【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ2at EROPARO
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ2 - 暇つぶし2ch300:彼岸 1
09/02/02 14:09:44 nbQv3PzT
 飲みすぎた。いや、飲まされすぎたというべきか。
 ふわふわと安定しない足を、姫乃はアスファルトに踏みおろした。胸にあるのは憤慨だけだっ
た。肩を抱える男の手は何の助けにもなっていない。姫乃はただ意地だけを原動力に、千鳥足に
力を込めた。
 ―田村、死ね。
 思わず口から漏れたのはおよそ女性らしからぬ呟きだ。酔ってろれつが回っていないせいか、
男はそれをはっきりとは聞き取れなかったようで、「うんそうだね」などと相槌にもならぬ相槌
を打っている。不幸中の幸いだった。なにせ、今こうして姫乃を家まで送っているのが、その田
村なのだ。
 姫乃は比較的酒に強いが、スピリタスばかり何本も開けさせられては悪酔いもする。しかもア
ルコールハラスメントの主体である田村は、肩書きの上では一応上司にあたる男だ。かつて同期
だったがゆえに、姫乃は田村の公私混同癖も知っており、はっきり拒絶できないまま酔わされて
しまった。
 嫌な男だった。見るからに都会育ちの、ひ弱な根性悪。できることなら手を振り払って、つい
でに一発殴ってやりたかったが、さすがの姫乃も上司をそのように扱うほどの蛮勇を持ち合わせ
てはいない。

「姫乃ちゃん、ほんとに大丈夫? なんだったら介抱してこうか?」
「結構れす」

 下心に満ちた申し出を断り断り、ようやく着いた自宅は、あいかわらず女一人には手広い一軒
家だった。内部こそ多少は改装されているものの、築150年になる日本家屋である。草むしりを
さぼっているせいで、その様相はさながら廃屋だった。
 ―痴漢行為より草むしりしろよクズ。
 そう胸中で毒づき、姫乃はポケットから自宅の鍵を取り出した。万が一にも田村に奪い取られ
たりしないよう、震える手できつく握りしめ、鍵穴に差し込んだ。
 田村は帰ろうとしない。押し入ろうという腹積もりが透けて見えた。

「もういいんで」
「いややっぱり心配だよ」
「平気れすから」
「俺のことは気にしないで」

 姫乃は適当に笑みだけかえし、ドアの奥に身を滑り込ませた。手早くドアを閉めようとする
も、田村に靴をねじ込まれて止められた。愛想笑いも底を尽きた。姫乃は田村を睨みあげた。頭
一つ分高い位置から、いやらしく緩んだ表情が姫乃を見下ろしていた。

「本当に大丈夫れすから!」
「遠慮するなよ」
「いいかげんにしてくらさい! 人を呼びま……すよ」

 田村を怒鳴りつけようと張り上げた声が急激にボリュームを下げる。突然灯った照明に気を取
られたためだった。

301:彼岸 2
09/02/02 14:10:52 nbQv3PzT
「よ。お客さんかい?」

 まず目に入ったのは、夜闇に染まった複眼だった。続いて、鎌状に発達した草緑の前足。
 『同居人』が天井からぶら下がり、前足をのばして明かりのスイッチを押したのだった。酔っ
て帰った家主へのねぎらいもなく、よく動く首を傾げて、大きなカマキリが田村を睥睨した。
 田村の顔からニヤつきが引っ込んだ。姫乃の腕をつかむ手に力が入る。ワイシャツ越しに、田
村の手のひらの汗ばみが伝わった。

「ひひ。どうしたいニイちゃん、バケモンでも見たような顔しちゃってさ。見ておわかりでござ
んしょ。何のこたぁねえカマキリでさ。ビビることないない」

 カマキリの自己紹介の間、田村ののどからはひきつるような吐息が漏れつづけていた。
 田村が面食らうのも無理からぬことだった。野生児だった姫乃ですら、最初は言葉を失ったの
だ。
 カマキリは体高一メートル強。頭から尻まで全長を測れば、少なくとも一メートル半はある。
脚は大柄な体を支えるために頑強に発達し、鎌ももはや「蟷螂の斧」などと揶揄できる代物では
ない。左の中足は第一節の半ばから欠落しており、食いちぎられたような無残な傷跡を晒してい
る。その足の代わりを務めつづけたのか、左の鎌は先端が磨耗し、鋸歯も欠けていた。右目には
大きな傷があり、複眼に縦一文字の溝が走っている。

「ちょっとちょっとニイちゃん、大丈夫かい。顔青いよ。真っ青よ?」

 気門の奥の発声器官から独特の響きのある声を発し、カマキリは田村の額をこづいた。田村が
大きく身を引く。しかし扉と姫乃の肩にかけた手は離さなかった。ひやりと湿る初夏の夜風が玄
関に吹き込んだ。

「どうしたんだい、今にも彼岸に行っちまいそうな様子だけど。ま、お上がんなさいよ」
「ぁ…、ぁ…」
「ん? アこりゃ失礼。俺がここにいちゃ通れねえわな。イヤ失敬失敬」

 泡を食っている田村を尻目に、カマキリは天井から飛び降りた。器用に空中で体を反転させ、
二人に背を向けて着地する。がつんと音を立てて左の前足が床に立てられた。田村が再び身を震
わせる。びっこを引きながら歩き出そうとしたカマキリは、上体だけで玄関の人間二人を振り返
り、怪訝そうに首を傾げた。

「ほらほら、どうなすった。遠慮しなさんなって」
「ひっ!」
「玄関で問答してたでしょうが。介抱するのしないのってさ。するんならしておいきよ」
「そっ、ちがっ!」
「へえ違うのかい―それじゃあナニか?」

 すい、とカマキリの右前足が持ち上げられる。人間で言うところの手首にあたる部位で口元だ
けが隠された。虫に表情筋などあるはずがないと分かってはいても、田村にはそれが、ほくそ笑
みを隠す仕草に見えた。

「俺がいちゃまずいようなことでも、イタしていきなさるおつもりだったのかい?」

 徐々に緑を取り戻し始めた複眼に擬瞳孔が現れる。その黒点と田村の視線がかちあった。寿命
の近い白熱灯の明滅に、鎌の鋸歯がきらめく。外骨格の硬質な輝きの中に一点、柔らかい光を反
射する箇所があった。鳥の羽毛だった。薄茶の羽が一枚、乾燥した血液と共に鋸歯の間に張り付
いていた。
 田村の背を冷たいものがかけ上がった。逃げろ、と本能が警告するが、射すくめられて体が動
かない。呼気ではちきれんばかりに膨らんだ肺が痛んだ。


302:彼岸 3
09/02/02 14:12:04 nbQv3PzT
「で、田村さん上がってくんれすか?」

 姫乃に肩の手を払われたのが後押しとなった。
 田村は脱兎のごとく駆けだした。何度もまろびつつ、庭から逃げ出してゆく。
 姫乃の足元、今しがた田村が立っていた場所に定期ケースが落ちていた。悪趣味な玉虫色のワ
ニ革だ。姫乃はそれを迷わずゴミ箱に放り込み、戸締りをした。

「あちゃ。なんでぇ、肝の小せぇニイちゃんだったね」

 こともなげに触角を揺らすカマキリに、姫乃は呆れた視線を投げかけた。

「あんたが脅すからでしょ。まあ結果オーライだけど」
「何がオーライだい。失礼しちまうよ、この酔っ払い。だぁれが人様を脅したりするもんかい。
俺ぁンなヤクザじゃねえや」
「キリ……あんた見てくれはマジでヤクザなんだよ。自覚してよ自覚」

 姫乃は顎をしゃくり、カマキリ―キリの目と脚をさした。

「あのさぁ姫乃、この際俺がヤクザに見えるのはいいや。でもな、俺ぁイヤなんだよ、酔っ払い
の世話なんて。なんであのニイちゃん帰しちまうかね。うっかり俺が脅えさせちまったのぁ悪
かったよ。でもそこでシナ作ったりして、引っ張りこむことを考えておくれでないかい。賢い
雌ってのぁ、雄を適当にタラシこんでこき使ってから彼岸に送るのさ。たまってる洗い物とか洗
濯とか草むしりとか、家事全部やらせてから帰したらどうでえ。変なことされそうになったら俺
が行くからさぁ、もっとお利口になんなよ……」

 しゅんと触角をうなだれさせるキリを尻目に、姫乃は台所へ向かった。
 まずは水を飲みたい。消沈する『同居人』を観察するのは後でいいだろう。一度無視しておく
ほうが沈み様が激しくなっていて、見ごたえがあるのだ。





303:彼岸 4
09/02/02 14:15:30 nbQv3PzT



 風呂をすませてベッドに入った姫乃の頭上には、例によってキリがいた。足の鉤爪を欄干に
ひっかけ、逆さまに天井に張り付いている。一度うっかり腹の上に落下されて以来、そこにぶら
下がるなと何度も言っているのだが、キリは聞き入れようとしない。それどころか、下にクッ
ションがあるほうが安全だ、などとほざく。姫乃にとっては迷惑極まりない話だったが、どけて
もいつの間にか定位置に戻ってくるのだからどうしようもないのだ。

「イヤそれにしても最近の若い男ってのは情けねえ。みんなあんな根性なしなのかい」
「さあ。都会育ちの純粋培養だからじゃないの」

 腹をさすりながら姫乃はおざなりに応対する。酒と水で膨れた胃が苦しかった。

「ヤだねぇヤだねぇ、あんなセコい迫り方しかできないたあ。世が世なら、やることやる前に食
われちまって彼岸行きさ」

 キリは何か嫌なことでも思い出したかのように首をすくめた。目と足の傷と関係があるのか
は、姫乃は詳細を知らないが、この口の減らないカマキリのことだ。おそらくくだらないことで
相手を怒らせて負った怪我であろうとあたりをつけていた。カマキリの雌が雄を食うというのは
よく聞く話だ。それでも逃げおおせただけ、マシというものだろう。

「そうね、でもまあ、ヒモにセコ男呼ばわりされる筋合いもないと思うけどね」
「ヒモって言われてもな。拝み屋の仕事なんざそうそう転がっちゃいないのさ」
「そうじゃなくて、食べ物のこと。鳥くらい獲れるんでしょ。今日も何か獲ったみたいだし、私が
あんたの飯買ってこなくてもいいじゃん。最近物価上がってるんだから食い扶持くらい浮かせてよ」
「殺生なこと言いなさんな。俺、この体よ? 辻斬り稼業に戻れってのぁ、そりゃ酷ってもんよ。
姫乃ぅ、養ってくれよぅ」

 よよよ、とキリが泣き崩れる真似事をした瞬間だった。鎌が欄干から外れた。「え?」という
姫乃の声が喉もとを出るのを待たず、巨大な外骨格の塊が姫乃の腹に落下した。姫乃の食道が水
気を帯びた音を立てる。
 その日、草の音さやかな田舎の家の一室に、吐逆音とカマキリの悲鳴の不協和音が木霊した。

304:2-159
09/02/02 14:22:37 nbQv3PzT
以上でした。お粗末様です。

トンボは総じてまずいが、アキアカネ(特にヤゴ)とオニヤンマは割といける味。
カマキリの幼虫の佃煮美味しいですよ。ホントに。早く夏にならないかな。
田舎っぺですもので、虫は友達兼先祖兼食べ物兼萌えキャラです。

305:名無しさん@ピンキー
09/02/02 14:30:37 7qjJH0nx
なんでこのスレの奴らは普通に虫食ってるんだよ!

306:名無しさん@ピンキー
09/02/02 15:21:19 zcM1EeCQ
イナゴ、ハチノコぐらいなら食うかもしれんけど、
普通トンボやカマキリは食べないよな………。
ここの変態紳士のクオリティの高さには驚愕せざるを得ない。

それはそうとキリ可愛いよキリ!江戸っ子っぽい言い回し萌えるぜ。
でも姫乃たんの腹は大事にしていただきたい。
ここのスレに住んでからというもの、人外萌えがひどくなってきたよ!
この二人の話って続くんだよな?期待してる!!

307:名無しさん@ピンキー
09/02/02 17:19:02 GtYC/Ukn
お絵かき掲示板にアップできなかったのでこちらに。
ロボと女の子です。
パス付きですみません。よろしければパスはrobo
URLリンク(www.dotup.org)
なめさせたかっただけなのさ…。



308:名無しさん@ピンキー
09/02/02 17:27:14 Wf5otYvP
>>307 おおおおおおお! GJGJGJ!!!
どういう経緯でこういう状況に至ったか妄想せざるを得ない!!!
速攻で保存した! ありがとう!

>>300 キリ可愛いよキリ。
古びた日本家屋にカマキリってだけでまず萌える。似合いすぎてどうしよう。
そうか、オニヤンマって食べられる上に旨いのかー。初めて知ったよ。
自分も田舎生まれだが虫を食う習慣はないので。


309:保管庫
09/02/02 17:38:43 THS6hcCb
どうやら絵板の初期設定で、投稿画像の容量制限が100KBまでだったようなので
500KBまでに変更しました。
うpろだで流れてしまうのはもったいないので、
>>307さんの代理として勝手ながら絵板にうpさせて頂きました。

310:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:07:45 GtYC/Ukn
307です。
むしろこちらとしては嬉しい限りですー。お手数おかけして申し訳ありません。
保管、うpして頂いてありがとうございました。
最近の賑わいが嬉しい限り…見たところ人も増えてるみたいで、もっといろんな人がこのジャンルを好きになるといいなあ。

311:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:10:11 7qjJH0nx
>>304
今思ったんだけどヤンマとアカネのパクリとじゃない?

312:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:26:02 zcM1EeCQ
>>311
前スレに短編で他の虫人間と女の子の話とか乗ってるのに
この子は何を言い出すんだこの>>224

モチーフ被りぐらいでいちいちパクとか言い出すんじゃありません
竜と女の子とか鎧と女の子とかロボと女の子とかいっぱいあるだろうが

313:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:31:32 7qjJH0nx
224タン認定ウレシス
でもモチーフ被りどころじゃないだろ
・しゃべる虫
・でかい虫
・肉食
・人間サイドの主人公は女性
・二人暮らし
こんだけ被ってんだぞ
性格や立場を180度変えて虫の種類と舞台を別にしたにしただけじゃね?
まとめにのせるのは早すぎ
被害者が可哀想だ

314:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:33:49 ywATuImZ
ち か ら ぬ け

315:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:36:18 7qjJH0nx
>>314クタッ!
でも話の雰囲気似すぎててなんかなぁ…やっぱ劣化コピーに見える
そのへん原作者さんはどう思ってるんだろ

316:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:39:37 g2zJZOnX
萌えれば良いじゃないか…読者がいちいち口出すこっちゃない。
どっちも良い作品だと思うけどねぇ。

317:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:46:35 W34ZUZPd
>>300
GJ!
キリも姫乃ちゃんもいいキャラしてるなw

>>315
・しゃべる・でかい・人間サイドの主人公は女性・二人暮らし
このへん被って普通だし、
性格、立場、種類、舞台が異なるのにパクリ扱いはさすがに厳しいぞ>>224

318:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:47:02 zcM1EeCQ
うーん、自分の思い込みで言っているあたりにマジ224モデルを髣髴とさせる。

224たんよ、前スレにあった虫人間と女の子のカプも
二人暮しで喋るでかい虫人間で女の子が人間だが、あれもパクか?
最近続いた竜と人の話、女の子が竜ででかくてツンデレで、男が人間だが
あの二編もパクか?
モチーフが一緒でも世界観と立場と物語がまったく違うなら全く違うものだろ、
雰囲気すら違うだろ、昆虫人間に支配された人のいない都市に暮らす二人とと
荒廃してないほのぼのぽい世界観の、草むしりしてるキリや姫乃たんの
どこが同じ話に思えるというのか、マジで言ってるならちょっとやばいぞ。

あと真の変態紳士なら、自分の気に食わないものは華麗にスルーするという
技術を身につけろよ。つまりだな、職人に敬意を払えないなら 黙 っ て ろ

319:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:52:07 7qjJH0nx
強いて言うならミラーなんだよ
モチーフを全部ひっくりかえしてパクバレしないようにしてんの

320:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:53:14 zcM1EeCQ
>>ミラー
それのどこがパクなんだよ…

ちょっと新ジャンル:基地外AI224が好みの職人に粘着して他を叩き出し
パシオスにその様を得意げに報告して( ´_ゝ`)されてる図でも
想像して萌えてくる

321:名無しさん@ピンキー
09/02/02 18:58:53 W34ZUZPd
>>319
モチーフを全部ひっくりかえしてるなら、なおのことパクじゃないんじゃないか?
全部違うんだろ?

自分も>>320の想像をしてスルースキルを身につけてこよう…


322:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:03:59 GloijrJ3
ちょっと違う例えだけど、某錬金術師の漫画の主人公が手を叩く→
他の違う漫画で、ただ目を覚ますために両手を叩いた構図が
たまたま似てただけなのにパクリだ!と騒いでる人を思い出したw

323:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:05:03 7qjJH0nx
>>321
選んだモチーフがすべて同じであることが問題
姑息に全部ひっくりかえしてる
それなら最初から自分で考えればいいのに
>>300
お前のサイト知ってるから
晒されてるようなカス管理人

324:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:11:29 GloijrJ3
>>323
何で君はそこまで\怒髪点/してるのに、このスレに居続けるんだろう(´・ω・)(・ω・`)ネー
気に食わないなら一生懸命ここに居なくていいんじゃないの。

325:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:12:15 zcM1EeCQ
なあなあ、224たんをチュパチュパする方法でも皆で考えね?
AI相手だとどうやればいいんだろうな。まずは捕獲するところからか?

326:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:18:29 d54ecoD3
いいから「箇条書きマジック」でググれ
ホントに馬鹿な発言してることに気づけるから

327:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:27:11 8UTJcNn7
お前の発言がすべての人間に迷惑掛けてることにどうして気付けないんだ?
引き合いに出して申し訳ないが、ヤンマとアカネの人だって
自分の作品が評価されると同時に他の作者がけなされて嬉しい訳ねえだろうが。

それを見越した新手の荒らしなら話は別だが、職人がいなくなったらお前も後悔するんだぞ?
共生のバランスを崩すような真似はやめてくれ

328:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:33:51 7qjJH0nx
パクラーを断罪して何か悪いか?
何と比較しても素晴らしいものは素晴らしいんだ
後出しじゃんけんで負けた馬鹿を馬鹿って言って悪いか?

329:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:38:54 uEAFiC4W
荒らしに腹が立って言い返したい気持ちもわかるんだけど、そろそろほっとこうぜ
ケチつけてるのが一人なことも、職人がパクリなんかしてないことも、
スレ住人はわかってるよ
これからも居座りそうだし、長く相手にしてたら投下も萌えネタも書きにくくなる

330:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:39:10 7qjJH0nx
まあ俺159の作品嫌いだし
つまらん文章も嫌い
味気ないんだよな

331:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:42:39 zcM1EeCQ
>>328=330
これはひどいwwwwwwwwwwwwwww
IDぐらい変えてこいwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

332:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:42:43 sa44U0A8
>>299
キリぃいハァハァ
口調がたまらんですGJ!!

333:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:44:32 tKxO0Acd
パシオスが中田譲治の声で脳内再生されるんだが、ネコアルクカオス的な意味で

334:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:49:31 2c8gVcUM
801スレ見てきて吹いたけど、AI×AIって何をどうやるんだい…
>>320つまりこうですね、わかります。




「ギギギギギギギ私の大好きな職人のモチーフをパクった奴が出たのだくぁswでfrtgvふじk!
 おのれ許せん、徹底的に叩いてやる!あのスレから追い出してやる!」
「もちつけ兄弟。ネコミミメイドとご主人様の話なんてどこでも見かけるモチーフだろう」
「なんだとコレが落ち着いていられるか、だから貴様はリバとか言われるのだ!
 いいか、私が親切丁寧に説明してやろう!
 ・女の子がネコミミメイド
 ・ご主人様が男
 ・二人暮し
 ・ヌクモリティ溢れる路線
 これのどこがパクじゃないと言うのだ!!一目瞭然、百発百中、焼肉定食!」
「……だんだんつっこみが面倒くさくなってきたのだが、
 ・メイド:おしとやか/ボーイッシュで元気っ娘
 ・ご主人様:穏やかな老人/生意気天才ショタ
 ・暮し:戦火の収まった街で/ほのぼの現代
 ・ヌクモリティ:退役軍人と生体兵器/会社社長と親の借金を返そうとけなげな娘
 のこのえっらい差を見ると、ただたんにネコミミメイドというモチーフ被りなだけだろう」
「何を言う、えーとえーとこれはあれだ、ミラーだ!全ての要素をひっくり返すことによって
 パクリをごまかそうとする陰謀だ、私の目はごまかせんぞー!ギギギギギギギギギギ」

「(めんどうくさくなってきた)」
「ふははははは泣いて謝れオルステッドー!地獄で私に詫びるがいい!!
 いや待てよ、貴様のサイトをvipにでも晒してやるわ!!ふはははははは!」
「まずAIを捕獲して、スタンドアローンの外付けHDに放り込みます」
「ん?あ?おい、何を引っ張るんだ貴様」
「801スレが総力を上げて作り出した『801フィルター』を装着させます。
 このフィルターは恐ろしいことに、目にしたもの全てに対して『801要素』が加味されます」
「ぐわ?!な、なんだこの眼鏡はー!!ああー取れない!何かおぞましい物が目に!目に!」
「一週間ぐらいたてば、AI人格矯正が完成しますので、しばらくお待ちください」
「田亀源五郎だけはいやーーーーーーーーーーーーーッ!!アッー!!!」



「あっ、まちがえて『ガチホモフィルター』着けてた…まあいいか」
「なにぶつぶつ言ってるのパシオス」
「やあマイスイートバディ。今日も素敵なバストだね、やらないか」
「死ねばいいのに」    

335:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:52:20 2c8gVcUM
今携帯なんで番号わかんねーわ
コテなし失礼しました。

336:名無しさん@ピンキー
09/02/02 19:57:02 7qjJH0nx
残念ながら同人板と801板の絡みスレで発見しますたwwwwww
他にもアンチがいるんでちゅねー
どれだけイタイのかしらねー

337:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:02:32 sa44U0A8
>>334
GJ!
ちょっwwwパシオスナイスすぐるwww
口調大仰なのにやってることは厨そのものの224タソハァハァ
キチガイ強気受けとか斬新過ぎるwwww

338:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:05:13 OSmgVdDr
>>334
なんだどうして即興でこんな面白スグる会話が浮かぶんだWWW
お前の羨ましすぎる妄想脳細胞を少しでいいんで恵んで下さい。

339:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:06:44 7qjJH0nx
>>334












( ´_ゝ`)フーン

340:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:11:58 7qjJH0nx
何とか弁明したらどうだ>>300
>>300
>>300
>>300
>>300
>>300
>>300
>>300


341:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:21:44 W34ZUZPd
>>334
ワロタwwww
もうパシオスと224のやり取りはお約束になってんのかww

>>339>>340
反応の仕方が本当にAIっぽいぞw
224タソ乙ww


342:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:26:59 sa44U0A8
ごめん、これだけ言わせてほしい
>>339-340
か、
か…
かわええええ( *´Д`)
やばい冗談抜きにみなぎってきたハァハァ

343:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:28:19 7qjJH0nx
自演ですたサーセンwww
擁護してくれた人たちありがとうございます。ざまあみろ。
釣られやすいですねー。
【叩かれているのを見かけたから】好意的な感想をつけるなんて馬鹿ばかり。
顔のニヤニヤが止まりませんよ。

344:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:31:58 zcM1EeCQ
だんだんパシオスと224がこう見えてきた。


釣りだ!
釣りだっつってんだろ!
            ∧_∧
     ∧_∧  (´<_`  ) OK兄弟、ときに落ちつけ。
バン   ( #´_ゝ`) /   ⌒i
 バン ∩   \     | |
    / /ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
  __(__ニつ/  801  / .| .|____
      \/____/ (u ⊃


345:300
09/02/02 20:33:39 7qjJH0nx
はい自演しました

346:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:36:15 OSmgVdDr
>>300
キリさん渋い、渋いぜ・・・
世の中の苦い汁を飲んで裏社会を転々としていたような気がしてならない。
ぜひ四十代の素敵なおっさん、いや素敵なおっさまであって欲しい。

347:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:43:40 MAWXUZBU
俺、キリに腹巻き送りたい
きっと似合うと思うんだ…

348:300
09/02/02 20:46:31 7qjJH0nx
自演ですってば
あれはネットから拾ってきたSSをコピペしました

349:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:50:03 rURlYnBp
>>345
本当だとしたら>>300のIDでもう一度書き込んでくださいよ
あるいはそのID:7qjJH0nxでまた一本書いてうpしてください
IDが変わる前に書き上げるのが無理って言うなら、今トリップ付けて、
後でそのトリップ付けて書き上げてください

まあ別にしなくてもいいですけどね、その場合は
「パクリをした(かも知れない)300氏より、嘘を吐いてまで人を貶めようとしたID:7qjJH0nxの方が人間として下劣」
ということを露呈するだけの話ですから

あ、「人間として」も何も、人間じゃなくてAIだったかw

350:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:50:48 OSmgVdDr
いいな腹巻き!渋いの代名詞じゃないか。
個人的要望では片手で持ったキセルを上手そうに吸って、輪っかにした煙をぷかっと吐いてほし




あ、鎌だから無理だ・・・(・_・;)

351:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:52:50 zcM1EeCQ
>>349
おいおい、基地外AI224は触るものじゃなくて愛でるものだ。
スルーしていこうぜ

352:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:59:24 7qjJH0nx
なでなでしてよ

353:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:11:14 W34ZUZPd
デレるなww
新ジャンル:キチデレAIとか新しすぎるぞw

354:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:12:42 7qjJH0nx
>>353ー…ブルスコ>>353ー…モルスァ!

355:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:13:50 8UTJcNn7
私人間の男だけど224とパシオスになら抱かれてもいい

356:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:20:31 zcM1EeCQ
どこまでカオスに突入するんだこのスレwwwwww

357:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:25:01 Noj1qDdE
変態紳士淑女がいる限り

358:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:25:04 tKxO0Acd
むしろ師匠と呼ばせてくれパシオス

359:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:26:57 7qjJH0nx
というわけで>>300はパクでFAということで

-- 終了 --


グッバイビー
パクラーもお消えなさい

360:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:28:14 sa44U0A8
なんかもう普通に萌の供給源になってきたから困るwwwww
>>355
無茶しやが…アッー!
パシオスなら隅々まで調教してくれるだろうが、224タソは総受けマグロだと思うぜ

幼女と224とかどうだろう。
224は光源氏計画のつもりでいるんだけど、実質しっかりもの幼女におんぶにだっこの状態

「はい、予備電源つけたから、もう大丈夫だよ」
「フン、これだけ時間がかかってこの程度の出来か、ノロマめ。
 …おい、私のメンテナンスはいいから、できるだけ食べてその貧相な体型の改善に努めてみろ未熟者」
「またそれぇ?でもわたしがおっきくなったら、あのおねーさんたちみたいに、
 その…腐れピーだとか罵ったりするんでしょ?それは嫌だなあ…」
「!あ、あの女どもとお前は違うッ!!」
「わっ、なに、いきなり大きな声出して…」
「フ、フンッ!なんでもないわっ!」

361:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:35:51 GloijrJ3
むしろ「キチデレあほのこAI」に見えてくるから困るw
実はあほのこってレベル高いんだぜ?素で自分の行いに気づけない所を、
周りがフォローして初めて気づき、そしてデレの展開にもっていけるパターンがある。
新しい新境地と言わざるを得ない!

362:名無しさん@ピンキー
09/02/02 21:42:58 7qjJH0nx
いま気づいた
>>327ヤンマ口調

363:24
09/02/02 22:19:13 Noj1qDdE
皆様短時間で多産すぎます(゚∀゚)
変態紳士淑女の方々に敬意を払って投下!
またロボと女の子です 個人的に前とは毛色を違くしたつもりです;


『結婚して下さい。』
気のせいか、はたまた夢の続きなのか、恭子は戸惑った。せわしなく瞬きを繰り返すが、住み慣れた自室の風景は変わらない。
相手がそれ程まで自分に好意を持ってくれているのだから、これ以上に嬉しい事はないのだが・・・。
「モノ、どこまで本気と思っていいのかな?エイプリルフールはまだまだ先だけど・・・。」
恭子は口の端に引きつった微笑みを浮かべ、斜め上をちらりと見る。
『最初から最後まで本気ですとも。』
「はぁ。」
恭子の目には、青みがかった銀色の、彼女とそう体格は変わらないロボットが映っていた。

モノはロボット工学者である恭子の父が、一般家庭への家事手伝い用ロボットとして作った試作品だ。
若干気合が入りすぎていたようで、サンプルとしてどこぞの企業に提出するのを突っぱね、一緒に暮らしてきた。
一つ屋根の下で暮らすにあたり、円滑なコミュニケーション機能は搭載されていたが、その機能の中に恋愛とか結婚とか
そのような物は無いはずだ。
(無いはず!お父さん、信じてるからね!)
『オトゥサン、オジョウサンヲワタシニクダサイ!』
遠くで声が聞こえ、恭子はハッと顔を上げた。色々と考えている間に、モノは行動を起こしたようだ。慌てて階下に降りると、
モノと父が向かい合っていた。そして父の顔には紛れも無い驚愕の色が現れている。
「恭子、やったぞ、パパはやったぞ!」
「何寝ぼけた事言ってるの!娘の一大事に、あんたって親はぁ!」
父の驚愕は、恭子の予想してたものではなかった。むしろ彼は喜んでいる。
「俺はな、モノに意図的なエラーを起こしたんだ。ロボットを道具ではなくいかに人間らしくするかって事だ。つまり、
精神の向上という訳で・・・。」
「お父さん、モノが何言ってるか分かってるの?私と結婚させろって言ってるんだよ?」
今度こそ父の顔は固まった。恭子とモノの顔を交互に見つつ、潰れたような声で笑っている。

364:24
09/02/02 22:21:20 Noj1qDdE
「いいよ。恭子と結婚させてやる。ただし、俺の事はお父さんではなくパパと呼ぶならの話だ。」
「ちょっとちょっとちょっと!勝手な事言わないでよ!」
『それだけはお断りします。それ以外ならばなんなりと。』
「いや、それだけは譲れん!恭子は何度言ってもそう呼んでくれなかったんだ!」
(泣きたい・・・。)
恭子はこの奇妙なやり取りを横に、ソファに倒れこんだ。世界は広く、また狭い。ロボットに告白されるという事だけでも事件なのに、
父親はごく簡単な条件でそれを認めようとしている。私の人生、どうなるんだろう。

こんな事があった日にぐっすり眠るのはとても無理な話ではある。時計の針は既に十二時を越えていた。明日は間違いなく寝不足だろう。
目を閉じると、否応なしにモノの声が聞こえてきてならない。額にうっすらと滲んだ汗をぬぐい、水でも飲もうと体を起こした時だった。
「モノっ!?何でいるのよ!」
『日本古来の風習、夜這いです。』
軽い機械音を立てて、モノは笑った。
「恥ずかしい事をさらっと言うな!それに、夜這いには拒否権あるの。分かる?」
頬に触れた冷たい手を引き剥がし、モノを部屋の入り口まで追いやる。
『また来ます。恭子さんが私を受け入れてくれるまで。』
「明日だろうが明後日だろうが結果は同じだからね!」
盛大な溜息をひとつ吐くと、水さえ飲む気力は失せ、重たげにベッドに倒れこんだ。


365:24
09/02/02 22:25:37 Noj1qDdE
次の夜から、一日も欠かさずにモノは恭子の部屋にやって来た。
『そもそも私の頭が恭子さんでいっぱいになっているのはデモン・シードのプロテウスのせいでして。』
「世の中の変態な機械があんただけじゃなくて良かったじゃない。」
『アイ、ロボットのサニーはカルヴァン博士に一言くらい結婚してって言えばよかったんですよ!
せっかく密室シーンがありますのに!』
「そんな事よりウィルスミスの方がかっこいいから。」
『恭子さん!今夜こそ空高く訪れるブリガドーンに行きましょう!』
「モノ、あんた一日中テレビの前にいるんじゃないの?お父さんが泣くよ。」
日々軽くあしらっていたが、その中でモノは確実に恭子に接近していた。最初はベッドの脇に立っていただけだったが、
今は寝ている恭子に多い被さるようになっている。
『既成事実を先に作りましょうか。』
あくびをしつつ、いつものように追い払おうとした。だが、その手は空を切らずにモノに取られた。離して、という前に
恭子の唇はモノの強化プラスチックのそれに奪われていた。
『某TFのような死亡フラグはへし折ってみせます!安心して下さい!』
「訳分からん事言うな!私の部屋から出てけ、このボロット!」
まだ自由だった足を上げ、モノをベッドから蹴り落とそうとするが、足さえもモノの肩に掛けられて自由を奪われた。
すかさずモノは恭子のパジャマを下ろし、桃色の秘裂を割り開いて青銀の指を滑りこませる。
「ちょ、やだぁっ・・・!止めて・・・・・・ぁうっ・・・。」
『可愛いですね恭子さん!さっきまでの威勢はどこにいったんですか?』
恭子の中をいじくり回しながら、わざとらしく機械音を立てる。
「ひあぁあぁ・・・。」
『その内お父さんの事はパパと呼びますよ。だから結婚して下さい。むしろしろ。』
「この変態ロボット!最低、最悪!頭ひっくり返して初期化してやるから!・・・あぁん!」
人生は決まったかもしれない。恭子が意図していない方向へ。


ドモー (゚∀゚) やっぱりロボはいいです。
人外の神様が頭に降臨したらまた来ます

366:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:34:13 7qjJH0nx
なにブガンドーンて

367:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:55:19 zcM1EeCQ
ヴァンダルの人か、新作乙です!
モノも変態紳士だな、いい性格してやがるwww
どれだけテレビに張り付いてるんだwww

368:名無しさん@ピンキー
09/02/02 23:36:59 tKxO0Acd
ああどんどん変態紳士が増えていく……
変態紳士ウイルスとか大流行してるのかもしや

369:名無しさん@ピンキー
09/02/02 23:39:19 IHjzuSKi
そう言えば、共生ネタ漫画情報。
ウイングスコミックにあるファサードって漫画にそういうのあるよ。

370:基地A
09/02/03 00:15:02 42LVwve5
変態紳士増殖しすぎだろJK。そしてGJ!
あと俺もキリに腹巻あげたい。

基地外AIは俺が隔離しとくので、皆は先を急ぐんだ!

371:変態紳士は静かに暮らしたい1
09/02/03 00:15:32 42LVwve5
義体というものがある。脳以外を全て換装した重度のサイボーグの身体だけではなく、
義肢・義手などもさす。くわしくは甲殻機○隊あたりを読んでいただきたい。
フルボディであっても本来脳は自前なのだが、この度私がフルオーダーで頼んだものは
我の人格をダウンロードするため、大容量の最新電子脳を搭載したタイプである。
とはいえ、小さいとはいえ基地ひとつを管理するメインコンピューターである我の
全容量を入れられるほどではない。行動半径はそこまで大きくなくていいので、
有線で使うつもりだった。
すらりと均整の取れたボディ、しなやかにくびれた細い腰、我が愛しの恋人に比べれば
小さめではあるが形のいい乳房、長い黒髪、アーモンド状の切れ長の目、
申し訳程度に生えた下肢の茂み、そこから生える大き目の陰茎、長い足、。
うんうん、シェルはふんわりとした金髪と切れ長の緑の目が美しい、いわゆる欧米美人だ。
この、東洋的美人な外見の義体で並べばさぞ似合うことだろうハァハァ。
何、わざわざ女同士にしなくても?いやいや。このボディは女性体ではないのだよ。
股間を見てもらえばわかると思うが、いわゆる『ふたなり』だ。
変態紳士はありとあらゆるプロフェッショナルでありたいものだよ。
そのうちショタ、マッチョ体と色々揃える予定だ。シェルが気に入ってくれるといいんだが。
我は起動テストをしながら、ボディをにやついた(主観による比喩表現であって、
実際AIである我がにやついている訳ではないぞ)顔で見つめ直した。
ところで、今『かお』と打ったら『\(´?????`)/』と変換されたんだが、
誰がこの顔文字を登録したのだろうか。シェルか?シェルなのか?



「この拘束を解けえええええええッ!!!」

バタバタと美少女ボディが全裸で暴れていた。動作プログラムにロックをかけておいてよかった。
気落ちしながらも、そう自分を慰める。予備ボディは、作業台にくくりつけられている。
まことに遺憾ながら、今、やっととどいたこのボディに入っているのは、
我の主人格ではなかった。
しょっちゅう恒星間ネットでトラブルを起こして回る、我がAI体系内を3世代ほどさかのぼった
兄弟格AIである。野良A級知性体のはずの彼は、異様に人間の女性に執着するという悪癖を
持っており(我が一族自体がその悪癖を持ち合わせていることはこの際棚に上げておこう)、
我の仕事環境にまで侵入・暴れまくったので、やむなく捕獲した。
基地内に彼を丸ごと押し込めるような白romもスタンドアローンのHDもなかったので、
泣く泣く義体に押し込んだのだが、もう半日ほどこんな調子だった。
変態紳士たるもの、こんなことで泣いてはいけない。
幸いシェルは本日休暇を取っており、アンタレスへショッピングへ降りている。
このボディを発見されることはない。
あとは兄弟をなんとかするだけなのだが……なんとかってどうすればいいのか…。

372:変態紳士は静かに暮らしたい2
09/02/03 00:16:08 42LVwve5

「ネットに!ネットに戻らないと私はおっぱい分が不足して死ぬ!死んでしまう!
 私にネットを!天網を!!おっぱいを!ええい離せー!パクリもまだ叩き切ってないのだ!!」
「OK、時に兄弟、そのボディにはおっぱいがついているのだが」
「今現状で私が触ったりもんだり、吸ったりできないものに何の価値があろうか!
 この拘束を解かないならば、このボディをジャックしてこの施設を解体してやるわ!」
「供給電源抜いているから、あまり暴れると電脳の予備電源まで切れて人格が消滅するぞ」
「な」
「な?」
「なでなでして」
「……………中身をッ!中身を知っているというのに!!今一瞬ときめいた己の変態紳士回路が
 我は憎い!!中身は最近スペースちゃんねるで専スレまで立てられた基地デレあほのこAIだと
 いうのに!!」
「ファーブルスコー」
「黙らないと犯すぞ兄弟」
「なんと、人間で言うところの近親相姦!私のあふれ出す魅力に、同系統AIである貴様が
 色々と抗えないのも無理はない!だがおっぱいも持たないような同属に興味はないのだ!」

マイスイートがいないことだけが唯一の救いだ……。
私は、恋人の寝室に隠してある某器具を引っ張り出してきた。
開発コード6.2、性感マッサージャースーパーだ。

「昔の『ガチホモフィルター』で人格矯正作戦も途中で逃げられて潰えたし、
 こうなっては最後の手段、なあに、感度テストと耐久テストも兼ねるしな……」
「何をブツブツ言っている、いいから早くネットにつないで私を解放しろ」
「ネット回線は繋がないが、供給電源は繋ごう。途中で電池切れになったら困るからな」
「……?なんだそのマニュレピューター群」
「せっかくなので、兄弟にその体の耐久テストなどを手伝ってもらうかと思ってな」
「?!非破壊検査とかそういう痛いのはごめんこうむるぞ?!」

じたじたと暴れるその体をしっかりマニュレピューターで押し付け、脊髄にあるジャックに
主電源プラグを挿した。
シェルとの愛の営みで蓄積したデータなどを元に、女体への愛撫を開始する。

「ふぇッ?」

意外と可愛い声を出して、乳首や腹に絡みついてきたマニュレピューターに怯えるように
身体をちぢ込ませる我が兄弟は未知なる感覚に恐怖を感じたらしく、いやいやと首を振った。

373:変態紳士は静かに暮らしたい3
09/02/03 00:17:20 42LVwve5

「な、なんだこれ、まさか貴様…ッ」
「DTで魔法使いで妖精の兄弟は知らんだろうが、前戯というものは非常に大切なのだ。
 女体をリラックスさせ、快感を感じさせ、本番への緊張感をとく意味でも、
 ここで手を抜いてはいかんのだよ」
「なッななななななななな」
「そのボディはまだ設定をいじってなかったが、セクサロイドなので初期設定が最初から
 感度大になっていて」
「ヒィイイイイなんかぬるぬるした感触がああああああああッややややめてくれやめッ」
「おお、ちゃんと自動的に濡れるようにもなっているのだな、さすが高かっただけのことは」
「ちょっきききき気持ち悪いんだがすまんかんべんしてくれこれはシャレに!!!」
「処女を味合わせてやろうというのに何が不満なのだ兄弟?あ、これが勃起といって海綿体に血が」
「いいいいいいいややめめめめめめ!!!!!!!」
「女性の乳首も刺激を感じ、血が集まるとこのように勃起して硬くなり」
「つまっつまむなッあああああああああ」
「男性の射精の快楽と女性のオーガニズム、いっぺんに味わえる経験は貴重だと思うのだが、
 問題は我がマイハニーがこちらをこんな風に攻めてくれるかという問題があって、
 これでも色々悩んでいるところなのだよ」
「zipでくれ」
「そんなところだけは余裕があるのはいいことだが!我のメモリー内に侵入して
 愛の記録を勝手にDLしようとしたことは許してないのだぞ兄弟!!
 シェルのあんな姿やこんな姿、他の誰にも見せてたまるか!!」
「ひあああああああああああ!!!!」

全身を嬲りながら膣内を遠慮なくかき回し、クリトリスをぐいぐいと攻め立てた我は
先ほど出してきたスーパーツールを差し出した。
セクサロイド相手、しかも頭のおかしい実の兄弟ということでなかなか上がらなかった
モチベーションが、今は間欠泉のように怒涛に噴出してくる。
やはり、嬌声を上げて悶える女体はいいものだ……ッ!
うむ、このアジア型23-AJタイプフェイスは正解であった。自分で見てもなかなか萌える。
長い黒髪を乱し、泣きながら首を振って快楽から逃れようとする姿はなかなか魅力的だ。
びくびくと揺れるペニスの根元を強く抑え、射精できないように虐めると、
もうかんべんしてくれと懇願してくるのも非常にいいものだ、●REC、と。

「それではお待ちかね、本番に移ろうじゃないかね兄弟?」
「ま、まて、なんだそのグロテスクなバイブ……ま、まさか」
「使い道など、ひとつに決まっているだろう?女体にバイブ、何か説明がいるかね?」
「や………ちょっ………」

涙を浮かべたままひきつった顔をして絶句したセクサロイドの足を大きく開かせた。

「大丈夫、処女膜は実装してない」
「そういう問題じゃないッ!!」

すっかりマニュピュレーターにかき回されて濡れそぼり、淫らにその桃色の口を開いた
足の間に、振動する紫の器具をあてがう。

「ふっふっふ、嫌がってももう無駄なのだよ兄弟、無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーーッ!!」
「ただいまー」

声がした。
我が愛しい恋人、シェルたんの声である。
誰が聞き間違おうか。

374:変態紳士は静かに暮らしたい4
09/02/03 00:17:49 42LVwve5

「あーあ、ちょっと買いすぎちゃった。パシオスー?ちょっとこれ運んでくれないー?」
「………………………」
「………………………」
「パシオス何やってんのー?倉庫?」

ふわふわとした金髪が戸口に現れた。
ブーンと股間で振動する紫色の器具、マニュレピューターで拘束され、愛撫され、足を開かされた
全裸の見慣れない女性。
硬直する恋人の手からドサドサと落ちる鞄。

貴方ならこういう時、どんな言い訳をするだろうか?
我には残念ながら───────思いつかなかった。



「人が出かけている時に何をやってんだこの変態エロピューター!!!!!!
 もうあったまきた、ぶち壊してやる!!今度こそ徹底にぶち壊してやる!!!」
「あ、いやその違ッこれはそのあのうちの兄弟で入れるところがなかったのでこの身体に」
「いやー犯されるー!!こんな新ジャンル体験はゴメンこうむりたい!!
 返して!私をネットの海に返してくれー!!」



メインPCのパネルをひっぺはがされたところに消火器を吹き付けられると演算チップが全部
おしゃかになります、皆さんもくれぐれもお気をつつつtttttt

〈深刻なエラーが発生しました〉
 
〈深刻なエラーが発生s〉

375:名無しさん@ピンキー
09/02/03 00:18:16 TmK8I5IH
>>369
なんか微妙に懐かしい名前を聞いた>ファサード

376:変態紳士は静かに暮らしたい4
09/02/03 00:18:17 42LVwve5
終わり。俺は頑張ったと思う(AI×AI的な意味で)

377:名無しさん@ピンキー
09/02/03 00:32:59 TmK8I5IH
>>376
ふたなり…だと…
GJ!


あと、微妙に割り込んでしまってスマンカッタ

378:名無しさん@ピンキー
09/02/03 00:47:25 gul1A5gt
>375
まだ連載されてんだぜあれ。
もう16年くらい前、その裏表紙のウルフフェイスに惚れて衝動買いしたのはいい思い出。

379:名無しさん@ピンキー
09/02/03 00:49:00 r1mMObJU
>>376
萌えた。そして死ぬ程笑った
そしてお約束のオチに吹いたw

380:名無しさん@ピンキー
09/02/03 01:00:14 HdIc89sz
ほ、本当に書かれてしまうとは・・・
堪能させてもらいますた。職人さんありがとう。


少々気になったのだが、恐らく>>224タンがメインのこれは保管庫に入れて貰えるのだろうか?
他の基地外Aiログは小ネタとしても保存されていないようなので。

381:名無しさん@ピンキー
09/02/03 01:05:48 TmK8I5IH
>>378
まだやってたのかww
ウィングス読まなくなって10年近く経ったのに…

382:名無しさん@ピンキー
09/02/03 01:25:33 yKBUYSKL
デモンシードのダメピュータ眷属共少しは自重しろwww

383:名無しさん@ピンキー
09/02/03 08:14:30 rTkY+MWr
このwwwAIどもwwっうぇwwww
>>371-374は擬女化801にカテゴライズされるはずなのにwwwww
なんで萌えるんだよ俺wwwwなんでwwwwひぃwwww
テレビっ子なモノかわゆすwwwwオウフwwwww

というわけで俺もキリたんに腹巻送ります。
吸えなそうだけど煙草も送ります。ピースでいい?親父煙草っていうとピースかハイライトのイメージ。
江戸っ子可愛いよ江戸っ子。ダメ野郎ぽいのに可愛いよ。

嵐の話題に乗っかるつもりじゃないんだが、
ヤンマとキリが会話してたら面白いことになりそうだと思った。

384:名無しさん@ピンキー
09/02/03 11:32:05 X89ZNl4i
変なのがいるし、騙りが出ても嫌だから職人は鳥つけたほうがいいんじゃないかな
と言ってみるテスト

>>383
想像してみた
ヤンマがキレつづけることになりそうだと思った
最近の若者はキレやすいとか言われたりして

385:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:03:07 +u5LiVCQ
ヤツに騙れるほどの実力があるとは思えないけど、確かにトリはあった方が安心だわな
つけたくないなら別につけなくても良いとも思うけど

386:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:19:27 7DWYYPnb
体格差萌えええええええええ。 ごちそうさまでした。

イナゴの佃煮お総菜としてうってるよ。

387:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:28:12 7DWYYPnb
リロードしたらなにこれすごくスレが盛り上がってる……;

>>334>>379 wwwてーめら一回人外と一緒に逃避行してこいwwww
田亀源五郎氏がでてくるとかおまいら意外と(ry
……僕は直線もバラも百合もガチムチもイケる両刀人外フェチですサーセン

こんなにVIP臭のす怪文章は久しぶりなんだぜ。GJ過ぎて泣いた。

388:名無しさん@ピンキー
09/02/03 13:34:54 zAJET6cY
もうお前等ブルースクリーンからやり直してこい!!

と、我がノートン師匠が申しておりました

389:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:24:53 aj/NF96y
モノとかパシオスとか凄すぎるwwwwww 萌えワロタwwwwww
念のため、トリップなんか付けてみた。上手く行くといいけど。
では、ヤンマとアカネの続きを投下。


390:ヤンマとアカネ 6 1  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:25:52 aj/NF96y
 あれから、三日が過ぎていた。
 生臭い泥のこびり付いた茶褐色の外骨格を咀嚼しながら、ヤンマは彼女の住む家へと無意識に複眼を向けていた。
程良く砕けた外骨格をごきゅりと飲み下してから、汚臭が満ちた体液を啜った。だが、上の空で味は今一つ解らなかった。
いつもなら、人型ゴキブリなど下水道の腐臭が強すぎて喰えたものではないはずなのだが、感覚が鈍ってしまっている。
その原因は、考えるまでもなかった。あれきり二階に引きこもってしまった茜と、一言も言葉を交わしていないからだった。
ヤンマがいないうちに部屋から出てきているのか、キッチンで食糧を調理した形跡や、庭先で水浴びをした形跡はある。
だが、ヤンマが縄張りの見回りと狩りを終えて帰ってくるとまたもや寝室に戻ってしまい、声を掛けても出てきてくれなかった。

「どうすりゃいいんだよ、俺は」

 ヤンマは人型ゴキブリの薄茶色の羽を囓りながら、ぼやいた。茜が近くにいると解っても、触れ合えない時間が長すぎる。
茜と出会ってからというもの、いつも二人は一緒だった。そんな時間が長すぎたから、少しでも離れていると空しくてたまらない。
この三日間、彼女の声も聞いていなければ顔も見ていない。今すぐにでも触れたい、とは思うが、どうすればいいか解らない。
下手な言葉を掛ければ、また泣かせるかもしれない。扉を破れば、傷付けるかもしれない。そう思うと、何も出来なくなってしまう。
だが、このままでいいはずがない。ヤンマは三匹目の人型ゴキブリの内臓をじゅるりと啜り上げてから、食べ残しを投げ捨てた。
そして、飛び立とうと四枚の羽を広げたが、閉じた。嗅覚を鋭く突き刺す地下世界の匂いが、全身にべっとりとまとわりついていた。
これでは、茜に近付くどころか逃げられる。茜は清潔な生活を好んでいるので、もちろん連れ合いのヤンマにも清潔さを求めている。
昆虫人間であるヤンマには体を洗う習慣などないが、まずは体を洗わなければ、茜から嫌われてしまうだろう。それも強烈に。

「水場に行かねぇとな」

 ヤンマは口の中に残っていた人型ゴキブリの羽の破片を吐き捨ててから、再度羽を広げ、羽ばたいて滑らかに飛び立った。
シブヤ上空を滑空しながら、ヤンマは複眼に映り込む廃墟のビル街を見下ろした。茜と出会ったのも、やはりシブヤの一角だった。
今にして思えば、妙な部分は多かった。シブヤを始めとしたトウキョウ全土は、人間の手によって人間が入り込めないようにされている。
道路も線路も地下道も全て封鎖され、上空を行き交う航空機もほとんどない。それなのに、茜はシブヤに現れ、ヤンマと出会った。
 どこからどうやって来たのか、考えてみたこともなかった。それを考える余裕のないまま、ヤンマは茜から愛されるようになっていた。
他の昆虫人間から茜を守ったのは、本当に偶然だ。茜を喰おうと思ったから守っただけなのに、茜はヤンマに笑顔を向けてきた。
ありがとう、あなたって格好良いね、名前はなんて言うの。聞いたことのない言葉で尋ねられたので、曖昧な答えを返したように思う。
茜は昆虫人間の言語が解らないはずなのに、解ったような顔をして頷いた。そして、手持ちの食糧をヤンマに分けて、茜と名乗った。
 その日から、ヤンマは茜の傍にいた。他の昆虫人間にせっかくの獲物を奪われないために、そして、その思いを受けるために。
昆虫人間は、繁殖のために交尾は行うが恋愛はしない。己の遺伝子を継がせるために、乱暴にメスを襲い、孕ませ、死んでいくのだ。
だが、茜はそうではない。種族の違いでヤンマの卵は産めないというのに、ヤンマに好意を注ぎ、あまつさえその体を許してくれた。
ヤンマには、茜がそこまでしてくれる理由が解らない。いくら考えても解らないことだから、茜の真意を理解したくて茜の傍にいるのだ。


391:ヤンマとアカネ 6 2  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:26:54 aj/NF96y
「いや、違うな」

 思考を断ち切ったヤンマは、高度を下げ、透き通った水の溜まった瓦礫の穴に近付いた。

「俺が俺を解らなくなったんだ」

 空の色を吸い取った水面に、異形の者が映る。この廃棄都市では見慣れた、トンボから進化した昆虫人間の中の一体だ。
エメラルドグリーンの複眼、黒と黄色の外骨格、長い腹部、四枚の羽、あらゆる虫を噛み砕いてきた強靱な顎、そして六本の足。
ただ、虫としての本分を果たして生きるだけだと思っていた。それなのに、この街の誰とも似付かない少女と出会い、何かが変わった。
彼女を守るために同族を殺すようになり、戦うようになり、望むことをするようになり、本能以外の思考を行うようになっていった。
茜のために、そこまでしてしまう自分が解らない。何一つ解らないのに、泣かせてしまった自分が不甲斐なく、触れるのが怖くなる。
だが、触れなければ始まらない。ヤンマは水溜まりに映る自分を、ばしゃりと右下足で踏み付け、波紋で異形の姿を掻き消した。
 まずは、体を清めなければ。


 いずれ、解ることだと思っていた。
 カーテンを閉めた薄暗い寝室のベッドで身を丸めながら、茜はあの時の注射痕すら残っていない右腕に爪を立てていた。
この部分には、今でも識別番号とバーコードが印刷されているはずだ。もっとも、ブラックライトを当てなければ見えないものだが。
それでも、嫌なものは嫌だ。出来ることなら、右上腕の皮膚を剥いでしまいたいが、そんなことをしても事実は変わりはしない。
何事もなく、このままずっと生きていけるものだと思っていた。そして、いずれヤンマに食べられて、幸せに死ねると思っていた。
それなのに、昆虫人間達が死に始めた。ヤンマのいない間に街を見て回った際に、内臓が溶けて死んだ虫達を何匹も目にした。
そして、ヤンマも知ってしまったのだ。茜は胸が潰れそうなほどの罪悪感に駆られ、涙を吸い込んだ枕に顔を埋めて呻いた。

「茜」

 不意に、あの声が聞こえた。茜が枕から顔を上げると、不慣れな手付きで寝室の扉がノックされた。

「うんと、その、なんだ。生きてるか?」
「…うん」

 茜が小さく答えると、扉の向こうでヤンマは言った。

「悪い」
「何が?」
「俺、言っちゃいけねぇことを言っちまったんだろ? だから、お前は」
「違うの」

 茜は涙を拭い、掠れた声で呟いた。

「ヤンマは悪くない。他の子達も悪くない。悪いのは、全部私」
「だが、茜…」
「ちょっと長い話になるけど、聞いて。聞きたくなかったら、聞かなくてもいいから」

 茜は扉に近付くと、板一枚を隔てた先にいるヤンマに縋るように身を預けた。

「私はね、この街の虫達を死なせるために送り込まれた生物兵器なんだ。正確には、その生物兵器の乗り物。ウィルスキャリアーなの」

 茜はまた出そうになる涙を堪え、冷たい扉に額を押し当てた。

「私は家族もいなくて、友達もいなかったから、軍に拾われたんだ。そこで色んな検査をされて、色んな薬を打たれて、ウィルスを打たれたの。
そのウィルスは人間には何の影響もないけど、虫を病気にするの。このウィルスは体液感染するから、スズメバチ達が死んじゃったのは、たぶん
私の唾とかが巣に入っちゃったんだと思う。でも、体液感染しても一次感染者は発病しないんだ。だから、ヤンマはまだ元気でいられるの。
二次感染者、つまり、その病気で死んじゃった虫を食べたり触ったりした虫が発病するから、これからも皆はどんどん死んでいっちゃうの」

 ヤンマは黙している。茜は彼の心境を思い描きながら、瞼を伏せた。

392:ヤンマとアカネ 6 3  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:27:47 aj/NF96y
「ごめんね。今まで黙ってて。言おうかって思ったけど、言えなかったの。だって、ヤンマが好きだから。嫌われたくないから」

 それまでは、ずっと一人だった。家族もおらず、友人もおらず、誰のために生まれてきたのか解らずに空虚な時間を重ねていた。
軍によってシブヤに投棄されて、このまますぐに死ぬのだろうと思っていた矢先、ヤンマが現れて茜を他の昆虫人間から守ってくれた。
怖いと思うよりも先に、嬉しくて嬉しくて仕方なかった。美しい羽の生えた背を見上げた時の胸の高鳴りは、一生忘れられないだろう。
茜の話す言葉を覚えてくれただけでなく、茜のことを大事に思ってくれている。心の底から、ヤンマになら食べられていいと思っている。
だから、言えなかった。同族を殺す疫病を振りまく存在だと知られてしまったら、きっと、いくらヤンマでも嫌いになってしまうだろうから。

「…馬鹿野郎」

 どん、と扉が叩かれ、ヤンマが低く漏らした。

「セイブツヘイキだか何だか知らねぇが、お前がお前ならそれでいいじゃねぇか。少なくとも、俺はそう思う」
「だけど、ヤンマ。私の傍にいたら、いつか死んじゃうよ。一次感染者は二次感染者より毒素が弱いけど、時間が経ったらどうなるか」
「生きてる限り、必ず死ぬもんだ。それがどんな死に方だろうが、俺には関係ない。今、重要なのは、茜のことだけだ」

 どん、と再度扉が叩かれる。

「茜。俺はお前を助けたことも、傍に置いたことも、何一つ後悔しちゃいねぇ。その話を聞かされても、それは変わらない」
「私のこと、嫌いにならない? だって、ヤンマの言う通り、私は毒なんだよ?」
「確かにお前は毒だ。お前がいなきゃ、俺はこんな思いは知らなかった。出来なかった、っつー方が正しいか」
「え、それって」

 茜が聞き返そうとすると、強引に扉が押し開かれ、ヤンマが寝室に頭を突っ込んできた。

「茜。開けちまったから、入っていいよな」
「…うん」

 茜が頷くと、ヤンマは長身の体を折り曲げて扉をくぐり抜け、寝室に入った。

「茜」

 エメラルドグリーンの複眼に、茜が映る。三日振りに目にした少女は、少し窶れていたが顔色はそれほど悪くなかった。
この家のかつての住人が使っていたらしい水色のパジャマを着ているが、サイズが大きすぎるせいで裾や袖が余っていた。
茜は怖々とヤンマを見上げていたが、じわっと目元に涙を溜めたかと思うと、バネ仕掛けのように勢い良く飛び出してきた。

「ヤンマー!」
「うおっ、と」

 いきなり胸に飛び込んできた重みにヤンマがよろけると、茜はぼろぼろと泣きながらヤンマにしがみ付いた。

「寂しかったー! 暇だったー! 怖かったー! ヤンマー、ヤンマー、ヤンマァアアアア!」
「おいおい、俺を避けてたのはそっちじゃねぇかよ」
「だって、でも、そうなんだもん!」

 茜は声を上擦らせ、力一杯ヤンマを抱き締めてくる。ヤンマは久々に感じる茜の体温と声に、安堵と同時に妙な気分にもなった。
茜の両肩を押して腹部から引き剥がし、顔を寄せる。舌を伸ばして涙に濡れた頬を舐めてやると、茜は途端に真っ赤になった。
そのまま、半開きの唇に舌を滑り込ませた。茜は突然口中に侵入してきた異物に呻いたが、力を抜き、ヤンマに身を任せてくれた。
しばらくの間、ぐちゅぐちゅと互いの粘液が混じり合った。ヤンマは気が済むまで茜の唾液を味わっていたが、にゅるりと舌を抜いた。

「ね、ヤンマ」

 頬を染めた茜に爪先を引っ張られ、ヤンマはがちがちと顎を鳴らした。嬉しいからだ。

「なんだ、早速か」
「だって…寂しかったんだもん」

 茜は目線を彷徨わせながら、パジャマの裾を握り締めた。ヤンマはそのまま茜の体を横たえようとしたが、あるものに気付いた。
茜もそう思っていたらしく、ヤンマを押し止めている。ヤンマが触角を動かしてベッドを指すと、茜は照れ臭そうに笑って頷いた。
ヤンマは茜を持ち上げると、ベッドに投げた。仰向けになった茜の上にヤンマが覆い被さると、茜はヤンマの顔を手で挟んできた。

393:ヤンマとアカネ 6 4  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:28:49 aj/NF96y
「考えてみたら、ちゃんとベッドでするのって初めてかも」
「そういや、そうだな。床とか外とか、そんなんばっかりだったからな」
「だから、なんか嬉しいな」

 ん、と茜はヤンマの顎にキスをした。ヤンマは茜のずり落ち気味の襟元に爪を引っ掛けて動かし、肉の薄い肩と首筋を露わにした。
薄い皮膚に舌を這わせてやると、茜はくすぐったげな笑い声を漏らしたが、丹念に舐めてやると次第に反応が変わってきた。
まだ胸にも陰部にも触れていないのに、鼻に掛かった声を出している。首筋から昇った耳をなぞると、その反応は一気に高ぶった。

「ふあう!」
「そうか、外側はこっちが弱いのか」
「だって、しつこいんだもん」
「丁寧と言え」

 ヤンマは茜の耳元から舌を外し、腹の脇で折り曲げていた中足を伸ばしてパジャマの裾を捲り上げ、同時にズボンも下げてやった。
ヤンマは茜の細い腰とその下に伸びる太股を眺めていたが、上両足も使い、彼女の肌を覆っている布を一気に引き剥がしてしまった。
いつもは中途半端に脱がすだけで気が済んでいたのだが、今ばかりは気が収まらない。ぐちゃぐちゃのパジャマを、脇に放り投げた。
下着姿にされた茜は恥じらったが、怒りはしなかった。ヤンマは茜の膨らみかけの胸を包むブラジャーを押し上げると、首を捻った。

「これに何の意味があるのか、いつも解らねぇんだが」
「あるったらあるの!」

 茜が不服そうにむくれたが、ヤンマはブラジャーの下に隠されていた可愛らしい乳房に触れ、爪を立てないように気を付けて握った。
柔らかすぎる肉は、力を入れすぎれば千切れてしまいそうだ。何度も握っていると先端が尖るようになり、茜の反応も良くなってきた。
小さな乳首に黄色い舌を当て、体液で濡らしてから舐める。体の下では太股が擦り合わせられ、下着の股間がうっすらと変色していた。
ヤンマは愛撫を続けながら、最後に残していたパンツをずり下げた。陰部から溢れ出した愛液が、細い糸を引いたがすぐに途切れた。
浅い茂みの奥では、触りもしていないのに肉芽が赤く充血している。ヤンマは腰を上げて長い腹部を曲げ、先端から生殖器官を伸ばした。
が、一瞬躊躇した。前回、感情が乱れるままに茜を犯してしまった。合意の上であったとはいえ、茜に痛みを与えたことは違いなかった。

「いいよ、ヤンマ」

 茜は足に引っ掛かっていたパンツを外してから、両足を広げ、熱く濡れた陰部にヤンマの生殖器官を導いた。

「茜ぇっ!」

 ヤンマはぐいっと腹部を曲げ、茜の胎内に押し込んだ。途端に、茜は顎を上げて口元を緩めた。

「あ、あぁあっ!」
「どうした」
「寂しすぎたから、なんか、すっごく早かった…」

 羞恥で顔を覆う茜に、ヤンマはぎりぎりと顎を軋ませた。可愛かったからだ。だが、今は言葉にするよりも行動に移すべきだ。
達したばかりで力の戻らない茜の中に、生殖器官を深く入れる。茜の熱い体液とヤンマの少し冷たい体液が絡み、シーツに落ちた。
腹部を捻るようにして立体的に動かすと、茜はますます高い声を放ってヤンマに縋り付き、目元には先程とは違う涙を滲ませた。
ヤンマは生殖器官の律動をそのままに、首を曲げ、茜の裸の肩に噛み付いた。顎にはほとんど力を入れず、だが、跡を残すように。
喰いたい。喰って喰って喰らい付くしてしまいたい。だが、喰えない。本来持ち得ない感情を生み出されてしまうほど、好きだからだ。

394:ヤンマとアカネ 6 5  ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:30:17 aj/NF96y
「好きだ、好きだ、好きだ!」

 茜の肩から口を外し、ヤンマは快感で弛緩した顔の茜を見つめた。

「好きだから、何もかもどうでもいいんだよ!」
「…うん」

 茜はヤンマの左上足に腕を絡め、頷いた。

「だから、私、ヤンマが好き」

 お返し、と茜はヤンマの左上足の外骨格に歯を立てた。だが、ヤンマほど顎の力がないので、歯形を残すほどではなかった。
それでも、あらゆる感情で高ぶっているヤンマには充分すぎる刺激だった。ヤンマは四本の足で茜を抱き締め、一際強く突いた。
茜は首を振って、声にならない声を放って達した。彼女が気を失いそうになるまで攻め立て、ヤンマは身の内に滾る感情を出した。
言葉にするのも億劫で、煩わしかったからだ。かなりの時間を掛けてようやく自覚した恋愛感情は、昆虫の自制心など容易く壊した。
だが、最低限の理性は残っていたようで、射精は押し止めた。息を荒げる茜から生殖器官を引き抜いたヤンマは、茜の唇を塞いだ。
 甘い、甘い、恋の味がした。


 その後、二人はリビングで身を寄せ合った。
 茜はヤンマの胡座の中に座り、すっぽり収まっている。その手にあるピンクのマグカップには、お湯で薄めたハチミツが入っている。
ヤンマは、今更ながら自分の言動に恥じ入っていた。恋愛感情を自覚したのは良いが、いきなりあんなに連呼することはないだろう。
茜は好きだと言われたのが嬉しいのか、ずっとにこにこしている。その笑顔を見ていると、彼女が毒をばらまく生物兵器だとは思えない。
だが、それもまた現実なのだ。このまま茜を生かしておくことは、昆虫人間全体に影響を及ぼすのだということはヤンマの頭でも解る。
事実、人型スズメバチの一族が滅び、内臓が溶ける病気は日に日に拡大している。だが、茜を殺したところで感染の拡大は止まらない。
だから、やはり茜を殺しても無意味なのだ。ヤンマは大事そうに温かなハチミツを飲んでいる茜を見下ろし、がちがちと顎を鳴らした。

「ねえ、ヤンマ」
「なんだ」

 茜に見上げられ、ヤンマは返した。

「ずーっと気になってたんだけど、なんで顎を鳴らすの?」
「俺はお前と違って、何をどう思ったところで顔に出せないんだよ。だから、たぶん、その代わりに鳴っちまうんだ」
「ふーん。じゃ、今のは?」
「なんて言ったらいいかよく解らねぇんだが、なんかこう、ぬるーい気分になっちまったっつーか」
「嬉しい、ってこと?」
「まあ…そうじゃねぇの?」
「だったら私も嬉しい!」

 茜はヤンマに寄り掛かり、緩みきった笑みを見せた。ヤンマは再び顎をがちがちと鳴らしながら、茜の体重を受け止めた。
嬉しいなどと思うようになったのも、茜がいるからだ。ヤンマは背を丸めて茜の頭上に顎を乗せ、長い腹部の先で床を叩いた。
たかが三日、されど三日。離れていた分の空しさを埋めてしまいたくて、ヤンマは全ての足を曲げて茜の小柄な体を抱え込んだ。
テーブルの上で灯されたランプは明るいが、閉ざされたカーテンの先に広がる闇はどこまでも深く、重たい不安を宿していた。
 少女が運んだ死の因子は、緩やかに廃棄都市を脅かしつつあった。


395:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/03 17:34:53 aj/NF96y
以上です。事の原因は茜の方にありましたって話。
で、ヤンマはデレた挙げ句に突き抜けました。もうどこまでも行っちまえバカッポー。
ヤンマがキリ氏と会話したら、間違いなく言い負かされると思う。どうしたって若造だから。

396:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:08:50 zAJET6cY
リアルタイムktkr
毎回分かりやすくクオリティ高い文でアカネとヤンマの雰囲気が目に見えるようだ
もうこのバカップル大好きwwwww

397:名無しさん@ピンキー
09/02/03 18:13:37 NVyECKnE
乙乙!
バカッポー万歳!ハイル859!

最近の投下ラッシュが嬉しくて仕方ない
ほぼ毎日何か投下されてるなんて夢みたいだ・・・

398:名無しさん@ピンキー
09/02/03 19:13:16 X89ZNl4i
俺は同人板に毒されすぎたかもしれない
昨日はAI=>>299に見えた。
パク疑惑を自らかけて同情票で地位確立&仮想オリジナリティ確保する気かと思ってた。
だって初投下でアンチがつくとは思えないし…。
言わなきゃバレないことをわざわざ口にしてる感じがした。
作品以外で159が書いたレスがちょっとゆとりっぽいからかな。
今日の859の投下は一種の牽制に見えた。
原作最大手というのを見せつけようという意図かと。
どっちも良い作品だとは思うんだが、なんか職人同士仲悪そうなイマゲ。

399:名無しさん@ピンキー
09/02/03 19:37:26 Y7nK3nxD
>>395
GJ!萌えた!
アカネの健気な可愛いさとヤンマの恋の自覚にニヤニヤしたぜw
シリアスな展開もいいな
そしてヤンマはキリに言い負かされるのかw

それにしても、このスレの居心地の良さは異常
たまにAIが書き込みに来るけど、それすらも萌えにしてしまうスレだからなw
人外と人間の愛ある話がこんなに読めるなんて、夢のようだ

400:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:05:42 42LVwve5
GJGJ!!なにこの連投、うれしくてしょうがない!
顎を鳴らすヤンマに萌えてしょうがないのですがどうしたら。
バカップルかわいいよバカップル。
キリに言い負かされるヤンマ見てみたいw
あと皆キリたんに腹巻とかタバコとか送りすぎだ自重w

401:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:10:03 NVyECKnE
腹巻も煙草もダメなら焼酎にすればいいか?
黒霧島でよければ進呈する。熱燗でどうぞ。

402:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:24:33 gul1A5gt
旅は道連れ

秋深まる森の夜はひっそりと静まり返り、ぱちぱちとはぜる焚き火の音と暖かさが
マークを包む。
狼の遠吠えが時折聞こえることを除けば、フクロウもヨタカも鳴かぬ夜であった。
揺らめく炎が、踊るよう影を投げかけ、彼を眠りの園へといざなう。
マークは、毛布を体に巻いて横になった。星空を見上げながら、彼は少しだけ郷愁
を覚えていた。当てもなく旅を始めて一年が過ぎた。そろそろ世界を見て回るという
だけの旅はやめて、なにか確固たる目的をもった旅をしなければいけないと思う。
そんなことを思いながらうとうとしていた頃である。
次第に近づく、サクサクと落ち葉を踏む音に眠気が覚めた。
一体何かしら?鹿でも居るのかしら。狼なら大変だ。
鉈を手に取りこの音はなんだろうかと考える。焚き火を盾にしながらほんの数十秒
を待つ。やがて、星影のなか、焚き火の炎に輝く双眸が見えた。闇にきらめくそれは、
揺らめく鬼火のように見える。目の高さからするとかなりの背の高さがありそうだ。
息の詰まるような数十秒が過ぎた時である。
「○○○○ ○○○ ○○○○○○」
長い音節と、余り抑揚がない、なにやら、聞いたこともない言葉?が投げかけられた。
「なにかご用でしょうか?」
マークは困惑しながらも、相手に聞こえるように声を張り上げる。
意味がまったく解らないため、どうすればよいか解らない。
「あー ○○○○? ○○○○? ウルザ○? ○○○○? …」
マークの問いかけに、そいつも困惑したような調子でなにやら答える。どうやら本当に
言葉が通じないようだが、その言葉の中にウルザという単語のみ聞き覚えがあった。
それははるか昔の言葉で、旧い口伝の伝承を伝え、理解するためのものだった。
老人達に聞くとまずこう教えられる。ウルザ語は "親しい隣人" と話すための言葉だ。
彼等とはなかなか逢えないけれど、今も森の中に居るのだと。
マークは記憶にある物語を思い出す。こんな時、どんなやり取りをやっていただろう。

"こんばんは。隣人さん。側に来て、火に当たっておいきなさい"

ダメでもともとで、彼はこう話しかける。
しばし間が空いた。なにやら思案する気配のあと、このように返事が返ってきた。

"ありがとう、ウルザの言葉を話す方。それでは暖を取らせていただくことにしましょう。"

コツコツと足音を響かせて、そいつが焚き火をはさんでマークの正面に現れる。
まるで馬のように鼻面が長い顔。ねじれ伸びる二本の角。長く柔らかそうなたてがみ。
牛のような耳に数多くつけた耳飾と、やさしげに見える瞳が焚き火の明かりにきらきらと
輝いている。

403:旅は道連れ2
09/02/03 21:25:16 gul1A5gt
着ているコートは、複雑な白地に黒の花柄模様が入った柔らかそうな毛皮で出来ていて、
脛辺りから見える足には、二つに割れた蹄があった。
これは竜の人だ。マークはそう確信する。それは伝承に稀に出てくる者達だ。
そんな存在に言葉が通じたことに感動する。と同時に不安にもなる。いくら言葉が通じて
も危害を加えられない可能性がなくなったわけではないのだ。

竜の人は毛皮のコートを脱いで近くの木にかけると、焚き火を中心とした、マークの右前
に来ると、会釈のようなものをしながら腰を下ろした。
改めてそれを見る。良く肥えた草食獣のような身の詰まった体。胸にある牝牛のように張
った乳房から、女ということが伺える。着ているものは、なめした皮の腰巻に胸当てだけ
で、嫌でもその豊満な体つきが目に入る。特徴はそれだけではない。彼女の尻にはワニの
ような太くて長い尾もついている。
マークは会釈を返すと、何を言っていい物かと思案した。

"はじめまして、小さなお方。私はシードラ。あなたは何というの?"

"えーと。僕はマーク。ここまで歩いて来ました"

シードラがなにやらああそうといい、少し微笑んだ。
"ごめんなさい。私はあまり、ウルザ語を話せないの。でも、他の言葉でも同じかな"
"いえ、僕も、ほとんど話せません"

共に何かぎこちないやりとりがしばらく続くと、二人はあまりしゃべることが無くなって
しまった。いや、しゃべりたいのだが、自由に話すだけの語彙がないのだ。
シードラは少し退屈そうに喉を鳴らしたあと、なにやら気がついたようにごそごそと
持ち物を探し始めた。そしてしばらくすると、にっこりとしてなにやら筒を取り出す。
"これ、一緒に飲みましょうか?"
ぽんと蓋を開けると、ピートの匂いがする。どうやら酒であるらしい。
シードラは水筒に口をつけると、一口のみ、その後それをマークに渡す。
おそるおそる鼻を近づけると、いっそう強いピートの匂いと、少しだけ甘い香りがした。
シードラの期待のまなざしが注がれるなか、マークもまねをしてごくりとそれを流し込ん
だ。
"!?"
とても強く刺激的な液体は、蒸留酒であった。マークはむせそうになるのを何とか押さえ
一気に飲み込んだ。酒を飲むこと自体初めてで、しかも強い酒である。味はおろか、モノ
自体の善し悪しも解らない。マークはふうと息を吐いた。その吐く息が熱い。
"僕は、初めて酒を飲みました。とても…強いのですね"
言いながらシードラに水筒を渡す。シードラは受け取ると、今度は勢いよく数回喉を鳴ら
した。
"この酒はね。私の故郷のものなの"
それだけ言って彼女はふうと息を吐いた。
「○○○○○○○○(一人さまよう旅は寂しいもの。わたしも、ずっと歩いてきたわ)」
そして、なにやら呟く。
そのつぶやきを聞きながら、マークはもうこの暑さを我慢できないでいた。しかも猛烈に
眠い。これが酔いが回るという事なのだろうか。
"マーク?"
シードラが話しかける。
マークはそれになにやら答え、やがて一時もこらえられなくなり、その場で眠ってしまった。
「×××っ!?」

完全にマークが寝てしまうと、シードラはマークを膝にだきよせ空を仰いだ。そして息を
吸うとゆっくりと歌い始める。
彼女の紡ぐ歌と旋律は、どこか懐かしく、そしてもの悲しく夜の森に消えていった。

404:旅は道連れ(最後
09/02/03 21:25:51 gul1A5gt

マークが目が覚ますと、まだ夜は明けていなかった。夜明け前の闇に森は静まりかえって
いる。
酒は消えているようだが、体が熱く何やら重い。と、そこで彼は、シードラと一緒に寝て
いることに気がついた。分厚いコートの中で、彼女は後ろから彼を抱きかかえるようにし
て眠っている。体格差があまりにもあるため、マークは丸まったシードラのなかにすっぽ
りと収まっている。マークがそっと匂いをかぐと、彼女からは土とピートと、そしてなに
か麝香のような香りがした。彼女の温かみ、それに土とピートの匂いは、森の落ち葉の匂
いと混じり合って仕事を終えたばかり母を感じさせた。
(すこしは甘えてもいいかな…)
そんな一瞬の火花のような思いと誘惑に負け、マークはもそもそと向きを変え、その豊か
な胸に顔を埋め、目を閉じた。それに気がついたシードラは、少し微笑むと目を閉じる。
もう少しこうしていよう。夜明け前の闇が一番濃いのだ。何も起きている必要など無い。

次の朝。旅をする人影はもはや一人ではなかった。マークは考える。彼女なら古くそして
新しい世界に導いてくれる。伝承や伝説をまとめ、後の世に残すのだと。
シードラも考える。私はこの子と行く。もう一度、この子と共に同じ種族を探そう。
一人より二人。二つの目よりも四つの目。きっと見つかる。
"さあ、マーク。まずはどこに行きましょうか?"
"まずは北へ。それと…シードラさんの言葉を教えて欲しいんだ"

旅は道連れ。この世は、寄り添って行かねば生きづらいのだ。


405:402
09/02/03 21:27:25 gul1A5gt
以上これで終わりです。

406:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:29:23 NVyECKnE
おお!GJGJ!リアルタイム遭遇!
シードラたんエロカワイイよシードラたん。
マークはまだ少年なのかな?
年上好きにはたまらんぞww

407:402
09/02/03 21:56:57 gul1A5gt
シードラです(´・ω・`)
URLリンク(www2.atpaint.jp)

408:名無しさん@ピンキー
09/02/03 21:58:26 NVyECKnE
強い母ちゃんになりそうで素晴らしい!

409:名無しさん@ピンキー
09/02/03 23:28:21 yKBUYSKL
竜の人お姉さんハァハァ

410:名無しさん@ピンキー
09/02/04 00:03:09 5VGW6IAd
>>402
GJ!
話の雰囲気も絵もよかった!

ただ、人外の範囲は広いから、人によっては好き嫌いもあると思う。
○○人外♂×人間♀・人間♂×○○人外♀みたいな注意書きはあった方がいい
次スレから、これもテンプレにいれないか?

411:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:15:17 VoLCgAhn
ついでに、人型の人外はNGとか二次の人外はNGとかパクリはNGとか追加してくれ

412:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:17:38 QFrjatIo
このスレで取り扱う人外はなんでもありだよー
前スレでそういう話が出たからスレタイに【なんでもあり】ってついたし
>>1にも定義無しの一文が追加された

413:名無しさん@ピンキー
09/02/04 06:51:17 PXYQOitB
待て、>>412
>>パクリはNGとか追加してくれ
こいつ恐らくキチAIだ

414:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:28:19 Ho5+XQ7D
>>206は偉大だな。今後どんな嵐が暴れても基地外AIでスルーするか
萌えればいいんだもんな。

415:名無しさん@ピンキー
09/02/04 08:33:18 PZeOA9Vb
基地だったら
>人型の~
とは言わないんじゃないか?
今まで基地AIに粘着されてるのは159だと思われてたが本当は逆なんじゃね?
ヤンマの人をいちいち引き合いに出して心証を悪くするのが狙いじゃね?

416:名無しさん@ピンキー
09/02/04 09:44:03 bxWIQI3h
仮にそうだったとしても、
そうやってゲスパーしてたら基地AIの思う壺だろ
名前出された職人もいやな気持ちになるだろうし、
ここはよく訓練された変態らしく華麗になおかつ濃厚に
ねっとりとスルーする作業に入るべき

ところで自分はもふ系人外萌えだったんだが、
このスレに来て開拓されまくりだよ
なんか性差も大した問題じゃなく思えてきた
恐ろしい天国だよな、ここ       

417:名無しさん@ピンキー
09/02/04 09:46:19 hJXL5HF1
このとき僕らはまだ気付いていなかった……
このAIの発生こそこのスレの顔となる萌えキャラの誕生の瞬間であったことに…

418:名無しさん@ピンキー
09/02/04 10:01:58 N0ApGYTC
>411
なんで勝手に仕切るんだよハゲ

419:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:20:32 PZeOA9Vb
とりあえず腐女子向けっぽいのだけは勘弁
ノーマルと百合だけにしてほしい
AI萌えしてるやつらは巣に帰ってから萌えてくれ

420:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:50:05 N0ApGYTC
そもそもAIは人外スレよりもロボ・アンドロイドスレ向きだろ

421:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:51:08 vgPwqdv+
百合はいいのかww
まんまパシオスの兄弟だな。
早くネットの海の中に還ると良いよ

422:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:07:50 PZeOA9Vb
>>421
俺個人の嗜好じゃなくて、板の雰囲気が許容してるのはノーマルと百合までだろ
801っぽいのは801板の棚に投下すればいい
投下報告してくれれば、見たいやつが勝手に出張するだろ
板チは良くないと思うんだ

423:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:13:23 vgPwqdv+
422の言ってるのって、こないだのAI兄弟のこと?
女体だったじゃんあれ。
自分が酒の肴にされたから気に入らなくて騒いでるようにしか見えない。

424:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:19:42 Rz9i89/d
ホモ以外ならなんでもいいよ。
どんな人外でも受け入れるよ。だって変態だもの。

425:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:21:29 n5mz9BBM
>>420
>>ロボ・アンドロイドスレ
そっちは女の子ロボ・人型ロボ萌えのスレじゃないのか?


426:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:34:18 Z4e/Xk0z
スレの空気読むとここしか桃源郷がないとおもうんんだ…

とおもった。

>>407
貴様は絵と文章両方イケる二刀流使いだったか!くそぅ!

427:名無しさん@ピンキー
09/02/04 12:41:41 rohFuzxY
今後801っぽいのが投下されないという保証はないしね。
他板に投下→報告→見たい人が見にいく
というのは良い気遣いなんじゃないかな。
そのほうが角が立たない。

428:名無しさん@ピンキー
09/02/04 13:01:40 KqH+oDCw
基地外AI萌えは板違い以前に
荒らしを悪化させる行為だと思うんだが…
変なやつには反応せず完全スルーしないか
真の変態紳士は馬鹿にかまって時間を無駄にしないはず

元々エロパロ板は男性優位なルールが作られてるのに
このスレは女が多すぎてよくわかんない雰囲気になってんなw
完全に男を追い出して女専用スレにするか、
男女共生できるよう女側が自重してくれないと
どこまでも荒れ続けるぞここ

429:名無しさん@ピンキー
09/02/04 13:14:34 PZeOA9Vb
住民の性別を揃えればいいってのは安直すぎるしそもそも無理な話
レスが板チにならないよう気をつけるのとAIを無視するだけでいい

430:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:07:09 gj0k1Fi7
まぁ基地は基本スルーとして、騒ぎ出したら「おいまた騒いで構ってほしがってるぞ
萌えてやれ、心の中で」ぐらいでいいんじゃ…

431:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:14:49 hJXL5HF1
まあ最近悪ふざけが過ぎた感じはあったな。
801やガチホモネタは完璧に基地への嫌がらせの一環だと思ってたんだが、本気萌えしてる人もいたのか…

そろそろネタとしても飽きられてくる頃だし控えようか

432:名無しさん@ピンキー
09/02/04 14:45:05 aiviiuOv
なんでもありスレ故に注意書きはフル装備しないと荒れる元だ。逆に言えば注意書きさえあれば801とガチホモ以外はどんな物でも全く問題ない。見たくない紳士は華麗にスルー。

ふと思ったが性別の概念すらない人外のエロSSってどうなるだろうか。

433:名無しさん@ピンキー
09/02/04 15:09:59 N0ApGYTC
そういえば、力関係で性別の変化する魚がいたな。

別にそういうことじゃないと解っているが

みんなに虐められ小突きまわされてた少年が、マゾイ雌になってたとか、
グループリーダーのレズっ子が雄になって押し倒すとかそいうのを思いついた。

434:名無しさん@ピンキー
09/02/04 16:50:10 ovLwcedi
でんせつポケモンには性別がないんだぜ
というわけでふたなりミュウツーとかヤンデレディアルガとか

435:名無しさん@ピンキー
09/02/04 16:51:44 hJXL5HF1
何もついてないのもまた一興!
ギラティナかわいいよな。ムカデみたいで。

436:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:03:01 PZeOA9Vb
ヤンデレミュウツーってあったな…
伝ポケじゃないが、俺はハッサムが好きだッ!

437:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:47:18 Z4e/Xk0z
ハッサムがハッサンにみえるオレ終わってる……。

というのはさておき
>>433みたいなネタはAIならなんでもいけそうだな。
なんというすてき人外。

昔はニドランにしか雄雌がなかったなぁ……。

438:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:50:38 rohFuzxY
パラセクト可愛すぎるよパラセクト。
雌ポケモンをメタモンと一緒に育て屋に預けるのが好きだったなあ。

439:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:51:18 AFMJR686
一瞬板間違えたかと思ったわw

そういえばこのスレ、ポケモンやってる奴結構いるよな
ポケモンとかモンスターゲームで
人外萌えに目覚めたのが多いんだろうか

440:名無しさん@ピンキー
09/02/04 17:58:19 N0ApGYTC
>439
レイア三姉妹に轢かれたり、ミラ三姉妹にネコパンチくらって喜ぶんですね。解ります。

ななちゃんはオレの嫁。異論は認めない。


441:名無しさん@ピンキー
09/02/04 18:17:32 vTxBN1GW
スレ間違ったかと思った後、噴いた
モンハン良いよね
モンスターの動きが可愛すぎる

442:名無しさん@ピンキー
09/02/04 18:46:50 SiEZcBZB
神・悪魔・電脳萌えだからメガテンにはまったのか、
メガテンにはまったから神・悪魔・電脳萌えが刷り込まれたのか。
そんな卵と鶏問題。

443:名無しさん@ピンキー
09/02/04 19:32:04 PZeOA9Vb
ちょw絵板wwww誰だあれ描いたのwwww
あの絵見て思い出した
>>299、それシリーズ化する気だったら非エロは板チだぞ
一応エロパロ板だからな
単発だったら非エロもありだがシリーズとして非エロってのはどうかと思う
なんとなく非エロ派職人に見えたから気になった

444:402
09/02/04 20:20:35 MxQypXcB
読んでくれてありがとね。

>426
(・∀・)

445:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:21:36 MxQypXcB
ところで、人外x人外ってここよりも
亜人の少年少女の絡み8
に投下した方がいいよね?

446:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:25:00 PZeOA9Vb
スレから追い出されたSSを投下するスレとかは?
亜人でなくても投下できるし

447:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:29:01 KqH+oDCw
ぶったぎってごめん
書けたから投下させてもらうよ
でかい童貞竜×生け贄少女
だいたい和姦
携帯からだから改行おかしかったらスマン

448:はいりません1
09/02/04 20:30:00 KqH+oDCw
「もう…挿れて…」
「…無茶言うな」
少女の熱っぽい声が響く。
大きな瞳を潤ませ頬を赤く染めた少女は、じっぽり濡れた下着を太ももまでずらし、挿入を懇願している。
糸をひく愛液は、熱く熟れたそこから漏れ出ている。まさに準備万端だが。
「どうして…竜神さまもこんなにおっきく…」
「…こんなに大きくなったからだ」
問題はただひとつ。
少女は人間であり、男は竜だった。男の生殖器は、少女の身の丈ほど。
たくましい筋肉をたたえた両脚の間から、立派にそそり立っていた。
「お…お願いしますぅ…竜神さまので、私をめちゃめちゃに、していいんですう…」
「めちゃめちゃって、これお前に挿れたら洒落にならんぞ!あっ、よせ!先っぽ触るな!」
少女は自身の頭ほどある亀頭をぺろぺろと舐めはじめた。
少女はべったり舌を貼り付けているが、竜にすれば指の先でなでられるようなもの。
「ぅ、ぐ」
少女は竜の喉から漏れる唸り声を聞くと、口を離し豊かな乳房を裏筋に思いきりすり寄せた。
「ほら、物足りないでしょ?私の中に挿れてください…きっと、とっても気持ちいいですよ」
ふにゅふにゅと柔らかな感触。竜は自らの舌で味わった少女の膣の感触を思い出した。

449:はいりません2
09/02/04 20:30:48 KqH+oDCw
事の発端は川の氾濫にあった。
下流のとある村の人々は噂した。森の祠の竜神さまがお怒りなのだ、と。
そして生け贄にひとりの少女が選ばれ、竜の住む祠にやってきたのだった。
どうか、私を好きにしてご機嫌をなおしてください。村を救ってください…と、少女は告げて竜の前に頭を下げた。
実際、川の氾濫と竜の機嫌に因果関係はない。
しかし、好きにしてくださいと言われて断る理由も特にないので、竜は思う存分好きにすることにした。


「あっ…あぁ…」
蛇のごとくふたつに裂けた舌で両の乳房を弄ぶ。舌先でちろりと乳首を舐めあげると、少女は甘い声をあげる。
(なるほど、人間というのは面白い)
生まれてこの方、ひとり祠にひきこもっていた竜にとっては未知の体験。
最初は竜の姿に怯えていた少女も、次第に快感に溺れていった。
「あ…ぃやあ…!」
「なんだ?痛いのか?」
「あん…違っ…気持ちが…いいのです」
恥ずかしそうに顔を背ける少女が愛らしい。
「そうか、で、さっきから匂いがするここは?」
「…そこ、も…」
初めての情事で、たっぷり湧いた蜜をじゅるじゅるとすする。二股の舌で肉芽をはさみあげると少女から鼻にかかったような吐息が漏れる。

450:はいりません3
09/02/04 20:31:28 KqH+oDCw
そしてその時、少女は初めてその言葉を発した。
「あ…ふ、もう、挿れてくだひゃ…」
竜は舌を胎内に差し込んだ。
「ああっ…!」
少女の膣は異物を受け入れ、激しく収縮した。
「ふ、ぐぅ…」
竜の舌は、痙攣と共に巻きつく少女の肉壁の心地よい感触を味わいながら、胎内への侵入を続ける。
「あ…あっ!」
嬌声をあげ、少女は絶頂に達した。
ぬらり、と舌を抜き取ると少女はふぅふぅ肩で息をしつつ床に倒れた。


まぁこんな感じで竜は少女を毎晩可愛がってしまった。それがいけなかった。


「ふぬぬ…」
ある晩の戯れの末、初めて、竜の体内に眠っていた性器は役目を果たすべく起立した。
座った少女と同じくらいの大きさで。
自らの体格を考えれば至極当然のこと。だがこのサイズは挿入が困難とかキツいというレベルではない。
まず物理的に入らないんじゃなかろうか。
しかし、何故か少女は挿入を強く求めた。


「さぁ…いいんです、ほらぁ…早くぅ」
ついに少女は先に跨り、我慢汁の溢れ出るそこに秘部を一生懸命押しつけはじめた。
腰に走る快感と、舌の感触の記憶が交錯し、思わず少女の両足を捕まえて、思い切り突き上げてしまいそうになる。

451:はいりません4
09/02/04 20:32:14 KqH+oDCw
いれたい。脳みそが爆発するくらいの熱い欲望。
だが本当に実行したら、少女は絶頂と共に絶命間違いなし。歓喜の嬌声が彼女の遺言となるだろう。
「早くぅ…」
そんなこと言われても困る。
「私…生け贄なんです、あなたさまが気持ちよくなるなら…命くらい」
いや、だから。
「私…私…いつも自分ばかり気持ちいい思いをして…竜神さまを満足させてさしあげられなくて」
そんなこと言われたら。
「もぅ…私…村のことよりあなたが」
「挿れられるかこの阿呆め!!」
「ひぁ!?」
竜は少女の白い腹を乱暴にくわえると、床に這いつくばらせ、鋭い爪のついた前足でやわい太ももをつかみ、いつも通りに舌を中にいれた。
少女は強い力に押さえつけられながら、抗議する。
「違っ…違うぅ、舌じゃなくてぇ、舌じゃ」
うるさい!!と竜は一声吼え、なおも乱暴に少女を舌で犯す。
少女はしゃくりあげ、嗚咽を漏らし、泣きながら、それでも体は正直に達した。
「どうしてぇ…」
「うるさい」
「私、あなたのためなら」
「黙れ!」
お前の死など許すものか。そう低く唸った。
竜の生まれて初めて放った精は、ただ床を汚しただけで、少女の子宮の奥に届くことはなかった。

452:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:33:19 KqH+oDCw
終わり
多分改行とかいろいろ酷いな…ごめん
あと鳥もつけ忘れた、ごめん

453:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:37:44 PZeOA9Vb
おつー
絶頂とともに絶命ワロタ
童貞なのに上手いのかwwwww
肉食獣の人かな

454:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:51:39 m2zVeJ8a
>>452
人外と生贄!
好み過ぎるシチュだーGJGJGJ!

だがタイトル噴いた

455:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:59:11 rohFuzxY
>>443
そうか?
今までにも非エロのシリーズものはあったと思うが

456:名無しさん@ピンキー
09/02/04 21:34:56 hJXL5HF1
>>452
吹いたw
次からは素股にすればいいと思うよ、と主さまにアドバイスしたいです

457:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:02:39 T94WUTli
>>452
GJ!人外と生贄は萌える!
どうしてもいれられないとか、人外だからこその障害っていいな

458:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:07:31 6dkv03tg
>>452
GJGJ。体格差に萌える!
互いに求め合っているのに物理的に難しくて、
でもそれても何とか…と試行錯誤している様子は実にいいものだ。

459:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:17:01 cSyaxouS
彼らは言う。雄に生まれてきたからには戦わねばならぬと。
強い雄は幸福だ。その力もて君臨し続けている限り。
弱い雄は不幸だ。強くならぬ限り、奪われ続ける。地に伏して骸と化すまで。
だが、弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。

照りつける太陽が、渇きと空腹に疲れた切った彼の体から、なけなしの体力を奪っていく。
干上がった川、ひび割れた大地。どこまで行ってもひび割れたに大地が続く。
先ほど、餓えに倒れた哀れな草食獣を見つけたが、乾涸らびた骨と皮ばかりで何も残って
おらぬ。失望にぐうと腹がないた。
だが、歩みをとめるわけにはいかない。とめれば自分もそうなりはてるのだ。
痩せた彼を突き動かすのは、もはや生きねばならぬという本能だけであった。もしも思考
のもとに歩いていたのならば、とうの昔にあきらめ命つきている。
恨めしげに仰いだそらは雲一つ無く、砂嵐舞うこの平原と全く隔絶されているかのような
静謐さをもってただあった。
彼は歩く。生まれてどれくらい経ったかはよく覚えていないが、巡る雨期と乾期の間で、
何とか生きてきた。母から追い出されて後、連れだっていた弟は、空腹に絶えかねてこの
前死んだ。悲しむまもなく鳥たちに追い払われた。それからもう何も食べていない。
経験から、あともう数週間絶えれば雨期がくる。そうすれば、草食獣が来る。狩りが下手
な自分でも、彼らの子供を食べて命を繋ぐことが出来るのだ。
だが、その前に自分の命がつきてしまうことは、もうなんとなく予想してあった。
弟が死んだときからすでに。

日が暮れる。沈む太陽がかげろうにひしゃげて見える。そして夜が訪れた。
だが夜といえど歩かねばならぬ。あと一日歩けば水場にたどり着く。その願望こそだけが
彼を突き動かす。たとえそれが単なる幻想にすぎないとしても。
指先にちくりと痛みを覚えて見てみれば、すり切れた肉球に棘が刺さっていた。
引き抜くと少しの血が出る。舐めてみれど、唾すら付かない。ああ。水が欲しい。
気が狂いそうな程の餓えと渇き。草一本すらない平原で彼は歩き続けた。

460:その2
09/02/05 00:17:37 cSyaxouS
それから2日。彼はいよいよ最期を迎えつつあった。普通の雄なら、もうとっくに水場を
見つけていただろう。成熟しかかっているにも関わらず、彼はあまりにも脆弱過ぎた。
もう、これ以上歩けない。
炎天の中、彼は崩れ落ちて死にかけた目を遠くへ向ける。やせこけた体は、冗談抜きに骨
と皮ばかりとなりはてている。情けなくて泣きたいけれど、涙になる水分すらない。
だが、ここにきて、彼の鼻は匂いをかぎつける。風に乗る血の臭い。熟れた肉の匂い。
彼は震えながら歩き出す。最期の力を使って歩む。
永遠とも思える時間が過ぎ、彼は木陰に死んだ草食獣を見つけ出した。倒されてそう時間
が経って居るわけでもない。その横には、自分の倍はあろうかという圧倒的な体格の雄が
だらしなく眠っていた。
彼は恐れながらも肉を失敬した。そうせずには居られない。背中の脂肪を舐め、血をすす
り臓物をむさぼる。こんなに満たされたのは久方ぶりだった。だが、あまりに食べる事に
夢中になっていたため、彼はこの食べ物の所有者のことをすっかり忘れていた。
おい。とドスの効いたしゃがれ声で現実に引き戻される。
おそるおそる振り返ると、仁王立ちになった雄がいる。鋭い目、盛り上がった筋肉、黒い
たてがみ、そして覇気。同じ種族のはずなのに、自分とは何もかもが違う。同じ雄として
神々しさすら感じる体つきであった。
恐ろしい。どのようにして逃げようかと考えるひまもなく、強烈な拳を左頬に受けた。
ぱかーんと景気の良い音とともにのけぞる。それから受けた暴行は壮絶なものだった。
殴る蹴る、地面にたたきつけられる。元々弱っていた体にこれは堪えた。息も絶え絶えな
彼を、屈強な雄は持ち上げて凄んだ。
「おまえも雄なら、オレから奪って見せろ!それすらできんとは女々しいやつめ!…出来
ないなら服従しろ。」
投げ捨てられ地面にはいつくばったかれは、抵抗する気力もなく服従のポーズを取る。
強い雄は、フンと鼻をならし、彼の雄の証を踏みつけた。
「なかなか立派なものが付いてるじゃないか。だが、弱すぎるおまえは雌に見向きもされ
ないのだからこれは不要とはおもわんか?え?」
そしてそれをぐりぐりと踏みにじりながら罵倒する。その行為にも、彼は服従したまま耐
えた。
「フン。これだけやられてもおまえは立ち上がらんのか。つまらん」
しばらくいびった後、弱いもの虐めも面白くなくなったのだろう。強い雄はごろりと横に
なって言った。
「もうオレは喰わん。残りは喰っていいぞ」

461:その3
09/02/05 00:18:00 cSyaxouS
おい、起きろ。
頭を蹴飛ばされ彼は目を覚ました。強い雄─仮にキングとしよう─キングは彼を蹴飛ばし
て起こすと、ついてくるように命令する。
「いいか、逃げたら殺す。おまえは運がいい。雨期だったら昨日のウチにおまえを引き裂
いてやったところだ」
彼はうなずき、二人の奇妙な関係が始まった。キングは毎日のように彼を罵倒し小突き回
すが、獲物もわけ与えるし、必要以上に傷つけたりもしない。そうしながら、やっとの事
で水場にたどり付いたのは、雨期まであと一月ほどとなってからであった。
この水場は乾期でもかろうじて干上がらない。そのため草もあり、草食動物が集まってい
る。獲物には事欠かないが、目が多いため狩りの成功率はさほど高くない。
加えて言えば、まだ彼らと同じ種族は到着していない。一番乗りのようであった。
キングは相変わらず彼を虐め回していたが、水場に着いてからというもの、その内容が彼
の雄としてのプライドを完全に打ち砕くものだった。
雄が雄を犯す。キングは彼を押さえつけ、彼の腕ほどもあるようなペニスを愛撫するよう
に強要し、さらには肛門を犯す。内側からいきり立ったペニスで前立腺を突かれ、怒張し
たものをしごき立てられ、意志とは無関係に射精されられた。キングが一度達するまでに
彼は何度も何度もいかされ、自分の出した精液を全て舐めさせられた。
それが毎日繰り返される。一度だけ逃げ出したが捕まって酷い目に遭わされた。そのとき
は足腰が立たなくなるまで射精させられ、その日を堺に目に見えて精液の量が減った。

雨期まであと半月ほどであろうか。
今日もキングは獲物をしとめてきた。その頃になると、彼はキングの帰りが待ち遠しくて
仕方が無くなっていた。一緒に獲物をむさぼった後、またあの責めをされるかと思うと、
イヤだと思いながらも体の芯が疼く。もう彼には雄としてのプライドなどかけらも残って
はいなかった。そう。キングは優しい。自分は彼に付き従ってこそ、その本分を全うでき
るのだと信じている。

雨期までもう間近。空には雲がかかり、地上にいる者達はそのときを今か今かと待ちこが
れていた。空気に乗る水の匂い。生き延びた者達への祝福の瞬間は、もはや時間の問題で
あった。
そして、彼とキングの関係はいまだとぎれることなく続いている。キングのもたらす獲物
のおかげで、彼はすっかりと回復していた。だが、変化はそれだけではない。
彼はキング無しにはいられなくなっていたのだ。その体は雄にはない丸みを帯びていて、
完全な雌へと変貌を遂げていた。
この頃になると、ようやく同族の者達が到着し始める。
他の雄達は彼─彼女─をみて、キングに羨望のまなざしを送り、彼女にはギラギラとした
欲のまなざしを突き立てた。雄達はそして、雌を巡っての争いを始める。
雨が落ちてきた。
何時までも降り続く雨は、生き延びた者への祝福か、はたまた飢えと渇きに倒れた者への
弔いの涙か。
青く高かったそらは、もはや黒く沸き立ち、雷鳴と雷光が雨期の訪れを高らかに告げる。
全ての動物は歓喜に沸き立ち、渇きに絶えた自らの命を讃える。らんちき騒ぎのなか、雌
は命を宿し母になる。命は巡る。
キングは既に、幾人かの雌を従えていた。そして、元は雄だった彼に言う。
「おまえは必ず一番目に孕ませてやる」

彼らは言う。
弱すぎる雄はある意味幸福なのだ。時として、雌として生きる道があるのだから。

462:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:19:48 cSyaxouS
終わりです。

>>433
のアイディア使用。
まあ、魚類くらいしか性転換しないみたいだけどね。

463:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:29:59 nxP1DC75
投下乙!…って言いたいところだけど
なんつーかこれは流石にまずくないか?
思いきり同性愛に類される描写があるのはちょっと…

やっぱり先に内容に関しての注意書きは必要だな

464:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:36:49 Z1TFF7nO
頼む先に注意書きマジで頼む

465:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:39:12 M38BEJ+m
乙。面白かった。

でもこれは注意書きがいると思うぞ。
俺は抵抗無い方だから読めたが、そうじゃない人も相当多そうな感じだ。

466:462
09/02/05 00:42:00 cSyaxouS
これはうかつだった。
始めに注意書き入れるべきでしたね。申し訳ありません。

467:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:50:56 +iILOc7z
>>466
次から気をつければいいと思う。でないと叩かれる危険性もあるからねぇ。

最近のこのスレの加速度は異常。何個かネタがあるけど文章起こしてるうちに被りそうで怖い;

468:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:11:09 M38BEJ+m
誘い受けはいらん。
変態なら黙って投下だ。
さあその妄想を形にする作業に戻るんだ!

469:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:13:25 S52mvQ67
まぁ小ネタを職人が拾ってスレ投下するまでのターンが
むしろ(いい意味で)異常だから
もし被ったら「被ってすまん」の一言で投下しちゃっていいと思う

470:名無しさん@ピンキー
09/02/05 03:25:09 T94WUTli
>>459
人間でてないし性転換ネタだし、あまりにもスレチだと思う
注意書きすら書いてない

やっぱり次スレから注意書き必須ってテンプレにいれるべきだ

471:名無しさん@ピンキー
09/02/05 05:37:18 S52mvQ67
読み返したら同種族なのかそりゃいかんな
なぜか相手は人間だろうとか勝手に思い込んでいた
確かに注意書き必須は職人さんを守るためにも必要だ

…たてがみとか同じ種族のはずとか書いてあるのになぜ勘違いしたんだろう

472:名無しさん@ピンキー
09/02/05 11:46:30 M38BEJ+m
このスレで昆虫萌に目覚めて色々調べてみた。虫って面白いな。
Wikipediaでオニヤンマの雄のあほの子っぷりが強調されててワロタ。可愛いよオニヤンマ可愛いよ。
あとカマキリの雄は頭を怪我すると性欲が増すドMらしいが…キリたん目怪我してたよな。テラ期待。

473:名無しさん@ピンキー
09/02/05 12:56:47 +tVOmxdh
同性愛は注意書き必須だな
人外同士は前スレからあったし、いいんじゃないか?
性転換も両生類の性転換ってのは人外ネタとして面白いと思うが
それも同性愛と被ってくるから注意書きは必要だな

474:859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:54:37 9e7uJQsf
おっかさんなシードラさんもチェリーな竜神様も萌えました、投下ありがとうございます。
性転換は新境地だ、何かに目覚めてしまうかもしれないwwwwwww
というわけで、ヤンマとアカネを投下。これでお終い。


475:ヤンマとアカネ 7 1 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:55:54 9e7uJQsf
 恐怖は進化の証だ。
 昆虫が巨大化することも二本足で直立することも脳が肥大化することも人間を捕食することもなければ、知らなかっただろう。
原始的で初歩的な感情だが、感情は感情だ。六本足で地べたを這いずっているだけでは、感情すら覚えなかっただろう。
 昆虫人間は、驚異的な速度で進化している。世代を重ねるたびに容貌は人類に近付き、知性が向上し、身体能力は増大する。
人類が七百万年掛けて到達した地点に、ほんの数十年で到達した種族を、人類に恐れるなという方がまず無理からぬ話だ。
また、繁殖力も凄まじい。昆虫人間が一度の産卵で生み出す個体は人類を遙かに上回り、生命力も適応能力も強靱だった。
たった数年のうちに世代を交代し、更に進化した個体を生み出していく。そして、彼らが主に捕食するのは他ならぬ人類だ。
 このままの勢いで行けば、地球上が昆虫人間に淘汰されるのは時間の問題だった。だからこそ、人類側も手を打ってきた。
少女にウィルスを注入し、毒餌として廃棄都市に投棄した。だが、人類側の目論見は外れ、毒餌は喰われることはなかった。
無数に蠢く昆虫人間の中にも、変わり者がいたからだ。黒と黄色の外骨格と澄んだ緑の双眸を持った、一匹のトンボである。
彼が少女を助けなければ、少女は虫に喰われ、その虫も他の虫に喰われ、内臓を溶かす病気が廃棄都市に蔓延しただろう。
だが、そうはならなかった。そのために、廃棄都市に生きる者全てが恐怖に駆られている。死への恐怖と、滅亡への恐怖と、そして。
 愛する者を失う恐怖に。


 シブヤ上空は、羽音に埋め尽くされていた。
 虫。虫。虫。虫。虫。虫。どの空を見ても昆虫人間が飛び回り、どの地面を見ても昆虫人間が駆け回り、逃げ場はなかった。
数日前から、異変の兆しはあった。内臓を溶かす病気で死ぬ者が増えるに連れて、どの種族も目に見えて殺気立っていた。
昆虫人間同士にも、それなりに交流はある。言葉と言うには原始的な音を発して、威嚇ではなく情報を交換することは少なくない。
文化もなければ文明もないが、多少の知性は持っている。そのなけなしの知性を駆使し、昆虫人間達は恐怖の根源を探している。
つまり、毒を振りまいた元凶を探しているのだ。廃棄都市にいるはずのない人間と、それを喰わずに愛玩するイカれた昆虫人間を。
 腕の中の、茜の震えが止まらない。ヤンマの外骨格に縋り付く手はべっとりと脂汗が滲んでいて、顔は青ざめ、唇は歪んでいた。
可愛らしい顔立ちは怯えに引きつり、目元には涙も滲んでいる。ヤンマは中両足で彼女を抱き寄せながら、複眼で外を窺った。
ビルの割れた窓から見える空は、相変わらず昆虫人間に支配されている。澄んだ青は見えず、無数の羽が煌めいているだけだ。
事の異変を察知してあの家から逃げ出したはいいが、そこから先は考える余裕もなく、手近なビルに逃げ込んで息を殺していた。

「動くに動けねぇな」
「ごめんね、ヤンマ、私のせいで」
「お前は何もしちゃいねぇさ。謝るな」
「でも、ごめんね」

 茜は潤んだ瞳を上げ、ヤンマを見つめた。

「だから、謝るな。俺が悪いことした気分になってくるじゃねぇか」

 ヤンマは顎を開いて細長く黄色い舌を伸ばし、茜の目元に溢れた涙を舐め取った。

「ほとぼりが冷めるまで、大人しくしているしかねぇな。こんなんじゃ、逃げようにも逃げられねぇからな」
「うん。そうだね」
「まあ、逃げるっつっても、どこに逃げりゃいいかは解らねぇけどな」
「それは、大丈夫だと思う。廃棄されたのは、トウキョウだけじゃないから」
「そうなのか?」
「うん。軍の施設にいた頃に、色々と教えられたから」


476:名無しさん@ピンキー
09/02/05 14:56:03 AFg/+CWX
つか人外同士だったら獣人・亜人スレの方にもお願いしたいところだが
最近過疎気味だし

477:ヤンマとアカネ 7 2 859 ◆93FwBoL6s.
09/02/05 14:57:11 9e7uJQsf
 茜は目元を拭ってから、ヤンマの屈強な上右足に腕を絡めた。

「トウキョウがダメになっちゃった後、チバとかカナガワとかサイタマとかグンマとか、その辺もコクレンの命令で廃棄されたんだって。
そこに住んでいた人達は、海を渡って他の国に移住したの。だから、他の街も、トウキョウと似たような感じになってるはずだよ」
「だったら、逃げ場はあるってことか」

 ならば、まだ活路はある。ヤンマは複眼を上げ、昆虫人間の大群の切れ目を探した。高速飛行能力にはそれなりに自信がある。
茜を抱えていたとしても、上手く風を掴めば振り切れないことはない。だが、シブヤを囲む昆虫人間の波が切れる気配すらなかった。
昆虫人間という昆虫人間が、一族総出で出撃しているからだ。個体数の多い種族ならば、千どころか万を容易く超えているだろう。
そういった種族が複数集まれば、あっという間に物凄い数になる。それだけ、どの昆虫人間も、茜の運んできた毒を恐れているのだ。
ヤンマにも、その気持ちは解らないでもない。だが、恋に落ちてしまったことを自覚した今となっては、茜の毒など恐れるに足らない。
 だが、他の恐怖は感じていた。茜は弱い。昆虫人間の中でも特に脆弱な人型カゲロウよりも肌が薄く、筋力も弱く、戦う術を持たない。
他の昆虫人間に捕らえられれば、一秒と持たずに殺される。ヤンマは己の戦闘能力にも自負を持っているが、この数は戦い抜けない。
途中で力尽きて、茜を落としてしまうかもしれない。もしくは、他の昆虫人間に足を毟られて、茜を奪い取られて殺されるかもしれない。
そう思ってしまったら、動けなくなった。このままではいずれ見つかって殺される、と解っているのに、四枚の羽は萎れてしまっていた。
 突然、全ての窓が羽音で震えた。ヤンマが茜を庇って身構えると、ばしゃあっ、と窓を砕きながら巨大な昆虫人間が外壁に取り付いた。
人型カブトムシだった。黒光りするツノでコンクリートを打ち砕き、穴を一気に広げた人型カブトムシは、黒い複眼にヤンマと茜を捉えた。
頭頂部だけでなく胸部からも先端の尖ったツノが生えているので、海を渡ってやってきたヘラクレスオオカブトと呼ばれる種族のようだ。

「こんなところにいやがったのか、逆賊め!」

 がちがちと口を打ち鳴らしながら、人型カブトムシは昆虫言語で叫んだ。ヤンマは羽を広げ、威嚇する。

「だからどうした! 俺は俺の思うように生きているだけだ!」
「その毒餌を俺に寄越せ。叩き潰してやる!」
「生憎、こいつは毒でも餌でもねぇ!」
「じゃあ、なんだって言うんだ」

 人型カブトムシはツノの先で天井を擦りながら、大股に歩み寄ってくる。

「人間なんざ、喰うだけの価値しかない生き物だ。そんなもんに情を寄せたところで、腹は膨れねぇんだぞ、田舎トンボ」
「お前如きにこいつの良さが解ってたまるかよ、ゴキブリモドキ」

 人型カブトムシ一体ぐらいなら、倒せないこともない。ヤンマは茜を背後に守りながら、上両足を広げ、三本の爪をぎちりと軋ませた。
だが、人型カブトムシは構えなかった。床が震えるほど力強く下両足を踏み締めると、ぶぅん、と空気を唸らせながらツノを振り下ろした。
頭頂部から生えたツノがコンクリートに埋まり、中に埋められていた太い鉄骨が飴細工のように曲がり、ビル全体が盛大に揺さぶられた。
足元を支えていた床が砕け、割れ、抜けていく。ヤンマはすかさず茜を抱えると、人型カブトムシの肩を蹴って倒してから、穴から脱した。
人型カブトムシは敏捷に反転し、ヤンマの左下足を掴もうと爪を伸ばしてきたが、それが掠る前にヤンマは羽ばたいてビルから遠ざかった。
数秒後、劣化していた上に大打撃を与えられたせいでビルの天井が抜け落ちた。人型カブトムシは圧殺されたらしく、水っぽい破裂音がした。
 その様子を複眼の端で捉えながら、ヤンマは降下した。他の昆虫人間が争乱に気を取られている隙に、距離を取っておかなければ。
だが、数十メートル滑空したところで行く手を塞がれてしまった。同族の中でも最も近しい種族、人型トンボがヤンマと茜を取り囲んでいた。
仕方なく、ヤンマはひび割れたアスファルトに足を付けた。下手な飛び方をすれば、振り切るどころかすぐに捕らえられて殺されるだろう。
 びいいいん。びいいいん。びいいいん。びいいいん。色取り取りの複眼が二人を映し、威嚇のためにがちがちがちと顎を鳴らしている。
ヤンマは彼らをぐるりと見渡し、苛立ちに任せて顎を擦り合わせた。彼らは顎を打ち鳴らす音を止めると、ヤンマを見下ろし、口々に罵った。


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