サマーウォーズでエロパロat EROPARO
サマーウォーズでエロパロ - 暇つぶし2ch826:810
09/09/22 12:58:54 6S35NYzz
健二×夏希の日常+微エロを夏希の視点で書いたので投下します。

827:健二×夏希(日常+微エロ) 1
09/09/22 13:01:01 6S35NYzz
「午後から健二君の家に行ってもいい?」
ある冬の日曜日、午前中は自宅で勉強していた夏希だったが、急に健二の顔を見たくなった。
いいですよ、との快い返事。今日は家に一人なんで、手持ち無沙汰だったんです、とのこと。
「今日は私の受験勉強と、”健二君の苦手科目克服の会”を開きまーす!」
電話の向こうで、そんな…というため息が聞こえたが、夏希はそんなことにはお構いなしだ。
「じゃあ午後の二時にお邪魔するね。」
電話を切ると、早速着ていく服選びを始めた。

健二は自宅の最寄り駅まで夏希を迎えに来ていた。
健二くーん、と手を振る夏希。
えらいえいらい、こっちが何も言わないのにちゃんと迎えに来てくれたね、と笑顔を向ける。
歩いて十分ほどで健二の自宅に到着した。
健二は玄関のドアを開け、どうぞ、と夏希を促す。
夏希が健二の家に来るのは今日で何度目だろう。
それにしてもいつも整理整頓の行き届いた部屋だな、と彼女は部屋を見回した。
勉強机にパソコン、書棚は数学の本でびっしりと埋め尽くされていた。
書棚を見ながら”へんな”本はないのかな、とつい悪戯心が湧き起こってしまう。
高校生の男の子なんだから…と思うのだが、彼女を部屋へ招く時にそんな失態は
さすがに演じないだろう。だがきっとそれはハードディスクに収められているに違いない。


828:健二×夏希(日常+微エロ) 2
09/09/22 13:02:32 6S35NYzz
リビングにテーブルを用意すると、二人は向かい合って勉強の準備を始めた。
「いつも健二君は数学ばっかだよね。だから今日は…」
そう言って夏希は現代文の教材を健二の前に差し出す。
学校と塾の教材、そして市販の過去問が彼の前にうず高く積み上げられる。
「私は数学をじっくりとやるから、健二君はこれをやってね。」
「ええ~?すごいボリュームですよ!それにこれ、三年生の範囲じゃないですか?」
泣き言を言う彼を脇目に
「それ全部コピーだから心配しなくてもいいよ。それに国語をきちんと勉強すれば、行間が
読めるようになるからね。行間を読める男の子ってかっこいいけどな~?」
夏希にそう言われると健二は渋々問題に取り組み始めた。

829:健二×夏希(日常+微エロ) 3
09/09/22 13:05:12 6S35NYzz
五十分経ち、一時間が過ぎ、一時間半が経とうとしていた。
二人は互いに無言で勉強を続ける。時計の秒針とシャープペンを
走らせる音しか聞こえない。
一息入れようかな、と思ってふと向かいにいる健二の顔を見た。
集中力を研ぎ澄ませた真剣そのものの表情。
どきりとした。
いつもの優しい、少し情けない表情とはうって変わった男性の表情。
夏希は彼のこの表情が好きなのだ。
彼女は問題を解く手を止め、微笑みながら健二を見つめていた。
「ねぇ…」
夏希は彼の手に自分の手をそっと添える。
「ちょっと休憩しよっか?」
「ああ、こんなに時間が経ったんだ…先輩、お茶入れますね!
えっと、甘いもの好きでしたよね…」
そう言って健二はお茶の準備を始めた。
手伝う?と聞くと、いえいいです、との返事。
「じゃあお言葉に甘えて。」
しばらくして健二は飲み物と菓子類を持って来た。
彼と付き合いだしてから知ったことだが、彼はコーヒーや紅茶の淹れ方が
上手い。特にコーヒー豆にこだわりがあるらしく、デートでコーヒー店
めぐりをしたこともあった。
「数学を解くとき、コーヒーは欠かせないんです。あっ、でも今日は
現代文ですけど。カフェインと糖分で頭がしゃんとするんですよ。
でも飲みすぎるとかえって興奮しちゃいますけど…」
夏希は紅茶を飲みながら彼の話に耳を傾ける。
屈託のない笑顔で話す彼を、今、独占しているのは自分なのだ。
普段はおとなしい彼だが、自分の得意なことを話す時は本当に楽しそうな顔をする。
そんな健二を見ていると、ふと悪戯心が芽生えた。

830:健二×夏希(日常+微エロ) 4
09/09/22 13:07:34 6S35NYzz
「健二君、そういえば私関西の大学に行こうかなって思ってるんだ。」
えっ、と健二はやや動揺した表情を見せる。
「あっちの大学でどうしても行きたい学部があるの。で、調べたらなんか
キャンパスもいい感じでさ~。あっ、それに剣道の全国大会で知り合った
友達も近くにいるしね!関西に行ったら私関西弁になっちゃうかも?
久しぶりに健二君に会ったら”もうかりまっか?”ってね~。」
別に本当に関西の大学に進学するつもりはなかった。夏希の行きたい大学は
関東圏だ。
恋人が離れてしまうかもしれないという状況に置き、彼の気持ちを確かめたくなったのだ。
「夏希先輩がそう選んだのなら僕は……止めません…」
今度は夏希が、えっ、という表情をした。
なんでなんで、止めないの、と困惑の表情を見せる。
正直言ってがっかりだ。いくら不器用な彼でも、いや彼なりにもっと
引き止める姿勢を見せて欲しいと思う。
「いいの?私関西に行くかも知れないよ?ねぇ、本当に…」
「どこに行くかが問題じゃないんです。ただ、夏希先輩の人生……
すいません、なんかおおげさですけど…それが台無しになることのほうが
辛いんです。だから先輩、先輩は自分の行きたい方向へ進んでください。
関西に行っても僕は先輩に会いに行きます。デートができるようにバイトも
がんばります!先輩といつも繋がる努力をします!」

831:健二×夏希(日常+微エロ) 5
09/09/22 13:10:30 6S35NYzz
健二の必死さに夏希は圧倒されてしまう。
ちょっとした悪戯が彼をここまで本気にさせてしまうなんて…
と夏希は嬉しさと罪悪感で一杯になった。
「健二君、ゴメン。関西に行くっていうのは嘘…心配させてごめんね。
健二君の気持ち嬉しかった。」
健二は呆然として目をしばたいている。そして半泣きになって言った。
「ひどいですよ先輩!本当に不安になりました!」
「ごめんごめん。本当にごめん。」
夏希が手を合わせて懸命に謝ると、健二も渋々納得してくれたようだった。
しばらくおしゃべりを続けていたが、やがて二人は勉強に戻った。
そろそろ勉強の切り上げ時かな、と夏希は時計を見る。
時刻は午後6時前。冬の日の入りは早い。すでに夜の帳が下りていた。
「健二君、そろそろやめよっか?」
休憩の後、今度は歴史の問題をあてがわれていた健二は、問題との格闘から
顔を上げた。
そうですね、と健二。

それから二人はテーブルの上を片付け始めた。
お茶を淹れてもらったんだから食器洗いくらいはしないとね、
と夏希は洗い物を手伝う。
洗い物をしながら、
「今度親戚で集まった時、健二のコーヒーをみんなの前で淹れてもらっていいかな?」
「も、もちろんです!でもいいんですか?僕の淹れるコーヒーでも?」
「大丈夫、大丈夫。私のお勧めなんだから。健二君の淹れるコーヒーって
最高だよ。」
へへへ、と頭に手をやりながら健二は照れ笑いをする。
「そういえば、佳主馬君ってコーヒー飲めましたっけ?」
「うーん、どうかな?コーヒー飲んでるところ見たことないけど…
でもきっとあの子なら”………ブラックで”ってかっこつけるかも
しれないね。」
夏希が佳主馬の真似をすると、二人は大笑いした。

832:健二×夏希(日常+微エロ) 6
09/09/22 13:12:50 6S35NYzz
今日は本当に勉強がはかどったと夏希は思う。
健二とのおしゃべりも楽しかった。
また来てもいい?今度はおばさんにちゃんと挨拶しないとね、
と次の勉強会の約束をする。
健二と勉強するのは本当に楽しい。適度に緊張感が抜けて集中できるからだ。
もちろん、一人で勉強することにもメリットはある。
静かな部屋で勉強をしていると、一時間など瞬く間に過ぎる。
ひたすら勉強に集中する一人の時間。
でも勉強を続けていると、煮詰まる時が必ず出てくる。
そんな時は健二や女友達と携帯で話すことで息抜きをする。
しかし、夏希には他人には言えないリラックスの仕方があった。
机の教材を片付けながら、夏希はそのリラックスの仕方を覚えた時の事を思い出していた。

833:健二×夏希(日常+微エロ) 7
09/09/22 13:14:37 6S35NYzz
その日は学校の課題と普段の受験勉強が溜まり、夜中の十二時を過ぎても
キリが付かなかった。
なお悪いことに、夏希の苦手な数学の問題が山積みだった。
ここはどうやって解くのかな?もう少しで分かるんだけど…
夏希は頭を抱えていた。
こんな時、健二君が隣で教えてくれたら…健二君……
ふと健二のことを思い浮かべた。彼と話したいと思ったが、さすがに
この時間に電話をしたら迷惑かな、と思い携帯に伸びかけた手を引っ込めた。
健二君、健二君…いつしか夏希は女性器を愛撫していた。
雑誌やOZで仕入れた知識はあったが、意図して行うのはその日が初めてだった。
気持ちがいい。
しばらく女性器を愛撫していると、夏希を快感が襲った。
あぁ、はぁ、あぁ、とため息のような喘ぎを繰り返す。
興奮してクリトリスが普段の倍ほどの大きさになり、本来なら彼のペニスを
受け入れるためのバルトリン腺液が出てくる。
健二君、ああ健二君、そばにいて…
健二とのキスや手をつないだ時の温もりを思い浮かべると、より快感が増した。
膣の入り口がぎゅっと締まり、子宮が引きあがるのを感じる。
健二の笑顔、健二の匂い…もう自分がどうにかなりそうだ。
夏希は健二に後ろから抱かれるシーンを想像した。
 ―しっかりと彼女を包む腕、その腕に自分の手を重ねる。
  夏希…愛してる…耳元でそっとささやかれる。―
ああっ、あっ、はぁ、と深いため息のような声が漏れ、夏希は絶頂に達した。
膣と子宮が規則的に収縮し、その痙攣が全身に伝わる。
張り詰めた緊張感が一気に解き放たれた。
激しい快感に身を委ねる。
椅子に座ったまま呆然とした状態で快感の余韻に浸る。
ああ健二君、ありのままの自分を見せられる男性。自分を受け入れ、支えてくれる人。
行為を終えると、さっきまでのイライラが馬鹿らしくなるほどだった。
それ以来夏希は、受験勉強のイライラ緩和にオナニーをするようになった。
無論、男性ほどの頻度ではないが…

834:健二×夏希(日常+微エロ) 8
09/09/22 13:17:07 6S35NYzz
夏希は教材の片づけをしながら、自分の”リラックス法”を思い出すと、
顔が赤くなり口元が弛んでしまった。
「どうしたんですか先輩?顔が真っ赤ですよ?」
健二が夏希の顔を覗きこむ。
「ななな、なんでもない。なんでもないって。」
不意に健二に声をかけられ、いつもなら彼がするようなリアクションを
取ってしまった。
そして彼の肩を軽くこずく。健二の顔に大きく疑問符が浮かんだのが見えた。
付き合い始めてからも自分のことを”先輩”と呼ぶ年下の彼。
自分を”夏希”と呼び男性的な行為に及ぶのはまだ先なのかな、
と期待と安心の入り混じった不思議な気持ちになった。

「それじゃ、おじゃまし…」
そう言って靴を履こうとした時のことだった。
「先輩、お話があります。」
健二が緊張した面持ちで後ろから呼び止めた。
ただならぬ雰囲気を感じその場に立ち尽くす夏希の手を取り、健二は
彼女を自分の部屋へ招き入れた。
どうぞ、と夏希を部屋の中央へ促し、正座をして姿勢を正す健二。
夏希も反射的に正座をして姿勢を正す。剣道で身に付けているだけに、
彼女の正座の方が”さま”になっていた。
正座をし、お互いに向き合う。気まずい沈黙が訪れる。
先に口を開いたのは健二の方だった。夏希の目を見つめながら切り出した。

835:健二×夏希(日常+微エロ) 9
09/09/22 13:20:00 6S35NYzz
「先輩………大好きです。」
その言葉を聴いた途端、夏希の顔が真っ赤になった。
「も~健二君ったら。そんなことわかってるって………わかって、ます。」
彼から自分のことを”好き”と、はっきり言ってくれたのは
大おばあちゃんのお葬式の時以来だな、と夏希は思った。
それにしても目を見つめながら、こうもはっきりと言われると照れてしまう。
でも付き合っている仲なんだから、もっと頻繁に言ってくれればいいのに…
おとなしい彼にそれを求めるのは難しいのかな、と夏希は思った。
「私も健二君のこと大好きだよ。」
夏希も健二の目を見つめながら応える。
「う、嬉しいです、先輩………と、ところで、僕、先輩と、しししし、したいです!」
健二は顔を赤らめ拳をにぎり、目をぎゅっと閉じながら叫んだ。
「え?えぇ~?」
夏希は恥ずかしさと笑いが同時にこみ上げ、両手を口に当てた。
なんてストレートな表現、なんて彼らしい伝え方なの!
「しょうがないな~。」
夏希は足を崩し、顔を健二に近づけた。そして彼からのキスを
待とうとした時だった。
「…違うんです先輩。僕が、その、したいのは、セッ…エッ……セックスです!」
そう言うと健二は夏希の両腕を掴み、彼女を抱き寄せた。
人間、あまりに不意を付かれると声も上げられないということを
身をもって味わった。
―オナニーの時に思い浮かべていたことが、今本当に起きるなんて。
どうしよう、心の準備が…しまった、もっとかわいい下着にしてくるんだった…
それにムダ毛の処理も…シャワーも浴びたいし…歯も磨きたい…
ちゃんと避妊してくれるかな…健二君、ちょっと突然すぎるよ…―
夏希の頭の中であらゆることが浮かぶ。
今に押し倒されるんじゃないかとドキドキしていたが、どうも一向にその様子がない。
どうしたの?と聞こうとした矢先のことだった。

836:健二×夏希(日常+微エロ) 10
09/09/22 13:22:20 6S35NYzz
夏希を抱きしめる力が緩み、健二は夏希の体を自由にした。
「はあ、はあ…」
何かを堪えている?それとも迷っている?健二の息遣いと拳を
握り締めている様子を見て、夏希は心配げに彼の様子を伺う。
「健二君、どうしたの?」
「先輩……僕は先輩とひとつになりたいです。でも…こんなに強引じゃ
先輩を傷つけてしまう。それに……今、コンドームを持ってません。
避妊もしないでセックスなんてできない…
したいです!したいけど……先輩のこと大切に思うから…ううっ。」
そう言って健二は床に突っ伏してしまった。
夏希は健二の両脇を抱えると、健二の顔を自分の胸に埋め、優しく頭を撫でた。
「優しい…健二君は優しいね。」
おとなしいとはいえ、健二だって男性である。
射精欲へ突き進み、夏希を力ずくでねじ伏せることだって出来たはずだ。
だが健二は自分の欲望よりも夏希との絆を選んだ。
今にしてみると、大おばあちゃんは健二の良いところを見抜いていたんだな、
と夏希は思う。
”必ず、命に代えても幸せにする”。その時はバイトの演技だとばかり思って
いたけど、健二の本心だったのだ。
しばらく健二の頭を撫でていると、彼は落ち着きを取り戻したようだった。
「先輩、突然こんなことしてごめんなさい…」
「ううん、いいの。いいよ…」
そう交わすと二人は無言で俯いた。

837:健二×夏希(日常+微エロ) 11
09/09/22 13:24:56 6S35NYzz
夏希は思案していた。
―うーん、気まずいっ…えっと、するんなら今からコンドームを
買いに行けば…ダメダメ。 それじゃ健二君の我慢を台無しにしちゃう。
それとも今日はこのまま帰る?それもダメ。 なんかしこりが残りそう―
逡巡した挙句、以前OZで”興味本位で”見た”手コキ”を健二にしてあげようと思った。
「健二君、その…今日はセックスの代わりに、手でしてあげても……いいよ。」
「え?手?」
夏希は顔を赤らめながら、何かを握って往復運動する仕草を見せた。
「うっ…」
健二の鼻から血が流れ出た。
ちょと大変!と夏希はすぐにティッシュを彼の鼻にあてがう。
健二は今度は仰向けで夏希の膝枕にお世話になった。
「健二君さ~…さっきはあなたからのプッシュだったのに、
私からのプッシュだと鼻血なの?」
「はさけ(情け)ないへ(で)す…」
しょうがないなあ、と夏希は苦笑いをする。
「じゃ、もう少し休んでから、ね?」

緊張したらトイレに行きたくなりました、という健二を夏希は待つ。
それにしても長い。緊張してお腹でも痛くなったのかな、と心配していると、
微かにシャワーの音が聞こえてきた。行為の前にちゃんと洗ってくれてるんだ、
夏希は感心した。
夏希の横にはボックスティッシュとローションが置かれている。
「このローションは佐久間からもらったんです!
僕が自分で買ったんじゃありません!」
と健二は言っていたが、本当のところどうなんだろうと夏希は思う。
暫くすると健二がTシャツとトランクス姿で現れた。
夏希は思わず顔を俯けてしまう。
いや、気を確かにしないと、これからするのはもっと生々しいことなんだから…
と自分を奮い起たせる。
どんな体勢でしようか二人で話し合った結果、健二がベッドの端に座り、
夏希がその前にしゃがんでしようということになった。
ベッドが汚れないようにするため、健二は自分の座るところに大き目のタオルを敷いた。

838:健二×夏希(日常+微エロ) 12
09/09/22 13:26:51 6S35NYzz
「先輩、それでは…おおお、お願いします。」
健二は意を決したかのようにトランクスを脱ぐ。
はぁっ、と夏希は息を呑む。
ふさふさした陰毛の間から見える、なかなかの一物。
大人(健二は少年と成年の間だが…)の本物の男性器を見るのは何年ぶりだろう?
幼稚園に入る前にお父さんと一緒にお風呂に入った時以来だな、と夏希は思った。
「じゃ、じゃあ、始めます…」
夏希は健二の前で片ひざを付き、手のひらにローションを取る。
半勃ちになっている健二のペニスを優しく握り、ゆっくりとしごき始めると
じきにペニスの硬度は増し、いきりたった姿を見せた。
手で摩擦を繰り返すたびにクチュクチュと粘液が音を立てる。
「健二君……どう?」
夏希は健二の顔を見上げながら、恐る恐る尋ねる。
「ぁあ、ふぅ、先輩の手…柔らかくて気持ちいいです。ん?!!」
その答えが返ってくると同時に、ペニスの硬度が更に増したように感じた。
ふと夏希は健二が何かを凝視していることに気づいた。
今まで緊張で気づかなかったのだが、ミニスカートで片ひざを付いているため、
太ももと下着があらわになっている。
「先輩…見えてます…んっ、ふぅ…」
「な、何見てるの!健二君の目線、いやらしい!」
「んんっ、…いやらしいって…あぁ、今僕たち、はぁ…
いやらしいことをしてるじゃないです…か?ふぅ…んっ」
健二にそう言われると夏希は可笑しくなった。
「ははっ。そうだね、ごめんごめん。」
笑うことで適度に緊張感がほぐれた。
少し余裕が生まれたおかげか、彼の表情や息遣いに意識を向けることができるようになった。

839:健二×夏希(日常+微エロ) 13
09/09/22 13:28:34 6S35NYzz
荒いため息のような息遣い。
快感に身を委ねながらも、それを表にだすまいと必死に堪えているような表情。
けれど夏希が彼の目を優しく見つめると、その我慢も崩れ、無防備なあどけない表情を見せる。
「ふっぅ、あぁ…気持ち…いい……先輩………夏希……夏希っ!」
愛しい男性を自分の手で弄び、快感に身悶えさせているんだと思うと、
夏希の胸は高鳴り、体が火照るのを感じる。
胸の高鳴りは彼女の子宮や膣にも伝わり、女性ホルモンが大量に分泌される。
バルトリン腺液がにじみ出て、彼女の下着を濡らしていく。
「健二君…」
夏希の目が潤みペニスを摩擦するスピードが速くなる。
「夏希っ…夏希……な………ぅあぁ!あぁっ!あぁ、あぁ、はぁ、はぁ……」
射精する直前、健二はそばにあったティッシュを自分のペニスにあてがった。
ペニスの躍動と放出された精液の温かさが夏希の手に伝わる。
健二の射精後、ほんのしばらくペニスの摩擦を続けていたが、
手を休め彼を窺い見る。
絶頂の余韻を味わっているのだろうか、荒い息を整えながら目を閉じてうなだれている。
「ねえ健二君……よかった?」
夏希に問いかけられると、健二はおもむろに顔をあげる。
「あ、はい。すごく、よかった、です…あっ!」
夏希の手がローションと精液まみれになっていることに気づくと、
健二はティッシュで優しく拭った。
「すみません、先輩。こんなに手を汚してしまって。一緒に洗いましょう。」
そんな彼の言動を夏希は微笑ましく思う。

840:健二×夏希(日常+微エロ) 14
09/09/22 13:30:51 6S35NYzz
「健二君はやっぱり優しい。ねぇ、ところでさ、さっき”夏希”って
名前で呼んでくれたよね?」
「え?そうですか?そうだっけ?」
健二は照れ笑いをする。
「も~、ごまかさないでよ。ね!もう一回名前で呼んで!」
「じゃあ…なっちゃん!」
夏希は健二の肩を小突く。
「ちょっと、砕けすぎ…なんか健二君のイメージじゃない。」
それでは、と健二は夏希の目をまっすぐ見つめた。
「夏……希…夏希さん。」
「もう一回。」
「夏希さん。」
「よくできました!」
夏希は健二の頭をよしよしする。
「それからね、敬語で話すの止めようよ。これからはもうちょっと砕けた話し方をしてね。」
「はい…うん!」
二人で行為の後処理をし、夏希が帰ろうとすると健二の母が帰ってきた。
こんな時間だから食べていったら、という健二の母の言葉に甘えさせてもらった。
健二は夏希を近くの駅まで見送り、別れ際に”じゃあね、夏希…”と手を振った。
帰途にて、夏希は今日の出来事に思いを巡らせた。
大好きと言ってくれたこと、自分の欲望より夏希が大切だと言ってくれたこと、
それに…気持ちがいいときの表情と声。
すべてが夏希の宝物になりそうだ。

健二とのセックスについても真剣に考えないといけない。
彼からはっきりと求められたのだから、すぐに答えるべきだろうか?
いやでも…
そういえば…と、健二と付き合い始めた時、直美から貰ったアドバイスを思い出した。
「パートナーの気持ちを繋ぎとめておくには、体を許しすぎないこと。」
そうだ。健二とセックスを重ね、すぐに飽きられてしまう仲にはなりたくない。
時間をかけて絆を深めていきたい、そんな特別な人なんだ、と夏希は思った。

841:健二×夏希(日常+微エロ) 15
09/09/22 13:33:03 6S35NYzz
十年後…

「おめでとう小磯さん。これであなたたちもお父さんとお母さんですね。」
産科医の言葉に二人は手を繋ぎ見つめ合う。
愛の結晶が確認された瞬間だった。

「夏希、これからは無理をしないで。家事の分担、僕に多く回してよ。」
自宅への帰途、二人はこれからのことを話しながら歩いた。
「いいよ、まだ動けるし。それに健二さんも研究で忙しいでしょ?なんか負担を増やすのは
悪いよ…」
夏希は健二に大切にされているなあと感じる。
「健二さん……これからしばらく、できないね。」
「な、何だよ。こんな日中から!」
突然の振りに健二は慌て、周りに人がいないか確かめる。
はははっ、と夫の慌てぶりを笑う夏希。
「じゃあね、健二さん。手で愛してあげる…」
夏希のその言葉を聞くと、二人で高校生の冬の思い出話を始めた。


終わり


842:名無しさん@ピンキー
09/09/22 14:46:16 edLGBsVd
GJ
一気に投下してくれるのは嬉しい

843:名無しさん@ピンキー
09/09/22 17:00:51 Qvmx2pOj
GJ
直美さんの助言が妙にあってる。

844:名無しさん@ピンキー
09/09/22 19:17:18 JKNYg41H
GJ
都内?で駅から歩いて10分なんて好物件だな。健二宅。

845:名無しさん@ピンキー
09/09/22 19:41:26 JqfQelkz
GJ!!
日常と微エロ、最高ですw

846:名無しさん@ピンキー
09/09/22 22:29:07 0t9C5Q1H
映画って夏希がのちのちあの婆的女家長みたいになる、っていうのを
もっと匂わせるつくりにすべきだよな。上にもあったが後半の活躍がなさすぎだし。
と映画のシナリオの不備を指摘する場じゃないか・・・。

847:名無しさん@ピンキー
09/09/22 23:11:38 xIcmLqHn
>>846
気がすんだ?

848:名無しさん@ピンキー
09/09/22 23:20:37 IZ0cXSI+
お、新作来てるGJ!
描写が丁寧でいいねー。健二がコーヒー紅茶淹れるの上手いって何か納得

849:名無しさん@ピンキー
09/09/22 23:49:34 SREwFPwp
念のため保守

850:名無しさん@ピンキー
09/09/23 00:16:15 hUcESiJM
GJ!なSSが多い。
微エロか。考えていたネタが被ってしまった。

851:814
09/09/23 06:04:39 9QWmvRh+
>>826
いいなあ、俺もこんな優しくてほのぼのしたお話を以下略。
俺のSSってなんかこうドロドロしてるか、すっとぼけるかのどっちかで.....。

今考えてるのは侘助×直美のラストと、ちょっと長いエロ物。
まとまったらまた投下しますんでよろしく~

852:名無しさん@ピンキー
09/09/23 10:19:04 VwI0ISHO
楽しみにしてるぜ

853:マルコ
09/09/23 10:44:23 bWe1Vpt6
早く夏希と健二の初体験執筆してくれよい!

854:名無しさん@ピンキー
09/09/23 14:20:04 lgMZjjOy
>>853

がんがれ


855:名無しさん@ピンキー
09/09/23 18:51:17 Occv4Opk
あんたたちなら出来るよ!

856:名無しさん@ピンキー
09/09/23 23:49:49 yV0Lji5N
>>855
あんたにもできる!

質問つー訳でもないんだが、コテハン(ってレス番だけど)付けてる人以外で、
複数投稿してる人いる?

857:名無しさん@ピンキー
09/09/24 07:35:25 5moFDrvS
>>605です。遅くなってごめんよ>>613のおばあちゃん
どうにか書き上げましたので、投下します
健×夏・非エロ・主に夏希視点・ちょいシリアス(?)・話長い
そんな感じですが、どぞ

858:名無しさん@ピンキー
09/09/24 07:40:58 HabIKUy3
>>853
お前が書け

859:サマーフール(健二×夏希)1
09/09/24 07:43:23 5moFDrvS
夏休みが終わり、二学期が始まった。
長い始業式を耐え抜き、担任の二言三言を聞き流せば、自由が待っている。
解放された学生が夏休みの成功談、失敗談、猥談もろもろを話す中、
夏希は一人、窓際の席に座って外を眺めていた。その表情は、一言で言えば険しい。

「ねぇ夏希。あんた、何があったのよ」
「…別に何でもない」
「別にって」

どう考えても何かあったでしょうが、と同級生は心の中で突っ込む。
あと、席替えしたから、今そこ私の席ね、とも言いたかった。
学校一の人気者が、夏休み明けから明らかに様子がおかしい。
そんな周囲の心配をよそに、夏希は窓の外を見つめたまま、呟いた。
「健二君…」

860:サマーフール(健二×夏希)2
09/09/24 07:44:40 5moFDrvS
話は昨日へ遡り、夏休み最終日。
夏希達は既に東京に戻っており、その日夏希は健二の部屋で二人でこいこいをやっていた。

「さぁ、こいこいよ、健二君」
「はい…」
「ふっふっふ、これで勝てばわたしの5連勝ー」
「はい…」
「そうそう、昨日ね、お父さんとお母さんが、一緒に食事できて楽しかったって。
 またおいでって」
「はい…」

健二は、視線を下に向けたまま、同じ調子で返事をするだけだ。
今日は最初からどうも様子がおかしい。

「ねぇ、どうしたの。悩みがあるなら、聞くよ。さぁ、話してこいこい。
 あ、これいいね。話してこいこい。こっちへこいこい。可愛い感じしない?ね?」
「はい…」
「…健二君、聞いてない」
「あ、す、すみません。聞いてます。えと、はい、可愛いと思います。」

頬を膨らませている夏希に気付き、ようやく健二が顔を上げる。

「でしょ。じゃあこれ学校で流行らせよう。昼休みに健二君を呼びに行く度に使うんだ。
 健二君、お弁当一緒にこいこいって。あれ、何か使い方変だね」

健二が反応してくれた事が嬉しいらしく、夏希が矢継ぎ早にしゃべる。
しかし、健二は、また下を向いて考え込んだ表情に戻ってしまっていた。

「…もう、ホントにどうしちゃったの。健二君、今日、変」

流石にゲームを続ける気にはなれず、夏希は花札を手元に置いて、健二をじっと見る。
健二も遅れて花札を置き、ゆっくりと夏希と目を合わせる。

「すみません、夏希先輩。実はお話が…」
「うん」
「その…」

しばらく逡巡しているようだったが、やがて健二は夏希の顔を正面から見据え、言った。

「僕達、もう会うのはやめにしませんか」

861:サマーフール(健二×夏希)3
09/09/24 07:46:15 5moFDrvS
夏希は、健二が何を言っているのかわからなかった。
ただ、健二が冗談を言っているのではない事はわかる。
だからこそ、あまりに唐突なその言葉の意味を理解することができなかった。
正確には、理解する事を拒絶していた。

「それって…」

言いたくない。聞きたくない。それでも夏希は確認する必要があった。
健二の冗談である可能性を信じて。夏希の勘違いである可能性を信じて。

「別れたいって事?」
「………はい」

万に一つの夏希の希望は、あっさりと崩されてしまった。
健二は本気だった。夏希の聞き違いでもなかった。
夏希は、頭が真っ白になっていきそうだった。
しかし必死に耐え抜き、やっとの思いで言葉を絞り出した。

「どうして…」

夏希の目は健二を見つめたままだ。対する健二は再び視線を下げ、小さく語りだした。

「…もうすぐ、学校が始まるじゃないですか。そこで、二人で会ってるのを誰かに見られたら、
 僕らの事、すぐに皆に知られちゃうと思うんです。それは、その、困るんです」
「…」
「先輩、人気あるんです。付き合いたいって思ってる人、沢山います。
 そこで僕なんかが先輩と一緒にいるって知れたら、何されるかわかんないですよ」
「…」
「それに、やっぱり僕と先輩じゃ不釣り合いですよ。先輩には、もっといい人がたくさんいると思います」
「…じゃあ、私と一緒にいるとこを見られたくないから、別れたいって事?
 私のせいで迷惑するから、別れたいって事?」
「………そうです」

夏希の中に、怒りが湧き上がっていた。
それは、健二が告げた別れの理由があまりにも身勝手だったから、ではない。
健二が言っている事が、ウソだと夏希にはわかっていたからだ。
健二がウソをついて夏希と別れようとしている。その事が、夏希には許せなかった。

「ウソ…つかないでよ」
「え?」
「何で?何でそんなウソつくの。健二君、そんな人じゃない。
 私の事がもう好きじゃない?だったらそう言ってくれればいいじゃない」
「ちがっ…」
「じゃあ何で!」
「ですから…さっき言った通りの、理由です」
「そんなわけない。健二君、本当の事言って。私に悪いところがあるなら、ちゃんと言って」
「そうじゃありません。夏希先輩に文句なんかないです。僕が付き合っていく自信がないだけです」
「ウソツキ!」
「本当です。理由は、それだけなんです」

862:サマーフール(健二×夏希)4
09/09/24 07:47:25 5moFDrvS
夏希は泣きそうだった。健二は俯いたままだ。
沈黙が流れる。先に口を開いたのは夏希だった。

「そんなわけない。健二君は…健二君は、おばあちゃんが認めた人なんだから。お願い健二君、本当の事言って」

ここで栄の事を出すのは卑怯だとわかっていた。
それでも、夏希は最後の望みにかけずにはいられなかった。

「それはきっと…おばあさんが見誤ったんだと思います」

健二の心は、動かなかった。
夏希はもう、健二の本心を聞き出すことはできないと悟った。そして、別れようという決心が揺らがない事も。

「…そっか。うん…。うん、わかった。ごめんね、健二君に迷惑かけられないもんね」
「…」
「じゃあ、私、帰るね」
「…」

夏希が部屋からいなくなる。
部屋の中には、勝負の付いていない2人分の花札と、健二が1人取り残されていた。

863:サマーフール(健二×夏希)5
09/09/24 07:48:43 5moFDrvS
「ただいま…」
「え、何、もう帰ってきたの?夏希の分のご飯作る予定なかったのに」
「いいよ、ご飯いらないから」
「ええ? あんた、熱でもあるんじゃないの」

母親の訝しげな目を無視して、夏希は自分の部屋に戻った。

「あ!花札、置いてきちゃった…」

夏希は忘れ物を思い出したが、今更戻る事もできない。
あれは栄が夏希にくれた、お気に入りの花札だったのに。

「もう、何なのよ。もう…もう」

健二が、あんな自分の都合で別れたいなんて、考えるはずがない。
だから、健二の言った事は事実ではないのだろう。
だが、結局、それは、夏希に言えない理由が別にあるだけで、別れたいという事実は、変わらない。

「もう…どうしよう…」

いつもは帰ったら勉強机に向かう事を習慣付けている夏希だが、今日は勉強どころではない。
夏希はそのまま、ベッドへと倒れ込んだ。

健二を、失ってしまった。
最初は受け入れきれずに苛立っていた夏希だが、今やっと現実のものとして認識し始めた。

「やだ…やだよぉ」

健二の部屋で我慢していた涙が溢れ出す。流れた涙は、ただ布団に吸い込まれていくだけだった。

864:サマーフール(健二×夏希)6
09/09/24 07:50:12 5moFDrvS
「なーつきぃ、今日ミスド行く?」
「…いい」
「じゃあ、マックは」
「…いい」
「もう、付き合い悪いよー」
「…ごめん」

結局その後夏希は、健二に会うことも、連絡を取ることもできなかった。
積極的に思われがちな夏希だが、こと恋愛に関しては健二にも引けを取らないほど臆病だった。

昨日の夜から今まで夏希は、ずっと考えていた。健二が話していない、本当の理由とは何だろう。
栄は、夏希のことをわがままで世間知らずだと言っていた。
夏希自身も自覚はあるが、そんな性格が、健二は嫌になったのだろうか。
それとも、もしかしたら本当に、一緒にいると健二の身に危険が及ぶからなんて理由なのだろうか。
そんなはずない、と思っていた夏希だが、考えるほどに段々自信がなくなってきていた。

「夏希、よくわかんないけどさ、元気出しなよ」
「そうそう、カラオケでも行ってさ、パーっと歌わない?」
「篠原さん、実家にミサイル落ちてきたんでしょ?そん時に変な放射能とか浴びちゃった?」

いつの間にか夏希の友人が、夏希を心配して集まっていた。
夏希狙いの男子も、便乗して集まってきている。

「おいおい、篠原暗いなぁ。篠原の笑顔見る為に学校来てんのに」
「いや、俺は篠原さんの憂えた顔もまた美しいと思う」
「俺が励ましてやるよ、さあ夏希ちゃん、俺の胸に飛び込んできてごらん!」
「とりあえず、セックスしようぜ!」
「サイテー、男子死ね」「うっせ、ブス消えろ」「何だとコノヤロー!」「うわぁ、ジャイ子が怒ったー」

クラスメートが夏希の周りで騒ぎたてる。
色々と思惑はあるが、皆、夏希を励まそうとしてくれている。その心遣いが夏希は嬉しかった。

「みんな、ありがとう。ごめんね、何でもないんだ、ホント」

これ以上、皆に迷惑をかけられない。そう思い、夏希は無理にでもいつも通りに振舞おうと笑顔を作った。
その時、夏希は何か引っかかるものを感じた。

「迷惑を…かけたくない…から?」

健二は言っていた。夏希といることで健二が迷惑する。だから別れたいと。
しかし、実際は、全く逆の事を健二が考えていたとしたら。
健二といる事で、夏希に迷惑がかかる。そう考えたんだとしたら。
それは…もしかしたら…。

「ごめん、ちょっと出て来る!」
「夏希?」

言うと同時に、夏希は教室を飛び出し、屋上に繋がる階段を最上段まで駆け上った。
ここは、生徒や教師が滅多に寄りつかない場所だ。
夏希は携帯電話を取り出し、発信履歴から「お母さん」の文字を見つけ、ダイヤルボタンを押した。

「はいはい、夏希?どうしたのあんた、学校じゃないの?」
「うん、いま学校からかけてる。あのね、お母さん、正直に答えてほしいんだけど」
「なぁに?」
「一昨日、健二君と一緒にご飯行ったでしょ。
 その時、私途中で電話来て席外した時あったけど、その時に健二君に何か言った?」

865:サマーフール(健二×夏希)7
09/09/24 07:52:20 5moFDrvS
思えば、健二の様子がおかしくなったのは、ちょうどその食事があった頃からではないか。
そして、その次の日に別れ話を切り出された。何かあったとしたら、きっとここに違いない。

「ええ?どうかしら…。ああ、そう言えば」
「何!?」
「あんた達まだ全然進展してなさそうだったから、夏希ってああ見えてなかなかおっぱい大きいから、
 楽しみにしてなさいって言ったわね。あの子、顔真っ赤にしてわよアハハ」
「よ、余計な事言わないで!じゃなくて!他には?」
「もう、そんな急かさないでよ。あ、そうそう、あんたが東大受けるって話を
 お父さんがしてたわね。毎日勉強してんだようちの娘はーなんて、酔っ払ってたわねあれは」

…やはり、そうだった。健二は知ったのだ。

「あんた健二君に何も話してなかったんでしょ。あの子、すごく驚いてたわよ。
 お父さんも調子乗っちゃって、夏希は大おばあさんのような立派な人間になるのが夢なんだって
 熱く語ってたわ。娘の夢を熱く語る父親って、何か気持ち悪いわよねぇ」
「…わかった。ありがとう、お母さん。もうすぐ授業始まるから、切るね。
 あ、それから今日の晩御飯、しそ納豆とレバニラ炒めが食べたいな」
「用事ってそれだけ?はいはい、わかったわ。じゃあね」

電話が切れた。夏希が大きく息を吐く。

間違いない。健二が夏希から身を引いたのは、父から夏希の事を聞いたからだ。
『大おばあちゃんのようになりたい』という、曖昧で漠然として子供のような、でも確かな、夏希の夢。
栄のようになるには、高い目標が必要になる。そう考えた夏希は、とにかく東大を目指してみようと思った。
単純すぎる、と笑われたり、侘助の真似したいだけでしょ、とからかわれたりした。

でも、健二は違った。夏希の夢を叶える為に、自分ができることを必死に考えたのだろう。
そして健二が出した結論は、自分にできる事は何もないということだった。
だったらやれる事は一つだ。負担になるだけの自分が、消えればいい。

「そんなの…そんなの違うじゃない」

そう、違う。健二は間違っている。
それを健二もわかっているから、彼はウソをつくしかなかった。
間違っていると知りながら、その選択しかできなかったのだから。

「バカ…バカバカバカバカ。健二君の、バカ!」

考える暇なんかない。健二に電話をかける。同時に、健二のクラスに走って向かった。
だが、健二のクラスも既に終わったらしく、教室に健二の姿は見当たらなかった。
電話も、電源が切れているらしく、繋がらない。
夏希は、突然教室に入ってきた上級生に呆気にとられている健二の同級生に詰め寄った。

「健二君、もう帰った!?」
「え?あ、こ、小磯なら、ついさっき帰りましたけど…」
「ありがとう!」

まだ間に合う。今度は昇降口までの道のりを全速力で駆け抜ける。
そのまま靴もはき替えずに校庭へと飛び出す。

「もう…っ。どこに…いるの…」

校庭は、学校帰りの生徒達で溢れている。健二がこの中にいるのかどうかすらわからない。
それでも夏希は走った。健二を探しながら。そして。見つけた。正門を通ろうとする、健二の姿を。

866:サマーフール(健二×夏希)8
09/09/24 07:56:30 5moFDrvS
「健二君!」

まだ声が届くような距離ではないが、夏希は思わず健二の名を呼んだ。
近くにいた学生が一斉に夏希の方を振り向く。健二は気づいていない。
走り続けながら、もう一度名を呼ぶ。

「健二君!」

ちょうど正門を通り切ったところで、健二の歩みが止まる。
そして、夏希の方へと振り返った。

「夏希…先輩」

健二と目が合う。
たった一日、いや半日程度会わなかっただけなのに、長年会えなかった人と再会できたような気持だった。
もっと、もっと近づきたい。もっと。
夏希が健二に向かって駆けてくる。そして、立ち止まらない。スピードも全然落とさない。

「ちょ…先輩!止まっ」

抱きつく…というよりタックルと呼ぶ方が相応しい抱擁を受け、支えきれずに健二は倒れ込む。
夏希は完全には倒れ込まず、マウントポジションをとるような形になっていた。

「健二君」
「な、夏希先輩…どうして」
「健二君、ごめん。ごめん…」

夏希は馬乗りになったまま、健二に謝罪の言葉を繰り返す。

「ちょ、先輩…」
「ごめん」
「いや、その…」
「ごめん」
「できれば、どいてもらえると…」
「やだ」
「えぇ?いや、今、間違いなく見られてます!色んな人に見られてますって!」
「やだ」
「だ、だめですってば。言ったじゃないですか。その…」
「…」
「…迷惑なんです」
「…関係ない!」
「え…」
「迷惑とか関係ない!そうでしょ!?健二君のウソつき!バカ!数学オタク!」
「え、え、ええと…」

夏希が泣きながら健二にしがみつく。

「絶対、絶対離れない。健二君がどれだけ私の事迷惑に思っても、私は離れないから」
「先輩……」
「だから健二君も離れないで。私の為なんて理由で、離れていかないで。…一人にしないで」
「………」
「お願い…」

夏希は健二の胸に顔を埋めて体を震わせている。
健二はしばらく夏希を見つめていたが、やがて、ゆっくりと空を見上げていった。
空は雲一つなく、どこまでも青い世界が続いていた。

867:サマーフール(健二×夏希)9
09/09/24 07:58:07 5moFDrvS
「…先輩。僕は先輩のそばにいて、何ができるのか、わからないんです」

夏希がその言葉に顔を上げると、健二の頬に、涙が一筋つたっていた。

「悔しいんです、とても…。でも、どうしても…どうしても…わからなくて…」

本当に悔しそうに、苦しそうに語る健二のその姿が、愛おしい。
これなのだ、と夏希は思う。健二の事が好きだと思う、一番の理由。
自分を悪者にするウソをついてまで、夏希の為に離れようとする健二。
自分の為ではなく、誰かの為に、考え、苦しみ、涙を流せる健二。
そんな健二だから、そばにいたい。支えてあげたい。愛されたい。

夏希は、健二の胸に耳をつけて、そっと目を瞑った。

「健二君なら、何でもできるよ。だって、世界救ってるでしょ」
「い、いやそれは」
「私は信じるから。健二君なら何度でも世界を救える。他の誰が信じなくても、私だけは信じてる。
 それに、私の事誰よりも信じてくれてるのも、やっぱり健二君だから。だからそばにいたいし、いてほしい。
 ううん、やっぱそんな理屈とかよりも、好きな人とずっと一緒にいたいから。健二君もまだ私のこと好きなら、
 そばにいてほしい。それじゃ…ダメ?」
「せん…ぱい」
「好きよ、健二君。大好き」
「……僕も、です」

健二が夏希の頭に手を置こうとした。その時、

「あー、お前ら、とりあえずそこまでな」

いつの間にか、健二と夏希のそばに教職員が立っていた。
健二と夏希は状況を思い出し、慌てて立ち上がる。
見てみれば、校内の全ての人間の視線が、二人に集まっている。
皆、遠巻きに一体これは何なんだと呆気にとられている。

一人だけ、遠くでにやにや笑っている人間もいた。佐久間だ。

「学生の恋愛は自由だが、まぁ、俺も聖職者として、一応風紀上止めなきゃならん立場なわけだ」

教職員が、邪魔してすみませんねぇ、といった口調で話す。

「はい…」
「すみませんでした…」

健二も夏希も俯いたまま、顔を真っ赤にしている。

「以後気をつけるように。それから、小磯、お前は別の意味で以後気をつけるように」

そう言って教職員はさっさと校内に引き返してしまった。

868:サマーフール(健二×夏希)10
09/09/24 08:00:39 5moFDrvS
「何か、すっごい恥ずかしい事しちゃったね」
「そ、そうですね……あ!」
「え?どうしたの?」
「先輩…逃げましょう」
「え?」

健二は気付いた。さっきまで呆気に取られていた学生達の瞳に、徐々に色が戻り始めている。
好奇と、嫉妬と、憎しみの色が。
健二が後ずさりを始める。しかし、夏希の方はまだ状況に気付いていない。

「先輩、は、早く」
「何が?え?え?」

健二が更に校門の外側へと下がっていく。

一歩。一人の学生の足がゆっくりと前に出る。
ずしゃあ、と砂ぼこりが舞うような、偉大な一歩だ。
つられるように他の学生の足も動き出す。その数がだんだんと増え、徐々にスピードが早まっていく。

「こぉいぃそぉ」
「こ……の……や…ろう」
「いったい…」
「ひいいぃぃぃ」

健二が一気に数歩下がる。

「どういう事だああああああ!!」

号令を合図に動き出す兵隊さながら、全員が一斉に健二達に向かって駆けだしてくる。

「うわ、うわわわわぁ!」

捕まれば殺される。健二は体を反転させて逃げの体制をとる。
しかし、夏希はまだ動けずにいた。生徒達の突然の行動に、反応しきれなていないのだ。
夏希を置いていくわけにはいかない。でも、既に夏希との距離が開いてしまっている。
どうにか夏希を動かさなければ。

「先輩!」
「け、健二君…」
「先輩、こいこいです!」

精一杯手を伸ばして、健二は叫んでいた。
それは昨日、夏希がいいねと言っていた、あの言葉だ。

「…うん!」

夏希が、差し出された健二の手をしっかりと握る。健二も夏希の手を強く握りしめ、走り出した。

869:サマーフール(健二×夏希)11
09/09/24 08:01:43 5moFDrvS
何だか変な状況になったな、と夏希は走りながら考えていた。
結局二人の問題は、言ってしまえば解決していないような気もするし、
これからもすれ違いや喧嘩を繰り返すことになるかもしれない。
そしていつかは、やはりこの手を離さなければならない日が来るのかもしれない。

「先輩!」
「え?」
「手、絶対離さないでくださいね!」

このタイミングで健二からこの言葉が出たのは、ただの偶然だろう。しかし、夏希の小さな不安は、
その一言で、今日の青空に溶けていってしまえるような、そんな気がした。
だから、夏希は満面の笑みで応えた。

「うん、絶対、絶対離さない!」

~完~

870:サマーフール(健二×夏希)12
09/09/24 08:03:32 5moFDrvS
おまけ~篠原家の食卓~

「…なぁ、雪子」
「なぁに?」
「今日の夕飯なんだが、何でしそ納豆とレバニラなんだ」
「何でって何が?」
「お前、私がしそも納豆もレバーもニラも大嫌いだって…知ってるよな?」
「あら、そうだった?夏希が食べたいってリクエストしたのよ」
「…夏希は…」
「今日は健二君とご飯食べてくるからいらないんですって」
「……」

その夜、和雄はひっそりと泣いた。流れた涙は、ただ布団に吸い込まれていくだけだった。

~おまけ・完~

871:夏戦争・続(ほぼ非エロ)
09/09/24 17:18:56 dGIbkVXC
インフルにかかってしまいました
待っていた人(おそらくいないが)は、スイマセン・・
では、続きをどうぞ

夏希は苔のはりついた石に足を滑らせしたたか尾骶骨を打ちつけた
「い、いったぁ~い・・・」
河原で子供たちが大笑いをしている
まあ、大の大人が川で滑ったら笑われるのも仕方がないかな?
そんなことを考えながら夏希は河原に上がった
「どうしよ・・・」
夏希は小さくつぶやきながら、手のひらのあざを見る
それは、1か月前と相変わらず01と表示されていた
夏希は手のひらを頭に当て健二が亡くなってからの日課のような事を始めた
(もどれ・・・・もどれ・・・)
何度もやっていて、結果は分かっているのだが思わずやってしまう
そのたびに、健二との日々を思い出し涙があふれてくる

しかし、いつもとは何かが違うような気がした。
何かしなければ・・・今何かをしなければ本当に、大切なものを本当に失ってしまう気がした
夏希はいてもたってもいられず川に向かって走り出した
戻れ・・・・
必死に走りながら健二のことを思う
しかし、目の前は変わってはいなかった
戻れ・・・・!
どこか・・・どこか近くで、空気が乱れるような・・そんな音が聞こえたような気がした
戻れ・・・
目を開けると川と陸の境の2mほど上に陽炎のような空気の乱れのような穴が見えた気がした
夏希は、突然の出来事に驚きつつも覚悟を決めた
「いいいいっっけけけぇぇぇぇーーーーーーーー」
渾身の力をこめ大きく地面をけり上げた。

872:夏戦争・続(ほぼ非エロ)
09/09/24 17:24:22 dGIbkVXC
つらいんで、この辺でやめときます

873:名無しさん@ピンキー
09/09/24 17:46:02 Nh3ww51l
 

874:名無しさん@ピンキー
09/09/24 18:55:44 gnlaDffR
>>871
どうみても時をかける少女です。
本当にありg(ry)

875:名無しさん@ピンキー
09/09/24 19:14:36 kwvZNH2N
>>871
待ってた、乙!
といいたいが体調悪いなら無理すんな
回復してから投下してくれればおk

876:名無しさん@ピンキー
09/09/24 20:36:38 HabIKUy3
>>857
乙。楽しませてもらった。また書いて欲しい。

877:名無しさん@ピンキー
09/09/24 22:01:05 Wowo099+
>>871
乙乙!!
これは熱いw

878:名無しさん@ピンキー
09/09/24 23:27:02 YV4csYmr
>>871

楽しみにしてたぞ
無理せずにゆっくりインフルを直してくれ

879:名無しさん@ピンキー
09/09/25 08:37:25 hbGCt5nR
インフルのまどろみは妄想も進みそうだ

880:夏戦争×時駆少女
09/09/25 16:53:25 f/lH1NV7
こっちの方がふさわしい気がするんで変えました
では、続きでござんす

―――――・・・
どこかで音が聞こえる・・・・・聞き慣れた・・・何の音だろう
そこで夏希は、ハッと目を覚ました
「ここは・・・・あれ?私の部屋?」
なぜだろう・・・確かに夏希は河原にいたのだが・・・・・
川に飛び込んでから一体自分はどうしたのだろう
そう訝りながら部屋を見渡すとあることに気がついた
「あ・・・あれ?」
10月の柴犬のはずのカレンダーが、7月のチワワに戻っていた
(これって・・・・過去に戻れたの!?)
そう思いつつ音の発信場所を探る
やっと見つけた・・・携帯電話だ・・・
メールを夏希のアバターナツキが開く
「何かありました!?電車来ちゃいますよ?」
見覚えのあるメールには月の胸が躍った
(戻れたんだ・・・本当に・・・)
実感がじわじわと押し寄せる
しばらくしてから、夏希は急いで着替えを済まし駅へ向かった
夏希は走った・・・愛しい、小磯健二の顔を一秒でも早く見たくて・・
急いで駅に滑り込み健二を探す
見当たらない・・・・前はこの辺にいたのに・・・・
夏希の心に不安が立ち込める・・しかし――
「夏希先輩?」

881:夏戦争×時駆少女
09/09/25 17:07:50 f/lH1NV7
振り向いた先には・・・この2ヵ月半ずっと胸に思い浮かべていた人物の、どこか間の抜けた顔があった
「先輩どうしたんですか?電車行っちゃいま・・うわっ」
夏希は夢中で健二の胸に飛び込んだ。
健二は突然の出来事に驚き・・・そして、急に泣きだした夏希に2度びっくりし・・・
「あ・・・ごめん」
「い、いえ、どういたしまして」
しばらくし、落ち着いた夏希が健二の顔を見上げる
そして、夏希は背伸びをして健二の口に軽くキスをした
「な・・夏希先輩!?い、一体何かありました」
急に、泣きだしキスをしてきた彼女にどきまきしながら健二が言う
「何でもない」
夏希は、健二に笑顔を見せた。
そういえば、笑うなど何か月振りだろう
これもそれも、最後の希望を託してくれた・・・
「真琴・・・ありがとう・・・・」
「へぇ?真琴・・ッテ誰ですか?」
健二が聞いた。何をとぼけたことを言ってるんだと思いながら
「そりゃ・・・・あれ、誰だっけ?」
「ホントに大丈夫ですか?どこか悪いところでも」
「何でもいいでしょ…あ、電車来たよ。乗ろっ?」
「はい」
真琴・・・・誰だっけ…さっきまで覚えてたはずなのだが・・・てか、何私泣いてたんだろう?
あれ?なんか悪い夢でも見たのかな?なんか大事なことを忘れていくような・・・
それでもいいと夏希は思った。
また・・・いつか思い出せる気がするから
それに、今は健二がいる
今は、健二さえいれば何もいらないそう思える夏希であった


――完――

もうちょっと続くかもしれない気がする

882:夏戦争×時駆少女
09/09/25 17:10:55 f/lH1NV7
さて、やっと本編は終えることができました
来週から少しだけ番外編的なことも書くつもりです

夏希のお父さんレバニラ嫌いなんですね(笑)
健二と気が合いそうだな・・・・・

883:名無しさん@ピンキー
09/09/25 17:16:56 6iur92cu
え?
バットエンド?

884:夏戦争×時駆少女
09/09/25 17:28:18 f/lH1NV7
ちなみに、バットエンドではありません
まぁ、10年くらい後の話ですね


バットエンドも書こうかな・・・やっぱやめたw何か想像できないんで

885:名無しさん@ピンキー
09/09/25 17:35:51 noCkZbZj
>>880
乙でした
番外編も楽しみにしてる

>>883
いや、真琴視点だとわかんないけど、健二×夏希ならちゃんとハッピーエンドかと
過去に戻ればもう真琴はいないわけで、健二と真琴とのいざこざも起こらないから
もう健二が事故に巻き込まれる事はないわけだし

886:マルコ
09/09/25 18:04:21 6zGcEGi+
健二『な、夏希先輩の脇の匂い…嗅がせてください!』
夏希『!!!!!!!!!』

887:マルコ
09/09/25 23:26:04 JdlSDfIw
夏希『えっ、わ、私の脇の匂いィ?』
健二『はい…古より脇の匂いは異性を引きつけるフェロモンが含まれてるんです。だから夏希さんの脇を…』
夏希『……うん…そういう事なら…いいよ。』
健二『本当ですか!有難うございます!では、早速。クンクン、クンクン……ブッ、ブホッ、ゲホッ、ゲホッ!』
夏希『健二君…///』

888:名無しさん@ピンキー
09/09/26 00:16:54 v6KhEXII
これから、初体験につながるのか?
構成に期待する

889:名無しさん@ピンキー
09/09/26 05:57:16 W5KhPjxb
白ワンピ姿の夏希の脇の下は、確かにそそられる物がある。

890:夏戦争×時駆少女
09/09/26 09:57:40 P72zPJnE
あの出来事からから7年後・・・・・

「こんにちわー」
「あ、いらっしゃ~い」
玄関の万里子が、愛想よくいった
夏希と健二が玄関を通った
時は2019年7月30日
健二と夏希はある覚悟を決め上田に向かった・・
「じゃあ、私は万里子おばさんにみんな集めてもらうようにするから」
「うん。じゃあ僕はその辺を回ってきますね」
健二にそういいい、夏希は万里子の部屋に向かった

1時間後
居間には陣内家総勢27名と健二が集まった
「それで、二人とも。話ってなんだい?」
万里子が言う
「あ・・あの」
健二か話を切り出した
「僕と、夏希さんとご両親と話し合って、その・・なっ、夏希さんとけっ、結婚させてもらうことにしました」
健二が顔を真っ赤にして言う
親戚一同から歓声が上がり、健二と夏希を冷やかし始める
「で、でも、万里子おばさん・・その・・ね」
「あぁ、そうだね」
親戚の歓声が止む
「陣内家の娘が嫁に行くときは、親戚全員の了解がいるんだ」
そしてまた万里子が言った
「夏希と健二さんの結婚に賛成の人は手を挙げてくれ」
バラバラと手があがるぜ委員が手を挙げてくれてるみたいだ
夏希と健二の顔が思わずほころびる
しかし――





891:夏戦争×時駆少女
09/09/26 10:37:24 P72zPJnE
「ほら、おまえもさっさと挙げちまえよ」
太助が言った
そこには、翔太の顔があった
「へっ、挙げてたまるかよ」
翔太が言った
「翔太さん・・・・」
健二が言った
「認めてはくれませんか・・・?」
「へっ・・」
沈黙が流れる――――

ポロっ・・・
どこからか、音が聞こえた
侘助が向かった
「シシシシシッ。ババアがこれで決めろだとさぁ」
しばらくして、帰ってきた侘助が言った
そこには・・花札の箱があった
「仏間に行ってみたらよ、これが落っこちてたんだ」
翔太と健二の間に箱が置かれる
「ほラ、大おばあちゃんが決めたことだ」
渋々翔太が自分の手札を取った
「しょうがねぇな、だがルールは俺が決めさしてもらう」
翔太が言った
「先に上がった方が勝ちだ。お前が勝ったら認めてやるよ」
翔太が続けて言う
「もし俺が勝ったら・・・・・夏希の前に二度と現れるな」
親戚から非難の声が上がる
「それはいくらなんでも厳しすぎるだろ」「翔太、往生際が悪いぞ」「翔太にぃ、認めてやりなよ。なんかキモいよ」
「いいでしょう。やりましょう」
健二が大きな声で言う
「健二・・君?」
「多分大丈夫…だと思います」
そう、苦笑いをしつつ翔太の前に座る
お互い札をさばき合い・・・
(よし・・・)
健二が三光にリーチをかけた
しかし――
翔太が松のカス札を、松に赤札にたたきつけた
これで、翔太は赤タン赤タンのリーチとなった
そして、健二の番になり健二は山のカス札を場におき
山札から一枚ひいた
「あっ・・・」
それは、桜に幕だった
そのとき・・・翔太が笑ったような気がした
そして翔太は得意顔で右端の札を取り場に出そうとした――が
翔太はちらりと夏希を一瞥して・・・そして健二の顔を凄い形相でにらみつけ・・・
右端の札を手札に戻し真ん中の桐のカス札場に置いた
(やった・・・・)
健二は手札の桜のカス札を場の桜に幕に置いた
「三光です・・・」
健二の勝ちだった
周りの親せきが歓声を上げた
翔太は手札を場におき自分の寝室に踵を返していった

892:夏戦争×時駆少女
09/09/26 15:37:01 P72zPJnE
夏希は篠原家だということに今きずいた馬鹿者です
病院行くので、また来週です

893:名無しさん@ピンキー
09/09/26 23:57:51 FzhiYwaa
夏「健二君、とまらない…とめて……」
健「は、はい。わかりましたっ」
僕はそう言ってポケットティッシュを取り出し、先輩の鼻を噛んであげる。
健「いやぁ、花粉も健在な秋ですね……」
あの大事件から2ヵ月。僕達は無事に東京に帰り、再び高校生活を送っていた。
それにしても、今更だけど夏希先輩って花粉症だったんだな…。
夏「? どうしたの?」
僕が夏希先輩の顔を見つめていると、鼻にかかった声で言ってきた。
まさか、花粉で赤くなった目と鼻が一段と先輩の魅力を引き立てている、とは言える訳がない。
健「なっ、なんでもありません!///」
僕まで顔が赤くなってしまった…。
僕は必死に話題を探す。
健「そっ、そういえば先輩、来年は受験ですよね?進路とか…」
夏「進路はまだ決まってないかな…」
この鼻声も可愛らしい。
夏「でも、行くなら健二君と同じ大学がいいな」
健「えっ!///」
少しは予想していたけど……まさか本当に来るとは。

どうやら、僕達の"つながり"も当分切れる事はなさそうだ―

END-第二次秋対戦終戦-

894:名無しさん@ピンキー
09/09/27 12:16:31 pIX9uHfw
俺たちの夏はまだ終わらないな

895:851
09/09/27 12:31:22 hsREW6zV
侘助×直美と、長文出来たんで書きます。長文のほうは・・・ええと・・・
とにかくよろしくお願いしまあああああああす!!!!

896:侘助×直美④
09/09/27 12:48:15 hsREW6zV
>>816の続き 加奈を抱いた直美と侘助、広間に入って

直美「はーいお待たせー。ほら加奈ちゃん、お母さんとこ行っといで」
加奈「うん! おかーさーん!」
奈々「加奈!・・・直美さん、すいませんでした。この子重かったでしょ?」
直美「良いの良いの、気にしないで」
夏希「侘助叔父さん! 今までどこ行ってたの?! 私と健二くんで家の中探し回ったんだから!!」
侘助「うんこ。便所から出たところを、直美と加奈に捕まっちまった」
夏希「ごまかさないで! ぐすっ、私がどれだけ心配したと思ってるの?!!」
侘助「俺じゃないだろ?」
夏希「え?!」
侘助「夏希が心配しなくちゃならないのは、俺じゃない。もう、その役割は終わった」
夏希「叔父さん・・・」
万理子「侘助!ごはん前に何て言い方?! デリカシーの無い!!」
侘助「だって、出してたの事実だもん。俺が万理子叔母さんに嘘言うわけないじゃん」
万理子「あんたねえ!!・・・・・」
直美「まーまーまーそう言わずに。みんなグラス回ったー? ほら侘助!あんたのビール!
こんだけあれば足りるでしょ?! ああ、健二くん。そこの栓抜きをこのバカ助に渡したげて」
健二「あ・・・・はい」
侘助「悪いね。よっと・・・・・・おっととと・・・ん、ん、ん、ん、・・・・・ぷはーっ!!
・・・・・やっぱビールだけは旨えぜ」
直美「侘助!もうちょっとガマン出来ないの? みんな待ってんでしょ?」
侘助「お前が渡すからだよ」
直美「子供みたいな言い訳するんじゃないの!」
侘助「ち、婆ちゃんみたいな事言いやがる」
直美「あ~ら、そりゃ最高のほめ言葉だわ」
侘助「シシシッ、そうなるかなやっぱ」
夏希「直美さんと侘助叔父さん・・・・なんか様子が変・・・・二人とも見当たらなかったし・・・・まさか!・・・・・」
理一「母さん!!!もう良いだろう?!みんな待ちきれないよ!!」
万理子「何よ理一? 急に大きな声出して・・・じゃあ、みんなも良いわね? いただきます!!」
全員「いただきまーす!!」

897:侘助×直美⑤
09/09/27 12:55:56 hsREW6zV
>>896の続き
加奈「おかーさん! あのねー加奈ねー、夏希おねえちゃんみたいになるんだってー!」
奈々「? なにそれ?」
加奈「侘助おじさんがいってたのー! 加奈はー、夏希おねえちゃんみたいなー、やさしいこになるんだってー! おじちゃんがそういうのー
加奈うれしー!!」
奈々「侘助さん・・・・」
理一「侘助、飲みが足りないぞ」
侘助「シシシッ、どういう風の吹き回しだ?」
理一「家族だからな。おかしな話じゃあるまい。それともお前は自分の家族にやましい事でもあるのか?」
侘助「・・・・・ねえよ。なにせ家族だしな。ああ、じゃもう一杯もらおうか」
理一「ふふん」
夏希「おかしいな・・・さっきの叔父さんと直美さんの間の雰囲気って・・・・」
直美「はーいはいどんどん飲んで飲んでー! やだ万作叔父さんこぼさないでよ! 後で奈々ちゃんが大変じゃない!!」
奈々「ええ!・・・あ・・・・はい」
夏希「う~ん・・・・・ま、いっか!!」

END

898:健二の冬休み①
09/09/27 13:14:29 hsREW6zV
2010年12月末、陣内家にて
湯船のつかりながら、僕は窓の外に絶え間なく降り続く粉雪に見入っていた。東京では絶対見る事が
出来ない風景だった。
冬休みを利用して、僕は夏希先輩の帰省に彼氏兼荷物持ち兼年越し準備作業員として参加していた。
夏以来両親とごく普通に会話出来るようになった僕だけど、両親の仕事の都合だけはどうにもならなかった。
そんな僕にそれならと、大学受験を推薦で早々と終えた夏希先輩が救いの手を差し伸べてくれた。
また私と一緒に上田に行けば良いじゃない、と。
そんな訳で僕は陣内家で重労働にいそしんでいた。風呂掃除、屋根の蜘蛛の巣はらい、ハヤテの散歩等、万理子叔母さんの
思いつく限り(もちろん僕の物理的守備範囲内で)家事労働にいそしんだ。ご飯は美味しいし、陣内家の人達は何だかんだで
僕に気を使ってくれるのは事実だし。
今日は珍しく全員バラバラに行動していた。この家に今いるのは僕一人。大家族の年末でもこういう事ってあるんだな。
僕は万理子叔母さんの言いつけで特に風呂掃除を念入りにやっていた。あらわしの落下で噴出した温泉を引き込み、家屋の修理と同時に大幅に増築した陣内家の
大浴場だ。工事前は万作さんから露天風呂の導入を強く主張されたそうだけど、万理子叔母さんの「うちは温泉旅館じゃありません!! 誰が管理すると思ってんの!!」
という非常に現実的な意見で、元からあった風呂場の拡張&温泉化に落ち着いたらしい。
それでも源泉かけ流しの湯であるあたり、温泉地の面目躍如ってとこか。費用は工事後の保守管理も含めて全部国が持ってるそうだ。あらわし落下の経緯を考えれば
妥当なようなそうでないような・・・・
「はあ・・・・極楽ごくらく・・・やっぱ日本人は温泉だよなあ・・・・」
誰もいないのを良い事に、普段なら絶対言わないセリフを口にしてみる。僕が洗ったお風呂ですもん。
一番風呂くらい構いませんよね? 万理子おばさん。


899:健二の冬休み②
09/09/27 13:33:33 hsREW6zV
ガラっと脱衣所の戸が鳴って、誰かがこっちに近寄って来る足音が聞こえた。
誰だろう?ひょっとして夏希先輩? 翔太兄ぃの新しい車で麓のコンビニに行ったっきりだけど
帰って来たのかな? いや、それにしては車の音が聞こえ無かったし第一あの
翔太兄ぃの前で僕と先輩が混浴なんて許されっこない。手段を選ばず先輩を足止めするはずだ。
今日は頼彦さんたち消防三夫婦もいないから、誰も翔太兄ぃを止められないし。
じゃあ、湯煙に隠れるあの人陰は誰?
「ちょっと、誰かいるの?! あたしメガネ置いてきたから目を細めないと何も見えないんだけど!」
このハイテンションで高圧的な、長女体質むき出しのしゃべり方は・・・・・・
「りりりりりりりりりり理香さん??????!!!!!!!!」
僕は思わず湯船から立ち上がった。
「はあ?・・・・・・って健二くん?!やだ!ばか!ちょっと! 前隠して、前 !!」
「ええ?!・・・・・・・・わああああああああああ!!!!!!!!!って理香さんも!!」
「は?・・・・・・ってぎゃあああああああああ!!!!!!!!!!!!!ああっちょっわあああ!」
「理香さん危ない!! いて!!」
いきなり全裸で出くわした僕と理香さんは、そろって悲鳴を上げた。どちらも身につけていた物はタオル一枚もない。
そりゃそうだ。理香さんにすれば自宅の風呂だし、僕は最初から一人だったんだから。
パニックになった僕は、お湯の中にしゃがみこんだ。理香さんもかがんで自分の身体を僕の目から隠そうとするが、
バランスを崩して足を滑らせてしまった。
ガラでもなく理香さんを助けようと湯船から飛び出した僕は、向こう脛を思いっきり浴槽にぶつけて床に転げ落ちた。
その上に理香さんがどすんと倒れ、僕の頭は床に叩きつけられてしまった。
「ぶげっ!!」
「痛い!!」
理香さんの全体重で押しつぶされた僕の視界は闇のなり、その闇の中で打ち上げ花火が輝いた。
どうせなら本物の花火でお願いしたかたったんですけど。

900:健二の冬休み③
09/09/27 13:59:18 hsREW6zV
変な感触だった。背中は冷たくて頭はずきずきして、胸は肺の中の空気が搾り出されるように
何回も押しつぶされ、ついでに口から生暖かい物が強制的に何度も押し込まれている。
何だこれ? ハヤテが僕の胸の上に馬乗りになって、僕の顔を舐めてるのか? いやこの場合は馬乗りじゃなくて
犬乗りか。おい止せよハヤテ、息がかえって苦しいよ。苦しいって言ってるだろ・・・・・・
「ぶはっ!!・・・・・・はあっはあっはあっ・・・・・・」
「良かった!! 健二くん気がついたのね? あー!ちょっともう驚かさないでよ!!死んだかと思ったじゃない!!
もう勘弁してよねー!!」
「理香・・・・・・さん?・・・・・・」
大浴場の床に仰向けになった僕の顔の目の前で、理香さんがまくし立てるように言った。メガネは無くふだん大雑把にまとめてる髪は
湯気と汗で濡れ、胸元から太腿まで大きめのバスタオルをぴっちりと巻いていた。聞けば市内での用事が済んだ理香さんは、
帰り道で足が冷えたため温泉に浸かろうとしたら僕に出くわしたらしい。驚いた理香さんの下敷きになった
僕は一時的に気を失い、理香さんの手で緊急措置を受けていたそうだ。
「うちの市役所でね、職員のAED講習が義務付けられてんのよ。災害時の備えてね。電気ショックの機械は無いから
人力のみだったけど、上手くいって良かったわー!!」
「AED?・・・・・」
「そう!、心臓マッサージと人工呼吸! 見よう見まねだったけど、どうなる事かと思ったわよー!!」
「人工呼吸?・・・・・」
つまりさっきの口元の生暖かい感触はハヤテじゃなくて・・・・・・・・・そう思った僕は自分の唇を
指でなぞって感覚を思い出す。
「ええええええっ!!!」
「やだ!変な事考えないで! 緊急事態なんだからね!!・・・・・・・・・・その、怒った?」
理香さんが僕の目の前まで顔を寄せてそう言った。ド近眼なのは事実らしい。メガネを外した佐久間も
時々似たような事をするから。
理香さん、本当はきれいな人なんだ、と思った。初めて目の前で見る理香さんの素顔。
濡れてまっすぐになったロングヘア、白い肌とすらっと長い手足、背筋が伸びた立ち姿は夏希先輩に通じる
物がある。身体つきが先輩と似てるのは陣内家の遺伝で、姿勢が良いのは間違いなく栄おばあさんの躾けだろう。
じつはこんなに美人なのに40代で独身なんて信じられない。へスタイルとファッションに無頓着そうなのは僕と
同じで気持ちは良くわかるけど。やっぱりあの性格が原因か。僕とは真反対の意味で異性と縁の薄い人なのか。


901:健二の冬休み④
09/09/27 14:17:38 hsREW6zV
「あの・・・・・ご、ごめんね? まさか健二くんがいるとは思わなかったから・・・・・嫌だったでしょ?
こんなオバサンが人工呼吸なんて・・・・・」
「そんな事ないです! 僕が着替えをもっと目立つところに置いておけば良かったんだし! 気を失ってたのを助けてくれたし!
それに理香さんすごくきれいだし!・・・・・・・」
あれ? 僕は今誰に向かって何を言っている? はっと我に返った僕に理香さんの顔が迫った。生暖かい吐息が、目を
見開く僕の顔に吹きかかる。
「・・・・・・それ、どういう意味? 今あたしの事を何て言ったの?」
「いや!その!べべべべつに変な意味じゃなくてその! あああ、どうもありがとうございました!!
ぼ、僕もう上がりますから!!」
「待って!!」
「ええええええ??!!」
起き上がって脱衣所へ逃げようとした僕の手を、理香さんの手が握り締めた。
「お願い・・・・・・もう一回言って。あたしの事きれいって・・・・・・もう一回だけで良いから
・・・・・・男の人からそんな事言われるの・・・・・・もう、何年ぶりか・・・・・・」
ちょっ、何だこの流れ! まずい。この流れは実にまずい。まずすぎる!!
「あたし、あたしこんな性格だから、男の人と付き合った事がすごく少なくて・・・・
自分の意思で独身でいるとか言わないと周囲に格好がつかなくて・・・・・それでますます男の人が
近寄らなくなるのは分かってるのに・・・・・・」
そう言いながら、理香さんはうるんだ瞳で僕の目をみつめ続けた。涙が、理香さんのほほを
伝った。
「で、でも僕には・・・僕には夏希先輩が・・・・・・」
「夏希なら、当分帰ってこないわよ」
「へ?! 何で?!」
「今、雪がすごく降ってるでしょ? それで下の道が渋滞してるの。あたしもバス降りて
歩いて帰ってきたから・・・・・・翔太の車が渋滞に捕まってるのも見えたし・・・・・
母さんも、遅くなると思う。」
待って理香さん! それはつまりその・・・・・・・・!
「お願い・・・・これ以上言わせないで・・・・・女に恥、かかせないでよね」
「り、理香さん!!」
理香さんの身体を覆っていたバスタオルが、はらっと落ちた。
僕の理性のタガも、同時に地の底まで落ちていった。

902:健二の冬休み⑤
09/09/27 14:37:11 hsREW6zV
何でこんな事になったんだろう。そう思いながら僕は理香さんを求めずにはいられなかった。
理香さんも同じ事を考えてるんだろうか。
お湯の中で僕と理香さんの手はお互いの身体をまさぐりあい、二人の舌はその間ずっと絡み合っていた。
「あむぅ・・・んんん・・・・・んはあ・・・・健二くん・・・・」
「んふ・・・・ふんん・・・・ああ・・・・理香さん・・・・・・・」
温泉でとろけたのか、理香さんの肌は僕の手の平に良く吸い付く。夏希先輩の肌は濡れてもすごくなめらかで、僕の手は
滑るように先輩の身体を撫で回す事が出来た。先輩はそのたび、気持ちよくて声を荒げていた。でも理香さんの肌は違う。
先輩を愛撫するのと同じように理香さんの肌を触っても、理香さんの肌はタコの吸盤のように僕の手のひらに吸い付くのだ。
手の平だけじゃない。全身がねっとりと溶けて絡みつき僕を興奮させる。そんな感じがした。
温泉のせい? 違う。 理香さんの身体そのものが、そうやって僕を求めてるとしか思えない。
これが、大人の女性の身体なのか。
「ああ・・・・理香さん・・・・」
「健二くん・・・・お願い・・・・あたしの事・・・きれいって言って・・・・」
「きれいです、理香さん。すごくきれいです。それにこんなに・・・ああ・・・大人だし・・・
もう、良いですよね?・・・」
「良いわよ。あたしをもっと・・・・健二くんの物にして!!」
「理香さん!!」
そういうと僕らは、二人一緒に湯船から立ち上がった。
窓の向こうでは、ようやく雪が小止みになっていた。


903:健二の冬休み⑥
09/09/27 14:44:15 hsREW6zV
「壁に手をついて・・・・そう、そんな感じです。」
「これで良いの?・・・・ひゃあ?!」
膝までお湯につかり、お尻を突き出した格好の理香さんの大事な部分を僕は指で大きく開き、
クリトリスをむき出しにした。膣の奥からにじみ出るぬめりは、絶対温泉のお湯なんかじゃない。
僕は少し灰色かかったピンク色の敏感なつぼみに、口をつけて吸い上げた。
「ひう!!ひいいっああっ!・・・・・・・ああああああああああ・・・・・・・」
あまり時間はかけられない。このまま吸い続けて一度イかせてしまおう。
僕はクンニをしながら両手の平で理香さんのお尻を円を書くようになで回した。
「あああ・・・あうっくうぅ・・・ふうんん・・・・」
もう少し・・・・もう少しで・・・・・・

904:健二の冬休み⑦
09/09/27 14:54:53 hsREW6zV
「ひいいっ、ひいうっひああああああ~~~~~~!!ああうああ~~~~~~
!!!!!!!!!!・・・・・・・はあっはあっはあっはあああああ・・・・・・」
腰をいやらしく突き出し浴場の壁を爪でかりかりとかじりつつ、全身を震わせて理香さんはイった。長い
ため息が、浴場の壁に反響して合唱しているように聞こえた。最高のコンサートだ。これからもっと最高にしてあげます。理香さん。
僕は震える理香さんの腰を両手で抱えて立ち上がり、自分の物をとろとろに溶けた理香さんの中心にぴたっと付けた。
中で出さなければ良いよな?
「ああ・・・・来る・・・・入ってくる・・・・健二くんが・・・・・あたしの中に!・・・」
「はい、もう入れます」
そういうと僕は、腰を押し出し一気にそこに押し入った。
「痛い!!・・・健二くんもっと・・・・もっとゆっくりしてよ・・・・」
「ええ?!だって理香さん確か・・・・」
少しは男と付き合った事があるって言ったのに?
「 久しぶりだとこうなるの・・・・本当に久しぶりだから・・・・」
それがセカンドバージンという現象だと分かったのは、ずいぶん後になっての事だった。いったい何年くらいしてなかったんだろう。


905:健二の冬休み⑧
09/09/27 15:16:54 hsREW6zV
「じゃあ、ゆっくり動かしますね」
「うん・・・・お願い・・・」
ゆっくり・・・ゆっくり・・・そう自分に言い聞かせながら、僕は腰を動かし始めた。
温泉による汗と湯気が、大粒の水滴になって僕の身体から理香さんの身体にしたたり落ちる。
「はっはっはああ・・・・け、健二・・・・んん、んん、んはあ・・・・」
「ああ・・・理香さんのここ・・・すごくきつい・・・・」
理香さんが慣れてきたのを確認し、僕は腰のピッチを上げた。僕の下半身が理香さんのお尻に
打ち付けられるパンッ!パンッ!という音が、浴場で大きく響く。
「あぐ、あぐう・・・・すごい・・・こんなの初めてぇ・・・あはあ・・・・」
理香さんはあえぎながら、浴場の壁に爪を立て、顔をこすりつけた。湧き上がる快感に絶えかねたのか、
理香さんの腰は激しくくねり、僕は両手で押さえつけるのにかなりの苦労を強いられた。もう少しだ。
「あっあっあっあっあっあっあっあっあああああああ~~~~~~~~~~~!!!!」
「ふう!ふうう!、んん・・・んんん!!・・・・」
飛び散二人の汗、壁に反響するあえぎ声、温泉の熱さも手伝って、僕らはあっという間に絶頂に達した。
「ああが! ああがおお!!・・・ああっああっああっあああああ!!!!!!!・・・・・・・」
「んん!っくう!」
理香さんがイったのを見届けると、僕は自分のペニスを引き抜き、理香さんの背中に思いっきり射精した。
上気して真っ赤になった理香さんの背中に、僕の白い精液がぶちまけられた。
「はあ・・・はああああああああ・・・・・・んむう・・・・・・・」
「ああ・・・・理香さん・・・・・」
僕は理香さんを背中から抱きしめ、そのまま二人で温泉の中に沈み込んだ。天井から落ち続ける冷たいしずくの
感触が、僕らをすこしずつ現実に戻してくれた。

906:健二の冬休み⑨
09/09/27 15:27:13 hsREW6zV
その後に迎えた2011年の正月は、あわただしいけど楽しいものだった。僕は夏希先輩と初詣に行ったり、子供達と
人生初の雪合戦をやったり、佳主馬くんとOZについて遅くまで話こんだり、侘助さんに花札に誘われ、あやうく身ぐるみ
はがされそうになったところで先輩に助けてもらったりとか、そんな感じだった。
その間僕は出来るだけ理香さんと距離を置いた。理香さんもそれを察してか、僕とは目を合わそうとしなかった。助かった。
どうやらお風呂場での事は、無かった事にしてくれるらしい。
1月3日の夜、僕と夏希先輩は陣内家を発った。表向きの理由は僕のOZのバイトだけど、本当は夏希先輩と二人だけの時間を
すごしたいから。そして、理香さんとこれ以上間違いを重ねたく無いから。万理子叔母さんが手配してくれたタクシーに乗ろうとした時、
僕と先輩以外のもう一人が客席に飛び込んできた。理香さんだ。
「ちょっと駅前まで乗せてって! 用事ができちゃったのよ~!」
僕は心臓が口から飛び出るかと思った。

907:健二の冬休み⑩
09/09/27 15:43:14 hsREW6zV
上田の駅まで向かうタクシーの中で、夏希先輩と理香さんのとりとめの無い話を、僕は
死刑台に登る気分で聞いていた。もちろん会話に混ざるなんて出来っこない。僕と理香さんの
間にあった事が先輩にばれたら、僕は間違いなく先輩に殺される。薙刀を振るって侘助さんに
斬りかかった栄おばあさんと同じく先輩は鬼気迫る表情で僕に迫り、日本刀で僕を一刀両断
するだろう。「健二くんを殺して、私も死ぬ!!」そんなセリフが今にも聞こえてきそうだ。
生きた心地がしないって、こういう状況を言うのか。
やがてタクシーは上田駅に着き、僕はトランクを明けて荷物を取り出し始めた。そこへついにというか
、理香さんが僕に話しかけてきた。
「ねえ! ちょっと健二くん!!」
車内で運転手さんと料金の精算をしている夏希先輩に、聞こえてる様子はない。
「夏には婆ちゃんの一周忌があるのよ! また来てくれるんでしょう?!」
「え!・・・・いや、その・・・」
そう言いながら、僕は数日ぶりに理香さんの顔を見た。メガネは普段通りだが、髪型と服と化粧は
明らかに違う。何と言うか、おしゃれに見えた。まさか僕と二人で話をするためにわざわざ?!!
「ねえ! どうなのよあんた!」
タクシー乗り場の照明に照らされ、普段よりずっときれいになった理香さんが正面から僕を見据える。
寒さで白くなった理香さんの息は暖かいまま僕のほほに触れ、化粧の奥で理香さんの顔がピンクに染まってるのを、
僕ははっきりと見た。
「その・・・ええと・・・」
とまどう僕に、理香さんは首を軽くかしげて微笑んだ。
「ん?」
「は・・・・はい」
どうやら理香さん、無かった事のする気は無いらしい。ど、どうしよう・・・・・・。

END

908:895
09/09/27 15:48:12 hsREW6zV
ちょwwwwwwwこれwwwwwwwwなにこれwwwwwwwwww
季節ハズレだわやたらと長いわ、自分で書いてて大丈夫かと心配になりましたよ全くもう。
高校生に身の上話する四十路女ってところでもうwww。

とりあえずこのままではいろいろ危険なので、後日談を考えます。できるだけ簡潔
な内容で。



909:名無しさん@ピンキー
09/09/27 16:52:13 xYGGNZB7
gj
理香は最後までネタにされないと思ってたぜ


910:名無しさん@ピンキー
09/09/27 17:03:21 FIMEZVNX
黒点じゃなくて三点リーダを使うべき

911:名無しさん@ピンキー
09/09/27 17:04:08 bnDhJEbX
このスレの守備範囲の広さには恐れ入るわw

>>908
GJ!
年齢差カップルも面白いものだ

912:名無しさん@ピンキー
09/09/27 17:59:51 IT3PAe6V
健二が喰われた

面白い!

913:名無しさん@ピンキー
09/09/27 18:55:19 0LBtl9Vr
先輩かわいそう・・・

でもおもしろかったGJ

914:き
09/09/27 20:01:56 JSzIfCR9
夏希先輩との絡みお願い

915:名無しさん@ピンキー
09/09/27 22:41:15 WwUZvyTi
>>908
面白かったよGJ!
折角登場人物が多数いるんだから原作鉄板公式カップルだけでなく
シャッフルした話も読んでみたかったので嬉しい

916:名無しさん@ピンキー
09/09/27 23:08:53 sO8Rauzo
>>895
侘直好きなんで続き読めてよかった!
察しのいい理一wさすが情報将校www

917:名無しさん@ピンキー
09/09/27 23:23:28 I8Hmxa8v
>>908
GJ!文章量に驚いた


これだけ書くのって大変だね

918:908
09/09/28 06:28:48 jBze140u
毎度ご好評頂きありがとうございます。今回はキツかった・・・・・
実はこれ、最初は健二×直美で考えてました。元ダンナとの復縁に失敗して
ムカついたまま帰省したら風呂入ってる健二を発見。そのまま美味しく頂きましたとww
それが侘直の下書きを終えた直後だったのでどうにも気分が乗らず、自分への挑戦を含めて
あえて健二×理香に。

何度も投げ出しそうになりましたが、設定画を改めて確認すると理香の場合メガネと髪をなんとか
すればルックスはむしろ良の部類に入れられると判断。独身宣言も何かのコンプレックスの裏返しと解釈
すれば、女性らしい魅力をひねり出せると考え、まあこんな感じに。

>>910すいません。やりかたが分からないんですorz
自分でも気になってたんですが。
>>916侘直は今回で終了です。このままくっつけるのはどうかと思いますんで。
直美にはダンナを忘れてほしくないので。

919:918
09/09/28 06:31:56 jBze140u
連投で申し訳ありませんが、後日談は少し先になります。仕事が面倒な状況でして。

次スレになるかな?

920:夏戦争×時駆少女
09/09/28 17:11:13 ulLLdX/T
親戚はバラバラと居間から出て行った
健二はあまりの緊張に具合が悪くなったみたいで寝室に向かっていった
夏希は翔太の寝室に向かっていった
いくら、花札で負けたとはいえ翔太に本当の意味で健二のことを認めて欲しかったのだ
翔太の寝室に着くと中から話声が聞こえた
「ま、残念だったな」
この声は太助だ
「・・・」
翔太は何も言わなかった
「・・・ホントはもう健二のこと、認めてんだろ?」
「あのまま札を出してたらお前の勝ちだったじゃないか」
夏希は、5分前ほどの翔太の行動を思い出す
「ヘッ、もっといい手があったんだよ。」
「お前は、ホントに正直じゃないな。認めてるなら最初から手をあげればいいのに」
「別に、あいつを認めたわけじゃねぇよ・・・・・」
「じゃあなんで・・?」
「夏希のためだ・・・あいつは本気で何か言いだすと聞かないからな・・・・もう、俺が何を言ってもあいつとくっつくだろうよ」
さらに、翔太が続けた
「はぁ~~、お俺もそろそろ結婚しねぇとなぁ…」
「ふっ、馬鹿だな・・・お前・・・」
「うるせぇ、馬鹿」
「ああん?親に向かってバカとはなんだ」

夏希のためとは言っていたが、翔太はもう、とっくに健二のことを認めてくれたみたいだ
夏希は、襖を思い切り開けた
「な、夏希!?いつからそこに・・!」
翔太が、顔を赤くして言う
「翔太兄ぃ、ありがとね」
それだけ言うと、夏希は縁側を走り出した
健二のもとに向かって―――

921:夏戦争×時駆少女
09/09/28 17:26:21 ulLLdX/T
さらに、18年後・・・・・

「母さん?」
夏美が、遠慮がちにやってきた
「なに?」
料理をしていた夏希が言う

健二と夏希は親戚のあいさつを済ませた3日後、二人は入籍を済ませた
結婚式はそのまた3か月後に行った
実質、親戚の皆はお酒を飲み酔っ払い、いろんな意味で盛り上げてくれた
健二は健二で、ウエディングドレス姿の夏希を見て鼻血を吹き出し結婚式の予定が2時間もズラしてくれた
それから、一年後健二たちは二人の子宝に恵まれた
何と双子で、男の子は夏希が命名して、健一となり女の子の方は健二が命名し夏美となった
二人は、すくすくと育ち17歳になっていた
驚いたことに健一は健二に、夏美は夏希に、異常なくらいにていた・・


「あのさぁ、紹介したい人がいるんだけど・・・」
夏美が言う
「だれ?もしかして、彼氏?」
「あ、あったりぃ~!」
夏美が顔を真っ赤にして言う。
「そう、じゃあ今度の日曜に連れてきなさい」
「うん。じゃあ、お父さんにも行ってくるね」
そういって、わが子は居間へと向かった
若いっていいな~
そんなことを思いながら、料理の続きを始めた

922:夏戦争×時駆少女
09/09/28 17:38:30 ulLLdX/T
日曜日・・・・

そわそわと落ち着かない健二を尻目に夏希は家の掃除を始めた
「おそいなぁ・・・どうかしたのかな・・・?」
「あなたったら、落ち着きなさいよ」
「わかってるけど・・・」

ピンポーン
「あ、来たわね」
玄関へ向かう夏希
ドアを開けると、そこには夏美とおとなしそうで、かなり緊張した1人の少年がいた
「どうぞ、上がって~」
「は、はい、お邪魔します!」
つっかえながら、少年が言う
そのしぐさが、昔の健二と似ていて思わずクスッっと笑う

「えっと、この人がそうなの?」
「うん。」
「は、はじめまして、夏美先輩とは高校の剣道部で・・・」
そこばで言いかけた少年を制止して・・
「あたしの彼氏の、紺野俊介くん」
「・・・」
健二が黙りこむ
「ほら、なんか言いなさいよ」
夏希が健二に言う
「・・・・夏美を、ちゃんと幸せにできるのか?」
「し、幸せに?」
「覚悟は、あるかと聞いてるんだ」
夏希は、内心笑っていた
これと、同じ風景を27年ほど前にも見たことがあるのだ
「は・・い・・・」
「本当に?」
「はいぃ、夏美さんを必ず幸せにして見せますぅ!」
二人とも!して俊介の顔を見て驚いたが
「夏美を頼むぞ」
健二が言って、居間から出て行った

923:夏戦争×時駆少女
09/09/28 17:39:04 ulLLdX/T
最後は、明日ということでお願いします

924:夏戦争×時駆少女
09/09/29 16:42:31 Y1elPat4
またまた5年後上田にて・・・

「おぉ~、この子かぁ…!」
理一がそう言った
「この子なんて言う名前にするの?」
直美が聞いた
「真琴・・・・」
夏希がポツリとつぶやいた
「えぇ、母さん?なんでわかったの?」
夏美が、驚いた顔をした。
「う~~~ん、女の勘ってやつかな?」
「えぇ~、何それ~」
陣内家で、笑い声が響いた
紺野真琴・・・・・その名前を聞くと、急に健二に会いたくなった
夏希は健二を探しに居間を出た

                ―完―

925:夏戦争×時駆少女
09/09/29 16:44:33 Y1elPat4
やっと、終わらせることができました
駄作and長文スイマセンでした

926:名無しさん@ピンキー
09/09/29 19:25:32 dMjeJ/DA
>>925
乙。またなんか書いてくれ。

927:名無しさん@ピンキー
09/09/29 22:12:46 9m/zh+ma
物書き殺すに刃物は要らぬ。上手い上手いと褒めりゃ良い

928:名無しさん@ピンキー
09/09/30 21:33:51 SdgPghGx
完結、乙。

929:名無しさん@ピンキー
09/10/01 07:41:00 CICf5Z1y


そろそろ次スレの季節かな?


930:名無しさん@ピンキー
09/10/01 15:50:48 tjRipa9U
このペースだと>>980くらいでも大丈夫な希ガス。

三回目見てきた。

931:名無しさん@ピンキー
09/10/01 16:51:40 3BVLDACv
>>924
乙!
真琴は娘ネタかと思ってたら孫娘かw
32年後だと夏希50才、健二49才、理一さん73才、直美さん74才。
二人とも万理子おばさんより年上になったね。

932:一年後・・・
09/10/01 23:19:20 VTYELg+s
2011年7月某日
OZのカフェで鹿耳の少女と冴えない少年が席についていた。

「健二君、夏休み少し時間あるかな?」

鹿耳の少女が、頼み込むように語りかける。

「はい、大丈夫ですよ」

健二が受験生になってから、夏希は健二に気を使っている。
健二から誘われる以外に会おうとはしない。
卒業して学校では会うことはなくなり、二人の会話の場所は自然とOZに移っていた。

「大ばあちゃんの一周忌なの。健二君も来てくれるよね」

そうか、もう一年。
健二にとって、忘れられない体験である。
もちろん夏希にとってもそうだろう。
でも、法事というのは身内で集まるものではないだろうか?

「一周忌って僕なんかが混ざってもいいのですか?」

不安げな少年のアバターの表情が遠慮がちになる。

「大丈夫だよ。みんなも会いたいって言ってるし、去年は大活躍したじゃない。大ばあちゃんも喜ぶよ」

「皆さんが、いいなら参加します」

相変わらず人見知りする健二だが、夏希はそこが可愛いと思う。

「大勢の方が楽しいよ」

付き合ってるとはいえ、3月まで受験生だった夏希と4月から受験生になった健二。
お互い受験に気を使って、二人の仲は特に進展もなく一年が過ぎた。
お互いの呼び方も変わってない。
今後も進展はないだろうと思われる。
そんな夏の始まりだった。

933:一年後・・・
09/10/01 23:24:35 VTYELg+s
東京駅から新幹線で一路上田へ。
ドキドキした去年の旅も、今年はそれほどでもない。
それどころか、夏希は久しぶりに会ったというのに、
新幹線に乗るなり隣の席で寝てしまう。

(話したいこともあるのに・・・)

そんな夏希に少々不満になる健二だが、
結局は何も言えず、何もできないでいた。

何もすることがない健二は、自分も眠るまでの間に一年を振り返る。
付き合い始めたことを秘密にしたかった健二だが、夏希の天然ぶりであっさり周りに公開された。
しかし、どう見ても撫肩で弱そうな健二が積極的に夏希と付き合っているようには見えない。
周りからは年下のジャニーズアイドルを愛玩するような夏希の一方通行に見えるのか、思った程の騒ぎはなかった。
可愛いアイドルならまだいい。
物理部の可哀想な男子を相手にする、夏希の好みが疑われたくらいだ。
本人達なりに喧嘩もしたし、クリスマスやバレンタインなどのイベントなどで伸展はあったつもりだが、
一年で縮まったのは、新幹線での座席が通路という溝を挟んだ隣から、
跳ね上げれば二人を遮るものはなくなる肘掛しかない状態になったくらいだろう。
それでも、何も焦ることも障害もないと健二は思っていた。



一年ぶりの陣内の門をくぐる。
新しい木の匂いが漂う。
あの事件の後、壊れた建物はほぼ再建されている。
それ以外は全く変わらない風景だった。
これからも、変わらないだろう。
時間と費用がもっとも掛かった立派な門を壊したのは万助であるが、
この事実は伏せられおり衛星落下の仕業ということで費用は全て当局持ちだった。
万助などは船も新しくなり焼け太りしている。
ただし、翔太の大破したRX-7だけは上田市内での交通違反が明るみにでており、
衛星落下との因果関係が証明できず、
翔太には修理を終えて事故車扱いになった車体とローンだけが残っていた。

934:一年後・・・
09/10/01 23:31:11 VTYELg+s
万理子が去年と同じように、出迎えてくれる。
そういえば、ここからすでに粗相したことを思い出す。

「健二さん、一年ぶりね」

笑顔もやはり栄おばあちゃんと似ている。
すでに当主の風格も十分だ。

「お久しぶりです」

人見知りな健二も、本人を目の前にすれば普通に話せるのだった。

「万理子おばさん、早速お話したいの」

挨拶も早々に、夏希は万理子を急かす。

「わかったわ。まずは仏壇に行って大ばあちゃんに挨拶してからね」

夏希に案内され、仏間へ通される。
線香の匂いは、故人を偲ぶ気持ちを誘う。
相変わらず広大な屋敷の離れの部屋の隅に荷物を置くと、休む暇もなく万理子の部屋へ通された。
万理子の前で二人並んで座る。

「改めて紹介するわ。私と結婚したら、陣内家の養子となってくれる、小磯健二君」

-またですか?夏希先輩-

半ば諦めて無言でいることにした。

「健二さん、理香と理一もグズグズしてるし、夏希を養女にしていつかは当主に立てる予定があるの」

一息ついて続ける。

「健二さんも結婚したら陣内本家に入る覚悟はあるわね」

栄大ばあちゃんほどではないにしろ、
現当主の万理子の迫力も並々ならぬものがある。

「・・・はい!」

後から夏希から説明があるだろう。
一瞬口篭もったが、去年よりはまともな返事だったはずだ。

「健二さんもやるときはやるし、お母さんに認められた最後の人だし、
夏希と二人なら安心だよ」

穏やかに万理子が答える。
ここでも、栄おばあちゃんの影響力は絶大だった。

935:一年後・・・
09/10/01 23:39:23 VTYELg+s
そして、裏に連れ出される。

「ゴメン。本当はただ連れてきたかっただけだったの。でも、陣内家の後継ぎの話が出てきて・・・養女とか養子とか、
この話をすると、健二君が来ないと思って言ってなかったの」

去年と同じように頭を下げる夏希。

「もうウソは嫌ですよ」

後ろめたい事があると、動きがぎこちなくなる健二とっては、もうこりごりな体験だった。

「健二君が来れないと大ばあちゃんが悲しむと思うし、
私達が結婚をする頃には、理香さんも理一さんも結婚して子供もいるから大丈夫よ」

夏希は健二の将来をさらりと語る。
良かれと思ってのウソは全く悪びれる様子はない。

「・・・あの、えー」

ウソよりも健二の思考を止めさせたのは、
夏希は自分との結婚を当然のように「確実に来る未来」だと思ってくれていることだ。
受験生で来年のこともわからない不安な健二。
そんな彼にとっては「夏希と結婚する」とは、物凄い光明だった。
そんな健二の心中も察することなく、夏希ははっきりしない健二の返事に表情を曇らす。
両手で顔を覆って泣き出した。

「・・・グスッ」

慌てる健二。

「先輩、こんなところで泣かないで下さい」

運悪く、誰か近づく気配がする。
よりによって、万作だ。

「お、健二君。夏希を泣かせてるとは男だね。さては孕ませたかな」

急に泣き出す夏希を慰めようとオロオロする健二の姿を、万作が冷やかす。

「違います!!」

エロい想像でもしてるのだろう。にやけながら去ってゆく。

「フフフ、邪魔したね」

936:一年後・・・
09/10/01 23:41:59 VTYELg+s
健二にとって女の子に泣かれるのは慣れてないどころか大事件だ。
とにかく早くなんとかしたい。それだけだ。

「わ、わかりました。先輩」

安易な返事が自分の首を絞めることに気付かない。
俯きながら顔を覆っていた手を健二の方へ差し出し、小指を突き出す夏希。

「…握って」

健二は夏希の方へ手を伸ばす。
夏希は健二の伸びた手から小指を狙い、自分の小指で絡めとった。

「い、痛い!」

泣いていると油断した健二は、急に夏希に強く握り絞められ顔をしかめる。

「指きりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます。ゆびきった」

冷静は表情の夏希は一方的に宣言すると、真顔になって付け加えてきた。
(泣いていない!)
泣いていないことに対する安心と、女の怖さを味わって固まる。

「でね、条件があるの、陣内家本家の男はね、空手、剣道、少林寺拳法、柔道、いろいろな武道で黒帯とらないといけないの」

固まる健二にさらに追い討ちを掛ける。

「そんな、僕の正反対ですよ」

「佳住馬君と万助おじさんに頼んでおくから、OZ経由で教わってね」

「無理無理無理、絶対無理ですよ!」

「針千本飲みたいの?」

「・・・」

畳み掛けられて一気に話がまとめられる。
かくして、健二は夏希に振り回されるのであった。

937:一年後・・・
09/10/01 23:48:02 VTYELg+s
食事の後、健二は一日を振り返り湯船に浸かっていた。
夏希と健二の養子の話が出て、理香さんと理一さんはうれしそうだった。
プレッシャーから開放されたからだろうか。
法事を三日後に控え、前夜祭とばかりにずいぶんと盛り上がっていた。


ガラス越しに脱衣室で動く人影が見える。

「健二君、入っていい?」

動きの悪い古い木の戸が開くと、そこには夏希が多少は遠慮がちに立っていた。

「え?!うわー!なんで?」

うれしい展開だが、そんなことは全く予想外だ。

「去年は婚約者だったのに、今年も何もないってヘンじゃない?入るよ」

これ以上、健二に同意を求めても無駄だと思ったのか、一度戸を閉めると一瞬で服を脱ぐ姿がガラス越しに映る。
健二が意識できたのはそこまでだった。
下着を脱ぎ、タオルを一枚でうまく隠して浴室の戸を開けて入ってくる夏希の姿は、目には入るが頭でうまく認識ができない。
湯船に顔まで浸かる。
髪を結った姿、たまに見るけどいいかも・・・。

「あの・・・」

「背中流してあげようか?」

夏希は恥ずかしさをごまかすため、健二を遮るように喋り掛ける。

「いえ、もう洗いましたから」

「そうなんだ」

ちょっとガッカリしたように答えると、さっさと自分の体を洗い始める。
健二はボーっとしつつも、ずっと夏希の体を見ていた。

938:一年後・・・
09/10/01 23:50:04 VTYELg+s
完成してるけど、今日は落ちます。
スマン

939:名無しさん@ピンキー
09/10/02 14:14:14 i2Nk7AHk
乙!
続き楽しみにしてる!!

940:名無しさん@ピンキー
09/10/02 16:29:03 +3sT43wn
おk
パンツずり下ろして待ってる

941:名無しさん@ピンキー
09/10/02 16:34:07 u4sGmYpr
そろそろ全裸待機がきつい季節になってきた。

942:夏戦争×時駆少女
09/10/02 16:34:43 ADXfBm0l
太助さんも黒帯とってるんですねw
意外でしたww
続きを楽しみにしてます!

943:名無しさん@ピンキー
09/10/02 18:43:31 KmOYGqzp
楽しみにしてるぜ!

944:名無しさん@ピンキー
09/10/02 19:33:05 hLXSSmqm
俺の股間も楽しみだぜ!

945:一年後・・・
09/10/02 20:49:06 UovsMtV2
寒いのにゴメン。
読み返して、あんまりエロく書けなくて、直してたが無理だった。
俺も全裸で投下するよ。


946:名無しさん@ピンキー
09/10/02 20:53:12 EK66ksPp
三点リーダ使えと

947:一年後…
09/10/02 21:01:28 UovsMtV2
夏希は健二の方に振り向き、体を小さく丸める。

「そんなに見ないでよ」

「すみません、…先輩の体のラインがきれいな曲線なので、つい数式が頭に浮かんで…」

夏希の体を見ながらも、健二の頭の中では数学のいろいろな曲線の式に変換されていた。

「夏希ちゃんの裸をみて、数式を思い浮かぶとは失礼ね」

またこれだ。
夏希はちょっと拗ねたように笑う。
美しい数式や曲線というのは数学ではひとつの理想、究極を意味する。
遠まわしに誉めたつもりだったが、理系的の的外れな誉め方は夏希には全く通じない。
居心地の悪くなった健二は湯船を出て、苦笑いする夏希の横を通り戸を開けようとする。

「あの、もう上がりますね」

「ちょっと待ってよ」

「そこ座って」

お互い体は隠すようにして、膝を付けて向かい合い正座する。

「ちょっと、動かないでね」

そのまま、夏希は健二にお辞儀するように上体を曲げ、健二のを間近で見る。

「こんなのになるんだ」

「センパ…イ…ちょ」

そのまま掴んで、なめる。

「ちょっと!、汚いですよ。センパ…イ」

一旦口を離し、上目使いに見上げてくる。
その間も添えられた手は動いていた。

「いいじゃない」

いたずらするような笑顔でこたえて、再び口を近づけて今度は咥えた。

「あっ…、ダメです」

チュバっ、グチュッ…
時折、浴室に小さく響く音。
憧れの先輩が裸になって自分のモノを責められている光景に健二はクラクラした。
裸の夏希を前にして、簡単な刺激でも頂点に達しそうな気がする。

948:一年後…
09/10/02 21:05:51 UovsMtV2
「先輩、もう…イキそうかも」

湯船に長く浸かっていたせいもあり、夏希にどのくらいされてたのか感覚がなくなっている。
夏希の頭が上下に動くとき、結われた髪からのぞく白いうなじがきれいだった。

「いいよ。がまんしなくても」

そうは言うものの、健二としては口に出すわけにはいかない。

「アッ…、ダメです。汚いです」

健二の必死の抵抗も、夏希は気にしていなかった。
ちょっとだけ舐めるの止めて、健二を上目使いで見る。

「えへへ、いいって」

優しそうな表情に健二は、もう諦めた。
再び口の動きが速くなり、手の握る力が強くなった瞬間、

「くッ、はぁぁ」

健二は達してしまった。

「ウッ、キャッ!」

勢い良く口の中に出たことで、夏希はビックりして口を離す。
健二の勢いは止まらず、夏希の顔から胸に掛けて白濁した液にまみれる。

「スゴイ…」

夏希は口から少しと胸に掛かった液を拭き取りもせず、放心したように呟いた。
健二は白濁液が添えられた、夏希の姿に再び固くなる。
しかし、のぼせてもいた。

「…離して下さい」

夏希は健二のを掴み続けている。

「あ、ゴメン」

慌てて離す。

「ごめんなさい」

健二は夏希にかけてしまったことを謝る。

「気にしないでよ。本とかで読んで試してみたの。本当に白いんだね」

夏希はいつもの調子を取り戻し、二人で後始末をした。

949:エロローグ
09/10/02 21:14:32 UovsMtV2
『話さない?逢いたいよ』

お風呂でフラフラになった健二は部屋に戻って横になっていた。
グッタリと時間を忘れて休んでいると、メールを受信する。

夏希から短いメッセージ。
「逢いたい」の文字に、健二は心臓をギュッと鷲掴みされたような感覚に陥る。
田舎の夜は早い。
まだ0時前だったが、真夜中の静けさと涼しさがあった。
部屋の配置も考慮されていたのか、部屋は程近く他の親戚との部屋とも離れている。


夏希は縁側に腰掛けて月を見ていた。
白い服が眩しい。
健二は黙って隣に腰掛ける。
涙の止まらない先輩を慰めた時は、入道雲に眩しい太陽だった。
月の光は静かに追憶の世界に導く。

「月との距離でも考えていた?」

どうも、夏希は健二が黙ると数学のことばかり考えると思うようだ。
間違いではないが。

「去年のこと思い出してました」

しばし、無言。
お互いに空を見上げる。

「いろいろあったものね」

会話は途切れ途切れで進む。
健二は緊張してる訳でもなく、夏希も急かそうとはしない。
都会の喧騒を離れて、ゆっくりと進む時間。
お互いに限られた時間しか逢えないが、今は違う。

夜に逢いたいと誘っても、隣に並んで座っても、触れてもこない。
しかし、夏希は何もしてこない健二のことが好きだった。
手を出してきそうな男が、たくさんいることを知っている。
好きなタイプも肉食と呼ばれる辺りにいると思っていた。
しかし、子供の頃に作られた侘助への憧れの強さは高いハードルをつくることになる。
積極的な同世代の男子にそのハードルを越えるような者は存在するはずもなく、
虚勢で自分を大きく見せようとする男子への興味はない。

950:エロローグ
09/10/02 21:17:37 UovsMtV2
手を出してこない安心感と素直さと可愛さから、
健二は夏希にとってお気に入りの男子ではあったが、恋人になるとは思っていなかった。
恋人役を頼める可愛い後輩が、大ばあちゃんに認められたことと、
男らしく変わってゆく姿に夏希は一気に傾いていった。
お互いの関係はなかなか進まないが、夏希も精神的にかなり委ねていると感じる。
健二から何されても、受け入れることができと思う。
もっとも、健二は自分のイヤなことは絶対しないだろう。

ふと、健二は夏希の方を見ると胸元が大きく開いている。
ボタンは上から3つほど留められていない。
ワンピースかと思ったら、大きめの白いワイシャツのようなパジャマを着ていた。
視線に気付く夏希。

「コラ。ちょっと、どこみてるの?」

胸を隠すこともなく、顔は笑っていた。

「やっぱり、胸とか好き?」

「はい、先輩のは…特に」

「ご褒美」

ギュッ抱きついてくる。
胸が当たるように。
夏希は立ち上がり、手を引いて健二を立たせる。

「こっちきて」

お互いにあまり変わらない身長。
健二は簡単に引き寄せられ、夏希に部屋に二人で入る。

「キスしていいですか?」

今更?
夏希は、ちょっと驚いて目を見開く。

「…健二君、そういうことは、返事聞かなくてもいいって、誰かに言われたことない?」

また苦笑する夏希。

951:エロローグ
09/10/02 21:21:43 UovsMtV2
「スミマセン」

チュッ

イジメたくなって首の後ろまで手を回し、
ガッチリと固定して噛み付くようなキスを健二した。

「もう一回する?」

「もう一回します」

今度は健二の方から強く抱きしめてきた。

「…うッ」

思わず夏希の口から声が漏れた。
舌を入れてくる健二。
夏希にとって想定外な行動。

「はぁ…」

息苦しさと口の中に入ってくる舌の動きに、健二の首に巻き付けた腕の力が抜けてゆく。
長いキス。
いつの間にか口の中を蹂躙されているような気分になった。

ズチュッ

唇を吸われる音で我に帰り気付く。
体の力は完全に抜け、自分は健二の腕に支えられていた。

「ちょっ、止めて。座らせて、はぁ」

息を少し切らしながら、夏希の方から助けを求めた。

「はい」

やはり従順な健二だった。
ちょっと前かがみになって健二に寄り添う夏希。
胸元がチラチラと見えて、健二は視線のやり場に困る。
この辺り、夏希は天然なのか確信犯なのか。

「あの、あの~、先輩、さっきから胸が…見えてます。それに…」

次の言葉に詰まる。
抱きしめた時の腕に残った柔らかさを、間違いないと確かめたい。
谷間を眺めながら言葉を続ける。

「ブ、…下着って……しないのですか?」

言葉を選びながら、ようやく質問できた。

「私、寝るときはブラしないから」

あっけらかんと答える夏希。

952:エロローグ
09/10/02 21:24:16 UovsMtV2
「ねぇ、抱きしめてよ」

夏希から続きを促されて、抱きしめながら健二の手は遠慮がちにゆっくりと夏希の肌をさまよう。
決して胸や下腹部には近づくことはない。そして、長く続く。
その動きに夏希は安心していたが、結果として自分の体が焦らされていることに気づいてなかった。

「はぁ…ぁ、…ァっッ」

時折、ぞくぞくして声が出そうになるが我慢する。
背中や首など健二にとっては当り障りのない所に触れているつもりだったが、確実に夏希の体を追い詰める。
耐えられなくなって夏希は、健二のパンツに手を入れ直接掴む。

「あっ、イキナリ…」

この直接的に行動する辺りが健二とは違う。
熱くなった夏希の体ではあったが、指先はヒヤリとしていて健二はゾクゾクした。

「健二君の、アツいよ」

「先輩の体もアツいです」

…………

「健二君、胸触っていいよ」

許可しないと一生触ってくれないかもしれない。
服の上からではあるが、背中の方から健二の手はゆっくりと胸に近づいてくる。
そのまま、先端まで指先が優しく触れた。

「いやぁぁん」

軽く触れられただけなのに、大きめの声が出たことが恥ずかしかった。
柔らかい。念願の胸に触れたことと自分の行為に感じるている声を出す夏希に、
健二はイキそうになる。

「健二君、ちょっと脱いでよ。さっきみたいにしたい」

夏希は恥ずかしくなったのか自分から責めることにする。
健二の着てるものを全て脱がした。

「先輩もいいですか」

ワイシャツのボタンを外し終えた所で止められる。

「全部はダメ」

夏希のわがままだったが、健二には反抗する気はない。
それでも、ボタンが全て外された姿で十分だった。
夏希の手の動きは、滑らかに健二もモノを撫でる。
二回目で要領を得たのか、いまの状況がそうさせるのかかなり早くイキそうだった。

「夏希先輩…柔らかい」

953:エロローグ
09/10/02 21:28:34 UovsMtV2
服によって胸の大きさが変わって見えることに、一喜一憂していた健二だったが、
触った感覚はそういうことを超えていた。
夏希の胸が大きいのか小さいのか判らなかったが、
触ってみるとなんともいえない柔らかさがある。
健二には十分大きく感じた。
健二の潤んだ目に、夏希も体の奥が熱くなるのがわかる。
思わず舐めてしまう。

「ぁぁ、もうイキます」

夏希の胸を触るということで健二はすでにギリギリだった。

「いいよ」

「ふぁ…、はぁ」

優しい表情と潤んだ目に健二も最高潮に達した。
汚さないようにしたつもりだったが、何回かビュッと飛び散る。
本日二回目でも全く手加減のない量だった。

「アツぃ!」

太ももに掛かった健二の白濁液に驚きの声を上げる夏希。

「さっきは、お風呂場でしたが今は体表が冷やされてますから…
またかけてしまって、スミマセン」

申し訳ない気持ちを誤魔化す為、論理的な展開を話してしまう健二。

「いいよ。健二君の精子が掛かるのイヤじゃないよ。なんかうれしい」

びっくりな発言をする夏希だった。
さらに続ける。

「私にもしてよ」

恥ずかしさで俯く健二。
胸を触ることでも十分だったが、
どうも次へ進むということらしい。

「したことないし、どうすればいいですか?」

夏希の着衣もかなり乱れており、胸にも直接、健二の手によって揉まれていた。
さすがの夏希も、困った顔をする。
ここまで来て、何を説明するの?

「あんまり言わせないで…」


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