【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】 - 暇つぶし2ch519:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:46:15 AXgzlfdg

 それに気づかず、いまや土下座しかねないほど低姿勢になっている来客は、しどろもどろに脂汗を流して哀れをさそう声を出した。

「明日、あらためて愚息とともにお詫びに参ります。ほんとうに、こちらさまにはなんとお詫びすればよいか」

 受ける男は無言だったが、書斎の奥まったほう、書架の陰からなだめる声がひびいた。

「おいおい、たかが子供の喧嘩でそこまで大げさにならんでも。
 それに、こちらも謝らなければ。うちの孫のほうが大きな怪我をさせてしまったのだから」

 横目でちらと奥のほうを見てから、銀縁眼鏡の男はようやく口を開いた。

「父の言うとおり、京介のほうこそとんでもないことをしました。折れていたのでしょう、そちらの息子さんの指。
 それについては、治療費をすべてこちらでもたせていただきたい」

「そんな……いえ、ご厚意はありがたいのですが……」

「いいえ。いかに『おびえての反撃』にせよ、うちの子のやりようは過ぎた対応ですからね。
 こちらで叱っておきますので、おたくの息子はおたくで言って聞かせてください」

 慇懃な口調だが、言葉のうちにあからさまに、「そちらの息子が小さなうちの子に売った喧嘩なのだぞ」という含みをこめている。
 銀縁眼鏡も冷たい印象のその男は、京介の父親で、渋沢圭介という。
 歳は四十、渋沢家の創設した地方銀行である坂松銀行において常務の地位についていた。
 奥にある革ばりの肘掛け椅子から声をかけたのは、渋沢家当主の元介。こちらは圭介の父、京介の祖父であり、渋沢翁と呼ばれている地域の顔役だった。

「そういうことで、お気をつけてお帰りください。それと息子さんまで謝りに来るには及びませんよ、本当に」

「はい……あの、どうか、くれぐれもお見限りなく……」

「お見限り?」

 うっかり聞き返してしまってから、圭介は舌打ちしかけた。
 相手のほうは、嘆願の糸口をつかんだとばかりににわかに顔を上げ、必死にすがる目を向けてくる。

「はい、ようやく風が向いてきたと申しますか、ご存知のようにうちの会社はいまが肝心な折ですから。
 来年には市場の活性化が取りざたされていますし、ふんばりどころなのです。
 坂松銀行様のほうを通して説明させていただいたとおり、ここでてこ入れしていただければもうじき確実に持ちなおす方向に向かうはずです。
 ですから、なにとぞそこのところを重ねてお願いしたく……いまご当家に見捨てられてはわたしどもは―」

「そんなことをここで言われても困りますねえ。おたくへの融資を仕切っているのはあくまで銀行のほうですよ。
 その件については、調査の結果をふまえて会議をおこなったのち、後日にきちんと通達させていただくと言っているではありませんか。それをお待ちいただきたい。
 今回の私事と、当行があなたの事業に融資するか否かという問題とは、いかなる意味でも関係しませんからご心配なく」

520:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:47:14 AXgzlfdg

 隠しもしない冷ややかな態度で、圭介は突き放した。
 うちしおれて来客が出ていった後、圭介は書斎の奥へ身をはこび、卓をはさんで元介の前のソファに腰を下ろした。
 すっかりぬるくなった珈琲のカップを持ち上げ、一気にあおってから、苦みのこもった息をふうっと吐き出す。

「やれやれ、三日ぶりに家に帰ってきたばかりだというのに。
 親の立場となるとやっかいなものですね。子供の問題がからめば、うちに援助をもとめようという魂胆がある人間とでも、直接顔を合わせざるをえないんだから」

 うんざりしている圭介の表情を見てか、かれの対面にいる渋沢元介は、舶来ものの水煙草をくゆらせる手を休めた。
 ふわふわ癖っ毛の頭をぽりぽり掻き、元介はため息まじりに圭介に話しかけてきた。

「なんともまあ、あの社長もこの数年で態度が変わったものだ……次期社長と呼ばれていたころは傲岸とした若いのだったのになあ。
 圭介、あの会社はやっぱり再建見込みなしかね」

 圭介は「まあ、ないでしょう」と冷然たる口調で答えた。

「あそこは屋台骨が白蟻に食われた態で、すっかり駄目になっています。
 貸付担当者が帳簿を洗いなおしてみたところ、先代の社長が倒れていまの社長に代わってから、急速に経営が悪化していました。経理関係の人間もつぎつぎ入れ代わっていますね。
 市場の波を読みまちがえて不良在庫を大きく抱え、赤字分をあちこちからの借入金で埋めてやりくりしていた末に、いまでは『借金して当面の借金を返す』という深みに入っていますよ。
 うちの損失は、担保をしっかりおさえたおかげでなんとか軽くすみそうですがね。頼みどおりに追加融資してやるなどはまず論外です。
 あとは会社ごと切り捨てるか、融資と引き換えに社長以下いまの経営陣を根こそぎ刈り取って、もっとましな人材をこちらから送り込むかの判断です。
 それにしても同族会社というものは、跡継ぎの育成に失敗すると悲惨なものですね。我が家も京介の教育にはよほど気をつけないと」

 冷笑こそしなかったが、圭介の声には寸分の慈悲もこもっていない。
 口ひげをひねっていた元介が顔をしかめる。

「なあ、お前、すこし冷たい態度を取りすぎてやしないか」

「これはお父さんの言葉とも思えない。冷徹でなければできない家業でしょう」

「それでも冷酷であってはならないし、侮蔑にいたっては匂わせもしてはならない。
 あの社長の息子は、京介に手を出したとき『金貸しの子』と罵っていたそうではないか。じぶんの父親がお前に頭を下げるのを知っていて、長年歯を食いしばっていたのかもしれんぞ。
 うちはあくまでも地元の支持を失うわけにはいかん。血も涙もないと恨まれるようになれば、不利益をこうむる」

「……なるほど、気をつけましょう。
 ところでその喧嘩ですが、京介のやりようが凶暴すぎるというのはわたしの本心ですよ。
 柔術で相手の指を折ったあげく、何度でも指を折ってやると恫喝したそうではありませんか」

「ふむ。子爵様などは話を聞いて『男子はそのぐらいでよい』と上機嫌で京介を褒めておられるがね。
 柿子の生まれを侮辱されたのがきっかけというしな。体を張って家門の名誉を守ろうとする意地自体は、跡継ぎの男には良いことだぞ」

 孫をかばう元介の声には、一方で息子の過去の不始末をちくりと皮肉る色がある。
 鼻白んだ様子も見せず圭介は皮肉を無視して、父の言葉の一部に反応した。

「ほう、子爵様がそう言いましたか。そういえば、あちらの家は代々、尚武の家風ですね。虎狼の家とみずから誇る向きがあったくらいの。
 京介はまだ九歳です。身近な人やものごとから甚大な影響を受ける年頃ですよ。心当たりはありませんか、京介の身近にいる子で」

521:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:48:09 AXgzlfdg

「……よくよくお前は京口家との縁組の話が気にいらないのだな。
 夕華ちゃんの人柄はお前も知っているだろうが。あの娘が京介に悪影響をおよぼしているように見えるかね」

「娘はよくてもその周りがあまりよろしくない、と申し上げているのです。
 京口子爵家の人々には、注意したほうがいいですよ。名家意識に凝り固まった華族というものは取り扱いが難しい。現実に沿わなくても、みずからの価値観を押し通そうとします。
 ことにご子息は、どうやら我が家を敵視までしているようですからね―もしも子爵様に不幸があって、京口家当主が代替わりすれば、あそことの縁組は簡単にご破算になりますよ。
 向こうから婚約破棄されるという運びにでもなれば、わが家は世間の笑いものですよ」

「そんなことはわかっておる、あっちとの付き合いはおまえより長いんだ。
 だいたいまだ先のことだ、あの子たちにしろはっきり婚約させとるわけではないわ。いまは様子見しとるんだと何度言わせる気だ」

「なら、いいのですが。
 しかしお父さん、華族の血をわが家に入れておいても損はないとはいえ、なにもそうまでして京口子爵家にこだわる必要はないと思いますがね」

 それだけを言って圭介は言葉を切った。
 何度話しても、京介の将来の縁談については、議論が平行線のままである。
 もっとも、親子それぞれの意見が一致しないのは、この話ばかりにかぎらなかった。

 圭介は鋭利な眼光をきらめかせて、不機嫌に水煙草のきせるをふかす元介を見やった。
 父の方針にはじつのところ大いに異がある。それは渋沢家の根幹にかかわることだった。

(地元重視のみでやっていける時代はいずれ終わりますよ、お父さん)

 先の大戦後、この国の経済圏は地方ごとに細分化している。「新華族法」とならぶ悪名高さをもつ法案、通称「地方関税」と呼ばれる税制によってである。
 国内で一定量以上の物資を、一定の距離をこえて移動させたときに課されるというこの無茶苦茶な税によって、各地の経済圏は分断されたのである。

 とはいえ、それによって渋沢家のような中小の勢力は保護され、地元の実力者として半世紀の安逸をむさぼってこれた面があるのだが……
 その分断と安逸の時代も、終わりを迎えようとしている。

(新華族法はまだまだ続くかもしれないが、地方関税は遠からず撤廃される見込みなのだから)

 手かせ足かせをつけられた状態でもゆるやかに力をたくわえていた巨大財閥が、いまこそ時節とばかりに歩調をそろえて本格的に政界に働きかけている。
 ひとたび国会で審議にかけられれば、国の政策としては愚かきわまる地方関税は、息の根をとめられるだろう。

 地方経済圏の壁が消えたとき起こるのは、各地に大資本による激突である。大財閥の傘下企業が乗りこんできて、弱い経済圏から吸収、淘汰されていくだろう。
 銀行業界にかぎっても、比喩でなくつぶしあいとなるはずだ。
 渋沢家がそのなかで生き延びていくためには、人情ではなく徹底した合理性が求められるようになるはずだと圭介は見ていた。

 だから、駄目とわかったものはそれ以上の負債とならないうちに、固執せず切り捨てるか処断するべきなのだ。
 たとえば先ほどの社長の会社のように。

 たとえば、代替わりした場合の京口子爵家のように。

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522:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:49:20 AXgzlfdg

 秋とはいえ残暑のきつい日々がつづき、夜も夜とて蒸し暑い。
 涼を感じさせるのは蒼白い月光くらいのものである。

 就寝前、京介と満は、座敷の一間でねそべって将棋を打っていた。
 それぞれ麻の浴衣を、夜着として身につけている。

「キョウスケ、連休の宿題は片づけた? そら、王手」

「もちろん。……待った」

 いまだ飛び交う蚊を遠ざけて、布団は吊られた蚊帳のなかに敷かれている。
 十二畳ほどのこの一階の座敷が、男子組の今夜の寝所である。
 夕華と柿子はべつの座敷に寝ている。今夜は男女ふたりずつ、それぞれ別の部屋に分かれたのだった。

「計算ドリル写していいか」

「じゃあ、十手さかのぼらせて」

「ふざけ……いや、お安い御用だ」

 座敷の障子はあけはなしてあり、縁側から月明かりがさしこんでくる。
 ランプをつけずとも将棋くらいはできる明るさだった。
 持ち駒を点検しながら、ふと満が口にした。

「あのさ……前にしたろ、俺の好きな女子の話だけど。最上級生なんだ」

 それを聞いて、ぴたっと京介の手が止まった。
 ややあってぎこちなく動き、ろくに考えもせず自殺的な悪手を打ってしまう。もっとも、京介は動揺しなくても元から下手な指し手だったが。
 打ったあと、かれは「それがなにさ」と声をなるべく静めて訊いた。

 即座に打ち返した満のほうからも、平静をよそおっているのが丸わかりの言葉が返ってきた。

「あっちの卒業まであと半年だから、いいかげん距離を詰めようかと思ってさ」

「そ……そうなんだ」

 京介の、駒をつまんだ手がわなないた。
 間近から、満の決意を固めた声が届く。

「今はせっかく近くにいられるし、これだけで満足するなんて嫌だからな。
 いい機会なんだから、どんどん自分から動かなきゃなって」

「……大胆なんだな。
 あの……ミツルくん、なんで僕にそういうことを言うの?」

523:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:50:19 AXgzlfdg

 手につづいて声も震わせながら、おずおずと京介は訊いた。
 「おまえにだって関係あるからさ」と、それが満の答えだった。緊張してはいるが、揺れてはいない。

「協力してほしいんだ。だれのことか薄々わかってるだろ」

 将棋盤ごしに見つめられ、われしらず、京介はごくりと唾を呑んだ。

「あっちには今んとこ、俺、おまえと似たような扱いを……いや、明らかにおまえよりも優先度低い扱いをされてるけどさ。
 そうじゃなくて、俺を一番に見てほしい。できれば付き合いたいとも」

「……こ、交際とかそういうことは、早いんじゃないかな。僕たちまだ小学生だし……」

「ばっか、将来の布石だって。あっちが卒業して同じ学校じゃなくなってみろ、接点ますます少なくなるぞ。
 いまは駄目でもいいんだ。何年かあとにもう一度当たってみるとき、昔の思い出ってやつがあれば有利かもしんないだろ。
 だから、あっちが卒業するまでいろいろ印象づけて……そうだな、一回告白くらいはしときたいって思ってる。
 いろいろと、おまえに協力してもらうかもしれないから話したんだ」

「―それは」

 京介はうつむいた。

(協力は無理だ)

 満のことは、親友だと思っている。
 それに、夕華の相手が満なら納得できなくもない。この友人は、明るくて侠気があって遊びがうまく、たいてい人の輪の中心にいる。
 いわばクラスの人気者で、タイプ的には夕華と似ていなくもない―そのせいなのか京介とは相性が良かった―お調子者のところはあるが、魅力的な男子である。

 それでも、かれが夕華に近づくことの協力までは、できない。
 それを京介は、この場ではっきり言うべきか迷った。
 だが言う前に、かれの様子をうかがっていた満が照れくさそうにそっぽを向いた。

「やっぱ、とつぜんこんなこと頼むのは変だったかな。
 でもとりあえず今夜くらいはいいだろ。ちょっとあっちの部屋に行ってくる。じつはもう段取りをつけてるんだ。
 でも大人たちが万が一見回りにくることを考えたら、ひとりは部屋にいたほうがいいと思うんだ。部屋がからっぽだと、いざというとき言い訳もしてもらえず、何かとまずいし。
 だからキョウスケはただ蚊帳に入って待っててくれるだけで―」

 急展開に度肝を抜かれて、とっさに京介は手を伸ばし、満の浴衣の裾をつかんだ。

「ま、待ってよ。今夜って、そんないきなり……」

524:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:51:12 AXgzlfdg
「さっき、せっかく近くにいるって言ったじゃん」

 どうやら精神的な距離だけではなく、実際の距離のことも指していたらしかった。
 たしかに夕華が今夜泊まっているのは同じ屋根の下なのだから、絶好の機会といえばこれ以上ないかもしれない。

 だいたい、すでに会う段取りをつけているなら、京介がとやかく言えるものではない。
 だが、ひきとめる手をゆるめなければならないとは思っても、すぐには満の裾を離せなかった。
 それでいて、言う言葉とて見つからず、声は出てこない。口はむなしく開いたままだった。
 満は、京介の手に手をそえて外しながら、「おい、なにを心配してんだよ」とわずかに不機嫌な口調で言った。

「変なことなんかしねえよ。今夜は話してきたいだけだってば」

「……うん……わかってる……」

「だいたい柿子ちゃんの性格はお前がよく知ってるだろ。じりじり距離を詰めるだけでも並大抵の苦労じゃないんだぞ」

「カキ!?」

「ん?」

「……カキ姉ちゃ……ん?」

「うん。柿子ちゃん」

 豆鉄砲を食らわされた鳩さながらの表情で、京介は呆然とした。
 たしかに姉はいま夕華と同じ部屋にいる。
 一気に肩の力が抜け、へたへたとたたみに突っ伏した。

「どうした、キョウスケ」

「なんでもない……姉ちゃんが好きなら協力する、喜んで協力させてもらいます。
 だから行くなら早く行っちゃってくれ……」

「行ってくる。ところでそれ、王手」

 満の指さした将棋盤上では、またしても見事に玉が詰んでいる。
 今度もやはり京介の負けだった。

…………………………
……………
……

525:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:52:15 AXgzlfdg

 ―ふすまを開けて、足音を立てないようにおそるおそる満が廊下に踏み出していったあと、京介は盤と駒を片づけた。
 敗者に科されたペナルティを終えてから、蚊帳にごそごそともぐりこむ。

「疲れた……」

 二枚並べられた布団のひとつに横たわる。
 満の好きな女子がまさか柿子とは思わなかった。弟として日々あの烈しい気性に悩まされている京介からしたら、完全に予想の範囲外である。
 (いじめられるのが好きな人っているらしいけど、まさかミツルくんがそうなんだろうか)と、かなり失礼なことを友人に対して考える京介だった。

 ふと中学生との喧嘩のことに思いいたる。相手が柿子のことを侮辱したあと、激怒した京介に満が加勢してきたのだった。
 あの手助けは、友人としての義理と侠気からだけではなかったのだろう。

(カキ姉ちゃんの悪口で、ミツルくんもあいつに怒っていたのか)

 納得が深まるほどに、自分が安堵していくことに京介は気づいていた。
 満の懸想した女子が夕華ではなかったからだろう。

 姉である柿子を侮辱されたときとはまったく別の意味で、自分はやっぱり夕華のことでは平常でいられなくなるようだ。
 ふだんその意味を深く考えることは避けていたのだが、今回はなかなかそうはいかなかった。
 なにしろ、ほかの男子が夕華と距離をちぢめようとして、それを手伝うことに京介が拒否感を覚えたのは、今夜が初めてではない。 満のばあいは単なる誤解だったが…… 

(……あいつが、最初だった)

 蚊帳網をとおして格子天井を見つめながら、つぎにゆっくり考えたのは、あの中学生のことだった。

 話しかけられたのは去年だった。
 公園で遊んでいたとき、呼び出されて「京口のお嬢さんにこっそり渡してくれよ」と文をことづかったのである。

 押しつけられ、ぽかんとしてそれを受けとり、しばらく立ち尽くした。初めての種類の戸惑いが芽生えていた。
 数時間その場で円をかくようにうろうろ歩いてから、京介はその中学生を探して「ごめんね、なんだか僕、渡す気になれない」と告げ、文を返したのだった。
 険悪な目で見られ、突き飛ばされて京介はしりもちをついた。
 見下ろされ、さげすむように言われた。「前から見てたけど、おまえってまさしく甘ったれのぼんぼんってやつだよな。いつもお嬢さんにべたべたして恥ずかしくないのか」と。

 以来、町内で顔を合わせるたびに「そこの甘ったれ」「金貸しの子」と聞こえよがしに呼ばれてきた。
 たぶん、その嫌がらせも終わりだろう。終わらなくても、もうどうということはない。
 我慢してきた末に反撃に踏み切ったあと、体の大きな相手に対する恐怖はふしぎと消えていた。だから、戦ったことを悔いてはいない。

 すこし後味の悪さはつきまとっていたが。

(……ゆうかちゃんに手紙を渡すくらい、してあげればよかったんだろうか。
 ―ううん、やっぱり、僕の手で渡すのは嫌だ)

526:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:53:14 AXgzlfdg

 重い気分で、京介はごろりと寝返りをうった。
 夕華だって、いつかだれかを好きになる。そんな当然のことを考えるたびに、京介の心には複雑な寂しさがわきあがってくる。
 やっぱり自分は、まだお姉さん離れしきれていない子供なのだろう。けれど、女々しい想いだと自戒していても、やはり自分の手で橋渡し役をつとめるなど嫌なのだ。
 その心の声を完全に無視することはできなかった。そんなことをすればきっと後悔することになると予感があった。

 良い悪いは別として、あの少年とのことはまぎれもなくきっかけだった。京介が、幼児期を脱して思春期を迎えたことの。
 あの少年との最初の悶着以来、なんとなく、京介はそれまでより夕華と距離を置きたがるようになったのだった。

 彼女に可愛がられ、甘やかされるのが恥ずかしい。
 二つ違いなだけで、頭を抑えつけられているのが気に入らない。
 夕華が京介を、弟のような小さな子としてしか見てくれないのが―

「きょうくん?」

 呼び声に、上体をはね起こした。
 唐突に耳にとどいたその声は、廊下のほうから聞こえた。ふすまがわずかに開いている。
 京介が絶句しているうちに、夕華が確認の声を出した。

「起きてるみたいだね」

 白絹地の寝巻きをまとった細身の少女が、影のように座敷にすべりこんでくる。
 彼女は素足でたたみを踏みしめ、後ろ手でふすまの蒔絵の引手を閉めた。一連の動作はすばやいが、音をまったくたてないあたり、狐か猫かという身ごなしである。
 混乱しつつ、とっさに京介は声を投げた。

「なんで入ってくるんだよ!」

 夕華がむっとしたように眉を寄せた。

「人の顔を見るなり、ずいぶんな言い方」

「だ、だって、なんでゆうかちゃんがここに」

 もごもご文句を言う京介に、夕華は耳を貸さなかった。

「ミツルくんが戻ってくるまで、こっちの蚊帳に入れてもらうから」

 そう言うなり、本当に京介のいる蚊帳にもぐりこみ、空になっていた隣の布団にねそべってくる。
 ぬるんだ夜気に、少女の香りがふわりと甘くただよう。京介は思わずとびのくように、夕華から距離をとって蚊帳のすみに身をひいた。
 その態度がわざと大げさにしたように見えて気に入らなかったらしく、夕華は手をのばして京介の袖をつかみ、はっきり機嫌を損じた声を出した。

「何、それは。わざとらしいことしないで、普通にしなさい。さ、こっちに来るの」

527:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:54:09 AXgzlfdg

 普通に並んで添い寝するつもりらしかった。あいかわらず、幼児か同性の友人とおなじ扱いである。
 この困った人から逃れようと、京介は袖をふりはらった。

「やだよ、暑いじゃないか! ひっぱるなよ、ちょっと」

「こら、いい加減にしなさい!」

 あくまで避けようという態度をとられて、とうとう怒り心頭に発したのか、夕華が本格的に腕をつかんできた。
 京介は手をふりほどこうとしてあらがう。もみ合う形になり、すぐそれは蚊帳がきしむくらいの本格的なものになった。
 子供とはいえ双方、柔術のいろはを修めさせられている。

 もっとも、敵意などは毛頭ないため喧嘩といえるようなものではなく、幼い獣のじゃれあいに近い。たびたびあることだった。

 正面から京介におおいかぶさった夕華が、小手をとってかれの手首をくるりとひねる。
 関節を極められて布団に押さえつけられる前に、京介は手首をぱっと返して技を外し、横に転がって逃げた。
 まともに取っ組み合いになると勝てないのだった。夕華は細身だが、京介より背が高い。力でもまだ劣るのに、そのうえ武芸の技量にいたっては比べ物にならない。

 逃げた京介に、すぐさまとびついて背中から押さえこむ形で、夕華が体重をかけてくる。
 少女の柔らかい体をあわてて振り落とすべく、今度は反対側に転がろうとして、そこで京介は完全に捕まった。
 京介の背にはりつくようにして同時に転がった夕華に、腕と脚で抱きすくめられていた。

 ―つかまえた。

 薔薇の花弁のような美唇が、京介の耳朶をついばむほどの近くから、楽しげなささやきを熱い息とともに洩らした。
 夕華のしなやかな脚が、京介の腰に背中側から巻きついている。
 短い攻防だったが、全力に近かったため双方の息と心臓は弾んでいた。寝巻きの薄布を通して、体熱と鼓動が伝わる。
 強烈な困惑を覚え、京介は振りほどこうともがいた。

「はなせ、莫迦っ」

「莫迦とはなに、憎まれ口ばかり叩いて。
 観念しておとなしくしなさい」

 少年の胴に後ろからまわされた夕華の脚が、ふくらはぎで交差してしっかり京介を捉えた。いよいよ逃げようもなくなる。
 まくれた寝巻きのすそから出て、京介の腰をはさんだ少女の太ももが、夜目にも白い。子供のたわむれながら美妙な妖しさのただよう光景だった。
 背から抱きしめる形で密着したまま、ふと内緒話のごとく声をいちだんと低めて、夕華がわけを明かした。

「ミツルくんには、少しのあいだ柿子とふたりっきりになりたいと頼まれていたんだ。だから私は部屋を空けてきたの。
 度胸あるね、あの子。やっぱり柿子が好きなのかな」

「う……うん。そう言ってた」

528:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:55:12 AXgzlfdg

 どうやら、昼間の夕華と満のひそひそ話は、この計画の算段をつけるためだったらしい。
 そうと気づいたとき、京介の体からふっと最後の力みが抜けた。

「柿子、もてるよね」

 そう言うと夕華も手足から力を抜き、京介の拘束をほどいた。なんとなく、少年にもう逃げる気がないことが伝わったようだった。
 少女と少年はやっとのことで、並んでおとなしく横たわった。

「暑いなあ」

 夕華は自分の襟をつかんでぱたぱたと胸元に空気を入れだした。
 目の前でひらめく襟から視線をそらし、京介はぶっきらぼうにつぶやいた。

「ゆうかちゃんが暴れたからだとおもうけど」

「また憎まれ口を。君が意味不明に逃げたからでしょう。
 一度言いたかったけれど、なんでこのごろよそよそしいの。私のどこかが気にいらないにしても、理由くらい言いなさい。
 ほら」

「え、いや……」

 じとっともの問いたげな夕華の視線が、京介にひた当てられている。
 赤子のころから知っている弟分の態度が、むかしと変わってしまったことを、夕華は思いのほか気にしていたらしい。
 (けど、いきなり理由を言えといったって)と京介は目を蒼ずむ闇のなかに泳がせた。


 「お姉さんぶられるのがなんとなく気に食わない」と言おうとしたが、それは途中でひっこめた。喧嘩になるだけならまだいいのだが、本気で傷つかれたくはない。

 では他はどうだろう。今しがたのように夕華にじゃれつかれて密着されたり、素肌が見えてしまったりすると、昔には感じなかった困惑がわきおこってくる。
 それらについては、言えない。そんなことを気にしているとは認めたくない。
 その点はふだんからなるべく考えまいとしているので、今回もさっさと意識から外す。

 もっと他には、と理由を探してみたところで、さきほどの夕華の口ぶりを思い出す。柿子のことを「もてるよね」と評して、くすりと笑んでいた。
 そこで京介はこみあげる腹立たしさを感じた。ほんとうにゆうかちゃんはわかっていない、と。

 年下年上を問わず、近隣一帯の男子のあこがれの的になりつつあるのは、むしろ夕華のほうなのだ。
 子爵令嬢という身分におそれをなしてか、告白にまでふみきってくる者がほとんどいないだけである。それも、今はまだ、だろう。
 柿子はといえば、傍目から見ているとたしかに姉には多くの男子が寄ってくる―ただし、その半分以上は、彼女を通して夕華と仲良くなりたいと思う輩なのである。
 柿子はうまくさばいているようだが、いらだたしいことに、最近では京介も取り次ぎを頼まれることが皆無ではない。あの中学生との因縁も、それが発端だったのだから。

 むろん、これも言うつもりはなかった。

 あれは言わない、これは言いたくないとなるとけっきょく、言葉につまるしかない。
 かといって何も言わないわけにはいかない。不満げな夕華の瞳が、間近から急かしてくる。
 言葉選びに逡巡したすえ、京介は苦しまぎれに言った。

529:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:56:08 AXgzlfdg

「別に、そっちに深刻な問題があるわけじゃないから。ゆうかちゃんが気にしなければいいだろ」

 そう言ったとき、夕華の眉間のあたりに愁いがただようのが見えた。

「避けられるようになれば、気にしないわけがないでしょう」

「その、嫌いとかじゃないからね」

 あわててそう保証したあとで、京介はきまり悪くなって顔をしかめた。顔が熱い。
 悪いことをしている気分に追い込まれたあげくの、言い訳めいた言葉だが、考える間もなく自然に口から出てきた。それがどういうわけかいたたまれない。
 幸いにも暗がりのことである。互いの表情はなんとか読み取れても、頬の紅潮まではわからない。

 夕華は気づく様子もなくあお向けになって、「それならいいか」とつぶやいている。

 開けはなした縁側の障子から、月影が座敷に入ってくる。風はなく、ぬるんだ夜気は動かない。
 枕をならべながら、なんとはなしに話をぽつぽつと続けていく。

「こんな夜はむじなが出るというね」

「空を見れば月がふたつ昇ってたとか? あんなの子供だましじゃないか」

「昔あれだけ怖がっていたくせに」

「ゆうかちゃんがさんざん脅かしたからだろ!
 五歳児の寝入りばなに怪談を語り聞かせるとか、鬼畜の所業だよ」

「あはは。
 むじなは知らないけど、狐ならいるよ。最近鳴き声がするから。耳をすませていれば今夜も聞こえるかも」

「え……いや、その手に乗るもんか。狐もいない」

「ほんとうよ。うちの庭に住み着いたみたい。夜になると町中に出ているんだって」

「……へえ」

「今年、できちゃった結婚をした豆腐屋のおにいさんがいるでしょう。このまえ化かされたと言っているよ。
 十六夜月の明るい晩に、赤ちゃんを抱いて夜道を歩いていたら、狐があとから付いてくる。
 おにいさんがちらちら後ろをふりむきつつ歩いていたら、腕に抱いていた赤ちゃんがいきなり『おとうさん厚揚げちょうだい』って話しかけてきたんだって」

「よほど食い意地が張った赤ちゃんだったんだね」

 本当に眉に唾をつけかねないくらいに警戒していた京介は、「ふん、やっぱり怪談の方向に話を持っていくんじゃないか」という顔をして、ここぞとばかりにまぜかえした。
 が、夕華は神妙に続けた。

530:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:58:01 AXgzlfdg

「そう言ったときの赤ちゃんの口は耳まで赤々と裂けていたんだって」

「……ふ、ふーん……」

「おにいさんはおもわず赤ちゃんを路上に放り出して逃げ帰ったの」

「え、だめじゃないか」

「帰ってから急に頭がはっきりして思い出せたっていうの。おにいさんの子供はまだ奥さんのおなかの中で、産まれてさえもいなかったって。
 誰のものとも知れない赤ちゃんを抱いて、真夜中に外出していたことは覚えてるんだけど、外に出た経緯はいまもさっぱり思い出せないみたい」

 少女がとつとつと抑揚なく語る怪の話に、背筋に冷たいものが差しこみ、京介はついぎゅっと布団をつかんでしまった。
 してやったりと、夕華が声にいたずらっぽい笑いを含ませた。

「こんな夜、だれも気づかないうちに狐が家の中に入りこんでいて、ふすまを開けて部屋をのぞきこんだりしてね。君の知っている人に化けて。
 ふふ、きょうくん、私が狐だったらどうする」

 しかし、つぎの言葉を続けたときに、夕華のからかいの微笑は消え、声が少し震えた。

「いきなり、どろんと消えてしまったり……するかもしれないよ」

 あいにくその声の震えには、京介は気づかなかった。
 少年は怯えをさそわれたことがただ腹立たしく、すぐさま事実とは逆の強がりを言い返した。

「幼児じゃあるまいし、そんなちゃちな怪談で怖がったりするもんか。
 だいたい不思議でもなんでもないね。夢遊病ってやつじゃあないの。豆腐屋のおにいさんは、きっと夢を見ながら寝ぼけて外にさまよい出てたんだ。
 赤ちゃんなんて最初から抱いてなかったんだよ。悪夢にかわったところで目がさめたけど、夢の印象が強すぎて現実とのあいだがあいまいになってるんだよ」

「ふうん……でも、夢だとしてもなんだかぞっとすると思わない。
 おにいさんは、夢を見ているうちは赤ちゃんのことを疑いもしなかったんだよ。まだ生まれてきていないはずだって気づくこともなかった。
 時々あるでしょう、真に迫った夢が。この世にいないはずの人がいたり、自分がいまある自分でなかったり……起きてからやっと『ああ、いまのはほんとうのことじゃなかった』って気づくような」

「そりゃ、そういう夢くらい僕だって見たことはあるよ。死んだおばあちゃんと昔どおりに話してて、おやつもらったとかね。
 けど、なんでそんなのが怖いのさ」

 今度は強がりではない。幽霊だの妖怪だのの話からそれて、京介はほっとしているのだった。
 けれど夕華はゆっくりかぶりをふった。

「怖いよ。ある瞬間まで信じていたことがいきなりひっくりかえって、目が覚めたらぜんぜんべつの世界があったなんて。
 あやふやで、確かでないのが怖いの。吊り橋をわたっていたら、とつぜん足元の板をはずされるようなものじゃない」

531:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:58:57 AXgzlfdg

「……なんだか、やっぱりぴんとこない。それにそんなの、夢に限らず現世だってそうだというじゃないか。
 この世では確実なことも変わらないものもほとんどないって、法事のとき来るお坊さんが説いてたじゃない。色即是空諸行無常、タダ春ノ夜ノ夢ノ如シ、って」

 ただのとりとめのない話題だと思い、京介はあくびしながら気楽に話していた。
 その隣で、夕華がつぶやきをもらす。

「そっか。夢も現も同じ、なにも確かなことなんてない、か。―そうだね、そうかもね……」

 あれ、と京介はようやく気がついた。少女の様子がいつもと違うことに。
 見つめられてかすかな胸騒ぎを覚える。

(ゆうかちゃん?)

 いま夕華が浮かべているのは、消え入りそうな寂しげな微笑だった。
 ずっと共に育ってきたはずなのに、彼女のその表情は京介がはじめて見るものだった。

「それならこれまでのことだって、幻を見つづけてたのかもね。
 狐の惑わしか、邯鄲の夢みたいな幻で、あした目覚めたらまったく違った人生がそこにあるのかもしれない。君も私も……」

 網をとおして蚊帳にさしこむ秋の月が蒼い。
 彼女の微笑がどこか透きとおって、かげろうのように薄くゆらめいている気がする。

 衝動に突き動かされ、気がつけば京介は夕華の袖をぎゅっとつかんでいた。
 一瞬のことで、あわてて離す。それでもかれは言おうとした言葉のほうはとどめはしなかった。

「やめろよ、そんな話。よくわからないけど、怪談のたぐいなんかもう聞きたくない」

 怒ったふうをよそおったあと、わざとすねた声で京介は言った。

「じつはちょっと怖かったよ。
 眠れなかったらゆうかちゃんのせいだ」

「―ごめんね」

 やはり、沈んだ笑みだった。
 もうそれを見たくなくて、京介は、育つつある男としての自尊心をいっとき捨てることにした。
 もぞもぞと動き、うつぶせる。幼い柔らかさのある片頬を布団に押しつけ、恥ずかしさを押し殺して、言うための勇気をやしなう。

532:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 15:00:45 AXgzlfdg

 夕華が好むのは、京介に「お願い」されることだとかれは知っていた。お姉さんぶりたがる彼女は嬉々としてそれを聞き入れ、ほとんどの要求をかなえてくれる。
 だから京介は、ここしばらく言おうとしなかった懇願を口にした。

「……あの、僕、ほんとに眠れなくなったみたい。
 だから、昔みたいに眠らせてほしいんだけど」

 最近はめずらしい少年の甘えを聞いて、夕華は軽いおどろきに目を見開いている。
 京介を見つめるその瞳が、やがて、ふっと優しくゆるんだ。
 沈んだ雰囲気が、彼女から消えていくことにほっとしながら、京介はさらに続けた。

「……―歌ってよ、久しぶりに」

 またも赤面し、口にしたそばからぎゅっと目をつぶる。
 夕華の気をまぎらわすために言い始めたことだが、たまの同衾の夜くらい素直でいようという思いも起こっていた。
 はたして無言のあと、少女が身を寄せてくる気配があった。

 ―しょうのない子。

 困ったふうをよそおって、かすかに嬉しげなささやきだった。
 それから歌が始まった。ふたりきりのときの儀式に近い、赤子のころから聞きなれていた、久方ぶりの子守歌。
 始まっても、すぐにはそうと気づかなかったほど、彼女の唇がつむぐ音色は淡いものだった。

   冷たきむろに醸されて、
   若紫の色深く、
   泡咲く酒のさかづきを、
   わがくちびるに含ませよ。

 宝林宝樹のこずえが風に鳴る音か、迦陵頻伽(かりょうびんが)の鳴く声かという雅歌だった。蜜を一滴からめた、温かく甘やかな柔音が、京介の耳に忍び入ってくる。
 一貫して低く、かそけく、清和して澄み、哀婉雅亮にみちみちて、おだやかに眠りの園へみちびく歌。

 あやされて陶然としながらも、夕華に寝かしつけてもらうのは今夜限りにしようと、京介は胸のうちにかたく誓っている。もう幼児ではないのだから。
 それでも彼女にこうしてもらうときがいちばん安らぐのは、幼児のころと変わりなかった。
 これを最後と思えばこそ、いまこのときだけは彼女に甘ったれていたい。

533:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 15:01:46 AXgzlfdg

   忘れがたみよ、津の国の、
   遠里小野の白すみれ、
   人待ちなれし木のもとに、
   摘みしむかしの香ににほふ。

 耳慣れた妙なる調べにくるまれて、京介は急速にうとうとしていく。
 声の高低や音律を、どの段階でどのように変えていけば京介が睡眠に落ち込んでいくのかを、長年の経験で夕華には把握されている。
 リラックスすればつぎは眠気を甘く呼び起こすように、まどろめば眠りをさらに深みにいざなうように。

 同じ歌詞がくりかえし続くこともあれば、途中で別の歌に飛んでいるらしきこともある。それはさほど重要なことではない。
 聴きいる京介は歌詞の内容よりも、夕華の声そのもので夢のふちに近づいていくのだから。

(あ、手―)

 少女の繊美な手で、髪をそうっと撫でられている。
 はっきり目覚めているときは怒り顔で首をふって払うそれも、ほんとうは心地いい。
 まだ意識はあるが、何をされているのかわからなくなっているふりをして、京介はその手の感触に黙ってひたった。

(くやしいな……)

 甘美なまどろみにたゆたいつつ、ぼんやり考えた。夕華に子供扱いされることは嫌なのに、これ以上なくこころよいのが、悔しい。
 いや、本当に悔しいのはそんなことではなかった。
 赤ん坊のころからずっと、夕華にはこんなふうに、いつも面倒を見てもらうばかりだった。今となってはそれが歯がゆくてたまらない。こちらからはなにも返せていない。

   待つにし来ます君ならば、
   千夜(ちよ)をもかくてあらましを、
   忘れてのみは、いつのよも、
   めぐり会ふ日はなかるべし。

 京介は、夕華の胸元に顔をうずめた。
 自分から無意識にすりよったのか、彼女に引き寄せられたのか定かではなかった。
 どちらにしてもすでに、少女の白絹の袖はかれの頭を抱き、やわらかくつつんでいる。

 清浄の伎楽にも似たかれのための歌声。抱擁されて間近に感じる少女の体温。
 鼻腔を満たす白薔薇のような甘い肌の香。髪を撫でてくる優しい手。

 寝かしつけられて眠りのきわにある思考が、温かく澄んだ想いを引きだした。
 今はほとんど借りを返せていないが、いつかこの年上の美しい少女のために何かをしてあげたい。

(もっと大きくなったら……ゆうかちゃんのために、なにかを……―)

   まぼろし追うてくたびれて、
   しばし野末の仮の宿、
   結ぶや君よ何の夢……

\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\

534:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 15:04:40 AXgzlfdg

 暗い部屋のなか、くうくうと穏やかな寝息がふたりぶん、夜具から聞こえてくる。
 渋沢柿子は蚊帳のかたわらにかがみこんで、身動きせず中をじっとのぞきこんでいた。

 座敷の入り口でちょっと開いたふすまから顔を出している満が、「……俺、戻れないだろ?」と同意を求めてきた。
 柿子はうなずき、いまいましげに悪態をついた。

「たしかに熟睡してるわね。この阿呆共」

 起こさないよう気遣った小さな声である。
 いましがたまでは、叩き起こしてやるつもりだった。
 よけいなことを謀ったあげく、満をこちらの部屋に送りこんだことを忘れて、のうのうと寝入っている夕華に腹を立てていた。

 そういうつもりで柿子は部屋のランプを点けたのだが、寝顔を見て、黙ってまた消したのである。
 京介の頭を抱いた夕華は、安らかな表情で眠っている。ランプに照らされたときその目元で露がきらめいたのを柿子は見たのだった。

(……この娘、なんで泣いてんのかしら)

 首をかしげる。
 心当たりはないでもない。来年、夕華が帝都の女学校へ行くという話が持ち上がっている。
 となると、京介との別れを惜しんでの涙だろうか。それだけではないのかもしれないが。
 いずれにしてもこうなると、放っておいてやったほうがよさそうだった。

(―どうせ起こしても話してはくれないだろうし。
 女学校のこと、そろそろこの娘の口から聞きたいもんだけど)

 柿子は、冷めた目で幼なじみの横顔を見おろす。
 入学のための上京うんぬんは、夕華から直接聞いた話ではない。祖父の元介が得た情報を教えられたのだ。
 祖父には、もしかしたらおまえを付いていかせることになるかもしれない、と言い含められている。それはまあ、いいのだが。

(相談もされないと微妙な気分になるのは、なにもあんただけのことじゃないわよ、夕華)

 蚊帳から離れ、柿子はふんと鼻から息を抜いた。
 満に対し、いちおう親友のために弁解しておく。

「意図してあんたを追い出すつもりはなかったでしょうけどね。この娘はいつも京介を寝かせるうち、自分も一緒に寝てるのよ。ほんと成長がないわ。
 ところであんた、今夜はどこで寝るつもりよ。そこらで雑魚寝でもすんの?」

「蚊に食われるのは嫌だな……どこで寝よう」

 考えるふりをしているが、満の声は期待に満ち、視線は柿子の顔色をうかがっている。何を考えているか簡単に読み取れた。

535:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 15:05:08 AXgzlfdg
 このマセガキ、と呆れ、あーあとため息をついた。

「……ま、京介に加勢してくれたそうだし……
 わかったわよ。あんたはわたしの蚊帳に入れてやるから」

「え、ほんと!? やっ……」

「死人のように寝とけよ。妙な動きを見せたら誇張ぬきで泣くまで殴るわ。
 さっきみたいに顔近づけてきたりすれば、明日の朝陽がしみるほど顔面を腫らすことになるわよ」

 強烈にどすのきいた早口で、柿子は釘を刺した。
 やりかねないと思ったのか満は憮然として黙りこむ。柿子はかれをうながして、部屋に帰るべく座敷から出た。
 ふすまを閉めかけて、ふともう一度、夜具に目をむけた。
 安らかに甘寝にひたっているあの二人は、一見して仲むつまじい姉弟に見える。ほんとうの姉弟よりずっと。

(でも、この子たちは、実際のところ相手をどう思ってるのかしらね)

 柿子が幼いころ、よちよち歩きの京介が自分より夕華にべったりなことで、腹を立てたときがあった。
 「こいつはわたしの弟で、あんたのじゃない」と夕華に抗議し、それは声高な喧嘩に発展した。
 争いのすえに柿子はそばでおろおろする弟をつかまえ、首を絞めかねない剣幕で「おい、どっちがお姉ちゃんだか言ってみろ」と迫ったものだった。

 「カキちゃんがおねえちゃんで、ゆうかちゃんがゆうかちゃんです」という答えを引き出してとりあえず満足したのだが、よく考えればなんだか後半が変な答えである。
 どうもあのころから腹違いの弟は、人間関係で「父」「姉」「友人」というような基本的な分類に加えて、「ゆうかちゃん」という項目を存在させていたらしき節がある。
 そう気づいたあとは、なつかれ度合いを夕華と競うのはもう馬鹿らしくなった。

 今もむかしも、柿子へ対するときの京介の態度はあまり変わらない。
 一方で、夕華に接する態度は、あのころから大きく変化しつつある。
 それでも、あのように寄り添って眠る姿を見れば、三つ子の魂という言葉がすぐ思い浮かぶ。
 表面がどれだけ違ったものになろうと、奥底にはあのころから変わっていない何かがあるのだろう。それはたぶん、柿子との結びつきより強いのだ。

「……せいぜい今のうちに仲良くやんなさいよ」

 最後にそう声をかけて、柿子は静かにふすまを閉めた。

536:ボルボX ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 15:09:05 AXgzlfdg
「春の夕べの夢醒めて」の番外編でした。子供の頃の話。
つぎの投下は本編に戻ります。

537:名無しさん@ピンキー
09/04/25 15:44:38 aAZGrwAA
GJ!嫉妬するカキ姉に萌えたw

538:名無しさん@ピンキー
09/04/25 22:41:09 sHlcns/u
GJ!
今のヘタレ京介からは想像もつかんなw

539:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:14:15 jGKbTG+E
さて。空気読まずに投下しますか。

540:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:16:03 jGKbTG+E
「ねぇ男。」

窓越しに女が話しかける。

二人の家は隣同士。昔からよく遊んだりもした、絵に描いたような『幼馴染』だ。

「ん?なんだ?俺今眠いんだけど」

あくびを噛み殺しつつ男が答える。

「その…さ…お、男って、す、好きな人とか…いる…?」

唐突な質問に男が目を丸くする。

「…は?何?いきなり何なの?」

「い、いいから!…ねぇ…好きな人、いるの?」

いつになく真剣な表情で女が男に尋ねる。よく見ると頬が少し赤い。

「……いるよ。ずっと、ずっと前から」

その様子にふざけているわけではないと感じ、男も真面目に返答する。

541:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:17:04 jGKbTG+E
「…そっか。好きな人、いたんだ…」

本人は気付いていないだろうが、顔にはありありと落胆が見て取れる。

男はそれを見て何かを決心したようだ。

「…うん。そっか。ゴメンね変な事聞いちゃって。今のは忘れて!それよりさ…」

女が話を変えようとする。しかし、無理をして平静を装おうとしているのはバレバレだ。

その証拠に、微妙に目尻から涙が零れかけている。


542:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:18:21 jGKbTG+E
「…なぁ女。」

男が女に話しかける。

「…何よ?」

「俺さ。そいつのことがずっと好きだったんだ。いつから好きだったのかもわからなくなるくらい」

「…」

「そいつはさ。強くて、かっこよくて、でも本当は他の子以上に女の子らしくて」

「…やめて。」

「いつも楽しそうに笑ってて、その顔がすごく好きで、でも時々寂しそうな顔をすることがあって、そんな顔見ると辛くて」

「…やだ。聞きたくない」

「だけど声もかけづらくて、遠くから見てるのが精一杯で、でもやっぱりいつも一緒にいたくて」

「やめて!」

女が男の話を遮るように叫ぶ。

543:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:19:02 jGKbTG+E
「そんな話…聞きたくない…」

「…」

「自分勝手だってわかってる。でも、男からそんな話聞きたくないよ…」

「…」

「ねぇ…男…。私、ずっと男のことが好きだったんだよ…?」

「…」

「ずっと、ずっと…でも、男に好きな人がいるなら諦めなきゃいけないよね…?」

「…」

「だから…諦めないといけないのに…」

「…」

女の目から涙が流れ始める。

「…やだよぉ…やだぁ!…ひっく…大好きだよぉ…諦めたくない…ふぇ…」

「…」

「…離れたくないよぉ…うぇぇ…ずっと…ずっと一緒にいたい…ひっく…やだよぉ…男…」

ずっと。ずっと一緒だった。

いつも二人だった。

気づけば、男のことを好きになっていた。

近すぎて、いつの間にか一緒にいるのが当たり前になっていた。

でも、本当はそれは当たり前のことなんかじゃなくて。

気付いていたけれど、声に出したら、もう一緒にはいられない気がして。

必死で自分を騙していた。離れたくなかったから。

けれど、今日。好きな人がいると聞いて。

もう、話すしかなかった。

544:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:20:37 jGKbTG+E
「…」

「ぐすっ…ひっく…何か喋ってよぉ…ふぇぇぇぇん…」

少しの沈黙の後、男が口を開いた。

「…そいつはさ、ちっちゃい頃からずっと一緒でさ」

「…え?」

頭が真っ白になった。

「いつも一緒にいて、バカやったり、喧嘩もしたりした」

「…男」

ちっちゃい頃。喧嘩。

どちらも記憶にある。

「年取るにつれて、段々意識するようになって、話もしづらくなって」

「…」

そういえば、小学校の半ばぐらいからあまり話をしなくなった。

「中学に入るぐらいからは、バカみたいにそいつばっかり気にしてた」

「…ねぇ」

中学の頃は、よく男と目が合った。

会うと、すぐに逸らされてしまったけど。

「高校に入って、凄く可愛くなって、俺なんか全然釣り合わなくて、ずっと我慢してた」

「…ねぇ、男」

高校に入ってから、何度か告白されたことがある。

男のことが大好きだったから、全て断ったけれど。

545:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:21:04 jGKbTG+E
「でも、今日、『好きだ』って言われて、もう我慢できなくなった」

「…それって」

期待しても、いいんだろうか。

「結果なんてどうでもいい。ただ、聞いてほしい」

「…」

男が。もしかしたら。自分のことを。

「女。俺は」

「…うん」

好きでいてくれるなんていう、奇跡を。

そして、今。



「お前のことが、大好きだ。俺と、付き合ってくれ」



奇跡は、起きた。

「…っ!」

546:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:21:25 jGKbTG+E
「…っ!」

声が、出てこない。

嬉しすぎて。

「どうしようもないくらい、お前のことが好きだ。」

「…いいの?私は可愛くないよ?」

夢じゃないんだろうか。

こんなことが起きるなんて。

「さっき言ったろ。お前は凄く可愛いよ」

「…ねぇ。さっきの、本当…?」

だから、確かめる。

これが、夢じゃないことを。

帰ってきたのは。

「…何度でも言ってやるよ。…大好きだ」

望んでいた答え。

「…っう…ふぇ…」

「…なんで泣くんだよ」

「だって…嬉しくて…」

「…そっか。…返事、聞いてもいいか?」

「…うん。……こちらこそ、よろしくお願いします!」

こうして二人は、やっと素直になって。

ずっと、ずっと一緒に。

二人で、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。

おしまい。

547:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:22:46 jGKbTG+E
製作時間1時間半ぐらい。
微妙かな?
まぁなんにせよ、読んでくれた人。
ありがとう!

548:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:41:09 jXe0MJ2t
何と言う王道
何と言う直球
素直に言おう
ごちそうさま

549:名無しさん@ピンキー
09/04/26 00:41:19 9zPmWIA1
よくやった

550:名無しさん@ピンキー
09/04/26 02:07:45 MmIpPqhQ
ボルボXさん超GJ!

仲睦まじ過ぎて泣けてくる。
本編楽しみにしてます。

551:名無しさん@ピンキー
09/04/26 10:36:22 Go+E9JG4
柿子「おい京介、俺の名を言ってみろぉ」
京介「カキねえちゃんさま…です」

552:名無しさん@ピンキー
09/04/26 15:46:47 jGKbTG+E
幼馴染みって昔から一緒にいないといけないから今からじゃ作れねぇんだよな・・・orz
俺も可愛い幼馴染みが欲しかった・・・

553:名無しさん@ピンキー
09/04/26 18:14:17 2CxHJCFf
>>585
まったくだ
妹なぞより幼馴染がほしかったッ!

554:名無しさん@ピンキー
09/04/26 18:42:57 0CtAPuMU
"ゆうかちゃんがゆうかちゃんです"・・・ツボだ(w


夕華のキャラが昔某エロ漫画でちょい出てきたキャラに被るのだが、
モチーフがあったりするのだろうか・・・

555:名無しさん@ピンキー
09/04/27 02:29:32 Ds5otSth
遅れながら乙
相変わらずしっかりした文章で書かれていてとても読みやすかったです
次の本編も首を長くしてお待ちしています

556:名無しさん@ピンキー
09/04/28 04:37:38 x3EkwNrb
前にこのスレで話題になっためだかボックスが連載化するそうで

557:名無しさん@ピンキー
09/04/28 19:15:40 DkvRmoCt
>>589
 楽しみだな。


558:名無しさん@ピンキー
09/04/29 21:51:46 0H6+RxMa
うわあああ冥土超がよみがえっちゃったーーー!
お嬢様ー!妹さまー!美鈴ー!てか紅魔館の皆様逃げてー!

559:名無しさん@ピンキー
09/04/29 21:53:00 0H6+RxMa
OK誤爆った。失礼

560:名無しさん@ピンキー
09/04/29 22:30:11 VhvIqva2
どうにか兄と姉を生贄に捧げて可愛い双子の幼馴染みを召喚できないものか・・・

561:名無しさん@ピンキー
09/04/30 22:33:36 9u+An08T
双子幼馴染の見分けがつくのは主人公だけなんて
超ド定番設定は最高だよね

562:名無しさん@ピンキー
09/05/01 06:38:47 KWv4wHiZ
だよね!
双子の姉はクリが弱くて妹は乳首が弱いとか、ちゃんと主人公は昔から分かってるんだよな。

563:名無しさん@ピンキー
09/05/01 15:50:48 trCRssVw
>>595

小学生の頃にたまたま見てしまったAVの内容を3人で実践したのが最初なんですね
よくわかります

564:名無しさん@ピンキー
09/05/01 17:22:22 Q3p0IqCH
タイトルは、
『悶絶焦らしプレイ!!イケないM男の悲劇!!』
姉からは足コキ、妹からは手コキで扱かれ、ギリギリのすんどめ地獄。


565:名無しさん@ピンキー
09/05/01 17:47:41 o1aZqZYO
M男プレイくらいならいいが、もし過激な内容のAVだったらどうする気かと
縛ってのレイプものとか

566:名無しさん@ピンキー
09/05/02 06:46:32 Tfx9eKqj
縛られるのが大好きな幼馴染みになりますが何か?

567:名無しさん@ピンキー
09/05/02 16:23:26 ViDPDtHN
俺が一番好きなコピペ

>小学校のとき、思い切って好きだった女子に
>「結婚してください」と言った。思いきり馬鹿に
>されて、卒業まで笑われた。
>中学も高校も一緒だったからずっと笑われた。
>
>
>
>
>今でもたまに夕食のときに笑われてる。



568:名無しさん@ピンキー
09/05/02 21:27:23 ie4O27XG
>>600
急いで保管庫にある15-49の小ネタを読みに行くんだ

569:名無しさん@ピンキー
09/05/03 00:55:26 dFvyCFzG
>>601
サンクス 
やっぱり幼馴染っていいな

570:名無しさん@ピンキー
09/05/03 03:48:30 jz/yHFqH
red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/o/original1859.html

これの続きってないのか?

571:名無しさん@ピンキー
09/05/03 19:24:39 dFvyCFzG
>>603
探してみたけど見つからないな

572:名無しさん@ピンキー
09/05/03 20:39:21 mzkeockz
>>603
続きはない
何故なら作者が書いてないからな

……はい、しばらくお待ちくださいませorz
話を膨らませるのがうまくいかず……

573:名無しさん@ピンキー
09/05/03 22:37:25 Vh3+Zlz+
>>605
本人かw

いつまでも待ちます

574: ◆1Bix5YIqN6
09/05/04 02:55:13 fspLFsfj
あーあー、酉のテスト中ー。
これから投下しますよ、と。小ネタです。

575:ホットケーキフレーバー ◆1Bix5YIqN6
09/05/04 02:56:12 fspLFsfj

「幼馴染みって面倒なんだよね」
 ……と、そいつは言った。
「知ってるか? おねしょしてた年齢とか、泣かされた回数とか、泣かした回数とか。そういう腐れ縁の面倒くささ」
「大変だな」
「そう、大変なんだよ。だからだな、俺を少しでいいんだ、かくまってくれ。な? 友達だろ?」
「……いや。悪いが、匿えないな」
「……なんでだよ。いけず」
「気色悪いな」
「ぶった切るな馬鹿」
「……俺は話を早くぶった切って後ろを向く事を薦めるよ」
「は? ……げぇ! 早苗ェ―!?」
「はいはいとっととこっちに来ましょうねー? とりあえずペンチでその軽い口を捻り千切ってあげるから」
「ギャ―! プリーズ! プリーズヘルプミー、吉原ぁ―!」
 笑顔で手を振って馬鹿を見送って、俺は頷く。
「分かる。分かるぞ」
 ……そう。幼馴染みなんてものは、基本的に面倒なのだ。

/

 家に帰ると、理汐<りしお>がベランダに寝転がっていた。
 人間関係が希薄になるとされているマンションで、コイツは驚くくらいに遠慮がない。
 面倒な事になる前に、ベランダ窓を開き、声をかける。
「理汐」
 呼びかけに対し、返ってきたのは寝息だ。
 ベランダも、そうきれいな場所でもない。引きずるように部屋の中に入れ、座布団を頭の下に敷き、タオルケットをかけてやる。
 起きた後のために、台所にポテチを探しに行く。
 この手の菓子は常備してあるが、……盗み食いとか、されていないだろうか。
「……ふむ」
 結論を言えば、されていた。大方、昨日の風呂の間だろう。ゴミ箱を開けば、くしゃくしゃになったポテチの袋がある。
 昼寝の後は、何かを食わせなければならない。
 そうでなければ、アイツは―
「は……」
 ため息を一つ。
 非常用に取っておいたホットケーキミックスを取り出し、フライパンを用意する。
 この前蜂蜜を直飲みされたので蜂蜜はない。よって、砂糖を多めに混ぜる事で代用する。
 ……と、背後で理汐が目覚めた気配。具体的には、匍匐前進でこちらに寄ってくる気配がした。
「理汐。あと少し待て」
 がたん、と椅子が揺れる音がした。気づかれていないとでも思っていたのだろうか。驚いた拍子にぶつけてしまったのだろう。
「何故バレた、とお前は言う」


576:ホットケーキフレーバー ◆1Bix5YIqN6
09/05/04 02:56:42 fspLFsfj
「なぜバレ―はっ!」
 答え。お前がパターンすぎるから。
「理汐。おはよう」
「……おはよう」
 ふてくされたように、理汐は言う。
「ホットケーキ?」
「ああ。蜂蜜はないが、その分生地は甘いぞ」
「ならよし」
 立ち上がる気配。そして、歩み寄ってくる気配。
 そして、肩口に手がかかり、ぐ、と力が入った。肩が沈み、そこから理汐がフライパンを覗き込む。
「おおー」
「……理汐、」
「ほら、手元手元。注意してよ」
 ……お前のせいだ、と言えない面倒くささ。
 これが幼馴染みだ、と思う。分かっている。分かっているんだ、馬鹿よ。
「……せめて座って待ってろ。遅くなるぞ、ホットケーキ」
「おまえの嫌がる顔も美味しいからいいよ」
「本当にめんどくせぇ!」
「う、うぉう、ごめんっ!?」
「す、すまん本音が出た」
 ぐ、と強く握られた肩の手に左手を重ねる。強張りをほぐすように緩く、だ。
「……本音って、ひどくない?」
「ひどくないぞ。大丈夫だ。問題ない」
「そう?」
 肩にかかる力が弱くなる。代わりに、うなじ辺りに額が来る。
 ぐりぐり、と押し付ける動きは、それはそれで、邪魔だ。
「理汐」
「……邪魔? 邪魔?」
「邪魔だ」
 答えると、額のこすりつけが加速した。
「……理汐! 料理の途中で邪魔をするな!」
 振り向き怒鳴ると、そこには理汐の笑顔があった。
「やっと振り返ってくれたね、湊<みなと>」
 ああ、と思う。
「ねぇ」
「もう少しだけ、顔、近づけてもいいかな」
 ―幼馴染みと言うのは、面倒だ。
 返事は無言。理汐はそれを好き勝手に、……俺の思い通りに解釈して、肩に再度力を込めてくる。俺の膝はそれに逆らわず落ち、そして、ん、と彼女は息を漏らす。
「……ちょっと、ホットケーキの味。あとにおい」
「味見したからな」
「ずるい」
「味見がずるいとはなんだ。お前が作るか?」
「……ごめん。代わりにホラ、……私食べていいよ?」
「……夜にしろ」
 やっぱり、幼馴染みは面倒だ。
 面倒を見なくちゃならないし、NOと言えなくなってしまう。
 にひ、と笑う彼女のため、俺はホットケーキを焼いていく。

577: ◆1Bix5YIqN6
09/05/04 02:58:14 fspLFsfj
/
投下終了。
うん、勢いで書いただけに、明日になれば投下できないと思ったんだ。
ホントはエロまで行きたかったけど眠いからナシだよ!
……どうしてプロットきちんと考えてないのは書くのが早いのか。
楽しんでいただけたら、本当に幸いですよ、と。

578:名無しさん@ピンキー
09/05/04 03:46:16 Xmlk7gD2
GJ!
俺もこんな幼馴染がほしかったッ!

579:名無しさん@ピンキー
09/05/04 05:46:03 NupB2qC6
これはGJ
かわええなw

580:名無しさん@ピンキー
09/05/04 07:32:37 9Dcy/8Kr
かわいすぎだろGJ……

581:名無しさん@ピンキー
09/05/04 10:31:40 h24Ml330
ほのぼのしてていいな

しかし題材がホットケーキとは貴様まさか甘スレn(ry

582:名無しさん@ピンキー
09/05/04 14:14:02 08BgGrhm
しがみついてうなじに額つける図とか想像するだけでテンション上がった。
そして「私食べていいよ」に拒否しない展開に期待した。
これは当然夜にいただくシーンも書くんだよな。

583:名無しさん@ピンキー
09/05/06 09:05:08 /guMZp7H
最初は男の後ろをちょこちょこついてまわり、成長するにつれ、
男の服の裾を掴み、背中に隠れ、手を繋ぎ、腕にしがみつき、常に抱きつき離れない。

そんな依存系幼馴染み。

584:名無しさん@ピンキー
09/05/06 10:00:23 /LC3Td+p
お前らが糖尿なのはよくわかったw

585:名無しさん@ピンキー
09/05/06 17:18:50 oaTs6yb5
甘スレ行けお前等




あっちで待ってるからw

586:名無しさん@ピンキー
09/05/08 19:47:21 YVtvdvRj
ホットケーキと聞いて甘スレからきました

587:名無しさん@ピンキー
09/05/09 00:14:51 xmtgGA5M
甘スレってどこだい……?

588:名無しさん@ピンキー
09/05/09 00:18:38 kXjwPvdv
板内を「甘」で検索すればすぐ出てくる

589:名無しさん@ピンキー
09/05/09 00:28:22 xmtgGA5M
サンクス

590:名無しさん@ピンキー
09/05/09 00:29:09 xmtgGA5M
連レスになって悪いが、作者は甘スレのことを知らなかったので、偶然の一致だと思われまする。

591:名無しさん@ピンキー
09/05/09 21:32:46 5gzEqny+
幼馴染、純愛、新婚、甘えん坊の4スレをブックマークしている俺に死角はなかった

592:名無しさん@ピンキー
09/05/09 21:56:19 x8kReoFG
>>624
その中だと純愛だけ未ブクマだったが今から常駐するか

593:名無しさん@ピンキー
09/05/09 21:57:51 pDdrJA1G
えーと
>>603で所望された話の続きを書き始めました
とりあえず起承転結の「承」、その1ができたので、投下します

594:幼なじみとなくしもの
09/05/09 22:07:10 pDdrJA1G
俺と紅葉が友達になってから、数日が経った。
今日は『母』こと静子さんの他に、ちょっとした来客があった。
俺たちに縁が深い、しかし「俺たち」の知らない面々である。

「紅葉ぃ、心配したんだから~っ!」
入ってくるなり紅葉に抱きつく女。
「え、あ、あの?」
「あぁ、頭にケガしてるし!でもお肌とかはいつもと同じだぁー」
困惑する紅葉をよそに、そのまま頬擦りを始めてしまう。何だこの女。
「ちょ、ちょっとアンタ」
よくわからないが、怪我人なんだから大事に扱え、と言おうとしたとき、
「こら、三雲。秋吉が困ってるだろう」
「ほらほら、とっとと離れる」
後から入って来た二人の男に引き剥がされた。
「あ、もう!いいじゃないスキンシップくらい!いつものことよ?」
お楽しみを邪魔されたかのように頬を膨らませる女。しかし、
「その『いつも』がわからないのがこの二人だろう。話を聞いてなかったのか?」
男の一言に、うーと唸って、黙り込んだ。
何がなんだかわからない俺。紅葉も同様、ポカンとした表情を浮かべている。
そんな様子に気付いたか、もう一人の男が苦笑しながら話しかけてくる。
「あー、ごめんな?たぶん、二人とも俺らのことわからんと思うから、軽く自己紹介するわ」

結論から言えば、彼らは俺たちの友人だった。
紅葉に頬擦りを仕掛けた女が、三雲 裕美(みくも ひろみ)。
三雲の行動を止めて黙らせた男が、神崎 博彦(かんざき ひろひこ)。
俺たち二人に自己紹介をすると言ったのが、牧野 和樹(まきの かずき)。
高校時代を共に過ごしたという彼らは、俺と紅葉が事故に会ったことを聞き、
わざわざ見舞いに来てくれたのだという。
……残念ながら、彼らのことも思い出せなかったが。
「でもさー、大変だよね。記憶がなくなっちゃうなんて」
ちっとも大変そうじゃない口調で三雲が言う。
「せっかく紅葉が目を覚ましたって聞いて走ってきたのに、私のこと忘れてるんだもの」
「ご、ごめんなさい……」
申し訳なさそうにちぢこまる紅葉。いや、別にお前が悪いわけじゃないと思うぞ。
紅葉の様子に気付いたか、三雲もちょっとばつが悪そうな顔をして、フォローに入る。
「う、ううん!紅葉が悪いわけじゃないのよ?ただね……」
「ただ?」

595:幼なじみとなくしもの
09/05/09 22:09:20 pDdrJA1G
顔を伏せた三雲を覗き込むように見つめる紅葉。と、三雲はニヤリと口の端を吊り上げ、
「せっかく紅葉と私が築いた色々な関係を忘れられちゃって、お姉さん少し寂しいのよー」
ずいぶんと楽しそうに、そんなことを言った。
「い、色々な関係?」
疑問を口にした紅葉に、更に楽しそうな表情を浮かべる三雲。
そのまま紅葉の耳に顔を近付け、小さな声でひそひそと話し続ける。
「そうよー、おんなじ大学で、女の子同士だったから、あんなこととか、こんなこととか……」
「……え、え?わ、私、そんなことまで……!?」
三雲の言葉に顔を赤らめる紅葉。
何だ。
女の子同士で何をするというのだ。
二人の(というか三雲の)話が気になって、つい身体がそちらに傾いてしまう。
一体何を話してるのか、耳をそばだてようとしたところで、
「三雲、勝手なことを吹き込むな」
ここまで黙っていた神崎が、再び三雲を引き剥がす。
「もう、また邪魔して!」
「お前が話すとややこしくなる。少し静かにしていろ」
またも文句を言う三雲を一蹴する神崎。
「まぁまぁお二人さん、そうカッカせず、な?」
間に入ったのは牧野だった。
牧野はニコニコとした表情をこちらに向けて、
「気ぃ悪くせんといてな?俺らと君らは、こんな感じで毎日つるんでたんよ」
と、流暢な(?)関西弁で話す。
「今日は二人の目が覚めたって亮平のオカンに聞いて来た次第。スマンなぁ、騒がしゅうて」
「い、いや。わざわざありがとな」
自分の交友関係に関西弁を操る男がいたことに驚きつつ、礼を言う。
「紅葉ちゃんも大変やったねぇ。傷とか残らんかった?」
「は、はい!大丈夫です、ありがとう」
紅葉に話を振る牧野と、なぜか慌てた風な紅葉。
……たぶん紅葉は三雲の話を反芻していたんだろうが。
そんな紅葉を笑顔で眺める牧野だったが、ふと俺を見て、
「ところで亮平。ジブン、いつ帰ってきたん?」
そんなことを聞いてきた。

それからしばらく、俺たちは他愛もない会話を続けた。
高校時代の思い出や、大学での過ごし方。友達の話など。
「何かジブンとは久しぶりに話すなぁ。3年のときには塾やなんやで話ができへんかったし」
なんて牧野は言ってたが、俺にとっては初対面の気分だ。
自分の知らない「氷川 亮平」を友人に聞かされるのは、何だか不思議な気持ちになった。
紅葉に関しては、三雲が最近の動向を妄想を交えながら話し、そのたびに牧野に突っ込まれていた。
いちいち真に受ける紅葉がずっと真っ赤な顔をしていて、それがまた三雲を煽ったわけだが。
そんな感じで楽しい時間はあっという間に過ぎ、そろそろ三人が帰る時間になった。

596:幼なじみとなくしもの
09/05/09 22:17:08 pDdrJA1G
「結局、春海ちゃんは来ずじまいかいな」
帰りぎわ、ふと牧野がそんなことを言った。
「ハルミちゃん?」
唐突に出てきた新たな人物の名前。誰だ、それ。
俺の顔に浮かんだ疑問符に気付いたか、説明しようとする牧野。
「ん?あぁ、春海ちゃんはな、」
「牧野」
そして、神崎がそれを止めた。睨むように牧野を見つめている。
何となく、場の雰囲気が固まる。
……俺は何か、まずいことを聞いたか?
「……あ、あぁ。スマンな」
剣呑な空気を読んでか、牧野が部屋の出口へ向かう。
「ほな、また。元気で過ごしな」
「あ、あぁ。今日はありがとう」
振り返って手を振る牧野に、俺も手を上げて返す。
「それじゃ、また来るから。紅葉、早く元気になってね!」
「うん、裕美ありがとうね」
さんざんからかわれている内に、三雲とはすっかり打ち解けたらしい。
紅葉は笑顔で三雲を見送る。
「…………」
最後に残ったのは神崎だ。
無言で、俺をじっと見ている。
思えば今日、神崎とは一言も話していない。三雲が話し続けてたのもあるが。
「……ど、どうした?」
沈黙に耐えられず、話しかける。「いや……」
何かを考え込むような、そんな雰囲気である。
……何で、そんなに苦しそうな顔をしてるんだ。
何かを後悔しているような、そんな表情を浮かべる神崎。どうしたというのだろう。
そのまま、再び沈黙が続く。
しばらく考え込むような様子だった神崎が、何かを言おうと口を開き、
「博彦、帰るんちゃうんかー?」
牧野の声に中断される。
タイミングを逸した。神崎は口を閉ざし、
「また来る。元気でな」
一言、そのまま病室を出て行った。
「……何だったんだろうな」
「……さぁ」
首を傾げる俺と紅葉。
彼らの足音が、だんだん遠くなっていた。

「でも、いい人たちばかりだったね」
三人が帰った後、俺と紅葉は彼らの話をしていた。
「まぁ、悪い奴らではなさそうだが。お前、三雲に散々いじられてたろ」
「あ、あれは確かにちょっと恥ずかしかったけど……」
あはは、と苦笑いの紅葉。
まぁ、あれは彼女なりの気づかいだったと思おう。おかげですぐに打ち解けたしな。
「あんな感じで仲良かったんだろうね、私たち」
「たぶんな。実感はないけど」
結局、彼らとの会話でわかったのは、自分たちの高校時代のこと。
残念なことに、記憶の復帰までには至らなかった。しかし、
「あぁいう友人に囲まれてて、よかったと思う」
それは本心からの言葉だ。
彼らとの学校生活は、さぞかし充実していたことだろう。
紅葉も俺の言葉に頷く。そのままポツリと、
「早く思い出したいなぁ……」
なんて、小さな声でつぶやいた。
俺も心のなかで同意する。
ま、すぐに思い出せるだろう。
仲のいい友人が大事じゃないわけないからな。

597:幼なじみとなくしもの
09/05/09 22:18:16 pDdrJA1G
いくつか、気付くべきだった。
彼らの話に出て来なかった「ハルミちゃん」のこと。
何かを告げようとしていた神崎のこと。
何より、仲の良いはずの彼らに、俺の帰郷を知らせてなかったこと。
……その意味に気付くのは、もう少し後のことだった。

598:名無しさん@ピンキー
09/05/09 22:21:29 pDdrJA1G
……とりあえず、今日はここまで。幼なじみ成分ないじゃん!

連作短編形式で同じようなネタを回すことはあっても、長いのは初挑戦な私
とりあえず今の流れでは、起承承転結で終わる予定。予定?未定
また次回まで、しばしお待ち下さい

さて逃げるか

599:名無しさん@ピンキー
09/05/10 01:26:14 xt323TR8
長編頑張ってください
俺は気長に期待しつつ待たせてもらうぜ

600:名無しさん@ピンキー
09/05/11 08:26:24 J5crfrL5
酉やタイトルでググると結構HP持ってる作者さんが見つかることに驚く

601:名無しさん@ピンキー
09/05/11 14:19:40 I/GhIe/p
ジャンプでめだかボックスの連載が始まったな。
ツンデレ成分も追加されてて期待。

602:名無しさん@ピンキー
09/05/11 20:52:46 wtiaY2Fu
あの作者の漫画はちょっと痛くて読めない

603:名無しさん@ピンキー
09/05/11 21:20:12 BrbDhikq
明稜帝梧桐勢十郎の女版みたいな感じだな
確かに痛いが割り切れば結構読めるぜ。おっぱい的な意味で

ただ、あれはツンデレじゃねえ。クーデレだ

604:名無しさん@ピンキー
09/05/11 23:11:41 FInILuw9
ツン要素はなさそうだな
端から好意ありありだし

605:名無しさん@ピンキー
09/05/11 23:21:39 5Mu3/aww
クーデレに見せかけたデレデレと見たが、さて
しかし小6まで風呂一緒って発想はなかったなー、いずれネタに借りようかな

606:名無しさん@ピンキー
09/05/11 23:52:19 J5crfrL5
西尾も結構あざといところ狙ってくるよなぁと思いつつも読んでしまう俺が
普通の漫画になるのか、それとも西尾らしく頭おかしい方向に行くのか、楽しみだ

607:名無しさん@ピンキー
09/05/12 00:07:55 YU6QyuAa
デレというか、めだかの方はそういうの意識してないんじゃない?
意識してて目の前で下着姿とかになってるならすごいなw

コンチェルトノートの莉都みたいな、相棒感覚

男の方は意識しまくってるが

608:名無しさん@ピンキー
09/05/12 03:28:26 R9DwOirg
「襲っていいぞ」つうサインとかのつもりだったりとかw

609:名無しさん@ピンキー
09/05/12 20:40:16 phADM7CR
「ありがとぉっ!!」は至高。
前にめだかボックスで書いてくれた人、また書いてくれないかな。

610:名無しさん@ピンキー
09/05/12 23:34:41 LTWKmp2a
めだかの二次創作は勘弁願いたい
というかどうせめだかスレたつしょ

611:名無しさん@ピンキー
09/05/12 23:43:48 mrYWX+Wn
めだかスレは立ちそうだが
なぜめだか二次創作が駄目なのだ?

612:名無しさん@ピンキー
09/05/12 23:58:55 LUDkL9aC
>>644
ここで西尾のウンチク語られたり、
漫画キャラ板みたいなノリで騒がれるからだろ?
ちなみにもう、めだかスレ立ってるぜ?

613:名無しさん@ピンキー
09/05/13 00:01:01 phADM7CR
ここか西尾維新スレで事足りるはずなんだが誰か建てちゃったみたいなんだよな。
もし投下することがあるならば是非そちらの方にお願いしたい。


614:名無しさん@ピンキー
09/05/13 06:37:20 Bn8PsPDU
めだかは巨乳なんで興味無いッス。

愛でるならやっぱり貧乳&低身長の幼馴染みだな、うん。

615:名無しさん@ピンキー
09/05/13 19:50:08 YtMTzH4a
>>647
電波が来たから即興を送る。

…………
千鶴は小さい。
どんくらい小さいかと言われたら一人で遊びに行くと30分に一回迷子センターにつれていかれそうになり、居酒屋では免許証と学生証を見せても酒を出してもらえない位だから相当である。
ちなみに身長135cm、体重30kgだ。
「ねぇ、大君、だーいくーん。何ぶつぶつ言ってるのー、お酒なくなっちゃったよー?」
ちなみに此処はちぃの隣家の二階にある部屋、つまりマイルームだ。
「お前な、いくら居酒屋で飲めなかったからってピッチ早すぎ、30分でチューハイ5杯は明日くるだろ」
ちぃが唯一大人に勝てるとするなら、酒飲み位だろう。ただ、こいつはその日の気分でビール一箱飲んでも平気だったり日本酒を猪口一杯口にして悪酔いしたりする。
「お酒ー、大君の口ん中のちょーだーい?」
ちぃが抱きついてきた。今日はどうやら悪酔い気味の日らしい。
「こら、そーゆーのは彼氏にやれ。」
「えー、あたしロリコン嫌いなんだけどさー」
「鏡見ろ。お前と付き合う奴はどうやってもロリコンにしかならねぇ。百万かけてもいーぞ?」
「ぐたいてきにどのへんがロリなのよー」
「お前号泣するから言わない」
「言わなきゃ犯してやる。」犯されたくないので思いつく限り言ってみる
「低身長!童顔!昼寝体質!つるぺた!お子さまランチマニア!」
「ふぇ、だいくんがいじわるだ……うわーん!!」
やっぱり泣きだした。俺は他にどう言えばいいんだよ

こんな調子で保育園からの幼馴染みと過ごす色気のない夜はどちらかが眠るまで続くのだった


いつまでこれが続くかって?
保守だから投下次第だよ。

616:名無しさん@ピンキー
09/05/13 20:49:26 mMy89LcH
>>648
大長編の始まりにしかみえないwwww

617:千葉の戦士
09/05/14 01:59:48 NX8XcjLR
「お父さん、美紀がびーる入れてあげる」

仕事を終え野球中継をツマミにビールを飲んでいた僕に、美紀が両手でビールを取るとグラスに注いだ。
まだ程度がわからないせいか、泡が吹き出しそうになったので、僕は急いでグラスを口に近づけて泡をすすった。

「お父さん、しろいおヒゲ生えた」
美紀が満面の笑みで僕の顔を見えて微笑んだ。
本当に可愛い。

美紀は、僕と綾の子供だ。美紀が生まれて、もう5年になる。
ヨチヨチ歩きだった頃の美紀の姿を思い出すと、本当に月日が過ぎるのは早いと思う。

618:名無しさん@ピンキー
09/05/14 03:17:58 Yy2Wd9CB
鷲を愛する俺は喜べないwww

619:名無しさん@ピンキー
09/05/14 16:31:20 WVV2dPXZ
>>647
人間って違うもんだなあ

620:名無しさん@ピンキー
09/05/14 21:30:58 xl0rrCJ+
人間だもの

621:名無しさん@ピンキー
09/05/15 00:15:26 XqEJ+PRL
>>647
今宵の月でも読んどけ

622:名無しさん@ピンキー
09/05/16 06:07:57 t8nN6DmE
上手く書けねーよちくしょー
とりあえず投下させてくれ

623:名無しさん@ピンキー
09/05/16 06:13:02 t8nN6DmE
 ふと気が付くと、僕は空へと伸びる長い螺旋階段の途中に立っていました。
 階段は気の遠くなるような長さと高さで、頂上がぼやけていてはっきりと見えません。
 また、下も同じように途中で見えなくなっており、今いる場所がどれほどの高さなのかも、見当がつきません。
 僕は何故、こんな場所にいるのでしょうか。
 暫く考えましたが分かりません。ただ、僕は何だか、上らなくてはいけない気がしました。
 僕は一段、また一段と足を踏み出します。体は軽く、自然に上へ上へと押し上げられるようです。
 階段の幅は人が二人並んで歩けるほどしかなく、手すりなんて物もなく、踏み外せば下に真ッ逆さまに落ちてしまうことでしょう。
 しかし、不思議と落ちる気は全くしませんでした。それどころかこの光景、どこかで見たようなことがあります。
 ですが、頭が上手く回りません。思い出せません。ただ敷かれたレールを走る列車のように、僕は階段を上り続けます。

「星がきれいだね」
 懐かしい声に振り返ると、背後に小学生くらいの女の子が立っていました。
「星?」
 するとどうでしょうか。まるで霧の中のような周囲に、きらきらと光るものが見えてきたではありませんか。
 それは確かに星。五芒の形をした、絵本やアニメで見るような。
「これが星だっけ?」
 気持ちをそのまま、僕は口に出しました。雨漏りの雫を額に受けたような違和感を受けたからです。
「そうだよ。お盆のキャンプ、楽しかったな」
 目の前にひらひらと、まるで落ち葉のように何かが落ちてきました。
 星でした。クレヨンで枠は黒、中は黄色がやや雑に塗られた、まるで夏休みの絵日記に描かれるような、お星さま。
 それが画用紙から切り取られて来たかのようでした。周囲の星と同様、僅かに光っています。
「お盆のキャンプ?」
 女の子の顔を見ようとしましたが、ぼやけてよく分かりません。ただ、何か懐かしいのです。
「うん! えへへ、じゃあ先に行くよっ」
 女の子は僕の隣を抜けて、駆け上がって行ってしまいました。

 また暫く上ると、今度は紺の制服を着た女子高生が、階段に座っていました。
 二つに分かれたお下げが、またどこか懐かしく感じます。そう、確かに見覚えがあるのです。
 たださっきの女の子と同様、顔がぼやけていて、誰なのかがはっきりしません。
「待ちくたびれちゃった」
 そう言って、女子高生は憂うように溜息をつきました。
「待ちくたびれた?」
 意味が分からない僕は、尋ねてみました。
「そう。彼ね、中学校に入る前に引っ越しちゃったんだ。あの日私は、勇気を出して告白した。ずっと待っているから、って」
 誰かを待っているのでしょうか。この階段を上ってくるであろう、その人を。
「彼は四年後に戻って来た。けど、私のことなんて覚えていなかった。会った時、何て言ったら良いのか、分からなかった」
 辺りはいつの間にか暗くなり、雨が降っていました。優しくも物悲しい、五月雨のような雨です。
 雨が、女子高生の顔を濡らします。まるで泣いているかのように、頬の辺りを滴り落ちて行くのが分かります。
 ですが、不思議なことにその顔がはっきりしないのです。
「でも、好きだから。ずっとずっと、私は」
 そう言うと、雨に溶けるようにして、女子高生は消えてしまいました。

 やがて、頂上らしき開けた場所が見えてきました。
「ねぇ、待ってったら」
 後から女性が現れました。まるで僕を追いかけて、上って来たかのようです。
 そしてやはり懐かしく、やはり顔がぼやけています。
「え?」
 僕は振り返り、息を切らしている女性に尋ねました。
「本当に、行くの?」
 行く? 僕に言っているのでしょうか。
「僕が、何処に?」
 何を訊こうとしているのかが分かりません。僕はただ、あそこに行こうと思っているだけなのに。
 しかし、あそこは何処なのか僕も分かっていないのです。どうしてそんな所に行こうとしているのでしょうか。
 考えようとしても、やっぱり上手くいきません。多分理由なんて、ないのだと思います。
「私を置いて、また一人で、そうやって、ずっと、馬鹿っ!」
 女性はそう言うと、膝をついて項垂れてしまいました。訳が分かりません。
 またその訳を、必死に考えたいとも思えないのです。何故か早く、あの場所へ行きたくてなりません。
 僕は女性をそのままに、階段をまた一段ずつ、上り出します。

624:名無しさん@ピンキー
09/05/16 06:14:29 t8nN6DmE
 長かった螺旋階段が漸く一段落つき、足場らしきものが目の前に広がります。
 よく見れば、まだ階段は続いていました。ただ僕が下りるべきはここだと感じたのです。
 少し歩くと、大きな扉がありました。
 見るとそれは木のような質感で、中央に鳥のような彫刻が施されてあります。
 と、突然そのくちばしの部分が動きました。そして人が通れるほどの大きさに開いたのです。
 まるで僕を待ち構えるかのようです。
 いざ進もうとすると、今度は予期せぬ大きな揺れが襲ってきました。
 ふと、さっきの女性が心配になった僕は階段まで戻り、下を覗き込みます。
 誰もいません。それどころか階段が崩れ落ちていきます。僕のいる足場まで不安定になってきました。
 僕は急いで扉の方に戻ります。見れば、くちばしがゆっくりと閉じようとしているではありませんか。
 どうして自分はその先に行こうとしているのか、考えるより先に足が動きます。
 が、すぐの距離なのに体が進みません。まるで、夢でも見ているかのように、自由が利かないのです。
 足元は沈み始め、くちばしはもはや人の通れる大きさではなくなってしまいました。
 瓦礫と共に下へ、ゆっくりと落ちていきます。

「?」
 ここはどこでしょう。
 僕は誰なのでしょう。
 暗い場所に僕はいます。
 ぼんやりと映る黒い線に白い色。
 息が、苦しい。そして、胸が張り裂けるように痛い。
 顔に、瑞々しい何かを感じます。これは、涙?
 どうして、こんなに、空しいのでしょうか。
 どうして、こんなに、切ないのでしょうか。
 目から涙が、止まりません。僕は、一体? 分かりません。分からない。
 体を動かすことも、声を出すことも、何も出来ません。出来ることは僅かに開いた目から、涙を溢すだけ。
 誰もいません。目の前に誰もいないのです。それが何故か、凄く哀しい。
 夢か幻か、今の今まで見ていた光景が、懐かしく羨ましい。
 ここは空虚でただただ、何もありません。泣きたくなるほど、何も。

 いつの間にか眠っていたようです。
 眠っていたということは、僕はずっと横になっていたのでしょう。
 頭は割とすっきりしました。そして差し込んでくる光が、いくらか不安な気持ちを和らげてくれます。
 僕は時間をかけて、現状の把握を始めることにしました。
 口元にあるのは、酸素吸入器でしょうか。ここは、病院なのかもしれません。
 体を、動かしたい。それなのに腕が、重い。
 動いて。
 動け。
「!」
 ぱたっ、と少しだけ持ち上がり、また柔らかな下へ落ちます。
 やっぱり僕はベッドに寝ているようです。そして、手に感じる僅かながらの違和感。
 体の奥に、染み透ってくる何か。
 知っています。これは、点滴。

 僕が発した僅かな音に呼応するかのように、物音が聞こえました。
「ゆ、き?」
 微かな声。女性のそれでした。
「ゆき!」
 視界に入り、じっと覗き込んでくる女性。
 目が合うと、女性はその顔をくしゃくしゃにして喜びました。
 この瞬間は、形容し難いほどに嬉しかった。人がいて、僕の存在に気づいてくれたということで、どれだけ救われるかが分かりました。
 そして僕は、すぐに思い出しました。
 幼馴染の、三橋野叶のこと。目の前で大粒の涙を溢している彼女こそ、あの顔のぼやけた女性でした。
 今ははっきりと、顔が映ります。心につかえていたものが取り払われたようで、嬉しくて僕も涙が出ました。

625:名無しさん@ピンキー
09/05/16 06:15:40 t8nN6DmE
 僕は、僕のことを忘れないでくれていた叶を、忘れてしまっていました。
 子どもの頃、盆に一緒に行ったキャンプ。満天の星空を二人で見たこと。
 小学校卒業前に引っ越すことになり、告白されたこと。
 ずっと待っていると言われて、僕も忘れないと答えたこと。
 ですが、四年後に再会した時には何もかも抜け落ちていて、僕は彼女を置きっ放しにしてしまったのです。
 それなのに彼女は、ずっと付いて来ていました。気持ちを隠して、ただずっと、僕を近くで待ってくれていました。
 僕が事故に遭って意識不明になった時、彼女は居ても立ってもいられずに、ずっと通いつめて看病をしてくれていました。
 思い出さないままなら、そのままでも良いと。もし意識が戻ったとしても、すぐに僕の元から再び隠れようと。
 生死の淵を彷徨っている中で、走馬灯のように出てきた思い出。あの階段で見たのは、三人とも彼女でした。
 僅かに残っていた記憶が、そして彼女の思いがあの夢を見せたような気がします。
 そして、それが僕を呼び覚ましてくれたのかもしれません。
 今度は、僕が応える番です。

「お帰りなさい、ゆき」
「ただいま、叶。そしてもう、絶対に忘れない」

626:名無しさん@ピンキー
09/05/16 14:32:10 OP47yEFk
oh!! yeah!!

627:名無しさん@ピンキー
09/05/16 14:38:55 s7K/sY6K
おつー。

そして容量警告。

628:名無しさん@ピンキー
09/05/19 21:16:40 V9w5Nk5T
なんだかひさしぶりに「天国への階段」を聞きたくなった

629:名無しさん@ピンキー
09/05/19 21:45:57 thUQi+rc
>>661
レッド・ツェッペリンの?

630:てす
09/05/19 22:36:18 4X5irE4p
1

 イカサレノート所有者は、ノートを自由に使う代価として、以下の条件を支払う事になる。※条件は所有者の性別で異なる。
 以下は所有者が男の場合。

・ノート所有者の精子は生産能力を失う。※膣内射精を試みても、受精、及び着床は行われない。
 よって、レイプ等で無理矢理に既成事実を作ろうとしても無駄である。

・ノート所有者の精液を浴びた口内、膣内、腸内の器官は、クリトリスとの強制神経接続や、尿道や肛門の弛筋化、感度の数十倍化等、様々な副作用を及ぼす。
 よって、愛する二人が同時に絶頂を迎える、濃厚ラブラブセックスは不可能となる。

・ノート所有者の精液を膣内に放出された人物は、ホルモンの働きが活発となり、乳腺が極端に緩むので、僅かな刺激で母乳を撒き散らすダラシナイ身体となる。
 よって、後始末の大変な面倒臭いセックスしか不可能になってしまう。




   『イカサレノート』後編




 ハイリスクローリターン。だけどボクは、それでもボクは、ノートの所有者になった。



631:名無しさん@ピンキー
09/05/19 22:37:12 4X5irE4p
ごばーく

632:名無しさん@ピンキー
09/05/19 23:02:11 4X5irE4p
お詫びに次スレ立てようとして、1のコピペミスった……orz
落として貰って良いです。


633:名無しさん@ピンキー
09/05/20 00:07:20 QotSGgHU
【友達≦】幼馴染み萌えスレ18章【<恋人】
スレリンク(eroparo板)

>>665
せっかくだし使おうぜ。
スレ立て乙だぜ。

634:名無しさん@ピンキー
09/05/20 00:14:55 8Zls5Pfz
>>666
スレ立て乙。
過去スレリストは>>2以降に分割した方がいいんじゃないか、
と思ってたし問題ないと思う。

635:名無しさん@ピンキー
09/05/20 00:19:24 A9rGOZZ8
>>665
スレ立て乙
ま、袖すりあうも多少の縁。またの投下をお待ちしてるよ
>>666
誘導乙。獣の数字か
次スレもいい作品に巡り合えますように

636:名無しさん@ピンキー
09/05/21 02:38:48 QqRZoMnx
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           O 。
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|__|__|__|_   __((´∀`\ )< というお話だったのサ
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|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
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                人./ノ_ら~ | ・・・と見せかけて!
           从  iヽ_)//  ∠    再  開 !!!!
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          )::::/∠Λ てノし)'     ,.-―-、   _
______人/ :/´Д`)::   (     _ノ _ノ^ヾ_) < へヽ\
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        巛ノi
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     ノ')/ノ_ら      ∧_∧       | いきなり出てくんな!!
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637:名無しさん@ピンキー
09/05/21 02:40:29 QqRZoMnx
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