10/04/17 09:03:27 AgQ/r4FQ
「恭子、恭子、おいっ!!」
恭子はぐったりとしたまま、薄く目を開けていた。
「……いやぁ、モヤシくん強い…なぁ。……惚れ直…したよ」
恭子は途切れ途切れながらもそう言った。
呼吸は苦しそうだが命に別状がありそうではない。
俺は安堵で顔が緩む。
「おう。何たってお前の彼氏だぜ」
パンと腕を叩いて誇ると、恭子がけらけらと笑った。
「何だよ」
「だって…力瘤全然ないじゃん」
「う、うるせぇ。見た目じゃねえんだよ」
俺はそう言って恭子の腹をそっと撫でる。
恭子は一瞬つらそうにした後、俺をじっと見上げた。
「この腕はな、お前を大事にする為についてんだ」
お返しに俺は特段の臭い台詞を吐いてやる。さぁ罵れ。
「ふふっ」
でも恭子はこんな時に限って否定しやがらない。
ただ1人でくすくすと、幸せそうに笑い続けるだけだった。
END