10/04/17 08:51:20 AgQ/r4FQ
ラブホテルの照明というやつはよく出来ている。
その黄金色の光にかかれば男の肌さえ妖艶に映るからだ。
しかし俺の前に横たわる女は、そんな小細工など必要ない。いい肌だ。
さて、こいつは何者か。
160cm51kg、スタイルを見ればグラビアアイドルとも思えるだろう。
だが腹を触れば異常なほど鍛えられている事がわかる。
吸い付くような手触り、これはそこらの女と同じ。
だが1度押すと驚く。まるで生ゴムのような弾力性なのだ。
体重を込めて肩で押し込むと逆に上半身が跳ね返ってしまう。
「うっ!……はッ…は、モヤシくぅん、いいよそれ」
女が喘いだ。
モヤシくんとは俺の呼び名だ。嫌味っぽく聞こえるが愛称だと信じたい。
俺をモヤシ呼ばわりするこの女は芦屋恭子(あしやきょうこ)という。
女子キックボクシングの元フライ級日本王者だ。
8連続防衛という化け物じみた記録を持ち、誰も挑戦者しなくなったので最近階級を上げた。
つまり今はスーパーフライ級になる。
もっとも彼女のキック力は男を2発で泣かすレベルなので、1階級上げても変わりがない。
むしろ相手に勝つより、体重が階級の下限リミットを割らないよう苦心するらしい。
男なら暴食して膨らませれば済むが、あいにく恭子は見目がいい。
客の大半は恭子のスレンダーな肢体を見に来ているので、下手に体重を増やせないのだ。
今の女子キックの興行を支えているのがまさに恭子と言っても過言ではなく、
スタイルが崩れでもしたら協会からお叱りを受けるのだとか。
考えてみてくれ、そんな相手からセックスしろと強いられる男の気分を。
しかもただのセックスじゃない、“腹を殴りながら”の結合だ。
そう、この恭子は腹を殴られて火照る変態なんだ。
……そうしたのは他ならぬ俺なんだが。