保健室の死神でエロパロ 入室者1人目at EROPARO
保健室の死神でエロパロ 入室者1人目 - 暇つぶし2ch307:名無しさん@ピンキー
10/06/06 23:06:26 DRM5TEJo
「今まで、女の子として見てくれる人そんなにいなかったから…嬉しいかった
って言うか、ほっとしたな…うん」
真哉は続けた。妄想での勢いはどこへ行ったのか、アシタバは赤面して股間を
抑えている。
「あ~…けどまぁ、もうちょっと力の加減とかね。や、やっぱり、男の子に優
しくして欲しいとか、そういうのあるから…」
「…」
「あとさ…マヤって言う呼び方なんだけど…シンヤよりマヤ?」
「そっちのほうが、可愛いから…」
可愛い-そう言われるとやはり胸が高鳴る。そして素直に嬉しかった。
「じゃあ二人の時だけ、ね?郁くん」
不意打ちを狙ってアシタバにキスをしてやる。夢の中での乱暴で血の味がした
ものよりをずっと稚拙なものだったが、どこまでも甘い。
「じゃ!じゃ、じゃあ、帰ろっか!!」
もっとゆっくりだが、自分は女の子らしくなれるかも知れない。そして、それ
は甘く楽しい時間になるだろう。
小柄で力もなくて、でも誰よりも優しい男と手を繋ぎ、真哉はひそかに胸を膨
らませた。



(い、今の子はやっぱり進んでる…!!)
手を繋ぐ二人を見かけた体育教師が、妙な焦燥感を感じたのはまた別の話。

308:名無しさん@ピンキー
10/06/06 23:07:47 DRM5TEJo
>>299GJ!!

なんで初志を遂げられないのか…
今度こそは小動物交尾を

309:名無しさん@ピンキー
10/06/06 23:14:40 VmtBSwLh
GJ!!にやにやがとまらん
小動物も期待

310:名無しさん@ピンキー
10/06/07 01:20:44 OYx2cT2x
まさかの強引アシタバ、しかもかっこええ・・・GJでした!

311:名無しさん@ピンキー
10/06/07 03:35:24 PnC43ChD
GJ!
小動物可愛いだろうなあ、今から期待。

そしてこんな時間に投下。
一回エロ書いたらなんか平気になったけど、続けざまはどうかとも思うので
また続く。

312:約束 1
10/06/07 03:36:24 PnC43ChD
昼休み、校内を巡回していた美徳は体育館の脇を通り過ぎようとした時に、入口側で何人もの
男子生徒が集まって騒いでいるのを見つけた。
休み時間にはよくあることだし他愛もないものだと見過ごそうとしたのだが、中心にいる生徒が
持っている本は持ち込み禁止にしている類のものだと気付く。
『巨乳女教師調教』と下品で派手なロゴが踊っている、所謂エロ本だ。
「あなたち、そこで何をしているんです!」
さすがに見過ごしておくことは出来ず、声を上げて近付いていく。
「あ、みのりちゃん…」
生徒たちは美徳を見た途端、バツの悪そうな顔をして急に元気をなくしてしまった。まだ数に勢い
づいて食ってかからないだけ可愛いものだと思う。その辺はやはり中学生だ。
「こういう本は学校に持って来ないこと、と校則にはありますね。これは没収します!」
言うなり、本を取り上げてしまう。
「今度からは気をつけること、いいですね」
「…はい」
本を丸めて小脇に抱え、遠ざかりかける美徳の耳に小声で呟き合う生徒たちの声が微かに聞こえ
たが、反応はしないことにした。そういうことに興味の出る年頃だ、いちいち気にしていたらキリが
ない。
「相変わらずお固いなあ、みのりちゃん」
「あれで案外まだバージンだったりしたらヤベーよな」
「有り得たりして」
全くもう、と途中で立ち止まって深呼吸をする。気にしないようにしているものの、やはり自分が
そういう目で見られていることには我慢ならない。体育館の角を曲がったところで生徒たちに見え
なくなってから、どんな本かと表紙を改めて見てみると、嘘のように巨乳の若い女性が全裸に近い
姿で挑発的なポーズを取っている。
「うわ…」
さすがに中まで見る勇気はなかった。


313:約束 2
10/06/07 03:37:09 PnC43ChD
あの生徒たちにとって、自分はこの扇情的な女性と同じように見えているのかと屈辱的な気分に
なる。学生の頃からそういう目で見られてきただけに、いい加減慣れたつもりになっていたがそう
ではかなったようだ。むしろ不快感と男性不信が増すばかり。
美徳はこれでもかと存在を誇示している大きな胸を見下ろして、溜息をついた。好きでこんな風に
生まれた訳ではない。こんな大きなものはただ邪魔なだけだ。
せめて普通のサイズならこれほど嫌な思いをしなくて済んだのにと思うと、つい両親に恨み言の
一つも言いたくなるが、それはもちろんお門違いなのも分かっている。
「あーあ…」
雲のない青空を見上げているうちに、何となく空しい気分になってまた溜息をつく。せめてもっと
普通ならと望んでももう仕方がない。とはいえこれからもずっとあの視線に晒されることに開き直れ
もしない。美徳の気分は八方塞がりになっていた。
「…あの人なら、どうなのかな」
何の意味もなくハデスの顔を思い浮かべてしまう。全てのことにおいて深い欲求のなさそうなあの
男なら、こんな気分にはならないのだろうかと。男なんてみんな同じと決め付けてしまえば簡単な
ことだが、それでは美徳自身が惨めなままだ。
せめて一人ぐらいは何も思わずにいて欲しかった。それがハデスだったらと想像するのは、美徳の
希望でしかないが。

「えっ…?」
その日、ようやく周囲に人がいないのを何度も確認して話しかけた美徳に、ハデスは心底驚いた
ように目を見張った。
「ですから、もしお時間があればと…」
これまで何度も二人きりで話しがしたくて食事や映画にハデスを誘ってはみたものの、何故か
事が上手く運ばない。その度に嫌われているのではないか、あまりしつこくしても逆効果ではと
迷い続けた。
迷った上で、何度目かの清水の舞台である。


314:約束 3
10/06/07 03:38:00 PnC43ChD
「…嬉しいです、才崎先生にはきちんと謝らなければと思っていましたから」
「そんなこと…」
「正直、嫌われていると思っていましたので」
「それは仰らないで。何か不愉快な思いをさせたことがあるとすれば、私が悪いのです。謝る
べきは私です」
ここまで上手くいかないのは、きっとこの変に頑固で頑なな性格によるものなのだろう。ある程度
は自覚しているからこそ、素直に吐き出してしまえた。
「…そうですか、嫌われていないのであれば幸いです」
ハデスの表情は、相変わらず怖いが随分柔らかく見える。
「私には、教師として足りないものがあり過ぎるのです。ですからハデス先生の教育方針には
興味がありまして…是非ともまたお伺いしたいのです」
「ええ、それはもちろん。才崎先生の為になることがあるかは分かりませんが」
「では今夜…よろしいですね」

金曜日の夜ということもあり、待ち合わせの時間は少し遅めの午後八時にした。
その時間が来るまで美徳はどれだけ必死で服を選び、化粧に気を遣い、身だしなみを整えたか
分からない。これまでの重なり続けた失敗がより慎重にさせているのだ。これでまた上手くいか
なかったとしたら、次はもうない気がした。
三十分早く待ち合わせの場所に着いた美徳は、行き交う人の波や他の待ち合わせをしている人
たちをただ眺めていた。誰かを待っているのはそう悪い気分ではない。自分にも、これから連れ
立って一緒に歩く人がいる。そう考えるだけで心が躍った。
「待ち合わせですか?」
時々、一人で立っている女にナンパ目的なのかそんな声をかける輩もいる。美徳にもそんな男が
近付いてきた。
「お気遣いなく、もうじき来る筈ですので」
だが、男はにやにやしながらも立ち去らない。待ち人来たらずだったりしたら、すかさず腕を取って
どこかへ連れて行く気なのだろう。

315:約束 4
10/06/07 03:38:31 PnC43ChD
「あの、迷惑です」
以前よりも少し着飾っているせいもあって、強引に振り払うことが出来ない。それをいいことに、
男は馴れ馴れしく腕を引いた。
「離して!」
「どうかしましたか?」
堪らずに叫んだ瞬間、背後から聞き慣れた声がした。
「あっ…」
美徳の腕を引いていた男が、ハデスの姿に言葉を失った。慣れていなければ昼間でも怖いと
思う顔が、夜目では更に怖くなる。男は威勢をそがれて慌ててどこかへ逃げてしまった。状況が
良く分かっていないハデスは、男が逃げた方向をずっと見ている。
「僕は、何かしましたか?」
「…いいえ、助かりました」
危機を脱して思わず胸を撫で下ろしている美徳を、改めて眺めたらしいハデスはなぜか急に無言
になった。
「どうかしました?」
「いえ、何だかいつもの才崎先生とは違うように見えまして」
「そんな、いつもと変わりませんわ」
「いつも以上にお綺麗ですよ」
「えっ…」
まさかハデスがそんな気の利いた台詞を言うとは思ってもいなかった。確かに今夜はお洒落も
化粧も随分気を遣ったし、綺麗だと思われたいとは望んでいた。だけどこんな言葉をかけられる
ことは全くの予想外で、思わず頬が染まる。
それは夜の雰囲気が言わせているのだろうかと思うほどだ。
「嫌だ、そんな…」
はにかむ美徳に、ハデスは手を差し出す。
「さあ、行きましょう」
「…はい」
今夜は絶対に失敗なんかしない。ハデスの隣に寄り添いながら、美徳は星のない夜空を一瞬
振り仰いだ。




続く

316:名無しさん@ピンキー
10/06/07 03:41:38 PnC43ChD
前にも書いたように、ハデスは過去に例を見ないほどエロ書くのが難しいキャラ
なんだ。でも、意外に慣れたら何とかなるかもだ。

317:名無しさん@ピンキー
10/06/07 04:29:53 XDVECl4m
ハデみのキタ!GJ

318:名無しさん@ピンキー
10/06/07 05:49:43 zoF20TRA
乙です。ハデみの待ってましたです

319:名無しさん@ピンキー
10/06/07 13:40:53 Z9icSEGJ
きちんと鈍好きなんだね

320:名無しさん@ピンキー
10/06/07 18:55:42 mmG076xw
ハデみのwktk

経一→鈍が確定したな
こいつら同居してんだっけ?

321:名無しさん@ピンキー
10/06/07 19:58:48 Z9icSEGJ
多分?

朝っぱらから裸でうろついてたの注意してたし、ユグドラシルに住んでんじゃないかな

322:名無しさん@ピンキー
10/06/07 22:08:51 S22zaVOF
>>316
みのりちゃんきたか。乙

323:名無しさん@ピンキー
10/06/07 23:26:16 u7Th4nKd
全裸でハデみの続き期待

324:名無しさん@ピンキー
10/06/07 23:35:36 RYOVFnLD
続き楽しみに待ってます!!

325:名無しさん@ピンキー
10/06/08 04:30:19 WWGSNzpF
書いた、眠い。

326:約束 5
10/06/08 04:32:03 WWGSNzpF
決して粗相などないようにと気を張っていたせいで、入ったレストランでも料理の味などほとんど
感じられなかった。食前酒も軽く口をつけただけだった。これまでのように慌てたり怒ったりする
みっともない姿を見せたくなくて、美徳は慎重に話題を選び、話を進めていく。
ハデスは料理も酒もほとんど手をつけないまま、美徳の言葉にただ穏やかに頷いて的確な返事
を返すばかりだ。
もしかしてハデスの方も気を遣っているのだろうかと考えると、妙に心苦しい。こうして一緒に同じ
時を過ごしているだけで楽しいと思えるだけに、もしもそんな気遣いがあるのなら一切忘れて欲し
かった。
緊張で喉が渇く。
会話が途切れてしまうのが怖くて、グラスワインを一杯頼んだ。
「ごめんなさい、いつもの癖で」
「いいえ…才崎先生はそうして普段通りにしている方がいいですよ」
ハデスは優しく微笑む。それが他人には寝付けなくなるほどの恐ろしい笑みでも、美徳にとって
は癒しの微笑となった。
本当に、どうしてこれほどまでにこの人に魅かれるのかと不思議なほどだった。ほとんどの生徒
たちにはオバケ先生だと、死神だと怖がられるほど怖い顔をしているのに、人当たりは驚くほど
優しく異常なほどに周囲を気遣う。その為に数多の奇行もあるが、数は少ないもののハデスを
慕って保健室に入り浸る生徒がいるぐらいだ。
美徳も最初は怖い人だと思うあまり意識的に避けていたように思う。
それが、一度助けられた時に優しさや不思議な力を持つことなど色々な面があることを知るよう
になってから、否が応でも気にかかるようになった。気になるからこそ目に留まれば突っかかった
し、数々の無体なこともしてしまった。
私はきっと、この人が好きなのだろう。
恋など今まで淡い片思いしか経験がないだけに、今まで何も分からないまま失敗ばかりを繰り
返していたのだと二杯目のグラスワインが空になる頃にようやく思い至った。

327:約束 6
10/06/08 04:33:44 WWGSNzpF
夜空はやはり地上の煌きのせいか星が見えない。
けれど美徳の心には星よりも小さく眩い煌きがあった。
レストランを出るとワインで火照っていた頬に微かな風が当たって心地が良くて、つい微笑みが
漏れた。
「…ふふっ」
「才崎先生?」
ハデスが不思議そうに見る。
「いえ、何でもありません」
言葉だけで誤魔化しながらも、美徳は楽しそうに行き過ぎる恋人たちを眺めてはますます気分が
高揚していく。こんなにたくさんの恋人たちの中に紛れている自分たちも、他の人には同じように
見えているのかと思うと恥ずかしくも嬉しい。
「今度は、どこに行きましょうか」
時刻はまだ深夜にも差しかかってはいない。もっと話がしたかった。
「どこでもよろしいですよ。僕はどこにでもお付き合いしますから」
「じゃあ…側にいて下さい」
ほんのりと酔っているせいで、口が勝手に本音を乗せる。
「えっ…」
その言葉に、あくまでも柔和に従順に、今夜の美徳のペースに合わせていたハデスが絶句して
いるのが伝わってきた。
「すみません、仰っていることが良く…」
その対応は、聞こえなかった振りをしてなかったことにしようとしているように思えた。それだけ
で、これまで少し浮かれていた楽しい気分があっさりと消え去っていく。
「私の側に、いて欲しいんです…分かって頂けますよね?」
「それは…」
必死で言葉を繋ごうとする美徳の努力をあえて無にしようとでもいうように、ハデスの態度は妙に
曖昧なままだ。ここで腹をたてたら、またいつものようにダメになってしまう。何とかここで全てを
終わらせないように、その一心で美徳は遂に核心の言葉を口にした。

328:約束 7
10/06/08 04:34:46 WWGSNzpF
「ハデス先生、私、ずっとあなたのことが気になっていたんです…でも素直になれなくて、思った
ことが言えなくて…自分でもどうしていいのか分からなくて…」
「僕を?」
突然の告白に、ハデスは本当に驚いているようだった。
「そうです、何故そうなったのか私にも…ただ、今の本当の気持ちを言うのであれば、あなたの
ことがとても好きなんです」
「そんな…」
清水の舞台どころか、ナイアガラの滝から落下するほどの勇気で告白したというのに、ハデスは
ますます浮かない表情になっていく。
「いけません、才崎先生。あなたにはもっと相応しい人がいます。僕なんかを相手にしては…」
「お分かりになって頂けないのですか?私は、誰にどう言われようとも、あなたのことが誰よりも
…」
急に道の真ん中で立ち止まり、言い争いを始めた二人に構うこともなく他の恋人たちはそれぞれ
の思いを抱えて通り過ぎていく。人並みの中洲の中で、どうしてもここから先には進めないのか
とひどく悲しくなって涙が溢れた。
「私は、どんな人よりもハデス先生の方がいいんです…ただそれだけです」
美徳には分からないことではあったが、美女の涙というものは男にとって絶大な武器になるもの
のようだった。現に、涙に暮れる美徳の姿に目を奪われたらしい男がちらちらと盗み見ている。
もちろん、それはハデスも同様らしい。
「…泣かないで下さい、才崎先生にそんな顔をされると僕は…」
ためらうようにぎこちない指先で涙を拭われた。はっとして見上げると顔が近付いてくる。
「ハデス先生…」
さっきとは別の意味の抑えきれない涙が零れ落ちた。痛いほどに噛み合わされた唇の温みと
感触だけで、怒りも悲しみも全てを忘れることが出来た。これを人は幸せというのだろう。
唇が離れてから、道の真ん中でこんな振る舞いをしていたことに今更気がついたのか、ハデス
はやたらと神妙な顔になった。美徳はもう、まともに目を合わせられなくなっている。


329:約束 8
10/06/08 04:35:26 WWGSNzpF
「こんなところで、すみません」
「…いいえ」
恥ずかしさで目を逸らす美徳の耳に、信じられない言葉が飛び込んできた。
「場所を変えましょう、いいですね」
「ええ、もちろん…」
紆余曲折はあれ、男と女がここまで来たなら行き着く先はもうひとつしかない。ハデスにもやはり
普通の男の部分はあったのだと嬉しく感じながら、美徳は恋の炎に髪の先を焦がすほどの思い
を抱えて促されるままに歩を進めていった。

いつもは冷たい指や爪先が、今夜はひどく火照っている。
ほとんど水のように冷たいシャワーを浴びながら、美徳の心だけが少しも冷えることなく燃え上
がっている。ここから出たら間違いなく何度も想像していた場面が実際のものになるのだと思う
と、胸が震えた。シャワーの冷たさすらほとんど感じないほどだ。
このホテルの部屋に入ってから、ハデスはやたらと饒舌になった。ベッドが丸くて回るもので、
部屋の中にはプールやブランコがあると思っていたとか、一体いつの時代の情報なのかと思う
ことを早口でまくし立てた挙句、冬眠前の熊のようにうろうろしながら珍しそうに部屋の中を見回
しては落ち着きなく振舞っていた。
さすがに切れそうになるのを何とか堪えて、クールダウンする為にシャワーを浴びに来たのだが、
それは正解だったようだ。今はこんなに気分が落ち着いている。
「やっと…私これから…」
シャワーを止めて簡単に身体の水滴を取ると、ぎゅっと自分を抱き締めた。何も知らないからこそ
怖い気持ちもあるが、多分武者震いというものに違いない。

330:約束 9
10/06/08 04:36:32 WWGSNzpF
ガウンを羽織って部屋に戻ると、ハデスは傍らのソファーで眠り込んでいた。
擁護教諭なのだから保健室にいさえすればいのに、何かと動き回っているから当然かも知れ
ない。けれど、何もこんな時にとも思う。
「…ハデス先生」
遠慮しながら揺り動かしても、目覚める気配はなかった。
「こんなところで、眠らないで下さい」
思い切り強く揺さぶって、ようやく死人のような瞼が開く。
「…ああ、才崎先生。つい…」
また癇癪を起こしそうになるのを耐えながら、美徳は慎重に声をかける。
「お疲れなのですか?」
「ええ、まあ…だけどそれよりも」
完全に目が覚めたらしいハデスは、美徳と並んでベッドに腰を下ろした。間近で見つめてくる顔に
何を言われるのかと身構えていると、不意に視線を逸らされた。
「…やはり僕では…才崎先生は間違いを起こしてはいけない」
「何を仰っているんですか?一体まだ何を迷っているのです?」
ようやくここまで漕ぎつけたというのに、ハデスにはまだ迷いが残っている。部屋に入ってから
少し時間が経ったことで冷静さを取り戻したのだろう。根気良く待って次の言葉を引き出そうと
しているうちに、とんでもない言葉が出た。
「僕は人を愛せません。誰かを大切に思うことがあれば、必ず不幸にさせるでしょう」
「…そんなこと…」
まさかこんなところで、そんな告白を受けるとは思ってもいなかった。先ほどまでの高揚した気分
が一気に冷めていくのが分かる。
「僕には、あなたにはまだとても言えないことがたくさんあります」
「それは、私を助けてくれた、そして生徒たちを助けている、あの力のことですか?」
「…そうです。御覧になりますか」
そう言うと、ハデスは黒いシャツのボタンを外して普段は服で隠されている身体を晒した。顔に
深く入っている亀裂が身体にも走っている。まさかここまでは、と思っていただけに美徳は息を
呑んだ。それをどう捉えたのだろう、ハデスは哀しそうに笑う。

331:約束 10
10/06/08 04:38:12 WWGSNzpF
「僕は普通ではありません。この亀裂はその力ゆえのものです。関わればあなたも辛い目に遭う
かも知れません。そんな事態に立ち会わせたくはないのです」
ハデスはますます哀しそうな顔になった。そんな様子に、つい腹立たしさが先にたって声を上げて
しまう。
「私を見くびらないで下さい!」
「才崎先生?」
「そんなに普通の人がいいと思うなら、最初からハデス先生には目もくれません。ハデス先生に
何か秘密があることなんて、何となく察していました。多分これから先に新たに知って驚くことも
あるかも知れませんけど、私、決して怯みませんから。不幸になんか、なるならなれです!」
決してもう目を逸らされないように間近で目を見つめると、どこか色を失っていた目に再び生気が
宿ったように思えた。
「それだけは、絶対に誓えますから」
「才崎先生…」
「約束しても、構いません。それでハデス先生が孤独でなくなるのであれば」
聞き分けのない子供に言い聞かせるようにして互いに額を合わせると、ハデスは軽い溜息と
共に小さな笑い声をたてた。
「…あなたには、適いませんね」
「ハデス先生?」
「僕が思っていたより、才崎先生は随分変わり者のようです」
「ええ、今頃お気付きでしたか?ハデス先生をこんなに好きになれるのは、私ぐらいのものです」
「かも、知れませんね」
ようやく元気を取り戻したのか、額が離れてすぐに唇を啄ばまれた。何の前置きもないうちだった
ので、内心で驚きながらもまた鼓動が高まる。触れては離れを繰り返していた唇の感触に酔い
かけているうちに、舌先が唇の形通りにじっくりと撫で、心地良さに開きかけていた唇の間に入り
込んでくる。

332:約束 11
10/06/08 04:39:03 WWGSNzpF
「…っ」
口腔に入り込んだ舌はハデスのものとは思えないほど淫らに内部を探った。唇にしたと同じよう
に巧みに歯列をなぞり、動かないままの美徳の舌を探り当てて撫でながらも絡ませ、柔らかい
口腔内の粘膜の隅々までを犯していく。
頭の中が蕩けてしまうようだった。生徒に童貞と揶揄されるほど女性経験はなさそうだったのに、
こればかりは予想を外れていたようだ。
その間にも、留守になっている両手はガウンの胸元から乳房に触れている。
最初からあまりにも濃厚なキスは、思わず呼吸さえ忘れるほどだった。唇が離れてからようやく
大きく息をつく。
「…はっ」
「大丈夫ですか?」
「ハデス先生が、随分慣れてらっしゃるので驚いています」
「それは…才崎先生がそう思っただけでしょう」
一瞬だけ言葉を濁したのを美徳は聞き逃さなかったが、この場で追求するのはやめた。まだ知ら
ないことばかりがあるのは当然のことで、それを今どうこう言っても仕方がない。
「そうかも知れません」
呟いて身を預けながら目を閉じると、ガウンが肩から滑り落ちた。瞬時にして緊張した気配が
伝わってくる。最初は遠慮がちに乳房に触れていた手の動きが、次第に強まっていく。同時に
瞼や頬に落としていた唇が顎の線から耳、そして首筋へと下がっていく。
「あ…」
軽く首筋を吸われて、未知の感覚に自分のものとは思えない声が漏れた。大胆になっていく手
が形を愉しみでもするように、ゆっくりと揉み始める。時折指先が悪戯でもするように乳首を弄ぶ
ことすら感じ入ってしまってどうかしてしまいそうだ。
「やっ、そんな…」
無意識に緩く身を捩って逃れようとするも、既に身体は疼き始めて思うようにはいかなかった。
まだ何も知らないのに、たやすくこんな風になってしまうことが自分でも信じられなかった。そして
世の中の女はみんなこうして男を知るのだろうと思うと、何だか不思議だった。

333:約束 12
10/06/08 04:41:22 WWGSNzpF
「横になって貰えますか」
耳を蕩かすような声が響く。頷いてベッドに横たわると、もう用を成さないガウンの紐が解かれた。
それを恥じる余裕はもうなくなってしまった。包み隠すものがなくなった途端に乳房を大きな手で
鷲掴みにされ、舌でなぞりながらも噛みつきでもするように歯を立てられて、その激しい刺激に
あられもない声が上がる。
「やあぁっ…」
シーツを握って耐えながらも身悶え続ける美徳の肌の上を、ハデスの長い指が這い回る。その
指先が臍からまっすぐに下がって陰部の中心にある女の核を捉えた。反射的に閉じようとした
膝の間にはハデスの身体が挟まる形になっていて、叶わなかった。
「…やだ」
まるで戯れるように核をいじり、爪の先で引っ掻いては指の腹で撫でる。そのわずかな動きが
凄まじく強い刺激となって身体がびくびくと震えた。こんなに感じている姿を見られることに何度も
恥ずかしさが湧くのだが、それ以上に快感を煽られて全てが無駄になっていく。
「そこは、もう…いやぁ…」
「では、ここならどうですか?」
あまりにも感じ過ぎてしまう核をいじっていた指が更に移動する。もうどうしようもなく濡れきって
いる膣に軽く指先が差し入れられた。
「ひゃっ…」
ほんの入口で軽く抜き差しをしながらも滲み出す愛液を襞に絡め、わずかずつ浸入する深さを
変えていく指が急に膣壁を強く擦った。
「あんっ!」
「才崎先生、ここならどんなに声を上げても他人に聞かれることはありません。どうぞご存分に
愉しんで下さい」
指であられもなく美徳を乱れ狂わせながらも、乳房に吸いついていたハデスが満足そうに声を
かけてくる。
「あ、ぁ…ハデス、先生っ…」

334:約束 13
10/06/08 04:42:18 WWGSNzpF
髪を振り乱しながら悶える美徳は、もう意識が飛んでしまいそうだった。自分ですら触れたことの
ない女の敏感な内部が、男の指先で巧みに切り開かれて淫らな快感に馴染んでいく。まだ頭の
中で理解しきれていない部分が砂糖菓子のように溶けていった。頑なな女でしかなかった自分
がこうして変わっていく。
「はぁ、ぁ…んっ…」
何本もの指が膣内で蠢いてそれぞれが自在に快感を引き出しているのが分かる。柔らかい壁が
馴染んでいく度にまるで生き物のように悦んで指に絡みついていることも。ほんの短い間にここ
まで身体が変化しているのだ。
乳房を波打たせながら大きく喘ぐ美徳の目に、異様なものが飛び込んできた。スラックスをくつろ
げたハデスが握っているものは、紛れもなく彼自身だ。全てにおいて欲求の薄いイメージがある
ハデスのそれとは思えないぐらい、硬くそそり勃っている。
「もう、いいですね。才崎先生」
平然としているように見えてもやはり同じだけ興奮をしていたのだと嬉しくなって、微笑む。
「…はい、いらして下さい」
「嬉しいです…」
存分に指で蕩かされたそこに、今見たばかりのものの圧迫感を感じた。来る、と思った途端に
粘膜が悲鳴を上げるほどの衝撃が走る。
「ああああっ!!」
これまで想像していたよりも遥かに大きな激痛だった。無理もない。そこに触れたのはさっきまで
の指だけだったのだ。今内部を犯そうとしているものは、指など比較にならないほどに大きく張り
詰めている。
「うぁあ…」
喉を絞るように苦しい声を上げる美徳の唇が塞がれた。宥めるように絡み付いてくる舌に頭の
芯がぼんやりと霞んでくる。そうしているうちにも、痛みで軋む膣内は異物を少しずつ受け入れ
ていった。
やがて根元まで収めてしまってから、ハデスは安堵したように息をつく。その吐息に唇を撫で
られて涙が零れそうになった。痛みではなく、嬉しさの涙だ。

335:約束 14
10/06/08 04:43:23 WWGSNzpF
「苦しいでしょうから、ゆっくりします。我慢出来なければ、殴ってもいいですよ」
「そんな…大丈夫ですから」
髪を撫でられる。そのタイミングでようやく馴染み合ってきた内部がまた引き攣れたように痛んだ。
圧倒的な質量で膣内を犯すものがずるりと蠢き出す。
鈍い痛みを耐えきれずに、思わず声が漏れた。
「んっ、い…たっ…」
「我慢は、なさらないで下さい」
「い、いんです…耐えられます…」
女なら誰でも知る時が来るこの苦しくも幸せな感覚を、今こうして自分も経験しているのだと思え
ば幾らでも我慢が出来た。軋むように引き攣れた痛みは動きが早まる度に少し薄れていく。痛み
はもちろん続いているものの、擦れ合う粘膜の刺激で愛液も充分に溢れているからだろう。その
うちに行為にも慣れていく、痛みも消える、身体が馴染み合っていく。
本当に一人の為の女になっていくのだ。
「ハデス、先生…」
息も絶えだえに、美徳は心に決めた人の名を呼んだ。
「ここにいますから」
空を探る指が長い指に絡められる。そろそろけりをつけようとするように、内部を擦る動きが更に
早くなった。また声が痛みで掠れる。
「や、あぁぁ…」
まるで津波に襲われたように激しく身体が揺さぶられた。膣の奥まで深々と突き立てられて、
なけなしの声すらも途切れる。内部を犯しているものは一層大きさを増して侵略の限りを尽くし
ていた。痛いのに嫌じゃない、それよりもむしろ気持ちがいい。こんな風にめちゃくちゃに突か
れてすべてを奪われているのに。
これが絶頂なのだと認識するより先に、美徳は気を失ってしまった。

336:約束 15
10/06/08 04:45:03 WWGSNzpF
「…あ」
目が覚めると、ハデスの腕に抱き締められていた。
「ハデス先生…」
「どうしました?」
あやすように髪を撫でられ、頬に手を添えられる。今はそれだけで不思議と安心出来た。
「さっき言った約束、有効、ですよね…?」
「ええ、とても嬉しかったです。あなたのような方にそう言って貰えて」
「では、一緒にいてもいいのですね」
「僕でよろしければ」
ここに至るまでに、何度も醜態を晒した。失敗もした。慌てたり怒ったり取り乱した。それらが全て
ようやく今夜報われたと思った。思いが叶うまで諦めなくて良かったと心から嬉しかった。
「…もう一つ、私の願いを聞いて頂けますか?」
「ええ、構いませんよ」
今夜のハデスはいつにも増して優しい。せめて今だけは世の中の恋人同士のように甘えきって
わがままを言ってみたかった。
「二人でいる時は、逸人さんと呼んでもいいですか?」
「もちろん…では僕も美徳さんとお呼びしましょう」
「…嬉しい」
本当に、こんな素晴らしい夜はなかった。幸せだった。急にひどく泣き虫になった美徳の涙を
長い指が何もかも心得たように拭う。

数日後、また凝りもせずに集まってエロ本を回し読みしている男子生徒たちがいた。こればかり
はもうどうしようもないと呟きながらも、美徳は近付いていく。
「あななたち!」
「うわ、みのりちゃん、鋭すぎ」
生徒たちの顔にはまたうるさいのが来たと書いてある。構うことなくその手から本を取り上げると、
パラパラ一通りめくってからぽんと突き返した。
「こんなものは、隠れて見るものよ。よく考えなさい」
今度は特に没収することもなく、注意だけをした。唖然とする生徒たちの視線を浴びて立ち去る
美徳の後ろ姿からはもう怒りも焦燥も感じられなかった。




終わり

337:名無しさん@ピンキー
10/06/08 04:47:02 WWGSNzpF
今週の話で占い師が大切な人をどうこう言っていたので、急遽内容に絡めてみた。

338:名無しさん@ピンキー
10/06/08 06:38:16 4nKfq/E8
マジGJ!

339:名無しさん@ピンキー
10/06/08 07:14:12 qIpaGX08
>>337
ハデみのGJでした!

340:名無しさん@ピンキー
10/06/08 07:30:04 6TBxqTgu
出勤前に、間違い発見。
ガウン→バスローブだった。
なんかああいう形状のもの、で書いてる時に言葉が出てこなかった。
どっちもあまり変わらないものみたいだけど、一応訂正。

341:名無しさん@ピンキー
10/06/08 18:34:41 Fb3HkTAz
そんくらいいいってことよ
乙した!

342:名無しさん@ピンキー
10/06/08 18:41:26 aUieXW+o
>>340
出勤前にGJ!!

343:名無しさん@ピンキー
10/06/08 19:45:48 BWlKtM9D
出勤前てwとにかくGJ

344:名無しさん@ピンキー
10/06/08 20:20:14 gHeJwE0o
GJ!!
ハデみの自体も嬉しかったけど、文章そのものが凄いレベル高いな

345:名無しさん@ピンキー
10/06/08 20:59:45 5mXWDe3C
帰って来た。
そしてまた再チェックしたら自分で間違いを見つけた。
15での美徳の台詞「あななたち!」…orz

やっぱ眠くて朦朧としながら書くと、こんなもんだな。他にも間違いがあったら
こっそり笑ってくれ。

346:名無しさん@ピンキー
10/06/08 23:50:31 rpMgY0mG
雰囲気にひたってるからちっとも気付かんかったよ、GJでした!
みのりちゃんの芯の強さが素敵だ!

347:名無しさん@ピンキー
10/06/09 00:17:27 6iQtKpJ1
>>345
細けぇ事はいいんry乙!

348:名無しさん@ピンキー
10/06/09 00:20:50 BMJ4lekA
今週のジャンプ
「待ってイくイくイきます!!」
「フッちょろい娘だこと」
「シンヤはここ刺激すっと弱いよね」
すみませんでした

349:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:10:30 Negr2UQK
>>348
大丈夫俺も同じこと思った

ところでハデス先生はちんこにもヒビ入ってるのか?
もしそうだとしたら挿れられた女はヒビがこすれると痛いのか気持ちいいのか。

350:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:12:24 UINTsGlZ
ヒビだと痛そうな気がする
その前に普通に勃起できるんだろうか?

351:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:23:08 9smEiZV5
実際、好きな食べ物も特にないぐらいだ。
三大欲求全般に渡って興味が薄いと考えられる。
とはいえ、アラサーにしてバレンタインデーのチョコをまだ一個も貰えてない
ことは気にしていた様子なので(石炭は貰ったが)ある程度の欲求ぐらいは
あるのかも知れない。

下の話になるが、男が気にするほど女はナニの大小長短にこだわってない。
そして形状もこだわらない。
真珠とかリングとか色々施したとしても、それほど感覚的には変わらない。

352:名無しさん@ピンキー
10/06/09 01:29:29 UINTsGlZ
真珠埋めた先生想像してドン引きしたw
鈍ちゃんを喜ばそうと勘違いしたパチンカー経一なら…

先生一応生理現象あるんだよな

353:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:22:09 AzxYxZ/i
>>345
神様有難う。お仕事頑張って下さい。おやすみ

354:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:39:23 IReASuf2
みのりちゃんのエロあったのか
職人GJ

355:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:51:36 jVBQtCug
ハデみのたまらんですGJ。本誌でもはよ絡んでほしい。
そっけない鈍ちゃんを辛抱たまらん経一が襲うシチュも見てみたい。


356:名無しさん@ピンキー
10/06/09 02:59:18 45fnpONN
こんなスレがあったとは…。
鈍ちゃんにどっぷりハマったのと、神SSの数々に触発されて数年ぶりにSS書き始めてみたんだが、
割りと甘々な経鈍って有りかな…

357:名無しさん@ピンキー
10/06/09 03:03:57 jVBQtCug
このスレ初の鈍ちゃんSS投下の予感にwktk
全裸で待機してます

358:名無しさん@ピンキー
10/06/09 15:22:42 45fnpONN
よし経鈍頑張ります。
今日は休みなんで夜にはうp出来ると良いな…

それにしても勘違いパチンカー経一に吹いて萌えたw

359:名無しさん@ピンキー
10/06/09 15:37:24 vhAd7GdM
「鈍ちゃん聞いてくれよ。指輪はまだ先になりそうだけど、その代わりもっといいこと
考えてさ。実は今日アレに真珠埋めたんだよ。これでもっと鈍ちゃん喜ばせてやれると
思うんだ、だから結」
「帰ったらすぐ荷物纏めて出て行ってね」
ピッ
ツーツーツー

こうですねわかります

360:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:03:27 Y6LLIQVX
遅ればせながらハデみのGJ!!
しかもかなり幸せな話で読後感も良かった。
心に決めた人、とか言い回しも好きだ。

361:名無しさん@ピンキー
10/06/09 22:30:42 OGorViWI
>>359
GJ過ぎる。後半はこれを糧に頑張りました。
経鈍完成したので今から投下します。
しかし凄い長いかも知れんこれ…

362:甘々経鈍 1
10/06/09 22:36:06 OGorViWI
鈍ちゃんまさかのMっ子注意報。
経一もあんまりヘタレてない。二人はセフレ。
美っちゃんの『ああいうのに限って気を許した相手にはry』な内容です。


時は夕刻、サロンの営業時間も終わり一段落着いたものの彼女にはまだ仕事が残っていた。
夕食の支度。洗濯や風呂掃除といった物は同居人の男に頼めるが、こればかりは彼に任せる事は出来ない。
特別料理好きという訳では無いが、手先が器用な彼女は料理の腕も素晴らしい物だった。
今日のメニューはハンバーグ。下拵えを済ませ、後は手作りのタネを焼くだけといった所でタイミング良く男が帰ってきた。

「にっぶるちゃーん!ただいまー!」
「…お帰り。その様子じゃ今日は勝てたみたいね…」

居間に勢い良く帰ってきた男は片手に菓子の入った袋、もう片方にも紙袋を持って満面の笑みを浮かべている。
今日は元々、訳有りでは無い普通客の予約しか入っていなかった為朝からずっとパチンコ屋に入り浸っていたのだろう。
わざわざ聞かずとも結果は明白だった。

「そりゃあもう、今日は大勝ちだぜ!充電切れちまって連絡出来なかったんだよなー。んで、今日の土産はと言うと…」

まだ興奮が冷めていない彼は楽しそうに瞳を輝かせながらテーブルに荷物を置く。
金が完全に無くならない限り何かしら土産を買ってくる彼の今日の土産はどうやら紙袋の方で、ガサガサと其れを漁る小さな音が聞こえた。
傍から見たら全く興味無さそうな無表情のまま、それでも内心気になっているのか彼女はキッチンを出て彼の傍にやってきた。

「何…?」
「じゃーん!新しいエプロンだぜー。これ絶対鈍ちゃんに似合うと思ってよォ」

両手で広げ目の前で掲げてくる。その手に持つのは真っ白なエプロン。…しかし一般的な普通のエプロンでは無い。
ヒラヒラとフリルが付いた、肝心な手を拭く部分もやたら短く丸い物で、どう見てもメイド喫茶の店員が身に着ける様な物であった。

「何よこれ…。あんた私にメイドにでもなれって言うの?ふざけないでよ」

少しでも期待した自分が馬鹿だった。可愛い女の子が好きでこう言った類の物も勿論好きだが、自分自身がと言うと話は別。
甘ったらしい物は自分には似合わないと、可愛い物を身に着ける事は避けてきた。
彼女は盛大に溜息を吐いたが、彼は柔らかい表情で同じく小さく息を吐きエプロンをテーブルに置いた。

363:甘々経鈍 2
10/06/09 22:39:44 OGorViWI
「まぁ鈍ちゃんが俺のメイドになってくれたらすげー嬉しいけど、そうじゃ無くて……ほら、エプロンっつーとアレだろ?…裸エプロン」

大きな身体との距離が近くなったと思った頃にはもう、彼女の身体は彼に抱きすくめられていた。柔らかかった笑みが邪な物に変わる。
ニヤリと口端を吊り上げた男が耳元で直接囁いた言葉に、彼女はビクリと小さく身体を震わせた。

「なっ…!…何言ってんのよ馬鹿…。冗談言ってないで、早くご飯……あっ」
「…だからこれ着て飯作れって。鈍ちゃん普段すっげーエロい下着付けてる癖に、可愛いモンって着ねぇんだよな。たまには良いだろ…可愛い鈍ちゃんが見たい」

最初こそ声を上げてしまったものの、冷静に、普段通りのトーンで呆れ気味に言いながら両手を彼の胸板に当てて離れようとするがびくともしない。
男と女、只でさえ差があると言うのに体格の良い彼相手ではこうなってしまうと自らの力で逃げる事は出来ないのだ。
彼は彼で彼女が逃げられない事を充分知っていて、意地の悪い笑みを浮かべながら片手で彼女のズボンのファスナーを下ろす。
彼女が今身に着けているエプロンを捲くり隙間が出来たズボンの中に両手を忍ばせ、彼は彼女の尻をやわやわと揉んだ。殆ど覆う物が無い状態。
予想通り紐の様な下着を穿いているであろう彼女の生尻をさすりながら、情欲的な目で男は彼女の瞳を見つめた。

「や……ぁ、んんっ…」

その熱い視線と手の動きにドクンと胸が鳴り彼女の頬は微かに赤みを帯び身体の力が抜けた。そんな彼女を見過ごす訳も無く、彼はすっと瞳を細めて彼女の唇を奪った。
ぎゅうっと瞳を閉じて再び力が入ってしまった彼女が可愛く、一度は緩んだ表情を押さえ小さなリップ音を立てながら彼は彼女の唇を愛撫する。
舌を口腔に優しく挿し入れ、何時の間にか両手はズボンの中から離れ彼女を優しく抱いていた。

温かい彼の唇と舌の熱、そして己を抱き締めるその温もりが心地良い。普段外では冷たい態度を取っているが、彼の事が嫌いなのでは無い。
外では素直になれないが、プライベートの時間、彼と二人きりの時だけは甘えてしまいたくなる。何だかんだ言いつつも、彼の事を好いているのだろう。
彼女もまた、彼の背中に腕を回し自ら舌を絡ませた。

「…ん、ぁ…。…もう、経一のばか。今日だけだからね…着替えてあげるから待って…」
「んーにゃ。俺がやる。俺が着替えさせてやるぜー」
「………好きにすれば」

緩慢に顔を離す。唇はどちらの物か分からない唾液で濡れていて、頬の赤みも先程より若干濃くなっている様だ。
濡れた唇をぺろりと一舐めし、ほんの少しだけ恥ずかしさを滲ませた視線を外しそのまま彼に背中を向けたが、待っててと言い終える前に再び彼に捕らわれてしまった。
すり、と首筋に顔を擦り付けられる。触れる髪が擽ったい。くすくすと笑いながらじゃれてくる彼はまるで大きな犬の様。
小さく溜息を吐き肩を落とすもそれは嫌な物では無く、彼に見られていないのもあってか彼女の口許は無意識に小さな笑みを浮かべていた。

364:甘々経鈍 3
10/06/09 22:41:58 OGorViWI

己の腕の中でおとなしく身を任せてくれる彼女が愛しくて仕方が無い。甘やかし甘えてくれる可愛い彼女の姿は自分しか知らない事に優越感を覚える。
髪や耳に触れるだけの優しいキスを降らせながらエプロンを解くと、そのままシャツのボタンも一つ一つ外し彼女の衣服を脱がして行った。

「久しぶりだからか?鈍ちゃんのおっぱいが前よりでかくなった気がする」
「…っ、知らないわよ…。もう成長期は終わってるんだから、気の所為でしょ…」

脱がした服と下着はテーブルの前の椅子に掛け、露になった彼女の乳房を両手で持ち上げる。
大きい掌だと言うのに、零れ落ちそうな其れには男の夢でも詰まっているのだろうか。
そんな馬鹿な事を考えながら柔らかい胸をそっと揉みしだくと、彼女の吐息に熱が篭るのが分かった。
このまま今直ぐにでもベッドに連れ込んで可愛がってやりたい衝動に駆られるが、それでは今日の野望が達成出来ない。
お楽しみはこの後に…と彼は己自身に言い聞かせ、その後は特に悪戯はせず全てを脱がし新しいエプロンを着せてあげた。


「随分短いのね…」
「……やっべ、鈍ちゃん凄ぇ可愛い。半端無く可愛い。可愛すぎて俺死ぬかも…」
「じゃあ死になさいよ」

着てみると、予想以上にエプロン部分が短い。胸が大きい分そちらに取られてしまっている様だ。
フリルの下に隠れてはいるもののそれはギリギリのラインで、彼女は恥じらいながらエプロンの裾を引っ張った。

彼はと言うと、これまた予想以上に彼女の裸エプロン姿が可愛く恥らう姿もあって思わず片手を口許に当て感動した様に呟いた。
その呟きにすかさず反応し唇を尖らせた彼女がまた可愛い。

「……私お腹空いてるの。いい加減ご飯にするから…手出してくるんじゃないわよ。火、使うんだから…」
「分かった分かった」

これで満足しただろうと、己の姿を食い入る様に見つめてくる彼の視線から逃げ彼女はキッチンに戻ってしまう。
腹が減っているのは彼女だけでは無い。ロクに食事を取らなかった彼もまた空腹で、それでも普段の様に椅子に座って待っているのでは無く、
裸エプロンを堪能しようと彼女の元にやってきた彼は食器類が入ったキャビネットに背中を預けた。

「後ろで見てるだけなら良いだろ?その姿で料理してる鈍ちゃんが見たかったんだしな。裸エプロンは男のロマンだぜ!」
「女の子に夢見過ぎね…」

呆れながらも、楽しそうに話す彼が何だか可愛くついふふっと小さく笑ってしまった。
フライパンを火に掛け油を薄く引き、ハンバーグのタネを二人分其処に入れるとパチパチと小さな音が聞こえ始め、次第にジュージューと大きな音が二人の耳に届く。
食欲をそそられるその音に機嫌を良くしながら焼いてる合間皿に野菜を盛ったりと彼女は黙々と食事の準備をしていたが、彼はむずむずと身体を疼かせながらその後ろ姿を眺めていた。

365:甘々経鈍 4
10/06/09 22:43:46 OGorViWI

流石裸エプロンと言った様に後ろは殆ど裸状態で、彼女が動き長い髪が靡く度可愛らしくいやらしい尻が形を主張して己の理性を刺激する。
好きな女が裸エプロンで料理をしていると言う事実。男に取ってはこの上ない幸せだ。まるで新妻のよう、彼は食欲よりも性欲が高まって行き爆発しそうだった。

「あー…ホント、すっげー可愛いしすっげーエロい。鈍ちゃん新妻みてぇ…。俺鈍ちゃんのその格好見てるだけでイっちまうかも」
「…馬鹿な事言ってないでよ……経一のえっち」

つい、頭の中で考えていた本音を口にしてしまう。強すぎる欲求。また冷ややかな悪態を吐かれてしまうと思った彼の耳に届くのは予想外の物だという事が、この後直ぐに分かる。
ハンバーグを焼き終え、火を止めた彼女はそのまま手を洗い小さな笑みを浮かべたままポツリと呟いたのだ。

その言葉を聞くなり彼は一瞬瞳を見開いて、何かがぷっつりと切れてしまった。

「鈍ちゃん…!もう駄目だ我慢出来ねぇ。飯より先に鈍ちゃんが食いたい。つーか食う!ベッド行くぞベッド!」
「何!?やだ、ちょっと待ってよ…経一…!」

興奮した男は彼女の身体を担ぎ有無を言わせぬ勢いで居間の扉を開け一直線に自室に向かう。
突然の事に瞳を丸め声を上げるも、彼女はやはり逃げられない。じたばたと両足を動かし抵抗するだけしか出来ない彼女を、彼は強引に自室のベッドに連れ出した。

「ちょっとぉ~~…」

流石に強引過ぎたか、むっと小さく頬を膨らませながら彼女は不満そうに彼の目を見つめる。
しかし仰向けに下ろされた身体を隠す様にエプロンの裾を引っ張りながらのその姿は、またそそる物だった。
彼は我慢ならずベッドに上がり、彼女の上に跨いで性急にズボンのファスナーを下ろすと、既に充分な熱を持ち雄雄しく猛る肉棒を露にさせた。

「見ろよこれ…。鈍ちゃんの姿見てただけでこんなになっちまったんだぜ…?我慢汁だって、ほら」
「…やだ、やめ…」

熱っぽく吐息混じりの低音で言いながら、彼は根元を掴み先端を彼女の頬に擦り付ける。
尿道から滲み出た透明な先走りの所為で彼女の頬を滑る彼の性器、そしてこの行為がいやらしくて仕方無かった。
瞳を細め小さく抵抗を口にするも、こんな事をされては彼女もどうにかなってしまいそうで。
思考が鈍り始めてきた彼女の口許にそれは滑り込んできた。

「鈍ちゃん…舐めて。先に食わせてやるから。俺のザーメンで腹一杯になれよ…」
「…うん…。ん…経一の…本当におっきぃ…。そんなに興奮した…?」
「興奮しねぇ訳ねーだろ?鈍ちゃんがこんな格好でよ…。…可愛い格好も似合うぜ、鈍」
「ぁ…。ばか…」

366:甘々経鈍 5
10/06/09 22:45:29 OGorViWI


雰囲気に飲まれ、彼女ももう余計な事は考えられなくなっていた。促されるままに、するりと両手を伸ばし彼の代わりに根元にそれを沿え、舌が届く範囲から先端までを舐め上げる。
ちゅうっと先端を唇に挟むと、その大きさを実感した。くすりと小さく笑みを浮かべ彼を見上げる。
揶揄かったつもりだったのに、同じ様に笑みを浮かべた彼の最後の言葉に、トクンと胸が疼いて恥ずかしくなってしまった。
目を逸らし頬を染めながら、彼女は彼のモノを本格的に愛撫し始める。
竿から先端へを何度も舐め上げたり雁首を舌先でチロチロと刺激したり、何時の間にか質量を増した気がするその先端を、再び咥えて舌をねっとりと絡めた。

彼女の舌遣いはとても巧みでゾクゾクと快感が押し寄せてくる。しかし体勢的に動き難いのだろう。決定的な刺激を求め、彼は上着を脱ぎ捨て彼女の顔の両脇に手を付いた。

「…鈍ちゃん、すっげぇ気持ちいい…。もうイキそうだから、動くぜ?全部受け止めろよ…」
「んっ…ぁ、あっ!んん…っ…」
「っ…は、やべ、マジ鈍ちゃんの口ン中気持ち良過ぎッ……イクぞ?…くっ、出る…!!」
「っ、ん!んーーッ…!」

ガンガンと遠慮無しに肉棒で喉奥を突き上げてくる彼の行為にキツく目を瞑りながら、もう自分から舌を絡める余裕は無くされるがままに口腔内を犯される。
歯を立てない様にするのが精一杯で、ゾクゾクと身を震わせながら頭の中はぼうっとし、彼女は吐き出されるであろう彼の熱に備えて身体を緊張させた。
ビュルっと舌の上に吐き出された精液を、彼女はぶるりと大きく震えながら飲み込んだ。

「んっ…は、はぁ…苦いぃ…」

独特な味を咥内に広げた其れは飲み込んでも尚彼女の中に名残を残す。肉棒を引き抜いて彼女の上から退くと、隣に座って彼女を慈しむ様な目で見下ろした。
彼もまだ、達した余韻で若干胸を上下させている。

「…ごめん、鈍ちゃん。でもすげー良かった。今度は俺が気持ち良くさせてやるぜ。沢山乱れろよ…?」

彼に良い様に扱われた後の余裕そうなその視線。ほんの少しだけ悔しさを覚えるが、悪態を吐ける余裕はもう残っていない。
彼女の膣からは愛液が滲み、身体も心も、彼が欲しくて堪らなくなっていたのだ。

「うん…。気持ち良くして…経一…」

とろんと惚けた表情で見つめられ、それだけでまた下半身が反応してしまいそうになった。ドキドキと胸を高鳴らせながら、彼は彼女の上に覆い被さりエプロンの下に隠れた乳房に片手を忍ばせる。
隠れた、と言っても大きすぎる其れはエプロンを少しずらすだけで乳首を露にしてしまう物だった。
片胸をやわやわと揉みしだき、指先で乳首を弄りながら、もう片方の胸に顔を近付け露にさせた乳首に舌を押し付ける。
手と舌の両方で弄ってやると、小さな身体がびくびくと震えるのが分かって思わず表情が緩んだ。

「ぁん……あ、経一…気持ちぃ…こっちも…して…?」

367:甘々経鈍 6
10/06/09 22:46:58 OGorViWI


相変わらず動きを止めず、硬くなった乳首を指では強く擦り、舌では熱い粘膜で刺激を与える。
我慢出来ずに下半身を捩らせた彼女は、もじもじと太股を擦り合わせながら片手でエプロンを握り締めていた。

「…こっち?…あぁ、鈍ちゃん。こんなに濡れちまってたんだなァ…。ホント、エロくて堪ンねーぜ。…淫乱」

可愛らしくお願いされては断る事等出来る筈が無い。彼女に促されるまま身体を移動させ両足を広げてみれば、膣口は愛液でテラテラと濡れ煌き、足を広げた衝撃で穴の方までとろりと垂れて行きそうになった。
すかさずそれを舐め取り、味わうように舌を咥内へ擦り付けてからニヤリと意地悪そうな笑みを浮かべ呟くと、彼は改めて彼女の膣口に熱い舌を押し付けた。

「やっ、あんっ…あ、ぁ…淫乱じゃ…ないわよぉ…」

入口を擦る様に強く押し付けてくる舌がやたらと熱い。敏感な陰核にまでその舌が伸ばされると、彼女の身体は大きく震え更なる愛液を滲ませた。

「淫乱だろ。只でさえエロい身体付きしてんのに、直ぐ濡れちまって…。普段冷てーくせにセックスしようとすると簡単に流されちまうもんなー…今だってほら、腰動いてんじゃねぇか」
「えっ…や、ばか…っ!嘘言わないで…」

嘘では無い。彼女は無意識に腰を揺らしていた。ヒクヒクと震える膣口や彼女の口から溢れ出る甘い声、素直に感じてくれているのが嬉しく、可愛すぎる彼女にもっと意地悪してやりたくなってしまった。

「…あんまり馬鹿馬鹿言う奴には、これ以上してやらねぇぜ?」
「へ?…あ、やだ…そんな、止めないで…。私…こんなになってるのに…ちゃんと最後までシてよぉ…」

離れてしまった彼を見て、彼女は戸惑い眉を垂れ下げた。中途半端に止められてしまい、どうしようも無く疼く身体。
もじもじと蹲り太股を擦りながら、彼女は切なげに彼を見つめる。その視線に負けそうになりつつも、彼は彼女の身体を抱き上げ優しく退かし、代わりにその場に座ってベッドの端に背中を預けた。

「じゃあほら、自分で挿れてみろよ。可愛くおねだり出来たら、これで鈍ちゃんの中ガンガンに突いてやるぜ?」

そう言って意地の悪い笑みを彼女に向けながら、再び熱を持って勃ち上がる肉棒を片手に彼女に見せ付けた。
我慢が出来ない彼女は、その熱に誘われ彼に近付く。邪魔なズボンと下着を引っ張り脱がせると、彼の上に跨り肩に片手を置いた。もう片方で根元をそっと掴む。
彼の瞳を見つめながら、彼女は先端を入口に擦り付けた。

「おねだりするから…いっぱいシて…。私…経一がしてくれないとイけないもん…。…ぁ、あん、んんっ…」

全く可愛い事を言う。そんな可愛い事を言われながらの挿入に、彼の熱は簡単に質量を増してしまった。

「あっぁ、おっきい……経一ぃ…」
「っ…鈍ちゃん…ッ…」
「ひあっ、あぁん…っ…!」

368:甘々経鈍 7
10/06/09 22:48:15 OGorViWI

先端を膣内に埋め、彼女は両手で彼の肩に縋る。硬く大きな其れを緩慢な動きで埋めて行くと、我慢出来ずに両手で彼女の腰を掴んだ彼が思い切り奥へと突き上げた。
いきなり奥を刺激され彼女は大きな嬌声を上げる。身体全体も膣壁も、ビクンビクンと激しく震え肉棒をキツく締め付けた。

「あんっ、あ、経一…きもちぃ…凄い気持ち良いの……経一は…?経一も気持ち良い…?」
「…あぁ。凄ぇイイぜ。鈍ちゃんン中…俺のに絡み付いてくる…凄ぇビクビクしてんな…」

彼女はいやらしく惚けた表情で笑みを浮かべながら、自ら腰を動かし始める。
はぁはぁと熱い二人の吐息が絡み合い、それに加え、ベッドが軋む音と繋がる秘部からの水音に二人の気持ちはどんどん昂って行った。

「経一ぃ…もっと、もっと気持ち良くなって…。私のエッチな姿を見て…もっと興奮して…?」

彼の両手で尻を揉みしだかれる中、彼女はペロリと舌舐め擦りをし、艶やかな表情で彼を見つめながら両手を離しエプロンを捲くり上げる。
妖艶な彼女、隠れていた下半身を見せ付けられれば彼の余裕は一瞬にして消え去ってしまった。

「鈍っ…!っは、もう余裕ぶってらんねぇ……お前ン中犯しまくってやるから…覚悟しろよ…!」

完全に理性が無くなり、獣の様にギラ付いた瞳で彼女の身体を見つめながら、彼は口端を吊り上げた。
勢い良く身体を起こしそのまま彼女を押し倒すと、両手で太股を掴み大きく足を開かせながら力任せに腰を打ち付けて行く。
激しい動き、限界まで膨れ上がった肉棒で膣内を犯され、彼女の中は悲鳴を上げる様に愛液を溢れさせながらぎゅうぎゅうに彼を締め付けた。

「ひぁぁあっ!あ、あっ…!激しっ…経一っ、そこ、だめぇっ…」
「…くっ、ハハッ、俺の喰いちぎりそうな程締め付けてくるぜ、鈍ン中…」
「あう、あっ…あぁんっ…も、もうイっちゃう……イクっイクっ…あ、あっ!あぁぁーッ…!」
「…ッ…!!!」

369:甘々経鈍 8
10/06/09 22:51:16 OGorViWI

乱れきって惜し気も無く声を上げる。涙目の彼女が限界に達し絶頂を迎えるとビクンビクンと快感に支配され痙攣した膣壁がより一層彼に絡みついた。
その強い快感に堪えられる筈も無く、彼も直ぐに絶頂を迎え彼女の中に熱い欲望を吐き出した。
ビュル、ビュル…っと残った精液を全て注ぎ込む。あぁそう言えば、今日は安全日かと確認する間も無く中に出してしまったと、そう彼が思ったのは一瞬で、達した余韻に飲まれ直ぐにまた頭の中は真っ白になってしまった。

「ん…ぁ、経一…。凄い気持ち良かった…」
「鈍ちゃん…俺も、興奮したぜ…。エロくて可愛い鈍ちゃんを堪能出来て、すげー腹いっぱい…」

胸を上下させ余韻に浸り、まだ繋がったまま二人はぎゅうっと抱き締め合った。ふふっと小さな笑みを浮かべながら彼女は彼に擦り寄る。
そんな彼女を愛しそうに見つめながら、彼はゆっくりと身体を離す。ずるりと肉棒を引き抜き、彼女の身体も起こそうと手を伸ばしたその時、予想もしない音が二人の耳に届いた。

…ぐう。…ぐうぅ。

それは紛れも無い、彼の腹の音。一瞬にして雰囲気を打ち壊したその音は一度では終わらなかった。

「あー…やっぱ腹減ってるみてー。ははは」

彼は片手を頭に乗せて髪を掻き乱しながら、バツが悪そうに笑みを零す。

「……最低」

そんな彼に対し、彼女は盛大に肩を落とし溜息を吐いた。





終わり。

370:名無しさん@ピンキー
10/06/09 23:12:29 jVBQtCug
ありがとう!ありがとう神!!こういうの求めてた!!

本誌の経一は可哀想なのに、こっちの経一は美味しすぎるw

371:名無しさん@ピンキー
10/06/10 00:51:51 Lqh6ri8v
乙乙!

372:名無しさん@ピンキー
10/06/10 02:28:41 pZu/Ay28
GJ!
エロ甘くていいね。>>359を勝てにしてくれてありがとう。

何かが降ってきたので投下する。

373:それでも空回る女 1
10/06/10 02:34:29 pZu/Ay28
入浴を終えるといつものように冷たいものが欲しくなった。
冷蔵庫を開けて500mlのロング缶を取り出し、歩きながら空けて一口飲む。
「はー」
満足そうに声を上げると、ベッドの淵に腰を下ろした。まだ火照っている身体にビールの冷たさが
心地良く沁み込んでいく。この部屋の中では毎日のように繰り返されている光景だ。
しかし、今夜はどこか違っていた。
一缶飲み干してしまうと、美徳はベッドにごろんと転がる。
「…こんな筈じゃ…」
声は空しかった。

思いを遂げる為に散々慣れないことに苦闘した挙句、ハデスとの幸せな夜を過ごしたのはもう
かれこれ一週間前のことだ。あの時は本当に幸せだったし、それでずっと二人の関係は上手く
行くに違いないと思っていた。
しかし、相手があの鈍いにも程があるハデスだからこそ何かと勝手が違う。美徳も恋愛経験値の
圧倒的な少なさから、なかなか心の中を察することが難しい。
要するに、簡単に言えば、ぶっちゃけ、次に会って一緒に過ごす予定を聞けないままなのだ。
学校では決して公私混同などしてはいけない、というポリシーを持ってこれまできただけに、完全
な私情になってしまうような事柄をあえて尋ねることは出来そうもなかった。
なら、今までのことは何だったのかというのは、もちろんすっぱり美徳の頭の中から消えている。
我ながら面倒臭い女だとは思う。
また二回目の約束を取り付ける為にドタバタ慌てなければいけないのかと思うと、溜息が出そう
になった。
ハデスは相変わらず何も変わらない。目が合えば会釈をするし軽く言葉も交わす。ただ、その先
にどうしても言葉が続かないのだ。恋愛は緩やかなスロープではなくて、一段一段悪戦苦闘しな
がら昇っていく高い階段のようなものなのだろうか。
息を切らしてやっと一段昇ったばかりの美徳には、まだまだ遥か先が見えないままだ。
考えてもこんがらがるばかりで、もうどうしようもない。
「もう一本、飲もうかな」
答が見つからないことに悩んでいるうちにまた喉が渇いた気がした。それを言い訳にして、また
本数を重ねてしまうのだろう。

374:それでも空回る女 2
10/06/10 02:35:19 pZu/Ay28
「才崎先生、おはようございます」
翌日、出勤してすぐにハデスが声をかけてきた。
「あ…ええ、おはようございます」
不意を突かれてすぐに対応出来なかったせいで、変な返事になってしまった。慌ててしまう美徳
だったが、ハデスは特に気にならないらしく平然としている。
「今日は朝からとても日差しが強いですね、お気をつけて下さい。では」
「…はい、そうですね…ありがとうございます」
遠ざかる後ろ姿を見送りながらも、慌てているせいで定型通りの言葉しか出て来なかった堅物
の自分を殴りたくなった。
こういう時にこそさり気なく空いている時間を尋ねて約束を取り付けるのが恋愛上手の女という
ものだろう、とどこかのマニュアル本に書いてあるようなことで頭の中が一杯になった。一応は
それなりの仲になったというのに、また元通りじゃ話にならない。
美徳はまた焦り始めていた。

昼休み。
表面上は何も変わらないように思えても漂う空気感で察するものがあるのか、凡庸な見た目
に寄らずやたらと洞察力のあるアシタバは不思議そうに首を捻った。
「なんかこう…みのり先生って最近変わったよね」
「そうかー?相変わらずうるせーしいちいち迷惑なんだよ全く…あれってマジ若年性の更年期
入ってんじゃね?」
隣で今日も豪勢な弁当を掻き込んでいる藤は面倒そうに吐き捨てた。
「そうかなあ…」
何となく解せない顔をしながらも、確証のないことにこだわる気はないらしくその場は追求する
ことをやめた。こんな時間は甲斐甲斐しく生徒たちのお茶汲みをしているハデスもこれといって
何も変わった様子がない。ただの気のせいかとも思っているのだろう。

375:それでも空回る女 3
10/06/10 02:36:10 pZu/Ay28
美徳は今日も屋上にいた。
悩みは日毎に募るばかりで、下手に誰かの顔を見たら八つ当たりの一つもしそうになってしまう
のが嫌だったのだ。人から見ればこの悩みなんてほんの些細なものでしかないだけに、そんな
嫌な自分にはなりたくなかった。
「あーあ」
ろくに食べないままずっとつついているだけだった弁当をまた包み直して、美徳は壁にもたれる。
もう昼休みが終わるまでこのまま眠ってしまいたかった。
「…ここにいたのですね、美徳さん」
うとうとしかけていたのに、突然耳にあの声が飛び込んできた。反射的に飛び起きると目の前に
ハデスが立っている。
「…えっ?」
「探しました、三途川先生がきっとここにいると言うので来てみたんです」
「そんな…逸人さん。わざわざそんなことしなくても…」
「いえ、きっと美徳さんがお悩みになっているのは僕のせいだと思いましたので」
驚いて立ち上がると、泣きたくなるほど優しい顔が間近にあった。側に寄ろうとする間もなく強く
抱き締められて息が詰まりそうになる。
「…あれからあまり話が出来なかったのは、僕の不徳です」
「そんな、お気になさらないで」
「そして美徳さんを苦しめたのも僕のせいです」
「ですから…」
「今日は何曜日か、分かりますね?」
「…あ」
そういえば今日が金曜日だったことを思い出す。あれからちょうど一週間だ。
「ですから、今夜は僕からお誘いをしようと思っていました。でも、つい言えずにいて…それが
あなたを悩ませていたなら謝ります」
「逸人、さん…」

376:それでも空回る女 4
10/06/10 02:37:01 pZu/Ay28
堪えていた涙が溢れた。
何もあれほどまでに悩む必要などなく、以前のようにしていれば良かった。けれどそんなことは
こうして言葉を交わしてみなければ分からなかったことだ。
「や、やだ、私ったら…」
涙は見られたくなくて、思わず腕の中から離れてしまう。
「美徳さん?」
「私、みっともない女なんです。ずっと一人で足掻いていました、そして悩んでいました。本当は
そんなことしなくて良くても、あなたのことを思うと…」
言いながら涙を拭う美徳を、優しい目が見ていた。
「そういう美徳さんだから僕は」
「えっ?」
言葉の続きは残念ながら聞こえなかった。ただ、別の言葉が勢いを継ぐ。
「本当はいけないことですが、ここでしてもいいですね?」
驚くほど真剣な目の色が心を射る。そのまま近付いてくる顔に無言のまま反射的に目を閉じた。
こうしてキスをされただけで、これまでずっと悩んでいたことが綺麗に消えていく。
この人を好きでいられる気持ちがあれば、どんなに悪戦苦闘しながらこの恋の階段を昇ろうとも、
一番上に広がりゆく世界が自分にとって望むものであろうとなかろうと、構わないと思った。
真昼だというのに、心が蕩かされていく。

屋上の出入り口で、無粋な物音がした。
はっとその方向を向いた二人の目に、段差につまづいたのか転んで顔をしかめているアシタバが
映った。
「あ」
「「えっ」」
三人三様に声が上がったのは、ほぼ同時だった。次の瞬間、何かに弾かれたようにアシタバは
言葉を濁し始める。

377:それでも空回る女 5
10/06/10 02:37:41 pZu/Ay28
「ぼ、ぼ、僕は何も…何も見てません、ここにはいませんでしたからっ…ごめんなさいっ」
そして転がるように階段を下りていく。
「ちょっ、アシタバくん…待ちなさい!」
さすがにこのまま放っておくことは出来ないのだろう、ハデスは慌てて追いかけて行った。一人
残された美徳は呆然としながら、それでもあの生徒が不用心に二人のことを誰かに話すことなど
決してないのだろうと何故だか確信していた。
今は、それよりも。
「これから先、何段…あるのかなあ…」
梅雨間近の青空は心が痛むほどに澄んでいる。どこまで昇れば望む未来が待っているのか、
今はそれだけが気になっていた。

余談

美徳がしばらく屋上で空を眺めている頃、ハデスとアシタバは体育館の影に並んで体育座りを
していた。
「…ごめんね、えらいもの見せちゃって」
「いいえ、先生がどこに行ったのか気になったので、後をつけた僕が悪いんです」
「ホントは学校じゃ出来ないのに…つい」
「いや、そんなに気にしないで下さい。まさかみのり先生までいたのはびっくりしたけど…」
そこに根が生えてしまったように落ち込んでいるハデスを、アシタバは何となく状況の流れから
励ましたり慰めたりする羽目に陥っていた。






378:名無しさん@ピンキー
10/06/10 04:45:52 pFx3TMpv
おお、経鈍もハデみのもGJ!

379:名無しさん@ピンキー
10/06/10 06:39:46 MMfgh8VD
鈍ちゃん、みのりちゃん両方きてるとは俺歓喜

380:名無しさん@ピンキー
10/06/10 12:57:33 hGglTMAV
経鈍書いた者です。読んでくれた人ありがとう!

>>370
いつか本誌の経一も報われる日が……………来ると良いなwこのままでも良いけどw

>>372
>>359は本当に最高でした。テンションが上がりまくったw
でもってハデみのGJ!!初々しいの凄くきゅんとくる…!



ドSな鈍ちゃんも書きたいな…経一に内緒で副業風俗嬢とか。
うっかりバレて嫉妬に狂った経一に犯ry

それかハデ鈍…鈍ちゃんの一方通行襲い受けで。
そんで嫉ry



鈍ちゃん絡みの神が現れるのを待ってます…

381:名無しさん@ピンキー
10/06/10 22:21:11 //aEg7tf
経鈍もハデみのもGJ!!

経鈍、エロくてイイよイイよー
男くさい経一イイ!
まともに本誌見られないw

ハデみの職人さんの書かれるハデス先生が
優しくて紳士で好きだ。


382:名無しさん@ピンキー
10/06/10 22:58:45 1sgM8FIx
>>380 ぐあっ!ハデ鈍が未遂に終わった後で
嫉妬に狂った経一→鈍とみのりちゃん→ハデスのお仕置きエロが読みたくなった!

つーか嫉妬のあまり涙目でハデス先生を責めちゃうみのりちゃん騎乗位とか
嫉妬のあまり涙目で鈍ちゃん縛ったりしちゃう経一とか、誰か書いてくれ

383:名無しさん@ピンキー
10/06/11 02:08:45 VD5ztK1Z
>>380
>>382
さあ、その素晴らしい妄想を書いて形にする作業に入るんだ!

エロなし安田×熱子なんつーヘタレなモンが出来たので投下しておく。

384:未来のアイドル(幻) 1
10/06/11 02:10:00 VD5ztK1Z
『新曲、50万ダウンロードおめでとう。すごく素敵な曲だから私も着メロにしてます』
都心のライブが終わった後、何気なく携帯を見たら花巻美玖からのメールが届いていた。
「花マッキー、いい子だなあ…」
今をときめく国民的アイドルグループ、AKY108の後前田熱子はとあるきっかけで出来た友達の
メールに感動していた。
忙し過ぎて生まれ故郷の幼馴染や学校の友達にもなかなか会えない今の状況の中、花巻だけ
が熱子にとって日常を思い出させてくれる普通の友達だった。
「そういえば…」
あと数日後に、また花巻のいる街でライブが行われることになっている。その時にはまたちょっと
でもいいから会えると嬉しいと思いながら、その旨をメールした。

「時間が欲しい?ダメだ」
マネージャーの青山はさらりと断る。
「10分、いや5分でいいの。友達と会いたいんだからっ」
懇願する熱子だったが、無駄のようだ。
「以前お前が勝手に抜け出したせいで、どれだけ周囲に迷惑をかけたと思っているんだ。それで
なくても今のスケジュールは秒刻みなんだぞ。余計な時間を捻出することは出来ないな」
「何よケチ。この間のことだって、精神的ストレスが元になったってカウンセラーの先生にも言わ
れたじゃない。あんまり負担をかけられたら、また何するか分かんないからね!」
青山がこういう反応をするのは分かっていた。言ってもダメだったらどうするか。
もう熱子にはある計画があったのだ。

ライブ当日の午後。
『ちょっと出かけるね☆』と書置きをして外出した熱子は浮かれていた。
髪はすぐに落ちるスプレーで染めて、メガネをかけて、服はちょっとダサめにしたら案外誰だか
分からなくなる。先輩アイドルが遊びに出る時、よくそんなことをしていたのを覚えていた。
「あたし地顔は地味だからなあ。メイクしてなきゃバレっこないよね」
とは思っていたものの、わざと変なカットソーを着て変な帽子を被っているせいもあるのか、本当
に誰も熱子に気付く様子がない。

385:未来のアイドル(幻) 2
10/06/11 02:10:35 VD5ztK1Z
メールによると花巻は今日のライブを見に来てくれるらしいが、その前にどうしても普通の女の
子として会いに行きたかった。
「さて…花マッキーの学校は、と…」
この街はそれほど小さくもない。駅前の交番で場所を尋ねてみると、ここからは少し歩くことに
なりそうだった。道はそれほど複雑ではないので迷うこともないだろうと思いながら、てくてくと
歩いていく。
「最初の曲がり角を左、か」
きょろきょろしながらも進もうとしていたら、突然角で誰かと出会い頭にぶつかってしまった。
「いったー」
「あ、悪ぃな」
制服からしてぶつかったのは中学生だ。
「ちょっと、痛いじゃないの!」
思わず声を上げた熱子に、相手は何となく面倒臭そうな顔をしている。早くここから離れたがって
いるのだろう。
「だから悪ぃって言ってんじゃん」
「そんなの謝ってることにならない、怪我してたらどうすんの、あたしア…」
アイドルなんだから、とうっかり言いそうになった熱子の顔を、相手は急にはっとしてまじまじと
覗き込んできた。
「…誰かに似てるって言われない?」
「え、さ、さあ…こんな顔、どこにでもいるでしょ」
「そうか、だよなあ…」
まさか後前田熱子と気付かれたのではと冷や汗がどっと出たが、それは何とか上手く誤魔化
せたようだ。しかし、次の言葉に思わずキレそうになる。
「熱子はこんなダサくないしな」
「なっ!」

386:未来のアイドル(幻) 3
10/06/11 02:11:20 VD5ztK1Z
何て失礼な奴だろう。熱子は変装しているのも忘れそうになった。
「でもなんか似てんなー」
「だからー、こんな顔よくあるってば」
「じゃあさ、痛い思いさせたみたいだから何か奢るよ。それでいいだろ」
中学生は熱子の手首を掴むと、側にあったカフェを目指して大股で歩いて行く。
「ちょちょっと、何であたしが…」
強引に引っ張られていく熱子は、全く訳が分からなくなった。

店内は涼しくて気持ちが良かった。
少し日差しの下を歩いていたので暑かったから、それは有り難かった。ただ、目の前に座って
いるのは名前も知らない中学生だ。それだから居心地が何となく良くない。
「昨日小遣い貰っといて良かった」
中身の少なそうな財布の中を覗きながらぶつぶつと何か呟いている姿が滑稽だ。
「あの」
「あ、アンタ…好きなの注文していいよ」
「じゃ、アイスティー」
「分かった、あ、俺安田。よろしくな」
注文を取りに来た店員に二人分のオーダーを頼んでから、急に馴れ馴れしくなった相手に熱子は
戸惑った。一体どういうつもりなのだろうと。つられて間抜けな返事になる。
「…はぁ?」
「アンタ、そのうちアイドルになるつもりだろ。そういうの、何か分かるんだよ。そしたら俺が一番に
ファンになってやるよ」
「いや、別にそういう気はないけど…」
「そうかぁ?後前田熱子って知ってるだろ、AKY108の」
「ああ…まあ知ってるような、知らないような」
「アンタやっぱ似てるんだよ。俺、熱子の一番のファンだからさ、アイドルで光る子にはそういう
オーラがあるんだよな!」

387:未来のアイドル(幻) 4
10/06/11 02:12:01 VD5ztK1Z
急にやたら饒舌になったかと思ったら、熱狂的なファンの一人だったかと熱子は呆れた。この手
のファンは飽きてしまうほど見ている。それでも、ファンでいてくれる気持ちは素直に有り難い。
こんな風に熱っぽく語られるほど自分は大層なものじゃないけど、と熱子は運ばれてきたアイス
ティーを飲みながら少し申し訳ないような気分になった。
「…あの」
調子付いたのか延々AKY108の話をしている安田の話を遮って、熱子は尋ねてみる。
「後前田熱子の、どこが好きなの?」
その質問に安田は何の疑問を持つこともなく、当たり前のように胸を張った。まるで恋人の自慢
でもしているようだ。
「そりゃ、何でも一生懸命だからだよ。レコーディングも一発でOKが出るように何度も一人で練習
するし、踊りも何時間だって満足なものになるまで稽古をする。だからあんな人数いるのにセンター
張ってるんだろ?大変だよな」
以前どこかのアイドル誌の取材で言った大嘘を、安田はそのまま信じ込んでいる。忙し過ぎる
のもあって、実際はそこまで練習や稽古に時間を掛けていない。だから失敗もよくある。
熱子はますます申し訳ない気持ちになった。

「じゃ、頑張ってすごいアイドルになれよ」
店を出て別れるまで、安田は熱子の正体を知らずにいた。一人で笑って、一人で盛り上がって、
一人で目の前にいる未来のアイドルがどれだけ輝く原石であるかを語った。
「ええ、まあその時があったらね」
「アンタならきっとすぐだから!」
安田はぶんぶん大袈裟に手を振って、帰っていった。
そうだね、もう少ししたらすぐにまた会えると思うよ。言葉には出さずに口の中で呟く。
「…帰ろうかな」
花巻に会いに来たつもりだったが、こんなところで大分時間を食ってしまった。それに、ファンの
あんな純粋な顔を見てしまったら、ちゃんとアイドルとしての仕事をしなければ申し訳が立たない。
「うん、帰ろうっ」
熱子の二度目の冒険は、こうして終わった。

「なあなあ、今日の熱子メチャ目が合う気がすんだけど、気のせいじゃないよな。こりゃやっば
俺の思いが通じたかぁ…どう思う?」
「あ、あの…」
ライブ会場で偶然安田と顔を合わせた花巻は、その後もずっとそんな妄想を語られ続けて拒否
することも出来ず、しかも会場の異様な熱気もあって今にも倒れそうになりながら、熱子が元気
に歌い踊るのを見ていた。






388:名無しさん@ピンキー
10/06/11 02:21:47 VD5ztK1Z
>>381
ありがとう。
キャラ的にも設定的にもエロは無理だろうと思ってたハデスだけど、書いたら
なんか慣れた。じぶんなりに書くとあんな感じになった。
結果的に生徒と教師の二人食ってるけどなw

389:名無しさん@ピンキー
10/06/11 03:05:11 /1cABJYD
>>384
なにこれ、2人ともかわいいw



390:アシタバ×花巻
10/06/11 10:58:39 Qy+sW4Yc
ドクン、ドクン。
どちらの鼓動かわからないくらいに高まる心音。
お互いに正座をして向かい合ってから何分位過ぎたのだろうか?
握る拳に汗をかきながら、アシタバは目の前に居る花巻を見た。
正座に両手は拳。顔を真っ赤に染め、俯く姿は自分ときっと変わらないであろう。
(男の僕がリードしなきゃ…っ)
緊張でガチガチの身体。なんとか立ち上がり花巻へと近付いた。

「花巻さん」
「は…ははははい!」

小さく身体を震わせる彼女はまるで小動物。その姿を可愛いと感じながら、アシタバは花巻の肩に手を添えた。



391:アシタバ×花巻2
10/06/11 10:59:21 Qy+sW4Yc
「その…始めよっか」
「…っ。よ、よろしくお願いします」

きっとお互いがファーストキスであろう。歯を当てないように気を付けながら、アシタバは震える唇を花巻の唇へと重ねた。

2人は付き合っている訳ではないし恋愛感情を抱いているかもわからない。じゃあ何でこんなことを?
それはコンプレックスだった。周りに居る人達に比べて幼い身体と顔立ちの2人。小学生に間違われる時もあった。
早く成長したい。大人になりたい。その大人に近付く為の第一歩として。2人はこの行動を選んだのだった。

(花巻さんの唇…すごく柔らかい)
(ど…どうしよう。恥ずかしくて目が開けられない)
舌を入れることなんて知らない。ただ唇を重ね合わせるだけのキスを数回。



392:アシタバ×花巻3
10/06/11 11:00:11 Qy+sW4Yc
「つ…次に進むね」

アシタバは確認するように告げると花巻の制服へと手を伸ばした。
年中発情期の安田が普段から色々喚いているおかげか。アシタバにもそれなりに知識はあった。
ベストを脱いでもらい、震える手でシャツのボタンを外していけば、薄いピンク色のブラジャーが目に入る。これはどうやって外すのだろうと戸惑っていれば、
「う…後ろにほほほホックが…っ」
赤かった顔を更に真っ赤にしながら、花巻がそう教えてくれた。
言われた通りにホックを外せば、お世辞でもあるとは言えない程の小さな胸が露になる。だけど形はよく乳首の色もとても綺麗なピンク色だ。


393:アシタバ×花巻4
10/06/11 11:00:50 Qy+sW4Yc
「さ…触るね」

その光景に。思わずゴクリと唾を飲むアシタバ。言葉と同時にそっと触れれば、花巻の身体がピクンと跳ねた。

(安田君の言ってた通りにすればいいんだよね)

安田の発言にはいつもヒヤヒヤしているアシタバも、この時は安田のお陰で助かったと思った。数回胸を揉んだ後、ピンク色の先端に唇を寄せた。そっと口へと含めば今までよりも大きな花巻の声。

「ん…っや…」

その声が可愛くて。アシタバは夢中で乳首を愛撫し続けた。

「あ…アシタバ君っ」

花巻の太ももがもじもじと揺れてる。これは次へと進んだ方がいいのだろうか?
手を下へと伸ばしたアシタバは、スカートの中へと差し入れショーツを撫でてみた。

「ひゃぁっ」

しっとりと湿ってる気がする。確認するかのように数回上下に撫でれば花巻の反応も強くなっていった。

「濡れてる…」

無意識に出たアシタバの言葉に。恥ずかしさから顔を両手で隠した花巻は今にも泣きだしそうだった。

「脱がすよ花巻さん」

その状態で何度も頷いた花巻。アシタバが脱がせやすいようにお尻を軽く浮かせれば、みるみるうちにショーツが脱がされた。


394:名無しさん@ピンキー
10/06/11 11:03:02 Qy+sW4Yc
頑張って書こうとしたが限界だった。
中途半端ですまない…orz

395:名無しさん@ピンキー
10/06/11 18:49:47 /4wYYAB8
なんつー放置プレイwww
だがGJ

この2人はコトが終わるまで何度もゴメンを連発しそうだな

396:名無しさん@ピンキー
10/06/11 20:27:15 pje6YJdK
経鈍からしばらく時間おいて覗いて見ればまた色々とGJなことで・・・

397:名無しさん@ピンキー
10/06/12 02:54:08 hYIP768+
>>382
>嫉妬のあまり涙目でハデス先生を責めちゃうみのりちゃん騎乗位

書きたくなったので書いてみた。
最初から書こうとするとえらく長くなるので、ここは省く。

鈍がハデスとの再会をきっかけに何か変なドーパミン分泌
「話したいことがある」とか何とか上手いこと言って夜の保健室で落ち合う
ガンガン言い寄られて、ハデスは拒むものの(ry
その頃、鈍の不在を不審に思った経一が手当たり次第に探しまくって学校へ
同じ頃、都合良く虫の知らせを感じたみのりちゃんがやっぱり学校へ
知らない同士が落ち合って保健室へ行くと、鈍がハデスにのしかかっている状況
幸い、キスと身体のあちこちを触ったぐらいで済んだ

この前提があって、続いてる話ということで。

398:保健室の夜 1
10/06/12 02:55:21 hYIP768+
急に不安を感じた美徳と、経一と名乗る謎の男が深夜の保健室に乗り込んだ時、そこには信じ
たくない場面があった。
ベッドの上で寄り添っている二人の男女。
ハデスと、経一によれば鈍という名らしい美女だ。
「美徳さん…どうしてここへ…」
二人の姿を見つけたハデスは呆然としていた。
「ふふっ…」
美女は駆けつけてきた二人の姿を見ても全く動揺することもなく、いとも妖艶に笑う。切れ長の
目とミステリアスな雰囲気が女から見ても魅力的だ。
「…逸人さん…」
美徳は頭の中が真っ白になった。
「お嬢さん」
美女はベッドから降りると美徳に近付いてきた。そして繊細な指先が顎を撫でてくる。挑発する
ような微笑は男なら誰でも心を蕩かされるだろう。それほど完璧だった。
「逸人は、とても素敵だったわ…じゃあね」
「待てよ鈍ちゃん!」
風のように軽やかに去っていく女の後を、経一は慌てて追い掛けていく。
残されたのはハデスと美徳の二人だけだ。

「あなたという人は…」
美徳はもう何もかも信じられなくなっていた。ハデスは隣で懸命に宥めている。
「弁解をするつもりはありません、ただ…鈍は昔からの友人で…」
「ただの友人と、あんなことをするのですか?」
「ですから、それは謝ります」
美徳にも本当は分かっているのだ。二人の着衣には少しの乱れもない。危惧することなど何も
ない筈だと。それでも、知らないうちにハデスが他の女とこういう行為に及ぼうとしていたのが
やはり許せない。

399:保健室の夜 2
10/06/12 02:55:59 hYIP768+
「私、嫌なんです…逸人さんが私に少しでも秘密を持つことが。そしてもっと嫌なのはそうやって
何もかも知りたがっている私自身です。そうやってどんどんあなたにとっての嫌な女になっていく
のは耐えられません」
「悪いのは全て僕です。美徳さんが思い悩む必要は」
「そりゃ…私はあの人とは全然違います。私はあの人みたいに大人じゃありません。すぐ怒るし
すぐ手が出るし…逸人さんをまだそんなに悦ばせられないし…」
こんな時に上手い言葉がなかなか出て来ない。いつもなら抱き寄せられるだけでも舞い上がる
ほど嬉しいのに、今夜に限っては心のどこかが凍てついている。
「つまり…怒っているんです。とにかく我慢出来なくて」
「美徳さん、本当に申し訳ありません…」
「ですから、お詫びの気持ちがあるのでしたら私の気が済むようにさせて下さい」
ほんのわずかな時間とはいえ、ここに他の女といたことは許すことが出来ない。顔を合わせて
いるととんでもない罵倒の言葉が出て来そうになるのを堪えて、美徳は着ているものをかなぐり
捨てるように脱いでいった。ハデスは驚いたように目を見張っている。
「美徳さん、何を…」
「あの人ほどにはなれなくても、私は逸人さんの為ならどんなことでも出来るでしょう。ただ、私に
隠し事をしようとしたあなたに罰を与えたいのです」
最後の一枚を足から抜くと、恥ずかしさで頬が熱くなる。けれど、こうして包み隠すことなく裸体を
晒すことで、どれだけ本気でいるのかだけは分かって欲しかった。
「ベッドに…寝て下さい」
命令をする声が不覚にも震えた。ハデスは何も言わずに素直に従っている。これから何をしよう
としているのか自分でもはっきりしてはいない。あるのはただ怒りの芯となる熱い情だけだ。それ
が絶え間なく燃え盛っている。今となってはもう止められそうもなかった。
「そうです、これから言うことを聞いて下さいね」
美徳の声は更に震えていた。

400:保健室の夜 3
10/06/12 02:56:44 hYIP768+
おぼつかない手で探り出したものは、既に熱を帯びていた。
これまでに全く経験はないものの、これも互いに高まる為には必要なことだという知識ぐらいは
あった。さすがに間近で目にすると完全に欲望の塊のようで、怖気を催してしまう。そんな気持ち
を懸命に堪えて先端に舌を這わせた。
「くっ…」
その刺激にハデスが耐え切れずに声を漏らす。
「まだです、まだこれから…」
握り締めているものは生き物のようにひくひくと脈動している。わずかな刺激に反応しているの
だと嬉しくなった。手管など何もないひどく拙い愛撫ではあるが、形に添うように丹念に舐め上げ、
舌先でつつくだけで充分なほどに手の中にあるものは大きくなる。
「逸人さん…」
これが、いつも自分の中に入っているのかと思うと不思議なほどだった。
逸る心がぶるっと身を震わせる。掴んだまま意を決して跨り、先端をまだ全然慣らしてもいない
膣の入口に押し当てた。
「美徳さん、いけません…まだ」
さすがにハデスが驚いて起き上がろうとするのを制して、美徳は婀娜な笑みを漏らした。
「いいんです、私がそうしたいんですから」
息を吐きながら腰を落としていくうちに、濡れてもいない粘膜が引き攣れる痛みで肩が微かに
震えた。少しずつ収めていくだけでも脂汗が滲むほど辛い。けれど決してそれだけは言いたく
なかった。
「あ、ぁ…」
「美徳さん、無理をなさらないで下さい。痛いでしょう?」
「こ、んなもの…痛くも何ともありません…それよりも…」
シーツに投げ出されていたハデスの手を取り、割れそうなほどの鼓動を刻んでいる左胸に押し
付けた。
「私が痛いのはここです。逸人さんを好きになったから感じる痛みです。でも、私は決して後悔
なんてしてませんから…隠し事だけは、嫌…」
「美徳さん、僕は何てことを…」

401:保健室の夜 4
10/06/12 02:57:19 hYIP768+
見交わす目が様々な色を宿した。言葉にならない思いだけがその中で弾け、霧散していく。
やがて、時間をかけてようやく全てが膣内に収まった頃、美徳の心身は異様なまでに高揚して
いた。
「逸人さん…ここにいる私は、あなたが作り上げた女です。あなたと出会わなければ、もっときっと
つまらない女でいた筈…」
はらりと涙が零れた。内部が馴染み始めると同時にゆっくりと腰が蠢く。
「ぅあっ…」
その刺激はひどく激しく、背がしなって膣内が驚くほど熱くなった。痛みよりも熱に支配されて
身悶える度に髪がふわふわと舞い上がる。まるで何かに操られてでもいるように男の上で腰を
振る美徳の表情は、それでもまだどこかに苦悶を残していた。
「美徳さん、そのまま…もっと罰して下さい」
「あっ…逸人、さんっ…」
いつの間にか膣内は愛液で潤っていたのだろう。もう痛みはそれほど感じない。むしろ、熱だけ
が更に身体の昂りを増させていく。もう、何も分からなくなりそうだった。不意に内部が締まった
のか、ハデスが低く呻く。
「やっ、あ…あぁ…!」
いつにない体位が性感を倍増させたのか、美徳は呆気なく達してしまった。
「あ…」
肩で息をしていると、ハデスが腕を伸ばしてくる。咄嗟のことにまだ頭がついていかないうちに
体勢を変えられ横たえられた。まだ膣内のものは収められたままで、相変わらず硬く大きい。
腕の中に抱き竦められながら、美徳は戸惑う。
「逸人さん…は?」
「僕はまだ、いかないですよ。美徳さんにお詫びをし足りていないですからね。さっきの言葉の
通りにあなたの気が済むまで幾らでもお詫びをして差し上げます。いいですね?」
こうして間近で見る顔は、今まで以上に優しく温かい。もう何に対して怒っていたのかどうでも
良くなってふっと微笑んだ。

402:保健室の夜 5
10/06/12 02:57:55 hYIP768+
「はい…もっとたくさんお詫びを下さい」
腕を回して抱きつき、身体の力を抜くと大きな手が頬を撫でて涙の跡をなぞる。
「では、愉しみましょう。美徳さん」
二人にとっての夜は、これから本格的に始まった。

「うふふっ…」
同じ頃、鈍はグラスを傾け、謎めいた笑いを漏らしていた。
久し振りに会った変わり者の友人は昔と随分様子が違っていると思っていたら、思った以上に
美しい娘と相愛関係になっていることを知った。
面白そうだからちょっかいをかけてみたものの、あの二人にとっては冗談で済まなそうなものが
あったので、早々に手を引いたのは正解だったようだ。
「逸人、なかなかやるじゃない…まあ、本当の試練はこれからだけど」
過酷極まりない罹人の運命に屈してしまわなければいいわね、と呟きながら飲み干してしまった
グラスを爪で弾いた。






403:名無しさん@ピンキー
10/06/12 04:16:35 AAlny3VL
…神!

404:名無しさん@ピンキー
10/06/12 08:34:28 2BRetIVZ
ハデみのGJ!!

405:名無しさん@ピンキー
10/06/12 10:10:49 nhqGVVqB
なんだ、ただの神か

406:名無しさん@ピンキー
10/06/12 14:03:56 X9I52rnR
騎乗位キタアアアアアアアア

407:名無しさん@ピンキー
10/06/12 16:09:49 vP8SI7k+
保健室のエロ神がわんさかいるスレですね

先生に妖しく絡む鈍ちゃんを見て
先生への恋心を自覚するみのりちゃんとか本誌でも来てほしい

408:名無しさん@ピンキー
10/06/12 17:11:37 dIzOPdb5
>>397-402
騎乗位神様、乙です

409:名無しさん@ピンキー
10/06/12 19:11:43 4elBkKCi
>>407

連載が続いたらそういう場面もあるかも知れない
ただ、今のところは全く自覚すらしそうにない状況だ

410:名無しさん@ピンキー
10/06/14 00:22:52 9IKF1+7L
3巻表紙も良かったけど、髪切った校長も可愛い

411:名無しさん@ピンキー
10/06/14 02:42:07 14aFtDG4
梅雨入り記念投下。

412:雨に抱かれる 1
10/06/14 02:43:11 14aFtDG4
一日中曇り空だったのに、天気予報が外れて夕方からは雨が降り始めた日曜日。
日付も変わる頃、一つの傘の下で寄り添う二つの影があった。
「…それでは、また明日」
「はい、おやすみなさい。今日は楽しかったです」
「僕もですよ、美徳さん。おやすみなさい」
「あっ…」
傘を美徳に握らせると、ハデスはそのまま濡れながら立ち去ってしまった。住んでいるアパート
まではあとほんの少し。別に雨に濡れたとしても大したことはない。それなのに、と申し訳ない
気分になった。
ハデスには、終始こういうところがある。
いつもこちらが恐縮してしまうほど細やかに気を遣う。それをさらりとやられるから、いつも気付く
のは事後だ。あの優しい男には無論何も不満はない。強いて挙げるとするならやはりそこまで
気遣われるのが心苦しいことだけだ。
「私、そこまでの価値はないんだけど…」
美徳はしばらく男の姿が消えていった方向を眺めていた。

部屋の明かりをつけると、もう何もしたくなくて服を着たまま乱暴にベッドに倒れ込んだ。せめて
入浴ぐらいはしておかないと疲れが取れないような気がするけれど、今日の楽しかった気分が
全部消えてしまいそうで怖くもあった。
「逸人さん…」
見慣れた部屋の中で一人きりになって思い出すのは、やはりあの男のことばかりだ。抱き合う
ようになってから、どんどん気持ちが傾倒していくのが自分でも分かる。むしろ、あまり良く知らず
にいた頃にきっと怖い人だと敬遠していたことすら今となっては惜しい。
他には誰も知らないことだ。性の匂いどころか普段の生活臭すら一切感じさせないハデスが、
二人きりになるとどれだけ優しくしてくれるのかを。それは学校での生徒たちに対するものとは
明らかに種類の違うもので、それを甘受しているのが自分一人だけであることを声高らかに自慢
したいぐらいなのだ。
「…っ」
抱き締められる感覚を思い出すだけで、胸がじんわりと熱くなる。

413:雨に抱かれる 2
10/06/14 02:44:08 14aFtDG4
あまりにもリアルな記憶とは逆に、先刻まで一緒にいたのに今はここに一人だけでいるのが妙
に寂しく感じて、両腕を回して自分を強く抱き締めた。出来れば今すぐ会いたい、あの声が聞き
たい、息が詰まるほど抱き締めて欲しい。
「…やだっ…」
一度思い出すと、脳裏に先刻までの出来事が止め処なく溢れ出してくる。つられて身体の昂り
も蘇ってきた。
「逸人さん…」
美徳は横たわったまま服を脱ぎ、熱を帯びた指先で身体を撫で回した。ハデスにされたことを
そっくりそのままなぞるようにブラのホックを外し、豊かに張り詰めた乳房に触れ、痛いほど強く
揉みしだいた。
「あっ…」
気持ちが良かった。ハデスは決して強引なことはしない、卑猥なことを言ったりもしない。だから
こそ抱き合う時には緩やかに燃え上がってしまう。そのようにして煽られた身体の熱はなかなか
引かずに篭り続ける。
今の美徳は、二人きりでいた時間の埋み火で寂しい気持ちを支えていた。
『綺麗な肌ですね、美徳さん』
囁かれた声を思い出して、探る手が一層熱っぽくなる。指先が乳首を弄ぶようにくるくると撫で
回し、摘まみ上げ、押し潰すように力を加えた。
「もっと…触って下さい…」
ここには一人しかいないのに、触れられる感覚だけが生々しく身体の上に残っている。行為を
追うように焦る指先がまだ身につけていたショーツを引き剥がした。
「そこです、もっと強く…」
自分ではあまり触ったことのない場所ではあったが、既に男の手によって隅々まで探られ尽くし
ていることが大胆さに拍車をかける。別にそう難しいことではない、ただされたことの通りに真似
をすればいいのだから。何ひとつ迷うこともなく、指は触れられるだけで痺れてしまう核を擦り上
げる。
「ぁっ…」
声が甘く蕩けた。
それでも、すごく気持ちが良くて夢中で真似をしても、あの繊細ながら的確に快感を引き出して
くれる指遣いにはどうしても辿り着けない。

414:雨に抱かれる 3
10/06/14 02:44:40 14aFtDG4
「どうして…」
こんなに恋しいのに、どうしてあの男はここにいないのだろう。そんな理不尽な寂しさに負けて
しまわないように、指の動きを早めていく。膣の入口の襞を撫で、様子を伺うように少しずつ浸入
させていく度に身体がおかしいほどに跳ねた。
「あ、ぁ…逸人さん…」
いつもされているように指先で内部の壁を擦り、爪の先で蹂躙し、出来うる限り奥まで抉っていく
うちにシーツをびっしょりと濡らすほどの愛液が溢れていた。それほどまでに感じやすい身体に
なっていることに恥じ入る余裕もないまま、空いている片方の手で乳房を揉む。
すっかり快楽の虜となった美徳の頬に涙が伝っていく。
「いい、とても…嬉しい…」
今はここにいない男に抱かれている。そう思い込むことで必死で寂しさを紛らわせていた。今は
もうそうするしかなかったのだ。

翌日、何事もなかったように美徳は出勤して来た。
昨夜の孤独な姿など一切感じさせない凛とした立ち姿に声をかける者がいる。
「おはようございます」
「あ、おはようございます、ハデス先生」
誰も昨日の二人を知る者はいない。特に後ろめたいものではないが、今はまだ秘密にしておく
方が何かとお互いに都合がいいだけのことだ。
「あ、袖口」
ふと、ハデスのシャツに目を留め、袖のボタンがひどく緩んでいるのを目敏く見つける。
「そんなことではいけませんよ、後で付けて差し上げますからお昼休みにでも持って来て下さい
ね」
「あ、すみません。才崎先生」
そんな、ごく当たり前の教職員同士としての遣り取りをしながらも、周囲の人目を盗んでそっと
近付いてみる。
昨夜のことは忘れていないというように、微かな雨の匂いがした。






415:名無しさん@ピンキー
10/06/14 04:10:21 qt4qFRN8
騎乗位の次は自慰か
GJが尽きんな

416:名無しさん@ピンキー
10/06/14 06:11:20 RKwRoFVW
みのりちゃんのオナニーか…股間が熱くなるな

417:名無しさん@ピンキー
10/06/14 06:21:40 LChCnvdJ
朝からいいもん見させてもらった!GJ!

418:名無しさん@ピンキー
10/06/14 12:50:10 DJknSHX5
経鈍きてたー!
マジGJ

419:名無しさん@ピンキー
10/06/14 22:25:30 laHzvDmP
ハデスの病魔は感情を食うらしいけど、性欲は辛うじて食われてないといいな。
エロが成り立たなくなったら困る。

420:名無しさん@ピンキー
10/06/14 22:47:11 5nhBt0Kd
食欲は既にやられてるっぽいし危ないな。

421:名無しさん@ピンキー
10/06/15 02:42:36 jECC6jVD
病魔にどの感情が食われているかは今後ある程度明かされるだろうけど、さすがに
性欲は出てこないだろうな。
気にしてても仕方がないので、今まで通りに書くことにする。

422:男嫌い 1
10/06/15 02:43:30 jECC6jVD
放課後の人が出払った職員室。
そろそろ校内を巡回しようと準備をしていた美徳は、ある若い教師に呼び止められた。
「…はい、何か?」
教師は何かを言い淀んでいる。なにか伝達があるのであれば早くして欲しいと軽く苛々しながら
も、決して顔に出さないように堪えている美徳に、彼は一大決心をしたような顔で告白してきた。
「才崎先生、僕と付き合って頂けますか?」
「はあ?」
「ですから、これから僕と…」
一体何を言われたのかすぐには分からず、首を捻ったまま考え込んでしまった。それを困惑と
捉えたのだろう、彼は更に具体的なことを言ってくる。
「あなたが好きなんです、才崎先生」
「困ります」
今度は即答した。もちろんハデスが心の中にいるからこその拒絶だったが、もしそうでなくても
誰かと交際することには抵抗を感じて断っていただろう。今になってもまだ男というものはどこ
か怖いと思っているのだ。
「好きな人がいるんですか?」
諦めきれないのか、彼は縋るように尋ねる。酷とは思ったが変に期待を持たせて焦らす気も特に
ない。
「はい…今とても好きな人が」
誰かを思って微笑む顔は、彼にとってとても残酷に見えていることだろう。そんな面をも持ち合わ
せていることに美徳は初めて気がついた。
それも恋の成せる技なのだろうか。

「そうですか…分かりました」
明らかに落胆した様子で職員室を出て行く彼を見送りながら、美徳は短く溜息をつく。誰も悪く
ないのだ。ただ誰が思いを寄せてきても受け入れる気持ちが美徳には一切ない。
「男なんて、嫌…」
無意識に呟いた言葉に自分自身驚く。随分長い間、男嫌いのまま過ごしてきて、それを当たり
前と感じていたのだ。誰も愛さなくても愛されなくても決して寂しいと思わず、このまま一人で
生きていくのだとばかり。
ハデスに恋をしたことでそんな感情は消えてしまったが、どうしてそれ以前の自分はそんな頑な
で嫌な女になっていたのだろう。
どう考えても分からなかった。

423:男嫌い 2
10/06/15 02:44:29 jECC6jVD
校内を巡回していると生き生きとそれぞれの部活動に精を出している生徒たちや、どこにも所属
せずに帰途につく生徒たちをいつものように目にした。みんなそれぞれに夢があり、恋をしている
のだと思うと感慨がある。
同じ年頃だった時、美徳には何もなかった。機械のように両親の言う通りに勉強をして、部活動
をして、帰るだけの日々。誰かに恋をして胸をときめかせたり、友達と遊びに行って羽目を外す
ほど楽しんだりといった記憶はない。
思えばつまらない毎日を過ごしていたようだ。そして、楽しみの蓄積のないまま大人になった今、
まともに恋と向き合うことになったのだから悪戦苦闘してもそれは当然だったのだろう。
「会いに行こうかな」
わずかに迷う心に言葉でけりをつけ、美徳は保健室に向かった。

保健室のドアを開ける。
「あ…」
中にはアシタバがいた。生徒は他にいないらしく室内は静まり返っている。
「才崎先生、いらっしゃい」
ハデスは今日も何一つ変わらない。あくまでも穏やかで優しい笑みを浮かべている。それが肝を
冷やすほどに怖いものであろうと、美徳にとっては心を蕩かすほどの微笑だった。
「校内巡回していたら喉が渇きまして。お茶を一杯頂けますか?」
「ええ、もちろん。すぐにお淹れしますからお待ち下さい」
急に緊張した顔になったアシタバの隣に座ると、ちらちらと何事かを伺うように目線を送られる。
少し前にある出来事があったせいだと思うが、今更それでどうこう言い訳をするのも変な気が
するので、とりあえずなかったことにしようと思った。
生徒たちに見せるいつもの顔でにっこりと笑いかける。
「何ですか?アシタバくん」
「…い、いえ、特に何も…」
アシタバは困り果てたようにしどろもどろになって目を伏せた。そして慌てて腰を浮かす。
「あの、僕ちょっと急用を思い出して…帰りますっ」
「じゃ…アシタバくん、そこのお菓子持ってってもいいよ」
丁度お茶を淹れ終わったハデスが声をかけたが、アシタバはカバンを抱えるとぺこりと頭を下げ
て、逃げるように出て行った。
「先生、じゃあさようならっ…」

424:男嫌い 3
10/06/15 02:45:15 jECC6jVD
「用事があるなら、仕方がないですね」
ハデスはわずかに寂しそうな声だった。
「ええ、本当に…」
あの真面目で小心な少年はこの場の気まずさに耐え切れずに帰ったのだと、ハデスも当然気付
いているだろう。だが、それについてはお互いの口から何も出て来なかった。その代わりに腹を
読み合うような応酬があった。
「ではお茶をどうぞ、才崎先生」
「ありがとうございます」
テーブルに置かれた湯呑みを手にする。一口飲むと気持ちがすうっと落ち着いてきた。そんな
美徳の様子を眺めながら、ハデスが静かに口を開く。
「珍しいですね、こんなところにおいでになるとは」
「そう、でしょうか」
「単なる僕の主観です、お気になさらず」
「会いたいから来たのです、いけませんか?」
二人きりでいるといっても、職場である保健室の中ではハデスの態度も口調もどこか他人行儀
に見える。それも当然のことだろうが、わずかに不満を感じた。
次の言葉を聞くまでは。
「いいえ、嬉しいです」
口調がわずかに変わる。その変化を感じ取って美徳は心が震える思いだった。もう誰もここには
入って来る気配がないのをドア際で確認してから、ハデスは隣に座る。
男という男はみんな嫌いな筈だった。なのにどうしてこの人だけは平気になったのだろう。それを
今更ながらに不思議に感じて、美徳は笑った。
「逸人さん、私…最初の頃はあなたを敬遠していたんです」
「もちろんそれは存じ上げていましたよ、美徳さん」
見交わした目にはお互いの姿しか映ってはいない。男嫌いでも、怖いと思う気持ちが残ってても、
目の前にいる男には決してそんな気持ちを持つことはないのだ。それが美徳にとっての幸せと
いうものなのだろう。





425:名無しさん@ピンキー
10/06/15 02:57:27 jECC6jVD
色々と気にしてたらエロ入れるの忘れてた。

426:名無しさん@ピンキー
10/06/16 02:59:18 SvXcniDy
久しぶりに覗いたら100近く伸びててワロタ

427:名無しさん@ピンキー
10/06/16 20:31:55 UfKNch84
操くんなのか操ちゃんなのか……正直あれだけ可愛ければもうどっちでもいい気すらしてきた。

428:名無しさん@ピンキー
10/06/17 00:06:56 Fk11QD5m
>>427
あの腰周りの露出具合、登場時のガキ扱いフラグからして、
8割以上の確率で女だと思うのだが。

429:名無しさん@ピンキー
10/06/17 01:41:06 PrZxQ0sG
アシタバに色欲の魔物が取り付いて校長から姉妹まで全て食い散らしてほしいものだ

430:淫感覚 1
10/06/17 02:55:13 tMDuFuDE
最初はわずかな異変を感じただけだった。
新しい服の生地が少しごわついていたか、季節の変わり目で一時的に敏感肌にでもなったのか
と思ってしばらくは軽い不快感を抱えたまま過ごしていた美徳だったが、ある日の朝に出勤して
きてから明確な感覚に襲われた。
誰かに身体を触られている。
もちろん直接ではない。そんな感覚を覚えているだけのことだ。けれど、はっきりと胸を触られて
いることが不快でならない。
そうは言っても仕事は疎かに出来ない。持ち前の責任感の強さで何事もないような顔を作って
遣り過ごすことにした。これはきっと何かの精神的ストレスか何かだとしか思えない不可解な
感覚だとしても。

「顔色が優れないですよ、どこかお加減が悪いのでは」
三時間目が終わった後の休み時間、美徳の変化を目敏く察知したハデスが廊下で擦れ違い
ざまに声をかけてくる。
「大丈夫です、少し眠れなかっただけですから」
咄嗟の嘘で誤魔化して急いで通り過ぎたが、何故かその時だけはあの不快な感覚は綺麗に
消え去っていた。
やはりあれはただの気のせいか何かの間違い。
そう思いたかった美徳の思いを裏切るように、授業を担当している間ずっと見えない何者かに
胸を揉まれ、下腹部を探られ続けた。そんなことは今までなかっただけに、原因は何かと勘ぐる
ことすらも出来ない。
焦りだけが大きくなるまま時間だけが無駄に過ぎていき、あらぬ刺激で身体に蓄積されていく
熱は考えられないほど膨れ上がっていった。

昼休み、ハデスは校長室に呼ばれていた。
三途川はデスクの上でいとも優雅に指を組んで、皮肉っぽく笑う。
「さて逸人くん、最近はプライベートも順調なようで何よりだ」
「茶化さないで下さい、わざわざその為に呼んだわけではないでしょう」
不愉快顔を隠すこともなく、ハデスは吐き捨てる。
「当然だ」
「…穏やかではありませんね」
不愉快さは一瞬にして消え失せ、神妙な表情へと変化していく。多少人の悪さのある恩師では
あるが、核心だけは外さない。何かまた一大事でもあったのだろうと容易に推察出来た。

431:淫感覚 2
10/06/17 02:56:00 tMDuFuDE
「実はな、このところ女子生徒に異変が起こっている。先々週は三年C組の村井、先週は二年
D組の伊藤という生徒が授業中に倒れて入院した。二人とも原因はと尋ねてもなかなか答えよう
とはしなかったが、検査の結果とんでもないことが判明した」
一息に言い切ってしまうのもためらわれることなのか、傍らにあったティーカップを持ってお茶を
飲む。
「何が、あったのですか?」
「奇妙なことに、性行為の痕跡と思しき傷のようなものが確認されたのだ。無論、両者共にその
ようなことをしでかすような生徒ではないと聞いている。共通しているのは朝から具合が悪そうに
見えたこと。そして授業中に突然面妖な声を上げて失神したことだ」
「面…妖?」
何事かと聞き返したハデスを眺め、空になったカップの陰で三途川はわずかに笑う。
「今の君なら分からんでもないだろう。まあその辺は察してくれたまえ」
「…そうしておきます。で、結論としては、そこに病魔が介在していたのですね」
「その通りだ。ごく最近まで大層微弱な気配しか感じなかったのでそこまで凶悪なものとは察知
出来なかった。だが、生徒二人を襲ったことで勢いづいたのだろうな。昨日今日になってやたら
はっきりと感じられるようになったぞ。ただ、気配を隠す為に拡散する性質もあるようだ。くれぐれ
も舐められるなよ」
「まあ、心しておきますが…僕にはまだ察知出来ていないのです」
実際、生徒に被害者が出ている以上、悠長に構えてもいられないだろう。手掛かりになるもの
は、と考えているうちにあることに思い至った。
「まさか…いや、聞いてみるだけでもやってみることにします」
「まあ、しっかりやってくれたまえ。期待してるぞ」
ハデスの口調に好転の兆しがあると見たのか、ほっとしたような顔になった三途川は無理矢理
に会話を締めた。

職員室で昼食を終え、手持ち無沙汰を隠す為に小説の文庫本を開いていた美徳は突然ハデス
に声をかけられた。
「才崎先生、ちょっとよろしいでしょうか」
「…はい、何でしょう?」
正直、身体に異変が起こっている今はあまりハデスに関わりたくなかった。言えばどのみち心配
をさせてしまうし、こんなことは些細なものに思えたのだ。

432:淫感覚 3
10/06/17 02:56:51 tMDuFuDE
「率直にお聞きしますが、今朝方から何か不調を感じていませんでしたか?」
廊下の隅で、ハデスは声を潜めながらそんなことを尋ねてきた。もしや何か気付いたのではと
危惧しながらも、あくまで平然を装った。
「…いいえ何も。どうしてですか?」
「このところ不審な出来事が校内で起こっているようですので、ご存知のことがあるのではと」
「さあ、私は全く…」
「そう、ですか」
ハデスの言う不審な出来事には心当たりがない。女子生徒が二人入院しているとは職員同士
の会話で知っていたが、もしかしてそれなのだろうか。だとしても、美徳には関連性が全然分か
らない。
「分かりました、お時間を取らせて申し訳ありませんでした」
名残惜しそうに背中を向けたハデスの姿が消える間もなく、しばらく収まっていたあのリアルな
感覚がまた蘇ってきた。
「あっ…」
突然のことだった。膣内に指を挿入されている。
今までにない感覚に、思わず座り込んでしまった。目に見えない、物質でもないだろう指が思う
ままに内部を探り尽くしている。少しでも身動きをすれば変な声が漏れてしまいそうで、美徳は
ただ身を硬くしているしか出来なかった。そのうちに、指どころではないものが押し当てられて
強引に突き進んできて、両手で必死に口を押さえながら声を堪えた。
「…っ、ぅう…っ」
きっちりと着ている服は少しも乱されていない、何も周囲には不審な者などいない。なのに確実
に犯されていることが信じられなかった。もしかしておかしくなったのではとも思った。いつ誰が
通りかかるか分からないところで、どうしてこんな目に遭っているのか考えるだけで本当におか
しくなってしまいそうだった。
「ダ、メっ…」
ズブズブと鈍く濡れた音が体内で響いている。角度を変えて突き上げてくるものが容赦なく美徳
の精神までを攻めたて、この苦しい責め苦から逃れようもなかった。
苦しい。
そう、こんな空虚な行為にはわずかの快感も感じない。悦びも達成感も微塵もない。ただ強引に
何者かに身体を侵食されているだけだ。

433:淫感覚 4
10/06/17 02:57:33 tMDuFuDE
「ぅ…」
この苦しみから逃れる為に、もう美徳は考えることをやめた。見えない何者かが満足してしまう
まで、されるに任せてしまった。
午後の授業はまだこれからだ。きっとまた同じような感覚を繰り返しながら何度も犯されるに違い
ないと、今から心が押し潰されそうになる。
「先生、どうかしたんですか?」
自分で身体を抱き締めたまま耐える美徳の前に、心配そうな声と共に手が差し出された。そこ
にいるのは鏑木真哉だった。
「…いえ、何でもないの…すぐ収まるから」
「お加減が悪いのでしたら、保健室に行きましょう。お手伝いします」
「本当に、いいの…大丈夫だから。ありがとう」
こんな状態の自分をハデスに見られたくない。ここまで追い詰められているのに、何故か変な
プライドが邪魔をしていた。ここは何としても誤魔化さなければいけない、と無理に立ち上がって
見せた。
「ね、大丈夫でしょ?」
「そう、ですか…」
出来るだけ平気な顔で歩き出した美徳に、最後まで心配そうに見ていた真哉もようやく諦めが
ついたようだ。
そのまま廊下をまっすぐに進み、角を曲がったところで再び耐えられなくなる。こんな時までどう
して意地を張ってしまうのだろう。素直に保健室に行けば良かったと心のどこかで自分を責める
声がする。
それでも、どうしてもこんな風になった自分をハデスに知られるのは嫌だったのだ。
見た目には何もされていなくても、身体の内部はもう汚れてしまったのだと悲しくなる。
しかし、本当の責め苦はまだこれから延々と続いていくのだ。




続く

434:名無しさん@ピンキー
10/06/17 13:05:19 /93mgW0A
不気味エロくていい!!
けど幸せになってほしいのも確かで胸にズンと来るな…

435:名無しさん@ピンキー
10/06/19 03:56:26 470CT1NW
続き書いた。

436:淫感覚 5
10/06/19 03:59:26 470CT1NW
昼休み終了の予鈴三分前に保健室にやって来た真哉は、いつもの元気溌剌とした様子とは
どこか違っていた。
「才崎先生を助けて下さい!」
「…どういうこと?詳しく話すんだ」
入って来るなり穏やかではない口調に色めき立つハデスだったが、つい先程の出来事を聞くに
つれて疑惑が核心に変化していくのを感じていた。
「何てことだ…」
「ハデス先生、これも病魔なのですか?」
「だと思う。ただ、才崎先生には何らの気配も感じなかった。多分別のところで病魔は遠隔操作
的に人を操っているのだろうね」
「ひどい…」
真哉は純粋に同じ女としての義憤を感じているようだ。それもそうだろう。ある日突然見えない
何者かのあらぬ欲望を叩きつけられたら、ただ困惑するだけだ。もし心が弱ければ発狂しかね
ない。そういう意味でも、この病魔の性質は女性に付け込む分悪質と言える。
「とにかく話は聞いたから、鏑木さんはそろそろ教室に戻りなさい。才崎先生は僕が必ず助ける
から」
「…本当?」
心配そうな顔が一瞬だけ輝いた。
「安心しなさい、僕はこの学校の皆を守る為にここにいるんだから」
「はい、じゃあ後は全てお任せしますね」
深く頭を下げて、真哉は教室に戻って行った。その直後に予鈴が鳴り渡る。
生徒が誰一人いなくなった後の廊下は驚くほど静かだった。この平穏を壊す者がいるとすれば
全力で阻止をする。改めてその決意を固めた。
この学校で、病魔などに勝手な振る舞いをさせる訳にはいかない。今回は既に被害者が出て
いる上に現在進行形で被害を受けている者がいる。いくら拡散して存在を隠していたからとは
いえ、明確に気配を感じることが出来なかったのは迂闊だったとしか言いようがない。そのせい
でもし取り返しのつかない事態になったらと思うと気が逸った。
「美徳さん、すぐに助けるから…」
普段生徒たちの前で見せるものとは全く別の厳しい顔で、ハデスは空を睨んでいた。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch