09/04/12 00:13:58 DNlykn0+
「楽しいからいいじゃない」
「よくないよ!」
絡みつく速水を必死に押し退けながら反論するカナ。
どうやら自分は姉妹よりか酒に耐性があるらしく、二人が酔いつぶれた後も理性を保っている。
いや、ハルカとチアキが酒に弱すぎるだけだろうか。
「それにしてもカシスぐらいで酔っちゃうなんて、二人ともまだまだだねー」
実際、速水が三姉妹に飲ませたのはカシスパインと呼ばれるカクテルだ。
そう、彼女が現在夢中になっていることはカクテル作り。今回はパイン果汁をベースに作ったのだ。
含まれているアルコール分が少なく、酒特有の苦味が感じにくい。
そのため、ハルカ達は最後までアルコールだと気づかず何杯も飲み続けてしまったのだ。
「で、どう?」
「どうじゃないよ!だましたなー」
「ハルカ姉さま、次はお尻を触ってもよろしいでしょうか?」
「チアキはかわいいからいいよー」
「ああもぅ!」
チアキは笑いながらハルカのスカートの中に手を伸ばす。
流石のカナもこれ以上姉妹の痴態を見ていられるわけもなく、二人の間に割り込む。
「そこをどけバカ野郎、私はハルカ姉さまのお尻をもみもみするんだ」
「どけるかー!」
「チアキの言うとおりよカナ、早くそこをどきなさい」
「アハハハハハハみなみけさいこー」
彼女達の速水は笑い転げながら地面を叩き続ける。
しかし今のカナは彼女に構っている暇はない。
自分だけが現在みなみけ唯一の理性なのだ。
これ以上カナの中のハルカに姉としての尊厳を失わせるわけにはいかない。
「少しは落ち着けよハルカ!」
「いやーねー、私はいつだって冷静よ」
頬を赤らめて、手を振りながらそんなことを言われても説得力は皆無である。
そしてカナはチアキに突き飛ばされてしまう。
「くそぅ・・・・・・人は酒に飲み込まれるとここまで変わってしまうのか・・・・・・」
若干涙を浮かばせながらテーブルに平伏する。
これから起こる姉妹の痴情を止めることができずに歯軋りをしているしかない。
カナがそんな自分の無力差を痛感している時であった。
「ねえカナ、今なんて言った?」
「ん?」
顔を上げて振り返ってみるとそこにいたのはハルカの姿があった。
妙に落ち着いているように聞こえてが、その頬はまだ赤い。
そして微かにアルコールの臭いを放っていることから、酔っていることが確認できる。
ちなみにチアキはハルカの尻に顔を突っ込んでいた。 カナは少し泣いた。