ドラゴンクエスト官能小説part15at EROPARO
ドラゴンクエスト官能小説part15 - 暇つぶし2ch266:決戦の前夜に2 ◆oKAce4iD12
09/05/18 01:34:16 uX00rjNh
サランの町は、何事も無かったかのように人たちが過ごしていた。
城の事については触れないようにしているのかもしれない。
普段はあまり信仰を深めることがないアリーナも、足は自然と教会へと向く。
重い扉を開くと、見慣れた姿がそこにあった。
跪き、手を組んで一心に祈りを捧げているクリフトの後姿に、
アリーナは話しかけることができなかった。

どれくらい立ち尽くしていたのだろう。
顔を上げ、ゆっくりと立ち上った誠実な神官に向かって、
アリーナはその名を静かに呼んだ。
クリフトが振り返る。
「姫様も、ここにいらしたのですね」
「うん・・・お父様を近くに感じられる場所にいたくて。
 さっきまでお城にいたんだけど、あまりに閑散としてて」
解散してから大した時間は経っていないはずなのに
久しく会っていなかったかのような感覚にとらわれながら、クリフトを見る。
「サランはクリフトが育った場所なのよね」
「はい」
この地で幼少時代を過ごしたという神官は多くを語らなかった。
「少し町を歩かない?」
「はい、御一緒いたします」

薄暗くなってきたサランの町に、マローニの歌声が響く。
歩幅をアリーナに合わせ、クリフトはゆっくりと歩いていた。
「私ね、最近怖い夢を見るの。
 恐ろしい化け物に身を引き裂かれたり、身体を焼かれたりするの。
 サントハイムの血を恨んだりもしたわ。お父様も予知夢を見たと聞いたから」
おてんばと呼ばれた姫を、神官は何も言わず見つめていた。
「・・・・・・。そういえばブライは一緒じゃなかったの?」
「はい、ブライ様はエンドールに泊まると仰っていました」
「ブライはああ見えて楽観的なのよね・・・」
笑顔を作り月を仰ぐアリーナのために、クリフトが足を止める。
いつもこうして自分に合わせてくれる神官の優しさは、
明日前線で戦う姫の心を暖めていった。



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch