【みなみけ】桜場コハル Part 9【今日の5の2】at EROPARO
【みなみけ】桜場コハル Part 9【今日の5の2】 - 暇つぶし2ch450:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:58:47 pcE2qMvz
>>449
夜中だってのにGJ!
若干ませてる千秋がかわえぇ

451:小ネタ 保坂愛してるぜ
09/04/06 03:02:26 9AriNdbh
「あんなきもちわるい男のどこがいいのよ!?」
そうマキは言う。
私だけが知ってるのよ――なんて言ってはやらないけど。
教えてあげるもんか。

そう、教えてあげない。
いつだって一生懸命で。
だれよりも私のことを見ていてくれて。
姉じゃなく、友達じゃなく、後輩じゃなく、「女の子」として好きになってくれて。
空回りばかりだったけど、ずっと想い続けてくれて。
――それを、私の瞳を見つめ、いつも自信たっぷりな貴方が、
ガチガチに緊張しながら伝えてくれて。
――愛している、と言ってくれて。
こんな幸せなことが他にあるだろうか。

だから、マキには教えてあげない。
私が独り占めしてやるんだから。
でもそれじゃ可哀相だから、一つだけ教えてあげる。
「私は幸せだからいいのっ!」

ほら、今日も私を呼ぶ声が聞こえる。
「南ハルカ!俺と一緒に暖かい家庭へと帰ろうじゃないか!」
ふふふ。また汗かいてますよ。
そう、こんな何気ないひとコマにも幸せを感じちゃってるなんて、

絶対に、教えてあげないんだから!

452: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:13:01 7VUWDs/O
宣言したら気持ちが揺らぐよね。
できたとこまで投下しよう。


マキ「んー…あったかーい…」ゴロゴロ
ハルカ「もう、マキったら…そんなカナみたいなこと…」
カナ「いやハルカ、ここは日当たりがよくていーい感じにあったかいんだ」ゴロゴロ
マキ「そーだそーだー。だからここで寝転がるのはもはや人間の義務なのよー」ゴロゴロ
ハルカ「んもう…カナ、準備しないと藤岡君来ちゃうわよ?」
カナ「んー…別に特に準備ってしなくてもよくないか?」
マキ「ねねねーカナちゃん。藤岡君って誰?」
カナ「あー、ウチの番長だよ」
マキ「ふーん…じゃハルカの後輩かぁ」
ハルカ「マキ、それはどういう意味かしら?」


453: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:13:59 7VUWDs/O
ピンポーン
藤岡「お邪魔しまーす…」
カナ「おう藤岡。ゆっくりするがいい。お前も寝転がるか?」
藤岡「い、いいよ…」
マキ「やー」ズビシッ
藤岡「え?や、やー…?…はじめまして」
マキ「ん。藤岡君だっけ?カナちゃんと同じクラスなの?」
藤岡「あ、はい…そうですけど…」
カナ「こちらはマキちゃんだ。ハルカのお友達だ」
マキ「んむ。よろしく頼むよ」ズビシッ
藤岡「は、はぁ。よろしくお願いします…」



454: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:14:59 7VUWDs/O
カナ「さて、藤岡。コタツを囲んでる訳だが。みかん食べるか?」
藤岡「あ、うん…ありがとう南…」
マキ「(ふーん…なるほど…よしからかおう…)」モゾモゾ
藤岡「っ?み、南?」
カナ「ん?なんだ藤岡」
藤岡「い、いや、なんでもないよ…」
マキ「(おー困ってる困ってる…結構楽しいなぁ)」
藤岡「あ、あの、顔に何か付いてますか…?そんな見られても…」
マキ「いや、そのみかんがおいしそうかなと」
藤岡「あ、食べます…?」
マキ「ん、ならいただこうかな。あーん」
藤岡「ふえっ!?あ、あの…はいどうぞ…」スッ
マキ「あむっ」パクッ
藤岡「あぁぁあの、ゆゆっ、指食べないでください…」
マキ「細かいことは気にしないのー」
マキ「(やばい面白い…もう少しいじらせてもらうか…)」



455: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:15:58 7VUWDs/O
カナ「…さて…よし、私はちょっと飲み物取ってくるよ」
マキ「だってさー藤岡君。待ってよっか」
藤岡「あ、はい、わかりました…」
マキ「…ね、ちょっと…」コソコソ
藤岡「へ…?」
マキ「これね…私の電話番号。今日帰ったら、かけてきてくれないかな?」コソコソ
藤岡「えっ、えぇ!?」
マキ「静かにっ…じゃ、よろしくねっ」スッ
カナ「ただいまぁ。…ん、どうかしたのか?何かあった?」
マキ「いやいや、特に何も無かったよ?ねっ藤岡君?」
藤岡「あっ、えっと…うん、特に何も無かったよ」
カナ「そうかそうか。ならいいや。ところでそろそろ夕飯だけど、マキちゃんはどうする?」
マキ「あー…ごちそうになるのも悪いし、今日はそろそろ帰ろうかな」
藤岡「あ、俺も帰らないと…また今度ごちそうになるよ」
カナ「そっかー。じゃ気をつけてねー」
マキ「ん。じゃーねっ、また今度ー」
藤岡「また学校でね。じゃお邪魔しましたー」バタン
マキ「さて…じゃ、よろしく頼むよ?じゃねー」スタスタ
藤岡「は、はい…わかりました…なんだろう…?」

第1部 完

456: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:19:42 7VUWDs/O
タイトル考えてなかった…ふじマキにしたら、後続のふじマキSSに迷惑だしどうしたものか

まあ適当にお頼み申し上げまする。

457:名無しさん@ピンキー
09/04/06 04:28:22 2UMT+sjw
>>446
最後一行に突っ込みたい

458:名無しさん@ピンキー
09/04/06 09:08:40 8n3c/Iuz
どうにも、ポニョの歌が脳内リピート

459:名無しさん@ピンキー
09/04/06 09:48:09 HuYOVm/B
>>456
ふじまきGJ!!!
続き期待して待ってる!

460:名無しさん@ピンキー
09/04/06 10:32:26 9qTIYDCq
GJだけど小ネタもふじまきももう少し投下のタイミング考えたら?

461:名無しさん@ピンキー
09/04/06 11:49:30 zfY4Aixv
たしかに読む側としてはまとめて読めてありがたいけど、
投下間隔が短いとGJとか感想レスしづらいねぇ

462:名無しさん@ピンキー
09/04/06 12:56:03 WHrFOqKm
贅沢な悩みともいえるな

463:449(千秋×藤岡スキー)
09/04/06 17:55:58 Tq4Q70Pw
>460
気を使ってくれてありが㌧
小ネタだからそんな気にしてないっす



でも引き続き感想やGJの声は受け付けてるんだぜw



464:名無しさん@ピンキー
09/04/07 00:26:12 GXms60cf
他人が投下すると、間髪入れずに自分も投下する奴ってのは、投下に刺激されて
急いで書いたのか、溜めてあったのを投下する勇気がでたのか、どういう理由なんだろう
ねえ? そういうの多いよね。
自分はそれでいいんだろうが、前に書いた人に対する感想とかのレスが付きづらくなるだ
ろうし、ある程度待ってから投下するぐらい気を使うべきだとは思う。

465: ◆yuRiYuRiyE
09/04/07 00:37:33 g6Uz8V5C
>>473
書き上げて、投下しようかなーと思ってスレを覗いたら書かれてるのを見て、
あーまた今度にしようかな…
と思ったがそうするといつになるかわからない、が、楽しみにしてる人もいるかもしれない。
と思って投下した、が

今思えば軽率で誰も幸せにならない真似だった。
全く。申し訳ないとしか言いようが無い。

466:名無しさん@ピンキー
09/04/07 01:02:57 TOqokUfI
ねちねち嫌味な言い方せんと次から気をつけてねでいいじゃないか

467:名無しさん@ピンキー
09/04/07 02:37:53 t0tb8fIm
次があるといいなあ。

468:名無しさん@ピンキー
09/04/07 08:24:05 PKBXXmJx
まあ俺ならもう投下しないな

469:名無しさん@ピンキー
09/04/07 08:52:05 i+26RHxD
遅レスだけど、おねしょしたバージョンもみたい

470:名無しさん@ピンキー
09/04/07 19:29:31 Clk+E2W8
他人の作品の三次創作とか可?
触発されて書いてみたいネタがあるのだが

471:名無しさん@ピンキー
09/04/07 19:55:03 QXRIF5Pc
似たようなシチュでも書き手が違えば印象違うしいいんでない?
丸パクリとかでなければだけど

472:名無しさん@ピンキー
09/04/07 20:13:15 3S0emMXx
どの三次かwktkしてる

473:名無しさん@ピンキー
09/04/07 20:19:34 w+wSppjt
小ネタだから色々混じっているんだけどね。
単に設定を少し借りようとか思っているだけ。 三次制作というのは言い過ぎた。

474:いつぞやの海産物の人
09/04/07 21:05:58 w+wSppjt
先に言っておく。>>434を見て受信してしまった電波なんだ。
みなみけ以外の創作も混じっているパラレルなので、ここで宣言しておく

475:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:07:25 w+wSppjt

君は知っているだろうか、人を襲う悪鬼のことを。
君は見ただろうか、魔を掃う支配者の存在を。
それは確かに存在していた。 闇の中に一人佇む、夜の女王が。

「やっぱりここにもいたのね」

深夜の公園で一人の赤い髪の女が言い放つ。
髪の色に劣らぬ深く、鈍い輝きを放つ隻眼、そこに映るのは一つの異形。
筋骨隆々のその体、角ばった耳と獣のような牙に爪。
ところどころ腐敗した肉体、その全てが人外の存在だと証明していた。
何故か四角の眼鏡をつけていて、九州弁を発しているが女は特に気にする様子もない。

「さぁどぅするのかしら~?」

おどけるような女の声が響く。
声の発信源は女の胸元についている白い蝙蝠だ。

「決まっているわ、このまま倒す」

宣言した瞬間彼女は手を突き出す。
一つ一つの指からは、異形に劣らぬ鋭い爪を生やしていた。

「OK。 じゃあキバっていくわよ~ウェイクアップ!」

それは夜の法を侵した不届き者への裁きの言葉。
吸血姫、ドラキュリーナである女王の死刑宣告。
アイアンクローフロムキッチン解放のキーワード。

女の掌が赤色に輝き出す。
それを見た異形は逃げ出そうとするがもう遅い。
夜の闇を紅のラインで染め上げながら、女王は異形に掴みかかった。

『おかわりのオラが黒歴史なんて認めねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』

異形は奇声を発することしかできず、視界は全て紅に塗りつぶされていく。
頭部を失った肉体は灰となって風に解け、彼がこの世界に存在していたという証は全て消え去ってしまった。



476:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:08:46 w+wSppjt


「朝、ほら朝だよ起きて」
「うぅん・・・・・・」

眠け眼を擦りながら、少女はベッドから起き上がる。
彼女の頭上を旋回している小さくて白い蝙蝠はキバーラという。
とある事情で彼女とともに住むことになった仕事仲間だ。

「昨晩大変だったのはわかるけど妹達にご飯作ってあげるんでしょ? 早く起きなきゃ」

少女の名前は南春香。 1ヶ月前吸血鬼に襲われ、自身も吸血鬼となってしまった者だ。
その体質故か、人の時よりも朝に弱くなってしまっている。
ただ彼女の場合はそれだけではない。
吸血鬼となった人間は己の吸血衝動を抑える代わりに様々な欲望に昇華してしまうことがある。
ある者は暴力に訴えて目に映るもの全ての破壊を望み、とある者は色欲を操作できずに性欲を持て余しすぎて目に映る人間全ての交尾を望み、実行する。
それらを止めるために日夜戦い続けているのが南春香とキバーラであるのだ。

「それはそうだけど後5分だけ・・・・・・」
「だ~め。 アンタは一人になるとすぐに怠け出すだからせめてもうちょっと」

枕にしがみ付く春香を引き離さんとキバーラが彼女の髪を引っ張る。
痛みに耐え切れなかったのか、春香は観念してベッドから起き上がった。


「ご飯よー」
「最近朝遅いなハルカ。 腹が減ったぞ」
「おいバカ野郎、ハルカ姉さまは連日お疲れで大変なんだ。 だから文句言ってんじゃない」

机を挟んで少女達の談笑の声が聞こえる。
彼女達の平穏はこれからも続いていくものなのだろうか。
その答えはまだわからないけれど、今は守ってみせることだけを信じて春香の戦いは続いていく。
吸血鬼という化け物の被害はもう自分だけで十分なのだから。


※以下PR

「エエェィィメンンンンンッッ!!!」

次々と襲い掛かる刺客!


「全ての吸血鬼を浄化した俺は南ハルカとあんなことやこんなことをするというわけだ」

(気持ち悪い)新しい仲間!




477:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:09:52 w+wSppjt
「チアキ、どうしてあなたが・・・・・・」
「それはこっちに台詞です! 姉さまが・・・・・・姉さまが吸血鬼だったなんて!」

受け入れられず、道を違える姉妹!


「カ、カナちゃん、それじゃあまさか・・・・・・」
「ああそのまさかだ。 ハルカは正義の美少女吸血鬼だったのだよ!」

          ナ ゝ   ナ ゝ /    十_"    ー;=‐         |! |!
          cト    cト /^、_ノ  | 、.__ つ  (.__    ̄ ̄ ̄ ̄   ・ ・
ミミ:::;,!      u       `゙"~´   ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ  ゞヾ  ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/   ゙̄`ー-.、     u  ;,,;   j   ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\   ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/    J   ゙`ー、   " ;, ;;; ,;; ゙  u ヾi    ,,./ , ,、ヾヾ   | '-- 、..,,ヽ  j  ! | Nヾ|
'"       _,,.. -─ゝ.、   ;, " ;;   _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ  | 、  .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
  j    /   ,.- 、  ヾヽ、 ;; ;; _,-<  //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─--  エィ' (. 7 /
      :    ' ・丿   ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、  i     u  ヾ``ー' イ
       \_    _,,......::   ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... '  u ゙l´.i・j.冫,イ゙l  / ``-、..- ノ :u l
   u      ̄ ̄  彡"   、ヾ ̄``ミ::.l  u   j  i、`ー' .i / /、._    `'y   /
              u      `ヽ  ゙:l   ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_   ̄ ー/ u /
           _,,..,,_    ,.ィ、  /   |  /__   ``- 、_    l l  ``ーt、_ /  /
  ゙   u  ,./´ "  ``- 、_J r'´  u 丿 .l,... `ー一''/   ノ  ト 、,,_____ ゙/ /
        ./__        ー7    /、 l   '゙ ヽ/  ,. '"  \`ー--- ",.::く、
       /;;;''"  ̄ ̄ ──/  ゙  ,::'  \ヾニ==='"/ `- 、   ゙ー┬ '´ / \..,,__
、      .i:⌒`─-、_,....    l   /     `ー┬一'      ヽ    :l  /  , ' `ソヽ
ヾヽ     l      `  `ヽ、 l  ./  ヽ      l         )  ,; /   ,'    '^i
     藤岡                   マコト             ナツキ

明かされていく正体!


変わらない日常に新しい風巻き起こせ!
劇場版ナイトライダーハルカ~アスリード城の王~、20009年春に公開開始!
同時上映「カナの夏休み」もよろしくな!

478:いつぞやの海産物の人
09/04/07 21:11:11 w+wSppjt
うん投下終了。
「体温」の人は不愉快になったらごめんなさい。
今度はちゃんとしたエロ書いてくることにする。

479:名無しさん@ピンキー
09/04/07 21:47:27 lmDa91MF
さすがにスレ違いすぎなのではないかと。


480:名無しさん@ピンキー
09/04/07 22:35:20 9sGfH+tj
頭が爆発しそうになった

481:恋って男女愛の一歩手前だよね
09/04/08 00:37:31 Yb1zVxCb

「み、南。 ちょっといいかな?」
「別にいいけど・・・・・・」

居間を覗いたら、藤岡が深刻な表情で妹である夏奈に話をしようとしているではないか。
藤岡の顔は耳まで赤く染まっており、ぎこちない仕草で会話を始めようとしている。
今日はチアキは林間学校で家を空けており、学年を同じくする内田達はもちろん己の学友達も家にはいない。
よってこの家にいるのはキッチンで茶菓子の用意をしていた自分と藤岡と夏奈のみである。
他人にはあまり聞かれたくない重要な話がするならば、今の状況はうってつけというわけだ。
そんな中、藤岡の手に握られていたのは二つのチケット。
誰からみても彼がデートの申し込みをしようとしているのがわかるだろう。

(お茶菓子はもうちょっと後でもいいわね)

今この二人の間に足を踏み入れるのは、妹の恋を見守る姉としても気が引けた。
それにしても夏奈はこの状況を理解しているのだろうか。
否、中々話を切り出せない藤岡に対し、頭に疑問符を浮かべているだけの彼女はどう見ても己に起こっている状況を把握できているようには思えない。
仕方ないなと思いつつもここは去ることにする。



南春香は恋というものを知らない。
漫画、ドラマ、小説、様々な媒体で形式的に学んだことがあるが、
それでも彼女に恋というものを理解するには至らなかった。
ただ、こんなシチュエーションなら人は人を好きになったり、特別な感情が芽生える、精々そんな程度。
居間での藤岡と夏奈のシチュエーションもこれらから得たものに過ぎない。

「私もそろそろ恋愛とかしたほうがいいかなぁ・・・・・・」

キッチンに菓子を置いて自室まで戻った春香は椅子に腰掛けて、本棚から一冊の本を取り出す。
今巷で話題になっている恋愛小説。 クラスでも話題になっていたからつい買ってしまった。
栞を取り出してページをめくり、そこから新たに読書を進める。
書かれている情景はちょうど、不治の病にかかった女性が青年にプロポーズを受けたシーンだ。

「告白かぁ・・・・・・」

はっきり言って彼女自身に恋人を作るというチャンス自体はいくらでもあった。
中学では幾多の少年にプロポーズを送られたし、高校生である今でもたまに告白されることがある。
だが彼女は答える気にはならなかったのだ。
恋というものは本当に好きになったもの同士でなければならない。
ファーストキスはその人のためにとっておきたい。
このような読み物を読んでいるとそのような欲求が湧いてくる。
できればこの本の女性のように胸がときめくような男性から告白を受けたいのだが。

「でも流石にこんな恋愛はないよね」

そもそも重病にかかること自体非常に稀なことなのである。
更にそんな状況で同い年ぐらいの青年と気が合って恋愛にまで発展してしまうなんて世界でも一握りであろう。
つり橋効果かな? そんな現実的な思考をしてしまった自分に思わず溜息がでる。
そういえば夏奈が「王子様なんて架空の生き物なんだよ」とか言っていたな。
自分や妹達の友人が、時々恋愛にについて熱く語っていたことを思い出す。

「・・・・・・ちょっとマキに聞いてみようかな?」

色恋沙汰を話し始める人物は自分の友人の一人、マキだ。
たまに子供にはまだ早いことを話し出していて、それをよく止めてはいるものの、恋愛に関しての知識は確実に自分よりもあるだろう。
興味がないと言えば嘘になる。
いっそのこと聞いてしまおうか・・・・・・

482:恋って男女愛の一歩手前だよね
09/04/08 00:38:12 Yb1zVxCb


―えーと恋をしたいという春香のために緊急会議を開きたいと思います。 では夏奈さんどーぞ。

―本当に意外でしたねー。 まさかうちの堅物が男を、男を求めるようになっていたとはねぇ。 春香、色を知る年か・・・・・・

―てかそれ感想じゃん。 では次内田ちゃん。

―えっとね、春香ちゃんにはね、かっこよくて優しい男性がぴったりだと思います。

―うーん論点がずれてる。 次!


「って違うわよ!」

脳内シミュレーションに思わず突っ込む春香。
もしもマキに相談を持ちかけたら必ずその情報は夏奈やその友人へと渡り、からかうネタにされるだろう。
結局問題は解決されず、変な噂が流れるだけになって、これでは本末転倒である。
他に話せる相手といったら、速見先輩や夏奈は論外。 マキと同じことになるだろう。
後輩のヒトミやもう一人の友人のアツコは少し引っ込み思案なところがあるので、解決は期待できない。
となるとやっぱり小説や漫画などで知識を得るしかないのだろうか。
あくまで読み物として楽しんでいたつもりであったが、主人公を読み手に感情移入させるような作りになっていると
どうしても考えてしまうのである。

「まあそのうち私にもわかる日がやってくるわよね」

そう言いつつ溜息をついて本を閉じる。
彼女がとった答えは現状維持。
逃げだのなんだのではない。 現状維持。
大切なことなので2回自分に言い聞かせる。


―ピンポーン

「あ、今でまーす」

来訪者が来たみたいだ。
それに答え、玄関に向かうために部屋のドアを開けようとする。


『ぃやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
『どうしたんだ藤岡、そんなにうれしかったのか!?』

居間の方から藤岡の叫びが聞こえてきた。
デートへのお誘いは成功したのだろう。
彼の歓喜でこっちまでうれしくなってくる。
そしてそのまま玄関のドアを開けた。


483:恋って男女愛の一歩手前だよね
09/04/08 00:38:38 Yb1zVxCb


「うす・・・・・・」
「あらナツキくん。 どうしたの?」
「いえ、実は家に居づらくて・・・・・・」

彼の名は南ナツキ。 姓が同じで、末っ子の冬馬が千秋と知り合いなせいか、最近よく関わりを持つようになった。
彼の話を聞いてみると、昨日から冬馬が林間学校で家にいないので、長男が物凄く落ち込んでいるらしい。
そんな家の空気に耐えかねて思わず出てきてしまったとか。

「そうだったのね。 せっかくだからお茶でも飲んでいかない? ちょうどおやつにするところだったの」
「ご馳走になるっす」

礼儀正しくお辞儀をするナツキに微笑み、春香は彼を居間に連れていく。
何故だか、さっきまで悩んでいたことはほとんど消えてしまった。




「にしても春香のやつ・・・・・・」
「どうしたんだい南?」

上機嫌でナツキに茶菓子を振舞う春香を眺めて夏奈は嘆く。

「いやさあ、ナツキってやつ春香に惚れてね? さっきからあいつずっと春香のこと見ているぞ」
「あーそういえばそんな気もする・・・・・・」

南春香は恋というものを知らない。
己を一人の女として見てくれる男の存在を知らない。
彼女が色を知るのはいつのころか。
彼が思いを伝えるのはいつの時か。
されど・・・・・・


※同時刻某所

「というわけで南春香は俺の告白を受け取ってキスをするんだ(以下略」


南春香が恋を知る日は、それほど遠くはないだろう。

484:海産物の人
09/04/08 00:39:43 Yb1zVxCb
先ほどは調子にのってすみませんでした。
というわけで初心に戻って非エロで書いてみました。


485:名無しさん@ピンキー
09/04/08 00:42:49 M1pZ2Dgg
ほさかは本当にピュアな子だよね
犯したい

486:名無しさん@ピンキー
09/04/08 00:59:17 db8R6dsI
ナツキの体育会系精神の実直さは異常

487:名無しさん@ピンキー
09/04/08 03:11:45 1YP9I7eQ
藤岡が爽やかなスポーツマンってのに対して
ナツキは同じ体育会系でも質実剛健って感じ
舎弟気質にも見えるが

488:名無しさん@ピンキー
09/04/08 10:36:34 hizctS31
>>496
スポーツマンと武道家の違いというかなんというか

489:名無しさん@ピンキー
09/04/08 11:51:45 D1fX3iDn
>>488
うまい例えだな
未来安価だが

490:名無しさん@ピンキー
09/04/08 15:06:07 hizctS31
ああ…携帯のアプリケーションから見てるんだが、時たまズレるんだ
アンタも今は498辺りに見えるんだが、いやはや。
どういう現象なんだか皆目見当も付かんで困ったものだ

491:名無しさん@ピンキー
09/04/09 02:17:31 I/FktjAU
誰もいない…のか?
コソコソするなら今のうちッ

492: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:23:44 I/FktjAU
マキ「あ、いたいた。おーい待ったー?」
藤岡「あ、こんにちわ。全然待ってないですよ」
マキ「またまたぁ。30分以上前に来てそわそわしてたくせにぃ~」ツンツン
藤岡「えぇ!?みっ、見てたんですか!?」
マキ「あ、ホントにそうだったんだ。よしよし」ナデナデ
藤岡「ぁ、あの、それで今日は何を…」
マキ「みなみけに行くんだけどねー、ちょっと買い出しがあって。私と速水先輩でも持てるだろうけど、そこはほら。男の子いたらいいなぁと」
藤岡「なるほど…わかりました」

藤岡「買い出しって飲み物なんですかー。あれ、これお酒…」
マキ「ジュースよ」
藤岡「いやでもチューハ」
マキ「高級ジュースよ」
藤岡「え、ぁ、はい…」
マキ「そうして人は成長するのよ…」


493: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:24:58 I/FktjAU
ピンポーン
ハルカ「はいはーい?あ、速水先輩にマキ、あれ藤岡君と一緒?」
マキ「ん、偶然会いましてねー。荷物持って貰っちゃおうって事に」
速水「男手があって助かったわー。飲み物買って来たんだけど重いからどうしよう?ってなっててねー」
ハルカ「そうなの、藤岡君も時間あるならご飯食べて行く?」
藤岡「あ、じゃあせっかくだからごちそうになります」
カナ「おう藤岡も来たのか。あがりやがれー」

速水「ハルカちゃーん。飲み物冷やしとくねー」
ハルカ「え?今飲まないんですか?」
速水「楽しみは後でー」
ハルカ「はぁそうですか?」


494: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:26:00 I/FktjAU
カナ「やー美味かったー!」
チアキ「ごちそうさまでした。ハルカ姉様、今日のご飯も美味しかったです」
速水「さて…じゃ買ってきた飲み物でも出そうかな。私とマキで準備するよ」
マキ「はーい。あ、そうだ藤岡君や」チョイチョイ
藤岡「え?なんですか?」
マキ「普通のジュースも買って来てあるから、心配しないでね?」ボソボソ
藤岡「あ、そうなんですか。よかった」
マキ「よしじゃー適当に入れてくるから、色とかで適当に決めちゃってねっ」

速水「お待たせ~。緑2つ黄色2つ赤1つ白1つ!」
ハルカ「綺麗ねぇ。じゃあ私は…緑かな」スッ
カナ「私は赤だ!」パシッ
チアキ「私はハルカ姉様と同じがいいです…緑を…」
速水「ふーん、じゃ私は…白かな」
マキ「じゃー藤岡君と私が黄色かぁ。はいどうぞ」
藤岡「あ、ありがとうございます」
マキ「…おそろいだねっ」ニヤニヤ
藤岡「ぐ、偶然ですよ…ね?」


495: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:27:04 I/FktjAU
~1時間後~
ハルカ「チアキ~、かわいい~」ナデナデ
チアキ「ハルカ姉様ー!」ゴロゴロ
速水「カナちゃん、いいことしよっか…」スーッ
カナ「は、速水さーん?ちょっとー…?」
マキ「ふっふー、なんか極楽浄土?」
藤岡「地獄絵図って感じですよ…」
マキ「まぁまぁいいじゃない。楽しまなきゃ」
藤岡「はあ…あれ、なんか暑く…もしかしてこれ…!」
マキ「…ん?どうかしたの?藤岡君…」
藤岡「(なっ、なんかすごい色っぽい…頬が赤くなって…)」バッ
マキ「ねぇどうしたの…?目を反らしたりして…ねぇこっち、向いて…?」スッ
藤岡「(あぁぁ顎に手が…そっそれより顔がちち近くっ)」
マキ「藤岡君…?」スーッ
藤岡「あぁあのその、近っ…(甘い匂いがする…吐息がすごい色っぽい…!)」
マキ「…かわいい…♪」チュッ
藤岡「ーっ!?」
マキ「ふぅ…買い出しのお手伝いのお礼…ね♪」
藤岡「は、はい…」
藤岡「(いっ今のって、ききっ、キス、だよな…?)」


496: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:28:16 I/FktjAU
翌朝
ハルカ「んっ…あ、いけない、昨日そのまま寝ちゃったんだ…いたた…」
チアキ「ハルカ姉様…なんだか頭痛が…おぉぅ…」
カナ「うぅぅ…速水さーん…」
速水「ふふふ、カナちゃん…」
ハルカ「なんだかすごく仲良さそうね…重なって寝てる」
藤岡「うぅ…?」
チアキ「藤岡、なんでこんなうなされてるんだ…?」
ハルカ「ふふ、マキったら、すごく気持ち良さそうに寝てる」


その少し後
マキ「うおぉ頭痛い…調子乗ったー…」
ハルカ「寝顔は安らかだったのに…大丈夫?」

第2部 完

497: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 02:31:26 I/FktjAU
ヤベェ…こいつはヤベェ…

背 景 見 え な い に も
程 が あ る


さて、書きたいネタが終わった。後は完全に今から考えなきゃならない。

あと投下タイミングに気を遣ったつもりなんだけどこれで大丈夫かな?

498:名無しさん@ピンキー
09/04/09 03:53:53 2OhA1FJH
高級ジュースはリーサルウェポンだなw
GJ! 微エロも含まれてて良い感じ。

投下タイミングは……あまり神経質にならなくても。
直前に投下してる作品があったら、それを読んだ感想レスをひとつ挟んだりとかな

長文作品なら、感想レスを長文のラストに入れて、流れたことを
気づかせるようにとか? 気遣いの心、大事。

499:名無しさん@ピンキー
09/04/09 04:10:45 Xl7v9vfc
GJ!!
手伝ってくれたお礼のキスっていうか、
むしろお礼のキスがしたいがためにワザと手伝わせたって感じがしていじらしいw
ところで普通のジュースというのは結局赤と白なのか・・・?
全員酔ってる感じたけどもw
ネタが思い浮かんだらまたふじまき書いてほしいな

あと投下タイミングについてはあまり神経質にならなくてもいいよ
>>468が言ってる通りささやかな心配りがあればいいと思う

500:名無しさん@ピンキー
09/04/09 11:14:12 I/FktjAU
>>499
普通のジュースはありません
「どうせ藤岡君はまじめだから高級ジュース飲まないだろうなぁ…」
と思ったがどうしても飲ませていじりたかったマキの策です
しかし自分も酔っ払って、勢いでキスしたり、それを覚えてなかったりする辺りがマキです

501:名無しさん@ピンキー
09/04/09 20:35:30 cAe4DPx9
カナちゃんも口をつけたのかな?

502:名無しさん@ピンキー
09/04/09 20:41:54 17bxDW3m
カナちゃんって書かれるとなぜだか誰だか分らなくなる

503:久留里
09/04/09 23:14:49 c6Q19AiL
>>497
お主のせいで「藤岡総受け」電波を受信してしまったでないか。
どうしてくれる。最大限のGJ!! を送りまくるんだぜ。


さて、予告から十日ほど遅れて『ひまわり』の続編が書き上がったのですが、
誰も居なければ投下して良かですか?
今回も懲りずに真っ白吉野路線を突っ走る予定です。

504: ◆yuRiYuRiyE
09/04/09 23:45:46 I/FktjAU
>>503
恐悦至極にございまする

私の中では藤岡はドMです。きっとカナに踏まれたりしてもステキ笑顔です。

さぁわっふるわっふる

505:名無しさん@ピンキー
09/04/09 23:53:52 dVAIxJl4
>>503
どんどんお願いします

506:久留里
09/04/10 00:15:49 6lyhI+CF
ではお言葉に甘えまして。

『秋桜(コスモス) 1』
・『ひまわり 5』(>>218)の続き
・吉野×藤岡、吉野視点
・エロ何て飾りです。偉い人には(ry
・無駄に 6 レスほど使用。
・このSSはみなみけ三姉妹そっちのけで吉野の甘い甘い恋模様をダラダラと描いたものです。
 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、吉野が真っ白なのと沼津市民は仕様ですので、SSを読む時は
 部屋を明るくして画面から3kmは離れて読みやがって下さい。


それと、さっきから家の回線がツン状態です。
途中でぶった切れたらごめんなさい。

507:秋桜(コスモス) 1-1/6
09/04/10 00:17:10 6lyhI+CF
1.

藤岡くんと『お付き合い』を始めてから二週間が経った。
新学期に入り、あんなにしぶとく残っていた夏の暑さも、朝と夜だけは大人しくなってきた。
昼間はまだまだ半袖でいた方が良いくらい暑いけど、朝と夜はちょっと寒いかな?

朝、私はいつもの通学路を歩いていた。距離があるので歩くだけでいい運動になる。
片道三キロ往復六キロの通学路は歩くだけで地味にいい運動になる。
この"運動"を毎日続けているお陰なのか、私はここ二年間一度も風邪を引いていない。

そして、今日は私ひとりではない。隣には……、
「髪、切ったんだ」
藤岡くんがいる!! 通学路は途中まで同じなんだけど、こうして一緒に"登校"するのは初めてだ。
藤岡くんは大岡中のジャージ姿に肩掛けかばんで、ぴかぴかの自転車をサドルを持って器用に押している。
一方、私は制服(夏服)にランドセルといつもと変わらない姿。
今日は土曜日。私も藤岡くんも行き先は「学校」だけど、藤岡くんはお昼まで部活で授業は無い。
たまに公立の学校が羨ましくなる。
「凄く可愛いね」
「そうかな?」
私は笑顔をキープしていたけど、内心凄くドキドキしていた。
「そうだよ。凄く可愛いよ」
それって、何か今までが可愛くなかったみたいじゃない。性格は可愛くないかも知れないけど。
「そういう意味じゃないよ。今までも可愛かったけど、『もっともっと可愛いくなった』って意味だよ」
昨日の夕方、お母さんに切って貰った髪を『可愛い』って言われ、私は思わず照れてしまう。
「あ………………う……うん…。あ…、有り難う」
私の心臓は、朝っぱらから早速ドキドキと強く脈を打っていた。このままだとオーバーヒートしそう。

新幹線のガードをくぐり、色々と思い出のあるマルトモの前を通り、宮前町交差点でコクイチ(国道一号線)を横断する。
学校まではもうすぐだ。


508:秋桜(コスモス) 1-2/6
09/04/10 00:18:07 6lyhI+CF
「藤岡くんの自転車、かっこいいね」
「そうかな? まだ上手く乗れないけど」
親戚のおじさんに買って貰ったという藤岡くんの自転車は、見るからに軽そうで速そうなスポーツ車だった。
ハンドルが羊の角の様にぐるっとなっていて、ブレーキのレバーが変なところに付いている。
左側の先端には「いかにも」な感じの自転車用ヘルメットがぶら下がっている。落ちそうだけど大丈夫?
サドルがやけに高い位置にあるけれど、どうやって乗るんだろう?
後ろには明らかに後付けっぽい荷台が付いていて(それも旅行とかに使えそうな立派でかっこいいやつ)、その先端には中学校発行の「通学用自転車」のシールが貼られている。
そう、藤岡くんが今自転車を押しているのは、九月から自転車通学を始めたからだ。
「そうだよ。凄くかっこいいよ」
藤岡くんと同じくらい。
「いや、おれは別に……」
私が本当のコトを言うと、藤岡くんは照れだした。

藤岡くんはかっこいい。そして、可愛い。

「ごめんね、自転車通学始めたのに歩かせちゃって」
「全然気にしないよ。こうして一緒に話せる方がもっと楽しいから」
だからそう言うこと言われると照れちゃうよ…。
「こ、これ、速さとか変えられるの?」
「うん、こっちのレバーで後ろの、こっちのレバーで前のギヤが変えられるよ」
藤岡くんはハンドルの先についたブレーキレバーを"横に"動かして見せる。
「へぇ~、凄いね。あれ? じゃあブレーキはどうやってかけるの?」
まさか無いなんてコトはないよね?
「ブレーキはね、こう」
そう言って、今度はさっきのレバーを"縦に"動かした。すると、自転車はぴたりと停まった。
「え? え? え? い、いまどうやったの?」
「こうだよ、こう」
「わぁ、凄いなぁ」
一本のレバーで速さを変えたりブレーキをかけたり出来る自転車なんてあるんだ。
面白いなぁ。

無駄に道幅だけ広い通りを南へあるくと、突然道幅が半分に狭くなる。
ここの丁字路で右に曲がり、先週"二人で"入ったさかみち食堂の前を通って今度は左へ曲がる。
古くて大きな団地が見えると、そこはもう私の通う私立小学校だ。
「じゃ、おれはここで」
「うん。あ、後でそっち行っていいかな?」
「じゃあ自由ヶ丘の交差点で」
「うん、じゃあ、また」
「うん、またね」
一緒に帰る約束をすると、藤岡くんはヘルメットを被り、自転車に跨って中学校へと走り出す。
「あ、いけない」
私は彼の後ろ姿を見送ると、急ぎ足で昇降口へと向かった。


二人だけの楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。


509:秋桜(コスモス) 1-3/6
09/04/10 00:19:07 6lyhI+CF
私の学校では、土曜日の三時間目は"学級活動"となっている。
この日は普段の授業とは違い、学級新聞を作ったり、体育館でドッジボール大会をしたりする日なんだけど、今日は五年生の発育測定が行われた。
男子はともかく、女子にとっては体重が凄く気になる日。
果たして、チアキの家で散々お菓子を食べまくっていた内田は、どれだけ増えていることやら。
……私も人のこと言えたクチじゃないけどね。


「またデカくなったな」
「気付いたら私よりも大きくなってるし」
「内田、気付くの遅いよ」
四月に測った時は私と内田が同じくらいで、チアキが少し低いくらいだったんだけど、
私はここ最近ぐんと伸びてきて、夏休みに入る頃には内田よりも背が高いコトに気がついた。
制服のブラウスもワンサイズ大きくしてもらった。体型は変わらないからスカートはそのままだけどね。
「いいなぁ。私なんか、私なんか………うわぁぁああん、また増えたよぉおおお」
内田はお菓子の食べ過ぎが祟ったのか、身長よりも体重の方が大きく増えたみたいだ。
全体的に細いチアキはあまり気にしていない様子。
私? 体重が増えてる分背も伸びたから相殺ってコトで。
『あの日』のあの時間に、タケルおじさんがご馳走してくれた二段重ね特大鰻重(四千五百円×四人分)を(半ば強制的に)食べたのが効いたみたいだ。

「内田、お前ウチでお菓子食べ過ぎなんだよ」
「お菓子の食べ過ぎは身体に良くないよ?」
「でも……でも………ううぅぅっ」
内田はのび太くんの様に泣きながら、私の方に縋り付く。
縋り付かれても私はドラえもんではないので、四次元ポケットも無ければ便利な道具も無い。
「お菓子が私に『食べて』って言うから、つい……」
「言ってねーよ。言わねーよ。バカ野郎」
「大丈夫だよ、内田。その分ココも大きくなっているというコトにすればいいじゃない」
と、私は内田の"ココ"を指さしてフォローしてあげる。ところが…、
「全然大きくなってないよぉぉぉおおお!! ぐすっ、チアキよりはあるけど」
「お前いっそのこと牛になっちまえよ!!」
折角私がフォローしてあげたのに、内田は一言多かったせいで今度はチアキにツッコまれる。
「あ~~~~~!!!! チアキと吉野が意地悪するぅぅぅうううう!!!! うわぁぁぁああああんん」
私は内田を意地悪した覚えはこれっぽっちも無いんだけど。(いじったコトなら何度かあるけど。)
今日の内田は賑やかを通り越してちょっと五月蠅い。
私がここのトコずっといじってなかったから、構って欲しいのだろうか。
──ていうかさ、内田。


510:秋桜(コスモス) 1-4/6
09/04/10 00:19:46 6lyhI+CF
 もみもみもみ

「どこさわってるの?」
内田は無意識なのかわざとなのか、私に縋り付いたまま腕を器用に伸ばして私の胸をもみもみしてきた。
──もみもみする程の大きくはないけどね。まだ五年生だし。
「どんなに頼んでも、コレだけはあげないよ」
私は遠回しに「離せ」と言っているんだけど、構わずもみもみしてくる。通じてないのか、無視しているのかは分からない。
「大きいんだからいいじゃない!! ちょうだいよ!」
「いやだ」
「ちょうだい!!」
「いやだ」
「ちょうだいよッ!!!」
「ふぅ~ん」
今日の内田は五月蠅い上に何かしつこい。やっぱり構って欲しいんだね。

 むにっ

「ひやぁあっ?!」
私は藤岡くんには絶対見せない"デフォルト笑顔"を張り付かせたまま、内田のお腹をつまんだ。
うーん、内田の体型を考えればこのお腹はちょっとアレかもね…………。
「内田~、そんなに欲しかったらこのお肉を移せばいいんじゃない?」
「どれどれ」
チアキも悪乗りしてお腹をつまみだす。いや、これは『つまむ』じゃなくて『つねる』か。
「痛ぁぁぁああああいッッッ!!!!」
「内田~、聖隷(せいれい)病院にお父さんの知り合いのお医者さんが居るから紹介するよ?」
「い、いいよ! 痛そうだからいいよ! そこまでして大きくなりたいなんて思ってないんだから!!」
内田はもはや泣いているのか怒っているのか分からない。あ、両方か☆
「あっそう。残念だなぁ」
「い、いいもん。今に見てなさい。私だって今に大きくなって、ハルカちゃんみたいになるんだからっ!」
「じゃあ楽しみにしてるよ」
「おいちょっと待て。ハルカ姉さまみたいになるのは私が先だ!」
「私が先よ!」
「私が先だ!」
「私よ!!」
「私だっ!!」
「私ッ!!!」
「私だッ!!!」

「「ぐぬぅぅぅうううううううう!!!!!!」」
私に「大きくなるんだから」と言っておきながら、内田は何故かチアキと口喧嘩を始める。
「じゃあさ、みんなで一緒にハルカちゃんみたいになれればいいんじゃない?」
「お前は黙ってろ!!」「黙っててよ!!」
「はーい」
こうして運命の身体測定は幕を閉じた。次は三学期かぁ。
どうか私も順調に育ちます様に。身長と、"ココ"ね。



それと、内田はやっぱりいじるに限る。


511:秋桜(コスモス) 1-5/6
09/04/10 00:20:58 6lyhI+CF
放課後、私はチアキに誘われたので、チアキの家に行くことにした。
いつもなら学校から直接チアキの家に行くんだけど(その方が近いから)、その前に行きたい所がある。
「ごめん、ちょっと遅くなるかも」
「何だよ。お昼ならウチで食べればいいのに。ハルカ姉さまもカナのバカ野郎も、お前が来るのをきっと楽しみにしてるぞ?」
「違う、そうじゃないの」
「そ、そうか。じゃあ、ハルカ姉さまに伝えておくよ。じゃなー」
「うん、ごめんね」
すぐに行くから待っててね。

チアキが住宅街を抜けて自由ヶ丘の交差点を渡り、脇道に入ったのを確認すると、私はチアキに気付かれない様に同じ道を歩き始めた。
チアキを尾行しているワケじゃない。藤岡くん(とカナちゃん)の通う大岡中へ向かっているところだ。
大岡中まではここ(小学校)から歩いて10分くらいなんだけど、そのルートはチアキの通学路と被っている。
素直に「藤岡くんに会いに行く」と言うべきだったんだろうけど、藤岡くんの話をするとチアキが嫌な顔をしてしまう。
私はチアキに嫌な思いさせたくなかったので、彼女に気付かれない様に中学校へと向かった。
ちょっと後ろめたいけど、いくらチアキでも藤岡くんのコトだけは譲れない。

チアキも入っていった機械工場と中学校に挟まれた脇道に入ると、さっそく中学校の門が見える。
けれどもそこは先生のクルマが出入りする通用門で、正門はここからぐるっと廻った所にある。かなり面倒だ。
吹奏楽の楽器の音色が、校舎のあちこちから聞こえる。楽器ごとに分かれてそれぞれ練習しているのかな?
L字の曲がり角を曲がると十字路が現れる。ここを左に曲がれば大岡中の正門、右に曲がればチアキの家に行ける。
チアキが居ないのを確認して、私は十字路を足早に左へと曲がると──、
「よう、吉野!」
「ひゃあっ?!」
角を曲がると意外な人物が飛び出してきた。
いや、この道が大岡中に直結しているコトを考えると、"彼女"が現れても全く不思議ではない。
「こんな所で何してんだ? 私の家は反対方向だぞ?!」


512:秋桜(コスモス) 1-6/6
09/04/10 00:27:20 6lyhI+CF
いきなり現れたカナちゃんは、私を通せんぼするように立ちはだかり、十字路の向こうの国道を指さして叫んだ。
「いや、私、中学校に用があるの」
「藤岡か?」
何で分かったの?
「お前の顔見りゃ分かるよ。藤岡ならちょうど学校を出たトコだよ?」
「え?」
そんな……ここまで来てまさかすれ違うとは……。
「まぁまぁ。そんなに落ち込むなよ。藤岡なら私の家に向かってるぞ。お前も良かったら来いよ」
来いよ、と言われなくても、私はチアキに誘われているのでこの後みなみけにお邪魔するつもりだ。
もし良かったら藤岡くんと一緒に行こうと思ってたのに………。
「あ~……、何か、その、ごめんな」
「カナちゃんは悪くないよ」
カナちゃんは別に意地悪をしたつもりじゃないコトは、カナちゃんの顔にハッキリと書いてある。
藤岡くんと一緒に行けず、ちょっとガッカリした私を見て、カナちゃんは私の十倍ガッカリしてすっかり落ち込んでしまった。
ちょうどその時、お昼の町内チャイムが正午を報せた。

♪キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン………。

「ほ、ほら、行こう、カナちゃん。もうお昼だよ? 藤岡くんとチアキとハルカちゃん、待ってるよ? ほら、行こう?」
「お、おう、そうか。もうお昼か。ヨシ、行こう! 家まで競争ッ!」
「あ、ちょっと待ってよ!!」
私の一言で完全復活したカナちゃんは、さっさとチアキの家のある方向へ走って行ってしまった。

中学校の前の交差点から数百メートル先、国道を渡った先にある御殿場線の踏切が通せんぼしてくれたお陰で私は何とかカナちゃんに追いついた。
カナちゃん、本当に足が速い。春のスポーツテストの結果が男子の平均並みだった(とチアキから聞いた)というのも頷ける。
御殿場線の二両編成のワンマン電車が走り去って遮断機が上がると、カナちゃんは再びスタートダッシュ……はせずに、ゆっくりと歩き始める。
そうだ。ちょうどいい機会だ。チアキのコトについて、カナちゃんに訊いてみよう。
「カナちゃん、ちょっとい「吉野、面白い話があるぞ?」
私が言いかけた所でカナちゃんの言葉にシャットアウトされてしまった。何という微妙……いや絶妙なタイミング。
「チアキのコトだけど、そんなに気にすることは無いよ」
「チアキのコトって?」
……あ、私が藤岡くんの話をすると決まって嫌な顔をするコトか。
「チアキの奴、おとつい買い物の帰りに藤岡と会って、そこで面白いコトになったらしい。藤岡が言ってたよ」
「面白いコトって、どんな風になったの?」
「いやぁ、お前にとっちゃ気の毒な話かも知れないけど、実は………」



その話を聞いて、私はどう反応すれば良いか分からなかった。
取り敢えず、チアキが私や藤岡くんのコトをどう思っているのかだけは良く分かった。
「少なくとも、チアキはもう『吉野』には嫌な顔をしないハズだよ」
「うん……」
私とチアキと藤岡くんの関係は、スッキリした形に収まるかと思いきや、余計複雑にこんがらがってしまった。


住宅街を右へ左へと曲がると、見覚えのある五階建てのマンションが見えてきた。
チアキとハルカちゃん、そして私より先に来ているハズの藤岡くんが待っている、「みなみけ」のあるマンションだ。

「家まで競争ッ!」
「あ、待ってよ!!」

513:秋桜(コスモス) 1 by 久留里
09/04/10 00:29:55 6lyhI+CF
以上でございます。
真っ白になりすぎて某おかわ(ry 状態にならないようには気をつけるつもりです。


《おまけ》

夏奈「お前が吉野のおっぱい見てニヤニヤしてたのはとっくにバレてるんだ。白状しろ」
藤岡「に、ニヤニヤだなんてとんでもない」
夏「ほう? ニヤニヤ"は"していないというコトは、"見た"んだな? おい? 言え。さもないとそのプリン食うぞ」
藤「み、見てなんかいないよ! ホントだよ! ホントにホント!! この通り!!」



藤 (実を言うと、GWに一回、水族館で二回ほど見ました。いや、あれは見えてしまったというか何というか……わざとじゃないのは本当です!!)
藤 (でも、五年生だということを考えれば"ある"方かも知れない……っておれは何を考えているんだ?! 自重しろ、自重!!)
吉野「藤岡くんがうなされてる……」

*****

《おまけ2》

JR東海職員A「駅の『ご意見箱』にこんなのが入ってたんですが」
JR東海職員B「えっと、なになに? 『富士岡駅を藤岡駅に変えて欲しい』だって?」
職員A「一体誰のイタズラでしょうかね? ここ最近多いんですよ」
職員B「まぁ、特に大きな事件というワケでもないし、このまま様子を見るとしよう」

リコ「ふっじおっかくん♪ ふっじおっかくん♪」書き書き

514:名無しさん@ピンキー
09/04/10 01:26:49 hE1Y4Vbb
>>513
グッジョーゥ
アンタ以上に吉野嬢を魅力的にする自信が無い
テクニカルすぎて自信喪失だな
マキ出してるけど、畑違いで助かるわ
ラッキーでした

515:名無しさん@ピンキー
09/04/10 03:20:18 tN5+PC11
GJ!!
吉野かわいいよ吉野
それにしても面白いコトっての気になるw
次回作が今からwktkだぜ

516:名無しさん@ピンキー
09/04/10 19:32:30 Z4k1ANMB
藤岡駅なら栃木の東武日光線にあったような
群馬のJR八高線には群馬藤岡駅と北藤岡駅があったような

517:海産物の人
09/04/12 00:11:14 DNlykn0+
投下します。
速水先輩受けでハードより。
後、若干キャラ崩壊注意。

518:ぶっちゃけアルコール感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:13:07 DNlykn0+

「おーっす!」

居間に軽快な声が響きわたる。
テーブルで談笑をしていたチアキとカナが声の方向を見る。
ハルカの先輩である速水だ。
隣には円形のトレイを持ったハルカが立っている。

「今日は速水先輩がパインジュース作ってきてくれたんだって」
「最近こういうのにはまっちゃってさー」

トレイの上に乗っかった4つのコップには明るい黄色の液体が入っている。
蛍光灯の光を受けたグラスはイエローダイヤモンドのような煌きを反射して、カナ達は思わず唾を飲み込んだ。

「お菓子もついでに買ってきたよー」

そう言う速水の手に握られているのはスモークチーズと書かれているパック。
煙に炙るという変わった製法で作られる乳化製品だ。
コップとパックの切り端が切られたスモークチーズ置かれる。


「さあ乾杯を上げようではないか」

コップを高らかに上げる速水。
カナは元気よくテーブルの中央にコップを持った手を伸ばし、
ハルカは苦笑いを浮かべつつもそれに答え、
チアキはハルカに習ってコップを上げる。

「かんぱーい!」




「というところまではよかったんだよ」
「んー?何がー?」
「何がじゃないよ何がじゃ! また変な物飲ませたね!」

喚くカナの横にはハルカに甘えるチアキの姿があった。
だがいつもの理知的な少女の姿はそこにはない。
ハルカの胸元に思いっきり顔を埋め、頬を摺り寄せている。
きっと凄い弾力があるんだろう、恨めしい。

「姉さまのおっぱい気持ちいいです」
「チアキはいつもかわいいねー」

ハルカもハルカでチアキの頭を撫で続ける。
わしゃわしゃと音がナデナデという擬音に摩り替わってくるほどだ。
自分の胸が弄られていることなんかまったく気にせずに頬を緩ませている。

519:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:13:58 DNlykn0+

「楽しいからいいじゃない」
「よくないよ!」

絡みつく速水を必死に押し退けながら反論するカナ。
どうやら自分は姉妹よりか酒に耐性があるらしく、二人が酔いつぶれた後も理性を保っている。
いや、ハルカとチアキが酒に弱すぎるだけだろうか。

「それにしてもカシスぐらいで酔っちゃうなんて、二人ともまだまだだねー」

実際、速水が三姉妹に飲ませたのはカシスパインと呼ばれるカクテルだ。
そう、彼女が現在夢中になっていることはカクテル作り。今回はパイン果汁をベースに作ったのだ。
含まれているアルコール分が少なく、酒特有の苦味が感じにくい。
そのため、ハルカ達は最後までアルコールだと気づかず何杯も飲み続けてしまったのだ。


「で、どう?」
「どうじゃないよ!だましたなー」
「ハルカ姉さま、次はお尻を触ってもよろしいでしょうか?」
「チアキはかわいいからいいよー」
「ああもぅ!」

チアキは笑いながらハルカのスカートの中に手を伸ばす。
流石のカナもこれ以上姉妹の痴態を見ていられるわけもなく、二人の間に割り込む。

「そこをどけバカ野郎、私はハルカ姉さまのお尻をもみもみするんだ」
「どけるかー!」
「チアキの言うとおりよカナ、早くそこをどきなさい」
「アハハハハハハみなみけさいこー」

彼女達の速水は笑い転げながら地面を叩き続ける。
しかし今のカナは彼女に構っている暇はない。
自分だけが現在みなみけ唯一の理性なのだ。
これ以上カナの中のハルカに姉としての尊厳を失わせるわけにはいかない。

「少しは落ち着けよハルカ!」
「いやーねー、私はいつだって冷静よ」

頬を赤らめて、手を振りながらそんなことを言われても説得力は皆無である。
そしてカナはチアキに突き飛ばされてしまう。

「くそぅ・・・・・・人は酒に飲み込まれるとここまで変わってしまうのか・・・・・・」

若干涙を浮かばせながらテーブルに平伏する。
これから起こる姉妹の痴情を止めることができずに歯軋りをしているしかない。
カナがそんな自分の無力差を痛感している時であった。

「ねえカナ、今なんて言った?」
「ん?」

顔を上げて振り返ってみるとそこにいたのはハルカの姿があった。
妙に落ち着いているように聞こえてが、その頬はまだ赤い。
そして微かにアルコールの臭いを放っていることから、酔っていることが確認できる。
ちなみにチアキはハルカの尻に顔を突っ込んでいた。 カナは少し泣いた。


520:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:14:32 DNlykn0+
「カナ、今なんて言ったの?」
「ここまで変わってしまうのかってところか?」
「いいえその前」
「人は酒に飲み込まれるとここまd」
「そこよそこ!」

ハルカがカナを思いっきり指差して怒鳴る。
酒が入っているせいかテンションの差が激しい。

「酒って言ったわよね?確かに言ったわよね!」
「言ったよ、速水先輩が酒を飲ませた」
「・・・・・・そう、ありがとう」

やけに冷めた声でカナに言い放ったハルカは、尻のチアキを引き離す。

「チアキ、これから速水先輩にとても大切な話をしようと思うの。
協力してくれるかな?」
「あのぅ、お尻は?」
「それは用が終わった後よ。 じゃあ行きましょう」
「・・・・・・はい」





「ハルカ、これはなんのつもりかな?」

後輩に押し倒された速水は戸惑いを覚えながらも、彼女に理由を問いただそうとする。
どうしてこのようなことになってしまったのだろうか。
自分はいつものように、知り合いに酒を飲ませて変化を楽しんでいただけなのに。

「何を言っているのですか? それは私の台詞です。 妹達に変なものを飲ませないでってあれほど言ったのに・・・・・・」
「いや、それは社会体験というか大人の階段っていうか・・・・・・」

微笑を浮かばせるハルカ。
その剣幕に速水は思わず声を詰らせる。
そして言葉を選びながら説明しようするが、まともな理由など答えられるはずもない。
元々興味本位でやったに過ぎないのだから。

いつまで経っても答えようとしない速水の様子にハルカの怒りのボルテージは上がっていく。
睨みつけられて萎縮してしまった速水。

「どうやらこれ以上話していてもらちが明きませんね。 チアキ」
「はいハルカ姉さま」
「速水先輩の下着を取ってしまいなさい」
「わかりました」
「ちょ、ちょっとチアキちゃん!」

ハルカの呼びかけに答えたチアキは速水の股に手を伸ばす。
スカートの中には彼女の腎部を覆う白い布。
足をバタつかせて抵抗されるも布を離すには至らない。
そしてまだ乾いているそれを思いっきり引きずり下ろした。


521:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:15:09 DNlykn0+


「取りました」

純白のパンツをハルカに見せびらかせる。
にっこりと満面の笑みを浮かべるハルカは速水を転がして背中を押さえつける。

「ありがとうチアキ。 それじゃあ始めるから動かないように先輩の足を押さえておいて」
「はい」
「ちょっとちょっと何をするつもりなのさ!」
「何って決まっているじゃないですか。 おしおきです」





乾いた音が部屋中に響き渡る。
肉を打つ音と途切れ途切れの金切り声が、重なり合って協和音を作り出す。
奏でるのは南春香。
振り下ろされた掌は、シンバルのように速水の臀部とぶつかり合い続ける。


「・・・・・・ッ!やめッ!・・・・・・ッ!」
「何を言っているかわかりませんよ先輩」

速水は笑顔を必死に保ちながらも、頬は尻のように真っ赤に染まっていた。
言葉を紡ごうとするが、途切れ途切れに襲い掛かる激痛でうまく声が出ない。

「ハルカ姉さま、流石にお尻を叩かれている状態では痛くてしゃべりにくいと思います」
「それは確かにそうねぇ」

チアキの忠告にハルカは振り下ろす手を止める。
そして速水はできるだけ笑みを崩さぬようにして言葉を漏らす。

「ね・・・・・・ハルカ・・・・・・そ・・・・・・ろそ・・・・・・ろ・・・・・・やめて・・・・・・」

だが所詮形作ることができたのは表情だけであった。
痛みと羞恥の余韻に耐えながら放つことができたのはそれだけだ。
笑顔という仮面をいくら形作ろうが、己の心までは誤魔化せない。
誤魔化せない心はハリボテを潜り抜け、表面にその姿を現す。
涙を垂らした瞼に痙攣させている手足、放たれる言葉は小鳥の囀りよりも弱々しい。
南春香に辱めを受けた速水は、言動、挙動、その全てがいつもの彼女とかけ離れていた。

「だーめ」
「ひゃんっ!」

ハルカの細腕が再び速水の尻肉を打った。




522:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:15:46 DNlykn0+
肉と肉の演奏は何処まで続いたのだろうか。
規則正しく奏でられていた効果音は、いつしか陳腐なものへと変わり果てていた。
どのような名曲であろうと聴き続ければやがては飽きる、当然のことである。
それは奏者でさえ例外ではない。

ハルカの腕の動きは鈍っていた。
速水の悲鳴も聞き慣れてしまい、お仕置きをしているという実感が薄れてきているのだ。
お仕置きを始めたときとは違って、どこか冷めた表情をしていた。
それらを観察していたチアキも欠伸をかいている。

「じゃあ速水先輩、お尻叩きをするのはこれでやめて上げましょう」
「え・・・・・・?」

檻の中から外の世界に出ることを宣告される、囚人の気持ちは正にこのことだろう。
一瞬何を言われたのか理解できなかった速水は疑問符を投げかける。

「だからやめると言っているのですよ。 それとももう一度叩かれたいのですか?」
「いやいやいやいや」

死刑台ならぬ私刑台から降ろされたことを確認した速水は安堵の表情を浮かべる。
解放された、私やっと自由になれるんだ、もう二度とあの苦しみを味わうことはないんだ、
彼女は今、仮初の笑顔を脱ぎ捨てて、本当の笑顔を取り戻そうとしていた。
でもそれなら。

「ハルカ姉さま、私はどうすればよいのでしょうか?」

何故、未だに枷が外されてないのだろうか。


「ごめんチアキ、お仕置きを続けるからまた協力して」

そういってハルカは速水を羽交い絞めにして仰向けにする。

被ろうとしていた仮面が砕け散った。





523:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:16:22 DNlykn0+

「ああぁぁぁんんっ!!はうぅぅぅっ!!!あああぁぁぁっっ!!!」

甲高い悲鳴が木霊する。
先ほどの打音の代わりに鳴り響くのは嬌声だ。

「小学生のチアキにそんなところ触られて興奮するなんて、随分Hだったんですね」
「ち、違・・・・・・ひゃぁっん!」
「ハルカ姉さまに反論するな」
「チアキちゃんやめ・・・・・・はうぅぅぅぅぅっ!!!!」

そこには、羽交い絞めにされた速水の股に顔を蹲るチアキの姿があった。
ハルカの指揮によって速水の下半身を責め立てているのだ。
少女の舌が、速水の肉壷をかき回し、淫猥な音を立てている。
そこでチアキは気づく。
自らが舌で弄っているところに妙な感覚があることを。

「ハルカ姉さま、これはなんですか?」
「ひゃぁぁぁん!!!」

違和感を感じた速水の花弁の上に頓挫している部分―肉芽が指で弾かれる。
速水の背筋がピンと伸び、




「未成年に酒飲ませる上に変態だなんてもうどうしようもないよねーチアキ」
「まったくです」
「くぅ・・・・・・」

肉体を汚され、乙女としての尊厳を踏みにじられ、
内部からも外部からも姉妹の玩具と化してしまった速水はもう反論する気力も湧かない。

「まあいいか・・・・・・カナ、聞こえるー?」
「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」
「何びびっているんだバカ野郎」

呼ばれた人物は南夏奈。
ハルカの呼び声に驚愕して背筋を伸ばす。

彼女は今まで悩んでいた。
変わり果てた姉と妹にどうするか。
しかし見惚れていたと言い換えてもいいかも知れない。
女の子、それも速水が苛められている姿なぞ滅多に見られるものでもないのだから。
だから彼女は見守ることを決め込んでいた。
姉妹を止めることも、速水を助けることもせず、一人の傍観者として三人の痴情を観察すると。

でもそれも今で終わり。
怒られているわけでもないのに雷が落ちたような衝撃を受ける。
何故呼ばれたのだろう、自分はただ見ていただけなのに。
喩えるならば、テレビの中で起こっている殺人事件の関係者になってしまった感じだ。
自分には絶対関わることがないと思っていた出来事が、今、目の前で現実となっている。
そして己も舞台の役者として引きずり込まれる。



524:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:16:45 DNlykn0+


「な、なんでしょうか!?」

できる限り言葉を選んで返答する。
己に課せられた役割が、第二のヒロインで無いことを祈りつつもハルカに慎重に問いかけた。

「ちょっと速水先輩の荷物取ってきてほしいんだけど」
「はい!」

ハルカの口から放たれたカナの役割は一介の運び屋であった。
部屋の中を見渡すと、テーブルの上に確かに約束の物が置いてある。
それを手に取り足早にハルカの元に駆けていく。

「ご苦労様、もういいわよ」

ハルカの退場宣言を耳にして、カナは安堵の表情を浮かべて胸を撫で下ろす。
そして再び役者にならないためにも、彼女は居間から立ち去った。



「あーあったこれだこれ」
「それは・・・・・・っ!」
「それはなんですか姉さま?」

ハルカが速水の鞄から取り出した物を見て、速水は心臓が跳ね上がる程唖然する。
そんな速水を無視したチアキは、それがなんなのかわからず、ハルカに質問した。
ちょうど天辺には円形の穴に蓋がされており、そこから管状となっている。
途中で一回りほど大きくなって底辺まで更に伸び続ける。
ガラス細工の入れ物は、暗いブラウンの色で透き通っていて、
巻かれた白いラベルに記された文字がそれがなんなのかを物語っていた。

「これはお酒よチアキ。 先輩ったらまだ隠し持っていたの」
「そうですか・・・・・・で、それをどうなされるつもりです?」
「散々お仕置きをしたからご褒美を上げようと思うの」
「へ?」

ハルカから発された意外な言葉に速水は素っ頓狂な声を上げた。
褒美ということはあの酒を飲ませてくれるのだろうか。
しかしコップは見当たらない。
思案しているうちに、蓋を開けられた瓶はハルカからチアキに手渡される。

「じゃあチアキが飲ませてあげて。 下の方に」
「ッ!?」

まさかッ!
速水の脳裏に新たな恐怖がよぎる。
今までの仕打ちでこの状況、更にハルカから告げられた最後の一言、
どうシミュレートしようと最悪の結果しか出てこない。


525:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:24:55 DNlykn0+

「わかりました姉さま」
「それはやめてぇぇぇぇぇぇ!!!」

瓶が速水の下半身に迫ってくる。
必死になって足をバタつかせる。
チアキが怯み、迫っていた瓶が止まった。
このまま己の貞操だけは死守せんとしたが―

「駄目じゃないですか大人しくしなきゃ」
「ひゃぁぁ!?」

速水の体中に電撃が走った。
発生元は彼女の上半身、二つの丘。
制服の膨らみに明らかに不自然な膨らみが一つ。
ハルカの腕が制服の隙間を潜り抜け、速水のマシュマロを貪っていた。
普段姉妹にしているお仕置きの応用なのだろうか。

「ひぅっ! はあっ! あううっ!!」

アイアンクローは双球を乱雑に握り、その形を崩していく。
弾力ですぐに戻るがそのたびに、バレーボールのように何度も弾かれる。

「せっかくのハルカ姉さまのご褒美を拒むとは何事だ、この野郎」

チアキの声が速水の耳に入った。
目の前の容器は、アルコールが入っているジュース。
でも今の速水には、砦壁をも貫くほど鋭い槍のような気がした。
少女が勢いよく振り下ろした瓶は速水の膣内に侵入する。
瓶の口の凹凸が肉の芽を刺激して再び速水の体を痙攣させる。
しかし、ガラス細工の槍はそんな彼女など眼中にないと肉壁をかき分けながら突き進む。

「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

そしてついには乙女の壁をも貫き通し、最奥に至った。










526:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:25:35 DNlykn0+

「ふう・・・・・・やっと終わった。 速水先輩満足してくれたかな?」

ハルカは仰向けに倒れている速水を見下ろしながら呟く。
痙攣している彼女の股間からは、赤と透明の混じった液体が溢れていた。
アルコールとアンモニアの混ざった匂いが部屋中に充満している。

「もちろんですよハルカ姉さま、喜びのあまり気絶して涙まで流しています」

速水の頬に流れる粒を確認してチアキはうれしそうに答える。
それを理解したハルカはチアキに笑みを返した。

「じゃあ一緒にお風呂に入ろうか」
「もちろんです!」






「ふわぁ・・・・・・」

うーんよく寝たわ。
それにしても随分寝ていた気がする。
えーと時計時計っと。

「ハルカ姉さま・・・・・・?」
「チ、チアキ!」

どうしてチアキがこんなところにいるの!?
よく見ればここ私のベッドだしすーすーすると思ったら私もチアキも下着姿だし!

「!? はわわわわわハルカ姉さま申し訳ございません! 今すぐここから立ち去ります!」
「落ち着いてチアキ!」

動転しているチアキを宥めようとする。
わけがわからないのは私だって同じだ。
家に速水先輩が来て飲み物を頂いてその先の記憶がない。
物凄いことがあったような気もするんだけど・・・・・・

「ハルカ姉さま外外ー!」
「えぇっ!?」

なんでこんなに明るいのよ!
鳥の鳴き声が聞こえて時計を見てみたらこんな時間。
冷や汗がどっと流れる。

「待ってね、今すぐご飯作るから!」

えーとご飯炊いていたかしら?
無ければパンで済ませたいところだが、買い置きがあったことも覚えていない。
あ、そういえば下着のままだった!
着替えはどこかなーっと・・・・・・

527:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:27:44 DNlykn0+



「おはよう・・・・・・」
「え? カナ?」
「おはようバカ野郎」
「・・・・・・」
「答えろバカ野郎」
「・・・・・・ご飯そこにあるよ」

カナが指した先にあったのは二人分の朝食。
ご飯に味噌汁に目玉焼きと、簡素なものではあるが朝食べる量としては十分だ。
答えるカナはやつれていてどこか頼りが無い。
それに絨毯が入れ替わっている気がする。

「これ、カナが作ったの?」
「そうだよ」
「なんで二人分しかないの?」
「私はもう食べたからだよ」
「絨毯はどうしたの?」
「汚れたから入れ替えた」
「なんだかいい匂いがするんだけど」
「芳香剤を置いたせいだよ」
「そういえば速水先輩は?」
「マキを呼んで連れて帰ってもらったよ」
「どうしてそんなに元気がないの? 体調が悪いなら今日は学校休んだほうが・・・・・・」
「後始末をしていたからだよ」

次々と思い浮かぶ疑問にカナは淡々と答えていく。
後始末とはなんのことだろうか。
それはともかく、明らかにいつもの元気を失っているカナが心配になってくる。

「お前・・・・・・風邪ならハルカ姉さまの言うとおり休め」
「言われなくてもそうするよ・・・・・・というかさっき学校に電話した」

不安そうに口に出したチアキにそう答えて、カナはふらふらとした足取りで自室の中へと戻っていった。






528:ぶっちゃけアルコールの味感じない酒とか酒である必要なくね?
09/04/12 00:28:21 DNlykn0+
「ねえハルカー、速水先輩が呼んでいたよ」
「え?」

マキに呼ばれて振り向く。
一体速水先輩に何があったのだろうか。
彼女が自分から教室に来るのはよくあることだが、このようにわざわざ呼び出すのは珍しい。

「昼休みに体育館倉庫で待っているってさ。 行ってみなよ」
「わかったわ」




「またお仕置きをして欲しいな・・・・・・」
「は?」

体育倉庫に来た私に最初に告げられた言葉がそれだった。
お仕置きって速水先輩は何を言っているんだ。
今朝の出来事もわけがわからない。
先輩は考え込んでいた私を見るなり、頬をかきながら第二声を放つ。

「いやまたバレー部の助っ人を頼みたいんだけどいいよね?」
「は、はい、それなら構いません」

気のせいか先輩の顔は若干困っているようにも見えた。
私に何を期待しているのだろうか、それはまだわからない。
わかることは、気をつけなければとんでもないことをするかも知れないっていう直感だけだ。

ぐだぐだだけど終わり

529:海産物の人
09/04/12 00:31:42 DNlykn0+
>>518のタイトルはミスりました。>>519以降が正解です。

小学生に酒飲ませて脳細胞崩壊を促進させるのはちょっとやばいじゃないかと思った。
速水先輩が責める側だけだったから、たまには責められる側に回ってもらっただけなんだ・・・・・・


530:名無しさん@ピンキー
09/04/12 01:08:09 AcYJYkz4
>>529
あい、グッジョーゥ。
なんかもう速水は酒、酒は速水だなぁ

パインでカクテルか…俺ならウォッカベースで…パイナップルリキュールとレモンを30:15:15でシェイクかな…
甘酸っぱい、透明~白/薄黄の一杯になるはず。
グレナデンシロップを1~2ダッシュ入れてもアクセントが効いて面白いかな…元の色が白色だから、赤くなって…
赤く染まって酸味があり、ほのかに甘く、熱くする。大人の女性を彷彿とする一杯に仕上がりました。

1回カクテルで小ネタ書いてみたいなぁ。みなみけに限らず

531:名無しさん@ピンキー
09/04/12 01:28:23 qWfBOjeY
普段とは逆にカナが一番の常識人になっちまうわけか
ハルカ姉様オソロシス

GJ!>>529

532:名無しさん@ピンキー
09/04/12 01:45:26 /PgIbmGN
>>529
激しくGJ!!

夏奈「ディスカウントストアに行くとチューハイがジュースと同じ値段で売られてるから、チアキが間違えて買わないか不安だよ」
千秋「お前に心配されたかないよ」

533:名無しさん@ピンキー
09/04/12 01:50:06 U1VHxWrA
>>529
速水先輩にこんな事させるとは何事か。信じられないよ。
私はあなたのSSを読むために生まれてきたのかもしれない

534:名無しさん@ピンキー
09/04/12 14:33:55 dJxDKhQ/
GJ!!
酒瓶でロストバージンとかハルカ姉様鬼畜すぐるw

535: ◆954/z7MI/s
09/04/12 19:46:48 V+TFIHax
それは、いつものように藤岡が遊びに来たある日のこと。
「すー、すー」
ふと気付くと、どうやら藤岡の膝の上で千秋は寝てしまったようだ。
「なんだぁ?千秋の奴め、人の膝の上で寝こけて。だらしないなぁ」
「はは、いや別に俺は構わないけど」
「まったく、所かまわず寝てるようじゃまだまだ千秋も子供だな」
そういう夏奈だってしょっちゅう教室で寝てるじゃないか、と思う藤岡であったが、ここは口に出さないでおく。
「邪魔だろう藤岡?どかすか?」
「いや、いいよ。気持ち良さそうに寝てるし邪魔しちゃ悪いって」
千秋は藤岡の膝の上で安らかな寝顔で寝ている。
「ふむ・・・確かにこれは起きそうにないな」
夏奈が指先で千秋の頬をつついてみるが、それに気付く様子もない。

「と、いうことは、この部屋には事実上二人しかいないってことだな」
「え?あぁ・・うん?」
言われてみれば確かにそうかもしれないが・・・しかし千秋は寝ているだけであって・・・
考えている間に、いつの間にか夏奈は藤岡の後ろに回り込んでいた。
「夏・・夏奈?」

はむっ

後ろから首筋に抱きつくような形で、耳たぶを噛まれる。
「ひあっ!」
突然の、あまりに突然の行為に思わず情けない声が出る。
「声が大きいぞ藤岡、せっかく二人きりなのに千秋が起きたらどうするんだ」
「い、いやまずいって!」
「大丈夫大丈夫、静かにしてればこいつは起きないって。私が何年千秋の姉をしてると思うんだ」
そう言いつつ、藤岡の頬に後ろから頬ずりをする。
「いや・・えっと・・でもこの状態では危ないっていうかなんていうか・・」
・・・・・
「ああそうか分かったよ、せっかく二人っきりだから彼氏とスキンシップを取ろうと思ってたのにな」
夏奈は拗ねたように言い、つい、と藤岡から離れる。
「さ、とっとと千秋を起こすか」


536: ◆954/z7MI/s
09/04/12 19:47:25 V+TFIHax

「・・・いや、あの、ちょっと待った」
慌てたように藤岡が止める。
「ん~?どうした藤岡ぁ?」
どこか嬉しそうにニヤニヤしながら夏奈が聞く。
「ほ、ほら、千秋ちゃん気持ち良さそうに寝てるし、その、起こすと可哀そうだし・・」
「つまり?」
もちろん、藤岡としてもさっきの続きをしようだなんて言う度胸もあるわけなく、
「・・・なんていうか・・その・・・」

「全く素直じゃないな番長は」
再び夏奈が後ろから藤岡に抱きつく。
「甘えたいなら素直に言えばいいのに」
「・・ごめん」
先に甘えてきたのは夏奈なのだが、藤岡はこの際そんな細かいことは男らしく気にしない事にした。
どちらからともなく唇が触れ合う。
「ん・・」
「んむ・・・」

なんとなく、室内の温度が上がったような気がした。


・・・
・・・・・

私は今寝たふりをしたことを非常に後悔している。
夏奈につつかれた時に素直に起きていればこんな事態にはならなかったはずだった。
というか、夏奈の馬鹿野郎はともかくなぜ藤岡までそんなことをよくもまぁ恥ずかしげもなく・・・
いや、もういい、諦めたよ私は。
春香姉さまでも冬馬でもいい、誰か、早く帰ってきて、この馬鹿野郎どもを止めてくれ!

・・・・・

結局、春香が帰ってきて二人が離れるまで更に30分の間、千秋は地獄のような時間を過ごしましたとさ。

537:名無しさん@ピンキー
09/04/12 19:49:25 P51vLV42
ふじかな。わっふるわっふる! 千秋が絡んでるのが新しい~!
ふじかな好きにはたまらーん!

538: ◆954/z7MI/s
09/04/12 19:50:33 V+TFIHax
藤カナが付きあってるという前提で書くSSは楽しいっす
なんか若干キャラ崩壊してますがそこはまぁ御愛嬌で
お目汚し失礼しまいた

539:名無しさん@ピンキー
09/04/12 19:56:14 AcYJYkz4
>>538
誰か知らんがイイヨイイヨー
やっぱりふじかなが一番ベーシックなカップリングなんだなぁと思った
ハルヒでいうとこのハルキョンみたいなもんか

ヤバい百合書きたい

540:名無しさん@ピンキー
09/04/12 23:18:35 +ZnfAuB8
>>539
それはお前の基準だぜ?
世間には藤岡×千秋がベーシックと信じる者も居るぞ!
俺とか、俺とか、あと俺も。

541:名無しさん@ピンキー
09/04/13 00:48:18 AxnSa24L
>>538
GJ!ニヤニヤが止まらない
もっと藤夏奈書いて欲しい

542:名無しさん@ピンキー
09/04/13 01:47:50 w2mycxgY
>>538
これはいいふじかな!
千秋災難だなw

ふじかなはいいもんだ

543:名無しさん@ピンキー
09/04/13 02:07:51 w4w+xNWl
>>540
それもいいな

だがしかし今聞いてるBGMが「悲しみの向こうへ/いとうかなこ」だったのが運の尽きだな
変なイメージになっちまった


誰か、吉野×アツコを…だめならアツコ×内田かアツコ×吉野でもいいから頼む

544:名無しさん@ピンキー
09/04/13 02:17:41 Q0r3C3EC
>>540
藤冬がベーシックだと信じる俺みたいなのも忘れるな!
しかし藤夏もいける口の俺は>>538に惜しみなくGJを捧げるのであった

545:名無しさん@ピンキー
09/04/13 03:56:01 5AEap9VE
こうやって見ると好きなカップリングって人それぞれだぬ
新天地を開くために、>>546のカプで書く!さぁ、メインかサブキャラのカプを言ってくださいお願いします

546:名無しさん@ピンキー
09/04/13 06:03:53 QCGlNmeI
攻められると弱い夏奈と、
やるときはやる藤岡の組み合わせは最強。
異議は認める。

547:名無しさん@ピンキー
09/04/13 06:14:12 QCGlNmeI
あげてしまったorz
申し訳ない。

548:名無しさん@ピンキー
09/04/13 07:07:59 FapnfbXH
ドSな吉野に虐められるカナ可愛いよ!

549:名無しさん@ピンキー
09/04/13 10:54:35 FHORHt15
サザンクr・・・いや、何でもない。

550:名無しさん@ピンキー
09/04/13 12:10:37 7sUFbAaR
オレの愛読書がなんだって?

551:名無しさん@ピンキー
09/04/13 13:50:31 w4w+xNWl
そういや噂のサザンクロス読んだ事ないんだが

どうなの?

552:名無しさん@ピンキー
09/04/13 13:59:10 AJQgICBw
俺は凹んだorz

553:名無しさん@ピンキー
09/04/13 14:18:53 w4w+xNWl
桜場コハル
…新キャラの名前か?
そういう電波

凸←千秋に見える
そういう電波

今日も平和です

554:名無しさん@ピンキー
09/04/13 18:36:04 jDkolRGM
>>551
吉野のマコちゃん虐めにハァハァしたお

555:名無しさん@ピンキー
09/04/13 19:15:17 ivfZ2oOx
>>551
本編はうわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ってなる。
そしてはぶかれる夏奈。 あの後クライマックス刑事が来ることを祈って・・・・・・

それはそうと保坂はどうやったら姉さまと絡ませられるのだろう。
すれ違いばっかりじゃねえか。

556:名無しさん@ピンキー
09/04/13 19:18:32 Q0r3C3EC
>>555
本編と同じく保坂の頭の中でならいくらでも絡ませられるぜ!

557:名無しさん@ピンキー
09/04/13 23:11:19 lwGW7Hf+
>>538
GJGJ!!

>>540,544
藤岡×吉野(厳密に言えば吉野×藤岡)が良いっていう異端者もここに居るんだぜ。

>>548
これ以上漏れに餌を与えないで下さい。
吉野注意報をまた発令させろということですか?

558:名無しさん@ピンキー
09/04/14 00:18:21 zGkIPTwf
おみくじの回以降藤岡×内田を心待ちにしている俺みたいなのもいるぜ!!

559: ◆yuRiYuRiyE
09/04/14 02:43:27 e1gO4nbR
そうやってふじおかハーレムになるのが悔しいから
俺の中では総受けなんだ

ストレスも溜まり、発散出来ずにいる今
今ふじマキなり何なり書いたらえらいことになりそうだな…
誰かいいストレス解消知らない?

560:558
09/04/14 05:13:53 Ox29R+bJ
藤岡×内田(というより内田×藤岡)自給自足出来たので投下します。


561:558
09/04/14 05:14:19 Ox29R+bJ
ある休日の昼下がり、みなみけでは勉強会が行われていた。
休日前に出た宿題が結構多くて、それならみんなでやろう!という事になったのだ。
とは言っても、勉強会とは名ばかりで実際は内田が頭を抱えて1人で唸っているだけだった。

「う~~、わかんないよ~~。チアキ、イジワルしないで教えてよ~~」
「うるさいぞ。黙ってやれ!私は昼寝中なんだ!」
「だってわかんないんだもん!」
「わかれ!!このバカ野郎!!」
「そんなぁ~~~!!」

実際、出た宿題は量こそ多いものの、問題自体はそんなに難しいものでもなかった。
しかし内田はすぐ「ここ教えて」「ここどうやるの?」とあまり考えもせずに
チアキや吉野に聞いてばかりいるので、途中から自力でやるようにチアキに命令されたのだった。
(これでいいんだ。自分で考えてこそ、内田のためになるんだ。)
そんな事を考えながら、ふじおかを枕にして横になるチアキ。
スピースピーと寝息を立てるのに時間はかからなかった。

「う~~ん…やっぱり難しいよぉ…」
人差し指をはむっと唇で噛んで唸る内田。
「チアキはああだし、吉野も自分のが終わったらすぐ帰っちゃったし、カナちゃんもハルカちゃんも買い物だし…」
こんな事ならマコト君も誘えばよかったかなぁ…と思わずため息が出る。

実際はバカサイドのマコトがいても事態が解決するとは考えにくいのだが、
そこに気づかない辺り流石は内田、同じバカサイド住人である。
ふと、そこへピンポーンとチャイムが鳴り響いた。

お客さんかな?しかしチャイムが鳴ったというのにチアキは熟睡中で起きる気配がない。
「んもぅ…はいはーい!今出まーす!!」
と、宿題を一時中断し、パタパタと玄関に向かうと、
「あれっ?藤岡君?どうしたの?」
「こんにちは。えっと、俺は南に晩ご飯に呼ばれて…内田さんは?」
「今日はみんなで勉強会してたの。とりあえず上がって上がって。」
「えっと、それじゃおじゃまします。」

居間へ移動すると、寝ているチアキを見て、藤岡君は不思議そうに首をかしげて、
「あれ?勉強会してたんじゃ…チアキちゃん寝てるけど…?」
私は慌てて、
「そ、それはね、………」


「……なるほど、それはチアキちゃんの言うとおりだよ。自分で考えて解いた方が記憶にも残るし。」
「それは私もそう思うけど、チンプンカンプンで…」
うーん、と藤岡君は少し考えた後、
「じゃあ俺がわかんないトコ教えてあげよっか?」
「え!!ホント!!?」


562:558
09/04/14 05:14:48 Ox29R+bJ
「でも答えを丸々教えるのはナシだよ。あくまでヒントだけね。」
「それでもいいよ!!ありがとう!!」
と藤岡君の手を握ってブンブンと振る。
「あはは、手が痛いよ、内田さん。」
その時、ふと握った手を意識してしまった。
(藤岡君の手…大きいな…手のひらも女の子の手よりゴツゴツしてる気がする…やっぱり男の子なんだ…)

「……内田さん?」
「わわ!な、何?」
「いや、急に固まっちゃってどうしたの?」
「い、いや、何でもないよ」
「それならいいんだけど…じゃ宿題やろっか」
と言うと、藤岡君はちゃぶ台の上にある開かれたノートの前、つまり先程まで私が座っていた所に座った。
何故そんな所に座るのか、そこに座られては自分が宿題を出来ないじゃないかと不思議に思っていると、
藤岡君は自分の足の間を指差して、
「さ、ここに座りなよ。」
と言い放った。

「え!えぇ~~!!ダ、ダメだよ!そんなの!」
藤岡君の発言に仰天した私はあからさまにうろたえてしまった。
「だって、ちゃぶ台の向かいや横に座ったらノートが逆さまで見づらいじゃないか」
「それはそうだけど!」
「あはは、別に遠慮しなくてもいいよ」
「遠慮じゃなくて……そ、そう!そこはチアキの指定席だから私は…」
「そ、そうなの?でもトウマもよく座ってるけどなぁ」
「トウマは別!私が藤岡君の膝に座ったらチアキに怒られちゃうよ!」
「でもチアキちゃん寝ちゃってるよ」
ふと私が日の当たる窓際を見ると寝息を立てているチアキが目に入った。
実を言うと、藤岡椅子に一度座ってみたいという気持ちはあった。
藤岡椅子に座っているチアキやトウマはいつも幸せそうで…どんな感じなのか、自分でも体験してみたいと思っていた。

「じ、じゃあチアキにナイショにしてくれるなら…」
「いいよ。じゃあこの事は俺と内田さんとの秘密ね」
秘密…!!藤岡君は別に深い意味で言ったのでは無いと思うけど、言葉に出されるとなんだかどんどん恥ずかしくなってきた。
なんだか隠れていけない事をしているようで……実際やるのは宿題なんだケド。

「それじゃあ失礼します…」
「うん、どうぞ」
おずおずと座ってみるが、位置が悪いのか、どうしても背中が藤岡の胸に密着してしまう。
(ああ~~こんなに恥ずかしいの生まれて初めてかも……)
事実、父親以外の男性とこれほど密着したのは初めてだった。
恥ずかしさでどんどん鼓動が激しくなる。

563:558
09/04/14 05:15:21 Ox29R+bJ
既に耳まで真っ赤なのが分かる程赤面している。体も熱くなってきた。
本当に藤岡君からは顔が見えなくて良かったと思える。
(恥ずかしい…それに顔が近いよ!!)
(…でも…なんだかいい気持ち……ふわふわして…)
「それじゃ始めようか。どこが分からないの?」
「へぁ!?え、えっと…ここからここまでと…ここと…ここらへん………です」
いきなり話しかけられたので変な声を出してしまい、ますます赤くなる私。
藤岡君はクスッと笑みをこぼし、
「じゃあまずここの所からね。ここはここの所をこうして……ここまで式変形出来たら後は一つ前の問題と同じ感じで………」


藤岡君の説明を聞きながら、私は自分の髪に当たる藤岡の吐息を感じながら考えていた。
(藤岡君て…優しくてカッコ良くて…王子様みたいだな…)
(チアキやトウマが好きになるの分かるよ……私だって…)
そこまで考えてハッとする。
(私…もしかしたら…藤岡君の事が…)
「……さん?内田さん?」
「ひゃ!はい!!」
「また固まっちゃってたけど、大丈夫?」
「だ、大丈夫!!…今のとこ、もう1回いいかな……?」
「ははは、お安いご用だよ」
それからは気を取り直して問題を解いていたが、最後まで恥ずかしさに慣れる事は無かった。

それから1時間ほどして宿題は終わった。
「ふ~やっと終わった~~」
「そうだね。俺もなんだか達成感あるよ」
「藤岡君、ホント~にありがとう!!」
「俺はヒントしか出してないって。解いたのは内田さんだよ。」
「それでもありがとう!」

それからは他愛のない話をした。

ほとんど南家の話だったけど、学校の話や友達の話、サッカーの話などもした。
宿題が終わると藤岡椅子から離れなければならない。そんな風に思っていたが、そんな事は無かった。
藤岡君は自分の話をよく聞いてくれるし、逆に自分の知らない話もしてくれる。
(思えば私の近くにこんな男の子いなかったよね…)

私はバッと振り返るとたどたどしく一つ一つ言葉を選びながら言った。
「あのね…藤岡君」
「ん、何?」
「あ、あの…あのね、たまに…ホントたまにでいいの。たまにでいいから、またこんな風におしゃべりしてくれないかな…?」
「え?こんな風にって?」
「えっと…こんな風に一緒に座って…って意味なんだけど、ダメ…かな?」
「いいよ。俺も内田さんと話してると楽しいしね」
「ホント!!それじゃ、もう少しおしゃべりしよ!」
「もちろんいいよ。チアキちゃんが起きるまでだけどね。怒られちゃうんでしょ?」
「うん…今日の事はくれぐれも秘密だからね。私と藤岡君との秘密!」


それから私は藤岡君とチアキが起きるまで楽しい一時を過ごした。

みなみけからの帰り道、私はニヤニヤしっぱなしだった。
そして私は心の中でもう来年の夏の目標を決めていた。
それは――『藤岡君に』お姫様だっこしてもらうこと!!





564:558
09/04/14 05:16:31 Ox29R+bJ
投下終了です。
投下するのはほぼ初めてなので見苦しい点があったらごめんなさい。

565:558
09/04/14 05:19:26 zGkIPTwf
後、注意書き忘れてましたが非エロです。
すいません

566:名無しさん@ピンキー
09/04/14 12:22:10 GSL9wg/S
カナ「よーし!今からおかしな事になった時の為の練習をマコちゃんで始めるぞ!」

で、マコトとマコちゃんの正体を知ってるカナ、内田、冬馬がマコトをベッドに縛り付けて
リトルマコちゃんをいじくりまわす電波を送信した!

567:名無しさん@ピンキー
09/04/14 12:36:35 QmDfQkim
太った忍者が【マコちゃんいぢめた】って湧くという電波が……

568:アツコ×藤岡
09/04/14 17:23:00 AphR/lwu
おかえり8話を見ていたら半年振りにアツコ萌えが再燃し始めた。
アツコ――!!!×藤岡。 フラグ立てるのに3レスかかった…次から本気出す

前スレの続きです

569:この野郎
09/04/14 17:23:39 AphR/lwu
「んっ…………まだ朝の6時か……

今日は日曜日、学校も休みだしもう少しゆっくりしようかな。
……と、思っても寝れずに布団の中でモゾモゾ……。
そう、今日は藤岡君とカナちゃんのデート(?)の日だから、
一応アドバイスした身としては、気になっちゃうよね……

「藤岡君たち、うまくいくと良いなぁ……」
そう呟きながら天井を眺めて昨日したデートの『練習』を思い出し、
私は引出しにしまっておいたプリクラを取り出す。
ほっぺと言ってもこれが私のファーストキス、見てるとまた顔が熱くなってくる。
……あれ? そう言えば昔マキとした事があったかな?
でも、女の子同士はノーカウントだよね。だから藤岡君が初めて。
私の初めての人――

――PiPiPi

「ん? 誰だろう、こんな時間に」
メールの届いた携帯を開き、送り主を見るとそこには『藤岡君』の文字が。
内容を見てみると、何やら昨日の練習に+αサプライズを用意したとの事、
どんな物を用意したのかメールで聞いてみると、すぐさま電話がかかってきた。

「おはよう、いよいよ本番だね」
「おはようございます! って、……あっ、えっと、すみません朝早くに」
「いいよ、気にしないで」
どうせ気になって寝れなかったもの……
「それで、サプライズって何なのかな?」
「はい! 実は遊園地のチケットを用意して、次のデートの約束もしようかと思って」

なるほど、それは結構いい考えかも。
日があいちゃうと誘うのが大変そうだから……特に藤岡君は奥手そうだし……
「うん、良いんじゃないかな」
「そうですか!? そうか……はい! わかりました! ありがとうございます!!」

―ガチャッ……ツーツー

…………何が分かったのかな。お礼言われる事なんてしてないけど……
随分浮足立ってると言うか……それは仕方ないんだろうけど、
なんだか猛烈に藤岡君が空振りするような気がしてしょうがない。
つまり何が言いたいかと言うと……すごく心配。

……

―こんなのおせっかいだろうけど……

心配になった私は二人の邪魔にならないように蔭からそっと見守るべく、
二人の待ち合わせ時間に合わせて昨日の喫茶店へと向かったのでした。

570:この野郎
09/04/14 17:24:09 AphR/lwu
いつもと少し感じの違う服装に、帽子をかぶって……うん、変装は完璧。
とりあえずこの電柱の陰から様子を――って、あれ? もしかして藤岡君……?
まだ約束の30分も前なのにもう来てたんだ。
いったいいつから待ってたんだろう……

そしてカナちゃんがやって来たのは、待ち合わせ時間から10分過ぎた時だった。
ビシッとした格好の藤岡君と、いつも通りのラフな格好のカナちゃん。
うーん……なんだか二人の間に温度差を感じるなぁ……

「いやー、悪い悪い。朝ごはんが美味しくってさぁ」
「そ、そう。全然待ってないから平気だよ」
「それで? こんな所で罰ゲームってなんだよ?」
「えっ、あ……あのさ、とりあえず店の中で話さない?」

そうそう、凄くいい感じ……。
さりげなく店に誘って最初のデートスポット喫茶店に――
「いや、私はさっきご飯食べてお腹いっぱいだから」
「ええ!? ……そ、そっか! よし、じゃあとりあえずあっち行こう!」

結局、喫茶店に入らずゲームセンターへ向けて歩く藤岡君。
いきなり出鼻をくじかれその背中は少しさみしげで……
ううん、次は絶対大丈夫。だってゲームセンターなんてカナちゃん好きそうだし。
大丈夫……だよね?


「おおっ! ここは!!」
「ゲームセンターなんだけど、良かったら遊んで――」
「行く! すぐに中へ入ろう!! いや~、こう言う所はハルカがなかなか連れて行ってくれなくってさ!」
「ほんと!? 気に入ってくれた?」

藤岡君の問いかけに返事もせず、意気揚揚とゲームセンターの中に入っていくカナちゃん。
目をキラキラさせて色んなゲーム機を覗き込んでる姿はやっぱり可愛いな……。
そしてカナちゃんが真っ先に足を止めたのが、車のレースゲーム。
お金を入れずに椅子に座り、ハンドルを握っている。

「やっぱ家のゲームとは一味違うよな! こう……ハンドルとか! なっ!」
「じゃあさ、一度やってみる?」
「んー……いや、私お金持ってきてないから」
「それくらい俺が出すよ。そうだ! 勝負しようよ!」
「お……おおっ! よし! 望むところだ!!」

俄かに盛り上がってきた二人のデート。
二人の方からは楽しそうな声が聞こえてくる。
でも……私はある物が気になって、まったく違う方向を向いて……まったく別の事を考えて……

藤岡君、カナちゃんともプリクラ撮るのかな。
カナちゃんは私がしたみたいに……キス、したりしないよね?
なんだろう、このモヤモヤした気持ち。
カナちゃんの事だから、そんな事は無いと思うけど……

「よーし! 私の勝ちだ! どーだ藤岡! まいったか!!」
「あはは。うん、まいったよ」
「じゃあ罰ゲームとして、お前がしようとしていた罰ゲームは無しだ!!」

なるほど。罰ゲームが終わり……終わり!?

571:この野郎
09/04/14 17:24:46 AphR/lwu
「うーん、もうこんな時間か。それじゃあ私はケイコの家に行くから!」
「ええ!?」
「なんだ? 罰ゲームはもう終りだろ? 急がないとケイコの家はおやつの時間が早いんだぞ!」
「あっ、そっか……オレ、勝負に負けたんだったね」
「そう言う事。じゃあな! 今日は楽しかったよ!」

そう言って走り去るカナちゃん。きっと悪気なんてこれっぽっちも無いんだろうけど……
残された藤岡君は少し離れた私にも分かるくらいに大きなため息をついて、
家に帰る為なのかな? カナちゃんとは違う方を向いて歩きだす。
さっきまでは横顔だったからハッキリわからなかったけど、正面から改めてみると落胆の色が……
歩くスピードもとぼとぼ……なんだかもう、ちょっと痩せたみたい。

ところが藤岡君は3歩ほど歩いたところで表情を一変させ、
少し驚いた様子で今度はは足早に歩き始める。……何か見つけたのかな? 

「やっぱり! こんな所でどうしたんですか? アツコ先輩」
「ん……ええ!? わ、私!? ど、どうして……あ、あれ?」
「え? あ、あの、すみません、オレ何か悪い事しましたか!?」
「う、ううん。そうじゃなくて、あの、その……えーっと……」

そ、そっか。落ち着いて考えると正面が見えてたって事は、こっちに来てたんだ。
でも、私は完璧に変装してたのにどうして分かっちゃったんだろう……
「あれ? なんだか今日はいつもと違う感じの服装ですね」

いつもと違う感じの服装? えっと、私の変装ってその程度だったの……?
「藤岡君、その……それだけ? なんかこう……もっと、その変装って言うか……」
「あっ、短いスカートでちょっと大胆な先輩もすごく可愛いですよ!」
「え、えぇぇ?! えっと、そう言う意味じゃなくて……あの、えっと……ありがと……」
「?」

ちょっと大胆な先輩も……『も』? 
って言う事は、その、普段の私も少しは可愛いって思ってくれて……
うわあぁん、どうしよう……急に恥ずかしくなってきちゃった……
とにかく、何か理由を付けてここから逃げ出さなきゃ。
えっと、えーっと……

「それで今日はどうしたんですか? もしかして買い物ですか?」
「そう! それだよ、買い物に来たの! えっと、女の子用の服とか」
良かった。何とか誤魔化せそう……
「もしよかったら荷物持ち付き合いますよ。この前は付き合ってもらっちゃったし!」
「うん、じゃあお願いしちゃおうかな」

って、あれ? どこで間違っちゃったんだろう……

572:名無しさん@ピンキー
09/04/14 17:26:45 AphR/lwu
7か月前に書いて放置してたSS
きっと最後までかきます

573:名無しさん@ピンキー
09/04/14 20:24:02 0ZqJxDxw
>>572
そうか、もう七ヶ月も…じゃなくて!GJ!
アツコの初々しさがたまらないぜ

期待して続き待ってます!

574:名無しさん@ピンキー
09/04/14 20:32:16 yu76Esvr
アツ藤きた!
これで勝つる!!

575:名無しさん@ピンキー
09/04/14 20:44:25 zGkIPTwf
>>572
GJです!!
流石この野郎氏、自分の作品とのレベル差を痛感してます・・・
続きに期待してます!

576:名無しさん@ピンキー
09/04/14 22:20:38 2V0dSEyW
強く同意
もうこの野郎氏以外のSSはイラネ

577:名無しさん@ピンキー
09/04/14 22:23:41 2vjHmY75
>>576
荒らすお前がイラネ。

578:名無しさん@ピンキー
09/04/14 22:27:24 6UgyrtL0
話を聞いて……

579:名無しさん@ピンキー
09/04/14 22:33:13 K84A/Z7Q
>>564
>>572
GJ
いいよいいよこのスレは

580:名無しさん@ピンキー
09/04/14 23:12:05 oPpg0Shl
速水先輩…速水先輩!!
はーやーみー先輩!!!!!!

581: ◆yuRiYuRiyE
09/04/15 01:16:19 SBfwhYrd
>>576
おう俺もそう思うぜ。
海産物の人とかこの野郎氏とか良作生み出す人でもないのにトリップ付けて書き手様(笑)してる俺とかイラネ

ふじマキ書いたけど今思えば、役不足だよ。正しい意味で。
こんな駄文に使われた藤岡とマキ、GJしてくれた人、無駄にしたレス数に申し訳ないね。
書きたい人いればマジで書いていいよ。

582:名無しさん@ピンキー
09/04/15 05:37:38 oWpVPi1t
チアキ成分が足りない
チアキ成分が足りないぞ!!
あとトウマ成分も足りないぞ!



チアキ×トウマおながい

583:名無しさん@ピンキー
09/04/15 05:46:24 ruJBUaNZ
>>581
そうやって他の人間が投下するのを躊躇してしまうような書き込みをするお前は最低だな
誰の作品だろうと俺は好きだ

584:名無しさん@ピンキー
09/04/15 08:34:49 KlhAShT+
はげど
まぁエロパロなのにエロが殆どないのがあれだけど

585:名無しさん@ピンキー
09/04/15 11:52:54 Mhr1vcQI
>>583
ちょいまち。581がアンカーしてる元レスを読め。
元はそいつが悪い。581はちゃんと「俺とか」ってイヤミ入れてるだろ。

586:名無しさん@ピンキー
09/04/15 11:59:02 ED8nRICK
エロがないのは確かにスレの本旨からずれてるかも・・・
いい雰囲気なだけにいいにくいんだけど。

587:名無しさん@ピンキー
09/04/15 12:58:42 C3GfVqlK
確かにエロありきのエロパロだと思うけど、エロ無しなら無しでも
それはそれで全然おkな奴もいると思う
俺はバカップルがイチャイチャしてるだけで満足
何を投下するかは職人次第だしね

588:@エロなし
09/04/15 13:37:26 yWEmphuD
すまんorz

589:名無しさん@ピンキー
09/04/15 15:04:20 etuhNXqM
 人間食い物に困らなくなると他の欲求が出てくるが、
このスレも豊作になってリクも変わってきたなあ。
 不作にならなきゃいいけど。


590:名無しさん@ピンキー
09/04/15 15:05:16 SBfwhYrd
>>585
我ながらそういう問題じゃないと思う。
確かに躊躇するような書き方になったし。
イライラしていて下らない事を書いて申し訳ないと反省している。


エロ書いてない事もまた反省しています。

591:名無しさん@ピンキー
09/04/15 17:47:59 I3zTQ7ZN
                             _,... ------- 、__
                         _, イ//r‐‐<テ三三三`ヽ、
                        ,∠,rこ二二二、 ̄\:ヽ二二:.:.:ミト、            ニ_|_
                       /://(Tト、:.:.:.:.:. ̄≧、ヽヽ \ミト、ミト、           ニ   !
                     /://:.:./ハヘ:.ヽTト、:.:.:..:ヽ¬Eヘこヘ:.ヽ:ミト、         □  |
                     _////:.:.:.:l:.!:.:.ヾ:.:..:.:ヽ:.「:.ヽ:.:.ヽ:.ヽ:.:.「カレヘ、:.:.:.ト、          ―┬―
               ,....''´::::://,イ7!:.:.:.:.:!:l:.:.!:.:ト、:.:.:.:l:ト、:.:.ヽ:.:ヽ:.ヽヽ:.⌒!ヽ、:!厂!      | |二|二| |
                l:::::::::::::l l:':.:ハi:.:.:.:.:.N:.:.!:.:.い:.:.:.:!ト、:.、:.:.\:ヽ:.:',:',:.:.:.ト、 V /´\    | |_|_| |
                l:::::::::::::l l:.:.l:.:/!:.:.:.:.:.!:!:.:l:.:.:.:い:.:.l:!:.:.ヽヽ:.:.:.ヽヽ:V!:.:.:.!:.:ト{ l:::::::::::ヽ     ̄ ̄ ̄
                l:::::::::::::l |:.:.!:ハ!:i:.:.:.:!:ヽ:!:.:.:.:ヽ>>576.ヽヽ:.:.:.:',:!:い:.:.:!:.:!リ !:::::::::::::::! ヽ   マ
                l:::::::::::::l |:.:.!个ハト、:.:.!:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽリ:.:.ヽ:.:.ヽヽ:.:.l:!:!:.:l:.:.:!:.|:! l::::::::::::::::|  フ |二|二|
                l:::::::::::::l |:.:.!:.l:.!:.:い:.:l:ト、:.:ヽ:.:.:.:.:\:.:.:ヽ:.:.',:.',:.:九:.:!:.:.l:.:!:! !::::::::::::::::!  ) !‐‐!‐┤
                l:::::::::::::!ハ:ヽト!:.:.ト、:ヽ:.:.ト、::三ト、:.\:.:.ヽ:.!:.!:l:.ハ:!:.:.l:.:!:! !:::::::::::::::'  '^ー――
               l:::::::::::::l:.:.:ヽ:.!:.!:.:.!ハト、:.ヽ:.tト、三__:.:.:>、:l!:.V:.:.:l:!:.:ハ:/l {:::::::::::::;'   | / ̄ヽ
                 \::::::::ヽ:.:.:い:l:.:.「`tふト、:ヽヽ「ヽ,ィ,さ:ァー示::!:.:.:l:レ':.:l:.ノ ト、::::::/r、   レ'   |
                  \:::::::ヽ:.:い:.:.ト--- '`~ヽヽ`く `ー '´ l |:l:.!:.l:!/:/!「こ_ノ::,ノ;;;.く       ノ
                   ヽ:::::::ヽヽト{ト、     `ーヘ       l:lノ!:./:/:./_____/;;;;;;/     ̄
                   / ̄`トい `               リ l//!レ'ヽ /;;;;;;;/
                     /:::::::::::l:.トい                    /イ!:::::::ヽン;..<_
                      !:::::::::::::ヽ:::::ヾ.  (_ ヽ ノ´      ,イ!T!:::::::/,イ  `ー‐‐、_____
              ,、__,ノ⌒l::::::::::::::::::::::::::::ト、  Tニー‐‐‐,‐''   //l|:://::::「 ̄`ー~ーr‐‐ 、こヽ、
                  l:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ、 `二二´   /  !」」イ//:::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::Y ヽ
                r-‐‐‐‐┤:::::::::::::::::::::::::::' ,   ヽ __    ,∠ィオエ「二ソ´::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{  ヽ
             :ヽ::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::::',  /::::ヽイ_,==ン7T7::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::ヽ:::::::::::::L |
             ::::::ヽ:::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ !::::: ル '´  ,' / !:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::::!:::::::::::::::!  !
             ::::::::::ヽ::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽー‐<    ノ⊥ノ:, ---、:::::::::::::::::::r:ゝ::::::::::::::::::::::::::::}  |

592:名無しさん@ピンキー
09/04/15 20:34:26 W8jKMMIt
鉄アレイうぜぇ。死ねばいいのに

593:名無しさん@ピンキー
09/04/15 22:20:01 bCsq0Nv3
>>572
GJ!!
長編になりそうだから、保管庫の方も長編対応にするとしましょう。

平日だと仕事疲れでどうも書く気になれんorz
タケル「何が辛いって、パソコンの画面の見過ぎで目が痛い」

594:名無しさん@ピンキー
09/04/16 02:33:21 5JoddQg+
藤マキも藤アツも藤内も藤吉も
最近のマイナーカプの流れは個人的にイイヨイイヨー

藤岡出ずっぱりだが、そこは番長なので良し

595:名無しさん@ピンキー
09/04/16 02:47:47 657LZlbx
>>594
藤吉って誰だよ
そう思った時期が俺にもありました

内田・吉野・アツコ辺りを濃厚に絡ませる百合SS誰か書かないかなーと思いながら。

596:名無しさん@ピンキー
09/04/16 04:40:20 ygYFxlsn
藤吉さん×藤内さん…だと?

597:名無しさん@ピンキー
09/04/16 10:06:31 4XwJDHOa
 どこの秀吉だ

598:名無しさん@ピンキー
09/04/16 12:14:12 RifG6rRW
え?

599:名無しさん@ピンキー
09/04/16 12:27:30 rT6FukQj
おいおい
藤秋を忘れてもらっちゃ困るぜ
秋藤でもいいけどな

600:名無しさん@ピンキー
09/04/17 01:14:46 MdSR7Xtb
吉田は俺のヘブン

~放課後だバカ野郎~
吉野「ねーねー、今日どこでしよっか?」
内田「んぇー?昨日は図書室だったよね」
吉野「そうだねー…あ、理科室の教壇は?2人くらい簡単に入るよ?」
内田「吉野がいいなら私はついてくよー」

~理科室の実験用の大きい教壇な訳だ~
内田「ほんとだねー。入ってみたら広ーい。秘密基地みたいで楽しいかも」
吉野「隣の準備室、先生居たね。…ね、ドキドキしてる?」
内田「当たり前だよ吉野ぉ…見つかっちゃったら…」
吉野「ドキドキして、興奮してるんでしょ?」
内田「恥ずかしいょぅ…」
吉野「それじゃ、しよっか…んっ…」チュッ
内田「んぅ…ん」
吉野「まだキスしただけだよ?もういやらしい顔になってる…可愛いなぁ」
内田「吉野…いじわる…キス弱いの知ってるくせに…」


続きはWebで

601:名無しさん@ピンキー
09/04/17 01:50:41 Ii95GAlN
>>600
あなたは大変な失敗を犯しました。
まったく困ったお人だ。





続きのURLを貼り忘れてますよ

602:アツコー!!×藤岡
09/04/17 17:33:15 Ii95GAlN
>>571の続きを2レスぽっち。
ここで区切って
アツコの一人称だと「……」が多くなるので次から3人称にしようかと思います

603:アツコ×藤岡
09/04/17 17:33:46 Ii95GAlN
「目的地はどっちですか?」
「えっ? えーっと……こっち、かな……」

どうしよう、妙な事になっちゃった……
この辺りの道はよく分からないし、服を買う予定も無いんだけど……
とりあえず適当なお店に入って服を買ったら帰ろう。
結構にぎわってるしお店ならきっと沢山あるよね、うん。

「やっぱり先輩は行きつけのお店とかあるんですね!」
「え?」
「オレとか友達なんていつもあっちの方で済ましちゃいますから」
「えっと、あっちにもお店があるの……?」
「はい。と言うか、こっち側に店があるなんて知りませんでした」

ど、どうしよう。もしかしてこっち側ってお店が無いのかな?
でも、もうこっちって言っちゃったし……後戻りできないよ。
お願い、ひとつでも良いからお店があって……!


「結構遠いんですねー」
「う、うん。そうだね……あの、疲れたならまた今度でも―」
「いえ、全然平気ですよ。これでも鍛えてますから!」
「そうだよね。鍛えてるから平気だよね」

これはちょっとまずいかも……
お店どころか人気も無くなってきちゃった。
それに天気も悪くなってきたみたいだし、雨でも降ったら大変だよ……。
……ん? 雨? そうだ、雨が降ったら引き返すんじゃないかな?
お願いっ、お天気の神様、雨雲様……! どうか雨を降らせてください……ッ

――ポツ……

「あれ? もしかして雨降ってきたのかな?」
「!! うん! 雨が降ってきたみたい! じゃあ今日は帰ろっか!」
「え? でも良いんですか? 服買わなくて」
「平気だから、ね? それより雨がたくさん降ってきたら大変だから」
「うーん……先輩がそう言うならオレはかまいませんけど」

良かった。なんとか上手くいったみたい。
ありがとうございます、お天気の神様、雨雲様。おかげでどうにかなりそうです。
本当にありがと――

――ザバーッ!!!

「わわっ! これじゃちょっと戻るのは大変そうだし、どこかで雨宿りしましょう!」
「え? ええぇぇ!?」

神様、ちょっと頑張り過ぎです……

604:アツコ×藤岡
09/04/17 17:34:18 Ii95GAlN
「ハァ、ちょうど屋根があるところがあって良かったですね」
「うん、でもびしょびしょになっちゃったね……ごめんなさい、私のせいで」
私があんな雨乞いみたいな事したから……
「別に先輩のせいじゃないです! それに向こうは晴れてるからきっと通り雨ですよ」
「通り雨……? じゃあすぐにやんじゃうのかな?」
「はい! だから買い物も大丈夫ですよ! 買ってすぐに着替えた方がいいかも知れませんね」

なんて役に立たない雨雲さん。もう雨雲様から雨雲さんに格下げだよ……
でも屋根のある所があったのはラッキーだったなぁ。
駐車場みたいだけど……人気も無いのに何のお店なんだろう?

『HOTEL しゃぼんだま ご休憩2時間3000円!』

2時間3000円? ネットカフェか何かかな?
でも、それにしては高過ぎるような気が……それにこんな名前聞いた事ないし。
しゃぼんだま? しゃぼんだま……HOTELしゃぼんだま…………ホテル!?
どう考えても観光用って感じじゃないし、もしかしてこれってラブホテル……?

「あっ、あ、藤岡くん、やっぱり向こう、向こう行こっ」
「え? ……あ、あぁっ! あの、」
藤岡くんもキョロキョロしだしたって事は、気づいたのかな? そうだよね?
「だ、大丈夫だよ、私もさっきまで気付かなかったし……」
「あっ、いや、その……」
「とりあえずココから離れようよ、ね? もっと人がいる所に」
「いや、それはダメです! ……あの、良かったらここに入りませんか?」

え? ココに入るって、もしかして藤岡くん気づいてない?
それとも普通のホテルと勘違いしてるのかな……
どう考えても怪しい雰囲気だけど……
「藤岡くん……? ここ、えっと……ホテルだけど」
「はい、分かってます。ここが、その、ちょっと如何わしい所だって事は……でも!」

そう言って、強く私の手を握り、真剣な目でこちらを見つめる藤岡くん。
ど、どうしよう、こんなの絶対ダメなのに……そんな目で見られたら私、断れない……
「先輩……オレ、こんな事言うの恥ずかしいんですけど……」
「な、なにかな……?」
「白のスカートで青の下着は目立つと思うんです!」

え、ええっ? 急に下着の話し……?
確かに今日は青の下着をはいてるけど。どうして今?
ん? その前に、どうして私の下着の色をしってるの?
…………ああっ! 雨で濡れて下着が透けて――

「や、やだっ、こんなの見ちゃダメ……!」
「ごめんなさい! み、見てないです! 全然、見てないです!」
そっか……人の多い所はダメってこう言う事だったんだ……
確かにこの状態だと、人前に行くよりココに入った方が恥ずかしくないかも……
「えっと……あの、藤岡くんが嫌じゃなかったら……」
「はい、とりあえず入りましょうか……」

こうして私と藤岡くんは、コソコソとホテルの中へ入って行ったのでした……


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