◆女性に捕食されるされるスレ◆ 二口目at EROPARO
◆女性に捕食されるされるスレ◆ 二口目 - 暇つぶし2ch476:腐肉(P.N.)
10/02/26 00:37:49 ElJ+3x95
駅員は驚いて瓦礫から手を離すと1,2歩後ずさった。瓦礫に躓いて転びそうになる。
そこへ、今まで彼が居たその場所に、数百キロはあろう巨大な石塊がズーンと音を立てて倒れた。
その下から現れたのは、全裸に近い格好の少女だった。黒っぽい血と土埃に塗れて汚れているが、かなりの美少女だ。
長く美しかったであろう髪はほつれ、所々に何かの破片が絡み付いている。
「き、君、怪我を…」
駅員はすぐに我に変えると、血塗れの少女に声をかけた。
少女はその時初めて彼に気付いたように、驚いて彼に視線を向けると、自分の身体を見下ろして言った。
「ああ…大丈夫、これ私の血じゃない。」
少女は瓦礫の山から降りようと一歩踏み出して顔をしかめた。
「…痛い。」
「当たり前じゃないか、こんな瓦礫の下に居たんだ。」
駅員は少女に駆け寄ると、露出した身体を抱いてよいものか一瞬躊躇い、中庸策として肩に手を掛けた。
少女は呆然とホームを見渡した。今や瓦礫に埋もれて、元の床も、その上に散らばった周防美和の残骸も、佳奈の名残も見る影も無い。
そこはかとない悲しみが込上げてきた。その感情は胸を裂くような痛みとなって彼女の全感覚を苛んだ。
「…痛いよ…。」
千絵は呟いた。泣きたかった。声を上げて、赤ん坊のように泣き叫びたかった。
今隣に居る優顔の男が誰なのかは知らないが、彼の肉を引き裂いて泣きたい気分だった。
だが涙は出ない。それは今の彼女にとって、最も残酷な事に思えた。
「ともかく、ここから出よう。またあの化物が現れでもしたら…」
“ばけもの”。
その言葉に千絵は反応した。思い出した。なぜこんな事になったのかを。“何が”彼女から佳奈を奪ったのかを。
思い出した。“あいつ”の中に、佳奈が居るんだ。
千絵は無意識のうちに第二の口を開いていた。驚愕と困惑、恐怖の表情が目の前にあった。
駅員は、彼の助けようとした少女が怪物に変貌するのを見て言葉を失った。
次の瞬間、千絵は彼の身体をばくんと呑み込み、跳び上がった。天井に開いた穴を跳び抜け改札階に出ると、口を閉じる。
まだ呑み込み切れて居なかった憐れな駅員の手足の一部が千切られてぼとぼとと床に落ちたが、今はそれを惜しむ間は無い。
千絵は駆け出した。ピコーンと間抜けな音を立てて切符を提示しない乗客を阻もうとする改札機を蹴り飛ばして破壊すると、
巨人の重みに耐えかね半壊して凸凹のスロープのようになった階段を地上へと駆け上がった。


村雨はバンを出ると、逃げる群集にもみくちゃにされながら巨人へ近づいた。
「村雨さん、危ないです!」
背後で岡崎が叫ぶ声が聞こえたが、村雨の視線は周防美里に釘付けだった。
長い間の地下での暮らしがたたり、どうやら夜のネオンの光でも彼女にとっては眩しいらしい。
巨人は目を瞬かせながら、途方に暮れたように辺りを見渡し地団駄踏んだ。
「代々木公園上空にヘリを飛ばしてください。民間機の飛行は一切禁じます。それから…」
村雨は襟元に仕込んだ無線機に向かって言った。
「…これは市ヶ谷の出番かも知れません。」
その時、破壊された地下鉄の出口から何かが飛び出してきた。人のようだが、あまりのスピードにその正体を目視できない。
その“何か”は叫び声を上げると、ふわりと宙に舞い上がった。その刹那、村雨には夜風に靡く黒く長い毛髪が見えた。
「あれは何です!?」
耳元のイヤーフォンから雑音交じりの岡崎の声が尋ねた。
「人間…ですか?」
「いいえ、恐らく…」
村雨は指で眼鏡を押し上げると、もう一度目を細めて見ようとした。
夜空に高く舞い上がった“それ”は、目にも留まらぬ速さで巨人に蹴りを食らわせ、大地を揺らして車道に倒れ込む巨人の上に着地した。
「…あれは“オブジェクトD”です。」
村雨は無線機に向かって呟いた。
「…自衛隊の出動要請はもうしばらく待ちましょう。」


[続]


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