10/01/03 14:30:54 IY/cWcMF
Side Satoshi
唐突だけど、俺には好きな人がいる。
「ただいまー」
「お邪魔します」
「おかえりー」
今から顔だけ出して姉ちゃんを出迎える。
ばたばたと靴を脱ぐ姉ちゃんとは対照的に、きちんと脱いだ靴を揃えているのは、秋山澪さん。
姉ちゃんの幼馴染み。
「澪さん、いらっしゃい」
「お邪魔します、聡くん」
内心の照れを悟られないように、出来るだけきちんとあいさつする。
「聡ー、部屋で勉強するから、後でお茶とかお菓子持ってきてよー」
「おい律、自分でやれよ」
「えー別にいいじゃん」
ぶーっと頬を膨らませる姉ちゃん。
少しは澪さんを見習って女らしくなればいいのに。
「いいです、澪さん。適当に持ってくから、ちゃんと勉強教えてもらえよ姉ちゃん」
「わかってるよ。補習はやだもんなぁ」
「ほら律、早く勉強するぞ。じゃあ、聡くん」
「いででででで、耳ひっぱんなよー!」
姉ちゃんが澪さんに引っ張られていく。
我が姉ながらもう少ししっかりして欲しいと思う。
そしてやっぱり澪さんは素敵だ。
俺の好きな人、秋山澪さん。