【主に】 ペルソナ総合エロパロスレ 11 【P3・P4】at EROPARO
【主に】 ペルソナ総合エロパロスレ 11 【P3・P4】 - 暇つぶし2ch300:名無しさん@ピンキー
09/05/26 22:06:12 QJrpYGaZ
また途中で申し訳ないですけど、一旦終わります。


301:名無しさん@ピンキー
09/05/27 00:13:04 jbbjMKzI
いやみ言ってやるなよwwwwwwwww

302:名無しさん@ピンキー
09/05/27 21:02:28 ijVZ9DXQ
エロパロなのにエロなしか…

303:名無しさん@ピンキー
09/05/27 21:29:23 /VjCn1wF
まだ待とうぜ
アイギスの姿から装備がなくなったくだりに俺は期待してるぞwwwwwwwwwww

304:名無しさん@ピンキー
09/05/29 01:48:25 9CWsYQxu
保管しました

305:名無しさん@ピンキー
09/05/31 19:42:19 LVQlavrd
ここは死んでるが
保管庫のカウンターは結構回ってるんだよな
そんだけここ巡回から外した人多いんだろうな

306:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:55:17 gjfl8B6P
小ネタ投下します。林間学校ネタで主×千枝要素があります。

307:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:55:50 gjfl8B6P
あー、腹が減って眠れねえ。
くそ、天城と里中……。
あんな物体X、食えるわけねえだろ。
っつーか、人に食わせる前に味見しろっての。
月森も買出し見てたんなら止めろよ。
テントの中真っ暗だから本も読めねえしな……。朝までどうすんだよ……。

ん?……何か音がしてんな。

「もう、こんな所で……エッチなんだから」
「とっくに知ってるだろ?」
「孝介のエッチ」

……何とか聞き取れるな。
里中、普段「月森君」って呼んでなかったか?
名前を呼び捨てかよ。いつの間にそんな仲になってたんだ?

「ここ、ほっぺか」
「くすぐったいな」
「唇どこだ?動くなよ」
「ふふ、捕まえてみなさい」
「動いたら分からないって」
「あっ、手で押さえるの反則……んっ」

こいつら何やってんだ?

「千枝の唇とか舌って、すごくいい味がするよな」
「何言ってんのよ」
「腹が減ってるのが紛れる」
「それは……もー、謝ったでしょ」
「もう1回いい?」
「いいけど……」

308:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:56:34 gjfl8B6P
またさっきの音だな。二人の息と、吸ってるみたいな音……おおっ!?こいつらキスしてんのか!?
っつーか付き合ってたのか!
確かに月森は里中狙いだって言ってたけどよ。
こんな所でキスするとか大胆すぎんだろお前ら!
にしても……長いな。
さっきから繰り返し……おっ?終わったか?

「千枝、俺の味はどう?」
「ん……おいしい、よ」
「カレーの味はしなかったか。思いっきり歯磨いたからな」
「あんまり言うと怒るよ?」
「ふふ……こっちの味はどうかな」

お!ジャージのチャックを下ろす音か?
あとごそごそ……

「あん」

里中がこんな色っぽい?声出すとは驚いたぜ。
何やってんだ?

「千枝の胸、柔らかいくせにここだけ硬くなってる」
「あんっ、乳首そんなにしちゃ嫌……」

また吸う音か。胸吸ってんのか!
里中胸小っせーけど、それでも良いもんなのか?

「おへそ……舐めないでよ」
「千枝の腹筋かわいい」
「意味分かんないから」
「明日つば臭くなるかもな」
「ちょっと、拭いてよ……もう、どこ触ってるの」
「結構濡れてるぞ」

309:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:56:58 gjfl8B6P
すげえ音が出てるぞ!
もしかして、あそこいじってんのか!?

「指は時々痛いからやだ……舐めてよ」

ななななな、何言ってんだ!?里中さん!?
お前そういうキャラじゃねえだろ!?

「また今度な」
「もう……ん……」

なんか、くちゅって音がだんだんでかくなってきてるぞ!?
す、すっげー濡れてきてるってことかよ!?……おっ!?

「千枝、今すごくいやらしい顔してるんだろうな」
「そう言うあんただって、初めての時顔真っ赤だったじゃん」
「それは……しょうがないだろ」
「はあ……どうせ最後までするんでしょ?早く済ませちゃってよ」
「待ちきれなくなったか」
「うるさい」

310:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:57:37 gjfl8B6P
いよいよ本番か!でも、こんな暗い中でできるのか?

「くすぐったいー」
「触らないと分からないだろ……ここか?」
「全然違うー」
「……太もも、気持ち良いな」
「ちょっ、何こすりつけてんのよ」
「……太ももでイっていいか?」
「いやいや、だめだって」
「じゃあ……ここだろ?」
「わっ、そっちは、違う……」
「もうちょっと上か……ここだな?」
「うん、そこ……」
「いくぞ……」
「ん……くうっ……」

真っ暗だけどすっげー動いてるのが分かるぜ……。
やべえ、俺も勃ってきちまった……。
しかし、相棒とその彼女のセックスで抜くわけにはいかねえ!
っつーか起きてるのがバレたら殺される!

「やばい。もうイキそう」
「もう、終わり……?アレ、してるんでしょ?」
「感触で分からなかったか?真っ暗なのに付けられるわけないだろ」
「生なの!?うっわ、あんた最低。外に出してよ」
「ティッシュどこだ?」
「分かるわけないっしょ。あーもう、最低。孝介あんた最低だよー」
「悪い、出す……」

311:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:58:56 gjfl8B6P
やっべえええええ中出ししちまってるよ月森!
お前らまだ高校生だろ!?
なんでこういう時にキッチリしてねえんだよ!

「はー、もう中に出しちゃって……デキちゃったらどうすんのよ」
「その時は責任を取る」
「今無責任に中出ししちゃったあんたが言っても信じらんない……中でまた大きくなってきてない?」
「やっぱり1回じゃおさまらないな」
「もうだめだからね?や、動いちゃだめだって……んあっ」

ヤってる音って結構でかいな……。
ずっと鳴りっぱなしだし、こりゃ疲れるだろうな。

「これ以上出されたら、ほんとに妊娠しちゃう……んんっ」

……セックスもえらく長く続いてんな。二人共鍛えてて体力あるからか?
里中のあえぎ声、こらえきれてねえぞ。テントの外に聞こえちまうだろ、これ。

「やああ……孝介ぇ……気持ち良いから許してぇ……」
「今が一番締め付けて来てるな……こうか?千枝」
「あんっ、それだめっ。声我慢できなくなっちゃうよ」
「じゃあ口にふたをしようか」
「ん、んんーっ」

312:名無しさん@ピンキー
09/05/31 21:59:31 gjfl8B6P
バカップルのお二人さーん、バレたら停学になっちゃいますよー。
そこんところ分かってますかー?

「バカ……バカ孝介……バカ孝介にイカされちゃうっ……」
「俺に馬鹿なんて言うのは千枝だけだな……もっと言っていいぞ」
「バカっ、やっ、もうイク……」
「俺も、もう……」

……あいつらには天国でも、俺にとっちゃ生き地獄だぜ……。
さっきからはあはあはあはあ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅうるせえ。耳から離れねえよ。

「好き……好きだよ孝介君……」
「馬鹿って言ってなかったか?」
「本当は好きなの……大好きなの……」
「どのくらい好き?」
「君が一番好きだよっ……だからずっと一緒にいて。どこにもいかないで」
「分かった。一緒にいるよ。絶対に帰ってくるから」
「はぁっ、嬉しい……んああっ、イク……!」

313:名無しさん@ピンキー
09/05/31 22:00:04 gjfl8B6P
暗くてよく分からないが、全部で4回は中出ししたみたいだ。
里中もイキまくってたみてえだし。
お前ら、がんばりすぎだろ……。
……でも、月森が一年で帰っちまうこと、結構気にしてんだな……
……って思うわけねーだろこのラブラブバカップルが!
こんな所でベッタベタに愛を交わすな!
こっちは興奮しちまって眠れねーんだよ!
ちくしょう、こいつらすやすや眠りやがってくそー!

とうとう朝になっちまった。全然寝れてねーよ。
「はー、腰いったーい。じゃーね。月森君。花村も」
くそー、何も無かったような顔して出て行きやがって。
しれっと月森に意味ありげな視線を送ってんじゃねーよ。
こっちは何があったか全部知ってんだぞ!
……って言ったら、俺は間違いなく里中に殺されるな。相棒にも殺されるかも。
うん。黙っていよう。

お、月森と天城がこそこそ……何話してんだ?
……すげえ青い顔してんぞ、月森。
そうか。天城も昨日起きてて、釘刺してきたんだな。怖えー怖えー。
まあ、親友があんだけ中出しされちゃ、言いたくもなるわな。

「おっ、花村先輩」
よお、完二か。昨日さ、すっげーことがあってよ……。
「何スか、すげえことって。先輩なんかやたらと疲れてねえスか?」
いや、お前向きの話じゃねーかな……。
「もったいぶらねえで話して下さいよ」
分かった分かった。誰にも言うなよ。あ、あと鼻血吹くなよ。実はよ……。

終わり

314:名無しさん@ピンキー
09/05/31 22:30:52 hAFQ1rZR
うわあ…

315:名無しさん@ピンキー
09/05/31 23:01:01 ubvBl8Zb
ヨースケのノリノリツッコミが哀愁を漂わせてるクマ…

316:名無しさん@ピンキー
09/05/31 23:36:13 c+dt7tzN
これでジュネスがG行為をしてたら正にGフェスなのにw

317:名無しさん@ピンキー
09/05/31 23:48:11 z2JbX5HT
なぜにヨースケはこうも三枚目が似合うのか。
顔は二枚目なのになw

318:名無しさん@ピンキー
09/06/01 00:38:13 XHibD7u4
顔は二枚目なのに役割が三枚目って、ペルソナシリーズの男キャラの
ほとんどが該当しねぇ?w
アンソロとかでの扱いもあるんだろうけど、終始二枚目のままでいられた男キャラって
P3の荒垣さんぐらいしかいないような気が…。

319:名無しさん@ピンキー
09/06/01 02:12:39 cWNqrsRo
レイジは2枚目のままでいられたと言って…言って…、

320:名無しさん@ピンキー
09/06/01 08:44:04 0F1Ht8p0
ピアス→音痴
なんじょうくん→ヤマコン
マーク→ペペペペペ
ウンコ→ウンコ
レイジ→マザコン手品師

321:名無しさん@ピンキー
09/06/01 19:44:14 1ASUChTF
トロ→苦手を克服しようとする挑戦者
悪魔くん→ブートキャンプ
内藤→モテモテ
神取→引きこもり
武多→ヘイヘイハー

322:名無しさん@ピンキー
09/06/01 20:38:14 cWNqrsRo
>>321
神取はなんつーかマダオ(マるでダメなオヤジ)なんだよなぁ。
30間近になって「生きる意味が見つからない(意訳)」はないだろうとry

323:名無しさん@ピンキー
09/06/04 17:46:06 VFfYtnTQ
くそ

324:名無しさん@ピンキー
09/06/07 11:15:12 x6wmhRrt
ペルソナ初心者の俺に何故ヒロインが学校の制服を着ていないのか教えてくれまいか?

325:名無しさん@ピンキー
09/06/07 15:12:10 bdA4JfPj
制服は制服で萌えるが、学生の私服姿という物もこれはこれで萌えるから。
むしろ、制服一点張りではいくら美人な嫁でも飽きる。
学生らしい制服や個性を主張する私服、可愛らしさを強調するステージ衣装、レトロながらも家庭的な一面を想像させる割烹着…
りせちーは本当にエロいなぁ。

326:名無しさん@ピンキー
09/06/07 18:42:36 NDpXdFbz
一応全員着てるけどな
赤とか緑とか男子制服とかでわかりにくいだけでw

327:名無しさん@ピンキー
09/06/08 01:07:58 yLLLwP9x
P3のパーティメンバー(犬・子供・中退除く)は主人公以外みんな改造制服だったな

328:名無しさん@ピンキー
09/06/08 22:28:57 jyEWva0Z
3よく知らないけど、4のほうが改造制服率低いのかw

329:名無しさん@ピンキー
09/06/08 22:35:03 +rY0jlM+
4の男子はアレンジ率低いからな
完二も上着肩ひっかけしてるからシャツ目立たないし

330:主人公×菜々子
09/06/12 20:09:24 xo3DAekU
菜々子を性的に弄んでいます。


*******************

チンっ。
音のあとにおいしいトーストの匂い。朝ご飯の出来上がり!
私はトーストを二枚取り出してお皿にのせた。ちょうど階段を下りる音も聞こえる。
「おはよう菜々子」
ちょっと眠たそうに顔を出したのはお兄ちゃんだ。
「お兄ちゃんおはよう。これ朝ご飯だよ」
皿を差し出すとお兄ちゃんの目尻が細くなる。笑ったお兄ちゃんを見ると胸がドキドキして、すごく嬉しい。私もつられて笑う。
「菜々子はもう食べたの?」
「ううん。これから作るよ」
「じゃあ飲み物の準備するね。牛乳でいいかな?」
「うん!」
私が自分の分を作り終えて食卓に持っていくまでお兄ちゃんはトーストに手を着けずにテレビを見ていた。私が向かいに座ると、目を私に合わせて笑った。
「食べようか」
私は頷いて手を合わせた。お兄ちゃんもそうする。
「いただきます」
お兄ちゃんと私の声が混ざり合った。今日は日曜日だけどお父さんはお仕事でいない。そういう時、前なら一人で食事をしていた。だけどお兄ちゃんが来てから一人で食事をすることが減って、寂しくなることが少なくなった。誰かと一緒に食事をするってすごく嬉しい。
「パンおいしい?」
「うん、あ、菜々子、白髭できてる」
お兄ちゃんは傍にあったティッシュを一枚取って私の口周りを拭いた。何だか赤ん坊みたいでちょっと恥ずかしいな。
「ありがとうお兄ちゃん」
お兄ちゃんは微笑む。
「菜々子が用意してくれたご飯を一緒に食べて話して…何だか夫婦みたいだな」
夫婦?
「お父さんとお母さんみたいってこと?」
そうそう、とお兄ちゃんは呟いた。
「菜々子が俺のお嫁さん」
お兄ちゃんのお嫁さん!カァーっとほっぺが熱くなる。恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちがゴチャゴチャ。お兄ちゃんは相変わらずニコニコしている。
「菜々子はかわいいなぁ」
お兄ちゃんは私の頭を撫でた。でも、これじゃあお嫁さんっていうよりも子供扱いじゃないかな?からかわないで欲しいなぁ。
「お兄ちゃん、今日はお出かけするの?」
「菜々子は?」
「うーん、遊ぶ約束ないから何処も行かないかも」
そっかぁ、お兄ちゃんは頷いた。
「じゃあ今日は菜々子と一日過ごそうかな」
「本当?」
「うん、菜々子と一緒」
ぱぁっと胸がわくわくした。お兄ちゃんと一日中一緒!お父さんがいないのが残念だけど、お兄ちゃんと二人きりというのが何だかドキドキする。そういえば二人で長い時間いたことがなかったかも。いつもならお兄ちゃんが友達と遊んだり、私が出かけたりしていたから。
「たまにはお嫁さんにくっついていたいしね」
お兄ちゃんは私の鼻をちょんっと触った。またからかって!
「もう、止めてよお兄ちゃん」
お兄ちゃんは頭を横に振った。
「お兄ちゃんじゃないだろ?」
名前で呼んで、とお兄ちゃんは言った。
「で、でもお兄ちゃん」
お兄ちゃんは何も答えずにトーストを食べる。むぅ、とお兄ちゃんを見るけど、このまま変えるつもりはないみたい。うーん、恥ずかしいのに。
そうこう考えていたらお兄ちゃんはトーストを食べ終えた。ご馳走様、と手を合わせて立ち上がる。台所へと歩き出そうとするお兄ちゃんの服を慌てて掴んだ。お兄ちゃんは少しビックリした顔になった。
「あ、あの、ね、私が、洗うからいいよ」
そう言って名前を、呼んだ。一文字ずつ。お兄ちゃんはすぐに笑った。
「聞こえないよ?」
顔が熱い。私は少し大きい声で呼んだ。お兄ちゃんは嬉しそうに私の頭を撫でる。
「ありがとう。でも片付けくらい俺がするから」
菜々子のも洗うからね、と優しくお兄ちゃんは言った。私はただうん、と頷いてほっぺの熱が引くのを待った。

331:主人公×菜々子
09/06/12 20:10:55 xo3DAekU

こうやってお兄ちゃんと私の夫婦ごっこが始まった。お兄ちゃんは相変わらず名前を呼ばないと私を見てくれない。最初は恥ずかしかったけど、お昼には段々と慣れてきて赤くなることはなくなった。もう大丈夫!
「菜々子」
「どうしたの?」
振り向いたらおでこにあったかい感触。お兄ちゃんの顔が間近にある。
……やっぱりまだまだ慣れないなぁ。
「洗濯物を畳もうか」
「う、うん」
お兄ちゃんは外に干していた服やシーツを全部取った。隣同士に座って一緒に畳んでいく。
今日はお兄ちゃんと一緒にご飯を作ったり、テレビを見たり、お話ししたりした。何も話さないでぼーっとすることもあった。時間がゆったりと流れている感覚。お兄ちゃんと一緒にいるの、好きだな…
「どうかした?」
「え?あ、うん、何でもないよ」
タイミング良く話しかけられてビックリしちゃった。私の気持ち、もしかして分かりやすいのかな。お兄ちゃんには全部見透かされているような気がして、顔が赤くなった。うーん、お兄ちゃんには適わない。
「そろそろ晩御飯作ろうか。カレーでいい?」
「うん!私も手伝う」
お兄ちゃんはニコッと笑った。お兄ちゃんが笑うと私も嬉しくなる。お父さんとお母さんもこうだったのかな。

332:主人公×菜々子
09/06/12 20:14:27 xo3DAekU


晩御飯を食べ終えてお皿を洗って、何かおもしろい番組ないかな、とテレビのリモコンを適当に押すと、
動物がたくさん出ているのがあったから、それを見ることにした。
ウサギが犬とじゃれていてかわいい。私もウサギ欲しいなぁ。
その時ギュッと手を握られた。お兄ちゃんが体を寄せて来る。
「かわいいね」
テレビではちょうどお姉さんがおっきな犬を撫でていた。
すっごく嬉しそうな顔をしている。いいなぁかわいいなぁ。私も撫でたい。
なでなでと頭を触られた。犬にするようにお兄ちゃんは私を撫でる。
犬じゃないんだけどなぁ、でも私はちょっとふざけてお兄ちゃんの胸にゴロゴロ体をこすりつけた。ワンワン、と鳴きながら。
「かわいいなぁ」
嬉しそうなお兄ちゃんの声。気に入ってくれたみたい。お兄ちゃんは手を段々下げていく。脇に手が触れてくすぐったい。
「アハハ、やめてよお兄ちゃん」
「違うだろ」
そうだった。今はお兄ちゃんじゃない。名前を呼んだらよし、と言って、くすぐりを続ける。お兄ちゃんったら!
お兄ちゃんの手が脇から奥へいく。指先が私の胸に触れた。でも相変わらずくすぐったくて私は笑ってしまう。
お腹が痛くなりそう。手がさらに進んで胸を覆った。くすぐったくはないけど何だか変な感じ。すると別の手が太ももをゆっくりと撫でる。
テレビでは犬が体中を撫でられていた。お兄ちゃんはまだ真似っこしたいのかな。
手は胸を優しく撫でる。時々手の平を押しつけられて揉まれた。
別の手は内股を爪先でツーッと左右を行ったり来たり。体が何だかムズムズする。体の中心が、お腹の下が痛い。

333:主人公×菜々子
09/06/12 20:15:57 xo3DAekU


いつもおしっこをする所がヒクヒクする。何だろう、これ。
顔を上げるとお兄ちゃんは相変わらずニコニコしていた。
「どうしたの、菜々子?」
「な、…何でもないよ」
目を合わせるのが恥ずかしくて顔を伏せると、キュッと胸に痛みが走った。
「ひっ」
お兄ちゃんの手が服の上から胸の突起を摘んでいた。クリクリ、と指が動く。
内股の手の指先も股に触れるか触れないかのところでツンツンと肉を押している。
あそこが痒くて痒くて。痒い。
「か、痒いよ…」
「どのあたり?」
「お、奥」
「奥って何?」
おしっこする所、なんて言えない。私は太ももを閉じてお兄ちゃんの手を挟み込んだ。
あぁ、もっと痒くなった。足をモジモジと動かした。手が奥へずれてあそこに触れる。
「んっ」
お兄ちゃんの指がパンツ上から押してきた。
「ここが痒いの?」
指先がクルクルと円を描く。私は必死に頷いた。お兄ちゃんは指を上下に動かしてこすりつける。胸の手は気付いたらスカートの下から入り込んで直接胸に触れていた。痒い。熱い。
「あ、あっついよぉ」
お兄ちゃんの手のうごきが激しくなる。パンツの上からお兄ちゃんはおしっこの場所のしたをグリグリする。体中がびりびりする。いたい。あつい。
「ひっゃっは、んんっ、やっ」
体のおくからなにかがこみあげる。おしっこみたいだけどそれとは違うような。なに、これ、なんなのかな。

334:主人公×菜々子
09/06/12 20:18:49 xo3DAekU

「菜々子」
お兄ちゃんはみみの裏をなめた。
からだがビクンっとはねる。あぁどうしようおしっこもれちゃう。
「ひっふ、も、らみ」
キーンとあたまの中が真っ白になった。グチュグチュグチュと下からもれる。体から力がぬけておしっこもでてきた。
「うわっあ、ぁ…」
ジュワーとふくやお兄ちゃんの手をよごす。床もきいろく染まった。きつい臭いがする。
目からポロポロと涙が溢れてきた。悪いことをしちゃった。おこられる。
「菜々子」
私は怒られるのをかくごして目をつぶった。お兄ちゃんはわたしの脇を掴んで床に、おしっこの上にねかせた。
お兄ちゃんはズボンに手をかけてカチャカチャとベルトを外す。どうしたのかな?
涙でぼやけた目でお兄ちゃんをじーっと見る。お兄ちゃんはチャックを外してズボンとぱんつをおろした。
「ヒッ」
私はビックリして声をあげた。私の目の前にはおっきくてピクピクしている肉があった。
何あれ。こわい。お兄ちゃんはわたしのぱんつをずりおろして取り上げた。
手が股にのびてわたしに触れた。じゅくっとゆびが入り込んだ。もう一本ゆびがふえて中に入ろうとする。
でも入らないみたい。グイグイと入り込もうとする。いたい、いたいよ。やめてよ。
「やっぱり、まだ無理か…」
手がはなれていたみはなくなった。ハァハァ。息があらくなる。
安心したけどおしっこの臭いがいやだ。はやくおふろに入りたい。
ボトッとおなかのうえに何かがのった。目をむけるとあの肉だ。
お兄ちゃんはわたしの両あしをもってにくをはさみこんだ。
床におちていたべるとを拾ってわたしのりょうあしのふとももを縛った。
「な、なに…」
お兄ちゃんはこたえる代わりに体をグイッと前におして前後にうごきだした。
しんどうであそこもこすられる。
「ひっや、ぁっお、やぁっ」
お兄ちゃんのうごきにあわせて私もゆりうごかされた。
にくはドンドンおっきくなっているせいかふとももがいたい。
ベルトがくいこむ。からだもあっつくなって息があがる。あつい。かゆい。
「おっほっお、にひ、ひゃっ…」
あたまがぐるぐるする。わけわかんない。あつい。いたい。
「ひっはっやっんっおにぃ、ちゃっひっやぁっ」
ぐちゃぐちゃぐるぐるあつあつ。
おにひちゃんがおっぱいのさきをつまんだ。きつく。
「おにぃひゃんいらいよぉ」
別のてがくちにはいってぐちゅぐちゅいじくられゆ。
くひからよはれあへろへろちゃれえなめへろへあぅなやまほぇ。おはひふはりほふ。
はぅあ、ひ、あ、おひぃ、ちゃっ、あっ、も、やぁぁぁぁぁぁあっっっ


ハァハァハァ。
精液を菜々子の体にぶちまけた。菜々子は気絶したのか、反応がない。
白濁まみれの菜々子を見下ろして、今更ながら何てことをしたんだろう、と思った。
しかし六歳の少女を弄ぶという背徳感はゾクゾクとした快感を呼び起こす。
そのせいで性器は再びムクムクと硬くなった。
若いなぁ、と人事のように思いながら、再び腰を動かすのだった。

335:名無しさん@ピンキー
09/06/12 20:26:53 xo3DAekU
すみません菜々子の一人称まちがえた。
菜々子がチョメチョメされるのがもっと読みたい

336:名無しさん@ピンキー
09/06/13 14:48:12 mP2JqxTY
ごめん

ひいた

337:名無しさん@ピンキー
09/06/13 20:41:38 LCGPWDV8
【結論】

*1位 岳羽ゆかり(ペルソナ3)
*2位 里中千枝(ペルソナ4)
*3位 桐条美鶴(ペルソナ3)
*4位 エリザベス(ペルソナ3)
*5位 リサ・シルバーマン(ペルソナ2)
*6位 マーガレット(ペルソナ4)
*7位 噂屋チカリン(ペルソナ2)
*8位 西脇ケツ子(ペルソナ3)
*9位 吉栄杏奈(ペルソナ2)
10位 園村麻希(ペルソナ2Ver)
11位 桐島英理子(ペルソナ1)
12位 天城雪子(ペルソナ4)
13位 堂島菜々子(ペルソナ4)
14位 アイギス(ペルソナ3)
15位 天野舞耶(ペルソナ2)

可愛い順はこれで間違いないと思うんだ。

338:名無しさん@ピンキー
09/06/13 21:15:47 AWSJQ3JY
>>337
VIPから出てくんなカス

339:名無しさん@ピンキー
09/06/13 21:54:46 /Mykqkn0
本当に職人がいなくなったんだね…

340:名無しさん@ピンキー
09/06/14 01:35:32 o5prZumo
>>335
GJ
前半のほのぼの可愛かった
菜々子はハードル高いだけにもっと読みたいよね

341:名無しさん@ピンキー
09/06/15 11:18:49 2u9+FlpE
>>330
最初の1レス目で読むの断念した・・・
嗜好や、菜々子視点の言い回しとかもそうだけど、何より違和感感じたのは
漢字教育もまだまともに受けてない幼女が「嬉しい」とか「白髭」とか「撫でた」とか使うだろうか

342:名無しさん@ピンキー
09/06/15 12:38:49 Gc/EFM7n
>>341
白髭って主人公の台詞じゃね?
幼女にしては文章固いのは同意

343:名無しさん@ピンキー
09/06/15 12:56:05 mApucXrm
幼女をょぅι゛ょにしたほうが幼く見えるってだけなんだけど文字情報しかないからそう感じるのかもね
有難うとありがとうの違いみたいに

344:名無しさん@ピンキー
09/06/15 13:58:13 o1oGUYdb
>>337
一位 アイギス

あとは同列でおk

345:名無しさん@ピンキー
09/06/15 14:04:44 K3pcqBEy
マイアキ舞子奈々子が10位以下か……ちょっぴりガッカリ(´・ω・)
でも会長入ってたしいいか

346:名無しさん@ピンキー
09/06/15 17:12:42 mApucXrm
ケツ子が以外に高順位で初彼女にした俺としては一安心

347:名無しさん@ピンキー
09/06/15 19:57:31 WKxT7InU
くだらねぇ
余所でやれ

348:名無しさん@ピンキー
09/06/16 12:02:36 6ydtPVm0
ゆかり一位はないな。

349:名無しさん@ピンキー
09/06/16 14:53:47 76nio9wj
ランキングなんて自分内以外は意味を持たないからなあ

350:名無しさん@ピンキー
09/06/16 18:08:03 4f3qnKw7
そうだね結局個人の嗜好の問題になるから意味ないね
ケチつけてる奴も同レベル

351:名無しさん@ピンキー
09/06/17 21:57:20 fHMkjk12
>>322
……娯楽産業自体が興醒めするから、こういう事は言いたくないんだが
ゲーム開発者とか、アニメーター、映画製作関係の人ってマダオが多いと思うんだ
30間近どころか、30になっても生きてる意味が見つからない人も、作り手の中にはいると思うんだ
仕事として、パソコンフォルダに保存されている美少年美少女達の設定をいかに活かすか、ってのに忙しくてそうなっちゃうと思うんだ

まぁ見かけはおっさん、でも心は大空を駆けるキラキラした目を持った少年って思えば嫌いじゃないけどな!!

352:名無しさん@ピンキー
09/06/18 10:45:35 xj598qLC
全く関係無いことを何熱く語ってんの?バカなの?氏ね

353:名無しさん@ピンキー
09/06/18 12:22:04 kas6yuUO
あ~ああ
職人追い出しに励んだ結果がこの有り様だよ…

354:名無しさん@ピンキー
09/06/18 15:40:17 MQ6KcLpI
>>352
氏ねとかこんな真昼間から言うなよ
仲良くやろうぜ

355:名無しさん@ピンキー
09/06/20 20:20:05 pkn942qJ
ああ~ん

356:名無しさん@ピンキー
09/06/20 20:34:05 h8UcqIQI
キタ様が死んだ~

357:名無しさん@ピンキー
09/06/21 10:11:10 TMmMvlyx
会長のSS呼んでからモノレール乗る前にトイレに入るようになった者が通りますよ

358:名無しさん@ピンキー
09/06/21 13:12:30 SDPtuKDz
モノレールにもう乗れる者が通りますよ

359:名無しさん@ピンキー
09/06/21 14:29:54 wgIf7cp+
IJ

360:名無しさん@ピンキー
09/06/21 15:41:23 w9HSS4s5
>>357
懐かしいな
それは確か俺が2本目に投下した作品だよ
投下した当時は散々叩かれたものだったが、
こうしてまた新たな読者の目に止まり話題に出るとは感慨深いな

361:名無しさん@ピンキー
09/06/21 17:33:38 AE7el4Q+
人の心は本当に移ろいやすいものだからね
それと、またss書くモチベーション湧いたら投下どうぞ

362:名無しさん@ピンキー
09/06/21 18:09:55 TMmMvlyx
>>360あなたが神か
モノレール自体あまり乗るものではないが・・
お台場を前にして腸がゴロった時はあのシーンが脳裏によぎったのだが・・・
読んだ翌日に起きた事だから呪いかと思った。


もちろん無事でした

363:名無しさん@ピンキー
09/06/21 18:17:12 7fLwrfa+
>>360
思い出した時によく読み返す

364:名無しさん@ピンキー
09/06/22 01:05:53 ii636+WS
保管しました。
というか>>29から直接投下されてるもの以外保管してるの
自分なんですが今まで保管してた人は
もうスレ見なくなっちゃったんでしょうか…
また盛り上がって欲しいです

365:名無しさん@ピンキー
09/06/22 08:52:35 Y/qYbmrU
>>364
保管乙!
自分もPCでここ見るときで投下があったら保管してみるよ

366:名無しさん@ピンキー
09/06/22 19:10:34 MoYacioS
なんか、こんなん見つけた~
URLリンク(loda.jp)

367:名無しさん@ピンキー
09/06/22 23:30:31 NMFNNuVa
順平×チドリを書いてるんだが、公式設定をぶっちぎりで無視してる・・・。
ダメかな?綾時とチドリが一緒にいたりとか・・・。

368:名無しさん@ピンキー
09/06/22 23:39:27 JXTT7mda
投下するときの最初にパラレル設定・公式とは食い違いありますみたいな
注意事項を書いておけばいんじゃね?

まぁちょっと前ならそんな作品投下した日にはソッコーでいつものガイキチが
顔真っ赤にして叩きまくったろうけどw
今やこのスレも閑散としてるからなー。多少の設定無視程度なら読んでみたい。
順平×チドリのカップリングも新鮮だし。

369:名無しさん@ピンキー
09/06/22 23:40:28 +xXm/D2R
男性向けならエロけりゃおkだよ!!

370:名無しさん@ピンキー
09/06/22 23:48:28 NMFNNuVa
そっか。ありがとさん。

プロ野球ネタやF-1ネタも多少絡むだろうから気を悪くせんでおくれ

371:名無しさん@ピンキー
09/06/23 00:00:21 Y/qYbmrU
正座してまってる。全裸で

372:名無しさん@ピンキー
09/06/23 00:04:01 KxvU9clT
まさか交流戦ネタをいれたりしないよな?

373:名無しさん@ピンキー
09/06/23 00:05:38 BDFKQiOz
ジャーマンネタならあるかも

374:名無しさん@ピンキー
09/06/24 19:13:32 NZfJoODX
ようやく前座が終わった・・・
後はエロを取り入れるだけだお(`・ω・´)



あれ・・・、チドリってSかMかどっちだ?

375:名無しさん@ピンキー
09/06/24 21:50:12 V0ZZ/vni
>>374
素養としては日常的に苦痛に襲われてるからMっ気の方がありそうだが
ストレガちう組織の性格からみてデフォルトSだろう
行為の最中に自分のMな本性に気付いてうろたえちゃうパターンじゃないかね?

376:名無しさん@ピンキー
09/06/28 00:28:38 SyCzu3md
保管庫というよりろだじゃねーか。
過去ログ行きはみれねーとか糞過ぎる

377:名無しさん@ピンキー
09/06/28 13:08:50 A00p+1+y
誤爆?

378:チドリ×順平
09/06/28 22:00:59 8CxuMe3P
どーも、SS投下しますが・・・。
・チドリ×順平というマイナーすぎるカップリング。
・綾時やストレガ含めみんな生きてるという超パラレルワールド。
・設定上ははチドリが生き返って、その後のお話。
・時々実名のプロ球団や選手が出てきます。
という叩かれそうな要素が満載です。
初めてということもあって、色々間違ってるかも・・・。

    |┃三      .,. ‐. '''' ヘ.─-. 、
    |┃三     ./:::::::::< β 7:::::::::i
    |┃三     .!::::::::::::/ .へ. l ::::::::::l
    |┃       .!:::::::;;;;;;;;:::::::;;;;;;;;;:::::::l
    |┃       ゝ/ ,ィェュ、  rェュ、.`r:!
    |┃ ≡     l l '´ ̄ .) (  ̄ ヽi l   
    |┃      ヽi   /,,`,,,,.',,,ヽ  lノ  まぁ何が言いたいって読みたくないならスルーかNG登録!
    |┃       .l  ."ヒュュュズ.  l   読みたかったら私と契約してくれということだ!
    |┃三       lヽ :::..`一' .::: /l    
    |┃        l. ヽ.:::::::::::::::::./ l    
    |┃    _,, ''"ヽ    ̄ ̄ ´ / ヽ 
    |┃  '''"´   ̄\::::` ー‐‐‐ ''´:::::√  
    |┃ ≡ | | | | |\::::::::::::::::::::::::/ | | 
    |┃   | | | | | |\::::::::::::::::/ | | | | | | ガラッ
ではゆるく見守ってくださいね。ゆるく。

379:チドリ×順平
09/06/28 22:01:30 8CxuMe3P
「友近、ミヤ。ちょっといいか?」
いつもの様に帰ろうとした矢先。
そう言われて振り返ると、そこにはあの馬鹿なヤツがいた。

伊織順平。通称テレッテ。口も頭も軽い俺の友人だ。

「ん?悪いけど金は貸さないぜ?」
「いや、んな事じゃない。・・・ちょっと時間あるか?」

とりあえず宮本と一緒に近くのはがくれへ。
正直な話、俺は話を聞く気はあまりなく、ただラーメンが食いたかったのでこの場所を選んだ。

何か話しかけてくる順平を軽く無視してラーメンを注文し、一応話を聞いてるらしい宮本に順平の相手を任した。
宮本が相槌打って、俺が突っ込んでくだらない話は終わる。いつものパターンだ。
今日もそうなってこの場はお開きになる・・・はずだった。

いつもより宮本が真剣に聞いている。そして悩んでいる。
順平が、人が聞いて悩むような話をしているのを俺は見たことが無い。
少し興味が沸いてきた俺は話に参加する事にした。

「いやさ、プロ野球の公式戦のチケットっていくら位するのかな、ってよ。」
・・・へ?


「俺っち野球やってたけど球場に入ったことないからさ、お前らだったら知ってるかなーって思って呼んだんだけど・・・。」
宮本が悩んでたのはその事だったのかい。あの根性バカがテレビの前でじっとしてるはずがないし、ましてや野球なんて見ないだろ。
それ位考えて人を選べよ。完全な人選ミスだ。






「どこの球団の試合見に行きたいんだ?セリーグ?パリーグ?」
ラーメンを食い終わった俺は、さっきまでほったらかしていた順平の相談に乗ることにした。
宮本に任せるつもりでいたが、生憎野球には詳しくないらしい。

「えー・・・と。遠くなくて、あまり客がいない試合の方がいいんだ。」
「だったらあの球団とかどうよ?そこそこ近いし、客はどうか知らないけどけっこう道もわかりやすいぜ?」

物凄く丁寧な説明で順平にオススメの情報を仕入れる俺。何でこんなに詳しいかって、ファンだからだよ。
電車、時間帯・・・。全てを話し終えたところで、俺はこう聞いた。

「んで、一人で行くって事は無さそうだし、誰といくのさね。アイツや綾時とかと一緒なのか?」
「いや・・・まぁそんなとこだよ。」
この時、なんでこいつが何故言葉を濁したかわからなかった・・・。

380:チドリ×順平
09/06/28 22:02:43 8CxuMe3P
「うわー・・・。さすがプロの公式戦。高すぎるぜ・・・。」
最近は、もはやネトゲ専用と言って差し支えないPCの前で悩む男が一人いた。
普段使わないネットを使い、検索した単語はチケットの値段だった。
「ちっきしょー・・・。軽々しく連れてってやるなんて言うんじゃなかった・・・。」
予想外の値段に悪態を付きながら、少し前にある人物と交わしてしまった約束を後悔する。
こんなに高いとは思っていなかったらしく、簡単に約束が実現すると思っていたらしい。


では何故そんな無茶な約束を交わしてしまったのか。答えは簡単だ。

惚れた女にゃ弱い。それが男だからである。

「チドリー、ゴメンなー。俺嘘付いたかもー!!」



こんな気持ちは生まれてから初めてであろう。
他人の言葉一つでこんな気持ちが生まれてしまうものなんだろうか?
例えこの気持ちが執着に繋がってしまうことになろうとも、私は否定出来なかった。

「じゃあ、今度オレッチがチドリを球場へ連れて行ってやるよ。」
たったこれだけの言葉。これだけなのに。





「お!ひょっとしてチドリンも野球に興味出てきたのー?」
「そ、そんな訳!バ、バカ言わないでよ!」

チドリが大リーグの中継を見ていた時に、たまたま彼女の元に順平がやってきた。
普段なら、野球を見るなんてのはよくあることであり、大した問題じゃない。
でも、何故かこうやって否定しないといけない気がした。だって見ている理由がばれたら恥ずかしいから。

順平に夢を語られたときに、興味が出てきたから見てる。なんて知られる筈が無いのに。

「うわー、岡島が出てきた。相変わらずすげーフォームだな。あ、チドリン、このピッチャーのおかしいとこ、わかる?」
「・・・?この人下向いて投げてる・・・。」
「うお!チドリンさーすが!岡島って投げ終わった後キャッチャー見てないんだぜ!」

順平が楽しそうに、尚且つわかりやすく彼女に解説する。
今の守備は結構難しいとか、あのファーストはでかすぎだろとか、なんだかんだで盛り上がりながら、一緒に野球中継を見続けた。

『試合終了!4-2で・・・』
順平が最後まで喋り続けていたら、いつの間にか試合が終わっていた。

「終わったなー。あのセカンドフライが無かったら試合面白くなってたのにな!」
順平の話に適当な相槌をうって、リモコンのスイッチボタンを押した。
・・・終わった事が、少し惜しい気がした。

381:チドリ×順平
09/06/28 22:04:15 8CxuMe3P
「チドリ、こういうのを生で見たいとか思ったりしない?」
突然、順平がこう話を切り出した。

確かに、こうやってテレビで見るよりも面白いかもしれない。
返事の代わりに、首を縦に振った。Yesの意思暗示である。

「じゃあ、今度オレッチがチドリを球場へ連れて行ってやるよ。」
それじゃまたなー!と言い残して、順平は病室から去っていった。

つまりは外へ出れる。ということだろう。
久しぶりにあの衣装を着れるんだ。というのを考えると、少し楽しみが増してきた。
帽子を被っていくのもいいかな。でも順平とお揃いだな。なんて考えるのが楽しく感じた。
考え出してから、彼女がはっと気付いた。

(・・・今度オレッチが球場へ連れて行ってやるよ。)
つまりはそれって・・・俗にいうデートというものではないだろうか?
生まれてから、彼女は今まで一度も異性と遊んだことがない。
だったらこれが初デートになるんじゃないかと気が付いた彼女は、顔がみるみる赤くなる。
そのままベットに顔を押し付け、声にならない声をあげながら、先ほど首を縦に振ったことを後悔した。

が、その後は何故か後悔よりも不思議な気持ちが湧いてきた。
それが楽しみ、期待だということは、まだ彼女が知らない事である。





「青春やな・・・。」
「青春ですね・・・。」
「ええなぁ・・・。」
「いいですな・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・・・。」
「・・・球場を爆破しましょうか?」
「・・・いくらワイでもそこまでやる度胸はあらへん」




「・・・おー、あったあった!」
はがくれから帰ってきた俺は、さっそく机の引き出しを探り出し、チケットホルダーを見つけた。
確かペアのチケットがあったのだが、生憎ペアなんて使わないだろうしその日程は少し野暮用があるので処分に困っていたのである。

これを明日学校で順平に渡せばいい。あとはチケット代をぼったくればOKだ。
でもやっぱり気になるのが誰と行くかである。

(この日は生で見るか・・・。順平がテレビに映るかもしれないし)
カレンダーに○印をつけ、俺はそのまま寝ることにした。
チケット代は・・・あいつの全財産でいいか。



今から帰ろうとしていた順平を呼び出し、鞄の中に入れてあるチケットを取り出す。
あいつが言ってた、近くで客があまりいないであろう球団のチケット。

ありがとうと言ったあいつの財布の中身全部を引き抜き、そのままダッシュで帰宅した。

382:チドリ×順平
09/06/28 22:05:10 8CxuMe3P
「・・・・おーい!!待てコラ!!」
親友だと思った瞬間にこの状況である。
今思えば「タダじゃ悪いから、少しだけでも払おう」という考えが甘かった。
・・・信用していた友人に有り金を全部持っていかれたのである。

ただ、とりあえずチケットは手に入った。元の出費を考えると上出来じゃないか・・・。
そう自分を慰めて、ポケットにチケットを詰め込んだ。

そのまま寮へ帰宅し、ポケットに入れたチケットの日程を確認し、カレンダーの予定を照らし合わせる。
幸いにも予定がなく、自分は大丈夫であった。

チドリと一緒に見に行くという事がどれだけ嬉しいかというのが顔に書いてある。
ぐっとガッツポーズをして、その日のための交通費や時間帯などをメモしておいた。
この選手実はミニカー好きなんだ、この選手は40過ぎでもホームランが打てるとか、ネタ探しにも余念はない。

ふと、順平にドアをノックする音が耳に届く。
順平が生返事をすると、風花が部屋に入ってきた。

「順平くん、これ・・・」
見ると、中身が空っぽの財布が風花の手元にあった。ソファでくつろいでいた際に落としていたのだろうか。
軽く礼を言い、財布を受け取ってズボンのポケットに突っ込んだ。

ネットを使っている順平が珍しかったのか、風花はそのまま背後に回りこんで画面を見る。
画面には、ずらりと選手の顔写真が並んであった。

「・・・このチームって、あのお爺ちゃん監督の?」
「おー、そうそう。みんなそう言うみたいだぜ?選手にも凄い人いるのにさー。」

例えばこの選手、他にもこの選手・・・。一緒に行く彼女に話しかけるように、順平は風花に話す。
普段からよく下らない話題で盛り上がってる順平の話を、この時ばかりは耳を傾けてしまう。
楽しそうに、わかりやすく話す。案外簡単そうで出来ないものである。

(順平くん楽しそうだな・・・。そこまでチドリちゃんとのデート、楽しみにしてるんだな・・・ふふ、この調子なら大丈夫そうだね。)
「ところがどっこい、歩いて盗塁だぜ?あの・・・ちょっと。風花、聞いてるー?」

383:チドリ×順平
09/06/28 22:06:18 8CxuMe3P
いつもの決まった時間に、病室のドアが開く。もちろんそこから順平が現れる。
スケッチブックにはいつもの様に常人には理解できない絵が描かれている。
どうでもいい話題や学校での出来事、友近に現金をパクられたなど、いつも通りの時間が過ぎていく。

(・・・なんか。つまんない。)
なんとなく、退屈に思えた。順平が帰っていったこの一人の時間が、何かひどく孤独に思えた。

自分にとって絵を描く時間はとても大切だ。だが、ずっと描き続ける訳にはいかない。
ふと心の中に浮かんだアイディアをそのままスケッチブックに描いてみた。
・・・どうも上手くいかない。何度か修正してみるが、やはり何かがおかしい感じがする。

(納得いかないな・・・。こんなこと今まで無かったのに・・・。)

今までなら一度スケッチブックに書き込むと、そのまま完成まで出来上がった。
なのに、今回に限っては何度も何度も描き直し、それでも自分が納得する出来には程遠い。

半ばムキになってしまい、失敗した用紙をクシャクシャにしてゴミ箱へ投げつける。
・・・あらぬ方向へ飛んでいってしまい、自らゴミを拾う羽目になった。
その後も失敗しては丸め、ゴミ箱へ投げつける。その繰り返し。
気が付けば既に2時間近く経過しており、辺りはすでに真っ暗である。

そんな自分に多少の自己嫌悪を抱き、丸めた用紙をまとめてゴミ箱へ捨てた。
そもそも自分は何がしたかったのか・・・。後半はただゴミ箱目掛けて紙を投げて遊んでた気がした。
そこで、ようやく気が付いた。

(・・・そうだ、私・・・野球の絵を描こうとしてたんだっけ・・・)
そのことに気が付くのに二時間要した自分って・・・。順平をバカ呼ばわりしてるが、自分も同類ではないか・・・。

一気に気分が沈み、ベットへ体を投げ出す。行動の一部始終を見られたら恥ずかしいなんてものじゃすまないだろう。

「おーっとぉ、目的を忘れてたーっと!」
何事かと思うと順平が部屋に入ってきて、彼女の前にチケットを差し出した。
彼女にはそれが何のチケットかがわからない。わからないが、貰えるものは貰っておく。
悲しいかな。貧乏癖が付いている。

そこには、×月×日と、黒い文字が書かれていた、球場へのチケットだった。

「この日、絶対空けといてくれよ!前に言った約束、ちゃんと守るから、さ!」

彼女の顔がみるみる赤くなるのに、そう時間はかからなかった。

それからというもの、必ず順平はチドリの前に姿を現すようになった。
以前もよく顔を出していたが、約束をしたあの日からは毎日彼女に会いに行った。
そしていつもの様に絵を見たり、野球を見たり、学校のくだらない話題、友人の悪口・・・。
毎日来るようにはなったが、やってることは変わらない。

唯一変わったことは、帰り際に必ず予定があるかどうかを確認するようになった。
「あの日、大丈夫だよな?」
「・・・アンタに言われなくてもわかってるわよ。」
「ならばよし!」


「×月×日・・・」
「その日に何か特別な用事でもあるのでしょうか・・・」
「・・・安全日みたいやが・・・」
「何かあっては遅い。やはりあの男はここで始末すべきでしょうか?」
「もしチドリに一ミリでも触れたら発砲してもええわ・・・」

384:チドリ×順平
09/06/28 22:07:30 8CxuMe3P

「遂にこの日がやってまいりました!他人にとっては普段通りの一日を、私はどれだけ待ち侘びたことでしょうか!」
と、寮内でポエムる男が一人。塩原アナ・・・じゃない。伊織だ。
友近んとこ行ってくると適当な理由を付けて、寮を出ようとした時、誰かに呼び止められた。
「・・・風花?」


渡したい物があると言われ、少し大きめの帽子を手渡された。
この帽子がどういう意味か、順平はすぐに理解した。

「屋外に出るのならさ、チドリちゃんには帽子を被せた方がいいんじゃないかな?」
「・・・やっぱりそういうことだよな。サンキュ。」

出る際に「頑張ってね」と励まされ、その場を後にした。

「チドリ・・・それ暑くね?」
「大丈夫。・・・多分ね。」
ポエムを披露する程まで浮かれている順平ではあったが、さすがに突っ込まずにはいられなかった。
デイゲームでないだけ暑さはマシにはなるだろうが、でもやっぱり何かがおかしい。
・・・ゴスロリ調の白いドレスを着て球場へ行くのはどうなんだろうか。

まぁええことよ、と気にしないでいれる程のステータスは、生憎順平には無い。
この格好でも問題は無いだろう。だが友近だの宮本だの男子生徒にばれると色々と面倒だ。
他人事のような態度のチドリを多少強引に連れ出し、ポロニアンモールへと連れ出した。

「・・・ヤダ。」
白いドレスがよほどお気に入りなのか、頑として受け付けない。
もうこれでもいいか・・・そう思い始め、駅に向かおうとしたその時だった。

「やぁ!どこかのお姫様かと思ったらチドリさんじゃないか。」
聞いてるこっちがこっ恥ずかしくなってくる台詞を吐き、ニヤニヤしたままこっちへ来る男が一人。
一時は俺らと死闘を広げ、黄色いマフラーを巻いた、あいつは女たらしの望月綾時!たまにはマフラー脱げよ。

こういうノリは苦手であろう彼女は当然の如くスルー。だがそんなことお構い無しにベラベラ話し続ける。
と、ようやく順平の存在に気が付いたらしく、目線を順平の方へと変える。
何で二人が?と言いたげな表情を一瞬見せ、その後すぐに満面の笑みへと変わった。

「こんな時間にこんな場所で男女がいるんだから、これはデートですね!わかります!」
・・・うざい。素直に二人はそう思った。

「となると、チドリさんに似合う服を探してたってことかな・・・、よーし、僕に任してくれるかい?」
・・・これはいい方向に話が進んで行くのではないだろうか。
嫌がるチドリの意見を無視して、勝手に服を選び始めた。

385:チドリ×順平
09/06/28 22:07:59 8CxuMe3P
「オッケーイっと!この組み合わせは似合うと思うよ!」
ものの数分で選んだ三点セットを彼女に押し付け、試着場所まで連れて行く。
無理矢理とはいえ、選んでもらった手前、そう簡単には断れない。
順平に帽子を押し付け、試着することにした。

「・・・覗いたら、殺す」
「殺されてもいいから覗・・・ぐへぁ!」
言いかけた台詞を順平が殴って阻止した。


(チドリの私服姿か・・・想像付かねぇよ・・・)
白いドレスにクリーム色のキャンバス。これ以外の姿が浮かばない。
そのくらい、出会った印象が強烈だった。

だが選んだのはこの伊達男である。少なくとも自分よりはファッションには詳しいだろう。
少なくとも某皇帝(兄)のような悲惨なことにはならないはずだ。
もし仮にそうだったとしても、それだったら(不本意ではあるが)ドレスでそのまま向かえばいい。
期待と不安が入り混じる中で、チドリが着替え終わるまで待った。

「じゃあ先に僕が一足お先に襲う・・・じゃない、拝見してこようかな~♪」
着替え終わったらしく、チドリがカーテンからひょっこり顔を出す。
その姿にぐっと来るのは、俺だけじゃないよな・・・そう考えていると、自然と顔がニヤついていた。

踏まれたらしい爪先を庇いながら、綾時が戻ってくる。
こちらを見るなり、親指を突きたて「オッケーイ!」と一言。
その後、ゆっくりとチドリが試着室から出てきた。

「・・・ぶっくくく、あっははははは!!」
「わ。笑わないでよ!・・・ねぇ、やっぱり変じゃんか!」
「似合いすぎて逆に笑えてきたぜ。すんげぇ似合ってるよ!」
綾時のセンスは最高だった。女たらしの名は伊達じゃない。

しかしここで問題が発生した。
・・・この服の代金は誰が払うんだ?

綾時に礼を言い、そのまま場所を後にする。
代金は、彼が支払うことになった。その見返りはゆかりのメールアドレスと電話番号である。
友人を売ってる感じがしたが、ゆかりのことだ。すぐに着信拒否くらいはするだろう。
・・・毎日メールを送ってくる可能性はあるが、そこまでは知ったことではない。

386:チドリ×順平
09/06/28 22:08:39 8CxuMe3P
どこか落ち着かない彼女を案内し、駅まで連れて行く。
電車に乗り込んで、しばらくは二人きりである。

最初の頃は気まずく感じたこの沈黙も、今ではすっかり慣れていた。
何かしら絵を描いている時や、気分が乗らない時は、チドリは大抵は喋らなくなる。
今回もそういった類だから、気にする事はないだろう。そう考えて、少し寝ることにした。

とんとん、と肩を叩かれる。それが誰の仕業かは、もう分かりきったことである。


「・・・んぁ?どうしたよ?」
そう呼びかけるも、無言のままである。
だが起こしたからには何か理由はあるはずだ。
そう思い直し、眠たい目をこすって目を覚ました。

電車は目的地に向かって一定の速度で走り続ける。
景色を楽しんだり、途中で駅でお茶やジュースなどを買うなどして、時間を潰す。
ふと、ここまでほぼ無言だったチドリが順平の方を見た。

「・・・な、何か話してよ。」
「んー?例えば?」
「ほ、ほら、いつもみたいにしたらいいじゃん!今日の順平、ずっと黙ったままじゃない!」
・・・長い間一人で寂しい思いをしていたのだろうか。
そんなチドリを見て少し可笑しく感じ、「よっしゃ任せろ」といつもの様に話し始めた。

「んあー、到着っと!」
駅に到着した二人は、休みながら目的地まで歩く。
ここまで遠出してきた理由はもちろん、球場でのプロ野球観戦である。
チケットもきちんと持ってきたし、場所だって確認済みだ。

多少空席が目立つ内野席に腰掛け、荷物を下ろす。
目の前ではプロ野球選手が、練習していた。

「やっぱりどの選手もでっかいなー。さすがプロ野球。」
数少ないチャンスを掴み、レギュラーに選ばれた選手はやはり貫禄があった。
水色のユニフォームの選手達の練習が終わる頃にふと、チドリが指を差しているのが見えた。

「お、どうかしたさね?」
「あの人、凄くちっちゃく見える・・・。」

指差すのは、えんじ色の帽子に、背番号32のユニフォーム。
確かに、他の選手に比べるとかなり背が低い。
ま、チドリよりはでかいだろと冗談を飛ばすと、珍しくクスクスと笑った。
珍しく上機嫌なのだろうか。つられて順平も笑った。

しばらくして、スコアボードにスターティングメンバーが発表された。
『・・・イーグルスの先発投手は岩隈、ライオンズの先発投手は岸です!』
両チームのファンの歓声が聞こえたという事は、エースの投げ合い、ということじゃないだろうか?
実際に二人ともエース格の投手である。息の詰まる投手戦が予想されていた。

387:チドリ×順平
09/06/28 22:09:10 8CxuMe3P
「また打った・・・」
「まーた押し出しかい・・・」
「今度はエラーですか・・・」
「チドリ、今からでもええ、はよ帰らな試合終わらんぞ・・・」


『ピッチャー、長田に代わりまして・・・』
これで両軍合わせて何回目の交代だろうか。既に先発の両投手はノックアウト。
その後もピッチャーが出てくる度に打ち込まれる展開となっていた。

「・・・あ、あのちっちゃい人が出てきた。」
既に試合開始から三時間が経過していた。昨日の試合なら既に勝敗が決している時間帯である。
だが乱打戦が進行している今、ようやく五回の裏に突入しようというところである。
単純計算だと、このまま行けば試合が終わるのは開始から6時間後という観客泣かせの試合になる。

エースの投げ合い、ということで試合は早めに終わるだろう・・・と考えていた。
だが、こんな試合になるとは・・・。完全に予定が狂ってしまった。
試合終了まで見ていると終電を逃してしまう。
終電を逃してしまうのはまずい。最悪今日中に帰らないと何言われるかたまったもんじゃない。
幸いにもまだ時計は9時過ぎを示していた。ここで帰れば終電には十分間に合う時間帯である。

「・・・むー。」
どうやら嫌がっているようだった。とはいえ今帰らないと今日中には帰れない。
しかし、このまま無理に帰らすのも悪い気がする。見る限りとても楽しんでいるようであった。

「じゃあさ、なんか賭けをしようじゃん?」
「賭け・・・?」
「今からさ、チドリが気になってるあの背の低い選手。あの人がこの回にホームランを打ったら最後まで見るっての、どうよ?」

その順平が指名した選手は、ここ最近はシーズンに一本打つか打たないかの成績であった。
今日もここまで無安打。そんな選手がそうそうホームランを打てる訳はないだろう。
つまり、チドリにとってほぼ勝ち目の無い賭けを提案したのである。

すると、チドリはそくささとあまり人のいない内野席の最前列まで歩きだした。順平も後を追う。
すぐ近くには、その賭けの対象となっている選手がネクストバッターズサークルに向かっていた。

(ケー・・・オー・・・エスエー・・・ケーエー・・・コサカ?)
今までチドリにとってあまり馴染みが無かったプロ野球。
この背番号32の小さな選手の名前も今まで知らなかった。
何故だろうか、一目見たときから気になって仕方ない。

せっかくここまで来たんだし、最後まで見たい。
そのためにはこの人にホームランを打ってもらわなければならない。

「小坂・・・小坂ぁ!」
気が付くと、選手の名前を呼んでいた。
自分でもこんな声が出せるのか。そう思うくらいの声量が出た。
すると声援に気が付いたのか、選手がこっちを振り向いた。こっちに意識が集中している今なら声が聞こえるはずである。

「ホームラン、打ってよ!」

何か可笑しく感じたのか、少し笑みを浮かべた。
その後、口が「頑張るよ」と動いた気がした。



打球は綺麗なアーチを描いて飛んでいく。
レフトとセンターが追うのを諦める。
フェンスの上を越えて、打球が観客席で跳ねた。

388:チドリ×順平
09/06/28 22:09:50 8CxuMe3P
気が付けば大はしゃぎでチドリが飛び回っていた。
だが対照的に順平は浮かない顔である。
理由は簡単。帰宅不可能が決定したからである。

「乱れる雲を打ちー♪」
すっかり応援歌まで覚え、試合を楽しむチドリ。
諦めがつき、逆に謎の余裕が生まれた順平。
傍から見るとただの仲良しカップルに見えただろう。


『ゲームセット!17対19で・・・』
時刻は午後11時半。もう終電の時刻なんて軽くぶっちぎった。
これからどうしようかなんて考えてはいない。チドリが言ったように、今が楽しければいいじゃないか・・・。
そう自分に言い聞かし、球場を後にした。

あの選手のファンになったとか、やっぱり生で見るのもいいもんだろとか。
まだ球場にいた余韻に浸っているのか、二人とも会話が途切れることはなかった。
何よりチドリが楽しそうなのを見て、順平は何か言いようのない嬉しさが込み上げてきた。

頭が冷えてくると、問題を考える冷静さも生まれてくる。
とりあえず泊まれるような場所は無いだろうか。せめて横になれる場所があればいいのだが。
少し歩き続けた頃に、小さな公園が見えた。

ベンチでチドリを休ませて、携帯でどこか休める場所は無いのかと検索する。
どうやら、近くにカプセルホテルがあるらしい。
とりあえずそこまで歩いて、朝になったら電車に飛び乗って帰る。
なんとか野宿だけは避けられるようだ。



(にしても・・・、今日のチドリ凄ぇ楽しそうだったな。・・・へへへ、友近。ありがとよ。)
財布の中身を全部引き抜かれたものの、チケットを用意してくれた友人に感謝した。
でないと、今日のあの時間は過ごせなかったであろうから。



(あー・・・楽しかった・・・)
未だに興奮の余韻が冷めない。
球場のあの一体感。打ってくれた時の感動。
今まで体験したことがない何かが、あの時間にあった。
(順平・・・。ありがとう。)
連れて行ってくれた感謝の気持ち。だが、それだけではない気もした。

(でも・・・なんで・・・?)
ひょっとしたら野宿になるかもしれないのに、何で帰りたくなかったんだろうか。
最後まで見たかったから。あの選手が気になったから。

(そっか・・・)

理由は三つあった。
最後まで見たかった。選手が気になった。
そしてそれ以外のもう一つの理由。それは。

389:チドリ×順平
09/06/28 22:11:59 8CxuMe3P
(私・・・順平と一緒にいたかったんだ・・・。)
あの時間を共有したかった。それが他の誰でもない。順平だった。

(私・・・やっぱり順平のことが好きなんだ・・・。)

コツン。と、頭にペットボトルが乗ったのが分かった。
順平の仕業だろう。普段なら、何するのよで片付けるだけだった。
でも、今は顔を見たくない。顔を見たら、自分の顔も見られてしまうから。

「・・・おーい、チドリ?ひょっとしてお茶とか嫌いだった?」
ベンチで俯いたまま動かずにいるからか、心配そうな顔をしてこっちの顔を覗き込む。
その時、少しだけ二人の目が合った。


(私の為に、ここまで連れてきてくれた。だったら、向こうも、私のことは嫌いじゃないよね。)
もう一度、順平の方へ視線を向ける。
(だって、そうじゃなかったら今、私はここにいないもん・・・。)


ぷつりと、理性の糸が途切れた音がした。


気が付けば、チドリが順平を押し倒す形になっていた。
ベンチに倒されて、上にはチドリがこっちを見ている。
順平は何がどうなってるのか分からず、軽くパニックに陥りそうだった。

「順平。」
ふと、チドリのか細い声が耳に届く。


「・・・好きだよ。」

(・・・今、何て言った?)
耳に届いたのは、短い単語だった。
聞き間違いじゃなければ、今確かに「好き」と言った。
あのチドリが、俺に向かって。好きだよと言った?

「この気持ち、今までずっとわからなかった。」
頭の中が整理できない中、チドリはポツリポツリと話し続ける。
「好き。私は、順平のことが、好きだよ。」


そのまま顔を近づけて、唇同士を合わせる。
これが、二人のファーストキス。
二人は身動きもしない。ただただ、時間だけが過ぎていった。

390:チドリ×順平
09/06/28 22:12:25 8CxuMe3P
「・・・ぷはぁ・・あぁっ・・・」
チドリの息が続かずに、一旦唇が離れる。
息を整えて、今度は舌も絡めてのキス。
口が犯されるような感覚。何も考えられなくなる。

頭に、順平の手が回る。
ゆっくりと順平が起き上がり、同時に顔が離れる。
つぅっと、銀色の糸が引いているのが見えた。

(あっ・・・)
そのままベンチへと押し倒される。
頭がベンチに当たるのを、頭に回された手が防いでいるのがわかった。

「俺だって、チドリのことは大好きだぜ。それこそ、出会った頃から、ずーっとな。」
面と向き合って言われると、死ぬほど恥ずかしい。
二人とも、顔を真っ赤にしながらお互いの顔を見つめあった。


ふと、自分がチドリを押し倒していることに気が付く。
(これって・・・いや、何考えてるんだよ俺は!)
もしこの先の事を望んでいないなら、一方的に傷付けるだけだ。
夢にも思ってなかったチドリの告白。でも、それとこの先の事は話が別だろう。
順平は自分から、チドリと離れた。

チドリの小さな手が、順平の手を握った。
「離れないでよ・・・」
と、今にも泣きそうな声が、順平の頭の中に響いた。

必死に、理性を取り戻せと頭の中で命じた。
そうでもないと、自分でも止められそうにないから。

その時、今にも泣きそうな声で、チドリが囁いた。
「私なら・・・大丈夫だから、・・・順平の好きにしていいよ・・・」

ここが公園だろうが関係ない。
そんな事を言われてその気にならない訳が無いだろう。
あれほど必死に取り戻そうとしていた理性が、頭の中から消えた。

「・・・いいんだな?」
最後に確認をすると、顔を真っ赤にしながら頷いた。

391:チドリ×順平
09/06/28 22:13:19 8CxuMe3P
ゆっくりと、今日買ったばかりの服のボタンを外していく。
チドリが軽く抵抗するも、力が入らない。
されるがままに、着ている服のボタンが全て外された。

服の下からは、白いブラが見える。
思っていたより、少し小さめのサイズ。
その小さな胸が、呼吸に合わせて上下していた。

胸以外の場所に触れると、体がビクンと反応した。
触られたことに驚いたのか、あるいはくすぐったいのか。
でも、今はそんなこと、どうでもいい。

今度はブラの上から直接手を触れる。
初めて触ったソレは、想像よりも柔らかった。
あまり力は入れずに、ゆっくりと揉み始めた。

(うぁ・・・あっ・・・あぁ・・・)
たったそれだけのことなのに、快感が体全体を支配する感覚に襲われる。
下から上へ、円を描くようにして手を動かす。
今度は違った感覚が、彼女を襲った。

「チドリ・・・ブラ・・・外すからな。」
答えは聞かずに、そのまま手を腰へと伸ばす。その間に、下の服も脱がす。
腰に手を回して、ベンチから少し体の上半身が浮かぶ。
その間に、背中のホックに手を伸ばした。

意外にも、簡単にホックを外すことができた。
腰から手を離して、頭に手を回す。
彼なりの気遣いだろう。そのままゆっくりとベンチへ頭を降ろした。

スルリと、布のような物が落ちる音が聞こえた。
少し小さめの胸が、順平の前に晒された。

「あっ・・・ん・・・ふぅ・・・」
手が胸に直接触れると、表情を少しゆがめながら息と声を漏らし始めた。
声を聞かれることが恥ずかしいのか、我慢しているようにも見えた。

「あっ!?」
我慢していたのにも関わらず、指先で乳首をいじられると我慢できずに喘いだ。
順平が、胸を揉みながら指で乳首を優しくこすったのである。

(乳首、弱点なんだな・・・。だったら・・・。)
感じさせられたことに気を良くした順平が、弱点であろう箇所を執拗に責める。
そのうち指で乳首をはさんでこすったり、乳首を優しく胸に押し込んだりしだした。

392:チドリ×順平
09/06/28 22:14:29 8CxuMe3P
「ん・・・やぁ・・・」
それでも恥ずかしいのか、彼女は声を我慢し続ける。
目を閉じて耐えているのを見た順平が、ゆっくりと顔を近づけていった。
これで、三回目のキス。

(んー!!)
舌が絡み合ってのキスは二回目だが、未だに慣れない。
されるがままに口内を犯されて、また何も考えられなくなる。

「チドリ・・・乳首、弱いんだな。」
唇が離れた直後に、順平が言った。

「ち、違・・・ひゃぁっ!?」
否定はしてみるが、体は正直だ。
先端を強く握られると、思わず反応してしまう。

「やっぱり弱いじゃん。チドリの弱点、見-っけた。」
「う、うるさ・・・んぅ・・・・」
いつもの様な立場が逆転した。何か言いたくても、何も言えない。
それくらい、快感が体を支配していた。

胸と乳首への愛撫の強さが段々増していくと、声も艶を帯びたものになっていく。
「ああっ、ダメだって・・・。あぁ・・・」
(やだ・・・我慢・・・出来ないよ・・・)

「きゃぁっ・・・」
今度は、また違った感覚を受ける。何か、ざらりとした妙な感覚。
見ると、順平が舌を使って胸を責めていた。

最初はためらいがちに舐めていたが、指で責めていたときを思い出した。
これでは、少し物足りないかもしれない。ちょっといじめる位が、彼女にはちょうどいいから。
そう考えて舌の動かし方を少し激しくした。片方の胸を舐めている間も、もう片方の胸への愛撫も止めない。

「あうう・・・ん・・・」
行為がどんどんエスカレートするに連れて、腕や足をくねらせて喘いでいる。
だが、今まで感じていた感覚全てが無くなった。

(ん・・・何で・・・?)
ふと目を開けて前を見ると、順平の視線が下着の方へ向いているのが見えた。
また、視線がぶつかる。

「・・・足、少しだけ動かすぞ?」

パンツが太ももを滑り上がり、そのまま一気に足から抜き取られた。
(恥ずかしくて・・・死んじゃいそうだよぉ・・・)
その感覚も、快感に変わるのも時間の問題である。

393:チドリ×順平
09/06/28 22:15:24 8CxuMe3P
「チドリの足・・・真っ白で綺麗だな」
ふとももの辺りを手で撫でながら、正直な感想を漏らした。
だが、彼女にその言葉を聞ける程の余裕は無い。
その先の秘所に、ゆっくりと手を動かしていく。
彼女が足を動かして抵抗するも、体に力が入らない。

「ひゃぁ・・・!!」
そこに手が触れると、今までの何倍もの感覚がチドリを襲う。
すでに濡れていたからか、指を押し付けるとズブリと指を飲み込んだ。

「濡れてる・・・ひょっとして気持ち良かったって事か?」
さっきは反論したものの、今度は何も言わなかった。
言えなかったといった方が正しいのだが、ちょっと不満に感じた。
だったらと、濡れた指を引き抜いて彼女の顔の前に見せつけた。

「これ、なーんだ。」
「いや・・・見せないでよぉ・・・」
期待通りの反応が見れたからか、もう一度手を秘所の方へ動かす。
さっきは触っただけだったが、今度は指を奥まで入れた。

「ふ・・・あぁ!!ああ・・・!!!」
その瞬間、彼女の体に電流が走ったような感覚が体中を駆け巡った。
体に力が入らなくなる。視界がぼんやりとしてきて、頭がくらくらする。

「イっちゃった?・・・動けるか?」
頭がくらくらする中で、言葉の意味を理解しようとする。
首を縦に振って、大丈夫だと伝えた。

(もう・・・大丈夫だよな・・・?)
そう考えて、服を脱ぎ始める。
ぼんやりとした視界の中で、チドリの目に順平の体が晒されていく。

順平がチドリの秘所にあてがう。その光景を見ながら、チドリが思った。
(私・・・順平としちゃうんだ・・・痛かったらどうしよう・・・)
(でも・・・初めてが順平以外の人となんて・・・考えられないよぉ・・・)
(チドリって、多分初めてだよな・・・。痛がったりとかしたら・・・やめてやらないと・・・)
チドリの足の間に入って、順平のものがチドリの秘所に触れる。
そのまま、ゆっくりと沈み込んでいった。

「ん・・・!」
下半身の違和感と痛みが、チドリを襲う。
同時に、ゆっくりと動いてくる異物感を感じた。
(すっげ・・・。きついけど気持ちいい・・・!)
彼女の感触を味わいつつ、そのまま根元まで沈み込ませる。
彼女も彼を徐々にではあるが、望んで受け入れていった。

「全部入ったぞ・・・。痛くはない?」
「はあぁ・・・だ、大丈夫みたい・・・」
「そっか。だったら・・・動かすぞ?」
「うん・・・」

394:チドリ×順平
09/06/28 22:16:23 8CxuMe3P
ゆっくりと腰を動かすと、チドリの口から声が漏れる。
徐々に動きが早くなっていくと、その喘ぎ声もどんどん大きくなっていく。

「んああっ!あっ!ああっ……!」
快感に耐えられない。動く度に、意識が焼け付いていく。
(気持ち・・・いいよぉ・・・初めてなのに・・・こ、こんなの私じゃないみたい・・・)

突然、チドリが上半身を起こす。
「ねえ・・・」
腰を動きを止めて、順平もチドリの方へと視線を向ける。
直視できず、目を逸らしてしまう。でも、今は見なきゃ行けない気がした。
呼吸を整えて、目を見つめながら、勇気を出して彼に言った。
「もう一回・・・キスしてよ・・・」

わかった、と短い言葉が返ってくると、そのままゆっくりと顔を近づけて唇を合わせる。
絡みあう舌と口全体を通して、生々しい水音を立てながらお互いを循環する。
三回目のディープキスとなっても、口の中を犯されるような感覚に思考回路がマヒする。
だが、それ以上の快感や要求に応えてくれた喜びを感じていた。

「ああ!ひゃぁ!ああっ!」
お互いの腰の動きがどんどん激しく、早くなっていく。
(もう、限界かも・・・ぐう・・・ぁ・・・!!)

しかし中に出すのはまずいと考え、動きを止めて引き抜こうとした。
「い、いやぁ!やめ、ないでぇ!!」
しかし、チドリが熱に浮かされたように叫ぶと、逆に動きを激しくした。
腕や足に手をかけて外そうとするが、しっかりとしがみついていて離れない。

「このままじゃ・・・中に出るかも・・・、いいんだな・・!!」
「きて・・・!!お願いだからこのまま!!」
だったらと、先ほどより激しく腰を動かして要望に応える。
激しい嬌声と水音が、誰もいないであろう公園に響く。

「ひゃあっ・・・!」
もう一回、さっきと同じような感覚が、彼女の体中を駆け巡った。
「ああん・・・!あああああ!!!」
「ぐ・・・!!チドリ・・・出る・・・!!!」


(やっちまった・・・マジで・・・やっちゃったよ俺・・・)
いくら彼女が望んだからって、やってはいけないことだってあるだろう。
中に出す危険性は、保険のテストでびっちりと書いたはずなのに。

395:チドリ×順平
09/06/28 22:17:31 8CxuMe3P
そのまま動けないチドリを背負ってカプセルホテルへ運んで、今日のところはひとまず寝ることにした。
が、背中に生暖かい吐息を感じ、後ろを振り向いた。
見ると、チドリがまだ熱に浮かされたような目で、こっちを見ていた。

とりあえず一泊代を払って、ソファーの上へチドリを下ろす。
するすると背中を降りて、順平の方へ顔を向けた。

「・・・馬鹿」
発された言葉は、何重もの意味を含めた「馬鹿」だった。
それについては何にも言えず、ただ俯いて聞くしか出来なかった。

「でもね・・・」
ゆらゆらとくっつくようにして、口が順平の頬へと当たる。
「とても・・・幸せだったよ。ありがとう・・・もし子供が出来ちゃったら・・・その時は責任取ってよね?」
とてつもない破壊力を秘めた言葉を聞けて、順平はこれ以上無い幸せを感じた。

目が覚めて、携帯を見てみるとメールや着信が数件来ていた。
それらが全て友人関係・・・嫌な予感しかしない。

(あーあ・・・何でバレてるんだよ・・・)

友近のメールは、昨日一緒にいた女の子は誰だよと。
綾時のメールは、やっぱり昨日はお楽しみだったのかと。
嫌気がさして、携帯を閉じる。


しかし、笑いが止まらないのは気のせいだろうか。
それほど幸せな事があったのだろう。
この事は一生忘れないだろうな、なんて思いながら。
もう起きてスケッチブックを片手に昨日の絵を描いている彼女の元へ歩いていった。


「帰ってきましたね・・・。」
「もうええわ、アイツ撃ってまえ!」

帰ってきて早々二人に撃ち殺されそうになったのも別のお話。
そして友近や綾時に昨日はどうだったのかと聞かれたのもまた別のお話。

396:チドリ×順平
09/06/28 22:19:25 8CxuMe3P
以上です。色々とごめんなさい。
あとアドバイスを下さった方々、ありがとうございます。

あくまでゆるく見守ってね(´・ω・`)

397:名無しさん@ピンキー
09/06/28 23:41:58 fSxU7Zb9
デートに行くまでの前置き部分で既に
ふたりとも可愛すぎるw

いいな、これいいよ!

398:名無しさん@ピンキー
09/06/28 23:46:50 n27D0E3q
>>396
GJ!
初SSにしてはいい出来だと思うよ。
テレッテのヘタれさとチドリの我の強さがうまく表現されてたな。

「叩かれ要素満載」とか自分で言ってたわりには、俺はそんなに無理矢理な感じはなかったと思ったけどなー。
というか、自分でどこが叩かれる要素かわかってるんならそこを直せばよかったのにw
野球観戦のシーンは実名じゃなく「嫁売」とか「半神」みたいな名前に変えておけばよかっただろうし
ストレガはムリだけど綾時のシーンはゆかりや美鶴でも代役できたんじゃないかな。

そこらへんをわかっててこだわってるんなら何も言わないけどw

399:名無しさん@ピンキー
09/06/28 23:53:18 ABQMbyV1
>>396
GJ!可愛いなぁちくしょうww
つーかプロ野球ネタ多くてワロタ
二人の株、急上昇中だわ

400:名無しさん@ピンキー
09/06/29 00:41:22 Yp1+bRKh
良いね良いね!GJ!!!
エロじゃなくても面白い!
タカヤとジンのやりとりもなかなか・・・

401:名無しさん@ピンキー
09/06/29 01:00:54 0nn1f7WD
GJだが>>378誰だお前はw

402:名無しさん@ピンキー
09/06/30 19:35:53 NgnFxJI5
うお、GJだなんてありがとうございます。

>>398
確かに代用できたかも・・・orz
でもせっかくパラレルワールドなんだからって感じで出しちゃった。
球団はまぁ、実名でもいいかってww

>>401
元横浜のヒューズだべ。

気が向いたらまた書くかもしれないですが、その時もゆるい気持ちで見てくださるとありがたいです。

403:名無しさん@ピンキー
09/07/05 09:23:54 UiarQn4H
保守

404:名無しさん@ピンキー
09/07/05 14:57:06 eXNb9p7b
等々保守がつくようになったか・・・・・

405:名無しさん@ピンキー
09/07/05 15:40:21 kJ+BZlPw
あからさまにつまんない>>378みたいな糞にまで見え透いたGJつけるから
まともな書き手さんや読み手までが呆れかえってしまったんだろうが
読めりゃなんでもいいってもんでもないだろうに

406:名無しさん@ピンキー
09/07/05 20:00:11 KAZBN/Um
お前の嫁ささお化すっぞコラ

407:名無しさん@ピンキー
09/07/06 17:17:42 Pwl9eqlW
          lヽ、  ノヽ 
          ヽ ‐-‐' ノ,
          / ̄ ̄ ̄\
        /         \
      /    / ̄ ̄\    \
     |     \____,     |
     |              |
     |   /二二二二\   |
     /  //::::::::::::::::::::::\ \  |
    と二 ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::\二つ
     |/  ̄ ̄      ̄ ̄  ||    
    「 ||  -=・=-  ハ -=・=-  )|ヽ  
     | Y      /         ||| 
      V /// /(   ) /// ||/   
      |  /  ⌒⌒ \   |   
      | (     U   )   |
       |      へへ    | _/\/\/\/|_
         \    ̄ ̄     /  \          /
         \     ̄    /   < 原初の暗黒!>
          \____/   /          \       ’、′・  ’、.・”;  ”  ’、 
      _ril    ,::`ー‐‐´::::::::::    ̄|/\/\/\/ ̄      ’、  (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
      l_!!! ,、 ,..-ヽ   ::::::ノ:`::--'ー--、 -―--、       ( (´;^`⌒)∴⌒`.・   ” ;  ’、′・
      | ! !_!|i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::,..、::`ヽ         、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'人      ヽ
        ! ', ,|!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/---‐'´`\::::\  、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、   ヽ
      !、_,イ:::ヽ:::::::::::::::::::::::::E:::::::/::|        \:::ヽ、_( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・ ヽ    ,[]
      ',::::::',::::::|ヽ::::::::::::::::::::::::::::/:::::::l         ヽ'◎ ヽ:::::. ::: >>405´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ    ヽ/´
       ',:::::::',::::! ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::,!          ヽ __ '、ノ  ...;:;_)  ...::ノ  ソ ...::ノ  
       ',:::::::::::|   ',::::::::::::::::::::::::::::/|          ヽゞー'
        ヽ_ ノ   ヽ:::::::::::::::::::::::::::!
これ以降のささお化は住民が心臓発作を起こす危険性があるのでおやめください。
みんなの嫁をささお化するなんてもっての他です(エレボス除く)。

408:名無しさん@ピンキー
09/07/06 20:01:35 Hg3/uu+d
ここでささおかを見るとはww

409:名無しさん@ピンキー
09/07/07 08:59:02 Q/zRsRUC
>>405
オマエみたいなバカが
わくからだろ

410:名無しさん@ピンキー
09/07/07 15:00:59 nnYM6Fu7
>>405
ぶっちゃけ読めないよりは読めさえすれば万倍良い
価値観は十人十色だし
と言うか自分がまともだという前提で話されてもなぁ
逆に俺はまともなのかと言われたら断言出来ないが

411:名無しさん@ピンキー
09/07/07 16:33:20 cm2B/a9k
順平×チドリのいちゃつきが見れただけで大満足だ
あと佐々岡は帰れ


412:名無しさん@ピンキー
09/07/07 22:34:16 /x9H9+WJ
削除依頼した職人って誰だっけ?

413:名無しさん@ピンキー
09/07/08 00:30:15 8rMhzlYC
蒸し返さないの
どうせ戻ってきちゃくれないんだから

414:名無しさん@ピンキー
09/07/08 02:35:00 cyc5OYmA
倉庫にだけ投下されてたやつで後で読もうと思ってたやつあったんだよな…
なんか分岐するやつ
先に保存しとけばよかった

415:名無しさん@ピンキー
09/07/08 18:02:30 Du9Dw60C
>>414
あーあれか
直斗と千枝のは読めなかったな…残念すぎる
りせの話が特に好きだったな

416:名無しさん@ピンキー
09/07/08 20:20:40 TZaWxkbO
足立直人も続編書きたいこと言ってたっけ?

417:名無しさん@ピンキー
09/07/08 21:18:33 SdDxhzKZ
もう触れてやるなよ。

418:名無しさん@ピンキー
09/07/13 23:01:00 h3g+HooC
友近の名をエロパロスレで見たのは初めてな気がするべ

419:名無しさん@ピンキー
09/07/14 05:23:29 ub3nn79o
つまり今度は友近がエミリを想いながらのG行為だな

420:名無しさん@ピンキー
09/07/14 15:44:52 7zWN/CDu
誰が得w

421:名無しさん@ピンキー
09/07/14 20:59:55 WwQWO2OI
友近はエミリで非童貞になれたのかね。
絶対違うと思うけど。

422:名無しさん@ピンキー
09/07/15 10:21:45 02nmZGqo
友近は童貞だと思う

423:名無しさん@ピンキー
09/07/15 15:51:48 e02M1j/7
年上がいいとか言ってるやつは大体そう

424:名無しさん@ピンキー
09/07/16 11:43:47 sEoene9N
優しくリードしてもらいたい…とか考えてるんだろうな。

425:名無しさん@ピンキー
09/07/21 07:28:54 RMH1UUfz
高校生が年下興味だとロリコン扱いだから・・・

426:名無しさん@ピンキー
09/07/21 08:32:45 23EemDXu
同世代を忘れるな。

427:名無しさん@ピンキー
09/07/24 18:02:03 QLIW+3I3
ナースかわいいよナース

428:名無しさん@ピンキー
09/07/30 18:25:55 3wjyrCzz
番長「保守」

429:名無しさん@ピンキー
09/07/31 18:02:43 JA0V6hFr
革新

430:名無しさん@ピンキー
09/07/31 23:58:14 n7affGIj
            !   ̄     レ;'´  |  (,ゝ、 \ ヽ l、
        /| _,,.-/´  ;; .,,,-!  ヽ、 ヽ、 | | ! l
       / 斤'"〇 /´    ,;;:''" _,l_   ヽ ヽ/  l | l
      /; l、」_,,/     '' ゙;;/  ヽ、   〉  `ヽ  l/
      /!,r''´!/  /     ';,/"゙''':;,,,,;;'' \ /     ,!   ! >、::l   /  
  ノノlヽ、_!    r―‐┐   /_ノ:::|  /
    l::::::>、   レ,二二ェ!  /i:::::::::::l   ̄ ̄|_     /ヽ、  /\   /\    /
    l:::/ /::ヽ、 `ー-―-' ,ィ'::::!\:::::l    (ヽ、//\/   \/   \/   \/
    レ' ム-''´lヽ、  _,,./! ゙ヾ!__ヽ!    ヽ´ヽ、ヽ  l::::::::::::::::::|_!::lヽ:::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::i、::! ノ
  !:::::::::::::::::l-‐ェ!;ト ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ` ヽ   幺ク 亡 月 |  ┼‐ .|] |]
  l:::::::::::::::::「(;;;)ヽ、__、::レ'´l:::::::::/l、:::::::::::::l   /   小巴 三l三. ヽ_ノ / こ o o
  !:::::::::/l:::l__,,,rタ"゙、;!)、__!::::/ノ 〉、::::::::l   \
   l::::/ lヽ!    _ _   l;/´

431:名無しさん@ピンキー
09/08/02 02:03:07 DtZ2oOX8
堂直ってだれか書いてた?

432:名無しさん@ピンキー
09/08/02 12:23:42 581O/1Jn
前に書いた人いた
変な粘着に絡まれてすぐ消しちゃったけど
書いてみるつもりとかなら是非書いてくれ

433:名無しさん@ピンキー
09/08/02 22:54:37 vEyvgItg
あの堂直はいいもんだった
サイト置いてたんだがペルソナ完全撤去しちゃったからな

434:名無しさん@ピンキー
09/08/03 03:18:39 8trUCLis
デビルサバイバーはココでもいいのか?

435:名無しさん@ピンキー
09/08/03 05:10:27 Vd3oSxic
デビサバはアトラス総合にどうぞ

【ライドウ】 アトラス総合 Part2 【カドゥケウス】
スレリンク(eroparo板)

436:名無しさん@ピンキー
09/08/03 22:42:43 7lJXznB7
サイトって言えば足立直斗の人って自サイトかで再うぷしないんかな?
絵消したみたいだし

437:名無しさん@ピンキー
09/08/04 01:59:28 NGZ2yypS
そもそもが叩かれて全部下げたんじゃん
もうやんないでしょ

438:名無しさん@ピンキー
09/08/05 06:06:05 1e8NTYV/
まだ粘着してんのかよ…直斗アンチ(という名の雪子信者)マジミツオレベル

439:名無しさん@ピンキー
09/08/05 08:38:55 X8WGLgFZ
はいはい丸一日も経ってから蒸し返さないの

440:名無しさん@ピンキー
09/08/05 21:38:38 sHyACkx7
天城雪子の史上最大の作戦後編まだかなぁ

441:名無しさん@ピンキー
09/08/06 20:05:03 4EhNHBc0
そらブクマ点数プギャーだの絵も文も最下層のゴミだの
GJは全て自演だの言われて、誰も庇護もフォローしないどころか
全部足立直人が悪いだの、一人だけ叩かれたと思うなだの言われて
祭りにされたら全部下げるわな



何?また御本人様だって叩くのwww










442:名無しさん@ピンキー
09/08/06 20:14:31 1jt6EIIF
どうせこのままじゃ保守しか書かれないスレになるよ

443:名無しさん@ピンキー
09/08/06 23:10:17 eqtby3xe
とりあえず待つ

444:名無しさん@ピンキー
09/08/07 01:21:55 Io4GZbov
アンチこえー

445:名無しさん@ピンキー
09/08/07 05:42:52 YZUB0ZLj
エリザベスはEカップ
マーガレットはFカップ

446:名無しさん@ピンキー
09/08/09 02:31:44 0MvQ4ZVe
直斗信者の暴れっぷりは酷かったからなー
連投に連投。うざがられてもしょうがない。

447:名無しさん@ピンキー
09/08/09 02:39:31 llpYqlP8
まーたはじまった。もう廃墟なんだからいい加減満足しろよ。

448:名無しさん@ピンキー
09/08/09 09:36:44 b9FVEZ5D
キャラスレは荒らされてエロ同人スレじゃフルボッコされたからって
沸いてくんなよ雪子信者

おとなしく本スレに引き込もって千枝のアンチ活動でもしてろ

449:名無しさん@ピンキー
09/08/09 11:05:21 wc+g5++l
末尾が出ないスレでははしゃげるようだ

450:名無しさん@ピンキー
09/08/09 11:22:04 j8YZ22fW
まだいたんだ直斗アンチ
過疎なのに張り付いてるとかもう哀れだな

451:名無しさん@ピンキー
09/08/09 11:38:20 fjm7EN2X
エロ同人、難民、エロパロで直斗アンチっぽいのが同時発生しててワロタw
数打ちゃ当たるで誰か相手してくれないかと必死なんだな…

452:名無しさん@ピンキー
09/08/09 18:39:16 qqq+3Fjz
それより直斗が何カップか考えろよ

453:名無しさん@ピンキー
09/08/09 19:38:24 cy0tdTtg
直斗はE

454:名無しさん@ピンキー
09/08/09 21:06:49 pJY5ttxb
チビは美乳微乳派

455:名無しさん@ピンキー
09/08/09 21:19:02 qqq+3Fjz
>>453
同意

>>454
それもいい

456:名無しさん@ピンキー
09/08/09 23:04:57 llpYqlP8
>>452
Cカップ派

457:名無しさん@ピンキー
09/08/10 01:58:45 aW/3GAtf
Dで

458:名無しさん@ピンキー
09/08/10 14:19:30 oxVQaCBw
直斗はD~Eが理想

459:名無しさん@ピンキー
09/08/13 21:22:56 9cpxZvOR
Cカップ派

460:名無しさん@ピンキー
09/08/14 06:29:03 TIRJ0zNy
E~F希望

461:名無しさん@ピンキー
09/08/14 12:39:59 +1ewbIHP
B~Cくらいがいいな

462:名無しさん@ピンキー
09/08/14 20:16:01 vbq3cLQN
遅くなりましたが保管しました、いつもの人です
夏コミ終わったらまた盛り上がってくれるかなあ…

雪子はD、千枝はB、りせはC、直斗はEだととっても嬉しいです

463:名無しさん@ピンキー
09/08/15 19:41:44 xtRa9hci
いつもの人、お疲れ様です
Aが無いのはひんぬー好きとして残念です

464:名無しさん@ピンキー
09/08/15 21:47:58 67WuhLDU
Aは結美

465:名無しさん@ピンキー
09/08/16 00:18:48 p/jf0hRq
節子を忘れるなんていい度胸してるなお前ら

466: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:40:08 wQjvmCpb
>>196(雪子)
>>209(千枝)
>>249(りせ)
の続き

・主人公×直斗(主人公出ませんが)
・小ネタ
・自慰フェスタの一環

467: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:40:55 wQjvmCpb


「直斗はさ、一人えっちって、やっぱりするの?」

がふぁっと口に入れた本日2個目のチョコレートケーキを吐き出しそうになって、慌てて耐えた。
いくらなんでも口に入れたケーキを吐き出すなんてそんなマナー違反をする訳にはいかない。そう思いながら慌てて飲み込む。
思わずそんな事をしかもこんな場所で堂々と人前で口に出した久慈川さんを怒鳴りつけそうになって、
そして口を開いたその瞬間、それよりも今の会話が誰かに聞かれていないかの方が重要だという事に思い至って慌てて店内を見回した。

70年代風のブルージーなロックがかかっている店内。
全体的に白で統一された色合いで、白くてお洒落なテーブルがごみごみしない程度の間隔で大理石風のぴかぴかした床に置かれている。
窓は大きく取られていて日光が明るく店内を照らし出している。
ファミレスなんかとは違った、雑誌に載っているような洒落たお店だ。

そんな瀟洒な雰囲気のする店内を見回して、こちらに注意を払っている、
もしくはあんぐりと口を開けてこっちを見つめているような、つまり今の久慈川さんの言葉を聞いていた人物がいないかどうか探す。


468: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:42:30 wQjvmCpb

予想外にサラリーマンといった感じの男性なんかもいたりしたけれど特に僕達が注目されているような感じはなかった。
全くもって普通の喫茶店の店内ですよ、という雰囲気で寧ろ周りをきょろきょろと見渡す僕の方が奇異な位に感じられる。
幸い誰にも聞かれていなかったようだという事を確信できるまで周りを見回した後、
ほう、と息を吐く。
全く。冷や汗をかいた。
顔を戻すとしれっと今のとんでもない言葉を口にした久慈川さんが何?といった感じでフォークを口に運んでいる。

「なんでそんな事を聞くんですか。誰かに聞かれたりしたらどうするんですか。」
一度咳払いをしたのだけれど、先程のどきんとした動揺は収まってなかったようだ。
一瞬声をひっくり返しつつも小さめの声で詰問すると久慈川さんはちょっと考えた後、
僕に向かってアイドル仕込みの素晴らしく可愛らしい仕草で小首を傾げて見せた。

「だって興味あったから。」
「興味本位で聞くような事ですか。大体何ですか興味って。
そういうプライベートな事はこういう場で話すべきではないし、
そもそも僕が久慈川さんに教えるような事でもないです。
だいいち久慈川さんは元とはいえアイドルでしょう?
こんな事を話していて、万が一盗聴とかされていたらどうするんですか。」

こんな話を誰かに聞かれたら僕だってたまったものではないが、
久慈川さんのほうがはるかにダメージは大きいだろう。
なんていったって注目度が違う。恥ずかしいではすまない。

僕がそう言うと、久慈川さんは顔の前でぶんぶんと手を振った。
「聞いてない聞いてないって。盗聴器なんてあってもこんなところじゃ机の下にでも仕掛けなきゃ録音なんてされないよ。」
まあ、確かにそうだ。そう思いつつも確認の為にテーブルの下を探ってみる。
「それに、そんなものさっき探しても無かったしね。で、直斗はどうなの?」
にっこりと可愛らしく笑いかけてくる。


469: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:43:04 wQjvmCpb

う、と詰まる。
「し、しかし、もし後ろの人とかに聞かれたらどうするんですか!」
「その時はその時!少なくともこの声の大きさだったらぜーったい大丈夫だから。で、直斗はどうなの?」

天真爛漫と言った風情で対応してくる彼女に何故だか言い返せなくなって僕は黙った。
溜息を吐く。
少しだけこんな事を考えたからだ。

久慈川さんは僕なんかよりずっと誰かに見られる事に敏感で、注意を払っていて、
盗聴や何かに関しても探偵である僕よりもそういう所に早く気が付くような、
つまり自分が盗聴されるかもしれないなんて事を考えるそういう人生を歩いて来ているのだと云う事をだ。

マ、マスターベーションの話に関わらず、同年代の誰が自分の会話が盗聴される可能性があるかもなんて考えるだろう?
少なくとも探偵などをやっている僕以外、いや僕だって日常会話が盗聴される危険性があるかもしれないなんて事、
どこまで本気でそんな事を考えているだろうか。
それを久慈川さんは常に意識して、そして生きているのだ。
有名税だと一言で言えば簡単な事かもしれないが、
きっとそのプレッシャーは他人が想像できるようなそんな生易しいものではないだろう。

それを彼女は事も無げな事のように言う。
久慈川さんのこういう、なんだかとても重たそうなものを背負っている彼女がいかにも気軽な感じに自分を見せる度に
僕は彼女の可愛らしさに対して羨ましさと、そして軽い嫉妬を覚える。

きっと彼女の背負っているものに比べれば、
男に生まれれば良かったなんていう僕の子供染みた願望は、
馬鹿みたいなコンプレックスは、
鼻で笑うに等しい位の瑣末な事なのだろうなと、そう思う。


470: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:43:57 wQjvmCpb

まあ、それはそれにしても。だ。
この質問は無いだろう。

「僕がその質問に答える必要性を感じませんね。」
紅茶を持ち上げてつんと顔をそらすと、久慈川さんがいかにも不満、と言った顔をした。
「えー。なんで。」
「なんでと言われてもそんなプライベートな事は話すべきではないでしょう。
い、いくら僕とその、く、久慈川さんがその、…友達だからと言って。」
後ろの言葉は少し勇気を出して言ってみた言葉だった。
その、今の言葉は彼女は僕の事を友達だと思っている。
と、僕が思っていると云う事を吐露した言葉だったからだ。
今までこう云った事は同性異性問わずに言った事は無い。
というよりもこの学校に来るまでそういう関係になれた人自体がいなかったと言った方が良いだろう。

だからこそいってみたかった言葉だったし、そして言えた。という感慨が強い。
けれど多少ぶっきらぼうな言い方になってしまった事は否めなかったし、
思わず久慈川さんから視線を外してしまう事までは止められなかった。
そしてちょっと顔が火照っているのも感じる。

ちらりと久慈川さんを見てみる。
その瞬間失言だった、と後悔が襲ってくる。
案の定というかなんというか、久慈川さんはふふーんと云ったなんだか猫っぽい感じの顔で僕の顔を見ている。


471: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:44:48 wQjvmCpb

思わず前言撤回したくなりつつ紅茶を煽りながら念を押す。

「…だから絶対に、僕は、そんな質問には回答しません。」
「へえ、言わないって事は直斗、してるって事を白状してるようなものじゃない?」

準備していたかのように間髪いれずにそう答えられて、
思わず噎せそうになりながら紅茶を下ろす。
「そういう誘導尋問には答えられません。じゃあはっきりと言いましょう。
僕はそう云う事はしませんし、興味もありません。」
「ふーん。直斗は、私に、嘘を、つくんだぁ。」

声が大きい。

「嘘なんてついていません。そういう久慈川さんはどうなんですか?」
「私はしてるよ。たまにだけど。だから直斗に聞いてるんじゃない。」

きっぱりと言い切られる。裏目にでた。
久慈川さんは私も言ったんだから直斗も言え、
とばかりにケーキのくっついたフォークを突きつけてきている。

なんなんだ。なんでこんな事を自信を持って言えるんだ。
そんな事、普通隠すものじゃないのか?隠すだろう?言わない筈だ。
なんだか僕が悪いみたいじゃないか。こんな事、言わなきゃいけないのか?
それとも普通の友人同士はこう云う事を話し合ったりするものなのか?
友人同士で?
いやいやいやしないだろう。少なくとも僕の知識の中で、そのような常識は無い。
僕が常識はずれなのか?


472: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:46:06 wQjvmCpb

「な、なんといわれても僕はそんなことし、しましてません。」
勢いに押されまいとして必要以上に力んでしまったらしい。
声が裏返ってしまって思わず唾を飲み込む。
と、久慈川さんはきゅい、と片方の眉毛を上げた。
「ふーん。…あーあ。直斗は私には本当の事は話してくれないんだ。」
がっくりと肩を落としてくる。
おまけに友達っていったのにい、と小声で付け加えてくる。
「そ、そんなこと言っても駄目です。
そもそも僕はさっきから本当の事を話しています。」

「私のイメージだと直斗は、先輩に褒められたり甘えたりするの想像しながらしてると見たんだけどなぁ。違う?
意外と甘ったれでしょ。直斗は。」

「!!」
思わず立ち上がり、まさか久慈川さん、もしかして!?と叫びそうになって慌てて口を押さえて座る。
これはブラフだ。引っかかってはいけない。
落ち着け。こんな簡単なブラフに引っかかる僕じゃない。
僕ならできる。でも何で先輩っていやいやいやいやいやいや違う。これはブラフだ。
彼女は勘でそう言っているに過ぎない。絶対にそうだ。ばれるはずが無い。
カーテンを閉じ、部屋の鍵を掛けて、万全の準備を整えている。
誰にもばれるはずは無い。・・・まさか、盗聴器?いや、それはありえない。
じゃない、黙っていては駄目だ。これはブラフだ。考えたら負けだ。
すぐに返答しなくては。
顔に血が上ってくるのを感じるけれど、これはそう、怒っているからだ。
そんな事ありえないからだ。
決して、こんな簡単なブラフに引っかかってはいけない。


473: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:47:42 wQjvmCpb

「そんな筈は無いでしょう。僕は誰にも甘えたりはしないです。
甘えたいと思った事も無いです!
そ、そもそもです。そもそもですよ。
なぜ先輩がこの話に出てくるんですか?関係ないじゃないですか。」

「まあ、私もそういうのは嫌いじゃないけど。でも私はもうちょっとこう、私がリードするみたいな方が好きなんだけどね。」

「ちょっと待ってください久慈川さん。話を進めないで下さい。
話を戻しますけれど僕は何故そこに先輩が出てくるんですかと聞いているんです。
確かにマヨナカテレビ内でお世話にはなっていますし、
リーダーとして尊敬もしていますが、何故そういう行為に先輩が出てくると、」

言った瞬間、しまった。と思った。口が滑った。
にまあ、と久慈川さんが意地悪く笑ったからだ。
テレビの中で見るアイドルっぽい芝居がかった可愛らしい仕草で口を覆う。

「あれぇ?先輩って…私、花村センパイのつもりだったんだけど…直斗は、違うんだぁ。」
くっ、嘘をつけと言いたくなりながら拳を握り締める。

「は、花村先輩なら花村先輩と言うはずです。先輩といえばリーダーの事と思うに決まっています。」

「でもでも、今一瞬で話の内容を理解してたよね。直斗。
普通全然意識してなかったら先輩?え?どっちだろう。ってならない?
なると思うなあ。私。」

ええっ不思議ぃと口を押さえながら凛とした黒目がちの目を見開き、大げさに驚いてみせてくる。
そのくせ目は完全にこちらを見透かしたように笑っている。
くぅっ、腹が立つ。手が自然と握り締められる。
アイドルっぽく両手を振りながらどうして、りせ、判らないなあなどと抜かしている久慈川さんを睨みつける。

と、久慈川さんが一瞬でアイドルっぽい仕草をやめて、あはははは。と笑った。
「ごめんごめん。直斗、面白くってさ。」


474: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:48:03 wQjvmCpb
@@

久慈川さんはそういった後、こちらに手を伸ばしてきた。
いつもなら手を引いていただろう。でも僕は動揺していたのか、そのままの格好でいた。
久慈川さんの手と、僕の手が重なる。
陶磁器のように真っ白でひんやりとした、
そして紅茶のカップを持っていた所為か指の一部だけが温かい久慈川さんの手が、僕の手を包む。
触れた瞬間、とくん、と心臓がなった。

誰かに手を握られたのなんて、本当に久しぶりだった。
怒っていいのか、手を振り払えばいいのか、
でも何だか手を引くのが惜しくて僕は俯いたまま、混乱していた。

「だってさ、直斗、先輩の事好きでしょ?ばればれだよ。」
真顔でこっちを見てくる。



475: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:48:42 wQjvmCpb

こういう時、どう返事をすればいいのか。

混乱していた。久慈川さんの意図が判らなかった。
僕は確かに先輩に好意を持っている。たぶん久慈川さんもそうだ。

だから久慈川さんは僕を牽制する為に言った?
まさか。
男性ならどちらを取るだろう。なんてのはこの場合無意味な疑問だ。
僕などそういう意味では先輩の眼中にも入らないだろうから。
確立の問題ではない。僕か、久慈川さんかなんて比較の対象にもならない。
先輩は僕の事を女性だと思っているかどうかすら判らないって言うのに。

それに、なんとなく久慈川さんはそういう牽制みたいな事をしないような気がしていた。普段の彼女は、そういう事をいかにもしそうなのだけれど、
でも、なんとなく、そういう本当の意味で真剣な事は、彼女は正面から言ってきそうな気がする。

だったら何故?
意図が判らない以上、否定するのが一番良いのだろう。
何を言っているんですか、久慈川さん。そんな訳無いじゃないですか。
それで解決するだろう。

でも久慈川さんはさっきまでの冗談めいた顔とは違って真剣な目でじっと僕を見つづけている。
嘘を吐くべきなのだと思う。そしてそれなら早く口にしなければいけない。

でも何故だか口に出せなかった。
ずるい、と思った。
「僕は、先輩のことなんて好きじゃない。」
嘘を吐いた瞬間、先輩も、久慈川さんも失ってしまいそうな、そんな気分になってしまったのだ。
そんなはずは無いのに。


476: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:49:11 wQjvmCpb

否定も出来ずに、肯定も出来ずに。
答えられずに黙り込んだ僕に久慈川さんはちょっとだけ、
まるで僕の手が壊れ物であるかのように優しく手に力を入れてから口を開いた。

「ま、それはそれとして。直斗に提案があるの。」
助け舟を入れてあげたんだよ。とでもいうように今度は悪戯っぽくにんまりと笑う。
くるくると表情が変わって、可愛いなあ。と思う。
こういう女の子とデートしたりすると、男の子はきっと楽しいのだろう。
僕のような仏頂面ではきっと、駄目だ。

「提案、ですか。」
そう言うと、久慈川さんはうん。と頷いた。
「千枝センパイと雪子センパイ、なんか先輩にお弁当作って一緒に食べたりするみたいなことを計画してるみたいなんだよね。」
それは逆効果じゃないのか。と今までの経験上から一瞬脳裏に浮かぶ。
そして今、久慈川さんが言った言葉の意味にもようやく気がつく。
なんだかぼんやりしている。普段なら人の会話の裏の意味に気付くのは得意な方なのに。
ああ、そうか。千枝センパイと雪子センパイも先輩の事が好きなのか。

ますます先輩が遠ざかる気分がして、顔をしかめる。
そもそも近づいてもいない癖に自意識だけは立派だ。嫌になる。
先輩は素敵な人だ。千枝センパイや雪子センパイが好きになったって何もおかしくなんか無い。
久慈川さんも、先輩のことが好きなんだ。
うん、全然おかしくなんか、ない。
皆、可愛い、とても女性らしい、人たちばかりだし(千枝先輩だって男勝りに見えて実際の所、凄く可愛らしい。)
だれと一緒になっても、きっと、とてもお似合いだ。


477: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:51:27 wQjvmCpb

「でさ、千枝センパイも雪子センパイもさ、そういうの、私達に何も言わないってのがひどくない?」
そうだろうか。まあ、そうかもしれない。
そういうイベント事は結構まめに連絡くれる人達だし。

なんか、頭がぐるんぐるんと回る。テーブルが近づいてきて、
いや、違う、僕の頭がテーブルに向かって下がってるんだ。
あわてて顔を上げようとして、やっぱりそのまま俯いたままでいることにした。

し か し 僕 は 何 に こ ん な に シ ョ ッ ク を 受 け て い る ん だ ろ う。
千枝先輩と雪子先輩も先輩の事を好き?

「正直このままじゃ雪子センパイや千枝センパイに負けるような気、してるんだよね。」
まあ勝つも負けるも先輩の決める事である事だし。それに僕が選ばれる事はないだろう。
そう考え、そしてその瞬間になやっぱりんだか嫌な気分になって、
それでも曖昧に頷くと、何を勘違いしたか、だよね。
と久慈川さんはぎゅっと手を握り締めてきた。

「でさ。直斗君も、先輩の事、好きでしょ。私達も、お弁当、作らない?センパイ達に負けてちゃ駄目だよ。」
「は?え?いや?僕達が?」

「そう、千枝センパイや雪子センパイのなんかよりずっと美味しい奴作っていくの。
そうすれば、先輩とご飯も食べられるし、一石二鳥。二人でメニュー決めてさ。」

「い、い、いや、僕は、先輩にご飯なんて。」
久慈川さんは何を言いたいんだろうか。頭が回らない。


478: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:52:02 wQjvmCpb

「いいじゃない。私だって正直に話してるんだし!直斗も正直に話して!先輩のことが好きなんでしょ!?」

「ちょ、久慈川さん、声大き…」

「直斗の力が必要なの!直斗がいれば雪子センパイや千枝センパイにも勝てる!ていうか料理合戦なら絶対に負けない。ここは共同戦線を張るべきだよ。」
「ぼ、ぼ、僕はその、先輩、先輩の事なんかっ!」
一瞬だけ先輩は僕のことなんか、と頭を過ぎって、だからか思ったより大きな声が出てしまう。

でも久慈川さんも負けじと大きな声で僕に言い返してきた。
「嘘つきっ!毎日毎日先輩のこと考えてるくせにっ!お弁当作ったら褒めてもらえるよ
ありがとうって頭撫でて貰えたりするかもしれないんだよ!」

ああああああああああ。頭に血が上っていくのが判る。
もう口にする気力も無い。まさか久慈川さん、あなた見たんですか!?

「私には判るのっ!直斗、そういうことして欲しいんでしょ。」
「ぼ、ぼ、僕はそんな事、考えた事なんて無いですっ!!」

「嘘っ!直斗、私が探索得意だって知ってるじゃない!いっつも後ろから見て全部判ってるんだからね!
私に手を握られただけで嬉しそうにして、先輩に褒められたらもっと嬉しいって考えないの!?」
がたんっと立ち上がる。テーブルの上の食べかけのチョコレートケーキが跳ねる。
周囲の目が僕に集まるのが判る。
「ぼ、ぼ、ぼ、僕は、」


479: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:52:27 wQjvmCpb

「私はね、やってみたい事を想像するだけでやらないなんて嫌。そう思ったの。
皆に会って、直斗にも会って、そう思えるようになったの。
直斗にもそうして欲しい。だから一緒にやろうよ!
私は千枝センパイや雪子センパイに負けたくないの!その為に直斗が必要なの!
一緒にセンパイにお弁当、作ろう!」

僕は、そんな事を望んでいるだろうか。
望んでいる。のだろう。
なんで、この人はこんなに僕の事を見たように、僕以上に判っているように
「ぼ、ぼ、僕はそんな事しませんっ!」
喫茶店中の視線を浴びながら、走り出す。
「直斗っ!」
お勘定、と頭の中で一瞬過ぎったけれど、そのまま店を飛び出して。
僕は今までで初めて位に、何かを振り払うように思い切り走った。


480: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:52:53 wQjvmCpb

@@

「直斗は悪くないよ。」

ぐしぐしとソファに座った先輩の足元で泣いている僕の頭に、ぽんと手が乗せられる。
ゆっくりとその手が前後して、そのあまりの心地よさに思わずほう、と溜息が漏れる。

「でも、久慈川さんが折角僕に言ってくれたんですよ。それなのに僕は。」
蕩けるような甘えた口調でも、先輩は笑ったりしない。
拗ねたような僕の言葉に、にこりと笑い掛けてくれる。

「判ってくれるよ、きっと。」
「でも、酷い事を言ってしまったかも。折角誘ってくれたのに、僕はまた意地を張ってしまったから。」
「大丈夫だよ。直斗がどうしたいか、ちゃんと考えて、
そして答えを伝えられれば、きっと判ってくれるよ。」



481: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:53:16 wQjvmCpb

「傷ついてないでしょうか。僕があんな事を言って。」
「直斗は、俺にお弁当を作りたくないの?」
ぶんぶんと首を振る。

「作ってあげたいです。例え下手でも、もしかしたら、その。」
美味しいって言ってくれるかもしれないから。
そう言って、ソファに座った先輩の足の間に入って、先輩の胸に顔を擦り付けながらぎゅうと抱きしめる。
細身に見えて逞しい体にそうやってしがみ付くと、なんだか全てを包み込まれているように、そう感じる。
先輩の体の、とても良い匂いがする。

「直斗は良い匂いがするね。」
おんなじことを考えてくれていたんだ、と
上からの先輩の言葉にたまらない気持ちになって、ぎゅうともう一度抱きしめる。


482: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:54:18 wQjvmCpb

すると、その、僕の胸の谷間に、先輩の、その、その部分が当たるのを感じる。
凄く熱くて、その、硬い。それが。

「直斗」
少し威圧的な、マヨナカテレビの時のような声で、催促するように先輩はそういう。

「もう、先輩は・・・、そんな、僕に、いやらしい事を・・・」
そう言いながら、僕は先輩の足の間に顔を下ろす。
片手で、二本?三本、くらいかな。
人差し指と中指と、ええい、薬指も口に入れる。
嘗め回すみたいにする。吸ったりもする。
なんだか凄くいやらしい気分になりながら口の中でそれを上下させてみる。

先輩の手が、僕の頭に掛かる。
「褒めて、くれますか。」
「直斗は上手だね、って、褒めて下さい。」
「直斗は上手だって、言ってください。」

先輩は僕が思った通りの言葉を言ってくれる。

「先輩、先輩。」
そう言って、僕は口の中の唾に塗れた指を抜いて、先輩にしがみ付く。


483: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:54:39 wQjvmCpb

@@

はあ、と溜息を吐く。
勿論先輩は目の前にはいない。
これは僕のマスターベーションだ。
いつの間にか習慣になった。久慈川さん言う所の、一人えっち。
後ろめたい事この上ない行為だ。
無論、部屋には鍵を掛ける。
カーテンも閉める。廊下と、窓の外も一応確認する。
その、万が一にも誰かに気が付かれる様な事はないはずだ。

まあ、だから。
日によってもう少し大胆に先に行く事もある。
その、僕が服を脱いで、みたり、とか。
けれど大抵はここまでだ。
先輩は僕の愚痴をずっと聞いてくれて、そして僕を褒めてくれる。
嫌な事なんて絶対に言わない。
僕がその、先輩のを、その、サービスしてあげると、その、先輩は、とても、褒めてくれる。


484: ◆/pDb2FqpBw
09/08/17 13:55:07 wQjvmCpb

「・・・久慈川さんの言うとおりじゃないか。」
思いなおしてみて、先程言われた通りの事をしている自分におもいきり自己嫌悪を感じる。

部屋の隅の鏡に顔を向ける。
髪は乱れ、目は空ろ。枕を必死に抱きしめていたから、服も乱れている。
何となく色っぽいと言えなくも無い気もするけれど、なんだかだらしない姿だ。

久慈川さんがこうだったら、凄く色っぽいんだろうな。と思う。

「何で判ったんだろう。僕はそんなに甘えたがりに見えるんだろうか。」
口に出してみる。
鏡に映る僕の口も動く。

男の子になりたかった。男の子みたいなものに憧れても誰にも馬鹿にされず、
探偵になりたいと言ったって、誰も僕の事を馬鹿にしない。
そういうものに。

そのくせ、部屋ではこうだ。
ぐじぐじ、いじいじと小さな事に思い悩んで、
その度に先輩に甘えて、頭の中で妄想して、自分を甘やかして悦に入っている。




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