09/11/04 12:28:53 8seLsMBV
地下鉄でバカシンジとファーストを見た。
パパもママもいらない、一人で生きるの。幼い私がフラッシュバックして私は踵を返した。
生理になって3日目、重い足を引きずりながら私はバカシンジたちから目を逸らして歩いていく。
子供なんて絶対にいらないのに。男の子も女の子も皆、皆大っ嫌い。
ふいに視界が歪んだ。あ、私転ぶんだ、どこか他人事の様に思いながら。
「おっ…と」
ふいに柔らかい腕に包まれた違和感。
「や、また会ったね。具合まだ悪いのかい?」
胡散臭く笑うのは先日、トイレで因縁を付けてきた変態。フィフスチルドレン、渚カヲル。
「…最悪」
「大変だね、人間は」
いちいち含みを持たせる言い方が余計に腹が立つ。
「いつまでも触らないでよ、この変態っ」
強引に腕を振りほどこうとしたけれど予想外の力で抵抗される。ビクともしない?
反射的に殴りつけようとした瞬間、腕を引かれ体が浮遊し柔らかい腕に包まれた?
突然の事に思考が感覚についていかない。こ、こ…これって…お姫様…抱っこ?
「い、いやぁぁあ!ちょっ、あ、あんた、何してんのよ!?へ、へっ変態っ」
「この後、ネルフに行くんだろ?僕もだからこのままついでに運んであげるよ」
「な、な、何考えてんのよ!?こんな所で…離っしてよ!エッチ!バカ!変態っ!信じらんない!」
「ここからネルフまでは10分もかからないし、大丈夫」
「離…してって…」
自分の状態を忘れて感情的になりすぎた反動か、グラリと視界が揺れた。ヤバい、力が入んない。
「この前、街のディスプレイで見たんだ。こういうの、一度やってみたくてね」
「…変っ態…」
薄れゆく意識の中で不思議な温かさに苛立ちながら私は絞り出すように呟いた。