09/08/27 16:16:59 EDlkmLw8
部屋に逃げ帰った俺は汗だくだが嫌な悪寒が背中を襲って離れない
水を飲んで落ち着くと冷静に少し考えてみる
(「周りには他の人間がいなかったから見られてはいないはず…」)
(「あのガキも突然目の前に俺がいたのだから俺の事は覚えてないはず…」)
俺は自分に言い聞かせる
しかし不安は拭いきれずドアも窓の鍵も閉め切り部屋の中でじっとしていた
夜になりどうやら近所でも騒いでる様子が全く無いと分かると
やっと落ち着いてきだが鍵を開ける事は出来なかった
蒸した部屋で汗だらけだが気にせず布団に寝転ぶと自分の身に起きた事を考えてみる
(「あの時、突然時間が止まった…何故止まった?…何があった?」)
しかし考えても何も出てこない、そして後悔が始まる
(「時間が止まってる間に金を盗みにいけばよかった…」)
(「あれも手に入った…憎いアイツにも仕返しが出来た…好きなあの子を自由に出来た…」)
閉め切られた蒸し暑い部屋で後悔だけが広がっていく
(「何故やらなかったんだ…」)
(「畜生…」)
(「畜生……」)
「チクショーーーーッ!!」
周囲の音が消えた
ボロアパートだから普段から隣の声や外の音も漏れて聞こえるのだがそれが聞こえてこない
俺が怒鳴ったから隣人が黙った感じではない
俺はある予感を感じて静かにドアの鍵を開けると慎重に外の様子を伺い出て行く