10/01/08 20:53:06 Hx+ZQuEe
それはサイトとルイズが会ってほんの、ほんの少し時間が立ったころの話。
「トリステインの虹」と呼ばれる学院のハジにある樹の木陰にルイズは寝そべっていた。そこに、
「なあルイズ。いやルイズ様。俺のズ…下履き知らないでしょうか」
ルイズが見れば、そこには下半身を布団代わりの藁で覆い尽くしたそれ~はそれ~はみすぼらしいサイトの姿が。
覚えが、ウロだが、有った。
「あ、な…何よ。知らないわよ」
今朝このご主人様が(珍しく!)早起きすると、ベッドのすぐ近くに寝相悪く下履きをミラクルに脱ぎ捨てたサイトがいたのだ。
朝からそれを目撃させられたルイズは憤慨、サイトの下履きを「ある場所」に隠したのだ。
「…うそ。ほんとはネ、知ってるの。でもこの頃あんたちょっと生意気だから。だから…」
「知ってんのかー、ルイーィィィズ!この!」
「あ、あんっ!力押しじゃ絶対教えてあげないんだから」
と、顔をあさっての方向に向けるルイズであった。
「じゃあこの情けない格好どうすればいいんだよう」
ルイズがちょいっと目だけを瞬間的にサイトを向けると、どうやら半泣きの様子。
ふん!良い気味だわ。でも…。そうね。
「ひざまくら。それで許してあげる」
サイトは、顔をそっぽ向けたままでいるルイズに、こくこくと頭をうなづかせていたが、それでは伝わらないと気づき、
「はい!犬さんである俺膝枕しますいやさせて下さいワウワンワン」
「じゃ木の陰に座ってちょうだい」
バババッ。犬、陰、座った。あぐら。素足だよ!
「犬、迎撃準備完了」
ちょっとサイトの態度が気に食わなかったルイズではあった。しかし、
「じゃ、じゃあ寝るわよ?動かないでよね…。そのまま…」
頭をサイトの膝に任せ、静かに、静かに…。
ネた。ご主人様ネイったよ平賀才人!
どうする自分。…べ、別にやましいことはナニひとつするつもりはないっ。
寒い下半身のことを考えれば、無事平穏が一番!
そうこうする内にサイトも眠ってしまった。
…黄金のようなひと時であった。それはまだ訪れない運命の嵐の前の静けさ。
時は、ゆるやかに、ゆるやかに流れていった。
そしてサイトの「下履き」はと言うと、タバサが、音も無く現れ。
ルイズ、愛くるしい寝顔。タバサは眠るルイズに「下履き」をかけてさらにぽかぽかにして去って行った。
~fin~