09/12/20 15:25:00 SWi9hyKl
「もー、遠慮しなくていいんだよ?親はしばらくいないんだから」
彼女の家の門の前でルルはマリスに宥められるが、恐怖心は彼女に話しかけられる度に増大していった。
「あっ、アレはなんだ!?」
家はそれほど大きな造りではないものの、それなりに豪華な装飾の付いた一軒家だった。
扉を開けてすぐの場所に台所があり、その奥に居間らしき部屋があった。
その居間に入った瞬間、マリスは扉を閉め、厳重に施錠する。
ルルは涙目で逃げようとするが、後ろからマリスに抱きつかれる。
「無駄だよ?うちは全部防音性だから。いくら叫んでも暴れても誰にも気付かれないから」
怪しく微笑みながらルルを仰向けに押し倒し、その上に軽く跨る。
怯えるルルを見下ろす金色の瞳は光が入っておらず、それが更に彼女の恐怖心を煽っていた。
「…どうして…?」
「ん?」
涙声でようやくそれだけ切り出すが、中々声が出てこない。
「どうして…こんな事…私…何か気に障る事した?私の事嫌いだったの…?」
途中で本当に泣き出しながらの問い掛けに、マリスは表情を変えずに答える。
「嫌いなんてとんでもない…逆だよ、逆。大好きだよ。
言葉じゃ表わせないくらいに愛してるよ。…正直、その辺の汚い男共よりも幸せにしてあげられると思う。
だからさ、結婚しよう?今のうちに逃避行して、どこか遠い所で式を挙げよう、ね?」
必死に告白を続けるマリスに、ルルは怯えつつも説得を試みる。
「無理だよ…私達女同士なんだよ…?いい加減諦めてよ…」