09/05/06 02:02:50 C5kqhUN9
「今日は良い天気だなー」
「ああ、そうだね」
横にいるエンダに声を返す。
そう、今日は本当に良い天気だ。
僕とエンダの旅立ちの日に相応しい良い天気だった。
エメク・エンダルート
アーガデウムに乗り込んで僕の先祖…タイタス一世を倒してから5年が経った。
あれからホルムの街も凄く変わった。
ネルは今では立派な鍛冶屋になっているし、パリスも『ぱりすや』で頑張っているらしい。
最近すごく綺麗になってきたチュナちゃん目当てに来るお客さんも多いそうだ。
本当に綺麗になったよなあ…。
「むー…」
横にいるエンダが何やら唸っている。
「どうしたの?」
と僕が訊いてみると
「エメクの顔、なんだかいやらしかった」
…失礼な。
そうこう話しているうちに目的地に着いた。
目的地は…アダお婆ちゃんのお墓だ。
僕とエンダが今日旅立つのでお婆ちゃんに挨拶をしに行くのだ。
お婆ちゃんは2年前に風邪をこじらせて亡くなってしまった。
あの元気なお婆ちゃんからは想像できないほどあっさり亡くなってしまった。
あの時は僕もエンダもすごく泣いたっけ。
でも、皆がいてくれたから僕達は立ち直れた。
パリスやチュナちゃん、ネルにフランさん、そして…
「ん?ばーちゃんのお墓の前に誰かいるぞ」
不意にエンダの声が掛かり、そちらを見てみると…
「…メロダークさん…」
アダお婆ちゃんが亡くなった時、僕とエンダの傍に一番近くにいてくれた人がそこにいた。