09/08/01 22:38:32 PAHO1ldX
ノインと仲間3名は盗賊の秘伝書を会得する為のクエストを達成し、カズチャ村から再び
カラコタ橋へと移動した。
酒場に着くや、クエスト達成の報酬として盗賊のデュリオから盗賊の秘伝書と礼金の10000Gを手にした。
しかしノインの表情は、どこか雲行きが怪しかった。
「どうした?浮かない顔だな」
デュリオは尋ねた。
するとノインは仲間の皆を酒場へ置き去りにして、デュリオだけを連れて人気の無い場所へ向かった。
そこで溜息を吐いて、ぽつりと呟く。
「……敵討ちとは聞いていたけど、人を殺す事だったのね」
今回のクエストはカズチャ村の地下1階にいるようじゅつしからムーンダイヤモンドを盗めば良い内容だった。
このムーンダイヤモンドを盗む際に、ヴォルガンという者が現れ、デュリオが敵を討つと言ってはいたが、
ノインは敵を討つという事がどういう事なのか、今一つ理解していなかったらしい。
「人を悪者みたいに言うなよ。…まあ、義賊っても、盗賊には変わりねぇけどな」
普段、感情的にならないノインが珍しく感情的に怒った。
「そういう問題じゃない。私は人殺しの手助けをする為に手を貸したんじゃない!!」
「ああん?そういう物騒な発言は止めろ。俺は初めに言っただろ?敵討ちの為にクエストを宜しく、と」
「そ、そうだけど……」
聞き間違いをしたわけではなかったので、思わず口篭ってしまう。
でも、ノインにしてみれば、天使である自分がこんな事に加担してしまった事に対して憤りを感じられずにはいられなかった。
一番悪いのは自分なのかもしれない。と落ち込み始める。
「……ごめんね。あなたの所為じゃないのに。私が間違っていた。報酬ありがとう」
悲しい顔をして涙を堪え、そっとその場を離れようとした。
その時、激しく抑えつけられ地面の土草にノインは突き飛ばされた。
「うっ…!!」
煉瓦や硬い石の作りで出来た街道の中に倒されたわけでは無いので痛みは少しで済んだが、
それよりも突き飛ばしたデュリオの表情にノインは驚いた。
激しく怒りに打ち震え、目は血走っていた。
「今更気取るなよ!!聖人君子じゃあるまいし、善人ぶっているだけじゃ道は切り開けねぇ!ここはそういう所だ!!」
身体にのっ掛かられ、息苦しくなる。
「お嬢さんは綺麗な事しか知らないのか?だったら俺が教えてやろうか?」
「な、何を??」
ノインは慌てふためいた。
「ちょうど良いさ。お前の事、結構気に入ってたんだぜ?盗賊の秘伝書を持っていかれちまったらもう会えなくなる。
これ機会に、嫌でも俺を思い出させてやるようにしてやるさ」
にやついた顔でデュリオは吐き捨てると、引き裂くようにノインのヒュプノスガウンを引き裂いた。
「いやっ…」
露になった小ぶりで可愛らしい胸を強く揉みし抱いた。