女の子と二人きりになってしまった 4回目at EROPARO
女の子と二人きりになってしまった 4回目 - 暇つぶし2ch109:名無しさん@ピンキー
09/04/28 21:11:28 lXQKV8eR
いい学校妖怪じゃあないか。
愛子ちゃんなら納得できる。うん、そうに違いあるまい。

110:名無しさん@ピンキー
09/04/29 00:01:33 gisoYQt0
>>109
その妄想をぜひ過疎ってる椎名スレで(ry

111:名無しさん@ピンキー
09/04/29 22:33:18 T7ZSNAGi
保守

112:名無しさん@ピンキー
09/04/30 21:54:45 P+Dy6QG0
金の力で困ってる女の子を助けてあげたい 3話目スレで
いいかんじのふたりっきり なSSがあって、堪能した。
たまに良作にであえたりするから たまらない。

誘導しているワケじゃないが、住民がかぶっていないか確認したい。

113:名無しさん@ピンキー
09/05/02 22:16:41 ODzmQUW9
圧縮回避保守

114:名無しさん@ピンキー
09/05/03 00:28:11 Kw+RbB22
>>17-21 ほしのうみ

まだ少し肌寒い五月上旬の真夜中。
ここ数日続いている好天のお陰で、今日も空一面に天の川が広がっていた。

「陽菜さん。すごい天の川ですね。此処なら光害もあまり関係ないみたいだ」
「ええ……綺麗……」

陽菜と呼ばれた女性、彼女は愛車のアスカが故障してしまった為に、幼馴染で酒飲み仲間の健次郎に助けを求めた。
健次郎が到着したのはそれから二時間後。仕事で愛用している4tローダーで急行してきた。
故障した愛車をローダーに載せ、ふと見あげた夜空、それがとても綺麗だった。
…流石に五月だけあって、まだ肌寒い。身震いと共に、くしゃみが出てしまった。

「陽菜さん、寒くないですか?ローダーに毛布が積んであるんで、持って来ましょうか?」
「え、ええ…大丈夫」

大丈夫とは言ったものの、正直体の調子は良くない。
寧ろ風邪の初期症状が出始めている。

私はたまに、町の夜景がよく見える高台へ行く事があった。
大抵仕事で叱られたり、嫌な事があった時の気分転換なのだが。
そして今日も、そのつもりだった。
だが、愛車が故障してしまった。色々考えた挙句、健次郎に連絡した。

「…ねえ、健次郎さん」
「はい?」
「私、たまにこの上の展望台で街の夜景を見ているんです」
「なるほど。確かに此処の景色は昼夜を問わず最高ですからね。…あっ!」

一瞬瞬く流星。
本当に一瞬。しかし赤く力強く、音も聞えるような非常に大きなものだった。

「……」

一瞬の沈黙が私達を包み込む。
私は願掛けをし損ねてしまった。…健次郎は?

「健次郎さん?…何か願い事し損ねたの?」
「…いや、むしろ出来ました」
「?」

「こんな時に言って良いか判りませんが、はっきり言います。陽菜さん、俺と付き合ってください!」

「……!?」

吃驚仰天。心臓が5秒ほど止まったかのように感じたのは久々だ。
…でも、健次郎なら……。

私達の間には昔からの腐れ縁が有る。物心ついたときから幼馴染だから。
だから、私は「はい!」と、快諾した。


正直お題に繋げられているかちょっと疑問だが、保守代わりに書いてみた
あと全然エロく無くてごめんな

115:名無しさん@ピンキー
09/05/03 22:10:28 TdxoryXf
>>114
GJ!

116:名無しさん@ピンキー
09/05/10 23:36:24 Ga3Dzy9j
保守

117:名無しさん@ピンキー
09/05/12 12:09:42 3g8NZZad
2人きりにならないといけないのか
最初から2人きりでいいのか

118:名無しさん@ピンキー
09/05/12 20:28:00 dgZsrn0A
もちろんどっちもいいよ!

119:名無しさん@ピンキー
09/05/20 00:39:12 x0Q9WwF+
>>117
2人きりならどんな状況でもおk

120:名無しさん@ピンキー
09/05/20 18:01:09 lj+OwE4m
もっと栄えろ

121:名無しさん@ピンキー
09/05/21 07:34:35 cSwHdYKY
女の子と二人きりになるドキドキ感を味わいたい

122:名無しさん@ピンキー
09/05/29 00:00:13 AKV2IJOs
ほしゅ

123:名無しさん@ピンキー
09/05/29 19:17:53 926h/Y6t
保守

124:名無しさん@ピンキー
09/05/30 19:24:00 smsdwU4J
【国際・仏】おっぱいに触りたくて性転換した(元)男性が後悔して自殺する
スレリンク(news2板)

125:名無しさん@ピンキー
09/05/31 17:45:03 VNaNfFwC
えええええええええw

126:名無しさん@ピンキー
09/06/05 15:19:53 9fpSqE1w


127:名無しさん@ピンキー
09/06/07 10:59:45 hXn5nR8l


128:名無しさん@ピンキー
09/06/07 21:22:06 ZSTalRFf


129:名無しさん@ピンキー
09/06/07 21:22:24 TkDoJT19


130:名無しさん@ピンキー
09/06/08 15:28:24 Dyaq8b/B


131:名無しさん@ピンキー
09/06/08 20:13:50 hnFJGoID


132:名無しさん@ピンキー
09/06/08 21:01:43 4hQthjsT


133:名無しさん@ピンキー
09/06/08 21:10:24 jjA1Or/b


134:名無しさん@ピンキー
09/06/08 21:43:25 4WoW6oVe


135:名無しさん@ピンキー
09/06/08 21:44:34 TbogeH/U


136:名無しさん@ピンキー
09/06/09 21:16:51 8h3wKvOi


137:名無しさん@ピンキー
09/06/09 21:34:57 cq38tIoY


138:名無しさん@ピンキー
09/06/09 21:56:41 iKTLPEFx


139:名無しさん@ピンキー
09/06/09 22:01:00 17t/j9I7
空気の読める俺マジ最強

140:名無しさん@ピンキー
09/06/10 22:25:10 9jQwGcAo
「ヤァヤァヤァ、シャチョサンオゲンキ?」
見知らぬ外人の男が片言の日本語で声をかけてきやがった
しかし何でこいつらは決まったように「社長」などと呼ぶんだ?
「アナタトモダチ、イイハナシモッテキタヨ。
タッタコレダケデ、イッショウオンナノコヒトリキリ。オッパイサワリホーダイネ
ドウ? ヤラナイカ?」
指三本突き出して言ってきやがった。
しかも日本語間違ってやがる。二人きりだろ。
つーか、一生って身売りか?人身売買かよw
まあ30万ならホントに買っても(飼ってもか?)いいけどよw
とりあえずOKしてみるかw
「オーウ、シャチョサンエロイネ。ジャアサッソク、エイッ」
ぐふぅっ!



…あれ?えーと、何が…
うわっ、マッパの不細工な女が目の前に…って、あれ?鏡?
ってことは、うわああぁああ!!女になってる!?
何だコリャ!?何が起きたんだ!?!?!!!
おおおおぉぉおおぉ………お?手紙がある?

141:名無しさん@ピンキー
09/06/10 22:25:55 9jQwGcAo
「社長サンへ
喜びの宴に水を差すのもなんだと思い・・・・
こんな形で切り出すしかなかった・・・・
オレの苦しい心境を察してほしい
実は……
さっきのお前の考え・・・指三本は間違っている
為替レート1㌦≒100円、それが計算に入っていない。つまり3万㌦、約300万。
財布の30万しかないおまえには、まだ270万を支払う義務が残されている
おまえの体から受け取っていくぞ、悪く思うな。

社長……大丈夫…!
腎臓なんか1個失ったってあんたにはもう1個残ってる
大丈夫…!
社長なら大丈夫……!
きっと立ち直れる………!
だから……
地道にいこう………! キラン!

じゃあ名残惜しいがオレはこれで失礼する
体に気を付けて暮らせよ
親愛なる社長サンへ  byエンドー」


PS
ココニシャチョサント、ニタシュミノヒトタチガイルカラ、ナグサメテモラウトイイネ
スレリンク(eroparo板)


>>124に触発されて思わず書いた
今は後悔していない

142:名無しさん@ピンキー
09/06/20 20:46:12 aMBlTL2g
保守

143:名無しさん@ピンキー
09/06/26 23:56:53 w/V2oK6t
完全に二人きりじゃないとダメなのか?

みんなに内緒で付き合ってる生徒会長と生徒会室でイチャイチャしてたら
誰か来たので慌ててロッカーの中に二人で隠れちゃった。
あー、早く帰ってくれないかな、出れないじゃん。
…おや?会長。どうしたの耳が真っ赤だよ。
はぁ、密着してるから?
じゃあここを触ったら…っとダメですよ会長、声を出したらばれますよ。

とか扉隔てて二人とかもありかなと



144:名無しさん@ピンキー
09/06/27 05:54:23 YJbIXwAH
過疎ってるんだし好きに書けばいいと思う

145:名無しさん@ピンキー
09/07/02 22:24:49 XWTiCcPY
うん

146:名無しさん@ピンキー
09/07/02 22:32:55 XRkhDWYu
過疎ってなくても全然問題なくアリなネタかと

147:名無しさん@ピンキー
09/07/06 13:04:34 XONwJQia
エレベーターで二人きり。

148:名無しさん@ピンキー
09/07/06 22:28:24 5S5+KJNt
 エレベーターに閉じ込められてしまった午後。
「あーもうっ、エスカレーターに乗れば良かった」
 システムそのものが壊れているのか、非常通報装置も作動しない。
「すぐ近くにあったのに。ちょっと足を運ぶのよ? それだけで、こんなことにはならなかったのに」
 偶然事に巻き込まれてしまった大学生―隅末聖の目の前で、女性が喋繰っている。
「運が悪いわ。そう、本当に運が悪い。君もそう思うでしょ?」
 天然癖のある長髪。やや度のきつそうな眼鏡の下には、雀斑。
 体にはゆったりとしたドレスを着、肩には様々な画材の入ったバッグをかけている。
 どこか、古典的な少女漫画の登場人物を思わせる。
「この上の階で、杖津宮良策先生のサイン会があるってのに、何でこうなるの? 不幸よ。こんな所に知らない人と二人だけで閉じ込められるなんて」
「すいません」
「あ、ごめんね。君のせいじゃないの、うん。ただ理不尽よね。君は何とも思わない?」
「僕も、ちょっと困ります」
 ぼそぼそと小さな声で呟く聖。
「よね? そうでしょ。そう、それも管理センターに通じないなんてメンテナンス不全よ。こういう場合どこを訴えてやるのがベストかしら」
 一人ヒートアップしっ放しの女性を、聖はおどおどと見つめている。
「こうしてボタンを何度も押す―誰か! 聞こえる!? ―ダメ。都会の牢獄ね。ドアは開かないしどうしろってのよ」
「待つしか…」
「そうね、待つしかない。でもこの不満は何処に捌ければ良いのかしら? 今、私は何か言わないと気が済まないの」
 女性の外見は聖と同じく大学生、といったところか。しかしやけに口数が多い。
「ねえ君、何か持ってない?」
 女性が顔だけ向けて、訊いた。
「何か…って?」
「例えばここを抉じ開ける工具とか、外部への連絡手段―そう、携帯電話! 持ってない?」
 そう言って期待の眼差しで聖を見る。どうやら、本人は携帯を所持していないようだ。
 聖は首を横に振る。
「嘘、持ってないんだ? まあ、私もだけどね。何でか知らないけど嫌いなの、課金で縛られる感じが。君もそう?」
「僕は…えと…」
「あーそれよりも、他に何かない? 何か役に立ちそうなものっ」
 答に窮していると置いていかれた聖であった。

 ガタン!
「きゃあっ!?」
 女性が悲鳴をあげ、尻餅を突く。
「あ、だ…大丈夫ですか?」
「な、何なのいきなり。落ちるの? まさか落ちたりなんかしないわよね。そんな不幸があってたまるものですか」
 相変わらず舌が休まることを知らない。
「ここは六階と七階の間。落ちたら一たまりもないじゃない。どうしよう、私死ぬの?」
「僕に訊かれても」
「もうっ、冗談じゃないわ。何でも良いから、早く出すのっ!」
 聖は慌てて自分の持つ紙袋を開けて見た。
「お酒…だけです」
「ちょっと見せて……うわ、ビールがこんなにたくさん。何で? 君酒飲み?」
「先輩に頼まれて…」
 情けない表情で俯く聖。
「あーこれってパシリね。そう、よくあること。で、十階の百円均一でおつまみを揃えて帰るつもりだったのね。そうでしょ?」
 本当に分かっているのか疑問である。
「もう、少しはシャキっとしなさいよ。だからパシリなんかに使われるんじゃない。サークルは?」
「…漫画です」
「近い、私は絵画。多分ここに来るってことは柱木大でしょ? あ、君名前は? 私は黒荻奈由華」
「隅末聖です」
「聞いたことないわね。今度会えたら…ってそんな場合じゃないわ。どうしよう、落ちたら死んじゃうわよ?」
 そんなことを言われても、この状況でどうにか出来る人間はまずいない。
「地面にぶつかる瞬間にジャンプすれば衝撃は防げるって言うわね。けど、そんなタイミング分かりっこないし」
「そんなことしたら天井に頭ぶつけるんじゃ」
 微妙なやり取り。
「…そういうコメントが欲しい訳じゃないのよ。ほらもっと、落ちる訳ない―とか、すぐに救出される―みたいな励ましの言葉が出ないの?」
 しかし外見からして気弱な男子:聖にそれを求めるのは酷である。

149:名無しさん@ピンキー
09/07/06 22:33:51 5S5+KJNt
「……」
「やめてよそんな深刻な顔して。私まで気持ちに余裕がなくなるじゃないのよ。って、ちょっと。何泣いてるのよ」
「…ご、ごめ…ん…」
 しかし聖も聖でやや極端な性格である。
「あー私は今日とんでもなくツイてないわ。大凶よ……ねえ、ほら元気出して。ごめんね、強く言い過ぎたわ謝る―って、ああもうっ!!」
「!?」
 ビクッ、と聖が顔を上げると、目の前で奈由華が紙袋を持ち上げていた。
「こうなったらヤケよ。ビール開けましょ。君飲めるでしょ?」
「でも、そんなことしたら中に篭る…」
「一々うるさいわね。ほら、君も飲みなさいっ」
 そう言って差し出す。
「ううっ、でも僕、お酒嫌いなんで…」
「この際関係ないわ。酔っ払って忘れてしまえば良いのよ」
 大胆な女性もいたものである。
 聖は無理矢理に、ビールを飲み干す。奈由華もまた痛快に一缶を空にする。
「…好きなんですか?」
「本当は寝る前にしか飲まないわよ。簡単に酔っ払っちゃうし…ああっ」
「大丈夫ですか?」
「って、君は次のに手を付けるの? はあ、そんなに思いつめてるなら私だって付き合わないとね」
 そう言って、お互いにもう一缶。
「う、ちょっと…私がこれ飲んでいる間に更にまた? 嫌いなんじゃなかったの?」
「ヤケです」
「目が据わってるけど大丈夫? 顔色が……」
 聖の顔つきが明らかに変わった。奈由華は本能的に身の危険を感じる。
「奈由華さん……」
「―!」
 ばたっ。
 聖の体が、奈由華の膝元に倒れかかってきた。
「あ、ちょっと。くっ付くのはダメ…って、もう酔いが回っちゃったの? 顔が、ああ……」
 奈由華もまたぼんやりとしてくる。が、気力で聖の体を起こす。
「はい、もたれるなら壁に。私もそろそろダメになるかもしれない。願わくば、落ちても痛みを感じませんように……」
 気が抜けた瞬間、突然脱力状態だった相手の体が、逆に奈由華を押し倒してきた。
 がばっ。
「ひゃああっ!? な、何? どうして抱きつかれるのっ? ちょっ、離し…酒、匂いが…う、んっ―!」
 真上から、唇が被せられる。そして、当然のように舌を挿し込まれる。
「んっ!? んう―っく…!」
 奈由華は抵抗しようとするが、体に上手く力が入らない。

「―ぷはっ、はふ…な、何するのよ馬鹿! 初対面にこんなことするなんて、獣だわ! 最悪よ、これって最悪っ! ああっ…」
 頭を抱えた。が、理性は半分酒によって混沌としている。
「奈由華さん…嫌…ですか?」
 今にもくっ付きそうなほどの近さで、聖は懇願するような眼差しを奈由華に向けている。
「…そ、そんな目で私を見ないでよ。いくらこんな場所だからって…」
 しかし酒に酔って性格が変わったのか、聖の押しは強い。
 躊躇している相手に対し、段々と体に寄りかかっていく。
 手を伸ばし、怯えるような素振の奈由華から、そっと眼鏡を外す。
『可愛い……』
 突拍子もなく同じ台詞が両者の口から飛び出す。
「…な、何よ。何か、前がよく…見えない」
「奈由華さ、ん……」
 ぱたっ。
 聖は奈由華の体に覆い被さるようにして、倒れた。
「―?」
 てっきりこのまま―と思っていた奈由華だったが、聖はそのまま動かない。
「まさか……寝た?」
「……」
「……私も寝よう」

150:名無しさん@ピンキー
09/07/06 22:35:53 5S5+KJNt
 救助された二人は、仲良くぐっすりと眠っていたところを発見されたという。
「んー……」
「あ、奈由華さん…ごめんなさい!」
「―誰だっけ? 何か、よく思い出せない……」
 とりあえず、膝元の眼鏡を取って顔にかける。
「……あ、隅末くん…だっけ? 助かったの私?」
「はい」
「…そう。良かったけど、何か文句言う気力もなくなっちゃった」
 そう言って、奈由華は溜息をつく。
「サイン会、残念でしたね」
「忘れてたわ。あーあもう、酷い一日ね」

 足取りが不安定な状態の奈由華を、聖は手を取って歩く。
「奈由華さん、お酒飲んでからの記憶…ないんですか?」
「…何? 初対面でいきなり私のこと、下の名前で呼ぶ? まあ良いけどね。うん、覚えてない」
 聖は胸を撫で下ろすように息をついた。
「もしかして君、変なことしたりしてないでしょうね?」
「……ごめんなさい」
「むー、頭が痛い。嘘くらいつきなさいよもう。で、責任は取ってくれるの?」
「え? あの…ちが…」
「シャキっとしなさいってば。…もういい。代わりにそこのベンチでしばらく寝かせてもらうから、膝貸してよね」

 ベンチに横になり、すやすやと眠る奈由華。
「どうしてこんなことに……」
 はっきり記憶が残っている聖は、そんなことを呟く。
 だが、二人の光景はとても絵になっていた。
「……」
 まだ酔いが冷め切れずにいるのか、顔をぼうっと赤くした聖。
 仰向けになって小さく寝息を立てる奈由華の髪を、そっと掬う。柔らかい。
 そして眼鏡をかけていない顔が、可愛かった。
 もうしばらく二人っきりでいられることに、聖は感謝した。


強制終了

151:名無しさん@ピンキー
09/07/07 00:28:59 K4W8QMn+
GJ

ちなみに、エレベーターのワイヤーが切れた場合、ジャンプするよりも耐衝撃姿勢(飛行機でやるような奴)、
つまり地べたに寝転がった方が助かる可能性は高い…らしい。それでも全身骨折とかしそうだけど

152:名無しさん@ピンキー
09/07/07 01:40:36 +4fSowXd
少なくとも日本国内のエレベーターなら安全装置(非常用ブレーキや緩衝装置)があるから
ロープ切断即自由落下ということにはまずならないけどね

153:名無しさん@ピンキー
09/07/08 10:34:22 dMSrXAQQ
GJ!!テンポが良くて面白かったよー

154:名無しさん@ピンキー
09/07/10 16:10:11 NTvXfKNQ
穴の底で二人きり。

155:名無しさん@ピンキー
09/07/13 12:47:54 rvp6Cw7G
 田舎へ帰省した。
 夜、美しい天の川を見上げながら歩いてたら
古井戸に落っこちた。
 井戸の底で出会ったのは、お皿の数を数えている
和服姿の美しい少女だった。

こうですか?わかりません。

156:名無しさん@ピンキー
09/07/13 12:48:42 rvp6Cw7G
 田舎へ帰省した。
 夜、美しい天の川を見上げながら歩いてたら
古井戸に落っこちた。
 井戸の底で出会ったのは、お皿の数を数えている
和服姿の美しい少女だった。

こうですか?わかりません。

157:名無しさん@ピンキー
09/07/13 12:49:13 rvp6Cw7G
二重投稿すみません。

158:名無しさん@ピンキー
09/07/13 12:53:04 5imuWzy0
しかもお尻の下で皿が割れてるんですね…。

159:名無しさん@ピンキー
09/07/13 15:35:37 rvp6Cw7G
お菊「ただでさえ一枚足りないのに、全部割ってくれちゃって..
   私もうお嫁に行けない!!責任とって下さい」
こうですか?わかりません。

160:名無しさん@ピンキー
09/07/15 20:31:12 8TMLpMjx
「安心してください、責任を持って私が犯人を見つけ出します!」
「いや、あの……」
「大丈夫です、犯人のめぼしはついています」
「だから、あの……」
「犯人はこの中にいる!」
「……」

161:名無しさん@ピンキー
09/07/15 20:56:48 gR8bNVXF
「私、犯人が誰かもうわかりました」
「ほう、誰が犯人なんですか?」
「160さんなんじゃないんですか?」
「お嬢さん、何を根拠にそんなことを……」
「ここにいるのは、私と160さんだけなんですよね?」
「そうですが、それが何か?」
「私は犯人じゃないから、消去法で160さんが犯人です」

162:名無しさん@ピンキー
09/07/16 09:05:35 cBWhttUI
「驚きました、完璧な推理です」
暗い井戸の中、拍手が響く。
「しかし、その推理には重大な穴がある」
それは、
「犯人が存在するという前提そのものが間違っているかもしれない……ということですよ、お菊さん」
「それは……どういうことです?」
彼は皿の破片を脇に放り投げ、居住まいを正す。
そして、口を開いた。
「説明しましょう」

163:名無しさん@ピンキー
09/07/20 11:03:57 ddOtQn01
オチマダー?

164:名無しさん@ピンキー
09/07/28 09:36:09 R6LGF2ji
「ここには犯人は居ない、あなたと私二人だけ。
 私は女の子と二人っきりになってしまった、それだけのことです。
 説明は終わり。この話もお終い。さあ、次はあなたたちの番です話をお聞かせください」
「何処に向かってしゃべってるんですか?」
「井戸の向こう、知らない世界で二人っきりになってしまった男女へ向けてです」
「……よく分かりませんが、とにかく責任はとっていただきますよ」
「ゴメンナサイモウシマセンユルs  」

165:名無しさん@ピンキー
09/07/29 02:51:01 cvsUabbC
「……と、簡単に謝るわけにはいきませんね」
「往生際が悪いですね」
「いいですか、私の推理をよく聞いてください」
「はい、なんでしょうか」
「皿を割ったのは、何者かによる私への挑戦なのですよ」
「へー、そうなんですか」
「この暗号を解くと答えが浮かび上がってきます」
「どんな答えが浮かび上がるんですか?」
「つまり、真犯人は犯人によって『さら・われた』のです!」
「なるほど、つまり犯人はいないわけですね」
「そういうことです」
「でもですね、推理以前に重大な問題があります」
「なんでしょうか?」
「結果的に貴方が原因だという所に違いがありません」
「なかなか、痛いところをお突きになられる」

166:名無しさん@ピンキー
09/07/29 11:01:09 zC2o7X0Y
「しかし……」
「しかし、なんですか?」
「ナイフで人を刺したとき、悪いのはナイフでしょうか?」
「ナイフです」
「そうではあり……えっ」
「悪いのはナイフです」
「……」

167:名無しさん@ピンキー
09/07/29 15:49:44 OLI/dC4i
「その理屈だと、皿が割れたとき、悪いのはお皿になりますよね」
「えっと、そうなりますね」
「では、私には何の責任もなく、晴れて無罪放免ということに」
「そ、それは違います!」
「なぜでしょうか?」
「私が本当に言いたかった事はこうだからです」
「お聞きしましょう」
「悪いのはナイフであり、ナイフを作った人が悪いんです」
「……なるほど、見事な論理のすり替えです」
「責任を取れないからって、逃げるおつもりですか?」
「おかげで真実が見えてきましたよ」
「ど、どういうことですか?」

「ここにいるのは貴女と私の二人だけ」
「貴女が犯人でなければ私が犯人である、見事な論法です」
「しかしながら、一つだけ欠点がありました」
「逆をいえば、私が犯人でなければ貴女が犯人であるということです」
「貴女は嘘をついていたんじゃないですか?」
「強引なまでの責任の追及、それが一つの疑惑を私に植えつけました」
「お皿は始めから割れていたのではないのか、と」
「全ては私の推測にすぎません」
「しかしこれらの事実を照合すると浮かび上がる真実」
「真犯人は貴女じゃないんですか?」

「ごめんなさい~!」
「何も無理に責任を取らせようとなくても……」
「だって、悔しかったんです、お皿を割ったぐらいでこんな」
「事情を鑑みる余地はありますが、無理矢理はいただけません」
「……すみませんでした」
「ですが、貴女となら喜んで責任を取らせてもらいますよ」
「あっ……」
「いけませんでしたか?」
「そっ、そんなことないです」

「しかし、いつ出られるんでしょう、ここから」
「死ぬまでずっと一緒です」
「不吉な事を言わないでください」
「じゃあ、死んでもずっと一緒です」
「……それも悪くないかもしれませんね」

FIN

勝手に終わらせてすまんかったと思うが、新しい投下に期待したい
職人さん、カムバーック!

168:名無しさん@ピンキー
09/07/29 18:36:41 u/mpOmPY
で、エロは?

169:名無しさん@ピンキー
09/07/30 08:32:31 SmAvQfh3
うん、まぁ、正直飽きてたしドンマイ。

170:名無しさん@ピンキー
09/07/31 03:56:09 X4lEb4ra
可愛いスレタイ

171:名無しさん@ピンキー
09/08/01 19:44:53 YGIasC2G
保守

172:ほっとみけらんじぇろ(1/2)
09/08/06 14:34:16 jZcrmKGk

「坂井くん、ミケランジェロの絵画展に行かない?」
放課後の美術室。
橘さんの突然のお誘いに僕は目を丸くした。
話の繋がりが理解できなくて僕は「えっ?」と、橘さんに聞き返す。
「だから~、『ミケランジェロの絵画展に行かない?』って」
橘さんは少しムッとした表情でもう一度尋ねてきた。
「行きたい、行きたいよ? でも、なんで?」
ミケランジェロといえば、僕の大好きな芸術家の一人だ。
その絵画展に僕が行きたくないわけがなかった。
「ちょっと、コネで無料チケットが二枚手に入ったからね~」
ポケットからチケットを取り出し、橘さんは自慢気にニンマリと笑う。
橘さんのお父さんがどこぞのお偉いさんだという噂を聞いたことがある。
きっと、そのルートでチケットが手に入ったんだろう。
「ぜひとも一緒に行かせてください」
橘さんがどうして僕を誘ったのかはさておき、
絶対の権力者を前に平に頭を下げてお願いをしていた。

当日の天気予報は運の悪いことに雨だった。
ドンヨリ曇った空模様、僕は少し大きめの傘を持って家を出る。
もしかしたら、橘さんが傘を忘れたりするかもしれない。
まあ、万に一つもそんなことはないだろうけど。

待ち合わせ場所に現れた橘さんに僕は一瞬目を奪われた。
所々に装飾のついた白いワンピース。
普段の橘さんからすれば信じられない話だけど。
それは如何にもお嬢様といった風情で、それに比べて僕はいつも通りの普段着だ。
どう見ても橘さんと釣りあうような服装ではない。
もっときちんとした服を着て来ればよかったかなと思ったが。
よくよく考えれば僕にはそういった服がなかった。

それはともかく、僕と橘さんが電車を降りる頃には小雨が降り出していた。
橘さんはリュックから折り畳みの女の子らしいピンクの柄の傘を取り出す。
一瞬にして僕の淡い希望は打ち砕かれてしまったわけだが。
僕達は何気ない雑談を交えながら美術館へと向かう。
美術館につく頃には雨は土砂降りに変わっていた。

幸いにも、ほとんど濡れることなく僕達は美術館に滑り込む。
天候のせいもあるんだろう、美術館は驚くほど人気がなかった。
水気を含んだ靴底がツルツルの床の上でキュッ、キュッと音を奏でる。
そんな、小気味の良い靴音が、隣にいる橘さんを妙に意識させる。

173:ほっとみけらんじぇろ(2/2)
09/08/06 14:35:40 jZcrmKGk

ミケランジェロの芸術的な絵画を前にした橘さんは
なぜだかわからないけど、眩しいぐらいに白く映っていた。
絵画を見に来たはずなのに、僕の頭は橘さんのことで一杯で。
何度、橘さんの手を握り締めようと思ったことか。
結局の所、臆病でへたれの僕にはそうするだけの勇気はなく。
何事もなく平穏に、僕達の絵画展巡りは終了してしまったのだった。

外は相変わらずの雨、憂鬱な気分で僕は傘を開く。
ちらりと橘さんを見ると、自分の傘を見つめて何か考えているみたいだった。
そんな僕の視線に橘さんは気がつくと、にっこりと笑った。
「傘、壊れちゃったみたい、坂井くんの傘に入れてもらっていいかな?」
あんまり困った様子も見せずに橘さんは手を合わせる。
「あ、うん」
そう答える以外の選択肢がどこにあるだろう。

「じゃ、お邪魔するね」
橘さんは傘の下に入り込むと、僕の腕に自らの腕を絡めてくる。
「た、橘さん!?」
腕に感じる柔らかな温かさに思わず声が上擦ってしまった。
「だって、こうしないと私が濡れちゃうじゃない?」
狼狽する僕を尻目に、橘さんは事も無げにくすりと笑う。
「それは、そうだけど……」
僕としては腕に押し当てられた橘さんの感触が気になって仕方がない。
「それじゃ、出発進行ー」
絡めた腕を引っ張って、橘さんは陽気に雨の振る外の世界へと歩み始める。
その強引さに釣られるように僕も慌てて歩を合わせる。

時折、横目で橘さんの様子を窺うようにチラリと盗み見る。
気恥ずかしくて橘さんに声も掛けられない。
こういう時に真っ先に口火を切る橘さんも、俯いたままで一言も喋らない。
もしかすると、橘さんも僕と似たような気持ちなんだろうか?

針の筵の上にいるような気分だけど、決して悪い気分じゃなかった。

もう少し歩けば駅に着く。
あとちょっとでこの状態からは解放される。
だけど、今この瞬間がずっと続けばいい、とも思ってしまう。

雨で外界と隔たれた傘の中は、紛れもなく二人だけの世界だった。

174:名無しさん@ピンキー
09/08/08 00:16:44 TEbeFZcH
みけらんじぇろきてるー
これはエロくなるまで続くんだよな!

175:名無しさん@ピンキー
09/08/17 10:06:39 b7GFsIre
保守

176:名無しさん@ピンキー
09/08/22 00:50:55 6pzxis9+


177: ◆P5jZIheRaY
09/08/23 01:00:14 LpN7h1ol
「あ、あの…お嬢様?」
「…なによ」
「わ、ワタクシは一体全体、どこで寝ればよいのでしょうか?」
24時間つきっきりで、とは言われたけど…まさか寝る時まで一緒ってことはないよね?
紳士レベルの高さには定評のある自分も、一介の思春期の男子でありまして、決して聖人ではない訳で。
細かいシチュはともかく、可愛い女の子と同じ部屋で寝ろと?自分、精神的にも身体的にも持ちませんよ…
「…あんたは床で寝なさい」
はい、今ナント?
床で寝ろ、You must sleep on the floor …いや、命令形だから単純にYou sleep on the floorでいいのか?関係ないけど。

「…家に帰って寝てもよろしいでしょうかね?」
「駄目に決まってんでしょ、ばか」
何だ、召使は犬扱いなんですか。そうですか。
猫扱いならまだいいよ、寒い季節はベッドに入れてもらえるしね。まぁ、自分がそれをやったら犯罪ですし、
寿命が縮むどころか命日を迎えそうではありますが。そもそも、そんな図太い精神は持ち合わせていませんし。

とりあえず、ここで自分が選べる選択肢は三つ。
1. 無理矢理にでも家に帰る。
2. このわがままお嬢様を説得し、他の方法を提案する
3. 床で寝る。犬っころの世界へようこそ。

ところで、ここで無理矢理「帰る」を選択すると、他のヒロインとの初遭遇イベントでも起きるのでしょうかね?
まぁそういうのは主人公だけの特権ですか。万年脇役以下、踏み台レベルの自分には縁のない話です…

「…なにブツブツ言ってんのよ」
「ちょっと世の中の不公平さを嘆いていただけです。お気になさらずに…」
「熱でもあるんじゃないの?」
お嬢様がなんとも微妙な眼差しを向けてくる。何を考えているのかよく分かりませんが、なんか惨めになるんで止めてください。本当に熱出ちゃいますよ?
「…ちょっと」
ちょっと、って何だ。何を指してるんだ。ちょっとしょっと?
それより、その手を上げようがやめようか迷っているのは何ですか。高さ的にちょうど自分の口のあたりですし、ぺろんちょと舐めちゃいますよ?いや、そんな度胸ありませんが。

178: ◆P5jZIheRaY
09/08/23 01:03:57 LpN7h1ol
ぴとり。

なんのおと?額にお嬢様の雪のように白くて綺麗な、すべすべしていて撫で回したくなるような手が当てられた音ー!

…いや、実際音はしていないはずですが、自分には聞こえた。間違いない。
これはアレですかね、熱がないか見てくれているんですか。お嬢様のひんやりした手の感触に、ちょっと感動。

「ちょっと熱い」
「いや、大丈夫です、のーぷろぶれむです。想定内で…」
想定内です。と言おうと思った。言う予定だった。だが中断せざるを得なかった。それは何故か。

お嬢様の額が当てられていました。自分の額に。

これはアレですね、48の検温法のひとつ、「額と額を当てて熱があるか見極める」。
顔が非情に近いのはもちろん、ちらちらと覗く胸元。これ最強。
ついつい見てしまう己の視線を逸らそうにも、体が言うことを聞かない。さらにシャンプーなのかトリートメントなのか、なんかいい匂いまで漂ってきてパニックに陥る。
最悪の場合(精神的に)死亡する危険もあるので、素人にはとてもオススメできない。ま、普段そういうシチュに縁のない俺みたいなのは、保守でもやってなさいってこった。

「…ほしゅ?」

179: ◆P5jZIheRaY
09/08/23 01:07:27 LpN7h1ol
以上保守ネタでした。
見なかったことにしよう。な方はNGNameにどうぞ

180:名無しさん@ピンキー
09/08/24 18:21:00 h+tAAo0w
いくらなんでも過疎りすぎだろw
とりあえず>>179

181:名無しさん@ピンキー
09/08/24 22:42:05 qVnDHp9z
>>179
乙カレー
>>180
だってここは「女の子と二人きりになってしまった」スレだから(ry

182:名無しさん@ピンキー
09/08/27 03:06:26 ToNvzRMe
誰もいない…

183:名無しさん@ピンキー
09/08/27 19:42:23 A89JirnJ
 水泳部の合宿、二日目が終わる。
 夕食も済み、休憩時間。非道に辛くされたカレーで舌はピリピリするし、汗びっしょり。
 更衣室のシャワー借りたい。アットホームな部活です―なんて謳うのは良いが、ここまで来るともうね。
 扇風機に当たっていると、俺の部屋に女子二人が入ってくる。
「先生、そろそろ肝試しやりましょー」

 忘れていました、そんな話を予てより……夏お決まりのイベントだ。
 場所は学校の裏山。古いお宮があり、夜は雰囲気あって確かに怖い。
 しかし、何で顧問の俺まで参加せにゃならんのか。一応、警察に許可取ったりはしたげたけど。
 こういうのは部員同士でやるからこそ、ってものだと思うんだが……。
 ただ断るに断れず、無邪気な手に引かれる。

 まずは二人一組になるんだそうな。ここで仲の良い子同士、ささっと組んでいく。
 男女ペアも目立つ。部員は決して多くない分、仲が良いから違和感は無い。
 そして、こういう時に余るのは大抵、冷めた子。
「余りました」
 暢気に手を挙げ、周囲の笑いを誘う。

 鶴田緋乃―彼女とペアを組むことになる。
 冷めたというよりは、天然っ気が随分と強い…いや、はっきり言って変な子だ。
 赴任してきて最も頻繁に接しているんだが、最も掴み所が分からない。
 ただ、不思議な魅力がある。そんな魅力を感じている内に、気が付けば周囲からは勝手に、似合いのお二人さんとして祭り上げられていた。
 余らせたのは、わざとか。

 お宮の中に置いてある、札を拾って持って帰って来ること―。
「じゃ、行くか」
「おーけい、ボス」
 俺は彼女に言わすところの、ボスらしい。ちなみに部長はリーダー。
 そんな不思議っ子の割に、この子は女子の中でも一番速いんだから驚かされる。

 暗い道を軽快に進む鶴田。懐中電灯で目の前を照らしながら、別段怖がりもしない。
 闇を彩る赤の体操服は結構ブカブカで、まだまだ華奢な体を教えてくれる。
 そんな体なので、フォームも力強さはあまりない。どちらかと言えば抵抗を最大限に抑えた、静かな泳ぎ。
 それでも速く、魚のような、という表現は陳腐かもしれないが、当てはまっていると個人的には思う。
 背中を見ながら、そんなことを考えていた。

 しかし、乗り気には見えなかった割に、楽しそうだ。
「歩くの速いぞ、鶴田」
 そう言うと、振り返って懐中電灯の光を俺の顔に。
 思わず目を瞑ると、彼女の笑い声が聞こえた。
 滅多に笑わない子が、今日は随分と……しかもこんな時に。

「肝試しらしいが、怖くはないのか?」
 首を横に振る。近頃の子はませているのか、単にこの子が怖いもの知らずなのか。
「…先生が一緒じゃ変に心強くて、逆に盛り上がらないのかもな」
 なんて皮肉を放つと、鶴田も笑顔で皮肉を返してくる。
「怖がった方が、良い?」

 その高揚がどこから来るかは知っている。
 誰とでも気兼ねなく接する一方で、心の内を見せない―まるで微風に似た、そんな子だった。
 それが、徐々に変わってきている。俺の目に見えるところで、徐々に。
「ボス?」
 不慣れで不器用に発せられる好意。漠然とだが、俺の方に向けられていた。

 お宮さんに着いたので、中に上がることにした。
 使わせてもらうにあたって、近隣の許可を得て掃除もしていたので、裸足で上がっても汚くはない。
「ありましたっ」
 ぱたぱたと奥まで駆けて行って、そして戻って来た。手には文字の書かれた札。
 愛愛傘に、俺と彼女の名前が書かれている。…これは酷い。

184:名無しさん@ピンキー
09/08/27 19:43:32 A89JirnJ
「肝試しと託けて、あいつら俺をからかってるんだな」
 戻ったら文句の一つでも言ってやろうか。悪気がないのは分かっているが。
 と、外に出ようとした俺の袖を、鶴田が引っ張る。
「……」
 状況に似合わず、表情が真面目だった。暗がりの中、その視線に惹きつけられる。

「戻ろうか」
 しかし、戻らないと首を振る。そして俯く。
「どうした?」
 予測はつく。変に俺から離れようとしないのは、そういうこと。
 仕方がないな―と思いながらも、心中は嬉しいような、妙な気分だった。

 暗い中で、互いに温度を確認する。なるべく、触れる部分が多くなるように、近付く。
 細い体を軽く抱いてやると、ふうっと気持ち良さそうに息を漏らす。
「鶴田は神経が図太いんだな。こんな場所で、俺に求愛か」
 ぶんぶんと首を振って否定する。短い髪が首元を擽る。
「緋、乃」

「緋乃?」
 肯定の代わりに、安心したような溜息。
 名前で呼んでほしかったようだ。全く、甘えるなと。人前で、素が出たらどうするんだ。
「ボス…愛してます」
 で、俺はボスなんだね? ま、良いよ。

 ゆっくり口づけを交わすと、いつの間に覚えたのか、唇で食んでくる。
 生徒に手を出すのはタブー。だが、ここまで順調に来てしまうと、後戻りは出来ないんだな。
 惹かれた俺が悪い。責任を感じて彼女の保護者にも、面と向かって「お付き合いをさせてほしい」と申し入れた。
 両親は亡くなられていて、今は彼女の祖母が面倒を見ているのだが、意外にも受け入れてもらえた。
 まあ、大っぴらにはし辛い関係なので、今はこんな状態だが……。

 しなやかな体にも、女らしさを感じる。少し、頭の内まで熱くなった。
 体を離すと、頭を撫でてやる。今はここまで。これ以上は、大人になってから―とそう約束していた。
 真っ暗で表情はよく見えないが、息遣いはどことなく物足りなさげに感じた。
 本当は俺も、こんな状況だ。理性のたがが緩んでしまわないか不安。けれども―。
「俺も緋乃のこと、愛している」

 帰り道。俺は右手、彼女は左手に懐中電灯。そしてもう片方の手を繋いで、歩く。
 お宮を出てすぐ、やっぱり怖いと言って寄り添われた。すぐに演技だと分かったが、何も言わない。
 彼女なりの、愛情表現なんだろう。二人きりの今、少しでも俺に甘えたいと。
 そんな彼女が、俺もまた好きだ。普段は見せない表情を、独り占め出来る幸せを噛み締めて―。
 薄気味悪くも思える夜の山道を、幸せそうに歩く緋乃。しっかりと、握られた手。

 肝試しは終わった。まあ何だ、他のペアも割と必要以上に楽しんでたようだ。
 ただ不純な動機だとか、野暮なことは口にしない。代わりに明日はみっちり扱いてやる。
「おやすみなさい、ボス」
 他の女子と一緒に手を振る緋乃。付かず離れず、それでも温かく接してくれる仲間がいる。
「おう、おやすみ。お前ら、夜更かしするなよ?」

 俺も早めに床に就き、明日に備える。きっと明日も、今日以上に疲れる日のはず。
 それでも、眠る前にもう一度、緋乃のことを思い出す。
 ―何か、改めて照れ臭く感じる俺は、成人していてもまだ心は大人じゃないのかもしれない。
 腹の上に手を置くと、彼女の握った左手にそっと右手を添えて、目を閉じる。
 今日はきっと、良い夢が見られそうだ。


おしまい
好きなシチュエーションのスレなので、もっと盛り上がってほしいな…

185:名無しさん@ピンキー
09/08/29 04:47:56 7hEb2XEq
>>183
年の差カップルも好きな俺歓喜。
GJ!またお願いします。

186:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 12:02:58 Nu7SdEpi
>>183
ぐっじょーぶ!!

187:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 12:54:35 uA2EK8nf
>>178
胸元最高

>>184
GJ

188:名無しさん@ピンキー
09/08/31 15:30:16 S8i4ph4r


189:名無しさん@ピンキー
09/08/31 18:30:03 cR46595B


190:名無しさん@ピンキー
09/08/31 19:51:30 wp7DKIYs


191:名無しさん@ピンキー
09/09/01 03:33:50 99MksslX


192:名無しさん@ピンキー
09/09/01 05:22:41 WUl0Dese


193:名無しさん@ピンキー
09/09/01 13:47:18 GSPMB+f6


194:名無しさん@ピンキー
09/09/01 13:51:31 b6b6f3RP
おやめなさい

195:名無しさん@ピンキー
09/09/01 16:54:04 2o1u94Ak
ほとぼり傘

196:名無しさん@ピンキー
09/09/04 21:03:41 /u7wAYEo
栄えの呪文
サカエロ!

197:名無しさん@ピンキー
09/09/04 21:15:32 ThqNyRro
サカエロと聞いてふと

僕の目の前には一人の女の子が逆さまになって吊り下げられている。
僕とその女の子の他には誰もいない。
逆さまになって吊り下げられているから…スカートは捲れ上がりパンツが丸出しになっている。
「あのさー、早く下ろして欲しいんだけど」
「あ、ごめん」
ぱんつにやっていた目を上に向ける。
女の子の腕ほどもありそうなロープが2本、女の子の足に絡まって体を吊り上げている。
結び目は硬く締まっていて解けそうにもなく、切るような道具もない。



さて、どうエロと結び付けようか…。

198:名無しさん@ピンキー
09/09/08 02:16:36 2kZFpOaW


199:名無しさん@ピンキー
09/09/08 06:19:46 PXc85LTS


200:名無しさん@ピンキー
09/09/08 08:25:23 FWykIG9z


201:名無しさん@ピンキー
09/09/09 03:04:11 lmTzAnpt


202:名無しさん@ピンキー
09/09/09 22:44:30 o6ntS3MF


203:名無しさん@ピンキー
09/09/09 23:08:23 vnGqfCpX


204:名無しさん@ピンキー
09/09/10 16:06:53 YPHonDDD


205:名無しさん@ピンキー
09/09/10 17:14:19 2KiUXIpe


206:名無しさん@ピンキー
09/09/10 20:11:13 OPmQyrbu


207:名無しさん@ピンキー
09/09/10 21:36:10 BYbz3Pio
>>197
女の子が自分でほどけないんなら、いくらでも犯せるんじゃないの?

208:名無しさん@ピンキー
09/09/11 14:21:44 ilarPnaT
頭に血がのぼりそう

209:名無しさん@ピンキー
09/09/11 17:47:42 Fe9EekXG
SFかサイバーパンク的近未来ディストピアとか無国籍ファンタジー中世とかそんなんで、
親が破産して人買いに流されたいいとこのお嬢と、盗みをやってヤクザに捕まった同じ年頃の少年が、
狭い部屋に監禁、しばらくは何もなくてお互い同情したり気持ちを通わせたりするが、
部屋に媚薬を流されたり触手生物をけしかけられたりしてぐちゃどろのまぐわいをさせられる。
で、カメラか覗き窓とかで悪趣味な好事家に見物されている。

210:名無しさん@ピンキー
09/09/12 22:16:11 RyyGHIki
面白そう

211:名無しさん@ピンキー
09/09/14 23:38:13 zr+ttxxh
ちょっとだけ脳内補完したら自分の息子がえらいことになった。
そんな想像ができる209に嫉妬した

212:名無しさん@ピンキー
09/09/21 13:46:01 fdPP24oR
>209をインスパイアしました。
>209さん、題材おかりします。

一段落したらアップします。

213:名無しさん@ピンキー
09/09/21 22:58:12 fdPP24oR
>209を勝手にインスパイアしてみた。

「きゃあ!」
ーどてんっ
暗闇の部屋へと放り込まれる少女。
「へっへっへ、しばらくそこでおとなしくしてな!」
下卑た男の声が部屋に響く。そして扉が閉まり鍵の音がする。
少女はしばらく呆けていたが、やがてうずくまり、泣き始めた。
「おとうさま・・・ おかあさま・・・ おねえさま・・・ シェリル・・・」
泣きながら、身内を思い出しているのか、名前を呼ぶ少女。
髪はつややかな栗色のロングヘア。涙を流す瞳は珍しい赤と青のオッドアイ。
しくしくと泣き続けていた。

ーガサッ

微かな物音に驚き、震え、そちらを見やる少女。
完全な暗闇ではなく、目が慣れてきたら明かり取りの天窓から、
かろうじて夜空の明かりが差し込んでいた。
いれられた部屋は見渡せた。
そう広くはない。が、倉庫のようにモノがあるわけでもなく、
一部しきつめたワラに誰かが横たわっていた。そこから音がしたのだ。
「うるさいなあ。だれだよまったく」
影が動く。だれかが立って少女に近づいてくる。
「だ、だれですか?」
少女の声はすごく心地良い。
しかしかすかな声の震え。明らかにおびえているのがわかる。

214:名無しさん@ピンキー
09/09/21 22:59:19 fdPP24oR
「あー、そんなに怖がらなくていいよ」
少年のような、少女のような声だった。
そのとき、天窓から月あかりが差し込んだ。
その灯りが人影を写す。
息をのむ少女。
その姿に見とれてしまったのだ。

「あ、えーと… なにか喋ってくれると助かるんだけど」
少女が見たその人影は、抜けるような白い肌だった。
限りなく白色に近い微かな金色の髪… 少女よりも長い。
赤色の瞳… これが第一印象をよりつよくした。
ぱっと見女の子に見えるが、よく見れば男の子だった。
「ご、ごめんなさい… ついビックリして…」
「ああ、悪い悪い。ビックリさせちゃったか。だから泣かないで、ね?」
少女は泣き止んでいたが、涙が残っていたので少年は勘違いしたようだ。
「ボクはトゥーリオ。リオって呼んで」
「りお?」
「そう。リオ。キミは?」
「私はサーシャリア=ガルデンホルフ。ガルデンホルフ家の三女です」
少女は立ち上がり、優雅に一礼をする。
「サーシャルア? ガーデニング?」
少女がちょっとむっとする。
「違います。サーシャリアです。…サシャと呼んでください」
「おーけー サシャ」
屈託なく笑うリオ。その笑顔に沈んでいたキモチが少し和らぐサシャであった。

215:名無しさん@ピンキー
09/09/21 23:00:20 fdPP24oR
しばらくすると、リオとサシャは孤独感からか会話を始めた。
「…で、サシャはどうしてまた奴らに連れてこられたんだい?」
「おとうさまにはお役目があって… なんでもお客様に大恥をかかせてしまったらしいの。
 それでその賠償にお家もなにも取り上げられてしまって… それでも足りないって…」
「ふーーん… よくわかんないや… でも、一杯お金が必要だったんだね?」
「はい…」
「で、キミがここにいる… と」
「え? 私がここにいるとなにかあるんですか?」
「え? いや… 知らないならいいんだ」
(売られたことを知らないのか…)
少女はキョトンとした顔でリオを見た。
「しかし… これからどうなるんだろうな…」
「ねぇ… リオ。 リオはどうしてここにいるのですか?」
「へ? ボク?」
「ええ」
「ボクは… なんというか… その…」
「うん」
「食べるものがなくて死にそうだったから、女の子として身体を売るフリをしてね…」
「え!?」
「うん。それで、いざって時に、相手から財布を盗んで逃げたのさ…」
「う、うん」
「そしたら運悪く捕まっちゃってね… 身寄りがないから、あっという間にここに連れてこられてね」
「そうなんですか…」
「まぁ… どこかの奴隷になるか、男色家に買われるか… だなぁ…」
リオは深いため息をついた。

216:名無しさん@ピンキー
09/09/21 23:02:19 fdPP24oR
「おらガキども、メシだ」
「サシャ ご飯だって。サシャ?」
「ん、うぅ~ん」
「寝てる… サシャ起きて、ほら」
「ん~~~…」
扉の下からパンと液体、こころなしかの野菜と肉が差し出された。
「今回は特別なお方からのサービスで肉付きだ。ちゃんと食べるんだぞ?」
「おお、肉だ!」
リオは差し出されたものにとびつき、肉から食べ始める。
「う、うまいっ!」
それをサシャはじっと見ている。
「ん? どうしたサシャ? 食べないの?」
「お腹すきました… でも…」
「安心しなって、危険なたべものじゃないよ。ボク何回も食べてるけど、死んでないしお腹も壊してない。」
「んー… わかりました。でも… 食べ方がわかりません… ナイフとフォークが…」
「そんなものはないよ。手で食べるんだ。ほら、こうやって食べて?」
リオが手で食べる。サシャは始めは戸惑っていたが、空腹にまけて少年を真似て食べ始めた。
「おいしい・・・」
「ああ、今日のは特別においしいよ。」
二人は食事を始めた。

217:名無しさん@ピンキー
09/09/21 23:03:20 fdPP24oR
「! んぐっ! み、みずみず!」
リオがのどに詰まらせ、一緒にあった瓶から液体を一気に飲み干す。
ーゴクッ ゴクッ…
「ぐはっ!!! これっ! エールだ!?」
「え?」
リオは途中で飲むのを止め、サシャを向いて言った。
「サシャ! 飲んじゃだめだ、酔ってしま… ああっ!」
「これ、おいひいれふねぇ~~~・・・」
サシャは顔が真っ赤になっていた。
リオはしまったという顔をした。早く気づくべきだった。
ー特別な方ー・・・つまり、品定めに来ているのだ。
食事に一服盛られていることに気がつくべきだった。
「ふふっ、なんだか身体がぽかぽかしてきましたぁ」
「サシャ! 大丈夫か!?」
「なんらかこの部屋、あついれふ~~」
サシャは服を脱ぎ始めた。
「わっ わわっ! サシャ! 脱ぐの待って!」
慌てて後ろを向くリオ。
衣擦れの音が響く。同年代の女の子が目の前で服を脱ぐ。その行為にリオはどぎまぎしていた。

218:名無しさん@ピンキー
09/09/21 23:04:21 fdPP24oR
ードクン…
「~っ?!」
リオは身体が急に熱くなるのを感じた。
(なんっ、さっきの何かに変なの盛られ…)
「リ…オ…」
そっと忍び寄っていたサシャが後ろからリオに抱きついた。
「なんらか、ろっれもキモチいいのれふーー」
「さ、サシャ! は、ははは、離れて!」
「え~~ なんれれふかー? こうしれるろ、ろっれもキモチいいんれふよ~?」
抱きしめられ、背中に熱い身体が押しつけられる。ほどよい柔らかさも相まって、
リオは我慢の限界を迎えそうだった。

「リオの髪、さらさられふね~」
髪の毛を弄られ、くすぐったさがリオを襲う。
次いでリオの肌をべたべた触ってくるサシャ。
「おはらすべすべれふー」
リオは自分の股間がすごくいきり立っているのを感じた。
(もうダメだっ、やばい)
「あ? ここすごいかたいれふ。なんれふかこれ?」
「ふああっ?!」
サシャがリオの股間部をまさぐる。
意識を保つのに精一杯だったリオは、急な股間への刺激に我慢できなかった。
「あ、ああっ、うあああああっっっ!!!」
リオの身体がビクンビクンと跳ねる。
「きゃん! いきなりなんれふか~?」
背中におぶさるカタチだったサシャは、抗議の声をあげる。

219: ◆CVKO9PeGJBJm
09/09/21 23:09:19 fdPP24oR
#すみません、ちょっと目の病気が再発しました… 全盲をさけるため、今日はここまで

220:名無しさん@ピンキー
09/09/22 20:30:40 KdUbAdt2
おま。いいところで切れたSSの続きより作者の安否が気になるって初めてだよッ!?

221:名無しさん@ピンキー
09/09/22 20:56:56 Jk0mvpIG
その後、>>219の行方を知るものは、誰もいなかった…


…いや、大丈夫だよな?

222: ◆CVKO9PeGJBJm
09/09/28 02:11:07 l5B8Z4Zx
連休あけたよ的保守。
目は芳しくないです。
リハビリ始めたらこれだよorz
総武の休日とか保科先生どうするよorz

糖尿病の合併症だから、みんなメタボには気をつけるんだぜ!?
ぶっちゃけメタボの発展系と思っていただけると簡単だ。


的保守。

223: ◆O7xvGEx8cE
09/09/29 04:39:50 ZrSS/ioi
ちょっと無理やり系、学園モノ。
寝取り・レイプが駄目なヒトNGヨロシクお願いします。

「図書室ではお静かに」


224:図書室ではお静かに 1/6
09/09/29 04:42:36 ZrSS/ioi

 ウチの学校の図書室は人気が無い。平常時はモチロン、試験前でも入室者がゼロなんて当たり前だ。図書の貸出は記録が
正しければ四年前の7月14日以降ない。しかも貸出図書は返却されていない。
しかし世の中は面倒なもので、利用者が居ない図書室でも図書委員会なるモノがあるせいで、不幸な図書委員が昼の放課中と
最終下校時刻までの放課後、貸出返却の受付として1日2名ほど拘束される。そして僕は今日の生贄だったりする。

 僕は本をあまり読まない。読むとすれば授業中の教科書か、友人から借りるエロ本ぐらいだ。漫画すら読むことが稀な僕が
図書委員であるという事実は僕と図書室の双方にとって不幸な事である。僕は青春の貴重な時間を無為に過ごし、図書室は手
垢も一切無い蔵書を僕の溜息で汚される。
この薄暗い部屋の受付カウンターの内側で過ごす僕は禅僧の如く身動きの無いまま時間が過ぎるのを待っている。

そんな僕にも1つ気になる事がある。もう1人の当番委員、金沢先輩である。僕が金沢先輩について知っている事は3年であ
る事、図書委員長である事、僕の好みの顔立ちをしている事、それだけだ。
金沢先輩の肩より少し長い程度の黒髪ストレート、緩やかなカーブの眉、大きく潤んだ瞳、縁無しの眼鏡、小さいけどスッと
通った鼻、薄い唇、どれもが好みでとても良い、もっとも表情があればだが。

その無表情の金沢先輩は僕の左隣でただ座っている。僕も人のことは言えないけれど先輩は何もしていない。身動き1つしな
い。もしかしたら瞬きもしてないかも。いや、してるな、してる。
2人して何をするわけでもなく、ただ並んで座り続ける。このもう、こう、なんか言い様の無い緊張感に僕は無意味に焦りを
感じている。昼は弁当のお陰で気付かず想像も出来なかったが、こいつは強敵だ。僕はいま追い詰められている。



225:図書室ではお静かに 2/6
09/09/29 04:45:14 ZrSS/ioi

「青柳君、なんで私の手のひら押してるの」
無意識に僕は金沢先輩の右手を掴み、指で先輩の掌を押していた。意味が解からない。しかし、極限状態にいた僕には
何かしら有効な行動だったのだろう。
「よく判らないけど、放してくれない」
ふにふにと柔らかい先輩の掌。癒しの効果は有りそうだ。ふにふに気持ち良い。
「ちょ、ちょっと青柳君。聞いてるの?」
先輩の指にはタコが無い。残暑が懐かしい今は10月。馬肥えて受験の追込みが本格化する秋にも関わらず、受験生で
ある金沢先輩にタコが無いというのはアレか、今になって足掻く様な不便な頭はしてなくてよ、とかいう既に推薦が通っ
ているとか、お勉強は日々の積み重ね、ワタシ試験勉強とかした事無いの、とか言っちゃう学力エリート様だからか。
「放してッ、ひッ。放せ青柳!」
凄いぜ、金沢先輩。顔が良いだけじゃなくて頭まで良いとは恐れ入る。その縁無し眼鏡は伊達じゃないと。しかし、表
情がもっと、こう何ていうか柔らかくなるとよりイケる、っていうかモウッ!この時間が素敵に青春な1ページになる
のに大変惜しい。
「聞いてッ、青柳君。それ以上はダメ!私の手を放して」
しかし素直クールというのは一体どうなのだろうか。クールという部分は置いといて、素直の部分は正直理解が出来な
い。明け透けというか猜疑心が無いというのか、どれもしっくり来ないが実際、邪気無く「素直」的行動を起せるもの
だろうか。アレは一時期流行った褒め殺しにしか見えない。勿論、褒め殺しはイヤガラセである。もし真に子供の徳で
ある素直が思春期以降の人格で発現するのならば、脳が物理的にどうにかなっている気がする。
「やッ、ダメっ、放して、もう放してよ。ダメだからぁ、青柳ぃ、ダメなの、駄目なのぉ」
クール。アメリカスラングのCoolというのはカッコイイの代名詞的な言葉で一昔前のHotと意味合いに違いは無いのだ。
いま僕たちがナウだのヤングだの言わないのと一緒でクールは流行り言葉に過ぎない。本当のクール(冷やか)は実際
やると人間関係に傷が付く。だから金沢先輩はあと一歩なのだ。クーデレとかそんなモンは無い。もし金沢先輩がいわ
ゆる1つの素直クールだったら、2人きりの図書室でさえ何も起きない僕には脈が無い事になってしまうではないか。

「ひふっ、あっあ、ひっあ、あ、またっ、あっああ、ああああぁぁ」

ぱふッ、と倒れ込んできた金沢先輩がそのままズリ落ち、最終的に僕の股間に頭が沈み込む形で納まった。
「えっ、えぇぇぇぇ!ど、どうしました金沢先輩!」
先輩の暑い息がズボンとパンツを突き抜けチ○コにまとわり付く。一体どんな奇跡が僕に起こったのだろうか。それと
もこれが素直クール。言葉をスッ飛ばして行動が、欲望が素直。クールはどこに行ったかは知らない。先輩の手は柔ら
かい。



226:図書室ではお静かに 3/6
09/09/29 04:47:27 ZrSS/ioi

 股間がとってもホットな僕はこの状況をこれからどの様に展開すれば良いか知識も経験も無い。とりあえず、椅子か
らずり落ちそうな金沢先輩のお尻を元に戻そうと試みる。
うぅ、ズボン越しとはいえ僕のチ○コが先輩の顔に。顔ズリとか凄い高レベルプレイだよ、ギン立ち、汁塗れのチ○コ
を女の子の顔に擦り付けるとか。素直にフェラ行けよ、とか思うのは浅はか。フェラは慣れると女の子も気持ち良くな
れる(らしい)のだ、口内が性感帯なんてのは結構いるし。キス好きの娘とかは適正が高い(らしい)。でも顔ズリ、
ありえないね。顔は化粧をしてまで綺麗に見せたい場所なのだ。相当の色情狂かベタ惚れ恋人でもなきゃ、チ○コで顔
こすられて平気なわけが無い。そんな嫌がる行為にこそ、真のエロがある。だから僕は先輩の顔を汚したい。

話が逸れた。早く金沢先輩の小さく可愛いお尻を救出しなければ、このままでは床に叩きつけられてしまう。そうする
と今のこの青春状況が日常の救急活動に移行してしまう。やっとの事で先輩の腰の下に手が届く。これを持ち上げるの
は結構キツイ、片手だからキツイ。腰を浮かしてる間に先輩の椅子を足で僕の方にずらすして、成功。お尻着席。
動かした所為かスカートが少々、捲れてしまったので直してあげる。ついでに御褒美も頂く。先輩ありがとうございま
す、お尻もとっても柔らかいです。

この柔らかさはマイクロビーズのクッションに並ぶ驚異のふもふも感である。しかし、いま僕と金沢先輩のお尻の間に
は、野暮ったいゴワついた学校指定のスカートとチラッと見えた青白ストライプのパンツが存在する。つまり、これら
が一切無い状態、お尻直触りではどれほどのモフモフ感を得る事が出来るのか。確かめねば成るまい。
しかしスカートを捲るというのはかなりのドキドキ感がある。それは無邪気な少年時代とは異なり、女の子の神秘にト
キメク青春時代にいる僕とソレとは目的の度合いが違うからだ。イザ、桃源郷へ。



227:図書室ではお静かに 4/6
09/09/29 04:49:16 ZrSS/ioi

 金沢先輩のスカートの下は驚愕のワンダーランドだった。第一に、青白ストライプのパンツは紐パンだった。しかも
ローレグ。驚きのあまり、すぐさま紐を解いて脱がしてしまった。第二に、脱がしたパンツと先輩のお尻の間に銀の橋
が架かっていた。そう、先輩は濡らしていたのだ、パンツが使い物に成らなくなるほど。第三に、そんな濡れ濡れの先
輩のお尻が予想を超えて神々しかった。白く輝く先輩のお尻は尻タブが縦に重なり、つきたての鏡餅の如く美しかった。
後先考えず両手で掴み、引き上げて、僕の上でマングリ返しにした先輩を舐めたり、突いたり、噛んだり、吸ったり、
銜えたり。先輩が失禁するまで夢中でねぶり続けた。

その後、セルフ顔射ならぬセルフ顔面放尿を達成した先輩を腹這でカウンターにセット。先輩の足はカウンターから垂
れ下げておいたが床までちょこっと隙間があった。
「らめ、許して青柳君。私、バージンなの。好きなヒトがいるの」
衝撃の告白だった、けど関係ない。僕はもう止まらないし、止められない。神話の時代から続く寝取りの系譜をいま、
僕が継ぐ。ベルトを外し、ズボンと一緒にパンツを下ろして飛び出すチ○コを金沢先輩のおま○こにセット。先輩は力
が入らないながらも精一杯、腰を逃がそうとする。だけど僕は右手一本で先輩を押さえつけて、一気に挿入。左手でお
ま○こをしっかり開かせておいたので一回で成功。
「はうっ、いやぁ!挿入れないで、青柳君の挿入れないで」
「挿入ったよ、先輩。これで金沢先輩は僕のモノだ。誰か知らないけど先輩が好きなヤツなんてどうでも良いよ。絶対、
僕を好きにさせてやる」
「イヤ、ヤダやだヤダ!動かさないで、私ならない、青柳くぅ、青柳なんて好きにならない」
「僕が一番先輩の事が好きなんだ」
僕も先輩もはぢめてだったけど、もうガムシャラに腰を振った。振るというか、打つけた。バンバン打つけた。先輩の
おま○こは愛液の洪水でジャブジャブいってた。僕の動きでジャブジャブバンバン、僕も先輩も大声で罵り合って喘いだ。



228:図書室ではお静かに 5/6
09/09/29 04:51:29 ZrSS/ioi

「いやぁぁ、暴れないで、私の中で暴れないでよ、うぅ、ひぃ、ぞこ擦っちゃヤダぁ」
「好きになってよ、いっぱい気持ち良くさせるから、先輩の事気持ち良くさせるから」
いやぁ、と鳴き続ける先輩に僕は苛立っていた。いっぱい絶頂かして上げてるのに先輩は全然応えてくれない。ココは
1つ強烈なヤツをお見舞いするしかない。
僕はチ○コを先輩の最奥、コツンと鳴るところまで突っ込む。ひゃぎぃ、と先輩が絶頂ったけど本番はこれから。先輩
の脚と肩を持って、カウンターの左に仰向けに転がす。チ○コに凄い摩擦が来て射精てしまう。ドリルのように先輩の
子宮口を掘削しつつザー○ンを子宮に叩き込む。
「かねざわ先輩ぃぃ、射精るぅう、ぐっはぁぁ」
「いいいイィィッ、ぎゃひ、い絶頂っちゃうぅぅぅ!」
盛大に絶頂と射精をした僕たちは抱き合って休息にはいった。

大きく開いた先輩の脚の間を割って抱きつく僕の顔は金沢先輩の胸の位置に来る。ふかふかのおっぱいの感触を味わお
うと左右に顔を振ると硬い。おかしい、そのとき僕の第7感が先輩のおっぱいを直ぐに確かめろと告げた。僕は射精後
の気だるさを振り払い、先輩のおっぱいを確かめるべくブラウスのボタンを外し始めた。
「ん、青柳ぃ、なにやっ、て駄目ぇぇぇぇぇぇ!」
「ブばハァぁッ」
もの凄い勢いで先輩に平手を喰らわせられる。しかも往復。イヤァァァとその後、胸を抱きかかえておっぱい死守の構
えを取る先輩に僕はチ○コで反撃。可能な限り早く、深く突きまくる。
「ひぃぃ、駄目、あん、あっああん、やぁ、おっぱい、いぐ、あ、おっぱい駄目ぇ、ひぐうぅ、あひ」
「見てやる、舐めてやる、噛んでやる。絶対、先輩のおっぱい吸ってやる」
僕のピストンで先輩の腕組みが少し緩んだところで、すかさず引き剥がす。もうボタンをちまちま外したりしない、そ
のまま強引に開く。ブツブツブツ、とボタンが飛びブラが見える。しかし、先輩の手が戻ってくる。だけど僕は一気に
ブラに手をかけ引き千切った。ポンポンッと何か肌色的な物体が7・8枚舞い上がる。落ちてきたソレを掴み見てみる
とパットだった。
「見ないでって言ったのにぃぃぃ」
酷い、青柳は酷いヤツだと先輩は泣いてしまった。僕の目の前にはなだらかな丘が2つ。その頂にはこれでもかとイキ
リ立つピンクの乳首が1つずつあったので思いっきり捻ってやる。

「ぎゃあああぁぁぁぁぁ!」

予想外の絶叫に驚いた僕は急いで先輩の口をふさいだ。少し考えて手を外し、改めて口で先輩の口をふさいだ。舌を入
れたら噛み付かれた。



229:図書室ではお静かに 6/6
09/09/29 04:53:27 ZrSS/ioi

「うぅ、ヤダよぉ、うっうっ」
金沢先輩はまだ泣き言を言っているが無視だ。だいたい指で手のひらを押されたぐらいで絶頂ってしまう様なエロい身
体をしている先輩が悪いのだ。髪や制服、パンツがびしょ濡れなのは先輩が汁っ気がありすぎる所為だし、ブラウスと
ブラが駄目になったのも矯正機能とパットで虚乳を作っていた先輩の所為、ファーストキスと処女を散らした相手が僕
になったのも身持ちが硬かった先輩の所為なのだ。ただ、中で出してしまったのは男のエチケット『近藤さん』を持っ
ていなかった僕の所為かもしれない。今日朝起きた時、まさかこんな事になるとは思いもしなかったし。

もう少し休んだらまた中に出そう。嫌がるだろうけど金沢先輩が僕のモノだって解らせるには中出しが一番だ。その次
はアレ、顔ズリ。フェラも捨てがたいけど今はまだ噛まれそうで怖い。でその次はまた中出し。今日の目標は先輩に僕
を「好き」だって言わせること。

せいいっぱい、下校時間まで頑張ろう。


図書室ではお静かに 終



230:終日喫煙 ◆gCgQRkIN7w
09/09/29 04:58:46 ZrSS/ioi
またネタが出来たら投下します。

さあ、これから出勤だ。徹夜でSS作りはもうしない。

231:名無しさん@ピンキー
09/10/05 23:58:14 rNKXTcbV
GJ
男がヤンデレっぽいのは個人的に好きなんだぜ・・・

>今日の目標は先輩に僕を「好き」だって言わせること。
「またネタが出来たら」ってことはこれをやって頂けるんでしょうか!?

232:名無しさん@ピンキー
09/10/12 22:51:27 8BYrceU0


233:名無しさん@ピンキー
09/10/17 19:16:02 OHPAiVEa
―見た目からして、15~17歳位だろうか。私が彼女を拾ったのは、北陸道の親不知インター手前だった。
私は、新潟の上越市から名古屋へ10tトラックで行く途中だ。
途中で眠気覚ましに缶コーヒーを買いに自販機に横付けした所、彼女が近寄ってきた。

「…このトラックの運転手さんですよね?」
「は?…ええ、そうですが」

「私を名古屋まで乗せていってください」

ヒッチハイカー。私も仕事柄、たまに遭遇する事はある。
だが、仮にも仕事場であり、同乗者の存在は想定されて居ない。
なのでもし死傷事故が発生したら、私の責任になる。
私は悩んだ。もし何かあったら懲戒免職も有りえる。

「…乗せていってもいいが、何があっても責任は持てない。良いね?」
「覚悟の上です。凍死よりはよっぽどマシですから、ね」
「そうだろうな。じゃあ、助手席側に回ってくれ。はしごみたいになってるから気をつけるんだよ」
「ありがとうございます!」

3段のステップを踏み、キャブが左右に揺れる。

「コーラで良いか?」
「良いんですか?…ありがとうございます。」
「ああ。久々の来客だからな。ちょっと揺れるけど我慢してくれ。じゃ、出発するよ」

パーキングブレーキを解除。ニュートラルから2速へ。
総重量25トン、排気量13000ccの巨体が静かに動き出した。



深夜2時25分。現在地は東海北陸道白川村インター付近。そろそろ飛騨トンネルだ。
流石にこの時間になると、普通車は余り走っていない。
居るのはバスかトラックのみといった具合。お陰で走りやすい。
世界遺産や聖地巡礼にも目もくれず、ひたすら走る。

「寝れないのか?」
「はい。そう言えば、お互い自己紹介がまだでしたね。私は如月なつき、です」
「なつきか…いい名前だ。俺は岩崎薫って言うんだ。よろしくな」
「はいっ!」

飛騨トンネルを抜けて、直ぐの飛騨河合パーキングエリアへと滑り込む。
このパーキングエリアは加速車線が首都高並みに短く、加速が大変だ。

ニュートラルへシフトレバーを動かし、パーキングブレーキを作動。
エアーの抜ける音と、エンジン停止に伴う振動と音がキャブを揺らす。
ドアを開け、ステップを駆け下りる。もう一人は慣れていない様で、少し時間が掛かった。

「ところで、さっきから時々ケータイで何か見てるみたいだけど、何か面白いニュースとか有る?」
「はい。…まぁ、詰まらない事ですけどね。保守、と」
「えっ?」
「なんでも無いですよ。そう言えば、知ってます?……」

二人旅はまだ道半ばだ。

234:名無しさん@ピンキー
09/10/19 01:52:32 93ZgVofn
続きが欲しくなる良保守だった

235:名無しさん@ピンキー
09/10/27 23:53:12 jKtPTwUC
投下します。予定では18レス消費。
タイトル:不確定性原理と神はイコールで結べるか

236:不確定性原理と神はイコールで結べるか 01
09/10/27 23:53:56 jKtPTwUC
2016-10-17 06:00

「おはよう」

午前6時。鳴り響く携帯を手に取り最初に耳にしたのがこのセリフ。
早い。どう考えても6時は早い。だからオレはもっと怒ってもいいはずだった。

しかし、相手は香澄だった。

「どうした?」
「窓の外を見て欲しい」

こいつとはガキの頃からつきあいだが、
いたずらとか嘘とかには無縁の人生を送ってきた不思議な奴だ。
論理の塊であるところの彼女は、決して思いつきで行動したりはしない。

オレはなんの反論もすることなく、
言われたとおり、パジャマのままベッドから出て、片手で窓を開けた。

9月下旬。晴れた空。街の外はガキのころから見慣れた景色。
背が伸びた分だけ、昔とは視点が違ってるぐらいで。

「別に、かわったことは……」
そう言いかけたとき、微妙な違和感を感じる。
何がそう思わせるのか、オレは必死で考えた。

そして……気がつく。街に誰もいないことに。
人影も、チャリも、車も、なんにも。
目をこらしてみても、駅に向かう道になんの姿もない。
いつもなら結構な数の人が駅に向かってる時間だった。

「誰もいない……ちょっと待て」

ふと思いつく。妹は? オヤジは? お袋は?

ダッシュで部屋を出て、隣の妹の部屋を開ける。誰もそこにはいなかった。
階段を駆け下り両親の寝室をあける。もぬけの殻だ。
オレは茫然自失となり座り込む。

「達也!?」
オレの息づかい以外聞こえない静かな空間、手元の携帯から香澄の声が響く。

「……いねぇ!」
「家族のことか?」
「あぁ」
「妹さんとご両親だった……かな」
「あぁ、それがみんな居ねぇんだよ! なんなんだよいったい、これは!」
「同じか」
「……えっ、じゃあ、おまえんとこも」
「あぁ、こっちは兄と両親が忽然と消えてしまった」

「なんで」
「原因はわからない。
 さっきテレビをつけたが、全てのチャンネルがテストパターンか、
 音楽クリップを流していた。おそらく自動設定のものだと思う。
 インターネットコンテンツも、3時間前に更新が止まっている。
 日本だけじゃなく、世界中の全てのコンテンツが」

オレは絶句した。

237:不確定性原理と神はイコールで結べるか 02
09/10/27 23:54:53 jKtPTwUC
「今、私は達也の家の前にいる。悪いんだが、着替えて外に出てきてくれるか?
 いくつか確かめたいことがある。つきあってくれ」
「あぁ、わかった。すぐ行くよ」

習慣で学生服用のYシャツに手を通しそうになったが、
気が変わってプルオーバーとジーンズにする。
玄関を出たとこに香澄は立っていた。彼女もジーンズにパーカー姿だった。

別の高校に入ってからあまり顔を合わせることはなかったが、
半年ではそれほど雰囲気も変わってはいなかった。

「まず、達也の携帯のメモリーすべて、かけまくってくれ」
「OK」
メモリーの最後まで試したが、全てアウト。

「やはりな」
オレの報告に香澄は冷静に答えた。
「先ほど私もやってみたが、全滅だった」

「……駅に行ってみるか?」
「そうだな」

おそらくこの街で一番人が集まるはずの場所。多分そこで全てがわかる。

いつもならこの時間に開いてるような店が、軒並みシャッターを下ろしていた。
住宅のカーテンはそのほとんどが閉まったまま。
家から漏れるTVの音も聞こえない。
人も車もいない街は、限りない静寂を保ち続けていた。

一軒だけ店が開いていた。24時間営業のコンビニ。
自動ドアは何の問題もなくオレ達を迎え入れてくれる。
だが、客の姿は当然のようになく、レジにも店員が居なかった。

「すみませ~ん」
呼びかけに答えはなかった。バックヤードに入ってみたが同じ。

「行こうか」
「あぁ」

このままあけっぱなしでいいのか、って思いが頭をよぎったが、意味が無いことに気付く。
品物を無断で持ち去ってしまう方の人間もいないのだから。

「事態は最悪だが、ライフラインが生きてるのは不幸中の幸いというべきだな」
確かに香澄の言うとおりだ。少なくとも生活には困らないだろう。当面は。

というか、なんでこいつはこうも冷静なんだろう。
しかし、オレの次の発言もどっこいどっこいだ。同じ人種かもしれない。

「どれくらいのスパンで、供給設備が無人であることが許容されてるか……だな」
「私もそれが心配だが、確認のしようがない。
 原子力発電所の安全装置とか、そんなのは普通の高校生じゃ知りえない範囲だ」

そんな話をしているうちに駅に着く。上り電車がひっそりと止まっていた。

「入場券、買うか?」
「いや、この状況では不要だろう」
「まぁ、そうだな」

238:不確定性原理と神はイコールで結べるか 03
09/10/27 23:56:01 jKtPTwUC
ひとつだけ自動改札のないところを通ってホームに入る。
見渡した線路、左右とも遥か先まで動くものはなかった。
ホームの先に止まってる電車は灯りを消して真っ暗な状態。モーター音もしない。

香澄は少し離れた場所で時刻表を見ていたが、すぐに戻ってきた。

「あの列車はこの駅始発の一番電車だ。本来ならば午前四時に入線予定だった。
 少なくとも昨夜の終電以降現在に至るまで、電車はこの路線を走ってない。
 これはネット上の状況と符合している」

「そっか」
わかっちゃいたことだったけど、目の前の事実はあまりにも重い。
おまけに移動手段として電車が使えないのが確定した。

のどが渇いてカラカラになってた。

「なんか飲むもの買ってくる」
そう言って、オレは少し離れた場所に向かう。

自動販売機で、アイスコーヒーと苺牛乳パックを買った。
ホームのベンチに座り、オレはプルタブを開け、隣ではストローを刺してる。

「それにしても、よく覚えてたな、私の好みを」

言われて初めて気付いた。
香澄の分として、なんのためらいもなく苺牛乳をチョイスしたことに。

「まあな」

オレはボーッとしたまま空を見上げる。衝撃がでかすぎた。

「……達也」
「なんだ?」
「突然で悪いんだが、手を握ってくれないか」
「え?」

見ればパックを持つ彼女の手が震えていた。

「怖いんだ。正直に言うと」

オレは無言のままそっと手を添える。

見ると、中身がストローの先からあふれてきていた。
オレの力が入りすぎてるのかと思ったが、そうじゃなかった。
香澄の指がガチンガチンに強張っていた。

こいつもオレとおんなじで、事態の見極めがつくまで、
無理して自分自身を冷静に保ってた…というわけか。

あわてて、もう一方の手で固まった指をはがす。
パックを横の席に置いて、汚れた彼女の手をハンカチで拭く。

「すまない、こんなときに感情をコントロール出来なくて」
「全然。だいたいこんな事態で平然としてられるヤツなんて、そうはいない」

「でも達也は」
「怖いのは一緒さ。でもオレって見栄張るのは昔からうまかったろう?
 だいたい、女の子の前でオイオイと泣くわけにもいかないんだ、男って」

239:不確定性原理と神はイコールで結べるか 04
09/10/27 23:58:16 jKtPTwUC
「……達也が私を女の子として見てくれてるとは、正直驚きだな。
 この発見は、唯一この事件に感謝すべき点と言えるかもしれない」

珍しく冗談を言って、ぎごちなく香澄が笑った。

一瞬、彼女を抱きしめたくなったのは……オレが悪いんじゃない。
あまりにも可愛かったんだ、そんときの香澄が。

そんな突然の行動に香澄は一瞬驚いて体をこわばらせたあと、
力を抜いてオレにもたれかかってきた。

香澄のにおいが鼻腔からとびこんできて。
腕と胸から女の子の柔らかい感触がしてて。
彼女を落ち着かせるためにしたことで、逆にオレは不安定な状態に陥る。
ありていに言えば、下半身の一部が強烈に反応してた。

場違いだろ、静まれよバカ!
心の中でそうどなりつける。

オレがそうして煩悩と戦ってるさなか、彼女が体を離した。
見ればさきほどの震えはすっかりおさまっているようだった。

「ありがとう。もう大丈夫だ。おかげで落ち着いた」
「そっか… じゃ、帰ろうか」


帰り道は来たときと同じだった。景色には何の変化もない

コンビニに寄って、朝食用にサンドイッチと紅茶のペットボトルを買う。
一応お金は置いといた。


「やっぱり、どこもかしこも更新は日本時間の午前3時が最終、
 ブラウザのキャッシュ残りなんかじゃない」

オレの部屋でサンドイッチをかじりながらネットを検索して、
ソースまで確認した上でオレは結論を出した。

「決定か」
「認めたくないけど答えはひとつ」

どうやらこの地球上で残ってるのはオレと香澄の二人だけ。

いや、インターネットの繋がらない場所に誰かが残ってる可能性もあるが、
こればっかりは確認のしようもない。
オレが飛行機を飛ばせるとか、海を越えられるほどの船を動かせるなら話は別だが。

「達也」
「なんだ?」
「達也は神を信じるか?」

「……やぶからぼうに、すごい質問だな。
 そんな言葉、おまえに似合わない気がするけど?」

240:不確定性原理と神はイコールで結べるか 05
09/10/28 00:01:11 jKtPTwUC
「いや、科学は全てを証明したわけじゃない。
 実際の所、科学の不可知領域と神の領域は言い方の差にしか過ぎない。
 いまさらアインシュタインでもないが、
 観測できない事象に関して人間は無力だ。できるのは推測しかない。
 冷静に見れば、現在の私達の知識量でこの事態を解明し復旧するのは、
 おそらく不可能と見るべきだろう」

「それは同感だな」

彼女が大きく息を吐いた。そして言葉を繋げる。

「そこでふたつの考え方が選択肢として出てくる」

「神が私達二人だけを地球上に残したとするなら、
 なんらかの意図があるのだろうから、それに沿って進めば、
 神の御心が私達を助けてくれるだろうというもの。
 クリスチャンになるか仏教徒になるかアラーの神を信じるか、
 どうであろうと『先方』の希望が明確ならそれに従えば済む事だ。
 ただ、今までの所、なんのメッセージも来てない点に問題がある」

「もうひとつは、
 なんらかの原因で、不確定性原理的に、私達二人が偶然残されたというもの。
 根拠は、一定の条件の中で二人揃って最も優秀な個体であった、
 という推論に関して、その可能性がゼロに近い、という点だ。
 このようなスタートラインから見て、この世に今現在、他の意思など存在しない、
 単になんらかのさいころが振られたに過ぎない……という前提からするならば、
 これからどうするかについては、二人の話し合った結果が全てであって、
 決定権はあらゆる意味において私達の手にある、と考える」

「このふたつに集約できると思う。で、達也はどう考える?」

「オレは第3の意見」
「ほう」
「なるようになる。適当にする。以上」

「はは。いかにも達也らしいな。
 なるほど。それもいいかな。当面の方針としては正しいのかもしれない。
 情報量の少ない今の状態で方向性を決めてしまうのは、リスクが高い」

二人だけのサバイバルっていうべき状況ではあるんだけど、
木の皮をむいて食べるとか、川の魚を採るとか、
別にそういう状態になってるわけじゃない。

少なくとも2~3日の余裕はありそうだから、
神につくか科学に頼るか哲学者になるか独裁者になるかを決めるのは、
今じゃなくてもいいはず。

オレ達はそんな仮の合意の下に、
とりあえず緊急課題として昼飯のことを考えることにした。


「香澄は麺は固いのと柔らかいのどっちがいい?」
「普通で。しかしほんとにいいのか? 手伝わなくて」
「たかがインスタントラーメン。慣れてるから大丈夫だ」

ガスは使えた。そして水道も。

食堂のテーブルに差し向かい。二人で麺をすする。

241:不確定性原理と神はイコールで結べるか 06
09/10/28 00:02:22 jKtPTwUC
「おまえとはもうじき会えなくなるな」
オレはラーメンにぶちこんだキャベツを箸でつまんで語り掛ける。

「野菜だけは自分達で作る必要があるな。
 しかしキャベツを作るのは敷居が高そうだ。本当にお別れかもしれない」
「ほうれん草とか小松菜とかトマトとかが、オレ達のお友達かな?」
「たぶんその辺だろうな。難易度からみて」

つかのまの満腹状態で、朝からの緊張が多少和らぐ。

「ごちそうさま」
同時に口にしたオレ達の言葉は、文字通り感謝の思いに満たされていた。

「結局、なんつーか、この社会って、
 えらく沢山のひとの分業制によって成立してたんだってこと、
 いまさらながら思うよな」

「ああ、そのとおりだと思う。
 私達がいくら頑張っても、昨日まで消費していた商品に関して、
 一つたりともちゃんと作れないだろう。多分何年掛けてもな。
 それぞれの工程のスキルを一人で得るのは不可能だし、
 だいたい数多くの人間がたずさわらなけりゃどんなものも作れないし」

「逆に今ある残存物を消費するだけだから、二人ならなんとかなるわけだが」

「長い時間をかけ人間が培ってきた生産に関するノウハウも、
 そして、社会という枠組み自体も、全部パァか~」

「つくづく思う。なりゆきではあるんだが、
 継承者として、自分自身の力不足が慙愧に耐えないというか」

「ハハ。まったく香澄は真面目すぎるな。
 この際、過去の常識や価値観は一切捨てたほうがいいぞ」

「だいたい、高校一年生二人じゃなんもできやしないさ。
 誰も期待してないだろう、救世主じゃあるまいし」

「なるようになる。適当にする……か?」
「そういうこと」

そんなわけで、オレたちは危機的状況と関係なく、ゲームを始めることにした。
一日で蒙ったとんでもない衝撃を和らげるために、リラックスタイムも必要だろう。

しかし、香澄は異常に強かった。
12連鎖をくらい、オレの陣地は一瞬にして黒いもので埋め尽くされる。

「おまえ、強すぎ」
「いや、達也が弱すぎるだけだ」

そんなこんなで、中途半端な人類滅亡の初日は過ぎ、夕食の時間になった。

「なんか手伝おうか?」
「今はいい。というか、達也は何か作れるのか? インスタントラーメン以外に」
「いや、全然」
「やっぱりそうか。気にしなくてもいい。食事を作るのは嫌いじゃないから」
「ヒューッ、助かった」
「母親が働いていたせいで、それなりの物は作れる」

出来上がったものは、決して『それなり』じゃなかった。

242:不確定性原理と神はイコールで結べるか 07
09/10/28 00:03:32 jKtPTwUC
「めっちゃうめぇ~
 こんな料理が毎日食べられるなら、今すぐ嫁さんにしたいところだな、ハハ」

「喜んでくれるのは嬉しいが、
 三つ目の段落に関しては、難しい問題があると思うんだが?」

香澄はきゅうりの酢の物を口に運びながら、そう言った。

「三つ目? あぁ、『嫁』ってとこ?」
「そうだ」

……なるほどね。
今現在は衣食住の全てにおいて困ってはいない。

そして、この世界に残ったのはどうやら香澄とオレだけ。
現在、恋人同士でもなんでもない、幼馴染ってだけの二人は、
これからどういう関係に?

ヒトという種を残すために、個人の感情なんて無視して子作りに励む……
なんてのも、考え方としてはある。

しかしそれじゃオレたちってパンダとかトキなみ。
よく言えばアダムとイブかもしれないけど。

一方で、種の保存に義務を感じなくて、二人にその気もなければ、
何十年か先にオレたち二人が順番に死んで、結果として人類が滅ぶわけだ。
ま、別に胸は痛まないけど。正直『人類』なんてカテゴリー、でかすぎ。

「結構難しい問題なんだな、冗談のつもりだったけど」
「実は昼頃からずっと考えてたんだ、最優先課題として」

「それにしてもすごいな。イエスノー以外の選択肢がまるでない状態って。
 『ノー』といった瞬間に一生独身が決定するってどうよ」
「あぁ、世界中の誰も考えたことのない事態だ」
「ま、2・3日考えるよ」
「そうしてくれ。私も考えておく」

お茶碗を台所の食洗機にぶちこんで、食後のお茶にする。
黒糖だけを使った究極の羊羹に、二人で舌鼓をうつ。
昨日おふくろがどっかから買って来た超高級品だ。

「眠いな。早起きしたし、頭使ったし、腹はいっぱいだし。
 で、今夜はどうする? 別々の家で寝るのはないだろう、こんな日に」

「さしせまった危険もなさそうだが、こんな日に一人はつらいな、正直」

「よし! じゃ、香澄の所に行こうか?!
 オレどこでも寝られるから、香澄のお兄さんの部屋で寝るよ」

話が決まり、ジャージを抱えて、二軒隣の香澄の家に行く。

243:不確定性原理と神はイコールで結べるか 08
09/10/28 00:04:43 jKtPTwUC
「景気づけに枕投げでもしてみる?」
「いや、遠慮しとく」
と、香澄はさりげなく拒否。キャラ的に合ってないのは確かだ。

香澄の部屋。二人ともパジャマ代わりのジャージ姿。
二人してベッドに腰掛けてる。微妙な距離を置いて。

意外にも、彼女の部屋は結構女の子っぽかった。
お人形があったり、可愛い硝子細工とか、いろいろと。
なにより香りがなんというか……

「父親がなんだかんだと買ってくるんでこうなってるが、
 全部が私の趣味ってわけじゃない」
変に顔を赤くして視線をそらす香澄。

部屋の中に女の子と二人だけ。
今朝起きるまで考えたこともないシチュエーション。
しかしワクワクの気分なんてちっとも起きない。
明日からのことに心が行ってて、頭がそっちに行かないみたいだ。

でもこの際、さっきのことは言っちまったほうがいいか?
だな。考えても考えなくてもおんなじなんだから。

「さっきの話だけどさ」
「?」
「いや、嫁がどうのこうのの話。
 先に言っておくわ。どうせ答え決まってるんだから」

「そうか、じゃ、聞こう」
冷静な言葉の割にはなんかおどおどした感じの香澄。
なんだ、こいつ。

「オレ、香澄のこと好きだったんだよね、ずっと前から。
 こんな状態で告白っていうのもどうかと思うけど、
 ま、はっきりしておいたほうがいいんだし」

香澄はオレの言葉にポカンとしたままこっちを見てる。

「中学の卒業式の日に告白するつもりが、やっぱ勇気なくてさ。
 高校が別になって、もう終わったと思ってたんだけど、
 こんな形で言うことになるとはね。
 でも、ちゃんとこうして気持ち伝えられて、オレ的には満足」

「ま、そういうこと。報告終わり」

「よくわかった。次は私の番だな……
 結論から言うと、達也の配偶者となることについて、私は全く異存がない」

なんか、種の保存……っぽい雰囲気だな、その言い方。
うれしくもあり、うれしくもなし。男として微妙な……

「あ、今のは正確な表現ではなかった。達也が誤解してるようだ。
 改めて言う。
 私も達也のことが好きだ」

「これでわかって貰えただろうか?」

244:不確定性原理と神はイコールで結べるか 09
09/10/28 00:05:54 /WDLYIVR
オレはまじまじと香澄を見つめてしまった。

「恥ずかしいからそんなに見つめないでくれないか?」
「いや、香澄、そんなそぶり全然見せてなかったし」
「それは達也も一緒だろ」

ま、そうだけど。それにしても。

「人類滅亡の日に告白か。
 もし明日の朝、間違って新聞が発行されたら、
 一面トップだぞ、これは」

「あぁ、他にニュースはないしな。
 三大紙を筆頭に、駅売りのスポーツ新聞のトップも軒並み。
 朝のニュースも時報のあと一番に私達のアップが映ることだろう」

笑える光景だ。

「ということで最重要課題はこれでかたづいたが、他の課題が」

「考えたくないほど山積みだな。
 食料の確保。残存人類の捜索。その他にもいろいろ。
 明日はまず、チェックリストを作ることから始めようか」

「あぁ、それは必須だな」

「しかし16才でこれだけの難問を抱えることになるとは、
 わからないものだな、人生というものは」

「あぁ、できることなら今すぐ普通の高校生に戻りたいよ」
「そうなったらほんとに嬉しいと私も思ってる」

「明日の朝起きたら、さりげに元に戻ってたなんてことは」
「多分起きないとは思うが、希望を持つのは必要な事だと思う」

言うべきことは言った。そして明日は明日の風が吹く……

寝るか。
本日の寝室へ向かうためドアを開けたとこで振り向き、声をかけた。

「じゃおやすみ、『オレの嫁さん』」

一拍間が空く。さーっと香澄の顔が赤くなった。

「……おやすみ」
彼女が小さな声で答えた。

245:不確定性原理と神はイコールで結べるか 10
09/10/28 00:07:57 jKtPTwUC
「目玉焼きとスクランブルエッグ、達也はどっちが好きかな?」
「目玉焼きにしてくれる?」
「了解。あ、念のために聞くが、ピーマンは大丈夫か?」
「ガキじゃねぇし」
「それは初耳」
「言ってろ」

朝。オレたちは二人だけの世界にいた。
しかしそれが比喩的表現じゃないのが激しく素敵だ。

朝起きたとき、世界は元に戻ってなかった。
窓の外を見て落胆はしたが、実際、昨日ほどの衝撃はない。

というか、エプロンつけた『彼女』がキッチンで朝食を作ってる光景ってどうよ。
個人的には、この事態がそれほど悪くは思えなかった。正直言うと。

朝食を終え、ダイニングで作戦会議が始まる。

電力を失ったとき、東京という街は住むのに厳しすぎる。
夏は暑いし冬は寒いし。それに野菜の確保が困難だ。

移動手段を確保し、温暖で食糧自給に最適な居住地を見つけ、
そして生活のベースをそこで作り上げることになるだろう。
少なくとも冬が来る前に。

そこで暮らし、そして……

「そこでオレ達『子作り』したりするのか?」
「まぁ、流れ的にそういうことになるな」

空白の時間が流れる。

「いや、こんなことを冷静に朝から語れる自分が怖い」
「私も同感だ」

言葉は相変わらずクールだが、香澄の頬は心なしか赤かった。

「……だけど……医者がいない」
「出産だけじゃなく、普通に病気とかも怖いな」

「あと歯医者もいない。歯磨き励行がお題目じゃすまない世界ってわけだ」
「いいんじゃないか、達也も、いい機会だし」
虫歯になっても誰も助けちゃくれないんだよな、やっぱり。

作り上げたチェックリストの優先順位に従い、まずオレは車の運転を練習開始。
なににせよ絶対必要な技能だ、移動手段として。

二人でネットを駆使し、取り出し可能で長く持ちそうな冷凍食品保管場所をチェック。
これから先も生き続けるために必要なことを、オレ達は協力しながらこなしていった。


そんな日々を過ごすうちに、気付けばあの日から一週間が経っていた。

246:不確定性原理と神はイコールで結べるか 11
09/10/28 00:09:15 /WDLYIVR
「笑わないで欲しいんだが」
そんな前置きをして居住まいを正した彼女。

オレたちの今後の生活も、不確実ながらなんとか見通しがつき始めていた。

夕食の片付けも終り、今オレたちはジジババっぽく二人でお茶をすすってたんだが、
そんな穏やかな雰囲気を叩き壊すかの如く、彼女は爆弾を投下した。

「達也と私の子供が欲しくなった」
「な、何を唐突に」

「ありとあらゆる制限事項がここには存在しない。
 規範も法律も道徳も。なにもかも。
 その上で、私が今一番欲しいものを考えてみた。
 答えは、達也と一緒に居ること、そして達也との間の子供だった」

「一番目は既に達成した。そして二番目のためにはプロセスが必要だ。
 ……いや、正直に言おう。プロセスとは全然思ってはいないことを。
 そう。私は今、達也に抱かれたいと心から思ってる」

「もうちょっと事態が落ち着くまでということなんだろうが、
 達也はそんな雰囲気を、男としての欲望を、ここまで全く見せてこなかった。
 私の知る範囲では、男の子はもっと積極的で性的な存在だと思っている。
 しかし遠慮はいらない。私の心の準備は十分にできている。
 また、付随する結果として子供ができたなら、それもまた喜ばしい。
 このことに関して、達也の率直な意見が聞きたい」

……すごいな、あいかわらず香澄は一直線だ。

しかしここはガツンと。

「……まぁ、おおむね賛成……なんだけど、
 ちょっと、それはないんじゃない? って思うとこが一箇所ある」
「どこだろう」

やっぱ全然わかってない。ま、いいか。
実力行使!

オレはテーブルを回り香澄を後ろから抱きしめた。

固まってる彼女の耳元でささやいた。

「香澄を抱きたい」

見る見る目の前で、香澄の耳が真っ赤になった。
口ほどじゃないんだ、こいつ。

オレ的にはギャップ萌え。

首筋に唇を落とす。くすぐったそうにしてる。かまわず続行。

「や、やめ!」
「ダメだ。オレのセリフを奪った罰だ。大人しく我慢しろ」

意味がわかったのだろう、くすぐったさを必死で我慢してる。

247:不確定性原理と神はイコールで結べるか 12
09/10/28 00:11:46 /WDLYIVR
いい加減かわいそうなので中止する。
そして頬を両手で挟んでこっちに向けた。
至近距離で見つめあう。

オレが顔を近づけると、香澄はそっと目を閉じた。
初めてのキス。頭の奥まで衝撃が走った。
接触した粘膜が強烈な刺激を絶え間なく発してる。

オレたちはしばらくそうしてた。

唇を離してすぐ、半分飛んでたオレの意識が急速に戻り始めた。
しかし目の前の香澄は、目を閉じたまま唇は半開き状態。

ほっぺたを指先で軽く叩いた。
目がうっすらと開く。しかしまだ焦点が定まらない様子だ。

徐々に開いた目がいつもの輝きを取り戻すのに数十秒かかった。

「結構強烈なんだな、これって」
オレの言葉に香澄は恥ずかしそうにうなずいた。カクカクと。

「部屋に行こう」
香澄を立たせて歩こうとしたが、彼女の足取りがおぼつかない。

「うわっ」
オレが彼女を抱え上げたときの悲鳴だ。
キャッじゃないとこが香澄らしい。

香澄の部屋のベッドにそっとおろす。
そのまま熱いキスをかわす。
彼女の両腕がオレの背中を抱きしめてる。
唇をこすり合わせるようにして互いの気持ちを伝え合う。自然に。

少し体を離し、キスをしたまま彼女の胸に触れた。
柔らかい感触。下にブラはつけてないようだ。
オレの手の動きにあわせ、それは形を自由に変える。

唇を離し、手も離して、体を半分起こした状態で彼女の胸を見る。
ふくらみの頂点がジャージ越しにしっかりと盛り上がってた。左右とも。
誘われるように指先でそっと触れてみた。

「うっ!」
うめき声とともに香澄の体がビクッと震えた。
反対側も。ついでに。

「ハアッ」
恐ろしくなまめかしい吐息が香澄の口から漏れた。
てのひらとか指先とか、両手を交互に使って胸に触れる。

香澄は俺の腕をつかみ、とぎれとぎれの喘ぎ声を出しながら、
体をのけぞらせるように耐えている。

「しんどい?」
中断して聞いてみた。

「……それは……ない……けど」
「けど?」
「よくわからない感覚で、非常にとまどっている」

248:不確定性原理と神はイコールで結べるか 13
09/10/28 00:20:00 /WDLYIVR
痛くないのなら問題ないだろうと、勝手に決めつける。

ジャージをめくりあげる。おっぱいとご対面だ。
柔らかくてまるいものがふたつ、目の前にある。
真っ白な乳房の上の乳首はきっちりふくらんでて、
おいでおいでと、いかにもオレを呼んでる風情だった。

迷うことなく口でむしゃぶりついた。

「アッ!」
盛大な喘ぎ声。のけぞる背中。
唇と手と指と、全部を総動員して、
香澄のおっぱいをオレは好きなだけいじくりまくった。


上を脱がし、下もおろして足から抜き去り、
そう、目の前の香澄はパンツ一枚の裸。

「きれいだ」
「……ありがと」

とっくにオレのモノはがちがちになってた。
ほんとは、食堂でキスしてからずっとだったけど。

あとはあのパンツを脱がして、そしてこいつを香澄の中に……

「あっ」
「どうした?」
「コンドーム買ってない……けど、おれたちには必要ないか」

彼女の第三の希望に沿えば、避妊する必要性がない。そしてオレも同意してる。
それが証拠に、ベッドの香澄は笑顔でうなずいてるわけで。

そうとなれば、あとは……

多分、その瞬間、オレの頭の中は『けだもの』状態になっちまったんだろ。
初めてなんだから優しくしなければ、と、直前までは思ってたんだけど、
もうそんなの完全にぶっとんでて。

気付いたら、香澄がオレの胸を押しながら、
「痛い!」と大声で叫んでた。

彼女の下半身を広げるようにオレの腰が割り込んでて、
下のほうを見ると先っちょが少し入ったぐらいの状態だった。

「ごめん」
おれは素直に謝り、腰を引いた。

「いや、だいじょうぶだ。続けてくれていい」
「でも」
「我慢する。達也に気持ちよくなって欲しい。それが私の一番の望みだ」

オレを見つめる香澄の目は、彼女の思いの全てを映し出していた。
ここで引いちゃ、彼女のせっかくの気持ちを踏みにじることになる。

「じゃ、いくよ。遠慮しないから」

249:不確定性原理と神はイコールで結べるか 14
09/10/28 00:23:27 /WDLYIVR
言葉とは裏腹に、オレが奥へ挿入しようとする間ずっと、香澄は抵抗を続けていた。
しかしある瞬間、オレのものがすべて香澄の中に収まった。

あったかい。そしてオレのものは香澄にギュッと締め付けられてる。
ずっと荒い息を吐いてた彼女が、ぎごちなくオレに笑顔を向けた。

「うれしい」
「そうか」

目の前で盛大に痛がっていた香澄に対し、
さらに動かしたいという欲望に支配されつつあったオレは、
正直、途方に暮れていて、返事が半端になる。

「動いてくれていいから」
「?」
「そうしないと気持ちよくならないのだろ? 男は」
「そうなんだけど、でも」

香澄がキスをしてきた。そして耳元で囁く。

「もう私は達也の妻だ。神父も神主もいないけど、私達がそう決めた。
 夫である達也の願いに従うことは、同時に妻である私の希望でもある。
 だから、ためらう理由なんてどこにもないんだ」

ほんの一瞬その言葉の意味を考えた。
そしてオレは香澄の中に埋まっていたものを動かし始める。

苦痛でゆがむ彼女の顔を見ながら、
その優しい思いやりとオレに対する限りない愛情の中、
すぐにオレは限界点までたどりついた。

「行くよ」
「……きて」

その言葉と共に、彼女は両手両足をからみつけるように、
オレの体を力いっぱいひきつける。

奥に挿入したものを更に奥へといざなうような動きは、まるで、
射精される精液をとりこぼすことなく子宮の内部へと迎え入れたい欲望に、
彼女が支配されているかのようだった。

同時に発生した香澄の粘膜の激しい締め付けに、
一気に限界点を越え、オレは射精を始めた。

香澄の中へと欲望の証を注ぎ込みながら、オレは香澄の唇に唇を重ねる。

愛おしかった。こいつの全てが。
表情も、体も、性器も、性格も、瞳も、おっぱいも、思いも、肌も、全部が。

ようやく射精が終わったとき、あらためて香澄を抱きしめる。

「ありがと」
「私こそ、こんな幸せな気分になれて感無量だ」

後始末をして、腕枕で香澄をかかえた状態でオレは眠りについた。
あたたかい思いとともに……

250:不確定性原理と神はイコールで結べるか 15
09/10/28 00:26:25 /WDLYIVR
目が覚める。
半端な覚醒状態の中、強烈な違和感に襲われた。

その正体は音だった。

ノイズのように押し寄せる音の正体は、複合した音たち。
この1週間、無音のこの街で聞いたことのない音。
そしてそれは……その前、人々が沢山いたときにオレが普通に耳にしていた……

ベッドから飛び起きると、そこはゆうべ居たはずの香澄の部屋ではなかった。
オレの部屋、間違うこともない、いつもの部屋。

窓を勢いよく開けた。
街には人がいた。

たくさん。ここかしこに。普通に。

力が抜けたオレは、窓際でへたり込む。
大きく息を吐いた。

どんな理由にせよ、世界に二人だけ、っていう事態は解消した。
とりあえず今。

何の気なしに携帯を手に取る。
表示を見た。

2016-10-17 06:00

自分の目を疑う。これは、全てが始まった、一週間前のあの日。
オレの感覚からすればきょうは一週間後の……

電話をかける。香澄に。つながった。

「きょうは何日なんだ?」
前置きなんかまどろっこしすぎた。

「どうやらリセットされたようだ」
「リセット?」
「あぁ。ついさっき、私も日付には気付いた。
 家族のものにさりげなく聞いてみたが、
 彼らにとっては普通に連続した日のようだ、今日という日は」

「でも」
「そうだ。少なくとも今こうして話している達也と私にとっては、
 全く連続してはいない。しかし、ちゃんと一週間の記憶は保持されている」

「……あの一週間が、なんかの夢だったりとかいうオチは?」
「それはない」
「どうして?」

「下半身の一部が現在も強烈に痛い。
 これは9時間前にあった出来事の十分な証拠といえる」

うおっ!
一瞬、香澄の肌の感触を思い出してしまったオレ。
ゆうべ二人で、あんなことやこんなこと、うわっうわっ!

251:不確定性原理と神はイコールで結べるか 16
09/10/28 00:28:02 /WDLYIVR
「でも、よかった」
「?」

「私だけが記憶を持ち、そして達也の記憶が消えていたら……
 その可能性を思いついたとき、私の思考は停止してしまった。
 その瞬間だったんだ、達也から電話が来たのが。
 最初の一言で、私の心配は杞憂にすぎないとわかった」

「私はその時、とてもうれしかった……」

二人して無言になる。

この一週間の間に二人で築き上げたものがちゃんと残っていると分かり、
心から安堵した瞬間だった。

「……まぁ、誰に話しても、絶対信用してもらえねぇとは思うけどね」

「いいんだ。少なくとも、私達の間では真実なんだから。
 それ以上はいらない。必要もない。
 まして、あの一週間は私にとって至福の時だったのだから」

「いやいや、それは間違いだよ、香澄さん」
「?」

「終わってない。というか始まったばかりだよ、オレたち」
「……そうだな。うっかりしてた」

オレと香澄は話し合い、普通にそれぞれの生活に戻ることにした。
ガッコに行った帰り待ち合わせをして、話す。
どこにでもいる高校生のカップル、それがオレたちだった。

キスまではしたが、それ以上のことはしなかった。
急ぐ必要がないことは二人の暗黙の了解事項だったのだから……

252:不確定性原理と神はイコールで結べるか 17
09/10/28 00:31:50 /WDLYIVR
普通の世界に戻ってから三週間ほどが過ぎた頃、昼休みにオレの携帯が震えた。
珍しく、彼女からだった。

「今、いいか?」
「だいじょうぶだけど」

心なしか彼女の口調が固い。いったいなにが……

「いや、あの…まぁ、どうやら……子供ができたようだ」
「へっ?」
「さっき病院に行ったら妊娠してるとドクターに言われた」

って、それは…… あっ! あの日!
すっごい身に覚えが……

「それって一分の一の確率?」
「ということになる」

いやいや、驚き。あるんだ、そんなこと。

「この件に関して、達也にすまないと思ってる」
「え、なんで?」
「いや、あのとき私がわがままを言って、
 そのせいでこんな事態になってしまって本当に」
「はいそこまで!」
「???」

同級生に、この時点で情報が漏れるのは得策ではないので、
廊下の端っこ、人気の少ないとこに移動していたオレ。

「わがままというなら、それは二人とも。
 香澄が子供が欲しいと言って、オレもそれでいいと思った。
 そしてその思いは……今でも全然かわってない」

「?」

「つまり、その子は生を受けるべき命だったんだよ。
 二人だけの世界で意思決定された、
 いってみれば全世界で祝福された子供なんだよ」

「ということで、香澄。
 その子、気合入れて生んでくれ。そして二人で育てよう」

泣いていた。香澄が携帯の向こうで。はっきりと。

「とはいってもハードルが滅茶苦茶高いな~
 オレ、結婚可能な年齢じゃないし、両方の親の説得とか…… うわぁ~
 ……でもなんとかする。少なくともオレたちの決めたことなんだから」

「……うん」
ハナをすすりながら彼女が答えた。

「でも……多分……うちの親は……大丈夫だと思う」
「え?」

253:不確定性原理と神はイコールで結べるか 18
09/10/28 00:32:50 /WDLYIVR
香澄の話は驚くべき内容だった。

以前から彼女の母親は『早く孫の顔が見たい』と言ってて、
『いいのよ香澄ちゃん。好きな人が出来たら子供つくっちゃっても。
 あなたが高校卒業するまでは私がちゃんと面倒みるから』
と口癖のように繰り返していたんだそうだ。
仕事は? と聞いても、『なんとかなる』と即答だったって。

「だから私の家のほうは全然心配要らないと思う」
これで少なくとも第一ハードルはクリアか。

オレんちは面倒そうだけど、なんとかするしかない。正念場だ。

「あと、オレたちに関しては、避妊もできないバカップルと認定されるだろう。
 あの一週間の終わりに二人が選んだことだったんだけど、
 世間がそんなオレたちの事情を知ることは、未来永劫、絶対にない。
 だからこれは二人で耐えていくしかない事柄になる」

「それは大丈夫だ。10年も経てば笑い話にしかならないことだと思う。
 だいたい、達也と『この子』と私が一緒に暮らす生活と、世間体と、
 重要なのがどっちなのかは検討する必要がないほど明白だ。
 言ってしまえば、予定のコースに関し、タイミングが前後しただけに過ぎない」

オレはそれを聞いた瞬間、彼女が可愛くて、すぐにこの腕で抱きしめたくなった。


「しかし、どこの神様だか知らないけど、
 すれ違ったオレ達の未来を強引に結びつけてくれただけじゃなく、
 子供のおまけまでつけちゃうなんて、よっぽどせっかちなヤツなんだな」

「いや、もしかしたら、縁結びの神と安産の神を兼任してる忙しい神様で、
 ノルマをふたつ同時に達成したかっただけかもしれない。
 よくあることだ」

ねぇよ!

「じゃ、両親には話しておくから、今晩うちに食事に来てくれるか?」
「あぁ、そうする」

「あと、今はまだ受胎直後なのでセックスは控えたいところだが、
 これからしばらく、体を触れさせることもないまま、
 夫を欲求不満に陥らせるのは妻として本意ではないので、
 今日の所は、代替的に口と手、あるいは素股とかいうやり方で」

「やめんかい!」

いやいや、オレの人生、これからいろんな意味で楽しくなりそうだ……

254:名無しさん@ピンキー
09/10/28 00:38:23 /WDLYIVR
以上です。

マーフィーの法則に、次の文章を追加すべきだと思うのは、
もう何度目になりますか。

「文字の間違いを見つけるのは、2chに投下した次の瞬間」

#01
× 9月下旬
○ 10月中旬

このように脳内訂正願いますm(__)m

255:名無しさん@ピンキー
09/10/28 00:42:18 Le71g77m
>>254
GJ!
素直クールな香澄がよかった!

256:名無しさん@ピンキー
09/10/29 02:07:00 m3j6m/xF
すっごくよかった。GJ!

257:名無しさん@ピンキー
09/11/03 17:46:52 3jrgYiTA
良いね
実に良いね

258:名無しさん@ピンキー
09/11/03 18:09:05 OVq2/UBY
>>228
GJ
実はパットとかいいね。
「好き」と言わされる話期待

259:名無しさん@ピンキー
09/11/05 21:12:25 6DNqpR8w
最終決戦で二人きり(格闘系)

260:名無しさん@ピンキー
09/11/09 07:15:36 Opl7Wut4
>>259
負けた女の子が犯られ続けるんですね。

261:名無しさん@ピンキー
09/11/09 09:37:54 yvIxK4S+
>>260
負けた男の子が絞り取られる方がモアベターよ

262:名無しさん@ピンキー
09/11/17 14:33:54 Q0FDhAzG
最終決戦目前で二人きりとかも良いな

死亡フラグっぽいけど

263:名無しさん@ピンキー
09/11/18 17:00:11 ZRMOIikh
>>262
愛を確かめあうとかいいな。
死亡フラグの場合は、多分その時に孕む。
そして最終決戦のしばらく後、男の死で生きる気力を無くしていた女に生き甲斐が出来る、と。

264:名無しさん@ピンキー
09/11/20 00:31:42 isztIDtl
いいな最終決戦。

戦闘後とかもありか?
ガンダムチックな複座式宇宙機動兵器に二人乗りでカク挫、
漂流しながら生命維持装置が切れるまでの最後のよすがに求め合うとか。

とあるRPGに、コックピットが緩衝用兼生理処理用にぬるぬるの生体部品で覆われた、
子供しか乗れないロボットというのがあったが、年頃寸前の少年少女が二人乗りとかすると、
ぬるぬるで絡み合ってそりゃもうすごいことに、とか妄想したな。

265:最終決戦後に二人きり
09/11/22 21:58:40 zZq4eVbM
「「ファイナルゥ!・バースト!!」」
「グギャァァァァァァァァァァ!!!」



「……大丈夫?ヨースケ」
「……それなりに」
漆黒の宇宙の中それはたたずんでいた
鋼鉄の巨人ガイアースと呼ばれ、数々の宇宙獣を葬ってきた手足は既になく
ただ複座式のコクピットが残っていた

「終わったんだね…」
「そうだな…」
宇宙獣を生産、そして司令塔だった“核(コア)”
それを内部から破壊するためにガイアースのフルパワーを使ったのだ
そのため最低限の生命維持装置を残し救援も呼べぬまま、こうやって漂っていたのだった

「…紺野、おまえの望んだとおり普通の生活が帰ってきたんだぞ」
「…ヨースケこそまだ暴れ足りないって顔している」
「確かにな。でもまあそれなりに満足している」
九郎陽介はゲーマーである
ガイアースのメインパイロットに抜擢され、訓練していた
いざ出撃と言うときアクシデントが起こる
詳しい説明は省くがサブパイロットのデータが何ものかに書き換えられたのだった
その名前は紺野香織。 普通の学生だった……
こうして、二人で迫りくる宇宙獣と戦うことになったのだった……


冒頭だけ、続けるかどうか分からない


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