【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】at EROPARO
【友達≦】幼馴染み萌えスレ17章【<恋人】 - 暇つぶし2ch515:秋夜思 ◆ncmKVWuKUI
09/04/25 14:41:19 AXgzlfdg

 背を流されながら、満はどう見てもがちがちになっていた。
 愚痴にしてもほんとうに畑の主に怒っているわけではなく、現在の状況に戸惑ってしゃべらずにはいられないという感じだった。

 夕華のほうは、いつもどおりに屈託なく、落ちついた声で会話している。―こちらも身につけているものは、腰に巻いた湯文字だけだった。
 満の緊張の原因が、裸の上級生女子にかいがいしく世話されているためであることは、ほぼ間違いない。

 京介はふてくされ気味に目を細めた。
 談笑する二人の姿は、なぜか見ずにはいられないがぜんぜん面白くない。

(あちこち痛いから気分が苛立つんだ、きっと……)

 数日前の喧嘩であの中学生に殴られた部位が、じくじく痛む。腫れは引きかけていたが、湯につかっているうちまた傷が熱を持ってきていた。
 振り切るように強引に目をそらし、京介はむっつりとアヒルを湯にしずめた。

(お風呂上がるまでに気分変えなきゃだめだ。友達と一緒のお泊り会なのに、不機嫌になってるわけにはいかないんだから)

 京口家と渋沢家のあいだでの「お泊り会」は、かなりひんぱんにあった。
 たいがいは祖父に連れられて、孫たちがどちらかの家にいくのである。
 年来の友人である祖父たちは夜遅くまで話しこむことが多く、子供たちは子供たちで好きなようにやるのが常だった。

 ただし今回の、渋沢家のほうで開かれたお泊り会は、いつものそれとは様子が違う。
 夕華にくわえ、満が来ている。孫を助けたお礼ということで、京介の祖父が招いたのだった。代わりにというべきか夕華の祖父は今夜は訪れていなかった。

 別に、だからどうというわけではない。
 お泊り会で三人以外の子供が混じるのは、これが初めてではない。
 それに、満は京介にとっても特に仲のいい友のひとりだ。数日前にも喧嘩に加勢してくれたほどの友人に、文句があるはずもない。

 ただ―
 最近、満がよく夕華に話しかける気がする。それもなるべく人に聞かれないようにして。
 今日もこの家に来るや、二人きりでひそひそと何かを話していた。
 もちろん京介は見て見ぬふりをした。が、いかにも秘密の話といった二人の雰囲気や、かれの話に興味をひかれているらしい夕華の様子に、どうしてだかむずむずするものを覚える。

 満とは以前、好きな女子がいるかという話をしたことがあった。
 京介は「そんなのいない」と否定したが、満はそれに返して「俺はいるけどな」と宣言してきたのである。
 照れは入っているが真剣な顔で、京介に聞かせておこうとするかのようだった。満の好きな娘は上の学年にいて、その女子のことは京介もよく知っているのだと。

(それがどうしたってのさ……ミツルくんがだれを好きでもいいことじゃないか)

 そう思った直後に、いきなりその満がぱっと立ち上がった。
 夕華に洗髪してもらうのが終わったところらしく、そそくさと腰にタオルを巻いている。

「ありがと夕華ちゃん、それじゃ俺これで出るから」

「お風呂でゆっくり温まっていけばいいのに」

「暑い日に湯につかるのはあまり好きじゃないんだよ。じゃ!」


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