09/03/31 14:17:13 z9zesa10
よしじゃあ張り切って藤岡×アツコ書く!…と思ったけど、
よくよく考えてみると夢に出てきて離れられないって、
ある程度仲良くないと無理があるのか…
まずは仲良くなる過程から始めるる
351:名無しさん@ピンキー
09/03/31 17:44:55 5Eo+JeHI
久々に来てみたら随分と様々なカプが流行ってるそうで。
でも原点回帰(?)でマコト×千秋とか読みたいな。
マコト「ご、ごめん!中に出しちゃった…」
千秋「それが何か重要かー?」
みたいな奴を。
352:名無しさん@ピンキー
09/03/31 17:46:55 v6C6kf+Z
>>350
応援しながら待ってる!!
353:一年ちょっと後くらい@エロなしチアキ視点
09/03/31 19:18:39 rBrfXLIu
明日は小学校の卒業式。
ハルカやカナの進学祝いも兼ねた前祝いパーティーへ、マコトとトウマも呼ばれていた。
南家のあるマンションの前で二人はばったりと会って、一緒に部屋の方を見上げた。
「あーあ、ここに来るのもこれで最後か」
いつもの『マコちゃん』になってるマコトは、溜息まじりに言った。
「どうしてだよ。またくれば良いじゃないか」
トウマは意外そうな顔をして訊いた。
「ほら、声」
マコトの声は、半年前と比べて少しハスキーになってる。
「ああ、そうか。男なの忘れてた」
「そ、そんなぁ~」
「ごめんごめん。で、どうするのさ」
「来年から受験だからなかなか来れなくなる、ってことにする」
「そっか、中学生なんだっけ」
「うん。実は、カナにはもう頼んだんだ」
マコトは寂しそうに苦笑した。
「しょうがないな、そればっかりは。でも今日は楽しもうぜ」
「うん。行こうか」
ふたりはエントランスから中に入り、エレベーターに乗った。
こうして並んでみると、トウマのほうが少し背が高い。この年頃にありがちなことだ。
「トウマは、いつまで『オレ』でいる気?」
「うーん、別に女なの隠してるわけじゃないしなあ」
と言いつつも、トウマの脳裏に藤岡の姿がよぎる。
「『あたし』とかにするかい?」
「それも変だ」
「じゃあ『ボク』で」
「考えとく。兄貴にでもクレーム付けられたら、変えるよ」
がらっ。
エレベーターの戸が開き、いつもの廊下が目に入る。
「ほんとに、もう来れなくていいのか?」
トウマは降りながら訊いた。
「いいんだ。みんな同じ中学だしね」
マコトが、いつもの髪留めを付けながら降り、少し先を歩く。
「ハルカさんに、会えないぞ」
思わず「あ」と立ち止まるマコト。
停まれずトウマが追突して、軽く抱きつく格好になった。
「あっぶねえな」
「へえ……トウマも、女の子なんだなあ」
背中の感触が、一瞬だけマコトの心をくらり揺らがせる。
でも……
「何考えてんだ。元から女だよ」
というトウマの一言で、我に返った。
「オレは今日まで女、だけどね。さあ、今日は楽しくやろう!」
振り返り、笑いかけるマコト。
その笑顔に、こんどはトウマがくらり。
マコトはそんなことには気がつかず、南家のドアベルをならした。
「いらっしゃい、待ってたわよ」
当初の想い人が戸を開き、出迎えた。
その先の部屋からは、二人が「今」想う相手の笑い声が聞こえた。
>287へ……
354:一年ちょっと後くらい@エロなしチアキ視点
09/03/31 19:19:33 rBrfXLIu
ごめん、コピペもと間違えたorz
こっちが本文
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ほら、二人とも。お客さん来る前に、パーティの準備をしましょう!」
果物片手にハルカが現れ、二人をキッチンに呼んだ。
用意をしてるうちに、マキや藤岡、吉野やリコたちが集まって来た。
みんなでワイワイとパーティの用意をする。
用意が一段落して、皆部屋の思い思いの場所でひとやすみ。
その部屋の窓から、チアキが外をぼんやりと眺めていた。
「どうした?」とカナが声をかける。
「マコちゃんとトウマが来た」
「おう、ちょっと遅かったな」
窓の外、エントランスの当たりにマコちゃんとトウマが居るのが見えた。
「なあ、カナ。最近、マコちゃんずっと風邪気味だな。声が変だ」
「そうだな。か、花粉症かもよ」
チアキの素朴な問いに、カナは苦笑して答えた。
「学校休んだりしてないか、心配だ。どうなんだ?」
マコちゃんが『中学生』なのを忘れててたカナは、一瞬固まった後「来てると思うよ」と答えた。
そして「学年違うから、よくしらないけど」と、付け加える。
「そうだった。私が心配してたと、後で伝えてほしい」
「自分で言えばいいじゃん」
と言いつつ、カナはマコちゃんことマコトとの約束を考え、少し切なくなった。
もうすぐ受験だからあまり会えなくなる、そう伝えてやることになってた。
「わかった、そうする」
ピンポーン!
ベルが鳴った。
「はーい!」
ハルカが出迎えようとして、滑って転んだ。
みんな笑った。
ハルカも笑った。
そして……
ドアを開けると笑顔のマコちゃんとトウマが並んでいた。
>>287へ
355:一年ちょっと後くらい@エロなし続き
09/03/31 19:49:07 rBrfXLIu
それから……
みんなで持ち寄ったごちそうや、ゲームを楽しんだ。
見慣れた人たちとの、気楽なパーティだ。肩の力なんか、入ってない。
パーティは遅くまで続いた。
とは言っても、小学生が普通に帰宅できる時間まで。
片付けはハルカがすると言ったが、「それじゃ大変だ!」と、こんどはカナが先頭切って動き始め、みんなそれに続いた。
もっとも、最終的にはカナは動き回っている「だけ」となってしまったが。
「はい、みんなありがと」
笑顔のハルカが礼を言った。
いつもの笑顔。
みんな友達だ、いつでも会えるハルカの笑顔だ。
「わたしは、昨日の夜マコちゃんに会えなくなる夢を見たんだ」
「へぇ」
「そんなこと、ないよな?」
「……………ごめん」
「え?」
チアキの顔から表情が消えた。
「もう、あんまり会えなくなっちゃうんだ」
「……」
「カナから聞いてないか? ほら、来年受験だし」
「それでも、たまには来れるよな?」
「……あんまり。ごめんよ、殆ど無理だよ、ごめんよ」
マコちゃんの目からは、涙があふれそうだった。
「そんなのないよ。マコちゃん、大好きだから、また来てよ!」
チアキは思わず抱きつき、「やだよー、やだー」と泣いた。
マコちゃんも目をまっ赤にしながら「ごめんよ」と、何度も言った。
「コラ、チアキ。マコちゃん困らせるな」
そこにカナが割って入った。
自分も泣きたいのだが、笑ってやるしか無かった。
「受験が終って、もっと大きくなったらまた会おうよ。ナ、二人とも」
「「うん」」
少し離れ、言葉を探す二人。
「オレ、ぜーったい大きくなって、チアキのこと迎えに来るから」
「ほんと、だな?」
「ぜったいだ。チアキのこと、ほら、大好きだから」
告白、というべきか。
マコトは産まれて初めて、女の子へ「好き」という言葉をかけていた。
「待ってるよ、マコちゃん」
それから―
マコトがその約束を果たすのは、十何年か後の後のお話で。
356:名無しさん@ピンキー
09/03/31 22:15:05 11ix1xRm
>>350
半裸で待ってます
357:名無しさん@ピンキー
09/03/31 22:51:06 MAO5YZg/
>>355
ちょっと涙出た…
こうなるとマコトは絶対に千秋に惚れられる男にならなきゃいけないな
358:名無しさん@ピンキー
09/03/31 23:22:24 z9zesa10
近年まれに見る豊作でホクホク!
管理人さんゲッソリ!
皆さんおつかれさまです!
359:名無しさん@ピンキー
09/04/01 01:29:13 VbrorgMo
エイプリルフールな今なら言える!
今日中に藤岡×アツコ投下する
360:名無しさん@ピンキー
09/04/01 02:05:48 P4fLSxFT
>>359
お楽しみのところ悪いが今日は3/32日だぜ。
久々に書きたいな…でも脳内でキャラ回したらふじかなになるし…
だれか
かぷ
たのむ
361:名無しさん@ピンキー
09/04/01 06:47:49 B1tXUCEr
>>359,360
悪のりして宣言しよう。
今日仕事から帰って動く気力があったら、藤吉の続き書いて投下します。
***
リコ「この間測ってもらったら前よりも大きくなってたのよねぇ♪ 順調順調♪」
夏奈「へぇ~あっそ……」
リ「カナもさっさと大きくなれるといいわねぇ~」
夏「(ムカッ……) あ~ハイハイ良かったねェ~。
大きい胸が大好きな人と結ばれればいいねぇ~。
あ、あと藤岡は小さい方が好きらしいぞ」
リ「え……… (そ、それって、まさかカナの事??)」
夏「あいつ、とうとう小学生に手ェ出しちゃったからな。将来が心配だよ」
リ「………………… (ガーン)」
勢いで書いた。今は反省している。
362:名無しさん@ピンキー
09/04/01 13:28:57 mFXrhnQ0
えっ、小学生というと、相手は誰だ? いかん、候補が多過ぎる(w
363:名無しさん@ピンキー
09/04/01 13:35:32 mFXrhnQ0
ところで、中学生が小学生に手を出したら、淫行になるのか?
364:名無しさん@ピンキー
09/04/01 13:49:26 D1NgseNv
強姦です
365:名無しさん@ピンキー
09/04/01 13:50:28 6crh7GjY
千秋「藤岡、べつに私は強姦とは思わないから遠慮せず来るといい」
366:名無しさん@ピンキー
09/04/01 14:00:49 yXcvGilJ
マコちゃん「チョ、ちょっと待て。話せば分かる、な、な……アッ!」
367:名無しさん@ピンキー
09/04/01 17:17:04 995YGvHu
12か13以下は同意があろうが犯罪だった気がする
368:名無しさん@ピンキー
09/04/01 17:36:55 LGqjj/pd
藤岡「こ、こういうことはお互いの合意がないと・・・」
千秋「それが何か重要か?」
369:名無しさん@ピンキー
09/04/01 18:20:10 t5xAi5s4
>>366の電波を受信した。
とある夕暮れ時、三姉妹揃って買い物へ出かけた煽りを食って、
南家居間で留守番という憂き目に遭うことになった藤岡、
そしてマコちゃん。
共に共通の話題も乏しく、まんじりともしない空気が漂って
1時間が経過した。
静寂の中響く、時計の秒針の音だけが二人を包んでいた。
「―南の後輩、っていうけど…」
「は、はひッ!」
先陣を切ったのは藤岡だった。いきなりの問いかけに思わず声が
裏返る。
「…学校で会ったことってあったっけ……?」
「い、いやッ、そのッ! お、おおお、俺、休みがちだし帰宅部だしッ!」
「……そっか」
しどろもどろになりながらも、良い言い訳が口をついて出たものだと
内心で自分を褒めるマコト。しかし、藤岡の次の疑問でその自負は
打ち砕かれることとなる。
「マコちゃん。俺って魅力ないかな?」
「……へ?」
「南に想いを伝えても芳しくないし、ひょっとしたらどこか男として
欠陥があるんじゃないかって思い始めてる」
「い、いやいや、そんなことないと思います!カッコいいですし!」
「ちょっとさ、自信をつけたいんだけど……協力してもらえないかな?」
「協力、ですか?」
マコちゃんにそう告げると藤岡はやおら立ち上がり、座っている
マコちゃんの手を取り、立ち上がるように促した。
頭上に「?」マークを飛ばしつつも、誘われるままに立ち上がった。
「こういうのって慣れが大事だっていうからさ、ちょっとだけ
女の子を抱き締める練習してもいいかな?」
真剣な、それでいて追い詰められたような表情で、一回り小さい
マコちゃんを正面から抱きしめる藤岡―――。
「え、ちょ、ちょっ! な、なっ、何をっ!」
「失礼な事をしているのは百も承知だけど、少しだけこのままで…」
正面から抱きすくめられ、頭の中が混乱するマコちゃん。
すっぽりと抱きかかえられて慌てふためくも、サッカー部のエースの
絡め取りからは容易に脱出出来そうもなかった。
次第に、与えられる温かさに頭がぼうっとしてくる……。
続かない。
370:名無しさん@ピンキー
09/04/01 19:55:00 LGqjj/pd
「こういうのって慣れが大事だっていうからさ、ちょっとだけ
女の子とキスする練習してもいいかな?」
「こういうのって慣れが大事だっていうからさ、ちょっとだけ
女の子を脱がせる練習してもいいかな?」
「こういうのって慣れが大事だっていうからさ、ちょっとだけ
女の子の中に挿れる練習してもいいかな?」
「あれ、ずいぶん下付きだね」アッ-!
371:その道のプロ1/3
09/04/01 21:04:37 ifHUGkMc
「と言う事で皆で全力を尽くして応援しに行こう!」
ポテトチップを3袋同時に開けて味比べしながら寝返りを打っている夏奈の脇で
仁王立ちの冬馬が気合の言葉を響かせている。
「トウマ、話はちゃんと整理してから落ち着いて伝えるんだ。
何が何だかさっぱり分からない」
「その言葉、普段のお前にもそう言い聞かせろ、バカ野郎」
眠たげな眼で二人を見つめる千秋の手元には『練り物の歴史』という
訳の分からないタイトルのやたら分厚い本が携えられている。
「藤岡から聞いてないのか!?あいつ、U-15ユースの日本代表に選ばれたんだぞ!」
「藤岡はカナと違って日本代表に選ばれるほどのバカ野郎じゃないぞ、バカ野郎」
「千秋、野菜パフェでも作ってやろうか?」
家の玄関がガチャリと開く音とともに楽しげな話し声がする。
「あら?トウマいらっしゃい」
部屋に入ってきたのは夕飯の買い物から戻った春香と
今、噂の渦中真っ只中の台風の目、藤岡だ。
「お邪魔します」
「よぅ!よく来たな、日本代表!」
藤岡の嬉しそうな爽やかな笑顔が眩しい。
「ありがとう、南。もう知ってたんだ?トウマから聞いたの?」
「すっげぇな、藤岡!マジですっげぇよ!ポジションはもう決まってるのか?」
冬馬は興奮を隠し切れない様子でまくし立てた。
「まだこれからだよ。来週から合宿に入るからそこで決めるんだと思う。
さすがに日本代表ともなるとポジションどころかレギュラーだって保障されている訳じゃないからね。
熾烈な闘いになると思うよ」
いつの間にか藤岡にしがみついていた千秋は藤岡の顔をジッと見つめている。
台所から顔を出した春香はもうエプロンを身に着けていた。
「今日は皆、夕飯食べてく?藤岡君のお祝いもしてあげたいし」
「すき焼き!」「カレー!」「ハンバーグ!」
夏奈と千秋と冬馬の声が同時に響く。
「今日はトンカツよ」
「すみません。ハルカさん、御馳走になります」
「しかし、藤岡。お前は日本代表に選ばれるほどのバカ野郎だったんだな」
夏奈は真顔で藤岡を見つめている。
「おい、カナ。お前にも代表に召集掛ってるんじゃないか?」
千秋は指定席である藤岡の膝の中から夏奈に冷めた眼差しを向けている。
「話の流れで察しろ、代表とはサッカーの話だ、バカ野郎」
「そうなのか!?藤岡!」
藤岡は日本代表に選ばれた事より夏奈に関心を向けてもらう事の方がよほど嬉しいようだ。
「年棒はいくらだ?」
「代表はプロって訳じゃないから年棒はないぞ、カナ」
冬馬のクールなツッコミが冴える。
「でも将来プロになれるんだろう?」
「それはこれからの頑張り次第かな」
藤岡は嬉しそうに笑っている。
「よし!藤岡がプロになった暁にはこのカナ様が藤岡のプロデュースを手掛けてやろう!」
「本当に!?」
どうやら藤岡は夏奈の今の言葉を何故かプロポーズ的な言葉として受け取ったらしい。
372:その道のプロ2/3
09/04/01 21:05:24 ifHUGkMc
「じゃあ、試合の日には皆で応援に行くわね。
ほら、カナ、藤岡君とトウマを送ってきてあげて」
「でも、もう夜も遅いですし」
「お~い早く行くぞ~」
もう先を歩き始めている夏奈の背中を見つめながら
藤岡はこの日、一つ覚悟を決めた。
「じゃあな!藤岡、絶対にレギュラー取れよ!」
「あぁ、ありがとう、トウマ」
トウマと別れた藤岡と夏奈、結構な時間を一緒に過ごしているが
二人っきりでこうして歩くのは初めてかもしれない。
「な、なぁ、南…」
「ん?ろうひは?ふひほは」
夏奈は春香に見つからないよう冷蔵庫からそっと拝借してきた
チーズ入り魚肉ソーセージを咥えている。
「南はこれからずっと俺のプロデュースをしてくれるの?」
夏奈はゴクリと魚肉ソーセージを呑み込み振り返った。
「ふっふっ…契約金は高いから…な…!?」
不意をつかれた夏奈は微動だに出来ず、目を見開いている。
ドクンという心臓の鼓動だけがやたらに鳴り響きながら…
「ハルカ!!千秋先生!!」
玄関の扉から激しい音が聞こえてきたかと思うと
夏奈が猛スピードで部屋の中に駆け込んできた。
「い、今、ふ、ふ、ふ…」
「落ち着け、カナ。まずはハルカ姉さまの入れたお茶で心を静めるんだ」
「これがまた落ち着いていられないんだ!」
そう言いながら夏奈はお茶を一気に飲み干した。
「どうしたの?カナ、顔が真っ赤じゃない?」
「ちゃんと服を着ないとバカでも風邪を引くんだな」
「今さっき、角にあるあの店の前で藤岡に…」
そこまで言うと夏奈はまた顔を真っ赤にして俯いて黙り込んでしまった。
「どうした?また太ったのがバレたのか?バカ野郎」
夏奈は突然、両腕を振り上げたかと思うと後ろにバタッと倒れ込んだ。
「…ふ、藤岡にキスされました」
373:その道のプロ3/3
09/04/01 21:09:20 ifHUGkMc
三姉妹はTVも消して今、目の前にある最重要案件について
それぞれ詳細且つ、綿密な考察、検証を行っている。
春香はどこか引きつったような顔をして「妹に…妹に抜かれた…」と
ぶつぶつ独り言を呟いている。
夏奈はただ頭を抱えて床の上でのたうちまわっている。
「それでカナ、どういう状況だったのかもう一度詳しく話せ」
「千秋!お前は私の乙女の恥じらいを何回もほじくり返そうと言うのか!?」
そう言いながら夏奈は情感たっぷりに再現VTRを回し始めた。
「おい、バカ野郎。私はこの前、内田に借りた漫画で知ったのだが、
キスにも味があるとは本当なのか?」
「そ、それは経験者であるカナから是非、直接、意見を聞きたいわ。
キスってどんな味がするのかしら?ねぇ、カナ」
二人とも赤面しながらもかなり興味津津である。
「ん~…どんな味と言われてもな…」
「漫画にはレモンの味と書いてあったぞ」
「く、詳しいのね、千秋」
夏奈は腕組みをして考え込んでいたかと思うと急に何かを閃いたように
「魚肉ソーセージ!チーズ入り!」
と叫んだ。
「それはカナ、お前の食べていたチーズ入り魚肉ソーセージを
藤岡も食べたかったのではないか?ちゃんと分けてあげたのか?」
「ん?一人で食べたよ」
「やはりな…藤岡はカナにキスをした訳ではなく、
チーズ入り魚肉ソーセージを奪いかかってきたと考えてまず間違いはない」
「そ、そうなのか?千秋先生」
「日本代表でレギュラーを取る為にはテクニックだけでなく身体も鍛えないといけないらしい。
だから食事の量も質もこれまで以上に高める必要があると藤岡は言っていた。
栄養バランスを考えた際、藤岡はきっとどうしてもチーズ入り魚肉ソーセージを
食べなければならなかったのだろう」
「あいつはそんな理由でこの私の、乙女のファーストキスを奪ったと言うのか!?
でも明日からどんな顔して藤岡に会えば良いんだよぉ~!」
夏奈はまた床の上を回転し始めた。
翌日、あまりにも拍子抜けするほど夏奈はあっさりしていた。
そして放課後、南家に呼び出された藤岡だが、そこには夏奈も春香も千秋もおらず
その代わりに春香の同級生であるマキ、アツコに加え速水先輩、
そしてどこから聞きつけてきたのか冬馬の兄で春香の後輩、ナツキまでもが
居間で藤岡が来るのを今か今かと待っていた。
瞳孔までブラックホールのように見開いている速水が切り出した。
「ふふ…お姉さん達はね、藤岡君に色々と聞きたい事があって今日こうして集まったのよ…」
「とりあえずこれ、ハルカからの餞別」
そう言うとマキは上座で正座している藤岡の目の前に
チーズ入り魚肉ソーセージを1本そっと差し出した。
374:名無しさん@ピンキー
09/04/01 22:31:01 2KNOpXxW
>>373
GJ!
やっぱ藤岡報われねぇ~!!
藤岡×カナは大好きさ!!でもなかなか報われない藤岡も好きなんだ!!
そしていつか原作でも報われる藤岡を見たいんだぜ!!
375:春香×ナツキ
09/04/01 22:56:59 bcAAJutF
ドサッ…という音と衝撃と共に反射的に閉じてしまった目を開けると、つい先程までの視界とは違っていた。
目に映るのは男の顔。しかも、私の顔を至近距離で見下ろしている。
一瞬、頭が真っ白になったが、すぐに自分がその男に押し倒されているのだと理解する。
「ちょっと!?ナツキ君っ!」
「………」
何も言わずに私を無表情で見つめる彼。表情がないのはいつものことだが、今はそのいつもとは何処か違う。
上手く言えないが、少し怖い。私の両肩を掴む手にも力が入っていて痛いくらいだ。
「ナツキ君、肩…痛いんだけど…」
「あっ…」
そこでやっと気が付いたようで肩を押さえつける力が少し緩まった。
「それで、何の真似かな?いきなりこんなことして…」
「………」
ナツキ君からの返答はない。
「もういいから、早くどいてくれないかな?」
「嫌ッス…」
ギシッ…とベッドの軋む鈍い音が響き、彼の顔が更に近付いてくる。
息のかかる顔の近さにさすがにマズイと身じろぎして抵抗を試みるが、二人の体格差を前には全く無駄な行為で終わってしまう。
「ナ、ナツキ君!?そ…そういう冗談は嫌いよ?」
「俺も…冗談は嫌いッス…」
ナツキ君の瞳が私を見つめて放さない。その鋭い眼差しに瞳の奥を射抜かれるような感覚さえ覚えてくる。
「春香先輩、いいッスか?」
「いいッスか…って、何…が…っ!?」
唇に温かいものが触れて言葉を止められた。ほんの一瞬だったが、確かにナツキ君の唇が私の唇に重なった。
「い、いきなり…何するの!?」
「俺の…気持ちッス…」
自分のファーストキスがこんな形で終わってしまうなんて……。
「どうして?…初めてだったのに…」
「俺も初めてッスから…」
「そんなこと聞いてない。どうしてキスしたのか聞いてるの…」
「だから、俺の気持ちッス…」
さっきから全く話が噛み合わないのに加え、少しも悪びれる様子がないナツキ君にイライラしてくる。
「………」
「春香先輩…?」
私の変化に気が付いたのか、ナツキ君の表情も曇り始める。
「やっぱ…足りなかったッスか?」
「はぁ?…っ…んむっ!?」
また何の前触れもなく、いきなり深く口付けられ二回目のキス。
「んっ…っむ…んんっ……」
最初の軽く触れただけのキスとは明らかに違う。
私の唇を味わうように動くナツキ君の唇。息が続かなくなり口を開けると、そこから舌が口内へと入ってくる。そのまま舌が強引に絡まり吸い上げられる。
376:名無しさん@ピンキー
09/04/01 23:27:23 T6pTbxUx
つ、つづきを~~~~~~
377:名無しさん@ピンキー
09/04/01 23:35:09 2KNOpXxW
テストー
378:まったり星人
09/04/01 23:38:18 2KNOpXxW
流れを切るようでわるいがss投下してみる
カップリングはナツキ×ハルカ、藤岡×カナ、マコト×チアキの3つ
初めての作品なのでいろいろアドバイスくれると嬉しい
とりあえず途中まで投下します
379:3姉妹に春が訪れたようです
09/04/01 23:41:46 2KNOpXxW
そこにいるのはご存知、南家三姉妹であるハルカ、カナ、チアキ
そしてそれぞれの恋人である、ナツキ、藤岡、マコトの6人
ここは南家のマンションのリビング
そして今、カナvsマコトの壮絶なオセロ合戦が行われている
「ふっふっふ・・・、馬鹿のくせにやるじゃないかマコト!この私を苦戦させるなんて・・・・・」
「ふふん、その馬鹿な俺に押されてるカナに馬鹿って言われる筋合いはないよ!」
どうやらマコトが押しているようだ
「だが甘いなマコト・・・ここに私が置けば大量に取れるんだ!」
誇らしげにマコトの白いオセロを裏返していく・・・、だがしかし!!
「かかったなカナ!それは罠だ!そこに置かせれば俺は角がとれる!」
「なんだと!?し、しまった!!」
そしてマコトが角にオセロを置こうとしたその時
「待てマコト!そこに置くのはやめるんだ!」
「なんだよカナ、真剣勝負なんだから待ったは無しだぞ!」
「むむ、だがマコト・・・お前がどうしてもそこに置くというのなら・・・・・・」
「いうのなら?」
「チアキにマコちゃんの正体がお前だとバラす!」
「なん・・・だと・・・?」
「いろいろややこしいことがあって、なんとか恋人になったお前たちだ・・・・、ここでマコちゃんの正体がお前だとわかればどうなるかな?」
「き、汚いぞ!たかがオセロでそんなことするなんて大人気ないぞ!」
「ふふふ、なんとでも言え!お前にはたかがオセロかもしれないが私には重要なんだ!!」
「ぬぐぐ・・・・」
カナの大人気ない行動に手も足も出ないマコト
しかしそんなマコトに救いの手が!
「おい馬鹿野郎」
「チ、チアキ!!」
「なんだよチアキ、邪魔すんなよ~」
「ここからじゃ話の内容はわからなかったが、カナがマコトを困らせてるのはわかった・・・・」
「おいカナ!お前は馬鹿野郎のくせに私のマコトを困らせるんじゃないよ!!」
「なんだと~!?部外者が勝負に口出すんじゃないよ!!それに・・・・」
「私のマコトを困らせるな、とか言うんだったらお前も私の藤岡の脚から降りろよ!!」
「な!?それとコレは話が別だろう!」
「別じゃないよ!!お前が藤岡から降りないなら私にも考えがある!!」
するとカナはいきなりマコトに抱きついた
「おい馬鹿野郎!!私のマコトに何するんだ!!」
「ふふん、お前が私の藤岡から降りないなら私はマコトに抱きついて離れないぞ!!」
「なんだと~!?マコトを離せ~!」
「だったら藤岡から降りろ~!」
なんだが険悪な雰囲気である
「ちょ、ちょっと落ち着いてよ南!」
この空気を見かねた現在チアキの椅子になっている藤岡が割り込む
「そうだよ!チアキも落ち着いて!!」
続いて現在カナに抱きつかれてるマコトも割り込む
だが・・・・
「「ちょっと藤岡(マコト)は黙ってろ!」」
今の彼女たちには恋人の制止の言葉より自分以外の女がくっついているほうが遥かに重要なのだ
しかしそのまま険悪ムードを突っ走るかと思われたその時、天からの一声が!
380:3姉妹に春が訪れたようです
09/04/01 23:47:05 2KNOpXxW
「カナ、チアキ、二人ともやめなさい!!」
そう、三姉妹の長女にしてこの南家の長であるハルカである
「二人ともケンカしないの!じゃなきゃオヤツ抜きにするわよ?」
「「むむむ・・・」」
姉らしく止めに入るハルカ
だがその現在の姿は姉らしい態度とは裏腹なものであった
なぜなら今のハルカの姿は、恋人のナツキの腕に自身の腕を絡めナツキの肩に頭を預け寄りかかっている、という姉らしいとはいえないものだからである
しかしそんな態度の言葉でもカナとチアキにはオヤツ抜きの言葉は効いたらしい
「おいカナ」
「なんだよ」
「このままではラチがあかない、お前だってオヤツ抜きはいやだろう?」
「もちろんだ!」
「だからここはお互いに妥協しよう、私も藤岡から降りるからお前もマコトを離せ」
「本当だな?裏切ったりしないだろうな?」
「そんなことするか!いいか?いっせーのっせで交換だぞ?」
「よ~し、いっせーのっせだな?」
「「いっせーのっせ!!」」
瞬間カナはマコトから離れ、チアキも藤岡から降りた
そして二人は自身の恋人に抱きつく
「大丈夫っだたか?マコト・・・」
「チアキ・・・俺は大丈夫だ!」
「本当だな?変なこととかされてないだろうな?」
「へ、変なことってなんだよ?」
「平気か?藤岡~」
「み、南・・・俺は平気だから・・・・・」
「本当だな?チアキに対してオカシな気分とかになってないだろうな?」
「南!?何言ってるの!?」
「お前がオカシなことをしていいのは私だけなんだからな!!」
「南!!チアキちゃんとかいるから!!教育上よろしくないから!!」
そんなこんなで三姉妹の下の二人が騒いでいると・・・・
「まったくカナとチアキったら・・・・、ナツキ君ごめんね?騒がしくって」
「いや・・・全然そんなことないっす」
ここにきて初めてナツキが口を開いた
ここまでナツキがずっと黙っていたのは何もナツキが口下手なだけだからではない
確かにナツキは口下手だがそれ以外にも理由はある
その理由とはずっと自分によりかかっているハルカだ
ナツキの腕に自分の腕を絡めているため、当然ナツキの腕にはハルカの胸の膨らみが押し付けられ感触が伝わってくる
さらに肩に頭を預けられているのでハルカの髪のシャンプーのいい匂いが漂ってくる
そう、ナツキは自分の欲望と戦っていたのだ
ハルカと付き合いだして女性への免疫もある程度できた
以前のように鼻血を出すことも無くなったが下半身にある自分自身の分身はそうもいかない
ナツキ自体はだいぶ丸くなったが、下半身の分身はまだまだ硬派でやんちゃなのだ
381:3姉妹に春が訪れたようです
09/04/01 23:48:00 2KNOpXxW
(なんとかせねば・・・・・・・)
硬派でやんちゃな分身を鎮めようとバレないように試行錯誤をしているが・・・・・
(あら?・・・・・・・・・・・ふふふ、ナツキ君ったら////)
どうやらハルカに感づかれてしまったらしい
「ねえナツキ君?私の部屋に行かない?」
「え?どうしてっすか?」
「ちょっと二人で話したいことがあるのよ」
そういってハルカはナツキの下半身に手を伸ばした
(・・・・・・・・・!!)
「ウ、ウス!/////」
流石のナツキも察したらしい
「じゃあカナ、チアキ、私たち部屋に行くからあとよろしくね?」
そういってハルカとナツキは部屋に行ってしまった
「なんだよ~ハルカの奴、勝手に部屋に引っ込んで・・・・・」
「こうなったら藤岡!!私たちも私の部屋にいくぞ!!」
「ぅえ!?ちょっと待って南!部屋に行くってことは・・・・それは・・・・その・・・・・・////」
「なんだよ~嫌なのか?」
「嫌じゃないよ!!全然嫌じゃない!!でもチアキちゃんとか小学生もいるわけだし・・・・・やっぱ道徳的に・・・・」
「嫌じゃないならさっさといくぞ!!」
そういってカナは藤岡を引っ張っていってしまった
そしてリビングに残されたマコトとチアキ
「チアキ・・・、ハルカさんやカナはなにしに行ったんだろう?」
「そんなの決まっている」
「え?」
「オカシなことに決まっているだろう!!」
「ぇえー!!何言ってるんだよチアキ!!/////」
「私だっていつまでも子供じゃない!!オカシなことぐらいもう知っている!!」
「チ、チアキ?」
「はからずもハルカ姉さまやカナがオカシなことをしているのを見てしまったこともあるんだ!!」
「チアキ?とりあえず落ち着こう!な?」
「そうだマコト」
「な、なんだよ?」
「私たちもしてみるか?」
「ぇえー!?///////」
「安心しろ、予習はハルカ姉さまやカナのを見てばっちりだ!!」
「チアキ!ストップストップ!!」
「本来なら初めては男のお前にリードしてもらいたいところだがお前は馬鹿だからな・・・・・・・、すべて私に任せるといい」
そしてチアキはマコトを押し倒した
「ちょ、チアキ?チアキーーーーーーー!!」
続く
382:まったり星人
09/04/01 23:52:25 2KNOpXxW
とりあえずここまで
本当に初めてのことなんで暖かく見守ってくれると嬉しい
ここまではエロ無しできたけど
これからはナツキ×ハルカ、藤岡×カナ、マコト×チアキの3ルートに別れて書いていこうと思う
くじけないように見守っててくれ
383:名無しさん@ピンキー
09/04/02 00:03:01 PrnGq1KE
>>382
乙!
続きを期待してるよ
384:名無しさん@ピンキー
09/04/02 01:50:19 E0JYmXh6
言えない…
>>360で書こうとか言ったけど望まれて無かったし、書こうかなと本気だったなんて…
でも実際最近ふじかなばっかり。
なんかねーかなー…面白いの…
385:名無しさん@ピンキー
09/04/02 02:25:25 E0JYmXh6
変な電波は届いたようです
トウマ「あー…アニキたちまた洗濯物そのままだし…かけっぱなしじゃダメなの…に…?」
??「…」グテッ
トウマ「…なんだあれ?デかい洗濯物?」
??「…ぅー…」ピクッ
トウマ「うおぉ!動いた!…女の子?なんで干されてんだ?」
??「うぅ…おなかすいた…」
トウマ「なっ、ちょっと待てよ、なんか持ってくるから!」
??「んむんむ…なんか変な味だね。クッキー?…でもカレーだし…」
トウマ「もうちょいマシな物があればよかったんだけど…」
??「ん。いいよ、おなかはふくらんだし、ありがとう!…ところで、お名前は?」
トウマ「へ?あ、そっかまだだっけ…トウマ。南冬馬だよ」
??「ト、ウマ…トーマ!覚えたよー。ごちそうさま、トーマ!」
トウマ「で、そっちの名前は…?」
??「ん、アタシの名前は、
インデックス
「『 禁 書 目 録 』だよ」
…なんという二番煎じッッ
386:名無しさん@ピンキー
09/04/02 04:05:18 w+6RTaTY
藤岡×マキとかどうだろう
最初純情な藤岡をからかってるつもりが次第に本気で好きになっていって
最終的にいちゃいちゃらぶらぶになるマキを希望
387:名無しさん@ピンキー
09/04/02 05:20:13 XQEjDYA8
マキ×保坂
ビバ☆ツンデレな展開に…
保坂×ハルカ
なんだかんだで一途な保坂が報われて欲しい…
388:名無しさん@ピンキー
09/04/02 06:49:49 VVRoy0P4
>>385
まさかのクロスオーバーw
冬馬「こいつから井口の声が聞こえる…っ!」とか。
389:名無しさん@ピンキー
09/04/02 06:53:39 ojQa4pgK
>>385
でもトウマはいつもビリビリの家で御飯を、、
390:名無しさん@ピンキー
09/04/02 07:58:59 YfC7hJZb
>>386
すっごくいい!普通に見たい!
マキって関係が深い相手にはかなり甘えちゃう感じだから、年上に甘えられてタジタジの藤岡とか見てみたいな
391:名無しさん@ピンキー
09/04/02 09:15:07 E0JYmXh6
>>387
一途な保坂が嫌われてほしい
に見えた
>>389
いつもビリビリの家で御坂を…
に見えた
ふじまきか…マキに大人の妖艶さってのはあまり無いなぁ。
マキの中身は「ちょっとマシなカナ」だもんなぁ…
でも面白い。ふじマキ。
392:名無しさん@ピンキー
09/04/02 11:58:10 PrnGq1KE
ここでまさかの藤岡×ヒトミちゃん
393:名無しさん@ピンキー
09/04/02 12:33:23 w+6RTaTY
まさか杉w
ヒトミは高校生組以外接点無いのがネックだな
傍観者ヒロコが2代目番長と4代目番長を対面させる・・・てな感じなら接点作れるかな?
394:名無しさん@ピンキー
09/04/02 14:45:23 o+E28jaF
アキラ×リコは誰も望んでないのか?
395:名無しさん@ピンキー
09/04/02 14:48:15 2lqq//QT
藤岡VSヒトミか
396:名無しさん@ピンキー
09/04/02 14:49:46 sDdq+rxT
どんな対決だ!?
397:名無しさん@ピンキー
09/04/02 15:20:51 E0JYmXh6
>>396
バックドロップをも至福に変える男!
未だ発展途上の未知数ポテンシャルッッ
触れ合いなら何でもいいッ
番長・藤岡ッッ!
妄想は私の固有結界!
日常会話すらコイツにかかればピロートークッ
新キャラの魅力未だ衰えずッッ!
ヒトミだァーッ!
まあたぶんドM決定戦じゃないかな?
398:名無しさん@ピンキー
09/04/02 15:31:01 sDdq+rxT
>347と>354
が、同じうp主なことについて。
引き出し多いヤシだ
399:名無しさん@ピンキー
09/04/02 17:27:55 PrnGq1KE
>>398
このスレにとっては救世主だな
400:名無しさん@ピンキー
09/04/02 23:46:29 Q2U+rlX5
不満も多かった今期アニメだが、最終回のチアキカナ姉妹愛成分強化脚色は
ちょっとグッと来てしまったことを告白せねばなるまい。
で、投下まだ?
401: ◆954/z7MI/s
09/04/03 00:35:20 yQnIk3ff
「おい、南、もう起きないと学校閉まるぞ」
誰かが自分を起こそうとしている。
「んん・・あぁ・・・よく寝た・・・」
本当によく寝た、寝過ぎて少しだるく感じるくらいだ。
肩を回して軽く背伸びをする。流石に突っ伏して寝るのは体がこるな。
と、誰かがいるのに気付く。
「・・おぉう!なんだ藤岡か」
いかんいかん、また番長にこの私の隙を見せてしまったようだ。
注意せねば・・・奴は番長、うかつに寝こけてよだれを垂らしてる所でも見られた日には
それをネタにどんな目に合うやら・・・!
と、ふと窓の外を見るとすでに日は暮れかかっているじゃないか!
「ってもうこんな時間じゃないか!急ぐぞ藤岡!」
「え?あぁ・・そうだね、早く帰ろうk」
藤岡が答える前に転がるように教室の外へ出る。
遅い!遅いぞ番長!戦いは既に始まっているのだ。
階段を駆け下り、廊下を華麗にクイックターンする。
しかし、ふと気付くと藤岡がかなり差を詰めてきている。
くっ、伊達に番長の看板を背負っている訳ではないようだ。
「南、結構暗いから走ると危ないって!」
「なんだよ、番長の癖に心配性だなぁ」
靴箱も近いことだし走るのをやめることにする、まぁどちらにしろ私の勝利は決まったようなものだしな。
それにしても、全くこの私を誰だと思っているんだ。
この学校中は私のフィールド、いわば庭みたいなもんじゃないか。
「大丈夫だって、この夏奈様の手にかかれば学校の中なんて目をつぶって後ろに歩いても・・・」
早速実演、ちょろいちょろい。
「・・・・っと!うわ!」
かかとが段差に引っかかった瞬間世界がスローモーションになる。
体が後ろへ倒れて行くのが分かる、この感覚だと・・・後頭部強打コース・・・!
頭なんて打ったら帰ってからきっと千秋に馬鹿にされる、というか無事に帰れるのか私!?
ていうかもう駄目だ!あぁ春香、千秋、先立つ不孝を許せ・・・!
402: ◆954/z7MI/s
09/04/03 00:36:32 yQnIk3ff
「南!」
・・・
・・・・・
強く閉じていた目を開ける。
痛くない、ということはこれは夢だったのか・・・!?
「・・・危なかった・・・大丈夫か南?」
藤岡の声で我に返る。
「え・・あ、あぁ・・その、うん、ありがとうな」
そうか、藤岡が助けてくれたのか。と、ここで抱きすくめられている状態なのに気付く。
顔を上げると、心配そうにのぞきこむ藤岡の顔が見える。
その瞬間、
藤岡の顔を見たその瞬間に、突然体中を電気が走った・・・ような気がした。
なんでだか知らんがこのままだとヤバい!
何がどうヤバいか説明できないがこれはヤバい!
慌てて身を離す。
「そそそうだ!今日は早く帰らなきゃいけなかったんだ!あ、ありがとうな藤岡!」
「あ、あぁ・・そうなんだ、じゃあまたあしt」
「じゃ・・じゃあな!」
返事も聞かずに走り出す。
藤岡の顔は見えない、もとい見れなかったが確実に態度を怪しまれただろう。
だけども、そんなことを考えている余裕はなかった。
顔が熱いし、心臓は全力疾走のあとみたいにやけにドキドキしている。
それに、何故か藤岡の顔をまともに見れなかった。
そんな自分をごまかすように、私は家まで全力疾走を続けていた。
403: ◆954/z7MI/s
09/04/03 00:39:24 yQnIk3ff
>>297-298
の夏奈視点っぽいのです
初SSを2本立てにするっていうのは些か無謀だったかもしれないっすね
書くの楽しかったけど疲れました
404:名無しさん@ピンキー
09/04/03 01:13:28 6st1CK9i
>>403
ニヨニヨ出来た。気づいてしまった夏奈の様子が可愛いなぁ。GJ!!
405: ◆yuRiYuRiyE
09/04/03 01:31:32 n1XenEkv
>>386
という訳で妄想してみたら原案はできた。
単発レスよかちょい短編くらいの方がいいよね?
書きためるか…
406:名無しさん@ピンキー
09/04/03 01:45:44 O6FkjgUf
>>405
おお、こんなに早くふじまきが拝めるとは!リクエストしてみるもんだ・・
せっかくなので出来ればまとめて読みたいです。ハイ。
407:名無しさん@ピンキー
09/04/03 04:26:16 Xpw4Q863
>>403
GJ!
純情カナかわええなあw
408:名無しさん@ピンキー
09/04/03 20:41:30 PW1Fg2aL
>>403
GJ!!
かにゃぁぁぁああああああ!!
***
中の人つながりで「けいおん!」を観たせいか、吉野にドジっ子属性が付いてしまった。
せっかく投下しようと思ったのに書き直しだよこの野郎orz
409:名無しさん@ピンキー
09/04/04 02:13:59 pGMDJ87Z
>>393
カナとヒトミは面識あるみたいだけどな。ていうかみなみけに遊びにきてた
410:名無しさん@ピンキー
09/04/04 12:34:34 f+Rc+22D
テポドンが落ちてくる前にハルカ×藤岡おねがい
411:名無しさん@ピンキー
09/04/04 14:40:16 26L16NYg
テポドンをマンこで受け止めるくらいのインパクトのある話キボンヌ
412:名無しさん@ピンキー
09/04/04 14:44:38 QSO/E+39
ハルカ×藤岡か…
ハルカ「……藤岡君…、ダメよ…私達ぃ…そんな…」
藤岡「大丈夫…俺にまかせてください…」
ハルカ「でも…貴方…カ、カナの事…ぁふ…ん…」
藤岡「…俺…ハルカさんの事…だから…」
ハルカ「だめ…ダメよ…そんな…ん……!ぁぁ…」
藤岡「今は…俺の……俺の事だけ見てください…」
ハルカ「藤岡君…やっ…ダメ…そこ…ぁっ…」
「…でも…でも…嬉しい……」
ガバッ!!!
ハルカ「ハァ、ハァ、ハァ…ゆ、夢…?」
「私、藤岡君とあんな事しちゃうなんて…」
「私ったらなんて夢を…これからどんな顔して会えばいいの~~~!!」
「(でも…そんなに悪い気はしなかったかな……////)」
後日
カナ「なあ、藤岡。今日ウチで夕飯食べてかないか?」
藤岡「え!?いいの?じゃあご馳走になろうかな」
カナ「いやぁ、最近ハルカが藤岡君は来ないの?ってうるさくってさぁ…」
藤岡「?」
「(チアキちゃんならともかく何でハルカさんが…?)」
こんな話誰か書いて下さいお願いします
413:名無しさん@ピンキー
09/04/04 15:00:11 7jj6ift6
もう書いとるやんけ(wwwww
414:名無しさん@ピンキー
09/04/04 21:36:56 HdChWnAZ
?
415:名無しさん@ピンキー
09/04/04 22:15:17 vPgGBKJd
的確なツッコミワロタw
416: ◆yuRiYuRiyE
09/04/05 05:06:32 0MsM5dZ5
ただいまん…
友達の家で19時半くらいからモンハンやってて今やっと帰ってきたぜ
ふじマキはちょこっとでけた。
でもどのくらい書きためたらいいのかわからないという事に気付いたのぜ。
417:名無しさん@ピンキー
09/04/05 06:53:08 rA+9HEp2
誰もいないタイミングでこっそり投下
南家猫騒動
「一体どうしたらいいんだ…」
チアキは途方に暮れていた。それは目の前の存在が原因だった。
「にゃ~ん♪」
カナである。しかし普段と様子が違う。なぜか四つん這いになり、楽しそうにチアキの足に身体を擦りつけている。まるで猫の様に…。
話は一時間程前に遡る。
その日カナとチアキは些細な事から口論になった。普段通りチアキの毒舌にカナがやり込められたのだが、カナが実力行使に訴えてるという形で終了した。
カナから逃げるように自室に引っ込んだチアキだが、どうにも腹の虫が収まらない。
「カナのやつ、馬鹿野郎のくせに~」
その時チアキは最近読んだ本の事を思い出した。
『催眠術入門 これで他人を思いのままに~小学生向け~』
これだ!カナに催眠術をかけて、懲らしめてやろう。
「カナ、さっきは済まなかった。これは詫びの印だ、食べてくれ」
「こ、これはあの店のプリンじゃないか!いいのか、食べて!?」
「もちろんだカナ、遠慮なく食べてくれ」
「いっただきま~す。…美味い!(モグモグ)~しかしチアキもようやく姉を敬い事を覚えて、私は嬉しいよ」
「(何いってるこの馬鹿野郎)ところでカナ、ちょっとこっちを見ろ」
チアキは本に書いてあった手順を実行した。プリンに油断していたためか、元々掛かりやすい性格なのか、催眠術は成功した。しかし…
「何故猫になってしまう…」
カナは催眠術をかけると同時に、何故か猫化してしまった。今も手で自分の顔をコシコシこすちっている。正に猫そのものだ。
その姿を見ているうちに、ついチアキは猫耳カチューシャと赤いリボンのついた鈴をカナに装着してしまった。
「うん、これでますます猫っぽくなった…って何してる私~!」
とにかく、早くカナを元に戻さなければ!あの本はどこに…
そこまで考えた時、チアキはあの本は図書館から借りたものだった事を思い出した。
時計をみると4:25分。今から行けばまだ間に合う!しかし…
チアキは自分の足元を見る。今のカナを一人(匹?)にするのは心配だ。かといって一緒に連れて行くのは論外である。
「ミャ~~~オ」
放っておかれるのがお気に召さないのか、チアキのフトモモに猫パンチをしているカナ。
ピンポ―ン
玄関にでると藤岡がいた
「こんにちは、チアキちゃん…って南!?」
「ニャ―ン♪」
チアキが振り向くと、カナがこちらに向かい走ってきた。四つん這いで。そして勢いのまま藤岡の胸に飛び込んできた。
「み、南?チアキちゃんこれは一体…?」
不意を突かれた藤岡は、尻餅をついたままチアキを見た。その間もカナは嬉しそうに喉を鳴らしながら、藤岡の胸元に頬をこすりつけている。
「藤岡、カナは今催眠術にかかって猫に成り切っている。私は催眠術の本を図書館から借りてくる。その間カナの事頼んだぞ」
言うが早いか早いか、チアキは外に飛び出していった。
「えぇぇぇっ!?ちょっとチアキちゃん!!」
だが無情にも扉は閉まり、藤岡はカナと二人切りとなった。
418:名無しさん@ピンキー
09/04/05 06:58:32 rA+9HEp2
すみません
残りの文章が消えてました…
登録しておいたハズなんだが…
後半書き直したら改めて投下させて下さい
スレ汚しすまない
419:名無しさん@ピンキー
09/04/05 07:58:02 R/RoBDyr
おいおい
猫になったカナをほっとく気かよw
早くなんとかしろ!
千秋も藤岡も俺も困る
420:名無しさん@ピンキー
09/04/05 09:02:02 hxSviMrZ
準備が悪いのと文章がヘタなのはガマンするとしても、
せめて改行ぐらいはちゃんとしようぜ。
421:名無しさん@ピンキー
09/04/05 11:04:03 rA+9HEp2
ご迷惑おかけしました
417の続き
チッ・チッ・チッ・チッ…
普段気にもしない時計の秒針の音がやけに響く。
藤岡は極度の緊張状態に置かれていた。
南家のリビング。何度も訪れ居心地の良い場所である。しかし今日に限っては違う様だ。
「にゃう~ん♪」
先程からカナが、藤岡に密着しようと後ろから前から、飛び付いてけようとしているのだ。
どうやら藤岡の匂いが気に入ったようで、やたらに身体を擦りつけてくる。
カナの柔らかな肉体が腕に、背中に、胡座をかいているふとももに押し付けられ、藤岡の理性のダムは決壊寸前であった。
このままでは…俺の方が持たない!
「み、南、もう少し離れてくれないか?俺はどこにもいかないから」
藤岡は意を決して、カナの両腕を掴んで引き離した。
「にゃっ!?」
最初カナは驚いた様だったが、すぐに不満げな表情になり抵抗を始めた。
「ふ――っ!」
「南、駄目だったら!」
それでも藤岡が腕の力を緩めないでいると、不安気な表情になってきた。
「みゅう…」(藤岡怒っちゃった…)
「!」
我慢だ、ここは南のためにもここは我慢だ!
さらにカナは悲しそうな表情で見つめてくる。
「みゃう…?」(わたしの事キライになっちゃったのかな…?)
「!!」
幻聴だ!俺は自分の都合のいい幻聴を聞いているだけだ!!
その時、藤岡はカナの瞳に涙が浮かんでいるのに気付いた。
想いを寄せている女の子のこんな表情を見せられ、冷静でいられる男子はそうはいない。
「南!!」
「にゃっ!?」
気付いた時にはカナを抱きしめていた。強く、そして壊れ物を扱うかの様に優しく…。
カナは最初驚いた様だったが、やがて満足気な表情を浮かべ藤岡の胸元に顔を押し付けた。
「俺、南の事…たとえ猫のままだとしても、南の事好きだから…」
突然、カナは藤岡を床に押し倒した。
不意を突かれた藤岡は何がおきたかわからなかった。
「南?…!!」
カナは藤岡の上に馬乗りになると、両手を胸元這わせだした。
その瞳は潤み、ペロリと上唇を舐める様が妙になまめかしい。
「ちょ…南!?」
混乱する藤岡の頭で複数の情報が展開された。
近所の人が言ってた。
春になったせいか毎晩近所の猫が騒がしくて…
まぁ恋の季節だからねぇ…
南は今猫に成り切っている。
これはつまりその…は、発jょ…!!
「み南落ち着いて!こういうのはまだ早いと思うんだそそうだねこじゃらし!あれで遊ぼう!あ―!制服のボタン外さないで!!」
結局この直後、本を借りてきたチアキにより救出され、カナも元に戻ったわけだが…
「藤岡、私はもう少し遅く戻ってきた方がよかったか?」
「そそんな事ないよ。ところで南は猫だった時の記憶は本当にないの?」
「ああ、そのはずだが」
最近私はおかしい。藤岡の近くにいると…いや藤岡の匂いを嗅ぐと、顔が熱くなってくる。
一体、私はどうしてしまったんだろう…
終わり
422:名無しさん@ピンキー
09/04/05 11:10:22 rA+9HEp2
>>420
不手際と駄文でご不快にさせたようで申し訳ありません
もう少し推敲してから投下すべきでした。
改めてお詫び申し上げます
423:名無しさん@ピンキー
09/04/05 14:03:34 A27Sl7mw
>>422
わびるこたーない
文章は改良の余地があるかもだけど改行は大して気にならないよ。とりあえず次回作に期待
424:ぬしかさ
09/04/05 19:42:56 uLt7YQij
SS書き上げたんで、ちょっと見直ししたのち投下するよ
425:ぬしかさ
09/04/05 20:39:25 uLt7YQij
「大きい」
今日も南家にはたくさんの人が集まっている。
しかし、普段なら騒がしいはずのリビングは静まり返っており、マキ、アツコ、夏奈、内田、千秋の順で、それぞれ緊張した面持ちで鎮座していた。
「それでは諸君、これより第6回どうしたら彼氏ができるか会議をはじめるぞ」
「はいっ、カナちゃん」
内田が手をあげる。
「どうした内田」
「第5回の会議の内容は何だったっけ?」
「おまえにはもう王子さまは迎えにこないから、参加しなくていいよ!」
「やだー!見捨てないでー!」
「で、前回は何を話したんだ?」
「過去の経験はとても貴重なものだけど、今は振り返る必要ないよ」
「おまえも忘れたんだろ!」
「カナちゃん、チアキちゃん、まずは落ち着こうか」
「おおっ、マキちゃんなんか気合い入ってるね」
一段と落ち着いているマキに、全員が注目する。
場が再び静まり返ったのを確認し、マキは口を開いた。
「今日話し合うことは、我々・・・いや、全世界の女性にとって、非常に重要なことになるだろうから・・・」
「それは、いったい・・・」
「我々が話し合うこと、それは・・・『胸』についてよ!」
『胸っ!!』
胸という言葉に、夏奈と千秋と内田は強く反応した。
「胸は女性の最大の象徴。胸を制するものには彼氏が出来る!って言うじゃない」
「マキちゃん、その言葉要出典ね」
「はいっ、質問です」
また内田が手を上げた。
「どうしたら胸を大きくできるんですか?!」
「む・・・」
内田の質問を聞くと、マキは眉間にシワを寄せて黙り込んでしまった。
「内田、おまえは勘違いをしているね」
「え?」
「この会議はね、どうしたら胸が大きくなるのかをマキ先生が教えてくれる、というものではないんだよ」
そこまで言い、一呼吸置く。
「この会議はね、どうしたら胸が大きくなるのかマキ先生もわからないから、みんなで話し合って胸を大きくする秘訣を考え出そうと企画されたものなんだよ!!」
「そ、そうだったんだ・・・てっきり教えてもらえるんだと思ってた・・・」
「楽して胸は大きくなるもんじゃないんだよ!」
「まったく、くだらない。なにが胸を大きくするための秘訣だ」
「おおう?」
千秋は嘲笑を浮かべてながら、バカにしたような口ぶりで喋り始めた。
「胸は身長と同じで、時間を掛けて少しずつ大きくなっていくものなんだ。いきなり大きくできるような秘訣があるわけ無いだろう」
「秘訣が無いと決めつけたら、そこで何もかもおしまいじゃないかっ」
「無いものは無いんだよ、あるんなら今すぐ教えてほしいものだよ」
千秋の無いという主張に、夏奈はやれやれといった感じのリアクションをとった。
「まったく、夢と希望がないヤツだな。そんなだからおまえの胸は膨らまないんだよ」
「夢と希望があれば膨らむとでも?」
「そうだ!夢と希望を持つからこそ、人類は様々な挑戦をして、多くの失敗を重ねながらも、確かな結果を手に入れてここまで進化してきたんだ!」
「人類の進化の話に胸は関係あるのか?」
「夢と希望を持って挑めば、胸もきっと膨らむって言いたいの!そうじゃないとマキちゃんが可哀想だろ!」
「は?」
突然自分の名前が出てきたことに、マキはキョトンとしてしまった。
426:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:41:00 uLt7YQij
「チアキ、おまえは胸は身長と同じと言った。だがマキちゃんは私達よりも長く生きてるのにっ・・・ううう」
さすがにそれ以上は言えないようで、夏奈は嘆き悲しむような表情で口を噤んだ。
「ハルカとアツコちゃんに挟まれ、毎日比べられていると思うと、一刻も早く胸を大きくする秘訣を見つけ出してあげたくなって―」
「こらーーー!それは失礼じゃないかなー!」
これ以上気にしていることを言わせまいと、夏奈の言葉をマキが止めに入った。
「そうだったんだ・・・」
「悪かったよ。そんな理由があるとは思わなくて・・・」
だが、止めに入るのが遅かったらしく、すでに内田と千秋は哀れみの瞳でマキを見つめてしまっていた。
「これはほらっ、個人差よ個人差!人それぞれで成長する時期とスピードが違うからさ!ねっ、アツコっ」
マキの誘導によって、夏奈、内田、千秋の視線がアツコに集中する。
「え?あ、えっと・・・」
これまでまったく会話に参加していなかったアツコは、何をどう答えればいいのか分からなかった。
「マキちゃん、アツコちゃんに聞いても、アツコちゃんは答えられないと思うよ」
悩んでいるアツコを、正確にはアツコの胸を凝視しながら、夏奈が喋り始める。
「胸も身長も順調過ぎるほど育っているアツコちゃんには、元から胸のことの悩みなんて無いんだよ!」
「た、確かに!そうだよね・・・」
マキは夏奈の仮説に納得すると、アツコの胸を凝視し始めた。
「改めて考えてみると、この個人差はどうなんだろうねー・・・」
ツンッ
「きゃっ」
マキから左胸をつつかれ、アツコは小さな悲鳴を上げる。
「本っ当だよねー。なんだか理不尽だよねー・・・」
ツンツンッ
「いやっ」
夏奈から右胸をつつかれ、また小さな悲鳴を上げてしまう。
「そしてこの大きさに違わぬ質量!」
マキはアツコの左胸を、手に乗せる形で持ち上げた。
「やっ、やめてよマキ・・・」
「これはまさか、バレーボールより重いかも!」
「うう・・・」
涙目で訴えても、マキは止めようとしない。
夏奈もまだ右胸をつついている。
アツコの正面に座っていた内田は、テーブルから身を乗り出してまで、アツコの胸を興味津々な目で観察していた。
(チアキちゃん、止めさせて・・・)
ツッコミの千秋に最後の希望を託す。
「・・・はぁ、いいんだよ、私はまだ成長期に入ったばかりなんだから」
千秋は自分の胸とアツコの胸を見比べながら、なにやら言い訳じみたことを呟いている。
どうやらマキ達を止める気はないらしい。
(どうしよう・・・)
まだマキ達はアツコの胸にちょっかいを出している。
このままじゃちょっかいがどんどんエスカレートしていき、最悪脱がされるかもしれない。
「もう止めてーー!」
とうとう我慢できなくなり、アツコはマキと夏奈の間から逃げ出した。
「おっと、逃がさーん!」
リビングから抜け出そうとしたアツコのスカートを、マキは握り締めて引っ張った。
「きゃぁっ!」
腰を強く引っ張られて、アツコがバランスを崩す。
427:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:42:09 uLt7YQij
バリッ
不吉な音がしたのち、アツコは倒れ込んでしまった。
「いたた・・・。ひどいよ、マキ・・・え?」
倒れたまま、アツコはマキの方を振り向くと、マキは『やっちゃった!』っとした表情でこちらを見ていた。
その手には、アツコのスカートを握り締めたままになっている。
「あっ・・・」
そしてアツコは、自分のスカートが膝まで脱げてしまっていることに気づいた。
「あ・・・あああ・・・」
どんどん顔を赤くしていくアツコ。
ガラガラガラッ
「みんなお待たせー」
その時、リビングの戸を開けて、春香がおやつを運んできた。
「あら、どうしたのみんな?」
「ハルカぁ~!!」
とうとう泣いてしまったアツコは、春香にすがりつき、その背中に隠れる。
「アツコっ、どうしたのその格好!?」
「うぅ~~・・・」
「マキ、その手に持ってるのは誰のスカート?」
「いやっ、これは男を落とす訓練をしててっ」
「ごまかさないの!!」
こうしてマキ達に春香の雷が飛ぶこととなった。
「ホックが曲がってるわね。でもこれくらいならすぐ直せそう」
「ごめんね、ハルカ・・・」
「気にしなくていいよ、アツコ」
「うん・・・」
スカートの壊れた部分を直すため、アツコと春香の二人は、春香の部屋へと場所を移していた。
春香はスカートの修理をし、アツコは借りたバスタオルを腰に巻いて、修理してくれている春香を見つめていた。
(ハルカは優しいし、何でもできるし、男子に人気あるんだろうな)
春香の横顔を眺めながら、ふとそんなことを思ってしまう。
(もしハルカが男子だったら、私好きになっちゃってたかも・・・)
「よし、うまく直った。はい、アツコ」
「・・・・・・」
「アツコ?」
「え!?あ、うん。ありがとう・・・」
我に返り、慌ててスカートを受け取る。
「もしかして、ちゃんと直ってなかった?」
「ううんっ、元通りになってるよ」
少し確認したのち、アツコは直ったスカートをはいた。
ホックはしっかりと引っ掛かっており、外れて脱げる心配はないようだった。
「じゃあ、向こうに戻ろうか」
「うん」
リビングに戻る春香に、アツコは付いていく。
(私ったら、なんて変なこと考えたんだろ)
春香の背中を追いながら、アツコは先ほどのことを忘れようと頭を振った。
428:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:43:51 uLt7YQij
リビングからは、胸と彼氏が出来ることの関係について話し合っている声が漏れていた。
スカートを修理している時に来たのか、マキ達の他に吉野と冬馬の声も聞こえてくる。
「今戻ったら、またイタズラされちゃいそうね」
「そうだね・・・」
「買い物に行こうか。帰ってくる頃には話し合いも終わってるだろうし」
「うん」
そして二人は、夕飯の材料の買い物をしに、外へと出掛けていった。
春香とアツコがマンションから出ると、藤岡がこちらに向かって歩いて来ているのが見えた。
「あ、ハルカさん。こんにちは」
「藤岡くん、こんにちは。ウチに行こうとしてたの?」
「はい、そうですけど」
「そう。あ、でも今は行かないほうがいいかも」
「何かあるんですか?」
「うん・・・、女の子同士で話し合いしてるからね、今藤岡くんが行っても居心地が悪くなるかなーって思ってね」
胸のことを話し合っているとはさすがに言えない。
「そうなんですか。じゃあ時間を潰さないといけないや」
どう時間を潰そうかと、藤岡は考え込み始める。
「ハルカ、そろそろ行こうか」
「そうね。今日は何が安売りかしら?」
「買い物に行くんですか?それなら手伝わせてください」
春香達が買い物に行くと知った藤岡は、手伝いを申し出た。
「そう?今日はお客さんが多いから助かるわ」
「はい、荷物持ちでも何でも任せて下さい!」
こうして買い物メンバーに、新たに藤岡が加わることとなった。
(藤岡くんっていい子だなぁ。優しくて頼りがいがあるし)
春香と話している藤岡を見ながら、アツコはそう考えた。
(少しハルカと雰囲気が似てるかも・・・って、私また変なこと考えてる)
春香と藤岡の後ろで、アツコは調子の変な自分に対して溜め息をつくのだった。
三人はマンションの近くにあるショッピングセンターへとやって来た。
今日は割引セールを実施していたらしく、ショッピングセンターはたくさんの人で賑わっていた。
「あ、お肉も魚も安い。今日はハンバーグを作ろうかな。明日の朝は魚を使って・・・」
「ハルカ、このカゴもう入らないよ」
「新しいカゴ持ってきましたー」
安さに惹かれて、春香はたくさんの食材をカゴに入れていった。
そしてその結果、藤岡の両手が塞がり、春香とアツコもそれぞれ一つずつ大型の買い物袋をぶら下げるほどの食材を買い込んでしまった。
「ごめんね藤岡くん、重いでしょ?」
「いつも体動かしてますから、これくらい平気ですよ」
「あ、ハルカあれ」
アツコが指差したのは女性用衣類の売り場。
食料品だけではなく、衣類も割引がなされているようで、普段より安い金額の値札が貼られていた。
「へぇ、あれいいわね。ちょっと見ていこうか」
「うん」
衣類売り場へと誘われる春香とアツコは、季節を先取りした新商品の数々に目を奪われていた。
429:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:45:16 uLt7YQij
「あ、これ可愛い」
アツコは新商品の列に掛かっていた一つのブラウスを手に取った。
「うーん・・・サイズ合うかな?」
「試着してみる?」
「そうだね、じゃあ試着してみようかな」
試着室の前へとやって来た三人。
「ちょっと待っててね」
アツコは試着室に入り、カーテンを閉めた。
「ハルカさん、今何時くらいですか?」
「えーっと・・・四時半ね。帰ったら早速夕飯の準備しなくちゃ」
「今日はハンバーグを作るんでしたよね」
「ええ、そうよ。材料もひき肉と食パンと玉ねぎと・・・」
「玉ねぎ?野菜売り場の方行きましたっけ?」
「え?買ってなかったけ・・・」
買ったかどうか不安になり、買い物袋の中を確認してみる。
肉と魚とお菓子、その他調味料などはあるのだが、当の玉ねぎが見当たらなかった。
「いけないっ、買ってなかった!教えてくれてありがとう藤岡くんっ」
「俺がここで荷物見てますから」
「うん、ちょっと玉ねぎ買ってくるね。あとにんじんも」
春香は食料品売り場へと再び向かい、藤岡は一人試着室の前で荷物番をすることとなった。
試着室の中では、アツコがブラウスを試着してサイズを確認していた。
「うん、合ってる。これ買おうっと」
ブラウスを脱ぎ、元の服に着替え直そうとする。
その時、鏡に映る自分の姿に目が止まった。
「・・・大きい・・・のかな?」
ブラに覆われた自分の胸を見て考え込む。
(ガタイがいいって速水先輩に言われたことがあるし、マキも大きいって言ってたし・・・)
胸が大きい人には、大きい故に生じる悩みがある。
胸が大きくなれば、ブラも新調しなければならない。
目立つようになれば男子の目線が気になりもする。
挙句の果てには「君は私たちの身体のアイドル!」と言って触ってくる同級生や先輩まで増える始末。
(はぁ・・・どうすればいいんだろう)
増える一方の悩み事に、がっくりとうなだれるアツコ。
(ハルカに聞いてもらったら、少しは解決するかな・・・)
430:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:46:28 uLt7YQij
試着室を背にして、藤岡は買い物に行った春香と、試着いているアツコのことを待っていた。
『ねえ、ハルカ・・・』
「ん?」
試着室の中から聞こえてきた声に気づき、藤岡は少しだけ振り向いた。
『私の胸って、大きい方なのかな?』
「えぇっ!?」
思わず大きな声を出しそうになり、慌てて自分の口を塞ぐ藤岡。
(ハルカさんがいると思って話し掛けてるのか!いけないっ、ハルカさんはいないって伝えないと!)
『この前下着を買いに行った時、今使ってるサイズの物じゃキツいですよって、店員さんにワンサイズ上のブラ薦められちゃってさ・・・』
(うわーっ、伝えるタイミング逃した気がする!どうするっ、どこか移動しようにも荷物置きっぱなしじゃマズいし・・・)
「今日もマキ達に大きいって言われてね。気にしなければいいんだろうけど、言われると気になってさ・・・」
服を着替え直しながら、カーテンの向こうにいるはずの春香に、アツコは悩みを打ち明けていく。
「ハルカはどうしたほうがいいって思う?」
着替え終わり、カーテンの方を振り返る。
「・・・ハルカ?」
カーテンの向こうにいるはずの春香の返事がない。
「どうかしたの、ハルカ?」
アツコはカーテンを開けて、外に顔を出した。
「あれ?」
外には春香の姿はなく、耳を塞いでこちらに背中を向けている藤岡しかいなかった。
「・・・えっ!?」
春香だと思い込んで、藤岡に悩みを打ち明けてしまったことに気づき、アツコは固まった。
藤岡は耳を塞いではいるが、この近距離ではアツコの声を完全に遮断することは無理だったようだ。
その証拠に、背中から僅かに見える藤岡の顔は、真っ赤に染まっていた。
「お待たせー」
場の空気が完全に固まった時、玉ねぎとにんじんを買ってきた春香が戻ってきた。
赤く染まり始めた空の下、南家へと帰路につく三人。
「ねえ、アツコ?」
「うぅ~・・・・・・」
春香は右手側のアツコに話し掛けるが、アツコは顔を伏せたままで返事をしない。
「藤岡くん?」
「はぁ・・・・・・」
左手側の藤岡にも話し掛けるが、こちらも顔を伏せたままで返事をしなかった。
「いったい何があったの?」
春香の疑問は、結局解消されることはなかったのであった。
おしまい
431:名無しさん@ピンキー
09/04/05 20:50:25 bp6qULuk
リアルタイムでGJ!
ま、まさか続きが無いなんて言わないよな……?
432:名無しさん@ピンキー
09/04/05 21:46:36 o/TkSySX
GJ!!
アツコ×ハルカ的な流れかと思ったら待望のアツコ×藤岡とは!
是非続きを書いてほしいな
433:名無しさん@ピンキー
09/04/05 22:17:19 uLt7YQij
続きは未定だけど書くかも
もう一つ陵辱系のSSも書いたんだが、こっちは明日投下しようと思う
434:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:11:00 DrYPhYTo
「体温」
暗く長い廊下を、必死に駆け抜けていく女性がいた。
時折、元来た廊下を振り返り、得体の知れない何かが追ってきていないかを確認しながら。
長い廊下を抜け、螺旋階段を駆け下り、扉を押し開けながら、逃げるように走り続ける。
やがて、体力の限界が来たのか、女性は立ち止まってしまった。
胸を押さえ、荒くなった呼吸を整えながら、今いる場所を確認する。
壁には数多くの絵画が飾られ、天井には豪華な装飾とシャンデリアのある大広間だ。
ふと女性は後ろを振り返るが、その視線の先には誰もいなかった。
逃げ切れた、助かった・・・。
そう思ったのか、女性は大きく息を吐き出す。
大きな落雷が落ち、薄暗い大広間が一瞬明るくなる。
その時、女性は見てしまった。
窓から入ってきた落雷の光の中に、人の影があったのを。
見上げると、天井付近の大窓が開いており、その窓枠に人が立っていた。
漆黒の衣服とマントを身にまとった長身の男。
綺麗に整った顔に、死者のように白い肌。
男は女性を見下ろし、冷たく、そして美しく微笑む。
すると微笑んだ口から、長く鋭利な犬歯が姿を現した。
女性は悲鳴を上げる間もなかった。
なぜなら男は、微笑みを見せたその直後、女性との距離を一瞬のうちに埋めて、その無防備な喉元に噛みついていたのだから。
噛みつかれた女性は抵抗することもできず、体を痙攣させ、声なき声を口から漏らすしかなかった。
そんな女性の体を強く抱き寄せ、男はより深く牙を突き刺していく。
首から流れ落ちる鮮血。
やがて女性の体痙攣は静まり、息をすることもなくなった。
存分に血を飲んだ男は、もう脈のない女性の喉元から口を離す。
口元と牙に残る血を舌で舐めとり、男は先ほどとは違う、満足げな笑みを浮かべたのだった。
「あーあ、最後の一人もやられちゃったよ」
頬杖をつきながら、夏奈は呑気な言葉を口にする。
毎週金曜に放送されている洋画劇場を、夏奈は春香と二人で観ていた。
吸血鬼の存在を信じない若者たちが、曰く付きの洋館に行き、そこで出くわした吸血鬼に次々と狩られていくという内容の、二時間弱ほどの長さの映画だ。
「んん~っ、もうこんな時間かー」
本来なら九時の放送であったが、その前の野球中継が延長となり、見終わった頃には時計の針は十二時前を指していた。
「こういう映画って、幽霊とか信じない奴は必ずやられちゃうよな」
「・・・・・・」
「ハルカ?」
返事がない。
春香は眉間にシワを寄せ、スタッフロールの流れるテレビ画面をずっと凝視していた。
435:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:11:43 DrYPhYTo
「おーい?」
「えっ、なに?!」
「いや、映画の話で・・・」
「え、ええ、そうよねっ。吸血鬼なんているわけないよね!」
「いや、吸血鬼のほうじゃなくて・・・」
「いるわけないっ、いるわけない・・・」
自分に言い聞かせるように、いるわけないと何度も口にしている。
「なぁハルカ、もしかして怖いの?」
「・・・何が?」
「吸血鬼」
「まさか!!」
「そうなの?」
「もちろんよ!」
「ホントに?やっぱり怖いんじゃないの」
「怖くない!カナ、吸血鬼は昔の人が造った物語の架空の生き物なのよ!」
「確かにそうだね」
「現実に居もしないものを怖がる必要なんてないの!もちろん私も怖がってない!」
「へぇー」
「ただ、あれよ・・・。もし吸血鬼が夢に出てきたらビックリして、大切な睡眠が駄目になっちゃうでしょ。だから、その・・・もうこの話はおしまい!いいわね?」
(それって、夢に出てほしくないほど吸血鬼が怖いってことじゃないの?)
さすがにそれを言ったら怒られるだろうから、口にはしなかった。
「あ、もうこんな時間か。じゃあハルカの大好きな吸血鬼さんが現れないうちに寝ちゃおっかなー」
「カナ!!」
「おやすみーっ」
春香の雷が落ちる前に、夏奈は自分の部屋へと逃げてしまった。
「もう、カナったら・・・」
春香は溜め息をついたのち、テレビのリモコンを手に取った。
洋画劇場が終わり、夜のニュース番組が流れるテレビの電源を切り、春香も寝るためにリビングを後にする。
「・・・もちろん怖いに決まってるじゃない。あんな牙で血を吸いにくるんだから」
夏奈の前では強がって見せたが、やはり春香は吸血鬼が苦手であった。
姉として、怖がる素振りを妹に見せるわけにはいけないと、怖くないフリをしてしまった。
そのせいで、現在春香は吸血鬼のことを凄く意識してしまっている。
「はぁ、夢に出てきちゃうかも・・・」
再び溜め息をつきながら、春香も寝るために自分の部屋へと入っていった。
「んんっ・・・」
外は暗く、街はまだ寝静まっている時間帯に春香は目を覚ました。
「・・・まだ二時半」
何か夢を見た気がするが、どんな夢だったかは全然思い出せない。
いや、思い出さない方がいいだろう。
もしかしたら怖い夢だったかもしれないから。
「トイレ・・・そう言えば行ってなかったなぁ」
あの後トイレに行かず、すぐに寝てしまったためか、強い尿意を感じる。
春香はベッドから起き上がり、トイレへと向かった。
436:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:12:32 DrYPhYTo
暗い廊下をやや緊張しながら歩いていく春香。
慣れた場所でも明かり無しでは危ない、という理由もあるが・・・。
「なんであんな映画観た日に限って目覚めちゃうんだろ・・・」
やはり映画の影響で、いろいろと余計なことに敏感になっていた。
幽霊やら宇宙人やら、怖いも番組やらを観た日は、急に暗闇が怖く感じたりしてしまうものだ。
「いないいない、吸血鬼なんて・・・」
何も出ないことを祈りながら、トイレへと足を進める。
ガタッ・・・
「!?」
何かが揺れた音に、春香はビクッと驚いた。
ガタッ・・・
リビングの方から音がしている。
「なに・・・?」
リビングの引き戸へと慎重に進んでみる。
ガタッ・・・
引き戸の前まで来てみると、戸が風で動いて音を出していた。
「そうだ、電気だけ消して、戸締まりはちゃんとやってなかった・・・」
もしかしたらベランダの窓のロックをしていなかったかもしれない。
・・・いや、待て。
確かリビングを出る前に振り返った時は、ベランダの窓は閉めてあったはず。
ロックしてなかったとはいえ、勝手に開くものでもない。
「まさか・・・泥棒!」
全身に緊張が走る。
とにかく、まずは確かめてみなくては・・・。
「よし・・・」
春香は引き戸に手をかけると、ゆっくりと音が出ないように開けていった。
リビングも暗くはあったが、ベランダから入る月明かりのおかげで、ある程度見渡すことができた。
(誰もいない・・・?)
リビングの入口前から覗き見た限りでは、人がいるようには見えなかった。
だが、月明かりの届いていない影や、入口からの死角に潜んでいるかもしれない。
(よし・・・!)
意を決した春香は、息を殺しながらリビングへと入っていった。
リビングは、春香以外に人の気配は無かった。
ただ、ベランダ側のカーテンが風でゆらゆらと揺れていた。
(やっぱり誰かが入ってきてる!)
音を立てないように、壁の照明のスイッチに手を伸ばして動かした。
パチッ
天井の蛍光灯が光り、リビングを明るくする。
「・・・あら?」
リビングは寝る前と何一つ変わらない状態であった。
無くなっているものもなく、荒らされた形跡もない。
ただ、ベランダ側の窓が開けきったままになっているだけ・・・。
437:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:13:26 DrYPhYTo
「もう逃げ出したのかも・・・」
一応一通り部屋の中を確認してみる。
棚の引き出しの中は荒らされてはいない。
家具や小物はいつもの位置にあり、動かされた形跡はない。
「変ね、何か盗まれたわけでもないのに」
今度はベランダを覗いてみる。
別に誰も壁に張り付いて身を潜めてはいなかった。
外も見回してみたが、このマンションから遠ざかっていく影は見当たらない。
「はぁ・・・きっと開けっ放しにして寝ちゃったんだわ」
いくら怖い映画を観たから早く寝てしまいたいと思っても、戸締まりはちゃんと確認しなくちゃ、と春香は反省した。
「それにしても・・・」
春香は夜空を見上げる。
夜空には雲一つなく、満月だけが浮かんでいた。
「綺麗な月・・・」
しばらくの間、春香は月をぼうっと見上げていた。
「・・・くしゅんっ」
夜風に当たったためか、小さくくしゃみをしてしまう。
「いけないいけない、もう土曜で休日だからって、夜更かししてちゃ・・・」
少し身震いしながら、部屋へ戻ろうとした、その時・・・
パチッ
「えっ?」
突然リビングの照明が消え、辺りが真っ暗になった。
「うそっ、なんで消えたの?!」
テーブルに躓きそうになりながらも、壁のスイッチの所まで走る。
スイッチに触れてみると、OFFの状態になっていた。
ここには春香一人しかいないはずなのに、誰かが電気を消したのだ。
「なんでこんなことが・・・」
スイッチをONにし、再びリビングを明るくする。
「綺麗な月ね」
「!!」
知らない声に、春香の心臓が大きく鼓動した。
すぐさま振り返ると、さっきまで春香がいたベランダに、見知らぬ女性が立っていた。
真っ白で、膝まで届くくらいの長さの髪を夜風に揺らしながら、月を眺めている。
「こんばんは、お嬢さん」
女性は春香の方を向き、挨拶をする。
よくできた人形のような、生きている人間なのかと疑問を抱くほどの美貌。
その微笑みは、女神のように神々しくもあれば、悪魔のように妖艶でもあるように感じた。
「あ・・・あなた、誰なの・・・」
だが春香が最も大きく感じ取ったのは、得体の知れない恐怖であった。
「僅かに開いていた窓から微かな匂いを感じ取って来てみれば、こんな素晴らしい子に出会えるなんて・・・」
「え・・・?」
「あなたに会えたことは偶然?それとも運命かしら?」
女性は名乗ることもなく、一方的に話を進めていく。
「うふふ・・・もっと近くに」
「な、なにを・・・うっ」
女性は春香へと近づいていく。
春香は後退りしようとするが、後ろは壁であった。
リビングの出入り口は春香の左手の方にある。
「どうして逃げるの?」
「きゃっ」
出入り口の方へ春香は走り出そうとしたが、その前に女性が春香の右手を捕まえてしまっていた。
438:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:14:19 DrYPhYTo
「いやっ、離してっ」
春香は逃れようと暴れ、まだ押さえられていない左手を振りまわす。
ガツッ
振りまわした左手の甲が女性の頬に当たった。
「んん・・・」
女性は口に指を入れると、中から白いものを取り出した。
その取り出したものは、血が付いた奥歯であった。
「元気なのはよしとして、これじゃ生え変わるまでしばらく不便だわ」
抜けた奥歯を投げ捨てると、春香の左手も取り押さえてしまった。
「ひっ!」
とうとう抵抗ができなくなってしまう春香。
「さあ、歯の分もきっちり味あわせてもらうわよ」
そう言って、女性は鋭い目つきで春香の目を睨みつけた。
「あっ・・・あ・・・・・・」
女性の目を見た途端に、春香は体を動かすどころか、声すら出せなくなる。
女性が捕まえていた両手を解放すると、ずるずると背中を壁で引きずりながら、春香は座り込んでしまった。
恐怖か、それとも暗示でもかけられたのか、春香は身を震わすこと以外何もできなくなってしまった。
「まだ男と交わったことのない、純粋な乙女の血・・・」
女性は春香の首筋に触れ、脈打つ場所を確かめるように撫でる。
「でも、それだけじゃ物足りない」
そう言って、女性は不適な笑みを浮かべた。
「私が欲しいのは、綺麗で・・・熱い血なの」
首筋を撫でていた手を、ゆっくり胸の方へと移動させていく。
「興奮と性欲で煮えたぎるほどに熱くなった血が欲しいのよ」
女性の手が、春香の胸を持ち上げるように揉んだ。
「あっ・・・」
体は言うことを聞かないというのに、胸を揉まれたことには敏感に反応してしまっている。
「やっ・・・そんな・・・」
「ふふふ」
女性は胸を揉んでいた手を離し、今度はその手の五本指を、春香のパジャマの胸元に引っ掛ける
そしてその五本指を引っ掻くように横に動かした。
ピリッ
布地の切れる音と共に、パジャマの胸元に5つのスリットが出来上がる。
「あっ・・・」
「まずはここから」
女性はパジャマにできたスリットに手をかける。
ビリッ ビリリッ
切れ切れになったパジャマは簡単に破れ、双方の乳房が露わとなる。
「いやぁっ・・・」
女性の両手が乳房を鷲掴みにし、揉みながら何度も大きく回していく。
「はぁっ、あっ・・・」
何ともいえない刺激が春香の全身を駆け巡る。
徐々に荒くなる呼吸。
それと同時に、春香の乳首が勃起をしだす。
「そう、それでいいのよ」
女性は勃起した乳首をつまみ、乳房と共に強くマッサージしていく。
「あっ、んっ、うんっ!」
目を潤ませながらも、懸命に堪えようとする春香。
だが思うように体を動かせない状態では、それも長くは続かなかった。
439:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:15:05 DrYPhYTo
「ううっ、うあ・・・」
自身の股間付近に変化が表れたことに気づく。
そのことを女性に感づかれないようにと、春香は股を力を込めて閉じようとした。
「そこが気になるのかしら?」
女性は春香の僅かな行動も見逃さなかった。
すぐさま股間の変化に気づかれてしまった。
乳房を揉むのを止め、女性の手は春香の両足を掴んだ。
「やっ、そこはだめっ!」
両足を動かされ、どんどん股を開かされていく。
閉じようと力を入れれば、女性はそれ以上の力で股を開いていく。
「さあ、次はここね」
十分に股を開くと、女性は春香の股間に手を押し付ける。
春香の股間は熱を帯びていた。
「熱くなってるわね。でももっと熱くしなくちゃ」
ズボンの股間付近の縫い目に、女性は人差し指の爪を当てる。
ピリピリッ
女性の爪は刃物のように鋭くなっているのか、ズボンの縫い目を容易く切り裂いた。
ズボンの縦にできた切れ目をひろげると、白いパンツで覆われた春香の股間が姿を表した。
「しっとりと湿ってるわよ」
「いやぁ・・・見ないで・・・」
「あら、こんなのは初めて?あなたは自慰すらやったこともないのかしら」
「止めて・・・もういや・・・」
「じゃあこれは初めての経験になるのね」
「やっ、いやっ!!」
春香の拒否を無視して、女性はパンツに指を当てる。
湿った布地を指で押し込むと、パンツ中央に筋が浮かび上がった。
「ひっ・・・!」
自分の知らない感覚と、確かに伝わってくる感触。
恐怖感と陵辱感に満たされた春香の心に、新たに性的快感が加わる。
それらの感覚により、春香の思考は麻痺し始めていた。
「はぁっ・・・ああんっ!」
そして春香は、もう逃げることも、耐えることも止め、女性の行為に身をゆだね、喘ぎ悶えることしかできなくなってしまった。
「それでいいのよ。あなたは快楽を受け入れて、その身を熱く保ち続けていればいいの」
春香の体が熱くなっていくのを喜びながら、女性は春香の陰部を刺激し続ける。
春香のパンツはぐっしょりと濡れ、肌に密着した所が透けてしまっていた。
指とパンツの間を春香の液が糸を引き、その糸が切れては、滴となって垂れ落ちる。
「まだかしら、それとももう少し?」
女性は春香の陰部に覆い被さる布地をめくった。
布地の下から、綺麗なピンク色をした割れ目が表れる。
その割れ目から液がこぼれ、尻を伝わって床へと流れ落ちていた。
「絶頂はもうずくだわ」
女性は陰部の状態を確認すると、パンツの間に指を入れ、直に春香の陰部を刺激しだす。
「あっ・・・あぁっ・・・あんっ!」
女性は割れ目を弄り、クリトリスを揺さぶり、時折膣へと指を入れ込む。
そのたびに春香は甘い喘ぎ声を上げ、ビクビクと体を痙攣させる。
「絶頂の瞬間こそが、私の望む血を味わえる時・・・」
乳首を舌で舐めまわしながら、陰唇を広げては、膣内に何本も指をいれて掻き回していく。
「はっ・・・あっ・・・ああ!」
ひたすら与えられ続ける刺激に、春香の喘ぎ声がどんどん大きくなりだしてきた。
「ああっ・・・あああぁっ!!」
そして、春香は一際大きな声を上げた。
440:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:15:49 DrYPhYTo
「来た!」
女性の待ち望んでいた時が訪れたのだ。
春香の首筋へと、女性は大きく開いた口から表れた牙を勢いよく突き立てた。
牙が春香の首の皮を貫き、深く侵入する。
「うっ!?」
激痛によって、春香の混濁していた思考が蘇る。
そして、自分が今何をされているのかを、やっと理解することができた。
「ああ・・・いやっ・・・」
首筋に付けられた傷から流れ出る血を女性が飲んでいる。
先ほどまで与えられていた快楽も、全身から発せられていた熱も、血と共に吸収されていくように消えていく。
そして、快楽と熱が消えていったのちに、忘れ去っていたはずの恐怖が、再び心の奥底から浮かび上がってくる。
「あ・・・あ・・・・・・」
今私は、実際しないと思っていた吸血鬼に血を奪われている・・・
首を噛まれた痛みは想像以上に痛い・・・
本当に、あの時観た映画のワンシーンとそっくり・・・
そういえば、映画の登場人物は全員吸血鬼に噛まれて・・・
血を奪われ、死んだ・・・。
「い・・・やぁ・・・・・・」
死を思い浮かべた刹那、春香の頭の中は真っ白になった。
死という最高位の恐怖が、思考を停止させる
そして肉体の制御も妨げられ、全身の力が抜けていく。
血と体温が奪われていく中、春香の股間から熱い液体が放出される。
放出された液体は、切り裂かれたズボンを濡らし、白かったパンツを琥珀色に染めながら、床に水たまりとなって広がっていった。
消えゆく意識の中、妹たちの顔が脳裏をよぎっていく。
「チアキ・・・カ・・・ナ・・・・・・」
その大切な二人の名前を呼んだ末に、春香は意識を失ってしまった。
441:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:16:26 DrYPhYTo
『・・・ハルカ・・・』
「ハルカ、ハールーカっ」
「う・・・ん・・・」
「ハルカっ、いつまで寝てるんだよっ」
夏奈に揺さぶられて、春香は目を覚ました。
「カナ・・・?」
「とっくに朝ご飯の時間過ぎちゃってるぞ!お腹減ったよ~!」
「ああ・・・ごめんね、カナ。うう・・・」
春香は重い体をなんとか動かし、ゆっくりと起き上がらせる。
その動きは、顔色が悪いのも相まってか、まるで病人のようだった。
「どうしたんだ、風邪でもひいたのか?」
夏奈は春香の額に手を当てた。
「冷たっ!いったいどうしたんだよ!?」
「ごめん、もうちょっとだけ休ませて・・・きっとすぐ良くなるから・・・」
「ホントに?病院行かなくていい?」
「大丈夫よ・・・多分・・・」
「そう・・・。あ、お粥でも作ってくるから、ちょっと待ってて」
春香のために、夏奈はお粥を作りにいった。
「はぁ・・・どうしちゃったんだろう、私・・・」
部屋に一人っきりとなった春香は、窓の外を眺めて重く溜め息をついた。
ふと、首元が気になり、近くに置いてあった手鏡で確かめてみる。
「・・・・・・」
首には怪我をした形跡も無いし、ゴミも何も付いてはいない。
どうやら気のせいだったようだ。
「そういえば、何か夢を見た気がする・・・」
だが、夢の内容が全然思い出せない。
いや、思い出さない方がいいだろう。
もしかしたら、怖い夢だったかもしれないから。
「えーっと、簡単レシピ本は・・・」
夏奈は台所に行く前に、料理本探しにリビングへと来ていた。
「あったあった!」
本棚から目的のものを取り出す。
「よーし、じゃあさっそく・・・いたっ!」
リビングを出ようとした時、何かを足の裏で踏んでしまい、思わず飛び上がってしまった。
「もーっ、なんだよ!」
踏んでしまった白い何かを拾い上げる。
「なんだ、歯か?」
夏奈が拾い上げたのは、人間の歯であった。
「チアキか内田の乳歯でも抜けたのか。こんな所に捨てるんじゃないよ、まったく!」
ふとベランダの方を見てみると、丁度良く窓が開けっ放しになっている。
「そーーっれ!!」
そして、夏奈は拾った歯を外に向かって思いっきり投げたのであった。
おしまい
442:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:22:30 tfjlO6qO
GJ!
あんな夢見ておねしょとかしてないか気になるw
443:名無しさん@ピンキー
09/04/06 00:29:34 DrYPhYTo
おねしょは書こうと思った
でも終わらせ方がややこしくなるなーって思ったから切ったんだ
444:名無しさん@ピンキー
09/04/06 01:31:43 Tm0EVey4
チアキとカナが先に吸血鬼になっていて、ハルカは迷うが結局
妹達と同族になるのを選ぶというオチじゃなきゃいやん。
445:名無しさん@ピンキー
09/04/06 01:49:12 nmRET+dC
>>441
GJ!!
>>444
さぁ、急いで書いて投下するんだ。
過度な期待をして待ってるぜw
446:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:36:22 7VUWDs/O
何これすげー進んでる…しかもマキいる…
間違いないッッ
ふじマキ、封印の刻ッ!
ほとぼりが覚めるまで絶対投下しない…そう心に決めて、アニメ版ブラクラを見進めるのであった。
447:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:49:33 3QXGskCR
藤岡と千秋が可愛すぎるので思わず投下
448:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:49:45 3QXGskCR
「ハルカ姉さま」
読んでいた本からつと顔を上げ、千秋がいつもの指定席、藤岡の膝の上から訊ねる。
「どうしたの?千秋」
テレビから顔を向けて春香が答えた。
そんな姉に末妹は質問を投げかけた。
「ハルカ姉さまが、彼氏に希望する条件って何ですか」
瞬間、南家の居間の空気が一瞬凍りつく。
「やっぱり!なんといっても第一にまずカッコいいことだな。そして―」
「お前には聞いてないよ馬鹿野郎」
ぬいぐるみのふじおかが夏奈のアゴにヒット。
「そ、そうね。顔とかは別に…そんなには気にしないわね。やっぱり誠実でウソをつかないことかしら」
「そうですか」
「……」
小学生なのにそんなこと考えるのか、と藤岡はちっちゃい妹みたいに思ってた千秋の意外な一面に戸惑っていたりする。
(そういえば南、カッコイイ以外の条件はなんだったんだろ)
そんな思案に耽っていた藤岡は、次なる膝の上からの爆弾発言に本当に息を呑んだ。
「じゃあ、私は藤岡を彼氏にします」
と、すこしだけ嬉しそうな顔の千秋。
「「「ええええええっ?」」」
「ちょ、ちょっと、千秋ちゃん?」
「そうかー、千秋は藤岡みたいな男が好みだったのかー」
「・・・・って、千秋はまだ小学生なんだしまだ早いっていうか!」
三者三様の反応にも動じない千秋。
「藤岡はウソをつかないし、顔もキライじゃないです」
そう言うと、藤岡の膝の上でくるりと身体を反転させてその胸元にふわふわの髪の頭を押し付ける。
「うはー、ラブラブじゃん! よかったなあ藤岡」
「…ち、千秋ちゃん?」
「なんだ?」
そういいながら藤岡を見上げる千秋。
青みがかかった白目のなかの真ん丸い鳶色の瞳が藤岡を至近距離から見つめている。
「藤岡。わたしじゃダメなのか?」
藤岡の目には、その瞳の淵にはうっすらと涙が浮いているようにも見える。
ふるふると震える小さな女の子。妹みたいに思ってた子が、悲しそうに自分を見つめている。
そんな子に冷たい言葉を投げかけられないのが藤岡のいいところというか人のよすぎるところであり。
「いや、ダメじゃないよ!…いや、ダメじゃないっていうか、その、そ、そうじゃなくて、まだ!
まだ千秋ちゃんは小学生なんだし、まだ早いっていうか!」
しどろもどろになりながらなにやら致命的なところまで踏み込んでいることに気づかない藤岡。
449:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:49:54 3QXGskCR
「まだ……うん。……じゃあまだ彼女にはしてくれなくてもいいよ。とりあえずは妹ってことで」
「あ、うん、そうだ。そうだね。妹で」
藤岡がそう口にすると千秋は口元をへにゃっと嬉しそうに歪める。
「なんだよー千秋ー、お前わたしの妹じゃないのかよー」
「うるさい馬鹿野郎」
そう言いながらも嬉しそうな千秋。
「……」
「で、わたしが中学生になったら彼女にしてくれるのか?」
その言葉に姉二人は相次いでツッコミを入れる。
「それはま、まだ早いぞッ! 千秋ッ!」
「そうよ。中学生だなんてまだ早いわ」
「そうだそうだ。彼女とか彼氏とかいうのは高校生になってからだ!」
なぜだかそう力説する千秋。その言葉に眉を一瞬だけぴくりとさせる春香。
「……だそうだからしばらくは妹でいい」
「そ、そうだね」
「何年かして私に初潮がきてもっと女らしい体になったら藤岡も私のみりょくにグっとくるに違いないよ」
「そ、そうだね」
「藤岡はハルカ姉さまみたいなスタイルのいい女の子は好みか?」
「あ、う、うん。もちろんだよ」
「私もハルカ姉さまの妹だからきっと高校生になるころにはハルカ姉さまみたいな曲線美を手に入れているに違いないよ」
「そ、そうだね」
「そのときにはもう彼女だからおかしな事をしてもいいよ」
「なっ」「えっ?」「千秋ちゃん?!」
「…へへへ」
そう微笑みながら藤岡の胸に顔を埋める千秋。
実際にはわずかその二年後に当時の春香を上回るナイスバディになってしまい
藤岡がその魅力に抗しきれなくなるのは、また、別のお話
つづかない
450:名無しさん@ピンキー
09/04/06 02:58:47 pcE2qMvz
>>449
夜中だってのにGJ!
若干ませてる千秋がかわえぇ
451:小ネタ 保坂愛してるぜ
09/04/06 03:02:26 9AriNdbh
「あんなきもちわるい男のどこがいいのよ!?」
そうマキは言う。
私だけが知ってるのよ――なんて言ってはやらないけど。
教えてあげるもんか。
そう、教えてあげない。
いつだって一生懸命で。
だれよりも私のことを見ていてくれて。
姉じゃなく、友達じゃなく、後輩じゃなく、「女の子」として好きになってくれて。
空回りばかりだったけど、ずっと想い続けてくれて。
――それを、私の瞳を見つめ、いつも自信たっぷりな貴方が、
ガチガチに緊張しながら伝えてくれて。
――愛している、と言ってくれて。
こんな幸せなことが他にあるだろうか。
だから、マキには教えてあげない。
私が独り占めしてやるんだから。
でもそれじゃ可哀相だから、一つだけ教えてあげる。
「私は幸せだからいいのっ!」
ほら、今日も私を呼ぶ声が聞こえる。
「南ハルカ!俺と一緒に暖かい家庭へと帰ろうじゃないか!」
ふふふ。また汗かいてますよ。
そう、こんな何気ないひとコマにも幸せを感じちゃってるなんて、
絶対に、教えてあげないんだから!
452: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:13:01 7VUWDs/O
宣言したら気持ちが揺らぐよね。
できたとこまで投下しよう。
マキ「んー…あったかーい…」ゴロゴロ
ハルカ「もう、マキったら…そんなカナみたいなこと…」
カナ「いやハルカ、ここは日当たりがよくていーい感じにあったかいんだ」ゴロゴロ
マキ「そーだそーだー。だからここで寝転がるのはもはや人間の義務なのよー」ゴロゴロ
ハルカ「んもう…カナ、準備しないと藤岡君来ちゃうわよ?」
カナ「んー…別に特に準備ってしなくてもよくないか?」
マキ「ねねねーカナちゃん。藤岡君って誰?」
カナ「あー、ウチの番長だよ」
マキ「ふーん…じゃハルカの後輩かぁ」
ハルカ「マキ、それはどういう意味かしら?」
453: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:13:59 7VUWDs/O
ピンポーン
藤岡「お邪魔しまーす…」
カナ「おう藤岡。ゆっくりするがいい。お前も寝転がるか?」
藤岡「い、いいよ…」
マキ「やー」ズビシッ
藤岡「え?や、やー…?…はじめまして」
マキ「ん。藤岡君だっけ?カナちゃんと同じクラスなの?」
藤岡「あ、はい…そうですけど…」
カナ「こちらはマキちゃんだ。ハルカのお友達だ」
マキ「んむ。よろしく頼むよ」ズビシッ
藤岡「は、はぁ。よろしくお願いします…」
454: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:14:59 7VUWDs/O
カナ「さて、藤岡。コタツを囲んでる訳だが。みかん食べるか?」
藤岡「あ、うん…ありがとう南…」
マキ「(ふーん…なるほど…よしからかおう…)」モゾモゾ
藤岡「っ?み、南?」
カナ「ん?なんだ藤岡」
藤岡「い、いや、なんでもないよ…」
マキ「(おー困ってる困ってる…結構楽しいなぁ)」
藤岡「あ、あの、顔に何か付いてますか…?そんな見られても…」
マキ「いや、そのみかんがおいしそうかなと」
藤岡「あ、食べます…?」
マキ「ん、ならいただこうかな。あーん」
藤岡「ふえっ!?あ、あの…はいどうぞ…」スッ
マキ「あむっ」パクッ
藤岡「あぁぁあの、ゆゆっ、指食べないでください…」
マキ「細かいことは気にしないのー」
マキ「(やばい面白い…もう少しいじらせてもらうか…)」
455: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:15:58 7VUWDs/O
カナ「…さて…よし、私はちょっと飲み物取ってくるよ」
マキ「だってさー藤岡君。待ってよっか」
藤岡「あ、はい、わかりました…」
マキ「…ね、ちょっと…」コソコソ
藤岡「へ…?」
マキ「これね…私の電話番号。今日帰ったら、かけてきてくれないかな?」コソコソ
藤岡「えっ、えぇ!?」
マキ「静かにっ…じゃ、よろしくねっ」スッ
カナ「ただいまぁ。…ん、どうかしたのか?何かあった?」
マキ「いやいや、特に何も無かったよ?ねっ藤岡君?」
藤岡「あっ、えっと…うん、特に何も無かったよ」
カナ「そうかそうか。ならいいや。ところでそろそろ夕飯だけど、マキちゃんはどうする?」
マキ「あー…ごちそうになるのも悪いし、今日はそろそろ帰ろうかな」
藤岡「あ、俺も帰らないと…また今度ごちそうになるよ」
カナ「そっかー。じゃ気をつけてねー」
マキ「ん。じゃーねっ、また今度ー」
藤岡「また学校でね。じゃお邪魔しましたー」バタン
マキ「さて…じゃ、よろしく頼むよ?じゃねー」スタスタ
藤岡「は、はい…わかりました…なんだろう…?」
第1部 完
456: ◆yuRiYuRiyE
09/04/06 03:19:42 7VUWDs/O
タイトル考えてなかった…ふじマキにしたら、後続のふじマキSSに迷惑だしどうしたものか
まあ適当にお頼み申し上げまする。
457:名無しさん@ピンキー
09/04/06 04:28:22 2UMT+sjw
>>446
最後一行に突っ込みたい
458:名無しさん@ピンキー
09/04/06 09:08:40 8n3c/Iuz
どうにも、ポニョの歌が脳内リピート
459:名無しさん@ピンキー
09/04/06 09:48:09 HuYOVm/B
>>456
ふじまきGJ!!!
続き期待して待ってる!
460:名無しさん@ピンキー
09/04/06 10:32:26 9qTIYDCq
GJだけど小ネタもふじまきももう少し投下のタイミング考えたら?
461:名無しさん@ピンキー
09/04/06 11:49:30 zfY4Aixv
たしかに読む側としてはまとめて読めてありがたいけど、
投下間隔が短いとGJとか感想レスしづらいねぇ
462:名無しさん@ピンキー
09/04/06 12:56:03 WHrFOqKm
贅沢な悩みともいえるな
463:449(千秋×藤岡スキー)
09/04/06 17:55:58 Tq4Q70Pw
>460
気を使ってくれてありが㌧
小ネタだからそんな気にしてないっす
でも引き続き感想やGJの声は受け付けてるんだぜw
464:名無しさん@ピンキー
09/04/07 00:26:12 GXms60cf
他人が投下すると、間髪入れずに自分も投下する奴ってのは、投下に刺激されて
急いで書いたのか、溜めてあったのを投下する勇気がでたのか、どういう理由なんだろう
ねえ? そういうの多いよね。
自分はそれでいいんだろうが、前に書いた人に対する感想とかのレスが付きづらくなるだ
ろうし、ある程度待ってから投下するぐらい気を使うべきだとは思う。
465: ◆yuRiYuRiyE
09/04/07 00:37:33 g6Uz8V5C
>>473
書き上げて、投下しようかなーと思ってスレを覗いたら書かれてるのを見て、
あーまた今度にしようかな…
と思ったがそうするといつになるかわからない、が、楽しみにしてる人もいるかもしれない。
と思って投下した、が
今思えば軽率で誰も幸せにならない真似だった。
全く。申し訳ないとしか言いようが無い。
466:名無しさん@ピンキー
09/04/07 01:02:57 TOqokUfI
ねちねち嫌味な言い方せんと次から気をつけてねでいいじゃないか
467:名無しさん@ピンキー
09/04/07 02:37:53 t0tb8fIm
次があるといいなあ。
468:名無しさん@ピンキー
09/04/07 08:24:05 PKBXXmJx
まあ俺ならもう投下しないな
469:名無しさん@ピンキー
09/04/07 08:52:05 i+26RHxD
遅レスだけど、おねしょしたバージョンもみたい
470:名無しさん@ピンキー
09/04/07 19:29:31 Clk+E2W8
他人の作品の三次創作とか可?
触発されて書いてみたいネタがあるのだが
471:名無しさん@ピンキー
09/04/07 19:55:03 QXRIF5Pc
似たようなシチュでも書き手が違えば印象違うしいいんでない?
丸パクリとかでなければだけど
472:名無しさん@ピンキー
09/04/07 20:13:15 3S0emMXx
どの三次かwktkしてる
473:名無しさん@ピンキー
09/04/07 20:19:34 w+wSppjt
小ネタだから色々混じっているんだけどね。
単に設定を少し借りようとか思っているだけ。 三次制作というのは言い過ぎた。
474:いつぞやの海産物の人
09/04/07 21:05:58 w+wSppjt
先に言っておく。>>434を見て受信してしまった電波なんだ。
みなみけ以外の創作も混じっているパラレルなので、ここで宣言しておく
475:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:07:25 w+wSppjt
君は知っているだろうか、人を襲う悪鬼のことを。
君は見ただろうか、魔を掃う支配者の存在を。
それは確かに存在していた。 闇の中に一人佇む、夜の女王が。
「やっぱりここにもいたのね」
深夜の公園で一人の赤い髪の女が言い放つ。
髪の色に劣らぬ深く、鈍い輝きを放つ隻眼、そこに映るのは一つの異形。
筋骨隆々のその体、角ばった耳と獣のような牙に爪。
ところどころ腐敗した肉体、その全てが人外の存在だと証明していた。
何故か四角の眼鏡をつけていて、九州弁を発しているが女は特に気にする様子もない。
「さぁどぅするのかしら~?」
おどけるような女の声が響く。
声の発信源は女の胸元についている白い蝙蝠だ。
「決まっているわ、このまま倒す」
宣言した瞬間彼女は手を突き出す。
一つ一つの指からは、異形に劣らぬ鋭い爪を生やしていた。
「OK。 じゃあキバっていくわよ~ウェイクアップ!」
それは夜の法を侵した不届き者への裁きの言葉。
吸血姫、ドラキュリーナである女王の死刑宣告。
アイアンクローフロムキッチン解放のキーワード。
女の掌が赤色に輝き出す。
それを見た異形は逃げ出そうとするがもう遅い。
夜の闇を紅のラインで染め上げながら、女王は異形に掴みかかった。
『おかわりのオラが黒歴史なんて認めねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』
異形は奇声を発することしかできず、視界は全て紅に塗りつぶされていく。
頭部を失った肉体は灰となって風に解け、彼がこの世界に存在していたという証は全て消え去ってしまった。
476:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:08:46 w+wSppjt
「朝、ほら朝だよ起きて」
「うぅん・・・・・・」
眠け眼を擦りながら、少女はベッドから起き上がる。
彼女の頭上を旋回している小さくて白い蝙蝠はキバーラという。
とある事情で彼女とともに住むことになった仕事仲間だ。
「昨晩大変だったのはわかるけど妹達にご飯作ってあげるんでしょ? 早く起きなきゃ」
少女の名前は南春香。 1ヶ月前吸血鬼に襲われ、自身も吸血鬼となってしまった者だ。
その体質故か、人の時よりも朝に弱くなってしまっている。
ただ彼女の場合はそれだけではない。
吸血鬼となった人間は己の吸血衝動を抑える代わりに様々な欲望に昇華してしまうことがある。
ある者は暴力に訴えて目に映るもの全ての破壊を望み、とある者は色欲を操作できずに性欲を持て余しすぎて目に映る人間全ての交尾を望み、実行する。
それらを止めるために日夜戦い続けているのが南春香とキバーラであるのだ。
「それはそうだけど後5分だけ・・・・・・」
「だ~め。 アンタは一人になるとすぐに怠け出すだからせめてもうちょっと」
枕にしがみ付く春香を引き離さんとキバーラが彼女の髪を引っ張る。
痛みに耐え切れなかったのか、春香は観念してベッドから起き上がった。
「ご飯よー」
「最近朝遅いなハルカ。 腹が減ったぞ」
「おいバカ野郎、ハルカ姉さまは連日お疲れで大変なんだ。 だから文句言ってんじゃない」
机を挟んで少女達の談笑の声が聞こえる。
彼女達の平穏はこれからも続いていくものなのだろうか。
その答えはまだわからないけれど、今は守ってみせることだけを信じて春香の戦いは続いていく。
吸血鬼という化け物の被害はもう自分だけで十分なのだから。
※以下PR
「エエェィィメンンンンンッッ!!!」
次々と襲い掛かる刺客!
「全ての吸血鬼を浄化した俺は南ハルカとあんなことやこんなことをするというわけだ」
(気持ち悪い)新しい仲間!
477:>>434「体温」で受信した吸血鬼ネタ
09/04/07 21:09:52 w+wSppjt
「チアキ、どうしてあなたが・・・・・・」
「それはこっちに台詞です! 姉さまが・・・・・・姉さまが吸血鬼だったなんて!」
受け入れられず、道を違える姉妹!
「カ、カナちゃん、それじゃあまさか・・・・・・」
「ああそのまさかだ。 ハルカは正義の美少女吸血鬼だったのだよ!」
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / /
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /
./__ ー7 /、 l '゙ ヽ/ ,. '" \`ー--- ",.::く、
/;;;''"  ̄ ̄ ──/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
藤岡 マコト ナツキ
明かされていく正体!
変わらない日常に新しい風巻き起こせ!
劇場版ナイトライダーハルカ~アスリード城の王~、20009年春に公開開始!
同時上映「カナの夏休み」もよろしくな!
478:いつぞやの海産物の人
09/04/07 21:11:11 w+wSppjt
うん投下終了。
「体温」の人は不愉快になったらごめんなさい。
今度はちゃんとしたエロ書いてくることにする。
479:名無しさん@ピンキー
09/04/07 21:47:27 lmDa91MF
さすがにスレ違いすぎなのではないかと。
480:名無しさん@ピンキー
09/04/07 22:35:20 9sGfH+tj
頭が爆発しそうになった
481:恋って男女愛の一歩手前だよね
09/04/08 00:37:31 Yb1zVxCb
「み、南。 ちょっといいかな?」
「別にいいけど・・・・・・」
居間を覗いたら、藤岡が深刻な表情で妹である夏奈に話をしようとしているではないか。
藤岡の顔は耳まで赤く染まっており、ぎこちない仕草で会話を始めようとしている。
今日はチアキは林間学校で家を空けており、学年を同じくする内田達はもちろん己の学友達も家にはいない。
よってこの家にいるのはキッチンで茶菓子の用意をしていた自分と藤岡と夏奈のみである。
他人にはあまり聞かれたくない重要な話がするならば、今の状況はうってつけというわけだ。
そんな中、藤岡の手に握られていたのは二つのチケット。
誰からみても彼がデートの申し込みをしようとしているのがわかるだろう。
(お茶菓子はもうちょっと後でもいいわね)
今この二人の間に足を踏み入れるのは、妹の恋を見守る姉としても気が引けた。
それにしても夏奈はこの状況を理解しているのだろうか。
否、中々話を切り出せない藤岡に対し、頭に疑問符を浮かべているだけの彼女はどう見ても己に起こっている状況を把握できているようには思えない。
仕方ないなと思いつつもここは去ることにする。
南春香は恋というものを知らない。
漫画、ドラマ、小説、様々な媒体で形式的に学んだことがあるが、
それでも彼女に恋というものを理解するには至らなかった。
ただ、こんなシチュエーションなら人は人を好きになったり、特別な感情が芽生える、精々そんな程度。
居間での藤岡と夏奈のシチュエーションもこれらから得たものに過ぎない。
「私もそろそろ恋愛とかしたほうがいいかなぁ・・・・・・」
キッチンに菓子を置いて自室まで戻った春香は椅子に腰掛けて、本棚から一冊の本を取り出す。
今巷で話題になっている恋愛小説。 クラスでも話題になっていたからつい買ってしまった。
栞を取り出してページをめくり、そこから新たに読書を進める。
書かれている情景はちょうど、不治の病にかかった女性が青年にプロポーズを受けたシーンだ。
「告白かぁ・・・・・・」
はっきり言って彼女自身に恋人を作るというチャンス自体はいくらでもあった。
中学では幾多の少年にプロポーズを送られたし、高校生である今でもたまに告白されることがある。
だが彼女は答える気にはならなかったのだ。
恋というものは本当に好きになったもの同士でなければならない。
ファーストキスはその人のためにとっておきたい。
このような読み物を読んでいるとそのような欲求が湧いてくる。
できればこの本の女性のように胸がときめくような男性から告白を受けたいのだが。
「でも流石にこんな恋愛はないよね」
そもそも重病にかかること自体非常に稀なことなのである。
更にそんな状況で同い年ぐらいの青年と気が合って恋愛にまで発展してしまうなんて世界でも一握りであろう。
つり橋効果かな? そんな現実的な思考をしてしまった自分に思わず溜息がでる。
そういえば夏奈が「王子様なんて架空の生き物なんだよ」とか言っていたな。
自分や妹達の友人が、時々恋愛にについて熱く語っていたことを思い出す。
「・・・・・・ちょっとマキに聞いてみようかな?」
色恋沙汰を話し始める人物は自分の友人の一人、マキだ。
たまに子供にはまだ早いことを話し出していて、それをよく止めてはいるものの、恋愛に関しての知識は確実に自分よりもあるだろう。
興味がないと言えば嘘になる。
いっそのこと聞いてしまおうか・・・・・・