【三語のお題で】三題噺inエロパロ【エロを書け!】at EROPARO
【三語のお題で】三題噺inエロパロ【エロを書け!】 - 暇つぶし2ch327:名無しさん@ピンキー
11/01/01 04:16:39 6alAC9Cm
ラジオ 孤島 善良
※人外・アホ注意!



太平洋に浮かぶ絶海の孤島。

突如発生した大型台風により足止めを食った我々エロ研は、謎の死を遂げたメイドのY江さんの死の真相に迫っていた。

「被害者のY江さんは、腹上死の可能性が高いです。裸で全身粘液ドロドロでアヘ顔でした。
それに身体についた痣……あれ、暴行の跡じゃありません。
きっと、吸盤の跡なんです」
「どういうこと?」
「言ってたでしょう、Y江さんは雨夜の翌日に限って寝坊すると。雨の夜は逢い引きしていたんです……海産物と!」
「な、なんだってー」
「ここY島はクラーケン伝説と海神鎮護の巫女の島です。恐らくY江さんは巫女の末裔だったんだ!」
「そうか……それなら全て説明がつく。Y江さんが普通の人間には興味ないと言っていたのも」
「普通のプレイでは物足りなくなってしまっていたんだ!」
「吸盤プレイだと!特殊過ぎるだろ!」
「その上触手と烏口があるんだぜ……ヤバいな」
「じゃあ、Y江さんの部屋の前廊下がぬるぬる滑るのは……」
「ああ、クラーケンの体液だろう」
「何て恐ろしいんだクラーケン!」
「ていうか日本なのにクラーケンかよ!アカエイとか海坊主とかあるだろ」
「そういう問題じゃない」
「ヤダー、君たち見てたの?」
「な、Y江さん!?」
「アタシの彼、いつもやり過ぎちゃって……その激しいところがいいんだけどさ」
「とにかく無事で良かった。でも…相手は怪物なんですよ?」
「彼はただの善良なクラーケンよ。そっとしておいて!アタシたち愛し合ってるの!」
「じゃあ仕方がない。我々には彼らの愛を止めることはできない!」



「……という話なんですが」
「本気でこの内容ラジオドラマで流せると思ってるのか?」

328:名無しさん@ピンキー
11/01/01 04:58:59 kRrUnwsX
やったモン勝ちな観もあるけど軽妙なので善しw
乙です!

329:327
11/01/04 04:36:48 H8dhWYqr
補足
お題は>>324のでお願いします。

つい勢いで書いて投下してしまった。下手スレ行きな内容ですまんした。


330:名無しさん@ピンキー
11/01/07 02:32:19 9VIloo/h
あ、いや、何か微妙な感想書いちゃってゴメンなさい
これまでのと同様、普通に面白かったよ

331:名無しさん@ピンキー
11/01/18 00:04:29 H+p0liwK
「くつわ」「あぜ道」「日の出」


「ねえ、あのくつわ何処にいたんでしょう? あの日の出桟橋からぐるっと回る途中のあぜ道で落とした、あの靴わ」
「なんです? それ」
怪訝そうな顔で彼女は尋ねた。
「ああ、いや、何とか言う小説家のパロディ」
「フぅん……」
それを今なんで口にしたの?
そう言いたそうに彼女はジッと私の顔を見つめる。
そんなに視ないで欲しい。
そう思っていたら彼女の唇が私の口に触れてきた。
やわらかい。

「文学の話とかしません?」
彼女は私にそう言ってきた。
彼女は図書委員の図書乃文子。
まさに本と共に生まれ本と共に死ぬ定めのようなお名前。
その彼女の舌が私の口を味わうようにじっくりと嘗め尽くしている。
(そんなに舐めるほど美味しいのかな?)
我ながら間の抜けた考えだ。
やがて彼女の右手がゆっくりと私の胸に触れてくる。
開けっ放しのドアから本を借りに来た別の娘が、私たちの姿を見て驚き頭を下げて出て行った。
こっちこそゴメン。

私の上着を半分ほど脱がし直に指で触れてくる。
ちょっと気持ちいいかも。
てゆうか上手い。
這うようにゆっくりと指先をスカートの中に入れてくるけど、じっくり責めなくていいよ。
もう逝ってるし。
てゆうか濡れてるし。

途中でカウントを辞めたくなるほどたっぷりと彼女は私の体を責め立て終わると、ゆっくりと口を開いた。
「先生、其れは太宰治です、そして、『くつわ』ではなく『くつは』です、ソレに正確には『と、言うか』ですね」
先ほどまで私を味わいつくした唇からツーっと糸が零れる。
五月蝿い、お前の次のテスト赤店確定だ。
「赤点です」

……くつわをはめられた気分だ。


332:名無しさん@ピンキー
11/01/18 00:12:03 jShw3r07
有難うございました以上です。

『アオイ』『おもちゃ』『かいだん』で

333:名無しさん@ピンキー
11/01/18 00:56:20 IFM1/BV8
『アオイ』『おもちゃ』『かいだん』で



「アオイカミカ、アカイカミカ」
どこの学校にも一つは存在している怪談話。
大抵は噂だけなのだが、ここの学校には実在にそのような霊が出ると有名になっている。
まだ実害はないが、誰もがそのトイレに入る事を恐れ、実質、閉鎖されているようなものだ。
そんな話を思い出しながら、ぼんやりと座る彼の耳に、再び声が聞こえてきた。
「アオイカミカ、アカイカ……」
「結婚届けの用紙」
間髪いれず呟いた彼の言葉に、その声は途中で途切れた。
「アオイカミカ、アカイカミカ」
今度は少し切羽つまった声。だが、男は表情を崩さず。
「それかお前自身でもいい」
「へ?」
情けない声が聞こえてきた方向に向かい、手を伸ばす。
何もない空間で何かを掴み、腕を引き寄せる。
何もないはずの空間から引きずりだされたのは、赤い髪に蒼い瞳をした可愛らしい少女。
ありえない状況に、少女は大きく身体を震わせ、男を見上げる。
「なんでなんで、私何もやってないよ。ただみんなを怖がらせるだけで」
「それだけやれば十分だ。さーてっと」
腕を押さえつけ、服を破り捨てる。
まだ成長していない緩やかな胸や、つるりとした丘が露になった。
「ちょっ! ボク幽霊だよ! なんでつかめるんだよ!」
「根性があれば何でもできる。では頂きます」
耳元に息を吹きかけると、ぴくりと身体を震わせ、頬が真っ赤に染まる。
つんと立った未熟な蕾を舌で転がし、足を大きく開かせた。
必死に抵抗はしてくるが、男は気にせず、持っていた縄で便器に腕を縛りつけ。
「ぎゃー変態変態変態! 誰か助け……」
「無駄だ。忘れたのか? お前が怖がらせてたせいで、このトイレには誰も近づかないことを」
ぱっくりと開かれた幼い淫唇を見つめ、舌なめずりをし。
「というわけで、たっぷりと俺の玩具にさせてもらうぞ」
「嫌! やだやだや! ふぁっんっ!」
押し込められた陰茎の感触に、少女は小さな声を上げる。
生身ならば確実に裂けているだろうが、幽霊だからか、彼の陰茎をすんなりと飲み込み、
限界まで開いた幼い淫唇は、動くたびに濡れた音を立てる。
「やだっ! 怖いなにこの感覚っ! やぁっ、んんっ」
味わった事のない快楽に、長い髪を振り乱し、大きな瞳から涙をぼろぼろと流す。
「さてっと、この怪談の幽霊はどれくらい俺に耐えられるかな。
成仏しないといいけれど」
荒々しく腰を振りながら、男は楽しげに呟いたのだった。


―そして数日後。そのトイレの怪談は―
「アオイカミカ、アカイカミカ……それとも白い液体か。
ふふ、たっぷりボクに注いで欲しいな」
選択肢が一つ増えた事に気づく人はそう多くもなく。
更に、そのトイレ以外で、何故か下半身裸で幸せそうに意識を失う者が増えたという噂が広がり。
学校の七不思議は一つ増えたのだった。



次のお題は
『直射日光』『婚約』『仕事』で。


334:名無しさん@ピンキー
11/01/20 09:11:06 P+HQxV5t
「洗浄剤」「両替」「誤解」

「ボディソープじゃん、これ……」
「あ……本当だ!」
我が家には贈り物の石鹸がまだあるし、ボディソープは使い慣れないのでいつも買わないのだ。
それは優子さんも同じなのだが、あまり買い物には行かない優子さんは度々こういう失敗をしていた。
「だって!『お風呂が楽しくなる』とか『ミントの香りに包まれます』とか書いてあるじゃん!
こんなの見たら誤解するよ!誇大広告だよ!」
見ると確かにそれっぽい文句が書かれている。しかもこれはいつも買っている風呂洗剤と同じメーカーのボディソープであり、両方とも詰め替え用ということもあり全体のデザインがかなり似ていた。
「…………」
「こ、これも立派なお風呂の洗剤でしょ!?お風呂で使う洗浄剤でしょ!?」
「そうだけど……あ、万札使ってくれた?」
「うん。でも……あー、こんなことなら素直にゲームコーナーで両替機使うんだった……」
明日遊びに来る兄夫婦の甥っ子のお年玉5000円をお釣りから分け、ポチ袋に入れる。優子さんが両替も忘れていたら、これには一万円を入れざるを得なかっただろう。
この買い物は一万円札をくずすために、僕が夕食を作っている間に優子さんに行ってきてもらったのだ。
「外寒かった?お風呂沸いてるよ」
「ううん、そんなでもなかった。でも今日はもう入……」
そこまで言って優子さんが止まった。先程のボディソープを取り何やら考え込んでいる。
「やっぱりいいや。徳人くん、先に入って」
「うん……?じゃあ、ご飯食べてから入るよ」
その後は二人で夕食を食べたけど、優子さんが何を企んでいるのかはわからなかった。

夕食の後片付けを終えて風呂に入っていると、背後の脱衣所から唐突に優子さんの声が聞こえた。
「徳人くん、入るよ~」
「ゆ、優子さん!」
「うふふ、いいこと思い付いたよ」
優子さんは一糸纏わぬ姿で風呂場に入ってくると、バスチェアーに座っている僕に抱きついてきた。
そして手に持っていたボディソープを開けて中身を手に垂らすと、膨張し始めていた僕の性器を優しく握る。
「あっ、ああっ!」
「どう?ローションみたいでしょ。しかもこっちの方が清潔よ」
確かにその通りだった。冷たいけど、独特の滑りがとても気持ちいい。独身の頃によくやったローションでのオナニーは、気持ちいいけど後でベタベタを洗い落とす必要があった。
やがてボディソープが泡立ってきて、優子さんは両手で洗うように僕の性器を扱き出した。
「あ、なんか使い過ぎちゃったね。すごい泡だらけで見えなくなっちゃった」
「ああ!ゆ、優子さん!も、もう出ます!」
「いいわよ。最近だいぶ溜め込んでたでしょ?思いっきり出しなさい」
「あ、あああああ!」

「はぁ、はぁ……」
その後は泡に塗れた胸と太腿に挟まれ、かつてない心地よさにさらに二回抜かれてしまった。
ふらふらのままお湯をかけて泡と精液を洗い落とし、二人で湯舟に浸かる。
「徳人くん、あまり言い出さないもん。明日はできないのに、すごく溜めてたでしょ」
「で、でもこれじゃ……気持ちいいけど、赤ちゃんできないよ」
「たまにはいいじゃない?それにこれせっかく買ってきたんだから、使わなきゃ損でしょ?」
「そうだね……じゃあ今度から、ボディソープにしようか」

335:名無しさん@ピンキー
11/01/20 09:13:51 P+HQxV5t
お題は強引でエロは蛇足、投下すんのが恥ずかしい出来だ
お題は引き続き>>324

336:名無しさん@ピンキー
11/01/20 10:06:05 x8Zxx1We
GJ!
現時点で未消化のお題
『直射日光』『婚約』『仕事』
「賛歌」「フロックコート」「どこかに」

337:1/8
11/01/27 18:42:49 8iSm3BPQ
お題消費にかまけてる内にgdgdと長くなってしまったけど、何も考えずに投下します
多分、8レスくらい

なお、本SSには性転換(男→女)描写がありますので、苦手な方はスルーして下さいませ

消費お題
「我々」「ギター」「鼻毛」「風呂」「靴」「バクテリア」「末裔」「仮面」「優男」「ラジオ」「孤島」「善良」
―――
 「事実は小説よりも奇なり」なんて言葉があるが、あれは本当だ。断言出来る。
 何故なら、今、俺の身に降りかかっているのが、正に小説でも滅多にお目にかかれない状況だからだ。
 簡単に説明すると、先ず俺の所属している団体が某スパイアクション映画も真っ青になって裸足で逃げ出し
そうな正義のスパイ組織で、さっきまで潜入していたのが世界征服を企む悪の秘密結社が運営している秘密基
地in絶海の孤島。そこでちょっとしたドジを踏んだお蔭でその悪の組織に捕まり、拘束具を着せられ、チェ
ーンで宙吊りになっているのが今の俺の状態なのだ。誰だよ、あんな所にバナナの皮を捨てたのは。
「ようこそ、我々の秘密基地へ。コードネームC―通称『カタストロフィの政(まさ)』君」
「頼むからその通称は止めてくれ。当人が一番恥ずかしいんだ」
 俺の目の前にいるのは、怪しい仮面を付けた軍服姿の男。組織の調査ではコイツが悪の秘密結社のナンバー
2。この施設のトップだ。
「謙遜しなくても良い。君のお陰で我々は3つの秘密基地を失った。それも完膚なきまでに破壊されつくして、
だ」
 その点に関してはコイツの言うとおりであり、秘密結社の皆様にはお見舞い申し上げる必要があるだろう。
 俺が潜入した施設は―潜入の目的が情報収集のみだったり、仕事と関係無く偶然入り込んだだけだったと
しても―何故か最後には瓦礫の山へと変貌するのだ。お陰で組織内でも俺の事を「ゴジラ」とか「暗黒の破
壊神」とか呼ぶようになってしまった。
「ところで、君はこの基地の事をどこまで調べているのかね?」
「まだ潜入したばかりだからな。ゴミをゴミ箱に捨てられない奴等が集まった姥捨て山のような場所だ、って
事くらいしか調査出来なかったな」
「五月蝿い!」
 頬に痛みと熱が走った。
 俺が縛られて動けないのを良い事に、さっきからナンバー2氏は手に持っていた乗馬鞭で俺を好き勝手に叩
いている。もっともこの程度の痛みなら訓練を受けている俺にはそよ風のようなものだ。
 それにしてもこの反応から察するに、どうやらコイツはここへ左遷されて来たようだ。そういえば前々回潜
入して壊滅させた施設もコイツの管轄だったと聞いた事がある。その責任を取らされての左遷なんだろう。
「まあ良い。これから洗いざらい喋ってもらおう」
「そんなに簡単に喋ると思ってるのか?」
「安心したまえ。別に君を拷問にかけるつもりは無い。君にはこの基地で行なわれている研究に参加してもら
うだけだ」
 と言う事は、この施設では洗脳かマインドコントロールに関する研究が行なわれているのだろう。
 しかし、ここまで見事なドジはこの業界に入って以来初めてで情けない限りだが、一緒に潜入した相棒と別
行動をとっている時だったのは不幸中の幸いだった。あいつなら俺のドジを上手く利用して任務を成功させて
くれるだろう。
 そんな事をつらつらと考えていると、いかにも下っ端戦闘員ですといった風体のユニホームを着込んだ男が
俺に近寄って来て、俺の鼻毛を思いっきり抜いて行きやがった。
「痛っ……おい、拷問は無しじゃなかったのか?」
「君にとってこの程度は拷問の内に入らないだろう? まあ、そこで暫らく寛いでいたまえ」
 ナンバー2氏はそう言い残すと、用は済んだとばかりに部下を引き連れて去ってしまった。
 大体6畳一間、全面ガラス張りの独房風の部屋に残されたのは俺一人。脱出するには絶好の機会だが、拘束
具に一分の隙も無いため身動き一つ出来ない。敵ながら天晴れ、良い仕事をしている。
「くっ。外れそうで外れねぇ……そういや、あいつの方は大丈夫なのかな?」
 それでも色々と悪あがきをしながら、俺は相棒の無事と任務の成功を祈った。

338:2/8
11/01/27 18:43:15 8iSm3BPQ

 ナンバー2御一行様が出て行ってから3時間ほどして、下っ端戦闘員5人が俺を連れ出しに来た。どこかへ
移動するみたいだ。
 ここで隙を見つけて逃げ出そうという俺の考えは甘かった。奴等は大型の身長測定器みたいな器具―もし
くは小型のクレーン―に俺を吊り下げ、そのまま部屋から連れ出したのだ。
「これじゃあドナドナじゃなくて冷凍マグロだな」
 ぼやく事しか出来ない俺が運送された先には、大人十数人が楽に入れそうな大きな風呂―と言うか、小さ
なプールがあった。浴槽(?)には何やら怪しげな色をした液体が入れられている。
 浴槽のすぐ脇で身長測定器が停まると、下っ端戦闘員ズがわらわらと寄って来て俺の足に鉛か劣化ウランを
仕込んでいるらしい靴を履かせた。戦闘員ズが下がると同時にアームが伸びて、俺の体は風呂の上で宙吊りに
なった。このままだと身長と足が必要以上に伸びそうだ。
「ふっ。待たせたな、カタストロフィの政」
「だからその通称は止めろと……生憎、風呂なら間に合ってるぜ?」
「そう言うな。これから新しい人生を送る君への、私からのプレゼントなのだから」
 妙に機嫌が良くなっているナンバー2氏が自慢げに説明を始めた。
「この水槽の液体には我々が開発した特殊なバクテリアが投入されていてね。このバクテリアは与えられた設
計図通りに生物の体を加工してくれるのだよ」
「な……に?」
「そう。例えば戦闘員のDNA情報を予め採取して設計図を作っておく。戦闘員が君と戦って腕を切り落とさ
れた時、彼は自分の設計図を読み込ませたバクテリア液に浸るのだ。そのまま数日浸っているだけで切られた
腕が再生する」
「馬鹿な。そんなお伽噺、ある訳が無い」
「そうかな?」
 ナンバー2氏が片手を上げると、後ろに控えていた人物が前に出てきた。見覚えがある人食い鮫の末裔の様
な面構えを脳内で検索してみると、前回の任務で壊滅させた施設の責任者がヒットした。確か左腕を機関銃で
蜂の巣にしてやった覚えがある。
「彼を憶えているだろう。君に破壊された第3補給基地の基地指令だった男だ。君に左手の礼をしたいと言っ
てね」
 前第3補給基地指令殿はナンバー2氏の言葉に合わせて左手を俺に見せ付けてきた。傷一つ無い、綺麗な手
だった。
「馬鹿な……あの時お前の左手は肩口から先が無くなった筈……」
「ここの設備で再生したのだよ」
 ナンバー2氏が嬉しそうに言い放つ。驚いた俺の間抜け面がお気に召したようだ。
「さて、ここで問題だ。もしもバクテリアに与えられた設計図が被験者のDNAと食い違っていた場合、どう
なると思うかね?」
 設計図通りに体を再生するバクテリア……その設計図と違う体が投入された場合……?
 俺はナンバー2の言わんとする事に気が付いて、戦慄した。
 ―バクテリアは設計図通りに体を修正する。
「ま、まさか……?!」
「ふっふっふ。何やら思い至ったようだが、安心したまえ。別に君を化け物に改造する気は無い。ただ、新し
くなった君は我々に尻を振って忠誠を誓うだろう。見たまえ、これが新しい君の設計図だ」
 ナンバー2が手にしたのは、小さな壜だった。中には妙に綺麗な青色をした液体が入っている。
「この設計図をこうして、水槽に入れて―」
 壜の中身が浴槽に注ぎ込まれ、怪しい色の液体が一瞬で透明な緑色に変わった。
「設計図の読み込みが終わったな。さあ、生まれ変わって来たまえ」
 ナンバー2の合図と共に俺を釣っていたチェーンが切り離され、俺は拘束されたまま風呂の中へ落ちていっ
た。

339:3/8
11/01/27 18:43:39 8iSm3BPQ

 風呂の中は案外と深く、人一人を溺れさせるには勿体無いくらいの容積を持っていた。
 水深2~3メートルと推測される風呂の底で、俺は拘束具を解こうと足掻き始めた。こんな状態でも20分
くらいは息を止めたまま行動出来るよう訓練を受けている。最後の最後まで脱出を諦めるつもりは無い。
 だが拘束具は水に濡れても緩む気配は無く、かと言って締め付けがきつくなる様子も無かった。
 ぼんやりと明るかった周囲が暗くなってきたので水面を見上げると、蓋をされているところだった。程なく
して水の中が真っ暗になる。
 顔や手など、液体に触れている肌が擦過傷みたいにチクチクと痛む。痛みと言うよりは痒みに近い刺激だ。
 やがて濡れた服や拘束具に液体が浸透してきたのか、服の下の腹や足など全身の皮膚がチクチクと痛み出し
た。何故か股間のナニの痛みが一番激しい。
(こりゃ下手な拷問よりも辛いかもしれんな)
 全身を思う存分掻きまくりたい欲求を捩じ伏せながら、俺は脱出する為の努力を続けた。
 やがて息が続かなくなって意識が朦朧とし始めた頃、俺は拘束具が緩んでいる事に気付いた。水に浸かりす
ぎてふやけたのか、理由は分からないがこれはチャンスだ。
 俺は拘束具から抜け出て靴を脱ぎ捨てると、水面を目指した。着ている服が体に纏わり付いて思ったように
前へ進めず、もどかしさばかりが募る。
 ようやく辿り着いた水面の上の蓋は予想通り固定されていたが、それでも蓋と水面の間に僅かな隙間があっ
た。俺はその隙間に口を出して新しい空気を吸い込んだ。
 文字通り一息吐いた俺は着ていた服を脱ぎ捨て、自分の体に違和感を感じた。股間のナニの先端部分と胸が、
大きくなっているような感覚だった。
 俺は真っ暗な水中で自分の胸を触ってみた。信じられない事に柔らかく膨らんでいた。全身を触って確かめ
てみる。指に触れたのは、慣れ親しんだ筋肉の存在が感じられない柔らかい肌だった。
 俺は何が起きているのか解らず、慌てて股間を触ってしまった。ナニの先端が大きくなった訳でない事が分
かった。ナニのシャフト部分が無くなって、先端部分だけになりかけていたのだ。相対的に大きくなったと感
じていたようだ。
 その先端部分だけになってしまったナニの根元に勢い余った指が食い込み、股間の裏側をこすられる感覚が
全身に広がった。
 今まで感じた事の無い体の内側からの刺激に、俺は思わず声を上げた。今まで飲み込むのを拒んでいた液体
が開いた口になだれ込む。俺が吐き出そうとするよりも早く、喉が液体を通してしまった。肺と胃が熱くなり、
意識が朦朧とし始める。
 薄れゆく意識をかき集めて考え続けた結果、俺の体は女性化していると言う結論が導き出された。拘束具は
緩んだりふやけたりした訳ではなかった。女性化した俺の体が細くなったから抜け出せたのだ。
 ありえない事実を突きつけられながら、俺の体と意識は深い闇の中へと落ちていった。

 俺が意識を取り戻したのは怪しい液体の中ではなく、清潔なシーツを敷いている巨大なベッドの上だった。
多分キングサイズとか(実在するのかは知らないが)エンペラーサイズとか、そんなサイズなんだろう。
 残念ながら両手両足には拘束具が付けられている。延びている鎖は多分ベッドの足か床に固定されているの
だろう。思いっきり引っ張ってみても緩む様子が無かった。いつもの俺ならこれくらいの太さのチェーンなら
力任せに切れるのだが、チェーンが強固な素材で出来ているのか、それとも―認めたくはないが―女にな
ってしまった俺の腕力が激減しているのか……。
 何しろ視界に映る範囲の俺の体は、どう見てもハイティーンの女の子のものとしか思えない形状なのだ。
 日焼けだの無駄毛だのとは縁の無い、白くて柔らかそうでツルツルの肌。その肌に覆われてこんもりと盛り
上がった胸は、仰向けに寝ていてこれだけなのだから結構な巨乳と推測される。そして、見た訳でなくて感覚
からの判断だが、この状況においてさえ硬化はおろか頼りなく揺れる事すらしてくれない、今は亡き(多分)
マイ・サン……。
「どうやら目が覚めたようだな」
 俺が感傷に浸りきる前に、野太い声が聞こえてきた。
「お、お前は……?!」
 初めて聞く自分の声に質問が途切れる。見事に女の子の声だった。
 俺の声を聞いたそいつ―前第3補給基地指令殿は、獲物を前にした鮫のような笑みを浮かべながらベッド
の上に乗ってきた。

340:4/8
11/01/27 18:44:14 8iSm3BPQ
「可愛らしい声だな。くっくっくっ……これが、あの『カタストロフィの政』の成れの果てとは」
「う、五月蝿い! 何故、こんな回りくどい事を!」
 俺もこの業界では長くやっている部類だ。女が捕まってこんな目に遭ったら、次に何をされるかくらいは見
当が付く。ただ、先程のナンバー2の話を鵜呑みにするのなら、俺の脳みそを奴等の都合の良い思考回路に作
り変える事すら出来たはずだ。何しろ男を女に性転換させているくらいだ。それくらいは可能だろう。
「俺がナンバーツ司令に頼んだのだ」
 奴は自慢げにふんぞり返った。
「ちょっと待て。ナンバーツって誰だ?」
「この基地の司令の名だ。知らなかったのか?」
 ……どうやらナンバー2氏は本名もナンバーツーだったようだ。
「司令は貴様を恐れている。最初は情報など捨てて、貴様を組織の性欲処理専門員にするつもりだったのだ」
「どっちにしても俺の行きつく先はそれしか無いようだが?」
「最終的にはそうだが、その前に俺に調教されて情報を洗いざらい喋るというコースが追加されたのだ」
 そう言うと、奴は俺の太腿を指でなぞった。指紋の一本一本までが解かりそうなザラザラとした感触が皮膚
から足全体へと拡がり、腰骨を通過してぞわぞわと背骨を這い上がってくる。
「ひぃぃッ?!」
 嫌悪感なのか快感なのか判らない寒気が、波紋のように全身を覆っていく。
「どうした? 可愛らしい悲鳴を上げて」
 今度はわき腹をなぞる。尋常ではない寒気に体中が震えた。そして、腹の奥に小さな火が灯る。
「そうそう、脳の改造は見送ったが、それ以外は若干だが常人とは違う体に改造させてもらったぞ。例えば筋
組織を脆弱化させたり、皮膚の感度や柔軟性を高めたり―」
 奴は俺の乳首を抓り、そのまま上へと引っ張った。二の腕1本分以上の高さまで、まるで搗きたての餅みた
いに乳房が伸びる。
 奴が手を放した。伸びきっていた乳房が反動と重力に乗り、バチンと小気味の良い音を立てて戻ってくる。
その衝撃と痛みに全身が震えるのを、俺は気持ち良いと感じていた。
「―痛みを快楽に置き換えるようにしたり、な」
 奴の口元が、嫌な形に歪んだ。

 それから約30分少々、俺は奴の下手糞な愛撫(と思われる行為)を受けていた。
 奴は俺の乳房を握り締めたり、捩じ切ろうとしたり、乳首を毟り取ろうとしたり……常識では拷問と言って
差し支えない行為を俺の胸にぶつけ続けていた。これなら初めて彼女とベッドインした中学生の方がナンボか
マシに思える。
 だが、一つだけ問題があった。この虐待と同レベルの愛撫に俺の体が応え始めているのだ。
 奴の繰り出す刺激を受けるごとに、俺の肌は痛みと同時に気持ち良さを感じていた。それは甘い痺れとなっ
て下腹の奥に集まり、全身に浸透していったのだ。結果、今の俺は快感と興奮に溺れきって息も絶え絶えな状
態に陥っていた。
 痛みに鈍感と言うか、快感に敏感と言うか―こいつ等は自分達の技術と情熱をもっと社会に貢献出来る方
向に使うべきだと思う。
「くくくく……もう濡れているのか? この淫乱女が」
 一応言葉責めをしているつもりらしい奴の言葉と共に、股間に太い指が侵入してきた。
 冷たくてザラザラしているモノが、俺の知らない俺の体内に入り込み、体の内側を無遠慮に抉ろうとする。
これは愛撫なんかじゃない。もっと悍ましい何かだ。
 だが、ソレに対して俺の体は更なる快感を垂れ流し始めた。
「濡れるなんてもんじゃないな。こりゃあ、お漏らしだ。そんなに俺様の愛撫が気持ち良いのか?」
 だから、お前の、愛撫で気持ち良くなってるんじゃ、ねぇ。
 残り少ない意思を掻き集めて歯を食いしばっていると、奴の指の動きが止まって引き抜かれた。
「あぁん……」
 漏れ出たのは、自分でも吃驚するくらい浅ましい吐息だった。その吐息を、唇が勝手に言葉に置き換えてい
く。
「抜いちゃ、だめぇ……」
「何故、俺様がお前の言う事を聞かねばならんのだ?」
「お願いしますぅ……早く、入れて下さぃ」
 言葉を吐き出すたびに、声がどんどん甘く、ねっとりとしていく。
「お前が俺様と組織に忠誠を誓うと言うのなら、コイツをぶち込んでやろう」
 奴は自分の股間でそそり立っている一物を俺に魅せつけた。さっきの指の何倍も太くて長い、凶悪な見てく
れの一品だ。
 喉が、ゆっくりと、生唾を飲み込んだ。思考が、壊れたラジオの様に、快楽のノイズで埋め尽くされていく。

341:5/8
11/01/27 18:44:42 8iSm3BPQ
 拙い。このままでは奴の言うとおりに忠誠を誓ってしまいそうだ。とにかく奴の隙を見つけて、あの極太を
捩じ込ませなければ―
 その時、冷たい空気に晒されていた穴の入口が、熱くて巨大な塊で擦り上げられた。食いしばっていた歯の
隙間から嬌声が漏れだすと、塊は遠ざかっていった。
「ほれ、返事はどうした? このまま貞操を守りきりたいのなら、それでも構わんぞ?」
 奴はそう言いながら、プルプルと震えている乳房を掴んできた。荒っぽい愛撫が新しい快感を胸に充填して
いくが、それは股間に現れた痺れには遠く及ばないものだった。
 俺は首を起こして奴の方を見た。粘土の様に捏ねられる自分の乳房の向こうで、赤黒い巨大な杭が先端から
汁を垂らしながらピクンピクンと脈打っている。
 もう、我慢出来なかった。
「ち……忠誠でも何でも誓いますから、早く、おちんちん入れてぇ!!」
「うむ、入れてやろう!」
 形振り構わない大声で叫んだかいあって、杭は即座に打ち込まれた。この速さからすると、奴の方も我慢の
限界だったのだろう。もう少し待てば何も言わずとも突っ込んで貰えたかもしれない。
 だが、そんな些細な事は既にどうでも良くなっていた。
 熱せられた巨大な杭が俺を真っ二つに引き裂きながら、胃に叩きつけられる。
 痛みと衝撃が最高にキモチイイ。こんなに気持ち良くなれるなら男になんか戻りたくない。このまま、ここ
で性奴隷として飼われたい。そんな幸福感が心と体を蹂躙し尽くしていた。
 杭は俺の中で激しく暴れていた。頭が真っ白に霞んでフワフワしている。
「ううっ、出すぞぉ!!」
 遠くから吠え声が聞こえると同時に、俺の中に溶岩流がぶちまけられた。フワフワで真っ白な世界がどんど
ん拡がっていく。
 あと一息で新しい世界が見えそうになった瞬間、溶岩流の勢いが止まった。
 熱さを残した杭が、ゆっくりと引き抜かれていく。
「だめぇ!!」
 俺は去っていく愛しい杭に戻って来て欲しくて、無意識に奴の腰に両脚を絡ませ、肉襞全てで杭を締め付け
た。
 脚の間から「ゴキュ」という音が聞こえ、腹の中で「ぐりゅ」とナニかが潰れる感触が起こる。
 それを境に、全ての快感が消えていった。

「ああん、もっとずんずんしてぇ」
 叫ぶように紡ぎだした俺の願いに、いかなる言葉も刺激も応えてくれない。
 光の中で拡散していた意識と視線の焦点が現実に戻ってくるのに併せて、現在の状況を冷静に分析しようと
する自分が気持ち良さを追及したがっている自分に取って代わる。
「……い、一体……何があった、の……?」
 慣れきらないソプラノで呟きながら、俺は奴の腰に絡めていた脚を解いた。泡を吹いた出来の悪い彫像みた
いに固まっている奴の体がゆっくりと後ろに傾き、ベッドの下へ消えていった。
「―絡めて、いた?」
 俺の両手両足は、(今の俺にとって)頑丈なチェーンで固定されていた筈だ。それが、何故?
 慌てて両手を見たが、こちらは未だチェーンに縛られていた。勿論あらん限りの力で引っ張っても切れる気
配は皆無だ。
「ふむ……中々興味深い現象だな」
 股間の向こうから聞き慣れた声が降ってきた。頭を起こして声の方を見ると、ひょろりとした優男が立って
いた。俺のドジに巻き込まれる事無く、今も潜入捜査を続けている筈の相棒―通称「デストロイヤー辰(た
つ)」だ。
「だから、その通称は使わないでくれと―」
 モノローグに突っ込みを入れつつ、相棒は床に転がっていたギターを拾い上げた。軽く鳴らして音を確かめ
てから、ショパンの「葬送」をワンフレーズ。本当に器用な奴だ。
「何やってんだ?」
「前第3補給基地司令官殿のご冥福を祈っただけさ。腰とご自慢の逸物が海鼠以下の強度になっちゃって、ま
あ……」
「腹上死みたいなもんだ。良い最期だったな」
 俺の悪態に「それもそうだな」と返しながら、相棒はギターを投げ捨てた。
「どうやら、ここはレクリエーション・ルームの様だな。ほら、こんな物まで落ちてるぜ」
 手品みたいな鮮やかさで相棒が取り出したのは、紺色の布地と、ピンク色の小さな卵だった。

342:6/8
11/01/27 18:45:05 8iSm3BPQ
「何だ、それ?」
「スクール水着とローター。ちなみに、この基地には女性は一人しか居ない―つまり、君だけだ」
「……あいつ等の脳みそを一度解剖してみたいな。とりあえず、この鎖を解いてくれ」
「わかった。ちょっと待ってくれ」
 相棒は、そう言いながらベッドの端に乗って、俺の股間に手を突っ込んだ。するりと入り込んだ中指が、気
持ち良いポイントを的確にマッサージする。親指が優しく、だかしっかりと、穴の傍で膨らんだ芽を転がす。
「んあぁああ……」
 イき切れず、中途半端に収まっていた体の芯の熾き火が、一瞬にして燃え盛った。腰が勝手に蠢く。
「おお。ほんの数時間前までは男だったとは思えない、よがりっぷりだな」
 その一言で、俺の羞恥心が大復活した。相棒の腕に足蹴りをかましながら、両手で股間を隠す。
「―え?」
 さっきまでは切れそうになかった鎖が、あっさり引き千切られていた。
「ふう……良いキックだったぜ……」
 ベッドの下へ蹴り出された相棒がよろよろと起き上がってきた。
「い、一体、何が……?」
「つまり、君の、その馬鹿力はイッてる最中にしか発揮出来ないみたいだ、って事さ」
「何……だと……?」
「君が奴等に捕まった時、俺は遺伝子操作を行なうオペレーター室に潜り込んだばかりだった」
 相棒はベッドの端に腰掛けながら、折れずに済んだらしい腕を揉む様に抑えた。
「すまない。奴等が君の遺伝子を好き勝手に弄るのを、ただ眺める事しか出来なかった」
「だが、それで済ませた訳じゃないんだろ?」
「まあな。お陰で操作方法は覚えられたよ。それから、奴等の隙を突いて、最低に引き下げられていた君の筋
力パラメーターを最大に上げたんだが―そのままでは、すぐにバレそうだった」
「どうやって誤魔化したんだ?」
「外部からの一定の刺激を受ける事で、筋力を上げるスイッチが入るように条件を付けた。ちゃんと調べれば
バレるが、見た目は筋力最低のままになるから、それで誤魔化せた。何しろ奴等は、君を捕まえた事で有頂天
になっていたからな」
「……俺が言うのも何だが、呆れるほどの、ウッカリぶりだな」
 俺は腕を組んで唸った。何か、真面目に諜報活動をするのが馬鹿らしく思えてきた。―もっとも、そのお
陰で、こうして助かったんだが。
「ただ、一つ問題だったのは、そのスイッチを入れる刺激が何かを確定出来なかった事だ。流石に、そこまで
の余裕は無かった」
「それで……俺が犯されるのを見物していたのか?」
「まさか。ついさっきまで、お仕事に駆けずり回ってたんだぜ? 何しろ、俺は善良な―」
「善良な破壊工作員だろ?」
「何だよ、それ……」
 俺と相棒は顔を見合わせて、小さく笑いあった。
「そうそう」
 笑った表情のまま、相棒は話を続けた。目だけが笑うのを止めている。
「奴等は君のそのよがりっぷりを、戦勝記念として保存するつもりらしいぞ」
「やはり、隠しカメラが仕込まれていたか……ちなみに衛星中継で世界各地に同時通信なんて事は?」
「そこまでは考えてなかったみたいだな。もっとも、考えたところで、現在、この基地の通信設備は全て故障
中なんだが」
「必要な情報は?」
「既に収集済み」
 つまり、この基地を破壊しつくしても問題無し、という事か。
「流石だぜ。良い仕事だ」
「お褒めいただき光栄の極み。ならば、ご褒美に、これを着てもらいたいんだが」
 そう言って、相棒は先ほどのスク水を俺の目の前に取り出した。
「お、お前―調子に乗りすぎだぞ?」
「じゃあ、裸で帰るのか? それと、筋力を上げる為にも、こっちも頼む」
「……マジかよ」
 俺は押し付けられたスク水とローターを見ながら途方に暮れたが、相棒の言う事も尤もだ。恥を忍んでスク
水に足を通した。一旦股まで上げてから少し下ろして、ローターを押し込む。冷たく硬い異物が体の奥に落ち
着いたのを確認して、もう一度クロッチを上げて密封する。
 それから布地を引き上げて肩に掛けて、皺を直す。ぱっくりと開いたままの背中とピッタリと覆われた腹の
感触の差が妙に気になる。
 最後に、溢れそうな胸を無理やり水着の中に押し込んでから、俺はベッドから降り立った。

343:7/8
11/01/27 18:45:27 8iSm3BPQ
「こ、これで、良いの、かな?」
「おお。上出来、上出来。似合ってるぜ?」
「五月蝿ぇ」
 顔の温度が1℃上昇したところで、相棒が俺に何かを放ってよこした。携帯電話の半分ほどの大きさの箱で、
スライド式のスイッチが一つ、付いている。
「ローターのリモコンだ。さて、そろそろ真面目に仕事を再開しないとな」
「ああ。その通りだな」
 恐る恐るリモコンのスライドスイッチをONにすると、体の中に生まれた気持ち良い振動が俺の筋力を最大
に保持出来る様に、バーをスライドして調節していく。
「んん……待ってろよぉ……今、からっ……全てを灰、に変えてぇ……あげるんだから」
 俺は隠しカメラが仕込まれていると思しき場所に向かって、可能な限り優しそうな顔で微笑んでやった。

 それから色々あって、4時間後。
 元秘密基地―現瓦礫集積所―を擁する絶海の孤島は、綺麗な更地に変貌していた。流石に「全てを灰に」
は無理だったが、人っ子一人逃がしていない筈だ。地下深くに隠してあった、緊急脱出用の潜水艦バースも、
最初の艦が発進する直前にキッチリ潰せたし。
「ふう、やれやれ……やっと、片付いた、か」
 俺は弾の切れたM1919を投げ捨てて一息吐いた。電池が切れかけているらしく、ローターの振動が緩慢
になっている。
「いや、未だだ」
 相棒がPTRS1941を構え直した先で、ヘリコプターが1機飛んでいた。
『またしてもやってくれたな、"カタストロフィの政"』
 この声からして、どうやらナンバー2氏のようだ。わざわざヘリコプターの窓から身を乗り出した上に拡声
器を使って敗北宣言をするとは、恐れ入る限りだ。
『だが、貴様のアヘ顔と我々への服従宣言はしっかり保存させてもらったぞ!』
 なにやらDVDらしき円盤を高々と見せ付けるナンバー2氏の影。

 俺は黙って足元から手頃な石を拾い上げた。重量、約500グラム程か。いつ止まってもおかしくないロー
ターの振動が、もう少しだけもってくれる事を祈りながら大きく振りかぶる。
「ふんっ!」
 そのままトルネード投法で投げつけた石は、狙い違わず件のDVDを直撃した。
『ああっ!? き、貴様ぁ、何て事うぎゃあああ』
 ナンバー2氏の放送は途中でストップして、悲鳴と爆発音に切り替わった。相棒の対戦車ライフルから放た
れた鉄鋼弾がヘリに命中したのだ。暗い火の玉と化したヘリとナンバー2氏は、黒煙を跡に残しながら海へと
消えていった。あれで生き延びていられたのなら奇跡だろう。
「今度こそ、これで終わりだな」
 相棒が構えていたライフルを地面に落として、懐から超小型通信機を取り出した。スイッチを入れて、組織
に作戦終了と撤収要請の信号を送信する。
 俺は地面に胡坐を掻いて、大きく伸びをした。既にローターの振動は消えてしまっている。
「早く、元の姿に戻りたいぜ」
「戻りたいのか?」
「やっぱり体格差が大き過ぎて動き辛いしな。あと、この体は刺激に対して敏感すぎる。あまりに危険だ」
「そうか……女の方が男より気持ち良いって聞くが、その辺はどうだった?」
「んん……中途半端ばかりで最後までイッてないかならなぁ。ただ、男よりも気持ち良いのが長く続くかな」
「ほほう。まだ最後までイッてないのか……」
「……な、何だその顔は……どうして、こっちへ迫って……あ、馬鹿、今は力が出ないんだぞ、そんぁんんん」

344:8/8
11/01/27 18:45:54 8iSm3BPQ
 相棒は俺の両手首を左手一つで握って拘束すると、右手で腰を引き寄せた上に、唇を重ねてきた。慌てて閉
じようとした隙間から大きな舌が捩じ込まれてきて、口の中を蹂躙し始める。
 逃げ回っていた俺の舌が絡め捕られて嬲られだすと、治まっていた腹の奥の疼きが再び熱くなってきた。
「どうせ、帰ったら元の姿に戻るんだろ……今のうちに女での快感を味わっておけよ」
 息継ぎのついでにそう囁いて、相棒は俺の唇に再び貪りつく。どうやらスイッチの入ったらしい俺の体も、
それを拒むどころか、更に求めて吸い付こうとする。
 やばい。コイツの愛撫はやばすぎる。キスと背中を撫でられるだけで、どんどん気持ち良さが増殖していく。
 まあ、良いか。
 コイツの言うとおり、帰還するまでの短い時間を有効に使おう。
「だったら、早く、味わさせてよ……」
 そう言うと、俺は解放された両手で水着を脱ぎ捨てて、アイツの大きく膨らんだズボンのジッパーを下げて
やった。

おしまい


 蛇足
 この技術を持ち帰る事に成功はしたが、結局、俺が元の体に戻る事は出来なかった。
「……男の時のDNAが、どこにも残っていないなんて、どんな罰ゲームだよ」
「髪の毛1本でもあれば良かったんだけどな。そんな時に限って綺麗に掃除しすぎて見つからないとは、なぁ」
 不貞腐れて自棄ココアを呷っている俺に、相棒がビスケットを差し出してくれた。それを引っ手繰るように
して受け取って、纏めて頬張る。相棒曰く、リスみたいで可愛いらしい。
「こうなったら―この恨みを100倍にして、奴等にぶつけてやる!!」
 頬袋に貯め込んだビスケットをココアで胃袋に流し込んだ俺は悪の組織の撲滅を改めて強く誓い、それを聞
いた相棒は奴等の為に十字を切るのだった。

 その後―
「さあ追い詰めたぞ、ナンバー2! 今度こそキッチリ引導を渡してやる!」
「おのれおのれぇ……コードネームC改めL―新通称『リヴァイアたん』! またしても我々の世界征服の
邪魔をわぶっ!?」
「五月蝿ぇッ!」

(今度こそ)おしまい
―――
以上です
次のお題は、現在残っている>>336からお願いします

お目汚し、失礼しました

345:名無しさん@ピンキー
11/02/06 23:56:42 l28LwCCM
遅ればせながらGJ!このスレで見ると大長編に感じるなw
敵がアホの子で面白かったです

346:名無しさん@ピンキー
11/02/09 12:48:36 LmfmEHVQ
直射日光 婚約 仕事

婚約者に振られた。
「あなたを嫌いになったんじゃない」と言いながら、その目は既に違う男を見ていた。
「謝っても許されないよね」と呟く彼女。
「そうだね」と答えながら、僕は彼女の服を乱雑に剥いだ。勢い、上着のボタンがひとつちぎれて飛んだが、構うことなく引き裂いた。
ごめんね、ごめんね、と泣きじゃくる彼女を強引に犯した。こんなに酷くしたことはなかったのに、どうしてか今までで一番感度が良かった。
すすり泣きの合間にうっとりするような嬌声を上げ、いつの間にかいやらしく腰を使いはじめる。
「おい、気持ち良くなっていいと思ってるのか?」
はっとして動きを止める。
「勝手に動くな」
あまりに締め付けが良くて絞り取られそうになりながらも、僕は冷ややかに言った。
「ごめんなさい、私……ぁっ!」
えぐるように突き立てる。最初ほとんど濡れていなかったそこは今やぐちょぐちょで、床に染みを作り始めていた。
「あ、ぁあっ……や、だめ、あ、つよい……ぁんっ!」
眉根を寄せて、思わず腰が揺れそうになるのを堪える姿は淫乱だった。
いつもは、壊れ物のように大事に扱っていた。彼女がこれまで何度も傷ついているのを知っていたから。
「こんなに優しくしてくれたの、あなたが初めて」と、嬉しそうに笑ってくれたのに。
僕が間違っていたのか?
優しくしなければ良かったのか?傷つけるような酷いことを言って、痛々しいセックスをして。
そうして欲しかったのか?
「ゆうくん、ごめんね……」
彼女の目から、涙がこぼれる。
あられもない姿でよがりながら、汗や涎でべたべたになりながら、それでも彼女はきれいだった。
僕は耐え切れず精を吐き出した。
抜かず、今度は彼女の両脚を僕の肩に掛けて深く突く。
「だ、め、ゆうくん……っ」
「何が?」
早くも息が乱れはじめた彼女に、僕は答えた。
「謝っても許されないって言ったのは君だよ」

一晩中犯され、脚の間に液体をこびりつけ、行為の痕跡を漂わせて、それでも彼女は去った。
部屋を出る彼女の姿は、朝日の中でいっそ清々しそうにも見えた。
直射日光が室内に満ち、開け放したままやっていたのかと今更気づく。
結局、優しい男では駄目だったんだろう。
本当に彼女の男になれたのは一晩だけ、振られた後だったという訳だ。
「……仕事に行かなきゃ」
シャワーを浴びて、何か腹に入れて。
「悪い男にはひっかかるなよ」
出ていく時にそう言うと、彼女ははにかんで頷いた。
だが悪い男が彼女の理想なのだから仕方ない。ただ、幸福でありますように。
仕事までは少し時間がある。
独りの部屋で、僕は少し泣いた。

347:名無しさん@ピンキー
11/02/09 21:35:35 XlWx1hN9
…GJ!!!!!


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