【ここで】フォーチュンクエスト14【ない場所】at EROPARO
【ここで】フォーチュンクエスト14【ない場所】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
09/09/23 16:42:57 EXb6048p
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3:名無しさん@ピンキー
09/09/23 16:45:16 EXb6048p
前スレがいつの間にかdat落ちしていたので立ててみました。
需要がなくて落ちるならそれも運命(w
即死回避で1本投下しときます

カプ:トラップ×パステル(?)

純愛ものではない。パステルがある意味現代っ子風味。
純粋なトラパスハッピーエンドではないためファンの方注意。

一発目の投下が人を選ぶものになってすいません。

4:トラ×パス 浮気相手編 1
09/09/23 16:46:16 EXb6048p
 玄関の方で、物音が聞こえた。
 わたしは別に、特別耳がいいってわけじゃないんだけど。我が家が古いせいかな? ドアの音が、ものすごーくよく響くんだよね。
 それよりも何よりも! 「まだかな? 早く帰って来ないかな?」って耳をすませて待っていた、っていうのが、一番大きいと思う!
「おかえり!」
 満面の笑みを浮かべてお出迎え―これは常々、わたしが胸に描いていた「新婚さん憧れのシチュエーション」だったりするんだけど。
 残念ながら、わたしが目いっぱい浮かべた笑顔は、思いっきり無駄になってしまった。
「なーんだ、トラップかあ」
「何だとは何だよ、なーんだ、とは! 悪かったなあ、旦那じゃなくて」
 わたしの心からの言葉に、不満そうな声をあげたのは赤毛の盗賊。
 わたしの昔のパーティー仲間にして、現在は親友という間柄。
 わたしの旦那様の、幼馴染。
「クレイは? 一緒じゃないの?」
「そのクレイからの伝言持ってきたんだよ。今日は遅くなる。もしかしたら泊まりになるかも、ってな」
 そう言って、トラップは肩をすくめた。
「なあ。旦那じゃなくてがっかりしたのはわかるけどよお。俺だって、クエスト帰りで疲れてるっつーのは一緒なんだよ。茶のいっぱいくらい、飲ませてくれても罰はあたらねえんじゃねえ?」
「あ! ごめんごめん。どうぞ、あがって」
 トラップの催促に、わたしは慌ててスリッパを出した。
 確かに、わたしの態度は、いくら気心知れてる中とは言え、随分失礼なものだったと思う。反省反省。
「お茶……だけでいい?」
「何。もっと、って言ったら、色々食わせてくれんの?」
「んー……そうだね、いいよ」
 勝手知ったる我が家とばかり、ずかずかあがりこむトラップに、遠慮の様子は全くない。
 相変わらずだよねえ、と苦笑が漏れるけど。どうせ、夕食は二人分、用意しちゃったんだよね。
 クレイのことだもん。帰れそうなら、どんな無理をしてでも絶対に家に帰ってきてくれる。
 「泊まりになるかも」って言ってるってことは、今日はもう無理、って思って間違いない。
 新婚って言っても、結婚からもう三ヶ月は経ってるからね。彼の仕事のパターンなんて、大体読めてしまってる。
「はい、どうぞ」
「お、うまそうじゃん」
 お茶を入れるついでに温め直した夕食を並べると、トラップの目が輝いた。
 彼だって、家に戻れば夕食が待ってるでしょうに……と思わなくもないけれど。
 まあ、昔から、細い身体の割によく食べていた彼のこと。戻ったら戻ったで、家の夕食もしっかり食べるんだろう、きっと。
 それでどうして太らないのかは、本当に謎だけど!

5:トラ×パス 浮気相手編 2
09/09/23 16:46:53 EXb6048p
「トラップは? クエストは、相変わらず?」
「んー……まあな」
 わたしの質問に、トラップは適当に頷くだけ。
 パーティーが解散した後も、トラップと、それにルーミィとシロちゃんだけは、冒険者を続けている。
 もっとも、トラップは実家……つまりは盗賊団のみんなとクエストに出ているから、フリーの冒険者として大活躍しているルーミィ達とは、あまり顔を合わせることもないらしい。
 わたしと結婚した後、クレイはお兄さん達の後を追うように、正式に騎士団に入隊して、毎日忙しい日々を送っている。
 わたしは、冒険者を続けようかどうしようか、だいぶ迷ったんだけどねえ……やっぱり、女の子の夢として! 少なくとも新婚の間くらいは、家で旦那様を待っていてあげたいじゃない?
 幸い、小説家としての仕事が適度に忙しかったこともあって、冒険者は引退することにした。
 ちょっと残念だったけどね。まあ、将来子供が生まれたら、って考えると、やっぱりね。
 冒険者に戻りたくなったら、また資格試験を受けてみればいいや、と、軽く考えることにした。
 ノルもキットンも、今はそれぞれの道を進んでいて。結局、あのときの仲間で、今も頻繁に会うのは、クレイを除けばトラップだけになっちゃったんだよねえ。
 あの頃は、「解散なんて!」なーんて言ってたものだけど。クレイと結婚した今となってみれば、「懐かしいなあ」の一言で済ませてしまえるのが、何だか寂しい。
「はあー」
「おい。人の顔見てため息ついてんじゃねえ!」
「あ、ごめんごめん」
 ふと顔を上げれば、トラップの前に並べたお皿は、すっかり空になっていた。
「ちょっとボーっとしてた。美味しかった?」
「ああ、まーな」
 わたしの言葉に、トラップは、不機嫌そうな顔のまま頷いた。
「クレイが、毎日自慢してるだけのことはある」
「……もお! な、何よお、いきなりっ!」
 唐突にとんできた言葉に、ぼんっ! と顔が赤らむのがわかった。
 クレイとトラップは、歩く道は別々になったけれど、今でも頻繁に顔を合わせているらしい。
 正確に言えば、トラップが時間の空いたとき、クレイのいる騎士団にちょっかいをかけに行ってるらしいんだけど。
 だから、クレイがわたしのことを話していてもちっとも不思議じゃないんだけど……むしろ、褒めてくれていたっていうのはすごく嬉しいんだけど!!
 やっぱり、他人の口から……そのう、惚気? を聞かされるのって、やっぱり恥ずかしいんだって!
「どうせからかってるんでしょ! もお、トラップってば相変わらず!」
「あんだよ。別にからかってねえっつーの」
「だったら余計に信じられないって。パーティー組んでたときは、ご飯が物足りないとか文句ばっかり言ってたくせに」
「あんときはっ……」
 こうなると、売り言葉に買い言葉。
 わたしが昔のことを持ち出すと、トラップは、ムキになって立ち上がったけれど……何故か、中途半端なところで言葉を止めて、すとんと腰を下ろした。
「まあ、おめえだって成長したってこったろ」
「? ……あ、ありがとう」
 らしくない、褒め言葉。
 けれど、彼の半端な笑顔を見たとき、わたしは喜ぶより先に警戒してしまった。
 トラップがこういう顔をしているときって、絶対―

6:トラ×パス 浮気相手編 3
09/09/23 16:47:27 EXb6048p
「……で」
 がしっ! と、伸びてきた手が、わたしの手を握った。
「何?」
「さっき、色々食わせてくれるって言ったじゃん」
 ニヤリ、と浮かべた笑顔に浮かぶのは……何でしょう。名づけるなら「してやったり」とでも言う色。
「だあら、食わせてくれよ」
「……ええと、晩ご飯、足りなかった?」
「ちげえよ、わかってる癖に」
 確かに、大体わかってはいたんだけど。
 わたしが漏らした言葉を切って捨てて。トラップは、それは嬉しそうに立ち上がった。
「おめえを、食わせてくれるか?」

 鼻歌交じりに、ソファーの方に引きずられた。
 わたしは別に寝室でもいいんだけど……ソファーの上って狭いし……けれど、何故かトラップは、「それは駄目」と、頑なに拒否する。
 どさっ! と投げ出される。クッションに埋もれるわたしの上にのしかかってくるトラップは、既に上半身裸。
 っていつの間に!?
「ねえ、トラップ」
「ん? 何だよ?」
「もしかして、最初から……そのつもりで、うちに来た?」
「いんや? おめえが『駄目』っつったら、玄関先で帰るつもりだったぜ?」
 いや、嘘だ。それはぜーったい嘘。
 はあ、とため息をつきつつ、ブラウスを脱ごうとすると、トラップに止められた。
「おめえ、わかってねえ。脱がせるのがまた男のロマンなんだよ、ロマン!」
「……どうせ脱ぐんだったら、同じじゃないの?」
「かーっ! ったく、おめえは結婚しても全然変わらねえのな! クレイは何も言わねえのか?」
「うーん……」
 軽い言葉を吐きながらも、トラップの手は実に滑らかで鮮やか。
 あっという間にブラウスのボタンが全開になった。背中に回された手が、器用にホックを探り当て、窮屈な下着から胸が解放される。
 クレイは、こういうやり方はしない。ベッドかソファーかの違いもあるけど、服も下着も、すごく丁寧に脱がせてくれる。
 脱いだ服をたたんで、恥ずかしがるわたしのために、明かりを消して、暗闇の中で、大事に大事にしてくれる。
 その彼と比べれば、トラップは随分と乱暴だし、身勝手だと思う。
 
 ―でも、気持ちいい。
 
「……やっ!」
 ぴくん、と身体が震えたのは、太ももを上がってきた無遠慮な指のせい。
 トラップの舌で弄ばれて、胸が固くとがるのがわかった。身体が震えるのは、これから襲ってくる快感を予感しているからか―完全に、溺れているからか?
「やっ……ね、トラップ。あの……」
「わあってるって。中で出すようなヘマはしねえから」
 トラップのその言葉を疑うつもりはないんだけど―実際、彼とこうして身体を重ねたことは何度もあるけれど。一度だって、失敗されたことはないし。
 そうじゃなくて。わたしが言いたいのは―

7:トラ×パス 浮気相手編 4
09/09/23 16:48:28 EXb6048p
「ひゃあっ!」
 背中に回された手が、すうっ―と下に滑って行った。
 狭いソファーの上で思わず悶えてしまう。苦しいんじゃなくて……もちろん、寒いわけでもなくて。
 目の前の細い身体にすがりついた。細いようで、しっかりと筋肉に包まれた身体は温かい。
「トラップ……」
 意味なくつぶやいた名前は、唇で塞がれた。
 生暖かい舌が、滑り込んでくる。それが、「何も言うな」って言っているようで、思わず言葉を飲み込んだ。
 背中に回していた腕を緩めて、かわりに首にしがみつく。太ももの間に割り込んできた下半身は、既に、固くなっていた。
「……いくぞ」
 いいよな? とは聞かない。わたしの身体が既に十分熱くなっていることが、わかったんだろう。
 最初に進入してきた指が、内部でぐちゅぐちゅといやらしい音を立てていた。
 多分、下着はびしょびしょになっていることだろう―ああ、今日の下着、お気に入りだったのになあ、と、妙に場違いなことを考えてしまう。
 するすると、最後の一枚が剥ぎ取られて行った―衝撃を覚悟して目をつむると同時、熱い塊が、奥深くまで突き入れられた。
「ひゃっ……」
「ん……痛いか?」
「ん、ううん……痛く、ないよ……」
 むしろ、気持ちいい……とは、さすがに言えなかった。
 ただ、心の中でつぶやいていた。早く来てほしい、と。
 けれど、いつもならすぐに動き始めるトラップなのに、今日は、やけに静かだった。
 余韻を楽しむように……と言ったら変だけど。わたしを抱きしめたまま。内部に押し入ったまま、じっと動かない。
「トラップ……?」
「おめえ、もしかして、さ」
 耳に触れそうな位置で囁かれて、思わず、力をこめてしまった。
 きゅっ、と締まった下半身に顔を歪めながらも。トラップの意地悪な言葉は、止まらない。
「昨日の夜は、クレイとお楽しみだっただろ?」
「―なっ……」
「やっぱり。だあら、今日は何つーか……すぐに濡れたわけだな」
 くっくっと含み笑いを漏らしながら、ようやく、トラップは動き始めた。
 それはもう、じれったくなるくらいにゆっくりと。
「相変わらず、あいつのエッチってマンネリなのか? 自分がイクのに精一杯で、おめえを悦ばせてる余裕はないってとこか?」
「もお……そういう言い方、しないでよっ!」
 からかうような言葉に腹が立って、わき腹をつねりあげる。もっとも、それで彼を振り払おうという気にならないのは……まあトラップの言葉に一理ある、と、認めてしまっているからなんだけど。
「クレイは、それでいいんだってば! わたしはクレイのそういうところも含めて……好きになったんだから!」
「ふうーん?」
「クレイが、色んな人と付き合ってて……その、こういう、エッチの方も経験たっぷりだったら、わたしは逆にショックだったよ? だから、いいの!」
「ふうーん……」
 がっ! と、乱暴に腕を振り払われた。
 顔を上げると、目をぎらつかせたトラップが、わたしの両腕を押さえ込んできた。
「ひゃっ……」
「よっく言うぜ……自分はどうなんだよ」
「ひゃあああああっ!?」
 不意に、乱暴に突き上げられた。
 それは痛みを伴うほどの激しい動き。けれど、同時に貫くのは、目もくらむような快感。
 首筋にいくつも熱い痕が残るのがわかった。時間にしてみれば、ほんの数分……もしかしたら数秒かもしれないけれど。その短い間に、わたしの意識は、完全に飛ばされた。
 目の前が真っ白になる―って、小説の中でよく使っていた言葉だけど。実際に経験してみるまでは、わからなかった。
 こんなに……気持ち、イイなんて。
「んっ……と、トラップ―!」
 あああ……と意味のない叫び声をあげた瞬間、強引に身体を振りほどかれた。
 温かい雫がお腹の上に降り注ぐのを感じて、わたしは、いつの間にか閉じていた目を、ゆっくりと開けた―

8:トラ×パス 浮気相手編 5
09/09/23 16:49:18 EXb6048p
 あれだけばたばたしていた割に、服やソファーに汚れがないのはすごいと思う。
 なんてつぶやきながら、タオルでお腹を拭っていると。だるそうな顔でソファにひっくり返っていたトラップが、「なあ」と声を上げた。
「何?」
「……おめえ、何も思わねえの?」
「思うって?」
「クレイに悪いとか」
 とんできた言葉は、全く意味がわからなかった。
 クレイに悪い……って、何を、だろう? トラップと、こうしてエッチしてること、かな? やっぱり。
「だって……今更、だし」
「…………」
「結婚する前から……ううん、クレイのこと、好きになる前から、ずーっとだし」
 そう。ずーっと前から……なのだ、実は。
 最初のきっかけはただの興味本位だった、と思う。
 冒険者になって、女の子らしいことからはかなり遠ざかっていたわたしだけど。
 それでも、やっぱり……ねえ? わたしだって、普通の、年頃の女の子ではあるわけで。
 リタやマリーナと、ときどききゃあきゃあ言いながら回し読みした雑誌とかには、そういう情報がいっぱい載ってて。興味だけが、すごく膨らんで……
 それは、多分、トラップだって同じだった。彼だって、そういうことに一番興味があるお年頃の男の子には違いがなかったわけで……
 うーん、きっかけが思い出せない。とにかく、それくらいごく自然に、わたしはずっと前から、トラップと身体のお付き合いを続けていた。
 クレイのことを男の子として好きになってからも、両思いになって恋人同士になってからも……結婚して、夫婦になってからも、ずっと。
 何で? と聞かれると困る。強いて言うなら、やめるきっかけがなかったから。
 トラップは変わらずわたしを求めてくれたし、わたしも、異性としてではなかったにしろ、トラップのことは大好きだから。今更、抵抗なんてぜーんぜんなかったし。
 わたしにとっては、それは、友達同士が手を繋ぐのと同じ。手を繋ぐ、腕を組む、肩を組む……その延長で、身体を重ねただけだったから。
 まあ、それに、トラップとのエッチは、正直クレイとより気持ちいい……何しろ、彼は慣れててうまい……から。
「……まさか、クレイに話してねえよなあ? 俺達のこと」
「うん……別に、聞かれないし」
「聞かれたら話すのかよ?」
「うーん……話した方がいい?」
 そう言うと、トラップは、手で顔を覆って首を振った。
 おめえに聞いた俺が馬鹿だった……って、何なのよ、それ。
 第一、クレイに悪いと思うなら……これが悪いこと、なら、トラップがとっくにやめてるはず。
 トラップはクレイの親友なんだから。彼を傷つけるようなこと、するはずがない。
「……そろそろ帰る。クレイも、ひょっとしたら戻って来るかもしんねえし」
「うん……わかった」
 ひょい、と起き上がる彼の身支度を整えて、送り出す。
 ふらふら揺れる赤毛頭を見るともなしに見ていると。トラップは、わたしの顔を見ないまま、「なあ」と声を上げた。
「俺とおめえの関係って、何?」
「ん? なーに、突然」
「いや、何となく。おめえは俺のことどう思ってんのかなーって、ちっと気になった」
「変なトラップ! そんなの、決まってるじゃない」
 わたしとトラップの関係。それはもちろん―

9:トラ×パス 浮気相手編 6
09/09/23 16:50:06 EXb6048p
「親友だよ!」
「…………」
「昔は、パーティーの仲間で。今は、親友! 決まってるじゃない!」
 わたしの答えに、トラップはしばらく無言だった。
 黙って玄関のドアを開けて、いつものように、軽く手を上げて―
「せめて『浮気相手』って言ってくれよ」
「……へ?」
「そしたら、俺だって希望が持てるだろ?」
「はあ? 希望?? 浮気……って、何よそれ?」
 全くわけがわからない、とわたしが肩をすくめていると、彼は小さく肩を震わせた。
 最後まで振り返ろうとはしないまま。
「わかんねえなら、いいよ。んじゃな。飯、さんきゅ。クレイに、もっと早く帰れって伝えとく」
「あはは、ありがとう! でもいいよ。仕事なんだから、しょうがないじゃない。わたしは十分満足してるから!」
「―そっか。またな、パステル」
「うん、ばいばい!」
 実家への道を戻っていくトラップに手を振って、わたしは、うーんと大きく伸びをした。
 さあて。クレイが帰ってくるかどうかわからないけど……眠くなるまでは、待ってよう!
 何か、簡単につまめるものでも用意して。お疲れ様って、言ってあげよう!


  END
----------------------------------------------


10:名無しさん@ピンキー
09/09/23 16:52:16 EXb6048p
完結です。駄文失礼しました。

せめて即死しないことを祈りつつ。
前スレの神書き手さん達が戻ってきてくれますように!
フォーチュンクエストという作品と同じくらい、あなた達の作品も大好きでした。


11:名無しさん@ピンキー
09/09/24 16:51:06 aXYRz2fV
age

12:名無しさん@ピンキー
09/09/24 20:10:34 TSdLYFTa
もう一発保守投下。
今度はクレイ×パステルです。
エロ描写はきわめて薄いですが一応純愛です。
エロパロというには物足りないかもしれませんがよろしくお願いします。

13:クレ×パス 衝撃の目撃編 1 
09/09/24 20:11:46 TSdLYFTa
 何だか、隣の部屋から、妙な物音が聞こえた気がした。
 みすず旅館は自他共に認めるボロ旅館ですから! 壁も相当薄いんだよねえ。だから、隣の部屋のいびきが筒抜け、なんていつものことで。わたしもいちいち気にしたりはしないんだけど。
 今日の物音は……何だろう? 無視するには、聞きなれない音だった、というか……
 ありていに言えば、誰かがうめき苦しんでる声に聞こえたんですけど!?
「ちょ、ちょっと、大丈夫!?」
 確か、今日はキットンとトラップはバイトに行っていたはず。わたしも原稿が忙しいから、ルーミィとシロちゃんは気遣って外に出て……
 も、もしかして彼女達の身に何か!? と、わたしはノックもせずに隣の部屋のドアを開けた。
 そして、直後に、「空気が凍りつく」という言葉を実感した。
「っ……ぱ、ぱ、パステルっ!?」
「くっ……れ、い……?」
 その部屋に、ルーミィ達の姿はなかった。多分、納屋のノルに相手してもらっているんだろう。
 隣の部屋に居たのは、クレイ一人だった。
 いつもなら、部屋にいるときの彼は、大抵愛用の剣の手入れをしているんだけど……
「う……」
「ち、ちがっ……これはっ……あの、そのっ……と、とにかく、あっち向いてくれないかっ!?」
 何だろう。こういうとき、一体何を言えばいいんだろう?
 クレイの手に、剣はなかった。代わりに、何と言うか……ある意味、それも「武器」と言えなくもないモノを握っていた。
 赤らんだ頬。汗で張り付いた前髪。息を荒げている姿は、それでもやっぱりため息が出るほどにハンサムで。
 だからこそ余計に、ズボンと下着を膝までずり下げて中腰になった姿が、途方もなく間抜けだった。
 こ、これは……もしや、これが、噂に聞いた、あのっ……
「ご、ごめんっ! お邪魔しましたっ!」
 ばーんっ!!
 ああ、この衝撃をどう伝えればいいものやら。
 とにかく、今見た光景は絶対絶対忘れた方がいい、と悟ったわたしは、素早くドアを閉めて、自分の部屋に逃げ帰った。
 いやいや、鈍い鈍いと言われるわたしにしてはさあ? 上出来な判断だったんじゃないかなあ、うん。

14:クレ×パス 衝撃の目撃編 2
09/09/24 20:12:36 TSdLYFTa
 一応、わたしとてそれなりの年ではあるから。世の中に「そういう行為」があることくらいは知っていた。
 学校でも、一応その手の授業を受けたことがあったし。
 リタ辺りは、客商売をしているからかな? その手の性質の悪い冗談を受けることも多いんだよねー、って、笑いながらイロイロと教えてくれたし!(イロイロ、の中身は、とてもわたしの口からは言えない)
 ともかく、そのおかげかな? 何しろ、初めて見たモノだけに、最初の衝撃こそ大きかったけれど。
 時間が経って落ち着いてくると。胸に浮かんだのは、「男の子って大変だよねえ」という、自分でも「それってどうなの?」と言いたくなるような感想だった。
 いや、だってさあ。多分、普通の女の子なら「いやー最低! 不潔! 大っ嫌い!」とでも言うべきなんだろうけど。
 あれが、例えばトラップだったというのなら、もしかしたらそんな反応をしていたのかもしれないけど。
 あのクレイだよ、クレイ? パーティーのリーダーとして、人一倍正義感が強くて、誰にでも優しくて公正で、曲がったこととかが大嫌いなクレイですよ?
 あの彼ですら、「その行為」にふけらずにはいられない、なんて―
 それを初めて聞いたときは、「トイレに行きたくなるのと同じ。生理現象よ」なーんて言うリタの説明が全く信じられなかったんだけど。これは、信じるしかないのかなあ、なんて気になってしまう。
 うん。トイレに行くのを我慢しろ、なんて酷だよね。よく考えたら、彼ら男三人は常に相部屋。一人になれる機会なんてそうそうないし、誰かに見られながらやるようなものでもなし。きっと、こういう機会って貴重なんでしょう。
 ああ、邪魔して悪いことしちゃったなあ……
 と、わたしが頭の中で無理やり整理をつけて、一人で納得していたときだった。
 不意に、部屋に、遠慮がちなノックの音が響いた。
「……はーい?」
「あの……パステル、いいか? その……俺、だけど……」
「…………」
 心の中では納得していたつもり、だったけど。やっぱり、まだまだ記憶も生々しい今は、顔を合わせたくなかった、というか……
 い、いや、でも、まさか無視するわけにはいかないよね? いい、パステル。普通によ、普通にっ……
「な、何っ!? クレイ……」
 ああ、我ながら引きつってるなあ……という笑顔を浮かべて、ドアを開ける。
 そこには、ものすごーく気まずそうな顔をしたクレイが、立っていた。
 ……気まずいなら、少し落ち着いてから来てほしかった!
 
「ええと、さっきは! その、ごめんっ!」
 がばあっ! と頭を下げる彼に、「いいよ、気にしないで」以外の言葉を言えるはずがない。
「いいよ、いいよクレイ。わ、わたしも悪かったんだもん。ごめんね、ノックもしないで!」
「っ……い、いや、悪いのは俺だよ。パステルもルーミィも宿にいたのに、あんなっ……」
「う……え、えと、その、気にしないで! る、ルーミィに見られたっていうのなら、さすがに困るけどっ……その、わたしも、その! そういうコトくらいは知ってたし!」
 心底済まなそうな、情けない顔を浮かべているクレイを見ると、まるでわたしが悪いことをした気分になっちゃうじゃない!
 いや、実際、ちょっとは悪いと思うんだけどっ!
「ほ、本当に気にしないでっ!」
「……け、軽蔑、しただろうな……」
「え?」
「俺のこと……軽蔑、しただろ? 本当に、ごめんな、パステル……」
「…………」

15:クレ×パス 衝撃の目撃編 3
09/09/24 20:13:51 TSdLYFTa
 しゅん、とうなだれるクレイを見て、わたしは……うーん、どう言えばいいのか。何だろう? 胸の辺りが「きゅん」となってしまった。
 いやいや、だってさあ。クレイはわたしより年上で、しかもパーティーのリーダーで。いつだって、誰よりも頼れる存在だったんだよ?
 その彼がさ、まさか、こんな……
「気にしないで、ってば! 軽蔑なんかするわけないじゃない!」
「……いや、でも……」
「本当に、軽蔑なんかしてないって! そ、そのっ……そりゃ、ちょっとはショックだったよ? でも、クレイだって、年頃の男の子なんだからさあ」
 ぴくっ、と、クレイの肩が揺れた。
 けれど、わたしは、それが何を意味するのか、全然気づかなかった。
「だからさ、しょうがないんじゃない? むしろ、そういうのに全然興味が無い方が変だ……って思うよ? 多分、気づかれないようにしてるだけで、トラップとか……その、ノルもキットンもやってるんじゃない? クレイだけが特別じゃないよ! だから、気にしないで!」
「―違うんだっ!」
 わたしの言葉を、強引に断ち切って。
 クレイは、ばんっ! と、両手を床についた。
「違うんだよ、パステル」
「……え?」
「俺……あのとき……」
 クレイの身体は、震えていた。
 言うのが怖い。でも、言わずにはいられない―黙って知らんふりをすることは、彼のプライドが許さない。
 そんな様子で。
「あのとき……俺……き、君を、想像してたんだ」
「は?」
「だ、だからっ! あのときっ……俺は、パステルのこと、想像してっ……その、してたんだよっ!」
「―はああああああああああああああああああああっ!?」
 それはある意味、クレイの実に雄々しいモノをばっちり見たときよりも衝撃的な告白だった。
「なっ、なっ、何!? 何をっ!?」
「本当なんだ! あのとき……俺、パステルのっ……その、裸、とか、想像してたんだ! ここにパステルが居てくれたら、この手でパステルの身体を思いっきり抱けたら……触れることができたら、って! そんなことを想像してたんだよっ!!」
「何で―っ!?」
 力いっぱい絶叫してしまったわたしを責めるのは、酷ってものじゃないだろうか!?
 いやいやいやいや! その、何も無いところでその行為は不可能だっていうのは、わかるよ!?
 普通なら、その、いかがわしい雑誌とか! その手の道具が必要なんだってことは、知ってたよ!?
 でも、でも! 何でよりによってわたしなの!?
「ええっ、な、何でっ!? クレイの周りには、もっと綺麗でスタイルのいい女の子がいくらでもいるじゃない! 何でわたしっ!?」
「好きだからだよっ!!」
 ぶつっ―と、頭の奥で、何か大事なものが切れてしまったような、そんな音を聞いた気がした。
「お、俺は、パステルのことが好きなんだ! ずっと、ずっと前からっ……」
「っ……く、クレイ……」
「だ、だから、俺はリーダーだから、そんなことは許されないって、そう思ってたけどっ……でも、我慢できなくて! 今日が……初めてってわけじゃ、ないんだ……」
「…………」
「卑怯なことだってわかってたんだ! だけど……や、やめられなくて。ずっと……謝りたかった……」
 深々と、頭を下げて。クレイは、嘘や冗談なんてひとかけらも混じっていない口調で、つぶやいた。
「……ごめん……」
「…………」

16:クレ×パス 衝撃の目撃編 4
09/09/24 20:14:34 TSdLYFTa
 消え入りそうな彼の言葉を聞きながら。わたしの胸に渦巻いたのは……何だろう? 「きゅんきゅんっ」っていう、そんな、すごーく変な気持ち。
 クレイのことを好き? って聞かれたら、はっきり「好き」って言える。
 でも、男の子として好き? って聞かれると、とっさには答えられない。正直、そんな風に考えたことがなかったから、「わからない」としか言えない。
 でも……
 クレイの「好き」っていう言葉は、すごく、すごく嬉しかった。
 それは、絶対に確か。
「謝らないでよ、クレイ」
「……パステル」
「謝らないでよ……クレイは、ずっと苦しかったんでしょ?」
「…………」
「あの、あのさ、わたし……」
 ―どう言えばいいのか。
 わたしも好きだよ、と今すぐには言ってあげられない。クレイはこんなにも真剣に「好き」って言ってくれたんだから、わたしも同じくらい「好き」って言えるようになるまでは―
 でも、こんなにも落ち込んでいる彼を、何とか慰めてあげたい。本当に軽蔑なんかしてないし、好きって言葉はすごく嬉しかったよって、伝えてあげたい。
「あのっ……そ、想像で、我慢しなくても、いいよ……?」
「―え?」
「あのっ! ひ、貧弱な身体で本当に申し訳ないけどっ!!」
 それは、100%の善意なんかじゃない、きっと。
 多分、わたしも……初めて見てしまった「男の子の身体」っていうものに、興味を持ってしまった。
 もっと知りたいって、思ってしまった。
 だから、こんなことが言えるんだと思う。
「クレイが……そうしたいって思ってくれるなら……その、いいよ?」
「パステル……?」
「わたしの身体……好きに、して?」
 胸を手にあてがって、ブラウスのボタンを1つ、2つと外していく。
 するり、と布地が肩を滑っていった瞬間、クレイのたくましい腕に抱きすくめられていた。


END
---------------------------------------------

17:名無しさん@ピンキー
09/09/24 20:15:59 TSdLYFTa
完結。がっつりエロまで書くと長くなりそうなんで中途半端なところでばっさり
実はもっと違う展開になるはずだったけど書いてる途中でこんな展開に。
1本目のトラパスよりは読みやすい……といいな。

駄文長文失礼しました。

18:名無しさん@ピンキー
09/09/24 22:32:39 dRnVqvxO
GJ!

19:名無しさん@ピンキー
09/09/25 15:58:34 +D9IpZ93
即死判定って容量だっけ。レス数だっけ?
丸一日経ってるから、もう即死判定はクリア?
とりあえず支援age

20:名無しさん@ピンキー
09/09/25 19:49:16 Zu+yai4N
いや、いいね、好きだ、GJ!
浮気編はトラップが切なくて萌えたし、目撃編はパステルが可愛い
こういうの好みだなぁ、よければまた書いてください

21:名無しさん@ピンキー
09/09/26 09:18:52 4yR4TH2a
浮気編も目撃編も楽しんで読めましたGJ!

浮気編のトラップは切なくて良かったです。
首筋の跡…そのうち気づかれる??

あとクレイのウェポンに不覚にも吹いてしまったw
クレイはなさけない所も萌えました。

22:名無しさん@ピンキー
09/09/26 18:09:15 ivYD3Vhu
乙、乙。

……自分で考えると、何故か鬼畜プロットしか思い浮かばない。

23:名無しさん@ピンキー
09/09/26 20:11:41 rrAQ/MQZ
>>22
鬼畜、好物です。

24:名無しさん@ピンキー
09/09/28 22:33:11 HxtQDBR1
1です。レスくれた人ありがとう。
人が戻ってきてくれたみたいで嬉しいです。
この調子で書き手さんも戻ってきてくれますように!

ついでに、クレ×パス 衝撃の目撃編の続きを書いてみました。
ばっさりカットしたエロ部分ですが書いてみたらやっぱり長くなりました。
がっつりエロ、むしろほぼ全編エロです。
ラブラブ? かな?
お好きな人はどうぞー

25:クレ×パス 衝撃の体験編 1
09/09/28 22:34:34 HxtQDBR1
 こんな場面でも、クレイはクレイなんだなあと妙に感心した。
 最初のうちこそ、抱きすくめる腕の強さに恐怖を感じたりもしたけれど。
 勢いに任せてベッドに押し倒された瞬間。わたしの怯えた目に気づいたのか、クレイは、すぐに「ごめんっ!」と謝って身を引いてくれた。
 もっとも、「じゃあやめようか?」と言う気だけは、ないみたいだけど。
 もちろん、わたしも。
「クレイ……あの、わたし、初めてだからっ、そのっ!」
「わわ、わかってる、わかってる! 乱暴にして、ごめん……」
 震えるわたしの髪をそっとはらって、クレイは、そっと頬に口づけて来た。
「あの、パステル……本当に、いいんだな?」
「……ん、うん……」
「パステル……パステルは、さ。俺のこと……」
 わたしの両脇に腕を置いて、逃げ道を封じるような格好で。クレイは、じいっとわたしを見下ろしていた。
 目を、そらせなかった。
 まっすぐなクレイの視線が、すごく眩しくて、痛かったけど。その真剣な視線から、目をそらすことができなかった。
 そんなわたしの顔を見て、クレイは、そのまま言葉を飲み込んだ。
 ……何を、言いかけたんだろう?
 わたしの無言の問いかけには答えないまま。次に感じたのは、熱い刺激。
「うひゃっ!」
 ちゅっ、と、首筋を強く吸われた。痛いくらいの強さに身もだえすると、ぐいっ! と両手首をつかまれて、そのままベッドに押し付けられた。
 うっ……く、クレイの手って、こんなに大きかったっけ!?
 片手で完全に身体を拘束されてしまって、わたしが密かに驚いていると。残った片手が、胸元の辺りを這い回り……そのまま、ブラジャーを強引に押し上げられた!
「わっ! わわわっ……!」
「っ……パステル……」
「ううっ……じ、じろじろ見ないでよう。恥ずかしいんだからっ……」
 多分、わたしのほっぺたは真っ赤になってるんじゃないだろうか!?
 鎖骨の辺りにひっかかってるブラジャー。むき出しにされた胸が、すーすーして……何だか、寒い。部屋の中だから、風なんか吹いてないはずなのに……胸の、その、先端の部分が、やけに敏感になってる、っていうかっ……
「クレイ……」
「パステルの胸って」
「ち、小さくて悪かったね!?」
「なっ!? そ、そんなこと言ってないだろ!? お、俺はむしろっ……思ったより大きいからびっくりしてっ……」
「え」
 予想外な言葉に、状況も忘れて喜んでしまった。いやいやいやいや! これは、ほら、あれだって! 普段、どこかの赤毛の盗賊に散々馬鹿にされてきた反動って言うかっ……
「う、嘘っ……」
「嘘じゃないって! ふ、服の上から想像してたのより、ずっと大きかったからびっくりしてっ……それに」
 ……それに?
 押さえられている手首が、ちょっと痛い。クレイの手が、ぶるぶると震えていて……それだけ、力がこめられていて……
「それに、すごく……綺麗、だよ」
「…………」
 いや、ごく普通の胸、だと思うんだけどなあ。自分では。
 クレイ……普段、わたしの胸をどんな風に想像してたんだろう。そっちの方が、気になるんですけど!?

26:クレ×パス 衝撃の体験編 2
09/09/28 22:35:46 HxtQDBR1
「っ……ひゃっ……」
 ぞわっ!
 大きな手が、遠慮がちに動いて。そのまま、わたしの胸を包み込んだ。
 今まで味わったことのない間隔に、ぞくぞくぞくっ! と悪寒が走り抜ける。
 さ、触られてっ……いや、も、揉まれてる!? これって!
 最初の動きは、ごくごく小さなものだった。
 感触を楽しむように、力だってほんのちょっぴりしか加えられていない……なのに、段々と、その動きが大胆になってきてっ……
「あ……あぁっ……あんっ……」
「っ!?」
 唇から漏れた言葉に、クレイの身体がびくっ! と震える。
 けれど、それが拒否の言葉じゃない……むしろ、悦んでる、と気づいてくれたのか。やがて、その手つきから、遠慮がなくなった。
 気持ち、よかった。
 時々、「痛い!」っ叫びたくなるくらい力をこめられた。手だけで足りないとばかりに唇で吸われたときは、ものすごーく恥ずかしかった。あまつさえ、舌がっ……い、いや、これ以上は言えない、とても!
 でも、恥ずかしさも、痛みさえも、最後は気持ちよさに繋がった。
 やがてわたしは、声を抑えることができなくなった。
 いつの間にか手首を解放されていたけれど、その瞬間、わたしの手は、クレイのたくましい背中にまわされていて。両手でめいっぱい可愛がってもらえることを嬉しいとさえ思っていた。
「あんっ……クレイ……気持ち、いい……」
「パステル……」
 潤んだ瞳で見上げると、クレイは……
 何故か、目をそらした。
 ……え?
 疑問に思ったのも、束の間。
「うひゃあっ!」
 クレイの顔が、ふっと視界からそれた。
 次いで、太ももを走った湿った感触。
 ぴちゃ、ぐちゅっ……といういやらしい音が、部屋中に響き渡った。
「やん、やんっ! クレイ、やっ……恥ずかしいよっ……」
「…………」
 首筋から、胸元を、ひんやりした空気が伝い落ちて行った。
 クレイの唾液でぬらぬらと光っている肌。空気は冷たいのに、身体の中がすごく熱くて、燃えてるみたいで、寒い……とは思わない。
 熱い。そして、痛い。
 さっきから、身体の奥……すごーく奥深くが、じんじんと痛かった。
 そこから溢れる熱い雫。それを、クレイが丁寧に、丁寧になめとって……けれど、その刺激が、余計に熱を呼び覚ます、そんな悪循環。

27:クレ×パス 衝撃の体験編 3
09/09/28 22:36:42 HxtQDBR1
「もう、こんなに濡れてる」
「ひゃっ!」
 びちょびちょになった下着に指をひっかけて、するすると太ももまでずり下ろされた。
 胸……も相当恥ずかしかったけど! でも、さすがにそこは! そこをじーっと見られるのはっ!!
「ううっ……い、意地悪しないで。クレイぃ……み、見ないでってばっ……」
「……俺は、ずっと見たかった」
「え?」
「パステルの、全部が見たかった。全部が知りたかった……ずっと」
「…………」
「綺麗、だよ」
 きゅうんっ! と、胸の音がすごーく痛くなった。
 もう、何も言えない。嫌だなんて言えない。クレイが、そうしたいって言うなら。見たいって、触れたいって……知りたい、って言ってくれるなら。わたし……何でも、してあげたい。
 わたしは……
 言葉に出す前に、クレイの手が、太ももの辺りでひっかかっていたパンティを膝までずり下ろされた。
 ごく自然な動きで、片足を引き抜く。全部を脱ぐ前に、膝に手をかけられて。そのまま、押し広げられた。
「っ……」
 ぴちゃり、と。太ももより、さらに上を……すごーく敏感な部分を、クレイの舌がなぞって行った。
 どくん、と心臓が震えて。同時に、くすぐったさとも違う、もっと強い感覚が、全身を貫いた。
「あ、ああっ……」
「…………」
「クレイ……い、入れ、て……?」
「…………」
 こくん、と、黒髪が揺れた。
 すっ、とクレイの顔が持ち上がって、何だか久しぶりに、目と目があった。
 その口元を汚す、透明な粘液。ぎゅっ、と目を閉じて何度か頷くと、クレイが小さく「わかった」と囁いた。
 最初に入れられたのは、多分指。
 舌よりも硬くて、でも長い。最初は、多分一本。次に、二本。
 くちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅと、卑猥な音を立てながら、指が差し入れられた。何度も出し入れしているうちに、湿った感触がお尻にまで広がってきた。
 うう……これ、もしかして。スカートもシーツもびちょびちょになってるんじゃあっ……
 ああ。でも、やめてって言えない。服を脱がせて、なんて言えない。そんな暇さえ、惜しいって思った。
「やぁんっ……クレイ……クレイ、クレイ!」
「っ……パステル!」
 受け入れられる、って思ったのに。早く来て欲しいって、そう思ってたのに。
 貫いた衝撃に、わたしは、思わず絶叫していた。

28:クレ×パス 衝撃の体験編 4
09/09/28 22:37:40 HxtQDBR1
「っ……いっ……たっ……痛いっ……痛い、痛いよクレイっ!」
「あ、ああ、ご、ごめんっ!」
 多分、ほんのちょっとは……入った、と思う。
 でも、駄目だった。指とは全然違う。ほんのちょっと受け入れただけで、わたしのアソコは、悲鳴をあげていた。
 裂けるんじゃないか……っていうか裂けちゃったんじゃないのっ!? っていう痛み。思わず視線を落として、そして、自分が受け入れようとしていたモノの大きさに、今度こそ、本当の恐怖を覚えた。
 あ、あんな大きい……っていうか太いのっ……入るわけないって! 無理無理無理っ!
「クレイ……」
「ご、ごめんっ……」
 わたしの視線に気づいたんだろう。クレイは、それはもう申し訳なさそうに、目を伏せた。
「さ、さっき……その、最後まで、イケなかったから……」
「え?」
「ぱ、パステルに見られて、軽蔑されたんじゃないかって思ったら……! その、ぬ、抜けなくて……」
「…………」
 それは……つまり。
 えと。二回分溜まってる……ってことかな? もしかして……だから、あんな大きさに?
 ええと。
「えと。クレイ……その、じゃあ、さ?」
「…………ご、ごめん」
 きっとクレイは、わたしが嫌がると思ったんだろう。
 じゃあ、やめよう。痛いのは嫌、怖いから……って、そう言われるのを覚悟したんだろう。
 でも、わたしには、やめる気なんて全然なかった。
 さっき、クレイが望むなら……って思ったことは、嘘じゃない。その気持ちは、今でも変わらない。
「その……じゃあ、一回……したら、大丈夫?」
「え?」
「い、一回、その、抜いたら! 大丈夫……かな?」
「…………」
 クレイの目が、真ん丸に見開かれた。
 信じられない、という視線を浴びながら……わたしの手は、ごくごく自然に、クレイのモノを握っていた。
 いやいや、最初はもちろん抵抗があった。でも……わたしの、その、アソコを、クレイは何のためらいもなく触れて、あまつさえなめて、くれた。
 すごく、気持ちよかった。クレイの優しさが、思いやりがいっぱいに伝わってきた……そんな気が、した。
 わたしも、同じことをしてあげたい。
 固く張り詰めたソレを握って、見よう見まねで動かしてみる。
 頭上から響いたのは、「うっ……」といううめき声。痛い? と囁くと、すごい勢いで首を振られた。
 ゆっくりとクレイが身を起こす。あぐらをかく彼の前に身を伏せて、ゆっくりと両手を添えた。
 軽く動かすと、先端から透明な汁がにじみ出てきた。気持ちいい? と聞くと、熱い吐息と共に、耳元で囁かれた。
 好きだよ。
 好きだよ、パステル。
 そう、何度も。
 掌がやけどしそうな熱が伝わってきた。あれだけ大きく膨らんでいたモノが、手の中でさらに膨らんだような、そんな気がして。
 何だか面白くなって、ぱくり、とくわえてみた。

29:クレ×パス 衝撃の体験編 5
09/09/28 22:38:42 HxtQDBR1
「っ! ぱ、パステル! うあっ!」
「ん~~……」
 ええと、正直に言わせてもらえば変な味がした。
 じゅぷじゅぷと舌を動かして、なめまわしてみる。とても全部は飲み込めないから、根元の方を両手で握り締めて、一心不乱に舌を動かした。
 多分、そんなに長い時間じゃない。
 軽く吸い上げた瞬間、「うわっ!」という悲鳴が聞こえた。
 強く肩を突かれる。あがないきれずに唇を離した瞬間、熱く濁った液体が、すごい勢いで噴き出した。
 
 べっとりと顔を汚す液体に、わたしはしばらく呆然としていた。
 うっ……噂には、聞いてたけど……まさか、こんなに……
 視線を落とす。中途半端に握ったソレは、さっきに比べれば、幾分小さくなっている……ように見えた。
 視線を上げる。クレイは、目を伏せたまま……けれど、その顔は泣きそうなくらい歪んで、ついでに真っ赤になっていた。
「ご、ごめん」
「…………」
「本当に、ごめんっ! が、我慢できなくて……」
「……ええと」
 ど、どう言えばいいのか、わからないけど。
 正直な感想……とか言わない方がいいよね、きっと。
「も、もう大丈夫……だよね?」
「え?」
 そっと手を離して、そのまま、自分からベッドに倒れこむ。
 クレイの顔を見た瞬間、また、胸が「きゅんきゅん」と高鳴った。
 この感情に何と名をつければいいのか。わたしには、よくわからない。
「今なら……わたし、クレイのこと……受け入れられる、かな?」
「…………」
 足首に引っかかっていたパンティを床の上に落として。ゆっくりと膝を立てた。
 すごく恥ずかしかったけど、今は、多分自分でやってあげた方がいい、って思ったから。そのまま、太ももを開いた。
 空気が触れる。
 さっき、ぐちゃぐちゃに濡らされたはずのソコは、少し乾いていたけれど。クレイの視線を感じただけで、再び熱く潤みはじめた。
「入れて……いいよ? ううん、来て、クレイ……」
「……パステル……」
 クレイの大きな身体が覆いかぶさってきて、視界から、光が遮られた。
 額に、頬に、首に、胸に、いくつもキスの嵐が降り注いだ。
 きしむような音を立てて、クレイのモノが、わたしの中に入って来る。やっぱり少し痛かったけど、でも、今度は悲鳴をあげなかった。
 クレイの大きな胸の中にすっぽりと包まれているからか。痛みよりも、悦びの方がずっとずっと大きかった。

 その最中のことは、正直よく覚えていない。
 ベッドがぎしぎしきしんでいて、下に聞こえたらどうしよう、とか。
 唇から漏れる嬌声が、自分のものとは思えないくらいにいやらしかった、とか。
 耳たぶをかまれた瞬間、びりびりっ! と身体の中がすごく熱くなった、とか。
 断片的な感想はあるけど、それだけ。
 身体の中に熱い雫が吐き出された。その瞬間、わたしの目の前が真っ白になって、自分の手が痛くなるくらい、クレイの背中に爪を立てていた。
 ああ、わたし、クレイと一つになったんだ……
 それが、すごく嬉しかった。

30:クレ×パス 衝撃の体験編 6
09/09/28 22:39:51 HxtQDBR1
 
 クレイの荒い息が、やけに耳について仕方がなかった。
 身を起こすと、太ももを、血と白っぽい液体がとろっ……と落ちて行った。
 急に恥ずかしくなって、膝を閉じる。顔を上げると、クレイは、わたしの顔を見ていなかった。
「クレイ……」
「パステル……」
 泣きそうな声に聞こえた、と思ったのは、わたしの気のせいじゃない。
「パステル……なあ、聞いても、いいか?」
「え……?」
「もし……俺が、トラップだったとしても。君は、同じ事を……した?」
「…………?」
 クレイの言葉の意味が、最初、よくわからなかった。
「クレイ?」
「あのとき、部屋に居たのがトラップで。同じように、君を想像して……一人で、していたとしたら。君は、同じことを言った?」
「え…………」
 どうしてそんなことを言うの?
「ごめん。こんなこと……言うつもりは、なかったんだけど。……パステル。俺は……さっきも言ったけど、君のことがずっと前から好きだったんだ。好きだからっ……ずっと、パステルとこうしたいって思ってたんだ」
「…………」
「でも、君は……そうじゃ、ないよな? 俺のこと……そんな風に見たこと、なかっただろう?」
「…………」
 こくん、と頷くと、クレイの顔が、傷ついたように歪んだ。
 ああ。
 さっき、クレイが何か言いたそうにしていたのは……このことだったんだなあ、と、今頃気づいた。
 わたしが、同情で、あるいは好奇心で……クレイと、したんじゃないか、と。
 あのとき、わたしが見てしまったのがトラップだったのなら。やっぱり、トラップに同じように言ったんじゃないか、と。
 クレイは、それを心配して……
「言った、かもしれない」
「…………」
「でも、多分最後まではできなかったと思う」
 続けた言葉に漏れたのは。「え?」という、何だか間の抜けた声。
 わからない。だって、ここに居たのはクレイでトラップじゃない。わたしはトラップのそんな姿を見たことないし。
 当たり前だけど彼からそんな対象として求められたことはもちろん、見られたことがあるかどうかも怪しい。
 だから、想像しかできない。そんな答えでも許されるなら。
「ここに居たのがトラップで、同じように好きだって言われたら……同じように、いいよって言ったかもしれない。でも、多分途中で逃げ出したと思う」
「パステル……」
「だって、想像しちゃったんだもん!」
 ばしっ! と、その胸に平手を叩きつけて。
 わたしは、クレイの身体に、自分の身を投げ出した。

31:クレ×パス 衝撃の体験編 7
09/09/28 22:40:46 HxtQDBR1
「そんなこと言うから想像しちゃったじゃない! トラップだったら? 今、したのが……トラップだったら? って。ぞっとしたの。何だかすごく怖かったの! 乱暴にされるかも、とか、痛いかも、とか、そんなことじゃなくて!」
「パステル……」
「そんなのじゃなくて。言葉で説明できないけどっ! ……ありえないって、何だか嫌だって……気持ち悪いって、そう思っちゃったの……」
 決して、トラップが嫌いなんじゃない。
 ただ、そういう対象としては絶対に見れない。そんな対象としては考えたくない。
 わたしにとってのトラップは、そういう相手だった。
 だから。
「クレイとは、全然嫌じゃなかった。気持ちよかった。もっとしたいって思った。……ねえ、これじゃ駄目? この答えじゃ駄目かな……」
「…………」
「クレイのこと、そんな風に見たことなかったから。だから、すぐに答えが出せない……でも、クレイとなら、いいよ? 全然、嫌じゃないよ? ねえ、クレイは……こんな答えじゃ、嫌かな」
「…………」
 ぎゅうっ、とわたしの身体を抱きしめて。クレイは、耳元で囁いた。
「希望持って、いいかな」
「……うん」
「いつか、パステルが俺を好きになってくれるって……好きだって言ってくれるって、そう期待していいかな」
「うん……うんっ」
「パステル……好きだよ」
 顔を上げると、間近にクレイの顔があった。
 ごく自然に唇が重なった。そのキスが、もっと、ずっと深いものになって、わたしの身体が再びベッドに沈むまでに、長い時間はかからなかった。



 END
----------------------------------------------------------

32:名無しさん@ピンキー
09/09/28 22:42:51 HxtQDBR1
完結です。長文駄文失礼しました。

基本トラパス派なんで今度は純粋なトラパス書いてみたいなー

>>22
自分も鬼畜全然OKです。好物です。楽しみにしています。

33:名無しさん@ピンキー
09/09/30 07:42:59 gUa3IOGK
GJGJ!パステルがクレイに気持ちを告げるところもぐっときて良かった
トラパス楽しみだー

34:名無しさん@ピンキー
09/10/01 05:14:12 rW/93uYe
おお!いつの間にかスレが復活してる!
そしてGJ作品が立て続けに!
トラパスもクレパスもよかったよー

35:名無しさん@ピンキー
09/10/02 17:30:43 rUR8imCW
ノルパス

36:名無しさん@ピンキー
09/10/03 17:08:43 dSwvN0o4
ルーミィ凌辱

37:名無しさん@ピンキー
09/10/04 01:09:45 XZIkvYi5
ギア凌辱。

38:名無しさん@ピンキー
09/10/04 21:45:12 D5Bl8BMs
純愛もいいよね

39:ファーファ
09/10/09 02:49:37 zWrjZJ14
スレ復活してる…!!
嬉しすぎて夜中なのにテンション上がるww
>>1さんありがとう、これから作品じっくり読みますね。

もし需要があれば、私もまた投下しにきます。

40:名無しさん@ピンキー
09/10/10 22:18:16 jIROyjph
>>39
お待ちしてます!

41:名無しさん@ピンキー
09/10/13 17:46:44 uZOH2Gzp
保守

42:ファーファ
09/10/14 20:42:46 0cGPoaV1
>>40さん、ありがとうございます
投下しに参りました。

今更ですが、前スレに投下した話
(保管庫でいうと私の作品の最初のギア×パス@新2巻、トラパス01/02)の続きです。

続きモノですが、ぶっちゃけ単発でも読めるかと思いますw

トラ×パス恋人設定です、が、メインはギア×パスです。3Pも有。
ギア鬼畜。最後はバッドエンドなので苦手な方はスルーしてください。

43:鬼畜ギア×パス 1
09/10/14 20:44:04 0cGPoaV1
「きゃあっ!」
身体が傾くのと同時に、目の前の視界がゆっくりになる。
「っと!」
床に放り出されろうになった私の身体は、そのまま倒れることもなく抱きとめられた。
そして、スローモーションの世界は一瞬のうちにまたゆっくりと動き始めた。
「あっぶねーなぁ、おめえ、見ててあぶなっかしーったらねえぜ」
わたしを支えている細い腕の主はため息をつきながら言った。
もちろん、この口の悪さから誰かなんて見なくてもわかるんだけど。
「おい、あにボーッとしてやがんだ。いいかげん自分で立てよな」
「わわっ…と、とと!」
あっぶなーーい!また転びそうになっちゃった。
だって、トラップったら急にわたしの身体から手を離すんだもん。
「もー!なにすんのよ、危ないじゃない!」
「っとにまぁ、何食ったらこんなに重くなるんだろうなあ?腕がしびれちまったぜ」
わたしの話なんかどこ吹く風。
おおげさに一人で腕をグルングルンまわしちゃってる。

ったく――――。
ってなるところだけど、へへ、許しちゃう。
さっき一瞬手を放したときだって、本当にわたしが転ばないようにトラップが軽く身構えてたのわかったし。
あの細い腕でしっかりわたしを受けとめてくれるんだろうな。
それに、いつもみたくトラップは悪態ついてるけどさ、本心じゃないの知ってるもんね。
だって、わたしを抱っこするとき、トラップったら
「おめえ細ぇなあ。ちゃんと食ってんのかぁ?」なんて言うんだもん。あの華奢な、トラップが!
ふふふ。
昨日もそんなこと言ってたっけなー。
急に、昨日の出来事がありありと思い出されて、カッと身体が熱くなる。
「お、おい…パステル、大丈夫か?一人でニヤニヤして」
一部始終を見ていたクレイが心配そうに声をかけてきた。
クレイが心配するのも無理はない。
普段のわたしだったら、
「もー、自分の心配より人の心配をしなさいよね!失礼なやつ―!」
なーんて、言ってたんじゃないかなぁー…あはは。
でもしょうがないよね、わたしとトラップって…うん…まあ、その…なんていうか…そういう、関係なワケだし。
パーティのみんなには、やっぱり内緒にしてたつもりなんだけど。
「なんか顔も真っ赤だし…熱でもあるのか?」
そう言いながら近づいてきたクレイは、突然わたしのおでこに自分のおでこをくっつけてきた。

44:鬼畜ギア×パス 2
09/10/14 20:44:45 0cGPoaV1
「!!」
至近距離にあるハンサムフェイスに、女の子なら好きじゃなくても思わずドギマギしてしまう。
でも、それはほんの一瞬のことで、すぐに顔を離すと
「うーん、ちょっと熱あるかもな。キットン、何か風邪に効く薬なんて持ってないか?」なんて本気で心配しちゃってる。
つくづくクレイっていい人だなぁーって思うけど、そのすぐ横から流れてくる冷たい視線に気づいてないあたり、やっぱり鈍感だと思う。
その視線の主は、もちろんトラップね。
ものすごーく、不機嫌な顔してこっちを見てる。
その様子に気づいたキットンは
「あ、これなんて風邪の引き始めにはいいんですよ!」ってクレイに話を合わそうとしてくれてる。
ノルは何も言わないけど、ちょっと目が泳いでるし。
二人とも気を遣ってくれてるんだよね。トラップとわたしの関係にもいつも間にか気づいたみたい。
それでもクレイは気づかないんだから、やっぱり鈍感。
トラップは何とか我慢してるけど、夜、トラップと二人っきりになると昼間の我慢の反動なのか、
「なんでおれ以外の野郎といちゃこいてんだよ」なーんて言いながら…その、まあ、激しくされちゃうんだよねー。へへへ。
嫉妬されるってちょっと悪くないかも、なんちゃって。

その夜。
メインクーン亭から帰ってきてから、クレイ達男どもはバイト探しに出かけることになった。
忘れちゃいけないけど、わたし達は莫大な借金を抱えてるんだよね。うううう。
わたし?わたしももちろん働くけど、お腹いっぱいになったルーミィがぐっすり寝ちゃったからね。
シロちゃんもいるとはいえ、二人(一匹?)だけで置いておくわけにはいかないでしょ?
だからわたしはお留守番。
そうそう、出かける前にトラップがこんなことを言い出した。
「今日、遅くなるかもしんねえな」
「そう?じゃあ起きて待ってるよ」
わたしがそう言うと、彼の口から意外な答えが返ってきた。
「いーや、いいから寝て待ってろよ」
「え?大丈夫だよ!あんまり眠たくないし」
「いいって」
「だいじょうぶって…っ」
そうわたしが言い終わる前に唇を塞がれた。
「…じゃあ、眠たくなっても寝かせねーからな」
そう言うと踵を返し、扉から出て行った。
ふわあああ。
体中から力が抜けていく。
照れを隠したようなトラップの顔と、最後に放った彼の言葉が脳裏によみがえる。
『眠たくなっても寝かせねー』ってことはつまり…えええ!?
思わずその後のことを想像してしまったわたし、『寝とけ』と言われてベッドにもぐりこんではみたものの、しばらく寝付けなかった。

45:鬼畜ギア×パス 3
09/10/14 20:45:33 0cGPoaV1
スースー寝息をたてるルーミィの幸せそうな寝顔を見ていると、思わず顔がほころんでしまう。
幸せって、こういうことなのかな。
なーんか、満たされたるって感じがするよね。えへへへ。

そんなことを考えているときだった。

コンコン、と扉をノックする音。
「はぁーい」
「あ、パステルさん?来客なんだけど、今大丈夫かい?」
声の主はこの宿屋のおかみさん。
こんな時間に来客?誰だろう?
シルバーリーブならまだしも、ここはエベリン。
知り合いっていったら…マリーナとか?
「あ、今行きまーす」
ネグリジェにカーディガンを羽織って階下に降りていくと、おかみさんが不審そうな顔をして立っていた。
「パステルさん、あの人と知り合いかい?」
「え…?」
「いやねえ、確かあそこの用心棒じゃないか。なんて言ったかねぇ、高利貸しで有名な…」
「もしかして…」
「あんた、よっぽどお金に困ってんのかい?うちに取り立てに来られちゃ迷惑なんだけどねえ」
「その心配はない」
急に扉が開いて外の冷気が部屋の中に流れ込んでくる。
その先に立っていた人物。
ストロベリーハウスの用心棒の一人、ギア・リンゼイこと、ギアだった。
「パステルとは友人なんです。取り立てではないからご心配なく」
そう言うと、やっとおかみさんはホッとしたようで
「なんだ、そうなのかい。すまなかったねえ」なんて言いながらどこかへ行ってしまった。
改めてふたりっきりになったわたしたち。
ギアの方に向き直ると、彼はわたしを熱いまなざしでじっと見つめた。
「パステル…」
「ど、どうしたの?ギア」
「と、とりあえず…中に入れてくれないかな」
白い息を吐きながら、ギアはクックッと短く笑った。

「はい、どうぞ」
ギアの前にコーヒーの入ったコップを置く。
「ありがとう。…ごめん、寝てただろ?」
「ううん、寝付けなかったから、大丈夫」
ホットミルクの入ったコップを持ってギアの向かいに座った。
口をつけるとほんのり甘い味。
飲むふりをしながら向かい側のギアをちらっと見ると、彼は目をつぶってコーヒーを飲んでいた。

はあああ。
沈黙が重い。
っていうか、なんか、すっごい気まずいんですけど!
だって、ギアとふたりっきりで会うのは、久しぶりだし。
と、言っても一週間ぶりぐらいなんだけど。
きまずいのにはもちろん理由がある。
キットン族のダンジョンの…何て言ったかな、木の棒をもらった店の近くで…わたし、ギアに…さ、触られちゃったの。
どこって、え、えと…口じゃ言えないとこ。
そのときに、いきなりキスされて、キスも、そういういやらしいことするのも初めてだったから…。
性的な快感、ていうものを知って、興味本位でもっとしたくなっちゃったのかも。

46:鬼畜ギア×パス 4
09/10/14 20:46:31 0cGPoaV1
でも、そのあとトラップと初めて…えっちして、本当に好きな人とするってとがこんなに幸せってわかったんだ。
だから、ギアとそういうことしちゃって…ほんとのこと言うと後ろめたかった。
そのことは、トラップにも言い出せなかった。今が幸せだからきまずくなるのが怖くて。
でも、それってただ問題から逃げてただけ。これじゃあ、本当に幸せって言えないよね。
「もしかして、眠い?」
「え!?いや、あの、その…あはは!ごめんね、ボーっとして」
「何か…考えてた?」
ぎくっ!
うまく取り繕ったつもりだったけど、やっぱり見抜かれてるなあ…。
そういえば、ギアは何しにきたんだろ?
も、もしかして…やっぱりそういうこと?
このまえ確か『続きは二人っきりのとき』って言ってたもんね。
ど、どうしよう!!無理無理!ぜぇーったい、無理!
そんなことを考えているうちに、顔がカーッと熱くなってきた。
「パステル?」
「ななななななんでもない!なんでもない!」
うわああ、だめえ、なんか変に意識しちゃう。
でも、これってもしかして…チャンスかも。
これ以上ギアとそういうことは出来ないって言わなきゃ。
「あ、あのね…」
「何で来たの?って思ってる?」
ぎくぎくっ!!
またしても見抜かれてしまった。
「う、うん…ギアと会うの久しぶりだし」
何とか平静を装っていると、ギアの口から予想もしなかった言葉が発せられた。
「夜食、食べる?」
「…え?や、夜食?」
「うん。腹減ってない?」
「……。」
くううううううう。
は、はずかし―――!
わたしったら、ギアの親切心を下心と勘違いするなんて―!
ギア、本当に、ほんとうにごめんなさい。
「あ、ありがとう!じゃあ、頂こっかな」
そう言うとギアはふっと真顔になった。
「おれ、食いにきたんだけど」
「…?」
え、てことは、わたしがギアにごちそうするってこと?
なあんだ!てっきり何か持ってきてくれたのかと思っちゃった。
「そ、そっか。でも、今なんにもな…」
「いや、あんたを食いに」
わたしの言葉を遮って、ギアは答えた。
「『続きは二人のときに』って言っただろ?」
そう言いながら立ちあがったギアの顔に、笑みはなかった。
例えるなら…まるで狩りをするときの獣の顔みたい。
背筋がぞくっとした。
「ギ…ア?」
言わなきゃって思ってたのに、言葉が出てこない。
ギアが、まるで別人みたい…!
じりじりと獲物をしとめるときのように、ゆっくりと近づいてくる。
椅子に座ったまま動くことができなかった。
このまま本当に食べられちゃうんじゃ…!?
「パステルもしたかっただろ?」
そう言いながら、ギアはわたしの肩に手をかけた。
反射的に首を横にぷるぷると振った。
「おあずけ、だったもんな」
恐怖心からなのか、首を横に振ることしかできない。
どうしよう…トラップ、たすけて――!
ギアの顔はすぐ目の前まで迫っていた。

47:鬼畜ギア×パス 5
09/10/14 20:47:26 0cGPoaV1
「今日は、最後まで…な?」
「いやあ…っ」
思わず逃げようとしたとき、バランスを崩した。
「きゃあっ!」
身体が傾くのと同時に、目の前の視界がゆっくりになる。
「っと!」
床に放り出されろうになった私の身体は、そのまま倒れることもなく抱きとめられた。
ガターン!
椅子だけが床に倒れる音が響く。
わたしを支えている細い腕。
いつもとちがう人の腕。
「…逃がさない」
そのまま腕を背中に回されて、獲物が逃げないように。
「やあ…っ」
かぶりつくようわたしの唇をむさぼった。
唾液まみれの舌を絡め、噛みつかれるような勢いで舐められ。
でも、最初は嫌だったはずなのに、いつの間にかギアの舌を素直に受け入れてしまったいた。
久しぶりの、ギアの唇はやっぱりちょっと冷たい。
「んっ…ふ、ギ…アっ」
頭がだんだんぼーっとして、身体に力が入らない。
激しくキスをされながら床に寝かされ、ギアの指が身体中をまさぐる。
「あっ」
そういえば、ブラしてなかった…!
ネグリジェ越しからギアのごつごつした手が胸に触れる。
「ん」
「パステルの胸、勃ってる…」
そう言いながらきゅう、っと先端を指でつまんだ。
「あん…っ」
下半身がじゅん、と濡れてくるのがわかった。
どうしよう、やめなきゃいけないのに…!
ギアのひんやりした手が脚に触れた。
「ひゃっ」
「まだ脚触っただけなのに、相変わらず敏感だな」
耳のそばで生暖かい息を吹きかけられながらささやかれる。
く、くすぐったい!
思わず身体をよじると、ギアはなおも執拗に耳を舐めてきた。
ぐちゅっ、ぐちゅ…
耳の穴の中に舌先をねじ込まれるたびに、身体はびくん、びくんと反応した。
「んんっ」
つつつ、とギアの指が太ももの間をすべる。
「ひゃ…ん!」
パンティ越しに一番敏感なところに手が触れた。
「今日は毛糸のパンツ、はいてないよな」
クスッとギアは笑った。
「そこ、は…だめっ…んんっ」
「よく言うよ、こんなに濡れてるくせに」
親指で先端をギュッと押された。
「くうっ…」
「敏感だな、パステルは」
「やだぁ…んっ、だ、だめっ…」
ネグリジェを捲りあげられ、下半身があらわになる。
「だめ、は、ずかしい…」
「中もぐちょぐちょなんだろ?ほんとはまた舐めてほしいんだろ?」
「ちがっ…ん」
「処女のくせに、淫乱だな。パステルは」
その言葉で、脳裏にトラップの顔が浮かんだ。
トラップ…どうしよう…。
でも、こんなところをもし、見られたら…!
「…ん?」
ギアがふと、手を止めた。

48:鬼畜ギア×パス 6
09/10/14 20:48:13 0cGPoaV1
「…これ、どうした?」
「え?」
「…キスマーク」
あ…それ、もしかしたら、昨日、トラップが…。
「もしかして、あの盗賊?」
「え、えと…」
わたしが言う前に、ギアはするりとパンティを脱がせた。
「きゃ…!」
こんな明るいところで、こんな格好…!
「やあっ」
ギアはわたしの腰を浮かせると、強引に両脚を開いた。
だから、あそこがギアに丸見えの状態。
「へー…やっぱり」
ギアはわたしのその部分を舐めるように見つめながらニヤッと笑った。
「な、なに…っっあん」
折り曲げた中指をぐっと入れられ、中でぐちょぐちょ掻き回された。
「ひぃぃん!」
「処女膜、破れてる」
え、処女膜って…!?
「おれが破るつもりだったんだけどなあ」
すると今度はごりごりと中をなぞられた。
「やあっ、だめ、だめえ…!」
「あいつに横取りされたな…ったく、いつの間に」
同時に親指で敏感なところをぐい、ぐいと押されると、猛烈にトイレに行きたくなってきた。
「だめ、だめ、出ちゃう、出ちゃううう!」
「出していいよ」
「やあ、お、おしっこ、出ちゃうう!!」
そう言ってもギアの指は余計に激しくなってくる。
「…やあああああっ!」
身体がびくびくっと痙攣し、ぴいいんと爪先まで硬直すると同時にじわわっと緊張がほぐされていく。
な、なんか変な感じ…。身体に力がはい、ら、ない…。
「ほら、パステル」
よっ、とギアがわたしの力の入らない上半身を起こす。
「え!?」
床には何かがこぼれたような大きなシミ。
もしかして、これって…。
なんとなく聞いたことはあったけど、もしかして。
「あんた、ものすごい感じてたよ」
「し、潮…?」
そう聞くと、ギアは静かにうなずいた。
「あいつとやったとき、潮なんて噴いたことなかったんだろ?」
その言葉に、カッと顔が赤くなった。
それは羞恥心とか、そういうのもあるんだけど。
なんか、トラップを馬鹿にしたような、そんなニュアンスがこめられてた気がしたから。
「ギア…、もうやめて」
ネグリジェを脱がそうとしたギアの手を止めて言った。
「わたし、トラップが好きなの。これ以上ギアとは出来ないよ」
一瞬、ギアの手がわたしから離れた。
そう思った瞬間。

49:鬼畜ギア×パス 7
09/10/14 20:53:57 0cGPoaV1
「これ以上、我慢しろって?」
そう言いながら、器用な手つきでベルトを外していった。
そうやって下着から自分のそそり立ったモノを突き出した。
「きゃっ!」
トラップのよりも、ちょっと細長くって、黒っぽいギアのそれは…わたしを突き破ろうとうずうずしているように見えた。
「無理だな」
「や、やあっ!」
力づくでわたしを床に押し倒すと、無理やりに両脚を広げる。
「だめ、だめぇ…っ!」
わたしの懇願もそこまでだった。
「どっちがいいか…試させてやるから」
ギアはわたしの中にぐぐぐっと入ってきた。
「あ…んっ!っう…」
あれだけ抵抗したというのに、快感には抗えなかった。
一気にギアの熱いものが下半身を貫く。
「ああんっ!んんっ…!んん…っ」
「んっ、パ、パステル…っ」
ギアの先っぽが、ずいぶん奥まで当たってるのがわかる。
「やっ、き、きも、ち、いいっ…!」
「く、くぅ…き、きつい…」
奥まで突く、一気に引き抜く。そのたびに息が上がる。
「い、いいっ…!」
「パステル…っ」
ギアの腰が沈むたびに、わたしの腰が浮く。
呼応するように、快楽の渦に落ちていく。
「い、イッちゃう、トラッ…」
そこまで言ってハッと口を押さえた。
目の前にあったのは、トラップのサラサラの赤毛じゃなくて…ギアのサラサラの黒髪。
腰が動くたびに揺れている。
「おれは…トラップじゃない…っ」
苦しそうに、でもはっきりとしたギアの言葉。
目の奥がツーンと痛くなってきた。
わたし、ギアに抱かれながら、トラップとしているところを想像してたんだ。
涙がぶわっと滲む。
「おれ、もう…うっ」
そう小さくギアが呻くと、下半身が熱くなってきた。
びくん、びくんとわたしの中で痙攣するギア自身。
え…?なに、これ…!?
「はあっ…うっ」
「ギア…?」
わたしにしがみ付いたまま肩で大きな息をしているギアに恐る恐る声をかけると、彼はゆっくりとわたしから自分自身を引き抜いた。
それを見て絶句した。

50:鬼畜ギア×パス 8
09/10/14 20:54:44 0cGPoaV1
「…!」
だって、ギアの先端から、白い液体が流れていたんだもん。
思わず下半身を見ると、同じ液体があそこから太ももを伝って流れている。
「ちょっと、ギア…なんで?」
「責任はとる」
「なんで、なんで中に出すの!?」
トラップは、いつもお腹に出してくれる。「今は責任とれねーかんな」って言って。
中で出したことなんて、なかったのに。
また涙がじわっと滲んだ。
「あんたが好きだから。もし出来ても、おれは逃げも隠れもしない」
なんてギアは言った。
わたしの気持ちなんて、考えてくれてない…!
ちょこっとでも、この人を信じてしまった自分を後悔した。
「ほら」
睨みつけるわたしを無視するように、ずいっと精液まみれの自身を突き出した。
「口開けて」
ぷいっと横を向いたわたし。ふんだ、誰がそんなことしますか!
「ははっ、怒ってる」
そんなわたしにさぞ面白いといった様子のギア。
「やだっ…!」
「おれ、今度はパステルの口でしたいんだけど」
そう言うと、ものすごい力で口を開けさせられた。
「むぅ―」
そこにためらいもなく入れられたギア自身。
生臭いような匂いが鼻をつく。
「う、うえっ」
「吐くなよ、そう、動かして…」
わたしの頭を持ったまま、前後に動かされる。

そのとき。

51:鬼畜ギア×パス 9
09/10/14 20:55:35 0cGPoaV1

ガチャ

扉の開く音に、ビクッとして振り返る。

「ク、クレイ…」
そこに立っていたのは、真っ赤な顔をしたクレイ。
わたし達の状況に、何をしていたのかもちろんわかったみたい。
「ご、ごめん」
そう言うが早いかものすごい勢いで扉を閉めた。
まずい…、絶対まずい。
まさに、顔面蒼白。
「どうしよ…」
慌てふためくわたしをよそに、ギアはいつものように冷静なまま。
「クレイ、誤解してるよ…」
「誤解も何も、おれとパステルがセックスしたのは事実だろ?」
そりゃ、そうなんだけど。このままじゃわたしとギアが和解のもとそういうことをしたように見えるじゃない?
それじゃ、困る!だって、全然和解じゃないんだもん。
「そういうことじゃなくて!とにかく、誤解をとかなきゃ」
わたしが身なりを整えようとすると、ギアはわたしの手首を掴んだ。
「な、なに!?」
わたしを無視して、ギアは扉の方に向って言った。
「そこでオナニーしてるだろ?」
ぶっ!!
思わず盛大に噴き出したのは、わたし。

バアン!

ものすごい勢いで扉が開くと、真っ赤な顔をしたクレイがつかつか入ってきた。
「ばっ…そんなことするわけないだろ!!」
そう言ってギアの胸倉をつかんだ。
「ちょ、やめてよ!クレイ!」
思わず二人の間に割って入った。
すると、ギアはさぞおかしいようにクックッと笑った。
「じゃあ、なんで扉の前に立ってた?」
そう言われてクレイの顔が再び赤くなっていく。
でも、今度は怒りじゃなくて、羞恥心からくるような感じ。
「気になってたんだろ?」
「気にならないわけないだろ!」
ギアの挑発に、クレイはこっちがびっくりするくらい声を荒げた。
「クレイ、心配かけてごめんね。でも、わたしとギアはそんなんじゃ…」
「パステルもパステルだ!」
怒鳴られると思ってなくて、思わず固まってしまった。
「毎晩、毎晩…トラップと二人でそういうことして…隣の部屋から毎晩パステルの声が聞こえて…おれ、もう限界なんだよっ!!」
って…ことは、つまり…?
クレイも気づいてたの!?
「じゃあ、なんでトラップの前でわざとくっついてきたりするの!?」
「パステル…鈍感なのは君の方だよ」
思ってもみなかったクレイの言葉に、きょとんとしてしまう。
「パステルと四六時中いっしょにいて、健康な男だったらそういう気持ちにもなるよ」
…それって…?
「パステルに触りたいっていう欲求だよな」
ギアはまんざらでもないって顔をしている。
じゃあ、もしかして…。
があ―――ん。
考えたくないけど、それってつまり、わたしを想像して…。
ふえ―ん。クレイのばかぁ。
ギアもわたしと同じことを思ったのか、ニヤッと笑った。

52:鬼畜ギア×パス 10
09/10/14 20:56:57 0cGPoaV1

「なら、パステルにやってもらえばいい」
って、ちょっと!
「ええええええ!?」
な、なに言い出すの?この人ったら!
「クレイだってしたいんだろ?」
「え、ギア、何言ってんのよ!ねえ、クレイ。なんとか言ってよ!」
しかし、クレイはうつむいたまま。
「ねえ、クレイ!」
クレイの肩を掴んで揺さぶると、両手首をぎゅっと掴まれた。
「え…なに?」
見上げたクレイの目は、いつもの優しいクレイじゃないみたいだった。
さっきのギアとおんなじような…獲物を狙う、狩りの時の動物の目。
その戦慄に、身震いした。


シャワーを浴びながら、震える肩をギュッと抱きしめた。
さっきまでのことが、夢であったらいいのに。

クレイがわたしの中に入れて、絶頂に達するまで時間はかからなかった。
そしてまた、わたしの中に精をぶちまけた。
白濁色のどろりとしたものが、流れ落ちる。
「残念だなっ…せっかく、パステルの旦那になれたかもしれないのに…くっ」
「んむむう…」
笑いながらわたしの口にギアは精をぶちまける。
どろりとした液体を涙をのんでごくん、と飲み干すと、ギアは満足そうに笑った。
「他の男の精子と混ざると、妊娠しないっていうから」

そんなの本当かわからないじゃない…!
わたしは思わず自分の脚の間から指を突っ込み、精子を掻きだすように洗い流した。
これで、何度目だろう…。
さっきからフラッシュバックが止まらない。
もうすぐ、トラップが帰ってくる。
その前に、全部洗い流さなきゃ…。

また、秘密が増えちゃう…。

これはわたしだけの悪夢。
ほんとうのことを話したら、きっと、すべてダメになる。
恋人なら本当のことを言うべきなんだろうけど、わたしにはそれが出来ない。
トラップが好きだからこそ、出来ない。
流れる涙をシャワーで洗い流しながら、そう思った。



END

53:ファーファ
09/10/14 20:58:00 0cGPoaV1
以上です。

失礼しました。

遅くなりましたが、>>1さん、トラパス、クレパス×2、GJでした。
特にクレパス、こういう感じのクレイが個人的に大好物なのでよかったですw
書き手さんが増えることを祈りつつ。

54:名無しさん@ピンキー
09/10/15 00:08:48 pGx/dTZq
GJGJGJGJ!!!!!

55:名無しさん@ピンキー
09/10/15 00:37:26 TlcHLdLG
ギアもクレイもひどいなーw
しかしGJ

56:名無しさん@ピンキー
09/10/15 07:17:00 QRU7s8iX
GJ!
トラップにいっぱい慰めてもらうといいよ

57:名無しさん@ピンキー
09/10/17 20:46:56 Vp68ocsT
完結乙です。
ただあまりこういうツッコミはしたくないけど和解ではなく合意では・・・?

58:名無しさん@ピンキー
09/10/21 23:59:13 lL+9AH/8
ほしゅ

59:ファーファ
09/10/22 12:15:02 WTgKtzt+
レス下さった方、いつもありがとうございます。

>>57
ツッコミ歓迎です。和解と合意は、最後の3Pでしょうか?理解力が足りなくて申し訳ないです

60:名無しさん@ピンキー
09/10/22 22:36:20 OEiq6BeX
>>59
>そりゃ、そうなんだけど。このままじゃわたしとギアが和解のもとそういうことをしたように見えるじゃない?
>それじゃ、困る!だって、全然和解じゃないんだもん。
ここの事かと思います

61:名無しさん@ピンキー
09/10/23 22:54:02 WWnRI8XD
夢のコラボレーション!

(敬称略)
トラパス作者
サンマルナナ
書人
ギアパス職人
ファーファ

エロパロスレで活躍した新旧神達のコラボ同人誌
FQエロエロアンソロジーついに発売!
表紙絵、挿絵は何と虹板(半角二次元板)の神達が担当!
どっぷり濃厚エロをとくとご覧あれ!!


……という夢を見た。
どうやら疲れているようだ。週末はゆっくり休もう。

62:名無しさん@ピンキー
09/10/24 02:54:06 Py4XmQuU
初夢なら正夢だったかもしれないのに
残念だ

63:名無しさん@ピンキー
09/10/24 10:55:09 4Q8wWiU2
虹板とここのコラボなんてまさに夢だな。

64:名無しさん@ピンキー
09/10/24 21:29:03 NOaFdy6c
毛糸のパンツ、エロいです。

URLリンク(seiroganmania.blog62.fc2.com)

ポーランドのおばあちゃん達が守り続けてきた伝統のレース編み、
若い世代に伝統を引き継ぐ為にどうすればいいかと考えた結果がこれ。
ネットで評判になり世界中から注文が。



65:名無しさん@ピンキー
09/11/02 02:46:03 y13MN5do
規制の嵐の中本スレが落ちたか・・・

66:名無しさん@ピンキー
09/11/08 09:47:23 zLQyQZJW
ほしゅ

67:名無しさん@ピンキー
09/11/09 23:22:19 LZtX6KDH
よし、良いエロ絵を紹介してくれ。
それをもとに書けたら書くから。

68:名無しさん@ピンキー
09/11/13 21:56:29 PrewsMc8
>>47
GJ
ギアひでえw
クレイはもっとひでえw

69:名無しさん@ピンキー
09/11/17 10:17:38 yKDcMg6x
保守

70:名無しさん@ピンキー
09/11/24 06:09:04 TgEKSpbI
まだ無事だったか
保守

71:名無しさん@ピンキー
09/11/29 22:48:38 z5PR1rAH
保守

72:名無しさん@ピンキー
09/12/05 10:06:32 JsIxWlhf
保守

73:名無しさん@ピンキー
09/12/09 04:35:04 9kAvMlfj
ほしゅ

74:名無しさん@ピンキー
09/12/11 00:05:54 avHEHmBj
もうフォーチュンエロ見れないのかーと諦めてたら!今までスレがまた立ってたの気づかなかった
嬉しいなぁ!!>>1

一気読みした。トラパスもクレパスもギアパスもGJ!!
エロいしかわいいし、最高です

75:名無しさん@ピンキー
09/12/19 03:25:02 1zTvVO7p
がんばれ保守

76:名無しさん@ピンキー
09/12/28 07:50:30 Buqgnaw5
保守

77:名無しさん@ピンキー
10/01/01 00:57:02 hvfxgqAV
保守

78:名無しさん@ピンキー
10/01/06 23:51:12 MdpEq8I8
「こ、ここに置いてある網掛けのパンツは」

ハアハア、ウッ

「ごめん。トラップには帽子を編んでたんだけど、網掛けで無くしちゃって」

rno



79:名無しさん@ピンキー
10/01/07 22:20:58 Hu9ClJ8f
ノルの妹とセックス教団で誰か書いてくれ

80:名無しさん@ピンキー
10/01/24 23:57:26 un5e26bM
ほしゅ

81:名無しさん@ピンキー
10/01/25 00:13:58 8r51SEA9
てす

82:名無しさん@ピンキー
10/01/25 03:28:53 WnsgvZ5J
過疎ってるな

83:名無しさん@ピンキー
10/02/05 07:41:40 wITMc8vF
保守

84:名無しさん@ピンキー
10/02/14 08:23:59 eMx3GH4h
保守

85:名無しさん@ピンキー
10/02/21 04:36:51 Fv1uuzfq
保守あげ

86:名無しさん@ピンキー
10/02/28 03:22:34 njodev+C
保守!


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