09/08/19 15:34:03 yovCkcIv
「どうして…何も言ってくれないの?」
黒の騎士団を追われたルルーシュがよりによって神聖ブリタニア帝国皇帝となって姿を現し。
超合集国加盟申請のために日本を訪れ。
カレンはその思いのたけを静かに、彼にぶつけていた。
永劫に続くかに思えた沈黙の時間。
これで全てを断ち切ろうと一歩を踏み出したそのとき。
ルルーシュの唇が開いた。
「初めて来ましたが…日本はとても良いところですね」
「な、何を…」
カレンはとまどった。と同時に腹ただしくも感じた。
あくまで初対面で通すつもりなのか? そこまで自分を拒絶するのか?
その想いが自分の顔を険しくしていくのを自覚していた。
しかし。
「週末はハイキングに行きたいものです。この身ではなかなか適いませんが」
え?
再びとまどうカレンに、今度こそ踵を返しながらルルーシュは続けた。
「では私はこれで。黒の騎士団のエースパイロット紅月カレン。
いずれゆっくり話を聞きたいものです」
投げかけられた言葉の意味を反芻し立ちすくむカレンを背に、皇帝は静かに去っていった。