ショタとお兄さんでエロパロ4at EROPARO
ショタとお兄さんでエロパロ4 - 暇つぶし2ch200:6/6
09/02/23 00:21:11 HbKNhnDX
食事の時間、見慣れない光景を見た。アーサーとマルコ。食堂の隅で二人が何かを話している。二人は前にも何度となく話して
いたみたいだが、実際それを見るのは初めてだ。マルコはアレックスの手下ではないらしい。だから最近はそこまで邪険にせず話を
していた。だけど同じイタ公だ。何か良くないことを話しているかもしれない。急いで二人の所に行く。
「アーサー!」
「あ…ロイド…」
「おや、お兄様の登場か。」
悪ぶれもせず、へらへら笑いながらマルコは手を振ってくる。自然に眉間に皺が寄る。
「アーサー、先に行ってろ。」
「あ…ああ。わかった。」
不安そうに後ろを振り返りつつ、アーサーは列の方へと歩いていった。俺はマルコて対峙する。
「何を話してた。」
「何でもないさ。まあ、野球の話や後は家族だダチの話だよ。アレックスにチクるような真似はしない。」
俺の言いたいことを見透かしたようにマルコは答えた。最近油断していたけど、やっぱりこいつは得体が知れない。不信感が募る。
「そう構えるなよ。一応俺は嘘は吐かない。“我々”のビジネスは信用が大事だからな。」
マルコの顔に不穏な影がさした気がする。いつもの間抜け面じゃなく、もっと底知れない感じの笑み。
“我々”とは前に言っていたマフィアのことだろうか。
「信頼ってのは宝石と一緒さ。この薄汚い世界じゃ希少価値がある。だから人間は金を払ってまで信頼を買う。だから“我々”は
信頼を重んじる。……ロイド、信頼を勝ち得るにはどうしたらいいと思う?」
ずいっとマルコの顔が近づいてきた。鼻と鼻の頭が微かに触れる。気圧されないよう、マルコから目を離さずに少しだけ首を横に振る。
「簡単だよ。ロイド。“約束を守ればいい。”」
心臓が直接握り潰されるように感じた。約束を守る。

『お前はどうだ?ロイド。』

マルコが言ったのか。それとも別の誰かが言ったのか。胸を突き刺す問いかけが頭に響く。
「俺…は……」
ハーマンとの約束は守れているのか。
自分への誓いに背いてはいないか。
心臓が早鐘のように鳴った。
俺は、俺は―

「―悪かったな。脅かして。何にせよ心配してるってのは嘘じゃない。」
思考を遮るようにマルコが言う。その顔はいつものペテン師顔に戻っていた。
「お前達は本当にいい兄弟なんだろうな。アーサーもお前のこと随分よく言ってたよ。」
「……何でお前は俺達のことに首を突っ込む。」
マルコを見据えながら疑問をぶつける。本当にこいつの考えがわからない。
マルコは笑った。そしてほんの一瞬、マルコの瞳に何かの感情を帯びた光が過った。
「―俺にも弟がいたんだよ。昔、な。」
ぽつりと呟くとまたマルコはいつもの胸糞悪い笑いを浮かべる。
「もう行こう。飯がなくなる。不味い上に量が少ないだなんて救いようがない。」
そう言ってマルコは先に行ってしまった。俺はただ立ちすくんでいた。
「……畜生。」
そう言葉を吐いてから踵を返す。何故か重い感情が溢れてきた。
それは名前もわからないくせに、本当に胸糞悪くて、最低の感情だった。
俺はアーサーの姿を見つけると、すぐに側へと駆け寄った。

201:名無しさん@ピンキー
09/02/23 00:23:01 HbKNhnDX
ごめんなさいごめんなさいageてしまいました
次回から気をつけます


次はアーサーとロイドのエロをいれようと思うんですが甘々がいいですか?
ちょっと意地悪した方がいいですか?
ぜひご意見お聞かせください。

202:名無しさん@ピンキー
09/02/23 00:41:53 Pog5LVTA
個人的には甘いのがみたいです。
全裸でまってます

203:名無しさん@ピンキー
09/02/23 07:52:51 4u/wYPNk
乙です。甘いの希望です。

204:名無しさん@ピンキー
09/02/23 08:03:57 pNS1XfeH
・・・ふぅ
毎回ロイドにはハァハァさせられっぱなしだぜ

続き楽しみです
兄弟の間の精神的な繋がりは甘々でも、状況が意地悪なんて感じが萌え


205:名無しさん@ピンキー
09/02/23 14:33:41 ok9HeCw5
甘々希望
心の底から幸せな気持ちを味わってほしい…
それにしても文章も話の展開の仕方もうまいね

206:名無しさん@ピンキー
09/02/25 08:23:42 G1ec20pk
良スレを発見してしまった

207:名無しさん@ピンキー
09/02/25 12:23:48 2cwgNLI+
ショタのちんこにチョコレートかけて、それを口で味わっていくうちにだんだんホワイトチョコレートに・・・・・・

208:名無しさん@ピンキー
09/02/26 10:48:17 Q5p42pUp
>>207
毎年、バレンタインにはそれで火傷した患者が大量発生するらしいぞ
とマジレス

209:名無しさん@ピンキー
09/02/26 11:43:30 9sVHCwSt
VIPでバナナチョコした人いるけど彼は真性だからか大丈夫なようでした


210:名無しさん@ピンキー
09/02/26 12:40:39 42CjQHVf
「くーべるとぅーれ」とかいうチョコなら30度くらいで溶けるらしいぞ
それを使えば火傷はしないはず
固めんの大変だけど

211:名無しさん@ピンキー
09/02/26 13:26:17 6NA+Souf
クーベルチュールのことかそれはwwww

無理して板チョコ溶かさんでも、チューブ入りのチョコスプレッド使えばいいと思う。

212:名無しさん@ピンキー
09/02/26 18:40:47 OYLpv9ls
たとえ板チョコ溶かしても、かける前に指つけて温度大丈夫か確認すればいいのに。

213:1/8
09/02/26 22:34:50 B2Hsso3E
空気読まずに>>195続きです。すんません。
>>204さんの状況を目指しました。

目を開ける。薄く開いた瞼からは光が溢れた。鼻がツンと痛む。暗闇に慣れきっていた瞳が光を見るのは思ってる以上に辛い。
それでも目は光に慣れていって、少しずつ周りの影がはっきりしてきた。
「アーサー……」
目の前にはアーサーの顔があった。最近アーサーはいつもこんな風に俺を覗き込んでいる。その表情はとても複雑だ。
悲しそうで苦しそうで、怒っているようで、それでいてどこか嬉しそうでもあった。その顔からアーサーがどんなことを考えて
いるか読むことはできない。どうしたらいいのか迷った挙げ句、俺はいつもアーサーの頬を擦ってやる。そうするとアーサーは
必ず目を附せた。
後七日。
後七日過ぎれば、アーサーはこんな顔をしなくて済むようになるんだろうか。
後七日。
そう。アイツラがいなくなるまで、後―

レクリエーションの時間、俺は眠っていることが多くなった。アイツラは外に出る日が近づく度激しく俺を犯している気がする。
それとも単に体力が落ちている身体がもっと乱暴に犯されてると錯覚してるだけなのかもしれない。とにかく眠い。目を閉じて、
身体がくたばるのを少しでも先延ばししようと努力する。今日も人気のない木陰で身体を横たえる。
「――…」
「―!――…―!」
耳障りな声が聞こえる。一人は焦った様子で何かを喚いている。もう一人は対称的で笑いを含みながら話をしている。その様子は
落ち着いたと、言うよりは冷徹な感じすら受ける。
(誰だ…うるさい……)
文句の一つでも言ってやろうと声の方に目をやる。 俺は目を疑った。
(マルコ…それに…アレックス?)
確かあいつは……マルコはアレックスの子分じゃないと言っていたはずだ。なら何であんな風に二人で話してるんだ?耳をすませてみるが、
あれは英語じゃない。独特の舌使いやイントネーションはイタリア語だろうか。全然内容が理解できない。聞かれたらまずいようなこと
でもあるのか?疑惑がぐるぐると頭の中を駆け巡る。そんな状況で二人を見ていた時、俺はあることに気付いた。不思議なことに、しきりに
声を荒げていたのはあの“タイラント”アレックスで、それを薄く笑いながら聞いているのはマルコなのだ。あのアレックスが、顔色を変えて
何かを訴えている姿は俺にとって、いや、ココにいる誰にとっても異様な光景だと言えるだろう。
暫くしてアレックスは苦虫を噛み潰したような顔をして、そこを去った。それをマルコは冷たい笑いを浮かべて見送っていた。どうすべきか
迷ったけれど、俺は立ち上がってマルコの前に出ていく。
「マルコ!」
声をかけられたマルコは少し驚いたような素振りを見せたが、すぐにいっと口の端を吊り上げた。
「ああ、見てたのか。ピーピング・トムは目を潰されるぞ。」
「…じゃあ何か?お前は俺達のためにストリップでもしようとしてんのか?」
「野郎の裸なんざ興味ないだろ?まあ、美しいスィニョーラがご所望とあらば喜んでするさ。」
いつもの軽口も何故か意味深に聞こえる。目の前の野郎は一体何を考えているのか。胸騒ぎがした。
「お前は……アレックスの味方なのか。」
それだけは確めなきゃならない。答え次第では、無意味かもしれないが、何か対策をしなくちゃならないからだ。そんな俺の焦りを余所に、
マルコは饒舌に語りだす。

214:2/8
09/02/26 22:37:28 B2Hsso3E
「サンドロ……あいつは“我々”の家族だ。家族はどんなカスでも守るのが道理だろう?ただし、忘れちゃならないのは“家族は一人だけ
じゃない”ってことだ。他の家族のことも考えて、最善の道を探す。あいつは少し“やり過ぎてる”んだよ。家族は他の家族が悪さをしたら
躾なきゃならないし、場合によっては―」
一瞬勿体振るように言葉を詰まらせてから、マルコはまるで宣告をするように言った。
「“引導を渡してやらなきゃならない。”」
背筋がゾクリとした。それは明らかに張ったりや冗談じゃない。こいつは本気だ。ゴクリと喉をならして生唾を飲んだ。
「色々大変なのさ。躾にしてもバランスや方法、程度、準備も考えなきゃならないし、他の家族の意向も汲まなきゃならない。それに
自分自身どうしたいかってのもあるしな。」
得体の知れない“マルコ”と言う人間を前に初めて恐怖を感じた。この男は誰なんだ。 じっとりと嫌な汗が滲む。
「……アーサーだけは、アーサーにだけは手出しするな。」
こんなこと位しか言えない自分が歯痒かった。非力で間抜けな自分が憎らしかった。
「大丈夫さ。それは“約束”だろう?“我々”は“約束”は守る。サンドロも例外じゃない。それに俺はお前らを気に入ってるんだ。
多少のサービス位はしてやるよ。」
ポン、と俺の肩を叩くと、マルコは騒がしいグランドへと歩いていった。俺は一人取り残される。
守りきれるのか。
アーサーとの約束を守れるのか。暗い雲が胸を覆っていった。


「あっ、あっ、あっ…くううぅっ…!」
ドクドクと精液が注ぎ込まれる。これで何回目かなんてわからない。ただもうアナルの感覚は熱を感じる以外麻痺しかかっていた。
「結構使い込んでやってんのにコイツのケツマンコまだキツいぜ。」
「けど見ろよ、ケツ穴ぽっかり開いちまってるぜ。折角中出ししたザーメン垂れ流してやがる。」
やっと解放されたソコに新しい肉の塊が挿入される。こぷりと音がして、中の精液が腿を伝って行くのがわかった。圧迫感に耐えながら
唇を噛む。ゴリゴリと前立腺を擦られれば嫌でもペニスが熱くなり、むくむくと勃起してしまう。そしてそのまま茎を扱かれたらもう
ダメだった。
「ひゃっ…んうぅっ、畜生っ、あ、あ、あんっ……!」
「何だぁ?もうイクのか?最近前より早漏になってんじゃねえか?」
「うるさっ……!ああぁっ、もう無理っ……!」
ペニスが上下しながら、びゅくびゅくと体液を吐き出す。ひたすら射精を強制されたせいで床に飛ぶ液体は色も粘り気も薄くなって
しまっていた。俺はイった後も暫く人形みたいにガクガクと犯されて、内臓に直接熱を浴びせられた。それで漸くヤツラは満足した
ようで、俺に自分達のペニスを口で掃除するように言う。
「んうっ…ちゅ…くちゅ…くちゃ…はぁっ、はぁっ、んぐぅ…ぺちゃ、ぺちゃ…ちゅるっ…」
「テメエのケツ穴ズコズコしてたチンコうまそうに舐めやがって。本当に救いようのないクズだな。淫乱で変態だなんてよ。」
コナーがそう嘯く。
違う。
俺はそんなんじゃない。
確かに俺は弱くて使えないクズかもしれない。でも男に欲情する変態でもなければ、ファックされて悦ぶ淫乱でもない。
そう言い返してやりたかった。でもボロボロになった身体じゃそれすら出来ない。
「うっ…出すぞっ。飲め!」
「ごぶっ…!んぐっ…ごくっ…」
舌が腐りそうな液体が喉を、胃を、身体全体を汚していく。それを三回繰り返して、やっと俺は本当に自由になった。
「ロイド…」
ふわりと身体が軽くなる。アーサーが俺を抱き抱えてくれたんだ。俺は焦った。だって身体には自分のだけじゃなく、アイツラの
汚物も付いているんだ。アーサーを押し返そうとしたけれど、アーサーは俺を離そうとはしなかった。
「アーサー…汚れるっ…俺、汚いっ…」
「ロイドは汚くなんかないっ…!」
その言葉に胸が熱くなる。目の奥がジンとして涙が出そうになった。ぐっと我慢して恐る恐るアーサーの背中に手を回す。耳元に
アーサーの吐息を感じる。アーサーは乱れた息を必死に抑えているようだった。またアーサーは自分のことを責めてるんだろう。
「……全然、堪えてねえよ。それに…後、五日だ。…大したことない。大丈夫……安心しろ…」
「……俺は、ロイドに…守、って貰える……資格…なんて……」
アーサーが震えている。どうしたらいいんだろう。どうしたらいいのかわからない。アーサーが苦しんでいるのに。助けてやりたいのに。
ふと、昔のことを思い出した。俺が泣いていて、マーが急いで駆け寄ってくれる。
それから涙をエプロンで拭いて、抱っこをしてくれた。
それから、それからマーは―

215:3/8
09/02/26 22:39:21 B2Hsso3E
「―……!」

―マーはそっとキスをしてくれた。

その時俺は凄く嬉しくて涙なんかぴたっと止まってしまったんだ。
「ロ…イド……」
アーサーは唇を押さえたまま固まってしまった。本当はマーがしてくれたみたいに額にしようと思ったけれど、身体が上手く
起こせなくて唇にするしかなかった。
キスをした後、口の中が汚れていることに気付いた。まずいと思い、謝ろうとした。
「ごめ…アーサー…」
その時見たアーサーは、顔を真っ赤にして目を潤ませていた。驚いてアーサーを引き剥がそうとしたけれど、アーサーは逆に俺に
しがみついてきた。
「ロイドっ…俺っ…ロイドがっ…」
後は言葉になっていなかった。慰めようとしたのに、これじゃあ逆効果だ。本当に俺はなんて役立たずなんだ。やるせない、
遣りきれない思いで身体が張り裂けそうだった。


アイツラが外に出る日が三日後に迫った夜。俺達はご多分に漏れず医務室にいた。ここのところ昼はクロスを挿入されたまま焦らされ、
夜は休む間もなく輪姦された。まともに神経を休める時間はこの医務室でだけになっている。今、俺はアーサーと一緒にベッドに
潜り込んでいた。いつからかは覚えていないけど、俺達はお互い向かい合って抱き合って眠る。
アーサーは赤ん坊みたく身体を丸めて、俺はそれを抱き締めた。
そして気付けばアーサーはいつも俺の顔を覗き込んでいた。そんな時アーサーは必ずとても複雑な表情で俺を見ている。今晩もやっぱり
アーサーは難しい顔をしていた。
「……俺、最低だ。」
アーサーが呟いた。
「…いつもロイドがボロボロにされてるのに…何にも出来ない。」
「アーサーのせいじゃないさ……」
「それだけじゃない。俺は…俺は……もっと最低で、最悪な屑野郎だ。」
酷く思い詰めた瞳を伏せて、アーサーは続ける。
「…俺は…多分………嬉しかったんだ。」
思いもよらない言葉に戸惑った。アーサーの顔を見ようとしたけれど、アーサーは逃げるように俯いた。
「…ロイド…ロイドが……酷い目にあって…ボロボロになって…傷付いて…それでもロイドは……俺を……俺を、想ってくれて……」
アーサーは俺の胸に乗せていた拳を更にきつく握りしめる。身体もガタガタ震えだしている。
「どんなに……酷いことされても…ずっと………だから………だから………俺……それが……嬉しかったんだ…………」
絞りだすような声で、アーサーは告白した。俺は絶句し、ただアーサーを見つめることしか出来ない。
「…それだけ………ロイドっがっ……俺を、好き、なんだって…そう……思ったら……俺っ……」
嗚咽を噛み殺しながらアーサーは告白し続ける。
「…ごめ……ごめんっ…最低だって……わかって…でも、嫌われたくないからっ……ごめんっ……」
まるで子どもみたいに舌ったらずな喋り方でアーサーは謝り続けた。その姿はまるで告解をし、贖罪を求める人間のようだった。
「ロイ……ロ……イド…ごめん……ごめんなさっ……嫌わないで…嫌…な……で……」
震えはおこりがついたように酷くなり、握られた拳からはいつの間にか一筋の血が流れていた。
それだけでアーサーがどれだけの勇気を振り絞って、どれだけ辛い覚悟をして俺に“懺悔”したかがわかった。
この異常な生活で、異常なことを強いられて、きっとアーサーは追い詰められていたんだ。
だから俺が嬲られる度、そんな歪んだ想いを抱いたに違いない。
そういう風にすがるものを見つけて、必死にそれにしがみ付くしかなかったんだ。
そしてアーサーはそれがいけないことだと思い、ずっと罪悪感とか、嫌悪感とか、そういうものに苛まれていたんだろう。
「アーサー…」
俺は血の滲む拳をそっとほどいてやった。そして傷口を舌できれいにしてやり、アーサーの小さな身体を抱き締めるた。
「もういいんだ。わかったから。ちゃんと言ってくれて、ありがとう。」
「ロイ…ド…嫌い、に、ならないで……」
それ以上言葉はいらなかった。
アーサーが愛しい。
この小さな弟が堪らなく愛しい。
優しくて純粋できれいなアーサー。
俺の、弟。ずっとずっと、こうして抱き合っていられたら。
じわりじわりと毒に犯された胸に、アーサーへの想いが深く深く刻まれた。

216:4/8
09/02/26 22:41:30 B2Hsso3E
やっとこの日が来た。
明日、ヤツラは全員ココを出ていく。
俺とアーサーがこの地獄から抜け出すまで後一日。
最後の呼び出しがある。
俺は毎日しつこく犯され続けて、頭も神経もずたぼろになっていた。でもそれも後一日。気力を振り絞って
アレックスの前に立った。
「今日が最後か。名残惜しいよなあ。ロイド。」
嫌らしい笑いでこっちを眺めてくる。今まで散々俺をメチャクチャにしてきた男の顔を見て、改めて腹が立った。
「…さっさとしろよ…屑が……」
「くっくっくっ…そうだな。今日は最後なんだ。取って置きのプレゼントをやろうと思ってんだ。ユルギス!」
「ほらよっ!」
どん、という鈍い音がして俺は振り返った。
「あっ…!」
胸に何かが飛び込んでくる。俺はそれを反射的に抱き止めた。
「アー…サー……?」
「ロ、ロイド…」
腕の中から俺を見上げるアーサー。困惑しきった顔で狼狽えている。
「ロイド。お前が大好きなアーサーとファックさせてやるよ。嬉し過ぎて勃起しそうだろ。」
「なっ…?!ふ、ふざけんな!クソッタレ!そんなこと出来るわけねえだろ!!」
頭を殴られたようなショックだった。俺とアーサーが?ありえない。そんなこと出来ない。
「約束だったろうが!!アーサーには手を出さないって!!」
「ああ。“俺達”はな。だがお前がヤる分にはいいだろ?あぁ?」
悪魔のような声に戦慄した。コイツラはどこまで俺達を貶める気なんだ。狂ってる。
「まあお前がヤらねぇってなら、仕方ないから俺達がアーサーの相手をしてやるけどなあ。
約束は約束だが、そうなったら仕方ねえからな。」
ユルギスが舌舐めずりをしながら言う。アーサーはびくっと身震いして俺にしがみついた。
「アーサーをファックするか、アーサーがファックされるのを見るか。好きな方を選べよ。」
コイツラは本気だ。アーサーを抱くか。アーサーが乱暴されるのを見るか。選ぶなんて、そんなこと―
でも選ばなきゃアーサーは、アーサーは―
「ロイド…」
小さな声で俺を呼ぶ声がした。アーサーだ。腕の中で小さくなっているアーサーが俺を呼んだんだ。
「アーサーっ…」
「…ロイド。俺は、どうなったって構わない。ロイドが選ぶ方でいい。ロイドが傍にいてくれるなら、
俺どんなことでも全然平気だ。」
そう言うとアーサーは笑った。その笑顔があんまりにもきれいで、俺は息を飲んだ。アーサーの細くて華奢な
肩をぎゅうっと抱いた。アーサーは微かに震えていた。
そして、決断する。
「……………アーサーを、抱く。」
その瞬間アーサーは、はっ、と熱い吐息を吐いた。
「決定だな。くくくっ言った通りだろ?コナー。10ドル寄越せよ。」
「クソッ!わかってるよ。コレ見てからやる。」
アイツラがゲラゲラ笑っているのを他所に、俺はアーサーを見た。アーサーの目は濡れていて、顔は赤く
火照っている。唇はきつく結ばれていた。
「……ごめん。アーサー……」
アーサーはふるふると首を横に振る。その姿は本当に幼くて、とても痛々しかった。
アーサーはまだこんなに小さいのに。こんな目に遭わないといけないなんて。
「オラ、さっさとやれっつったのはテメエだろうが。早くしろよ。」
アレックスが催促する。
―やるしかない。アーサーが怖がらないように、そっと麻袋の山にアーサーを横たえる。
「…大丈夫。絶対怖いことはしない。大丈夫だから。」
「うん…」
怯えた様子のアーサー額にそっと唇をつけた。
それから瞼や鼻、頬とキスをしてやる。段々アーサーの身体の強張りが解けていく。それを見計らってアーサーのシャツの
ボタンに手をかけた。
一つ、二つ。
上から順番に外していく。

217:5/8
09/02/26 22:43:39 B2Hsso3E
あっ……」
全部のボタンが外れ、シャツがはだける。見慣れているはずの胸はうっすらとピンク色に染まっていて、何故か
とても艶かしく見えた。上下する胸には薄く色づいた突起がある。そこは半分ほど勃っていて、アーサーが興奮して
いるんだとわかった。その可愛い右の乳首を口に含んだ。
「あふっ…あぁっ!」
舌で乳首を転がしながら、左手でもう一つの乳首を撫でてやる。こりこりとしてきたそれに少し意地悪をしてやろうとして、
軽く歯を立てた。アーサーは敏感に反応して 身体を跳ねさせる。それを優しく押さえつけて、首筋や肩に何度も口づけた。
さっきまで堅くなっていた身体が次第に解れていく。
「アーサー…下、脱がすぞ…」
「んっ…」
アーサーの下着の中に手を伸ばす。そこはもう濡れていて、ペニスも勃起しかかっていた。そこを袋ごとやわやわと揉んで
やるとアーサーは甘い悲鳴を上げた。
「やあっ…!ひんっ…ひあぁ…!」
いつもからは全然考えられない位甘ったるくて乱れたアーサーを見て、俺の腐りかけた脳ミソは痺れるような幸福を感じていた。
衝動に突き動かされるまま、一気に下着とズボンをずり落とす。
「ああっ…!」
ぷるんと未熟なペニスが跳ねて出てくる。さらさらした液体を先っぽから垂れ流しながら、ぷるぷると震えていた。いかにも
子どものものというサイズで、親指くらいしかない。半分ほど勃っているものの、皮は剥ける気配もなかった。
「ロイ…ロイドっ…恥ずかしいっ……」
顔を真っ赤にしながらアーサーは訴えた。
可愛い。
可愛い。
可愛い。
その時初めてはっきりと、俺はアーサーに欲情していることを自覚した。
その次の瞬間には、俺はアーサーの唇を奪っていた。
「…はむっ……んっ…くちゅっ…はあっ、アーサー、アーサーっ…んちゅっ…」
「…むぅっ……あむっロイっ…はんっ、ちゅっ…くちゅっ…ロイドぉっ…んぐっ…」
お互いに口の中をでたらめに舐めて、食んで、吸い合った。どっちのものか分からなくなった涎を飲み下しながら、
必死にお互いを求め合う。時々アーサーの性器を触ってやればくぐもった声をあげて俺にすがってきた。アーサーの反応が緩慢に
なったころ、やっと俺達は唇を離す。アーサーはもう蕩けきっていて、うっとりとした目でこっちを見つめていた。
「はあっ……はあっ……はあっ…アーサー…もっと…気持ちよくしてやるからっ……」
「あ……あ…ロイ…ド…ぉ…」
ぴくぴくとひきつる太股を割り、顔を埋める。そしてまだ幼ないペニスを口に含んだ。
「やあああぁぁっ!」
アーサーは鳴いた。多分フェラチオは初めてなんだろう。腰を引いて逃げようとしたけれど、俺はそれを許さない。つるつると
したそこを愛撫する。小さい茎だけじゃなく、袋も一緒にくわえ込んで、揉みしだくように口の中を転がした。むくむくと勃ち
上がるペニスの先を舌で剥いてやる。
「いっ…!ロイドっ…痛いっ…やめてっ…!」
少し乱暴にそこ剥きあげると、口の中にピリッとした刺激と鼻をつく臭いが広がる。ずっとかむっていたから、恥垢が溜まって
いたのかもしれない。俺はそれを舌で丁寧に削ぎ落とし、きれいにしていく。痛くないように、力を加減してねっとりと舐めてやる。
「ひゃうぅっ…!だめっ…ロイド…!」
カリや裏筋も丹念に舐めてやる。口をすぼめてくぽくぽとピストンしてやると、アーサーは嬌声を上げて腰を揺らした。そろそろ限界か。
アーサーの様子を見て、追い込みをかける。じゅるじゅると音を立て、思い切り吸い上げてやる。
「きひいっ!ロイドっ!やっ…やだっ…だめだからっ…ロイドっ…!あああぁぁぁ!」
アーサーは鳴きながらイった。ただペニスはビクンビクンと痙攣し、失禁はしたものの、射精はしなかった。漏らしたものを
飲み込むと、俺はアーサーに向き直った。
「アーサー…もしかさて、まだちゃんと出来ないのか?…」
アーサーは息を荒げ、顔を伏せ、耳まで赤くしながら僅かに頷いた。
まだ小さすぎるアーサーの体はまともに射精すらできないんだ。そう思うとこれ以上のことをするのは躊躇ってしまう。
だけど多分、ここでやめることは許されない。
俺達の後ろにアイツラの気配がする。こっちをじっとみて、にやけてやがる。
あんな下衆に、アーサーを渡してたまるか。

218:6/8
09/02/26 22:45:23 B2Hsso3E
「…アーサー、少し腰上げろ。ちゃんと解すから…痛くない。大丈夫だから。」
アーサーは焦点の定まらない目をさ迷わせながらおずおずと足を開き、こちらに尻をさらけ出した。アーサーのアナルはとてもきれいな
色をしていた。濃いピンク色のそこは、俺の唾液やアーサーが漏らした体液で濡れそぼっている。ひくつくアナルはとても狭そうで、
人差し指すら入るかどうか怪しかった。
俺はそこに唇をあてがう。それからマッサージするように舐めていく。
「やめっ……!口っ…離せっ……汚いっ…からっ……!」
アーサーは力のない手で俺の頭を掴んだ。それに構わず俺はそこを解し続ける。舌を尖らせて孔に差し込む。それから潤滑油になる
唾液を流し込んだ。何度か舌を出し入れした後、指をゆっくりと挿入する。括約筋が傷つかないよう、慎重に慎重に入れた。
「力抜け…そうしたら楽になるから。」
「うぅ……はあぁっ…あうぅっ…!」
指を段々奥にいれていく。指も二本、三本と増やしてやる。眉を潜めて喘ぐ姿はとても可愛らしかった。気付けば俺のペニスも
ギンギンに勃起していた。
ぐちゃぐちゃと三本の指がスムーズに動くようになった頃、俺は自分のペニスをアーサーのアナルに押し付ける。
「アーサー…いいか?」
「…っ…っ…ロイドっ…いい、よ……っ……」
その言葉と同時に俺はアーサーの中に入っていった。
「くううっ…!」
「きああああぁぁぁ…!」
熱い。
アーサーの中は溶けてしまいそうなほど熱かった。きゅうきゅうと締め付けてくるそこはとても狭く、俺のぺニスですら受け
入れるのが窮屈そうだった。アーサーが少し慣れるまで、暫くそのまま動かずにいた。中がぴくぴく痙攣するのがおかしくなりそうな
程気持ちいい。
「痛い…か…?」
今すぐにでも突きまくりたい衝動を必死に抑えてアーサーに聞く。すると苦しそうに息をするアーサーは、ゆっくりと微笑んだ。
「…これくらいっ……平気…だっ…動いてっ……」
健気なその姿に俺の理性の糸が切れた。
可愛い。
アーサーが可愛い。
アーサーを俺のものにしたい。
欲望のまま小さなアーサーの身体を貪った。めちゃくちゃに突きまくって、快感を求め続ける。脳が腐りきってまともな思考が出来ない。
「アーサーっ…アーサーっ…!気持ちいいっ…アーサーっ……」
「ロイドっ…あぅっ…ロイドっ、ロイドっ……!好きっ…ロイドぉっ…!」
どちらからともなく唇を重ねて、求め合った。口はべたべたになり、とにかく身体をまさぐり合う。肌を触れ合わせたくて
仕方なかった。かくかくと腰を振り、アーサーを蹂躙した。アーサーも俺を受け止めようと一生懸命しがみついてくる。
飢えた獣みたく交わりあう。
「ちゅっ…アーサーっ…くちゅ…ちゅうっ……アーサーっ…もう、イくっ…!」
「…ロイドっ……いいよっ…むうっ…ちゅるっ…はあっ…ロイドっ…くちゃっ…俺もっ……!」


219:7/8
09/02/26 22:49:08 B2Hsso3E
今まで感じたことのない感覚だった。
どくどくとアーサーの中に汚い欲望を、精液をぶちまけた。一滴も溢さないよう、一番奥に打ち込んだまま、びくびくと
射精し続ける。快感と、幸福感と、切なさと、満足感と、とにかく沢山の感情がごちゃ混ぜになった感覚が身体を、心を
焼き尽くした。
「はー…はー…アーサー…」
「ふっ…うんっ……ロ…イド…」
俺達はまたキスをした。お互いを確かめるように、欲しがるように、甘いキスをした。
「アーサー、好きだよ。アーサー……愛してる。」
キスの雨を降らせなが囁き続けた。
アーサーを手に入れた。
これで、アーサーは俺だけのものだ。
暗い悦びが身体中に染みていく。
「ロイド……」
ぽつりとアーサーが俺を呼ぶ。俺は応えるようにアーサーの顔を覗き込んだ。顔を上気させ、潤んだ瞳をこっちに向けている。
蕩けきった表情がいじらしい。

「――…」

何かを呟いたとき、アーサーの頬を一筋の光が伝っていった。


きらきらとした、透明で、純粋な、夜月に照らされる露のような、小さな光。

そしてアーサーは気を失った。


「あ…あ…あああっ………」

悪夢が醒める。

心に立ち込めていた真っ黒な靄が晴れていく。
熱に浮かされ、焼け爛れた脳が漸く自分の犯した罪を認識し始めた。

220:8/8
09/02/26 22:49:44 B2Hsso3E
「あ、あ、ああぁ…アーサー…アーサーっ…俺、俺っ……なんてことっ……」

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。

アーサーを傷つけた。
アーサーを汚した。
俺がアーサーを、俺が―

「お疲れさん。けけけけっ、大事な弟をレイプした感想はどうだあ?ロイド・バーカー?」
コナーの声がする。
そうだ。俺はアーサーをレイプした。
血の繋がった弟を犯した。
最低最悪の犯罪者だ。
「おい、アレックス。もうアーサーの野郎ヤってもいいだろ?」
「ああ。好きにしろよ。」
混乱した頭から血の気がさっとひいた。アーサーをヤる?確かにそう言った。
「やめろ!約束が違う!!」
我に返り、半狂乱になってアレックスとユルギスに怒鳴り付ける。掴みかかろうとしたが、コナーに組み敷かれ動きが
とれない。ユルギスがこっちに向かって唾を吐き、ニヤケながらアーサーの方へと歩いていく。
「どうしてテメエみたいなガキとの約束守らなきゃならない?お前は黙って精液便所になってりゃいいんだよ。エロガキ。」
アレックスは顔を歪めて嘲け笑った。酷く醜悪な顔で笑うそいつは、紛れも無い外道だった。こうやってもがいている間にも
アーサーに危機が迫っている。
畜生。こんな時にも俺はどうしてこんなにも無力なんだ―!
「約束を守れ!!“アレッサンドロ”!!!マルコや“彼等”はお前を許さないぞ!!!!」
ぴたりとアレックスの動きが止まる。顔色が急激に変わった。
「……何でお前がその名前を知ってる。」
低い、ドスの効いた声。目には怒りと恐怖が混在していた。はっきりとした動揺が見てとれる。そして次の瞬間怒号がとんだ。
「ユルギス!やめろ!」
「あぁ!?」
ユルギスはもうアーサーのアナルにペニスをあてがっていて、後少しで、というところまでいっていた。
「ふざけんなよアレックス。ロイドに処女やったら好きにして良いって言ったろうが。」
突然お預けを喰ったユルギスは当然のように怒り出し、アーサーを放り出してアレックスに詰め寄った。コナーが怯んだ隙に
俺は腕を振りほどき、アーサーに駆け寄る。急いで服を羽織らせ、最低限の身形を整えてやった。
「うるせえイワンが!やめろっつてんだよ!!ボケが!」
「何だと!俺はリトアニア人だ!ウォッカ野郎と一緒にすんじゃねえ!!クソッタレ!!!」
「ヴァッファンクーロ!黙れ!それとも黙らせて欲しいか?えぇっ?!」
「お…おい!落ち着けよ!看守が来るっ!」
俺達二人をおいておいて、言い争いは激しさを増していった。暫くして様子がおかしいことに気付いたのか、外から何人かの
人間がやってくる気配がする。
「お前ら!何を騒いでいる!!」
扉が開き、看守が乗り込んで来た。特に三人を取り押さえるわけでもなく、諫めようとしている。
「お前らはこっちだ。」
上から声がして、そっちを見上げた。そこにはあの神経質そうな医者がいた。
「早くしろ。」
俺はどうしていいかわからず、とにかく言われるがままアーサーを背負って部屋を出た。

医務室のシャワールームでアーサーの身体を洗った。不思議なことにアーサーは朝まで全然起きなかった。
身体じゃなく、心の方が現実に耐えきれず、アーサーから意識を奪っていたのかもしれない。
顔、腕、脚、そして―中。
痛くないように優しく指を中に入れた。
「ん……」
アーサーは小さく呻く。俺は細心の注意をはらってアーサーの中から自分の精液を掻き出した。
とろりとした感触と一緒に白いものが出てくる。
おぞましい、俺の罪の証。「…アーサー…俺っ…俺っ……」

絶対に許されない罪を犯した。もう俺は―


アーサーの兄ちゃんじゃなくなった。

221:名無しさん@ピンキー
09/02/26 22:51:19 B2Hsso3E
以上です。毎回長くて本当に申し訳ない。
次回が最終回の予定です。
が、あんまり手放しでのハッピーエンドにはなりそうもありません。
すみません。
もしそれでよろしければまたお付き合いください。
では。

222:名無しさん@ピンキー
09/02/26 23:14:00 Pq+jnrr0
今回もとてもよかったです。
どんな結末でも覚悟して待ちます。

223:名無しさん@ピンキー
09/02/27 21:02:46 DjVuaeY/
なんていじわるな状況なんだ。

手放しのハッピーエンドにならないのは残念ですが、楽しみにしてます!

224:名無しさん@ピンキー
09/02/28 10:33:15 NfYkpVBJ
アーサーにヤられるのかと思ってたら・・・逆だったかw

225:名無しさん@ピンキー
09/02/28 10:45:42 DCwR24WU
俺もひそかにソレを期待したw

226:名無しさん@ピンキー
09/02/28 14:25:10 E8Bmiibd
やばい、嵌まりそうだ

227:名無しさん@ピンキー
09/02/28 15:10:42 5iBMj79c
>>224,225
俺もだ。
アーサーとやれってシーンでも、アーサーにやらせるよう導くのかと。

228:名無しさん@ピンキー
09/02/28 16:00:26 2ssVLH22
というか普通にそうだと思ってたらよく見たら違ってた

229:名無しさん@ピンキー
09/02/28 17:05:44 NLBsGGKh
てかお前らメッチャロイド君シリーズ見てるのなw

230:名無しさん@ピンキー
09/02/28 22:42:03 ABjS9DYg
お兄ちゃんでなくなったのならお嫁さんになれば良いじゃない
ちくしょう…幸せになってほしいなあ…

231:名無しさん@ピンキー
09/02/28 23:22:44 2/vQPU5u
URLリンク(raisondetre.fya.jp)
ショタサイト


232:名無しさん@ピンキー
09/03/02 18:55:45 pzpwsbe4
それにしてもここの保管人はいい仕事してるなぁ


233:名無しさん@ピンキー
09/03/03 22:11:28 AxBqqtQu
トリップ忘れたさんのSSまた読みたいな
というより先輩×後輩シリーズの続編を読みたい

234:名無しさん@ピンキー
09/03/03 22:24:44 1e3YQ2Ex
>>233
トリップは暗いのが多いけど
逆に明るくて健全的なエロものを書いたらどうなるのか興味あるな

235:名無しさん@ピンキー
09/03/04 01:29:13 X4Rp5oNl
健全的なエロって、
意味解るけど不思議な言い回しだな
言い得て妙w

236:名無しさん@ピンキー
09/03/08 09:13:17 RqXZdQwB
ほしゅ

237:名無しさん@ピンキー
09/03/08 18:16:03 G2xAub0x
良作

238:名無しさん@ピンキー
09/03/09 18:47:52 f/xjThg0
明るいエロって、昼間から青姦するのか?
太陽のもと、日焼けした健康優良男児とするのは
健全で明るいよな

239:名無しさん@ピンキー
09/03/11 15:13:37 2pEdE75A
初めての行為にお互い興奮しながら挑むとかそんなかんじじゃね。
後ろめたさとかそんなんなしでお互い合意の上の。

240:名無しさん@ピンキー
09/03/11 18:06:55 zVsnyZhJ
新婚初夜ですね、わかります。

241:名無しさん@ピンキー
09/03/11 22:53:59 Yz8nEXK9
亀ですいません。41さんの先輩→後輩が自分の好みにドストライクだった!
妄想の中の描写が、ねちっこく表現されててやらしいし、鮮明に浮かんできました。日が暮れた神社での野外オナニーなんて、たまりません!
催促するようで悪いが、続きがあれば、ぜひとも形にしてくれ!お待ちしてます。

242:名無しさん@ピンキー
09/03/12 00:08:54 0vaypCrI
>>241
ありがとうございます
セリフに頼らないで描写したいと思って書いてたので、鮮明に浮かんできたと言ってくれるとすごくうれしいです。
一応、続き書いてます
書いてはいるんですが、オナヌしてすっきりすると書く手が止まってしまうんですよ
だからハァハァする作品が続いていたので進んでませんでした
特に最近はロイドくんが俺の脳内に嫁に来たもんでw
あれ、結末がどうなるか楽しみなのと、もう終わっちゃうのかぁ、と複雑な心境じゃないですか?


243:名無しさん@ピンキー
09/03/12 08:06:54 SVxoiGRK
長編物は皆そうだよな、続き読みたいけど終わるの淋しい
けど>>241にも期待してるから頑張ってください

244:1/9
09/03/12 19:41:30 m4hYLXsw
>>224,225,227
ごめんね、でも兄弟仲良くロストバージンって萌えるんだ('・ω・`)
やっとアク禁解除&決算報告書ひと段落したので>>213続き投下。
ただまた例の如く長くなりすぎたので次回こそ最終回。明日投下します。

俺達が外へ出る日が来た。アイツラがいなくなってから三日後のことだった。 昨日まで俺は医務室にいた。身体中痛くてだるくて、
ずっとベッドに潜り込んでいた。アーサーも一昨日まではいたけれど、医者が先に戻れと指示をしたようだ。身体の方は特に異常が
無かったらしい。“らしい”と言うのは、俺がそれを確めなかったからだ。

―あの日以来、アーサーとは話をしていない。

家に帰る支度をする。といっても少ない服や私物をまとめるだけだ。全部あるか確認してから要らないものは誰かにやるか捨てるかして、
残りをショルダーバッグに適当に詰める。まだ身体がだるい。それを我慢しての作業だった。
「よう、ご苦労さんだったな。ロイド・バーカー。」
軽い声がした。誰だか予想はついたが、悪態をつく気にもならない。視線だけ移動して相手を見据える。
「随分と湿気た顔してるな。まるで」
多分マルコの言う通りなんだろう。あれ以来食欲がない。今朝もオートミールを数口食べただけだ。
「何でここにいるんだよ…」
「今はレクリエーションの時間じゃないか。“友人”の見送り位してもいいだろ?」
白々しい。こういう奴等は何人も見てきたけれど、こいつは浮草みたいに捉え所がない分不気味さが増している。
「怖い顔するなよ。何もしやしない。」
両手を上げておどけてはいるが、多分マルコは今も何か別のことを考えている。そう。俺の考えが及ばないような何かを考えているはずだ。
とても気を許す気にはならない。
「用が無いなら帰れよワンカー。俺は忙しい。」
ベッドに広げられた洋服を適当に詰め込みながら言った。だけどやっぱりマルコはそんなこと位じゃ堪えず、こっちを見ている。
「用ならあるさ。お前に聞きたいことがある。」
コツ、コツという音が聞こえる。音と音の間隔は長かったけれど、それは確実にこっちへと近づいてきていた。荷物をまとめる手は止め
ないものの、俺は神経を張り詰めて身構える。マルコもアレックス達と同じくらいのガタイの良さだ。何かされたらひとたまりもない。
「ロイド。」
低い、落ち着いた声が響いた。
「“サンドロは約束を破ったか”?」
その瞬間時間が凍りついた。空気も、身体を流れる血も全て凍った。ただ、不思議なことに頭だけは嫌にはっきりと動いていた。
“約束”。
アーサーを傷つけない。
それが約束だった。
それが誓いだった。
でも、それは破られた。
守られなかった。

    じゃあ、一体誰が?

わかってる。わかりきってる。アーサーを傷つけた。それは―
「ロイド。」
ビクリと身体が跳ねる。我に返るといつの間にかマルコは俺の顔を覗き込んでいた。驚いて壁の方へと後退る。マルコはにんまりと不気味に
笑う。
「雄弁は銀、沈黙は金とはよく言ったもんだな。“よーくわかったよ”。」
みるみる内にマルコの笑顔が冷たくなっていく。俺はぞっとした。今まで見たことのない程澄んだ、氷のような瞳。それは明らかにまともな
人間のモノじゃなかった。

245:2/9
09/03/12 19:44:34 m4hYLXsw
「くくくっ……お前、もう少しポーカーフェイスを覚えろよ。考えてることが丸分かりだ。」
そう言うとマルコは口に手を当ててほくそ笑んだ。その時俺は初めてその指の間に小さな紙切れが挟まれているのに気付いた。
「…その…紙切れは……?」
自分でもアホらしいくらい間抜けな声だった。細くて頼りない、蚊の鳴くような声だ。マルコはその声にまた笑う。
「いいものだよ。ことによってはただの紙切れにも、レディ・ゴダイヴァの行進にもなる。面白いギャンブルの種さ。」
マルコの手の中でひらひらと揺れる、小さなメモのようなもの。四つ折りにされた、何の変哲もない紙切れが酷く鮮明に目へと焼き付けられる。
レディ・ゴダイヴァ。
この前覗いたアレックスとマルコの密会に関係あるのか。それとも単なる言葉遊びか。最後の最後のまで、こいつの頭の中は見えない。
「…さて。そろそろ行くかな。俺も暇じゃないんでね。じゃあな。元気でやれよ。」
マルコは踵を返した。やっとこの緊張感から解放される。そう安心した次の瞬間だった。
「ああ、“家族にもよろしくな”。」
その言葉がザクリと心臓を突いた。
“出口”に着くと、そこにはもうアーサーがいた。アーサーは酷く思い詰めた顔をしている。どうしたのかと聞きたかった。
だけど、出来なかった。
もしアーサーの口から俺を拒絶する言葉が出てきたら。そう考えただけで死にたくなるほどの恐怖にかられた。
「ロイド・バーカー。アーサー・バーカー。出ろ。」
職員が指示を出す。口もきかず、気まずい空気のまま、俺達はこの忌まわしい場所と自由な世界を繋ぐその扉にを潜ろうとする。
ピュウッという音がした。音の方を見ると、そこには何故かマルコがいた。壁にもたれ掛かって、こちらに投げキッスをしてきた。
その姿は昔見世物小屋で見たクラウンそのものだと、その時気付いた。マルコを見たアーサーは動揺したように走り出す。その後ろ姿が
目に入る。
一瞬、アーサーが何か白いものをくしゃり、とポケットに突っ込んだように見えた。


「ロイドっ!アーサーっ!!」
底抜けに明るい、甲高い声が響く。
「フレッド…マー…ハーマン…」
門の外には皆がいた。俺達を迎えに来てくれたんだろうか。フレッドがきゃあきゃあと言いながらこっちに突進してきた。
「ロイド!アーサー!おかえりなさいっ!」
フレッドはタックルするように俺達に飛び付いて、大喜びしていた。フレッド前に見たときと随分変わっている。背も髪も伸びて、
しゃべり方も少しまともになっていた。フレッドに続いてマーが走ってきてくれた。俺達を二人まとめて抱き締めて、会いたかった、
愛してるとキスをしてくれる。俺達もマーの背中に手を回し、ハグをした。久しぶりのマーの温もり。それが嬉しくて涙が出そうになった。
「ロイド。アーサー。元気だったか。」
優しくて静かな声。小さな頃から俺を呼んでいてくれた声。その主が、マーの肩越しにこっちを見ていた。
「ハー…マン…」
短く適当に切られた髪。俺達兄弟四人に共通の金の髪と青い目が日差しにきらきら照らされていた。特にハーマンの目は温かい光を帯び
ながら俺達を見つめている。
「お前ら少し見ない内に大きくなったな。」
マーもハーマンに同調して、もっとハンサムになったと頭を撫でてくれる。帰ってこれたんだ。そう安堵した。家族の元に帰ってこれたと。
同時に恐怖した。皆が俺のしたことを知ったら、果たしてこのまま俺の側にいてくれるんだろうか。

多分、答えはノーだ。

246:3/9
09/03/12 19:46:27 m4hYLXsw
「ロイド、どうした?」
ハーマンが俺を呼ぶ。それからこっちにスッと手を伸ばしてきた。
「髪伸びたな。」
そう言うとハーマンは首筋の辺りに触れながら、俺の髪をすいた。だけど無意識に俺の身体はその手から逃れようとしてた。後ろめたさや、
アイツラにファックされたことを思い出したからだと思う。
「……?」
ハーマンは怪訝そうな目をしていた。眉をしかめ、目を細めている。
「ロイド髪長い。女の子みたい。いっつも僕のこと女の子みたいだっていじめてたのに~。」
いきなりフレッドがぴょこんと俺の前に飛び出してくる。それから両手で自分の髪をツインテールのようにまとめ、“女の子”の物真似をし、
べーっと舌を出した。そういえば髪はいつの間にか肩にかかるくらいになっている。時間の流れを感じた。マーはフレッドを怒ったけど、
その言葉はフレッドを本気で叱るつもりじゃなく、からかうような言い方だった。
「アーサー、ロイドっ。ブランコしながら帰ろ!」
フレッドのいう“ブランコ”は、二人でフレッドの左右の手を繋いで、真ん中のフレッドをブランコみたく持ち上げる遊びだ。フレッドは
強引に俺とアーサーを引っ付かんで準備万端と言わんばかりだった。どうしようか悩んだものの、無理に引き剥がすのも可哀想だったから
仕方なくブランコしながら駅までの道を歩く。
「♪ロンドン橋落ちた 落ちた 落ちた 落ちた♪」
歌を歌いながら足をぶらぶらさせて、フレッドはいたく上機嫌だ。久しぶりに俺達に会えたのが嬉しいんだろう。いつになく歌声も大きい。
そんなフレッドを見て、俺もつい口許が綻ぶ。何気無く視線を上げると、思いがけずアーサーと目があった。アーサーは俺を見てたんだ。
慌てアーサーは俺から目を逸らせたけれど、その目はとても悲しそうで、追い詰められたような目だった。
そんな目で俺を見るなんて。
俺はどれだけアーサーを傷つけたんだろう。
緩んだ口許が一気にひきつった。俺は視線を足元に戻した。俺とフレッド、アーサーの三つの影と、その後ろから伸びるマーとハーマンの
影が見えた。
「♪ロンドン橋落ちた マイフェアレディ♪」
その時俺は気付かなかった。ハーマンも俺を見ていることに。


家に帰るとマーが腕を振るったご馳走が待っていた。マカロニ・アンド・チーズにミートローフ、チキンのシチュー、パスティ、フレンチフライ、
スチームドサラダ。デザートはナッツとベリー、アイシングたっぷりのマフィン。その上には砂糖漬けのチェリーまで乗っていた。
マーは特別よといたずらっぽく笑った。マーの料理は本当に温かくて美味しくて、本当に幸せだった。ハーマンもフレッドもアーサーもマーも
皆笑っている。ハーマンはスコッチの入ったショットグラスを煽りながら。マーはパスティを開きながら。フレッドは歌ったり、料理を手当たり
次第こねくりまわしたり、マーに口を拭かれたりで色々忙しそうに。久々の五人の夕飯は賑やかに進んだ。俺もアーサーも皆に色んなことを話した。
ブタ箱の中であったことをたくさんした。
ただし、アイツラのこと以外だけど。
それに、俺とアーサーはやっぱり口を聞かなかった。
そこだけが不自然だったけど、フレッドがはしゃいでいたのもあってマーもハーマンも気付いていなかったと思う。
……多分。
「マー、こいつら風呂に入れるよ。せっかくブタ箱から出てきたんだ。さっぱりさせてやる。」
ハーマンはフレッドを膝の上であやしながら言った。マーはハーマンに賛成して、外に置いてあるバスタブを暖炉の側に持ってくるよう言う。
運ぶのはもちろん俺とハーマンだ。マーは鍋やケトル、タライまで総動員してコンロや暖炉でお湯を沸かし始めた。俺とハーマンは廊下に置いて
あるバスタブを家まで持っていく。
「随分力ついたじゃねえか。」
ハーマンは笑って言った。ただ、その顔は微かに曇っていた。小一時間かけてバスタブに湯を張ると、マーは裁縫道具一式を持って隣の部屋に
行く。それから俺達は風呂に入るため服を脱いだ。
「わー、ロイドどうしたの?怪我だらけだ。」
俺ははっとした。しまった。いつもと違って家じゃ“この身体”はあんまりにも不自然だ。どうしよう。傷の中には歯形に見えるものもある。
それに胸や尻―アソコなんかにはおかしな傷もある。もしそれがバレたら、きっと―
「あ…ハ、ハーマンっ…フレッドっ…」
先に声をあげたのはアーサーだった。アーサーは何を言うつもりなんだろう。気が気じゃなかった。アーサーは言葉に詰まって何かモゴモゴ
いっている。びくびくしながら、脱ぎかけのシャツを握り締めた。

247:4/9
09/03/12 19:52:01 0Ofcm4Rn
「ケンカ、だろ?」
俺は思わずハーマンを見た。ハーマンは目こそ鋭く見えたものの、にやりと笑ってこっちを見ていた。
「よくあるんだよ。塀の向こうじゃ。誰が飯を盗った、誰が生意気だって因縁を付けちゃ殴る蹴るの乱闘になる。生傷なんて絶えない。
だろ?ロイド。アーサー。」
「う~?そうなの?」
無邪気な顔でフレッドは聞いてきた。思いもよらない助け船に、俺は咄嗟に首を縦に振った。アーサーは驚きつつもそれに同調したみたいだ。
「お前も気を付けろ、フレッド。殴り合いにはコツがいる。また教えてやるから、ちゃんと覚えろ。」
フレッドはくりくりした目をきらきらさせてシャドウボクシングをした。将来はベビー級の世界王者になると息巻いている。相変わらず
フレッドは単純だと思う。でも、それが救いだった。それにアーサーもあれ以上は話をしなかった。走り回るフレッドを追いかけて捕まえたり、
服を脱がしたりしている内にうやむやになったんだ。
でも良かった。
上手く誤魔化せた。
これで少しだけ、俺は“生き延びた”んだ。


俺達は四人揃ってバスタブにぎゅうぎゅう詰めになりながら入った。まだ体が小さいからできる荒業だ。ハーマン、俺、アーサー、フレッドの
順で一列に並んでバスタブに入る。それから皆頭に石鹸を擦り付けて洗っていく。ハーマンは俺の、俺はアーサーの、アーサーはフレッドの
髪をそれぞれ洗う。フレッドは何故かお気に入りのラグビーボールに石鹸を付けてごしごし洗っていた。
「♪木と泥で作れ 作れ 作れ 木と泥で作れ マイフェアレディ♪」
「フレッド、目と口閉じろ。」
「♪木と泥じゃ流される マイフェア……えぅっ!アーサーやだあ~!石鹸目に入ったぁ~!」
アーサーは兄貴風を吹かせてフレッドの世話をこまめに焼いている。だから俺の方なんて見ない。俺から見えるのはアーサーの後ろ姿だけだ。
きれいな金の髪を泡で包んでやる。三日前の夜もそうした。死んだように眠るアーサーを抱いて、石鹸とスポンジで俺が汚したものを全部
洗い流した。そうすればもしかしたら、俺がしでかしたことが全部チャラになると思った瞬間もあった。勿論そんなことあるわけない。俺が
つけたキスマークや、無理矢理押さえつけた時に出来た引っ掻き傷は消えなかった。そしてなにより、アーサーの心の傷はきっと一生消えないだろう。
強姦して、挙げ句の果てアーサーに欲情した俺をアーサーが許してくれる筈がない。アーサーを、家族を傷付けた最低最悪でおぞましい、救いようの
ない人間。そう、これじゃあまるで、まるで。クソッ、あんなに嫌っていたのに。畜生っ、これじゃあ俺はそれ以下じゃないか。
畜生畜生畜生畜生っ!
「おい、ロイド。ぼーっとするな。」
声と同時に俺は現実に引き戻される。ハーマンが俺を呼んだと気付いた。
「考えごと多くなったな。らしくないぞ。何かあったか?」
ハーマンは俺の髪を後ろでまとめ、持ち上げながら言った。ハーマンの手がうなじを触る。ぞくりと電気が背筋を走る。始め、それは単に身体を
洗っていてくれているんだと思った。
丁寧に、丁寧に、身体の隅々まで洗ってくれているんだと。
でも段々それは違うんじゃないかと感じ始めた。首筋、肩、腕、胸、腰、脚―それから、性器。ハーマンの手はゆっくりゆっくり、何かを
確かめるように俺の肌の上を滑っては止まり、滑っては止まりを繰り返す。

右の首筋。そこはアレックスが特に好んで噛みついてきた場所だ。
肩。ユルギスはそこを掴んで挿入するときに暴れる俺を押さえ付けた。
胸。散々弄られ、酷く敏感になった乳首はコナーの馬鹿みたいに舐めるだけの行為にすら勃起するようになってしまった。
そして、ペニス。そう。俺はこの小さな肉の塊で、アーサーの未熟な搾まりを抉じ開けて、なぶって、身勝手な欲望を撒き散らした。

それぞれの場所にハーマンが触れる度、俺はハーマンに懺悔を迫られているように感じた。実際、喉まで“告白”は出かかっていたんだ。
けど、それを吐き出す勇気なんてなかった。出来るわけない。そんなこと知られた、俺はきっと居場所を無くしてしまう。
怖い。怖い。怖い。
そんなの嫌だ。嫌だ。俺は目を瞑り、ただひたすら時間が過ぎるのを待った。

248:5/9
09/03/12 19:53:06 0Ofcm4Rn
♪煉瓦とモルタルじゃ崩れる 崩れる 崩れる 煉瓦とモルタルじゃ崩れる マイフェアレディ♪」
「よし、出るぞ。ガキども。」
「え~?もう~?ちぇ~。」
ハーマンの号令とともに皆お湯に潜り泡を落とす。ハーマンが立ち上がるとアーサーとフレッドもそれに倣った。その時アーサーはまだ立ち
上がれない俺に気付いて、こっちへ身体を屈めてきた。そして恐る恐るこちらに手を伸ばしてくる。
「アーサー。お前はフレッドの面倒見ろ。あっちの部屋にタオルとパジャマがあるから。風邪引く前に早く行け。」
アーサーはハーマンの声にビクッと震え、伸ばしかけた手を引っ込めた。
「で、でもロイドが……」
「いいから行け。ほら、もうフレッド向こう行ってるぞ。」
そこまで言われるとアーサーもハーマンに逆らうことができず、てくてくとフレッドの後を追いかけていく。途中、何度もちらちらと
こちらを見ながら部屋を出ていった。そして部屋には俺とハーマンの二人きりになった。
「立て。ロイド。」
ハーマンは兄ちゃんだ。兄ちゃんには、逆らえない。俺は黙って立ち上がる。ポタポタと雫が髪や傷だらけの身体からから落ちて、濁った
バスタブの湯に落ちていく。バスタブから出れば雫は床にいくつもの水溜まりを作った。ふわりと温かいものが身体をくるむ。
背中からハーマンがバスタオルをかけてくれたんだ。それからハーマンは優しく濡れた身体を拭いてくれた。それはさっきと違って俺の傷に
障らないよう、そっと身体を撫でていくようだった。
それでも俺の身体と神経は昂ったままだ。俺がアーサーを傷つけたことがバレてしまわないか、気付かれやしないか。もし勘づかれたらどう
切り抜けようか、どう誤魔化そうか。そんなことばかり考えていた。あまりの不安に叫びそうになる。口を震わせながら開き、小さく息をした。
ふと、喉の辺りに何かが当てられた。ハーマンの手だ。
「ここは痛むか?」
くっ、指に力を込められた。軽く気管が圧迫される。ほんの少しだけど、息が苦しい。次の瞬間フラッシュバックが起こった。

『おぉっ、この口マンコすげぇ。喉がよく締まるぜ。』
『げぼっ!んふっ…ちゅぶっ…くぽっ、くぽっ、くぽっ…!はあぁっ…クソッ…んぐぅっ!むちゅっ、むちゅっ、ちゅうっ…!』
髪を掴まれ、頭ごと揺さぶられる。小さい口じゃペニスを突っ込まれればまともに息なんかできない。なんとか鼻で息をしても濃くて生臭い
精液の臭いでディップになった脳ミソが更に腐っていく。
苦しい。苦しい。苦しい。
『嬉しいだろ?臭くてエロい精子たっぷり飲めてよぉ。お前みたいなど淫乱は汚ねえザーメン、ビュクビュク出されんの大好きだもんなあ。』
『チンポうまいって顔してるぜ。ロイド。ほら、少しシコっただけでお前の包茎チンポもビンビンになりやがった。イラマチオで勃起する
ような変態マゾガキはしっかり躾てやらねえとな。』
勝手なことを言いやがって。こんなの全然嬉しくない。精液なんて大っ嫌いだし、俺はマゾでも変態でもない。身体が反応しちまうのは
仕方ないんだ。喉を思いきり突かれる。顎も、喉も死ぬほど痛い。今にも突き破られそだ。自然に涙か流れる。その内ドピュッ、ドピュッと
口の中に射精される。ねばねばした物が口に放たれる。まずい。吐き出したい。畜生。死んじまえ。ペド野郎が。

「……こっちは痛いか?」
今度は腹を軽く押された。また頭にあの時の光景が、音が、感覚が甦る。
『ひぐうっ!かはっ…!そんなっ…奥っ、挿れるなっ…ひぃっ…くふっ!痛っ…!』
グチャッ、グチャッという音がする。アナルが擦り切れてしまいそうな程乱暴にピストンされる。内臓の奥深くまで何度も突かれた。一番
敏感な場所も何度も擦りあげられ、痛みと快感がぐちゃぐちゃにミックスされる。
『もっとケツ締めろ!淫売!ザーメン欲しいんだろ?あぁ?!ケツ振って種付けしてくださいって媚びてみろよ!ケツ穴にチンポくわえて
雌犬みたくアヘアへ喚けよ!!』
口までペニスを詰めこまれたみたいに苦しい。真っ赤に焼けた火掻き棒が内臓をミンチにするように引っ掻き回す。嫌だ。こんなこと嫌だ。
『がぁっ…く…ぅうっ…ひんっ!違うっ…俺っ…雌、犬っ…じゃあ…あぁっ…痛ぁっ…きひっ!ぅあんっ!
…あ、あひっ…あ、あ…あっ…!』
『雌犬じゃなけりゃビッチだ。ケツマンコ野郎が。ほら、濃い精液注ぎ込んで孕ませてやるよっ!アナルで全部受け止めやがれ!!』
ヘドロがミンチになった内臓に叩き付けられる。同時に俺もイカされた。中に出された精液の量があんまりにも多くて、腹が破裂しそう
だった。激痛と、耐えられないほどの快感。狂うには十分過ぎるほどの衝撃だった。

249:6/9
09/03/12 19:58:36 0Ofcm4Rn
「あ…う…あぁっ……あ………」
脚から力が抜けて、その場にへたり込んだ。ガクガク身体が震え、涙が後から後から零れてきた。こんなじゃダメだ、早く取り繕わないと。
そういくら自分に命令しても身体は言うことを聞かない。
「ち、違う…俺……ハーマンっ…ごめっ…」
アイツラにされていたことは予想以上に俺を蝕んでいた。身体も心も全部俺の手に負えないところまでいってる。アーサーに酷いことした
くせに、こんな無様なことになるなんて。本当に俺はダメになってしまった。
「……悪かったな。もう寝よう。」
泣き続ける俺をハーマンはバスタオルで包んで、そのまま部屋まで運んでくれた。それからパジャマも着せてくれて、ベッドに寝かせても
くれた。俺はこんなことしてもらえる資格なんて無いのに。シーツを握りしめて俺は自分を責め続けた。


さわさわと風が吹いている。草が気持ち良さそうにそよいでいた。ここはどこだろう。辺りを見回してみる。雨の匂いのする原っぱ。そうだ。
ここはフープスネークの草原だ。それじゃあ皆はどこだろう。目を細めて、遠くを見る。すると向こうに三人の人影が見えた。泥だらけの
フレッド。それを眺めるハーマンとアーサー。俺だけがそこにいない。あっちにいきたい。皆といたい。
けどそれはダメだ。 皆はそれを許してくれないだろう。
俺はしゃがみこんで草の中にかくれた。足元にはフープスネークがいた。見たことなんか無いけど、これは確かにフープスネークだ。
フープスネークは一生懸命自分のしっぽにかじりついてる。
その内フープスネークはしっぽを食べ始める。
がじがじ。
がじがじ。
がじがじ。
がじがじ。
がじがじ。
がじがじ。
最後にはフープスネークは頭だけになって死んでしまった。
自分で自分を食べるなんて。
自分で自分を食べても痛いし死んじゃうし良いこと無いのに。
そんなこともわからないんだろうか。
なんて間抜けなフープスネークだ。


何か音がした。俺は目を開ける。窓の外を見ると、まだ夜は明けていないみたいだ。
それなのに少し開いたドアからは光が漏れてる。
そっと床に降りるとその隙間から向こう側、つまりキッチンの方を覗いた。ぐすん、ぐすんと鼻を啜る音がする。
人影は二つ。一つは
椅子に座ったハーマン。もう一つはアーサーだった。
アーサーは顔を手で覆いながら泣いていた。それを慰めるようにハーマンはアーサーの背中を抱き、頭を撫でて
いる。どうしたんだろう。アーサーが泣いてる。怖い夢でも見たんだろうか。可哀想に。
蝋燭の灯りの中、二人は何かを話している。耳をすましてみるものの、上手く聞き取れない。かなりの時間、二人はそうしていた。
時折ぼそぼそと話ながら抱き合っていた。小一時間も経った頃、顔を隠していた手を動かす。
その手はゆっくりと下に下りていき、ズボンのポケットに辿り着く。
そして中から、白い紙くずを取り出した。そして、ハーマンはそれを受け取るとアーサーの額にキスをした。
「アーサー、いい子だ。」
「……ごめんなさい。」
それ以上は見ていられなかった。あれは、あの紙くずはマルコのそれとそっくりだった。
ぐしゃぐしゃになってたけど、間違いない。どうしてそれをアーサーが持ってる?何でハーマンがそれを?出てくる答えはどれも
最悪のシナリオばかりだ。
俺は罪を犯した。
だから、罰を受けなきゃならない。
そんなのわかってる。わかってるけど。

俺は、それが怖い。


250:7/9
09/03/12 20:03:41 0Ofcm4Rn
こつこつと頭を叩かれる。
「ロイド~ロイド~起きて~ご飯だよ~。」
犯人はフレッドだった。キッチンからはいい匂いが漂ってくる。身体を起こす。頭がぼーっとしていて動くのが億劫だ。眠れなかったせいかもしれない。
「早くしないと冷めちゃうよ~早く~。」
フレッドに急かされて、顔も洗わないままキッチンに向かう。そこに着くと調度マーがエッグ・ベネディクトを乗せた皿を運んでいる
ところだった。席につくと手が伸びてきて目の前の皿にそれがぼとりと置かれる。手の延びた方を見るとハーマンが自分用の
エッグ・ベネディクトを摘まんでいるところだった。マーは俺が起きてくるのが遅かったことが心配らしく、色々と聞いてくる。俺が
言い淀んでいると、代わりにハーマンが答えた。
「マー、ロイドは風邪らしいよ。暫くは家で寝てた方がいい。」
何故ハーマンはそんな嘘を言うんだろう。昨日のことが何か関係あるのか。戸惑いながらも俺はハーマンの嘘に乗る。マーはおでこと
おでこをくっつけて熱を測ってくれた。それからアーサーにいくらか小銭を渡して、コークを買ってくるよう言いつける。アーサーは
いぶかしげに俺を見た後、外へと飛び出して行った。
「ああ、マー。そうだ。俺今日出掛けるんだ。ピーナッツバターサンド作ってよ。」
ミルクを飲みながらハーマンは言った。ハーマンの一言一言にドキドキする。
昨日、アーサーはハーマンに何かを言った。それが酷く気になる。首にナイフを当てられてる感じ。いつ地獄のどん底に突き落とされる
のかわからない。マーが手際よくピーナッツサンドを作って、
紙袋にそれを入れる。ハーマンはそれを受け取るとコートを羽織って玄関に歩いて行った。
「帰るの遅くなるから。チビども、マー手伝えよ。」
ハーマンが部屋を出るとき、調度アーサーが帰ってきた。二人がすれ違う時ハーマンはアーサーの頭をポンと叩き、アーサーはハーマン
から目を逸らす。その光景はとても不自然に思えた。
「ねえねえ、ロイド。あのね、あのね、マーの特製コーク出来たら良いもの見せてあげるよっ!この前ねっ、駅の待合室から盗って
きたんだよっ!テルモスって言ってね、いつまでもコーヒーとかあったかいんだ!」
フレッドはきらきらした目で俺の前に乗り出してきた。俺は曖昧に返事をしながら、ぎこちない二人を見ていた。

それからハーマンは一週間、家に戻らなかった。

キッチンにあるサイドボードの引き出し。その一番上を開ける。
そこにはいくつもの薬が入っている。マーが昔飲んでいた薬だ。その中から大きめのピルケースを手に取る。ラベルにはバミタールと
大きく書いてあった。蓋を開け、中から一錠取り出す。それを放り込んでテルモスの中の特製コークで流し込む。
ハーマンが出ていってから三日が経つ。ハーマンが出ていった日から俺は眠れなかった。
眠い。なのに眠れない。頭が痛い。
だからとにかく寝るためにマーの薬を内緒で飲むようになった。
薬を飲めば死んだように眠れた。真っ黒な泥の中に沈んだみたいに夢も何も見ず、何も聞かず、何も考えずにいられる。アーサーは俺を
どう思っているか。ハーマンとアーサーは何を話したのか。ハーマンはどうして帰ってこないのか。考えれば考えるほど辛い現実に押し
潰されそうになる。
逃げたい。逃げ出して楽になりたい。
気付けば食事の時以外はずっと眠るようにしていた。そして今日も俺はまた眠りの沼へと身を投げる。

251:7.5/9
09/03/12 20:04:34 0Ofcm4Rn
「♪銀と金で作ろう 作ろう 作ろう 銀と金で作ろう マイフェアレディ♪」
フレッドの歌が聞こえる。キッチンの方からだ。目が段々覚めてくる。頭が痛い。喉の乾きもあってそっちに顔を出す。フレッドは一人で
積み木遊びをしていた。
「♪銀と金じゃ盗まれる 盗まれる 盗まれる♪」
「フレッド……マーとアーサーは?」
「あっ!ロイドおはよ~。んとね、マーはお仕事でね、アーサーはお出掛けだよ。」
フレッドはブンブンと細長い積み木を振り回しながら答える。その拍子にガシャンと目の前の積み木が崩れた。
「あう~!壊れちゃったあぁ~!」
フレッドは泣き出した。俺は急いで側によると、よしよしと頭を撫でてやる。
「泣くな、フレッド。何作ってたんだよ?」
散らばった積み木を集めてやる。頭が痛い。寝起きのせいで少し手元がおぼつかない。それを見てフレッドはぐずぐずしながら答え始めた。
「あのね、あのね、ロンドン橋作ったの。でもね、ダメなんだ。積み木じゃダメなんだ。煉瓦でも、銀と金でもダメなんだよ。一回壊れると
もうダメだ。壊れたらもう直んないんだ。」
フレッドの顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだ。俺はフラフラしながらハンカチを取ってきて、それを全部拭いてやった。こんなこと位で泣く
なんて、フレッドはまだまだガキだ。そんな風に思う。涙の勢いが弱くなった辺りで鼻をかませてやる。
「ほら…今度はさ、ブルックリン橋にしろよ。あれはロンドン橋より新しいし、長いし、格好いいだろ。それに自由の女神が
寝ずの番をしてる。絶対落ちないよ。」
少しの間フレッドはぽかんとしていたものの、一つ積み木を渡してやると笑顔になってまた橋を作りはじめた。
「ロイドっ!ロイドっ!橋が出来たら一番最初にロイドに見せてあげるね!」
俺はにこっと笑うとまたサイドボードの方へ行く。
引き出しを開けていつものようにバミタールを一粒。
それから頭痛を抑えるためにアスピリンを一粒。
それぞれ口に入れて、水で流し込んだ。そしてまた一人きりの部屋に戻り、ベッドに横たわる。

『一回壊れるともうダメだ。壊れたらもう直んないんだ。』

フレッドの声が聞こえた気がした。


252:8/9
09/03/12 20:14:06 0Ofcm4Rn
気が付くと俺はクローゼットの中にいた。外からは嫌なものが聞こえてくる。耳を塞いでそれを聞かないようにした。
それなのに音は手をすり抜ける。耳が潰れるくらい力を込めてても変わらない。
その内その音が聞き覚えのあるものだと気付く。微かに微かに開いた隙間から、クローゼットの向こうを見る。
目に飛び込んできたのは誰かが犬みたいに四つん這いにされ、レイプされている光景だった。ファックされている方の股間には小さなモノが
ついている。体つきから言っても恐らくは少年だ。随分長い間犯されているのか、うっすらとピンクに染まった体のあちこちには白い粘液が
まとわりつき白い、太股には白と赤の筋が何本も伝っていた。ペニスで突かれる度、少年は痛々しい声をあげる。それでもレイプをしている
奴は容赦なく腰を振り続ける。その光景に言葉を失っていると、ふと嫌な予感がした。
そういえばアーサーがいない。
いつもクローゼットに一緒に隠れていたアーサーは?
アーサーはどこにいる?
慌てもう一度耳を済ませ、クローゼットの外を凝視する。
「あんっ…はっ、あっ、あうぅ…痛いっ、痛いよぉ…」
くちゃくちゃと湿った音をたてながら肛門を犯され、か弱い悲鳴をあげている少年の声と顔。それはアーサーのものだった。
「アーサー!!!」
俺は喉が許す限りの声を張り上げ、クローゼットの戸を開ける。アーサーを傷つけるやつは許さない。一体誰がこんな残酷なことを―
「きゃふっ…ぅうっ…くぅ…お願、い…やめてぇ…」
アーサーにのし掛かり、何度も腰を打ち付ける男。いや、少年。

彼が、ゆっくりこちらを向いた。
「え………」

「ロイドぉ…ぉねがい…ひゃんっ…も…やめて……」

そいつは、俺だった。


253:8.5/9
09/03/12 20:16:28 0Ofcm4Rn


次の瞬間、俺は痺れるような甘い感覚に襲われる。思わず目を瞑って声を漏らし、身体を痙攣させた。
「あぁっ……」
同時に絶望したような声が下から聞こえた。目を開けるとそこにはアーサーがいた。
「お願いだから…ロイド…もう、中に出さないで…お腹、苦し……」
置かれている状況に愕然とする。あろうことか俺はアーサーを押し倒し、陵辱していた。繋がった部分は真っ赤に腫れ上がり、痛々しく
ひくついている。
「ロイド…何でこんなことするんだ…?俺達、兄弟…なのに…酷いよ……」
慌ててアーサーからペニスを引き抜く。それは血と精液にまみれてヌラヌラと光っていた。
「なあ…?俺、死ぬほど…嫌だったのに…なんで…?凄く、痛いのに…」
「ご、ごめ、アーサーっ…」
「無理矢理、身体…舐められ、て…ひぐっ…フェラ、されて…こ、こんな…お尻に挿れられて…たくさん……中に出されてっ…」
虚ろな目からぽろぽろ流しながらアーサーは呟く。俺は後退り、ガクガクと震えることしかできない。
「本当に最低だな。お前は。」
いつの間にかハーマンがいる。ハーマンは恐ろしいほど冷たい瞳で俺を真っ直ぐ見据えていた。
「アーサー嫌がってたろ?それなのに何でレイプなんてした?」
何の抑揚もない声に俺は恐怖を覚える。
「そ…それは…ア、アレックスがっ…」
「違うだろ。お前思っただろう。“アーサーを自分のものにしたい”って。アーサーをファックしたいって思っただろうが。」
どうしてハーマンがそれを知ってるんだ!
何でハーマンは俺がアーサーを欲しいと思ったことを何で知ってるんだ!ああ、どうしよう。
どうしよう。アーサーが泣いてる。ハーマンが怒ってる。
ハーマンが言った通りだ。
俺はアーサーに欲情した。
アーサーを愛してる。
絶対絶対絶対許されないのに。
あの時はっきりアーサーが欲しいって思った。そしてアーサーを傷つけてしまった今でも、その感情はマグマみたいに心の奥底に
燻り続けている。一方的で、身勝手で、歪みきった俺をアーサーがどう思ってるかなんてわかりきってる。なんて堕ちれぶれた存在
なんだろう。これじゃあ、これじゃあ本当に

「“アレ”にそっくりだ。」

「ああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

「家族を傷つける、傲慢で、自分勝手で、人としての価値なんて欠片もない。お前は“アレ”と同類だ。」
「違う違う違う違う違う!!!俺は“アレ”なんかじゃないっ!!!!」
「違わないさ。“アレ”さ俺やマーを殴った。お前はアーサーを犯した。どっちも家族を傷つける屑野郎だ。」
ハーマンが俺を責める。“アレ”を見る目で俺を射抜きながら俺を追い詰める。
「違う!!俺は“アレ”とは違うっ…!だって…だってっ…!!」
「そうだよハーマン。だってロイドはアーサーとえっちしたいんでしょ?それってただ殴るよりず~っと最悪の変態さんだよ~。」
「そうだな。コイツは“アレ”以下の蛆野郎だ。とっととくたばればいい。」
「そん…な…ハーマン…フレッド……ゆ、許し…違う……俺は…」
フレッドがケタケタ笑う。耳にこびりついて離れない。ハーマンも笑ってる。鋸で全身の肉を削がれる。どんなに叫んでも謝っても
やめてくれない。
逃げたい。
でも逃げられない。
俺には家族から離れるなんてできない。だって俺は皆が好きで、だから嫌われたりなんかしたら、俺は―
「ロイド。」
アーサーが呟いた。透明で、無機質な空気の波が鼓膜に届く。


「大嫌いだよ。」


254:9/9
09/03/12 20:16:59 0Ofcm4Rn
く煮たオートミールが湯気をたてている。マーはそれをスプーンで掬って口まで運んでくれる。俺はそれを少しだけ食べて、
首を振った。マーはとても心配してくれた。最近眠れているかとか、何か欲しいものはあるかとか、色々聞いてくる。俺は
大丈夫とだけ言ってまた横になった。そうは言っても寝る訳じゃない。とにかく横になるだけだ。
マーは悲しそうな顔をしてキスをする。今日は用事で隣町にいかなきゃならないらしい。アーサーとフレッドも一緒に行くん
だそうだ。マーはなるべく早く帰ると言って部屋を後にした。 ハーマンがいなくなってから今日で八日目。一週間まるまる
ハーマンは帰ってこない。そして俺はあの夢以来眠らなくなった。もう夢さえ逃げ場になってくれない。
頭が痛い。吐き気がする。視界もはっきりしない。音も妙に大きく聞こえる。
辛い。
苦しい。
気持ち悪い。
自業自得なのに、酷く悲しかった。ぽろりと、涙が出てきた。

太陽が高くなった頃、俺は耐えきれずまたサイドボードに向かう。
こんなに自分の罪深さを分かっていると言うのに、自分が嫌いなのに、それでもまだ俺は木のコートを着る気にはなれない。
…臆病者の自分を呪う。
とりあえず眠らないといけない。
それから、割れそうな頭も何とかしないと。
口から内臓が出そうな吐き気もどうにかしなきゃならない。

引き出しの中の薬を片っ端から手にとる。それから何錠かチョイスして手に盛れば小さな山になった。これを飲めば大丈夫だ。
この感覚から抜け出せる。きっとなんとかなる。薬を握り締め、水をコップに注ぐ。
早く楽になりたい。
早く、早く、早く。

俺は震える手を必死に持ち上げ、タブレットの山を口に運んだ。


255:名無しさん@ピンキー
09/03/12 20:18:02 0Ofcm4Rn
9/9の最初は[甘く]です。すみません。
恐ろしく強引だけど一応ハッピーエンドになったので明日もよろしくです。

256:名無しさん@ピンキー
09/03/12 20:43:37 mb6w8Y3L
待ってたっっ!!!

257:名無しさん@ピンキー
09/03/12 21:02:24 0vaypCrI

明日も楽しみだぜ


258:名無しさん@ピンキー
09/03/13 08:20:59 RRlnalBU
なんという期待の新人
もっとやれー

259:名無しさん@ピンキー
09/03/13 18:40:17 32qBS44R
凄く面白かった

260:1/12
09/03/13 23:23:10 +zMMaYdE
かろうじて約束まもれました。>>244続きです。これで最後です。

ガタンッ!!!

いきなり玄関から物凄い音がした。驚いてポケットに薬を突っ込み、壁に立て掛けてあるモップを手にとる。
強盗か?モップを構えながらテーブルの下に隠れ、恐る恐るこちらに近付く足音に集中する。ゴト、ゴト、と
いう音は遂にキッチンまでやって来た。緊張がピークに達したとき、覚悟を決めてそっと向こうを伺う。
「ハ…ハーマン?!」
足音の主はハーマンだった。久しぶりに見るハーマンはコートの襟を立て、帽子を深く被り、ゆらゆらと歩いている。
「ああ…ロイドか…」
ハーマンは帽子を取るとどかっとソファーに座り込む。だるそうに瞬きをして、はあっと息を吐く。
「ハーマン、血が…」
ハーマンの頬には赤茶色の飛沫がついていた。乾いているものの、かなりの量だ。
ハーマンがケンカをして帰ってくるのは珍しくない。でもこんな血だらけになるなんて今までなかった。
頭痛や吐き気は一気に吹き飛び、何とかしなきゃと考える。まずは傷を見つけないと。俺はさっきまで
自分の頭に乗っていたタオルを持ってくると傷に触らないよう気を付けながら拭く。ところが不思議なことに、
ハーマンはどこにも怪我をしていないようだった。洗面所に行って汚れたタオルを洗い、またハーマンの元へ戻る。
ああ、その前に薬箱を持っていかないと。踵を返したその時だった。
「ロイド。」
ハーマンの呼び掛けに答えて振り返る。
「土産だ。」
そう投げ渡されたのは一週間前マーがハーマンに渡したピーナッツバターサンドの紙袋だった。ぐしゃぐしゃになっていて、所々
変な染みがある。鼻をつくような臭いも少しした。混乱しながらその乱暴に閉じられた口を開ける。
「――!!!」
「コナー・フィッツサイモンズ……ユルギス・アウグスト・マジュリス……二人は見つけた。ただ、アレックス………
“アレクサンダー・ストーン”だけが見つからない……」
ハーマンはぶつぶつ呟きながら額に手をあてた。

261:/12
09/03/13 23:25:34 +zMMaYdE
紙袋の底には、二本の指が入っていた。

一つは既に色が変わりかけていたけれど、もう一つはまだ“新鮮”そうだ。どちらも傷口はぐちゃぐちゃで、“普通に切り取られた”
ものじゃないと分かる。それらは黒く変色した血と、プディングというか何というか、妙なもの―そう、“ディップ”がたっぷり
こびりついていた。声も出ずその場に立ち尽くす。
コナー。
ユルギス。
ハーマンがあの二人に会った?じゃあこの“ディップ”がついた指はやっぱり?
「ロイド、来い。」
ハーマンが項垂れたまま言う。俺は混乱していた物の、言われるがままそちらへと歩いて行き、ハーマンの目の前に立つ。
「おいで。」
手を広げ、促すハーマンに逆らうことなくその腕の中に身体を置く。そうすればハーマンは温かい手で俺を包んでくれた。
少しだけ錆と生々しい嫌な臭いがする。
「ロイド。お前、アイツラからアーサーを守ってやったんだな。」
思わぬ言葉に目を見開いた。やっぱりもうハーマンは知ってるんだ。俺が、アーサーがあそこでどんな目にあったか。アーサーから
聞いたのか、それとも他の誰かからかは分からない。
ただ、ハーマンが知ってることだけは確かだ。
ハーマンは俺を断罪するんだろうか。
役立たずだ、“アレ”そっくりだと俺を罵って、家族じゃないと最後通告するんだろうか。
もうここにはいられないのか。
怯えながら続く言葉を待つ。

「――ありがとう。ロイド。」

それは予想外の言葉だった。
ありがとう?
ハーマンはそう言った?
「お前がいたから、アーサーは無事だった。お前のお陰だ。ありがとう。」
熱い、熱いものが胸の奥から込み上げる。それは身体中に広がって、皮膚の表面を沸騰させる。次から次に溢れ出てくるそれは
遂には身体から零れていった。
目が、熱い。

262:3/12
09/03/13 23:27:41 +zMMaYdE
で…でも…俺っ、全然役になんか…立ってない……だって…だって俺…アイツラにっ…散々……」
「ああ、知ってる。」
「そ…それに…俺っ…お、お、俺…アーサーっ……アーサーを……アーサーに、酷、い、ことっ……!」
「知ってる。」
ハーマンは静かに俺の“告白”を聞いてくれた。
問い詰めることもなく、責めることもなく、ずっと話を聞いてくれた。
俺は今まで胸につかえてたものを全部吐き出した。
アイツラにレイプされたこと。
身体がおかしくなってしまったこと。
アーサーを犯して、傷つけてしまったこと。
そして、アーサーを好きになってしまったこと。
全部、全部吐き出した。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。許して貰えないのわかってるんだ。…でも、でも、俺どうして
いいか…本当にごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
「許されない?何でそう思う?」
「だって、だって、俺は“アレ”と一緒だからっ…アーサー、アーサーは嫌がるって、わかって…でも、俺、
アーサーに酷いこと…アーサー傷つけてっ……俺は“アレ”と一緒だっ……」
「アーサーがそう言ったのか?」
俺は首を横に振る。鼻水を啜りながら一生懸命話をする。
「だってハーマンもわかるだろ……?今の俺、“アレ”そっくりで…誰も“アレ”と同じ俺を許してなんか
くれない……ハーマンだってそう思って……」
「それは違う。」
ハーマンは俺の頬に手を添え顔を上げさせた。ハーマンの、その真っ直ぐで強い目が俺を見ている。
「お前は“アレ”なんかじゃない。お前と“アレ”には致命的に違う所がある。わかるか?」
俺はまた首を横に振る。
違うところなんてあるわけないんだから。
それなのにハーマンは確信に満ちていて、俺の心を絡めとる。

「俺達はお前を愛してるってことだ。」

263:4/12
09/03/13 23:29:38 +zMMaYdE
不思議なことが起きた。
嵐がおさまった。
俺をめちゃくちゃにしていた嵐が。
心を揺らした風も、目から溢れる雨もピタリとやんで、一瞬で全てが晴れ上がる。そしてそこにはハーマンがいた。
「アーサーと話せ。一人でそう決めつけないで、その口で聞け。その耳で、目で確かめろ。アーサーがどう
思ってるか、ちゃんと話せ。それでアーサーがそう言ったならまた俺のところに来ればいい。」
ハーマンの言葉が静かになった心に染み渡る。
兄ちゃんの言うことは絶対だ。兄ちゃんの言うことには逆らえない。兄ちゃんの言うことに間違いなんてない。
それが俺達兄弟の約束だ。俺に、選択肢なんてない。
それでもやっぱりアーサーと話すことはとても怖い。
また曇りだした表情から俺の不安を読んだのか、ハーマンはまた力強く言った。
「大丈夫だ。お前は俺の弟なんだから。絶対お前を見棄てたりなんかしない。
ずっと一緒にいてやる。だから怖がるな。」
畜生、また涙が出てきた。あのブタ箱に入って以来、俺は多分それまで流してきた涙を合わせてもまだ
足りないくらい泣いてきた。
どれも情けなかったり、悔しかったり、悲しかったり、辛かったりで録な涙じゃなかった。
でも、今俺の頬を濡らしてるものは違う。
すっごくすっごくあったかくて、すっごくすっごくやさしいものだ。
ハーマンは俺を許してくれた。
ハーマンは俺を受け入れてくれた。
ああ、なんて俺は幸いなんだろう。
「クソ、眠くなってきた……」
ぐらりとハーマンの身体がソファーへと仰向けに倒れ込んだ。抱き抱えられたままの俺も一緒に倒れる。
ハーマンの胸からとく、とく、と心地いい音が聞こえる。
「このまま寝る。」
「……うん。」
一分と経たないうちに寝息が聞こえてきた。規則正しく上下する胸は、ボートを揺らす波のようだ。その揺れは
俺の張りつめたものを全て拐い、眠りの海に連れ去った。

264:5/12
09/03/13 23:32:12 +zMMaYdE
コンコンとドアがノックされる。ドアを開ければそこには枕を抱えたフレッドがいた。
「どうした?」
フレッドは眉間に皺を寄せてぷぅっと頬をふくらませてる。正直とても不細工だ。
「今日僕ハーマンと寝る。」
そう言ってフレッドはハーマンが寝転ぶベッドにジャンプした。ハーマンは寝惚けたまま寝返りを打つと、
突然の来客の頭をぽふぽふと叩く。
「急にどうしたんだよ。」
フレッドはぷりぷりと怒りながら俺を睨む。
「だってだってズルいもん!今日ロイド、ハーマンとお昼寝してたもん。僕もハーマンと一緒に寝たい!」
マー達が夕方に帰って来るまで俺とハーマンはソファーで眠りこけていた。結局フレッドの
フライング・ボディ.プレスで起きる羽目になったけど、三日ぶりの眠りは頭をはっきりさせてくれた。
そして同時に心をすっきりさせてくれた。

ちゃんとアーサーと話そう。

そう決めた。
マー達にバレないよう、紙袋を隠すと久しぶりにマトモに夕飯を食べ、タイミングを待った。
そこに突然ヘソを曲げたフレッドが来たんだ。少し調子が狂う。
「いいよね?ハーマン。一緒に寝よーよ。ね~え~。」
駄々をこねるフレッド。ハーマンはフレッドに甘いからっていつもこうだ。
「んー…そうだな…じゃあロイド、お前フレッドの部屋で寝てこい…」
「え…」
ハーマンはちらりとこっちを見た。フレッドはハーマンと同じベッドで寝るわけだから、別のベッドで
寝る俺が部屋を出ていく必要なんてないはずだ。それでも俺にそう言う理由。
つまり、もう行けということだ。
行って、アーサーと話せと。
遂にアーサーと向き合う時がきた。俺は黙って頷いて、部屋を出た。

265:6/12
09/03/13 23:34:33 +zMMaYdE
「ねえねえハーマン。」
「ん…?」
「大丈夫だよね?ロイドとアーサーまたいっぱい笑ってくれるよね?」
「……お前、知ってたのか。」
「僕ね、僕ね、みんなみんな大好きだよ。だからね、泣いてるロイドとアーサー嫌。にこにこ
スマイルマークがいいもん。」
「そうだな、フレッド。」
「………でもね、でもね、一回壊れちゃったら壊れちゃった物は直んないんだって。ロンドン橋が言ってた。」
「ロンドン橋?…ああ、あの歌か。だったら大丈夫さ。“丈夫な石”があれば“もう大丈夫”だから。」
「うきゅ?何それ何それ。僕しらない!」
「またそのうち教えてやるさ。それにあいつらは俺の弟だからな。心配なんかしなくていい。……お前も
いい子だから、ゆっくり眠れ。ほら。ダストマンが来たぞ。ダストマンが来たら、ガキは寝るもんだ……」

266:7/12
09/03/13 23:37:23 +zMMaYdE
コンコン。木の音が響く。ワンテンポ遅れて扉の向こうから足音が聞こえた。
「フレッド!夜更かしすんなって言ったろ」
勢い良くドアが開いた。それは予想通りアーサーだった。俺を見た途端、一瞬にしてアーサーの顔が青ざめた。
そして沈黙の中、俺達は見つめあう。
「…………中、入っていいか?」
それを先に破ったのは俺だ。アーサーは黙って身体を横にずらして、中への道を開いてくれる。そのまま横を
すり抜けて部屋へと入った。とりあえずフレッドのベッドに腰掛けて、様子を伺う。アーサーはドアの方を
向きながら黙ったままだ。
さすがに空気が重い。重圧に押し潰されそうになる。
それでも俺は話さなければならない。
アーサーと話そうと決めたからだ。
俺は意を決して沈黙を破った。
「……この前のこと謝りに来た。」
その一言で背中を向けていてもあからさまに判る程アーサーは動揺した。小刻みに震えだし、息も荒くなる。
今、小さなアーサーの中をどんな嵐が荒れ狂っているのかわからない。今アーサーの頭には何が浮かんで
いるんだろう。
身体に無理矢理ペニスを押し込まれた痛みか。
女の様に男に辱しめられた屈辱か。
それとも自分に歪んだ欲望を向ける兄貴の顔か。
アーサーは身体をドアに凭れ掛からせながらズルズルと崩れ落ちていく。それから小さく嗚咽を漏らし出した。
「アーサー……」
拒まれるかも知れない。
そうしたら俺はきっと辛くて悲しくて死にたくなるだろう。
その時こそ、本当にカロンに有り金全部叩いてステュクスを渡る気になると確信が持てる。

『絶対お前を見棄てたりなんかしない。ずっと一緒にいてやる。だから怖がるな。』

今はその言葉だけが俺の心の支えだった。覚悟を決めて立ち上がり、アーサーのところまで歩いていく。
そして、思いきってアーサーを後ろから抱き締めた。

267:8/12
09/03/13 23:41:00 +zMMaYdE
「……ごめん。アーサー…」
「…あ…ああぁ…あ、ロイ…ロイドっ…違う、違うんだ……ロイド……」
腕の中でアーサーがこっちに向き直り、俺にしがみつく。そしてぼろぼろと大粒の涙を流して泣いた。
アーサーは吸い込まれてしまいそうな青い目で俺を見た。その目からは次から次に綺麗な雫が零れ落ち、頬を伝う。
あの時以来初めて見るその涙を俺は拭ってやりながら、俺は告解をした。
「…アーサー、ずっと傷つけてきてごめんな。お前に怖い思いさせた。」
アーサーは俺の胸に置いた手をぎゅうっと握りしめた。俺を押し退けようとしているのかもしれない。だけど俺は
本当にはっきりと拒絶されるまではと、アーサーを抱き締めるのをやめない。嗚咽とも囁きともとれない妙な音を
喉から発しながら、俺を見上げている。
「俺全然弱くて、役に立たなくて、アーサーに辛い思いさせた。それに………無理矢理、お前のこと犯して…」
言葉に詰まりそうになる。だけどきっと一度でも黙り込んでしまえば二度と話せなくなるかも知れない。息を
振り絞って一気に話す。
「それに…それにな……俺………あの時お前を欲しいって思ったんだよ。お前を好きだって…」
遂に。遂に言った。言ってしまった。
最大の禁忌。
最悪の罪。
もう逃げられない。
「………本当にごめん。」
最後の審判を待つ。審判者であるアーサーを俺は見た。閉じることを忘れたように、その純粋で無垢な瞳は
ひたすら俺を見詰めていた。信じられないと言うように、何かを訴えようとするように僅かに唇を開いている。
俺はただ待った。アーサーが俺を断ずるのを。また沈黙が部屋を支配した。

「……………………お、れ…」

続く言葉を待つ。眼を閉じて、深呼吸した。
「ロイド……………」
天を仰ぐ。恐怖や後悔の涙が零れないように。

「………す、き……」

「え……?」


268:9/12
09/03/13 23:43:09 +zMMaYdE
「お、俺……あの時…凄く嬉しくて、幸せでっ…だ、だってロイド、俺のこと、愛してるって……」

アーサーの口から出た言葉はあまりに意外で、にわかには信じられなかった。
「…嬉しくて…涙…出て…俺も…ロイド、好きだから………で、でも…だって、ロイドっ……ずっと口聞いて
くれなくてっ…俺っ…俺は…ロイドに嫌われたって…思って……ロイドのこと…好き、なのにっ…!」
アーサーは言った。
俺を好きだと。
そう、確かに言った。
あんなに傷つけたのに。あんなに酷いことをしたのに。こんなに醜い想いを押し付けているのに。
そんな、そんなことって。
「で、でも俺っ…お前をレイプしたんだぞ?酷いことしてっ…お前をファックしたいって思ったんだぞ?お前の
兄ちゃんなのに、お前のことそんな風に…!お前おかしいと思わないのか?俺を憎くないのか?嫌いだ、
気持ち悪いって……!」
俺の問いかけにアーサーはブンブンと首を横に振り思い切り否定した。
「っ…ロイドは……ずっと、ずっと守ってくれて…ずっとずっと、俺の側にいてくれて……役立たずで、卑怯な
俺を………許してくれてた………」
途切れ途切れの呼吸の中、アーサーはあの医務室のベッドでの時のように俺に語りつづける。俺が考えも
しなかったアーサー自身の想いを必死に伝えようとしてくれていた。
「だけど、あれ以来っ…ロイドは俺を、嫌いになったんだって…思ったら………お願い……ロイド、嫌いに
ならないで……嫌わないで……」
「そ……そんなこと…あるわけないっ…アーサー、アーサーっ…!」
俺はアーサーの頬を両手で挟んだ。そして真っ直ぐアーサーを見つめた。
込み上げる想いを押さえきれない。
「アーサー…俺…!」
「ロ…イ…ド……」



269:10/12
09/03/13 23:46:16 +zMMaYdE
生地の薄いカーテンからは月明かりが漏れていた。その光の中に、アーサーの白い身体が浮かび上がっている。
パジャマも下着も全部剥ぎ取られ、生まれたままの姿はとても綺麗だ。
「………本当にいいか?」
「ん……大丈夫。」
「本当に?後悔しないか?」
アーサーはくしゃりと笑った。
「大丈夫だよ。もー…心配しすぎだってば。」
馬鹿にしたような言い方に少しムッとする。
「さっきまでビービー泣いてたくせに。生意気だぞ。」
「そんなのロイドだって一緒じゃねーか。本当チキンだよな。下らないことで悩んでずーっと死にかけの病人
みたいだったクセに。」
「あーもーうるせえっ!」
アーサーの首筋に軽く噛みつく。アーサーは鼻にかかったような声をあげて抗議にもならない文句を言った。
暫くそうやって裸のままじゃれあう。アーサーと最後に触れ合ってから半月も経っていないのに、今の俺には
アーサーの温もりは何十年ぶりのものに感じた。
アーサーを求めてキスをした。身体中キスをしてないところが無くなる位キスをした。始めはくすぐったそうに
笑っていた声が段々艶やかになる。少しすると腹の辺りに熱く堅いものがあたりだした。
「はぁっ…はぁあっ……ロイド…ロイドっ…!」
アーサーが俺を呼ぶ。それに応えてアーサーの口元に耳を寄せる。
「ロイドっ、俺もしたい…ロイドのこと、気持ちよくしたいっ…!」
俺の耳にキスをしながらアーサーは訴える。健気な哀願する姿が酷く卑猥に見えた。
「ん…じゃ、こうしよ…」
俺はアーサーの顔を跨ぐとシックスナインの形をとる。そしてアーサーのペニスをくわえ、唾液で濡らした
指先でアナルを優しく揉んでやる。
「ああぁぁっ!ロ、ロイドっ!」
「馬鹿、マー達にバレるだろ。声出すな。」
厳しめに言ってやると、アーサーは声を誤魔化すように俺のペニスにむしゃぶりついた。メチャクチャに吸い
上げて、舌を動かすだけの拙いフェラ。一生懸命口を動かしてるものの上手く自分をコントロールできないのか、
涎や俺のカウパーで口元はもうべちゃべちゃになっている。テクニックはまるでないけれど、俺にとっては
最高の快感を引き出してくれるフェラチオだった。
俺もお礼するように出来るだけアーサーが気持ち良くなれるよう、裏筋や袋を舐めていってやる。
「んんンっ…ぢゅぽっ、ぢゅぽっ、ぢゅぽっ…ピチャッ…はぁんっ!ロ、ロイ…やめ!…何かっ…何か来ちゃうっ……!!」
突然アーサーがペニスを離し、切羽詰まった声をあげる。
「静かにしろって!本当にマー達に聞こえるっ…!」
「で、でも、本当に何か変っ…!やだっ、こんなの知らなっ…!んぶっ!くちゅっ、ぐぽっ、くちゅぅ!
もごっ、ちゅるっ、んんん――!」
アーサーの口を塞ぐように、ペニスを無理にしゃぶらせる。
アーサーはでたらめに口を蠢かせて、くぐもった声で叫んだ。アーサーを追い込むように、思い切りペニスを吸い上げてやる。
その瞬間アーサーが仰け反り、一際高い声をあげた。口に熱いものが放たれ、それに合わせて俺もアーサーの口に射精する。

270:11/12
09/03/13 23:49:36 +zMMaYdE
「………?」
違和感を覚えて、口のものを掌に出す。するとそこには白く濁った液体がとろりと滴った。それは紛れもなく精液だった。
初めてのときはまだ射精なんてできない身体だったのに。アーサーの方に向き直ると、アーサーは初めて味わう射精の快感の
せいで完全に蕩けきっていた。口からは白い糸が一筋顎にかけて垂れていて、いやらしいその姿が俺の中の意地の悪い
部分をくすぐる。
「アーサー、やっとお前もイケるようになったぞ。ほら、お前の精子、凄くおいしい。」
手に出したものをもう一度口に含むと、そのままアーサーに口移しした。口の中でお互いの唾液や精液を混ぜて、じっくりと味わう。
「やぁ…っ…ちゅ…くちゅ……ダメだっ…んくっ……」
アーサーは身を捩って逃げようとしたものの、それも束の間。すぐに舌を絡めて唇を貪ってきた。息が出来なくなる程長く、激しい
キスをする。同時にアーサーのアナルもかき混ぜる。
部屋にぐちゃぐちゃという水音と、微かな声が響く。それが俺を更に興奮させた。アーサーはもう訳が分からなくなっているようで
とにかく俺にしがみついて腰をくねらせ、キスを求めてくる。
本当にアーサーはかわいい。
アーサーが俺を許してくれて本当に良かった。
アーサーが俺を選んでくれて本当に良かった。
胸がどんどん熱くなる。唇を離し、アーサーに囁く。
「アーサー…もう挿れたい……」
アーサーの股に、また硬く反り返ったモノをグリグリと押しつけた。それを敏感に感じ取ったアーサーは潤んだ瞳を俺に向ける。
アーサーは僅かに躊躇うように眉を歪めたけれど、俺は瞼にキスをしてその緊張を解した。元々アーサーの身体は発情しきっていて、
それ以上我慢できなかったこともあり、アーサーは促されるままおずおずと脚を開いた。
「力抜け。最初はゆっくりするから、慣れたら気持ちよくなれる。」
「う、ん…」
耳まで真っ赤にして、きゅっと眼を瞑るアーサー。恥ずかしいんだろうか。脚が少し内股気味になって、その奥にある小さな孔も
ぴくぴくしている。仰向けになっているアーサーに覆い被さり、俺は窄まりに勃起したペニスを宛がう。そして少しずつ奥へと
進んで行った。
「あぐっ!!んうぅぅっ……!!」
唇を噛み、アーサーが唸った。また切れてしまうと可哀想だと思い、キスをして口を塞ぎ、歯列を割って舌を絡める。柔らかい
口内を蹂躙して、甘い悲鳴を味わう。こりこりとした前立腺をペニスで押し潰し、時々アーサー自身にも触れてやりながら快感を
高めてやる。アーサーのソコはキスをする度、愛撫する度きゅうきゅうと俺を締め付ける。奥に勃起を突き立てる時は欲しがる
ように強引に俺の性器をくわえこみ、逆に引きずり出す時は離すまいと噛みつくように締め上げた。最後には自分からも腰を振り
出して、俺のペニスは爆発寸前までおいやるまでになった。
「アーサっ…出すっ……!」
「だ、出してっ…!俺ん中っ…ロイドのでいっぱいにして、いっぱい気持ちよくしてっっ…!好き、好き、好きっ…!」
アーサーが一番感じる場所を壊れるくらい強く抉り、自分のペニスを根本まで捩じ込んだ。
その瞬間、アーサーの孔はひきつりながら俺を締め上げた。
「あ、あ、いっ…アーサーっ!気持ちいっ…!」
「ロイドっ…ロイドっ…!すご…!イっちゃう、イっちゃ…!俺っ、ロイドっ,一緒にっ…!!」
精液をアーサーの腹に注ぎ込む。お互いをこれ以上ないくらい抱き締め、上り詰めた。痙攣が止まらない。
絶頂がずうっと続いて、頭がおかしくなると思ったくらいだ。
「ロイド…大好き…愛してる……」
快感だけじゃなく、幸福感で身体が満たされていく。この前とは桁違いのユーフォリア。
いや、根拠ならある。
アーサーが俺を許してくれている。
アーサーが俺を受け入れてくれている。
そして、アーサーは俺を愛してくれている。
こんなに嬉しいことはない。
「俺も愛してるよ…アーサー……」
俺達はまた、キスをした。

271:12/12
09/03/13 23:50:10 +zMMaYdE
「…歩けるか?」
「うん。へーき。」
少しよろけながらアーサーは言った。二人とももうパジャマは着ているけれど、僅かに覗く、うっすらと染まった肌はまだ
さっきまでの名残を留めている。
俺達は手を繋いで歩いていた。空いた手にはあの紙袋を持って。
トイレの前に来ると、アーサーが扉を開ける。そのまま中に進んで、俺は紙袋を目の前に持ち上げた。それを合図とばかりに
アーサーは手をほどき、代わりに俺のパジャマの裾を握る。
「……これでいいのか?ロイド。」
「犬にでも喰わせるか?それじゃあ犬が可哀想すぎる。これが一番いいんだよ。」
ガサガサと袋を開けるとそのままひっくり返して、“中身”を全部便器へと放り込む。ボチャンという、間抜けな音を立てて
それは落ちた。便器を覗けばゆらゆら揺れる水の底に、二本の指があった。どちらも薄汚れていて気持ち悪かった。
紙袋を丸めて床に投げる。それからまたアーサーは俺の手を握ってくれた。
「……大丈夫だよ。アーサー。」
「うん…」
フラッシュバルブに手をかける。その時、ふとあることに気付いた。少し考えてから、ポケットの中身を全部掴んだ。
アーサーは不思議そうにその動作を見ていた。中身を握った拳を前に出して、そっと開く。
カラカラという陶器を叩く音と、ちゃぽちゃぽという水の音がした。
二本の指の回りにいくつもタブレットが積もっていく。
「ロイド、それ……」
アーサーの顔から血の気が引いたのが分かる。俺は笑いかけた。少しでもアーサーの気持ちを落ち着かせるために。
「大丈夫。もうこんなの必要ないから。もっと強くなって、お前のこと守ってやるから。」
それに答えるようにアーサーは俺の手を握る手にぎゅうっと力を込めた。
「俺…俺も…ロイドのこと守れるように…強くなるから……」
「…ああ。だからこれで、全部“さよなら”だ。情けない泣き虫にも、“クローゼットの中の役立たず”にも。」
フラッシュバルブを捻る。
耳障りな轟音とともに、全部消えていく。
汚ならしい指も。
情けない程小さな薬も。
全部全部消えていく。

外から鳥の声がする。もう夜が明けたんだとわかった。そろそろマー達が起きてくる。
「アーサー、行こう。」
「うん。」
俺達はもう一度手を繋ぎ直して、部屋に戻った。

272:名無しさん@ピンキー
09/03/13 23:51:28 +zMMaYdE
以上です。
不慣れで拙い文章でしたが読んでくださった皆さん
ありがとうございました。
また新しく何かかけましたら是非投下させてください。
本当に今までありがとうございました。

273:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:00:13 QsW+vkS/
>>272
乙です
どうなるかハラハラしたけどロイドとアーサーが幸せそうでよかった
また投下あるの楽しみにしてます

274:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:02:54 4XMHCwUy
おつかれさまでした~
すごく良かったです

275:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:03:41 8OVctvKb
面白かった…!
そして素晴らしかった。
こちらこそありがとう。

276:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:20:28 p1k4l1VA
ブラボー!

277:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:31:22 4z3RNQ+U
久々に文章に呑み込まれた、というか凄く良かったです。ありがとう

278:名無しさん@ピンキー
09/03/14 01:24:46 a+UncfW3
ああああ!だめですだめです!
>>261>>271微グロありです!
>>260も流血表現ありです!
昨日も注意書くの忘れてましたごめんなさい!

279:名無しさん@ピンキー
09/03/14 07:01:40 sm0AJjv2
乙です!
幸せになれてよかった……。

280:名無しさん@ピンキー
09/03/14 20:56:02 f+Zrw/oA
おつかれさま さてと纏めて読みなおすぜ( ・∀・)

281:>>132のつづき
09/03/15 00:17:52 T51Vodpj
素晴らしい作品のあとで気が引けますが、俺なりでいいやと開き直って投下してみます。
多分5レスくらい

282:名無しさん@ピンキー
09/03/15 00:18:40 T51Vodpj
日曜日の午前、慎平は駅前で朋樹を待って立っていた。
それしか持っていないのだから当然だが、相変わらずの半ズボン姿だ。
曝け出された脚に空の中腹まで昇った太陽が夏を思わせるような日差しを浴びせかける。
入梅前のさわやかな風がその熱を奪いながら脚を撫でて通り過ぎてゆく。
慎平は、おかしな妄想の相手にしてしまったせいでぎこちない対応が続いていた朋樹に対して、今日は普通に接するようにしようと心に決めていた。
そっけない態度で憧れの先輩に嫌われてしまうのは嫌だったし、その気持ちをこの日のさわやかな天候が後押ししてくれている気分になっていた。
「よっ、待たせたな、シンペー」
待ち合わせの時間どおりに到着した朋樹は右手を軽く上げながら前回の買い物の待ち合わせの時と同じ言葉を言いながら慎平のそばまで近づいてきた。
そして悟られぬように慎平の下半身をチラチラと見て心の中でつぶやた。
(よし、今日もこないだと同じように半ズボンか・・・やっぱカワイイな、シンペー・・・)
見慣れた部活の時の体育短パンの慎平も妄想の中に登場させていた朋樹だが、やはり前回の買い物で見た半ズボンの慎平を見てからは、その幼さが強調されるように感じて何度も思い返していた。
それだけに、期待していた格好で来てくれたことがうれしかった。
合流した二人は前回と同じように列車に乗りスポーツ用品店に行き部活の備品で足りなくなってきているものを買い込んだ。
慎平はそっけない態度をとらないように心がけていたせいで少し不自然に明るく振舞いすぎたのか、帰りの列車の中で朋樹が切り出した。
「最近、なんか元気なかったみたいだけど、今日はスゲー明るいな。なんか良いことでもあったのか?」
「あ、えっと、そ、そうですか?別にずっと変わってないですよ」
なんだか見透かされたようであわてて何もないと言う慎平。
「そっか。それなら別にいいんだけど、ま、シンペーは元気が良い方がシンペーらしいからな。」
朋樹がそういうと会話が途切れた。
その静寂の中、ボックス席に向かい合わせに座る慎平の半ズボン、そこから伸びる脚を見ながら朋樹は思った。
(このあと夏休みになって、その夏休みも終わったら俺も部活を引退なんだよな。そうしたら慎平とも疎遠になっちまうのかなぁ・・・)
そんなことを考えていると、このまま部活で会わなくなったら縁が切れてしまうのがなんとも惜しい、いっそのこと妄想を現実にしたい、そんなふうに思えてきた。
(今日、オヤジもオフクロも夕方まで帰ってこないよな・・・)
それを思い出した時に朋樹の心は決まった。
「シンペー、この後、俺ん家に遊びこいよ」
その1時間ほど後、誘いを受けた慎平は朋樹の部屋で麦茶を飲んでいた。
テレビを前にふたつ横並びの座布団に座り、のどを潤しながら部活の話やファミコンのゲームの話で盛り上がる。
一瞬、会話が途切れた後に朋樹が切り出した。
「シンペー、お前、これから俺が話すこと、絶対に他のヤツに秘密に出来るか?」
きょとんとして朋樹を見つめ返す慎平に向かって続ける。
「秘密に出来ないなら言えない。どうだ?誰にも言わないって約束できるか?」
慎平は朋樹の真剣な眼差しに押し切られるように頷く。
それを合図にして続きを話し始める朋樹。
「俺さ、おかしいかも知れないけど、お前の事が好きになっちまったみたいなんだ。
もっと正直に言えば、お前とエロい事がしたいと思ってる。」
隠していた思いを無遠慮な言葉に変えて慎平にぶつけると同時に右に座る慎平の左の手首を掴む。
びっくりして硬直する慎平をよそに朋樹は徐々に隠し続けてきた欲望を行動に移す。
「どうしても嫌で我慢できなかったら言ってくれ。」
そう言いながら慎平の腿に手を乗せてさするように動かす。
予想外の急展開にまだ混乱の中の慎平はどう反応を返していいか頭の中がぐちゃぐちゃになっていたが、何度も妄想の相手にした先輩が自分の腿を触っている事実にだけは体が素直に反応し、徐々にペニスが熱を帯びてきていた。
さわさわと腿を移動する手の感触に反応する身体とそれについていかない思考のギャップで更に混乱した慎平は、本能的に大きくなり始めたペニスを隠すようにその前に両手を組んで隠すようにし、目を閉じて腿に与えられる感覚にじっと耐えていた。


283:名無しさん@ピンキー
09/03/15 00:19:44 T51Vodpj
慎平が明確な拒絶の反応を見せないことを確認し行動が大胆になっていく朋樹。
半ズボンの前の部分で組まれた慎平の手を押しのけると、そこに手を滑らせて行きペニスの形を感じようと手のひら全体で包むようにあてがった。
ビクンと反射的に胡坐を組んだ脚を閉じ、その時になってやっと慎平は声を出した。
「せっ、先輩!やっ・・・」
やめてと言おうとしたが心のどこかでブレーキがかかりその言葉を飲み込む。
そして押しのけられた両手を座っている座布団の後ろの畳について上体を反らし無意識のうちに自らのペニスを朋樹が弄りやすい体勢をとる。
動きがとりやすくなった慎平の股間で、あてがった手を揉むように動かしたり上下に擦ったりと思いつくままに動かす。
与えられる刺激に硬さを増していくペニスは伸縮性がほとんどないデニムの半ズボンの中で窮屈そうに脈を打つ。
(朋樹先輩、前だけじゃなくて・・・)
すっかりアナルを使ったオナニーの虜になっていた慎平は頭の中でそんな事を考えた自分にハッとする。
(ばかっ、まるっきりヘンタイじゃないか、俺っ!)
そう否定してみるものの、ペニスに刺激が与えられるほどアナルが切なくヒクヒクと動いてしまう。
そんな葛藤をよそに朋樹は半ズボンのジッパーを下ろし、ブリーフの前開きをかき分けてペニスを取り出そうとする。
ぷるん、と自身の最大限まで膨張してもまだ先端まですっぽりと皮に包まれたかわいらしいペニスが顔をだした。
包皮の先端には僅かにカウパー液が滲み、ジッパーから取り出した時に触れた朋樹の指との間に短く糸を引いて切れた。
朋樹はその先端部分に指を這わせると、クチュクチュと亀頭部分を包皮の中で滑らせるように刺激を続ける。
「ん・・・はっ・・・はぁ・・・」
慎平はその快感に耐えるように上に顔を向け目を閉じ、時折声を漏らす。
確かに気持ちいいのだが、そこに快感を与えられるほど後ろの穴が何もされない事に物足りなくなってしまう。
「・・・っ!」
不意にペニスが温かく湿ったものに包まれ、慎平は驚いて閉じた目を開けて自分の股間を確認した。
そこには自分の腿の間に頭を埋める朋樹が居た。
朋樹は慎平にやって欲しいことを自分がやって見せようと思い、その手で弄んでいたペニスをぱくっと口に咥えたのだ。
初めて体験するフェラチオの快感によって一気に射精へと持っていかれそうになって慎平は腰を引いて朋樹の口から逃れようとし、同時に言葉でも拒絶した。
「やっ、やめてください!!」
朋樹の頭を引き離すと、射精の寸前まで高められた慎平のペニスは苦しそうにびくんびくんと半ズボンのジッパーから覗かせた頭を上下に脈動させた。
上体を前傾させ射精感を押さえ込もうとする慎平に朋樹が言う。
「悪かったな、やっぱ嫌だよな。男にちんちんしゃぶられるなんて・・・」
「いやっ、そのっ・・・そんなんじゃなくて、俺は・・・」
「いや、こんなことした俺がどうかしてたんだ、すまない、慎平。俺の事、軽蔑したなら・・・さっきは内緒にしとけって言ったけど、言いふらされたってかまわない。もう・・・許してもらおうなんて・・・」
「朋樹先輩!!」
謝罪とも後悔の念が自然と口から出たような独り言とも取れない朋樹の言葉に堪らず慎平が割って入る。
「本当に俺、嫌だったんじゃないんです!俺だって、その・・・先輩の事好きで、先輩の事を思って一人でエロいことだってしてたんです!」
思いも寄らない告白に、朋樹は驚いて慎平の顔を見て言った。
「・・・お前も?そうなのか?」
慎平は恥ずかしそうに無言で頷く。
「じゃあ、さっきのは本気で嫌がったわけじゃないのか?」
そう問われて慎平はなんと答えればいいか戸惑った。
さすがにペニスだけで果ててしまうのがおしい、アナルも攻めて欲しかったなんて正直に言うのはいくらなんでも恥ずかしい。
(でも・・・絶対に叶うはずがないと思って想像してたことが、今お願いすれば・・・)
「あ・・・あの!!俺っ・・・ちんちんだけじゃなくて・・・別のところもイジって欲しくて・・・ちんちんだけで出しちゃうのがもったいないって言うか・・・その・・・」
「別のところ?」
「と、朋樹先輩が嫌じゃなければ!!お、俺の・・・お尻・・・の穴・・・イジってください!」
意を決してそう言うと恥ずかしさで真っ赤になった顔を隠すようにうつむいた。
朋樹は自分が望んでいた以上の展開に驚きとそれ以上の喜びを感じていた。
目の前には恥ずかしそうに顔を赤らめてうつむき、半ズボンのジッパーから勃起したペニスを出した慎平が居る。
しかもその朋樹が、何度もオカズにした少年が自分のアナルをイジって欲しいと懇願しているのだ。
歓喜する心を抑えて朋樹は答える。

284:名無しさん@ピンキー
09/03/15 00:20:47 T51Vodpj
「シンペーがして欲しいことなら、俺はやってやるよ。まずどうすればいい?」
朋樹は慎平に頭を引き離された時にできた距離を詰める。
慎平は朋樹の手を取るとその中指を口に含んだ。
口全体と舌を使ってその指にたっぷりと唾液を塗りつける。
ちゅぽん、と音を立てて口から抜いた指を二人してみつめる。
「こいつをお前のケツに入れるんだな?」
ストレートな確認の言葉に慎平は恥ずかしそうに頷いてみせると、膝立ちになり半ズボンとブリーフを膝まで下ろした。
それに続いて朋樹はアナルが良く見えるように、慎平を膝立ちにまま上半身だけうつ伏せに寝るように促し、尻だけを高く突き上げたような体勢を取らせる。
「じゃあいくぞ」
そう言うと慎平が頷いたのを確認して、唾液がまとわりついた中指をぴたとアナルにあてがった。
ぐっと押し込むが、入り口を割って開く感覚に抵抗を感じてムリにねじ込むのがためらわれる。
慎平としては普段の自慰行為の経験から、唾液の量は不足なく潤滑は十分で最初に指先が入ってしまえば大丈夫と分かっていたが、朋樹からしたら加減が分からない。
朋樹はどうしたものかと思ったが、ひとつ思いついて指をそこから離すと両手で尻の割れ目を広げて顔を近づけていった。
ぺろり・・・。
予想外の感覚に慎平はあっと一言声をあげ、あわてて後ろを見る。
「わっ!?と、朋樹先輩?!」
「こうされるのは嫌だったか?」
「・・・嫌じゃ・・・ないです。」
それを聞いて朋樹はもう一度アヌスに舌を伸ばす。
念入りにすぼまりを舐め、舌を尖らせてシワの集中している中心に割り込ませる。
「はぁ・・・はぁ・・・ん・・・」
自分でアナルを弄るだけでは決して味わうことのない快感に翻弄され、出てしまう声を抑えることさえできない。
アナルの内側の舌先が届くところまで念入りに舐めあげ、唾液でべたべたになったところで顔を離して穴の状態を確認する。
舌先が出入りしたおかげで、すぼまりの中心が僅かに弛んだように見えた。
今度こそと指先をその部分に当ててゆっくりと力を込めていく。
つぷ・・・
慎平のアナルは小さな音を立てて指先を飲み込んでいった。
「・・・っ!」
慎平は声にならない声を漏らす。
朋樹はごくりと唾を飲み込むと、その指を前後に動かしてみた。
「はっ・・・はっ・・・ん・・・」
動きに合わせて慎平の声が聞こえてくる。
慎平のペニスは待ち焦がれた内部から伝わり来る快感により先走りの汁を包皮の中に溜め、収まりきらずに溢れ出たその汁は長く糸を引いて垂れた。
(俺の指で・・・シンペー、尻の穴で感じちゃってるのか・・・)
そう思うと、もっと感じさせたいと欲が出てきて、指を中で曲げてみたり、指の腹で内側を擦ってみたりと動きに工夫を加えてみる。
「あん!」
不意に女の子みたいな高い声をあげる慎平。
たまたま朋樹が指で押し込んだところが前立腺だったようで、慎平はそれに敏感に反応してしまったのだ。
かわいいとは思っていても元気な男の子のイメージを慎平に持っていた朋樹は、今まで聞いたことのないその声をもっと聞いてみたくなり、反応をみせた部分を重点的に攻め始めた。
ぐい、ぐい、とリズミカルに押したかと思うと、押し付けてグリグリと指先をまわす。
連続して快感の大波に襲われた慎平は堪らずに「あん」やら「きゃん」やら自分でも今まで出した記憶がないような声で喘ぎ、その快感の波に飲まれないようにするが、その抵抗も長くは続かなかった。。
「あっ!・・ひっ!・・・だめっ・・・あぁぁっ!」
アナルに差し込まれた指を強力に締め付けながら、慎平はどくどくと精を吐き出し、畳の上に大小の白い模様を描いた。
(シンペーがイッた・・・俺の指で・・・ちんちん触らずに尻の穴だけで・・・)
朋樹はアナルから指を引き抜きながら目の前で起こったことを頭の中で言葉にする。
同時に朋樹は自分のペニスも限界まで張り詰めていることに気がつき、すぐにでもそれをどうにかしたいと思った。
目の前でぐったりとして快感の余韻に浸る慎平を見る。
畳につけた顔を横に向け、荒い息をしている。
シャツは胸のあたりまで捲くれ上がり、膝をついて浮かせた腹と腰の下には精液の水たまり、その畳についた膝のすぐ上までズリ下ろした半ズボンとブリーフがくしゃくしゃになっている。
その上には今までいじくっていたアナルとその周りのつるつるのヒップ、腿の間からのぞくきなこ餅のようなふぐり。
(もうこのシンペーを見ながらオナニーしたい・・・)


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch