10/02/18 14:59:22 C6nw289g
保
201:名無しさん@ピンキー
10/02/25 22:27:12 yZHRE+Tj
ほ
202:名無しさん@ピンキー
10/02/26 21:31:26 KRKAlBXq
し
203:名無しさん@ピンキー
10/02/26 21:49:54 ivrTtXLe
の
204:名無しさん@ピンキー
10/02/26 23:10:19 KRKAlBXq
あ
205:名無しさん@ピンキー
10/02/26 23:31:20 qZuyUUMx
ま
206:名無しさん@ピンキー
10/02/27 01:11:32 iCMM89X0
ね
207:名無しさん@ピンキー
10/02/28 13:17:20 Qf2azykf
ち
208:名無しさん@ピンキー
10/03/03 15:11:09 bPmlKnWg
み
209:名無しさん@ピンキー
10/03/06 23:56:06 ODI6xuTP
保守も楽じゃない
210:きっとこの先も…1/4
10/03/15 06:10:31 SIg7cr2d
※元ネタ/山田太郎ものがたり(原作版)
・非エロ・4消費
・永原×鳥居・結婚後・鳥視点
1
帰宅した途端、上着を脱ぐ暇さえ与えられず彼の対面のソファーに座らされ、取り調べを受ける。
「それで今日はどうして遅れたんですか?」
「…すいません。クラスの子の進路相談に乗っていて…」
「そうですか。相手は女子生徒ですか?それとも男子生徒ですか?」
「じょ、女子生徒です!」
「本当に?」
銀の細いフレームのレンズ越しに、彼の切れ長の眼がさらに鋭くなった。
「は、はい!」
「こんな遅くまで?」
「その…遅くなってしまったので、一人で帰すのは危険かと思って…」
「そうですか。実に生徒思いな先生ですね」
そう言うと、眞実さんは極上の笑みを浮かべた。
「そ、そうですか?!」
彼に誉められ嬉しくなった私は、同じように微笑み返した。
途端に眞実さんの笑みは消え去り、先程と同じような何処か冷たい表情に戻った。
211:きっとこの先も…1/4
10/03/15 06:10:57 SIg7cr2d
※元ネタ/山田太郎ものがたり(原作版)
・非エロ・4レス消費
・永原×鳥居・結婚後・鳥視点
1
帰宅した途端、上着を脱ぐ暇さえ与えられず彼の対面のソファーに座らされ、取り調べを受ける。
「それで今日はどうして遅れたんですか?」
「…すいません。クラスの子の進路相談に乗っていて…」
「そうですか。相手は女子生徒ですか?それとも男子生徒ですか?」
「じょ、女子生徒です!」
「本当に?」
銀の細いフレームのレンズ越しに、彼の切れ長の眼がさらに鋭くなった。
「は、はい!」
「こんな遅くまで?」
「その…遅くなってしまったので、一人で帰すのは危険かと思って…」
「そうですか。実に生徒思いな先生ですね」
そう言うと、眞実さんは極上の笑みを浮かべた。
「そ、そうですか?!」
彼に誉められ嬉しくなった私は、同じように微笑み返した。
途端に眞実さんの笑みは消え去り、先程と同じような何処か冷たい表情に戻った。
212:きっとこの先も…1/2
10/03/15 06:12:13 SIg7cr2d
2
「…別に誉めてませんけど。あなたも一人の女性でしょう?」
「…はい」
そう言うと同時に、眞実さんは、私の左腕を自分の右手で掴んだ。
「痛っ!」
強い痛みが私の左腕を走った。私が声を発すると彼は手を離した。
ちらりと確認すると、握られたところは、すでに赤黒く内出血を起こしていた。
「こんな風にされたら、どうするんですか?こんな細い腕で、だいの男と戦えると思ってるんですか?」
「…いえ、出来ません…」
「それに―」
「は、はい。……え?」
10秒ほど経ってから、私は眞実さんに抱き締められている事に気がついた。
眞実さんは、私の服の上からでも分かるほど丸みを帯びたお腹を、
大きく細長い手で擦りながら言った。
「あなたとお腹の子に何かあったら…どうするんですか?…僕一人、置いていくつもりですか?」
「はい。……ご、ごめんなさい!眞実さんに心配かける事はもう二度としません!!」
…そうよ、京子。
私の身体は私一人のものじゃないのよ!
私と、私と眞実さんの大切な赤ちゃんの身体なのよ。
それなのに、私ったら……
母親として自覚のない行動を取った自分が情けなくなり、涙があふれ出てきた。
213:きっとこの先も…3/4
10/03/15 06:14:18 SIg7cr2d
3
「ええ。……ぷっ、くく…」
突然、眞実さんが笑いだした。
「な、何がそんなにおかしいんですか?!!」
「いや、失礼。鳥居ちゃんがあんまりにも鼻息荒く話すもんだから…可笑しくて。くく…」
…何なの。人が真剣に話したり、考えているっていうのに、この人は!!
怒りがこみあげてきた。
「そんなひどいです!…私、これでも真剣に話してるのに…。眞実さんの馬鹿!!」
「…鳥居ちゃん。今、僕に向かって馬鹿って言いましたね?」
「ええ、言いましたとも!!それが何か?!」
私は眞実さんを思いっきり睨みつけて、視線をそらした。
「……そうですか。あと5ヵ月後が楽しみですね」
予想外に上機嫌そうな相手の声につられて、再び眞実さんを見る。
「…な、な、何がですか?!」
「…いやですね。僕とあなたの可愛い子が産まれるんでしょ?」
「そ、そうですね」
「さて、次はどうしましょうか…」
「…え?次って…何の事です?」
「何でもありませんよ。ただの独り言ですから、気にしないでください」
今までの経験上、
何かとてつもなく嫌な事を企んでいるのではと感じさせるほど、目の前の眞実さんは上機嫌に見える。
こ、恐すぎる。絶対、何かある!冷や汗が私の全身を襲う。
「…まぁ、今はせいぜい身体を大事にしてください。僕の大事な子ですから」
眞実さんはその場に立ち上がった。
美形ながら、高校時代に空手で鍛えぬいた長身も手伝ってか、見下ろされると威圧感がとてつもない。
「…そのくらい分かってますよ」
ぼそりと一言文句を言うと、私はたえ切れなくなって視線を床へと落とした。
「今、何か言いました?」
「き、気のせいですよ…」
眞実さんは上半身を屈めて、私の首筋に息がかかるくらい顔を近づけてきた。
私はくすぐったくなったが、懸命に気づかないふりをした。
「…そうですか。僕はこれから入浴してきます。出たら書斎にいるので、何かあったら呼んでください」
しばらく私の様子を観察していた眞実さん。いい加減飽きたのか、
珍しく、あっさりと引き上げ宣言をすると居間を後にした。
「は、はぁ~い♪分かりました♪」
私は精一杯の猫なで声で、部屋の外に返事をした。
214:きっとこの先も…4/4
10/03/15 06:16:18 SIg7cr2d
4
ぼそっと言ったつもりが危うく気づかれるところだったわ。眞実さんって案外地獄耳なのかも…。
足音をたてないようにドアに忍び寄り、彼の足音が遠ざかった事を確認する。
もう何も聞こえない。よし、大丈夫!
「…はぁー…危なかった」
極度の緊張感から解放された私は一つ大きな息を吐くと、ソファーに戻りさらに深く寄りかかった。
「…あ、そうそう。鳥居ちゃんはムチとロープでしたら、どちらがいいですか?」
真後ろから、再びあの恐怖の声がした。
一体……いつのまに!?
「……え?何の事です~?」
「5ヵ月後に使う予定なので、早めに決めておいてくださいね」
例のごとく、眞実さんは極上の笑みを浮かべた。
同時に私は何だか頭がくらくらしてきた。鉄分不足かしら?
「と、鳥居ちゃん!しっかりしなさい!鳥居―」
ああ、眞実さんの声がだんだん遠く…
―きっと二人の関係は、これからも変わらないのだ。
何故なら、この人の趣味は妻=私をいじっていじめ抜く事なのだから……
そんな彼に私は惚れてしまったのだから……
End.
215:名無しさん@ピンキー
10/03/16 12:03:43 2DxjY57X
>>210
投下乙
気付いてるかもしれないが1を間違って2回投下してるぞ
216:名無しさん@ピンキー
10/03/17 05:39:27 COPKSdSF
>>215
サンクス。気をつけるよ。
217:いつもの貴方が一番1/2
10/03/17 05:42:02 COPKSdSF
※非エロ・2レス消費
ネタ/ごくせん(原作版)沢田×久美子・内緒で交際設定・久視点・意味不オチ
私は幼い頃に両親が他界し、
その頃から祖父である黒田龍太郎・黒田一家三代目とその周囲の男達に囲まれ生活してきた。
そんな環境と私自身が喧嘩・スポーツ全般負けなしという事もあり、
大抵の同級生からは恐れられ距離を置かれてきた。
そんな私は父親の影響なのか、教師になる道を選んだ。
今は不良ばかりが集まる白金学園の2B組の担任をしている。担当教科は数学だ。
授業なんてろくに聞きやしない奴らを相手に、数学を教えたりするのはとても大変だが、
何だかんだ言って充実した毎日を送っているのも確かだ。
これも、特に親しくしている5人組のおかげかもしれない。
特にそのリーダーを務めている沢田慎は私にとっても、いなくてはならない大事な相棒だ。
最近その相棒が、
何・故・だか、クッサイ台詞を連日のように、私に吐くようになって大変困っている。
しかも、相手が男前なだけに余計質が悪い。どんなにクッサイ台詞でさえ、
あいつにかかれば、たちまちイカした口説き文句に変わってしまう。
……さすがの私も、少しも心が揺るがないかといえばウソになる。
しかし所謂、教師と生徒の仲。恋に堕ちる事は許されぬ禁断の関係だ。
まぁ……藤山先生的にはありかもしれないけど。
あ……やば、見つかった。あいつがこっちに向かって来る。
さっき上手くまいたと思ったんだけどな……。
あ~何か、あいつの後ろにユリやバラやらが…見えるぞ。おまえは男版宝塚か?!
しかも頭には蝶が舞い、肩じゃオカリナが囀っているじゃないか……
頼むからこれ以上近づかないでくれ!!!
赤獅子…いやレッドプリンス!!私はおまえのお姫さまにはなれないんだ!!!
…おかしい。
私はさっきから全速力で走っているというのに、いっこうに距離はひらかない。
いや、それどころか…むしろ縮まっている!!!
どうなってるんだ?!これは…。
ふと後ろを振り向くと、そこにはプリンススマイルを浮かべたあいつが立っていた。
218:いつもの貴方が一番2/2
10/03/17 05:42:52 COPKSdSF
「うわぁああ~!!?」
私はがばりと起き上がった。辺りは真っ暗やみだ。
とりあえず自分の顔や身体を触ってみる。
「ん?…あれ?何ともない。はぁー夢か…。よかった…」
しかし全身汗でもかいたのか、髪や服・下着までもがベトついて気持ち悪くて仕方がない。
私は一度起きて着替える事にした。
着替えを終え、
再びベットに潜り込もうとするとその振動が伝わったのか、あいつが起きてしまった。
「ん?…どうした?久美子…」
「あ…ごめん。起こしちゃったよな」
「気にするな。ほら寝るぞ」
寝起きのせいか、あいつの声はいつもより1トーンほど低くかった。
あいつは自分のすぐ隣をポンポンと二回ほど叩いた。
どうやら、こっちにもう少し来いという意味らしい。
……私は富士じゃないんだよ!と一瞬怒鳴りたくなったが、まぁたまには…いっか!
「おやすみ、久美子」
「…うん。おやすみ慎」
私はさっきつけた電気をパチリと消した。
それでは皆さんご機嫌よろしいようで―…
糸冬
219:名無しさん@ピンキー
10/03/17 09:20:49 COPKSdSF
>>217
訂正。
黒田龍太郎→黒田龍一郎
220:名無しさん@ピンキー
10/03/17 15:38:14 COPKSdSF
>>217
更に訂正;反省しますorz
白金学園→白金学院
2B組→3年4組
221:名無しさん@ピンキー
10/03/18 08:17:09 f9qbboOz
投下するなら見直しくらいきちんとしろ!
222:名無しさん@ピンキー
10/03/21 20:07:29 Szzx8lyn
投下乙
223:名無しさん@ピンキー
10/04/04 22:23:25 gSic6NXI
おつ
224:名無しさん@ピンキー
10/04/18 16:03:22 lsMexefl
保守
225:名無しさん@ピンキー
10/04/27 22:47:05 GHMNzZgS
二次創作投下します。
元ネタ:同人エロゲ「その花びらにくちづけを」
ジャンル:学園百合
エロ内容:最後の方に百合エロ(分量少し&ソフト)
百合レズ苦手な人はスルーしてください。
226:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(1/8)
10/04/27 22:47:59 GHMNzZgS
漫画のような出来事というのは漫画の中でしか起こりえない。
織田七海は常々、特に自分に関してはそう思ってきた。
だが最近の自分は、結構そういう「漫画みたいな出来事」に遭遇している気がする。
まず、せいぜい並程度の学力だった自分が、名門お嬢様学校の聖ミカエル女学園に入学したこと。これはまあ、多分に運もあるだろうが、努力の結果であるからいいとして。
驚いたのはそのミカ女で運命の人と出会い、その後その人と両思いだったということが判明し、あれよという間に人目を忍ぶ恋仲になってしまったということだ。
そんな少女漫画みたいな境遇の中に、七海はいる。
しかしそれ以外の点では、ごくごく普通の、平均的な女学生としての生活を送っている。
そう思っていた。そんなある日のこと。
「……」
朝の昇降口。自分の靴箱を開けた状態で、七海は固まっていた。目の前にある物体に、大いに戸惑っていた。
封筒、である。薄いピンク色の小綺麗な。
爆発物処理班のように慎重な手つきで、七海はそれを手に取った。
七海は手に取った封筒をしばし見つめてから、大きく深呼吸する。
(落ち着け……これはただ私の靴箱に手紙とおぼしき物体が存在していたというだけで、別にそういうアレと決まったわけではない……)
しばし瞑想し、波立つ精神を静めた七海は、それでも封をすぐに開けたりはせず、熟考する。
(考えられるパターンは……1:誰かのイタズラ、2:入れる靴箱を間違えた、3:ラの付くアレじゃなくてただの事務的な用件、4:あるいは果たし状、
5:そもそもこの手紙自体幻覚、6:夢落ち、7:仮想世界落ち、8:この世界自体が胡蝶の見ている夢、9:実は現実の自分は病院のベッドで―)
相当テンパっているのか、どんどん思考が変な方向に流れていく。考えている暇があればさっさと中身を見ればいいのだが、そんなセルフツッコミを入れる余裕もない。
「七海、ごきげんよう」
旧ナチス軍の陰謀まで仮説を立てたところで、背後から挨拶の声がかかった。振り向くと同時に、七海は慌てて手紙を後ろ手に隠した。
そこにいたのは他でもない、七海の運命の人―二年生の松原優菜だった。
凛とした表情、華やかに整った眉目、気品ある物腰―その容姿は多くの生徒達の羨望の的。加えて学業成績はトップクラス。そしてミカ女の環境整備委員会(学生自治の中心組織)の委員長を任されている。まさしく非の打ち所のない存在である。
―が、「しかしてその実態は」とか言いたくなるほど、七海の前ではやたらとエッチだったり、もの凄い焼き餅焼きだったりと、普段とのギャップが激しい人物である。ちなみに七海も環境整備委員会の一員なのだが、そうなったのは優菜の職権濫用あってこそだったりする。
それはさておき。
「ご、ごきげんよう……お姉様」
そう呼ぶ前に、七海はさりげなく周囲に目を配った。まだ朝早く、他の生徒の数は少ない。七海達の会話を聞かれる心配は無さそうだから、「お姉様」で問題無い。
「きょ、今日も良い天気ですね」
おそらく人類史上最もよく使われる当たり障りのない話題を振りながら、七海は優菜に気取られないよう注意して手紙を鞄の中にしまおうとする。
「七海、それって何?」
しかし一瞬の間もなく見抜かれていた。
「いや、これは、その……手紙、みたいなんですけど、まだ内容の検討が終わっていなくて、自分でもなんなのか……」
「中を見ればいいじゃない」
「ちょっ、待っ……!」
封筒をつまみ上げると、優菜はあっさり封を開けた。
「はいどうぞ」
開けただけで、人宛ての手紙を断り無く見るような真似はしない。優菜は折りたたまれた便せんをそのまま七海に渡した。
手に取った便せんは、なにやら良い匂いがした。文香が入っていたようだ。
七海は何度目かの深呼吸をして、手紙の内容に目を通した。
227:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(2/8)
10/04/27 22:48:38 GHMNzZgS
~ ~ ~ ~
織田七海さんへ。
突然このようなお手紙を出したことをお許し下さい。
単刀直入に用件を書きます。
私はあなたのことが好きです。
話を聞いていただけるなら、今日のお昼休み、体育館裏に来て下さい。
このように古風な呼び出しで戸惑われているかもしれませんが、決してイタズラなどではありません。
待っています。
~ ~ ~ ~
「うぎゃあ!?」
白木の杭を突き刺された吸血鬼のような叫びを上げる七海に、優菜は何事かと目を丸くした。
「どうしたの七海?」
「い、いや、その……えと……」
周章狼狽する七海に、優菜は何やら六感が働いたのか、目の奥をキラリと光らせた。
「まさか……ラブレター?」
「な、な、な……何で……!」
正解。当たり。図星。
七海のリアクションはあからさまにそれを示していた。
「だ……」
「だ……?」
「ダメ―っ!!」
朝っぱらから大声を上げる優菜。昇降口にちらほら見えていた他の生徒達が、驚いて目を向ける。
「おおおお姉様落ち着いて……!」
七海は慌てて優菜の口を押さえ、腕を引っ張っていく。まだ朝の予鈴まで間はあるので、話をする余裕ぐらいはありそうだった。
普段ならお昼休みを二人で過ごす校舎裏。滅多に人が来ないので密会向けでもあるこの場所に、今日は朝からお邪魔している。
「う~……七海ってば七海ってば、私というものがありながら~……」
多少は落ち着いたものの、優菜は涙をためて恨めしげな目つきで七海を見ている。
「いや、私が何かしたわけじゃないですし、そんなこと言われても……」
優菜が焼き餅焼きなのは毎度のことだが、今回ばかりは七海も頭を抱えた。
何と言っても優菜と七海は恋人同士なのだ。しかしそのことは二人以外には知られていない。
つまりこの手紙の差出人は、その事実は知らず七海に恋文を送ったわけだ。当然、横恋慕・略奪愛どうこうの自覚は無いのだから、当人に非はない。
「う゛~……」
しかしそんな理屈はすっ飛ばして、優菜は嫉妬の炎に身を焦がさんばかりだ。七海は大きなため息をついた。
「安心してくださいお姉様。きちんとお断りします」
「……本当?」
「もちろんです。私はお姉様一筋です。他の人なんて考えられません」
七海は優菜の目を強く見つめて、きっぱり言い放つ。
その途端、優菜の表情は一転して雲一つ無い快晴となった。
「な・な・みぃ~!」
「わきゃ!?」
抱きしめられた。七海の顔に、優菜の胸の膨らみがダイレクトに押しつけられる。
「お姉様、苦しいです~!」
「七海ぃ~! 私も! 私も七海一筋よ~!」
「むぐ……分かりましたから、放してください~!」
228:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(3/8)
10/04/27 22:50:00 GHMNzZgS
ようやく解放された七海は、一息ついてから件の手紙にもう一度目を落とした。
「それにしても……どうしてよりによって私にラブレターなんでしょう?」
「それは、七海が可愛いからに決まってるわ」
「いや……仮にそうだとしてもですよ? 私なんかよりもっと可愛かったり綺麗だったりする人は、ミカ女にわんさかいるじゃないですか。お姉様もそうだし……他にも―」
松原優菜を筆頭にして、二年生では沢口麻衣、それから最近になって人気が沸騰しているらしい北嶋楓、加えてマスコット的な人気では他の追随を許さない川村玲緒。
「―このあたりが現ミカ女二年生の四天王とも言うべき存在ですよね」
「まあ七海ってば、面白いこと言うのね」
「いや、事実ですから……」
それから七海と同じ一年生では何と言っても現役のトップモデルである北嶋紗良がいる。これはもう次元が違うといっていい存在だ。
三年生については七海もあまりよく知らないが、何でも大和撫子を絵に描いたような和風美人や、金髪碧眼の留学生など、これまたレベルの高そうな人材がいるそうな。
「―というわけでして」
「……何だか七海、校内の女の子の情報について妙に詳しくない?」
再び不機嫌そうなジト目になる優菜に、七海は大慌てで弁解する。
「へ、変な誤解しないでください! クラスで友達と話してたら、自然と耳に入ってきた情報です!」
「ふ~ん……」
「信じてくださいよぅ~!」
七海だって普通の女の子であるから、同級生とこの手の噂話に興じることもある。だからといって、優菜以外の女性に惹かれることなど断じてない! 多分。
「言い切ろうそこは!」
誰にともなくツッコミを入れてから、七海は話を続ける。
「ですから、私よりもよっぽどラブレターを貰いそうな人、というより現に貰ってると思われる人が、この学園にはいっぱいいるわけですよ。なのに何でこの手紙は私なんかに送られたのか……」
「そうかしら? 七海だって、さっき名前の挙がった人達にひけは取っていないと思うけど」
「お姉様……本気で言ってます?」
「もちろん」
自信たっぷりに頷く優菜。
恋人の欲目とはいえ、そう言ってもらえて嬉しくないといえば嘘になる。しかし七海が自覚しているステータスは、容姿は平均程度、成績はそこそこ、運動もやや良止まり、それぐらいでしかない。
優菜にここまでベタ惚れされているのを、自分でも時折不思議に思うぐらいなのだ。
だがしかし、今ここに七海宛てのラブレターがあることは事実なのである。
「それじゃあお姉様。すみませんけど、今日のお昼はご一緒できないかもしれません」
「えええーっ!? どうしてなのーっ!?」
「うわわっ!?」
七海の言葉に天地がひっくり返ったかのようなリアクションをする優菜。七海の方まで驚いていた。
「どうしてって……いや、だからこれの差出人にお断りの返事をしに行かないといけませんから」
「一人で行くつもりなの? 私は一緒に行っちゃダメなの?」
「そりゃあ……まさかラブレターの返事をしに行くのに恋人同伴だなんて、あんまりじゃないですか」
「む~……そんなこと言って本当は私の見ていない隙に、自分に好意を寄せている純情な女の子をちょこっとつまみ食いしてみよっかなー……なんて邪なことを考えてるんじゃないの!?」
「何ですかつまみ食いって!? 考えてませんよそんなこと!」
「でもでも、七海が方が誠実だったとしても、相手が問答無用で襲いかかってきたら!? ああっ……私の七海が、七海が……毒牙にーっ!」
「かかりません! そんな肉食獣はこの学校じゃお姉様ぐらいです!」
「失礼な! 私が問答無用で襲うのは七海だけよ!」
「そこは問答してくださいていうか襲わないでください! とにかく! 今日のお昼は私一人でちゃんとお断りしてきます! それが終わったらお姉様の教室にすぐ顔を出しますから! それでいいですね!」
有無を言わさぬ口調でまくし立てた七海。優菜は不満げな表情だったが、タイミング良く朝の予鈴が鳴り、その場はお開きとなった。
229:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(4/8)
10/04/27 22:51:19 GHMNzZgS
そんなこんなでお昼休み。優菜は自分の教室でお弁当の包みにも手を付けず、じっと七海を待っていた。
―のはせいぜい最初の五分ほどで、今はミカ女の淑女としてはしたなくないギリギリの早歩きでもって廊下を歩いていた。
たとえ確率はゼロパーセントに等しくても、七海が他の誰かのものになるかもしれない状況など、優菜にとってとてものこと、耐えられるものではなかった。
(ごめんなさい七海……あなたを信じていないわけじゃないけど、どうしても心配なのよ……)
七海に対して詫びる心内とは裏腹に、優菜の足は揺るぎなく歩を進めていく。いざゆかん! 敵は体育館裏にあり!
などと気合いを入れて歩いていたら、廊下の曲がり角で走ってきた誰かとぶつかった。
「きゃっ!」
「わぷっ!?」
小走り程度だったのか、ぶつかられた優菜は驚いただけだし、ぶつかってきた方も背丈が低いのが幸いして優菜の胸がクッション代わりになったようだ。
「あ、優菜先輩」
「あら、紗良ちゃん」
衝突の相手は一年生の北嶋紗良だった。学年は違うが優菜とは話す機会も多く、結構仲が良い。
紗良は優菜に頭を下げた。
「ごめんなさいっ! 急いでてつい……」
健気に謝る紗良を、優菜は怒るはずもなく、微笑ましく思った。きっと、今日も今日とていつものように、彼女が大好きな人のところに向かっていたのだろう。
「いえ、こちらも少しボーッとしていたわ。ごめんなさい。それより怪我は無い?」
「はい。紗良は全然平気です」
「そう。それなら良かったわ」
紗良はもう一度ペコリと頭を下げてから、小走りに駆けていった。優菜は笑顔でそんな紗良を見送り……一拍置いてからハッとする。
「いけない……私も急がなきゃ!」
いっそ紗良のように駆け出したい衝動を必死で抑えながら、優菜は体育館裏へ早歩きで向かっていった。
どうにか体育館裏が見渡せる場所に辿り着いた。優菜は物陰に身を隠し、七海の姿を探す。が、
「……いない?」
体育館裏には七海はおろか、猫の子一匹見あたらなかった。
(もしかして、私がもたもたしているうちに終わっちゃったのかしら?)
お昼休みが始まると同時に七海がすぐここへ来て、素早く交際をお断りして、その後すぐ優菜の教室へ向かったとしたら。
「ひょっとして、すれ違ったんじゃ……」
そう推測するや、優菜は来た道を即座に引き返していた。
「……来てない?」
優菜の教室にもその前の廊下にも、七海の姿は見えなかった。念のためクラスメイトに確認もしてみたが、やはり来てはいない。
「じゃあ……これから来るのかしら……?」
しかし七海は、終わったらすぐ顔を出すと言っていたはずだ。
腑に落ちない気持ちを抱えたまま、優菜は今度こそ自分の席で、じっと七海を待った。今すぐ探しに行きたい気持ちを堪えながら。
五分―十分―たったそれだけの時間でも、優菜にとっては恐ろしく長く感じられた。
しかし―
結局、お昼休みが終わるまで、七海は姿を見せなかった。
230:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(5/8)
10/04/27 22:53:10 GHMNzZgS
終業のチャイムが鳴った。
ホームルームを終えた生徒達は、めいめいが家へ帰るなり部活へ出るなりで散っていく。
昇降口は帰路に付く生徒達で溢れている。一人の人もいれば、誰かと一緒の人もいる。今日一日の授業から解放されたばかりなので、一様にその表情は明るい。
だがその中で一人、七海は唇を堅く引き結び、俯きがちに歩いていた。
帰りの挨拶をしてくる学友には返事をしているが、その笑顔は端から見ても分かるほどぎこちない。
「あ……」
昇降口を出たところで、七海は顔を上げた。
「……」
ことさら表情を押し殺した顔で、優菜が立っていた。
「あの……優菜……先輩……」
周りに生徒が多いので、七海はいつもの呼び方を控える。
「七海。何があったの?」
しかし優菜はそんなことお構いなしだった。真っ直ぐに七海の目を見据え、問いかける。
「あの……その……っ……」
七海は顔を俯かせ、言葉を詰まらせる。優菜はそんな七海の腕を、不意に掴んだ。
「えっ? あのっ、先輩?」
数人の生徒達の奇異な視線を尻目に、優菜は七海をその場から引っ張っていった。
いつもの校舎裏に着いて、ようやく優菜は七海の腕を放した。
「何があったの?」
そして同じ質問をする。あくまで落ち着いた口調で。
七海は大きく深呼吸をして、重い口を開いた。
「何も……何も無かったです。お姉様が心配していたようなことは、何も……」
「じゃあ……どうしてお昼休みに来てくれなかったの?」
「それは……」
「……」
言い淀む七海に、優菜は急かすようなことはせず、じっとその言葉を待っている。
やがて、七海は吶々と語り出した。
昼休みになって、七海はすぐ、手紙に書かれていた場所―体育館裏に向かった。
相手は既に待っていた。不安げな気色で、壁に寄り添うように立っている、七海の知らない一年生だった。
七海の顔を見た途端、その子は喜びと緊張が綯い交ぜになった表情をしながら、まずは突然の呼び出しを詫びた。それから、自分がいかに七海のことを見てきたか、想っているかを、辿々しく、精一杯に語り出した。
それらは七海の自覚・実像とは離れた部分も多い、羨望と希望が混じった目線ではあった。
しかし、当人は途方もなく真剣だった。本気で七海に憧れていた。
七海にはそれが分かった。何故なら、自分もまた、かつて―否。今でも、優菜に対して同じ思いを抱いているから。
だから辛かった。
かつての自分と同じだと分かったから、相手が真剣であればあるほど、その想いにどれだけの痛みが伴われているかが理解できた。
だがしかし、七海は彼女の思いを受け入れるわけにはいかなかった。
努めて感情を抑え、七海は伝えるべき事実だけを正直に伝えた。
いざというとき、自分はここまで冷静になれるのかと、驚くほど簡単に言葉は出た。言葉だけは。
相手の子は、しばしの沈黙の後、ただ頭を下げた。食いしばるように口を引き締めながら。恨みがましいことなど何一つ言わず。ただ、そのまま、目も合わさずに去っていった。
231:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(6/8)
10/04/27 22:55:09 GHMNzZgS
「それから……七海はどうしたの?」
「……昼休みが終わるまで、ここにいました。ごめんなさい。本当ならすぐにお姉様の所へ行くべきだったのに……」
振った直後の相手に感情移入してしまい、とてものこと、優菜に会えるような心境ではなかったのだ。
「真剣だったんです、あの子……私もお姉様のことを真剣に好きだったから……好きだから、分かったんです。私が拒絶すれば、どれだけ傷つくのかも……でも断るしかなくて……
でも……でも、後になって、もっと何か、傷つけなくて済む方法があったんじゃないかって後悔して……」
七海の目に、涙が浮かぶ。
優菜は、ただ黙って、そんな七海を抱き寄せた。幼子を守る母のように、泣いている七海を両手で包み込む。
七海は濡れた目をハッと見開いた。優しい暖かさが、痛む胸に染み渡る。いつも感じているはずのその温もりが、今は妙に懐かしい心地がした。
「っ……お、ねえ……さま」
「七海……」
「お姉様……私、嫌な子ですよね……お姉様のことを愛しているのに、他の子のことで、こんなに心をかき乱して……これじゃ、浮気者って言われてもしょうがないです……」
「違うわ七海。それはあなたが優しい子だからよ。そんなあなただから、私も好きになったのよ」
耳朶に唇を寄せ、優菜は諭すように呟く。
七海はか細い声を上げて、泣いた。
優菜はそんな七海を、ずっと抱きしめ続けていた。
「……七海。少し落ち着いた?」
すすり泣きもようやく治まった頃。優菜が尋ねると、七海はウサギのように真っ赤になった目を上げた。
「はい……ありがとうございます。でも……」
「?」
「もう少し、このまま……抱きしめて貰っていて、良いですか?」
優菜は一瞬キョトンとしてから、優しく微笑んだ。
「もちろんよ」
それを聞いて、ようやく七海の顔に、微かな笑みが浮かんだ。
「ありがとうございます……今日のお姉様は、何だかいつもとちょっと違いますね」
「あら、そうかしら?」
「はい。昇降口で会った時は、絶対大声で何か言われると思いましたもの」
「そういえばそうね。本当はあの時、思いっきり七海に向かって泣きわめこうと思ってたのよ」
「ええっ……!? あんなところで、ですか?」
「そうよ。なのに七海ってば、雨に濡れた子犬みたいにしょげちゃってるんだもの。毒気抜かれちゃったわ」
「そ……そんなに暗かったですか私?」
「ええ。そりゃあもう」
うんうんと頷く優菜に、自覚の無かった七海は申し訳ない気持ちで一杯になった。そういえば午後の授業の合間にも、クラスメイト達から妙に気遣うような態度を取られていた気がする。
上の空だったのでよく覚えていないが。
「……すみませんでした」
「謝るようなことじゃないわ。本当に辛かったんだものね」
「…………あの子も―」
「……七海を好きになった子?」
「はい……あの子も、今頃、泣いているんでしょうか」
「そうかもしれないわね……」
「…………私がもしお姉様に振られたら、多分、三日三晩ぐらいじゃ済まないぐらい泣いちゃいます」
「私だったら、七海に振られたら四半世紀は部屋に籠もって泣いて暮らすわね」
「お姉様……それはもはや引きこもりと呼ばれる領域です」
「それだけ想っているということよ」
「あ……」
優菜はそっと、七海の唇に自分のそれを重ねた。
232:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(7/8)
10/04/27 22:56:35 GHMNzZgS
「んっ……」
最初は軽く、ついばむように。二度目は少し深く、誘うように舌を踊らせる。
七海の口の中に、優菜の熱い舌が入り込んでくる。
「んぁ……お姉様、こんなとこで……あっ」
「割といつものことじゃない」
「そうかもしれませんけど……んんっ」
唇と舌を繋いだまま、優菜は七海の胸に手を伸ばす。慣れた手つきで制服をはだけさせるや、下着の中に手のひらを滑り込ませる。
「ひゃぅ……ぁ」
乳房を直接愛撫される感触に、七海の口から声が漏れるが、それもすぐ優菜の唇にふさがれてしまう。
「ん、ちゅ……七海の口の中……とっても甘いわ……んっ」
「ふぁ……ん……お姉様のも……っ」
二人の舌が何度も絡み、口づけを繰り返し、銀の糸を引く。
優菜の指先が乳首をつまむと、七海はビクリと体を震わせた。
「うふ……敏感ね」
「んっ、でも……お姉様だって……」
七海も負けじと指を伸ばす。優菜のスカートの中、指の腹でそこをこする。下着ごしでも濡れているのがすぐ分かった。
「あっ……七海ぃ」
「キスしてるだけなのに……もうこんなに濡れて……」
蜜に濡れた指先で、さらにそこを強くこする。
「あっあっ……いい……七海、もっと……」
「お姉様……」
制服越しにもお互いの肌が熱くなっているのが分かった。瞳は熱に潤み、頬は真っ赤に火照っている。
繰り返し唇を合わせ舌を絡ませながら、いつしか二人の手は互いの下腹部に伸び、濡れたそこに指を潜らせる。
「ふぁ……お姉、様……っ、も、う……」
「んっ……ダメよ、まだ……私も、一緒にイク、の……」
「は、い……」
頷き、七海は優菜の敏感な部分を指先で刺激する。優菜も同じように。どこよりも熱くなったそこを、互いに音が立つほど激しくこすり合う。
「あっ、んっ、七海……七海ぃ」
「お姉様、お姉様っ……んん、っ、あ、ああああっ……!」
「んああ、ああっ……!」
迫り上がった何かが弾けるような感覚。二人の体が動じに大きく震えた。
七海と優菜は、お互いにもたれるように体を寄せ合った。
「お姉様……イっちゃいました……」
「私も……ふふ」
熱く火照った頬をすり合わせた後、優菜は笑みを浮かべて七海にキスをする。
激しい行為の余韻の中、柔らかい唇の感触が心地よかった。
233:その花びらにくちづけを 恋文ごよみ(8/8)
10/04/27 22:58:24 GHMNzZgS
「ねえ七海……私、あなたのことが大好きよ」
「はい……私も、お姉様のことが大好きです」
「私が七海が会えたのは、きっと運命だったのよ。赤い糸で結ばれた恋人同士みたいに……」
「はい……」
「誰にだってそんな、運命の人がいる……だからね……七海を好きになったあの子も、きっといつか、素敵な人に巡り会えるはずよ」
「そう……でしょうか?」
「当たり前じゃない。何と言っても、私の七海に目を付ける慧眼っぷりだもの。きっと素晴らしい恋人を見つけるに決まっているわ」
優菜は自信たっぷりな笑みを浮かべた。七海もつられて、笑みを浮かべた。
「さて……ある程度話がまとまったところで、続きをしましょうか」
「……はい?」
さっきまでとは種類の違う、にんまり笑顔の優菜。七海にとってはある意味、慣れ親しんだ表情だった。
七海は慌てて身を離す。乱れた制服を急いで整えようとする。
「あ、あのちょっと待ってくださいお姉様」
「あら、どうしたの?」
「その、場所と時間が問題ですから、ここまでに……」
七海の言葉が終わらないうちに、優菜の目に涙がたまる。
「うるうる~……七海ってば、この状況でそんな冷めた意見を言うだなんて、やっぱり私との関係に飽きてきたのね~」
「いやいやいやいや! そんなんじゃありませんってば! ほらもう放課後で! あんまり、その……しすぎると遅くなるじゃないですか。長居してたら誰かこないとも限りませんしね」
「確かにその通りね」
「はい。ですから―」
「でも時には本能の赴くままに行動するのも大事だと思うの!」
「お姉様は私といる時いっつも本能全開じゃないですか!」
「何とでもお言いなさい。とにかく、私はもうスイッチが入ってしまったのよ……逃がさないわ七海ーっ!」
「お……」
放課後の学舎の一隅で、
「お姉様のエロ乙女ーっ!」
乙女のか細い悲鳴がこだました……。
〈おわり〉
234:名無しさん@ピンキー
10/04/27 22:59:53 GHMNzZgS
以上です。
読んでくれた方、ありがとうございました。
235:名無しさん@ピンキー
10/04/28 13:33:57 KPGr3/3U
乙!
236:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:11:12 oTivbmOW
同じようなのが連続になってしまいますが同シリーズ元ネタの二次創作投下します。
元ネタ:同人エロゲ「その花びらにくちづけを」シリーズ 今回は麻衣×玲緒
ジャンル:百合
エロ内容:後半に百合エロ
百合レズ苦手な人はスルーしてください。
「むむむむむ……」
休日の昼前。玲緒は自室のベッドに腰掛け、何やらうめき声を上げていた。
「うう……ぬぬぬ……」
額には微かに汗をかき、緊張した面持ちで手元を見つめる。
手に持っているのは携帯ゲーム機。震える指先でタッチペンを動かし、恐る恐る操作する。
ゆっくりとした足音、床の軋む音、明滅する蛍光灯の音……音量をしぼったイヤホンからは、妙にリアリティのある効果音が漏れていた。
何のことはない。玲緒はいわゆる怖いゲームをやっているのだ。
ゲーム画面の中では玲緒の操作する主人公が、今まさにドアノブに手を掛け、固く閉じられた扉を開けようとした。
「んぐ……」
玲緒は思わず唾を飲み込む。
おそらくここで何かがある。プレイヤーを怖がらせるものが出てくる。
玲緒はあらかじめそう自分に言い聞かせていた。何度も何度も言い聞かせていた。
心構えが出来ていれば、そうそう怖いものなど無いはずだ。
だが―
「ま……麻衣ーっ!」
主人公がまさに扉の中に踏み込んだ瞬間、玲緒は大声を上げた。
「あのさぁ玲緒……怖いシーンになるたびに隣の部屋にいる私を呼ぶくらいなら、最初から一緒の部屋でやればいいじゃない」
玲緒と並んでベッドに腰掛けながら、麻衣は少々うんざりした声を上げる。
「だ……だってこういうゲームは一人でやってこそ醍醐味ってのがあるじゃない。感じが出るっていうか」
玲緒は顔を赤らめつつ反論する。しかし麻衣はあくまで冷静にやり返す。
「その一人でやるゲームのために、わざわざ私を呼んだ人が言う?」
「う……」
「いるのよねぇ……怖いのダメなくせして、ホラーゲームやホラー映画の類が好きな人って」
「ううう……」
ことごとく図星なことを言われ、凹む玲緒。
麻衣は軽くため息をついて、愚痴りだした。
「せっかくのお休みに、玲緒のおうちにお呼ばれして、これはもう久々に特盛りコースで玲緒とエッチできると思って鼻血出しそうになりながら喜び勇んできたっていうのに……」
「っ……もうちょっとオブラートに包んだ言い方をしなさいよ」
「愛しい私の子猫ちゃんと甘くとろけるようなめくるめく官能の世界を―」
「やっぱりやめて余計恥ずかしいから」
237:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:11:33 oTivbmOW
「まあそんな甘甘な過ごし方を期待してたのに……怖いゲームするから傍にいてって、色気の無い要求を……」
「色気のない要求で悪かったわね……そんなに退屈?」
「いや、ゲームで怖がってる玲緒は、これはこれで鼻血出そうなぐらい可愛いから全然楽しいよ? というわけで今から私ずっとこの部屋にいるから」
「ちょ、ちょっと?」
何か言われるより早く、麻衣は玲緒の小さな体を抱き上げると、自分の膝の上に置いた。イヤホンの片一方を、自分の右耳に付ける。
「さ。続き始めよ」
「し……仕方ないわね」
猫か何かのように麻衣の膝の上に置かれた玲緒は、ことさらに渋々という表情を作って、ゲームを再開する。
ゲーム画面では扉を開けた主人公が、ミイラ化した誰かの遺体を発見したところだ。
「これからどうするの?」
「謎解きのための手がかりを探すのよ」
「ふーん」
玲緒はタッチペンを操作してゲームを進めていく。
時折後ろから麻衣が声をかけて、アドバイスだが質問だかをする。そのたびに玲緒の耳に吐息がかかってくすぐったくなる。うっかりすると顔が赤くなる。
怖いシーンが来ると、玲緒は小さく悲鳴を上げてしばらく動きが止まる。麻衣はそんな玲緒を後ろから抱きしめてあげる。
そうすると玲緒は顔を真っ赤にして腕をほどかせ、ゲームを再開する。
麻衣がゲームより玲緒のリアクションを楽しんでいることは言うまでもなかった。
「あ、おなか空いたと思ったらもうお昼の時間だね」
正午過ぎを示す壁の時計を見ながら麻衣が呟く。
「じゃあ、今日はここまでにしておくわ」
中断セーブを選択して、玲緒はゲーム機の電源を切った。
「それにしても、ついこないだまで携帯電話も持ってなかった玲緒が、最新のゲーム機を使いこなすなんて……成長したわねぇ」
ホロリと涙を流すふりをする麻衣に、玲緒は唇を尖らせる。
「ゲームぐらいで成長とか言われると、すごく馬鹿にされてるっぽいんだけど」
「そんなことないってば。それよりお昼ご飯どうしよっか? 久しぶりにどこか食べに行く?」
「この天気で?」
「え?」
玲緒の言葉に窓の外を見ると、曇天の空から雨が降っていた。
「あちゃー……曇りがちだと思ってたけど、いつの間に本降りかー」
「それじゃあ出前でも―」
238:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:13:27 oTivbmOW
「待った! せっかくだから何か作ろう」
「え……麻衣が作ってくれるの?」
「もちろん。お米はちゃんとあるよね?」
「あるけど……」
「よし。それじゃあ冷蔵庫にある食材で何かできるものを考えよっと」
というわけで台所に向かい冷蔵庫を開ける麻衣。そこで見たものは―
冷蔵庫:チーちく、コーラ
冷凍庫:アイスクリーム
―以上。
「自炊しない独身男性かあんたはーっ!」
あまりにあまりな冷蔵庫の内容に、久々に怒りの麻衣が発動した。
「棚の中は見事なまでにお菓子とカップ麺だけだし……あれだけ普段からちゃんとしたもの食べなさいって言ってるのに……まるで成長していない」
うつむいてわなわなと震えている麻衣。玲緒は忍び足でこっそり台所から脱出しようとするが、寸前でがっしりと頭を捕まれた。
「れぇ~おぉ~……!」
「う……だ、だって麻衣んちでしょっちゅうご飯食べさせてもらってるから、家でくらいテキトーに済ませても―」
「いいわけないでしょ! こんな食生活してたらいつか病気になるよマジで!」
お説教しながら麻衣は上着を羽織り、玄関に行って靴を履き、傘を手に取る。
「麻衣……帰っちゃうの?」
「違うわよ。食材買ってくるの。近くのスーパーならすぐだから。玲緒、お米を二合セットしておいて。やり方は前に教えたよね?」
「うん……大丈夫だと思うけど」
「じゃあ行ってくるから」
慌ただしく麻衣が出て行くと、途端に静かになった。高級マンションのやたら広い空間に、外からの雨音だけが微かに響いている。
「お……お米洗わなくちゃ」
わざと大きな声で独り言を言いながら、玲緒は台所の流しに向かった。
「確かこのカップにすり切りで……」
米用カップ二杯分のお米を炊飯器の内鍋に入れ、水を入れる。麻衣がやっていたのを見よう見まねでお米を洗うが、慣れていないので時間がかかった。
数分掛けてようやく洗い終えた玲緒は、額を拭って息をついた。
「ふう……これであとは、えーと……」
この次にどうしておくのか、玲緒は必死に記憶の糸をたぐる。
「……しばらく水につけておくんだっけ?」
正解。
水を追加してお米を浸しておく。
239:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:13:48 oTivbmOW
「よしっ、完璧」
自分でもやればできるのだ、と胸を張る玲緒。しかしそれに応える麻衣はまだ帰ってこない。
「遅いわね麻衣ってば……」
そう言うが、まだ出かけてから十分そこそこしか経っていない。玲緒は動物園の熊のようにうろうろと台所を歩く。
「う~……」
復縁した母親が海外へ行ってからだいぶ経つ。一人暮らしにもそこそこ慣れたはずなのだが、今はやたらと心細い。
電気を点けているのに、妙に部屋が薄暗く感じられる。壁掛け時計のチクタク音が、いやに耳に響く。
「早く帰ってきてくれないと退屈じゃないの……」
麻衣に向かってブツクサ文句を言いながら、玲緒は居間に行ってテレビを付けた。適当にチャンネルを回すが、見たいと思う番組は一つも無い。仕方がないのでBGM代わりにニュースを付けておく。
時間を潰すためにさっきのゲームの続きでもしようかと思うが、この状況で怖いゲームなどできるはずがないと自分の考えを慌てて打ち消した。
しかし、おかげでゲームの内容を思い出してしまい、玲緒にとって周囲の沈黙が一気に不気味な色彩を帯びてしまった。
「うう~……」
麻衣の携帯に電話して早く帰ってくるよう催促しようかと思ったが、自分の家で留守番も一人でできないというのはさすがに恥ずかしすぎる。
電話を思いとどまった玲緒は、気を紛らわすためテレビの音量を大きくした。
『―濡れた路面でスリップを起こしたトラックが歩道に乗り上げ横転。この事故で男性二人が軽傷、女性一人が全身を強く打ち現在意識不明の重体です―』
「……っ」
不吉すぎるニュースの内容に、再び携帯電話を手に取る玲緒。迷わず麻衣にかける。
数回のコールの後……留守番電話につながった。
「何で出ないのよっ……!」
苛ただしく携帯を切る。
窓に目をやると、雨脚はさらに強くなってきていた。
「……~っ」
とうとう玲緒は、傘一つを持って外に飛び出した。
マンションを出ると予想以上に激しい雨模様だったが、玲緒は躊躇せず走り出した。雨の中、水滴の膜に覆われたアスファルトの上を。
「きゃっ!?」
ものの数歩も行かないうちに、足を滑らせ、転んだ。水たまりに手をつく。
「ううぅ……」
顔にはねた泥を拭い、立ち上がる。泣き出しそうになるのをぐっと堪える。
「玲緒?」
不意に聞こえた声に、玲緒は俯いていた顔を上げた。
「どうしたの、こんな雨の中出てきて」
右手に傘を差し、左手に買い物袋を提げた麻衣が、驚いた目をして玲緒を見ていた。
240:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:14:08 oTivbmOW
「あ……あ……」
途端、玲緒の目からドッと涙が溢れた。
「ちょ、ちょっと玲緒? 何で泣いてるの? 何かあったの?」
「っ……何かあったの、じゃないわよ! この……馬鹿麻衣!」
鼻水まで垂らしながら、玲緒は雨に負けないぐらいの大声を上げる。
「あんまり麻衣が遅いから、どうしたのかと思って出てきたのよ!」
「ええ? そんなに言うほど遅くないと思うんだけど……」
「遅いわよ! この私が遅いと思う時点で遅すぎるわよ!」
「何その俺様理論」
「うるさいうるさい! 別に一人で待ってるのが寂しかったとかそんなんじゃないんだから! 麻衣が、麻衣が、ひょっとしたら……事故とかに遭ってるんじゃないかって、不安だったし、それに、それに……」
「玲緒……」
「大体何で電話に出ないのよ!?」
「え、電話してた? ……あー、雨音きつくて気付かなかった。ごめん」
着信記録を確認した麻衣が素直に謝る。
「ごめんで済んだら―へっくし!」
玲緒の台詞は大きなクシャミで中断された。
「とにかく中に入ろ? そのままじゃ風邪引いちゃうよ」
マンションに戻った麻衣はすぐ給湯器のスイッチを入れて湯船にお湯を張る。濡れ鼠になっている玲緒の服を脱がせて洗濯機に放り込む。
それから炊飯器のスイッチも入れておく。
「それじゃ、私ご飯作ってるから。玲緒はお風呂でゆっくり暖まっておいて」
「うん……」
一拍置いて落ち着いた玲緒は、素直に麻衣の言うことに従った。
湯船につかる前に、軽くシャワーを浴びる。雨で冷えた肌に、熱いお湯が伝っていく。
「はー……気持ちいい」
手足が芯まで温まっていく感触に、思わず頬が緩んだ。しばらくそのままボーッとシャワーを浴びていた。
「玲緒」
「うわっ!?」
すぐ背後から不意に声をかけられ、玲緒は慌てて振り向く。そこには服を脱いで入浴準備万端な麻衣がいた。
「ま、麻衣! 何で入ってきてるのよ!? ご飯作ってるんじゃなかったの?」
「いやぁ、それが下拵えが終わったところでハッと気付いてさ」
「何に……?」
241:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:14:29 oTivbmOW
「玲緒がお風呂に入っているのに、私が一緒に入らないなんて、そんなの神が許しても私が許さないということに。むしろ一緒に入らないと宇宙の法則が乱れる」
「どんな法則よ!?」
「まあまあ細かいことは気にしない。ほら、体洗ってあげるから。座って座って」
「う~……」
別に一緒にお風呂に入るのは初めてではない。というか割とよく入るので、抵抗があるわけではない。
ないのだが……。
「ねえ麻衣……体を洗うのよね?」
「うん、そうだよ」
「ボディソープを使うのよね?」
「もちろん」
「普通はタオルとかボディブラシとかも使うわよね?」
「かもね」
「……何で麻衣の手とか胸とかに直接ボディソープを塗りたくってるのかしら。しかもやたらと嬉しそうに」
「そりゃあもちろん、私の体を使って玲緒の体を隅々まで綺麗にしてあげるために決まってるじゃない。えいっ」
「きゃっ!?」
麻衣は十分にボディソープを泡立てた手で、玲緒の小さな胸を後ろからタッチする。
「あ、玲緒ってばもう乳首立ってる。やらしーんだ」
「くっ……麻衣に言われたくないわよ! この変態!」
「その通り。変態だからこういうことします」
「ひゃあぅ!?」
桜色の突起をつまむと、玲緒は甲高い声を上げた。麻衣はそのまま泡をまぶすように、乳房全体をもみしだく。
「玲緒のおっぱいは、ちっちゃくて可愛いなー」
「んっ……ゃ……っ」
麻衣が何かささやくたび、玲緒の耳元に熱い吐息がかかる。おまけにさっきからずっと麻衣の乳房が背中に押しつけられている。むしろこすりつけられている。
麻衣の指先は玲緒がより感じるように、絶妙な刺激を送ってくる。
「玲緒、もう耳まで真っ赤になってるよ」
「やっ、待っ……んあっ」
麻衣は玲緒の耳に軽く歯を立てる。
「麻、衣ぃ……」
潤んだ目を向けて、玲緒が切なげな声を上げる。麻衣はたまらずその唇を吸い上げるように口づけた。
「んっ、ちゅ……んぁっ……」
唇を合わせながら、全身を密着させるように強く抱きしめる。ボディソープのぬるぬるした感触が、二人の肌を覆っている。
242:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:14:51 oTivbmOW
「玲緒……このまま、玲緒の全部を綺麗にしてあげるね……んっ」
「麻衣……ぁ」
麻衣の熱い舌が、玲緒の縮こまったそれに絡みつく。そのまま玲緒の口中を舐め回す。
深い口付けを繰り返しながら、麻衣は乳房だけでなく全身を使って玲緒の体をこすりはじめた。
「ん……玲緒の体、すべすべで気持ちいいね……」
麻衣の手が玲緒の下腹部に伸び、熱く潤んだ秘所をまさぐる。零れ出た蜜が、麻衣の指先にたっぷり絡みついてきた。
「玲緒……すごい濡らして……そんなに感じてるんだ?」
「そ、そんなことっ……」
「無いの? それじゃあ、もうやめちゃおっかなー……」
「え、ちょっ……!」
「こんなに充血して熱くなって、ヒクヒクしてるのに……」
潜らせた指を、小刻みに動かす。
「あぅっ!」
「こんな状態で放置されたら、辛いんじゃないかなー? ……あ、でも放置プレイってのもそれはそれで新鮮かも」
「や、やだ……そんなのやだ。麻衣……麻衣に……」
「ん~? 何て言ってるのかなぁ?」
「その……麻衣に……てほしい……」
「聞こえないなぁ」
顔を真っ赤にしている玲緒に、意地悪く何度も聞き返す麻衣。
「麻衣に……もっと、してほしいっ……」
「何を?」
「~っ! ……もっと、エッチなことしてほしいって言ってるの!」
「りょーかい♪」
「ひぁぁぁ!?」
喜色満面で麻衣は玲緒への行為を再開する。
麻衣の左手が乳房を、右手が秘所を激しく愛撫する。キスを繰り返し、存分に舌を絡ませ合う。
「ん、はぁっ……玲緒っ……気持ちいい?」
「うん……ぁ……麻衣ぃ……」
今まで舐られていた玲緒の方からも舌を伸ばす。麻衣の口の中に、小さく熱い舌を差し込み、互いのそれを絡ませ合う。
「ちゅ……っ、んぁ……玲緒……」
「ふ……っ……ん、やっ……麻衣……私、もう……体の、奥が……んっ……ジンジンして……もっと……してっ……」
243:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:15:12 oTivbmOW
「それじゃあ次は……」
麻衣はタイルの上にマットを敷いて、玲緒の体を仰向けに横たわらせた。
「玲緒。足、開いて」
「うん……」
言われるままに、玲緒まだ毛も生え揃っていない幼さを残した秘所をさらけ出した。
麻衣は蜜が溢れるほど濡れた玲緒のそこに、舌を這わせる。
「ん……玲緒の中まで……全部綺麗にしてあげるね……んんっ」
「あぅ……ぁ、はぁっ……」
「んっ、ん、ちゅ……ふふ……玲緒ってば、舐める先から溢れさせて……これじゃあきりがないね。んっ」
「あんっ、ぅ……あっ、あっ」
唇をつけて吸い上げると、玲緒は体を震わせながら甘い声を上げる。
「ま……麻衣……ねえ……」
「ん……どうしたの玲緒?」
「口じゃなくて、もっと……麻衣と、一つになりたいの……抱きしめて……ほしいの」
「っ……」
体中を火照らせ、瞳を潤ませ、切なげにかすれた声で玲緒にそんなことを言われて、麻衣が耐えられるわけもない。
「玲緒~っ!」
「きゃうっ!?」
麻衣は玲緒の体を正面から抱きしめる。麻衣の方も、玲緒と同じくらいに濡れていた。
「玲緒っ……玲緒っ……!」
「はぁっ……ん……麻衣……もっと……もっと強くして……っ」
「うんっ……いいよっ……もっと、もっと気持ちよくしてあげる……っ」
麻衣は玲緒の唇を吸い上げる。熱い舌先を互いに絡ませ合い、泡まみれの体を抱きしめ合い、濡れた秘所をより強くこすり合わせる。
「ん、くぅ……っ、麻衣は? 麻衣も、気持ち、いいっ……?」
「気持ち……いい、よっ……玲緒の体、とても柔らかくて、熱くてっ……このまま溶けちゃいそう……もう、このままっ……溶け合ってしまいたい……っ」
「私も、っ……麻衣と……溶けちゃいたい……もっと……もっと……んっ」
「玲緒……ぁ、ふぁ……」
「麻衣ぃ……もう、が、ま……できな、いっ……」
「う、ん……私、も……もう、あ、ああっ」
「あ、あ、あ、麻衣っ……麻衣ぃっ!」
「玲、緒っ……あ、あああっ!」
互いの名前を呼びながら、やがて二人は絶頂の快感に身を震わせた。
244:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:15:36 oTivbmOW
「ふー……いい汗かくとお風呂が気持ちいいね、玲緒」
「……ああいうことでいい汗とか言うのはどうなのよ」
存分に愛し合って満足した二人は、たっぷりのお湯を張った湯船につかっていた。温めのお湯が火照った体を程よくほぐし、心地よい余韻に浸らせてくれる。
「玲緒」
「何?」
「さっきはごめんね。寂しい思いさせちゃったみたいで」
「なっ……寂しかったなんて誰も言ってないでしょ! 一人でも全然怖くなんてなかったんだから!」
「あー、うん……そうだったそうだった。そうじゃなくて、遅くなってごめん」
「ふん……まったくよ。これからはちょっとした買い物に行くときでも、なるべく一緒に連れて行きなさい。いいわね」
「はいはい」
その話はそこまでとして、二人はお湯の中でまったりする。
しばらくして、玲緒のお腹から可愛らしい音が鳴った。
「……そういえば、だいぶお腹が空いたわね」
「上がったらご飯の準備しないとね。もうお昼にはだいぶ遅めの時間だけど」
「何を作るの?」
「今日は挽肉が安かったから、ハンバーグで。付け合わせにレタスとトマトのサラダ。それから豆腐と葱のお味噌汁。デザートに桃缶も安かったから買ってきたわ」
「お子様なメニューねぇ……」
「嫌?」
首を傾げる麻衣に、玲緒はプルプルと首を横に振る。そんな幼い仕草が愛らしくて、麻衣は優しく抱き寄せると柔らかい頬に口付けた。
玲緒は顔を赤らめてそっぽを向く。
「れ~おっ!」
「うにゃっ!?」
その反応もまた愛らしく、思わず抱きしめてキスしてしまう麻衣だった。
〈おわり〉
245:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:16:19 oTivbmOW
以上です。
読んでくれた方、ありがとうございました。
246:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:28:26 oTivbmOW
>>236-244
名前欄が抜けていました。
このSSのタイトルは『その花びらにくちづけを Please hold me tight.』です。
247:名無しさん@ピンキー
10/05/01 23:14:25 mtxNLb1H
GJ!
ついでに、一応この板百合スレもあるあるよー
248:名無しさん@ピンキー
10/05/02 00:42:06 F9IhoOuw
>>247
百合スレは知っていましたが、二次創作を見かけなかったのでこちらが無難かと思っていました。
でも過去スレとか見ると二次もOKみたいですね。わざわざありがとうございます。
249:名無しさん@ピンキー
10/05/31 11:02:42 DZFDIfTd
補習
250:名無しさん@ピンキー
10/06/12 22:18:58 LTHIulnV
捕集
251:名無しさん@ピンキー
10/07/04 19:45:53 Blw4yPok
補修
252:拘束
10/07/19 18:37:30 dBgMfA9R
元ネタ:バイオハザード
ジャンル:羞恥、調教系
エロ内容:腋毛描写や排泄ネタあり。
内容はバイオ5で語られる事の無かったジルの過去・・・の妄想です。
苦手な方は、お手数ですがIDでNGワード登録してください。
253:拘束
10/07/19 18:38:50 dBgMfA9R
アンブレラ設立メンバーであるオズワルド・スペンサー拘束任務の為、
現地に派遣されたジル・バレンタインはクリス・レッドフィールドを庇いウェスカー共々崖下へと落ちてしまう。
必死の捜索にも拘らず遺体も遺留品も発見される事は無かった・・・
――欧州、某国。
トライセル欧州中央研究所の地下深くにジルは隔離されていた。
任務より約半年が経過し、落下によって負った傷は既に癒えていた。
「・・・ここは、一体?」
ジルが目を覚ます。
確かあの時、自分はクリスを庇ってウェスカーと共に絶壁から飛び降りた筈だ。
今居るのが天国でなければ運良く救助され、病院の一室で治療を受けていたに違いない。
ぼんやりとした頭で真っ白な天井を見上げる。
徐々に意識がはっきりしてくる。
ナースコールのボタンを探そうとするが見当たらず、それどころか体が動かない。
周囲が騒がしくなり、扉の向こう側から複数の人間の足音が聞える。
自動ドアが開く。
ジルの顔が蒼ざめる。
「おはよう、意識を取り戻したようだね。」
サングラス越しに赤い瞳が見える。
あの時、命を掛けて倒した筈のウェスカーが居た。
254:拘束
10/07/19 18:40:10 dBgMfA9R
「それにしてもすごい格好だな。」
ジルが自分の体を見下ろす。
向き出しになった白い乳房だけではない。
それだけならまだマシだった。
M字開脚、手を後頭部の後ろで拘束された格好のジルは、
未処理の陰毛と腋毛が向き出しになっている。
その事を認識した瞬間、ジルの白い肌が羞恥に燃え、真っ赤に染まった。
ウェスカーは、この瞬間の為だけにやって来たに違いない。
ジルが身を捩るが大きな胸がプルプルと暴れるだけで股間や脇を閉じる事は出来ない。
「恥ずかしいのかね?」
ウェスカーが勝ち誇ったような笑顔を浮かべ、ジルの股間に手を伸ばす。
これから起こるであろう出来事に備え、絶対に声など出すもんか、決意を固める。
「いっ?!熱っ!」
予想外の感覚に思わず声を出すジルがウェスカーを見上げる。
硬く握り締めたウェスカーの手には、黒々とした太い陰毛が握られていた。
羞恥と怒りに涙を浮かべ、ジルがウェスカーを睨みつける。
「ふむ、まだまだ気丈なようだな。
さすが私の部下というだけの事はある。」
「元、よ。元部・・・いっ?!」
ウェスカーの手が動き、今度は腋毛が毟られていた。
ジルが涙を浮かべ、自分の惨めな立場に唇を噛む。
ウェスカーはその表情に満足し、部屋を後にする。
更に一晩が経つ。
ジルは体をくねらせて尿意と戦っていた。
しかし、本当の敵は部屋の中の監視カメラだ。
・・・耐え切れずに漏らしてしまうだけなら兎も角、録画されるとなれば話は別だ。
しかし、膀胱はすでにパンパンになり限界が近付いている。
「ちょっと!見てるんでしょ!トイレに連れていって!」
叫び声には悲鳴のトーンが含まれている。
生理的欲求だと自分に言い聞かせ、頼むのは決して恥ずかしい事ではないと思い込もうとしている。
漏らす瞬間を録画されるよりはよっぽどマシな筈よ・・・
約10分に渡って叫び続けるが返答は無い。
「ねぇ、お願いよ!おしっこがしたいの!お願いだから!」
最早悲鳴に近い声が膀胱に響く。
脂汗がジルの全身から吹き出し、照明を反射して全身がヌルヌルと光っている。
「ねぇ、おしっこ・・・おしっこ・・・」
眉の八の字に歪めて連呼する滑稽な姿にスピーカーが答える。
「解った、解った。おしっこぐらいさせてやるよ。ちょっと待ってろ。」
笑いを噛み殺すような声で誰かが言った。
部屋の中の自動ドアが開き、一人の男が入ってくる。
ニヤニヤ笑いを浮かべ、完全に見下したような表情で。
「ねぇ、おトイレは・・・お願い、限界なのよ・・・」
失禁しないように必死に堪えるジルは、男の表情に気が付いていない。
「ああ、ちょっと待ってろ。」
255:拘束
10/07/19 18:41:31 dBgMfA9R
目の真に出されたのは、バケツだった。
ジルの顔が引き攣る。
「ちょっと!おトイレに連れてってよ!」
「恥ずかしがるなよ、今手伝ってやるから。」
男がジルの目の前にバケツを置いて、背後に回る。
その手がジルの下腹部に押し当てられてグイグイと膀胱を刺激する。
「ちょ?!お願い!お願いだから・・・」
「お、我慢強いな。だったらこれはどうだ?」
男が空いてる手でジルの胸を鷲づかみにする。
乱暴に揉み解される内に乳首が乳輪ごと硬くなっていく。
高まる快楽と膀胱を押される刺激にジルの息が荒くなる。
股間は漏らした訳でも無いのに濡れ始めていた。
乱暴に下腹部を押していた男の手は、優しくジルの下腹部を撫で始めている。
こそばゆい愛撫に自分のクリトリスが徐々に硬くなっていくのが解る。
男がたっぷりと焦らすように時間を掛けてジルの官能を刺激する。
約30分に渡る愛撫で足腰がガクガクになっているのが解った。
(わたし・・・なにしてるんだろ・・・?)
必死になって快楽と排泄の欲求を堪えていたが、股間に突如走った快楽の電流にジルの体が仰け反る。
「ィヒンッ?!」
何が起きたか解らないジルが痴態に相応しいメスの鳴き声を上げる。
羽毛で撫でるような愛撫から一転し、男が荒ららしくジルのクリトリスを押し潰したのだ。
イッてしまった後のぼんやりとした快楽の中で、勢いよく黄色い飛沫が迸る。
たっぷりと小便を亜溜め込んだ膀胱が空になっていく快楽は約1分近く続く。
ジルが溜め息のような、甘い吐息を吐きながら快楽に身を委ね続ける。
「これで全部か。たっぷりだしたな?」
「・・・え?」
ジルが正気を取り戻す。
体を拘束されて見知らぬ男に体を弄ばれ、失禁させられて・・・
「こ、殺してやる・・・絶対に・・・」
ジルがメデューサのような凶暴な目で男を睨みつける。
「おいおい、下の世話をしてやったのは誰だと思っているんだ?」
男がポケットからウェットティッシュを取り出し、ジルの股間に押し当てる。
「やっ?!止めなさい!」
しかし、男は手を動かし続ける。
「酷い匂いだな・・・我慢しすぎちゃ体に悪いぞ。」
バケツとジルを交互に見ながら男が言った・
ジルは唇を噛み、天井を睨みつける事で羞恥と戦う。
結局、この日は三回に渡ってジルは下の世話をされた。
その度に快楽攻めにあって、夜中には満身創痍でだらしなく拘束椅子にもたれ掛っていた。
白目を向いて、涎を垂らしながら正体を失った映像を見ながらウェスカーは考える。
これだけではまだ、足りない。
徹底的にプライドを破壊し、完膚なきまでに追い詰めなければ・・・と。
・・・To Be Continued?
256:名無しさん@ピンキー
10/07/21 01:26:09 GMa8GJcR
GJ。いいね。気丈な女性の恥辱責めはいい。
クレアやアシュリーはジルより堕ちるの早いのかなぁ
257:風女(0)
10/07/28 21:27:34 P5dA1w84
オリでひとつ。スペースお借りします。
【女装】(男子)が苦手な方はスルーしてください。
258:風女(1)
10/07/28 21:28:30 P5dA1w84
「痴漢?」
少年、神代奈緒は思わずつぶやいた。ホワイトボードに同じ言葉が書かれたからであ
る。
「そうよ」ペンを持っている少女、西野七々美は部屋を見渡し、文字を示して注目を集
める。「女子寮に出没したみたいなの」
「前から知っていたような口ぶりだな、まるで」
奈緒の指摘に七々美はうなずいて返した。
というのも、この話自体は前から出ていたのだが、それらしい情報や被害も発見され
なかったため、今まで保留になっていたものだった。
「それまで噂程度の認識だったけれど、被害にあった生徒の話を聞いて、今日やっとこ
の場に出すことができたの」
「なるほど」
その被害が報告されたのはつい先日。噂に乗じた犯行か、それとも今まで黙殺されて
いたかは定かでないが、明確な動機がなければ行動できないのも事実だった。
彼らは学生であり、通う学校には寮がある。特に用事がなければお互いの寮に出入り
することもないが、一度被害が出た後の痴漢というのは恐ろしさが一気に増すものだ。
「今日からしばらく、夜に女子寮を巡回することにします。女子は二人以上を一組とし
て見回り、男子も同様に二人以上はこちらからの呼び出しに応じること」
七々美はすぐにその組み合わせを発表し、今日の担当者にプリントを渡してまわった。
奈緒のもとにも置かれ、その文面は彼を驚かせるには十分だった。
「では、これで今日の会議は終わりです。解散して」
終了の合図とともに男子生徒たちが部屋を出ていく。女生徒もゆっくりと部屋を後に
し、奈緒と他の数名、そして七々美が残った状態になった。
「神代、意見なら会議中に挙手して」
「この場でも言い出しにくい事なんだけど……」
視線に気づいたのか、奈緒が肩越しに口を開いた。
むしろわかってて言っただろ、と言いたくなる口を押さえ、奈緒は会議を進行させた
リーダー格の少女を見やる。あちらも振り返ったようで、一段高い場所から冷たい黒の
瞳で奈緒を見据えていた。
「俺が巡回担当なのは何かの間違いか?」
と、奈緒は自分の手元に置かれたプリントに書かれた文字を指さして示した。まぎれ
もなく男であるのに、なぜ女子を対象にした巡回メンバーに組み込まれるのだろう?
「間違いではないわ。あなたにも参加してもらうのよ」先ほどの話とは全く矛盾する回
答をしてみせる七々美。「女子だけだと危険でしょう?」
「それは確かにそうだけど……俺も男だぞ?」
そう言うが、目が大きめに開かれ、鼻が小さく整った顔立ちをしている。髪も男子に
しては少し長めで、黙っていれば制服を間違えて着ている女子に見えなくもない。しか
し、奈緒は男である。二人以上とは聞いたが、先程の様子では最低人数の二人で巡回す
るようだ。痴漢が出没するというのに、男女の一組でいいのだろうか。
「そこは神代に期待するわ。同行した女子があなたを痴漢だと思わなければ、何も問題
ないでしょう?」
委員長たる七々美の意見には逆らえない。本当に二人でやらせる気のようだ。他に残
っていた女子達から、わずかに笑いが漏れているのがわかる。
「その恰好じゃ相手に警戒されるから、制服は変えること」
「本気か?」
「見つけても逃げられたら意味がないわ。そのためには隠していないと」
七々美は髪を指に絡めながら話をする。
論点はそこではないのだが、どうやら汲み取ってはもらえなかったようだ。仕方がな
いと腹をくくる。
「カチューシャとオーバーニーがあれば問題ないわ」
「ここで言うなよ!」
後輩と同級生に大笑いされたのは言うまでもない。
259:風女(2)
10/07/28 21:29:22 P5dA1w84
「…………よし」
男子寮の一室。鏡が映していたのは女子の姿だった。
そもそもの発端は罰ゲームとして女子の制服を着せられた事だった。まる一日その姿
で過ごしても何ら違和感なく、むしろ男子の間では好評であったから尚のことだ。以降
は事ある毎に女子の制服を着るようせがまれたこともある。
同室の友人がまだ戻っていないのは幸いだった。しかし、その生徒が用意したつけ毛
を頭に乗せ、回って落ちないかを確認する。
あとは、七々美に指示されたように頭には白のカチューシャ、女子であることを強調
するためのオーバーニーをぴったりと履き、姿見の前であらためて自分の格好を確かめ
た。
すっかり夜になり、寮生も食事を終えて自室に戻っているころだ。単独で行動してい
たり人目につかないところを移動していれば、それがちょうど痴漢の標的になるだろう。
今回はその犯人を捕獲するため、女子寮を巡回するということだ。
あらためて自分の役割を認識すると、奈緒は部屋を後にした。
男子寮から出てきた姿をあまり他人に見られたくはないのだが、会議に使った部屋ま
でかなり距離があるので仕方がない。壊れたままなのか節電のつもりなのか、ところど
ころ消えている照明のせいで視界は悪いが、早足で集合場所に向かった。
「あ、女装男子」
会議室につくなり、先に来ていた女子からそんな言葉が飛んできた。
「もう忘れてくれよ……」
いきなり気力を削がれた奈緒は、言葉を意識することさえ忘れていた。そんな彼に、
あちらから「いけないんだ」という非難が寄せられる。
忘れろ、と言ってもその当人が女子の制服を着ていれば説得力はほぼ皆無で、相手は
それをスルーして話を続ける。
「女の子がそんな言葉づかいじゃだめだぞ?」
「中身は男です!」
小声で返した。ここにいる数人はこの女子が女装した男子であることを知らない生徒
で、口調ひとつでばれてしまっては元も子もない。もともとが高い声だったために、そ
のまま話してもすぐには男だと発覚しにくいが、他に数人いる生徒のことを考えれば、
ここは素直に直すべきだ。
「今は女の子なんだから、もう少し丁寧にしようよ」
「はいはい、時重さん……」
もちろん、口が悪いという事にすればそれも通るのだが、奈緒は努めて丁寧な言葉を
選ぶようにしている。それも、いま話している時重いおりの影響だった。
くせ毛なのか下に広がるようになっている特徴的な髪を揺らし、いおりはホワイトボ
ードの前に腰かけている生徒に声をかける。奈緒は先に進んだ彼女に続いて、その横に
並んだ。
「委員長、時重いおりと神代奈緒、揃いました」
委員長、こと西野七々美は、いおりの隣にいる女生徒を見て一瞬目を見張るが、指示
した服装でいる奈緒であることを認識して話を始めた。
「では、これから女子寮のフロアを見てください。これを渡すから、何かあったら連絡
して」
いおりは古いタイプの携帯電話を受け取った。会議室の番号が書かれており、この学
校だけで使うことができる特別な電話だ。連絡すれば担当の男子が応援に駆け付ける仕
組みらしい。
260:風女(3)
10/07/28 21:30:26 P5dA1w84
「終わったら戻って報告してください。二人が戻るまでここは開けておきますので」
「はい」
返事をして、二人は部屋を出ていく。会議室の明るさになれると、廊下はやけに暗く
感じられる。実際、照明のほとんどが消されて非常口や消火栓を示す表示灯が点いてい
るくらいなのだから無理はないが。
「おお、いきなり暗くなると歩きにくいね」
そう口にするいおりだが、すぐにエレベーターまで歩いていた。箱の中はしっかりと
明るく、目標の四階まですぐに上っていった。
「出ないといいんだけどね」
「捕まえる必要があるから、むしろ出た方がいいと思うけど、違う?」
そうでなくても何かしらの手掛かりを入手できるだろうから、風紀委員としてはその
姿を目撃できた方が都合がよい。しかし、やはり女子の観点からすれば出ない方がいい
のだろう。痴漢の被害に遭わない前提の男子からすると意見の相違が目立つ。
「大体、なんで女子に見回りさせるかな七々……いや、委員長は……」
「委員長も考えがあってのことだと思うよ、たぶん」
そもそも女装させてまで巡回に参加させる必要はないだろうに。男子にやらせれば、
少なくとも自分がこの格好で寮内を回ることは避けられたはずだが。いおりの言葉でも
疑問は晴れず、むしろ七々美が提案したことなのかとなおさら絡まるばかり。
廊下には二人の足音が響くだけ。点在する緑や赤の光を目印に歩いているが、部屋の
ドアからは女子の笑い声や話し声がわずかに聞こえるくらいで、そうだとわからなけれ
ば何もない空間から声が聞こえているような状態だった。
「なんだかお化け屋敷みたいだね、神代“さん”」
読まれた。奈緒はふと思う。
寮のドアは暗くてよく見えず、その奥から聞こえてくる声はほんのわずかで正直不気
味なのだ。申し訳程度の照明も合わさって、お化け屋敷のそれに近い環境が出来上がっ
ている。痴漢以外のものが出てきそうだ。
「お化けか……そっちには出てきてほしくないかも」
もとよりそんな類のものを信じる訳ではないので、出るわけないという考えの方が強
い。だがこの空間はそれさえ不安にさせる要素が山とある。
見回りという事で足早に進むわけにもいかず、しかし暗くて視界が悪く早めに切り上
げたい気持ちがある。二人はぎくしゃくと歩きながら階段まで進む。
「やっとここまで来たって気分……」
息をつくいおりに同意するように、奈緒はひとつ頷いた。明るいうちに歩けば一〇分
もかからないはずの通路が、なぜか長い。お化けか痴漢か、どちらを気にしていたのか
わからないくらいだ。
「さ、二階に降りよう」
階段も階層を示す表示以外は照明が落ちている。窓から明かりを取り入れているが、
それがあっても満足な視界は得られない。
「ねえ神代さん」
261:風女(4)
10/07/28 21:31:15 P5dA1w84
呼ばれて、奈緒は振り返る。相手の顔はうっすらと見えるくらいで、先に降りている
自分よりもだいぶ高い位置にいるのは確かだ。
「なに?」
手すりにつかまり、慎重に引き返す。転げ落ちても危険、上りで躓いても危険と実に
厄介な設備だ。
「…………手」
「て?」
何か言っていたのかと聞き返そうと思ったが、手すりを掴んでいない側にいおりの手
が触れていた。
「ちょっと怖いから……下に着くまででいいから」
そう言う彼女のもう片方は手すりを掴んでいる。万が一の際に巻き込まないようにと
配慮したか、本当に怖いのかまではわからない。表情こそうかがえないが、奈緒の手を
握っているいおりの手にはあまり力が入っていなかった。
途端に気恥ずかしくなった奈緒だが、だからと言ってその手を振り払うわけにもいか
ず、一段ずつ慎重に進んだ。すぐ下の階にたどり着くまで、実に五分以上はかかっただ
ろう。
しかし、二階の踊り場はさらに暗い。大部分を窓からの光に頼っている廊下にはやは
り電灯が点けられておらず、わずかに外の明かりが入り込んでいるだけだ。同じ場所で
も昼と夜では印象が変わるもので、さすがに懐中電灯の一つもほしくなってくる。
「あの、もっと暗いけど大丈夫?」
「…………」
踊り場に着いた時点でいおりは手を放していたのだが、奈緒が訊くとおずおずと手を
差し出した。それをしっかりと握り、短めの歩幅でゆっくりと進んでいく。
上の階では笑い声や話し声がドア越しに聞こえてきたが、今度はそれがほとんどなく
二人の足音が反響している。まるで別の誰かが歩いているような感覚を呼び起こし、そ
れが恐怖心をやけに煽る。『女の子と手を繋いでいる』という事実さえ忘れそうなほど
に。
「……そうだ」
しばらく歩いていると、いおりが突然声をあげた。
「渡したいものがあるんだ。ちょっと付き合ってくれる?」
どうやら、この階に彼女の部屋があるらしい。まだ巡回の途中だが、それまで先を歩
いていた奈緒を引くように動いたいおりの勢いに逆らえず、その部屋へ連れ込まれた。
部屋の明かりが点けられ、一気に視界が冴える。少しまぶしいと思いながらも、明る
い場所にいるという認識が安堵の息をつかせた。
男女の差というのは身の回りにも顕著に表れるもので、この部屋は幾分すっきりとし
ていた。もっとも、奈緒の場合は同室のルームメイトが整理整頓をできないタイプなの
だが。
「はい、これ」
紙袋を渡される。自然と受け取ってしまったが、中身を見て驚愕した。
「……これ?」
262:風女(5)
10/07/28 21:31:53 P5dA1w84
何?と聞こうとしたが、その答えはわかりきっている。だが、そもそも自分が身に着
ける必要はない。サイズこそわからないが女性用の下着である。奈緒は赤くなりながら
袋を突き返す。
「何? って、下着だけど」
平然とした顔で言ってのけるいおり。戻ってきた紙袋から淡いグリーンのブラを引き
出し、次いで肌色のパッドを掴みとる。一連の動作でも、奈緒は自分に渡された意味が
わからなかった。
「今の神代さんを見てるとね、何か足りないなって思ったの」
「それで、下着?」
いおりは頷いてみせる。値札がそのままという事は買ったままの状態だと思うが、ま
さかそれを着けられるとは思ってもいなかった。
「制服の下はシャツ?」
「うん。ワイシャツだけ」
と、制服の裾を少しめくる。きれいな白があらわれ、そのすぐ下は素肌。
「……いけない、鼻血出そう」
ティッシュを掴んで鼻を押さえる。奈緒はしばらく首を傾げていたが、何かよからぬ
妄想の対象にされていることに気付いて抗議した。
「だって、いい女がノーブラですよ? 想像するだけで興奮しそう」
「もうしてる……と突っ込むのはだめですか?」
目の前にいるいおりは普段の様子からだと想像ができないほど上気している。これは
奈緒が女装することになったあたりから見受けられるようになった独特の仕草だ。しか
も、あちらは完全に『女子』だと思っているらしい。
「じゃあ、まず上を脱いで」
「はい…………って、ちょっと待って」
随分と自然な流れで服に手をかけたが、ふと思いとどまる。
「なんで今?」
「だって、教室だと男子と話してて忙しそうだし」
こういう時じゃないといいにくいし、と付け足し、いおりは脱ぎ掛けの制服をぐいと
上げ、ワイシャツの胸元が出るようにした。ワイシャツにスカート、男子だとわかって
いてもこのスタイルは妙にいやらしい。
「だから、今やる」
ボタンを器用に外していき、ついに奈緒は肌をさらすことになった。ばしょが場所で
女の子と二人きりのこの状態、一方的に脱がされたのでは恥ずかしさがこみあげてきて
たまらない。
「ふふ、可愛い」
ぺた、と胸板を触れられる。階段や廊下では意識しなかったが、思いのほかやわらか
い手で、熱を持った体よりもひんやりと冷たい。
「これをこうして……」
パッドを平坦な胸板に押し付け、落ちないように力を加えて密着。それから、ライト
グリーンのカップを背中からまわして固定する。
263:風女(6)
10/07/28 21:32:35 P5dA1w84
「はい、出来上がり」
かくして、奈緒の胸は一回り大きくなった。といっても、元がほとんどないので微々
たる変化ではあるが。
その胸を眺めていると、パッドの色があまり目立たないのが不思議だ。前面をブラで
覆っているため見えるものは見えないが、ただ一つ相違があるとすれば先端の有無にな
る。いおりに胸元をなぞられても何も思わないのがそれを裏付けている。
「……むしろばれそうな気がする」
「平然と乳揉みするような人が思い浮かぶならそうだけど。まあ、上から少し触るくら
いなら平気。あんまり強くすると奥までへこむから危ないけどね」
言いつつ、背中に手をまわして両側から押し込む。パットが胸板まで押し付けられ、
そこはかとなく鈍痛を味わった。
とはいえ、このパッドも思った以上にやわらかい。偽の胸とはいえ自分で触れても驚
くほどだ。
「さて、下着の方は……」
「待って、なんでナチュラルにスカートをめくるの?」
奈緒が反応する間もなく、スカートをめくり上げるいおり。下には体操服のショート
パンツを履いているため、ここまでで男子だとばれる心配はそうそうない。
「もう、このコントラストがたまらない……」
が、どうも彼女の考えは違った。
スカートからはみ出ない程度にパンツが上がっているため、そのスカートをなくせば
必然的に脚が露わになる。さて、奈緒の脚を覆っているのはオーバーニーソックスであ
り、紺と黒の間でわずかに見える白い肌、この眺めが何とも言えない。
「中はやっぱり男物の下着ですか」
「選択肢が他にないよね?」
件の罰ゲームでも完璧な女装は求められなかった。しかし、どういうわけかルームメ
イトがウィッグやカチューシャを寄越し、このオーバーニーも彼によるものである。だ
が、そこまで用意しても女性用の下着までこぎつけるには及ばず、奈緒はノーブラで男
物の下着を穿いている。もちろん、自分で用意するほど執着がないため、選択肢は一つ
しかない。
「なら丁度良かった。ここに、ブラと同じ色のショーツがあるんだ」
いおりはショーツを袋から取り出す。すぐには確認しなかったが、どうやら同じ袋に
入っていたらしい。身に着けている下着と同じ色……つまり二つがセットなのは言うま
でもない。
「何も言わずに体操服を下ろすのはどうかと思うんですけど」
「こうでもしないと先に進まないでしょ」
確かにそうだが、何かおかしい。すでに穿く以外の選択肢がないのだ。早々にパンツ
を下ろされ、スカートの中には不釣り合いなトランクスが少年の秘密を守っていた。
「うわっ!」
その時点で奈緒はいろいろと壊されたような気がしたが、いおりは中のふくらみが気
になったのかおもむろに触れた。
刺激に敏感な先端をさすられ、瞬く間に膨張して硬くなった。
264:風女(7)
10/07/28 21:33:17 P5dA1w84
「オトコノコですな」
「わかって頂けたようで……」
呑気なコメントだが、それでも奈緒が恥ずかしい事には変わりない。しかし、その手
が触れたままなのでどうしようもできず、硬直してしまった。
「とりあえず下ろすよ」
「下ろすの!?」
相手は特別どうとも思っていないのか、宣言した直後にトランクスをずり下ろした。
下向きの力を加えられていた茎が思い切り跳ね上がり、まっすぐ上を向く。
その後、足首を掴まれ、その下着を取られた代わりに先程のショーツが片足をくぐっ
た。
触れられたことで硬くなっているものをまじまじと見られ、羞恥以外の何物でもない
奈緒は、思わず顔を手で覆った。
「このままじゃ収まらないか」
それに対していおりは随分と冷静である。
まだもう片足を通していないが、きちんと穿かせるには、ぴんと上を向いている茎が
少々厄介だ。すぐ上をパンツで隠すとはいえ、これが収まらなければ下着として用をな
さない。
そこで。
「っ!?」
かぷっ。
いおりは茎の先端を口に含んだ。そこに何の躊躇いも感じられなかったのが、却って
奈緒を不安にさせる。
「はひはらほははふ?」
「と、時重さん……?」
咥えたままものを言われても伝わらない。奈緒は全く意味が分からず聞き返すが、い
おりも夢中になって口を動かしているのでこれといった反応はない。
いおりは、出したら収まる?と聞いたのだが、どうやら言葉として通じなかったよう
だ。しかし、口を少し動かすと中であばれる奈緒の男に、わずかな喜びがあった。
「ん……んぅ、っく……」
彼女が頭を動かすたび、ぐぽっ、じゅぽっ、と音が立つ。熱を持った口腔内で意外な
ほどおうとつのある舌が絡みつき、その動きに翻弄されて身動きが取れない。いつの間
にか腰に手をまわされ、意思に関係なく動く自分の陰茎を舐め上げられ、奈緒は寒気に
似た別の感覚に支配された。
「ひほひいいほ?」
「何言ってるのかわからないよ……」
ニュアンス云々の問題ではなく、すでに言葉として成立していない。ゆえに奈緒もい
おりの言葉がわからず、しかしその動きを刺激として受け取っていた。
特に抵抗しない奈緒に対して、気持ちいいの?と聞いたいおりだったが、やはり返事
はなかった。代わりに口に含んでいる太い茎が逃げるように動き、口から出そうになる
がどうにか押さえる。次第に苦味が増してきて、唾液以外の汁が口に溜まってくるが、
それを飲み込むしかないのが現状だった。
265:風女(8)
10/07/28 21:34:04 P5dA1w84
じゅぷ、ぐぷ、くぷぷ……。
数種類の液体が混ざった口腔では、頭を動かすたびに水音が響き渡る。時々それらを
嚥下するが、いつまでも増える一方。口の中にいる茎は硬さがさらに増し、時折震えて
何かを堪えているような印象さえ受ける。
「時重さん、頭……!」
奈緒も言ったかどうか曖昧である。急に引き上げられた欲求を抑えられずに、しきり
に動いていたいおりの口へ精を放ってしまった。いおりも驚いた表情を作るが、それを
搾り取ろうとして痙攣する茎の先端を吸い上げた。
「…………ぷはっ」
随分と吐き出したような気がする。いおりが口を離したのは奈緒が絶頂を迎えてから
一分以上は経った頃だった。
「うん、苦い」
「飲んだの!?」
やけに長い時間、口を離さなかったと思えば、奈緒が吐き出した精を何事もなく飲み
込んでいた。近くの箱からティッシュを数枚取出し、わずかに水分をにじませた彼女の
口に添える。本当なら吐き出す選択肢もあったはずなのに、なぜ飲み込んだかは疑問の
まま。
「うっ!」
それとは別の紙で、いおりはすっかり萎れた茎を包んで拭き始める。お互いが掃除を
しあっている状態になるが、再び刺激を加えられたことで血液がそちらに集中し始めて
しまった。
「……ねえ、神代さん」
男を見ながら、しかし奈緒を女子だと思ってそう呼ぶ。わずかに硬くなっているその
部分に反応するように、いおりも下半身に妙な感覚を覚えていた。
調光器で部屋の明かりを調節し、辛うじて相手が見える程度まで暗くしてしまう。視
界が悪くなったのか戸惑っている奈緒に、いおりはそっと近寄った。
「どうしよう、本当に興奮してきた……」
「……!」
言葉を出す暇さえない。いきなり口をふさがれ、しかも舌がねじ込まれた。
とても苦い口づけをしながら、恐る恐る舌どうしを接触させる。キスとフェラチオの
順序が逆だったせいもあるが、次第に苦味がなくなってきた。口を離すと、つう、と糸
を引く。
266:風女(9)
10/07/28 21:35:08 P5dA1w84
「神代さんの胸、柔らかいね」
胸元をはだけたまま、むき出しになっている下着を触れられる。しかし、本来の胸板
はパッドに覆われており、感度ゼロのため触られても何も反応できない。感触を確かめ
るのは他人か、あるいは自分で触ってみるしかない。
「……ホンモノも触ってみる?」
言いながら、いおりは同じように胸元をはだけさせる。暗い中にも彼女の下着はしっ
かりと映り、まだ迷っている奈緒の手を押し付けた。
お世辞にも大きいとは言えないが、そのまま触れていると潰してしまいそうなほど柔
らかい。下着越しなのに熱が伝わってきて、奈緒は一人でどぎまぎしていた。
「あ、ふ……」
手を動かすといおりは震える。ふにふにと形を変える様をひとしきり楽しむと、奈緒
ははだけた下着を上にあげ、小ぶりな乳房を露わにした。
「時重さんのは、もっと柔らかい」
「う……」
感想をつぶやくと、いおりは恥ずかしそうに目をそむけた。こちらはパッドなどのま
がい物ではなく、しっかりと掌にとがった感触がある。揉むつもりで開いた手に、つん
と反抗する小さな突起を指先で触れてみる。
「ひゃっ」
一際強い刺激に、いおりは上ずった声を出した。二人の片手はそれぞれ指が絡まって
おり、責められるのは片方だけ。そこばかりに集中してしまって、いつまでも触られて
いるとおかしくなりそうだ。
しかし、奈緒がそんな思惑を汲み取れるはずはない。指ではじき、指の腹で押し、さ
らにつまみ上げたりと、むしろ反応を楽しんでいるようにさえ取れる。
「揉むのとこっち触るのはどっちがいいの?」
「さ、先……が、気持ちいい……よ」
次第に息が荒くなってくる。同じ場所ばかり責め立てられてはたまらず、喘ぎ喘ぎで
ようやく言葉が出せるほどだ。手を握る力が一層強くなっていく。
「次は、こう?」
ちゅっ。
「くは……っ!」
少し屈んで、ぴんと立っている突起にキスする。それまで熱があったのに、急に冷や
されるような感覚に見舞われていおりは体を竦ませた。
「んっ……は、ふぁぁ……」
ちろちろと舌先でつつく。小さいながらも存在感はしっかりとあり、転がすようにす
ると一段といおりの声が高くなっていく。
「ふぅっ……そ、んなに、吸ったら、っあ、ダメ……」
ちう、と突起に吸い付く。ダメと言いつつ奈緒の後頭部に手がまわされ、それが頭を
押すようにしていて、言葉ほど拒否はしていない。
唾液でじっとりと濡れ、その様子が明かりで妖しい光を放っていた。何もしていない
もう片方に比べると、ひどく淫靡な様である。
「……もっと、触って気持ち良くして……」
とんでもない発言である。いおり自身もなんだかよくわからない感覚が下半身にあり、
それを鎮めてくれそうなのが奈緒以外にいない気がした。
ここまで来て引き下がるわけにもいかず、奈緒は彼女のショーツに触れた。
267:風女(10)
10/07/28 21:36:01 P5dA1w84
「……うわ」
随分と湿っていた。そのうえ熱っぽい。
驚きのあまり手を引っ込めてしまうが、今度は向こうから手を取られて強引に触れら
れた。湿り気と熱のせいで、すでに下着としての用途を果たしていない。
布越しにもかすかに水音がし、今まで以上に興奮が高まってきた。
「私、今すごくえっちな気分だよ」
「い、今頃?」
「ううん、ずっと前から……」
そんなコメントさえ彼女らしい。普段はおとなしくて掴み所のない、特別クラスで目
立つような存在ではないが、ふとした理由で接点ができ、今は二人だけで秘密を持って
いる。その肌に触れる日が来るとは思わなかったが、目の前にいる時重いおりはとても
愛らしかった。
「はぁっ……」
クロッチをずらし、内側に直に触れる。表面にさらりとした液があり、触れた指が滑
ってしまう。
つぷ……。
「んあぁぁっ!」
ワレメはあっさりと指を受け入れた。一、二関節まで入っていき、その指を締め付け
る。
奈緒の肩に手をついて悶えるいおり。ゆっくりと抜き差しされ、脚に力が入らなくな
ってしまう。がくがくと震えだし、こみあげる感覚に思考を支配される。
「あ、あ、はぁぁっ! ……あぁぁっ……」
一際大きく身震いしたかと思うと、同時に指への締め付けが一層強くなる。その直後、
力が抜けたのかいおりは膝をついた。
がくん、と倒れそうになるが、肩に置いていた手で何とかぶつからずには済んだ。一
瞬意識が飛んだような感覚になったが、自分の体から指が抜かれたことで現実に戻され
た。目の前には女子の制服をまとった男子がいる。
奈緒は指にまとわりつく液体の量にただ驚いた。すぐに指先から流れていくが、指を
合わせてから離すとわずかに糸を引く。うっすらとした明かりの中で光るようにも見え、
いおりがどんな気分だったかを暗示させる。
膝をついたままのいおりは、肩に乗せていた手を奈緒の股ぐらに滑らせた。ついさっ
き小さくなったと思っていたのに、随分と硬く片手では収まらないほど大きい。
「……また、出さないと?」
ようやく穿かせられると思っていたが、お互い興奮してしまってそれどころではなか
った。いおりも下半身がまだ疼いており、さらに強い刺激を求めているのが自分でもわ
かる。
ただ、何も言わずに床に寝転がってみせた。
展開を読み取れたのか、しかし戸惑うように動く奈緒。屹立をいおりの秘所にあてが
い、自分の指が入った場所を探すようにゆっくりとこすり合わせる。スカートを手に持
っていないと視界が遮られてしまい、今は両手がふさがっている状態だ。
やがて、どちらが分泌した液なのかわからないが、つるりと滑るようになり、その中
でわずかな窪みに先端が埋まった。
268:風女(11)
10/07/28 21:36:55 P5dA1w84
「くっ……」
お互いが思わず声を漏らす。少年の方はなかなか進まない焦り、少女の方はかすかな
痛みによって。
入り口を見つけたものの、そこから先に進むにはかなり苦労しそうだ。先端は入り始
めているが、この時点でわずかに痛みを感じ、引き返しそうになってしまう。指への締
め付けもかなり強かった。それと同様の力を加えられれば敏感なこちらは耐えきれるか
どうか。一抹の不安を感じながらも、奈緒は慎重に体を進めていく。
わずかに上げられていたスカートが落ちる。二人が一番近い場所を覆われ、少し不安
になる。何が起こるかわからず、いおりは下腹部に熱と痛みを覚えながら、わずかに顔
をしかめて床を引っ掻く。
「……あぁぁっ! ひ、ぐ……」
何かを破られた感覚があった。直後に全身へ痛みが走り、視界が白く染まる。目を開
けると、すでに汗だくの奈緒の姿があった。
鈍い音が一瞬したかと思うと、茎はすっかり全身を収めていた。暗がりではどす黒く
見える液体がつながりから溢れ、自分を締め付ける感覚と合わせて寒気を覚える。
とはいえ、簡単には動けない。少しでも不安をなくそうとキスをすると、すぐに応じ
て舌が絡んだ。痛みを紛らわせようと乳首を指ではじくと、いおりは小さく体を震わせ
た。
「ん、ん……ううん……!」
奥まで入ったものを少しだけ後退させる。しかし、想像以上の締め付けが襲い掛かり、
少しの動きでもピリピリと電気のような刺激が伝わる。
口がふさがって呻くような声しか出せない。相手が動いたことで痛みは再びあらわれ、
できることならあまり動いてほしくはなかった。
右手で目を拭いながら左手を絡ませる。不思議とその暖かさだけが心地よかった。
「はっ、あぁっ!」
浅いところまで下がっていく。まるで中身を抜かれるような感覚が体を伝わり、下腹
部へ鈍い痛みとして残る。だが、その浅い部分へ到達する直前、痛み以外の刺激もしっ
かりと感じた。
ゆっくりと引き上げた棒を、再び穴に進入させる。入り口の部分は先程よりも簡単に
進めるが、やはり奥の方はぎりぎりと締め付けられる。
「あっ、ん、やぁぁ……」
先端、と思われる部分が出入りしている。指を入れられた時とさほど変わらない、痛
みを伴わない刺激にいおりは喘ぐ。
にちゃり、と動きに合わせて繰り返される水音が耳に響き、奈緒はさらに入り口を責
め立てる。ずらしたままのショーツが茎の左側をこすり、それもあわせて快感としてい
た。
「あうっ……ん、ふぁぁ……っ!」
次第に奥の方もほぐれてきたのか、随分と込み入った抜き差しを繰り返していた。い
おりの中から分泌した液が全体を覆い、それが滑りを良くしている。絡まった指をさら
に強く握り、夢中になって腰を動かした。
「か、みしろ、くん……っ! 神代くん……!」
いおりはしきりにその名を紡いだ。痛みが完全に快感へシフトし、こちらから無理矢
理のつもりがこの結果で、泣き顔を作りながらも嬉しさを表現してみせる。
すっかり奥まで入るようになった棒を飲み込みながら、押し寄せた波にのまれて、い
おりの体は大きくはねた。
269:風女(12)
10/07/28 21:38:52 P5dA1w84
「大丈夫?」
行為の後、自分の脚や手を拭いていた奈緒の声でいおりは我に返った。
床に倒れたままだったが、下半身の熱はすっかり失せ、しかし体中がわずかに汗ばん
でいる。胸をはだけた状態だが、制服を脱いでしまいたい衝動に駆られる。
体を起こす。目の前にいる女子は男子……それまでのことを考えると、あまりにもイ
レギュラーな光景だった。女子の制服を着た男子と―その倒錯的な感覚が、却って彼
女を刺激させる。提案に乗って正解だったのだ。
「冒険はしなかったのね」
そうコメントする彼女は、もういつもの時重いおりだ。
いくら行為に夢中になったとはいえ、その場で彼女の中に精を放つことはなかった。
結果、彼女の腿を白濁が犯すことになり、そばに転がったティッシュがそれを物語って
いる。ただ、苦笑するしかない。
「遅くなったね。委員長になんて言おう?」
言われて、奈緒は時計を探した。
すっかり遅い時刻を示している。戻ってくるまで部屋は開けていると言ったが、まさ
かずっと待っているはずは……そう考えると、いきなり焦って口実を思い浮かべようと
してしまう。
セックスしていました、などとは風紀委員の立場からすると声を大にして言えない。
「……くす」
声に出して口実を考えている奈緒を見て、いおりは軽く笑んだ。
それにしても、彼自身がかかわる内容ばかりが聞こえてくるのは気のせいだろうか?
「じゃあ、その下着は渡したから。ちゃんと着けて行ってね。……次回から」
「……本気!?」
彼が二重の意味で焦っていたのは誰の目から見ても明らかだった。
270:風女(END)
10/07/28 21:39:58 P5dA1w84
以上です。ありがとうございました。
271:名無しさん@ピンキー
10/07/30 18:29:03 8GlmEEDv
GJ!!
272:拘束 その2
10/08/01 16:27:32 0NSXVsHW
元ネタ:バイオハザード
ジャンル:羞恥、調教系
エロ内容:陵辱・レズ描写や排泄ネタあり。
内容は>>253-255の続きです。
苦手な方はお手数ですが、IDでNG登録お願いします。
>>256
ジルは堕ちるよりも延々と調教したいです、はい。
クレアやアシュリーは、最初は嫌がりながらも興味深々で楽しんでくれると思うんだ。
・・・エロパロにしては文章が硬いんじゃないかなぁ、と心配しています、はい。
273:拘束 その2
10/08/01 16:32:52 0NSXVsHW
捕まったジルは相変わらず拘束されたままだった。
何時もの快楽を伴う下の世話が始まるかと考えたジルが身構える。
しかし、現れたのは襟ぐりが深いベージュのドレスに身を包んだ美女だった。
滑らかな光沢を放つ生地は豊かな胸を隠しきれておらず、歩く度に左右に揺れて乳輪がはみ出る。
恐らく下着の類は一切着けていないのだろう。
生地越しに黒く茂った陰毛が透けて見える。
乳首が擦れる感触に酔っているのか、拘束されたジルの姿にサディスティックな悦びを刺激されたのか。
体から興奮したようなメスの匂いを発散させている。
ジルと違うのは、微かに匂う香水の薔薇の匂いだけだ。
エクセラが勝ち誇った笑みでジルに顔を近づける。
ジルの目を覗き込んだ後、顔を歪めてスンスンと匂いを嗅ぐ。
「酷い匂いねぇ。部屋に入った時から気が付いていたけど・・・
貴方の脇の匂いだとは思わなかったわ。」
ジルが屈辱を見せまいと天井を睨んで平静を装う。
しかし、その表情はエクセラの手によって崩される。
大きく勃起した乳首を抓られ、捻られる快楽。
下の世話をする自称世話係によって繰り返し攻め立てられて体が反応するようになっている。
ジルは微かに涙を浮かべる。
同じ女から見下されたように扱われるのは、男に攻め立てられるよりも屈辱だ。
散々弄られた乳首が燃え上がる。
「熱っ?!」
その苦痛と快楽にジルの体がくねり、声を上げる。
エクセラが狐のような笑顔でジルの乳首をこね回し、引っ張る。
敏感になった乳首を包んでいるのはアルコールを含んだ綿だった。
必死になって体を捩ってもエクセラの執拗な責めからは逃げられない。
「ねぇ、動く度に匂うんだけど?」
その一言にジルが動くのを止める。しかし、エクセラの執拗な責めにモジモジと体が動いてしまう。
「自分ばっかり気持ちよくなって悪い娘ねぇ・・・
涎を垂らしてパクパクさせちゃって我慢が出来ないの?」
秘所は既に濡れて椅子を汚している。エクセラがふっと息を吹きかける。
ジルがブルっと震え、気の抜けたような顔になる。
「これ・・・彼方達・・・何をしたの・・・」
幾らなんでもおかしい。普通の状態でここまで感じるなんて・・・
「食事に薬を混ぜておいたの。気が付かなかった?」
その一言は逆にジルを安堵させた。自分の体が強制的に快楽に支配されているのが理解できたからだ。
「でも、もっと凄いのを上げるわ。」
274:拘束 その2
10/08/01 16:37:03 0NSXVsHW
エクセラが一本の注射器を取り出す。
ジルの顔が引き攣る。幾ら薬で増幅させられた快楽でもジルの精神が耐えられるとは限らない。
毎日の下の世話だけでもジルの体は開発されてしまっている。
これ以上、強力な快楽を与えられれば壊されてしまうのではないか。
注射針がゆっくりと動き、ジルの乳房を捕らえる。
冷たい針は刺さる事無くジルの乳房を刺激し、乳房全体が徐々に熱を帯びる。
そしてゆっくりと執拗に乳輪をねぶり、甘い刺激にジルの吐息が荒くなる。
「いっ?!」
快楽から痛みへのギャップにジルが悲鳴を上げる。
「いっ?いぃぃぃぃ~~~」
顔が歪み、流し込まれる薬液の冷たい感触にいやいやと首を振るジル。
しかし流し込まれる薬液の勢いは止まらない。
これから襲ってくるだろう想像を絶する快楽の恐怖にジルが涙する。
「さぁ、入ってきて頂戴。」
そのの声に反応するように自動ドアが開き、何時ものの世話係がやってくる。
エクセラの丸く引き締まったヒップを食入るように眺める男の足取りは遅い。
横に立った時などはドレスからはみである豊か過ぎる乳房をじっと眺めていた。
世話係の視線に満足したような表情を浮かべるエクセラが言う。
「拘束を解きなさい。」
「はぁ・・・い、今何と?」
だらしなく顔を緩ませていた世話係の表情が一変する。
「拘束を解きなさい、と言ったのよ。」
エクセラの冷徹な視線に世話係が凍り付く。今殴られれば砕け散りそうな位だった。
ジルの復讐を受ける恐怖とエクセラに殺される恐怖を目の前にして、
結局世話係はジルの拘束を解く方を選んだ。
275:拘束 その2
10/08/01 16:40:02 0NSXVsHW
拘束を解かれたジルはゆっくりと椅子から降りる。
目は世話係への憎悪に燃えている。
続いて怒りに満ちた視線が向けられたエクセラは微動だにしない。
ジルはSTARS時代にフォートブラックのデルタフォースで訓練を受けている。
銃器や爆発物の訓練だけではなく、素手で人を殺す方法も学んだ。
それはあくまでもテロリストや犯罪者と対峙した時に気を付けるべき事として教えられた。
STARSは司法組織の実力部隊であって、殺人を目的とする軍事系の特殊部隊ではない。
しかしジルはゾンビ相手の実戦で素手での殺しを繰り返し行ってきた。
後ろから襲い掛かってきたゾンビを投げ飛ばし、頚椎を踏み砕いた事もある。
こちらに気付いていないゾンビの膝を背後から蹴り飛ばし、
バランスを崩したところで首を圧し折った事だってある。
目の前の二人を殺す事は可能だ。
最初に世話係の首を圧し折って殺し、エクセラを人質に脱走する。
しかし、瞬時に立てた計画は失敗に終わる。
「お座り。」
エクセラの一言に反応し、ジルがその場にしゃがみ込む。
「チンチン。」
今度は爪先立ちで犬のポーズを取る。
「・・・おしっこ。」
混乱しきった頭でジルは四つん這いになり、片足を上げる。
必死なって小便を出そうとするが膀胱は空っぽで出す事が出来ない。
うんうんと唸るジルを見ながらエクセラが満足そうに笑う。
「そんな所でいいわ。立ってお尻をこっちに向けなさい。」
ジルがその言葉に従い、立ち上がる。
そしてようやく理解する。
「我が社の新製品よ。どうかしら、気分は?」
つまりエクセラが打ったのは・・・
「洗脳薬。よく出来ているでしょ。
そのまま両手でお尻を広げて、穴が見えるようにしなさい。」
ジルの細い指が豊かな双臀にめり込み、左右に広げるとココア色のアナルが剥き出しになる。
大きく目を見開き、恐怖に満ちた表情を浮かべる。
「笑顔を忘れないで。」
ジルが引き攣った笑顔を浮かべる。
エクセラが長い指を舐めて唾液を塗し、ジルのアナルに指を突っ込む。
突如襲う違和感を感じながらも笑顔を必死に維持しようとする。
指は遠慮なくピストン運動を繰り返す。
排泄に似た快楽が永遠に続くような錯覚を覚える。
「・・・もっと頑張って。」
肛門に力を入れるとエクセラが眉を顰めた。
「凄い締め付けね。指が食い千切られそう。」
エクセラが指を一気に引き抜くと、アナルからチュポンッという名残惜しそうな音が響く。
引き抜かれた指で肛門の周りに生えた毛をエクセラが引っ張る。
「もう普通の表情をしていいわよ?」
「うっ・・うう・・・」
恥辱と痛みに耐えながらジルが呻く。
肛門を出入りしていた指がジルの唇に押し付けられる。
ゆっくりと口紅を塗るように動くエクセラの指に嫌悪を感じるが体を動かす事は出来ない。
「綺麗にしなさい。ペニスをしゃぶるように熱心にね。」
ジルが嫌悪感に支配されながらも舌を出す。
何処に入っていたかは考えないように必死の努力をしてもダメだ。
エクセラの指を口の中に含み、吸い付くようなバキュームフェラをする。
それを見たエクセラは頬を上気させ、支配の喜びに打ち震えている。
ドレスからはみ出た乳房の先が硬くなっているが、気にする様子も無い。
「いいわぁ・・・その表情。」
クスクスと笑いながらエクセラが続ける。
「アレを用意しなさい。」
その淫靡な光景に見惚れていた世話係が回れ右をして部屋を出て行く。
数分後、世話係は椅子と共に戻ってきた。
276:拘束 その2
10/08/01 16:50:01 0NSXVsHW
その椅子には天井に向かって起立する細長い棒のようなものが取り付けられている。
「貴女はこれから・・・ちょっとした運動をしてもらうわ。」
内心とは別に、必死になってエクセラの指をしゃぶり続けるジルの視線が椅子に向けられる。
そして気付く。
椅子に取り付けられているのは、団子のようにビーズが連なったアナルバイブだ。
「さぁ、あの椅子に座って。ゆっくり、ゆっくり座りなさい。
感想を言うのを忘れないでね。」
ジルが命令に従い椅子に座る。
目からは涙を零し、唇を噛んで恥辱に耐えている。
「お、お尻の穴にビーズが入ってきます・・・
も、もう直ぐ全部、一つ目が全部・・入りました・・・
変な感じがします・・・二つ目はもっと大きくて・・・苦しいです・・・
濡れていないから・・・切れそうです・・・」
「あら、ごめんなさい。もう立ち上がって良いわよ。」
エクセラが指を鳴らすと世話係がローションの入ったボトルを取り出す。
「たっぷり濡らして上げるから。」
「う、嬉しいです。」
世話係がジルの後ろに回りこみ、アナルにボトルの先端を押し込む。
「い、いやっ?!何?!止めて、止めて!お腹痛い!いたいっ!入ってきてるぅ~」
ローションがジルの腸内に流し込まれる。
「すごく変な気分です・・・浣腸されてます!私、ローションで浣腸されています!」
殆ど悲鳴に近い声だった。下腹部がぽっこりと膨らんでいくのが見て取れる。
「じゃ、続けて。早くしないとローション、全部零れちゃうわよ?」
エクセラの指摘通り、ジルの肛門からローションが流れている。
「ブピッ、ブピッて音を立てながらローションが零れています・・・
見ないで・・・見ないで欲しいです・・・全部、一気に出ちゃいそうです・・・」
「だったら早く座ってだらしないお尻の穴に栓をするのよ。」
ジルが諦めたようにアナルバイブに座り始める。
「手を使っちゃダメよ?」
ジルが豊かな尻を振りながら何とかハメようとするが、バイブは左右に逃げる。
「お願いします、手を使わせてください・・・でないと・・・これ、入らない・・・」
「おねだりが上手になったわね。使っていいわよ。」
ほっとした表情でジルがアナルビーズの上に座り込む。
「さっきよりスムーズに入ります。すごい・・・一気に二個入っちゃった・・・
三個目・・・もっと大きいけど・・・んっ・・・入ったぁ~」
鼻息も荒くジルが囁く。異常な状況に興奮し始めている。
「もっと・・・後、一個・・・ダメ・・・これ・・・大きい・・・
ダメ・・・もう入っちゃう!おかしくなる・・・全部入ったらおかしくなる・・・・だめ・・・
でも・・・ははっ!入る!入っちゃった!」
エクセラが笑顔を浮かべたまま、拍手した。
「で、これから運動をしてもらうわ。」
「うん・・・どう・・・?」
肩で息をし、半ば正体を失った声で答える。
「スクワットをして貰うのよ。運動状態で薬がどれ位持続するか見てみたいの。」
ジルは自分がモルモットにされている事にようやく気付く。
しかし、命令を拒む事は出来ない。
ジルはゆっくりと腰を上げる。
「くぅ~・・・捲れてます・・・お尻の穴、捲くれてます・・・すごく変・・・だけど・・・
あ、今度は・・・今度は入ってます・・・ビピブピ言ってます・・・お尻の穴が・・・
豚みたいに鳴いています・・・全部、入るっ・・・!」
エクセラが目を丸くし、驚いた後に笑った。
「そうね、まだ前の命令が有効だったのね!
頑張って鳴き続けなさい。予定では、後5分で薬の効果が切れる筈だから。」
277:拘束 その2
10/08/01 16:55:27 0NSXVsHW
ジルの目に希望の光が宿る。後5分堪えれば・・・自由になれる。
パンパンっと規則正しいリズムでヒップと椅子がぶつかり合うリズムが部屋を満たす。
時折ブピッ、ブピッとローションと吐き出される音が混じるのがジルにも解る。
何時果てるとも解らない羞恥にジルが下唇を噛む。
「変な感触が・・・どんどん・・・これ・・・どんどん気持ちよく・・・なってます・・・」
エクセラは汗だくになってスクワットをするジルを飽きずに眺めている。
3分が経過しても部屋から出て行くような真似はしなかった。
新しい快楽を開発され・・・半ば自主的にアナルを開発しているジルを飽きる事無く眺めている。
「らめぇ・・・またイっちゃううう!まら・・・おひりの穴でヒく!癖になりゅぅ・・・」
残り一分になってもエクセラは部屋を出ない。
既にジルの太腿は限界を超えている。椅子としりがぶつかり合う音は規則正しいリズムではない。
それどころか、一番下のビーズから尻を引き抜くのでさえやっとだ。
それでも薬はまだ効いている
「ん~・・・らめぇ・・・まら・・・落ひちゃう・・・一個・・・二個目・・・もっと・・・んひぃ?!
ダメ・・・あひこひ・・・たたにゃい・・・これ以上・・・んぁ~入ってくりゅう・・・」
空気椅子の格好で暫く堪える。
しかし、ブブっと音を立てた椅子に座り込み、暫く動きが止まる。
顔は涎と涙でグシャグシャになっている。
「薬の効果は切れたけど・・・立ち上がる事は出来ないわね?」
エクセラが視線を飛ばすと世話係がジルを椅子から立たせ、そのまま床に降ろす。
強制的に齎された快楽地獄の中でも、ジルの殺意に変化は無かった。
今が脱出するチャンスだ。
しかし。
278:拘束 その2
10/08/01 16:59:48 0NSXVsHW
ジルが立ち上がろうとするが、生まれたばかりの馬のように立ち上がることが出来ない。
引き締まった太腿がふるふると震え、立ち上がろうとしては突っ伏す。
延々と続けたスクワットのせいで太腿の筋肉が限界を超えている。
どうやっても尻を突き出して左右に動かす事しか出来ない。
脱走しようとするのではなく、まるで男を誘うような動きにしか見えなかった。
「私も少し興奮しちゃった・・・」
自らの胸を揉みしだくエクセラを見て、世話係がゴクリと唾を飲む。
「ダメよ・・・その代わり、目の前にオナニーにぴったりの穴があるでしょ?」
世話係がチャックを下ろし、硬くなったイチモツを引っ張り出す。
そのままジルの細い腰を掴み、尻を持ち上げ、どうせならとアナルに挿入した。
ジルは背中を逸らし、エクセラはそれに答えるようにドレスの生地を股間に強く押し付ける。
濡れた生地はぴったりとエクセラの秘所に張り付き、世話係をますます興奮させた。
「・・・んっ。拘束もされていないし・・・薬の効果も切れてるのよね・・・」
生地越しに股間をぐにぐにと弄るエクセラが艶っぽく笑う。
「なのに抵抗一つ出来ずにアナルを穿られているなんてねぇ・・・」
緩んだジルの顔に恥辱の色が混じるのを見て、エクセラが更に興奮する。
舌を出して世話係を挑発すると、それに応じるようにジルの肛門を強烈なピストンが襲う。
ジルの直腸が自然とペニスを受け入れ、それどころかギュウギュウと締め上げる。
体が快楽に躾けられていた。
自然と漏れる喘ぎ声を噛み殺しながらジルが理解する。
しかし、それを認めたくない。
それを見抜いたエクセラが頬を赤く染めながら言った。
「今の貴女は、単なるオナホールなのよ?」
注ぎ込まれた大量の熱い精液に直腸に沁み込んでいく快楽にジルが涙を浮かべながら反論しようとする。
「わ、わたしはあぶ?!んぶぶぅ!ぶぶふぅ・・・うえっ・・・うぇぇぇ・・・げほっ・・・」
しかし、反論はエクセラの放った小便によって邪魔される。
弧を描いてほとばしる尿がジルの口の中に流れ込み、顔を黄色く染め上げる。
アンモニアの匂いと生暖かい飛沫越しに見るエクセラは舌を出し、快楽に浸っている。
「我慢してたから止まらないわ。すごい、こんなに・・・」
周囲に広がっていく水溜りの中でジルが唇を噛締める。
世話をされる側から一転して、精液や排泄物を処理する便器にされたのだ、とジルが悟った。
自分が性欲処理の道具に貶められた事実を知ったジルが涙を零す。
その涙が床に広がった黄色い水溜りに零れ、小さな波紋を生み出した。
「・・・私の粗相は、貴方に床を舐めてもらって掃除してもらおうかしら?」
ジルが絶望しきった表情でエクセラを見上げる。
「ウソよ、子猫ちゃん。」
気が緩んだジルは、そのまま水溜りの中に顔を突っ伏して、気絶した。
・・・To Be Continued?