【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ2at EROPARO
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ2 - 暇つぶし2ch383:名無しさん@ピンキー
09/02/03 08:14:30 rTkY+MWr
このwwwAIどもwwっうぇwwww
>>371-374は擬女化801にカテゴライズされるはずなのにwwwww
なんで萌えるんだよ俺wwwwなんでwwwwひぃwwww
テレビっ子なモノかわゆすwwwwオウフwwwww

というわけで俺もキリたんに腹巻送ります。
吸えなそうだけど煙草も送ります。ピースでいい?親父煙草っていうとピースかハイライトのイメージ。
江戸っ子可愛いよ江戸っ子。ダメ野郎ぽいのに可愛いよ。

嵐の話題に乗っかるつもりじゃないんだが、
ヤンマとキリが会話してたら面白いことになりそうだと思った。

384:名無しさん@ピンキー
09/02/03 11:32:05 X89ZNl4i
変なのがいるし、騙りが出ても嫌だから職人は鳥つけたほうがいいんじゃないかな
と言ってみるテスト

>>383
想像してみた
ヤンマがキレつづけることになりそうだと思った
最近の若者はキレやすいとか言われたりして

385:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:03:07 +u5LiVCQ
ヤツに騙れるほどの実力があるとは思えないけど、確かにトリはあった方が安心だわな
つけたくないなら別につけなくても良いとも思うけど

386:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:19:27 7DWYYPnb
体格差萌えええええええええ。 ごちそうさまでした。

イナゴの佃煮お総菜としてうってるよ。

387:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:28:12 7DWYYPnb
リロードしたらなにこれすごくスレが盛り上がってる……;

>>334>>379 wwwてーめら一回人外と一緒に逃避行してこいwwww
田亀源五郎氏がでてくるとかおまいら意外と(ry
……僕は直線もバラも百合もガチムチもイケる両刀人外フェチですサーセン

こんなにVIP臭のす怪文章は久しぶりなんだぜ。GJ過ぎて泣いた。

388:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:34:54 zAJET6cY
もうお前等ブルースクリーンからやり直してこい!!

と、我がノートン師匠が申しておりました

389:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:24:53 aj/NF96y
モノとかパシオスとか凄すぎるwwwwww 萌えワロタwwwwww
念のため、トリップなんか付けてみた。上手く行くといいけど。
では、ヤンマとアカネの続きを投下。


390:ヤンマとアカネ 6 1  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:25:52 aj/NF96y
 あれから、三日が過ぎていた。
 生臭い泥のこびり付いた茶褐色の外骨格を咀嚼しながら、ヤンマは彼女の住む家へと無意識に複眼を向けていた。
程良く砕けた外骨格をごきゅりと飲み下してから、汚臭が満ちた体液を啜った。だが、上の空で味は今一つ解らなかった。
いつもなら、人型ゴキブリなど下水道の腐臭が強すぎて喰えたものではないはずなのだが、感覚が鈍ってしまっている。
その原因は、考えるまでもなかった。あれきり二階に引きこもってしまった茜と、一言も言葉を交わしていないからだった。
ヤンマがいないうちに部屋から出てきているのか、キッチンで食糧を調理した形跡や、庭先で水浴びをした形跡はある。
だが、ヤンマが縄張りの見回りと狩りを終えて帰ってくるとまたもや寝室に戻ってしまい、声を掛けても出てきてくれなかった。

「どうすりゃいいんだよ、俺は」

 ヤンマは人型ゴキブリの薄茶色の羽を囓りながら、ぼやいた。茜が近くにいると解っても、触れ合えない時間が長すぎる。
茜と出会ってからというもの、いつも二人は一緒だった。そんな時間が長すぎたから、少しでも離れていると空しくてたまらない。
この三日間、彼女の声も聞いていなければ顔も見ていない。今すぐにでも触れたい、とは思うが、どうすればいいか解らない。
下手な言葉を掛ければ、また泣かせるかもしれない。扉を破れば、傷付けるかもしれない。そう思うと、何も出来なくなってしまう。
だが、このままでいいはずがない。ヤンマは三匹目の人型ゴキブリの内臓をじゅるりと啜り上げてから、食べ残しを投げ捨てた。
そして、飛び立とうと四枚の羽を広げたが、閉じた。嗅覚を鋭く突き刺す地下世界の匂いが、全身にべっとりとまとわりついていた。
これでは、茜に近付くどころか逃げられる。茜は清潔な生活を好んでいるので、もちろん連れ合いのヤンマにも清潔さを求めている。
昆虫人間であるヤンマには体を洗う習慣などないが、まずは体を洗わなければ、茜から嫌われてしまうだろう。それも強烈に。

「水場に行かねぇとな」

 ヤンマは口の中に残っていた人型ゴキブリの羽の破片を吐き捨ててから、再度羽を広げ、羽ばたいて滑らかに飛び立った。
シブヤ上空を滑空しながら、ヤンマは複眼に映り込む廃墟のビル街を見下ろした。茜と出会ったのも、やはりシブヤの一角だった。
今にして思えば、妙な部分は多かった。シブヤを始めとしたトウキョウ全土は、人間の手によって人間が入り込めないようにされている。
道路も線路も地下道も全て封鎖され、上空を行き交う航空機もほとんどない。それなのに、茜はシブヤに現れ、ヤンマと出会った。
 どこからどうやって来たのか、考えてみたこともなかった。それを考える余裕のないまま、ヤンマは茜から愛されるようになっていた。
他の昆虫人間から茜を守ったのは、本当に偶然だ。茜を喰おうと思ったから守っただけなのに、茜はヤンマに笑顔を向けてきた。
ありがとう、あなたって格好良いね、名前はなんて言うの。聞いたことのない言葉で尋ねられたので、曖昧な答えを返したように思う。
茜は昆虫人間の言語が解らないはずなのに、解ったような顔をして頷いた。そして、手持ちの食糧をヤンマに分けて、茜と名乗った。
 その日から、ヤンマは茜の傍にいた。他の昆虫人間にせっかくの獲物を奪われないために、そして、その思いを受けるために。
昆虫人間は、繁殖のために交尾は行うが恋愛はしない。己の遺伝子を継がせるために、乱暴にメスを襲い、孕ませ、死んでいくのだ。
だが、茜はそうではない。種族の違いでヤンマの卵は産めないというのに、ヤンマに好意を注ぎ、あまつさえその体を許してくれた。
ヤンマには、茜がそこまでしてくれる理由が解らない。いくら考えても解らないことだから、茜の真意を理解したくて茜の傍にいるのだ。


391:ヤンマとアカネ 6 2  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:26:54 aj/NF96y
「いや、違うな」

 思考を断ち切ったヤンマは、高度を下げ、透き通った水の溜まった瓦礫の穴に近付いた。

「俺が俺を解らなくなったんだ」

 空の色を吸い取った水面に、異形の者が映る。この廃棄都市では見慣れた、トンボから進化した昆虫人間の中の一体だ。
エメラルドグリーンの複眼、黒と黄色の外骨格、長い腹部、四枚の羽、あらゆる虫を噛み砕いてきた強靱な顎、そして六本の足。
ただ、虫としての本分を果たして生きるだけだと思っていた。それなのに、この街の誰とも似付かない少女と出会い、何かが変わった。
彼女を守るために同族を殺すようになり、戦うようになり、望むことをするようになり、本能以外の思考を行うようになっていった。
茜のために、そこまでしてしまう自分が解らない。何一つ解らないのに、泣かせてしまった自分が不甲斐なく、触れるのが怖くなる。
だが、触れなければ始まらない。ヤンマは水溜まりに映る自分を、ばしゃりと右下足で踏み付け、波紋で異形の姿を掻き消した。
 まずは、体を清めなければ。


 いずれ、解ることだと思っていた。
 カーテンを閉めた薄暗い寝室のベッドで身を丸めながら、茜はあの時の注射痕すら残っていない右腕に爪を立てていた。
この部分には、今でも識別番号とバーコードが印刷されているはずだ。もっとも、ブラックライトを当てなければ見えないものだが。
それでも、嫌なものは嫌だ。出来ることなら、右上腕の皮膚を剥いでしまいたいが、そんなことをしても事実は変わりはしない。
何事もなく、このままずっと生きていけるものだと思っていた。そして、いずれヤンマに食べられて、幸せに死ねると思っていた。
それなのに、昆虫人間達が死に始めた。ヤンマのいない間に街を見て回った際に、内臓が溶けて死んだ虫達を何匹も目にした。
そして、ヤンマも知ってしまったのだ。茜は胸が潰れそうなほどの罪悪感に駆られ、涙を吸い込んだ枕に顔を埋めて呻いた。

「茜」

 不意に、あの声が聞こえた。茜が枕から顔を上げると、不慣れな手付きで寝室の扉がノックされた。

「うんと、その、なんだ。生きてるか?」
「…うん」

 茜が小さく答えると、扉の向こうでヤンマは言った。

「悪い」
「何が?」
「俺、言っちゃいけねぇことを言っちまったんだろ? だから、お前は」
「違うの」

 茜は涙を拭い、掠れた声で呟いた。

「ヤンマは悪くない。他の子達も悪くない。悪いのは、全部私」
「だが、茜…」
「ちょっと長い話になるけど、聞いて。聞きたくなかったら、聞かなくてもいいから」

 茜は扉に近付くと、板一枚を隔てた先にいるヤンマに縋るように身を預けた。

「私はね、この街の虫達を死なせるために送り込まれた生物兵器なんだ。正確には、その生物兵器の乗り物。ウィルスキャリアーなの」

 茜はまた出そうになる涙を堪え、冷たい扉に額を押し当てた。

「私は家族もいなくて、友達もいなかったから、軍に拾われたんだ。そこで色んな検査をされて、色んな薬を打たれて、ウィルスを打たれたの。
そのウィルスは人間には何の影響もないけど、虫を病気にするの。このウィルスは体液感染するから、スズメバチ達が死んじゃったのは、たぶん
私の唾とかが巣に入っちゃったんだと思う。でも、体液感染しても一次感染者は発病しないんだ。だから、ヤンマはまだ元気でいられるの。
二次感染者、つまり、その病気で死んじゃった虫を食べたり触ったりした虫が発病するから、これからも皆はどんどん死んでいっちゃうの」

 ヤンマは黙している。茜は彼の心境を思い描きながら、瞼を伏せた。

392:ヤンマとアカネ 6 3  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:27:47 aj/NF96y
「ごめんね。今まで黙ってて。言おうかって思ったけど、言えなかったの。だって、ヤンマが好きだから。嫌われたくないから」

 それまでは、ずっと一人だった。家族もおらず、友人もおらず、誰のために生まれてきたのか解らずに空虚な時間を重ねていた。
軍によってシブヤに投棄されて、このまますぐに死ぬのだろうと思っていた矢先、ヤンマが現れて茜を他の昆虫人間から守ってくれた。
怖いと思うよりも先に、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。美しい羽の生えた背を見上げた時の胸の高鳴りは、一生忘れられないだろう。
茜の話す言葉を覚えてくれただけでなく、茜のことを大事に思ってくれている。心の底から、ヤンマになら食べられていいと思っている。
だから、言えなかった。同族を殺す疫病を振りまく存在だと知られてしまったら、きっと、いくらヤンマでも嫌いになってしまうだろうから。

「…馬鹿野郎」

 どん、と扉が叩かれ、ヤンマが低く漏らした。

「セイブツヘイキだか何だか知らねぇが、お前がお前ならそれでいいじゃねぇか。少なくとも、俺はそう思う」
「だけど、ヤンマ。私の傍にいたら、いつか死んじゃうよ。一次感染者は二次感染者より毒素が弱いけど、時間が経ったらどうなるか」
「生きてる限り、必ず死ぬもんだ。それがどんな死に方だろうが、俺には関係ない。今、重要なのは、茜のことだけだ」

 どん、と再度扉が叩かれる。

「茜。俺はお前を助けたことも、傍に置いたことも、何一つ後悔しちゃいねぇ。その話を聞かされても、それは変わらない」
「私のこと、嫌いにならない? だって、ヤンマの言う通り、私は毒なんだよ?」
「確かにお前は毒だ。お前がいなきゃ、俺はこんな思いは知らなかった。出来なかった、っつー方が正しいか」
「え、それって」

 茜が聞き返そうとすると、強引に扉が押し開かれ、ヤンマが寝室に頭を突っ込んできた。

「茜。開けちまったから、入っていいよな」
「…うん」

 茜が頷くと、ヤンマは長身の体を折り曲げて扉をくぐり抜け、寝室に入った。

「茜」

 エメラルドグリーンの複眼に、茜が映る。三日振りに目にした少女は、少し窶れていたが顔色はそれほど悪くなかった。
この家のかつての住人が使っていたらしい水色のパジャマを着ているが、サイズが大きすぎるせいで裾や袖が余っていた。
茜は怖々とヤンマを見上げていたが、じわっと目元に涙を溜めたかと思うと、バネ仕掛けのように勢い良く飛び出してきた。

「ヤンマー!」
「うおっ、と」

 いきなり胸に飛び込んできた重みにヤンマがよろけると、茜はぼろぼろと泣きながらヤンマにしがみ付いた。

「寂しかったー! 暇だったー! 怖かったー! ヤンマー、ヤンマー、ヤンマァアアアア!」
「おいおい、俺を避けてたのはそっちじゃねぇかよ」
「だって、でも、そうなんだもん!」

 茜は声を上擦らせ、力一杯ヤンマを抱き締めてくる。ヤンマは久々に感じる茜の体温と声に、安堵と同時に妙な気分にもなった。
茜の両肩を押して腹部から引き剥がし、顔を寄せる。舌を伸ばして涙に濡れた頬を舐めてやると、茜は途端に真っ赤になった。
そのまま、半開きの唇に舌を滑り込ませた。茜は突然口中に侵入してきた異物に呻いたが、力を抜き、ヤンマに身を任せてくれた。
しばらくの間、ぐちゅぐちゅと互いの粘液が混じり合った。ヤンマは気が済むまで茜の唾液を味わっていたが、にゅるりと舌を抜いた。

「ね、ヤンマ」

 頬を染めた茜に爪先を引っ張られ、ヤンマはがちがちと顎を鳴らした。嬉しいからだ。

「なんだ、早速か」
「だって…寂しかったんだもん」

 茜は目線を彷徨わせながら、パジャマの裾を握り締めた。ヤンマはそのまま茜の体を横たえようとしたが、あるものに気付いた。
茜もそう思っていたらしく、ヤンマを押し止めている。ヤンマが触角を動かしてベッドを指すと、茜は照れ臭そうに笑って頷いた。
ヤンマは茜を持ち上げると、ベッドに投げた。仰向けになった茜の上にヤンマが覆い被さると、茜はヤンマの顔を手で挟んできた。

393:ヤンマとアカネ 6 4  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:28:49 aj/NF96y
「考えてみたら、ちゃんとベッドでするのって初めてかも」
「そういや、そうだな。床とか外とか、そんなんばっかりだったからな」
「だから、なんか嬉しいな」

 ん、と茜はヤンマの顎にキスをした。ヤンマは茜のずり落ち気味の襟元に爪を引っ掛けて動かし、肉の薄い肩と首筋を露わにした。
薄い皮膚に舌を這わせてやると、茜はくすぐったげな笑い声を漏らしたが、丹念に舐めてやると次第に反応が変わってきた。
まだ胸にも陰部にも触れていないのに、鼻に掛かった声を出している。首筋から昇った耳をなぞると、その反応は一気に高ぶった。

「ふあう!」
「そうか、外側はこっちが弱いのか」
「だって、しつこいんだもん」
「丁寧と言え」

 ヤンマは茜の耳元から舌を外し、腹の脇で折り曲げていた中足を伸ばしてパジャマの裾を捲り上げ、同時にズボンも下げてやった。
ヤンマは茜の細い腰とその下に伸びる太股を眺めていたが、上両足も使い、彼女の肌を覆っている布を一気に引き剥がしてしまった。
いつもは中途半端に脱がすだけで気が済んでいたのだが、今ばかりは気が収まらない。ぐちゃぐちゃのパジャマを、脇に放り投げた。
下着姿にされた茜は恥じらったが、怒りはしなかった。ヤンマは茜の膨らみかけの胸を包むブラジャーを押し上げると、首を捻った。

「これに何の意味があるのか、いつも解らねぇんだが」
「あるったらあるの!」

 茜が不服そうにむくれたが、ヤンマはブラジャーの下に隠されていた可愛らしい乳房に触れ、爪を立てないように気を付けて握った。
柔らかすぎる肉は、力を入れすぎれば千切れてしまいそうだ。何度も握っていると先端が尖るようになり、茜の反応も良くなってきた。
小さな乳首に黄色い舌を当て、体液で濡らしてから舐める。体の下では太股が擦り合わせられ、下着の股間がうっすらと変色していた。
ヤンマは愛撫を続けながら、最後に残していたパンツをずり下げた。陰部から溢れ出した愛液が、細い糸を引いたがすぐに途切れた。
浅い茂みの奥では、触りもしていないのに肉芽が赤く充血している。ヤンマは腰を上げて長い腹部を曲げ、先端から生殖器官を伸ばした。
が、一瞬躊躇した。前回、感情が乱れるままに茜を犯してしまった。合意の上であったとはいえ、茜に痛みを与えたことは違いなかった。

「いいよ、ヤンマ」

 茜は足に引っ掛かっていたパンツを外してから、両足を広げ、熱く濡れた陰部にヤンマの生殖器官を導いた。

「茜ぇっ!」

 ヤンマはぐいっと腹部を曲げ、茜の胎内に押し込んだ。途端に、茜は顎を上げて口元を緩めた。

「あ、あぁあっ!」
「どうした」
「寂しすぎたから、なんか、すっごく早かった…」

 羞恥で顔を覆う茜に、ヤンマはぎりぎりと顎を軋ませた。可愛かったからだ。だが、今は言葉にするよりも行動に移すべきだ。
達したばかりで力の戻らない茜の中に、生殖器官を深く入れる。茜の熱い体液とヤンマの少し冷たい体液が絡み、シーツに落ちた。
腹部を捻るようにして立体的に動かすと、茜はますます高い声を放ってヤンマに縋り付き、目元には先程とは違う涙を滲ませた。
ヤンマは生殖器官の律動をそのままに、首を曲げ、茜の裸の肩に噛み付いた。顎にはほとんど力を入れず、だが、跡を残すように。
喰いたい。喰って喰って喰らい付くしてしまいたい。だが、喰えない。本来持ち得ない感情を生み出されてしまうほど、好きだからだ。

394:ヤンマとアカネ 6 5  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:30:17 aj/NF96y
「好きだ、好きだ、好きだ!」

 茜の肩から口を外し、ヤンマは快感で弛緩した顔の茜を見つめた。

「好きだから、何もかもどうでもいいんだよ!」
「…うん」

 茜はヤンマの左上足に腕を絡め、頷いた。

「だから、私、ヤンマが好き」

 お返し、と茜はヤンマの左上足の外骨格に歯を立てた。だが、ヤンマほど顎の力がないので、歯形を残すほどではなかった。
それでも、あらゆる感情で高ぶっているヤンマには充分すぎる刺激だった。ヤンマは四本の足で茜を抱き締め、一際強く突いた。
茜は首を振って、声にならない声を放って達した。彼女が気を失いそうになるまで攻め立て、ヤンマは身の内に滾る感情を出した。
言葉にするのも億劫で、煩わしかったからだ。かなりの時間を掛けてようやく自覚した恋愛感情は、昆虫の自制心など容易く壊した。
だが、最低限の理性は残っていたようで、射精は押し止めた。息を荒げる茜から生殖器官を引き抜いたヤンマは、茜の唇を塞いだ。
 甘い、甘い、恋の味がした。


 その後、二人はリビングで身を寄せ合った。
 茜はヤンマの胡座の中に座り、すっぽり収まっている。その手にあるピンクのマグカップには、お湯で薄めたハチミツが入っている。
ヤンマは、今更ながら自分の言動に恥じ入っていた。恋愛感情を自覚したのは良いが、いきなりあんなに連呼することはないだろう。
茜は好きだと言われたのが嬉しいのか、ずっとにこにこしている。その笑顔を見ていると、彼女が毒をばらまく生物兵器だとは思えない。
だが、それもまた現実なのだ。このまま茜を生かしておくことは、昆虫人間全体に影響を及ぼすのだということはヤンマの頭でも解る。
事実、人型スズメバチの一族が滅び、内臓が溶ける病気は日に日に拡大している。だが、茜を殺したところで感染の拡大は止まらない。
だから、やはり茜を殺しても無意味なのだ。ヤンマは大事そうに温かなハチミツを飲んでいる茜を見下ろし、がちがちと顎を鳴らした。

「ねえ、ヤンマ」
「なんだ」

 茜に見上げられ、ヤンマは返した。

「ずーっと気になってたんだけど、なんで顎を鳴らすの?」
「俺はお前と違って、何をどう思ったところで顔に出せないんだよ。だから、たぶん、その代わりに鳴っちまうんだ」
「ふーん。じゃ、今のは?」
「なんて言ったらいいかよく解らねぇんだが、なんかこう、ぬるーい気分になっちまったっつーか」
「嬉しい、ってこと?」
「まあ…そうじゃねぇの?」
「だったら私も嬉しい!」

 茜はヤンマに寄り掛かり、緩みきった笑みを見せた。ヤンマは再び顎をがちがちと鳴らしながら、茜の体重を受け止めた。
嬉しいなどと思うようになったのも、茜がいるからだ。ヤンマは背を丸めて茜の頭上に顎を乗せ、長い腹部の先で床を叩いた。
たかが三日、されど三日。離れていた分の空しさを埋めてしまいたくて、ヤンマは全ての足を曲げて茜の小柄な体を抱え込んだ。
テーブルの上で灯されたランプは明るいが、閉ざされたカーテンの先に広がる闇はどこまでも深く、重たい不安を宿していた。
 少女が運んだ死の因子は、緩やかに廃棄都市を脅かしつつあった。


395:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:34:53 aj/NF96y
以上です。事の原因は茜の方にありましたって話。
で、ヤンマはデレた挙げ句に突き抜けました。もうどこまでも行っちまえバカッポー。
ヤンマがキリ氏と会話したら、間違いなく言い負かされると思う。どうしたって若造だから。

396:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:08:50 zAJET6cY
リアルタイムktkr
毎回分かりやすくクオリティ高い文でアカネとヤンマの雰囲気が目に見えるようだ
もうこのバカップル大好きwwwww

397:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:13:37 NVyECKnE
乙乙!
バカッポー万歳!ハイル859!

最近の投下ラッシュが嬉しくて仕方ない
ほぼ毎日何か投下されてるなんて夢みたいだ・・・

398:名無しさん@ピンキー
09/02/03 19:13:16 X89ZNl4i
俺は同人板に毒されすぎたかもしれない
昨日はAI=>>299に見えた。
パク疑惑を自らかけて同情票で地位確立&仮想オリジナリティ確保する気かと思ってた。
だって初投下でアンチがつくとは思えないし…。
言わなきゃバレないことをわざわざ口にしてる感じがした。
作品以外で159が書いたレスがちょっとゆとりっぽいからかな。
今日の859の投下は一種の牽制に見えた。
原作最大手というのを見せつけようという意図かと。
どっちも良い作品だとは思うんだが、なんか職人同士仲悪そうなイマゲ。

399:名無しさん@ピンキー
09/02/03 19:37:26 Y7nK3nxD
>>395
GJ!萌えた!
アカネの健気な可愛いさとヤンマの恋の自覚にニヤニヤしたぜw
シリアスな展開もいいな
そしてヤンマはキリに言い負かされるのかw

それにしても、このスレの居心地の良さは異常
たまにAIが書き込みに来るけど、それすらも萌えにしてしまうスレだからなw
人外と人間の愛ある話がこんなに読めるなんて、夢のようだ

400:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:05:42 42LVwve5
GJGJ!!なにこの連投、うれしくてしょうがない!
顎を鳴らすヤンマに萌えてしょうがないのですがどうしたら。
バカップルかわいいよバカップル。
キリに言い負かされるヤンマ見てみたいw
あと皆キリたんに腹巻とかタバコとか送りすぎだ自重w

401:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:10:03 NVyECKnE
腹巻も煙草もダメなら焼酎にすればいいか?
黒霧島でよければ進呈する。熱燗でどうぞ。

402:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:24:33 gul1A5gt
旅は道連れ

秋深まる森の夜はひっそりと静まり返り、ぱちぱちとはぜる焚き火の音と暖かさが
マークを包む。
狼の遠吠えが時折聞こえることを除けば、フクロウもヨタカも鳴かぬ夜であった。
揺らめく炎が、踊るよう影を投げかけ、彼を眠りの園へといざなう。
マークは、毛布を体に巻いて横になった。星空を見上げながら、彼は少しだけ郷愁
を覚えていた。当てもなく旅を始めて一年が過ぎた。そろそろ世界を見て回るという
だけの旅はやめて、なにか確固たる目的をもった旅をしなければいけないと思う。
そんなことを思いながらうとうとしていた頃である。
次第に近づく、サクサクと落ち葉を踏む音に眠気が覚めた。
一体何かしら?鹿でも居るのかしら。狼なら大変だ。
鉈を手に取りこの音はなんだろうかと考える。焚き火を盾にしながらほんの数十秒
を待つ。やがて、星影のなか、焚き火の炎に輝く双眸が見えた。闇にきらめくそれは、
揺らめく鬼火のように見える。目の高さからするとかなりの背の高さがありそうだ。
息の詰まるような数十秒が過ぎた時である。
「○○○○ ○○○ ○○○○○○」
長い音節と、余り抑揚がない、なにやら、聞いたこともない言葉?が投げかけられた。
「なにかご用でしょうか?」
マークは困惑しながらも、相手に聞こえるように声を張り上げる。
意味がまったく解らないため、どうすればよいか解らない。
「あー ○○○○? ○○○○? ウルザ○? ○○○○? …」
マークの問いかけに、そいつも困惑したような調子でなにやら答える。どうやら本当に
言葉が通じないようだが、その言葉の中にウルザという単語のみ聞き覚えがあった。
それははるか昔の言葉で、旧い口伝の伝承を伝え、理解するためのものだった。
老人達に聞くとまずこう教えられる。ウルザ語は "親しい隣人" と話すための言葉だ。
彼等とはなかなか逢えないけれど、今も森の中に居るのだと。
マークは記憶にある物語を思い出す。こんな時、どんなやり取りをやっていただろう。

"こんばんは。隣人さん。側に来て、火に当たっておいきなさい"

ダメでもともとで、彼はこう話しかける。
しばし間が空いた。なにやら思案する気配のあと、このように返事が返ってきた。

"ありがとう、ウルザの言葉を話す方。それでは暖を取らせていただくことにしましょう。"

コツコツと足音を響かせて、そいつが焚き火をはさんでマークの正面に現れる。
まるで馬のように鼻面が長い顔。ねじれ伸びる二本の角。長く柔らかそうなたてがみ。
牛のような耳に数多くつけた耳飾と、やさしげに見える瞳が焚き火の明かりにきらきらと
輝いている。

403:旅は道連れ2
09/02/03 21:25:16 gul1A5gt
着ているコートは、複雑な白地に黒の花柄模様が入った柔らかそうな毛皮で出来ていて、
脛辺りから見える足には、二つに割れた蹄があった。
これは竜の人だ。マークはそう確信する。それは伝承に稀に出てくる者達だ。
そんな存在に言葉が通じたことに感動する。と同時に不安にもなる。いくら言葉が通じて
も危害を加えられない可能性がなくなったわけではないのだ。

竜の人は毛皮のコートを脱いで近くの木にかけると、焚き火を中心とした、マークの右前
に来ると、会釈のようなものをしながら腰を下ろした。
改めてそれを見る。良く肥えた草食獣のような身の詰まった体。胸にある牝牛のように張
った乳房から、女ということが伺える。着ているものは、なめした皮の腰巻に胸当てだけ
で、嫌でもその豊満な体つきが目に入る。特徴はそれだけではない。彼女の尻にはワニの
ような太くて長い尾もついている。
マークは会釈を返すと、何を言っていい物かと思案した。

"はじめまして、小さなお方。私はシードラ。あなたは何というの?"

"えーと。僕はマーク。ここまで歩いて来ました"

シードラがなにやらああそうといい、少し微笑んだ。
"ごめんなさい。私はあまり、ウルザ語を話せないの。でも、他の言葉でも同じかな"
"いえ、僕も、ほとんど話せません"

共に何かぎこちないやりとりがしばらく続くと、二人はあまりしゃべることが無くなって
しまった。いや、しゃべりたいのだが、自由に話すだけの語彙がないのだ。
シードラは少し退屈そうに喉を鳴らしたあと、なにやら気がついたようにごそごそと
持ち物を探し始めた。そしてしばらくすると、にっこりとしてなにやら筒を取り出す。
"これ、一緒に飲みましょうか?"
ぽんと蓋を開けると、ピートの匂いがする。どうやら酒であるらしい。
シードラは水筒に口をつけると、一口のみ、その後それをマークに渡す。
おそるおそる鼻を近づけると、いっそう強いピートの匂いと、少しだけ甘い香りがした。
シードラの期待のまなざしが注がれるなか、マークもまねをしてごくりとそれを流し込ん
だ。
"!?"
とても強く刺激的な液体は、蒸留酒であった。マークはむせそうになるのを何とか押さえ
一気に飲み込んだ。酒を飲むこと自体初めてで、しかも強い酒である。味はおろか、モノ
自体の善し悪しも解らない。マークはふうと息を吐いた。その吐く息が熱い。
"僕は、初めて酒を飲みました。とても…強いのですね"
言いながらシードラに水筒を渡す。シードラは受け取ると、今度は勢いよく数回喉を鳴ら
した。
"この酒はね。私の故郷のものなの"
それだけ言って彼女はふうと息を吐いた。
「○○○○○○○○(一人さまよう旅は寂しいもの。わたしも、ずっと歩いてきたわ)」
そして、なにやら呟く。
そのつぶやきを聞きながら、マークはもうこの暑さを我慢できないでいた。しかも猛烈に
眠い。これが酔いが回るという事なのだろうか。
"マーク?"
シードラが話しかける。
マークはそれになにやら答え、やがて一時もこらえられなくなり、その場で眠ってしまった。
「×××っ!?」

完全にマークが寝てしまうと、シードラはマークを膝にだきよせ空を仰いだ。そして息を
吸うとゆっくりと歌い始める。
彼女の紡ぐ歌と旋律は、どこか懐かしく、そしてもの悲しく夜の森に消えていった。

404:旅は道連れ(最後
09/02/03 21:25:51 gul1A5gt

マークが目が覚ますと、まだ夜は明けていなかった。夜明け前の闇に森は静まりかえって
いる。
酒は消えているようだが、体が熱く何やら重い。と、そこで彼は、シードラと一緒に寝て
いることに気がついた。分厚いコートの中で、彼女は後ろから彼を抱きかかえるようにし
て眠っている。体格差があまりにもあるため、マークは丸まったシードラのなかにすっぽ
りと収まっている。マークがそっと匂いをかぐと、彼女からは土とピートと、そしてなに
か麝香のような香りがした。彼女の温かみ、それに土とピートの匂いは、森の落ち葉の匂
いと混じり合って仕事を終えたばかり母を感じさせた。
(すこしは甘えてもいいかな…)
そんな一瞬の火花のような思いと誘惑に負け、マークはもそもそと向きを変え、その豊か
な胸に顔を埋め、目を閉じた。それに気がついたシードラは、少し微笑むと目を閉じる。
もう少しこうしていよう。夜明け前の闇が一番濃いのだ。何も起きている必要など無い。

次の朝。旅をする人影はもはや一人ではなかった。マークは考える。彼女なら古くそして
新しい世界に導いてくれる。伝承や伝説をまとめ、後の世に残すのだと。
シードラも考える。私はこの子と行く。もう一度、この子と共に同じ種族を探そう。
一人より二人。二つの目よりも四つの目。きっと見つかる。
"さあ、マーク。まずはどこに行きましょうか?"
"まずは北へ。それと…シードラさんの言葉を教えて欲しいんだ"

旅は道連れ。この世は、寄り添って行かねば生きづらいのだ。


405:402
09/02/03 21:27:25 gul1A5gt
以上これで終わりです。

406:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:29:23 NVyECKnE
おお!GJGJ!リアルタイム遭遇!
シードラたんエロカワイイよシードラたん。
マークはまだ少年なのかな?
年上好きにはたまらんぞww

407:402
09/02/03 21:56:57 gul1A5gt
シードラです(´・ω・`)
URLリンク(www2.atpaint.jp)

408:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:58:26 NVyECKnE
強い母ちゃんになりそうで素晴らしい!

409:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:28:21 yKBUYSKL
竜の人お姉さんハァハァ

410:名無しさん@ピンキー
09/02/04 00:03:09 5VGW6IAd
>>402
GJ!
話の雰囲気も絵もよかった!

ただ、人外の範囲は広いから、人によっては好き嫌いもあると思う。
○○人外♂×人間♀・人間♂×○○人外♀みたいな注意書きはあった方がいい
次スレから、これもテンプレにいれないか?

411:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:15:17 VoLCgAhn
ついでに、人型の人外はNGとか二次の人外はNGとかパクリはNGとか追加してくれ

412:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:17:38 QFrjatIo
このスレで取り扱う人外はなんでもありだよー
前スレでそういう話が出たからスレタイに【なんでもあり】ってついたし
>>1にも定義無しの一文が追加された

413:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:51:17 PXYQOitB
待て、>>412
>>パクリはNGとか追加してくれ
こいつ恐らくキチAIだ

414:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:28:19 Ho5+XQ7D
>>206は偉大だな。今後どんな嵐が暴れても基地外AIでスルーするか
萌えればいいんだもんな。

415:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:33:18 PZeOA9Vb
基地だったら
>人型の~
とは言わないんじゃないか?
今まで基地AIに粘着されてるのは159だと思われてたが本当は逆なんじゃね?
ヤンマの人をいちいち引き合いに出して心証を悪くするのが狙いじゃね?

416:名無しさん@ピンキー
09/02/04 09:44:03 bxWIQI3h
仮にそうだったとしても、
そうやってゲスパーしてたら基地AIの思う壺だろ
名前出された職人もいやな気持ちになるだろうし、
ここはよく訓練された変態らしく華麗になおかつ濃厚に
ねっとりとスルーする作業に入るべき

ところで自分はもふ系人外萌えだったんだが、
このスレに来て開拓されまくりだよ
なんか性差も大した問題じゃなく思えてきた
恐ろしい天国だよな、ここ       

417:名無しさん@ピンキー
09/02/04 09:46:19 hJXL5HF1
このとき僕らはまだ気付いていなかった……
このAIの発生こそこのスレの顔となる萌えキャラの誕生の瞬間であったことに…

418:名無しさん@ピンキー
09/02/04 10:01:58 N0ApGYTC
>411
なんで勝手に仕切るんだよハゲ

419:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:20:32 PZeOA9Vb
とりあえず腐女子向けっぽいのだけは勘弁
ノーマルと百合だけにしてほしい
AI萌えしてるやつらは巣に帰ってから萌えてくれ

420:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:50:05 N0ApGYTC
そもそもAIは人外スレよりもロボ・アンドロイドスレ向きだろ

421:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:51:08 vgPwqdv+
百合はいいのかww
まんまパシオスの兄弟だな。
早くネットの海の中に還ると良いよ

422:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:07:50 PZeOA9Vb
>>421
俺個人の嗜好じゃなくて、板の雰囲気が許容してるのはノーマルと百合までだろ
801っぽいのは801板の棚に投下すればいい
投下報告してくれれば、見たいやつが勝手に出張するだろ
板チは良くないと思うんだ

423:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:13:23 vgPwqdv+
422の言ってるのって、こないだのAI兄弟のこと?
女体だったじゃんあれ。
自分が酒の肴にされたから気に入らなくて騒いでるようにしか見えない。

424:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:19:42 Rz9i89/d
ホモ以外ならなんでもいいよ。
どんな人外でも受け入れるよ。だって変態だもの。

425:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:21:29 n5mz9BBM
>>420
>>ロボ・アンドロイドスレ
そっちは女の子ロボ・人型ロボ萌えのスレじゃないのか?


426:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:34:18 Z4e/Xk0z
スレの空気読むとここしか桃源郷がないとおもうんんだ…

とおもった。

>>407
貴様は絵と文章両方イケる二刀流使いだったか!くそぅ!

427:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:41:41 rohFuzxY
今後801っぽいのが投下されないという保証はないしね。
他板に投下→報告→見たい人が見にいく
というのは良い気遣いなんじゃないかな。
そのほうが角が立たない。

428:名無しさん@ピンキー
09/02/04 13:01:40 KqH+oDCw
基地外AI萌えは板違い以前に
荒らしを悪化させる行為だと思うんだが…
変なやつには反応せず完全スルーしないか
真の変態紳士は馬鹿にかまって時間を無駄にしないはず

元々エロパロ板は男性優位なルールが作られてるのに
このスレは女が多すぎてよくわかんない雰囲気になってんなw
完全に男を追い出して女専用スレにするか、
男女共生できるよう女側が自重してくれないと
どこまでも荒れ続けるぞここ

429:名無しさん@ピンキー
09/02/04 13:14:34 PZeOA9Vb
住民の性別を揃えればいいってのは安直すぎるしそもそも無理な話
レスが板チにならないよう気をつけるのとAIを無視するだけでいい

430:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:07:09 gj0k1Fi7
まぁ基地は基本スルーとして、騒ぎ出したら「おいまた騒いで構ってほしがってるぞ
萌えてやれ、心の中で」ぐらいでいいんじゃ…

431:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:14:49 hJXL5HF1
まあ最近悪ふざけが過ぎた感じはあったな。
801やガチホモネタは完璧に基地への嫌がらせの一環だと思ってたんだが、本気萌えしてる人もいたのか…

そろそろネタとしても飽きられてくる頃だし控えようか

432:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:45:05 aiviiuOv
なんでもありスレ故に注意書きはフル装備しないと荒れる元だ。逆に言えば注意書きさえあれば801とガチホモ以外はどんな物でも全く問題ない。見たくない紳士は華麗にスルー。

ふと思ったが性別の概念すらない人外のエロSSってどうなるだろうか。

433:名無しさん@ピンキー
09/02/04 15:09:59 N0ApGYTC
そういえば、力関係で性別の変化する魚がいたな。

別にそういうことじゃないと解っているが

みんなに虐められ小突きまわされてた少年が、マゾイ雌になってたとか、
グループリーダーのレズっ子が雄になって押し倒すとかそいうのを思いついた。

434:名無しさん@ピンキー
09/02/04 16:50:10 ovLwcedi
でんせつポケモンには性別がないんだぜ
というわけでふたなりミュウツーとかヤンデレディアルガとか

435:名無しさん@ピンキー
09/02/04 16:51:44 hJXL5HF1
何もついてないのもまた一興!
ギラティナかわいいよな。ムカデみたいで。

436:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:03:01 PZeOA9Vb
ヤンデレミュウツーってあったな…
伝ポケじゃないが、俺はハッサムが好きだッ!

437:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:47:18 Z4e/Xk0z
ハッサムがハッサンにみえるオレ終わってる……。

というのはさておき
>>433みたいなネタはAIならなんでもいけそうだな。
なんというすてき人外。

昔はニドランにしか雄雌がなかったなぁ……。

438:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:50:38 rohFuzxY
パラセクト可愛すぎるよパラセクト。
雌ポケモンをメタモンと一緒に育て屋に預けるのが好きだったなあ。

439:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:51:18 AFMJR686
一瞬板間違えたかと思ったわw

そういえばこのスレ、ポケモンやってる奴結構いるよな
ポケモンとかモンスターゲームで
人外萌えに目覚めたのが多いんだろうか

440:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:58:19 N0ApGYTC
>439
レイア三姉妹に轢かれたり、ミラ三姉妹にネコパンチくらって喜ぶんですね。解ります。

ななちゃんはオレの嫁。異論は認めない。


441:名無しさん@ピンキー
09/02/04 18:17:32 vTxBN1GW
スレ間違ったかと思った後、噴いた
モンハン良いよね
モンスターの動きが可愛すぎる

442:名無しさん@ピンキー
09/02/04 18:46:50 SiEZcBZB
神・悪魔・電脳萌えだからメガテンにはまったのか、
メガテンにはまったから神・悪魔・電脳萌えが刷り込まれたのか。
そんな卵と鶏問題。

443:名無しさん@ピンキー
09/02/04 19:32:04 PZeOA9Vb
ちょw絵板wwww誰だあれ描いたのwwww
あの絵見て思い出した
>>299、それシリーズ化する気だったら非エロは板チだぞ
一応エロパロ板だからな
単発だったら非エロもありだがシリーズとして非エロってのはどうかと思う
なんとなく非エロ派職人に見えたから気になった

444:402
09/02/04 20:20:35 MxQypXcB
読んでくれてありがとね。

>426
(・∀・)

445:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:21:36 MxQypXcB
ところで、人外x人外ってここよりも
亜人の少年少女の絡み8
に投下した方がいいよね?

446:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:25:00 PZeOA9Vb
スレから追い出されたSSを投下するスレとかは?
亜人でなくても投下できるし

447:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:29:01 KqH+oDCw
ぶったぎってごめん
書けたから投下させてもらうよ
でかい童貞竜×生け贄少女
だいたい和姦
携帯からだから改行おかしかったらスマン

448:はいりません1
09/02/04 20:30:00 KqH+oDCw
「もう…挿れて…」
「…無茶言うな」
少女の熱っぽい声が響く。
大きな瞳を潤ませ頬を赤く染めた少女は、じっぽり濡れた下着を太ももまでずらし、挿入を懇願している。
糸をひく愛液は、熱く熟れたそこから漏れ出ている。まさに準備万端だが。
「どうして…竜神さまもこんなにおっきく…」
「…こんなに大きくなったからだ」
問題はただひとつ。
少女は人間であり、男は竜だった。男の生殖器は、少女の身の丈ほど。
たくましい筋肉をたたえた両脚の間から、立派にそそり立っていた。
「お…お願いしますぅ…竜神さまので、私をめちゃめちゃに、していいんですう…」
「めちゃめちゃって、これお前に挿れたら洒落にならんぞ!あっ、よせ!先っぽ触るな!」
少女は自身の頭ほどある亀頭をぺろぺろと舐めはじめた。
少女はべったり舌を貼り付けているが、竜にすれば指の先でなでられるようなもの。
「ぅ、ぐ」
少女は竜の喉から漏れる唸り声を聞くと、口を離し豊かな乳房を裏筋に思いきりすり寄せた。
「ほら、物足りないでしょ?私の中に挿れてください…きっと、とっても気持ちいいですよ」
ふにゅふにゅと柔らかな感触。竜は自らの舌で味わった少女の膣の感触を思い出した。

449:はいりません2
09/02/04 20:30:48 KqH+oDCw
事の発端は川の氾濫にあった。
下流のとある村の人々は噂した。森の祠の竜神さまがお怒りなのだ、と。
そして生け贄にひとりの少女が選ばれ、竜の住む祠にやってきたのだった。
どうか、私を好きにしてご機嫌をなおしてください。村を救ってください…と、少女は告げて竜の前に頭を下げた。
実際、川の氾濫と竜の機嫌に因果関係はない。
しかし、好きにしてくださいと言われて断る理由も特にないので、竜は思う存分好きにすることにした。


「あっ…あぁ…」
蛇のごとくふたつに裂けた舌で両の乳房を弄ぶ。舌先でちろりと乳首を舐めあげると、少女は甘い声をあげる。
(なるほど、人間というのは面白い)
生まれてこの方、ひとり祠にひきこもっていた竜にとっては未知の体験。
最初は竜の姿に怯えていた少女も、次第に快感に溺れていった。
「あ…ぃやあ…!」
「なんだ?痛いのか?」
「あん…違っ…気持ちが…いいのです」
恥ずかしそうに顔を背ける少女が愛らしい。
「そうか、で、さっきから匂いがするここは?」
「…そこ、も…」
初めての情事で、たっぷり湧いた蜜をじゅるじゅるとすする。二股の舌で肉芽をはさみあげると少女から鼻にかかったような吐息が漏れる。

450:はいりません3
09/02/04 20:31:28 KqH+oDCw
そしてその時、少女は初めてその言葉を発した。
「あ…ふ、もう、挿れてくだひゃ…」
竜は舌を胎内に差し込んだ。
「ああっ…!」
少女の膣は異物を受け入れ、激しく収縮した。
「ふ、ぐぅ…」
竜の舌は、痙攣と共に巻きつく少女の肉壁の心地よい感触を味わいながら、胎内への侵入を続ける。
「あ…あっ!」
嬌声をあげ、少女は絶頂に達した。
ぬらり、と舌を抜き取ると少女はふぅふぅ肩で息をしつつ床に倒れた。


まぁこんな感じで竜は少女を毎晩可愛がってしまった。それがいけなかった。


「ふぬぬ…」
ある晩の戯れの末、初めて、竜の体内に眠っていた性器は役目を果たすべく起立した。
座った少女と同じくらいの大きさで。
自らの体格を考えれば至極当然のこと。だがこのサイズは挿入が困難とかキツいというレベルではない。
まず物理的に入らないんじゃなかろうか。
しかし、何故か少女は挿入を強く求めた。


「さぁ…いいんです、ほらぁ…早くぅ」
ついに少女は先に跨り、我慢汁の溢れ出るそこに秘部を一生懸命押しつけはじめた。
腰に走る快感と、舌の感触の記憶が交錯し、思わず少女の両足を捕まえて、思い切り突き上げてしまいそうになる。

451:はいりません4
09/02/04 20:32:14 KqH+oDCw
いれたい。脳みそが爆発するくらいの熱い欲望。
だが本当に実行したら、少女は絶頂と共に絶命間違いなし。歓喜の嬌声が彼女の遺言となるだろう。
「早くぅ…」
そんなこと言われても困る。
「私…生け贄なんです、あなたさまが気持ちよくなるなら…命くらい」
いや、だから。
「私…私…いつも自分ばかり気持ちいい思いをして…竜神さまを満足させてさしあげられなくて」
そんなこと言われたら。
「もぅ…私…村のことよりあなたが」
「挿れられるかこの阿呆め!!」
「ひぁ!?」
竜は少女の白い腹を乱暴にくわえると、床に這いつくばらせ、鋭い爪のついた前足でやわい太ももをつかみ、いつも通りに舌を中にいれた。
少女は強い力に押さえつけられながら、抗議する。
「違っ…違うぅ、舌じゃなくてぇ、舌じゃ」
うるさい!!と竜は一声吼え、なおも乱暴に少女を舌で犯す。
少女はしゃくりあげ、嗚咽を漏らし、泣きながら、それでも体は正直に達した。
「どうしてぇ…」
「うるさい」
「私、あなたのためなら」
「黙れ!」
お前の死など許すものか。そう低く唸った。
竜の生まれて初めて放った精は、ただ床を汚しただけで、少女の子宮の奥に届くことはなかった。

452:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:33:19 KqH+oDCw
終わり
多分改行とかいろいろ酷いな…ごめん
あと鳥もつけ忘れた、ごめん

453:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:37:44 PZeOA9Vb
おつー
絶頂とともに絶命ワロタ
童貞なのに上手いのかwwwww
肉食獣の人かな

454:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:51:39 m2zVeJ8a
>>452
人外と生贄!
好み過ぎるシチュだーGJGJGJ!

だがタイトル噴いた

455:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:59:11 rohFuzxY
>>443
そうか?
今までにも非エロのシリーズものはあったと思うが

456:名無しさん@ピンキー
09/02/04 21:34:56 hJXL5HF1
>>452
吹いたw
次からは素股にすればいいと思うよ、と主さまにアドバイスしたいです

457:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:02:39 T94WUTli
>>452
GJ!人外と生贄は萌える!
どうしてもいれられないとか、人外だからこその障害っていいな

458:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:07:31 6dkv03tg
>>452
GJGJ。体格差に萌える!
互いに求め合っているのに物理的に難しくて、
でもそれても何とか…と試行錯誤している様子は実にいいものだ。

459:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:17:01 cSyaxouS
彼らは言う。雄に生まれてきたからには戦わねばならぬと。
強い雄は幸福だ。その力もて君臨し続けている限り。
弱い雄は不幸だ。強くならぬ限り、奪われ続ける。地に伏して骸と化すまで。
だが、弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。

照りつける太陽が、渇きと空腹に疲れた切った彼の体から、なけなしの体力を奪っていく。
干上がった川、ひび割れた大地。どこまで行ってもひび割れたに大地が続く。
先ほど、餓えに倒れた哀れな草食獣を見つけたが、乾涸らびた骨と皮ばかりで何も残って
おらぬ。失望にぐうと腹がないた。
だが、歩みをとめるわけにはいかない。とめれば自分もそうなりはてるのだ。
痩せた彼を突き動かすのは、もはや生きねばならぬという本能だけであった。もしも思考
のもとに歩いていたのならば、とうの昔にあきらめ命つきている。
恨めしげに仰いだそらは雲一つ無く、砂嵐舞うこの平原と全く隔絶されているかのような
静謐さをもってただあった。
彼は歩く。生まれてどれくらい経ったかはよく覚えていないが、巡る雨期と乾期の間で、
何とか生きてきた。母から追い出されて後、連れだっていた弟は、空腹に絶えかねてこの
前死んだ。悲しむまもなく鳥たちに追い払われた。それからもう何も食べていない。
経験から、あともう数週間絶えれば雨期がくる。そうすれば、草食獣が来る。狩りが下手
な自分でも、彼らの子供を食べて命を繋ぐことが出来るのだ。
だが、その前に自分の命がつきてしまうことは、もうなんとなく予想してあった。
弟が死んだときからすでに。

日が暮れる。沈む太陽がかげろうにひしゃげて見える。そして夜が訪れた。
だが夜といえど歩かねばならぬ。あと一日歩けば水場にたどり着く。その願望こそだけが
彼を突き動かす。たとえそれが単なる幻想にすぎないとしても。
指先にちくりと痛みを覚えて見てみれば、すり切れた肉球に棘が刺さっていた。
引き抜くと少しの血が出る。舐めてみれど、唾すら付かない。ああ。水が欲しい。
気が狂いそうな程の餓えと渇き。草一本すらない平原で彼は歩き続けた。

460:その2
09/02/05 00:17:37 cSyaxouS
それから2日。彼はいよいよ最期を迎えつつあった。普通の雄なら、もうとっくに水場を
見つけていただろう。成熟しかかっているにも関わらず、彼はあまりにも脆弱過ぎた。
もう、これ以上歩けない。
炎天の中、彼は崩れ落ちて死にかけた目を遠くへ向ける。やせこけた体は、冗談抜きに骨
と皮ばかりとなりはてている。情けなくて泣きたいけれど、涙になる水分すらない。
だが、ここにきて、彼の鼻は匂いをかぎつける。風に乗る血の臭い。熟れた肉の匂い。
彼は震えながら歩き出す。最期の力を使って歩む。
永遠とも思える時間が過ぎ、彼は木陰に死んだ草食獣を見つけ出した。倒されてそう時間
が経って居るわけでもない。その横には、自分の倍はあろうかという圧倒的な体格の雄が
だらしなく眠っていた。
彼は恐れながらも肉を失敬した。そうせずには居られない。背中の脂肪を舐め、血をすす
り臓物をむさぼる。こんなに満たされたのは久方ぶりだった。だが、あまりに食べる事に
夢中になっていたため、彼はこの食べ物の所有者のことをすっかり忘れていた。
おい。とドスの効いたしゃがれ声で現実に引き戻される。
おそるおそる振り返ると、仁王立ちになった雄がいる。鋭い目、盛り上がった筋肉、黒い
たてがみ、そして覇気。同じ種族のはずなのに、自分とは何もかもが違う。同じ雄として
神々しさすら感じる体つきであった。
恐ろしい。どのようにして逃げようかと考えるひまもなく、強烈な拳を左頬に受けた。
ぱかーんと景気の良い音とともにのけぞる。それから受けた暴行は壮絶なものだった。
殴る蹴る、地面にたたきつけられる。元々弱っていた体にこれは堪えた。息も絶え絶えな
彼を、屈強な雄は持ち上げて凄んだ。
「おまえも雄なら、オレから奪って見せろ!それすらできんとは女々しいやつめ!…出来
ないなら服従しろ。」
投げ捨てられ地面にはいつくばったかれは、抵抗する気力もなく服従のポーズを取る。
強い雄は、フンと鼻をならし、彼の雄の証を踏みつけた。
「なかなか立派なものが付いてるじゃないか。だが、弱すぎるおまえは雌に見向きもされ
ないのだからこれは不要とはおもわんか?え?」
そしてそれをぐりぐりと踏みにじりながら罵倒する。その行為にも、彼は服従したまま耐
えた。
「フン。これだけやられてもおまえは立ち上がらんのか。つまらん」
しばらくいびった後、弱いもの虐めも面白くなくなったのだろう。強い雄はごろりと横に
なって言った。
「もうオレは喰わん。残りは喰っていいぞ」

461:その3
09/02/05 00:18:00 cSyaxouS
おい、起きろ。
頭を蹴飛ばされ彼は目を覚ました。強い雄─仮にキングとしよう─キングは彼を蹴飛ばし
て起こすと、ついてくるように命令する。
「いいか、逃げたら殺す。おまえは運がいい。雨期だったら昨日のウチにおまえを引き裂
いてやったところだ」
彼はうなずき、二人の奇妙な関係が始まった。キングは毎日のように彼を罵倒し小突き回
すが、獲物もわけ与えるし、必要以上に傷つけたりもしない。そうしながら、やっとの事
で水場にたどり付いたのは、雨期まであと一月ほどとなってからであった。
この水場は乾期でもかろうじて干上がらない。そのため草もあり、草食動物が集まってい
る。獲物には事欠かないが、目が多いため狩りの成功率はさほど高くない。
加えて言えば、まだ彼らと同じ種族は到着していない。一番乗りのようであった。
キングは相変わらず彼を虐め回していたが、水場に着いてからというもの、その内容が彼
の雄としてのプライドを完全に打ち砕くものだった。
雄が雄を犯す。キングは彼を押さえつけ、彼の腕ほどもあるようなペニスを愛撫するよう
に強要し、さらには肛門を犯す。内側からいきり立ったペニスで前立腺を突かれ、怒張し
たものをしごき立てられ、意志とは無関係に射精されられた。キングが一度達するまでに
彼は何度も何度もいかされ、自分の出した精液を全て舐めさせられた。
それが毎日繰り返される。一度だけ逃げ出したが捕まって酷い目に遭わされた。そのとき
は足腰が立たなくなるまで射精させられ、その日を堺に目に見えて精液の量が減った。

雨期まであと半月ほどであろうか。
今日もキングは獲物をしとめてきた。その頃になると、彼はキングの帰りが待ち遠しくて
仕方が無くなっていた。一緒に獲物をむさぼった後、またあの責めをされるかと思うと、
イヤだと思いながらも体の芯が疼く。もう彼には雄としてのプライドなどかけらも残って
はいなかった。そう。キングは優しい。自分は彼に付き従ってこそ、その本分を全うでき
るのだと信じている。

雨期までもう間近。空には雲がかかり、地上にいる者達はそのときを今か今かと待ちこが
れていた。空気に乗る水の匂い。生き延びた者達への祝福の瞬間は、もはや時間の問題で
あった。
そして、彼とキングの関係はいまだとぎれることなく続いている。キングのもたらす獲物
のおかげで、彼はすっかりと回復していた。だが、変化はそれだけではない。
彼はキング無しにはいられなくなっていたのだ。その体は雄にはない丸みを帯びていて、
完全な雌へと変貌を遂げていた。
この頃になると、ようやく同族の者達が到着し始める。
他の雄達は彼─彼女─をみて、キングに羨望のまなざしを送り、彼女にはギラギラとした
欲のまなざしを突き立てた。雄達はそして、雌を巡っての争いを始める。
雨が落ちてきた。
何時までも降り続く雨は、生き延びた者への祝福か、はたまた飢えと渇きに倒れた者への
弔いの涙か。
青く高かったそらは、もはや黒く沸き立ち、雷鳴と雷光が雨期の訪れを高らかに告げる。
全ての動物は歓喜に沸き立ち、渇きに絶えた自らの命を讃える。らんちき騒ぎのなか、雌
は命を宿し母になる。命は巡る。
キングは既に、幾人かの雌を従えていた。そして、元は雄だった彼に言う。
「おまえは必ず一番目に孕ませてやる」

彼らは言う。
弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。時として、雌として生きる道があるのだから。

462:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:19:48 cSyaxouS
終わりです。

>>433
のアイディア使用。
まあ、魚類くらいしか性転換しないみたいだけどね。

463:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:29:59 nxP1DC75
投下乙!…って言いたいところだけど
なんつーかこれは流石にまずくないか?
思いきり同性愛に類される描写があるのはちょっと…

やっぱり先に内容に関しての注意書きは必要だな

464:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:36:49 Z1TFF7nO
頼む先に注意書きマジで頼む

465:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:39:12 M38BEJ+m
乙。面白かった。

でもこれは注意書きがいると思うぞ。
俺は抵抗無い方だから読めたが、そうじゃない人も相当多そうな感じだ。

466:462
09/02/05 00:42:00 cSyaxouS
これはうかつだった。
始めに注意書き入れるべきでしたね。申し訳ありません。

467:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:50:56 +iILOc7z
>>466
次から気をつければいいと思う。でないと叩かれる危険性もあるからねぇ。

最近のこのスレの加速度は異常。何個かネタがあるけど文章起こしてるうちに被りそうで怖い;

468:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:11:09 M38BEJ+m
誘い受けはいらん。
変態なら黙って投下だ。
さあその妄想を形にする作業に戻るんだ!

469:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:13:25 S52mvQ67
まぁ小ネタを職人が拾ってスレ投下するまでのターンが
むしろ(いい意味で)異常だから
もし被ったら「被ってすまん」の一言で投下しちゃっていいと思う

470:名無しさん@ピンキー
09/02/05 03:25:09 T94WUTli
>>459
人間でてないし性転換ネタだし、あまりにもスレチだと思う
注意書きすら書いてない

やっぱり次スレから注意書き必須ってテンプレにいれるべきだ

471:名無しさん@ピンキー
09/02/05 05:37:18 S52mvQ67
読み返したら同種族なのかそりゃいかんな
なぜか相手は人間だろうとか勝手に思い込んでいた
確かに注意書き必須は職人さんを守るためにも必要だ

…たてがみとか同じ種族のはずとか書いてあるのになぜ勘違いしたんだろう

472:名無しさん@ピンキー
09/02/05 11:46:30 M38BEJ+m
このスレで昆虫萌に目覚めて色々調べてみた。虫って面白いな。
Wikipediaでオニヤンマの雄のあほの子っぷりが強調されててワロタ。可愛いよオニヤンマ可愛いよ。
あとカマキリの雄は頭を怪我すると性欲が増すドMらしいが…キリたん目怪我してたよな。テラ期待。

473:名無しさん@ピンキー
09/02/05 12:56:47 +tVOmxdh
同性愛は注意書き必須だな
人外同士は前スレからあったし、いいんじゃないか?
性転換も両生類の性転換ってのは人外ネタとして面白いと思うが
それも同性愛と被ってくるから注意書きは必要だな

474:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:54:37 9e7uJQsf
おっかさんなシードラさんもチェリーな竜神様も萌えました、投下ありがとうございます。
性転換は新境地だ、何かに目覚めてしまうかもしれないwwwwwww
というわけで、ヤンマとアカネを投下。これでお終い。


475:ヤンマとアカネ 7 1 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:55:54 9e7uJQsf
 恐怖は進化の証だ。
 昆虫が巨大化することも二本足で直立することも脳が肥大化することも人間を捕食することもなければ、知らなかっただろう。
原始的で初歩的な感情だが、感情は感情だ。六本足で地べたを這いずっているだけでは、感情すら覚えなかっただろう。
 昆虫人間は、驚異的な速度で進化している。世代を重ねるたびに容貌は人類に近付き、知性が向上し、身体能力は増大する。
人類が七百万年掛けて到達した地点に、ほんの数十年で到達した種族を、人類に恐れるなという方がまず無理からぬ話だ。
また、繁殖力も凄まじい。昆虫人間が一度の産卵で生み出す個体は人類を遙かに上回り、生命力も適応能力も強靱だった。
たった数年のうちに世代を交代し、更に進化した個体を生み出していく。そして、彼らが主に捕食するのは他ならぬ人類だ。
 このままの勢いで行けば、地球上が昆虫人間に淘汰されるのは時間の問題だった。だからこそ、人類側も手を打ってきた。
少女にウィルスを注入し、毒餌として廃棄都市に投棄した。だが、人類側の目論見は外れ、毒餌は喰われることはなかった。
無数に蠢く昆虫人間の中にも、変わり者がいたからだ。黒と黄色の外骨格と澄んだ緑の双眸を持った、一匹のトンボである。
彼が少女を助けなければ、少女は虫に喰われ、その虫も他の虫に喰われ、内臓を溶かす病気が廃棄都市に蔓延しただろう。
だが、そうはならなかった。そのために、廃棄都市に生きる者全てが恐怖に駆られている。死への恐怖と、滅亡への恐怖と、そして。
 愛する者を失う恐怖に。


 シブヤ上空は、羽音に埋め尽くされていた。
 虫。虫。虫。虫。虫。虫。どの空を見ても昆虫人間が飛び回り、どの地面を見ても昆虫人間が駆け回り、逃げ場はなかった。
数日前から、異変の兆しはあった。内臓を溶かす病気で死ぬ者が増えるに連れて、どの種族も目に見えて殺気立っていた。
昆虫人間同士にも、それなりに交流はある。言葉と言うには原始的な音を発して、威嚇ではなく情報を交換することは少なくない。
文化もなければ文明もないが、多少の知性は持っている。そのなけなしの知性を駆使し、昆虫人間達は恐怖の根源を探している。
つまり、毒を振りまいた元凶を探しているのだ。廃棄都市にいるはずのない人間と、それを喰わずに愛玩するイカれた昆虫人間を。
 腕の中の、茜の震えが止まらない。ヤンマの外骨格に縋り付く手はべっとりと脂汗が滲んでいて、顔は青ざめ、唇は歪んでいた。
可愛らしい顔立ちは怯えに引きつり、目元には涙も滲んでいる。ヤンマは中両足で彼女を抱き寄せながら、複眼で外を窺った。
ビルの割れた窓から見える空は、相変わらず昆虫人間に支配されている。澄んだ青は見えず、無数の羽が煌めいているだけだ。
事の異変を察知してあの家から逃げ出したはいいが、そこから先は考える余裕もなく、手近なビルに逃げ込んで息を殺していた。

「動くに動けねぇな」
「ごめんね、ヤンマ、私のせいで」
「お前は何もしちゃいねぇさ。謝るな」
「でも、ごめんね」

 茜は潤んだ瞳を上げ、ヤンマを見つめた。

「だから、謝るな。俺が悪いことした気分になってくるじゃねぇか」

 ヤンマは顎を開いて細長く黄色い舌を伸ばし、茜の目元に溢れた涙を舐め取った。

「ほとぼりが冷めるまで、大人しくしているしかねぇな。こんなんじゃ、逃げようにも逃げられねぇからな」
「うん。そうだね」
「まあ、逃げるっつっても、どこに逃げりゃいいかは解らねぇけどな」
「それは、大丈夫だと思う。廃棄されたのは、トウキョウだけじゃないから」
「そうなのか?」
「うん。軍の施設にいた頃に、色々と教えられたから」


476:名無しさん@ピンキー
09/02/05 14:56:03 AFg/+CWX
つか人外同士だったら獣人・亜人スレの方にもお願いしたいところだが
最近過疎気味だし

477:ヤンマとアカネ 7 2 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:57:11 9e7uJQsf
 茜は目元を拭ってから、ヤンマの屈強な上右足に腕を絡めた。

「トウキョウがダメになっちゃった後、チバとかカナガワとかサイタマとかグンマとか、その辺もコクレンの命令で廃棄されたんだって。
そこに住んでいた人達は、海を渡って他の国に移住したの。だから、他の街も、トウキョウと似たような感じになってるはずだよ」
「だったら、逃げ場はあるってことか」

 ならば、まだ活路はある。ヤンマは複眼を上げ、昆虫人間の大群の切れ目を探した。高速飛行能力にはそれなりに自信がある。
茜を抱えていたとしても、上手く風を掴めば振り切れないことはない。だが、シブヤを囲む昆虫人間の波が切れる気配すらなかった。
昆虫人間という昆虫人間が、一族総出で出撃しているからだ。個体数の多い種族ならば、千どころか万を容易く超えているだろう。
そういった種族が複数集まれば、あっという間に物凄い数になる。それだけ、どの昆虫人間も、茜の運んできた毒を恐れているのだ。
ヤンマにも、その気持ちは解らないでもない。だが、恋に落ちてしまったことを自覚した今となっては、茜の毒など恐れるに足らない。
 だが、他の恐怖は感じていた。茜は弱い。昆虫人間の中でも特に脆弱な人型カゲロウよりも肌が薄く、筋力も弱く、戦う術を持たない。
他の昆虫人間に捕らえられれば、一秒と持たずに殺される。ヤンマは己の戦闘能力にも自負を持っているが、この数は戦い抜けない。
途中で力尽きて、茜を落としてしまうかもしれない。もしくは、他の昆虫人間に足を毟られて、茜を奪い取られて殺されるかもしれない。
そう思ってしまったら、動けなくなった。このままではいずれ見つかって殺される、と解っているのに、四枚の羽は萎れてしまっていた。
 突然、全ての窓が羽音で震えた。ヤンマが茜を庇って身構えると、ばしゃあっ、と窓を砕きながら巨大な昆虫人間が外壁に取り付いた。
人型カブトムシだった。黒光りするツノでコンクリートを打ち砕き、穴を一気に広げた人型カブトムシは、黒い複眼にヤンマと茜を捉えた。
頭頂部だけでなく胸部からも先端の尖ったツノが生えているので、海を渡ってやってきたヘラクレスオオカブトと呼ばれる種族のようだ。

「こんなところにいやがったのか、逆賊め!」

 がちがちと口を打ち鳴らしながら、人型カブトムシは昆虫言語で叫んだ。ヤンマは羽を広げ、威嚇する。

「だからどうした! 俺は俺の思うように生きているだけだ!」
「その毒餌を俺に寄越せ。叩き潰してやる!」
「生憎、こいつは毒でも餌でもねぇ!」
「じゃあ、なんだって言うんだ」

 人型カブトムシはツノの先で天井を擦りながら、大股に歩み寄ってくる。

「人間なんざ、喰うだけの価値しかない生き物だ。そんなもんに情を寄せたところで、腹は膨れねぇんだぞ、田舎トンボ」
「お前如きにこいつの良さが解ってたまるかよ、ゴキブリモドキ」

 人型カブトムシ一体ぐらいなら、倒せないこともない。ヤンマは茜を背後に守りながら、上両足を広げ、三本の爪をぎちりと軋ませた。
だが、人型カブトムシは構えなかった。床が震えるほど力強く下両足を踏み締めると、ぶぅん、と空気を唸らせながらツノを振り下ろした。
頭頂部から生えたツノがコンクリートに埋まり、中に埋められていた太い鉄骨が飴細工のように曲がり、ビル全体が盛大に揺さぶられた。
足元を支えていた床が砕け、割れ、抜けていく。ヤンマはすかさず茜を抱えると、人型カブトムシの肩を蹴って倒してから、穴から脱した。
人型カブトムシは敏捷に反転し、ヤンマの左下足を掴もうと爪を伸ばしてきたが、それが掠る前にヤンマは羽ばたいてビルから遠ざかった。
数秒後、劣化していた上に大打撃を与えられたせいでビルの天井が抜け落ちた。人型カブトムシは圧殺されたらしく、水っぽい破裂音がした。
 その様子を複眼の端で捉えながら、ヤンマは降下した。他の昆虫人間が争乱に気を取られている隙に、距離を取っておかなければ。
だが、数十メートル滑空したところで行く手を塞がれてしまった。同族の中でも最も近しい種族、人型トンボがヤンマと茜を取り囲んでいた。
仕方なく、ヤンマはひび割れたアスファルトに足を付けた。下手な飛び方をすれば、振り切るどころかすぐに捕らえられて殺されるだろう。
 びいいいん。びいいいん。びいいいん。びいいいん。色取り取りの複眼が二人を映し、威嚇のためにがちがちがちと顎を鳴らしている。
ヤンマは彼らをぐるりと見渡し、苛立ちに任せて顎を擦り合わせた。彼らは顎を打ち鳴らす音を止めると、ヤンマを見下ろし、口々に罵った。

478:ヤンマとアカネ 7 3 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:57:47 9e7uJQsf
「一族の恥め」
「恥曝しめ」
「気違いめ」
「裏切り者め」
「穢れめ」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「死ね」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「殺せ」
「喰え! 喰え! お前が喰え! 毒を喰え! 毒を喰え!」

 毒を喰え。毒を喰え。毒を喰え。毒を喰え。誰かが言い出した言葉が伝染し、人型トンボは毒を喰えとヤンマにがなり立ててくる。
その言葉は病よりも素早く昆虫人間達に行き渡り、人型トンボの輪の回りに他の種族が輪を作り、更にその上にも輪が作られた。
 毒を喰え。毒を喰え。毒を喰え。毒を喰え。皆、揃って叫ぶ。毒を運んだ餌を愛でる昆虫人間を蔑み、恐れ、怯え、憎むが故に。
茜は昆虫言語は解らないのだが、ただならぬ様子を察しているらしく、がちがちと歯を鳴らすほど震えてヤンマにしがみ付いてきた。
羽音という羽音、声という声、虫という虫が二人を囲んでいた。最早空は一欠片も見えず、日光も無数の羽の隙間から零れるのみだ。

「…離して、ヤンマ」

 茜は震える手でヤンマの胸を押して足を解かせると、後退して距離を置いた。

「茜?」

 ヤンマが茜に近付こうとすると、茜は首を横に振った。

「もう、いいよ」
「何言ってやがる、まだ諦めるには早すぎるだろ!」
「だから、もう、いいの」

 茜は懸命に怯えを殺し、引きつった笑顔を浮かべてみせた。

「もう、充分だから。私、ヤンマと一緒にいられて、本当に幸せだった。生活していくのは大変だったけど、毎日が楽しかった」
「茜…」
「私のこと、好きだって言ってくれて嬉しかった。だから、思い残すことなんてないの」

 茜は胸の前で両手を組み、膝を付いた。

「お願い、ヤンマ。私を食べて」

479:ヤンマとアカネ 7 4 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:59:12 9e7uJQsf
 喰え。喰え。喰え。喰え。喰え。怒濤のように同族の声は押し寄せ、憎悪を孕んだ恐怖は膨れ上がり、羽音は鳴り止まない。
ヤンマは項垂れて膝を付いている茜と、飛び回りながら喚き続ける同族を見比べた。ここで喰っておけば、茜は誰にも殺されない。
ヤンマの胃袋で消化され、ヤンマの一部となり、ヤンマの傍にいることになる。ヤンマが死に、誰かに喰われるその時まで、ずっと。
 ヤンマは歩み出し、茜に歩み寄った。その前に膝を付き、寝かせた爪先で茜の顎を持ち上げ、先程と同じように涙を舐めてやる。
茜は意を決し、ぎゅっと瞼を閉じた。ヤンマは最大限に顎を開いて背中を曲げ、茜に覆い被さると、一筋の唾液が茜の頬を濡らした。
事の次第を見守るためか、昆虫人間達の声は止んでいた。羽音だけが聞こえる中で、ヤンマは舌先で茜の髪を持ち上げ、囓った。

「これだけで充分だ」

 ヤンマは茜の髪を嚥下し、顎を閉じた。茜は慎重に瞼を上げ、恋人を見上げた。

「ヤンマ…」
「言ったはずだ。俺はお前が好きだ。好きだから、喰えるわけねぇだろうが」

 ヤンマは上中両足で茜を抱え上げ、硬く抱き締めると、猛った。

「俺は茜を守る! お前らが何をごちゃごちゃぬかそうが、俺にはどうでもいいんだよ!」

 茜はヤンマに力一杯抱き付き、昆虫人間の羽音に負けない声量で叫んだ。

「好き、好き、大好き!」
「そこまで言われちゃ、負ける気がしないぜ! どこからでも掛かってきやがれ、腑抜け共!」

 茜を抱えたヤンマが飛び立つと、昆虫人間の群れは堰を切ったように雪崩れ込んできたが、ヤンマは下両足を駆使して戦った。
頭部を砕き、腹部を貫き、背面部を潰し、複眼を抉り、足を千切り、触覚を捻り、内臓を引き裂き、十、二十、三十、四十と倒していく。
足場の弱い空中での立ち回りは、人型トンボと言えども不得手な分野だが、茜を守るために力を振るうヤンマに敵はいなかった。
体液の飛沫が散り、外骨格や羽が乱れ飛ぶ中、茜は激しく動き回るヤンマから振り落とされまいと、渾身の力で抱き付いていた。
ヤンマも手当たり次第に昆虫人間を蹴散らしながらも、茜の重みを忘れることは一瞬もなく、茜に届きかけた爪や顎は全て叩き折った。
 鬼を冠する名の通り、鬼と化したヤンマが動きを止めたのは、昆虫人間の体液の海と外骨格の山が大量に出来上がった頃だった。
辛うじて生き残った昆虫人間達は散り散りに逃げていったので羽音も激減し、辺りには不気味な静寂と生臭い死臭だけが残留した。
羽以外の全身を粘ついた体液に塗り潰されたヤンマは、昆虫人間の死体が転がっていないビルの上に降りると、茜の体の戒めを解いた。
茜もまた昆虫人間の体液に汚れていたが、それに構うこともなく、すぐさまヤンマに抱き付いた。ヤンマも、彼女を柔らかく抱き締める。

「ヤンマァアアアア!」

 ぼろぼろと涙を流す茜に、ヤンマは体液で表面が潤った複眼を寄せた。

「茜…」

 涙が流せていたら、自分も流れていただろう。ヤンマはしゃくり上げる茜の背を叩いてやりながら、この上なく安堵していた。
これで、もう二度と昆虫人間の世界には戻れない。だが、茜も人間の世界には戻れない。それでもいい、とヤンマは確信していた。
茜さえ傍にいるなら、どこに行こうか構わない。ヤンマは顎に滴る体液を拭ってから、顎を開き、かかとを上げている茜に顔を寄せた。
すると、聞き慣れたリズムの羽音が鼓膜を叩いた。ヤンマが素早く茜を背後に隠して振り返ると、水色の人型トンボが浮遊していた。

「あーにきぃー!」
「良いところだったのに何しに来やがったこの野郎! つうかお前は参戦してなかったのかよ、さっきのに!」
 
 ヤンマが昆虫言語で怒りをぶちまけると、シオカラは気まずげに顎をきりきりと擦った。

「つーか、集団行動なんてマジダリィしー、兄貴はマジパネェっすから勝てるわけねぇしー…」
「ちったぁ根性見せろよ。適当にウロチョロするしか能がねぇのか、お前は」
「だって、戦うのってマジウザイし」
「じゃ、なんで今更来やがったんだ。消耗した俺を殺す気か? お前如きに負けるわけがねぇけどな」

 ヤンマが体液に汚れた爪を開いてみせると、シオカラは飛び退いた。

「いやいやいやいや、マジ違うっすから! マジ戦うつもりないっすから! サーセン!」
「だったら、何だってんだ」
「いやー、その…」

480:ヤンマとアカネ 7 5 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 15:00:50 9e7uJQsf
 シオカラは言葉を濁していたが、ダークブルーの複眼に茜を映した。

「生体兵器十七番。現時刻を以て、第一次作戦を終了とする」
「え…?」

 突然、シオカラが人間の言葉で喋ったので、茜は目を丸めた。シオカラは、明瞭な発音で続ける。

「我らの求めていた実験の成果とは程遠い結果だが、PGウィルスの有効性は実証出来た。PGウィルスが人間に与える作用も検証出来た。
PGウィルスは人間の肉体に損傷は与えないが、脳を損傷させることが解った。一連の行動を観察していたが、生体兵器十七番は狂っている。
この個体に搭載した情報収集端末によって、我らはお前達を観察していた。だが、やはり、昆虫人間が人類に害を成すことは否めない事実だ。
昆虫人間に対する決定打と思われていたPGウィルスも、人間の脳を冒すのであれば却下せざるを得ない。実に無駄な時間を浪費してしまった。
そして、生体兵器十七番も回収するべきではないと判断する。これはお前をトウキョウに投棄した時に既に決定していた事項だが、軍紀に則って
報告させてもらった。これより十六時間後に、第二次作戦に移行する。以上、通信終わり」

 ぶつり、と機械的なノイズの後、シオカラは沈黙した。きちきちきちきち、と他の昆虫人間と変わらぬ音を発し、首を回している。
通信が途切れたため、底上げされていた知性を失ったらしい。シオカラは辺りを見回していたが、己の縄張りに向けて飛び去った。
ヤンマはシオカラが平坦に並べ立てた面倒な言葉の今一つ意味は解らなかったが、その意味を全て理解した茜は後退った。

「それって、もしかして…」
「茜、あいつは何を言ったんだ!」

 ヤンマが問い正すと、茜は両腕を掻き抱いた。

「トウキョウごと、私もヤンマも他の虫達も爆撃して焼いちゃうつもりなんだよ!」
「バクゲキってなんだよ」
「でっかい飛行機が来て、一杯爆弾を落とすの。ああ、やっぱり私のせいだ! 私なんかがいるから、こうなっちゃうんだ!」
「落ち着け! そんなわけねぇだろうが! シオカラが言ったことは良く解らんが、その前に逃げりゃいいだけのことだろ!」
「でも…」
「俺に人間の都合は解らねぇし、他の人間共がお前が押し付けたことも解らん。だが、これだけは誰よりも解る」

 ヤンマは茜の両肩を掴み、向き直らせた。

「俺は茜を死なせたくない」

 茜は涙を溜めた瞳を見開いていたが、小さく頷いた。ヤンマは茜を抱き締めると、ビルの屋上を蹴り、体液の海の上を滑空した。
まずは家に帰ろう。ありったけの荷物を掻き集めて、逃げられるだけ逃げよう。未だ騒がしい空を飛び、ヤンマは家を目指した。
昆虫人間達は、先程までの態度とは打って変わり、ヤンマの姿を見ただけで飛び去って道を空けてくれたので飛びやすかった。
茜はヤンマに身を委ね、これから訪れるであろう出来事を思い描いて悲観していた。シブヤには、茜も思い入れがあるからだ。
だが、機を逃せば何もかもが無駄になる。茜が授けてくれた感情も、茜のために振るった力も、殺さざるを得なかった同族の命も。
 だから、今は飛ぶしかない。

481:ヤンマとアカネ 7 6 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 15:01:49 9e7uJQsf
 かつて暮らしていた街が、爆音と共に崩壊していく。
 轟音。爆音。衝撃。火柱。断末魔。海から吹き付ける風に乗って運ばれてくる焦げ臭い匂いには、無数の死の残滓が混じっていた。
人のいない街の民家の屋根に座ったヤンマは、涙を堪える茜を支えてやりながら、複眼の一つ一つに終末の光景を焼き付けていた。
 死への恐怖故に二人に襲い掛かってきた昆虫人間達との戦いを終え、束の間の平穏を味わう間もなく、二人は逃げ出す準備をした。
今まで茜が掻き集めた食糧や、必要最低限の衣服や日用品を手当たり次第にバッグに詰めて、ヤンマは彼女を抱えてトウキョウを脱した。
どこに行くのか、どこを目指すべきなのか、どちらも解らなかった。だが、今は死ぬ時ではないと思っていたから脇目も振らずに逃げた。
 日が暮れた頃、トウキョウに爆弾の雨が降った。西の海から飛んできた巨大な爆撃機が、炎を生む鉄塊を廃棄都市に落としていった。
それがようやく収まったのは、深夜だった。だが、爆撃機が飛び去っても轟音は止まず、激しい炎の影響で何かが爆発しているようだった。
昆虫人間は、ただでさえ火に弱い。いかに屈強な外骨格を持っていたとしても、火を付けられてしまえば、呆気なく焼け焦げて死んでしまう。
だから、あの街に残っていた昆虫人間達はほとんど死んだだろう。けれど、自分でも意外に思えるほど悲しくはなく、空しいだけだった。
所詮、虫は虫だからだろう。そう結論付けたヤンマは、度重なる壮絶な出来事に疲れ果てて、うとうとしている茜を引き寄せて胸に収めた。

「ん、あ…」

 茜は閉じかけていた瞼を開き、目を擦った。

「眠いんなら、寝ててもいいぞ」

 ヤンマが言うと、茜はヤンマに寄り掛かった。

「疲れたけど、そういう気分じゃない」
「そうか。だが、無理はすんなよ」
「うん」

 茜は、家並みの遙か先で赤々と燃えている都市を見つめ、瞬きした。

「ねえ、ヤンマ」
「なんだ」
「私って、頭がおかしいと思う?」
「シオカラの言っていたことか」
「あの子って、そういう名前だったんだ。でも、あの子も、もう…」
「あいつのことは気にするな。でもって、言われたことも気にするな。茜の頭がおかしいってんなら、俺の頭はもっとおかしい」
「そう、かな」
「つうか、虫も人間もどっちもおかしいんだろうぜ。俺にはそうとしか思えねぇ」
「だったら、私はどうすればいいのかな」
「俺の傍にいろ。俺も茜の傍にいる。俺達には、それしかねぇだろ」
「うん、そうだね。夜が明けたら、もっと遠くに行こうね。誰にも邪魔されないぐらい、遠くに」
「茜さえいれば、俺はどこに行ったっていい。愛してるぜ、茜」

 ヤンマは爪先で茜の顎を持ち上げ、顔を寄せた。

「ヤンマ、愛してる」

 茜はヤンマの顔を両手で挟み、引き寄せた。無数の昆虫人間と廃棄都市を焦がす炎に照らされながら、二人は深く口付けた。
数多の命を踏み台にして、越えてはいけない壁を越えて、受けるべき裁きから逃れて、それでも生きていられるのは業の深さ故か。
罪だと言うなら、全てが罪だろう。誰にも許されることでもなければ、決して理解されることでもない。けれど、ヤンマと茜は幸せだった。
 恐怖が進化の証なら、恋と愛は過ちの証だろう。愛するべきではない者を愛し、愛されるべきではない者に愛されたのだから。
恋は甘い蜜に、愛は苦い毒に似ている。一度でも恋を味わえば最後、それが毒に変わり、全身に回ろうとも逃れることは出来ない。
 命を落とす、その時まで。


 それから、二人は旅立った。
 ヤンマは茜を抱いて、澄んだ羽で風を切り裂きながら飛んだ。
 二人を阻むものも、隔てるものも、拒むものもなく、ただひたすらに遠くへと。

 どこまでも、どこまでも。


482:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 15:05:44 9e7uJQsf
以上で、ヤンマとアカネは完結です。どうもありがとうございました。
ちなみに、PGウィルスってのは変態紳士の英訳の略称だったりなんかしちゃったり。
愛の力でパワーアップする人外は宇宙最強だと思うよ!

483:名無しさん@ピンキー
09/02/05 15:11:03 AFg/+CWX
リアルタイムGJ!
そして割り込みマジスマソ・・・orz

484:名無しさん@ピンキー
09/02/05 15:11:36 K0mghoK7
GJGJGJ!
本能しかないはずのシオカラがお利口そうにおしゃべりできてたのはそういうわけだったのか!
愛の力は偉大だね!
どこまでも行ってしまえよ!
応援してるよ!
素晴らしい作品をありがとうっした!

ふと思ったんだけど、川の中にはロリショタの昆虫人間のヤゴがいっぱいいるのかな。

485:名無しさん@ピンキー
09/02/05 15:33:27 M38BEJ+m
GJ!泣けた…!
さっきオニヤンマをあほの子とか言っちゃってスマソ

486:名無しさん@ピンキー
09/02/05 16:22:25 vgJYwmTG
GJ!PGウィルスの意味にワロタw
ついに完結か…終わっちゃって寂しいけど楽しませてもらいました!
我が心の人外ハァハァ名作シリーズにリストアップくよ
またなんかできたら投下して下さい


487:名無しさん@ピンキー
09/02/05 17:21:43 pDSjvbc4
愛でパワーアップなんて、古典展開は大好物です。
それが人外異種相手だと越える壁も大きいから感動もひとしおですね…!
ノンストップで楽しませて頂きました、ありがとう!

488:名無しさん@ピンキー
09/02/05 17:43:03 oNzWIT0J
デジモンでよくあるパターンだな
愛があればいいのです

489:名無しさん@ピンキー
09/02/06 02:04:27 yekAoRQ5
GJすぎてマジパネェッスよ~!終わり方が素晴らしすぎる
でもシオカラ好きだったからちょっとカワイソス(´・ω・`)

490:名無しさん@ピンキー
09/02/06 09:29:46 C19oHy9D
素晴らしい作品をありがとう。神だった。859のアネゴマジパネェっす!
愛の逃避行が幸せに続きますように。
シオカラたんもちゃっかり逃げ延びていますように。

491:名無しさん@ピンキー
09/02/06 17:54:50 C19oHy9D
名作終了後の余韻は長いな…
すっごく雰囲気壊すようなこと言っちゃって悪いが、
まとめに「作品の著作権は作者にある」って書いてあるよな?
2chに投下された文章って、文章の種類関係なく2chが著作権を持つものじゃなかったか?
pinkは違うのかな

492:名無しさん@ピンキー
09/02/06 19:15:53 rue6/xXK
スレリンク(jurisp板:145-155番)
法学板のスレ。この辺が参考になるのではなかろうか。
著作権の帰属先に関する疑問への明確な回答ではないが、
出版を視野に入れないかぎりあまり気にしないでいいかと。

493:名無しさん@ピンキー
09/02/06 19:34:04 pkFp3cQE
著作権云々は決まり文句みたいな物だし気にしなくて良いかと思う。

それにしても既に半分か。このスレになってから進みが早いな。

494:名無しさん@ピンキー
09/02/06 19:40:47 C19oHy9D
あまり気にしないでいいと分かっているが、万が一何かあったら怖いな…って
pinkの管理人はアメリカ人だし訴訟起こされたら職人に火の粉がかからないかな…って
無断転載するやつは注意書きがあってもなくてもやるし

このスレの加速はAIたんに促されてた気がする
それにしても今日は書き込みが少ない

495:名無しさん@ピンキー
09/02/06 20:28:27 5yOXUP5K
じゃあ最近頭に浮かぶ妄想でも書き込んでみる

カメラ型ロボット×女の子で、入れられないかわりに視姦・ハメ撮りプレイ
そのうちコスプレとかさせて興奮しながらバシャバシャ撮りまくって、
プレイ後もこっそりデータを保存して良く撮れている…と後でうっとり眺めるカメラ

あと蛇×女の子とか
蛇は交尾に30時間くらいかけるって聞いてなんかたぎった
女の子を壊さないように、でもじっくりねっとりしつこく絡み合ってほしい

こんなことばっかり考えてる

496:名無しさん@ピンキー
09/02/06 21:31:47 7Ep9a+is
>>494
金が絡まない限りなんかあっても誰得だし気にするなよ

497:名無しさん@ピンキー
09/02/06 22:51:51 FpsxVYZo
>>495
蛇の交尾いいよな…
全身でぐねぐね絡み合う画像見て興奮した
しかし30時間は長いwww

498:クレイとアリシア-1
09/02/07 00:00:43 8N/+51Db
クレイとアリシア(獣男) 人間女

--------------------------------------------

なあ、お前。ブン殴られた事ってあるか?
ケンカをやったことがある奴なら多分わかるだろ。アレだ。
特に顔面をやられるとやばい。頭がクラクラするし、歯も欠ける。下手すりゃ死ぬ。
そうでなくても、殴られた後は青あざやら内出血で酷いもんだ。
シロウトの殴り合いだってコレだよ。もっと早く、スマートにぶん殴れる技術を持ってる
奴からやられるとさ、ほんのちょっとだけ違うんだぜ。
今のオレがそう。
硬い拳が鼻面へ叩きつけられる。そうするとそこからから後頭部へと一瞬で衝撃が
抜ける。まるでペシャンコになって鼻と後頭部がくっついたような感触だ。
その後ゴツンと鈍い音を聞く。頭ン中からね。そして耳や目から、何かが勢い良く飛び出
すような、そんな嫌な感触。最後に、目の中に火花が散って、酷く焦げ臭いような、血の
鉄くさいような臭いを感じる。
痛みを感じるヒマなんてない。その一撃で体の自由が奪われる。平行感覚が失われる。
言うことを聞かない体を動かそうにも、うまく行かない。たとえるなら、重く粘り気のあ
る水の中でもがいているような感じだ。もしも水銀の中でもがいたならば、こんな感じな
のかもしれない。
浮いた脳ミソがなにやら警告を発する。あらがうことの出来ない浮遊感。
オレをぶん殴ったのは、この酒場に雇われてる殴り屋で拳闘士崩れのケイナス(犬っぽい
種族)だ。ちょっとケンカしたくらいでぶん殴りやがって。同種族はやらねぇでオレだけ
かよバカヤロウ。
そう考える一瞬だか一時間だかがとにかく時間が流れ、オレはクソ汚い酒場の床の上に後
頭部から崩れ落ちた。
「この薄汚ねぇ野良猫を捨ててこい!」
ヤロウ言ってくれるぜ。獲物を持ってたらてめぇなんぞ…
そして、心のなかの負け惜しみすら最期まで言えず。オレは気を失った


499:旧い者達5
09/02/07 00:01:51 8N/+51Db
--------------------------------------------

「あの…大丈夫ですか?」
そんな言葉をかけられてクレイは目を覚ました。目を開けると、ちょうど右肩のあたりに
エリン(人間っぽい)の少女が膝立ちして彼の顔をのぞき込んでいる。数の少ないエリンが
どんな速度で成長するかはよくわからないが、知り合いのエリンの家族に当てはめて見る
と、だいたい13~4位だと思えた。黒い髪に白っぽい毛のない肌。実に平均的なエリン
の姿であった。
「大丈夫じゃねぇよ」
クレイは毒づき、上半身を起こした。駄犬にぶん殴られた鼻面が酷く痛む。顔を下に向け
ると生暖かい感触があり、かなりの量の鼻血が流れ出てきた。意識のないまま仰向けに転
がされていたが、どうやら窒息はしなかったようだ。
どうやらかなりの威力で打たれたらしい。
痛みに顔をしかめながら周りを見回すと、どうやら路地裏のようだった。
酒場でケイナス(イヌっぽい種族)の拳闘士とケンカして一撃でノックアウトされ、その
ままここに捨てられたらしい。
殴り合いには多少自信があったが、拳闘士崩れと素手でやり合うには分が悪い。。
「あいつめ、思い切りぶん殴りやがって」
クレイがもしもフィーリニア(ネコ科猛獣っぽい種族)で無かったら顔面陥没の重傷くらい
負っていたかもしれない。
彼は舌打ちをし、ジャケットの内ポケットを探った。いつも薄い財布が無事な事を確認で
きて安心する。
「で、何の用だ?」
ややつっけんどんに少女に尋ねる。
「あの…だってこんなところで…」
「財布ならやらんぞ。オレが目覚めて残念だったな」
少女に皮肉を言って立ち上がろうとしたが、足によく力が入らない。脳震盪の後遺症はも
うしばらくなおりそうもない。と言うよりも、そもそも自分がどれくらいここに転がって
いたかも定かではないのだ。
「私物盗りじゃありません!」
「もの盗りじゃなかったらさっさと向こうへいけ」
「だから違います!」
クレイは、自分を助け起こそうとする小柄な少女の手を払うと、調子を整えながらたっぷ
りと時間をかけて立ち上がる。
「あの…お願い。私を…」
「なんだ?おまえ売ってるのかよ。ガキの癖にちょっと悪趣味過ぎるぜおい」
顔をしかめて少女を見る。小さい娼婦?に対する嘲りの言葉がいくつか思いついたが、言
おうとする前に消えた。悲しげな表情をした少女の顔に、それを投げかける事は出来ない。
「…違うんです。私、娼館から逃げ出してきたんです」
うつむいた少女は、驚くべき事を言った。

500:クレイとアリシア-3
09/02/07 00:03:47 8N/+51Db
「はぁ?」
クレイは思わず間抜けた声を上げる。
「あ…でもまだ私処女ですよ?」
少女の発した意味の解らない発言はどうでも良いとして、娼館から逃げ出した?しかも仕
込み前に?クレイは頭を抱えたい思い出少女をみやった。
「父さんの借金の形に連れて行かれたの。父さんは首を括ったけれど、それでも許しても
らえなかった」
「で、オレに助けろっていいたいのか?何でオレだよ。誰かエリンの連中を頼れ」
少女は潤んだ目をクレイに向ける。
「だって、逃げ出して初めてであったのがあなたなんですもの…それに、知り合いなんて
居ないし」
「ダメだ。お前は娼館に連れて行く」
「そんなっ!」
すがりついてくる少女の後ろ襟をつかんで引きはがすとクレイは諭すように言う。
「最近オレはついてないんだ。面倒ごとにつきあうのはごめんだぜ。機会があったら抱き
にいってやるから、おと…」
おとなしくしていろ。という言葉は、怒号と足音にかき消された。居たぞ!捕まえろ!
罵る声と殺気だった気配が暗い路地にあふれる。声の方向をみると、数人の男が暗い路地
を駆けてくる。棒を持った者もいる。そのあまりの剣幕に、どうやら自分も無事にすまな
さそうな雰囲気を感じる。
「おいおい、一体なんだってんだよ」
訪ねるまもなく、棒を持った男が殴りかかってきた。あわててしゃがんで避けた上を、め
くらめっぽうに振られた棒が通りすぎ、建物の煉瓦を砕く。
クレイは立ち上がるついでにそいつの急所を蹴飛ばした。しゃっとした感触がし、蹴られ
た男は ぐえ と、いう苦しげな声とともに崩れ落ちる。いったいどんな痛みか想像に難
くなかったが、そんなことにはかまっていられない。
「畜生っ!」
クレイは叫ぶと、少女を担ぎ上げて走り出した。全くもってついていない。毒づきながら
彼は路地裏を走る。ビンを蹴飛ばし、ゴミ箱を倒し、がらくたを放り投げ、やっとのこと
で追っ手をまくことに成功した。
彼は手を膝について、どうにか呼吸を落ち着かせようと深呼吸をくりかえす。少女はほん
の30キロ程度であったが、長時間担いで走るのはさすがに骨が折れる。
「おまえの、せいで、おれ、は、人生を棒に、ふったかもしれん」
ようやく言葉を紡ぐことが出来る程度まで回復し、少女に毒づいた。
「ごめんなさい」
彼女は土下座して謝る。ガス灯の明かりにつややかな髪が光った。
「ほら、オレんとこに行くぞ。それと、オレはクレイってんだ」
ため息混じりにそういい、少女を引き起こした。


501:クレイとアリシア-4
09/02/07 00:04:38 8N/+51Db
--------------------------------------------

「女を家に入れたのは初めてだよ。まあベッドにでも座っててくれ」
クレイの部屋は、他の男所帯同様に酷く散らかっていて、足の踏み場もないようだった。
新聞や雑誌、読みかけの本。衣類がそこかしこに放りだされ混沌とした雰囲気を作ってい
る。彼はガス灯に火を灯すと、お湯を沸かし始める。
「クソ、なんだってんだよ。逃げる必要なんて無かったのにな」
雰囲気に飲まれてしまったのが良くなかったのだろう。今更後悔しても遅い。彼は落ち着
かない気分を紛らわそうと、ヒゲをしごき、肩に耳の後ろをこすりつけた。
「…で、名前はなんて言うんだ?」
「…アリシアです」
アリシアね。クレイはそう言うと、椅子をアリシアの前に置き、前後逆向きに座った。
背もたれを両股で挟んで、さらに上に顎を乗せた格好だ。
正面から見つめると、彼女は目を伏せる。エリンの美醜はよくわからないが、彼女はどう
なのだろう。エリンと言う種族は顔の表情で細かいコミュニケーションをとるというが、
その意味も実を言えばわかり辛い。そもそも、この大陸ではエリン自体が少ない。海を渡
った南方にある大陸に行くと、人口の7割がエリンというがあまり実感がわかない。
名前以外を聞くと、彼女はぽつぽつと答えてくれた。
「エリンも、あまりオレたちと変わらないんだな」
そんな感想をもちながら、時間が過ぎる。
「紅茶やコーヒーなんてしゃれたモンは無いが、まあこれでも飲めよ」
ちょうど切りの良いところでお湯が沸き、クレイは蜂蜜をお湯で割って干しレモンを浮か
べるとアリシアに差し出した。
「ありがとう」
クレイはアリシアの横に座って、自分もその飲み物をすする。
「お前、これからどうすんだ?」
この先の重要な問題である。アリシアはわからないとだけ答え、カップから暖かい飲み物
をすする。蜂蜜の甘さとレモンの酸味が口いっぱいに広がる。
「…おいしい」
この問題で深刻に悩んでいるのはアリシアだけではない。クレイも連中に捕まって酷い目
にあわされる可能性があった。
「明日警察に行かなきゃな」
「だめよ…警察もみんなグルなんだって…娼館の人がいってた」
なるほどな。それは単なるはったりか真実だかは解らないが、向こうがそう言っていると
いうことは、何らかのつながりがあるのかもしれない。
「だが正直、ああ言う連中に関わるのはごめんだぜ」
アリシアは、考え込んだ様子でなにも答えなかった。クレイは額に手をあててしばらく考
えたが、これもすぐに答えが出そうになかった。時計を見るとすでに一時を回っている。
クレイは今日何度目か解らないため息をつき、アリシアに背を向けるようにごろりと横に
なった。そろそろ、この街とおさらばだな。そんな予感がする。ただ、何にしても休まな
いわけにはいかない。
「とりあえずだ。まずは寝ろよ。しばらくかくまってやるから」
アリシアも、今日何度目かのありがとうを言い、クレイの背中に自分のせをくっつける。
一人用のベッドはやはり狭い。くっつきあった背中にクレイの体温を感じながら、アリシ
アはこれからどうするかをずっと考え続けていた。

502:クレイとアリシア-5
09/02/07 00:05:09 8N/+51Db
--------------------------------------------

衣擦れの音と、ベッドの揺れでクレイは目を覚ました。時計を見ると三時を指している。
(まだ二時間も休んでいない)
心臓が大きく波打って、寝不足であることをことさらに強調する。鼓動にあわせて痛む鼻
面を左手の掌でさすると、思った以上に腫れていた。
それにしてもベッドが揺れるなんて、とんだ寝相の悪さだなこのお嬢ちゃんは。毒づきな
がらアリシアの方を向くと、想像だにしなかった光景が目に飛び込んできた。
薄明かりのなか、彼女が裸で座っている。その怪しくも幻想的な後景に、クレイは目を剥
き、次にあわてて飛び起きた。
「…ちょっとまて。お前一体何を…!」
「クレイさん」
アリシアが思い詰めたような表情でクレイの足にすがる。
「お願い…お礼は…私出来ることといったら体で払うしかないの」
「ままま、待て待て」
掌をアリシアにむけ、待てのポーズをしながら、クレイはこの上なく焦っていた。まだ助
けるともいった覚えはないし、そもそもエリンの少女に迫られても困る。
「お願い…助けて」
懇願するアリシアの目に、並ならぬ覚悟が見える。クレイはごくりと唾を飲み込んだ。
「…つったっておまえ、さっき処女だって言ってたじゃねぇの。いくらなんでもそれはも
らえねぇぜ」
全く、体は武器とはよく言ったものだ。しかし、迫られた時点もう既にクレイは詰んでい
る。ここまでするアリシアを、娼館に連れて行けるほど彼は非常な人間ではなかった。
選択肢は彼女を助けるという一択だけ。無報酬で?いや彼女の体で?
無償で助けてやればいいさ、とクレイの頭のどこかが告げる。だが、この際に久々性欲を
発散すればいいさ、との声も聞こえる。クレイは無情な人間では決してないが、同時に聖
人君子でもない。彼は、人は欲望の前に弱いものさと心の中で呟き、解ったとアリシアの
頬にふれた。
そういえば、エリンはどうやるんだろうな。アリシアが、布団の上をじりじりと移動し、
クレイのひざの上に乗る。少しのけぞり気味のクレイの目を、彼女はその青い目でじっと
見つめる。そして彼女は顎をあげ、目を閉じながらくれいの口元に顔を近づけた。
「やさしく…キスして」
二人の唇が触れ合った。クレイは目を閉じたアリシアを見る。余りにも近いため彼女の顔
がぼやけて見えた。
暖かい。これがキスというものだろうか。エリンと違って、そこまで唇を上手く動かせな
いため、触れ合わせているだけな気がする。これからどうすればいい?そんな疑問が浮か
んだ。種族が違えばそれの作法も違う。少なくとも、以前やったことのあるケイナスの女
とは付き合い切れなかった。
(いろいろな作法を体験するか…。悪趣味ってのはそういうことだよなぁ)
ある程度経験があれば、相手に任せてもいいだろう、だが、ここでリードしないといけな
いのは明らかにクレイのほうだった。

503:クレイとアリシア-6
09/02/07 00:05:40 ffcNDVaO
「…なあ、アリシア。"オレ達流" にやってもいいか?」
おずおずと尋ねてみると、アリシアが頷く。ここからはフィーリニア流だ。
クレイはアリシアの髪の匂いをかぐ。首から上をやさしく愛撫しながら髪を舐める。そし
て耳、頬。盛り上がっただけの鼻。毛のない肌はクレイが舐めると少し赤みを帯びる。エ
リンという種族はよほど肌が弱いのだろう。舌の突起で傷つけないように隅々まで舐める。
小さな唇を舐めると。アリシアは少し口を開けた。その隙間から舌を入れると、彼女はた
めらうようにその舌を舐め返した。少しだけの甘みとレモンが香った。
二人は不器用に舌を絡ませる。エリンの滑らかな舌の表面を、フィーリニアのざらついた
舌が這う。クレイはそのまま彼女の口の中に舌を這わせる。牙のない、つるつるとした歯
がある。アリシアも彼のキバに舌を這わせる。興奮に息が上がる。クレイはアリシアを押
し倒し、首筋からむねにかけてを口と舌で愛撫する。まだふくらみきっていない乳房の突
起を乳房ごと吸い、先端を舌で転がす。さすった腹部は余りにもやわらかい。
まるで壊れ物だ。
クレイの舌は、アリシアの肌に這った後を残しながら、もっとも敏感な場所へと下りてい
く。閉じた秘所の匂いをかぐ。発情した同属の女とはまったく違った匂い。彼はアリシア
をうつぶせにすると、そのまま下半身だけを抱き上げる。うつぶせになったまま尻だけ上
げた状態にさせると、始めてみるエリンのそこがあらわになる。
少しだけ毛の生えたアリシアの秘所は、少しだけ濡れた陰唇を露出していた。クレイはま
だ肉付きの薄い双丘をこね回し、閉じた入り口と菊門を舐める。尻尾がないのは奇妙な感
触だった。
尻尾の付け根は性感帯だ、エリンはどうなのだろう。そんな思いがあるかどうかはわから
ない。ただ執拗に撫で回し舐め回す。だんだんとアリシアの呼吸が荒くなっていく。クレ
イは、同属の女にはない入り口の襞を広げ、奥にまで舌を這わせる。陰核を包皮からむき
出し、舌先でこね回す。そのたびに、アリシアはビクビクと体をはねさせる。
彼はアリシアのまたぐらに顔を突っ込んだまま服を脱ぎ捨てる。上着を放り投げ、ベルト
を外し足を蹴ってズボンを下ろす。あっあっという、初々しくかわいいよがり声に興奮が
高まる。
再び、うつ伏せから仰向けへ。クレイはアリシアの股を舐るのをやめて、その上に覆いか
ぶさり動きを止める。荒い息をつきながら、アリシアがぼうっとした目を開き、呆けた表
情のままクレイを見上げた。
「これから、その…やるんだが…本当にいいのか?」
中断するなど、野暮でバカらしい行為以外何者でもなかったが、クレイ律儀に確認する。
こくんと頷く彼女が急にかわいく思えてくる。
「じゃあ、オレのも弄ってくれるか?舐めたり、しごいたり」
クレイが下になり、アリシアを乗せる。二つ巴の格好になりながら、二人は互いのものを
愛撫しあう。アリシアは、恐る恐るクレイのこわばりを舐めながらも、下半身を彼に押し
付け、快感をむさぼる。

504:クレイとアリシア-7
09/02/07 00:07:56 ffcNDVaO
「ちょっとまってくれ」
いくらぎこちない手つき口つきといっても、やはり感じるものは感じる。普通なら、ざら
ついた舌で舐めあげられるため、早々にやめて交わるところだが、タイミングを逸した上
に、射精しそうになっていた。
クレイはふうと呼吸を整え、前戯を中断されて、少し不満げなアリシアを四つ這いにさせ
ると、後ろに位置して両手で彼女の腰を支えた。
「そろそろいくぜ」
アリシアがごくりと喉をならし、ためらいがちに首を縦に振った。そしてクレイも覚悟を
決める。
自分を彼女の膣口にあてがい、ゆっくりと挿入する。初めて体験する柔らかさに、クレイ
はたじろいだ。同族の搾り取るような収縮も、ケイナスの急角度にうねる感触もない。
ただ柔らかく暖かい。彼女の呼吸にあわせて収縮する沼にはまり、彼はもがいた。
だがまだ溺れてしまうわけにはいかない。
更に突きいれると、つぷんとした感触がほんのすこしだけあり、アリシアの腰が跳ねた。
「痛っ」
クレイは腰をとめた。今更ながらに彼女が処女であったことを思い出す。だが、アリシア
はそれ以上何も言わない。彼を受け入れるために待っているのだ。
その様子が何となく解り、彼はまた腰を突き入れる。そこまで長大ではないフィーリニア
の肉茎ではあったが、やはり体格差は無視できない。ゆっくりと傷をつけぬよう腰を前後
させながら、かれの先端はようやく子宮口を叩いた。
アリシアのなかに自分をおさめきったクレイは、大きく息を吐き出し、耐えていたアリシ
アに背中から体を重ねた。そしてゆっくりと体を抱くと、その細い首筋を傷つけないよう
に咥える。もう達してしまいそうだったが、それに耐えて腰を揺する。尻尾が立ち上がり
つま先に力がこもる。かれはうめきながら腰をいっぱいに突き出す。細い彼の先が、アリ
シアの子宮口にはまる。その快感に抗しきれずに彼は一度目の精を放った。
アリシアの胎内に、暖かいほとばしりが染み渡る。ああと彼女は歓喜の声を上げた。だが
クレイはまだ終わらない。硬くいきり立ったもので、膣内をかき回し責め立てる。細い先
端は容赦なく子宮口をたたき、根本の棘が秘肉を引っかき回す。彼は歳もいかないエリン
の少女の蜜壺に溺れ、のたうち回った。彼が精を放つ度に、アリシアは嬌声をあげ快楽に
悶えた。久方ぶりの濃密な時間にクレイはこの上なく満たされる。これが報酬ならまあわ
るくないだろう。そう考えるくらいの余裕が出てきた頃、彼の快楽は、訪れるのと同じく
らい早く引き始めた。
何時の間にか正常位で交わっていたようで、クレイの正面に、汗にまみれたアリシアの顔
があった。汗の玉を舐めると、塩辛さと共に彼女の匂いを感じる。かれは始めたときと同
じように、アリシアの体を舐め回す。今度はアリシアも彼を舐め返したが、あまり上手く
いかないようだ。
「無理に舐めなくていい。手で撫でてくれ」

505:クレイとアリシア-8
09/02/07 00:08:19 ffcNDVaO
つながったまま、互いに上半身を起こし後戯を楽しむ。少なくとも、フィーリニアの男と
エリンの女の組み合わせはわるくは無いかもしれないとクレイは思う。
「オレが安全な街まで連れて行ってやるよ。アテがあるのを思い出した。」
これは本当の話である。それに、街を出られれば相手もあきらめるだろう。連れ戻すとい
うよりも逃げた彼女を見せしめにするのが多分目的なのだ。
「…ありがとう」
いいってことよ。彼はにやりとして腰を引く。ごぽっという音とともに、彼女の膣口から
大量の粘液があふれ、シーツに新しい染みを作る。最期の余韻に浸る間もなくクレイはあ
わてて体をのけぞらせた。そしてはっとしたように、驚いて声の出せないアリシアに待て
のポーズを送る。同族同士だと、引き抜く際に殴られる事がある。無意識に手が出てしま
うらしい。青あざあるのは円満の証 とまで言われるくらいだ。
まあまあ、と照れ隠しをしながらかれはシーツに目を落とす。昨日まではなかった染みが
広がるその中に、赤黒いものを見つける。それは処女を失った証だった。
クレイは、何故か彼女がたまらなく愛しくなり、もう一度抱き寄せた。

--------------------------------------------

その後、二人は無事別の街へと逃げ延びることができた。
悪趣味と言われながらも一緒に住み、アリシアは給仕の、クレイは闘技士養成場の仕事を
しているという。

--------------------------------------------

506:498
09/02/07 00:11:36 ffcNDVaO
以上終わりです。

あー名前欄間違えた/(^o^)\

507:498
09/02/07 00:20:18 ffcNDVaO
とりあえず、
エリン:人間
フィーリニア:ネコ(もしくはそれに類する猛獣)獣人
ケイナス:犬(またはオオカミ・ドールetc)獣人
と読み替えてください。
この世界では、彼らはまとめて人間言いますので補足しておきます。

508:名無しさん@ピンキー
09/02/07 00:33:07 sxwbd0Yj
>>498GJ
ネコじゃチワワ位にしか勝てなさそう
平和な日常編は期待してもいいのかな

509:名無しさん@ピンキー
09/02/07 01:27:08 RejTuY3k
>>498
GJ!!!
セクロス描写にネコ科の獣感が出てて獣好きとしてはたまらんです
ところでクレイに肉球はあるんだろうか

510:名無しさん@ピンキー
09/02/07 13:47:12 CjtiJEoD
>>506
GJだが一応気をつけてほしい
連載とかする気じゃないよな?
これ読んどけ
スレリンク(eroparo板:757番)-759

511:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/07 17:16:42 7D5CMdZP
獣人萌えるよ獣人。モフモフ最高。
本編は完結しましたが、ヤンマとアカネの番外編を投下。
一週間早いですが、バレンタインネタってことで。手垢の付きまくったベタなシチュですが。

512:ヤンマとアカネ 番外編 1 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/07 17:18:02 7D5CMdZP
 廃棄都市に眠る物資は、その用途が解らないものが多い。
 プラスチック製の平べったい箱、ガラス製の筒、矮小な機械、きらきらと虹色に輝く円盤、変な匂いのする液体、などなど。
茜が教えてくれなければ、それが何なのかヤンマには一生解らなかっただろう。解ったところで、特に意味もなかったのだが。
更に言えば、それらを見つけても何の役にも立たない。家電製品を引っ張り出したところで、肝心の電気が供給されていない。
だから、結局、茜がヤンマの手を借りて廃墟から発掘する物資は、食料品や衣料品といった日常の即戦力ばかりになった。
 その日もまた、ヤンマは茜が見つけ出したものを回収して家に運んだ。大きなデパートの地下に潜り、探り当てたものだった。
おかげで二人ともすっかり埃だらけになり、頭の先からつま先まで真っ白く汚れてしまったが、ここ最近では一番の収穫だった。
 帰宅した二人は、まずは体を流した。洗濯したTシャツとジーンズに着替えた茜は、リビングの床に戦利品を広げ、選別を始めた。
テーブルに置いたランプから零れる明かりに照らされながら、茜はレトルト食品の賞味期限や、包装の穴などを確認していった。
見た目は綺麗に見えても、包装が破損している場合も多々あるのだ。ヤンマには食べられても、茜には食べられないこともある。
腐っている食品をご丁寧に保存しておく義理もないし、大丈夫だと思って保存してもいざ開けた時に腐っていたら切なくなってしまう。
実際、これまでにもそんなことは何度もあった。その度に茜はひどく落胆し、派手に嘆き、次こそは失敗しない、と意気込んでいた。
 ソファーに座ったヤンマは、ぷらぷらと長い腹部の先を振っていた。こればかりは手伝えることもないので、傍観する他はない。
いつになく真剣な顔の茜は、レトルト食品や缶詰めや瓶詰めなどを一つ一つランプに翳し、傷が付いていないか確かめていた。

「ふおおおお!」

 すると、いきなり茜が奇声を上げた。

「なんだあっ!?」

 ヤンマが驚いて仰け反ると、茜は手にした小瓶を掲げた。

「すっごーい! すっごーい! うっわー超ラッキー!」
「な、な、な?」

 動揺したヤンマが触角の先を揺すっていると、茜は三角形の黒い小瓶をヤンマに突き付けた。

「これ、ゴディバだよゴディバ! ゴディバゴディバー!」
「ご、でぃば?」

 なんだ、その不気味な単語は。ヤンマが戸惑っていると、茜はぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「暗くてよく見えなかったから手当たり次第に持ってきたけど、こんなのが見つかるなんてマジラッキーじゃーん!」
「や、だからよ、それ、何なんだ?」
「だーから、ゴディバだってば、ゴディバ!」
「だから、それって何なんだよ」
「ゴディバはゴディバだよ、すっごくおいしいチョコレートなんだよ!」
「あ、チョコな」

 そう言われれば解らないでもない。やっと納得出来たヤンマは、ソファーに座り直した。

「あーおいしそー、チョコなんてひっさしぶりぃー」

 茜は選別作業を中断し、ゴディバの小瓶のキャップを捻り開けた。運良く未開封だったらしく、金属キャップの封が千切れた。
蓋が開くと、確かにチョコレートの甘ったるい香りが漂った。だが、ヤンマの記憶にあるチョコレートとは何かが違っていた。
薬臭いとでも言うべきか、揮発性の物質が混じっているように思えた。茜はそれを感じていないのか、浮かれっぱなしだった。

「きゃっほー、ゴディバゴディバー!」

 呪文のようにゴディバを連呼しながら、茜は小瓶の中身の匂いを嗅ぎ、また歓声を上げた。

513:ヤンマとアカネ 番外編 2 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/07 17:19:24 7D5CMdZP
「あー、幸せー! チョコ最高ー!」
「ああ、うん、良かったな」
「ヤンマもいる? ゴディバ!」
「いや、俺はいい。前に一度喰わせてもらったが、甘すぎて喰えたもんじゃなかったからな」
「そう、だったら私が全部飲んじゃうね!」

 茜はにたにたしながら小瓶を口に付け、一口含んだ。途端に、でろりと弛緩する。

「あんまぁーい、マジ最高、生きてて良かったぁー」

 茜のだらしない笑みを見ながら、ヤンマはきちきちと顎を軽く擦り合わせた。茜が喜んでいる様を見ているだけで嬉しくなる。
この笑顔を見られただけでも、暗くて湿っぽい地下で頑張った甲斐があったいうものだ、とヤンマは内心でにやけてしまった。
 茜はきゃっきゃとはしゃぎながら、ゴディバなるチョコレートの液体を味わっていたが、しばらくすると様子が変わってきた。
あれほど浮かれていたのに口数が少なくなり、頬が火照っている。瞳も潤んでいて、ヤンマに向いた視線は少し揺れていた。
やはり、何かしらの薬品が入っていたのか。心配になったヤンマが腰を上げかけると、茜は肩を細かく震わせ、笑い出した。

「んふふふふふふふふ」
「…どうした?」

 ヤンマが上右足を伸ばすと、茜は力の抜けた動作で振り向き、ヤンマに飛び掛かってきた。

「ヤーンマッ!」
「うごほあっ!?」

 その体を受け止め損ねたヤンマは、ソファーごと引っ繰り返った。顔を上げると、茜はヤンマの胸の上に跨っていた。
その手には、しっかりとゴディバの小瓶が握られている。頬だけでなく首筋まで赤くした茜は、しなやかに身を曲げてきた。

「ヤーンマ」
「茜、お前、何がどうしたんだよ」
「だぁいすき」

 茜はヤンマに顔を近寄せると、頑強な顎の合わせ目を舐めてきた。

「おい、茜、どうしちまったんだよ?

 ヤンマが茜を押し返そうとするが、茜はヤンマの首に腕を回してきた。

「ヤンマにも、幸せを分けてあげるぅ」
「はい?」

 嫌な予感がする、とヤンマは動物的な直感に怯えていると、茜は小瓶に口を付けて液体を口に含んだ。

「んふふふぅ」

 茜は笑みを零しながら、ヤンマの顎に唇を押し当ててきた。舌と手で半ば強引に顎を開かれ、唾液と共に注がれた。

「ぐげえっ!?」

 途端に、ヤンマは戦慄した。確かに味はチョコレートだが、辛い、熱い、痛い。こんなものを内臓に入れたら焼けてしまう。
慌ててヤンマは顎を全開にしてチョコレート味の毒液を吐き出し、舌で出せるだけ掻き出してから、茜の顔を押しやった。

「俺を殺す気かぁああああああっ!」
「えー、おいしいじゃなーい」
「どこがだ! こんなもん、毒に決まってんだろ! 吐け、今すぐ全部出してこい!」
「えぇー、やだぁ」
「やだじゃない、本気でこれはやばいぞ!」
「えー、だいじょおぶだよおー」


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch