10/01/25 22:43:31 VuyEGsXn
スパッツと足と体のラインが実に卑猥だ
51:名無しさん@ピンキー
10/01/26 05:29:24 UiN/sqHv
花巻さんがせっけんをすべらせて体中泡だらけにして上から落ちてきたアシタバと絡むのですね
52:名無しさん@ピンキー
10/02/02 22:13:09 sHvF7yQv
単行本では是非、みのり先生の乳首加筆を!
53:名無しさん@ピンキー
10/02/03 12:53:05 TB6Etvw4
そのまえにシンヤだ
54:名無しさん@ピンキー
10/02/05 00:20:36 4abVQxlw
みのり先生の体つきエロ過ぎだろ
久々にジャンプ読んでて勃起したよ
55:名無しさん@ピンキー
10/02/05 03:40:36 7q39cXYt
鏑木さんをバックから突けないのか…orz
正常位はおk?
56:名無しさん@ピンキー
10/02/05 04:40:45 kCM9YhAY
校長は騎乗位
花巻さんも騎乗位で
みのり先生…やっぱ騎乗位で
57:名無しさん@ピンキー
10/02/07 19:10:05 NRYGfib5
校長に足コキされるハデス先生
58:名無しさん@ピンキー
10/02/10 18:28:23 ZuOxoGz7
淀橋さんとM田さんは、羞恥プレイとかいろいろできる
59:名無しさん@ピンキー
10/02/10 20:25:56 ySVq0VQx
刀哉を人質にとられて不良どもにされるがままのシンヤ
60:名無しさん@ピンキー
10/02/11 03:49:00 XKhaB2Ro
なんやかんやあって閉所に閉じ込められるアシタバと美玖
61:名無しさん@ピンキー
10/02/12 04:12:32 BkX8NoAj
そしてアシタバに病魔色欲(ラスト)が…
62:名無しさん@ピンキー
10/02/12 17:00:03 XjjdbkDf
色タバ「ハデス先生に浄化される前にみのり先生の体も楽しんでおこう…」
63:名無しさん@ピンキー
10/02/12 18:41:36 oy/LZAD1
スレあったのか
今まで気付かなかった
64:名無しさん@ピンキー
10/02/13 00:04:52 Vgxjl3SJ
体育の授業
山田「あのー鏑木さん、走ってる所写真にとってもいいですか?」
鏑木「え、いいけど… また変なこと企んでるんじゃないでしょうね?」
山田「い、いや、体育祭に向けて特集の記事を作るためで、私は変な事なんて企んでないですよ、ホントに…!(企んでるのは淀橋さんだし…)」
鏑木「そう。 今度はしっかり作ってね」
山田「は、はい…(何か心が痛むなぁ…)」
山田「で、今度はどういう計画ですか?」
淀橋「フフ…あの事件で僕も一回り成長した
「五月蠅」は僕に報道の神髄を垣間見せてくれたんだ 「捏造」「脚色」は文章に留める必要がないんだ
コラージュだよコラージュ!
鏑木は手強いし非の打ち所が殆どない、だからコラージュで鏑木の痴態をでっちあげるんだ!」
山田「うわぁ…器は一回り小さくなってる…」
淀橋「そういうわけで程よく上気した鏑木の顔がここにある あとは痴態…姦通してる男女の写真が必要だ」
山田「かっ、かか姦通って……! そ、そんなの撮るの鏑木さんの生痴態より難しいんじゃないですか…?」
淀橋「お前は本当に間抜けだな! 僕とお前、なんのための二人きりかわからないのか!」
山田「えっ…」
ビリッ
山田「きゃああ!」
淀橋「おっと、いい具合に服が破れたな… いいぞ、そうやって抑えてろ… 裸の女なんぞどこでも撮れる、「常中の女子」であることが写真の信頼度を増すからな」
パシャッ パシャッ
山田「さ、最低…! 最低です! 淀橋さんは最低の変態です!」
淀橋「はは! いいね! 人の気持ちを踏みにじるのは最高だよ! お前のプライバシー、奥まで覗いてやる!」
山田「いやあ! やめて下さい!」
淀橋「オラッ 僕の上に馬乗りになれ!」
山田「こ、こんな格好…!ひどい!鬼畜!」
65:名無しさん@ピンキー
10/02/13 21:07:41 t9kltWJr
>>64
GJ!
M田こと山田は、なんだかんだ言いながら、体を許してしまうタイプw
66:名無しさん@ピンキー
10/02/13 23:10:27 DplZ3YzB
GJ! 良かった
67:名無しさん@ピンキー
10/02/16 12:46:03 dedBhfwv
ハデス先生とみのり先生で校内エロを書きたいが、おそらくガチ童貞であろうハデス先生が攻めてる姿を想像出来ないというジレンマ。
68:名無しさん@ピンキー
10/02/17 22:22:37 n6Zomk5a
>>67
別にハデス先生が攻める側とは限るまい。
ツンデレしつつ、みのり先生が優しくリードでも
いいのではないか?
69:名無しさん@ピンキー
10/02/17 22:32:36 oXh7eKf5
童貞だな
70:おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA
10/02/21 00:38:13 +MZvoVeM
今週の運命によるTSネタいきます。
NGワードは、私のトリで。
消える―
『それ』は、今まさに消えようとしていた。
自然に迎えた消滅ではない。圧倒的な、自分よりも上位の存在に、咀嚼されつつあった。
助かる術はない。しかし、
―なんだって!?なんで早く教えてくれないんだよ!そうしたら俺も熱子と―
一筋の光が見えた。助かるかもしれない。
―ああ、くそ!いいなあ、あいつら!つうか花巻!俺も熱子に―
かもしれないではない。運命の名を冠した病魔は、自らのもとに訪れた幸運に飛びついた。
◆◇◆◇◆
「くっくっく―」
薄暗い部屋の中、一人の少年が不敵な笑いを漏らしていた。少年の名は、安田貢広という。
『まだか、旅人よ……』
「ああ、もういいぜ。早速頼む」
今、安田の目の前には、車輪に絡まった女がいたが、それはそもそも人ではなかった―病魔
という存在なのだが、ここでは説明を割愛させていただく。
安田はこの病魔『運命(フォルトナ)』と、昼間、AKYのライブ会場近くで出会った。
病魔には、それぞれ特殊な能力があるが、フォルトナには、人の魂を入れ替える力があるらしい。
力については、安田がフォルトナと出会う前に、安田が憧れているアイドルと、
安田のクラスメイトを入れ替えたらしいので、確かなものだ。
問題は、誰と入れ替わるかだが―
「頼むフォルトナ!俺と、熱子の体を入れ替えてくれ!」
望むは、安田が憧れているアイドル後前田熱子(18)だ。
誰と体を入れ替わるかについては、安田も相当悩んだ。クラスメイトのイケメンになって
女にもてもてだとかも考えた。しかし、
(どうせ明日にはハデス先生が無理矢理戻すだろうし、一晩で楽しみまくってやるぜ!)
そう、イケメン藤はもう既にこの病魔のことを知っている。入れ替わってもそんなに
遊べないだろう。
ならば、量よりも質。自分自身が女の子になり、ありとあらゆる姿を記憶におさめてくれるわ。
他にも、女の体を一晩楽しむならと、鏑木や才崎先生といった選択肢も浮かんだが、
やはり人間―いや男として、これから一生お目にかかれないであろうものを選んでしまう。
もちろん、上記の女性たちの、具体的には全裸等を拝む機会も、今のところは予定にないが。
(見る!俺は見るぞ!そして焼き付ける!)
「さあ!フォルトナ!さあ!」
ばっちこい。安田は思わず、右拳を左手の平で受け止めたりしていた。
71:TSネタ ◆2nkMiLkTeA
10/02/21 00:40:49 +MZvoVeM
『わたしも、その願いを叶えたいのはやまやまなのだが……入れ替わる相手はどこだ?』
「は?」
肩がこける。まさか。おい、まさか?
『相手がいなければ、わたしは力を使えない……』
がくん。あまりの失望に、全身が脱力する。床に這いつくばりながら、安田はなんとなく、
この展開を予想していた気になっていた。
(そうだよな……そんなうまい話ねえよな……)
しばらく、その体勢のままで時が過ぎた。一気に力が抜けたため、立つ気力がわかない。すると、
『た、旅人よ、案ずるな……おまえが真に願うならば、わたしは必ず叶えてみせよう……』
「……ほんとか?」
がばっと起き上がる。顔はマジだ。
『う、うむ……たぶん……』
「よし、絶対だぞ!」
再び安田の瞳に闘志が燃えた。彼の親御さんは、このエロに対する情熱を少しは
勉学なりスポーツなりに燃やして欲しいと思っているはずだろう。
「うおおおお!俺と!熱子の体を!入れ換えてくれぇぇえええ!」
こんなに叫んで、親御さんは気づかないだろうか?そんな疑問は、今の安田には浮かばなかった。
そして、例え彼の両親が怒鳴り込んできても、もうそこにいる彼は、“彼”ではなかった。
◆◇◆◇◆
「―で、なんでこうなるんだよ!」
薄暗い部屋の中で、一人の少女が叫んでいる。少女の名は、花巻美玖という。
しかし、今彼女の体の中にある魂は、本来あるべきものではなかった。当然、安田だ。
「俺は熱子を願ったんだぞ!」
『どうやら、なれない遠隔入れ替えのせいで、昼間の組み合わせが混ざったらしい……すまない』
花巻という少女は、とても恥ずかしがり屋で優しい。だから、普段はこんな怒鳴ったりは
しないし、怒りをあらわにした表情はしない。
彼女の両親に今の怒鳴り声が聞こえたら、心配して部屋までやってくるかもしれない。
安田は少し声を潜めた。
「たくよー……こんな子供っぽい―」
ぶつぶつつぶやきながら、おもむろに胸に手を当てる花巻(IN安田)
途端に広がる、男の体には有り得ないほど柔らかい感触。
確かに、花巻は子供っぽい。子供っぽいが―これはこれで。
72:TSネタ ◆2nkMiLkTeA
10/02/21 00:44:13 +MZvoVeM
それに、彼女は結構、いやかなりかわいい。にやっと、花巻の顔が、普段の彼女では
想像もできないいやらしいものに変わった。
「ま、いっか」
『そうか、では旅人よ……この車輪が―』
「あーはいはい。じゃ、おつかれさん」
安田は、フォルトナが完全に居なくなったのを確認すると、部屋を見回した。目当ての物を探して。
「鏡、鏡っと。あ、あった」
それはすぐに見つかった。都合がいい、全身が写る姿見だ。
「ふんふーん」
安田の機嫌は最高潮だった。鼻歌など歌ってみたり。
それにしても、普段はあまりちゃんとした声が聞けないから知らなかったが、
花巻は結構かわいい声だ。
これでカラオケに行ってAYKの曲でも歌ったら楽しいかもしれない。
(明日学校ふけようかな)
割と本気で翌日の予定を立てながら、ついに安田は花巻の体を鏡の前に晒した。
「へへへ……あ、あー……安田くん……好きです」
上気した頬。潤んだ瞳。両手を前で組んだりしつつ、安田は思わずつぶやいた。
やっぱりこういうことはやっちゃうらしい。
(うわ!かわいい!)
パジャマ姿というのがまたそそる。
(つ、次は……)
もう心臓はバクバクだ。あと、股間が熱い。今の安田に竿はないのだから、
熱を発してるのは当然―じゅんっと、何かが溢れ出す感覚がした。
「ねえ、安田くん……見たい?」
何をだこのスケベ女!少しにやけた顔がいやらしいわ!花巻がこんな淫らな女だったなんて……
(まあ、全部俺がさせてんだけどな)
そのことが、ますます安田を興奮させる。今、鏡の前に写っている少女は、
自分の思い通りになるのだ。彼女のすべてが、自分のものだ。
そう意識した瞬間、頭がかっと燃えた。
まずは、パジャマのズボンを脱ぐ。白い太ももが目にまぶしい。
それに、今の自分の手足が、すごく小さく、可愛らしいものになっているのが、さらに興奮を促す。
鏡を見ると、パジャマの上着の裾に、ちらちらと花巻のパンツがちょっとだけ見えた。エロい。
上半身は―パジャマ姿とはいえ―普段の可愛い花巻なのに、下半身はすっごくエロい。
これだけで向こう半年は、おかずに困らない気がする。
だが、今の自分はこれ以上のものを拝めるのだ―むふーっと鼻息が出る。
鏡の中の花巻は、もはや顔までエロエロだ。
焦りながら、パジャマの上のボタンを外す。なかなかスムーズにいかないのがもどかしい。
73:TSネタ ◆2nkMiLkTeA
10/02/21 00:46:46 +MZvoVeM
やっと終わり、それを脱ぐと、下着姿の花巻が鏡に写っている。
(こうして見ると、やっぱガキっぽいな。下着もガキだし。でも)
視線を下に移す。そこには、ささやかながらも立体的な膨らみが!
この角度から胸を見ることなど、普通の男にはできないだろう。あの藤だって。
(ふふん、ざまあみろ)
さて。下着を見て、それでおしまいというわけでは、当然無い。もっと先、
神秘な女体の奥地まで、足を踏み入れる気まんまんだ。
(というわけで第一歩!)
下着の上から、わずかな胸に触れ、撫でてみる。なかなかのさわり心地だ。
だが、そのまま撫でていたら、なんだか物足りない気がしてきた。
「んっ……」
(やっぱ、直接……)
胸を撫でながら、下着を押し上げ、取っ払う。改めて上から胸を見てみると、
(乳首……立ってる……)
はぁはぁ。じっと、その勃起した部分を見ていたら、それに誘われている気がした。
触ってほしい、ひねってほしい。すり潰してほしい。そう言っている気がする。
なら、やらいでか!安田は本能のままに動いた。
花巻の乳首をつまむ。ひねる。つぶす。ひっぱる―
「ひゃう!ひん!くぅ!やん―」
何かするたびに、体は敏感に反応した。すべて気持ちよかったことには、変わりないが。
―もう、立ってられない。
(でも、その前に……)
身をかがめ、体を隠す最後の一枚を脱ぎ捨てる。既に濡れている陰部から、
パンツに伸びた銀色の掛け橋がいやらしい。
これで、正真正銘、全裸だ。視線を上げると、直立不動の花巻がいた。いつものように
顔を真っ赤にして、初めて見る裸体まで真っ赤。
その場で一回転してみる。ぷりぷり揺れるお尻が可愛らしい。
(裸エプロンとか、いいかも)
あとで着てみようか。期待に胸膨らむが、今はとにかく、股間の切なさをなんとかしよう。
鏡の前に座り込んだ花巻の体に、M字開脚をさせる。まだ毛が生えていないそこが、少し開いた。
(うわ、すっげ)
こんなものを見るのは当然初めてだ。もちろん触るのも―恐る恐る、安田は手を伸ばした。
両手を割れ目の左右にあてて、引っ張る。くぱぁ―中はサーモンピンクだ。
「これが……ま○こ……」
74:TSネタ ◆2nkMiLkTeA
10/02/21 00:51:36 +MZvoVeM
ま○こなんて、花巻は言ったことないだろう。一生言わないかもしれない。なら、
花巻がこの言葉を言ったのを聞いたのは、自分だけだ。
「え、えへへ」
思わず笑顔になる。変態だ。だが、変態でかまわない。
安田は、今度は右手の指をま○この真ん中に添えると、上下運動を始めた。
既にとろとろと溢れてきていた愛液が、絶好の潤滑油だ。
「んんっふぅ」
―ああ、あの花巻がオナニーしてる。
最高だ。病魔さまさまだ。安田は、鏡に見せつけるように腰を持ち上げると、
次第にこする手を激しくしていった。
「あんっあんっあんっあんっいいっ!オナニーってさいっこう!」
エロくていやらしくてオナニーだいすきないんらん女―それが花巻美玖。それが今の自分。
最高だ―
いつの間にか、安田は膣内に指を入れていた。おそらく処女であろうそこはせまく、
きゅうきゅうに指を締め付けてくる。
最初は単なる出し入れだったが、動きに変化を加えるともっと気持ちいい。少し指を曲げてみたり―
「ひゃううっ!」
瞬間、今まで以上の快感が、稲妻のように全身をかけめぐった。
「いっ今のはっ、たしかっこの―きゃう!」
見つけた。ここに間違いない。
安田はそう見当をつけると、そこを重点的に攻め始めた。
「ひぃ!あんっ!あへぇここっ!すごいぃぃぃ―」
次第に、指を早めていく。そして、ついに―
「いっひゃあああああああ―」
はじけた。
◆◇◆◇◆
一方―
「これは夢これは夢これは夢これは夢―」
寝る直前だったのと、あまりの混乱に昼間のことなどまるで思いつかず、正真正銘の
花巻美玖は現実逃避していた。自分の体がどうなっているかも知らずに。
翌朝。変質者扱いされながらも、花巻家に安田(IN花巻)と鏑木を連れて突入した
ハデス先生により、二人の姿はもとに戻った。
その際、まだ寝ていた花巻(IN安田)のあられもない姿を見てすべてを悟った返し刃により、
安田は本気で殺されかけたのだが、まあ、自業自得だろう。
以上。
勢いだけで書いたので、誤字脱字は許してください。
最近の保健は面白くなってきているので、連載が続くことを祈って。
75:名無しさん@ピンキー
10/02/21 00:57:57 VR+lxCoF
GJGJ!
文章も上手いし何よりエロくていい!
オチも笑わせて頂きましたw
76:名無しさん@ピンキー
10/02/21 12:41:56 ky7Rs22S
GJ!!!!!!
涙目になった花巻さんにポカスカ殴られる姿が目に浮かぶw
77:名無しさん@ピンキー
10/02/23 01:30:02 al6NFE3L
みのり先生がすっかりレギュラー化したな。
しかし、なんであんな胸元を露出したウェアでマラソンをw
78:名無しさん@ピンキー
10/02/23 05:43:33 WTegLyjo
だってそれ以外みつからなかったんだよ
79:名無しさん@ピンキー
10/02/25 01:35:37 WIN6JlGN
一応あげとく
80:名無しさん@ピンキー
10/02/25 01:44:24 8Y4Mhtkf
もっと露出していいんだよ
81:名無しさん@ピンキー
10/02/27 19:23:15 EtanXFKr
夏になればプール開きという絶好のイベントがあるけど、あの学校ってプールあるのかな?
82:名無しさん@ピンキー
10/03/01 11:25:49 70y7I76T
>>81
そりゃあるだろうけど
進級しないでサザエさん方式じゃないとファッションリーダーの水着が見られないという地獄
83:名無しさん@ピンキー
10/03/03 00:24:47 A7Tj1m91
今週藤でシメたのがなんか勘繰ってしまう
84:名無しさん@ピンキー
10/03/03 02:10:14 usdlZ1Gg
多分サザエさん式だから心配要らないだろう
みのりちゃん好きな先輩も特に「今年が最後なんだ~」みたいなこと言ってなかったろ
85:名無しさん@ピンキー
10/03/03 03:48:15 /3DDfLrM
そういや三年は卒業間近か。バレンタインの後だから二月の中旬以降だし
三年キャラが高校受験でドタバタしてない様子だと確かにサザエさん方式かもな
86:名無しさん@ピンキー
10/03/03 05:59:50 1ANyPoBa
どうかんがても次は、藤でしょう
87:名無しさん@ピンキー
10/03/05 00:06:19 siHlMiIa
花巻は藤が好きなのは確定?主人公はハデスなのかアシタバなのか
88:名無しさん@ピンキー
10/03/05 21:01:02 rQyMpI/8
サザエさん方式だと新入生がなぁ
89:名無しさん@ピンキー
10/03/06 02:15:07 Dibi8pYx
どっちが主人公なのかは、のび太とドラえもん的な感じだな
違うのは主人公を中心に事が動いてないことだけど
90:名無しさん@ピンキー
10/03/15 04:25:29 GKfqOu4p
ホワイトデーは、やらないのかな…
先生は返さないといけないでしょ?
91:名無しさん@ピンキー
10/03/15 09:16:42 vexyipcV
もうしばらく藤だろ
92:名無しさん@ピンキー
10/03/16 03:34:06 Kytylr3G
何で花巻さんも連れてってあげなかったのさ
93:名無しさん@ピンキー
10/03/17 21:08:17 A5et1U6a
>>92ショック死したら困るだろ?
94:名無しさん@ピンキー
10/03/21 20:44:19 cjypjdwU
兄が婚約の説明をすると「憤怒」が一気に好きな娘がいるって叫んじゃう展開
八人目の「欲望の麓介」が登場、一切の自制心なしに花巻かシンヤをメッタメタに
犯している展開
エロパロ的にはこんな感じか
95:名無しさん@ピンキー
10/03/24 18:54:39 U4yciUJD
美玖ちゃんが藤をおかずに一人エッチ
96:名無しさん@ピンキー
10/03/26 00:53:35 oZccRPQe
ちょっと聞きたいんだが、おまいらはエロだけあればいい?
それとも、あったらあったで前後の流れも読みたい?
>>94じゃないが、欲望の麓介設定で妄想が広がりんぐしたから書き始めたらクソ長くなってどうしようかと
板的にはエロだけありゃいいような気もするんだが
ちなみに麓介×花巻・熱子
97:名無しさん@ピンキー
10/03/26 20:47:29 em1gFFvp
>>96
何レスくらいかな。適当に端折ることはできないの?
あまり長いようならエロだけでもいいかな…。
とりあえず任せるから、投下を待つ。
98:名無しさん@ピンキー
10/03/26 22:04:29 BGrNpAtP
>>96
全部読みたいかな
99:名無しさん@ピンキー
10/03/26 22:35:48 HrrBH5ne
>>96
全部にもう一票
100:名無しさん@ピンキー
10/03/28 17:27:26 rlTFvIST
>>96
全部がいいです
101:名無しさん@ピンキー
10/03/28 17:44:09 JBKqx16Q
>>96
全部で。
エロだけがいい人は自分で読み飛ばすと思うし
102:名無しさん@ピンキー
10/04/04 23:51:40 McyvVru2
期待
103:名無しさん@ピンキー
10/04/05 18:36:08 iMm7WvlN
亀姉さんの加筆修正は必要だったのか?
104:名無しさん@ピンキー
10/04/10 01:22:21 /XyKagdi
必要でした
105:名無しさん@ピンキー
10/04/10 10:00:17 w+ERaMP6
俺は縞パンだけあればいいや
106:名無しさん@ピンキー
10/04/10 22:46:00 m1cX3yDW
麓介兄嫁が気になる
美人だろうか?
猫かぶりでシンヤみたいなガサツタイプだと楽しそう
107:名無しさん@ピンキー
10/04/11 12:57:13 P0q/HfXw
家のこともあるし表紙の子とは結婚できなかったんだよね?
108:名無しさん@ピンキー
10/04/11 21:48:03 liwAMjkr
本当に兄は既婚者なのってくらい家の中に兄嫁の影がなかった
外出中だったのか、とんでもなく大人しい人なのか義弟に全く興味ないのかどれだよ
兄と兄嫁政略でもなんだかんだで仲良いと良いな…
109:名無しさん@ピンキー
10/04/11 22:08:46 q3r8kNeP
ふむ
110:名無しさん@ピンキー
10/04/12 01:24:38 s9PBmvpN
なかなか次のお誘いができないみのり先生に病魔が取り付いて、
妙に積極的になったみのり先生にハデス先生たじたじ
病魔の仕業と気づくもみのり先生に押し倒されて性的に咀嚼される
という展開だな、この次は
111:名無しさん@ピンキー
10/04/13 00:34:58 HIEbOag6
ツンデレに拍車がかかるみのり先生に惚れたw
>>110のように、再度病魔に罹患してエロく迫ってほしい。
112:名無しさん@ピンキー
10/04/13 12:35:16 vGYSbP09
今週ラスト、自分ちでやけ酒のみのり先生を見て
酔った勢いでオナニーするみのり先生を想像した
エロ安田がバッチリ覗いてるわけだが
113:名無しさん@ピンキー
10/04/13 21:50:20 zxbooSbk
「病魔を一度克服した人間は、精神的に成長するので二度はかかりにくい」
という設定も、全く成長の見られない安田にはほぼ無効。
3度目のエロ病魔にとりつかれる日も近いなw
114:名無しさん@ピンキー
10/04/13 23:32:28 63VFdkOU
今度は生徒避けに居酒屋にハデスを誘うみのりちゃん。
ふだんの一人酒で鍛えてある為、つぶれたりはしないはず。
大丈夫、今度こそお礼を…
(ちなみにハデスは「同僚と飲みにいく」事にも憧れてたのでまた感涙)
それでやっぱり予想通り(酒を間違えるとかで)
みのりちゃん酔いつぶれる。
とりあえず介抱しなくては…
というわけで困惑しながらも夜の保健室へ連れてくハデス。
という電波を受信した。
115:名無しさん@ピンキー
10/04/14 00:30:48 JkT2jTqS
藤が自分に正直になって保健室に花巻ちゃんを連れこむのはまだ?
116:名無しさん@ピンキー
10/04/14 00:56:57 d8t1cG1W
>>115
いいな、それ
117:名無しさん@ピンキー
10/04/14 20:34:50 HtKNK8fT
>>115
花巻さんを押し倒した藤
見つめ合う二人
その時、隣のベッドには酔いつぶれたみのり先生を寝かせるハデス先生が
118:名無しさん@ピンキー
10/04/16 16:58:58 fzTG9y3I
>>113
スピンオフで毎回安田がエロ病魔にかかって女生徒たちがいやーんな目に会うトラブルみたいなマンガ始まらないかな
119:名無しさん@ピンキー
10/04/19 16:30:01 izJDW/tr
それよりも刀哉が四姉妹…は無理でも竜美さんから雀ちゃんを攻略するギャルゲがでないかな
120:名無しさん@ピンキー
10/04/20 00:17:01 WBji73ip
今回見ると藤×花巻は公式カップリングなんかな
影薄いアシタバにも誰か宛がってください
主役?なのに最近出番的に不憫だ
121:名無しさん@ピンキー
10/04/20 04:37:51 urRlkFCo
まだ×の公式確定ではいんだろうけど、藤←花巻がはっきりしてる上に
今までの描写から考えたら、この組み合わせの可能性はかなり濃い気がする
122:名無しさん@ピンキー
10/04/20 04:59:05 akKYYUWd
花巻人気だの
てか雀ちゃんは常伏じゃないのか
123:名無しさん@ピンキー
10/04/24 15:34:58 ELU2QdpK
ハデス先生にはみのりちゃんが出て来たわけだから、アシタバにはシンヤ?
けど、シンヤとのこれまでの絡み考えると、美作や龍黄の方がピンと来るんだよな・・・。
本屋回で花巻フラグが立ったと思ったのは一瞬だったしな。
124:名無しさん@ピンキー
10/04/24 21:57:10 DXOj/MVJ
>>123
本編では一瞬だったけど2巻の嘘予告みたら
アシタバと花巻もアリだと思った
125:名無しさん@ピンキー
10/04/25 22:58:02 KftBCh4W
>>122
制服違うからな
常伏でもシンヤが元いた中学でもない
龍黄→シンヤは恋愛には発展しなさそうだなあ
126:名無しさん@ピンキー
10/04/26 01:34:20 sBDRx4gP
リュウキは「学ランあるから…」といったときの様に
好きだけどそれを隠してる、みたいなキャラで行くべきだった
127:名無しさん@ピンキー
10/04/26 03:12:26 C5JQjDYH
>>114
保健室じゃなくてみのりちゃん家に行って思いっきりギシアンすればいいんだよ
128:名無しさん@ピンキー
10/04/26 20:02:31 p8LfWKWC
全くだ、さっさとやることやっちまえよ!飲ませて酔わせてギシアンだろうが!!
129:名無しさん@ピンキー
10/04/27 09:50:22 D9kAbGAd
安田
自重
130:名無しさん@ピンキー
10/04/27 20:29:03 8+3rzaCX
今週目玉の病魔に罹ってた女の子がめちゃくちゃかわいい
あの悲痛そうな表情がそそる
131:名無しさん@ピンキー
10/05/02 00:14:59 P6CG/LY/
鈍が足も抑えてと注文してる辺り、騎乗位固定して自らを逃げられないようにした後に子宮をガン突きされるのが好きなのだと
それ以前にビアンかもしれない
「男の子は初めてなのよねぇ」とか言いながらアシタバ君に膜破られるお話希望
132:名無しさん@ピンキー
10/05/02 07:36:45 juwXEiLM
花巻さんはまだ?藤とイチャイチャでも病魔にグチョグチョでもいいから
133:名無しさん@ピンキー
10/05/02 11:15:30 53PONKj1
今更思ったけど、ちょっととろくさい花巻さんがあんな上手い具合に持ち上げられるわけがない
絶対体勢崩れて藤がスカートに顔つっこむオチになるだろ
134:名無しさん@ピンキー
10/05/03 01:36:58 dwIKR0Vl
ちょっと頼み込めば保健室の鍵くらいすぐ借りれそうだな
135:名無しさん@ピンキー
10/05/09 23:27:25 HJPrZEKx
>>133
しかも、藤に抱え上げられていることで緊張して、体勢保てないだろうな。
136:名無しさん@ピンキー
10/05/15 21:05:56 ho4Us0r+
早売り買ったが、エロパロ向け過ぎで笑ったww
137:名無しさん@ピンキー
10/05/16 09:27:31 08y7FW5c
花巻ちゃん期待
138:名無しさん@ピンキー
10/05/17 07:12:29 ZOxHD+rU
アシタバって主役だったんだ・・・・・・
相手が花巻さん以外適役いなさそうだけど、藤がいるし・・・どうしたことか
139:名無しさん@ピンキー
10/05/17 13:51:57 Gp1FNSU/
>>139
一応シンヤがいるぞ
現状お互いに脈ゼロではあるが
140:名無しさん@ピンキー
10/05/17 17:54:02 Dr8KYK5J
アシタバは年上のお姉さんが合ってると思う
花巻の手帳の中身、最近は藤関連どんなことが書かれてるんだろう
めくるめく妄想してたりして
141:名無しさん@ピンキー
10/05/18 03:05:19 jSFF7nqV
先生の前で脱ぎ始めるシンヤはまだか
途中で藤が乱入な
142:名無しさん@ピンキー
10/05/18 04:18:33 lcHssFqc
>>138
アシタバは三女がいいな。花巻さんもいいけど
143:名無しさん@ピンキー
10/05/18 04:50:35 8Tvl84sD
鈍ハデスかみのりハデスの騎乗位が見たい
144:名無しさん@ピンキー
10/05/18 09:04:34 LusbETRK
今週号見たけどシンヤと藤いいなぁ
お互い普段から異性としての意識に人一倍欠けてそうだから面白そう
アシタバは花巻さんだと絡みが見てみたい
まあ一番エロシチュとしてありそうなのはハデみのだなw
145:名無しさん@ピンキー
10/05/18 12:59:48 /xFs9TBz
ハデ+みの←シンヤ
この図がたまらん。あれは凶器ですとかかわいすぎるww
あと藤と花巻はもっと絡め
146:名無しさん@ピンキー
10/05/18 13:45:58 Kc4gvI7Q
ああ ハデみの書きたいなあ。
でも、この2人おそらく初めて同士だし、性格的にもなかなか進展しなさそう。
ハプニングや酒など何かの力添えがないと書きづらいな…
147:名無しさん@ピンキー
10/05/18 15:17:14 Ur0awEb9
>>146
26の童貞と22の処女か・・・こう書くだけでも難しさが伝わるな
俺はエロシーンより前後に力入れるタイプだから余計につらい
病魔の憑いたレイプ犯に襲われそうになったところをハデスが助けるとか・・・
レイプモノなら容易に書けそうなんだがな
148:名無しさん@ピンキー
10/05/18 17:54:16 OWkBTL1N
みのりんの年齢はまだ出てない気が
149:名無しさん@ピンキー
10/05/18 23:07:28 Ur0awEb9
>>148
150:名無しさん@ピンキー
10/05/18 23:09:36 Ur0awEb9
>>148
あれ、そうだっけ?
勝手に勘違いしてたみたいだ
あと>>149は
気にしないでくれ
151:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:20:37 f1NuURwW
藤、主役回終えてから年相応の好青年になってきたなぁ…
以前はどうせ女性読者受け狙いだろと思ってたけど最近なんか好きだ
ところでアシタバの主役回はいつ来ますか?…あれ?
152:名無しさん@ピンキー
10/05/19 10:50:24 C+x3YKW6
普通に女に興味もあるみたいでよかったよ。だから花巻さんと絡め。消しゴムを挿したりしろ
153:名無しさん@ピンキー
10/05/19 14:35:41 bVy4wcDI
藤とか他のメンバーは服脱ごうとしたのにアシタバだけ影響されてないのは伏線かな
154:名無しさん@ピンキー
10/05/20 17:37:07 gypuDg/f
藤来いや
まだ1つしかない
155:名無しさん@ピンキー
10/05/20 18:40:32 dcGEj9LU
やけに藤藤うるさいスレだな
156:名無しさん@ピンキー
10/05/20 20:29:32 CJnM43RK
本屋の幼女の手が滑ってアシタバと花巻さんが
大変なことになるのマダー?
157:名無しさん@ピンキー
10/05/21 03:14:45 gOt4OVdC
一瞬レンチン爆発のことかと思ったじゃないかw
158:名無しさん@ピンキー
10/05/21 15:37:39 lT/kVRVW
もちろん手が股間に滑るTo Loveるとかのことだよ
159:名無しさん@ピンキー
10/05/21 17:39:39 mdNXMtkr
打ち切りの線ってないよね?
安心していいんだよね?
160:名無しさん@ピンキー
10/05/21 18:01:05 rC4YIVx/
>>144に完全に同意!!
残る議題は千歳校長の主役回構想だが……
161:名無しさん@ピンキー
10/05/21 18:44:00 aHfVBO++
シンヤと龍黄に期待しとるやつはいないのか…
162:名無しさん@ピンキー
10/05/21 22:55:36 lGr6t0wt
>>142
虎子はゲーム好きらしいから案外気はあいそうだな
163:名無しさん@ピンキー
10/05/21 23:54:27 LH5Bm0H5
アシタバは年上キラーだから長女か三女を…もしくは校長を…
164:名無しさん@ピンキー
10/05/22 14:31:08 ajcqyFTV
鈍くんを仕留めます
165:名無しさん@ピンキー
10/05/24 15:30:26 CUYur29X
もしかして
アシタバ→花巻→藤なんだろうか
いやまさかな
妄想だが、さらに
アシタバ→花巻→藤→シンヤ→ハデス→校長→伊賦夜→鈍→アシタバ
だったらおもろい
166:名無しさん@ピンキー
10/05/24 19:13:50 H54qhLz5
「姿が見えないのでおかしいと思ったら…!」
ハデスの姿探してたのかみのりん
167:名無しさん@ピンキー
10/05/24 19:29:41 kWs4S1HD
本当にアシタバと競技交換してたら、藤は花巻と卓球だったのか
それはそれでおいしいな
168:名無しさん@ピンキー
10/05/24 23:07:54 zU79DXlT
消しゴムあげたり熱子の時に心配したりと、藤は病魔にかかる前から花巻さんに対して妙に積極的だと思う
恋愛感情とまでは行かないけれど、無意識のうちに気になる異性なのかも、と妄想。
169:名無しさん@ピンキー
10/05/25 01:15:11 Ol5Jstgk
>>166
いい兆候だな
170:名無しさん@ピンキー
10/05/25 02:08:01 jOWeOF15
今週のラストでアシタバと花巻の組み合わせも
なかなかいいと思った
ただエロどころか手を繋ぐまでも道が果てしなく長そうだが
171:名無しさん@ピンキー
10/05/25 14:04:53 MwZbVFw3
一つ書いた
チャレンジは認めて欲しい
172:生徒Sの恋慕 1
10/05/25 14:05:59 MwZbVFw3
騒ぎが収まって数日。
ある日の放課後、シンヤは保健室の前を何度もうろうろしていた。
以前は気軽に扉を開けて中に入って行けたのに、今は何だか気まずい。いくら病魔に罹って
いたからといっても、ハデスに『私の裸を見て下さい』なんて言ってしまったのだ。
幸い、ただの冗談のように取られただけだったが、あれからずっと顔が見られないままだ。
その後も保健室の前でたっぷり五分悩んだ。
これでは何も変わらないのは分かっているし、自分の柄ではない。
ええい、なるようになれと意を決して勢いをつけて扉を開けた。
「…あれ、鏑木さん?」
「あ、あははは」
力余るあまりに扉は物凄い音を立ててしまって、さりげなくいつものように入るつもりがすっかり
タイミングが狂ってしまった。どうしようと内心極限までパニクっているシンヤに、ハデスは全く
変わらない様子で笑いかける。他の生徒たちには怖いといわれる笑顔だったが、恋する乙女の
シンヤにとっては神の微笑だ。
「あの、私、私…」
「今、お茶淹れるよ。このところ顔を見なかったから気になってたし」
「え?」
「そうだ、昨日買ってきたお菓子があるから…」
シンヤがこの数日悩んでいたことも、何一つなかったことのようにしているのがほんの少しだけ
癪に障った。この優しい、いつも生徒たちのことを気にかけていて病魔が現れれば人が変わった
ように毅然と対処してくれる人の心の中には、シンヤのことなど微塵もないのだと知らされている
ようで。
173:生徒Sの恋慕 2
10/05/25 14:07:06 MwZbVFw3
「先生!」
シンヤは思いきって、湯呑みを用意しようと棚に近付いたハデスの正面に回った。
「どうしたの?具合が悪いんなら診るけど」
「お話しておきたいことがあって…」
「うん、何かなあ?」
最初に病魔から助けてくれた時からずっと思い続けている人は、やはりシンヤの態度からは何も
感じ取ってはいないようだ。
「この間の、裸を見て欲しいって言ったことは…」
「ああ、あの時は大変だったよね。結局それほど大したことにならなくて良かったけど、ああいう
病魔は」
「本当なんです!」
つい言葉を遮るようにして叫んでしまったせいで、驚いたのか棚に伸ばしていた手が並んでいた
湯呑みに当たって床に落ちていく。
「あっ!」
「おっと」
割れる、と思った湯呑みはひょいと大きな手に掴まれて無事に済んだ。
「割れたら大変だからね」
ハデスは何ということもないように笑う。偶然のこととはいえ、また聞かなかったことにされたと
思った。
「先生!」
せっかく決心してここまで来たのにと急に腹立たしくなって、思いきり抱きついた。ほんの少し
だけエタノールの匂いがした。
「か、鏑木さん…?お茶が淹れられないんだけど」
「先生、私の話をスルーしないで下さい」
「え、ちょっと言ってる意味が…」
これだけは言おうと何度も練習したのに、肝心なところで思ったように言葉が出ないもどかしさで
涙が零れる。
174:生徒Sの恋慕 3
10/05/25 14:08:14 MwZbVFw3
「…バレンタインデーに、チョコを贈ったの私です」
しばらく言わずにいようと思っていたことを、遂に言ってしまった。また顔を見られなくなって抱き
ついたまま胸に顔を埋める。
「ええと、鏑木さん。ちょっと落ち着いてくれないかな」
こんな時でもハデスの口調は変わらずに優しいままだ。その優しさは今、決して受け入れては
くれない強固な壁となっているのが悔しい。
「あれは確か石炭だったよね。誰かから物を貰ったことなんてなかったから、まだ飾ってあるん
だけど…」
「私が作ったんです」
「あ、そうか。すごく立派に出来たから見せたくなったとか?だよね」
「あれはホントはチョコだったんです!」
また涙が溢れた。激情が胸の奥から突き上げてきて、抱きついたまま力の限りとばかり思い人
の身体を揺さぶる。
「鏑木さん?」
突然のことで驚いたのか、手にしていた湯呑みが落ちて割れる音が室内に響いた。
「あ…」
「やだ、ごめんなさい…すぐに片付けますから」
「欠片を触ったら怪我をするから、手は出さないで。ここは僕に任せなさい」
こんなことには慣れているのか、欠片を拾って片付ける手つきは妙に素早い。そんな様子を傍ら
で眺めているうちに次第に冷静さを取り戻していく。悩んだ挙句にこんなところまで来て、一人で
わがままを言って、大好きな人を困らせていることに今更ながら気がついて顔から火が出るほど
だった。
175:生徒Sの恋慕 4
10/05/25 14:09:07 MwZbVFw3
湯呑みの欠片を片付けた後、すっかり萎縮して椅子に座るシンヤの前にお菓子の箱と淹れた
ばかりのお茶を置いたハデスは、テーブルを挟んだ向かい側に座るとやっぱり泣きたくなるほど
優しく話しかけてきた。
「さあ、これ飲んで」
「…ごめんなさい…」
いつも保健室に入り浸っているバカ三人は、どうしてこんな時に限って入って来ないんだろう。
気まずい気分のままシンヤは湯呑みを手にとってお茶を一口飲んだ。
「僕が勝手に勘違いしていただけだったんだね」
チョコのことを言っているのだろう。
「そりゃ、食べられる代物じゃなくなったから、仕方ないです」
「それって、都合のいい解釈をしてもいいのかな」
「…えっ?」
「いや、バレンタインデーにチョコだっていうなら…」
これで何もかもおしまい、と思っていたのに展開が思ってもいなかった方向に進んでいる。シンヤ
は頭がついていかなくなっていた。けれどこれは喜ばしいことなのだろう。
「え、そ、そうです。私…そのつもりでチョコを作ったんです」
言いたいことは山ほどあった。病魔から救われたことで長年抱え込んでいたコンプレックスからも
少しは開放された感謝や、日々積み重なっていく思い。それらが頭の中でごちゃごちゃと交じり
合って何を言えば一番良いのか分からない。
そんな極限カオス状態の頭を抱えているシンヤの前で、長身の身体を折り曲げて俯いたハデスが
ぽつりと呟く。
「嬉しい、と言っていいのかな」
176:生徒Sの恋慕 5
10/05/25 14:10:03 MwZbVFw3
「…先生」
やっと思いが伝わった。それだけしか心に伝わって来なかった。けれど舞い上がりそうに嬉しい
気持ちを次の言葉が牽制する。
「今の僕は病魔を宿していて、生徒たちを助けられる僕の力はそのせいでもある…。そうしたいと
思ったから後悔は一切ないけど、こんな僕では人を愛することは叶わないんだよ。でも、あれが
チョコだって分かったのは本当に嬉しかった」
「そんなこと言わないで下さい!」
思わず立ち上がってしまった。
どのみち成就する可能性を考えない方がいい恋だった。それでも思いが届いたことだけで嬉しい
と思わなければ報われない。今はこの優しい人を少しでも傷つけないようにしたかった。
「私、助けて貰ったことは忘れてません。他のみんなもきっとそうです。そんなすごい力、誰でも
持てるものじゃないでしょう?先生を思うのは私のわがままです。ご迷惑ならもう言いません。
でも、これからも思い続けることぐらいはいいですよね?」
驚いたのか目を見開いていたハデスが、再びいつもの表情にゆっくりと戻っていく。そしてシンヤ
の方に手を伸ばしてきた。
「僕は僕がやりたいことをやってるだけだよ。だから君もその気持ちは持ち続けて欲しい。そう
したらいつか…」
指先がかすかに頬に触れた。
「いつか…?私は待っててもいいんですか」
「ごめんね、それは保障出来ない。ただ、病魔が根絶される時が来ればその時は」
それは決して約束ではないが、遥か遠い先のことでも希望がある。色恋沙汰に疎いハデスに
とっても、これが最大級の言葉なのだろう。
「先生、私も嬉しい…と言っていいですよね。もう治らない病気に罹っているけど、それはいつか
ちゃんと診て貰いますから」
「えええっ!??鏑木さん病気って?」
「大丈夫、本当の病気でも病魔じゃありません…でも先生じゃなきゃダメなんです」
177:生徒Sの恋慕 6
10/05/25 14:10:53 MwZbVFw3
保健室の中では静寂が続いていた。
他の生徒たちの元気に張り上げる声があちこちから聞こえてくる。
「病気では、ないんだね?」
「病気だけど病気じゃありません。お医者様でも治せない病ですから」
何故かバレンタインデーとチョコとこの病気の因果関係が頭の中で全然繋がらないらしく、本気で
思案しているハデスが何だか子供のように見えた。喉がカラカラになっていたのですっかり冷めた
お茶を飲んでしまうとシンヤは立ち上がってハデスに近付いた。
「『いつか』の時が来たら、分かると思います」
勿体をつけるように耳元で囁いてみた。どんなに焦っても先を急いでも、この人に普通の手段は
通じる筈がない。けれど望みが叶う時までは待っててもいいのだ。思えばハデスのこの鈍感さは
そう悪くない。きっと他の誰かが入り込む隙には決してならないだろうから。
今はそれでいいかと納得をするだけだった。
その時、廊下の方から賑やかな声が聞こえてきた。あの三人がやって来たのだろう。
立ち去り際に思いのありったけを込めて頬にキスをした。
「忘れませんからね」
驚いて固まったままのハデスを視界の隅に残して、シンヤはスカートを翻した。
終
178:名無しさん@ピンキー
10/05/25 14:11:55 MwZbVFw3
エロくならなかった敗因はハデスを出したことかも知れない
179:名無しさん@ピンキー
10/05/25 14:16:34 uN+6u6Xc
リアルタイムGJ!
シンヤがいい子すぎて
ハデスが性別・教師すぎて泣けた
180:名無しさん@ピンキー
10/05/25 20:01:32 bGnKpgMZ
うおおGJすぎる!
こういう感じは原作の雰囲気が出てて好きだよー
181:名無しさん@ピンキー
10/05/25 23:55:58 8fJsv+aR
エロくなくてもほけがみキャラがいれば良い!
ハデス先生もシンヤもらしかった、GJ!!
182:名無しさん@ピンキー
10/05/26 00:42:44 qT1T3qj5
>いつも保健室に入り浸っているバカ三人は、どうしてこんな時に限って入って来ないんだろう
この一文で噴いたw いかにも原作で言いそうだw
しかし切なくてGJ!
183:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:30:03 o4Vn8r1a
こんな素晴らしいのが来た直後に恥ずかしいモノを少しだけ
「どうかしましたか?」
三途川校長は養護教諭派出須逸人をじっと眺めた。昼休みに保健室に貯蔵され
た菓子を取りに来てから、かれこれ一時間ほど居座っている。
「しかし君は本当に残念だな」
「…開口一番がそれですか?」
「才崎君とはうまくいっているのか?」
「えっ?才崎先生…ですか?」
どうやら質問の意図を全く理解してないようだ。深くため息をつくともう一度
残念だなと呟いた。
「君が悪食に罹った際も快く助けてくれただろう」
「あ、まぁ…」
「春酔が蔓延したときも、懸命に鎮火に協力していたぞ」
「それは…確かに」
「こんなに協力してくれる異性(ヒト)を放っておくだなんて…教師間で孤立
無縁になってしまうのもそう先の事でもないかもしれないな」
「そ、それは…!!」
派出須は急に嫌な汗をかき始め、頭を抱え込んだ。一見狂気に満ちた科学者の
ようでもあるがどうということはない。職場の人間関係を深刻に考えすぎてい
るだけなのだから。
「ぼ、僕はどうすれば…!?」
「ふふふ、そうだな…」
相変わらずいじりがいのある教え子だ。三途川は小さな笑みを浮かべた。
最近、珍妙な事件が増えている。指導が行き渡っていないのか…才崎みのりは
教師の鏡のような悩みを抱えていた。
(この前だって…)
男女関係なく突然脱ぎはじめる生徒たち。自分も危うく裸体を晒す羽目になり
そうだった。不幸中の幸いか、派出須は何も見ていなかったようだが。
(不幸中の…幸い…?もし…見られていたら…派出須先生もやっぱり…男性と
して………って何考えて…)
「才崎先生」
「キャアッ!!」
あらぬ事を考えていた最中、その妄想の対象だった派出須が後ろから声をかけ
て来るから、ついつい正拳突きをだしてしまった。ただそれだけの事だ。
184:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:30:40 o4Vn8r1a
「……」
風を裂く音を響かせた拳は派出須の寸前で止まってくれた。
「ス、スイマセン!!わ、わ、私ったら!!」
「い…いえ。瞬発力のある良い筋肉だと思います…」
引こうとした拳に一枚の花びらが乗った。見れば派出須は右手に花を抱えてい
るではないか。実に似合わない。みのりはそう考えてしまった自分を叱責した。
「花…ですか…」
「えぇ、そう。それで声をかけたんです。才崎先生の机の花、枯れてきてたで
しょう。ですからこれを代えにと」
決して素敵な笑顔とは言えないが、思わず胸が高鳴る。交換する備品をくれた
だけだ。そう言い聞かせようとすればするほど、この花に他意があるのでは、
と勘繰りをしてしまう。
「どうぞ?」
「あ!ありがとうございます」
「あ、それとですね…」
「な、なんでしょうか?」
「最近才崎先生にはお世話になっていますから、お礼にと思いまして…」
白衣のポケットから取り出したのは映画のペアチケット。
(こ、これは…本当に…!!)
「三途川先生が教育者として勉強なるからと下さったのですが、今度の日曜日
あたりいかがですか?」
「は、はい!!是非…!」
いやぁ、良かった。と派出須は嬉しそうにしてから保健室に戻ると言って立ち
去った。恐らく向こうは、こちらが教育に熱心であることと思っているのだろ
う。勿論みのりは真剣に生徒の事を考えているが、今回の快諾の動機かと言う
と大いに怪しい。
(ち、違っ…!!私はさっきから何を…これは教師として成長するための…)
必死に心を隠そうとした。
一人、渡り廊下であたふたとしている様を、見られているとも知らずに。
185:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:33:11 o4Vn8r1a
花は渡した。映画にも誘った。言われた通り、大人しくスマートな服を着た。
(これで助かる…のか?)
派出須が真剣なのはもうひとつ理由があった。
「30才になると死ぬ!?」
「普通は死なん。永続的に病魔に罹っている君の場合は、だ」
「どうしてです!?」
「魔法使いになるからだ」
「そんな無茶苦茶な…」
「三十路までにある経験を持てない男は、その経験で失われるチェリドテリン
という成分が体内で変容してしまい、一種の超常的な能力を獲得するのだよ」
「聞いたことありませんよ、そんな話…
「当たり前だ。それこそ保健室勤めの君すら知らない、表に出ない内容だから
こそ異端とされ『魔法』と呼ばれるんだ」
「それで…なんで僕は?」
「それでその魔法の成分は病魔が大変嫌うのだそうだ。体内で拒絶反応が出て
しまったら…と言うことさ」
「……じゃあ、僕はどうしたら…!?」
「安心しろ。私の言う通りにすれば助かるさ」
………
……
およそ信じがたい話だ。しかし万が一真実だったなら、と思うと心配性な派出
須は従わざるをえない。曰く、『とにかく才崎君と仲良くなること』だそうだ。
「お、お、お、お待たせしました…!!」
(ここは、言われた通り…)
「いえ、僕も来たばっかりですし。その服、お似合いですね」
典型的な無難な挨拶。ただ派出須もみのりもそれぞれの思惑からそんなことを
気にかけることもない。
「あ、ありがとうございます…」
(『似合ってる』って…!!ちょっとだけ頑張って良かった…!!)
様々な思いと建前が交わりながら二人は映画館に向かった。
186:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:34:05 o4Vn8r1a
『メモ4、可能ならば手を繋ぐこと』
三途川の表現はもっと積極的であったが、派出須が可能な範囲でまとめるとこ
うなった。
「あっ!」
「ど、どうしました!?」
「いえ、階段が。濡れてますし、転びやすく…」
我ながら良い口実だ。さりげなく、自然に(メモ1)を心掛けながら、みのり
に手を差し延べる。
「危ないですから…」
「!!?…あ、ありがとうございます……」
一体今日の派出須先生はどうしたのだろうか。そっくりな別人なのでは、と
すらみのりは疑った。
遠目で見つけたときの紳士然としたたたずまい。気配りが出来て優しい態度。
どれもがみのりの心を掻き乱す。
出来るなら、ずっと階段が続けば良い。繋いだ手を離したくない。そう言いた
い衝動に駆られたが、羞恥心か何かが喉まで来た言葉を押し返してしまった。
『言っちゃいなさいよ…!!抱いてほしいって!向こうもその気なんだから!!』
「だ、誰!?」
「才崎先生?」
『恥ずかしいからやめてよ。私は貴女の協力者よ…はしたなくて、卑猥で、背
徳的で、何よりも甘美な色欲(ラスト)…』
「才崎先生…!?大丈夫ですか?」
「え、えぇ…大丈夫です」
頭の奥から響く声。明らかに異常な事態なのに、声の主を心が受け入れようと
している。
(気のせいか?才崎先生から病魔の気配がした気が…)
『そう♪素直になって、昨夜のベットで何をしたの?あの指は誰を想って動い
たの?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ……』
心が、理性が溶ける。息苦しいはずなのに、頭がぼんやりとして気持ちが良い。
もうこの時みのりは病魔に罹っていたが、心を蝕まれている罹人が理解する術
もない。
「本当に大丈夫ですか?なんだか熱もありそうですよ?」
「大丈夫です…それより……」
「それより?」
「まだ手を繋いでいて頂けないでしょうか…?」
187:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:35:06 o4Vn8r1a
『何だそれはぁぁ!!がっつきなさいよ!ヤリたいって!寝たいって!!!いくら2●歳
で0人だからってアンタねぇ!!』
先程の声が、頭の内側から罵倒して来たが、みのりは幸せだった。色欲の力を
借りてか、映画が終わったあとも派出須に身を寄せ、ささやかな恋人気分を満
喫していた。
「あのぉ…才崎先生…?」
「はい?」
「いえ…今日は楽しんで頂けましたか?」
「はい勿論♪……派出須先生とでしたから」
(やっぱり何か変だ。♪なんて付けて話すキャラではなかった筈……)
しかし、人より強いみのりの精神が中途半端に病魔を抑えているために、派出
須も感知出来ずにいた。
「派出須先生」
「はい?」
少しだけ甘えた声でみのりが尋ねる。いつもなら考えられないことだ。
「二人きりのときは、下の名前で呼んでも良いでしょうか?」
「え…えぇ、構いませんよ才ざ」
「私のことも『みのり』と…」
『あああ!!!じれったいの!!あんたのプロポーションなら一発なんだから!』
みのりの眼球を通して色欲が見つけたのは、曲がり角のラブホテル。
『な~んだ。あんたも上手いこと誘導するじゃない…愉しみましょう♪』
淫靡な協力者が、侵略者に豹変する一瞬を浮ついたみのりが捉えられるはずも
なく。
「良かった。これで少し親しくなれた気が!?かはっ!!?」
「才崎先生!?」
(な、何!?体が…熱い…!!やだ…何!?…痛い…こわ…い…た、助け…)
「逸人さん…」
「分かりますか!?頭痛は?」
胸を抑えてしゃがみ込んだみのりがぼそぼそと喋るのを、派出須は一言一句聞
き逃すまいと神経を集中させた。
「すいません…さっきから心配してくださって……少し、疲れてるみたいで…
ちょっとだけそこで休んでいきたいのですが…」
健気に、はかなく、弱々しく。先程の品のない罵声とは打って変わって、みの
りの体を支配した色欲は男心をくすぐる女性を見事に演じてみせた。
「それは大変だ!!すぐにいきましょう!!」
(ほ~らね♪こんなにすんなり喰いついたゃってこの身体が欲しくて仕方なか
ったのよ)
188:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:38:13 o4Vn8r1a
「代金は僕が払っておきますから、気にせず休んで下さい」
部屋についても派出須は一向に手を出す気配もなく、慌ただしく水やらタオル
やらを用意して回った。
(…こいつ、何なの?)
「才ざ、みのり先生、何か欲しいものとかはありますか?」
(やっとかよ…ま、その分しっかり愉しんじゃお♪)
みのりの身体を借りた色欲は、眼を潤ませて喋る。
「逸人さんが隣にいてくだされば…他には何も」
「僕…ですか?」
誘導されるがままに、ベットの側まで行くと、駄目押しの一手を繰り出した。
「逸人さん…身体が、熱い…」
ゆっくりと胸元のボタンを外し、その豊かな胸が露わになっていく。派出須は
いつもより眼を開いている。色欲は勝ったと悟った。
「手伝ってくださる…?」
「い、いけません!!」
「既成事実…作っちゃいましょう?私と逸人さんで…。二人だけの…秘み…」
「熱があるからといってむやみに身体を冷やすのはよくありません!」
「…はい?」
「今は苦しいかも痴れませんが、濡れタオルだけで冷やしましょう。…?みの
り先生?震えてますけど、もしかして吐き気が!?」
「こっの…くそ馬鹿がぁあ!!!」
叫び声は色欲のものか、みのりのものか。インターハイ経験者の投げ技を綺麗
に食らった派出須には考える余裕もなく…
「…でもさすが才崎先生ですよね。自身の精神力で打ち勝っちゃうんですから。
僕も形無しですよ、ははは……?三途川先生?」
「………もう死んでしまえ」
189:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:39:42 o4Vn8r1a
おしまい。
アシタバ君と花巻さんのペアが素晴らし過ぎて書いた筈が、こんな馬鹿らしいものに…
では。
190:名無しさん@ピンキー
10/05/26 01:52:35 xdFLQVT8
ハデみのキタ!GJ!!
191:名無しさん@ピンキー
10/05/26 02:08:11 vOADxNIe
>>189
みのりちゃんをずっと待ってた…GJ!
192:名無しさん@ピンキー
10/05/26 02:19:52 TdEGj0dz
GJ!
さすがはハデス先生、リアクションが期待を裏切らないぜ!
確かにこのままいったら魔法使いになるだろうな
193:名無しさん@ピンキー
10/05/26 18:16:18 HByg+jMS
>>189
色欲がアシタバではなくみのりちゃんに…?
素晴らしい
194:名無しさん@ピンキー
10/05/26 19:09:47 LaXURv5U
>>189
騎乗位は…騎乗位はないんですか!?
195:名無しさん@ピンキー
10/05/26 19:51:56 tAKoFTw5
>>194
病魔『深酒(ヘビードリンク)』に取り憑かれたみのりちゃん。
救おうとするも酒に弱いハデスは飲まされて早々にダウンし、
それをいいことにみのりちゃんが騎乗位逆レイプ・・・
とまでは考えたが、文章にまとまらぬわorz
196:名無しさん@ピンキー
10/05/26 22:45:46 G55eXuC9
ハデス先生もみのりちゃんもらしすぎて笑った!
メモ・・・メモって・・・酷すぎる・・・www
みのりちゃんドンマイだw
197:名無しさん@ピンキー
10/05/26 23:18:29 d3bOoarG
微エロでも中々良かった、gj
198:名無しさん@ピンキー
10/05/27 03:50:23 ggOPyNVa
>>195
出来る限り課題を取り入れようとしたのだが、どうしてこうなった
とりあえず、別物になったけど書いた。
199:カラマワルカラ 1
10/05/27 03:51:29 ggOPyNVa
とある日の夜、繁華街の居酒屋の一角にどう見ても不釣合いな二人の姿があった。
「だからぁ、私はいつもこう言ってるんです。なのに誰も…」
「ええ、そうですね。才崎先生」
「でしょおお?そう思いますよねえ」
一人はモデルと見まがうばかりの輝くような美貌の女性、しかも男なら思わず目を奪われてしまう
素晴らしい巨乳の持ち主だ。そんな美女がずらりと空になったビールのジョッキを並べてすっかり
酔っ払い、くだを巻いている。
もう一人は、男だ。若いのだろうがどうにも顔つきが不気味で、普段はこういう店に立ち入るとも
思えない。ソフトドリンクを口にしながら、もう出来上がってしまっている美女の言葉にいちいち
頷いて不気味に笑っている。黒ずくめの服装も不気味さに拍車をかけている。
正直、その一角はカオスと化していた。
「ねーちょっと!」
気分が良いのか、才崎先生と呼ばれた美女は側を通りかかった店員を呼ぶ。
「ちょっとこのジョッキ片付けてよー、それと新しいジョッキもう二杯ね!」
「そ、それはいけません。飲み過ぎですよ」
「いいじゃない、あんまりこういう店に入らないんだもの。ねえ派出須先生」
派出須先生と呼ばれた不気味な男は、それでも止めようとしていたが無駄だったようだ。その
後もどんどん追加されるビールジョッキの数は途方もないものだったと、その店の店員たちの
間では都市伝説化したほどだ。
200:カラマワルカラ 2
10/05/27 03:52:24 ggOPyNVa
「…うーん、気持ちいい」
久し振りに好きなだけ飲み、日頃腹の中に溜め込んでいたストレスを全部吐き出したお陰で
珍しくすっきりした気分になったのか、才崎美徳は店を出てからも浮かれていた。こんな美女が
踊るように歩いているだけで、擦れ違うカップルの男がことごとくしばし見蕩れては足を止めて
いる。
「それは良かったですね、やはりあのような場は必要なのでしょう」
隣では、結局ドリンク一杯だけしか飲まなかったにも関わらず快くワリカンを申し出た派出須逸人
が、傍目にはすごく分かりにくいが優しく微笑んでいる。
「そうかも、今夜は思ったよりたくさん話せて嬉しかったー」
「ええ、僕も才崎先生と腹を割って話す機会を持てて光栄です」
「それホント?」
「ええ、それはもちろん」
「本当なら、もっとお話がしたいの…」
「それは嬉しいですね」
「…でも、その前に…」
普段は常に張り上げている美徳の声が、夜に溶ける蜜のようにとろりと揺れている。随分飲んで
いたことで足がふらつくのか派出須に縋りつく。
「大丈夫ですか?」
「ええ、やっぱり少し飲み過ぎたかも…少し気分が…」
ふらふらと近くの路地に入り込んで座り込む美徳を心配して、派出須がしきりに声をかけた。
「ご気分が悪いのでしたら薬を買って来ましょうか、それとも冷たいものでも飲みますか?」
「…いいえ、どうぞお気になさらず…こうしていれば楽になりますから」
ゆっくりと立ち上がった美徳の目の奥が鈍く光った。
「こうして側にいて欲しいんです、いいでしょう?」
201:カラマワルカラ 3
10/05/27 03:53:30 ggOPyNVa
「さ、才崎先生!?」
何か手助け出来ることがあるかと近付いた派出須の胸にするりと寄り添い、背中に腕を回して
潤んだ目で見上げる美徳の声が震えていた。
「今晩は側に…ね。私のお願いを聞いて頂けるのでしょう?」
ウェッジソールのサンダルの爪先を立てて、キスをねだるように目を閉じる表情は完全に恋する
女だった。
「才崎先生…」
これほどの美女を前にして落ちない男などいない。なのに派出須は躊躇している。
「いけません、僕たちは教師で」
「私が構わないと言っているのに?」
「いえ、そういう訳では…」
「今夜だけは忘れて下さい、お願い」
男なら誰でも真っ先に目を奪われる巨乳をぐいぐいと押し付けてせがむ美徳にようやく観念した
のか、派出須の両手が頬を包んだ。
「才崎先生、いいんですね」
「ええ、この時を『ずっと待って』いましたから」
唇が触れ合う寸前、美徳の声が何者かの声とブレた。
「待っていたのはこっちの方だ、正体を現すんだな『深酒(ヘビードリンク)』!」
急に声を張り上げた派出須につられるように、美徳が頭を抱えるように悶絶して倒れ込んだ。
その身体から何かが幻影のように現れる。これが美徳に取り憑いて悩ましい言動をさせていた
病魔なのだろう。
『…くそっ、いつから勘づいていた?』
『深酒』は悔しげに顔を歪ませて派出須を睨みつける。
「最初からさ。とはいえ隙がなければお前に攻撃が出来ないし、下手をすれば才崎先生の精神
が病む危険もあったから言うなりになってただけのことだ…相手が悪かったな」
スウ、と派出須の手が禍々しいものに形を変えていく。
『フン、俺は人の本心を引き出すだけだ。お前も満更じゃなかっただろう』
「それが望まざることであるなら、それはただの害悪で罪だ!」
『やめ、やめろ!俺はこの女の望みをヲをを……!!』
『深酒』は罹人の力を前にして、凄まじい叫び声を上げて抵抗しながらもあえなく吸収されて
いった。
202:カラマワルカラ 4
10/05/27 03:54:25 ggOPyNVa
美徳はしばらく目を覚まさなかった。
隣に座った派出須は普段の癖が出て色々と考え込む。
どうしてこんな強い女性が、あんな病魔に罹ってしまったのかはどう考えても分からない。酒の
力を借りなければ言えないほどのことなど、特になさそうに見えるのだ。これほどに美しい女性
でも悩みがあるというなら、それは派出須の考えが及ぶものでもない。
「さあ、どうして帰ろうか…」
呟いた時、声が聞こえたのか美徳が目を開いた。
「…ん」
「あ、目が覚めたようですね」
「……えっ」
「はい?」
「派出須先生?私、どうしてこここ…」
動揺しきっている美徳は、どうやら泥酔してからのことを全く覚えていないようだった。
「え、あの、才崎先生…」
「いやあああーーーーー!!!」
その後、悲鳴を聞きつけた通行人が通報するやら警官が駆けつけるやらで派出須は帰るどころ
ではなくなってしまって、すっかり酔いが醒めて少し思い出した美徳によって誤解が解けたのは
明け方のこととなってしまった。
美徳はそれからほんの少しの間、反省の意味を込めて禁酒したという。
終
203:名無しさん@ピンキー
10/05/27 03:56:05 ggOPyNVa
今後の課題はエロだな。
204:名無しさん@ピンキー
10/05/27 07:12:29 C9bh4hW/
GJ!いいぞ、もっとやれ
205:名無しさん@ピンキー
10/05/27 11:33:36 yc+1/KL/
最近の賑わいはどうしたんだww
いいぞ、もっとやれ!
藤と花巻来い!
206:名無しさん@ピンキー
10/05/27 12:27:09 FsyCEEET
ハデスとみのりちゃんGJ!!
>>205
同じく藤と花巻待ちだ
207:名無しさん@ピンキー
10/05/27 17:45:48 ybmMneYC
アシタバと美玖ちゃんの間には何か芽生える気がする
208:名無しさん@ピンキー
10/05/27 18:16:09 AlzP84uA
>>198-203
ハデみのGJです
209:名無しさん@ピンキー
10/05/27 21:05:12 /XFGWtYB
ハデみのをありがとう。
楽しませて頂いたよー
しかしやっぱハデス先生はなかなかエロにいかないね。
そこが、らしくて良いんだけど。
ガンバレみのりちゃん!
210:名無しさん@ピンキー
10/05/28 03:55:01 wIxvvefQ
>>205-206
書いたよ。これでいいかな。
211:女の子ってなんでできてる? 1
10/05/28 03:59:59 wIxvvefQ
「わ、きれーい…」
放課後、文房具屋に行く為に商店街を歩いていた花巻美玖は、数日前にオープンしたばかりの
ブライダルショップの前で思わず足を止めた。
ウィンドウの中には、夢見る少女なら誰でも憧れるような美しいドレスがディスプレイされていて、
誰もがいずれ訪れる日に胸をときめかせるのだ。
「あ、でも」
脳裏をよぎる面影が、そんな日は来ないと告げる。
そんなことは嫌というほど分かっている。でも夢を見るぐらいはいいじゃない。もう書く欄のなく
なったノートを鞄に忍ばせた少女が、そういった半分諦めの色を表情に浮かべてしばらくドレス
を眺めていた。
保健室では、すっかり一角に居住区を作ってしまった藤が今日も煎餅を齧りながら漫画を読み
耽っていた。
「そーだ、先生。悪いけどアレ捨てといて」
「アレ?ああ袋の中のものだね」
お茶をもう一杯と催促されて早速新しいお茶を淹れていたハデスが、床に置かれたままの袋の
中に乱雑に折り重なっているものをちらりと見る。それは手紙のようだった。
「藤くん、これもしかして…?」
「あ?ああ…気にすることねーよ。どうせ読まないし」
そう、手紙とはラブレターだった。しかしどれも開封すらされていない。さすがにこれはとハデスが
躊躇していると、面倒臭そうに頭を掻いた。
「いや、しかし折角書いてくれた子たちの気持ちも…」
「最初は読んでた。でも大体文章同じだし、飽きた」
「そう…?じゃあ誰にも見つからないように捨てておくからね」
「サンキュー、自分で捨てるのも面倒でさ」
212:女の子ってなんでできてる? 2
10/05/28 04:01:09 wIxvvefQ
ハデスがとりあえず人目につかない物影に律儀に袋を隠していると、物凄い勢いでドアが開いて
美作が駆け込んで来た。何があったか知らないが、やたら怒っている。
「藤、オマエなあ!」
「何だようっせーな」
相変わらず気のない返事をするだけの藤に、掴みかかりそうになってハデスに止められながらも
美作は更に声を荒げる。
「オマエB組の佐伯を振っただろ。今佐伯が泣きながら帰ってったぞ。あんな可愛い子に何てこと
すんだよこのド鬼畜!」
「あ、ま、まあ落ち着いて…お茶でも飲まない?」
ハデスが仲裁にもならない仲裁を懸命にしている傍らで、藤は嫌そうに方眉を上げただけだった。
「振ってなんかいねーよ、手紙ぐらいはあったかもな。読んでないけど」
「返事も出してないのか。で、どうする気だよ」
「別にい。放っておけばそのうち諦めるだろ」
「…今更だけど、ホント最低な、オマエ」
あまりにも気のない藤の態度に、さすがの美作も毒気を抜かれたようだ。頭を抱えてソファーに
座り込むと、淹れたばかりのお茶が置かれる。B組の佐伯という少女は、藤のファンの中でも
かなり熱心にアピールしていたから美作も覚えていたのだろう。どうして泣いていたのかは定か
ではないが、彼女の恋が成就することがないのは確かだ。
「んじゃ、俺はそろそろ帰るわ」
「言っちゃ何だけど、今のうちにその性格は矯正しといた方がいいな。女の子っつーのは男と
違ってデリケートなんだからよ」
「んー、覚えてたらな」
藤は居住区に放り投げていた鞄を抱えると、大あくびをしながら保健室を出て行く。そのだらり
とした後ろ姿を眺めて、美作が呆れたように呟く。
「イケメンの持ち腐れだな、ありゃ…」
213:女の子ってなんでできてる? 3
10/05/28 04:02:13 wIxvvefQ
家に帰って文房具屋で買った新しいノートに真っ先に花巻が書き込んだのは、少しでも親しくなる
きっかけの計画だった。
「大丈夫、藤くんだって別に私のこと嫌いじゃないんだから…好きでもないだろうけど…」
子供の頃から極度のあがり症の為に、何かにつけて計画を立てていかないとテンパって大変な
ことになってしまう。ずっとそれで慌ててきて、長い間随分損な思いもしてきているからノートだけ
は手放すことが出来なくなっていた。
「初めは朝の挨拶で、次はお天気の話題…っと。これぐらいなら出来るよね」
机に向かってノートにペンを走らせている花巻の姿は、明日実現するだろう予定を夢想して幸せ
そうだった。放課後に見た純白のドレスのことは、もうすっかり忘れていた。
翌日。
何度もシミュレーションしたのに、朝の挨拶は言えなかった。
何か話題を出すどころか、話しかけることすらいつものように出来ないまま遂に放課後を迎えて
しまい、またいつものように落ち込む。
毎日、このいつものようにを繰り返すだけだ。何も変化はない。何かきっかけがあればまた違う
のかも知れないが、飛び越えることが出来ないでいる。
「私、ずっとこのままなのかなあ…」
もう何もする気がなくなって、誰もいなくなった教室の中で机に突っ伏してぼんやりしているだけ
だった。
どのぐらいそうしていたのか。
しばらくすると教室に誰かが入って来る足音が聞こえた。
「お、花巻。お前何してんの」
「え、藤…くん?」
昨日からずっと話すきっかけをシミュレーションして、ノートに台本を何度も書いて、それでも全然
何も出来なかったのに、今になって藤の方から現れたのだ。
テンパらない方がおかしい。
214:女の子ってなんでできてる? 4
10/05/28 04:03:21 wIxvvefQ
「あ、あの、あの、藤くん…どうして」
「重いんで教科書は置いてくつもりだったけど、家の奴が持ち帰れってうるせーからさ」
さっさと自分の机から教科書を取り出して鞄にしまう藤をただ見ているだけで、言葉の続きが
出て来ないのがもどかしい。
「あ、藤くん。私…」
どもりながら何度も言葉を搾り出していると、どうした訳か教室を出ようとしていた藤がくるりと
踵を返して花巻に近付いてきた。そして額が触れるほどの至近距離でじっと顔を見つめてくる。
「…あの…」
ここまで近くに来られたのは初めてのことで、それだけでも舞い上がりそうに嬉しい。ここでもっと
気の利いたことを言わなければ、と気ばかりが焦る。
しかし藤の方はいつものつまらなそうな顔で何度か首を傾げ、周囲を見回し、何事かを決心した
ように微かに笑った。
「お前でいいか。少なくとも知ってる奴だし」
「え?」
一体何を、と言えないでいるうちに唇に柔らかい感触を感じた。キスされているのだと知覚した
時はもう床に押し倒されていて、制服の上から胸を掴まれていた。まさかこんなことがある筈
ないと思っていたのに。
花巻の頭は状況に全くついていかなくなって、瞬時にしてショートしてしまう。
「え、ちょっと…」
「嫌か?」
「あの、私こんなこと初めてだから…」
「嫌、じゃないみたいだな」
鼻を擦り合わせるほど近くで囁かれる声は、ずっと聞きたかった優しいものだった。心がどうで
あってもこの場からは絶対に逃げたくなかった。
215:女の子ってなんでできてる? 5
10/05/28 04:04:10 wIxvvefQ
こんな、いつ誰が入って来てもおかしくない教室で突然こんなことになってしまったのはもちろん
予定外だったけれど、今は素直に受け止めようと花巻は目を閉じた。
「よし、そのままじっとしてろよ」
抵抗すらしないことをどう思ったのか、藤の態度は素っ気無いままだ。ゲームでもしているように
あっさりとショーツを脱がせ、あらわになった秘部に指を差し入れてくる。自分でも触ったことが
ない部分を乱暴に擦られて、痛みだけではない奇妙な感覚から声が上がった。
「あっ…」
「痛いのか?まあ慣らすだけだから我慢しな」
「…ン」
指の動きは乱暴だったが、決して内部を傷つけるものではないのは経験のない花巻でも何故か
分かった。それが本能というものなのだろう。今はただその本能に従っていればそれでいいと
思った。
そのうちに、指が擦る部分が熱を持って疼いてくるのが感じられるようになった。恥ずかしいほど
ぬめりを持った音もそこから聞こえる。
「藤くん…」
両手で顔を覆ったまま、もう花巻は何も出来ない。消えてしまいたいほど恥ずかしいのに、まだ
その先に何があるのかを知りたくなっているのだ。
「悪いな、花巻。お前がここにいたからなんだよ」
散々内部を掻き回した指が抜かれて、指先から何か透明なものが滴っているのが指の間から
見えた。
「もうちょっと、我慢してろよ。なるべくゆっくりするから」
藤の声音はわずかだが上擦っている。それなりには興奮しているのだろう。ジッパーを下げる
音が鈍く響く。
「ぁあっ…」
それをはっきりと見ることは出来なかった。
けれど、きっとこういうものだとイメージしていたものが、ずっと指で蕩かされた秘部に押し当て
られる。信じられないほど熱くて、何もかも飛んでしまいそうだった。
216:女の子ってなんでできてる? 6
10/05/28 04:05:11 wIxvvefQ
「よし、いくぞ」
両脚を抱え込んだ藤の声が届く。はいと頷く前に熱の塊がずるりと内部を強引に這いずった。
「うっ…い、た…」
「だろうな、でも声はあんま上げんなよ」
「あぁあ…」
指とそれは質量があまりにも違う。経験がないのもあって簡単にいく筈がない。それでも言った
通りに何度も退きながらゆっくりと、藤は汚れざる聖域を犯していった。
「へえ、血は出ないモンなんだな」
変なことに関心したような声を上げはしても、互いの粘膜が馴染むまでは細心を払っているのが
伝わってくる。だから激痛に心が軋んでも耐えられた。
ようやく根元まで収めて、ぬめる愛液の助けでそれなりに痛みを忘れるようになる頃、それぞれの
快感にけりをつける為に藤が動き出した。
「もうちょっとだから、声殺してろよ」
「…!あぅうう…」
それまでとは全然違う、内部を打ち壊そうとでもするような激しい突き上げに花巻の意識は遂に
ぶつりと切れた。後は何も覚えていない。
目が覚めた時には、窓の外がわずかに翳っていた。
「あ…」
突然、全てのことを思い出して飛び起きる。制服もショーツも何もかもが元通りで、藤は自分の
席に座って何食わぬ顔で漫画を読んでいた。
「あ、藤くん、私…」
気を失うまで何をしていたのか考えると恥ずかしくて、やっとのことで声を出した。藤はその声に
反応して近付く。
217:女の子ってなんでできてる? 7
10/05/28 04:06:18 wIxvvefQ
「やっと起きたか」
「う、うん…」
「じゃ、もう帰ってもいいよな。起きるまでは待ってやったんだからさ」
「うん、ありがとう…」
「中には出さなかったから、気にしなくていい」
気になることを言い残して、藤は来た時と同じように帰って行った。本当ならああいうことは相思
相愛じゃないと意味がないのは花巻にも分かっている。それでも、こんなことがなければ巡っても
こなかった機会でもあった。
だから幸せなのだろう。
色々と思考が乱れるのは事実だけど、今はそれだけ考えていればいい。それでいいと思える
ようになったことが花巻のわずかな進歩だった。
「ありがとう、藤くん」
何だか、明日からは新しい自分になれる気がした。
翌日の放課後、保健室は相も変わらず騒がしい。
美作がまた女がどうのと講釈を垂れている。
「女ってのはこう、守ってやりたいモンなんだよ。いいか」
「うっせーなぁ」
藤はやはり退屈そうに出されたお菓子を食べ尽くし、お茶を啜っている。ただ、時折何かを考える
ように窓の外に目を向けていた。
「あんな柔らかいんなら、そりゃすぐに傷もつくよなあ…」
ぼそりと呟いたそんな言葉は、美作にもハデスにも聞こえることはなかった。
終
218:名無しさん@ピンキー
10/05/28 11:31:24 4/UBdYyG
藤鬼畜だなww
GJ!ハデスも見習え。
219:名無しさん@ピンキー
10/05/28 11:42:35 TGybIdt2
まさにイケメンこじらせて死ねだなwww
いやしかちょっと見ないうちに作品が4つもあるなんて
胸(ry股間が熱くなるな
220:名無しさん@ピンキー
10/05/28 18:06:00 8jrUo3wP
>>210
乙乙。
221:藤花1
10/05/28 21:22:53 EZqywSE5
オナニー×オナニー。藤→←花?
「じゃーな、花巻」
すれ違いざま、藤に肩を叩かれて、美玖はどきりと体を強張らせた。
もつれる舌でなんとか「さ、さようなら……!」と返して、真っ赤になった顔を隠すように伏せて足を速める。
その慌てた背中に藤は呆れた表情で「コケんなよ」と声をかけた。しかしその言葉はかえって美玖を驚かせ、美玖は自分の足につまずいてしまう。
「ふわっ!?」
ノートを胸に抱えこんで、手すら前に出せずにつんのめる美玖を、藤は後ろから抱きとめた。
長身に見合うしっかりとした二本の腕が美玖の胸元と腹を締めつける。
服越しとはいえ人肌と密着する独特の触感に、美玖の体が震えあがった。
「ひあ……っ! お、おなか……ぁ」
腕の中で身をよじった美玖の弱々しい声に、藤は慌てて彼女を放す。自分の頬も彼女ほどではないものの赤いことは自覚していた。
そのことがまた恥ずかしくて、思った以上に厳しい言葉が口をつく。
「い、言うそばからコケてんじゃねーよ!」
「すみません……」
「……気をつけて帰れよ」
しょげてしまった美玖を慰めるつもりで、できるかぎり優しい声音で藤は言った。
改めて二人は別れのあいさつをし、あとはただ、何事もなかったかのようにそれぞれの帰途につく。
表向きは。
222:藤花2
10/05/28 21:29:11 EZqywSE5
美玖も藤も、あの一瞬の抱擁を、無かったことにはできなかった。
家に着いても、夕食を終えても、入浴を済ませ、布団に入っても。常に意識の傍らにはあの瞬間が寄り添い、時折隙をついてすり寄ってくる。
藤の、筋肉のついた、硬くて熱い大きな体と太い腕。すべてを隙間なく包みこみ締めつけられる息苦しさと安心感。
美玖のか細い体は回した腕が余るほどで、しかし痩せぎすに骨ばっているわけではなく、むしろその肌のやわらかさに驚いた。
布団の中で美玖は、藤は、身じろぎをした。時が経つほどに膨らんでいく胸の疼きが、熱とともに体中に巡っていくのを、感じていた。
美玖は気付けば掛け布団を股に挟み込んで、内腿をこすりつけていた。布地が肌とすれあって、疼きは収まるどころか増していく。
やがてこらえきれずに、美玖は細い指先をするりと下着の中に滑りこませた。
藤は暗闇の中で起き上がり、硬くなった自身を取り出した。指で包みこむようにして、きゅ、と握り締める。ぞくりと背筋が震える。
「ふっ……」
指の腹でくびれをなぞるようにこする。この指がもしも美玖だったら、と思う。
ノートの細やかで整った丸文字。それを書き出す彼女の指は、自分の不器用な指と違って、器用に細やかに動けるのだろう。
あの細くてやわらかいきれいな手指が、小刻みにこの欲を愛撫する―そう思い描いた途端、背筋を抜ける快感が強さを増して、藤は思わず声が漏れ出た。
美玖は左手の指を口にくわえこんで声を抑えながら、慣れない手つきで自分を慰めた。
愛液を指にからめてぬるぬるとぬめらせながら、小刻みに陰核を愛撫する。
びくびくと痙攣する脚はつりそうなほどぴんと伸びていた。
右手で耐えず敏感な箇所を刺激しながら、唾液にぬれた左手はそろそろと腹部に移動していった。
おへそのあたりに触れると腰がふるえるほどくすぐったく、そのもどかしい疼きは性感にとてもよく似ていた。
「ふぁっ、んん……っ」
腹痛のときのように撫でさする。この掌がもしも藤だったら、と思う。
男の子らしく、大きくて少し武骨で熱い彼の掌。あの掌がこの腰を掴み、手首から一の腕がこの腹をぐいと締めつけた―あの一瞬を思い出した途端、腰にたまるくすぐったさが刺激を増して、美玖は思わず泣きそうな嬌声をあげた。
223:藤花3
10/05/28 21:30:11 EZqywSE5
藤は、美玖の感触を思い出しながら、掌全体で自身をしごきあげていた。
腕を回した細い胸元と腹。
胸元はノートに阻まれていたが、腹のふくふくとしたやわらかさと、それを象徴するようなやさしい体温は今なおじんじんと藤の腕に残っていた。
弾力のあるその感触は、藤の腕を押し返すようでもあり吸いついてくるようでもあった。
そこに触れた途端、彼女は甘い声で鳴いた。腹が彼女の弱点なのだろうか。
藤は想像の中で美玖を後ろから抱きしめ、ふっくらとあたたかい腹を掌でくすぐるように撫でさする。
彼女はいつもの甲高い、泣きそうな嬌声をあげるだろう。顔はいつもの困り顔よりきつめに眉を寄せた、苦悶の表情だ。
彼女の声は絶頂が近づくにつれて、いつも以上に切羽詰ってくる。すがりつくように何度も呼ぶのだ、藤の名を。
「ん、やっあ、あぅ、んっんっんぅ……っふ、じく……ふじくん、藤くん……っ!」
美玖は激しく陰核を摩擦しながら、すがりつくように何度も彼の名を呼んだ。
想像の中では、藤が美玖を後ろから抱きしめ、絶頂へと誘ってくれている。
けれど現実には熱にうかされながらもベッドに自分ひとりしかいないむなしさを知っていて、自分の体温が移っただけの羽毛布団に彼の熱さと硬さを求めて抱きしめた。
藤の、美玖の指が、互いを求めて自身を刺激し続ける。相手を思って昇りつめる。
「藤く、あぁっや……っ!」
「花、巻っ……」
二人が絶頂を迎えたのは、図らずも全くの同時だった。
くったりと脱力して、まどろみに似た倦怠感に沈む。
体を突き動かしていた熱が引いていき、ゆるゆると理性が帰ってきた。
それとともに、今まで自分が一体何をしていたかを自覚して赤面した。
美玖はぼふんと枕に顔をつっこみ、藤は力いっぱい布団握り締めて悶絶する。
二人とも、自分を慰めること自体は初めてではない。
けれど、身近な誰かを思いながら耽ったことはなかった。
暗い部屋でふたりともひとりきり、ぐるぐると焦っている。
体のほてりが冷めても、頬の熱さは一向引かない。
どうしよう。明日、どんな顔で会ったらいい?
終了
花巻の性感帯を一発で探り当てたアシタバは天才
224:名無しさん@ピンキー
10/05/28 22:50:07 fF16MRql
藤花が2つも!
どちらもGJ!
225:名無しさん@ピンキー
10/05/28 23:14:13 Ru5cUo9t
一日に二つだと…?GJ
226:名無しさん@ピンキー
10/05/28 23:43:44 6zh7CLii
>>210>>223
ナイスデース
227:名無しさん@ピンキー
10/05/29 00:49:54 +4EHFs0+
一体今週のこの勢いどうしたしww
GJ!!
228:名無しさん@ピンキー
10/05/29 01:28:05 5fYg1E6g
先週今週と、神的に面白かったので創作意欲が刺激された。とか。
自分はそのクチ。
229:凶器と戦う女 1
10/05/29 04:12:32 5fYg1E6g
鏡の前で、才崎美徳は悩んでいた。
数日前に買ったばかりの新しいブラのサイズが何となく合わない。もちろん何度も確認したし、
表示に間違いはない。
けれど実際に着けてみるとキツいのだ。
「…また大きくなった?」
考えられるのは、それしかない。
日頃の忙しさにかまけて、つい試着の時間を惜しんだのがまずかったらしい。とはいえデザイン
が気に入ったのも事実だし、これ以上のサイズとなると急にオバサン臭いものばかりになるから
嫌だった。
「仕方ないな、明日はこれで我慢しよう」
鏡の中の美徳はブラにギュウギュウに収められた豊満過ぎる胸がやたら窮屈そうで、苦しそうに
見えた。
「こんなモノ、いらないのに…」
そんな自分の姿がひどく不恰好に思えて溜息をつく。
思春期を迎えた頃から、何故か胸ばかり異常に発達した。牛乳も煮干もあまり好きじゃないのに
だんだん胸が重くなってきて中学生にして肩が凝るようになった。体育の時間は男子がいつも
いやらしい目で見ているから嫌だった。そのうちに制服の上からでもはっきり大きさが分かるよう
になってきて、ますます悩みが大きくなった。
夏は薄着になりたいのに、それが出来ない。うっかり選んだブラが小さかったりすると、すぐに
ホックが壊れる。道を歩いているだけで胸が揺れて、通りすがりの男たちがみんないやらしい目
で見ているように思えてしまう。
胸が大きいことなんて、全然嬉しくなかった。
それでも、重くて邪魔な胸があるなりに学生の頃は柔道で活躍出来た。さすがに何かの縁で
体育教師になった今、また中学時代のように男子生徒にそういう目で見られる羽目になったのは
予期すらしていなかったけれど。
「あー、明日も気が重いなー」
美徳の悩みは大人になっても増すばかりだ。
230:凶器と戦う女 2
10/05/29 04:13:21 5fYg1E6g
失敗だった。
キツいブラのせいで胸が苦しい。
普段の動作なら問題はないのだが、少しでも運動をすると無理に押し込めた胸がはちきれそう
になるのだ。
それでも何とか六時間目までの授業は無難にこなしたのだが、放課後ともなるともう無理が
きかなくなりそうで、いつになく焦ってしまう。
「…どうしよう」
こんなキツくて苦しいものは、早く外してしまいたい。もう少しの辛抱をすれば済むことだとは思う
のに、そのもう少しが出来そうになかった。運動部の顧問をどこもやっていなかったことに、この時
ばかりは感謝するしかない。
「才崎先生、どうされました?」
体育館の壁にもたれたまま動けないでいる美徳の前に、偶然ハデスが通りかかった。またいつも
のようにうろうろと怪我をした生徒を探していたのだろう。
「…派出須先生。いいえ別に何も」
締め付けられた胸が苦しくてどうかしてしまいそうなのに、それでも普段から作り上げている虚勢
が邪魔をしていた。
「でも、苦しそうですよ。具合が悪いのでしたら少し休まれては如何でしょう」
「え、だけどご迷惑では…」
「遠慮なさらず」
最近、ようやく見慣れてきた顔が笑う。この機会に以前助けて貰ったお礼も言っておこうと思い
直して、素直に保健室に連れられて行った。
231:凶器と戦う女 3
10/05/29 04:14:20 5fYg1E6g
「さ、どうぞ横になって下さい」
保健室に着くと、ハデスは真ん中のベッドに導いた。
「すみません、では…」
やっと楽になれる。そんな開放された気分でカーテンを引いて一人きりになってしまうと、急に
胸を締め付けているブラが邪魔に思えてきた。横になっている間だけ、こんなものはもう外して
しまおう。そんな気持ちになってジャージを脱ぎ、ブラを外そう…とした時に一日中負担をかけて
いたブラのホックが壊れて弾け飛んだ。
「きゃあああっ!」
思ってもいなかった事態にすっかりパニックを起こしてしまい、外と遮断していたカーテンを渾身の
力で開けてしまう。
「何かありましたか?」
テーブルの上を片付けていたハデスが、固まっていた。美徳は自分がどんな姿でいるのか思い
出して、真っ赤になってカーテンの陰に隠れるしかなかった。
「ご無理は禁物ですよ。後でお茶を淹れますから」
一旦固まったものの、ハデスはすぐに復活していつもの穏やかな口調だ。内心どうかはともかく、
いやらしい目で見もしなければ特に関心を持たれていない様子なのも何となく腹立たしい。
女心はかくも複雑だった。
終
232:名無しさん@ピンキー
10/05/29 06:17:43 6HXarSES
ハデみのGJ!
みのりちゃんかわいいよみのりちゃん
マジ最近賑わい過ぎだろこのスレ
233:名無しさん@ピンキー
10/05/29 09:09:25 nN2vkYzC
ハデス先生は変人と言う名の紳士だよ!!
234:名無しさん@ピンキー
10/05/29 12:17:29 5Efmn85F
ハデスでエロは難しそうだなw
アシタバもラッキースケベ以外は難しそうか?
本好は病魔の力を借りない限りは板違いの方向にしかいけないし
エロだとやっぱり安田と藤か
美っちゃんや1年コンビもありか
でもやっぱり安田に期待
235:名無しさん@ピンキー
10/05/29 14:58:23 zfNMsIMh
安田が病魔の力でハーレムをry
236:名無しさん@ピンキー
10/05/29 15:17:12 h+v/Udbz
>>235
という夢を見たってオチなら
237:名無しさん@ピンキー
10/05/29 19:01:50 Fgdv7bkC
精気をくれる代わりに見たい淫夢を自由に見せてくれるサキュバス型病魔とか……どう考えても安田さんは精気をあげすぎて枯死しそう。
238:名無しさん@ピンキー
10/05/29 21:54:14 Mv8lK0o9
先週号の話で、既に安田は3回目の罹患だからな。しかも全部エロ絡み病魔w
藤みたいに、安田の内なるエロワールドを旅するシリーズが出てきてもおかしくはない。
239:名無しさん@ピンキー
10/05/29 22:17:04 8HDRaLMy
はでみのGJ
スレが賑わってきて嬉しい
安田でハーレムとか面白そうだなw
あと色欲の麓助がくると信じてる!
240:名無しさん@ピンキー
10/05/30 09:12:40 JDCj3rb+
シンヤも花巻もみのり先生も校長も鈍も妹尾姉妹も
全員安田の奴隷に…
241:名無しさん@ピンキー
10/05/30 10:38:19 J+NAe1AX
なる寸前で目が覚めて、安田をボコボコにする訳だ
242:名無しさん@ピンキー
10/05/31 04:11:20 z75cFxTg
藤×花巻 続き
243:悪戯 1
10/05/31 04:13:13 z75cFxTg
吹く風は夏の匂いがする。
まだ梅雨の時期でもないから本格的な夏はまだまだ先だけど、来たる季節の予感は毎年何故
か胸をワクワクさせた。
花巻は駅前にある銅像の前で、蓮向かいのショッピングセンターの屋上をぼんやりと眺めては
頬を紅潮させていた。子供たちが賑やかに騒ぐ声が微かに聞こえてくる。あの賑やかさはどこか
懐かしい思い出を記憶の奥から連れ出してきた。
幼い頃は毎週両親に連れられてここに来たっけ、と感傷に似た気分に浸っているうちに、つい
ここで待ち合わせをしていることを忘れていたらしい。
突然後ろから肩を叩かれて、身が竦む。
「…うひゃっ!」
「なに呆けてるんだよ、腹でも減ったか?」
特に気を悪くもしていないように呟いたのは藤。今日の昼休みが終わる頃に廊下で擦れ違い様、
『放課後にちょっと付き合わね?』と言われたのだ。急なことだったので、嬉しかったのは事実だ
けど、どんな反応をしたかまではよく覚えていない。
きっと、さぞかしテンパっていたに違いない。
「ど、どこ行くの?藤くん」
「漫喫」
「…え?」
時刻は夕方に近い。少し混み始めた駅前の商店街の中、後ろを振り返りもしない藤を見失わ
ないように花巻は必死で後を追う。藤との繋がりは細い糸のようにほんの些細なものでしか
なく、追いかけ続けなければ簡単に切れてしまうと思った。
「着いたぞ」
すぐに藤は足を止めて振り返る。早くも息が切れ始めていた花巻を無表情で眺めながらも待って
いる。
244:悪戯 2
10/05/31 04:13:51 z75cFxTg
「あ、ご、ごめんね…」
「お前大丈夫か?駅前からそんなに距離ねーぞ」
「…うん、私体力ないから…」
「ま、いいや。入るぞ」
漫画喫茶の入口の階段の前で、花巻は手を握られた。びっくりしているうちにどんどん階段を
昇っていく藤に引っ張られるように、今まで立ち入ったこともなかった店の奥に足を踏み入れる。
はぐれたりしないで本当に良かった、と心から思った。
「お席はどこになさいますか?」
フロントで藤から会員カードを受け取った店員が、事務的に尋ねてくる。
「二人用の席で」
「それではxx番のお席でよろしいですね。場所はこちらです」
やはり事務的に、店内の見取り図に座席番号が振られたリーフレットを差した。花巻は自分が
一体どこにいるのかあまり理解出来ないまま、きょろきょろと周囲を見回している。すぐ側には
漫画の単行本がぎっしりと詰まった棚が幾つもあり、反対側の壁に沿うように小さく仕切られた
部屋のようなものがある。
こんなところでみんな何をしているのだろう、と分かりきったことを考えた。
「行こうぜ」
また手を握られて促されるまま歩き、店の一番奥の席に入って更に驚くことになった。
「…ここ?」
席にはデスクにパソコンが一つ。椅子が二つ。そして身長ほどの高さの仕切りのドアを閉じて
しまえば個室になってしまう作りになっている。一応は外から遮断された空間にこれから二人
きりでいるのかと思うと、嫌でも意識してしまうのは当然だ。教室でのことがあったのはほんの
数日前でもある。
「この店は全室個室になってるから、仕方ないだろ」
「それはい、いいんだけど…」
「…そっか、女は気にするよな」
口にした言葉こそ殊勝だが、鞄も置かないままドアの側で立ち尽くしている花巻に焦れたように、
さっさとドアを閉じた藤の手が花巻の肩を掴んだ。
245:悪戯 3
10/05/31 04:15:07 z75cFxTg
挑むように見つめてくる表情は、怒っているように思えて恐怖が湧き上がってくる。藤をこんなに
不機嫌にさせるほどの何をしたのか、全く分からないまま花巻は心までが竦み上がった。
「何怖がってんだよ、花巻」
「怖いなんて…そんな」
目を逸らせない。怖いのに、こんな時にも関わらず涙は一滴も出ずにいる。
「私はただ、藤くんが行くところはどこでもついて行きたかった。それだけだから…」
そして、言いたかったことがどもりもせずにするりと口から出る。それを聞いて、藤は急に勢いを
なくしたように視線を落とした。
「…じゃ、この前のことは怒ってないんだな」
「そんな、全然怒ってなんか…」
「そっか」
気が抜けたような声を出して顔を上げた藤に何か言おうとしたが、何も出て来ない。あわあわ
しているうちに唇を塞がれた。
目を閉じた方がいいのかどうか目眩を覚えながら考えているうちに、短いキスは終わった。
「…ヤリ捨てるような奴だと思われてたら嫌だからさ」
「考えたこともなかったよ、私…」
「そっか、なんかカッコ悪いよな、俺」
「そんな、こと…」
花巻にとって、この間のことは一度きりの奇跡だと思っていた。仲良くなれたらと思ってはいた
けど、まさかそこまでは考えていなかったし、あれがその後に続くものという思考には至って
いなかった。だから、目の前で一人で怒っていたり、うろたえたりしている藤なんて見たことが
ないだけに不思議な心持ちになっていた。
まさかとは思うが、あの時も終始平気そうな態度だったのに、少しは動揺していたりしたのだろう
か、と。
246:悪戯 4
10/05/31 04:15:45 z75cFxTg
ドアのすぐ外側を、誰かが通り過ぎる。
「やっ、ここで…?」
花巻は精一杯声を殺して、仕切りにもたれていた。
「声出すと聞かれるぞ。あと、たまに店員が覗きに来る。変なことしに来る客ってのも中にはいる
しな」
耳元で藤が囁く。その手はショーツの中に潜り込んでいた。
「こんなトコ、じゃ…」
声が漏れてしまわないように、花巻は両手で口を押さえて耐えている。全意識を手に集中して
いなければ、今にも快感に負けてしまいそうだった。
「最後まではしない、この前ン時、お前はイってなかっただろ」
「だ、からって…」
「イっちまえよ」
性感帯を探り当てた指が、執拗にそこを攻めてくる。既に硬くしこっているそこを指先で擦られ、
爪でつつかれるだけで気持ちが良くて腰がもじもじと動いた。だからこそこんなところで立った
ままされているのが苦しくて仕方がない。膝がもう崩れてしまいそうだった。
「そんな、の、嫌…っ」
「嫌だったら、そんなに濡らすなよ」
「…んっ」
指先が内部を強く抉った。どこをどうすれば喘がせ乱せるのかを見知った悩ましい動きが更に
花巻を悩ませた。
こんなところでは嫌なのに、それでかえって追い上げられてしまう。もうどこにも欲望の逃げ場は
なかった。追撃するように、指が奥深くまでを激しく擦り、引っ掻く。身体の中を渦巻く血流が音を
たてて一点を駆け上がる。
「あ、ぁ…やぁ…」
両手で押さえている筈の口から細い声が漏れる。もうダメ、そう思った途端に頭の中が真っ白に
なるほどの衝撃が襲いかかった。まるで凄まじい波に飲まれるようだ、と思った。
247:悪戯 5
10/05/31 04:16:59 z75cFxTg
「…何がいい?」
「…え?」
床に崩れ落ちた花巻を近くの椅子に座らせて、藤は尋ねる。
「飲むモンだよ。ここはフリードリンクだから何でもあるぜ。喉渇いただろ?」
「あ…じゃあアイスコーヒー」
「よし」
早足でドリンクコーナーに向かう藤の足音が遠ざかっていく。のろのろと身支度をしながらも、少し
ずつ頭の中がはっきりしていくに従って、ここで何をしていたのか思い出して顔から火が出るほど
恥ずかしくなった。
同時に、少しはこの恋は報われるのかも知れない、とも思った。
終
248:名無しさん@ピンキー
10/05/31 19:51:14 skva+08g
乙×10
249:名無しさん@ピンキー
10/05/31 20:22:59 eoFM8O5r
藤花GJ!
職人さんがんばってくれて嬉しい!
250:名無しさん@ピンキー
10/05/31 20:50:12 3nzOvfI3
まさかの続きGJ!!!
藤が鬼畜で終わらなくて尚更嬉しい
251:名無しさん@ピンキー
10/05/31 22:39:29 IclnrTrA
藤、イケメンじゃなきゃただのレイプなのに…くそっ、イケメンこじらせて死ね!
藤花GJ!!!
252:名無しさん@ピンキー
10/05/31 23:42:39 UHeeokaB
>>242-247
わしの乙は108まであるぞ
253:名無しさん@ピンキー
10/05/31 23:54:02 6UKGOfWa
最近職人GJすぎる
今週の読んだが最近神回(女子が可愛い回)が続くなぁ
しかし今回こそアシタバ主役回かと思ったがそんなことなかったんだぜ!
254:名無しさん@ピンキー
10/06/01 02:38:58 3SJEGLLA
久しぶりに来たら作品増えてて嬉しい、全て職人さん乙です
それにしても、もし藤が中で出して花巻さんがにんっしんっしたら14才の母か…
ちょっとゾクゾクするね
255:名無しさん@ピンキー
10/06/01 09:07:40 NkFUVnn0
毎回思うが病魔のエロパロに対する適応性と応用性が異常。
256:名無しさん@ピンキー
10/06/02 17:23:08 MmnlFfWS
職人GJすぎる
最近面白いからかな
読んでる人が増えたって意味でも嬉しい
257:名無しさん@ピンキー
10/06/02 18:44:16 pdSYR+QK
マジで最近は面白い話が続いてる。
軌道に乗ってしまえば、作品的にも勢いがつくんだけどな。
てなことで祈願を兼ねて投下。
258:魔女が囁く 1
10/06/02 18:50:45 pdSYR+QK
昼休みの校長室、昼食後に暇を持て余してしまった三途川千歳は何か面白そうなものかないか、
そんな勢いで窓から身を乗り出さんばかりに校庭を眺めていた。目を皿のようにするまでもなく、
退屈しのぎのネタはすぐに見つかった。
「…ほう、これは使えるな」
三途川が見つけたのは、今にも頭から火を噴きそうに怒り狂いながら校庭を物凄い勢いで直進
していく才崎美徳だった。
「また逸人くんと喧嘩でもしたか…やれやれ」
とは言いつつも、黒手袋の指を頬に当てる表情は明らかに何かを企んでいる。
「全く、あの人は何度言っても…」
校舎に入ってからも美徳は怒りが収まらないままだ。
別にいつも怒りたい訳じゃないが、ハデスに対してはいつもこんな風になってしまう。ついさっきも
掲示板に無許可のポスターを貼っていたところに遭遇したばかりだ。とはいえ、それぐらいでいち
いち目くじらを立ててしまうのも大人気ないのは分かっている。
なのにどうしても理解できないことをしていると、つい声が荒くなってしまうのだ。
こんなやたらとうるさい女は誰だって嫌だろう。そう思ったら急に気分が落ち込んでしまう。外見
からは決して分からないが。
「才崎先生」
肩を何か硬いもので叩かれた気がして振り向くと、杖を持った三途川がいた。
「…校長先生。何か?」
「相変わらず威勢のいいことだな」
ピンクのウイッグの下の童女のような顔がにやりと笑う。突然のことで、何を言われたのかすぐ
には分からなかった。
「な、何のことだか」
「逸人くんを許してくれたまえよ、あれで悪気はないのだ」
259:魔女が囁く 2
10/06/02 18:51:37 pdSYR+QK
「御覧になっていらしたのですか」
「うむ。しかし職員同士の交流がスムーズにいかねば何かと支障が出る。早急に仲直りをして
貰いたいのだ」
「はあ…」
やはり外見からは分からないが、美徳は更に落ち込んでいた。衝動的で短気なのは早く直して
おかないと、教職に就いている以上は確かに色々とまずい。そんな心の隙を突くように、三途川
は魔性の囁きを告げた。
「良いことを教えてやろう。逸人くんは深酒をすると記憶が飛ぶことがあるぞ」
「…は?」
「君も大人なら多くを言わずとも察せられるだろう。健闘したまえ」
それだけ言い残すと、三途川は何やら意味ありげな微笑を浮かべて立ち去ってしまった。
「な、何だろう今のは…」
ハデスといい三途川といい、この学校には何故か美徳の理解を超える者がいる。暗喩のような
言葉が頭の中で融けていくに従って、とんでもないことを言われていたのだと理解した。途端に
思考がパニックを起こしかける。
「それって、つまり…ああもう!」
どのみち悩んでいるだけでは今の状態から一歩も抜け出せない。ここは目上の意見を聞くべき
だという結論を持ち前の律儀さから導き出して、まだどこかで迷っている心に言い訳をした。
清水の舞台から何度も飛び降りるイメージで心を決めながら保健室のドアを開けると、昼休み中
にはいつもここでだべっている生徒三人が珍しいものでも見るような目で迎えた。中でも美作は
真っ先に声をかけてくる。
「よー、みのりちゃん。何か用か?」
「ハデス先生がいると思ったんだけど。さっき勝手に保健室のポスターを貼ってたので」
「だったらまたすぐに分からないところに貼りに行ったんじゃね?変なトコに労力使ってるしさ」
「あ、僕ポスター書くの手伝ったけど、悪かったかな…」
並んで弁当を開いていた藤とアシタバもどこに行ったか本当に知らないようだ。せっかく決意
して来たというのに早速挫かれるのも癪で、美徳は気が逸ってしまった。
「…もう、許可も得ずに勝手なことをして貰っては困ります!探さなきゃ」
保健室を出たところで、ハデスが別棟の視聴覚室の入口にいるのが窓から見えた。五時間目
の授業の予鈴まであと五分。
それまでに言っておかなければいけないことを懸命に頭の中で反芻しながら、追いかける足が
次第に早くなっていく。
260:魔女が囁く 3
10/06/02 18:52:34 pdSYR+QK
「ハデス先生!」
「…あ」
「あ、じゃありません、何ですか。こんなところで」
別棟三階の視聴覚室のドア前にポスターを貼ろうとしていたハデスは、美徳に見つかって驚いて
いるようだ。まさかここまで追って来るとは思ってもいなかったらしい。
「見つかりましたか」
「見えました」
「じゃ、これは諦めます。残念ですが」
がっくりと長身を屈めて、見るからに落胆した様子で引き下がろうとするハデスに、美徳はここ
に来た理由を思い出して近付いていく。
「…私も、このようなことは言いたくないのです。うるさいと思われても仕方がありません。そう
いう自分があまり好きではないのですけど」
「うるさいなんて、そんな。才崎先生はいつも常識的な方ですよ」
「それでしたら…ご相談に乗って、頂けますか?よろしければ今夜にでも」
「あ、はい。僕はいつでも構いませんが」
ハデスは何も知らずにすぐ了承をした。何か言われたら返すつもりだった幾つもの言い訳を頭の
隅に押し込めて、美徳はまっすぐに見つめる。
「嬉しいです、断られるとばかり思っていましたから」
「才崎先生の頼みを断る男なんて、いませんよ」
「そうなんですか?」
これはあくまでも三途川の助言に従っただけ、何の他意もないのだと自分に言い聞かせる美徳
の気も知らず、ハデスは無邪気に問いかけてくる。
「あ、ついでにこのポスターは貼ってもいいですか?」
「それはいけません」
261:魔女が囁く 4
10/06/02 18:53:15 pdSYR+QK
三途川に言われるまで、ハデスは全く飲めないのだと思い込んでいた。多分調子に乗って飲み
進むタイプではないのだろう。
「…という訳なんです。私、どうしていいのか分からなくて…」
相談事の内容が内容ですから出来るだけ静かな場所でと言ったお陰で、二人が今現在いるのは
随分落ち着いた雰囲気のバーだ。美徳はグラスを傾けながらも待ち合わせの時間まで何とか作り
上げた嘘の相談事の辻褄を、一生懸命合わせながら言葉を続けていく。
その間ハデスにもしきりに酒を勧めた。カウンター席ということもあって、随分二人の距離の近い
ことがどんどん美徳を大胆にさせていく。
「こんなこと、とても素面じゃ言えませんもの。分かって頂けますね」
「ええ、もちろん。才崎先生にそんなお悩みがあったなんて存じ上げませんでした」
ここに来てから美徳と同じだけ、いやそれ以上に飲んでいる筈なのに、ハデスの様子は普段と
少しも変わらない。いや、変わった部分があるとすれば、年齢なりの大人の男性らしさがこの夜
の雰囲気に合っていることぐらいだ。そう思えてしまうのは、ほんの少し酔っているからなのかも
知れない。
「分かって頂けて嬉しいですわ」
嘘を見抜かれないようにと気を昂らせているせいか、それとも出来るだけ共感させようとわざと
話を大袈裟にしているせいか、美徳は涙を滲ませている。それが余計に悲しむ女に見せている
のだろう。
「よくお話をして下さいましたね」
危惧する必要はなかったのか、ハデスはやたらと真剣に聞き入り、美徳の作り話をそのまま受け
入れている。罪悪感さえ覚えるほどに。
「それはハデス先生だからですわ」
もう一押し、とばかりにグラスを握っていた手を取る。一瞬驚いたような顔がすぐに柔和に戻ると
強めの力で握り返されてきた。
「冷たい手ですね…」
「そんな…女だったら多分誰でも」
「いいえ。才崎先生の手はびっくりするほど冷たいですよ。今までお辛かったことでしょう」
身を寄せて見つめてくる表情はひどく真摯だった。
262:魔女が囁く 5
10/06/02 18:53:57 pdSYR+QK
「僕はいつでも味方ですから、ご安心下さい」
「ええ、ありがとうございます…」
あまりにも事が上手く進み過ぎていることに疑問を持つこともなく、美徳は涙を拭った。思えば
この場の雰囲気に呑まれていただけなのだろうが、企みと酒の力が思わぬ相乗効果をもたら
している。
「才崎先生、僕は…」
「ハデス先生」
その時。
何か言おうと至近距離で顔を寄せていたハデスが突然がくりと頭を垂れたかと思うと、美徳に
倒れ込んできた。
「きゃ…!」
幸い、咄嗟に抱き留めたのでバランスを崩すことはなかったが、ハデスは眠り込んでしまっている。
いつも深酒をしがちな美徳以上に飲んでいたのだから、今夜はよほどのことだったのだろう。
「こんなところで眠っては困りますわ」
突然のことに、他の客たちがちらちらとこちらを見ている。その視線に辟易しながらも何とか体勢
を立て直そうと足掻く。けれど無駄だった。長身のハデスは美徳の胸元に頭を預けている。今夜
着ているワンピースは思い切って胸元の開いたものにしていた。
傍目からは随分関係の進んだカップルに見られていることだろう。そこまで考えて、美徳ははっと
自分のしようとしていることがどんなものか、改めて気付かされた。
「まさか今夜…いいえまさか。そんなすぐには」
最初こそは三途川にそそのかされたと幾らでも言い訳が出来た程度のものだ。しかし全くの作り
話を相談事と言ってこんな妖しい場所に誘い出したのは、間違いなく美徳の意思だ。そこまでして
欲しいものがあるとすれば、それはもちろんたった一つだ。
「ハデス先生、こんなところじゃ何ですから、場所を変えませんか?」
とにかく何にしても、この体勢ではいられない。必死で身体を揺さぶり続けるうちにようやくハデス
は目を覚ましたようだ。
263:魔女が囁く 6
10/06/02 18:54:51 pdSYR+QK
「お目覚めになりました?」
がばっと身を起こしたハデスは、幼児のようにきょろきょろ周囲を見回した。
「あの、ここは…。僕はどうしてここにいるんですか?」
「はあ?」
あまりのことに美徳は呆然とするしかなかった。そういえば三途川は深酒をすると記憶が飛ぶ
ことがあると言っていたが、まさか今ここで全部が飛んでしまうとは思ってもいなかった。
「あー…何か失礼なことを言ったりしてたら謝ります」
「あ、あ、あなたという人はあーーー!!!」
今日一日、一人で色々と気を揉み、策略を巡らせていた美徳のどこにも行き場のない怒りは
凄まじいもので、遂にメルトダウンを起こした。
数日後の昼休み、保健室でアシタバは妙にびくびくしながら弁当を開いていた。食欲もあまり
ないようだ。
「才崎先生、最近どうしたのかなあ。なんか怖いよ」
「イライラする女ってのは、大抵アレだろ。じゃなきゃ更年期が来たとかさ」
弁当を食べ終わり、ちゃっかり用意されているお菓子にも手を伸ばしていた藤が興味なさげに
吐き捨てるついでに、隅でどんよりと落ち込んでいるハデスに問う。
「あんた知ってる?理由」
「多分僕が才崎先生を怒らせたと思うんだけど、何がどうなってそうなったのかさっぱり分からな
くて…」
「自覚がないってのは最悪だな。いくらみのりちゃんでも、意味なく怒っているとは思わないけど」
美作の一言が更に追い討ちをかけたのか、ハデスは更に身を屈めた。
顔の怖いデカい男がめそめそしているのは非常に鬱陶しい。短い昼休みでもあるし、関わらない
方が良いと判断したのだろう。生徒たちは空気を読んで黙り込んでしまった。
264:魔女が囁く 7
10/06/02 18:55:28 pdSYR+QK
美徳の悪いのは、意識してしまうとかえって墓穴を掘ってしまうところだ。事実、最初に助けて
貰ったお礼を何だかんだでハデスにはまだ言ってもいない。謝ろうとしてうっかり背負い投げを
したり、些細なことで腹を立てたりとろくな結果になっていないのがいい証拠だ。
この前のことも元は美徳が下手な策略をしたからで、忘れてしまったからといってハデスには
何の罪もない。それは分かっている。
「だからといって!」
生徒は立ち入り禁止の屋上で一人で弁当を食べながら、美徳は長い間つらつらと考え、悩み、
落ち込み、立ち直りを何度も繰り返していた。
あの夜、一度は貞操の危機を覚悟しただけに、すぐに元には戻れない気持ちが怒りのフィルター
をかけ続けているのだ。けれどさすがにこのままでは生徒たちの教育にも良い筈がない。教師
がこんな八つ当たりをするものではないのだ。
「…やっぱり私が謝らないと」
今回のことは、似合わないことをしたから罰が当たった。次があるとしたら正攻法で当たってみる
しかないと何度目かの立ち直りでようやく心が決まった。
「よし、放課後にでも」
立ち上がった美徳の表情は見違えるほどすっきりとしていた。
「…やれやれ」
校長室から双眼鏡で屋上を見ていた三途川は、興をそがれたような顔で窓から離れた。魔女
の一言程度では人の心は操れない。それがいたく不満のようだ。
終
265:名無しさん@ピンキー
10/06/02 18:57:14 pdSYR+QK
さっき貰い物のチーズケーキ食ってたら、使っている牛乳の名前が「乳しぼり」
だった。ホントにこんな名前あるんだな。
266:名無しさん@ピンキー
10/06/02 19:06:45 FkDi7GMd
なんなんだこのゴールデンウイークはww
267:名無しさん@ピンキー
10/06/02 21:16:34 Z9TBLdQj
乙牙天衝ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!