女の子と二人きりになってしまった 4回目at EROPARO
女の子と二人きりになってしまった 4回目 - 暇つぶし2ch184:名無しさん@ピンキー
09/08/27 19:43:32 A89JirnJ
「肝試しと託けて、あいつら俺をからかってるんだな」
 戻ったら文句の一つでも言ってやろうか。悪気がないのは分かっているが。
 と、外に出ようとした俺の袖を、鶴田が引っ張る。
「……」
 状況に似合わず、表情が真面目だった。暗がりの中、その視線に惹きつけられる。

「戻ろうか」
 しかし、戻らないと首を振る。そして俯く。
「どうした?」
 予測はつく。変に俺から離れようとしないのは、そういうこと。
 仕方がないな―と思いながらも、心中は嬉しいような、妙な気分だった。

 暗い中で、互いに温度を確認する。なるべく、触れる部分が多くなるように、近付く。
 細い体を軽く抱いてやると、ふうっと気持ち良さそうに息を漏らす。
「鶴田は神経が図太いんだな。こんな場所で、俺に求愛か」
 ぶんぶんと首を振って否定する。短い髪が首元を擽る。
「緋、乃」

「緋乃?」
 肯定の代わりに、安心したような溜息。
 名前で呼んでほしかったようだ。全く、甘えるなと。人前で、素が出たらどうするんだ。
「ボス…愛してます」
 で、俺はボスなんだね? ま、良いよ。

 ゆっくり口づけを交わすと、いつの間に覚えたのか、唇で食んでくる。
 生徒に手を出すのはタブー。だが、ここまで順調に来てしまうと、後戻りは出来ないんだな。
 惹かれた俺が悪い。責任を感じて彼女の保護者にも、面と向かって「お付き合いをさせてほしい」と申し入れた。
 両親は亡くなられていて、今は彼女の祖母が面倒を見ているのだが、意外にも受け入れてもらえた。
 まあ、大っぴらにはし辛い関係なので、今はこんな状態だが……。

 しなやかな体にも、女らしさを感じる。少し、頭の内まで熱くなった。
 体を離すと、頭を撫でてやる。今はここまで。これ以上は、大人になってから―とそう約束していた。
 真っ暗で表情はよく見えないが、息遣いはどことなく物足りなさげに感じた。
 本当は俺も、こんな状況だ。理性のたがが緩んでしまわないか不安。けれども―。
「俺も緋乃のこと、愛している」

 帰り道。俺は右手、彼女は左手に懐中電灯。そしてもう片方の手を繋いで、歩く。
 お宮を出てすぐ、やっぱり怖いと言って寄り添われた。すぐに演技だと分かったが、何も言わない。
 彼女なりの、愛情表現なんだろう。二人きりの今、少しでも俺に甘えたいと。
 そんな彼女が、俺もまた好きだ。普段は見せない表情を、独り占め出来る幸せを噛み締めて―。
 薄気味悪くも思える夜の山道を、幸せそうに歩く緋乃。しっかりと、握られた手。

 肝試しは終わった。まあ何だ、他のペアも割と必要以上に楽しんでたようだ。
 ただ不純な動機だとか、野暮なことは口にしない。代わりに明日はみっちり扱いてやる。
「おやすみなさい、ボス」
 他の女子と一緒に手を振る緋乃。付かず離れず、それでも温かく接してくれる仲間がいる。
「おう、おやすみ。お前ら、夜更かしするなよ?」

 俺も早めに床に就き、明日に備える。きっと明日も、今日以上に疲れる日のはず。
 それでも、眠る前にもう一度、緋乃のことを思い出す。
 ―何か、改めて照れ臭く感じる俺は、成人していてもまだ心は大人じゃないのかもしれない。
 腹の上に手を置くと、彼女の握った左手にそっと右手を添えて、目を閉じる。
 今日はきっと、良い夢が見られそうだ。


おしまい
好きなシチュエーションのスレなので、もっと盛り上がってほしいな…


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch