
の姿に一瞬にして共感してしまったのだ。こればかりは理屈でも何でもなく、女の本能ともいう
ものだろう。
あんなに放埓に、好き放題に快感に浸れたらどんなに素晴らしいことか。
そう思っただけでも、身体の奥を叩き続ける熱が止められなくなってしまった。
「…ハデス先生…いいえ逸人さん」
「何でしょうか」
急に呼び方が変わったことで、ハデスは更に何かあったのかと首を傾げている。そんな様子に
構うことなく、美徳は立ち上がって側に駆け寄った。
「…あの、美徳さん…?」
「したくなりました」
「えぇ?ちょっと待っ…」
とんでもない展開に驚いているハデスを壁際まで追い詰めると、美徳はぴったりと身体を寄せて
抱き着いた。教師の癖に授業時間中にこんなことをしようとしているなんて、以前の自分なら考え
もしなかったに違いない。
「あ、あの、いいから落ち着きましょう。ね?」
ハデスはしどろもどろになりながらも何とか宥めようとしているが、熱情に突き動かされている今
の美徳には全く効果がなかった。

485:その気になりたい 3
10/06/30 03:13:25 S8NyulKl
「逸人さん、私をこんなに変えてしまったのはあなたです。あなただけに、こんなにいやらしい女
になってしまったのです。だから…付き合って下さいね」
「え、いや。せめて夜まで待って貰えれば」
「嫌です」
至近距離でガン見している美徳の目は完全に据わっている。どのみち授業時間中に生徒や他の
教師がここに立ち入ることは滅多にないし、あるとすれば各種学校行事が絡む時ぐらいのものだ。
それを見越しているからこそ、ここまで大胆になれる。
「もう身体が熱くて堪らないんです、六時間目が始まるまでに鎮めて頂かなければ…私、仕事に
なりそうもありませんわ。ね、お願い…」
追い詰めながらも更にじりじりと身体を密着させてくる美徳の気迫に、ハデスは戸惑いつつもまだ
宥めようと無駄なあがきを見せる。
「学校の中ではさすがにまずいですから…」
「生徒たちや職員の怪我、病気、体調不良に対処するのは養護教諭の仕事ですよね?だったら
今の私を何とかして下さるのも仕事の一つなのですよ」
もう逃げ場のないハデスの股間を、熱を帯びた手がすりすりと擦る。さすがにそこを刺激されたら
どんな男でも適わない。ましてその気バリバリに漲っている見るからに肉食女子な美徳に対して、
普段から三大欲求ことごとく希薄な草食男子ハデスでは絶対に勝ち目はない。
「あ…それはちょっと…」
声を荒げることなど、そして突き放すことなど出来ないハデスは、心底困り果てたように美徳を
見ている。万が一、気が変わってくれることを期待しているようだ。
絶対に相手が逃げないと知った上で物凄くいい顔でにっこりと笑いながら、ファスナーを下げて
勃ち上がりかけているものを取り出している美徳の姿は肉食獣のメスそのものだった。
「癒して、頂けますね?」
愛撫を覚えきった手が丁寧に形をなぞりながら指を這わせる。既にぬめりを滲ませている先端を
撫でながら、全体に塗り広げていく。それを潤滑材にして扱き始めた。
「う、ん、んっ…」
直接握られて愛撫されるのはさすがに感じ入るのだろう。ハデスが懸命に声を堪えている。その
顔をうっとりと眺めながらも、美徳の手の動きが少しずつ早くなっていく。身体を密着させて囁く
声が一層熱っぽくなった。
「嬉しい…私にもっと感じて下さい、もっとです…」
少し上擦った声は本当に嬉しそうな響きを持っていた。

486:その気になりたい 4
10/06/30 03:14:00 S8NyulKl
やがて充分な硬度を直に感じたのか、声が更に上擦る。
「…もう、欲しい…」
一度背伸びをしてキスをした後、長身の身体をゆっくりと床に倒させてからジャージとショーツを
足から抜いた。ハデスはもう覚悟を決めたのか黙ってされるがままになっている。
「逸人さん、軽蔑しないで下さいね。私、こんなに狂おしくなれるのはあなただけなんです…」
ふうっと息を吐いて馬乗りの体勢になる。片手で勃起しているものを握りながら、もう片方の手で
それを受け入れる膣を探った。
「んっ…」
ただ触っただけなのに、自分の指に感じてしまう。
何もされていないのにもう内部はすっかり濡れそぼって柔らかく蕩けていて、膝まで愛液が垂れ
落ちてきていた。これならこのまま挿入しても大丈夫かも知れないと口元が緩む。ここまで快楽
に従順な身体になってしまっていることはきっと喜ぶべきことなのだろう。こんな戯れなど、たった
一人とだけしか行わないのだから。
「あぁ…逸人さん…」
濡れたものが擦れ合う音がする。そこに押し当てた硬い一物の先端に、襞が歓喜してきゅっと
吸いついているのが分かった。
「もう…ダメ…」
身体を支えている膝に力が入らなくなってきている。快感に後押しをされて、美徳は緩やかに
腰を沈めていった。もちろんすぐに欲しい。すぐに激しい快感をもっと知りたい。けれど今のこの
じれったい感覚も味わっていたかったのだ。少しずつ内部を擦り上げていくものの硬い感触に、
逸る膣壁が絡みつく。
形さえ分かるほどにぴったりと纏わりついて離さない熱い内部の蠢きが、お互いをますます追い
上げていく。
「あ、あぁ…すごい」
根元まですっかり呑み込んでしまっても、まだ足りないと言わんばかりに盛んに腰を捩る美徳の
表情はとても幸せそうだった。夢でも見ているように閉じた瞼が、わななく唇が、染め上がる肌が、
どれだけこの交わりで深く感じているかを伝えている。
「は…うっ」
最初はゆったりと腰が動き始める。掻き回すように緩くグラインドした後で不意を突くように激しく
揺れながら、翻弄してでもいるように不規則な動きを繰り返していった。決して意図している訳
ではないのだろう。ただ、より快感を得る為の本能がそう動かしているのだ。

487:その気になりたい 5
10/06/30 03:14:40 S8NyulKl
「あんっ…すごいぃ…」
漏らす声が甘く濡れている。もう何も考えられなくなりそうだった。少しでもこの快感を長引かせる
為に先端が内部で擦れる位置を変えながら、激しく腰を振りたてる。緊張で張り詰めきった背中が、
動きを変える度に大きく震えた。
「もっと、もっと欲しいっ…」
男の上で跳ねながら、美徳は声をも震わせて深い歓喜に浸っていた。
「もっと、おっ…」
奥の奥、子宮口までを何度も突きながら声を絞り上げる美徳の嬌態に、ずっと押し黙ったまま
だったハデスが慌てて身体を引き離そうとする。
「…いけません、中で出したら…」
その突然の動きがまたとない刺激になった。膣内が恐ろしいほどの力でぎりっと締め上がって
美徳は絶頂を迎えてしまった。
「あ…!」
「ちょっ…ダメです…」
膣壁に絞られて、抵抗も空しくハデスは中に放ってしまったようだ。
時と場所を憚って、大きな声が上がらないように咄嗟に両手で口を押さえた美徳は、それでも
達した後の倦怠感を伴う感覚にしばらく放心していた。その間に少しずつ甘く蕩けていた表情が
変わっていく。
「…逸人さん、ごめんなさい…私、何てことを」
快感から開放されて、美徳はようやく正気に戻った。一人で勝手に欲情した挙句、最初から最後
まで強引にしてしまった。こんな乱暴な女は嫌われるに決まっている。そう思うと悲しくなってきて
まともにハデスの顔が見られなくなった。
「美徳さん」
「ごめんなさいね…」
どうすることも出来ないでいると、宥めるように頬を撫でられた。
「びっくりしましたけど、気にすることはありません。こうしたかったのは本当のことでしょう?」
「ええ、そうです…すぐに、したくなって…」
「ならばその通りにしていいんです。僕はいつでも受け入れますから」
まだ繋がったままハデスは身体を起こした。すぐ近くに顔が見えて、収まった筈の鼓動がまた
激しくなる。

488:その気になりたい 6
10/06/30 03:15:17 S8NyulKl
「そんな…今日のことは私が勝手に」
そこまで優しい言葉をかけられて、もうどう答えていいのか分からない。もごもごと口の中で言い
たいことを咀嚼しているうちに、また頬を撫でられる。
「僕の前では、あなたは幾らでもやりたいようになさって下さい。ただし、ここ以外のところでね」
「逸人さん…」
本当に、この人はどこまで甘やかしてくれるのだろう。もう何も見えなくなりそうに嬉しくて、美徳
は思わず抱き着いてしまった。
「で、あの…」
そんな耳元に、幾分困ったような声が届く。
「はい」
「そろそろ五時間目が終わりますので、抜いて欲しいのですが」
「あ」
こともあろうに、まだ繋がっていたことをすっかり忘れていた。それを思い出すとまた感じてしまい
そうで、出来るだけ中のものに刺激を与えずに抜き出すことに一苦労をしてしまった。
あまりにも気持ちが良かったせいでつい中に出させてしまったけれど、それは後でアフターピルを
飲めば何とかなることだ。
そうこうしているうちに、めくるめくような五時間目が終わる。

それから後、保健室に生徒たちがエロ本を持ち込むのを禁止されたのは言うまでもない。






489:名無しさん@ピンキー
10/06/30 07:22:27 oIUm8JYK
>>488
GJ!みのりちゃんがエロいっていいね!
ここの職人さんはマジで巧い

490:名無しさん@ピンキー
10/06/30 08:21:04 oIUm8JYK
>>480
うわスマン最新投下しかみてなかった、GJだ!
真哉の芯のつよさがかえって切ない
10年待つって決意できる彼女に惚れた

491:名無しさん@ピンキー
10/07/02 22:57:48 /itc7U3J
GJ!
なにこの投下ラッシュ
みのりちゃんがだんだんエロくなってるよ
いいぞもっとやれ

492:名無しさん@ピンキー
10/07/03 21:04:55 oP7cLqiA
GJ!みのりちゃん確実にツンからデレに移行してるwww

493:名無しさん@ピンキー
10/07/04 21:17:12 KZJysgxE
「ああいうのに限って気を許した相手にはスゲー可愛くなっちゃったりするモンだぜ」
美作談

てなことでデレ進行中なみのりちゃんなのであった

494:汝のこゑ 1
10/07/06 02:55:15 YwF1sJMf
日曜の夜、賑わう街の中で美徳は前後不覚の状態に陥りそうになっていた。
「…こんなところで…」
「いけませんか?」
「いえ…ただ、せめて私の部屋でなら」
激情に流されそうで、吐息のような声が漏れる。
二人が声を潜めているのはほんの少し路地の奥に入っただけの場所だ。すぐ側の大通りを何も
知らない人々が行き交っているというのに、いつ誰が入り込んで来るか分からないのに、こんな
ところで行為に移るのはどうしても憚られる。
なのに、いつもは無理なことなど決して言わないハデスが何故か今夜ばかりは妙に強引で、
戸惑っているのだ。
「ここではちょっと…」
「待てないんです」
ワンピースの裾はたくし上げられて、既にショーツの中に手が潜り込んでいる。思う存分指先で
感じる部分を掻き回されて、今にも意識が飛んでしまいそうだった。膣内から指を伝って溢れて
いる愛液が膝から踝までを濡らしていて、膝に力が入らなくなってきている。
壁に押し付けられたまま欲望を引き出されて、美徳はもうどうしていいのか分からなかった。
「気持ちがいいんですね?」
唇も舌も痺れてろくに動かなくなるほど長いキスの後、耳に流し込まれる低い囁きが心まで一気
に麻痺させてしまう。
「はい…」
焦点の合わなくなっている目の前に、愛液で濡れた指先が突き出される。
「こんなにして、本当に可愛い人ですね」
「あ…逸人さん…」
身体の奥がずっと熱く疼いている。膝どころか身体の力も抜けてしまいそうで震える美徳の片足
が突然担ぎ上げられた。
「…あぁ、ダメっ…」
わずかにずらされたショーツの脇から強引に突き入れられ、声を失うほどの快感に襲われながら
も必死で縋りつく。まさかこんな賑やかなところで本当に事に及ぶとは考えてもいなかったので、
身体の反応に頭がついていかない。
それでも、一度感じた快感は抱かれることで際限なく膨れ上がっていく。


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