◆女性に捕食されるされるスレ◆ 二口目at EROPARO
◆女性に捕食されるされるスレ◆ 二口目 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
10/01/25 00:38:32 e7g4Bbn8

腐肉さんGJです
続き期待してます!

301:腐肉(P.N.)
10/01/25 03:23:51 UD3icjpW
その夜、佳奈は早くに眠りに落ちた。千絵も最初の頃は、変成に伴う体力の消耗のためにしばしば強烈な眠気に襲われることがあったのだが、今では寧ろ夜が長く感じる。
すやすやと寝息を立てる佳奈の隣で、千絵は1人で映画を観ていた。映画に飽きると、チンパンジーこと輪下貴史がベッドの下に隠し持っていたアダルトビデオを観た。
千絵は巨乳は嫌いだったが(殆ど脂肪で美味しくない)、ぶつかり合い絡まり合い、交わり合う肉体を眺めていると唾液が込上げてきた。彼女にとってはグルメ番組のようなものだ。
気が付くとカーテンの向こうが明るくなっていた。どこからか鳥のさえずる声がする。時計を見ると7時になるところだった。
「うわ…」
千絵は思わず呟き、頭を抱えた。
徹夜でAVを観るって、私…。
千絵は落ち込んだ。部活をやっていたころ、ほんの数ヶ月前には考えられない事だ。だが今の千絵には有り余るほどの体力と時間がある。
それを惜しむ必要など全く無いというのに、習慣とは恐ろしいものだな、と千絵は思った。彼女は溜息を吐くと、ベッドに横になった。
「寝よ…。」
千絵は長い脚を延ばし、天上からぶら下がった電灯の紐を足の指で引っ張って消すと、蹲って眠る佳奈の方へ這って行き背中からぎゅっと抱きついた。
佳奈は「ん…」と小さく幸せそうな声を漏らすと、また元通り心地よいリズムの寝息に戻った。千絵は佳奈の背中に頬を押し付け、目を閉じた。
だが2時間もしない内に、チャイムの音で起こされた。郵便か集金なら、いつもは居留守を使ってやり過ごすのだが、今回の訪問者は執拗にチャイムを鳴らし続けた。
「んー…うるさいなぁ…喰い殺すぞ?」
千絵は寝ぼけて呟いた。だがチャイムは止まず、佳奈がもぞもぞと目を覚ましそうになっているのを見兼ねて、ついに千絵は諦めて起き上がった。
呻きながら玄関に向かっている時、彼女は自分が全裸だと気付き、慌てて下着を履いた。上からパーカーを羽織ると、彼女は苛立ちを隠そうともせず乱暴にドアを開けた。
そこに立っていたのは美しい女性だった。千絵の姿を見て、若干驚いているようだ。
「あら…」
彼女は呟く。
「えっと…どちらさまで…」
女性の美しさに千絵はすっかり毒気を抜かれ、呆然と尋ねた。
「あら、聞いてない?」
女性はにやにやしながら、千絵の剥き出した脚から寝起きであることが一目瞭然の乱れた髪までじろじろと見つめて言った。
「なるほどねぇ、急に連絡寄越さなくなったって言うのは、こういう事だったのねぇ。」
「あの…?」
千絵はその何故か得意顔の女性を観察した。見ると腹部が不自然に膨らんでいる。中から別の鼓動が聞こえた。どうやら、妊娠しているらしい。
「ごめんね、意地悪のつもりじゃないんだ。私は大野貴子、貴史の姉です。」
怪訝そうな顔の少女に気を遣って、姉は言った。それから千絵の目線の先を追って付け加えた。
「ご覧の通り、ママになります。」
「え、えぇ、えっと、おめでとうございます。」
千絵はどう対処して良いのか分からず度盛りながら言った。大野貴子は微笑んで言う。
「ありがとう。あなたは、将来この子の叔母さんになるかも知れないのね?えっと…」
「蓮杖、千絵です。」
「可愛い名前ね。貴史、いる?今朝寄るってメールしたんだけど…」
貴子は千絵の脇をすり抜けると、勝手に弟の部屋に上がり込もうと靴を脱ぎだした。千絵は焦った。こういう事態のために、チンパンジーの携帯をチェックしておくべきだった。
「え、ぇっと、その、ですね…」
うろたえる千絵をさも可笑しそうに見ながら貴子は言った。
「でもびっくりだな、貴史にこんな可愛い彼女が居るなんて。どこが良いの?猿みたいじゃん。」
同感だった。だが、千絵にとってはその猿と血の繋がった姉が目の前に居る美女だと言う事の方が驚きだった。
「何この部屋、酷い臭いね… どうせあの子ごみ出しもろくにしてないんじゃない?」
貴子がそう言って電気を付けようとした時、奥の部屋から寝ぼけ眼の佳奈が現れた。事態が把握できておらず、しかも全裸である。
家主の姉は凍りつき、千絵は絶望的な表情で頭を抱えた。

302:腐肉(P.N.)
10/01/25 03:31:02 UD3icjpW
「なぁに?朝から…喰い殺すよぉ?」
佳奈が目を擦りながら、寝惚けた声で呟く。千絵は、佳奈の背後のテレビ画面に卑猥な映像が映し出されているのに気付いた。
ビデオの設定がリピートになっており寝る直前まで観ていたビデオが延々連続再生されていたらしい。
無論、佳奈と真正面に向き合っている姉貴子には、弟の部屋の惨状もとっくに目に入っていた。
「…どういう事…!?」
今度は、この突然の訪問者がうろたえる番であった。貴子は千絵と新たに登場した全裸の少女を交互に見つめながら、引きつった顔で回答を求めた。
「…誰?」
目が覚めた佳奈が、目の前に居る妊婦を指差し千絵に尋ねた。
貴子が千絵を顧みようとしたその瞬間、何か巨大な肉の塊のようなものに凄まじい力で押し倒され、気を失った。

303:腐肉(P.N.)
10/01/25 03:35:45 UD3icjpW
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気が付くと貴子は冷たい場所に横たえられていた。風呂場らしい。スモークのかかったガラス戸の向こうから何やら言い合う声が聞こえてくる。
最終的に、言い合う2人はジャンケンを始めた。何かを決めようとしているらしかった。貴子はぼんやりとその声を聞き流しながら、何が起こったのか思い出そうとした。
今朝、夫富雄に送ってもらった。一週間ほど実家に連絡が無いというので、心配した母から弟の様子を見て来いと言われたのだ。そして…2人の少女に会った。
そうだ、そして彼女は殴られたか何かして気を失ったのだ。どれくらい経つのだろう?あの少女は何者なのだろう?
貴史はきっと悪い事に手を出したに違いない。悪い仲間と付き合い、ドラッグだの、援交だの…あの少女はどちらもまだ未成年ではないか。
とにかく、起きなくては。ここから出なくては。そう思って立ち上がろうと床に手を着いた途端、濡れたタイルにつるっと滑って頭を打った。
「っつぅ…」
貴子は呻きながら頭に手を遣った。その手を見た貴子は青ざめた。血が付いている!頭をまさぐると、更に大量の血が付いた。
「うそ…」
だがどうやら血が付いているのは髪の毛だけで、傷が見当たらない。貴子は上半身を起こすと、自分の倒れていた床を見た。途端に、彼女は悲鳴を上げた。
真っ白いはずのタイルが、赤く染まっていた。それどころか、血の池のようだった。
電気が点いておらずそれまで気付かなかったが、壁にも一面に血が飛び散っており、天上にまで及んでいた。
貴子は自分の身体に外傷は無いかと、シャッツの上から血が付くのも構わずボディチェックした。ふと、浴槽にもたれかかると、背後から強烈な腐臭がした。
振り向くと、浴槽の中にまだ血肉のこびり付いた人間の骨や、反吐に塗れた衣服が折り重なっていた。
しかもどう見ても一体だけではない。まさか、これが貴史だと言うのか。
貴子は悲鳴を上げる気力も失せ、ふっと力が抜けたように血の池の中にへたり込んだ。その時浴室の扉が開き、千絵が戸口に現れた。
「起きた?」
「あ…あぁ…」
千絵は後ろ手に扉を閉めた。ガラス戸の向こうから、もう一人の少女がにやにやと邪な笑みを讃えてこちらを見ていた。
「ごめんね、汚くて。昨日ご飯の後で掃除し忘れてて…」
全く、エロビデオなど見ずに夜の内に掃除して置けば良かった、と千絵は思ったが、床から立ち上る饐えた血の臭いが既に彼女を興奮させていた。
「あ、あなたたち、何なの!?」
貴子が叫んだ。だが身体は正直に、血の池の中をこの怪物のような少女から後ずさる。
「た、貴史をどうしたの!?まさか…」
「喰った。」
千絵は姉を見下ろし、ぽんぽんと腹を叩いて見せた。大野貴子の顔に明らかなショックと絶望が浮かび上がり、瞳が見る見るうちに涙で潤んで行く。
「あいつ愛されてたんだねぇ。」
千絵はくっくと笑い、弟の残酷すぎる死を突きつけられた姉に顔を寄せる。
貴子は「ひっ」と悲鳴を上げて飛び退こうとしたが、背中がもう壁に着いてしまった。逃げ場は無い。
「大丈夫、君もすぐに“入れて”あげる。弟よりもっといっぱい愛してあげるよ。」
千絵は血の池に膝と手を付くと、貴子の膨らんだ腹にぴたりと自分の肉体を密着させ、キスをした。初めての時に比べると随分上手くなった、と千絵は自分で思った。
「あっ…んっ…!!」
貴子は拒むように顔を背けるが、千絵の血塗れの手に頬をぎゅっと押さえつけられ、無理矢理に奪われた。
「や、やめ…」
言い終わらないうちに、少女の柔らかい唇が再び彼女から声を奪う。のたうつ舌が、口の中を隅々まで走査するように撫で回した。
貴子は、いけないと自分に言い聞かせた。だが少女のキスは今までのどの男よりも強く激しく、感じずに居られなかった。富雄さんよりも。
それが何よりも悔しく、貴子は泣き出した。
その間に千絵の股間の辺りから下着を捲り上げてチューブ状に集合した、勃起したペニスのような太い触手がするすると姿を現した。


[続]

304:名無しさん@ピンキー
10/01/25 15:46:58 ki4B4i3R
突っ込んだ触手で胎児を引っ張りだし、母親の前で食するのを希望

って、何考えてんだ俺……orz

305:腐肉(P.N.)
10/01/26 00:32:20 UvjJxNti
巨大な一物は貴子の秘所を、パンティの上からつんと突いた。
「んんぐっ…!!」
貴子は叫ぼうとするが、口を塞がれて声が出ない。貴子は脚をばたつかせ、千絵の身体を押し戻そうと手を掛ける。だが少女の身体はびくともしない。
触手がパンティを貫き、膣内に侵入した。そのままずるずると信じられない程奥まで押し入る。
一体自分の身体に何を入れられているのかも分からないまま、彼女は「だめ、やめて」と言いたげに首をふるふると振りながら、乞う様な目を少女に向ける。
中に赤ん坊が居るのだ…。
少女の目が、彼女の目の前で意地悪く笑いきゅうっと細くなる。貴子は叫んだ。だがその声は外へは出してもらえず、代わりに涙と鼻水が流れ出ただけだった。
触手が、彼女の中のもう一つの命に触れる。身体の中で異変が起こった。触手が、彼女の中から胎児を引きずり出そうとしているのだ!
正確には千絵は、チューブを使って母親の胎内で直接胎児を飲み込むつもりだった。中絶に使う吸引器のように。
触手はあっと言う間に、世にもおぞましい肉で出来た掃除機さながら、胎児を飲み込んだ。
胎児はチューブの中をずるずると子宮から引きずり出され、膣の壁をぶち破ると、母体を離れた。貴子の腹が見る見るしぼんで行く。
貴子の肉体を出産時以上の激痛が苛む。だが胎児を失った彼女の絶望にとっては、そんな苦しみは気を紛らわしてもくれない。
大野貴子と夫富雄にとって希望となる筈だった生命は、一度も外気に触れる事無く千絵の胃に収まり、妊婦の代わりに彼女の腹がぽっこりと膨れた。
貴子は抵抗を止め、涙をひた流しにしたまま呆然と空虚を見つめた。千絵は彼女の身体から離れると、彼女から自分の身体がよく見えるように立ち上がった。
「あ… あ…あ…」
貴子は口に手を当て、わなわなと震えた。
次の瞬間千絵の腹に綺麗に割れた腹筋が浮かび上がったかと思うと、中でぐしゅっという何かが潰れる音がした。続いて、少女は満足げにゲップを放つ。
「いやあああああああああ!!!!!!!!」
貴子は声の限り叫んだ。だがすぐに、身体の中で激痛が走り、声が出せなくなった。呼吸すら難しくなり、げほっと咳き込む。口から唾液が糸を引いて毀れた。
見ると、怪物の股間から延びた直径20cm以上もある巨大なペニスのようなピンク色の物体が、自分のヴァギナに突き刺さっている。
貴子はまだ呼吸を取り戻せずに、咳と共に肺の中の空気を徒に吐き出し続けた。先ほどの痛みは、触手が子宮の壁を突き抜けた時のものであった。
触手はそのままぐりぐりとドリルのように彼女の体の中を抉りながら突き進む。
一旦凹んだ腹が再び、中から押し上げられるように膨れ上がると、次の瞬間ミイラの身体のようにぺしゃんこになった。
周囲の臓器がチューブに汲み上げられて千絵の胃の中に吸い込まれたのだ。
呼吸も出来ず声も上げられない貴子は、この世のものとは思えない痛みに身悶えた。
いっその事、一思いに殺して欲しいと思った。だが怪物は、彼女の内臓を飲み込み、恍惚に打ち震えるように身体をくねらせるばかり。
彼女の目に、もう貴子の姿は“肉”としか映っていなかった。

306:腐肉(P.N.)
10/01/26 00:32:58 UvjJxNti
次の瞬間貴子の胸が炸裂した。肋骨を砕き、身体の中から血肉に塗れた触手が外へ飛び出してきたのだ。
豊かな乳房は潰れたボールのようにべしゃりと側に垂れ、毀れた母乳が血と交じり合い桃色の流れとなって血の池に注いだ。
大野貴子はしばらくびくびくと痙攣していたが、やがて震えのリズムが緩やかになって行き、そのままの姿勢で息絶えた。
その間も胸から突き出た触手は、身体の真ん中にぽっかりと空いた穴の周りでべちゃべちゃと肉をついばんでは、千絵の胃に送り続けた。

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ジャンケンに負けた佳奈は、千絵が家主の姉を始末している間、浴室のガラス戸にもたれ、中の声を聞きながら自分を慰めていた。
口を塞がれた大野貴子が呻き声を上げる度に、彼女の恥部から大量のぬるぬるした液体が毀れ出た。
彼女は泣き叫ぶ獲物の顔と、それを見下ろす親友の残忍な眼差し、その暴虐を想像しては何度も果てた。
その時、凭れていた扉が不意に開き、佳奈は悲鳴を上げ後ろへ倒れた。すぐに背中に千絵の脚が当たる。
「び、びっくりする…じゃんか…」
佳奈は後ろ向きに千絵を見上げ、講義しようとするが、すぐにはしたない行為を見られた事に対する羞恥が起こり、頬を染めて目を伏した。
「また1人でしてたの?」
千絵は佳奈の背中に凭れかかると、優しく言った。
「エロい子だな。」
「ちぃちゃんだって… ちぃちゃんがそんないやらしい事する子だなんて思わなかったもん。」
「嫌い?」
千絵は佳奈の背中にちゅっと口付けた。頬を寄せると、躍動する筋肉とその向こうで力強く脈打つ心臓を感じる。
「ううん… 好き。」
佳奈は千絵に向き直ると、唇にキスをした。千絵の下半身は血だらけだったが、顔には返り血が少ない。
「もう済んだの?」
佳奈が尋ねる。
「うん、満足。」
ドアの向こうを見ると、大野貴子の肉体は跡形も無く消えていた。変わりに千絵の腹が妊婦のように膨れている。
「次は佳奈にやらせてあげる。」
「私も早く千絵みたいな身体になりたいな。」
佳奈は呟き、千絵よりも少し細いが長い舌でぺろりと親友の顔に付いた僅かな返り血を舐めた。


[続]

307:名無しさん@ピンキー
10/01/26 18:18:26 IVJoCgBq
乙です。今回は胃というか子宮のあたりがヒュッとする話だったなぁ

308:名無しさん@ピンキー
10/01/26 18:57:20 alAM8bV6
うわっ>>304よりエグイ・・・GJ!

309:名無しさん@ピンキー
10/01/27 00:44:24 m7uylIiz
チェストバスター食いGJ!!

310:名無しさん@ピンキー
10/01/27 17:42:18 /B7TfXcH
佳奈がモンスター化したら、膣で無理矢理人間を丸呑みにするなんてシーンが見たいのう

311:名無しさん@ピンキー
10/01/28 11:24:20 E+Ha7C3e
膣丸呑みして一時的に保存してほしいな
中で苦しめる感じで

312:腐肉(P.N.)
10/01/28 22:47:44 4GM2wFaf
八手康久はコンビニの袋を持って車に戻ると、エアコンのスイッチを入れた。もうすぐ10月だと言うのに、この所まだ蒸し暑い夜が続いていた。
今夜も同じコンビニ弁当だが、その早めの夕食は彼にとってほんの一時の憩いを与えてくれる貴重なイベントだ。
この一週間と少し、彼は本署にも妻子の待つ家にも帰らず、ずっとこのミニバンの中から偏光シートの貼られたガラス越しにその部屋を見張っていた。
それが彼に与えられた任務である。
その部屋に居るのは、2人の女子高生。名前は蓮杖千絵と、小山内佳奈。小山内佳奈の家からは母親の刺殺体が発見されており、殺人容疑がかけられている。
蓮杖千絵は、6月に宮城で起きた宿泊施設の利用客全員失踪事件の生き残り。直後に父親や旧友が何人も失踪し、環境庁が捜査対象に加えた謎の少女。
彼女の正体に関しては、警視庁は一切の情報を与えられていなかった。当然、八手も知らない。それが後に彼の運命を左右する事となる。
2人は2週間程前にヒッチハイクで上京(車を運転していた親子は遺体で発見)し、ここ方南町のアパートに居候中だ。実のところ、尾行はその時既に始まっていた。
現在彼女らが潜伏中の部屋の契約者は輪下貴史という名の学生である。だが最初に蓮杖千絵と連れ立って部屋へ入り、続いて小山内佳奈が来訪して以降、姿が見えない。
監禁されているか、最悪の場合既に殺されているかも知れないと考えると、八手は気が気ではなかった。
2人が泳がされているのは、6月の宮城、そして8月の西東京、9月の地下鉄丸の内線事件の犯人の捜索のためである。
環境庁の調査本部責任者である村雨は、そのためならば市民の犠牲さえ多少であれば厭わないつもりだ。あれはそういう男だ。信念の男。
そのためには他人の命、そして場合によっては自らの命さえ犠牲にする男。だが、八手は正直乗り気ではなかった。
というか、彼は何一つ納得できなかったし、理解もできなかった。
宮城の女子高生と、この国の犯罪史上希に見る凶悪大量殺人の犯人との間に何の関係があると言うのだ?そもそも、なぜ調査本部が環境庁に置かれているのだ?
彼は環境庁の連中が蓮杖千絵をこんな風に呼ぶのを聞いたことがある。
「オブジェクトD」。彼は苦笑するしかなかった。しかし八手はそんな村雨の命令で動いている。
現に彼が尾行を引き継いでからも既に無実の人間が何人も犠牲になっているかも知れないと思うと、彼には耐え難いことだった。
これはもはや正義の問題ではないという事は、頭では分かっている。より多くの犠牲を防ぐため。村雨がどんなに冷酷な男であれ彼の論理も、結局はその一点に根ざしているのだ。
虫唾が走るが、彼は耐えるしかない。
だが時々、ふと覚めた目で自分を見下ろすもう一人の自分がいる事に気づく。俺は何をやっているんだ?端から見れば、車で暮らして女子高生をつけて回っている変質者だ。
実際に彼が監視している2人の少女は一向に殺人者らしき人物と接触する様子も見せず、たまに家に入ったきり出てこない者がいるという事実にも関わらず、
彼は次第にあの2人が殺人者であるとは思えなくなってきていた。奇妙な点が多い事は認める。村雨は彼女が犯人(の1人)であると断定したような口調であったが、
考えて見れば彼の知る限り証拠は何一つ無いのだ。彼女らは東京での暮らしを目一杯謳歌しているようにしか見えない。
割り切っていた思いも冷め、この仕事に対するただの嫌悪と怠惰だけが心を占めるようになりつつあった。
しかしその日の朝、異変が起こった。1人の女性が、例の部屋を訪ねて行ったのだ。応対したのは確かに「オブジェクトD」で、女性は部屋へ入ったきり出てきていない。
恐らく女性は妊娠していた筈だ。彼女が部屋へ上がり込んだとき、八手はよっぽど止めに入ろうかと思った。
向こうは彼の顔を知らないし、我々をうまく捲いたと思い込んでいるのだから、適当な芝居を打って彼女を救い出す手はあったはずだ。彼は今になってその事を後悔した。
あの少女が、身篭った母親に対しても残酷に手を下すなどという事が考えられようか?八手は、可憐な美少女が妊婦の腹を裂く場面を思い浮かべた。
ズボンの下で、ペニスがむくむくと膨張した。この所、一日中車に閉じ込められている彼のストレス発散法はマスターベーションであった。
少女たちが寝静まったのを確認すると、彼は車内で1人、蓮杖千絵のファイルを広げて手淫する。そこに印刷された彼女の美しい顔を見ながら射精する。
それが彼にとっての最大の娯楽だった。だがその日は朝まで部屋の電気が消えず、彼は機会を失ったままだった。
今夜こそは…。

313:腐肉(P.N.)
10/01/28 22:50:18 4GM2wFaf
彼はふと、身を乗り出して周囲を見回した。
この辺りは都心から少しは離れているが、それでも昼夜人が居なくなる時間というのがあまり無い。偏光版のお陰で、外から車内を覗き見ることは不可能だが、
彼はその秘かな娯楽のために、ターゲットである2人の少女以外にも周囲の目を気にするようになっていた。
その時、一台の車がすぅっとミニバンの横を通り過ぎ、アパートの真ん前で停車した。その車に、八手は見覚えがあった。今朝例の妊婦を送って来た車だ。
車から男が1人出てきた。酷く慌てた様子で、アパートの中へ駆け込んで行った。しばらくして、3階の踊り場に再び男の姿が現れた。
彼は真直ぐ、少女たちの潜伏している部屋へ向かうと、チャイムを押した。中から出てきたのは、小山内佳奈の方だ。八手は不安になってきた。
蓮杖千絵はどこだ?もしかして、彼がコンビニに入った隙に外出してしまったのだろうか。
佳奈は戸口で何やら男と話をしているようだ。それから、2人して部屋を出ると廊下を歩き出した。アパートを出るようだ。
何のために?
八手は身を乗り出し窓に張り付くようにして見ていた。恐らくあの男は妊婦の夫だろう。
妻が帰って来ないので無事を確かめに来たのか?それにしてもあの慌てようは何故だ。
男は、車のエンジンが駆けっぱなしであるにも関わらず、建物を出ると佳奈についてあらぬ方向へ歩いて行く。
八手は2人が十分に離れると、徐にバンのエンジンを切り、車を降りた。


「貴史と一緒ですから心配要りませんよ。」
佳奈は後ろをついて来ながらそわそわしている大野富雄に向かって朗らかに声をかけた。
「あ、ああ…貴史君ね…ちょっと不安だなぁ。」
富雄は余裕を見せようと冗談のつもりで言って見せた。だが自分でも声が上ずっているのが分かる。兎に角、落ち着こう。
「貴史君から連絡貰った時はびっくりしたよ…だって予定じゃまだ1ヶ月も… 本当に、大丈夫かな?」
「お医者さんは母子共に問題無いって言ってらっしゃいましたよ。」
佳奈のその一言で、富雄は崩れ落ちるほど安心した。佳奈の事に気を配る余裕も出てきたようだ。
「ところで、君は…貴史君と同じ大学?」
「えぇっと…まだ高校生。」
「高校生…貴史君も隅に置けないな!」
「貴子さんにも言われました。」
佳奈は照れ臭そうに言う。
「まぁ恋愛は自由だけど…まだ高校生なんだから、程ほどに…というか。」
富雄は自信なさげにアドバイスする。
「富雄さんきっと素敵なパパになりますよ。」
佳奈がそう言うと、富雄は何やらもごもご呟いて小さく笑った。2人の後ろを八手康久刑事が尾行していることを、佳奈は知らない。
大野貴子の携帯電話からの「破水した」というメールで呼び出した“獲物”も勿論同じだ。
彼は佳奈の本当の目的も、妻と生まれてくるはずだった子がとっくに化物の胃袋の中で溶けてしまった事など知る由も無い。
佳奈は細い路地に入った。
「近道します。大丈夫ですか?」
「ああ。」
2人は路地の奥へ消えた。八手は足を止めた。厄介だ。こういう路地では、尾行に気づかれてしまう確率が非常に高い。
彼はポケットからGPSを引っ張り出すと、地図を呼び出し、路地がどこへ抜けるのかを調べ始めた。あわよくば先回りできるかも知れない。


[続]

314:名無しさん@ピンキー
10/01/29 03:21:19 smqCUo3M
乙です!これまた急展開で続きが楽しみです

315:名無しさん@ピンキー
10/01/29 10:58:28 ns3iT2OU
くぱぁ!

316:腐肉(P.N.)
10/01/29 23:56:01 TfGSDK+5
「随分、狭いね?」
大野富雄は壁を走る配水管を眺めながら、ブーンと唸りを上げ生ぬるい風を噴き出すエアコンのファンに負けないよう叫んだ。
路地は相当入り組んでおり、先ほどから何度もくねくねと曲がっている。
「病院の名前、もう一度教えてもらえるかな。」
大野富雄は佳奈に尋ねた。こんな所を通っていく病院なんて、ちゃんとした所なんだろうな?という不安が、彼の心を支配した。
だから彼は、佳奈がジーンズの腰から、布に包んだ刀のように長いスライサーを取り出した事にも気付かなかった。
佳奈は刃物から布をはらはらと剥がしながら、その冷たい金属の感触に惚れ惚れとした。数日前、新宿へ出た際に大型生活雑貨店で購入したもので、まだ新品だ。
切れ味が楽しみである。
「佳奈ちゃん?」
富雄が不安げに尋ねる。佳奈はぴたりと足を止めた。
「どうした?かな…」
富雄がそう言って佳奈の肩に手を延ばした瞬間、人差し指から小指までが消えた。富雄は何が起こったのか分からず、すっぱりと切断された断面を呆然と眺めた。
スーパーに並んでいるような綺麗な赤身に、少しだけじわっと血が滲む。足元でカランと金属の破片が落ちる音がした。
見ると、子供用ウィンナーのような切断された指と、そこから抜け落ちた銀色の結婚指輪が転がっていた。次の瞬間、手の断面から血がどくどくと溢れ出てくる。
「うわあぁっ…!!!」
富雄は必死に手を押さえて悲鳴を上げかけた。だがそれより早く、刃渡り40cmはあろうかというナイフが彼の顔から喉にかけてを縦にスパッと滑った。
口の中に血の味が広がり、喉からすーすーと空気が抜けていくのが分かる。思わず口を閉じようとすると、上下の唇が真っ二つに割れているのが分かった。
途端に凄まじい痛みが走る。だが声が出ない。富雄は地面に膝を付いて蹲ろうとした。だがそれを待たずに、佳奈のナイフが腹を裁いた。
切断されたスーツとシャツがだらりと垂れ下がり、露わになった腹に横一直線に赤い線が入り、くぷんという奇妙な音を立てて、何かが毀れ出た。
肥満気味の芋虫のようにぶくぶくと膨れ上がった腸だ。更にその腸も、丁度半分のところでぱっくりと別れ、切断された方がぼとりと埃っぽい地面に落ちた。
佳奈はスライサーを手に、踊るように激しく舞った。手当たり次第に刃物を突き出しては、肉に触れた手応えを感じると、思い切り引いた。
そしてすぐにまた次の一撃を繰り出す。大野富雄は最後の力を振り絞り、凶器を手に死の舞を踏む少女に向って手を延ばした。
運良くその手が、佳奈のスライサーを持った方の腕を掴む。一瞬、佳奈の動きが止まる。
だが次の瞬間、佳奈はもう片方の手で富雄の手首を掴むと、身体ごと回転して彼の腕を捻り上げた。今の佳奈の腕力は、成人男性を優に凌駕する。
富雄の喉からひゅうひゅうと荒い息が漏れる。恐らく悲鳴を上げようとしているのだろう。痛みのあまり、彼は掴んだ佳奈の手を離す。
その隙に佳奈は自由になった凶器を、捻って固定した男の肩に向って振り下ろした。スバッという、時代劇でしか聞いた事の無いような不気味な音が路地に響いた。
富雄の腕は根こそぎ胴体から切断され、バランスを失った彼は前のめりにどさりと汚い地面に倒れた。肩を含む無数の切断面から血が流れ出て、見る見る路地を赤く染めた。
佳奈は足元が血に浸るのも構わず、掴んだままの切断した腕に齧り付いた。牙を立てて肉を挟むと、力任せに噛み千切った。筋肉の繊維がバラバラにほつれる。
佳奈は生えたばかりの凶悪な歯でそれをくちゃくちゃと咀嚼した。初めて1人で成功させた“狩り”の戦利品を、充足感と共に味わった。

317:腐肉(P.N.)
10/01/29 23:58:18 TfGSDK+5
一方、路地の出口から少し離れた所で待ち伏せていた八手は、2人があまりにも遅いので焦り出していた。もう先に抜けて行ってしまったのだろうか?
今標的を見逃してしまうという事態は何としても避けたかった。彼自身の手で証拠を掴む事が出来るかも知れない。車もそのまま置いてきている。
八手は意を決して、路地へ入ってみる事にした。もし鉢合わせても、向こうは彼の顔を知らない。やり過ごせるだろう。
路地はエアコンのファンやビルの間を吹きぬける風の音に満ちており、足音を隠す必要は無かったが、八手は慎重に進んだ。
やがて曲がり角まで来ると、八手は壁に背を付けそっと向こうを覗いて見た。目を覆いたくなるような光景だった。
月明りと、ビルの上方に灯った電灯の光に照らされて浮かび上がったのは、どす黒い血溜りの中で、刺身用に裁かれた魚のように赤い肉をむき出して倒れた男の肉体と、
一糸纏わぬ姿でその上に覆いかぶさるようにして肉に齧り付く美少女の変わり果てた姿だった。
何という事だ!
八手は恐怖のあまり叫び声を出しそうになった口を片手で押さえた。目の前の光景が信じられない。
これはもう殺人などと言うレベルの事件ではない。こんな事、外国の猟奇事件の資料か恐怖映画の中でしか目の当たりにした事は無かった。
八手は心臓が早鐘のように高鳴るのを抑え、もう片方の手でジャケットの下のホルスターの止め具を外す。
心の中では、本能が今すぐにその場から逃げるべきだと告げていた。だが彼は、犯人逮捕のために無実の人間の命を犠牲にしかねない
この任務に参加すると決めた時と同じように、理性でそれを押さえつけゆっくりと銃を引き抜いた。その時、声がした。
「びっくりした?」
八手は背筋をゆっくりと冷たいものが這い上がるのを感じた。それは途方もなく絶望的な恐怖だった。彼はごくりと唾を飲み込み、真直ぐ前を見据えた。
胸から股間の辺りにかけてを血に濡らした小山内佳奈がそこに居た。先ほど彼が覗き見た時は、5メートル以上離れていた筈だ。一体いつの間に移動したというのか。
「あなた誰…?」
佳奈はじりじりと八手に歩み寄る。
「おかしいと思ったんだ、昨日出掛けた時、追けられてるような気がして…。千絵を追ってるの?」
次の瞬間、答える前に彼は少女が延ばした腕に物凄い力で投げ飛ばされ、路地の反対側の油っぽい土の上にどさりと落ちた。
脚の骨が折れたらしく、身動きしようとすると激痛が走る。八手は仰向けに寝転んだまま、怪物がやって来るのをただ見ているしかなかった。
彼は柔道と空手の有段者である。その彼が18歳の少女に片手で投げ飛ばされた。たった今彼の身に起こった出来事が現実であると認められず、思考が停止していた。
「あの子を護る為なら、私はどんな事でもする。」
佳奈は土の付いた裸足の足で八手の股間を踏み拉いた。あっと言う間に勃起する。だが次の瞬間、彼のペニスはその可愛らしい少女の足に身体ごと踏み抜かれた。
「ぎあああああああ!!!!!!!」
八手の絶叫がビルの谷間に木霊する。だがこの街では、そんな事では誰も不審がったりしない。
佳奈は八手の身体に馬乗りになるように跨ると、若い捜査官の顔面の辺りに来る様に股間を押し付けた。
「や、やめっ…」
もはや性欲を感じる部分を失った八手は、恐怖に駆られて叫んだ。佳奈は、千絵がやるようにきょとんとして首を傾げた。
「…もう一度。あなた、誰?」
怪物が尋ねる。
「警察?」
「そ、そう…だ…」
理性の消し飛んだ八手は、呆然と問われた事に正直に答えた。
「そう…。」
佳奈は意外そうな顔で男をまっすぐ見つめた。こんな状況にも関わらず、八手の一物は欲情していきり立った。
「それは残念だね。」


[続]

318:名無しさん@ピンキー
10/01/30 00:16:26 H/Eis+Dn
しかしこの世界、変態が多すぎである

膣丸呑み期待
潰さないでゆっくり溶かして欲しい

319:名無しさん@ピンキー
10/01/30 09:35:37 ahZC31Xg
GJ!

しかしながら、いつも思うんだが○○期待とか言うのはどうなんだ
作家さんが描きたい様に描かせてやれよ

320:名無しさん@ピンキー
10/01/30 11:36:49 zKYRWnoJ
GJです!
最近このスレを知って前スレにも遡って読んでもう目が離せない

321:名無しさん@ピンキー
10/01/30 15:33:22 iIslpOgI
生まれたてのウミガメや魚の稚魚のほとんどが、
大きい生物に丸呑みされるのと同じだな。
自然の世界では変態でもない。

322:名無しさん@ピンキー
10/01/30 16:50:39 tkjsoOFR
だがウミガメや稚魚はリョナニーなどしない…!

323:名無しさん@ピンキー
10/01/30 17:06:45 7XyqDsIX
まあ自然界では、求愛のためだけに一年間をついやす動物もいるんだから、本能に正直なんだよ。
とフォローしてみる。

324:名無しさん@ピンキー
10/01/30 19:12:22 odCuNodu
顔面騎乗キターっ!

325:名無しさん@ピンキー
10/01/30 21:01:39 aZJGg3e4
足じたばた足じたばた

326:腐肉(P.N.)
10/01/30 21:16:49 QH2eGkvw
佳奈のその言葉を合図に、彼の顔に押し付けられた恥部が開口した。ぬるっとした陰唇が彼の頬に擦りつけられる。
「うっ…ぐ…」
八手は呻き声を上げた。ズボンに擦れたペニスからとくとくと精液が流れ出てパンツを濡らした。
佳奈の膣から夥しい粘液が溢れ出て八手の顔面を広がった。それは唾液だった。
ゆっくりと膣を形成する肉の壁が伸縮し、胃まで一直線に通じる真っ暗な穴と化した。
その穴から漂う腐臭に八手は吐き気を催した。だが口を開けた瞬間、唾液が入り込み甘ったるい粘液に軌道をふさがれ咳き込んだ。
呼吸を取り戻す前に、彼の頭は膣の中に呑み込まれた。筋肉の壁がうねり、彼の頭部を締め付けると、ゆっくりと胃袋の奥へと運び始めた。
外側では、少女の膣に頭を挿入した男の肉体が、ぐぷんという下品な音を立ててながら徐々に彼女の体内へと引きずり込まれていく。

腰の辺りまで入った時、不意に何かに閊え、佳奈は呑みこむのをやめた。はてな、と思って見下ろすと、勃起した陰茎が膣口に閊えていた。
佳奈がそっと手を延ばして触れると、自らの存在を主張する陽物はびくんと震え射精した。流れ出る精液はパンツを通してズボンにも染みを広げた。
佳奈はそのまま彼の一物をぎゅっと握ると、力いっぱい握り潰した。硬くなったペニスはあっと言う間にバナナの皮のように張り裂けた。
体内で何かが振動する。恐らく、男が悲鳴を上げたのだろう。佳奈が手を退けると、朱色の混じった白っぽい粘液が指の間でつっと糸を引いた。
佳奈はその手を口元に寄せると、指に付いた丁寧に一本一本血の混じった精液を舐め取った。
「ん…おいし…。」
八手がこの光景を見られないのが残念である。
尤も、見られたとしても彼の性欲を感じる部分はもう萎びた野菜のようになって、彼女の体内に呑みこまれていた。
骨盤が膣の筋肉に締め付けられベキベキと音を立てて砕けた。
手を綺麗にすると佳奈は、だらりとぶら下がった八手の足から靴を脱がせ、指でちょっと押してやりながら彼の全身を胃袋に納めた。
佳奈は、傍にあった比較的汚れの少ないエアコンのファンの上に腰掛けた。重みでスチールの箱が軋みを上げる。
自分の身体と同じくらいに膨らんだ腹を見て、佳奈は初めて、自分は人間ではなくなったのだと実感した。
中の男はどうやら悲鳴を上げる気力までは尽きたらしいが、彼の肺から搾り出されるか弱い呼吸や鼓動から苦痛を感じ、佳奈は悶えた。
彼女は何十倍にも膨れ上がった腹を優しくさすると、膣の穴から「げふっ」とゲップのような音がした。ふと気付くと、背後に千絵が立っていた。
「落ちてた。」
千絵は手にした血だらけのスライサーをぺろぺろと長い舌で舐めると、それを佳奈に差し出した。
「済んだ?」
佳奈は返事の代わりにゲップをした。

327:腐肉(P.N.)
10/01/30 21:18:06 QH2eGkvw
「もう一人いたみたいだね?」
千絵が佳奈の膨張した腹を見つめて尋ねた。
「追っ手、みたい…。」
佳奈は悲しげに言う。
「そろそろ潮時みたいだね…また移動しなきゃ。」
千絵が歩み寄り、佳奈の腹を撫でながら、身体に付いた血を舐め言う。
「一緒に行こう?」
「もちろん。」
そう言って佳奈は、千絵の肩に腕を回して抱き寄せた。千絵の口からするすると舌が伸び、佳奈の口元を探る。
佳奈が口を開けると、2匹の蛇のように、2人の舌が縺れ合う。絡み合う舌に引き寄せられるように、2人は接吻を交わした。
「愛してる。」
千絵が囁く。
「私も…」
そう言い終らない内に、佳奈の舌は千絵を求めて迫った。千絵はそれを優しく受け入れた。
佳奈の消化器系はまだ変成しきっておらず、千絵に比べて胃酸の濃度は薄く消化に時間がかかる。
だが、追っ手の存在を知った今、この路地でそれを待つ時間は許されていない。
それを知っている千絵は、自らの体内から強酸を逆流させ、口付けながら佳奈の体内に流し込んだ。
「んぐっ…」
佳奈の口からしゅうと細く煙が上がった。口の中に焼けるような痛みを感じる。唐辛子をそのまま食べたときのように、舌がひりひりする。
熱い液体は喉を流れ、胃袋に到達した。
すぐに化学反応が置き、胃の中の男がびくんと動いたきり、歪に変形していくのが分かった。
男は痙攣し、しばらく佳奈の腹は洗濯機のドラムのようにぼこぼこと揺れていた。
千絵は口を離す。唇から毀れた酸がぽたりと、佳奈の座っている潰れかけたエアコンのファンに垂れてじゅっという音を上げた。
「ん… もっと…」
佳奈は目を瞑り、ひりひりする口を、親鳥から餌をねだる雛のようにくぱっと開けた。
一瞬ひんやりとした夜の空気が口の中に入り込み、火傷を癒した。
だがすぐに千絵の口が夜風を遮り、更に大量の胃液を流し込む。佳奈は喘いだ。
熱い飲み物を覚まさずに飲んだときのような感覚が口の中を襲うが、それが千絵にされている事だと思うと苦痛よりも喜びの方が勝った。
服が着れる程になると、佳奈は少し離れたビニルシートの上にきちんと畳んで置いてあった服を羽織り
(脱ぎ捨てるか畳んであるかは性格が出るな、と千絵は思った。)、
2人は恋人同士のように腕を組んでアパートで戻った。30分後、荷物を纏めた2人は新たな根城を求めて夜の街へと旅立った。


[続]

328:名無しさん@ピンキー
10/01/30 22:26:46 cu7rEER5
GJすぎる!

329:名無しさん@ピンキー
10/01/30 23:14:22 H/Eis+Dn
GJ!!

330:名無しさん@ピンキー
10/01/31 01:01:15 ank3bUcH
描写はエロいが絵面が想像できねぇ・・・w

331:名無しさん@ピンキー
10/01/31 10:41:08 6v47NxB0
膣丸呑みGJ!!

>>330
早くMP(妄想ポイント)を強化するんだ!!

332:名無しさん@ピンキー
10/01/31 11:16:59 MNjiermX
>>331
MPワロタ

333:名無しさん@ピンキー
10/01/31 12:37:40 41XG+hrw
HP(変態ポイント)なら余るくらいあるんだがな…

334:名無しさん@ピンキー
10/01/31 14:06:07 PrJxzVbF
MPマックスの俺は村雨の顔まで想像できるぜ・・・

335:名無しさん@ピンキー
10/01/31 17:56:37 6v47NxB0
>>333
その発想は無かったわwww
みんな高そうだwww

>>334
スゲェΣΣ(゚Д゚;)
53万のMPと二回の変身を残してそうだ・・・

336:名無しさん@ピンキー
10/01/31 18:42:13 9YoWTn9R
>>335
53万の時点なら残り3回だろw

337:名無しさん@ピンキー
10/01/31 19:07:14 6v47NxB0
>>336
そうだったorz

しかしあと3回も変身を残している334・・・ゴクリ・・

338:名無しさん@ピンキー
10/01/31 19:12:49 BOCLsz2Y
村雨、及川光博のイメージだったわ

339:名無しさん@ピンキー
10/01/31 21:28:09 wvI7Gyxo
このスレとしてはHPは(被食ポイント)っぽい気もする

340:名無しさん@ピンキー
10/01/31 22:11:54 6v47NxB0
>>339
変態成分が十分含まれているからどっちもへn(ry

341:腐肉(P.N.)
10/02/01 01:24:41 WjTgJwQp
[最終幕間]
伊豆波辰朗は靴音をリノリウムの床に響かせ、中央庁舎ビルの廊下を歩いていた。目的の部屋の前で一瞬立ち止まると、中から何やら話し声が聞こえた。
伊豆波は2度ノックし、入室した。部屋はブラインドが下りており、遮られた陽光の名残が薄暗い部屋全体を黄色く染めている。
中央にある巨大なデクスで、村雨は不機嫌そうにファイルをとんとんと叩きながら受話器に向かって話していた。
「とんだ不祥事ですよ。分かっています。八手刑事が消されたせいで、例のアパートに警官がやってきた時、フォローする者が居なかったんです。
いえ、通報したのはアパートの契約者だった青年の母親です。音沙汰無いのを不審に思ったそうです。だが警察よりも性質が悪いのはマスコミですよ。
せめて警視庁内で情報の伝達が的確に行われていれば、パトカーを5台も引き連れて来るなんて事は無かったはずですし、マスコミも止められました。」
電話の相手は「お互いに不出来な部下を持つと苦労するね」と嫌味を言う。なぜなら、彼が村雨の上司、環境庁のトップだからだ。
環境庁内に“オブジェクト”対策本部が設置されてから実質的に何の成果も上げられていない村雨に対して、彼は業を煮やしていた。村雨は閉口する。
「今や毎日ニュースで見るよ。犯人の正体を知っているという点を除けば、彼らの方が私より詳しいのではないかね。
まだある。“地下鉄の怪物”という噂が子供たちの間で流行しているそうだ。これは単なる都市伝説の類だが、既にFSBとFBIが何か嗅ぎ付けている。
連中が動き出すのも時間の問題だ。何としてもそれまでに決着したいところだと言うのに、折角手中にするチャンスがあったはずの“D”をこのタイミングで逃すとは。」
電話の相手が詰問する。村雨は相変わらず機嫌の悪そうな調子で応対する。
「ええ、そうです。今変わりの探索者が警視庁から派遣されてきたところです。」
村雨は戸口で硬直している伊豆波にちらりと目を向けて言う。
「行方に関して、八手康久の報告に手掛かりになるかと思われる情報があります。“オブジェクトD”及び小山内奈々は、例の西東京の事件現場を訪れています。
“オブジェクトC”との接触を図ろうとしている証拠です。つきましては、8月の事件の再調査を要請したい。私の予想が正しく、そして作戦通りに行けば…」
「だが君の作戦とやらのために泳がせていた魚は水槽を飛び出し海原へ逃げたぞ。」
長官はぴしゃりと言いつけた。村雨は苦虫を噛み潰したような顔で声を低く言う。
「…具体的に申します。周防美里です。」
「周防美里?」
長官はその名前にぴんと来ない。
「生き残った少女。」
「彼女は変成していなかった。オブジェクトではない。」
「当時、現場ではセンサーを使った検査を行ったのみです。再調査を。」
「否、だ。ようやく世間が忘れ始めた頃だと言うのに、また蒸し返して悲劇のヒロインを引っ張り出し、スカートでも捲れというのかね?
“オブジェクトD”を辿って“C”に行き着けるというのなら、8月の事件は忘れて先ずは“D”を捕らえる事だ。」
そう言うと、プツッという音と共に電話は切れた。村雨は受話器を乱暴に戻すと、ファイルをパタリと閉じてデスクの脇に放り投げた。
だがすぐに伊豆波に向き直り、いくらか落ち着きを取り戻した声で言う。
「待たせて申し訳ないですね、お掛けください。」
村雨は腰掛けたまま、デスクの前のソファを示して言った。引き出しの中から別のファイルを取り出すと、ぱらぱらとめくる。伊豆波辰朗の個人データだ。
それによると八手と違い、任務に人間性を持ち込まない軍人のようなタイプの男のようだ。なるほど、見た目通りの人物、という事か。その点は八手よりも安心だ。
村雨は背筋を伸ばしてソファに浅く腰掛けた若者を眺めた。
「八手刑事の後任に決まりました。」
村雨は言った。伊豆波は徐に敬礼すると、一言「はい」とだけ答えた。
「着任前にこうして呼び出したのは… あー、あなたに一つ、教えておかねばならない事があるからです。」
村雨は回転椅子を窓のほうに向け、伊豆波に背を向けるとブラインド越しに広がる摩天楼を眺めながら呟いた。
「この事を知っていれば、八手康久も死なずに済んだかも知れない。」
「お言葉ですが、八手刑事はまだ死んだと決まったわけではありません。」
背後で、伊豆波が原稿でも読むようにきびきびと言った。村雨はふんと鼻を鳴らし、背を向けたまま言う。
「我々が相手にしているものの正体を鑑みれば、彼は死んでいます。ほぼ、間違いなくね。」
背後で彼が席を立つ音がした。足音が近づき、やがて伊豆波辰朗の姿が視界に現れ、回転椅子に身を埋めた村雨の隣に立つ。

342:腐肉(P.N.)
10/02/01 01:25:36 WjTgJwQp
「我々に何を隠しているのですか。」
伊豆波はチェアの男と同じように窓の外を見ながら棒のように言う。村雨は椅子を半回転させ、隣に立つ伊豆波に向き直った。
「これら一連の事件は、人が人を殺すという意味において、単なる猟奇的な殺人事件ではない。生半可な正義感で事に当たろうとしているのなら、今すぐに逃げるべきです。
逃げて、見て見なかった振りをするのです。世界が終わるその日まで。これは文字通り、人類という種の存亡を掛けた戦いです。」
伊豆波は訳が分からないといった顔で村雨を見下ろした。村雨は顔色一つ変えず、話し始めた。彼らが“オブジェクト”と呼称している怪物、蓮杖千絵の正体について。

-----------------------------------------------------------------------------

「美里―!」
周防美里は、自分の名前が呼ばれている事にやっと気づいた。顔を上げると、同じクラスの女の子が2,3人、教室の戸口から声をかけている。
「大丈夫―?」
「あ、うん… ごめん、考え事してて。」
彼女はおずおずと答えた。休み時間で、教室の中はがやがやと騒がしい。彼女の席まで届くように女の子達は声を張り上げる。
「次の時間、体育だぞ!」
「早く行こうよ!」
周防美里はうろたえ、ちらっと壁に張られた時間割表に目を遣り慌てて叫ぶ。
「さ、先、行って着替えてて!わ、私ちょっと…トイレ、行きたいから。」
友人たちは納得したように何やら叫ぶと、固まって教室を出て行った。早くも周囲で男子が着替え始める。残っていた女子たちはきゃあきゃあと
「ちょっと、まだ女子いるんだからね!」などと叫びながら遽しく教室を離れて行く。美里は体操着を引っつかむと、こそこそとトイレへ向かい、個室の中で一人で着替えた。

その日も何事も無く一日の授業が終わり、美里はほっと胸を撫で下ろした。何人かの友人に一緒に帰ろうと誘われたが、「ごめん、用事があるから」と断り、一人で学校を後にした。
転校して来て早くも3ヶ月が経とうとしていた。即ち、夏休みの終わりに、彼女の家族が、団地の他の住民と一緒に死に、彼女が親戚夫婦の家に越してから3ヶ月。
親戚とはしょっちゅう会う仲でも無かったので家庭ではまだ少しぎくしゃくしているが、学校では友達は出来たしし特に問題も無い。
彼女の名前は公表されていなかったし、この学校では叔母夫婦の苗字である日下部で通していたから、彼女を奇異の目で見る者は少なかった。
しかし、まだこの生活に馴れた、とは言い難い。実際、あの女子連中も、心の中ではどう思っているのか、もしかしたら知っているのではないか、などと思う事が無くも無い。
だがそんな事は、彼女の抱える最大の問題に比べれば些細な事だった。彼女は周囲に誰も居ないのを確認しながら、家とは反対の方角へ向かった。
級友と出くわさないよう、学校から離れたバス停からバスに乗ると、最寄の地下鉄駅に向かう。
9月に例の丸の内線の事件があってから、地下鉄の利用者数が激減したとニュースで見た。“地下鉄の怪物”の噂は、美里の学校でも今や誰もが知っているし、
結局のところ、20世紀のこの現代においても人は「科学的な証拠が無いから」などと簡単に割り切れず、迷信を信じる傾向にあるのだ。
あるいは、暗闇に対する恐怖か。
美里も、暗闇が怖かった。彼女は改札を抜けると、人気の無いホームを改札から一番離れた反対端まで歩いて行った。
しばらくそこで周囲を伺い、誰も彼女の方を見ていないのを確認すると、彼女は素早く線路に飛び降り、闇の中へと駆け込んだ。
駅から十分に離れると、鞄から懐中電灯を取り出し、線路に沿って進んだ。電車が来ないかとびくびくしたが、そういう時は身を隠す場所を教わっている。
10分ほど歩いただろうか。線路が2つに別れている地点までやって来た。この先は今は使われていない、車両の緊急待避駅がある。
目的地はすぐそこだ。美里は足を早めた。そちらには、これまでの普通線路と違い、一定間隔に灯った電灯は無い。正真正銘の闇だ。
ふと、懐中電灯の光が線路の向こうに何か捕らえた。青白い光を浴びて真っ白に輝くそれは、眩しさに目を細め一瞬警戒するように身を屈める。
美里は安堵したような表情で、線路の向こうの生き物に向かって言う。
「お待たせ… お姉ちゃん。」
“お姉ちゃん”と呼ばれたそれは、美里の姿を確認するとゆっくりと顔を上げた。


[続]

343:名無しさん@ピンキー
10/02/01 04:26:37 5QElTWnq
こんなんありましたけどぉ・・
URLリンク(gelbooru.com)

344:名無しさん@ピンキー
10/02/01 04:54:35 Xj2hrgK2
>>343
それなら、これらも貼れよw
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)
URLリンク(gelbooru.com)

345:名無しさん@ピンキー
10/02/01 06:04:23 VQB/t6aP
腐肉さんGJ!!
最終決戦楽しみです

>>343
>>344
マニアックなタグがたくさんあっていいサイトだね

346:名無しさん@ピンキー
10/02/01 23:04:29 Jx9fAE1q
捕食スキーとサイズフェチにはやはり相関性があるな

ふぅ・・・

347:名無しさん@ピンキー
10/02/01 23:55:08 MYw/Icoj
昔からGTSには被食関連でお世話になってたわ・・・w

348:名無しさん@ピンキー
10/02/02 00:53:03 KfUXAk3L
最終幕間、ということは…いよいよか

349:腐肉(P.N.)
10/02/02 18:06:30 /6rw+FnN
美里はバスを降りると家まで走った。辺りは既に暗くなっている。随分と時間がかかってしまった。
線路伝いに歩いて最寄り駅に出ようとしたら、調度帰宅ラッシュの始まった頃で、ホームが人でごった返していたのだ。
線路から駅のホームに女子中学生がよじ登ってきたら、人目を引くどころの騒ぎではない。すぐに鉄道管理用の出入り口を見つけられたのは幸運だった。
美里は玄関前までたどり着くと、入る前に息を整えた。叔母には変に勘繰られたくないのだ。最後に深く息を吸い込むと、そっと戸を開けた。
明かりの灯った廊下の奥から、すぐに叔母が顔を出す。
「遅かったじゃないの。」
「うん…図書館、行ってて。」
美里は靴を脱ぎながら小さな声で呟く。
「ご飯、出来てるわよ。」
叔母はそう言うと、台所に引っ込んだ。美里は長い廊下をとぼとぼ歩く。未だに、ここが自分の家だという気がしない。
居間へ入ると、虚ろな顔の木彫りの像がずらりと並んで出迎える。しょっちゅう出張で留守にしている叔父の趣味だ。
居間の天井中央にシャンデリア型の電灯がぶら下がり、その下の食卓を照らしていた。インテリアの趣味の割には、夕食の献立は質素で健康的である。
だが美里は、たった今地下鉄の構内で見た光景、人間の肉を咀嚼する“姉”の姿を思い出し、料理を前に込上げる吐き気を抑えようと思わず口に手を当てた。
「食事の前に手を洗いなさい。」
何も知らない叔母が居間とつながったダイニングカウンターの向こうから声をかけた。

--------------------------------------------------------------------------

夕食後、美里は自分用に宛がわれた広すぎる部屋に閉じこもって過ごした。テレビも、本さえ殆ど無いが、居間に叔母と2人で居てもどうすれば良いのか分からない。
叔母は良い人で、美里のことを好いてくれているようだが、まだ馴れない。ぎくしゃくしているのは主に、自分に責任があるのだろう、と美里も分かっていた。
彼女は重大な“秘密”を抱えている。こうして家でも学校でも、ぼろを出さないように注意して神経をすり減らしていても、いつまでも隠し通せるものではない。それも分かっていた。
彼女は大きすぎるベッドに横になり、斑模様の壁紙で覆われた天上を見上げた。斑点の一つ一つが、自分を見下ろす目のようで気味が悪い。
ふと、“姉”の目を思い出した。殆ど真っ暗闇の中でも光って見える、恐ろしい目。彼女は事件の直後から、逃亡し地下に身を隠した“姉”に定期的に会いに行っているが、
会う度にその目は怪物の目に近づいて行っていた。それでも、彼女は“姉”が好きだった。“姉”を守るためなら何でもするつもりだった。
だが最近、このままではやがては“姉”の方が美里を識別できなくなり、彼女も、両親や団地に住んでいた他の人々、地下を根城にしていたホームレスたちのように、
喰われてしまうのではないかという恐怖が芽生え始めていた。
美里は眠りに落ちた。夢の中で、“姉”の姿を見た。体温を無くした真っ白な肌、裂けた口と、胸にぽっかりと空いた巨大な穴。鋭い歯に縁取られた、胃袋の入り口。
誰かが悲鳴を上げたような気がして、美里は目を覚ました。枕元の時計の、蛍光塗料付きの文字盤は深夜を回っていた。
ふと、部屋の中に何かの気配を感じ、美里は顔を上げた。ベッドの傍らに、誰かが立っていた。叔母ではない。
真っ暗闇の中でも光って見える恐ろしい目が、彼女をじっと見下ろしている。
「…おねえちゃん…?」
美里は恐る恐る呟いた。次の瞬間、人影の手が物凄い力で彼女の口元を押さえつけた。

350:腐肉(P.N.)
10/02/02 18:08:56 /6rw+FnN
美里はパニックに襲われてもがきながらその人物の手を引き剥がそうとし、
それが手ではない事に気づいた。“舌”だ。ぬるぬるとした唾液が顔や手にべったりとまとわり付く。
違う、“姉”ではない…!
近づくにつれ、その人影が姉よりもはるかに背の高い人物であることが一目瞭然になった。だが彼女は直感的に悟った。これは、“姉”と同じ生き物である、と。
その時、襲撃者ははっとして手(正確には舌)を止めた。その人物は何か慌てたように勢い良く屈み込むと、ベッド脇の小机を乱暴に手で探った。
次の瞬間、眩い光が美里の顔を照らした。襲撃者がシェードランプを点けたようだ。美里は目を細めた。閃光の向こうに、襲撃者の姿が露わになった。
少女である。“姉”よりも少し年上のようだが、振り乱された長い髪に半分隠れたその顔にはまだあどけなさが残っている。
少女は驚いたような表情でじっと美里の顔を覗き込んだ。
「お前… 何者?」
千絵が言った。美里はよだれでべとべとになった顔を恐怖に引きつらせ尋ねる。
「…僕を食べるの?」
千絵には訳が分からない。今目の前にいるその少女は、確かに彼女を怪物にしたあの忌まわしい化物の顔をしている。それが千絵を前に目に涙を浮かべて恐怖に脅えている。
こいつはどう見ても人間だ。
ふと、千絵はある事に気づき、脅える少女の布団を乱暴に引き剥がした。美里が短く悲鳴を上げるが、今度は手で口を塞いで黙らせる。
怪物の目から身を隠していた布団が取り去られると、美里は本能的にベッドの上で無防備に丸くなる。だが千絵は容赦なく彼女の体を掴み、勢い良くパジャマを引き裂いた。
美里が呻き、抵抗しようと手足をばたつかせるが、怪物の力の前にはなす術もなく、あっと言う間に丸裸にされてしまった。
千絵は呆然と美里を見下ろしていたが、すぐにその顔に邪悪な笑みを湛えて呟いた。
「やってくれるじゃん…この変態。」
その時、背後で扉の軋む音が聞こえ、千絵はさっと振り返り身構えた。だがそこに居たのは佳奈だった。
肩に引っ掛けたパーカーのファスナーの隙間から、ぱんぱんに膨れ上がった腹がでんと突き出している。肥大した太鼓のような腹の中で、
何かがびくびくと不規則に痙攣している。それが叔母である事くらい、“姉”の正体を知っている美里にも分かった。
「どうしたの?」
佳奈は、泣き叫ぶ中学生女子を引ん剥いてベッドに押さえつけている親友に尋ねた。待ちに待った瞬間が訪れたにしては、何か様子がおかしい。
「殺らないの? …まさかここまで来て人違い、とか…」
佳奈がそう言いかけるのを制止し、千絵が言う。
「こいつ、“雄”だ。」
「へっ?」
佳奈は頓狂な声を上げる。
「変だと思った。今日一日尾行してても、何の気配もしない筈だよ。普通の人間なんだから。」
千絵はそう言って、全裸のまま枕に縋って泣いている“周防美里”をベッドから引き摺り下ろした。
「いやっ…!」
“美里”は悲鳴を上げ、すぐさま手で下半身の辺りを覆い隠そうとした。だがすかさず千絵の足が股間の辺りに踏み下ろされ、
“美里”は呻き声を上げたきり動かなくなった。目は天上を仰いだきり、額に玉の様な汗が浮かび、ひゅうひゅうと喉から空気の漏れるような音を立てている。
「こいつ、喰われたって言われていた“弟”だ。」
千絵が“彼女”の股座から足をどけると、睾丸と縮み上がったペニスが露わになった。


[続]

351:名無しさん@ピンキー
10/02/02 18:38:31 MfEPOI++
こんな可愛い子が女の子なわけがなかった

352:名無しさん@ピンキー
10/02/02 22:27:24 lgK7mPIL
>>351
ナンテコッタイ

353:名無しさん@ピンキー
10/02/02 23:47:59 Gkpd8hiF
ショタ嬲り殺し食いフラグ!!

354:名無しさん@ピンキー
10/02/02 23:53:25 HyYJ5LZ3
まさかの女装ショタ
お姉さんの為だっては分かるが、もう少し何かやりようがあっただろうにw

355:名無しさん@ピンキー
10/02/03 00:48:24 l83jH+Sl
だからこの世界、変態が多すg(ry

356:名無しさん@ピンキー
10/02/03 21:43:43 sziUALlP
>>355
呼ばれたきがした・・・・

357:名無しさん@ピンキー
10/02/03 23:26:12 ykAwai5F
女装少年のタマタマ責め(*´Д`)

358:名無しさん@ピンキー
10/02/05 03:02:35 AviBTtdl
と、ショタ少年の登場に沸き立つ住人たちであった・・・

359:腐肉(P.N.)
10/02/05 22:35:12 7mMRNkpK
周防美里は、優しく物静かな少女だった。元々病弱で、学校も休みがちだったのだが、その歳の春休みに、中学校へ入って初めて出来た友人らから小旅行に誘われた。
子供たちだけでの外泊は不安だったが、仕事の都合で普段あまり家に居られない美里の両親は喜んで娘を送り出した。
だが旅行中、彼女らは事故に巻き込まれ、美里以外の3人の女子児童が死亡した。3日後に病院で目を覚ました美里も、事故の前後の記憶を失っていた。
ともあれ、美里の両親と弟は、幸運だったと喜んだ。それが全ての惨劇の始まりであるとも知らずに。
美里の身体に異変が起こり始めたのは半月程経ち、新学期が始まった頃だった。
最初は、近頃は体調が良くなってきたと喜んでいたのだが、次第に何かがおかしいと気付き始めた。
元々少食だったにも関わらず食事の量は増え続け、生肉に対する渇望が生まれた。やがて近所の野良猫を手にかけた時、彼女は「自分が人間ではなくなっている」と確信した。
だが生来の引っ込み思案が災いし、誰にもその事を打ち明けられずに居た。ただ1人、弟を除いては。
歳が2つ離れているものの、2人の兄妹は瓜二つの顔立ちで、幼い頃からとても仲が良かった。だから弟美和が、姉の異変に気付かない訳が無かったのである。
しかし気づいたからと言って、何が出来る訳でも無い。弟には、姉が初めて人を殺して食した時、かばってやる事しか出来なかった。
2ヶ月程経つと、美里は一日家を空けて遠くへ出かけるようになった。目的は人間の捕食である。元々両親は留守が多く、病弱だったために学校の欠席も珍しくなかった。
蓮杖千絵の住んでいた街へやって来たのも、この頃である。それは、自分の身近な人間を巻き込みたくないという精一杯の優しさからだった。
だが8月の半ば、猛暑の続いていたある夜、ついに彼女の中の獣が暴発した。あまりに突然の事で、弟には為す術も無かった。
不運にも珍しく早く帰宅した両親をあっと言う間に呑み込むと、美里は家を飛び出した。悲鳴も聞こえなかった。1時間もしない内に団地は全滅した。
周防美里は姿を消した。美和は、姉を探して血反吐に塗れた団地をふらふらと彷徨っている所を警察に保護された。
名前を尋ねられたとき、彼は咄嗟に「美里」と名乗った。全ては、姉の存在を世間の目から隠すため。姉を護るためだった。
彼は環境庁の手で拘留された。だが事件があまりに突然で規模が大きかったために、すぐにマスコミが嗅ぎ付け、生存者の少女の存在が取り沙汰された。
事件直後のどさくさの中で、環境庁は彼が“オブジェクト”ではなくただの人間であると分かると、非難を浴びる前にすぐに解放した。性別すら調べずに。
こうして彼は“周防美里”として、親戚に引き取られた。それから“姉”を探し出すのに1ヵ月掛かった。
再開も束の間、今や彼は、突如現れた別の怪物少女によって、身寄りの無い自分を引き取ってくれた親切な叔母を喰われた挙句に捕らえられている。

-------------------------------------------------------------------------

深夜の最終バスは、居酒屋やコンビニエンスのネオンで明るい大通りから、人気の無い暗い住宅街へ差し掛かった。
こんな時間だから当然と言えば当然だが、バスには運転手以外、泥酔し窓にもたれて鼾を
かいているサラリーマン風の男と、こんな時間にどこへ出かけるのかという杖をついた老婆だけしか乗っていない。
千絵は最後部座席に、膝の上に美和を乗せて座っていた。千絵の腹の辺りから延びた触手が、端からはそうと分からないよう背中から美和のスカート
(“美里”として引き取られたために、男物の服は持っていなかった。)の中に延びており、触手はパンツの中で美和の小さな陰茎をしゃぶっている。
ペニス走る快感と、このまま喰われてしまうのではないかという恐怖に、美和は今にも悶絶しそうな表情である。
これが謂わば、黙らせるための武器であった。弟の存在がまだ“餌”として使えると判断した千絵と佳奈は、ひとまず日下部家を離れ少年をアジトへ連れ帰る事にした。
念のために、千絵と佳奈は別々に家を出た。日下部家も監視されている可能性があるからだ。佳奈は今別行動を取っている。
今頃佳奈はどこかで妊婦と間違われて手を差し伸べたり席を譲られたりでおろおろしている事だろうと思うと、千絵は笑いが込上げるのを堪え切れなかった。

360:腐肉(P.N.)
10/02/05 22:36:31 7mMRNkpK
その時、膝の上の少年が耐えかねてもぞもぞと動いた。
「ひゃぅ…!」
千絵は小さく悲鳴を漏らす。くすぐったい!運転手がちらりとバックミラー越しにこちらを見たが、すぐに正面に視線を戻した。
「ちょっと、動かないでよ…。」
千絵は美和の耳元で囁いた。美和のペニスがびくんと震えるのを感じた。
「ご、ごめん…なさい…。」
美和は泣きそうな声で謝る。
「名前は?」
千絵が尋ねる。
「よ、よし…かず…。」
「どう書くの?」
「美しい、に…平和の和。」
「みわ?」
「本当は…女の子が生まれるって言われてて、それで付けたんだけど…」
美和は小さく呟いた。
「男だったから、読み方を変えて、よしかず…。」
「案外適当だね。」
千絵は素っ気無く感想を述べた。
一方、そう言えば自分の名前の由来を知らない事に思い当たった。両親共に別に絵が好きでもないし、千絵、なんていかにも適当につけられたっぽい。
「私、千絵。みわ、だったら似てるね。」
二文字である以外どこが似ているかはともかく、千絵は気を取り直して自己紹介した。
「これからしばらく一緒に行動してもらうから…」
全く、顔だけ見ていれば女の子みたいに可愛いのに、余計なものが付いているのが癪に障る。
千絵はペニスに齧り付いた舌を動かし、ぐりぐりと少年の一物を嬲った。
「覚悟しなよ?」
その時彼は射精した。初めてだった。前代未聞の快感が全身を貫き、美和は思わず身を屈めて呻き声を上げた。すぐさま千絵の手がかっちりと少年の口を塞ぐ。
少年は尚も喘ぎ、千絵の指の間を唾液が伝った。有頂天になった陽物からはまだどくどくと熱い液が流れ出ている。
チューブ状の触手が、ごくごくとそれを飲み下した。
「気持ち良いの…?」
千絵は少年の口から手を離す。唾液が糸を引いた。少年ははあはあと荒い息の間に呟く。
「い、いや…」
「嫌?」
千絵は唇が触れるほど耳元で尋ねた。
「じゃあ、もっとやったげる。」
再び陰茎の上で触手が力強く蠢いた。途端に美和は勢い良く二度目の射精をする。彼の解き放った精液は、触手を通って千絵の胃の中に吸い込まれて行った。
「終点、杉並車庫前。お降りの際はお手持ちのお荷物ご確認の上、足元にご注意してお降り下さい。」
運転手のアナウンスが告げ、バスが停車した。老婆はすぐに立ち上がったが、杖をつく足取りは蝸牛のように遅い。
サラリーマンは眠ったままだ。運転手は立ち上がると溜息を吐きながら後部へ歩いて来る。
「お客さん、着きましたよ。」
サラリーマンは呻きながら顔を上げた。運転手は次に最後部にいる千絵と美和の方に目を遣り、声をかけた。
「大丈夫ですか?」


[続]

361:名無しさん@ピンキー
10/02/05 23:12:39 A47Cc8WM
tes

362:名無しさん@ピンキー
10/02/06 19:02:22 AEnDoxKQ
ちょっと美和そこ代われ

363:名無しさん@ピンキー
10/02/07 01:57:07 htAbp8DP
うらやましすぎる

364:腐肉(P.N.)
10/02/07 23:09:58 sz329SO2
「ええ。」
千絵が答えた。その時、顔中から汗を噴き出し目に涙を浮かべた美和が小さな声で呟いた。
「たすけて…」
「えっ?」
運転手はびっくりしたように少年(彼には少女に見えるだろう)と千絵の顔を交互に見つめる。千絵はすかさず触手を引っ込めた。
行き場を失った精液がパンツに染み込み、千絵の膝を塗らした。
「酔っちゃったみたいで。」
千絵は気遣わしげに言う。だが運転手は不審に思ったらしく尚も追求した。
「失礼ですが、あなたお姉さんかな?」
「違います、助けて…!」
触手の枷から解放された美和が掠れた声で叫んだ。運転手は今度こそ不信感を露わにし千絵を睨みつけた。
「ちょっと、君、どういう…」
「はぁ… めんどくさいなぁ。」
千絵は呟きジャケットの前を徐に開くと、“第二の口”を勢い良くぐぱっと開いた。弾丸のような速さで触手が延び、運転手の身体を捉えるとそのまま千絵の方に引き寄せた。
運転手は半身を千絵の口に飲まれたまま悲鳴を上げ、脚をじたばたさせる。
だがその声はすぐにボキっという骨が砕ける嫌な音と共に途絶え、彼の身体はひくひくと痙攣しながら少女の胃袋に消えた。
酔っ払いのサラリーマンは、たった今自分の目の前で起こったことがアルコールの見せた幻影なのではないかと疑るような惚けた顔で千絵を見つめた。
千絵はサラリーマンの頭を片手でがっしりと掴み、そのまま持ち上げるように立ち上がらせた。男は頭を締め上げられる激痛でこれが錯覚ではないと認識したらしく、悲鳴を上げた。
だが次の瞬間には、少女の胸の亀裂に並んだ無数の牙に噛み砕かれていた。
鮮血が飛び散りバスの窓を赤く染めた。幸い、歩道側の席だったため、脇をすり抜けていく車両からは見えない位置だ。
「感想は?」
千絵は血の付いた顔を、硬直したまま殺戮を凝視している少年に向けた。
「ああああああああ…」
美和は弱弱しい悲鳴を上げて後ずさった。千絵は少年に抱きつくように身を寄せると、彼の耳元で囁いた。
「お前なんかいつでもこう出来るの。」
千絵は少年の耳たぶをすぅっと舌でなぞる。彼女は気付かなかったが、少年は三度目の射精をしたところだった。
さて、急いでバスを降りねば。人通りは今のところ無いが、ここは交通量が多いようだ。千絵は美和の手を引き、乗降口に向かった。
改札の所で、まだ老婆が杖をついていたが、どうやら彼女は耳も遠いらしく、後ろで起こった出来事に気付いていないようだ。
水気が無く不味そうでもあるので、千絵は彼女を素通りしてさっさと下車し、住宅街へ延びる路地へ入った。
人目の無い所へやって来るなり、千絵は少年の襟首を掴みぐいと持ち上げた。
「もしまた逃げようとしたら、まずその締まりの無いちんちん引き裂いて、殺さない程度にいたぶって…」
「何してる!」
キキッという自転車のブレーキ音がして、背後から声が飛んできた。振り返ってみると、悪い事に巡回中の警官が、自転車に跨ったままこちらを見ている。
「ああ、もう今日災難… 君のせいだぞ。」
千絵は美和に言った。
「その子を下ろしなさい。」
警官が路傍に自転車を停め、懐中電灯に手をかけこちらに向かってこようとしたその時、突然警官の腕が消えた。
「っ…!」
警官が声を上げる間もなく、切断され宙を舞った腕が夜露で湿ったアスファルトの上にぐしゃりと落ち、血を撒き散らす。
と同時に、二度目の攻撃が警官の肩からわき腹にかけての肉を、肋骨ごとそぎ落とした。断面からこぷんと音を立て内臓が溢れ、腰の辺りにだらりとぶら下がる。


365:腐肉(P.N.)
10/02/07 23:11:59 sz329SO2
警官はあまりの事に悲鳴を上げる余裕も無く、何が何だか分からぬ間に解体されていく自分の身体を見つめた。
色々な部位を一瞬で切り落とされたために、身体のバランスを取るのが難しくなっているようで、警官はサーカスの熊のように滑稽なステップを踏む。
踊る警官の背後に、2刀のスライサーを手にした佳奈が現れた。正確にはさっきから居たのだが、この時初めて見えた。
佳奈は血に塗れたぎらつく刃物を高らかに翳すと、止めの一撃を加えた。
警官の身体は3枚卸しになった刺身用の魚のように、背骨を軸に両脇にぼとりと肉の塊を落として倒れた。
「無用心。」
佳奈はスライサーの刃先で肉の塊を突き刺して言った。それを大きく開けた口元へ運ぶと、血の滴るそれをぱくりと頬張った。
その光景に美和は吐き気を催しその場に蹲った。
「食べる?」
佳奈は別の破片を千絵に向かって放る。千絵はぱくりと口を開けて血飛沫を上げながらそれをキャッチすると、ごくりと呑み下した。
「げふっ」
佳奈がゲップをする。
「うぅ、これ癖になるかも。」
「人が来る前に、帰ろう。」
千絵が美和を無理やり立たせながら言う。
「これ、持って帰っても良い?」
佳奈は足元に散らばった警官の残骸を指差して尋ねる。
「良いよ。余ったら、今度の家には冷凍庫もある。」
佳奈は嬉しそうに、スライサーを入れて持ち歩いているトートバッグに肉片をかき集め始めた。それを見て再び込上げる反吐を堪えている美和に、千絵はそっと囁いた。
「血生臭いの、好きなんだ、私よりも。良かったね、君をここまで連れて来たのが私の方で。」
千絵は少年の周りを一周してくっくと笑う。
「佳奈だったら、君もう死んでたよ。」
---------------------------------------------------------------------------
環境庁の対策本部へ連絡が入ったのは、それから1時間後の事であった。翌朝、環境庁長官は辞意を表明した。
当然表向きには公表されていないが、事前に村雨管理官によって西東京団地事件の生存者、周防美里の再検査を進言されていたにも関わらずそれを却下した事で、
周防美里と保護先である日下部家が襲撃された責任を取るためである。
その間、村雨管理官は秘かに日下部家を張っていた伊豆波辰朗より、周防美里がまだ生きており、“オブジェクトD”と行動を共にしているとの報告を受けた。
「辻褄が合いませんね。」
村雨は電話の向こうの伊豆波に向かって言った。
「これまで私は、“D”が何らかの理由があって“オブジェクトC”を殺すために行動していると考えていました。ですが“連れ去った”となると話が変わってきます。」
「周防美里は、本当に普通の人間である可能性があります。保護しますか?」
村雨は少し躊躇したが、すぐに答えを出した。
「いいえ。これまでの経緯からして、“D”は明らかに何かの意図を持って行動しています。しばらくこのまま様子を見ます。引き続き、報告を。」
そう言って彼は電話を切った。
現在“オブジェクトD”が周防美里を人質に潜伏中の「劔持」と表札の掛かった民家から少し離れた公衆電話ボックスの中で、伊豆波はチッと舌打ちして呟く。
「どこまで冷血なんだ、あの男は…。」
村雨はオフィスのブラインドを上げた。ビルの向こうの空はもう白み始めている。彼は、今にも眠りから覚めようとしているその街を見渡した。
このどこかに、怪物が潜んでいるのだ。だがじきに一つの終局が訪れる、彼はそう確信していた。
蓮杖千絵の行動は少々予想外だが、彼にとっては目的はその行動の理解ではなく、彼女が彼らを“C”の元へ導いてくれさえすれば良いのだ。
彼女は間違いなく村雨の知らない情報を独自に得て行動している。その直感の鋭さ、行動力、大胆さは獣の本性によるものなのか。敵ながら天晴。
部下にしたいくらいだ、と村雨は思った。

[続]

366:名無しさん@ピンキー
10/02/08 00:32:30 +EfXSD+E
GJ!
クライマックスに近づいてるんだよな……
こんなに「終わって欲しくない」と思った作品も久しぶりだ

367:名無しさん@ピンキー
10/02/08 19:35:52 lAFVyekY
男には流石に容赦の無い、そこに痺れる憧れる
描写が素敵だ

9月末に始まって、四ヶ月以上ハイペースで投稿とか本当あんたすげぇよ・・・

368:腐肉(P.N.)
10/02/09 04:20:28 dup49A4w
周防美和は恐る恐る目を開けた。辺りは真っ暗だった。家へ着くなり、彼はどこか暗くて冷たい場所へ放り込まれた。
千絵に持ち上げられていたので定かではないが、階段を下るような感じがしたので、恐らく地下室だろう。かび臭くて、どこかでひたひたと水滴の垂れる音がした。
窓は無く一筋の光も挿さないが、何かの気配を感じた。鼠かも知れない。あるいは、ただ彼が極度に緊張しているために、落ち着き無くそう感じただけかも知れない。
美和は恐る恐る手を延ばし、冷たいコンクリートの床を手探りで壁まで這った。壁に着くと立ち上がり、壁に沿って歩いた。
特に目的は考えていなかった。出口を見つけたところで、恐らく脱出した途端にまた捕まってしまうだろう。だがじっとしていると気が狂いそうだった。
暗闇は地下鉄の線路内を歩き回って馴れていたが、その時はもしいざという時は姉が護ってくれるという安心があった。今彼を捕らえているのは、姉と同じ強大な力を持ち、
しかも彼に悪意を抱いている正真正銘の怪物たちだ。それは比べ物にならない恐怖だった。その時、美和は何か湿ったものに躓き、コンクリートの床にもろに頭を打った。
「痛っ…」
激痛が走り、美和は仰向けに倒れたまましばらく動けなくなった。その間に、足元にある濡れた何かから毀れた液体が背中を浸す。
ふと気付くと、股間の辺りがひりひりと痛んだ。いつからだろう?美和は無理に身体を起こすと、手探りでパンツの下のペニスを触ってみた。
触れると鈍い痛みを感じるが、どうやらまだそこにあるらしく、一安心だ。初めての精通の直後に何度も嬲られて参ってしまったのだろうか。
美和は、千絵の舌の感触を思い出した。柔らかく温かで、それでいて彼を人呑みにしてしまうような強い筋肉。それから、囁く度に耳元をくすぐる彼女の吐息。
酷い痛みにも関わらず、美和の一物は勃起した。
「痛っ…」
美和はまたそう呟くと、彼の上で蠢くあの舌の感触を忘れられず、腫れ上がったペニスに手をかけ、徐に扱き始めた。

------------------------------------------------------------------------------

「さて、まず先決なのは、あいつの居場所を吐かせる事だ。」
千絵は警官の肉にナイフを走らせながら言った。哀れな巡査の肉は佳奈の手で調理され、食卓に並んだ白い陶器の皿の上に部位毎に分けて盛り付けられている。
「腿、取って。」
佳奈が自分の皿を千絵に渡して言った。千絵は焼き色の付いた塊から肉を削げ取った。所々体毛が残っているが、それも愛嬌だ。
「ありがと。」
佳奈は皿を受け取ると、肉汁の滴る塊を頬張った。
「多分脅しじゃ吐かない。“姉”のためにあそこまでする奴だもん。」
千絵が深刻そうに言う。
「よくバレなかったよね。友達居ないのかな…?」
と佳奈。
「顔だけなら可愛いのに…。」
千絵は無念そうに呟き、ロースを頬張る。
「肩、美味しいよ。」
千絵はそう言うと佳奈の皿にも切り分けてやった。佳奈は礼を言ってぱくりと口に放り込む。
「拷問なら、私がやる。」
佳奈が言った。

369:腐肉(P.N.)
10/02/09 04:21:26 dup49A4w
「…殺しちゃ駄目だからね?」
「大丈夫だよ。」
佳奈は心外だというように口を尖らせる。
「だって… このままじゃ、ちぃちゃんエロキャラになっちゃう…」
「エロキャラ言うな。」
千絵は顔を赤くしてフォークを振り回した。
「でも、ちぃちゃんよりも私の方が良い。理科の実験の時、千絵すっごい下手だった。」
「何の話?」
きょとんとする千絵に、佳奈は意地悪く微笑んだ。
「カエルの解剖、ちぃちゃん怖がって全然出来なくて、すぐに潰しちゃったじゃない。」
「う、うるさいな…中学校の時じゃん。あの時は血とか…内臓とか、気持ち悪かったんだもん…。」
そう言って千絵は、卵の殻を割るようにパキッと音を立てて頭蓋骨を真っ二つにすると、中の脳漿を啜りだした。

-------------------------------------------------------------------------

錆びた鉄が軋みを上げる音で、美和は目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。真っ暗な部屋に射し込む薄っすらとした光に気付き振り返ると、
開け放された扉の前に誰かが立っている。だがそれが誰であるか判る前に、パチンと電気のスイッチを入れる音と共に眩い光が部屋を満たした。
暗闇に慣れていた美和の目は一瞬視界を失う。その間に再び錆びた蝶番が軋み、扉が閉まる。ひたひたという足音と共に、誰かが地下室へ降りてくるのが分かった。
天上からぶら下がる裸電球から目を反らそうと、まだ慣れない目を床に遣ると、自分の周りにどす黒い血溜りが広がっているのが見えた。
「うわっ…!」
美和が声を上げ、尻餅をついた状態で後ずさろうとして背後に手を延ばすと、その手が何かぬるっとした不気味な感触のものに触れた。
恐る恐る目を遣ると、先ほど躓いたものの正体が判明した。所々肉のこびり付いたまま毒々しい色に変色した人間の頭蓋骨だった。
周囲にはそれ以外の部位も、それも恐らく複数の人間の骨が散乱していた。地下室の冷気に紛れて今まで気付かなかったが、もう何日かこのまま放置されているらしく、
肉は所々紫色に変色し、酷い臭いを放っている。肋骨と思しき塊の陰から、突然光に曝されて驚いた鼠が数匹、大慌てで物陰を目指してよちよちと駆けて行った。
美和が悲鳴も上げる気力も無くし血溜りの中で凍り付いていると、階段の方から声がした。
「あらあら、随分楽しんでたみたいじゃん、1人で。」
カンッという甲高い乾いた音と共に、巨大な刃物が美和の両足の間のコンクリートに突き立てられ、美和はびくっとして正面に向き直った。
裸電球を逆光に、警官をバラバラにした方の少女が立っていた。少女は、床に飛び散った美和の自慰の痕跡を裸足の親指で床に擦り込む様にぐりぐりともみ消した。
「まずはそこから潰してあげよっか。」
そう言って佳奈は、両脚を広げてへたり込んでいる美和の股間を蹴り上げた。
心臓が止まるかと思うほどの衝撃が走り、例えようの無い鈍い痛みがじわじわと美和の全身に広がる。
美和は大事な部分を押さえて前のめりに蹲った。あまりの痛みに呼吸が出来ない。その痛みは、徐々に吐き気へと変わる。
美和は無理矢理息を吸おうとして、その場に嘔吐した。


[続]

370:名無しさん@ピンキー
10/02/09 12:30:44 awodHXPO
GJ!!

371:腐肉(P.N.)
10/02/09 22:00:02 AQs7dEmq
「あれ…ちょっとハードすぎたかな…。」
佳奈は気まずそうに呟くと、屈んで美和の顔を覗き込み、罰の悪そうに笑った。
「ごめんね、男の子の身体って良く分かんなくて。」
そういい終わらないうちに、佳奈は蹲る少年の頭を、精液の付いた足でぐりぐりと踏みにじった。美和はコンクリートに顔面を押し付けられ、悲鳴を上げた。
ようやく声が出た。刺す様に強烈な血の臭いが込上げる。恐らく鼻の骨が折れているのだろう。
「さーて…」
佳奈は片手で美和を立ち上がらせると、もう片方の手で地下室の隅に立てかけてあったぼろぼろの椅子を引っ張ってきて、彼をそこに座らせた。
崩壊しそうな木の椅子に崩れ落ちた少年の目線に合う様に、美和の前にしゃがみ込むと、佳奈は楽しそうに話し始めた。
「君はどうしてここに連れて来られたのか、分かる?君が女装趣味の変態だからでも、真っ暗な地下室に閉じ込められて一人でしちゃうような変態だからでも、
蹴られて立っちゃう変態だからでもないよ。分かる?」
美和は思わず自分の股間に目を遣った。スカートを履いているので、その下の一物がいきり立っているのが一目で分かった。
その時、佳奈の指が、折れて血を流している美和の鼻をぴんとはねた。激痛が走り、美和は悲鳴を上げた。涙が溢れ、視界が滲む。
俯く美和のショートに切りそろえた髪を引っつかみ無理矢理顔を上げさせると、佳奈は額がぶつかるほど顔を近づけて凄んで見せた。
「君のお姉さんの事が知りたいの。」
少女が喋る度、彼女の唇の下に鋭く尖った歯が見え隠れする。
「これ、君のお姉さんで間違いないよね?」
佳奈は西東京の団地で見つけた写真を美和に見せた。美和は少し躊躇うが、徐に頷く。
「似てるねー、君たち。まー今はちょっと君の方が酷い事になってるけど。」
そう言って佳奈は再び美和の鼻を指ではねた。今度は悲鳴も、顔をしかめる間もなく、髪の毛をぐいと掴まれ否応無く前を向かされた。
「私たちが知りたいのは、今お姉さんがどこにいるか、なの。」
佳奈は床に突き刺さったままのスライサーを、ガキンという恐ろしい音を立てて引き抜き、片手でくるくる回しながら言う。
「どこにいるの?」
「…知らない。」
美和は断固として答えた。だが次の瞬間、右肩に激痛が走り彼は悲鳴を上げた。腕を動かそうとしたが、右腕が上がらない。見ると、刃渡り40cmはあろう太刀が、
肉を貫き肩の関節の間に入り込んでいた。身動きする度に激痛が身体中を駆け巡り、骨に金属の不快な摩擦を感じた。
じわじわと血が滲み出てシャツを濡らし、スライサーを伝った。
佳奈は椅子の前に跪くと、美和の身体に寄り添うようにして、肩に突き立てられたままのスライサーに口を寄せて、滴る血をぺろりと舐めた。
「嘘ついたらだーめっ。」
佳奈の柔らかそうな舌が、スライサーの歯の部分を撫でる。が、皮膚には傷一つ付いていない。彼女も化物なのだ。
「も一回聞こう?」
肩で息をすることも叶わず顔中に脂汗を浮かべている美和に、佳奈は哀れむような顔を向ける。
「し…しらない…」
美和が答え終わる前に、もう1本のナイフが左肩を貫いた。今度はバキンという音と共に、肩の関節を砕かれたようだ。
「いやああああああああああ!!!!!!!!」
美和は髪を振り乱して絶叫した。汗と血が飛び散り、佳奈の顔を塗らした。
「可愛い悲鳴。でも君、男でしょ?」
佳奈は千絵が良くそうするように、喉の奥でくっくと笑った。
「男らしくしてなきゃぁ。」
そう言って佳奈は、すっかり萎えて小さくなった美和の一物にそっと手を添えた。
12歳の少年がこれだけの痛みに耐えられる事にも驚きだが、これだけ肉体を苛まれて尚、まだ皮も剥けていない彼がひくんと震え
次第に血が通い出した事に佳奈はさらに驚いた。と同時に、その事実は彼女の邪な悪戯心を擽った。

372:腐肉(P.N.)
10/02/09 22:00:51 AQs7dEmq
「すごいね、男の子って。こんな時もえっちな事考えてるんだ。」
佳奈は、先ほど自分が蹴り潰した睾丸にすっと指を這わせる。痛みで敏感になっていた陰嚢はその優しい感触に耐えられなかった。
快感と痛みが同時に美和の中を込上げた。彼は再び声を上げる力を奪われ、短く細い息を立てるだけで必死に苦痛と抵抗と、それから快楽を表現しようとした。
「1人でするの、好き?」
佳奈が尋ねた。彼女の視線は熱心に少年の勃起したペニスに向けられていた。
「あたしは好き。」
彼女は頬を染めて呟いた。
「よく、ちぃちゃんの事考えてするの。」
少年の一物がひくんと震え、精巣の片隅に残っていた僅かな精液が小さな穴からとろりと流れ出た。
「んくっ、かわいい。」
佳奈は徐にそれに顔を近づけ目を瞑ると、そっと舌を出して白い粘液を舐め取った。少年はじわじわと込上げる快感に身体を震わせ、途端に両肩の痛みに悲鳴を上げた。
「君は何を考えてするの?」
執拗に美和のものを舐めながら、佳奈が尋ねた。
「お…ねえ…ちゃん…」
美和は涙を流して喘ぎながらか細い声で答えた。
「それは素直に答えるんだね… 変態。」
佳奈は彼の性器から舌を離すと顔を上げた。見捨てられたと思った美和は思わず「あっ…」と無念の声を上げる。佳奈が意地悪く微笑んだ。
「ね、2人でした事、ある?」
美和は頬を紅潮させて、一瞬佳奈の真直ぐな目から顔を背けて言う。
「な…ないです…」
今度は、優しく頬に手を添えられて顔を前へ向けられた。佳奈は椅子の脇に脚を延ばすと、少年の膝に跨った。
「して、みよっか。」
スライサーを避けるように腕を回して、少女は、少年と向き合うようにして抱き付いた。
少年はペニスの先に当たる少女の感触で、初めて彼女が何も履いていない事に気付いた。
「教えてくれたら、優しく、したげる。」
佳奈は熱く濡れた陰をいきり立つ肉棒に押し付け、リズムを刻むように腰を前後に動かし出した。
「あ…んっ…」
美和は声を上げた。
「ほらほらぁ、入りたがってるよ?」
佳奈が意地悪く笑う。
「可哀相…。」
そう言って股の下で彼女の虜になっている小さなペニスに触れると、腰を動かす度に膣から毀れる涎で覆われていた。
佳奈はねっとりとした唾液のついた指を美和の口元まで持っていくと、赤子に離乳食を与えるように唇に塗りたくった。
美和は口元を震わせながら舌を延ばしてそれを舐め取る。
「んふ。変態。」
佳奈はにっこりと笑い蔑むような目で少年を見下ろす。
「お姉ちゃんと私、どっちがすき?」
「あっ…あなたがすき…」
佳奈が少年の唇から指を離すと、彼は快楽に肩の痛みを忘れ、佳奈の方に身を乗り出そうとした。途端に、その身体を貫く二刀の刃物に阻まれる。
「うぅっ…」
「じゃあ、私のお願い、聞いて。教えて。」
少年は舌を延ばし、乞うような目を佳奈に向けて、はあはあと吐き出す荒い息の合間に精一杯の力を振り絞って答えた。
「はい…。」


[続]

373:名無しさん@ピンキー
10/02/09 22:45:22 Wp9kCLm2
佳奈もめでたくエロキャラに
というかもうスライサー抜いてやれよw

374:名無しさん@ピンキー
10/02/10 00:42:37 NY+cf0XF
前半がSAWの拷問シーン並みにエグくて悶えたぜ
GJ

375:名無しさん@ピンキー
10/02/10 13:18:31 dz10SGsk
ながれぶったぎってすまないが、
今週の週刊少年マガジン11号の「ぷあぷあ?」って漫画で
女の子が、葛藤を表す天使と悪魔を食べちゃう話があった。

376:名無しさん@ピンキー
10/02/10 21:32:54 WLzPT5C6
千絵、SAWとか好きそうだな

377:名無しさん@ピンキー
10/02/10 22:04:03 STDLr5ME
SAWは噂で痛いだけって話を聞いて、パッケージも微妙だから避けてるが
面白いのか?ストーリーとか

378:名無しさん@ピンキー
10/02/10 23:30:38 cyqxPzqN
1はまぁまぁ楽しんで見たけど、結末ありきかなー。結末分かってしまうともう見る気しない。
2は『ブレアウィッチ2』よりはマシ。3は冒頭のヘルレイザーみたいなシーンは良かったけどそんだけ。
4以降見てない。
そして捕食シーンはない

379:腐肉(P.N.)
10/02/11 02:01:21 ovoCBzyw
千絵はテレビの前のソファに凭れて、時が過ぎるのをただ待っていた。
テレビでは映画番組をやっていたが、ブラウン管に向けられた彼女の目にはその内容は映っていなかった。
時折階段下の地下室の扉に目をやってはそわそわと時計を見る。階下から甲高い子供の悲鳴が聞こえるたびに、千絵はやはり様子を見に行こうかどうしようかと迷った。
佳奈は、やばい。気心の知れた親友の彼女でさえ、素直にそう思った。
いや、恐らく変成が始まったばかりの、怪物になりたての頃は、佳奈も千絵に対して同じ感覚を持ったに違いない。
だが、佳奈が千絵の事を好いていると確信していなかったら(そして千絵も佳奈の事が好きでなかったら)、時々千絵でさえ彼女の所業が怖くなる。
5回目の悲鳴が聞こえたら、流石に様子を見に行こう。そう決め手から随分と時間が経った。まさかもう殺してしまったのではなかろうか。
そう心配しかけたとき、再び少年の悲鳴が聞こえた。幸い庭の広い家であるし、地下の音が近所にはっきり聞こえることはないだろうが、そろそろ不安だ。
千絵はソファから跳ねる様に起き上がると、地下室へ向かった。
陰嚢を含む陰部を丸ごと食い千切られ、だらだらと黒っぽい血を垂れ流し椅子の上に枝垂れた少年を見つけるなり、千絵は佳奈を咎めるように睨みつけた。
下半身を少年の血で塗らした佳奈は、ぐったりしている少年を横目で見つつ、粗相をしでかした犬のような目で段上の親友を見つめた。
「ごめんね、ちょっと、やり過ぎちった。」
かわいい!と、思ったが、すぐに千絵は溜息を吐いて階段を降りた。「ぶたないで!」と言わんばかりに身を縮めて佳奈が慌てて繕う。
「ま、まだ生きてるよ。かろうじて…だけど。」
「普通の人間は、私とするのとは違うんだから。」
千絵は頬に血が上らないように努めて冷たく言うと、少年の前に跪き、傷口を舐め始めた。股間の傷を舐めながら、肩の刃物を両手で引き抜く。
僅かに血が噴き出し、少年が呻き声を上げた。千絵の胸の辺りから別の舌が2本這い出し、それぞれ傷口を舐めた。
周防美和は遠のく意識の中で、バスの中で味わったあの感触を再び感じた。彼の全身を包み込む、温かく、圧倒的に強い存在。
だがその心地良さを感じる部分がもう自分に残されていない事に気づくと、彼は少女たちに気付かれないよう一人涙した。

--------------------------------------------------------------------------

美和を地下室に眠らせると、佳奈は千絵の待つ居間へ上がって、千絵の隣りのソファに腰を下ろして切り出した。
「東京に来て、初めて地下鉄に乗った時に話した事、覚えてる?」
「ん?何だっけ。」
「“あいつ”が地下に潜んでいるかも、って話。」
「ああ…そうだっけ。」
「“あいつ”は地下に居る。地下鉄の路線に沿って、移動してる。だから警察には見つからない。」
佳奈は、美和の供述を千絵に伝えた。千絵は唖然として口をぽかんと開けたまま、佳奈を見つめた。
「あの子にだけ分かるように目印を残してる。あの子、前にも地下に潜って“あいつ”に会いに行ったんだって。」
千絵の脳裏を様々な疑問が渦巻いた。あまりにも単純すぎやしないか?周防美和は嘘を吐いているのか?それとも何かの罠なのだろうか?

380:腐肉(P.N.)
10/02/11 02:02:26 ovoCBzyw
「…どうして、地下鉄の事件から一月近く経つのに、まだ地下に居るんだろう…?東京なら他に隠れる場所はあるだろうし、地上の方が餌にも困らないでしょ?」
千絵は最大の疑問を口に出して言った。
「知らないよそんなの…。」
佳奈は、待ちに待った答えに対する千絵の反応が案外と小さい事に不満げに口を尖らせる。
「あの子が嘘吐いてると思うの?」
「お姉さんを護るために女装までしてた奴だよ?しかもあんなにズタズタにされたんじゃ、自棄になったかも。」
千絵は咎めるような目を佳奈に向ける。
「ううん、あの子は嘘吐いてないよ。」
佳奈はむっとして断言した。それからちょっと頬を赤らめて呟くように付け足す。
「それにちんちん食べたのは喋った後だもん…。」
「かーわいそー。ひどいやつだな。」
「ちぃちゃんに言われたくないなっ。」
千絵がからかう様に言うと、佳奈はぷいとそっぽ向いてしまった。千絵はくっくと笑うと、再び目の前の問題について考え始めた。
いずれにせよ、確かめる方法は一つしか無いのだ。幸いまだ周防美和は生きている。
「終電が終わる頃、地下に入ろう。あの子も連れて。」
千絵はすっかり拗ねてしまった佳奈の背中に話しかけた。佳奈はちょっと千絵の方を振り返って呟く。
「…いいけど。」
佳奈が、まだ何か言いたげなのを感じ取り、千絵は首を傾げて親友の背を見つめた。やがて佳奈が徐に向き直り、伏目がちに口を開いた。
「もし、本当だったら…最後の戦いになるかもしれない。そうでしょ?」
「…ん。」
千絵は頷く。それから佳奈はしばらく迷うような目で何事かを考え始め、沈黙が流れる。
だがやがて決意したような顔で千絵に向き直ると、まっすぐ彼女の目を見つめて言った。
「私も、同じにして。」
「え?」
千絵は佳奈が何の事を言っているのか分からずに戸惑った。
「“あいつ”が…6月にちぃちゃんにしたのと同じ事、私にもして。」
佳奈が何を言いたいのかをやおら理解すると、千絵は拒むように首を振った。佳奈は、千絵に自分を殺せと言っている。自分の中に“卵”を産み付けて。
やがて腹の中でそれが孵り、臓器を喰って身体を突き破って生まれてくる。そうして佳奈は怪物になるのだ。
「駄目だよそんなの…佳奈、分かってない。それってつまり…」
「分かってるよ。死ぬんでしょ?それでいい。千絵と同じになりたい。」
佳奈は真剣な眼差しを彼女に向ける。千絵は自分の顔が引きつるのが分かったが、取り繕う余裕は無かった。
「“あいつ”は私を犯して、殺したんだ。怪物を産むために。目が覚めた私がどんな気持ちだったか、佳奈には分からない!
自分が自分だって意識はあるのに、もう違う、怪物なんだ!そんな、私なんかへの憧れのために、佳奈にそんな想いはさせたくない。
ただでさえ、佳奈はもう人間じゃない。」
千絵は声を張り上げた。だが佳奈は引かない。
「こんな中途半端な状態じゃ嫌。私の変成はもう止まってるの。千絵の血を飲んだだけじゃ、完全には変成しないんだよ。」
「それが救いだ!」
千絵は顔を真っ赤にして叫んだ。
「私は佳奈を巻き込みたくない!」
「もう遅いんだよ!“あいつ”と戦うなら、私は今のまま足手まといになりたくない。完全な怪物になって、一緒に戦う。」
千絵は耐えかねて佳奈から目を背けた。
「出来ないの…。」
千絵は泣き声で言う。親友の望みを叶えてやれない。これほど泣きたい気分なのに、涙は出なかった。
「私には、産卵能力が無いの。」
千絵は悲しげに呟いた。佳奈は言葉を失って、ただうな垂れる親友を見つめた。
「何度か、やってみようとした事がある。もちろん、佳奈にじゃないけど。でも私には、“卵”作る器官が、無いみたい。普通のセックスも、もう出来ない。
私のあそこには歯が生えてるし…」
千絵は顔を上げた。佳奈がこちらにゆっくりと歩み寄ってきて、徐に肩に手を置いた。その手には引力があるかのように、千絵の火照った頭を引き寄せた。
千絵は佳奈の肩に頭をもたせ、少し離れたところで光っているテレビ画面をピントの合わない目でぼんやりと眺めながら呟いた。
「ごめんね、佳奈。」
千絵は佳奈が泣いているのが分かった。冷たい涙が、千絵の首筋にぽたぽたと落ちる。
佳奈はなぜ泣いているのだろう?千絵のようになれなくて、泣いているのだろうか?
それとも、一人ぼっちの怪物を哀れんで泣いているのだろうか?あるいは、運命を狂わされた少女、2人のためだろうか。千絵には分からなかった。
夜が明けるまで、2人はその話題には一切触れず、慰めあうように交わった。怪物がこの世で唯一、温もりを感じ合うことを許される相手と。


[続]

381:名無しさん@ピンキー
10/02/11 07:34:51 ZhRkMOe+
なんでこんなに投下速いの?


382:名無しさん@ピンキー
10/02/11 11:03:15 lp/JOuOo
神様だからさ…

383:名無しさん@ピンキー
10/02/11 13:39:08 3Otf8rpO
いったいどんな風にチンコ食いちぎったんだろうな…

384:名無しさん@ピンキー
10/02/11 14:05:31 lp/JOuOo
>>383
佳奈は下から食えるからなあ
普通にそうしたのかねえ

385:名無しさん@ピンキー
10/02/11 15:24:28 CQHY0MAW
せめて舌で嬲っていればまだ結果は違ったろうが・・・
少年はどんな結末を迎えるのだろうかね

>>383
チンコ膣にはめて、少年が興奮した瞬間食いちぎったと思う

386:腐肉(P.N.)
10/02/11 17:19:55 FN9yKcNn
千絵→肋骨が無くなってて代わりに触手が基礎を成す第二の口がある
佳奈→骨盤が変形していて膣が口になっている

みたいな感じです。わかりにくくて、というか描写すっとばしてすみません。

387:名無しさん@ピンキー
10/02/11 18:08:12 3Otf8rpO
腐肉さんご丁寧に解説ありがとうございます。
個人的に佳奈が良すぎる…!

388:名無しさん@ピンキー
10/02/11 20:39:58 DDmEkpwP
それでも生きてる少年が凄いわw

389:名無しさん@ピンキー
10/02/11 20:42:41 Hl7sSGha
でもちんこって切ってもちゃんと処置すれば死ぬもんじゃないんじゃね?宦官とか
問題は肩と合わせての出血多量か・・・

390:名無しさん@ピンキー
10/02/11 21:31:36 CQHY0MAW
後はショック死とか
いろんな意味で凄い男だな美和

391:名無しさん@ピンキー
10/02/11 21:32:40 0pkNoUzI
尿道癒着とかな

392:腐肉(P.N.)
10/02/12 01:03:01 QeUAdY5a
“エコーズ”には数組の客が居るのみだった。このカラオケ店でアルバイトを始めてから一ヶ月、中西明はすでに仕事に飽き始めていた。
最初は、同い年くらいでちょっと綺麗な女性が来店すればときめいたりもしたが、そんな事で出会いにつながるはずもなく、同僚はと言えば加齢臭漂う中年親父か、
救いようの無いデブ女か、メイクがかえって醜さを引き立たせるような厚化粧女くらいのものだ。
中西明は、さもやる気無げに受付カウンターに頬杖を付いてあくびをした。奥の通路に並ぶボックスのいくつかから、音痴な熱唱が聞こえてくる。
窓の外は爽やかな小春日和だというのに、こんな午後にカラオケなどにやってくる人々に彼は同情した。
平日のこんな時間には大抵客は少ないので、その時シフトに入っているのは彼と例の“デブ女”だけだった。彼女は今ドリンクを作りに行っている。
中西は時計に目を遣った。シフトが終わるまで後2時間半、彼はこの退屈を生き延びられそうにない。その時、エレベーターランプが点灯し、客がやって来た。
鉄の扉から現れたのは2人の美少女だった。中学生か高校生くらいだろうか。どちらも、思わず目を奪われるほど可愛かった。
中西は慌てて頬杖を崩し背筋を伸ばした。本来なら、学生がこんな時間にカラオケ店に居る事を不審に思うべきだ。学生証を提示させ入店は断らねばならないのだが、
今の彼にとってはマニュアルなど糞食らえ、だ。
「いらっしゃいませ。」
中西は声を上ずらせて言った。「会員証はございますか?」「お時間は?」「ご希望の機種は?」など、決り通りの文句を機械のように並べながら、
彼はカウンターの前で何やら興奮気味にひそひそと相談している少女たちを観察した。背の高いロングの方が好みだと思ったが、近くで見るとショートの子も外せない。
「当店では先にドリンクをオーダーしていただいております。ご注文承ってもよろしいですか?」
彼はラミネートコートされたメニュー表をカウンターの上に広げて尋ねた。少女たちはまだ何か相談しながら、中西に向き直り言った。
「コーラと、アイスティー、ミルクとガムシロップは3つ。それから、新鮮な…」
ロングの少女がいきなり彼の腕をがしっと掴んだ。中西は何が起こっているのか分からず、動揺した。だが、少女の腕は筋張っていたが白く美しかったし、
その動揺は期待と興奮の入り混じった動揺であった。その時は。少女は唇にそっと指を当てると、彼の目をじっと見つめて言った。
「…お、に、く。」

--------------------------------------------------------------------------

“エコーズ”の個室の一つで、喜多崎茜は溜息を吐きながら、先ほど街で知り合ったばかりの男が熱唱するシャ乱Qを聞き流していた。
その朝、彼女は母と喧嘩をした。今となってはくだらない事だが、つい悪ぶりたくなって学校をサボったのだった。そのまま夜まで帰らないつもりだった。
あの分からず屋に心配をかけさせてやりたいと、その時は思っていた。
だから行きずりの軽そうな男を捕まえて時間を潰そうとカラオケ店に入ったのだが、ものの5分でその野望は挫けた。
自己紹介の時に「俳優」と名乗ったのが嘘である事くらいは初めから彼女にも分かっていたが、目の前で調子外れにまくし立てている男は恐らく地球上で最もくだらない
人物に違いない。彼女には残り1時間半、この空間を耐え抜く自身は無かった。こんな事なら強がらずに学校へ行っていれば良かった。
今頃、みんなは体育かなあ…。そんな事を思っていると歌が終わり、自称俳優が隣りにどさりと腰を下ろした。喜多崎茜は無意識に腰を浮かせて、男から少し離れた。
「じょ、じょうずですね…。」
喜多崎は愛想笑いを浮かべる。
「俺的には95点ってとこかな。」
男の鼻にかかった喋り方が、彼女を苛立たせる。

393:腐肉(P.N.)
10/02/12 01:04:30 QeUAdY5a
「茜っち、何歌うの?」
誰だよ、それ。彼女ははらわたの煮えくり返るのを堪えながら、カタログに目をやる。
「一緒に歌っちゃう?」
男が尋ねる。
「それとも、もっと良い事する?」
男の手が、制服のスカートの下から延びた太腿に触れる。喜多崎茜は飛び退くように男から離れた。ありったけの嫌悪をこめて言う。
「や、やめてくださいっ。」
「ちょっとちょっとちょっとぉ。」
男は小馬鹿にしたように大袈裟に腕を広げて言う。
「誘ったのそっちよ?それってちょっと失礼ってもんじゃない?」
近づこうとする男に、こうなったら力ずくで抵抗する覚悟を決めて身構えたその時、ボックスのドアが開いた。
「あぁ!?ちょっと何よ…」
男はそう言いかけて振り向いた。どうやら店員だと思ったらしい。喜多崎の位置からは、戸口に立っている人物の顔は男の陰になって見えないが、店員ではない。
女性だ。男は彼女の姿を見るなり態度を一変させた。
「あれぇ!?君、渋谷にいた子だよね。」
女性は首を傾げ、ややあって言う。
「…えっと、ごめん、誰だっけ?」
「俺だよ俺、佐野河。俳優の!“クレアヴォヤンス”ってクラブで、一緒に踊ったじゃん?悲しいなぁ、忘れられちゃって、俺可哀そ…」
自称俳優が最後まで言い終わらない内に、彼女の脚が男の頭を一撃した。佐野河は人形のように吹き飛び、反対側の壁に激突して床に崩れ落ちた。
「世間は狭いにゃあ。」
戸口に立つ人影が少女の声で言った。助けに来てくれたのだろうか?何故?そもそも誰?
喜多崎が呆気に取られていると少女が彼女に駆け寄り、ぐいと肩を掴んだ。びくっとして震える彼女に、少女は息の掛かるほど顔を近づけ、黄色い声で叫んだ。
「うわぁあ、可愛っ!!」
「…へっ!?」
顔を輝かせる蓮杖千絵に抱かれ、喜多崎はぽかんと口を開けて頓狂な声を上げた。その時、倒れていた佐野河が蹴られた頭を労わりながら起き上がった。
「痛って… おいおいおいおい、いきなり何しやがんだこのっ…」
そして彼は再び最後まで言わない内に、千絵のすらっと長い脚に踏み抜かれ、壁に頭を打ち付けられた。隣りの個室から「うるせぇ!」という声が響く。
千絵は脚を上げて男の頭を壁に押さえつけたまま口を開けた。にゅるりとながい舌が数本現れた。
「きゃあああああ!!!!!!」
喜多崎は悲鳴を上げた。目の前で、突如現れヒーローのように彼女を救ってくれた少女の口から、触手が現れ彼女をナンパした男を呑み込もうとしている!
まるで飲み込まれかけの巨大な蛸のようなその触手は、悲鳴を上げる佐野河の身体に捲きついた。千絵が脚を壁から離すと、佐野河の身体は触手に持ち上げられ宙に浮いた。
男は言葉にならない叫びを上げ、ばたばたと手足を振り回して抵抗しようとしたが、テーブルの上のグラスやマイクが床に落ちて音を立てただけで、彼の身体は呆気無く、
千絵の口に収まった。顎が外れているのではないかと思うほど大きく開いた口から、タイトな皮のパンツを履いた佐野河の脚が突き出し、一瞬ばたばたともがいたかと思うと、
あっと言う間に少女の体内へと消えて行った。驚いた事に、男一人の身体を丸ごと呑み込んだと言うのに、少女の腹はバスケットボールほどしか膨らまない。
「五月蝿い男は嫌いだな。」
千絵は呟くと、これ見よがしにゲップを吐いた。血や汚物の臭いの混じった腐臭が、喜多崎茜の鼻を突いた。

394:腐肉(P.N.)
10/02/12 01:05:45 QeUAdY5a
「い…いや…」
喜多崎は震えながら、がしりと彼女の肩を掴む怪物の手から逃れようともがいたが、物凄い力で締め付ける少女の腕はびくともしない。
「んくっ…かあいい。」
千絵は喜多崎茜の頬を伝う涙をぺろりと舐めた。
「でもごめんね、愉しんでる時間が無いんだ。」
怪物が残念そうに呟くと、彼女の下顎から腹にかけてがぱっくりと割れ、人体が縦に真っ二つに開いた。巨大な亀裂のような口を無数の鋭い歯がのこぎりのように縁取り、
その中でぬるぬるした太い触手が何本も蠢いている。
「ひっ…」
喜多崎は悲鳴を漏らす。神様、これがサボった罰ですか。ママと喧嘩した罰なんですか。
「痛くしないよ。」
千絵はそう呟くと、彼女の身体をそっと抱き上げ、胃の中に寝かせた。恐怖に抵抗する意志も挫かれただ震えて涙を流すことしか出来ない喜多崎茜の前で、
牙の生えた肉の扉が閉まった。怪物の腹は彼女の容積で膨張して、薄くなった皮膚からぼんやりと外の光が透け中はピンク色に見える。
彼女は脈動する胃袋の中で身を捩ろうとしたが、肉壁に圧迫されて身動きが取れない。ふと、自分の手が何か拳大の硬いものに触れた。
目だけを動かして腋の間から下を見遣ると、そこに佐野河の股間があった。彼の身体は腰の辺りで尻と背中がくっ付く様な形に真っ二つにへし折られており、
彼女の手はズボンの下で勃起したまま硬直した彼のペニスに触れていた。
「きゃっ…!」
喜多崎は悲鳴を上げて手を離そうとしたが、肉の壁の中では腕を動かす余裕すら無かった。その時ごぽごぽという音と共に、彼女の手の下、つまりぺしゃんこに潰れた
佐野河の身体の収まっている辺りから何やら液体が湧き出してきた。その液体は佐野河の肉体を浸すとしゅうと音を立て、鼻を突くような刺激臭のする湯気を上げた。
佐野河の身体が見る見る沈んで行き、喜多崎はやっと彼の汚らわしい一物から手を離す事に成功した。液体に触れた手の平に何か肌色のクリーム状のものが付着している。
彼女はそれを脇腹の辺りで拭おうとし、途端に手の平に激痛を覚えた。クリーム状のそれは、溶解した彼女の皮膚である。
見ると、クリームの中から血が滲み出し、剥がれた部分には筋繊維がむき出しになっている。
「いやぁあ…っ!!」
喜多崎茜は怪物の強い酸性の胃液に浸かろうとしている。佐野河の身体は沈んだのではなく、溶けて小さくなったのだ。
男の下半身という浮き島がなくなった今、彼女の身体はずるずると胃袋を降下し、甘酸っぱい臭いの毒液にどっぷりと浸かった。
彼女はもがくが、狭い胃の中で脱出の見込みは無く、もがけばもがくほどしぶきが上がり胃液は全身に付着し制服のブレザーが煙を上げた。
彼女は身に付けた衣類が消え、やがて水に入れたラムネのように自分の身体から皮膚が溶け出て行くのを感じた。だが酸の中で彼女の痛覚はいつの間にか一切麻痺し、
心地良ささえ感じた。腰の辺りに佐野河の骨がぶつかると、尻の周りの脂肪がふわっと一気に分解され、身体が軽くなる。
その時、上の方から眩しい光が挿した。すでに瞼を失い眼球も分解しかけていた彼女の目はかろうじて光だけを捉えたが、どうやら怪物が口を開けたらしい。
その光が翳ったかと思うと、上から大きな何かが落ちてきてばしゃんとしぶきを上げた。胃の中に飛び込んできたそれには、顔がついており、手足もあった。人だ。
哀れにもその酸の世界の仲間となった新たな犠牲者は、最初は喜多崎茜と同様消化されて行く手足を必死にばたつかせてもがいた。
肉のこびりついた骨格と化していた喜多崎の身体は、その新たな犠牲者に蹴られてばらばらになった。やがては彼も、彼女と同じ運命を辿るだろう。


[続]

395:名無しさん@ピンキー
10/02/12 21:21:04 D0Aqc6S+
体内の様子に萌えた
マジで文才ありすぎw

396:名無しさん@ピンキー
10/02/12 23:24:52 QNvYKbq3
CUBEゼロの初っぱな、酸性シャワー浴びせられてグズグズに溶けていく犠牲者思い出した。
最凶な怪物ながら、たまにネコアルクっぽい千絵がかわいいにゃあ。

397:名無しさん@ピンキー
10/02/12 23:51:16 i9GumL+i
やってる事は外道この上無いのになぜか千絵は憎めない

>>375
天使と悪魔ってだけで探したから手前の漫画で引っかかったぜ、同じシーンがあるとは
デフォルメだからか俺はそんなに興奮しなかったわ

398:INHUMAN
10/02/13 15:52:03 jNqgKuoF
ちょっと、あんたたち!
こんなスレッド立てて恥ずかしくないの!?
そのうち削除依頼を出して、
消してもらうつもりだから、
覚悟してなさいよね!!

さあ、潰れるざます!
逝くでがんす!
フンガ~!!
まともに潰れなさいよ~!!


399:名無しさん@ピンキー
10/02/13 18:23:15 hB9Pqmt+
>>398
wwwwwwww

400:名無しさん@ピンキー
10/02/13 19:04:46 wTfcKqBp
>>398
ナイス!
GJ!

401:名無しさん@ピンキー
10/02/13 21:51:54 5KqRYiYk
いい年こいたオッサンが>>398書いてると思うと泣けるな・・・

402:名無しさん@ピンキー
10/02/13 23:08:17 wTfcKqBp
>>401はスルー。

403:名無しさん@ピンキー
10/02/14 01:13:01 7jQqbMIZ
INHUMAN

人間(の中に)に入る

丸呑み

 千絵

404:名無しさん@ピンキー
10/02/14 18:20:20 VjkYEO7V
>>403
ひとの なかに いる!

405:名無しさん@ピンキー
10/02/14 18:51:38 VwER58Jz
テセラックはQ方向にいる!

406:名無しさん@ピンキー
10/02/14 19:04:05 +U2M1HBy
良く分かったな
俺ぜんぜん分からんかったよ

407:名無しさん@ピンキー
10/02/14 21:32:37 IUaEbkVJ
三次元は四次元に丸呑みされているんだと考えると
なんかドキドキしてきた。

408:名無しさん@ピンキー
10/02/14 23:44:40 mhHZHKaz
なんつー酷いこじつけだ

409:名無しさん@ピンキー
10/02/15 00:39:08 +2SFiRfK
ピクシヴで丸呑みって検索

410:名無しさん@ピンキー
10/02/15 00:50:09 u2vyHmxg
っつーかみんなピクシブ見れるの?

411:名無しさん@ピンキー
10/02/15 01:20:57 DUoN+LyJ
登録制だが無料だし少なからず居るんじゃね

412:名無しさん@ピンキー
10/02/15 02:24:22 PBN6et1K
絵が描けないからなぁ。

413:名無しさん@ピンキー
10/02/15 02:38:59 UatyAKMb
ミルダケタダ、ミルダケタダネ、シャチョサン

414:名無しさん@ピンキー
10/02/15 03:13:16 idek24Z6
前に腐肉さんの漫画化した人もピクシブだったが…なんか最近あのサイト重い

415:腐肉(P.N.)
10/02/15 05:07:21 CwOsGmA2
蓮杖千絵と小山内佳奈は、来るべき決戦に向けてエネルギーを蓄えておかねばならなかった。
カラオケボックスは理想的な餌場だ。獲物が悲鳴を上げても問題は無し、密室性が高く、平日の日中ともあれば邪魔が入る心配も無い。
佳奈は我ながら良い考えを思いついたものだと得意になっていた。千絵がカウンターの従業員を平らげると、佳奈は素早くシフト表をチェックした。
千絵が個室の方に向かうと、佳奈はもう一人の従業員を始末すべく、廊下の突き当たりのドリンクバーを目指した。
20代半ばと思われる太った女性が彼女に背を向けカクテルのグラスをマドラーでかき回していた。
佳奈は肩に掛けたスポーツバッグを徐に床に降ろすと、中から布で覆った例の凶器を取り出した。
太った従業員は彼女の存在に気付いていない。佳奈は残忍な笑みを浮かべて刀を振り下ろした。
スライサーは本来、人間の頭蓋骨を真っ二つに叩き割るほど強靭な刃物ではない。それを成し得たのは単に佳奈の文字通り怪物的な腕力によるものだった。
太った女性には何が起こったのかさっぱり分からなかった。急に視界が滲み、手にしたカクテルグラスにどこからか赤い液体が数滴ぽたぽたと落ちてきた。
それが自分の顎の辺りから突き出した鋼色に鈍く輝く刃物の切っ先から垂れている自らの血だと気付いた瞬間、彼女は絶命した。
佳奈は女性の下顎骨で閊えているスライサーを、そのまま力任せに下へ振り切った。飛び散った血しぶきは僅かだったが、
制服のスカートが調度真ん中の辺りでぱっくりと分かれてはらりと落ちるや否や、女性の身体は左右対称に真っ二つに割れ、床に崩れ落ちた。
「きゃああああああああああ!!!!!!!」
その時、佳奈の背後で悲鳴がした。振り向くと、一人の女性が廊下の向こうに立ちすくみわなわなと震えている。大方タイミング悪くトイレにでも立ったのだろう。
「何?」
悲鳴を聞きつけ、離れた個室の扉が開いた。
顔を覗かせた中年の男は、2本の長い刃物を手にした佳奈と、床に屑折れた血塗れの店員の亡骸を見るなり、野太い叫び声を上げて扉を閉めた。
佳奈は無言で踵を返し、中年男性は無視してつかつかと廊下を女性の方に向かって歩き出した。途中、スライサーをぶんと一振りして付着した血液を払った。
女性は脅えた目で彼女を凝視したまま数歩後ずさり、すぐに廊下を反対側へ駆け出した。
仕事が早く掃けて友人とちょっとこの店に立ち寄っただけであった彼女は、パニックに陥っていた。
あまりに混乱していたため、廊下の角で妊婦のように腹をぽっこりと膨らませた少女とすれ違った事にも気付かなかった。
少女はちょっと女性を振り向くと、すぐに廊下の向こうからやってくる佳奈を認め、逃げる女性を無視して廊下を進んだ。
千絵はすれ違い様に、佳奈に向かってハイタッチの姿勢で左手を上げた。
両手に刃物を握っていた佳奈はタッチする代わりにスライサーの研ぎ澄まされた刃を千絵の鋭い爪に当ててカンっと乾いた音を立てた。
佳奈が廊下の角を曲がって姿を消した途端、金属が有機体を切り裂く湿った音が木霊した。
廊下の向こうの壁に血が飛び散るのをちらりと見てから、千絵は先ほど中年男性が身を隠した個室のドアを蹴り開けた。蝶番が砕け、ドアは内側に吹き飛ぶ。
中から太い悲鳴が聞こえる部屋に、千絵は無言で踏み入った。次の瞬間、血しぶきが上がった。
血しぶきはドアの無くなった部屋から飛び出し、廊下の反対側の壁を赤く染める。
やがて巨大な口が肉を呑み込む下品な音だけが、店内を満たした。
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