09/03/18 00:44:23 eQ5v3B/C
小さなラージの心遣いにフィオナは心にじんわりと温もりを感じる。去り際のラージの顔を思い浮かべ、小さく微笑みながら、フィオナはゴシゴシと顔を拭いた。
気分もハッピーにフィオナは軽くスキップしながら、格納庫を出ようとしていた─が、その途中。
─カランカラン・・・
フィオナのつま先に何かが当たる。
(これって・・・)
ピンク色のかわいらしいスパナ。これはいつもミズホが使っているオーダーメイドの物だ。ミズホの工具はすぐに自分の物だとわかるように、ピンクのカラーリングが塗装されている。
落としたのだろうか、と思いフィオナはミズホに届けようと、スパナを手に取りミズホがいつも休憩している、コンテナに囲まれた場所へと向かう。
コンテナに囲まれた格納庫の端の一角にテーブルとイスを置いて作った休憩所で、この時間帯はミズホは飲み物を飲んでいるハズだった。
だが─
─ギシギシ・・・
フィオナはその休憩所に近づくにつれ、聞き慣れない妙な音が聞こえることに気がついた。例えるなら木が軋むような音だ。
(何の音なの?)
フィオナは本能的にゆっくりと足音を立てないように音の発生源に近づき、コンテナの影から、そっーと覗き込む。
(え?)