09/10/19 16:59:07 B4ULeO1h
寄生虫は、自分の身を守る為に免疫抑制物質を出す。
結果、アレルギーも抑えられる。
307:名無しさん@ピンキー
09/10/21 01:24:40 p/s1zwQ+
花粉症の時期にマジで辛い人はサナダ虫の一匹くらいいても構わないという思考になりがち
308:名無しさん@ピンキー
09/10/21 05:36:47 94Xqiz+V
サナダムシに寄生されたらどうなるの?
ヤマトの真田さんみたいに手足がなくなっちゃうの?
309:名無しさん@ピンキー
09/10/21 18:41:26 KRQ43Tin
サナダさん「女の子のお腹の中って、あったかい」
310:名無しさん@ピンキー
09/10/22 01:57:15 BE8EUmV+
免疫低下と聞くとAIDSなどという現実的な思考が邪魔しやがる…寄生虫のためならばっちこいなのに
311:名無しさん@ピンキー
09/10/22 09:07:14 rQbw5TNj
そもそも仕組みが違うわな。
寄生虫は対免疫抗体で身を守るのに対し、
AIDSは免疫細胞そのものを破壊するからねぇ。
312:名無しさん@ピンキー
09/10/22 19:18:07 rMPsS0kO
>>311
つまり寄生虫は、女の子を壊さずにエロく出来ると。
313:名無しさん@ピンキー
09/10/23 00:20:30 rmhqaMg0
なんとなく浮かんだから書いてみたけど寄生虫出なかったw
空港第一ターミナルの国際線到着ロビー、私は降りてくる人たちを眺めている。
どうやら相手はまだ来ていないようだった。
「彼女に会うのも何年ぶりかしら…」
待ち人の真田さんは海外で活躍している医師の一人だ。
日本の窮屈な研究環境に嫌気がさして海外へと渡り、
僅か数年で様々な成果を出した免疫医療の期待のホープである。
その名声は日本にも届き、今回私の所属する研究所への招聘が実現した。
海外へ立った経緯から不可能だろうと予想していたのだけど、
彼女との再会を私は素直に喜んでいた。
「お久しぶり」
その声に私は我に返った。
いつの間にか物思いに沈んでいたのだろう、
慌てて顔を上げ―そこには美しい女性が立っていた。
思わず嫉妬してしまうほど艶やかな黒髪。
大きなアーモンド型の瞳と綺麗に笑みの形を浮かべる真っ赤に染まった唇。
そして、同姓でも紅潮してしまうほどスーツの上からでは隠せないほどに起伏のある胸もと。
私の知っている彼女の姿は無かった。
「さ、真田さん……?」
私は一瞬だけ相手が誰だったのかを忘れてしまった。
「はぁい」
でも、だって……
「もうそんなに惚けた顔をしないで頂戴、感動の再会なのよ?」
と、目に稚気の色を浮かべ、クスクスと笑いかけてくる。
思わずうっとりしまうような蠱惑的な彼女の笑顔。
先程より笑みが深くなっているようだった。
「感動してるわよ……ただ、貴女が綺麗になっちゃって驚いているの」
からかわれるのを承知で、返事を返す。
「ありがとう…嬉しいわ」
ゾクッ
彼女の唇が大きな弧を描いた瞬間、私の体に奇妙なしびれが走った。
今のは、何……?
「新しい健康維持法を見つけたの。きっと、そのおかげ」
314:名無しさん@ピンキー
09/10/23 05:37:00 Y7grzNgN
おいこら、その新しい健康維持法とやらを早く教えないか
315:名無しさん@ピンキー
09/10/23 08:50:29 f9c9ofKQ
詳細は>>318あたりに
316:名無しさん@ピンキー
09/10/23 18:44:24 yVnGtMNF
>>311
つまり寄生虫を予防接種のワクチンにすれば万事解決じゃないか!
317:名無しさん@ピンキー
09/10/24 05:10:21 6JlXnlRX
寄生虫が海外で大流行しています
水際対策や全国の市町村・学校で予防摂取が必要です
そして>>316
318:アレルギーの治し方 上巻
09/10/24 07:11:46 rkGFVLgP
「ブァックッシッョン!!……~ぁあ…しんどい…」
カランコロン♪
「いらっしゃ~、ひいっ!?」
「…あぁ、大丈夫です。強盗じゃないです。花粉症なもので」
「そ、そうですよね、すいません! こちらにどうぞ」
「……ふぅ」
「メニューはこちらになっております。本日のオススメは…」
「すいません。私、アレルギーで…ケーキは…」
「で、では当店自慢の紅茶など…」
「あの…紅茶もちょっと…、水だけで…」
「そ、うですか…水…、す、すぐお持ちいたします。(何しに来たんだろ…あの人
…)」
「……ハァ、何しに来たんだろ、とか思われてるんだろうなぁ。
特にこの時期は外に出たくないのに…」
カランコロン♪
「いらっしゃいませ~」
「おっ? いたいた。何よ、憂鬱な顔して」
「アンタのせいよ。外で待ち合わせようだなんて。
私が酷いアレルギー体質だって……あれ?
ちょっ、アンタ、マスクは?花粉症はどうしたのよ?」
「へへ~、チョットね~」
「この時期はアンタも私と同じくらい苦しい苦しい言ってたのに…!
どんな魔法を使った!? 吐け!吐くんだーっ!!」
「ちょ、くっ、苦しい苦しい!! しまっ…絞まって…る…!」
「お客様、ご注文…きゃああああ!?」
-♪-
「とまぁ落ち着いた所で」
「何が落ち着いたよ。警察まで呼ばれそうになって」
「まあまあ。…で?どうやって治したのよ、花粉症」
「いい治療法があってね。今日呼んだのもその話なの。ハイこれ」
「何?薬? ダメよ。私の薬物アレルギー知ってるでしょ?」
「普通の薬じゃないわよ。どんなアレルギー体質の人でも使える優れものなんだから。
さらに、花粉症だけじゃなく、アレルギーというアレルギーを治療してくれるの」
「へ~~(嘘くさ…)」
「実際に私は花粉症なんて無くなったし。
私には充分あるから。騙されたと思って試してみたら?」
「まぁ、試してみるだけなら、いっか。ありがたく貰っておくわ」
「ちゃんと使いなさいよ~」
「ハイハーイ」
-♪-
319:アレルギーの治し方 上巻
09/10/24 07:20:15 rkGFVLgP
「さて。一日一回、寝る前に…だったわよね?
コレを……アソコに…やっぱり胡散臭いわよね…。やっぱり止めようかなー。でも…」
『そーいう理由で女性専用の薬だから。勝手に他人に譲ったりしないでよね?
後、ちゃんとやったかどうか、明日確認するからね。じゃね~』
「って言ってたし。しょうがない…。
ちゃんと薬を舌で濡らして……んっ…あっ………あれ? スルッと入っちゃった。
大丈夫かな?寝てる間に抜けちゃわない?とりあえず、今日は色々疲れたし…寝よ…」
…
……っ…
…っ……はっ…
……ふ…っ……あ…
…ぁ…っ……ん…
……ぅ…っ………
…ぁ………ぃ…
………ク……
「んああぁあああっ!! ………あ?………もう朝?
…げげっ!?もうこんな時間!? ヤバい急がなきゃ!」
-♪-
「でね?急いでて花粉症セット忘れてったんだけど、
外に出ても全然大丈夫!あんまり気にならなかったの!
あんなに酷かった花粉症だったのに。
もうあんなゴツいマスクしなくていいのね……ありがとう神様!」
「コラコラ、感謝すべきは私でしょう。
ったく、だから言ったでしょ。ちゃんと信用しなさいよ」
「ありがとー女神様♪ 今ならなんでもしてあげる♪」
「ハイハイ、今度頼むわ。
ところで、まだ完治したわけじゃないんだから、ちゃんと毎日続けなさいよ」
「もうコレぐらいなら充分平気なんだけど…」
「ダメよ。他のアレルギーも治したいんでしょ?
せめて譲った分は使いきってくれないと。
ケーキ、食べれるようになりたいんでしょう?」
「なれるの?」
「毎日休まず続ければ必ずね」
「うーん、じゃあ…やってみる!」
~3日後~
320:アレルギーの治し方 上巻
09/10/24 07:31:06 rkGFVLgP
……はぁ………
…ぁ……ふっ……
……く…ぁ…っ……
…ゃ…ぁ…っ……
……ひ…っ……ッ…
…は…っ…ぅ……
………ッ………
「……はっ!? ま…まさかね、まさか………ぅゎぁ…」
-♪-
「で、最近どう調子は?」
「超イイ!……んだけど、ね」
「どうしたの? 何かあった?」
「いや、別に。(オネショしたなんて言えないわよ…)」
「確か一週間分渡したと思うから、それくらい続ければ大丈夫ね」
「あと3日続ければ、アレルギーにビクビクする生活ともオサラバってわけね」
「そういうこと。そしたら記念パーティでもしましょうか」
「何でも好きな物食べれるようになった記念?」
「まぁ、何でもいいけど…それまでちゃんと続けるのよ」
「はーい。あ、ちょっとトイレ」
「声がデカイ。はしたないわね……おっと!」
「あうっ…おっと」
「オマケにおっちょこちょいね」
「エヘヘ、ごめ…んっ…」
「…………?」
「…ぁ………」
「ちょっと、いつまで寄っ掛かってるのよ?」
「え、あっ、ゴメンゴメン。何かボーッとしちゃって…」
「もう。早く行って来なさい」
「ハーイ」
321:アレルギーの治し方 上巻
09/10/24 07:41:06 rkGFVLgP
~3日後~
「今日も大洪水か……。やっぱり薬の副作用なのかな…?
まぁこれも今日で最後だし。今夜は奢りでパーティだし。あぁ~楽しみだなぁ~~」
-♪-
「どこかの店で豪華な料理~…とかだと思ってたのに…」
「祝って貰うってのに文句言わないでよ。私の家で私の手料理、これのどこが不満なのよ。
それに、ココの方が都合がいいし…」
「都合? 明日何か予定でもあるの?」
「別に。ただ、どっかの店で酔い潰れた貴女を、背負って帰ってくる手間が省けると…」
「ナニを~!そんなんなったこと無いよ!……たぶん」
「私の家ならいつもみたいに飲んでも大丈夫だし。
今日は貴女がいつも食べたいって言ってたけど、アレルギーのせいで食べれなかった料理ばかり用意したから。
だから機嫌を直して、ね?」
「…やっぱり優しいなぁー。流石は私の親友。
アレルギー治してくれただけじゃなくて、そこまで私の事を考えてくれるなんて。
もう結婚したい!っていうか結婚しよう?」
「ふふふ、ありがとう。それじゃあ今から料理するから、邪魔にならないようにTVでも見てて」
「ハ~イ。……邪魔て」
-♪-
続きは『寄生基本&応用マニュアルシリーズ-アレルギーの治し方 下巻』を御購入下さい。
(実の所。小ネタ程度で終わらそうと思ったけど、どんどん長くなって
小ネタでは収まらなくなってしまった…。お付き合い下さい。)
322:名無しさん@ピンキー
09/10/24 11:32:50 Tx4mwFbN
ほとんどセリフだけなのに分かりやすいね
下巻購入します
323:名無しさん@ピンキー
09/10/24 11:49:53 gvUjcLWX
>>321
済みません、下巻がkonozamaで見当たらないのですがw
324:名無しさん@ピンキー
09/10/24 12:25:47 AKjkmb6f
>>319
期待
325:名無しさん@ピンキー
09/10/24 16:59:35 56rYBEin
>>321
下巻を希望させていただきます
326:名無しさん@ピンキー
09/10/24 17:13:20 bOChWSS5
下巻の発売日が楽しみでたまりません
327:名無しさん@ピンキー
09/10/24 23:43:16 sIoSEXxT
アフィ付きでもいいからリンクさらせや とか言ってみたり
328:名無しさん@ピンキー
09/10/27 05:53:52 xoDQ1Fis
とあるブログで蝶々の蛹7匹中3匹に寄生虫が付いてたって話を見た
羽化せず変色して死んだので蟻のエサにしたそうな
残り4匹のうち1匹も羽化せずら中から蛆が出てきたらしい
329:名無しさん@ピンキー
09/10/27 20:24:32 s5la50X7
宿主を殺すなんて、寄生虫の風上にも置けない寄生虫だな!
俺ら位の寄生虫になると、羽化した蝶が女の子になってた程度は朝飯前 ニョロ
330:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:00:05 jqETZXMP
なんか今、書いてたやつがちょうど上げ時だと直感したからこれから上げる。
まぁ、時間があったら見ておくれやす。
チョウ目コビトチョウ科。小さな人間にチョウの羽が生えたようなその昆虫が、地球に生まれるのは少し先の時代。
しかし地球とは別の星ではそのチョウは既に生まれている。これはそんなチョウの中の、ごくありふれた一匹のお話。
彼女の名前は『アゲハ』。彼女の年齢は人間で言えば、16~18歳というところだろうか。身体もその歳相応に成熟しはじめ、その背の羽も見事に蒼く煌く年頃になった。
今日も彼女はせっせと蜜を吸い渡る。地球で言えば春のようなこの季節は、彼女たちコビトチョウを含めた昆虫全てにとって嬉しい時期であることは言うまでもない。
特に食べることと寝ることが大好きなアゲハにとっては最高の季節だった。
「んん~っ、おいしぃ~!」
黄色い花の中に身を預けるようにしてアゲハは一心不乱に花の蜜を頂いていた。甘い蜜の味が彼女の頭も蕩けさせる。
そしてそれを吸い終わればすぐさま隣の花へと飛び移ってまた蜜を吸い始め、やがてこれを1時間もしたら後はのんびりと彼女は眠りに入るだろう。
しかし……その平和を狂わす一匹の昆虫がじわりじわりと彼女を狙っていることに、彼女自身が気付くはずもなかった。
「あう~っ……も、もうそろそろお腹一杯……。あと、もう一個ぐらい……ん?」
アゲハはお腹を擦りながらも、欲張りな彼女は更にもう一回ぐらい花の蜜を吸おうとしていた。
そのとき、彼女の鼻を突いたのはこの花畑の中でも一際甘く、強い匂いだった。舌なめずりをした彼女はすぐにそちらに移動を始める。
「うわぁ……こ、これはおいしそう~! はぅ~!」
そして見つけた赤い花に彼女はすぐさま突撃する。
だが……アゲハはこの花畑で何年も年を越した。そんな彼女が今まで気付かなかった花、ましてや匂いの強いものが……あるだろうか?
しかし、そんな思考は食いしん坊のアゲハの前に働くはずもなく、彼女はそのまま赤い花にダイブするといつもように蜜を吸い始めた。
「んぁうぅぅ、あ、あますぎ~!」
赤い花の蜜は確かにその匂いの通りの甘美なる味で、今まで彼女が吸ってきた中でも1、2を争うほどの美味しさであった。
花の蜜に夢中になる彼女は段々と花に身を預け始める。それと同時に、彼女の背後でゆっくりとした変化が始まる。
花びらが、閉じ始めているのだ。まるで外の世界から彼女だけを切り離すように、それはじわりじわりと彼女を隔離し始めている。
「ぷは~っ……あ、あれ?! あれぇ!?」
やっと気付いたときには太陽の光が花びらで遮られてしまうほどまでなったときであり、もう既に手遅れであった。
「に、逃げないとっ! うあっ! は、花が、足に絡まってくるなんて……」
アゲハの足に雌しべや雄しべがまるで生き物の触手のように絡み付いてきた。更に蜜を吸った彼女の身体は重く、彼女はそのまま花のベッドに引き戻されてしまった。
「ああっ……」
そうして天を見上げている間に花は完全に閉じてしまった。昼間だというのにその中は太陽光が赤い花びらを貫通するせいで、赤く淫靡な雰囲気をかもし出している。
「クスクスッ……可愛い子が来たわね……」
「だ、だれ?!」
その中に突如、自分以外の声が聞こえたアゲハは声の主を探す。すると突然、後ろから首筋にそって二本の腕が回わりこんできた。
「ひあっ!?」
「クスッ、綺麗な蒼い羽ねぇ……うらやましいわぁ」
アゲハの背後の雌しべと雄しべの間から一匹のハチがそれらに押し上げられるように現れた。
しかしそのハチもまた、地球に存在するようなハチとは違う。
331:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:00:46 jqETZXMP
ハチ目コビトバチ科。小さな人間の身体にハチの特徴的な部分が合わさったような昆虫である。
背中には小さな羽、ふわふわとしたマフラーのような身体のところどころにある黄色い体毛、そしてお尻の部分には黄色と黒の大きな袋がくっついている。もちろん、その先から針も出る。
しかし、その最大の特徴は、その繁殖方法にある。
コビトバチには性別はなく、同じ種族間での交尾で子孫を作ることは不可能。では、彼女たちは一体どうやって繁殖を可能としているのか?
それは……別の種族の身体を頂くのである。
「あ、あ、あ、あなたは誰なんですか!?」
「私はコビトバチの『ナギ』って言うの。仲良くしましょ? クスクスッ」
そう言ってナギはアゲハの身体をギュッと抱きしめる。黒い髪からちょこんと生えた触覚、黄色い体毛からちらちらと覗く見事な胸の谷間。ナギはコビトバチの中でも抜きん出たスタイルの持ち主だった。
「どうかしら、この花は? クスッ、私が特別にこしらえたのよ?」
「こ、こしらえたって……?」
「クスッ、簡単なことよ。私たちコビトバチは生き物だけじゃなく、植物にも毒を与えられる。それでちょちょいと花に仕掛けをしたの……あなたみたいな可愛い子をおびき寄せるためにね、クスッ」
その妖艶な笑みと耳に吹きかけられる生暖かい吐息がアゲハの身体をブルリと振るわせた。
「い、い、い、い、一体私をどうするつもりなんですか!?」
「クスクスッ、そんなに暴れないの……簡単なことよ? 身体の力を抜いて、ほら」
「あっ、ふあんっ!」
ナギはより一層アゲハの身体を引き寄せると、彼女の福耳をアマガミして身体から力を抜いてしまう。
それを見計らって、ナギはお尻を持ち上げるとその大きな袋の先から小さな針を生やしてプスリと力の抜けたアゲハの身体に突き刺した。
「いたっ! な、なにぃ……?」
「だ~いじょうぶ、死にはしないわ。ただ……あんまり暴れられても嫌だから、ちょっと身体を痺れる毒をね……クスクスッ」
「か、身体が、動かない!?」
コビトバチの毒はその加減によっては刺した生物を死に至らしめる可能性もあるが、本来彼女たちの毒はこうして獲物を殺すためではなく動きを制限させるためにあるものだった。
「クスッ、改めて見るとやっぱりかわいい顔をしてるわ……んっ」
「んんんんっ!?」
ナギはアゲハと体位を入れ替えて彼女の上に乗り、おもむろに唇を重ねた。当然、アゲハは突然のことに口を閉じてそれを拒もうとする。
しかしナギの口からだらりと液体が注がれ始め、それに驚いたアゲハがわずかに口を開いてしまったが最後、次々にその液体が口に入り込むと同時にナギの舌も滑り込んできた。
「んんんっ、んんっ……んんっ……」
アゲハは毒のために首を動かしてナギから逃げることも出来ず、仕方なく液体を飲み込み始めた。
(あまくて……おいしい)
するとどうだろうか? その液体の味はどの花の蜜より甘く、どんな花でも出せないようないい匂いをしているのだ。アゲハはそれが分かると嫌がることなくそれを飲み込んでいく。
それはもちろん、コビトバチの蜜。色々な花から集めた花の養分などを身体の中でブレンドしたそれは、まさに自然のジュースともいえるほど美味であった。
「んっ、ぷはっ、あっ……」
しかしそのナギの口はすぐにアゲハの口から離れてしまう。口の周りに蜜をつけたナギがニヤリと艶やかに笑う。
332:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:01:22 jqETZXMP
「じゅる……美味しかったでしょ? あらあら、もっと欲しかったのね。でも、今はお・あ・ず・け……クスクスッ」
実際に食いしん坊のアゲハは既にその蜜の虜となってしまっていた。ナギの下でアゲハはお菓子を取り上げられた子供のような顔でナギを見ている。
「ほらほらっ、そんな顔しないの。……これからも~っと、イイことをしてあげるから……クスクスッ」
「いい、こと……?」
アゲハがその言葉に期待の色を浮かばせると、ナギはその素直さに思わずニコリと笑ってしまう。
そしてナギはアゲハの身体の下の方へと移動すると、アゲハの腰の辺りに生えている羽と同じく蒼い体毛を掻き分けて彼女の秘所を探り合てた。
「クスッ、やっぱりまだ初体験よね? ピンク色の穴がかわいいわぁ……でも、このままじゃちょっとダメね……んっ」
ナギの言葉にアゲハは顔を赤く染めながらも、これから一体何をしてくれるのかと言う期待に胸を躍らせてしまっていた。先ほどの蜜のことですっかりとナギのことを信頼してしまったのである。
その一方でナギはちゃくちゃくと準備を進める。口の中に蜜を貯め始め、そしてゆっくりと体毛を掻き分けながらアゲハの秘所に顔を近づけ、やがてゆっくりと唇をあてがった。
「ひぁんっ! んえっ、あはんっ!」
「じゅる、んんっ、んっ」
アゲハの秘所につけた唇からナギは蜜を注ぎ込んでアゲハの中を濡らしていく。生暖かいその蜜が穴に入ってくる感覚にアゲハは快感を感じてしまう。
「クスクスッ、まるで下の穴が口にみたいにひくひく動いてるわぁ……かわいい、んんっ」
「やあぁ……いわ、ないでぇぇ……」
ナギの言葉にアゲハは頬を赤く染めながらも、まるでまだ物足りないかのように腰をくねらせてよがる。
ほどなくしてアゲハの秘所は蜜壷のようにナギの蜜で満たされ、ナギの準備は完了した。
「んっ……さぁって、と。クスクスッ、そろそろ始めましょうか」
「あうぅぅ、な、なにを……?」
いい具合に火照ってしまったアゲハは、蜜の詰まった自分の秘所が送ってくるじわじわとしたぬるい快感にじれったさを感じながらナギに聞き返した。
ナギはアゲハの問いにニヤリとした笑いで返事を返し、お尻の袋の角度を調整し、その先端の針がちょうどアゲハの秘所の直前でピタリと構えられた。
「ひぁっ!? や、やめて」
「クスクスッ、だ~いじょうぶ……ほらっ」
ナギは腰を上げてアゲハが針を見やすいようにすると、お尻を振ってゆれる針に注目させる。
すると尖っている針の先端が段々と丸みを帯び始め、やがて針の根元から先っぽまでが同じ程度の太さの、いわゆる産卵管へと変化をした。
「さぁ~って、これなら入っても痛くないでしょ?」
「で、でも、そんなの私に入れて、い、いったい何をするつもりなんですか?!」
そのアゲハの問いに、ナギは待ってましたとばかりに満面の笑みを浮かべてさらりと答えた。
「あなたに、卵を産み付けるの。クスッ」
ナギのその言葉にアゲハは先ほどの快感も忘れて顔を青ざめさせる。
「……やだ。やだ、やだ、やだ、やだ、やだぁああああああああ!」
「あらあら、暴れようとしてももうだ~め。クスクスッ、どの道その身体じゃもう逃げられないわ」
先ほどの毒は少しずつ収まりつつあったが、それでもアゲハが必死の抵抗を試みたところでせいぜい首を振る程度しか出来ない。
「クスクスッ、じゃあいくわよぉ~」
「やだぁああああ! ひっ、ぁあああああああああああ!」
333:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:01:58 jqETZXMP
アゲハの叫びも虚しく、ナギは彼女の秘所に産卵管を宛がうと、一気に彼女の中に滑り込ませた。
「んはあああああっ! い、っぱつでおくまで、はいっちゃったぁぁ……」
蜜でぬるぬるに濡れたアゲハの秘所は彼女の意思とは無関係にナギの産卵管を受け入れ、彼女の最奥までそれは入り込んでしまった。
「かっ、はああぁぁっ……や、だあぁ……」
しかし濡れていても自らの身体の奥を突き抜かれたその衝撃は緩和されることなくアゲハに伝わり、開いた口からだらりとした涎と搾り出すような声がこぼれた。
「んあぁぁ……さいっ、こおぉ……。ぬれてるけど、しめ、つけてくるうぅ……」
一方のナギはその挿入の快感に酔いしれ、アゲハの身体を強く抱きしめる。アゲハの大きな胸が、ナギのそれなりの胸と混ざり合う。
「じゃあ……ゆっくりと、うごくわよぉ? んっ、んっ、はんっ!」
ナギが次の快感を追い求めてアゲハの中をほぐすように動き始める。産卵管がアゲハの身体を突き刺すたびに彼女の身体がビクンと跳ねる。
「くあっ! やっ、めぇ! うっ、ああああ!」
「クスッ、諦めなさいな。全てを忘れて快感に身を任せて……堕ちてしまいなさい、クスクスクスッ」
少しずつ早くなるナギのピストン運動にアゲハの意識は彼女を拒否しているのに、一方で彼女の秘所はまるでナギの産卵管の中身を求めるかのようにそれを締め付ける。
「やぁあああ、だぁあああ! んんっ!」
「んっ、んっ、じゅる……ほ~らっ、これをのみなさい……んんっ」
アゲハの首に腕を回して彼女の首の行動を制限すると、ナギは彼女に再び自らの蜜を与え始める。あまりの美味しさに、思考さえもが停止してしまうようなその甘い蜜を。
その間も腰を振り続けるナギはアゲハの変化を微笑ましく感じ取り始めていた。
ナギはアゲハに与えている蜜の中にわずかに解毒作用のある成分を含ませている。すぐに、とはいかないまでも少しずつ身体の自由を取り戻せるものだ。
そしてナギが腰を止めるとアゲハの変化がすぐに明らかになる。
「くぅんっ、んっ、はんっ、んっ……」
ナギが腰をわずかに上げた状態で止めると、アゲハの腰が自らナギの産卵管を求めるように跳ね上がるのだ。
「ぷはっ、クスクスッ、えらいわぁ……それでいいのよ、もっと、もっと、わたしをともとめなさい……クスクスクスッ」
「ふぁああっ! だめ、だめ、だめなのにぃ! もっと、もっとぉ、もっとぉおおお!」
アゲハ自身はと言うと身体が動くことなど既にどうでもよくなってしまっていた。頭ではダメだと分かっていても、身体が求めている以上もう彼女にはどうするすべもない。
元々彼女は自らの欲望に忠実なために、欲望の対象があれば周りが見えなくなる。今回の花に引っかかったのもそれが原因だ。
その彼女が今、新たに性欲という新たな欲望を知ってしまったのだ。
そしてそれを与えてくれる最高の対象が目の前にいる今、彼女は無垢な子供のようにそれを求め続ける。
「あはんっ! もう、わたしもイクわぁ……そして、あなたのなかに、たまごをうむの……クスクスッ」
「んっ、た、まご、きもち、いい?」
「きもちいいわよぉ……さいこうにね?」
「ほしい! たまご、ほしいいい!」
アゲハが目を輝かせてナギの卵を求めたとき、ナギは想像以上の獲物を手に入れたことに思わず笑みが浮かんでしまう。
産卵管がわずかに膨らみ、ナギの卵がいよいよアゲハに注ぎ込まれる。
334:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:03:45 jqETZXMP
「クスクスッ、んんっ、じゃあ、いくわよぉ」
「きてぇ! たまご、きてぇえええええ!」
「んあっ、はああああああああああんっ!」
「ふああああああっ、くるぅううううううううう!」
ナギの大量の体液と共に彼女の大きな一つの卵がアゲハの身体に吸い込まれていった。対するアゲハは本来コビトチョウの子供を産むべき場所にそれを受け入れてしまった。
「はぁはぁはぁ、あはっ、あったかぁいぃぃぃ……」
「クスッ、そうでしょう? クスクスッ……さっ、産まれるまで私の蜜を思う存分、味わってね? クスクスクスッ」
ナギは卵を受け取ってくれたアゲハのお腹を優しく擦り、そしてアゲハに再び蜜を与え始める。卵が育つための充分な栄養もその蜜は与えてくれる。
アゲハのお腹の中でコビトバチの卵が早くもピクリと動いた。孵化までそう時間は掛からないだろう。
しかし、アゲハにはそれさえもはやどうでもいいことである。彼女はただ目の前のハチがくれる甘い蜜を一心不乱に飲み続けるのであった。
335:名無しさん@ピンキー
09/10/27 22:04:12 jqETZXMP
それから3時間ほど経つと、アゲハは既に蜜を吸ってはいなかった。もはやそれどころではなくなっていたのだ。
「ひあぁぁぁ……くる、しいぃぃ……か、からだがぁぁ……」
まるで身体の中から何かを押し広げるような、例えるなら身体が窮屈になる感覚を感じたのは10分ほど前だった。
それが段々と強くなっていき、今では身体を蹴破ってしまいそうなほどそれは強くなってきていた。
その様子に満足そうな笑みを浮かべ、アゲハとは対照的にのんびりとしているのはナギだ。苦しむアゲハの様子を見ても何一つ助けようとはしない。
「はっ、ぎゅえぇぇ……たて、は……ご、めん……ぐっ!? がぁあああああ!」
アゲハは大きく目を見開いて断末魔の叫びを上げると、その場にうつ伏せに倒れて動かなくなってしまった。目は見開き、口から涎をたらし、蒼い羽も力なく倒れている。
「……さぁ、出てきなさい……私のかわいい、む・す・め……クスクスッ」
ナギがそうつぶやくのとほぼ同時にアゲハの身体に電流でも走ったかのような痙攣が断続的におき始める。それを見てナギは嬉しそうに笑う。
その断続的な痙攣はすぐに止まり、再び静寂が訪れる。
しかし、突如アゲハの背中にピリピリという切れ目が走り、それは腰の辺りまで一気に駆け巡った。
それが終わると同時にアゲハの背中が小さく二つに割れ、まるで蝉の脱皮のようにそれはそこからゆっくりと姿を現した。
ぬるりと最初にそこから出てきたのは黄色と黒の袋、それに続いて丸まった背中が出てきて、二本ほどの触覚が長く黒い髪から顔を覗かせている。
そして身体の大半が出たと同時に、丸まっていた背中から何かがふわりと離れるとすぐに広がった。
『それ』は小さいながらも鮮やかに蒼く、夜空の星のように煌く羽だった。
「ふぁ、ぅぅぅ……」
アゲハの背中から産まれた『それ』は彼女の背中からぬるりと抜け出ると、花のベッドの上にパタリと倒れた。その様子を見てナギがゆっくりとそれに近づく。
「クスクスッ、おはよう。……気分はどうかしら?」
まだアゲハの中身を溶かした粘液にまみれた『それ』の身体を、ナギがゆっくりと抱き寄せる。すると、それのまだ開ききっていない目がナギを捉える。
身体がまだ安定していないのだろう。何せ、彼女は今までとは器の違う入れ物に魂を入れ替えられたのだ。
つまりその産まれたばかりの子供のコビトバチに入っているのは、他でもないコビトチョウだったアゲハの魂なのだから。
それでも段々と魂が身体に定着し始め、アゲハは小さな声でナギに答える。
「おかあ……さん?」
「クスッ、そうよ。私があなたのママ……クスッ、どうかしら、生まれ変わった気分は?」
その言葉に生まれ変わったアゲハは目を擦りながら首を傾げ、無邪気な声で素直にこう言った。
「う~ん、わかんない! ねぇ、それよりお母さんのあま~い蜜を飲ませて!」
あまりに正直な答えにナギは思わず笑い出しながらも、その愛する子供の髪を優しく撫でつけながら諭す。
「クスッ、やっぱりあなたはあのチョウチョさんの生まれ変わりね。でも、その身体になった今、もうあなたも蜜を作ることが出来るのよ?」
「えっ、本当!? じゃあ作り方教えてよ!」
アゲハはナギの身体に抱きついて彼女を揺らしながら無邪気に迫る。その無垢な仕草が愛おしくてナギはアゲハを抱きしめながら耳元で囁く。
「今はだ~め。クスッ、それよりも~っときもちいいこと、教えてあ・げ・る」
そして顔を離してみるとナギの予想通り、アゲハの目はまるで新しいおもちゃを見つけたかのように輝き始め、ナギはそれを見て母親の微笑みを浮かべる。
春の息吹の中で、どれも満開に咲き誇る中の仲間はずれのつぼみ。
その中では、つまりこういうことが起こっていたのである。
<<終>>
336:名無しさん@ピンキー
09/10/27 23:07:16 m7uwmqx0
ふぅ…
337:名無しさん@ピンキー
09/10/27 23:43:34 wL/JZYYk
春が楽しみになりました
338:名無しさん@ピンキー
09/10/28 01:07:42 3K/AtIFA
ふぅ……。
……エロイっす。
339:名無しさん@ピンキー
09/10/28 02:50:55 jiVyA6tM
ふぅ・・・今度の春は花粉症も気にならなくなるほど、花を見れば楽しめそうだ・・・
340:名無しさん@ピンキー
09/10/28 03:58:20 cvkbehkf
オスの蝶も犯されちゃうのかな
TS?
341:名無しさん@ピンキー
09/10/28 20:23:51 dmSkmTnN
>>337
でも冬眠禁止
342:名無しさん@ピンキー
09/10/28 20:42:30 YuzYCXTr
>>341
大変です。冬眠に失敗したコビトバチが、無差別に産卵しています!!
343:名無しさん@ピンキー
09/10/29 12:10:17 Sd+nw70a
よかった!
読んでて、かまいたちの夜2の底蟲村編を思い出した
344:名無しさん@ピンキー
09/10/30 13:54:57 cAcuYb6f
みぃのぉむぅしぃーぶらりんしゃん
345:名無しさん@ピンキー
09/10/30 16:35:01 rgmQ/kOf
寄生されると食べても食べても空腹感が取れない
346:名無しさん@ピンキー
09/10/30 18:47:13 KatyLMeZ
食べれば食べるほど巨乳に…
いや、ひんぬーロリも好きなんだが
347:名無しさん@ピンキー
09/10/31 01:47:22 VmRwPcHf
食べるほど巨乳になる、か…それなら寄生されたい
現実は尻と太股ばかり肉がつくよ!
348:名無しさん@ピンキー
09/10/31 08:07:07 QuYfK4uT
>>344
虫の実ぶらりんしゃん
>>345
栄養摂る為に満腹にならない様にする、って実際にいそうだな。
寄生されると、イってもイっても満足出来なくなる。
349:名無しさん@ピンキー
09/11/01 06:32:01 Xy6e17h7
>>343
キスとかの粘膜接触でうつるのがエロかった。
350:名無しさん@ピンキー
09/11/03 22:04:39 dlX18npH
傲慢な狐に規制されて(ry
351:名無しさん@ピンキー
09/11/06 13:51:17 9YvgwKA1
山で遭難して、変な生物に出会って口封じに(ry
352:名無しさん@ピンキー
09/11/06 17:14:25 qZrRceM/
遊星からの物体Xみたいに時間をかけて寄生するのもいい。
353:名無しさん@ピンキー
09/11/07 14:48:10 0yMRfpns
乙×風氏の富士神学園が懐かしくて抜きながら保存してきた。
白濁の巫女と五行戦隊の人の続きが待ち遠しいぜ…。
354:名無しさん@ピンキー
09/11/07 14:54:28 nGmXBveU
五行やパラエボはもう来ないな
355:名無しさん@ピンキー
09/11/09 21:45:11 obeqhyVM
読者は待つか、そうでなければ自らの妄想を文にして放つ事しか出来ないのが辛いところだよな……。
個人的には『愛が支配する世界』シリーズを楽しみにしていたりするが……。
356:名無しさん@ピンキー
09/11/10 10:39:05 uQRWvYJl
そういやこのスレではオリSSに対する二次創作やリレーって全然見ないな
まぁ作者の了承を得るのも難しいし、そもそも俺だってうまく書けないけどw
357:名無しさん@ピンキー
09/11/11 17:19:25 sqwn4kQ4
>>356
止めていても作者が続編を練っていることもあるしな……。連絡手段が無いのが辛いところ。
358:名無しさん@ピンキー
09/11/11 17:58:29 HXZdpxvm
そんな時こそ寄生ネットワーク
359:名無しさん@ピンキー
09/11/12 01:39:28 7AhvYAW9
最近読んだ漫画の影響か、夢に寄生して淫夢を見せるってのもありと思うようになってきた
360:名無しさん@ピンキー
09/11/12 21:04:48 3JfqllSy
古典的なサキュバスかな?
361:名無しさん@ピンキー
09/11/14 04:58:57 WQxGb+G9
ドリームハンター霊夢か
耳掻きの後ろにある毛ふさふさの梵天
あの中に変な虫がいた
知らずに使っていたら耳の中にその虫が入ってきて
寄生されてたんじゃないかと考えるとドキドキした
おかしいな
この場合は普通はゾッとするもんだよな
362:名無しさん@ピンキー
09/11/14 18:30:23 YJgXMgmW
耳の穴の中って自分じゃ見えないから、そこから寄生するのは相手の恥部を犯す様で興奮する。
363:名無しさん@ピンキー
09/11/16 11:24:20 0ok2Ir9S
その理論だとへそでも鼻でも尻でも…ってのは野暮だろうか
364:名無しさん@ピンキー
09/11/16 12:26:13 AbmX1q17
鼻はダメだがへそや尻はOKだな
365:名無しさん@ピンキー
09/11/16 17:05:43 vlVQHxKn
マトリックスのエージェントみたいに
貧乳がふたなり巨乳に挿入中出しされて
ふたなり巨乳になる話マダー
366:名無しさん@ピンキー
09/11/16 17:25:50 nIrg8h2R
エージェントのは寄生だしおんなじのがわらわら出てくるのは普通にホラーなのに、なんであの場面で笑ったんだろう。
367:名無しさん@ピンキー
09/11/16 18:15:08 FnBm9qXw
>>366
おまえも寄生されてたからだよ
…おや、こんな半端な時間にお客だ
368:名無しさん@ピンキー
09/11/16 20:44:46 9HXZxuhn
その後、>>367の姿を見たものはいない。
おや、誰か来たようだ。
369:名無しさん@ピンキー
09/11/17 00:22:48 R5lY8nUX
まったくおまいらときたら…現実にお目にかかれないから萌えるってのに
ん?こんな夜中に誰だろうか
370:名無しさん@ピンキー
09/11/17 01:49:30 GCX166fG
ああ、窓に!窓に!
371:名無しさん@ピンキー
09/11/17 03:57:37 Ua46qvOt
うぅ、オレのところにも早くお迎えが来ないかな。
おっ、キ
372:名無しさん@ピンキー
09/11/17 06:48:08 bpJQY+bD
○○駅改札口を出た瞬間から××の公衆電話に駆け込むまでに自分(主人公)を
捕まえて下さいってのがあったな
捕まえる方は必ずエージェントの格好をして、という条件付きでだが
大阪でも行われて50人ぐらいが参加
追いかけっこが終わった後
JR大阪の横断歩道をその50人ぐらいのエージェントが一斉に歩いていたらしい
おや、チャイムが鳴ったな誰だろう
373:名無しさん@ピンキー
09/11/17 12:17:46 5gFmAJ8w
うおっ!!なんもきてねぇ!!
374:名無しさん@ピンキー
09/11/17 14:58:59 JBUql7Dk
エージェントだと服や装備だけでなく顔も何もかも同じになるからな・・・
髪型も眼鏡も本人のままのスクール人魚が良いよ良いよ
て、うおっ
375:名無しさん@ピンキー
09/11/17 18:15:42 c+5bk885
寄生解除記念に書き込んでみる
これで書き込めない焦りから開放されるぞイヤッハー!
あれ?今な
376:名無しさん@ピンキー
09/11/18 01:52:52 mug+md76
解除なんてされるはずないじゃないのぉ…、あなたはもうワタシの虜なんだから!
377:名無しさん@ピンキー
09/11/18 06:32:49 551By22q
一度寄生されたものが解除されるなんて
あ り え な い
378:名無しさん@ピンキー
09/11/18 10:22:13 ZW/kY68A
解除されたって思い込んでるだけでしょ
だって、こんなに気持ちいいんだし…ねぇ
379:名無しさん@ピンキー
09/11/18 22:30:36 b5SykaiT
これはアレね、いつものこのスレ名物の半なりきり……
でも大丈夫!今回私は寄生から逃れるために退魔術を勉強してきたんだもん♪
……あれ、こんな夜更けにお客さん?誰だろ
380:名無しさん@ピンキー
09/11/19 02:58:21 ur3BztS4
>>361
それ霊夢やない、麗夢や
381:名無しさん@ピンキー
09/11/19 05:56:03 uBVW42z8
幻想郷全土に寄生異変か……!
382:名無しさん@ピンキー
09/11/19 09:06:44 s6GQKs+I
>>378
ひとたび寄生された時の快楽信号は脳に刻み込まれ、
依存性のある麻薬のように内部からカリカリと苛みながら、
次の寄り付き先を探すようになるのさ…
383:名無しさん@ピンキー
09/11/19 18:02:50 YWsYBu3B
>>382
「誰でもいいから寄生して~!」
こうなるんですね。
384:名無しさん@ピンキー
09/11/19 20:23:39 nqRAd3OB
ふと思いついたのだが、血液に擬態した液状の生物というのはありだろうか
寄生対象に注射なりで血管に入り体や精神を好きなように作り変えるとか
385:名無しさん@ピンキー
09/11/19 20:53:00 JDKFrBe3
蚊を使うというのもありだな
蚊の唾液の代わりに生物をいれて
386:名無しさん@ピンキー
09/11/19 21:01:17 ntck3IN8
痒くなる代わりに気持ちよくなると
387:名無しさん@ピンキー
09/11/19 21:06:07 tFp1sHKi
>>384
血液を採取して火であぶると、血が逃げ出すのか。
388:名無しさん@ピンキー
09/11/19 21:34:09 hZxKyt9z
>>387
遊星からの物体X?
389:名無しさん@ピンキー
09/11/20 01:55:30 1+FLwLZc
血を媒介にって言うと吸血鬼とかが思い浮かぶな。
アレも一応不気味なものだがどちらかというと悪落ちスレ行きだなw
390:名無しさん@ピンキー
09/11/20 06:09:33 eDSOyx2n
吸血鬼も実はウイルスが増えるための一つの手段だったりしてな
狂犬病とかみたいにさ
391:名無しさん@ピンキー
09/11/20 07:53:33 I3B1kRKO
>>390
寄生されると噛み付きたくなっちゃうんですね。
接触感染を促す為に、寄生した女の子をエロくする。
392:名無しさん@ピンキー
09/11/20 12:02:10 pZanKX6U
うおっ!!なんもきてねぇ!!
393:名無しさん@ピンキー
09/11/20 18:02:49 qW/7k2Bn
・寄生解除
寄生(の規制)が解除される。
つまりは寄生ラs(ry
394:名無しさん@ピンキー
09/11/20 21:17:17 pkqcT78X
年末の寄生ラッシュにはまだ早いか
来月の今頃にはみんな(ry
395:名無しさん@ピンキー
09/11/20 21:58:29 3zeNOajC
>>394
ビッグサイトでヲタと触手…
396:名無しさん@ピンキー
09/11/21 14:44:33 r6Bizeo1
ヲタに触手絡めておにゃのこにするのか
397:名無しさん@ピンキー
09/11/21 15:16:15 XJY6/cJk
>>395
寄生する段になると触手がほどけて
「これが俺の本体のブサイク顔だ!!」
ですねわかります
398:名無しさん@ピンキー
09/11/22 13:00:11 dlo8GaD1
KOF思い出した
399:名無しさん@ピンキー
09/11/23 23:17:07 0yNfwbp3
オロチ編までしかよくわからん
400:名無しさん@ピンキー
09/11/24 03:08:41 Lwi8dQ69
>>390
藤子不二雄作「流血鬼」をどうぞ。
401:名無しさん@ピンキー
09/11/28 14:34:05 vfkxaZwU
寄生するターゲットによっては絡め手で行くのが最適な場合もあるよね
ターゲットに妬みや嫉妬・歪んだ想いを抱く別の人間に望みを叶えてやるとか言って寄生して
利用するだけ利用してターゲットを陥落させて寄生成功したポイッと捨てるって感じな
402:名無しさん@ピンキー
09/11/29 10:01:18 j5RD8piz
それは、話の途中で中断されたSSに魅せられて裸で続きを待ち続けるオレらに
似て・・・
403:名無しさん@ピンキー
09/11/29 19:25:00 MLuDwiTz
>>401
「お願~い。また、寄生してぇ……」
404:名無しさん@ピンキー
09/11/29 20:11:07 FkmdtXp+
>>403
あと一月もすれば、また寄生ラッシュさ。
405:名無しさん@ピンキー
09/11/30 06:34:49 79cqGLgP
帰りの新幹線の中に一人でも寄生されてる奴がいたら大変なことになるぞ
406:名無しさん@ピンキー
09/11/30 08:40:27 0Q/ZMota
>>405
それ、どこかの作品通り…w
407:名無しさん@ピンキー
09/12/01 02:10:37 +i0EIZNE
淫乱女が初心な女の子に寄生とかどうよ?
408:名無しさん@ピンキー
09/12/01 08:38:37 Tz7N96Lq
>>407
寄生した奴に開発されてくのいい。
409:名無しさん@ピンキー
09/12/04 06:09:45 lcSRufNX
寄生体が抱き枕に寄生して
抱き枕と人間の男の子とのアホなラブロマンスが始まる
410:名無しさん@ピンキー
09/12/04 13:41:13 oz5Hee8l
寄生体によって生物化(淫魔化)した抱き枕に全身を触られ、その感触と快楽に溺れる男の娘
気絶して目が覚めたら連鎖寄生されててTS百合、まで妄想した
411:名無しさん@ピンキー
09/12/04 23:54:48 etAr2nV1
そこで男の娘だTSだ、が来るとはなかなかの強者だな
いい妄想力だ
412:名無しさん@ピンキー
09/12/04 23:59:34 61lQ2gsW
つまり、その…枕に寄生するという新ジャンル?
413:名無しさん@ピンキー
09/12/05 00:03:42 Yee5Mp9v
枕に寄生されるんだ
さらに布団にも寄生されるんだ
あまりに気持ちよくていつしか繭のように取り込まれるんだ……
そして寝坊
冬の朝にはよくあること
414:名無しさん@ピンキー
09/12/05 01:32:38 STZ5NYVl
俺の布団は寄生されてたのか
415:名無しさん@ピンキー
09/12/05 06:40:46 3MJZYIQM
うちもだ
416:名無しさん@ピンキー
09/12/05 07:58:19 yPAX1hhe
なら俺は、抱き枕に寄生するぜ。
寝ている女の子と密着出来るのは、確かに狙い目だな。
417:名無しさん@ピンキー
09/12/05 13:18:37 f8jfA4Uv
─それが、抱き枕に取り込まれた>>416の最後に残した台詞だった…なんちゃって
418:名無しさん@ピンキー
09/12/06 05:09:56 giz/Kzjr
その抱き枕を使うのは男だったりしてな
メタポが肉汁みたいな寝汗かいたり
「○○た~ん(抱き枕の絵柄)」とか言いながら脂肪まみれの体で
背骨が折れるかと思うほど抱きついてきたりチュッチュされたりするかもしれないぞ
419:名無しさん@ピンキー
09/12/06 05:36:12 OvENQf0d
貴様を抱き枕にしてやろうか!
420:名無しさん@ピンキー
09/12/06 13:23:33 fqVfVxV3
お前を、北枕にしてやる!
421:名無しさん@ピンキー
09/12/06 15:59:00 DcPq7vH4
>>420
一瞬、北欧に見えたw
422:名無しさん@ピンキー
09/12/06 16:01:43 Fe9PQCeY
北欧の美女に寄生とな
423:名無しさん@ピンキー
09/12/06 18:24:57 21HUWc8Y
ワルキューレさまぁーーーーーーーーーーーに寄生したい
424:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:12:28 1ryzjCSu
流れを切って失礼。角川ホラー文庫先月新刊の影姫って本が
なんかこのスレ的要素を満たしてるっぽいみたいなんだけど読んだ人感想はどう?
URLリンク(www.kadokawa.co.jp)
425:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:52:24 f22CIISd
なにやら昨日、今日と盛り上がってるのに、さらに一段と話を切って申し訳ないんですが、最近作品が上がってないので駄作ですが書いてみました。
スレのタイトルを無視してる気がするんで、いいのか悪いのか分からないですがとりあえず上げ逃げさせて貰います。
お時間があればお読み下さい。
426:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:53:18 f22CIISd
「やぁああああばぁああいぃぃいいい!」
僕は冬の寒空の下、自転車に跨って駆け抜けながら思わず叫んだ。田舎の張り詰めた冷たい空気の中で僕の声は大きく木霊する。
そうしたところで時間がまき戻ることも、スピードが速くなることもないのは分かっているけど、それだけ僕は追い詰められていた。
今日は高校2年生2学期の期末テストの日で、1時間目のテストは数学だ。
遡ること1ヵ月半ほど前の中間テストで、僕は0点に限りなく近い点数で見事赤点を獲得し、お陰で昨日はその汚名を返上すべく一夜漬けで勉強していた。
しかしそのしわ寄せが、最悪なことにテスト当日の朝に来た。
今日の朝、僕が起床した時刻はいつも起きる時間を大きくオーバーし、朝のHRの時間までをも飛び越してちょうどテストが始まるであろう時間にやっと目が覚めた。
それから3分で身支度を整え、母さんが投げ渡した食パンを片手に家を出て、それから自転車に飛び乗り3分ほど全力で走ったところで筆入れを忘れたことを思い出し、急いで逆走。
結果、僕はテスト開始から20分ほどを過ぎて、やっと家と学校までの全道のりの半分ほどまで辿り着いた。
テスト時間は50分、ここから何も問題なく進めば10分で着くはず。20分でどれだけ解けるかは分からないけど、とにかく急がないと!
すっかり身軽になった木々の間をすり抜けて、僕は山道から舗装された道に自転車を横滑りさせながら入った。中学までは家からまだ近いところに学校はあったけど、高校からは大分遠くなってしまった。
それでも自転車で行けるだけまだありがたかったけど、ボコボコの茶色い道を走りなれていた僕にはこの冷たいねずみ色の道がどうも走りづらかった。友達に言ったらお前だけだ、と即答されたけど。
ここ最近になってやっと慣れてきたその道を疾走していたそんな時、無機質な道路に似合わない……とても生々しい光景が僕の目に飛び込んできた。
「はぁはぁはぁ……えっ? くぅっ、っと。うわっ、ひど……」
道路の上にぺしゃんこに横たわっていたのは、真っ赤に染まった何かの死体だった。
その様子はまさに魂が抜けてしまったかのようだった。おそらくこのあたりでは希少な車に運悪くはねられてしまったんだろう。
それを見て僕が先ほど胃袋に入れ終えたばかりの食パンを吐き出さずにすんだのは、以前にまったくのデジャブとも言える光景を目にしたことがあったからだ。
あの時はおそらく猫の死体だったようだけど、まさしく今僕の前にあるこの死体と同じく、一見しただけでは猫とも犬とも狸とも分からない状態だった。
とりあえずの冷静さはなんとか保てた僕の頭の中では、この状況をどうしようかということで議論を始めようとしていた。
しかしそんな無駄な議論は開始されることなく、全会一致の結論を導き出した僕はすぐに自転車を降りてリュックの中身を漁った。
「何かないか? 何か、っと、これなら大丈夫かな?」
右手で掴んだのは母さんが作ってくれた弁当を入れていた、いわゆる給食袋だった。
遡ることかれこれ10年ほど前、小学校入学時に母さんが作ってくれたありがたいものだけど、さすがにこの年齢では堂々と出したくはないレトロな図柄をしている。
だけど、クラスメイトが口を揃えて大きすぎるという僕の弁当箱を入れられるこの袋なら、この目の前の死体を入れられることはたやすくできそうだった。
弁当箱を教科書で動かないようにリュックの中に直接降ろし、僕は空っぽの袋中にできるだけ形を崩さないようにその死体を移動させ始めた。
手に付く生暖かい血、それにアリなどが近くに群がっていないため、事故が起こってからあまり時間が経っていないのだろう。
事故を起こしてしまった人は事故自体には気付いたのかな? もしそうなら、1秒でもこの子に謝ってくれたら幸いだけどね。
そこまで飛び散っていなかったため、その子の欠片を集めるのにはそこまで苦労はしなかった。さすがにコンクリートの地面に染み込んでしまった血までは無理だったけど、大きなものはほとんど集められたと思う。
「ん? これって、この子のかな?」
427:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:54:33 f22CIISd
欠片の残りがないか探していた僕が見つけたのは、赤く染まった細長いカケラだった。
「あっ、これ尻尾だ。そっか、君は狐だったのかぁ」
それはペシャンコにはなってしまっていたけど、よく見れば黄金色の毛並みが生えそろい、その先っぽだけがちょこんと白く染まっていた。
僕自身もこの近くで狐は何度も見たことがある。冬の時期で餌が少なくなって、山から降りてきてしまったのだろうか。
「運が悪かったね。さっ、山に戻ろっか」
給食袋の口を閉じると自転車のカゴにリュックの中身である教科書や弁当箱を置き、入れ替わりに給食袋を丁寧に詰め込んで口を閉じてそれを背負った
ちらりと腕時計を見ようとしたけど、馬鹿らしくなってやめた。どうしたってもう間に合わないから仕方ない。
僕は開き直ると自転車の進行方向を半回転させ、来た道をゆっくりと戻り始めた。これ以上この子の死体を崩してはいけないからね。
さぁってと、それと同時に先生への言い訳も考えないと。どうせ、僕は嘘は下手だからすぐに寝坊だってばれるんだろうけど。
「じゃ、行きますか、っと」
僕が誰に言うでもなくそんなことを言うと、背負ったリュックがまるで返事をするように少しだけ動いたような気がした。
「はぁ、追試かぁ……追試、かぁ……」
僕があの狐の死体を発見して、山の中腹まで自転車で昇り、大きな木の根元に給食袋に入った狐の欠片を埋め、手を合わせて黙祷してから全速力で学校まで自転車を飛ばした結果……2時間目のテストが始まって10分後に僕は教室に滑り込んだ。
それからテスト後、クラスメイトに笑われながら僕は数学担当で、僕のクラスの担任でもある先生に必死で謝った。
そこで僕が言った嘘は、言い出して三秒で看破されて10秒ほどのアームロックを僕を味わった。でも、できればもう少し味わいたかったかなぁ。
いや、それが先生、女性だからその、僕の頭の後ろに先生の胸が……ぐふふっ。
「ぬふふふっ、何でスーパーで鼻の下伸ばしてるのかなぁ~?」
頭の中で先生のクッションの感触を思い出しながら、僕は背後から聞こえたその声の主に思わず返事をする。
「えへへっ、それはせん……って、うわああっ!」
「おっと、危ない」
驚きのあまり、豚肉が並ぶチルドコーナーに僕が倒れこみそうになったが、すぐに僕はその人に引き寄せられ、そして学校でのデジャブが起きる。
今度は顔からだったけど。
「ぶっ! んんんん!」
「ふぅ、相変わらずリアクションが素直でよろしい。おっと、ごめんごめん」
「ぶはっ! ご、ご、ご、ご、ごめんなさい!」
暗転した視界がその人を捕らえる前に僕はすぐに頭を下げてその人に謝る。心臓が夏祭りのピークを迎えた太鼓のように暴れている。
428:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:56:07 f22CIISd
まさか1日で二回も女性の胸を味わうハメになるとは……はたしてこれは運が良いのか、悪いのか……。
何秒ほどそうしてたか分からないけど、気付くとスーパーのチープなオリジナルソングの合間でかみ殺すような笑いが頭の上から聞こえてきていた。
僕が機嫌を伺うように顔を少しだけ上げると、その人はお腹を抱えて声を殺して笑っていた。
「クスクスッ、あ、ごめんごめん。ふぅ……まったく、私が自分でしたんだから気にしなくていいの」
僕の額を人差し指で優しく小突きながらその人は僕に笑い掛けてきたが、そのまま両手で自分の身体を抱きしめると途端に寂しそうな雰囲気で笑顔も鎮めてしまった。
驚きつつも声をかけようと僕が近づくと、突然その潤んだ瞳で僕の顔に向けてこんなことを言ってきた。
「お姉さんはいつでも、準備できてるんだよ? し、い、ちゃん」
「ぶっ!」
妖しさを滲ませながらも守りたくなるその表情と、思わず目がくらんでしまいそうな甘い声のダブルパンチに僕は一撃でノックダウンされてしまい、すさまじい鼻血の大噴火に乗せられて僕の意識はしばらく吹き飛ぶことになった。
先輩、それはだめだって……。
「はぁ~もう、本当に素直で可愛いなぁ、しぃちゃんは」
「だ、だからもうその呼び方はやめてくださいよ、先輩!」
活発なイメージのあるスーパーの赤いエプロンから、少しだけ落ち着いた雰囲気を見せる高校の制服に着替えた先輩と横に並びながら夕日の畦道を歩く。
小さな僕は先輩に気を使わせないように自転車を押しながら大股で歩いていたのだけど、すぐにそれに気付かれまたこうしてからかわれてしまった。
「ふふっ、私にとってはしぃちゃんはいつまで経ってもしぃちゃんだよ。だから私のことも、また名前で呼んで欲しいんだけどなぁ?」
先輩が僕の顔を覗きこみながら小首を傾げてくる。僕の身長より大きいのに、その愛らしさはまるでリスのようだ。
「だ、だ、だ、だめですよ! またクラスのみんなにからかわれます!」
「それはしぃちゃんが恥ずかしそうに言うからよ。もっと堂々と……くーちゃん、って呼べば」
「無理ですよ! 絶対無理!」
5年ぐらい前まで僕が先輩に対して使っていたあだ名を先輩は持ち出して来た。対して僕は首を大きく振って断固拒否する。
すると先輩は先ほどスーパーで見せたようにまた寂しそうな雰囲気で首を垂れる。
僕はそれを見るや否や、今度は絶対に動揺しないように進行方向の夕日を見ながら声を出す。
「ぼ、僕だってそうそう引っ掛かりませんよ! もう十年間の付き合いな」
429:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:56:48 f22CIISd
突然、僕が見ていた夕日が消えると同時に自転車が動かなくなる。時折鳴いていた鳥や虫達の声も聞こえない。
その代わりに、僕の全神経が視覚に集まって夕日を遮った目の前の姿に集中する。眼球を僅かに動かすことすら出来ない。
当たり前だ。先ほどまで僕が見ていた夕日も美しかったが、今僕の前に立つその人の姿と比べてしまったらそれはもう足元にも及ばない。
そして目の前に立った人物は口を開いて震えた声で静かに告げる。
「私の事……嫌いに、なっちゃんったんだ……うっ」
言い終わると同時に先輩の長い黒髪が風でなびき、僕は先輩にまるで包み込まれるかのような錯覚を感じた。
そして僕に襲い掛かるとてつもない罪悪感。女神を泣かせてしまった様な重罪の重さがのしかかる。
口を開いて謝罪の言葉を言おうとしても、それを許さない先輩の悲しい目。結果、僕は罪の重さに後悔を感じるしかない。
随分とそうした果てのない懺悔を続け、やがて後悔が恐怖に変わろうかと言う頃、それはやはりこうして終わりを告げた。
「ぷっ、あははははははははっ!」
先輩は僕の自転車から手を離して大笑いしている。しかし、僕はそれを見ることが出来ない。
僕は目の前の夕日を見ていた。でも、しばらくぶりに見るその光景を別に懐かしがったわけじゃない。
それから数秒してから、やっと僕の身体は再び血が通い始める。まばたきすら忘れていた目は砂漠の砂のようにすっかりとうるおいをなくしてしまっており、ちくちくと痛んだ。
目の痛みが取れるまで瞼のシャッターを切り続けた僕は、まだ笑い続けている先輩の方を見た。すると僕の視線に気付いたのか、先輩もすぐに笑い声を止めた。
それから悪戯っぽく僕に笑いかけてくる。その表情は先ほどの女神とはまるで別人であったが、しかしその女神とは違う可愛らしさを振りまいていた。
「まったく、本当にしぃちゃんは面白い! 抱きしめちゃう!」
自転車を支えていた僕は逃げることも出来ずに、先輩にぎゅっと強く抱きしめられた。甘い香りが鼻をくすぐる。
「ちょ、ちょちょちょっと、せんぱ」
「でもね……私はしぃちゃんのこと大好きだよ? ……前から、ずっと、ず~っと」
先輩の口調が先ほどまで僕と話していたときのそれとはまるで違う。別人と話しているようにさえ感じた。
当たり前だ。先輩は無理をしているんだ。
「……ごめんなさい」
僕は謝った。それが僕に言えるただ一つの言葉だった。
僕の気持ちが分かってくれたのか、先輩の暖かい拘束はゆっくりと解かれた。顔を上げた僕が見たのは先輩の涙でもなんでもない。
ただ、何か言いたそうだけどそれをぐっとこらえて寂しそうに笑い掛ける先輩の顔だった。
「ごめんなさい」
僕はもう一度そう言って自転車に乗ると先輩を置いて全速力で逃げ出した。これ以上先輩のあの顔を見続けるのは辛かったから。
この沈み行く夕日みたいに先輩の存在は僕には眩しすぎるのだ。だれもが羨むほどに。もちろん僕を含めて。
だから……手に入れたくなる。独り占めしたくなるのだ。
「……くそっ!」
ギアを更に一段重くして僕は更に自転車を飛ばす。逃げるように。振り切るように。
そう、自分自身を。
430:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:57:29 f22CIISd
「さぁってと、母さんがいない洗っちゃわないと」
夕食を食べ終わった僕は、母さんが農協の集まりに行っている間に給食袋を洗うためにリュックを開いた。
そして教科書の手前に置いてあったそれを取り出してそのまま口を閉めようとしたとき、僕はその存在に気付いた。
「んっ? げっ、これなんでここに?!」
給食袋を脇に置いて、僕はそれをリュックの中から引っ張り上げる。口に釣り針を引っ掛けれたかのように思わず顔が引きつる。
黄金色のそれはやはり狐の尻尾であった。うわぁ、これだけリュックの中に落ちちゃってたんだ。埋めたときに気付かなかったなぁ。バチ、当たらないよね……?
だけど僕はその物体のおかしな部分に気付いた。
「あれ……でも、これって確か血が付いてたような……」
その尻尾には朝見たときにべっとりと付いていた血がまったくついていないのだ。血など最初から付いていたのかさえ、疑わしくなってきてしまう。
僕がその違和感に首を傾げた時、それは突然起きた。
右手で先っぽをつまむように持っていたその尻尾が僕の指先から飛び出し、まるで芋虫か何かのように僕の顔面めがけて飛んできたのだ。
その様子を僕はスローモーションで見ながらも、驚きのあまり身体はぴくりとも動かずにそれを見つめていた。
そしてそれは僕の視界の下の方へと段々とフェードアウトしていき、少し遅れて口の中に何かの物体の感触を僕は覚えた。
尻尾が僕の口の中に飛び込んできたのだと理解し、僕の右手がとっさに動いた。しかしその尻尾は口の中でうごめいて、僕の更に奥へと進んでいこうとしている。
右手が喉元までやっと上がり、そして僕の身体の中へ消えかけようとしている尻尾の先っぽを掴もうと手を閉じ始めた。
だけどそれと同時に僕は思わず息を吸い込んでしまい、僕の口から出ていた尻尾の先っぽもついに僕の中へと消えてしまった。
「ぐっ、ゲホゲホ、おぇっ、ゲボォ……ぐっ、オェエッ、ゲホゲホ!」
僕は指を口の中に突っ込んで吐き気を催し、なんとか吐き出そうとしたけど出てくるのは咳と涎だけ。
そして段々と冷や汗と共に恐怖がこみ上げてきて身体が震え始める。
「や、や、や、や、や、やっぱり、た、た、た、祟られちゃったんだ……」
『んっ、くぅ……ふむ、まぁ確かに祟られたという表現は近いの』
「ひゃああああああああああ!」
『うぁっと! 大声を出すでない、たわけ』
あ、あ、あ、あまたの中で、違う! あ、あ、頭の中で声が、声がぁああ!
『くっくっく、っと、人間の前ではコンコンコン、と鳴いてやったほうがいいのかの?』
タタリタタリタタリタタリタタリタタリタタリ、タタリだぁあああああああああ!
『だぁあああああ! 小僧、お主やかましい! ちぃとは黙らんか!』
「ひぃっ!」
僕の声とは明らかに違う頭の中に声に怒られ、僕は耳を塞いでガタガタと振るえることしかできない。だ、だ、誰か、た、た、助けて……。
『まったく、そう怯えるでない。別にお主を喰らおうというわけじゃありんせん』
ガタガタブルブルガタガタブルブル。
『……はぁ、まったく。とにかく一つ、お主には礼を言っておく。此方(こなた)の骸を葬ってくれたこと、感謝し申す』
「えっ?」
頭の中の声が冷静なそれになったことで、少しだけ落ち着きをを取り戻した僕は聞き返した。
『明け方、少しばかし山を降りたところで……此方としたことがたわけてしもうての。気付いたら、此方の身体はもう紙のようになっておったわ』
「そ、それってつまり……」
『そう、此方の“身体”は死んだ。だが、此方の魂は生きておる』
「じゃあ、やっぱりユーレイじゃないかぁあああああ!」
『だぁああああああああああ! 此方の話を聞かぬかぁあああああ!』
431:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:58:13 f22CIISd
「つ、つまり……さ、三千年を生きた、そ、その……狐の妖怪、だと?」
『まっ、そうじゃの。此方は妖怪じゃ。名を……名を……うっ? ぅぅぅぅぅぅ』
頭の中で長く小さなうなり声が響いている。
『だめじゃ、思いだせん! 少し前までは此方の名を呼ぶものもおったのじゃがの、ここしばらく名など呼ばれたこともなかったばかりに忘れてしもうた』
「じゃ、じゃあ何て呼べば……」
『呼ぶのは此方ではない。お主じゃ。好きにせい。此方はお主を……しぃ、とでも呼ばせてもらおう』
な、なんでそのあだ名になるのかなぁ? 僕の名前からだとやっぱりそのあだ名しか考え付かないのかなぁ……。
『ほれっ、此方の呼び名、はよう考えんか』
「あっ、はい! え、ええっとじゃあ、コロ、とかでいいですか?」
先ほどまで喋り続けていた頭の中の声がピタリと止まる。あ、あれ? ど、どうしたのかな?
『……お主』
「は、はい!』
『此方のどこからそのような名を考え付いたのじゃ?』
「あ、えっと、コロって言うのは僕が昔飼ってた亀のなま……」
『こ、此方は亀と一緒かぁあああああ!?』
「ひぃいいいいいいっ!」
予想だにしていなかった怒号に僕の身体がまたガクガクと震え始める。
『ま、まったくお主は……。もう少し真面目に考えてくれぬかや?』
「うぅ……じゃ、じゃあ……ええっと……ツキ、とかはどうですか?」
僕は窓の外を見ながら言う。気づけば今日は満月だった。
『……はぁ、真面目にと申しておるのに……。じゃが、此方も月は大好きじゃ。それでよい』
「な、なんかごめんなさい」
僕は見えない頭の声の主に向って頭を下げた。すると小さく喉を鳴らす笑い声が返ってくる。
『くくっ、お主は素直じゃの。可愛いやつじゃ』
「あ、あの、それで……いつまで僕の身体に……」
僕は恐る恐る聞いてみた。
対してツキさんはまるで夕食を聞かれた母親のような軽い口調でこう返してきたんだ。
『うむ、ずっとじゃ。もう此方の身体はありんせん。これからはお主が此方で、此方がお主じゃ』
「ず、ず、ずっと……?」
『そうじゃ。つまりもうお主も妖怪、というわけじゃな。くっくっく……って、し、しぃ? だ、大丈夫かや? しぃ? しぃ!?』
妖怪……僕が、妖怪? どどどどどどどどどど、どうしようぅぅ……。
『はぁ……色々と忙しい奴じゃの、お主は』
そんなこんなでその日、僕は人間を辞めてしまうこととなった。
432:名無しさん@ピンキー
09/12/06 20:59:38 f22CIISd
『がぁああああああ! 呑ませろぉおお!』
「だめですよ。僕、未成年なんですから」
僕の中にツキ……が来て一週間が経った。もう怖がることはあまりなくなったけど、ツキは色々と、その……わがままな人で僕は困っていた。
『お主に申したじゃろ!? お主はもう老いることも死ぬこともない身体じゃ! どれだけ酒を飲んでも害はありんせん!』
「そういう問題じゃないですよ。守るものは守らないとだめです」
『くぅぅぅ、こ、この生真面目がぁあああ!』
はぁ……勉強がまったく進まないよ。追試もあるのに……やばいなぁ。はぁ、コーヒーも冷めちゃったよ。
『くっ、ならばせめて自慰をして、此方に一時の快楽を味わわせい』
「ぶうっ!」
『うおおっと!』
デリカシーなどカケラもない言葉に僕は口に含んだコーヒーを、どこかのバラエティ番組が如く吐き出してしまった。
「な、何を言い出すんですか! まったくもう……」
『そうは言っても……しぃ、此方と共になってから一度も抜いておらぬのだぞ? それこそ身体に毒じゃ』
「うっ……」
確かに僕はツキが来てからはそうした行為を控えていた。……というより、恥ずかしかったからやりたくなかった。
それでも高校二年生という僕の大人になりかけ身体は男として溜まるものは一方的に溜まっているようで、悶々とした気持ちになるときが時折あることも事実だった。
『お主、男女の関係を結んでおるものはおらぬのか?』
「そ、それは……」
うっ、年頃の男には辛い一言……母さんにも最近はしつこく言われて傷ついているのにぃ……。
『んっ? なんだ、好いておる者がおるのか。お主の記憶の中に一人のおなごが』
「見るなっ!」
僕は叫んだ。怒ったからじゃない。ツキに知って欲しくなかったら。
『お、お主、どうしたんじゃ?』
「お願いです。何も聞かないで下さい。何も……見ないで下さい」
意味がないのは分かってるけど、耳を塞いで僕はツキから逃れようとした。
いや、自分の罪から逃げようとしたんだ。
『……すまぬ。誰しも申せぬ過去があるものよの。本当に、すまぬ』
ツキはしおれた声で僕にそう言ってくれた。知ろうとすればと僕の過去を知れるのに、ツキはそうしないでくれたみたいだ。
良かった。……ツキがあれを知ったら、僕のことをどう思うのだろうか?
ふふっ、考えるまでもないか。きっと僕のこと―。
『此方は……お主にどんな過去があろうとも気にはせん。此方は、お主が好きじゃ。お主が何をしたにせよ、それが変わることはありんせん』
僕はそれを聞いたとき、誰かが僕を背後から優しく抱きしめてくれているような気がした。全てを包み込んでくれるような温もり、それはまるで母さんにそうされているようだった。
『んっ? お、お主、これは……』
……なんでそうしたくなったのかは分からない。少なくてもツキに分かってもらおうと思ったわけじゃない。
だけど、僕はツキには知っておいて欲しかったのかもしれない。あるいは試したかったのかも。
僕は頭の中で思い出すことにした。
僕が犯した……罪の全てを。
433:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:00:26 f22CIISd
今から5年ほどまえ、僕は小学校から中学校へと進学したんだ。中学校から始まる部活は、大好きな先輩と同じ部活に入ろうと決めていた。
だけど僕が入学する1ヶ月前に先輩は部活を辞めてしまっていた。理由は学校では禁止されているはずのアルバイトを始めるため、と言うことらしい。
そしてその後すぐ、先輩は宣言どおりスーパーでのアルバイトを始めた。しかし狭い田舎、そんな話はすぐに広まる。
でも……学校から注意されることはなかった。
先輩が部活を辞めた時期、単身赴任していた先輩のお父さんが亡くなった。過労だったらしい。
そして後を追うように先輩のお母さんも病気で亡くなった。それがスーパーのアルバイトを先輩が始める一週間ほどまえのことだった。
つまり、先輩は中学生と言う身分で独りぼっちになり、自立した生活を余儀なくされてしまった、というわけだ。
二人の保険金は降りたものの、それでは生活に不十分だった先輩は学校の先生達を説得してアルバイトの許可をお願いしたのだ。
もちろん、そんなことを学校側がすぐに認めるわけがない。どんなに田舎の小さな学校だとしてもそこは公立の中学校、高校でさえも禁止されているアルバイトなど断固禁止していた。
更に保護者のいない先輩にもしものことがあった場合を考えれば、学校側が責任を恐れてしまうのは当然のことだった。
それを覆させたのが僕の母だった。
母さんは近隣住民を説得して、先輩がスーパーでアルバイトをしていることを滅多に口外しないこと。先輩に危険な仕事はさせないこと。
そして母さんが先輩の保護者代わりとして、先輩を家に同居させることを決めたのだった。
責任を恐れた学校も、近隣住民の集団登校拒否や教師への商品販売拒否などをチラつかせ、田舎で孤立する怖さを思い知らされた学校側も、仕方なく膝を折って暗黙してくれることとなった。
本当のところは、母さんは先輩にアルバイトもしなくていいと言ったのだが、そこは頑固に先輩も譲らなかったらしい。
そうしたひと悶着があったものの、先輩は無事アルバイトを見つけ、そして僕の家に引っ越して来た。
家族が一人増えただけで、僕の毎日は楽しすぎるほどに充実していた。それも同居しているのが、大好きな先輩だったからだろう。
だけど……僕は分からなかった。
それと同時に僕自身が先輩が好きであることを知らず知らずのうちに我慢していたということに。
ある日、僕と先輩は休日の昼下がりを家で過ごしていた。と、言うのも外は雨で進んで外出する気分ではなく、母さんは農協に話し合いに行っていたからだ。
ふと僕はトイレから戻ると、先輩がテレビを見ている後ろ姿を見て足を止めた。
長い髪から覗くうなじ、ほどよく引き締まったお尻、そして後ろから見ても分かる大きな胸。
僕の我慢はもう限界に達していた。大好きな人がこんなに近くに居るのに今まで我慢できたほうが不思議に思えてきたほどだった。
昔なら絶対に湧き上がってくることはなかった感情……それがそのときの僕には生まれていたのだ。
そして真っ黒なそれは僕の背中を後押しして、僕はそれに負けてしまった。
先輩のことを後ろから抱きすくめると、驚く先輩をそのまま押し倒して僕は先輩の上に馬乗りになった。
これまで何度となく優しい言葉を掛けてくれたその口に僕の口を重ねて、服の上からでも充分すぎるほどにその大きさが分かる胸を両手で荒々しく揉み解した。
その時の先輩は慌てているみたいだったけど僕の身体を押し返したりはしなかった。だから僕は、先輩も僕を受け入れてくれたんだと思ったんだ。
だけど……本当は違かったんだ。
やがて勘違いした僕は、先輩の穿いていたジーパンを脱がせようと右手を移動させ始めた。
そして先輩のジーパンのボタンに手を掛けた直後、先輩は短く叫びながら僕を突き飛ばしたんだ。
勢いあまった僕の身体は部屋の端の壁まで吹き飛ばされ、僕は後頭部を思い切りぶつけて意識が揺らいだ。
でも、その不安定な意識の中でも先輩が何と言って叫んだのかはよく理解できた。
先輩は、やめて、と言ったんだ。
その言葉を数十秒かけて頭の中で反芻して頭を上げたときには、部屋に先輩の姿はもうなかった。
……酷く後悔したよ。何てことをしてしまったんだって。
だけど、僕が犯した罪はそれだけじゃ終わらなかったんだ。
434:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:01:12 f22CIISd
次の日、僕が部屋から出てくると先輩はまるで何事もなかったかのように僕におはよう、と挨拶をしてきた。母さんの様子からしても、先輩は母さんにも話さなかったみたいだった。
それからも先輩はやはり僕が暴挙に出る前となんら変わりなく接してくれたけど、逆に僕にはそれがとても申し訳なく思えてしまってきていた。
母さんは農家で朝は早かったけど、先輩が家に来てからは僕達が朝食を食べる時間になると一度家に戻ってきて、一緒にご飯を食べるようになっていた。
だから学校に行っている平日なら先輩と二人だけ、という状況はほぼ無く、休日も先輩はスーパーにバイトに行く日が多かった。
それでもまたこんな日はやってきてしまった。
僕が暴挙をしでかしてからまだ日が経ってないある日に僕と先輩はまたしても家に二人だけとなってしまった。更にスーパーも定休日の上、外は雨のために先輩が外に出掛けることも無いだろう。
朝になってからその状況を知った僕は、しばらく部屋に閉じこもっていたけどこのままだと席を共にしなくちゃいけなくなるため、11時ごろに身支度を整えて外に出掛けようとした。
だけど、僕が玄関に向おうとしたその時、茶の間から出てきた先輩が僕の肩に手を掛けてきたんだ。
心臓が弾丸の如く飛び出そうになるのは何とか抑えられたけど、僕は振り返ることは出来なかった。……大好きだった先輩に、何を言われるのかが怖くて。
だけど先輩は僕がついこの間、先輩にそうしたように僕の身体を抱きすくめてきたのだ。
そして先輩は口から言葉を出したんだ。それが僕にとってはトドメの言葉でもあった。
この間はごめん。あの時はびっくりしちゃったんだ。
私も、しぃちゃんが大好きだよ、と先輩は言ったんだ。
最初は僕はそれを聞いて思わず息を飲み込んで、とてつもない嬉しさを心の中で噛み締めた。
だけどその直後、僕の中で先輩があの時叫んだ言葉が何重にも響いて僕の心を目覚めさせた。あの時の叫びは絶対に驚いただけじゃない。
あれは完全な拒絶の声。
だったら先輩の今の言葉は嘘だ。でもなんで嘘をつく必要がある?
そう考えたとき、僕の頭の中は自分でも驚くほどに覚醒し、そして答えを導き出した。
僕は先輩を突き放し、非力は僕自身は玄関に転がり落ちた。
だけどすぐに僕は立ち上がって、靴も履かずに玄関のドアを乱暴に開けて外に飛び出したんだ。
行く当てもなく山を走りながら僕は叫ぶ。意味も無く、ただ叫んでそして逃げた。先輩、そして自分自身から。
先輩があんな嘘をついた理由……いや、嘘をつかざるを得ない理由。
それは僕の母さんが、今は先輩の保護者だったからだ。
もし僕の犯した罪が母さんにばれたらどうなるだろう? 少なくとも先輩の保護者はやめざるを得ない状況になる。
運よく、他の人が保護者になってくれる可能性もあるかもしれないが、学校側も今まで認めてくれたバイトは間違いなくやめなくてはならないだろう。
下手をすれば先輩はこの田舎を出て親戚の人や、ちゃんとした施設に入ることになる可能性だってある。
先輩は僕によく言っていた。この田舎の風景が大好きだ、と。それにここは先輩が自身のお母さんと過ごした故郷だ。離れたくはないはず。
だから、先輩は我慢をすることを決心したんだ。ここに残るために。
そのためだったら、自身を襲おうとした僕と付き合うことだってしようと、先輩は決めたんだ。
先輩にそんなことをさせてしまった自分が憎くて、悔しくて、大嫌いで僕は叫んだ。
その日から、僕は先輩を“くーちゃん”と呼ばなくなったんだ。
435:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:01:53 f22CIISd
「先輩を襲ったこと。先輩に嘘をつかせたこと……いや、つかせ続けている事、それが僕の罪です」
先輩は高校生になって僕の家から出て行った今でも、今日みたいに僕のことを好きだと言ってくれている。
当たり前だ。先輩は優しい人だから、きっと僕を傷つけまいとそう決めたんだ。
だから僕も先輩を傷つけまいと決めたんだ。それまで通り、何事もなかったかのように接しようと。
『……すまぬ、しぃ。此方は……此方は本当に』
「大丈夫ですよ。でも、ツキの方こそ僕のこと嫌いになったんじゃないですか?」
『ありんせん! そんなこと、ありんせん!』
僕は久しぶりにツキの怒号に驚いた。そして身体が小さく震え始める。だけど恐かったわけじゃない。
……嬉しかった。先輩以外に僕の罪を知ってくれた人も、その上で僕を受け入れてくれた人も初めてだったから。
「ありがとう……ツキ」
僕は心のそこからツキにそう言った。このあまりに優しい同居人が僕の傍にいてくれたことに。
どうしても流れてしまう涙を僕が何とか止めると、ふとツキがこんなことを言ってきた。
『しぃ……すまぬが明かりを消して服を脱ぎ、横になってくれんか?』
「えっ? ど、どうして?」
『くくっ、ただの酔狂じゃ。何も言わずに、の?』
「う、うん」
いつものツキらしからぬ静かな口調に、僕は少しだけ首を傾げながらもツキの言うとおりに敷いてあった布団の上で裸になり、電気を消して横たわった。
『くすっ、よい身体をしておる。……そのまま力を抜き、ゆっくりと目を閉じるのじゃ』
僕は照れながらも言われるがままに身体の力を抜いて、目を閉じてみた。僕の視界は完全に暗闇に溶け込んだ。
次はどうすれば……って、あれ? く、口が動かない。右手も、左手も、両足も、目も開けない! ツ、ツキ、一体な……。
慌てる僕の視界に片隅に、ふと一人の女性の姿が目に入った。いや、勝手に首がそちらに動いた、というのが正しい表現かもしれない。
暗闇の中でその女の人は光を放っていて、雪のように白い着物に身を包み、そして流れるような黄金色の髪の毛をしていた。
その女の人は大人の雰囲気を持ったなやましい身体つきをしているんだけど、その笑顔はまるで無邪気な子供のような笑顔であり、そして暖かな優しさをも秘めたものだった。
僕が見とれていると女の人はゆっくりと僕に近づいてきて、動けない僕の耳元でこう囁いてきた。
「これは此方が百年ほど前まで人間の元に現れるときにしていた姿じゃ。どうじゃ? かわいいかの?」
さっきまで頭の中でしか響いていなかった声が生暖かい息に乗せられて僕の耳に入り込んできた。
その背後に黄金色をした、先っぽが着物と同じく真っ白な尻尾が振り子のようにゆらゆらと揺れていた。ふわふわで暖かそうなその尻尾はなんとも可愛らしい。
更にツキの髪の上から顔を覗かせる二つの小さな耳。それが時折瞬きをするかのようにピクピクと動くさまもこれまた愛おしい。
実際に頭は動かなかったけど僕は心の中で何度も頷いていた。ツキはそれを分かってくれたようで、顔を上げてにこやかな笑顔で口を開いた。
「くくっ、お主は素直じゃ。ほれ、お主のいちもつが既にいきりたっておる」
してやったり、と言った感じでニヤリとツキに僕は笑われた。ううぅぅぅ、恥ずかしいぃぃ……。
「くくくくっ、すまぬすまぬ。じゃが……此方はうれしいぞ。んっ」
儚げな雰囲気を持った表情をしたツキは、ゆっくりとその顔を僕の顔に近づけてくると、そのまま小さな唇を僕のそれに重ねてきた。
軽く濡れたツキの舌が僕の唇を優しく舐め回し、動けない僕はされるがままにその甘い感触に酔いしれる。
そしてツキは濡れた僕の唇の間を滑り込むようにして僕の口の中へと入ってきた。僕の口の中で彼女の舌は静かに、だけど僕が予想できない動きで翻弄してくる。
目の前のツキは大きな目を時折細く開いて僕を見るとそのたびに小さく笑いかけてきてくれて、僕はといえばそのたびに骨抜きにされてしまっていた。
「んっ、ふぅぅ……どうじゃ、おなごに一方的に蹂躙されるのもたまにはよかろう?」
僕の口の中をもてあそんだツキは可愛げのある顔で妖しい言葉を掛けてきた。そのギャップがなやましくて僕は余計にツキが愛おしくなってしまう。
436:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:02:36 f22CIISd
「次は、お主の身体の逞しいこれを可愛がってやるかの。……お主、顔に似合わず立派なものをもっとるの」
その言葉に喜ぶべきなのか、恥ずかしがるべきなのかを僕が迷っていると人肌の感触が僕の……モノを包み込んできた。
僕の頭が勝手に動き、気付けばツキが僕が軽く広げた両足の間で膝まづいて僕のモノを掴んでいた。
「すぐにでもこれを飲み込みたいところじゃが……まずは濡らしてやるかの。……ペロッ、んっ」
口が開くのなら僕はものすごく恥ずかしい声を上げていたことだろう。それだけの快感が僕を襲ったのだ。
ツキは僕のモノに口を近づけると、軽くひと舐めすると僕のモノを自らの口の中に納め始めたのだ。
頭が動かせない僕は自分のモノがツキの口の中に消えていく光景を見ながら、同時に襲ってくる津波のような快感、そして収まった部分から感じるぬくもりまで感じさせられ、頭がおかしくなってしまいそうだった。
その津波にされるがままの僕がそれをやっと通り越したときには、僕のモノがあったところにはツキの頭が変わりにそこにはあった。
僕がなんとか頭を落ち着かせようと心の中で荒い息を繰り返していると、ツキはなやましげな上目遣いをこちらをちらりと見ると、ニヤリと悪ガキよろしく笑ったのだ。
そしてまたしても僕に大津波が襲いかかる。しかもさっきのとは明らかに質の違うものだ。それもそのはずだ。
ツキは僕のモノを吸い込むように口で絞りながら、そのまま僕のモノをまるで僕自身から引き抜くように吸い込んでいるのだ。
今度は僕の股間とツキの顔の間に一本の橋が現れるのを僕は見ながら、またしても大津波に吸い込まれてしまう。
なんとかそれを通り越して、僕のモノがほとんど現れたのを僕は見て波を通り越せたことを安心し始めた。
しかしその次の瞬間、またしても波が僕に襲い掛かってきたのだ。しかも、先程よりもそれは明らかに強いものなのだ。
それもそのはず。僕のモノの先端が見えようかと言うとき、ツキはいきなり頭を止めると、すぐさま僕のモノを勢いよく再び飲み込み始めたのだ。
油断した僕が驚いている間に僕のモノはすぐさま彼女の口の中に納まり、そして息をつかせるまもなく再び僕のモノは吸い出され始めた。
荒れた大海原に放り込まれたような僕が出来ることなど一つもない。ただそれが過ぎ去るのを待つのみ。
僕のモノが納めるたびにツキの尻尾は右に揺れ、吸い出すたびに左に揺れる。それが十何度か繰り返されたとき、僕の限界はもう目の前まで迫っていた。
そして何度目かの波の途中で、その我慢はついに限界を迎え―。
「んっ! っと、まだだめじゃ」
目の前が真っ白になり、そして僕は言いようのない感覚。絶頂の手前で地団太を踏む、あの独特の地獄を味わうことになった。
「くっ、ぬぅ……男は、一度抜いたら終わりだからの。くくっ、どうせならもっと気持ちよくなりたいじゃろ?」
すっかりと濡れた僕のモノを掴んでいるツキのもっと気持ちよく、という言葉に僕は思わず反応してしまい、そして心の中ですぐさま頷いた。
「くくくっ、本当にお主は素直じゃの。可愛いものじゃ。こりゃ此方も応えてやらんとの」
ツキは嬉しそうに笑うと着物をはだけさせ、そして中途半端に脱げた裸よりいやらしい格好で僕の腰の上で膝立ちをした。
「さぁて、今から此方の下の口でお主のいちもつを味わわせてもらうからの。くくくっ」
思わずつばを飲み込んで僕はそのツキの言葉に期待をする。そしてゆっくりと降りてくるツキの腰に僕の目は釘付けだ。
「んっ、ほれ。お主のいちもつの頭が此方の口に接吻をしたぞ。くっくっく、じゃあ頂くの。お主の、ものをの!」
僕のモノの先っぽが締め付けられ、そして飲み込まれていく。先ほどの口とは比べ物にならない快感が僕を飲み込む。
ツキが僕の上でまるで小さな子供のようにぎゅっと目を瞑りながらも、ゆっくりと腰を降ろすその顔も僕を更に興奮させる。
「くぅ、んぁぁあっ! ふぅ、ふぅ……くくっ、お主のものが此方の中に入ったぞ。どうじゃ、気分は?」
どうということじゃない。ただ僕のモノが何かに包まれているだけ、ただそれだけなのに僕は思わず舌を噛み切ってしまいそうな快感に酔いしれていた。
「くくっ、かわいいやつじゃ。じゃが、まだまだこれからが本番だがの? んっ、ぐっ」
妖しく笑ったツキがまた、きゅっと顔を締めて今度は僕のモノを引き抜きに掛かる。僕のモノはツキの濡れた中に絡みついて、ツキはそれを彼女の顔と同じようにぎゅっと締め付けてくる。
437:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:03:07 f22CIISd
その連鎖的な快感を味わっている間に僕のモノは再び姿を現し、そして再び沈み始める。
「ぐうぅぅぅ! くくっ、此方が壊れてしまいそうじゃ。さぁて、お主の子種。此方の中に存分に吐き出すがよい。ぐんっ、んっ!」
ツキが今度は跳ねるように僕のモノを彼女の口に納めたり引き抜いたりと繰り返す。ツキの耳は終始、ピンと逆立っている。
そうして僕の限界が再び近づいてくると、ツキは上半身を折り曲げて、僕の身体の上に寝そべってきた。彼女のたわわな胸が僕の貧弱な胸板の上に乗っかる。
「さぁっ、此方に出すのじゃ、お主のこだねぇえええええ!」
ツキのその一言に後押しされるように、ツキが僕のモノを全て飲み込んだ瞬間、僕はツキに放った。
これまでにないほどの絶頂を僕は迎え、3、4度に分けて彼女の中に全てを放った。同時にどっと疲労感が身体を襲う。
「はぁはぁ……しぃ。しぃ。起きるのじゃ』
「はぁはぁはぁ、んっぐぅっ……」
耳元で聞こえていたツキの声が段々と僕の中に響くものへと変わり、それから僕はゆっくりと目を開けた。
『くくっ、どうじゃったかの? 此方の味は』
「い、今のは?」
僕は身体を起こしながらツキに問いかける。冬にはだかだと言うのに全身が汗ばんでいる。
『此方は狐の妖怪じゃ。化かすことなど造作もないことぞ?』
「え、えっ?」
僕は驚きながらも真っ暗な部屋の電気をつけた。久しぶりの眩しさに思わず目をしかめる。
『お主の隣の障子』
「んっ? げぇっ!」
白い障子に、青い模様が入っている僕の部屋の障子。そのちょうど青い模様のど真ん中に、なにやら白いぬめってそうな液体を見つけた。
そこから布団までを目で追うとその間のところどころにおなじようなものがくっついている。
「こ、これって……」
『いや、さすが立派ないちもつをしているの。よく飛ぶものじゃ』
心のそこから感心したような声がツキの声が響く。僕は思わずため息を吐きながら、ティッシュでそれらを拭いていく。
そんな僕にツキが静かな口調で告げる。
『すまんの。此方の身体があればよかったのじゃがの……』
「ううん。すんごく気持ちよかったです。それに……」
言うべきなのかな? と、僕は思ったけどそうやって考えた時点でツキには分かってしまうんだろうから僕は正直に言った。
「ツキ、とてもかわいかったよ……」
ああ、恥ずかしい! 僕はティッシュを掴む右手により一層力を込めてシミを拭く。だけど、顔が熱くなるのは抑えられない。
そんな時、また背後から誰かに抱きしめられるような感覚が僕を包む。
そして頭の中で甘い声が響く。
『お主も可愛かったぞよ……特に、達する瞬間のあのお主の顔は……くくくくくっ!』
口元を手で押さえながら笑うツキの姿が目に浮かぶ。……相当な顔をしてたんだろうな、僕。
『じゃがな、お主……此方も、お主が大好きじゃ……ず~っと一緒に居て、いいかの?』
「くすっ、当たり前だよ。ツキ」
そんな甘えた声で言われて、あんな姿まで見たら誰だってこう答えるよ。
『くくくっ、じゃったら毎晩、此方も精一杯ご奉公させてもらうからの?』
「そ、それは……」
『嫌、かの?』
……だぁああっ! もう!
「よろしくお願いします!」
『くくくくっ、本当にかわいいやつじゃ』
頭の中でツキに笑われながらも僕はすごく嬉しい気分だった。
だって僕を分かってくれる人が、こんなにも近くに居てくれるんだから。
438:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:10:13 f22CIISd
と、なんとも不完全燃焼のところで終わりです。
前に>>350さんの書き込み見て考えたですが、もう傲慢でも何でもない……350氏すいません。
寄生されるのも男だし……本当にすいませんでした。
439:名無しさん@ピンキー
09/12/06 21:13:08 +c/QVJhh
なかなか良かった。GJ!
先輩にも寄生して和解とかなるんかな。
440:名無しさん@ピンキー
09/12/06 22:43:49 +ulE51yo
普段ヤンデレとかキモ姉妹とかの修羅場系読んでるもんだから、
このあと先輩大暴れなんだろうなーとか思ってしまった
もちろん続くんだろ?w GJ
441:350
09/12/07 11:14:00 HapkEnqB
これはびっくりしたと言わざるを得ない
俺も狐に化かされたいです、GJです
ツキの台詞がなぜか某狼様の声で再生されてしまったw
442:名無しさん@ピンキー
09/12/07 17:42:30 IGJTuvLF
>>437
GJ
次は、先輩に寄生してエロですね。
443:名無しさん@ピンキー
09/12/08 00:19:26 O6P0NiJR
>>425を見て読む気がなくなった。
>>438を見て読まなくてよかったと思った。
444:名無しさん@ピンキー
09/12/08 06:04:58 afTWGR/d
はいはいよかったねボクちゃん
ここはお前みたいなガキの来るところじゃないからさっさと宿題でもしてろ
445:名無しさん@ピンキー
09/12/08 08:59:33 mBpl76zn
荒らしに構うな
446:名無しさん@ピンキー
09/12/08 23:20:18 mXJzzBza
ドラクエの作戦みたいだな「あらしかまうな」
人外婆好物なのでおいしく頂いた
今度は先輩が化かされるのを期待
447:名無しさん@ピンキー
09/12/09 01:05:26 C39Gb0MN
>>438 素晴らしいねGJ
ツキに寄生されて体が妖狐化したり先輩にも寄生されたりとか、期待してもいいですか?
448:名無しさん@ピンキー
09/12/09 10:56:11 6xFVI8Py
寄生で興奮しなかったが
ひさびさに良いSSみた気がする GJ
449:名無しさん@ピンキー
09/12/09 12:45:03 zMZjNHK0
羽衣狐様風なts妖狐化を期待しているのはおれだけでいい
450:名無しさん@ピンキー
09/12/09 16:22:11 yrX60+10
>>449
それで、先輩を男体化して子種を貰うんですね。
451:名無しさん@ピンキー
09/12/09 16:34:36 yFVSnjWP
羽衣狐様風となると、話を読む限り寄生主との精神融合系だろうか
だが、体に魂が引っ張られて徐々に変わっていくのも捨てがたい
452:名無しさん@ピンキー
09/12/09 17:01:43 tgKGaSok
なんか寄生と違うような気もするけど面白かったのでGJ
453:名無しさん@ピンキー
09/12/09 17:15:40 41h070cN
この流れからツキがしぃを裏切る形になるのはアレじゃね?
お互いの同意の上での変化なら問題ないだろうけどさ
454:名無しさん@ピンキー
09/12/09 20:49:23 CfNV4UCJ
なんか『たったひとつの冴えたやりかた』を思い出す話だ
GJ
455:名無しさん@ピンキー
09/12/10 01:02:53 xin+Kmdi
>>454
あっちは、もっと即物的だけどな。
456:名無しさん@ピンキー
09/12/10 17:24:10 l7Vkswiw
>>455
当人同士は、気持ちよかったりなんだりで良好だったけど、最終的には無理心中だからな。
457:名無しさん@ピンキー
09/12/10 17:35:28 mSh2rleG
ググってみたら脳寄生の話なのね、買ってみようかな
脳寄生といえば自分のエロフォルダ見てたらこんなの見つけた
URLリンク(up3.viploader.net)
これって該当?
458:名無しさん@ピンキー
09/12/10 18:07:31 xin+Kmdi
>>457
サイズがまったく異なる。
体外では黄色い花粉上の粒子で、皮膚接触により"感染"する。
本来の宿主とは共生関係にある生物。(大脳部分が、この生物になっている)
脳内での姿は不明だが、たぶんゼリー状なんだろうな…
459:名無しさん@ピンキー
09/12/10 19:08:58 mSh2rleG
>>458
ちょっとそそるかも、1シーンだけの小ネタって訳でもなさそうだし買ってみるよ
後押しサンクス
460:名無しさん@ピンキー
09/12/10 21:39:53 SygF7spj
ちょうどこの間読んだところだ
脳寄生体は知的生物(しかもおそらく♀)なんだが
物語中で宿主になった女の子に「お礼」として性的快感を与える描写がある
まあエロ小説ではないからまったくいやらしい感じはしないんだがw
てか話自体結構感動しちゃうからあんまりエロ目線で見たくないんだぜ
461:名無しさん@ピンキー
09/12/10 22:16:45 xin+Kmdi
>>459
名作50作のリストを作ると必ず入ってくる作品だから内容は安心して。
(感動が台無しになるから粗筋は書かない。)
462:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:56:32 NFcoL/6i
こんにちは。狐の話の感想、ありがとうございました。
一応、続きが書けましたのであげさせていただきます。
では、お時間があればお読み下さい。
463:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:56:59 NFcoL/6i
「やっ、たぁああああ~!」
僕は千切れんばかりに返された答案用紙を握り締め、今年最高と言ってもいいぐらいの喜びを噛み締めていた。
『くくっ、此方にも感謝してくれの?』
得意げな声の同居人が僕に言う。でもツキの言うとおり、今日のテストで赤点を回避できたのツキのお陰でもある。
今日の追試の数学テストの最終問題で、おそらく先生が配慮してくれたと思われる選択式の問題が出ていた。
だけど、先生の涙ぐましい心遣いも虚しく僕はその数式の解き方をすっかりと忘れてしまっていた。しかも、他の解けていない問題は複雑な上に選択肢ではなく途中式を含めて自分で答えを導き出す問題だ。
最悪なことに僕はその問題も途中までしか解けなかった。おそらくこのまま選択式の問題も間違えばほぼ赤点は確定してしまうだろう。
僕が必死に思い出そうとしても、テストの制限時間はもう1分ほどまで迫っていた。だけど僕の頭はもう数字と記号の羅列で爆発寸前。
その時だった。ツキが冷静な声で3、と僕に告げたのだ。
理由を聞いている暇なんてなかった。僕はツキの言うとおりに解答用紙に3、と大きく書くと最後の見直しをする暇もなく中立なチャイムが鳴り響いた。
そしてその2時間後。早くも返ってきた解答用紙には先生のにこやかな笑顔と共に、赤点ギリギリの得点がでかでかと記されていた。
「もちろんですよ。でも、なんで分かったんですか? まさか、この数式を知ってたとか?」
僕は軽い足取りで、土曜日の昼下がりの廊下を歩いていた。今日は追試の生徒だけが学校に呼ばれる日で、他の生徒の姿はもうなかった。……ま、まさか全校で追試がぼくだけってことはないよね?
『ああ、それはな……此方の“カン”だの』
「へぇーっ。そうな……」
『くっくっく、よぉ当たるもんじゃろ?』
背中を伝うのは季節的に運動でもしなければ掻きそうにない汗。だけど、その冷たさはまさに季節にぴったりなほどひんやりとしている。
「じゃ、じゃあ下手をしたら……」
『お主の申すところの……赤点というやつじゃの。くっく、おっとっと! し、しぃ!?』
ちょ、ちょっと目の前がくらくらしてきた……。それはそうだよね。ツキが数学の問題を分かるはずがないですよね。
『お主、此方を馬鹿にしておるな?』
「ば、馬鹿にしてるわけじゃないですよ! ただ、得意なものがあれば苦手なものもあって当然ですし……」
額に冷たい手を当てて頭を冷やしながら僕はツキをなだめる。それに勘だとしても、ツキのお陰で僕は赤点を回避できたのだから感謝しなくちゃいけない。
「本当にありがとう、ツキ」
『……お主のそういう素直なところが大好きじゃ。まぁ、よお頑張ったわ。帰ったらご褒美をやらんとの……くっくっく』
妖しさ100%にも素直に反応してしまうのも僕だけなのだろうか? うぅ、ズボンがキツキツに……。
『お主の顔は心をそのまま映す鏡のようじゃの。先ほども此方が助言するまで、お主はまるで地獄にでも落とされそうな顔をしておったわ』
かあーっ、と今度は身体全体が熱くなるのが分かる。多分、今も顔が茹だこの如く真っ赤になっているに違いない。
『じゃが、お主は此方の骸を見つけたときは返って毅然としてたの? 心悪くはなかったのかや?』
「それは……確かに直視するのは辛かったけど、実は前に」
『しぃ!』
「ひゃっ!」
ツキの突然の大声に僕は思わず飛び跳ねた。ど、どうしたのかな?
『お主が今思い出そうとした記憶、一体いつのものじゃ!?』
「え、ええっと確か……5年前、かな?」
『その記憶、此方にも見せておくれ! お願いじゃ!』
僕がツキに僕自身の罪を告白してから、ツキは僕の記憶を覗き見することはしないと言ってくれた。僕としてはもう、ツキに隠し事などするつもりはなかったから別によかったんだけど、ツキは頑なにそれを拒んでいた。
そのツキが僕の記憶の中の何かを知りたがっている。だとしたら僕には断る理由などない。
ちょうど教室に着いた僕は、自分の席に座ると5年前の夏の思い出を久しぶりに紐解くことにした。
464:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:57:51 NFcoL/6i
5年前、あれは確か僕が小6で先輩が中学1年生になった夏。
同じ小学生同士の頃はそれこそ365日一緒にいたけどさすがにこの時期は先輩も進学したため、狭い田舎でも一ヶ月に一度会えば挨拶だけを交わすぐらいの仲になった。
そんな僕の小学生最後の夏休み、宿題である自由研究の材料を買うために町の方へと出向いたその帰り道だった。
まさにこの前のデジャブ。コンクリートの上に平べったい死体があったのだ。夕焼けで赤くそまる道路はそこだけ黒くなっていた。
山で蛇やイタチの死体を見たことは何度かあった。でも、コンクリートの上で死んでいるその死体は、山のそれとは明らかに違う冷たい恐ろしさがあった。
動物同士が争って死んだのなら死体が残ることなどほとんどない。それに草木が生い茂る山の中ではそれに気付くことは皆無と言ってもいい。
ただ、その死体は決して動物同士が争って死んだのではないことが一目で分かるほどに残酷な死に様で、夜でもない限りこの道を通ったならば気付かざるを得ないほどの存在感を放っていた。
そう、まるで本来ならこんな死に方すらあってはならないというほどの死体。それが僕の帰り道のど真ん中にぽつんと倒れていたのだ。
自転車から降りた僕はそれが単なる影ではなく黒猫の死体だと分かり……そして次の瞬間にはもう家についていた。
森の隙間から見える夕日は先ほどとほとんど位置が変わっていないように見える。いや、どう考えても家まで全力疾走で走ってきたとしか考えられない。
僕は逃げたのだ。猫の死体を置いて、そのまま。
吐き気は喉元一歩手前まで押し寄せて絶え間なく湧き出る汗も、口を閉じれないほどの荒い息もしているにも関わらず、異常な寒気が僕の背中を震わしていた。
それから家に入ると母さんの出した食事をほとんど残し、お風呂にも入らずに僕は布団に潜り込んだ。寝て全てを忘れてしまおう。僕はそう思ったのだ。
だけど寝れなかった。もちろん寝るにはあまりにも早い時間であったし、お風呂にも入ってなかったから眠気もなかった。
でも、そんなこと以上に頭にあったのは死体のこと。
果たしてあの死体はどうなるのだろうか? アリか何かが食べてくれるのだろうか? それともあのままずっとあそこに留まり続けるのだろうか?
……少しでも大人びたかったのかもしれない。怖いものと向き合えば、正義を守れば少しだけ大人になれるんじゃないか、って。
僕は母親に気付かれないように家を飛び出して、全速力であの道路へと向って山を降りていた。自転車のか弱いライトで闇を切り裂いて一気に駆け抜ける。
やがて山道からコンクリートの道路に飛び出た僕はあの猫が死んでいた場所へと急いだ。
だけど……その猫の死体は消えていた。
暗闇でもそれはすぐに分かった。自転車のライトが血痕とわずかな肉片を照らしたからだ。一応、周りも見てみたがやっぱり死体自体はなかった。
僕は安心したような、後悔するような複雑な気持ちを抱えながら、家路へと付いたんだ。一体誰が……、とそんなことを考えながら山を登って。
その途中だった。突然、山道の外れから人影が飛び出し、僕は急ブレーキと急ハンドルでなんとかそれを避けた。
セーラー服に身を包んだその人は、僕の知っているその人よりその姿はずっと大人びて見えた。
それは久しぶりに会う先輩だった。……先輩は最後に会った時より大きく、そして綺麗になっていた。
先輩は僕を見ると驚いた顔をしながら、慌てた様子で両手を後ろに隠してこちらに話しかけてきたんだ。なんでもない。ただのたわいのない話を。
だけど僕は気付いていた。
月明かりに照らされた先輩のセーラー服に少しだけ赤いシミと、おそらく地面を掘ったのであろう茶色い土が付いていたことに。
それを隠して笑う先輩。久しぶりの会話だった。相変わらずの可愛らしい笑顔に今までなかった綺麗さが加わってもう僕は直視しただけで顔が熱くなってしまうほどだった。
それが僕の小学生最後の夏休みの思い出。そして先輩に……恋をしたのも多分、その日からだったんだろう。
465:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:58:30 NFcoL/6i
「……っと、こんなところですかね。……あの時、僕は凄く後悔したからツキを見たときも動揺せずに死体を埋葬したんですよ。……ツキ?」
珍しく黙り込んでしまった同居人に僕は少しだけ不安になる。
ツキが来てくれてから多分初めて頭の中が静かになって僕は孤独感を覚えた。つい1ヶ月前まではそれが普通だったはずなのに。
初めてツキと話した時にツキが言っていた、お主が此方で、此方がお主、という言葉に僕は恐怖を覚えてガタガタと震えていた。
だけど今は……これ以上嬉しい言葉はないってことを、このとき僕は勝手に実感していた。
『しぃ!』
「うわっと!」
またしてもツキの突然の声に少しだけ驚いたけど、それより僕はツキの声が久しぶりに聞けたことが嬉しかった。
『此方を、此方をそのおなごに会わせておくれ!』
だけどそのツキの声はとても焦っていて、まるで僕はツキにすがりつかれているような気がした。
そっか。追試の勉強やら何やらがあって、ツキと一緒になってから先輩にはまだ一度も会ってないんだっけ。
「分かった。すぐに会いに行こう」
なんで先輩と会いたいのか、なんてことはもちろん聞かない。ツキだって僕の過去を知らずとも僕を好きだといってくれたのだから。
僕は机の横にかけておいたリュックを右肩に引っ掛けると廊下を全力疾走で駆け抜けて二十段近くある階段を一気に飛び降りた。手足を使って着地した僕の身体に思い響きが電流のように伝わる。
ツキが一緒になってからはとにかく身体が軽かった。今までの僕の身体と比べれば、今は全身がまるで風に乗る木の葉になった気分だった。
だから最近はそれが楽しくてまるで小さな子供みたいに走ることさえもが毎日の楽しみになってたけど、今は走るのが楽しいから走っているわけじゃない。
まだ同居人と出会って1ヶ月しか経ってないけど、僕には無言のツキの心がまるで自分のものと同じように分かっていた。
今、ツキは期待と不安で焦っている。
その期待が果たして何であって、不安が何であるかなんて僕には分からない。だけど、僕にはできることが一つだけある。
それは大好きな同居人のために全力で先輩の元に向うこと。僕みたいな馬鹿でもできることだけど僕しか出来ないことでもあるんだ。
だから、僕は全力で走るんだ。一分でも、一秒でも、一瞬でも早くツキが先輩と会えるように。
466:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:59:04 NFcoL/6i
ロックしたタイヤから白煙が上がるんじゃないかというほどの急停止で先輩のアパートの前で僕は自転車を停める。2階建ての木造アパート、先輩はここの2階のいちばん奥の部屋に住んでいる。
休日だったこともあり、僕は先輩が今日もスーパーで働いていると思い込んでたけど、実際にそちらに行ってみたところ先輩は休みであるということを店長さんが教えてくれた。
どうやら僕が追試の勉強に追われている間、先輩も働きづめだったようで今日は久しぶりの休みらしい。
僕がこのアパートに来たのは先輩が中学を卒業した後に一度だけ、それも僕の家から先輩がこのアパートで一人暮らしを始めるときに母さんと一緒にその手伝いのために来たときだけだ。
それもあれから先輩と二人だけで密室の空間にいることが僕は恐くなったからだ。
『しぃ……すまぬ』
「あっ、ごめんなさい。くすっ、大丈夫ですよ。さっ、行きますか」
くだらないことを思い出してしまった僕はツキに心配をさせてしまったことに気付き、駆け足で茶色く錆びた階段を一気に駆け上がった。
休日の昼間のアパートは思いのほか静まり返っていて、僕はもしかしたら先輩もどこかに出かけてるんじゃないかと一瞬だけ不安になってしまう。
でも、これ以上ツキに心配は掛けたくない僕はそれを拭い去って先輩の部屋の前に着くなり、一呼吸おいてからすぐさまドアをノックした。
それほど強く叩かなくても土気色の鉄のドアはアパートの廊下に重く響いた。住んでいる人はこれで自分のドアがノックされたのか、他の人のドアがノックされたのかが見当がつくのかな?
だけどそんな疑問は叩いてわずか2秒で吹き飛んでしまった。
静かだったアパートに響いたドアのノック音がまだ残響を残している間に、先輩の部屋の中からボスン、という鈍い音が聞こえてきたのだ。
僕が口をハの字に曲げながらドアの前で硬直しいると、土気色のドアは何の前触れもなく突然開かれた。
あまりに勢いのついたそれを僕はすんでの所でかわし、そしてジャージとねずみ色のシャツをはだけて着ている先輩と対面した。
「し、しぃちゃん!? ど、どうしたの?」
僕の顔を見るなり目を見開いた先輩に、僕はどう答えようか悩みながらとりあえず苦笑いをした。
しかし突然、頭の中でツキが口を開いた。
『やはり……の』
『なっ!?』
「「えっ?!」」
その言葉に対してわずかに遅れて聞き覚えのない誰かの声、そしてそれに対しての僕が驚く声と先輩が驚く声が重なった。
『元気にしておったかの、“ひな”』
『……うん』
母親が子供に優しく話し掛けるような声でツキが言うと、少しだけ間を開けて静かな声が先輩のほうから聞こえてきた。でも、それはやっぱり先輩とは違う声だ。
「と、とりあえず中に入って」
先輩も混乱しているみたいだったけど僕を部屋の中へと迎え入れてくれた。
最初に目に入った台所は綺麗に整えられていた。僕の家に住んでいた時から先輩はこまめに掃除をするほうだったし僕としては、それは当たり前だった。
だけど、そこから畳みの部屋に迎え入れられたときは一瞬動きが止まってしまった。……別にでっかいゴキブリがいたとか、生ゴミが山積みされてたわけではない。一見すればやっぱりそこは綺麗に整えられてはいるんだ。
467:名無しさん@ピンキー
09/12/12 15:59:41 NFcoL/6i
ただ、部屋の右側にある押入れのふすまに……ちゃぶ台が突き刺さっていたんだ。どこかの前衛的なアーティストの作品なら僕は思わず納得してしまったかもしれない。
口を半開きにしている僕の視線に気付いたのか、先輩は明らかな作り笑いを僕にしながらそれを引き抜く。すると、白いふすまに大き目のブラックホールが生まれた。
そのままちゃぶ台を部屋の中央に置いた先輩は、僕をふすまの向かい側に座らせて自分はその穴を見せないように僕の向かい側に座った。
「え、えっと……と、とりあえず」
『茶菓子は結構じゃ。その前に汝にお礼を申したい。……ひなを可愛がってくれてこと、心から感謝いたしまする』
腰を浮かせた先輩に、ツキがすかさず口を開いた。頭の中に響くその声はやはり先輩にも聞こえているらしく、先輩はそれを聞き終わると困ったような表情をしながらそのまま腰を降ろした。
『さて……ひな。久方の再会を喜びたいところじゃが、此方の想像が間違っておらぬならば、その前にお主はしぃに謝らなくてはならないと思うのじゃが?』
まるで冒頭の三十分ほどを見逃した映画を見るように、僕がまったく話の内容を掴めずにいるにも関わらず話は進められていた。
『そ、それは……』
ツキの言葉に動揺した声が先輩の方から聞こえてくると、先輩はその声の主を心配するような表情で僕の方を向いてこう言ってくる。
「あ、あの。もうやめてあげてくだ」
『ひな。しぃはの……まだそのおなごを』
『う、うるさい!』
ツキの言葉を遮って尖った叫び声が全面から僕を吹き飛ばすように遅い掛かり、僕は思わず身体を震わした。
『だったら……だったら!』
「きゃっ! ちょ、ちょっと! やっ、だ、だめっ……!」
叫び声を上げた声の主が何かを決意したように言うと、先輩が弾かれたように立ち上がり自分が穿いているジャージのズボンに右手を掛け、しかし先輩自身はそれを拒むかのような声と共に左手でそれを抑え始めた。
滑稽なその姿に僕はしばし見とれてたが、あやうくジャージのズボンが本当にずり下がろうとしたので急いで顔を俯いて視界を茶色いちゃぶ台に固定した。
『本当に好きだって言うなら、このくーを抱いてみなさい!』
あまりに突拍子のない言葉に僕は思わず顔を上げてしまい、そして僕はズボンを下げている先輩の姿に目を奪われた。
……僕が女の人の裸を現実でこんな近くで見たことはない。だから確信はないけど……け、けど……でも、こ、これがついているのは……。
「あ、あぁ……」
「いっ、やあぁ……み、見ないで」
あまりの衝撃に言葉を失った僕は先輩の言葉すら無視してそれから視線を外すこともできなくなってしまっていた。
先輩の股間には……男にしかついていないはずのモノが天に向ってそびえ立っていたんだ。
『はぁ……まぁ、いいじゃろ。じゃが、しぃがそのおなごを抱いた時は、覚悟できてるの?』
『ふふふっ、もちろん。でも言っとくけど、くーはこれで自慰をするのは大好きよ? さっきもちゃぶ台を蹴り飛ばしちゃうほど夢中になってたんだから』
先輩はひな、という誰かの言葉に両手で顔を覆ってしまった。僕はあまりに突拍子のない事態の連続に頭がパニック状態になっている。
『しぃ、決めるのじゃ。そのおなごを抱くのか、抱かぬのかをの』
だ、抱けって……ちょ、ちょっとは説明ぐらいしてくれたって―。
『すまぬ……それは、今は出来ぬ。ただお主は……あのおなごが好きなのじゃろ?』
ツキの言葉に僕の大混乱だった頭の中が真っ白になり、そして僕はただ単純に先輩が好きか、好きではないかを考える。
その答えは一桁同士の足し算をするより簡単だった。
「うん」
『くくくっ、ならあのおなごを抱いてやるのじゃ。此方がぬしをそれに相応しい身体にしてやるからの』
えっ、と僕がその言葉の意味を聞き返す前にそれは始まった。