09/11/17 00:12:16 EdC1W+Of
そして……。
「あ、あんた……まさか……『まさか』はないわよね？ 確かに、
ちょっとは……いじめたけど、いろいろ面倒は見てあげたわけだし……ねえ？」
裸にされたルイズは柱に縛り上げられていた。
「……周りを蝿が飛んでるだけで、わけもなく叩いて殺したくなるだろ？ そんな心境」
才人の手には、血塗られた一振りの剣が握られている。 かつて、自分を『相棒』と呼んだ剣。
もう、口をきくことはないただの剣だった。
「どう？ 言ったことの意味、わかる？」
ルイズは激しく首を振った。
「ゆ、許して……ねえ、謝るから……お金が欲しいんならいくらでも出すわ、だから……」
「金？ どこで何を買えばいいわけ？ もうただの紙切れだよ」
才人は、ゆっくりと剣を振り上げた。
「じょ、冗談でしょ、や、やめ……」
「バイバイ、マスター……」
ギャッという短い悲鳴。
肉と骨を切る音に続いて、血しぶきが飛び散った。
全てを終わらせた才人は、死体の山に火を放つ。
「ありがとう、シエスタ……今、そっちへ行くよ……」
混乱のさなかで命を落とした、愛しいメイドに呼びかけるようにつぶやく。
死体は燃え上がり、あっという間に学院は炎に包まれていった。
炎の中に消えた、その後の才人を見た者は誰もいない。