09/02/20 22:09:16 X9QpxANL
>>746
カスタム少女でも爪はあるみたいだし、ツクール系がおぬぬめ
便乗にひさびさ貼り
けど代わり映えのしないグロ注意で……
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754:名無しさん@ピンキー
09/02/20 22:48:17 GYKQfWO8
オブリだと俺は黒髪でドレス着た清楚な感じの主人公が、魔法を詠唱する事でおっぱい丸出しのボンテージを着た銀髪の吸血鬼になるようにしたぜ。
さらにその間はスピードとアクロバティックに+200パーセントの補正付き。ただし昼間だとボーボー燃えるw
755:178 猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:41:38 nihhmszL
こんばんわです。今回は猟血の狩人の続きなのです
今回もご拝読していただくと幸いです
☆
「部屋の中に、賊が入った?!」
朝の剣の稽古の後、ララディアから昨夜の賊の侵入を聞かされたアレクサンダーは驚きで目を見開いた。
「はい…。まさかこんな高い窓からは入ってこないだろうと思って油断をしておりました。申し訳ありません…」
ララディアは自分の失態にしょげ返っているようだが、アレクサンダーはそんなことを気にしてはいなかった。
このメルキルは他の国に比べ治安は非常にいい。四方を山で囲まれた盆地で外部の人間が入りにくいということもあるのだが
アレクサンダーの父である王が善政を敷いているおかげで国内に貧困に苦しむ人間が殆どおらず、いても福祉事業が
充実しているので喰うに困るということはまずない。
そのため盗みを働かないと食べていけないということが起こりにくく、結果犯罪の発生率も非常に低い水準を保っており
警備が厳重な王城に侵入するような輩が出るなんて思いも寄らなかったのだ。
でもそんなことは、今朝に話題にもならなかった。それほど重大な事件をララディアが上のほうに報告しないはずもない。
そして、もしされていれば今頃城内は蜂の巣を突付いたような大騒ぎになっているはずだ。
「ちょっと待て!それって、勿論報告したんだろ?!まさか、今僕に初めて話しましたって、そんな間抜けな話は許さないぞ!」
「ええ。それなんですが、実は……」
ララディアは、その後に起こった奇怪な出来事をとうとうと語った。
曰く、明らかに自分が標的だったこと。
曰く、目処から飛び降りた無謀さ。
曰く、落ちた遺体が見つからなかった。
「ですから何の証拠も残っていないので、言うだけ無駄と思い報告は控えていたのです」
「………」
聞けば聞くほど奇妙な出来事に、アレクサンダーの顔はどんどんと険しさを増していった。
(そいつ、何でララディアを狙う必要があったんだ?別にララディアはこの国の浮沈を握る重要人物ではないし、わざわざ殺した
ところで何かメリットがあるわけじゃない。
でも、もし物取りの類だとしたらそもそもララディアを襲う意味がない。例えララディアの部屋の窓しか開いていなかったとしても
ララディアを無視して部屋を出て行けばいいのだから……)
そうなると、やっぱり賊の目的はララディアだったということになる。でも、ララディアを狙う理由がわからない。
「あえて聞くけれど…、それは全部ララディアの夢の中、っていうオチじゃあないよね」
奇しくもアレクサンダーは、昨夜衛兵がララディアに放ったのと同様の答えに行き着いた。まあ、それ以外の答えは状況から浮かび
にくいのであるが。
そして、ララディアもこの予想された答えに昨夜とは違う毅然とした態度をとった。
「無論です。この頬の傷が何よりの証拠ですから」
ララディアが指差した頬には、昨夜よりは酷くないものの三条ほどの鋭い切り傷が走っている。てっきり枯れ枝か何かで出来た傷だ
と思っていたアレクサンダーは改めてその傷口を近くで見てみた。
「…この傷…」
確かに、枝キズにしてはその傷口は鋭利で細く、まるで剣でなぞったかのようなものに見える。それが等間隔で付けられているとい
うことは、相手は鉤爪のようなものを身につけていたというのか。
「あと、魔法か何かはわかりませんが賊は目を赤く光らせて目潰しをしてきました。
ただ、完全に不意を突かれて焦ったら、相手もどうしたのかその隙に襲ってこないで………」
(?!)
ララディアのその言葉に、アレクサンダーはビクッと反応した。アレクサンダーの頭に、ある単語が浮かんでくる。
(まさか…?でも、それが……。こうなって……!)
756:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:42:45 nihhmszL
「ララディア!!」
何か思い至ったのか、突然アレクサンダーはララディアの肩をがっしりと掴んだ。
「お、王子?!」
「ララディア!その賊に、どこも突かれたり噛まれたりしていないな?!絶対に!」
「え?突かれ?噛まれ?!」
アレクサンダーの発したわけの分からない言葉に、ララディアはどう答えていいか一瞬訳がわからなくなったが、アレクサンダーの
あまりに鬼気迫った表情についこくこくと頷いてしまった。
確かに、賊にそんなことをされた覚えはないのだから。
「そうか…、よかった……」
目の前でほっと胸を撫で下ろすアレクサンダーを見て、ララディアはますます訳がわからなくなった。
突然怒鳴ったり安心したり、一体王子はどういう結論にたどり着いたのだろうか。
「ち、ちょっと王子…、私には何のことだかさっぱりで……」
「ララディア、ララディアは昨夜とっても危険な状況だったんだよ…
ララディアを襲った賊……、それは間違いなく吸血鬼だ」
「き……?」
吸血鬼と言う言葉を耳にし、ララディアは一瞬だが全身が固まってしまった。
別に恐怖からではない。アレクサンダーの言っている事の荒唐無稽さからだ。
「吸血鬼って……。王子、なに突拍子もないこと言ってるんですか?
何でこんなところに吸血鬼がいるんです?いるはずがないじゃないですか」
このララディアの言葉は、普通に考えたら外から吸血鬼がきたかもしれないだろという反論が予想されるものだ。
だが、このメルキルスに吸血鬼がいるはずないというララディアの言葉にはそれなりに根拠はあった。
前にも述べたとおり、ここメルキルスは四方を険しい山に囲まれた盆地の中にある。そこを越えるためには少なくとも二日
は山道を越えなければならず、日光に弱い吸血鬼が踏破できるものではない。
ある程度高位の吸血鬼になったら空を飛ぶことが出来るようになるが、それとて山が高すぎて飛んで超えるということは不可能だ。
つまり、この地は地政学的に吸血鬼が外部から来ることは不可能な場所なのだ。ララディアの楽観的な意見もこれに由来している。
「でも、そうだとしたら全部説明がつくんだ!」
端からバカにしたように否定するララディアに、アレクサンダーはムッとしながらララディアをびっと指差した。
「いいか?もしララディアを襲ったのが吸血鬼だったら窓から飛び降りても生きているだろう。吸血鬼は日に当るか
心臓を突かない限り死なないんだから」
確かに、ララディアの窓から飛び降りて死ななかったんだとしたら、相手は尋常な肉体の強さではないから頷ける。
「目が赤く光ったっていうのも、多分相手はララディアを魔眼で催眠にかけようとしたんだと思う。
そうすれば、無駄な抵抗を受けずに襲えるからね。ただ、ララディアは魔力の類を通さない体質だから魔眼が効かないのも道理だ。
「その頬のキズだって、鉄の爪じゃなくて本当の爪で抉られたんだろう。
ほら、話しピッタリじゃないか全ての状況の説明がこれでつく。
「……まさかぁ………」
ララディアは表面上、あくまでアレクサンダーの言い分を子供の拙い妄想と捉えていた。
が、心の中ではアレクサンダーの想像が正しいのでは?と思いが揺れ始めていた。
(そ、そんなことあるはずがないじゃないの……き、吸血鬼なんて今までこのメルキルスに出たなんて聞いたこともないわ。
あれは賊。城のお宝を盗みに来て間抜けにも私の部屋に入ってきたドロボウよ。
それに、吸血鬼だったら………?)
757:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:43:44 nihhmszL
「あ」
この時、ララディアは吸血鬼のある特性に気がついた。昨日目の前に現れた者が吸血鬼で『ない』絶対的な証拠を。
「王子…」
ララディアは鬼の首を取ったような得意顔で、アレクサンダーを指差し返した。
「確か吸血鬼は、自分が招かれない限り決してその家の中には入れない。とかいう決まりがありましたよね。
私、昔そんなことを本で読んだような気がします」
「う!」
痛い点を突かれ、アレクサンダーは思わず胸倉を抑えて一歩引いてしまった。
吸血鬼は招かれない限り家の中に入ることは出来ない。この点はアレクサンダーも知識として知っていた。
でも、今回はララディアの部屋の窓が空いていたから普通に入ってこれたのだろうと勝手に推量を立てていた。
「あ、あれはララディアの部屋の窓が開いていたから…」
「決まりがそうでしたら、窓が開いていようと閉まっていようと同じです。窓が関係ないんでしたら石でも投げて窓を破れ
ば、部屋の中に入れるようになるという理屈になりますから」
確かにララディアの言うとおりだ。部屋の中に入れないというのがルールであるならば、窓があろうとなかろうと同じことである。
あくまでも『部屋に入れない』ことが決まりなのだから。
「むぅ…。でも、僕は絶対に吸血鬼だと思うんだけれどな…」
「ま、今度からは暫く熱くても窓を閉めて寝ますから。そうそう簡単に賊が入ってくることはありませんよ。
もし吸血鬼が来たとしても、私は催眠がかかりませんから簡単に退治して見せます」
まだ吸血鬼犯行説を諦めきれないアレクサンダーに、ララディアは勇ましくガッツポーズを作った。
(まあ、吸血鬼が来るなんてないですけれどね…)
ララディアにしても、まさか襲った吸血鬼がすでに城中にいて『決まり』の効果がないクーラだとは思いもしなかった。
そしてそれはアレクサンダーにとっても同じだった。
決まりを気にするあまり、犯人が身内にいるなんてさすがに想像することは出来なかった。
「まあいいや。この話はもうやめよう。話していても不毛になって疲れるだけだ。
ララディアも仕事だ稽古だって疲れたろ?僕の部屋にお茶を用意させてあるからこれから……
"王子様~~~~っ!!"
アレクサンダーがララディアを連れて部屋に戻ろうとした時、向こうのほうから侍女が物凄い声を上げて向ってくるのが見えた。
「?!どうした!!」
その剣幕の鋭さにただ事でないことを感じたアレクサンダーは、侍女が来るのを待ちきれずに大声で訪ねた。
「どうしたと言うんだ、一体!!」
「お、王女様が、王女様がぁ~~~~~!!
突然、お部屋の中でで大量の血をお吐きに~~~~~っ!!」
「な!」
「え?!」
アレクサンダーもララディアも、言葉を失った。それはアルマリスの容態が急変したことを知らせる、とびきり不吉な知らせだった。
758:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:44:44 nihhmszL
「アルマリス!」
けたたましい音を立ててドアをぶち開けてアレクサンダーがアルマリスの部屋に入った時、アルマリスのベッドの周りは
大変なことになっていた。
何人もの医者がアルマリスの周りに群がり、あれやこれやと協議をしている。中にはアレクサンダーが大嫌いなナールスの
姿も見えるが、今の状態でナールスをつまみ出すような気分にもならないしそんな状況でもない。
そのアルマリスを囲む医者の輪から追い出されたかのように、ティフォンが遠いところから心配そうな目を向けていた。
そのティフォンが座っている赤い絨毯が敷き詰められた床の一部に、絨毯よりもなお赤い不出来な水溜りがある。
血溜りの大きさは直径で1メートルはあろうかというもので、アルマリスが吐いた血の量が相当なものだということがわかる。
そして、当人のアルマリスはベッドの中で青い顔をしてゼエゼエと苦しそうに息を吐いていた。まだ口周りには吐いた血が
こびり付き、見ていて非常に痛々しい。
「ア、アルマリス!!」
アレクサンダーは血相を変えてアルマリスの傍に近寄ろうとした。が、それをアルマリスの部屋の衛兵が槍を横に立てて阻止してきた。
「なりません!アルマリス様のお傍に近づくことはなりません!」
「な、何をするんだ!そこを通せ!!」
身を張って道を塞いできた衛兵にアレクサンダーは激高したが、衛兵のほうも頑として道を明けようとはしてこない。
「ダメなのです!今、アルマリス様がどのような御病気に罹っているか医者達が調べております!
そのご病名が明らかにならないうちは、医者以外の方は誰一人として近づいてはならぬと王のご命令です!!」
なるほど、これほどの多量の喀血をした以上アルマリスが何か重い病気に罹ってしまったのは疑いのないところだ。
それが、もし伝染性の高い病気だったとしたらアルマリスに近づくだけで罹患する可能性がある。その病名が判明するまで
アルマリスに近づかせない措置をとったのは王としては妥当な考えである。
でも、それに納得するアレクサンダーでは勿論ない。
「ふざけるな!アルマリスは僕の妹だ!何で実の妹に近づいちゃいけないんだ!!
アルマリスが、アルマリスがあんなに苦しがっているじゃないか!!今僕が励まさなくてどうするっていうんだ!!」
アレクサンダーはぎゃんぎゃんと吼えて何とかアルマリスの近くへと進もうとするが、衛兵達も王直々の命令だけあって
どうあっても通そうとしない。
「王子!!」
その時、ようやっと追いついたララディアが、アレクサンダーを後ろから羽交い絞めにして衛兵から引き剥がした。
「は、離せララディア!アルマリスが!アルマリ…」
「落ち着いてください王子!!今王子がアルマリス様のお傍に行ったからってなんの役に立つと言うのですか!!」
ララディアは腕の中で暴れるアレクサンダーを何とか宥めようとするが、頭に血が上りきっているアレクサンダーの頭には
全く入っていかない。
「やめてください王子!少しは落ち着いてください!!」
「うるさいララディア!たかが一兵士のお前が僕を命令できると思っているのか!!身の程を知れ!!」
それは激高した頭から飛び出た一種の戯言だったのだろう。到底アレクサンダーの本心から飛び出た言葉ではない。
「王子…?!」
だが、それを聞いた次の瞬間、ララディアはアレクサンダーを掴んでいた肘を外し、自分のほうに振り向かせると…
759:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:45:44 nihhmszL
パァン!
その頬を、思いっきりぶっ叩いた。
「え……?」
頬から発せられる熱さと痛さに、アレクサンダーの頭の中は急速に冷静さを取り戻していく。そして、頬を手で抑えながら
自分をぶった手を目で追うと、そこに見えたのは
「………」
半泣きになりながらも鬼の形相で睨む、ララディアの顔だった。
「いい加減にしてください王子!!
そんな情けない王子の姿をアルマリス様が見たら、どれだけ嘆かれると思うんですか!
まるで小さい子供のようにギャアギャアと喚いて我侭を通そうとして、それが何になると言うんですか!」
ララディアの瞳からは熱い涙が次々と流れ落ちてきている。その姿はまるで弟を諭す姉のようだ。
「確かに私は王子の臣下です。本来なら王子に口を挟むことなど出来よう筈もありません。ましてや手を出すなどとはもっての他です。
ですが、あえて言わせていただきます!あえて叩かせていただきます!!
王子が間違った道に進みかけているならば、私は容赦なく王子を諭しますし叩きます!!ううぅ~~~~っ!」
そこまで言って、ララディアは両手で顔を押さえてわんわんと泣き崩れてしまった。うるさいという点ではララディアも相
当なものだとは思うのだがあえてそこは突っ込まない。
「ラ、ララディア?!」
だがアレクサンダーは目の前で泣き始めたララディアにすっかり毒気を抜かれてしまった。
自分の前でララディアに泣かれたのはこれで二度目だが、以前と違い今回は完全にアレクサンダーの振る舞いが原因なので
ばつの悪さは以前の比ではない。
しかも、前はアルマリスの機転で事なきを得たのだが今はアルマリスは病臥に臥せっているのでアレクサンダー自身で解決
しなければならない。
「あ、あのこの…その………」
頭の中には色々な言い訳が浮かんでくる。頭に血が上っていた。アルマリスのことを大事に思って何が悪い。
こんな時だからこそ近くにいてやらねばならない…
いずれも理由としてはご立派なものだ。が、こんなことをぐだぐだ述べたとしてもララディアは絶対に泣き止まないだろう。
ララディアがアレクサンダーに求めているのは細やかな心理説明ではなくもっともらしい言い訳でもない。
そんなことはアレクサンダーにも分かっている。
そして、ララディアが自分に何を求めているのかも。
「………」
わんわんと泣き崩れるララディアを見下ろしながら、アレクサンダーは意を決したかのようにしゃがみこみ、ララディアの
膝に手をついて
「…ごめん、ララディア」
と言い、深々と頭を下げた。
その光景を見ていた衛兵は吃驚仰天したことだろう。あの悪童の誉れ高いアレクサンダーが人に頭を下げる光景など、これ
まで城の誰も見たことがない代物なのだから。
「………王子ぃ…」
アレクサンダーの謝罪の言葉を耳にし、ララディアは涙でグズグズにした顔をアレクサンダーに向けた。
「僕が言いすぎた。こんな時にこそ落ち着かなければいけないのに、ガキのように喚くだけ喚き、しかもララディアに
ひどいことまで言ってしまった。本当にごめん、ララディア」
760:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:46:44 nihhmszL
「王子…」
申し訳なさそうな顔をして素直に謝るアレクサンダーを見て、ララディアはなにかとても嬉しい気分になってきた。
アレクサンダーは頭が切れすぎるというところから普段はどちらかというと達観して物事を見て、自分の心の内を殆ど
曝け出そうとしてこない。
アルマリスのために悪童を演じるようになってからはその傾向はますます顕著になり、他人に見せる自分の顔を本物とは
全く別物に変えて見せていた。
これは自分の本心を知られたくないという思いから来ているのだろうが、これは言い換えればアレクサンダーが他の人間を
信用できないということでもある。信用できる人間でなくば、誰がその本心を見せるというのか。
ララディアは恐らく今でもアレクサンダーの身内以外でそのことを知っている唯一の人間だろう。だからこそ、こうして
人目をはばからずに素直に自分の本心を見せているアレクサンダーが、自分の回りに作っていた見えない壁を自ら壊した
ように感じられるのだ。
「…ありがとうございます、王子」
ララディアは泣き腫らした目を微笑ませ、アレクサンダーの手をぎゅっと掴んだ。
「過ちは誰にでもあります。それをすぐに正せるか、自分の非を受け入れ謝罪できるかで人としての器量が問われるのです。
アレクサンダー様はすぐに自分の過ちを正せました。臣下にとって、これほど嬉しいことはございません」
「ララディア…」
目を真っ赤にし、涙やなにやらでどろどろになったララディアの顔ははっきり言って滑稽なものだったが、アレクサンダー
はとてもそれを笑うことはできない。
その涙もなにも、すべてアレクサンダーのことを思い、アレクサンダーに手を掛けたことを嘆き流されたものだ。
アレクサンダーにとって、今のララディアの顔はとても神々しいものであった。と、同時に胸の奥でなにか得体の知れない
ものがちくちくとアレクサンダーの心を揺り動かしていた。
アレクサンダーにとって剣の師であり、愚痴の聞き手であり、大事なアルマリスの友人であり、数少ない本心を打ち明けら
れる人間であるララディア。
自分にとって一番身近にいる他人であり、年の差から言って姉に近い感覚をもっていたララディアに、アレクサンダーが
感じた『女』としてのララディア。
それはアレクサンダーがはじめて異性というものを意識した瞬間だった。
「………」
「………」
二人はジッと、無言のまま視線を交わしている。場所が場所ならひょっとしたらその先に行き始めたかもしれない。
だが、そんな時間は長くは続かなかった。
「アレクサンダー様、ララディア殿」
「「わぁっ!!」」
頭上から突然響いてきた自分の名前に、妙な緊張状態にあったアレクサンダーとララディアは突然我に帰って派手に声を出してしまった。
見ると、二人のすぐ横にナールスが興味深げに二人を見ている。
「ナ、ナ、ナールス!!人を驚かせるな!こんな時に一体何を考えているんだ!!」
「おっと、これは失礼を致しました」
何か大事なことを邪魔されたような悔しさと警戒しているナールスを前にしているということで、必要以上にアレクサンダーは
ナールスを叱り飛ばしたが、ナールスのほうはそんなものなどどこ吹く風という風に受け流していた。
「ナールス殿…、何か御用でしょうか…」
ララディアのほうも多少の気恥ずかしさはあったが、なるべくそれを顔に出さないように堪えてナールスに言葉を返していった。
761:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:47:44 nihhmszL
その姿にナールスは苦笑しながらも、不意に顔を強張らせてその口を開いた。
「はい。アルマリス様のご容態についてなのですが…」
「アルマリスの?!」
アレクサンダーはナールスを嫌っているが、アルマリス絡みなら話は別だ。アレクサンダーもララディアも緊張した面持ちで
ナールスの言葉を待っていた。
「はい。アルマリス様ですが相当お体が弱っておられます。どうも気管支にある種類の花の花粉を多量に吸い込んだと見ら
れる節がございます。それによって次第に肺が冒され、まるで労咳のような大喀血をなさったのでしょう。
普通のお体ならばこんな反応をすることはないのですが、なにぶんアルマリス様は生来お体が弱いですからここまでひどく…」
「花粉…」
ナールスの言葉にアレクサンダーの顔色がざぁっと青くなる。最近アルマリスが多くの花粉を吸い込んだというとなると、
あの時の遠出以外に考えられない。
「それにより呼吸器も相当に痛めつけられ、現在は時々呼吸困難に陥っておられます。
私たちとしても最善を尽くしますが、『もしも』のときのことも考えなければなりません……」
ナールスはあえて表現をぼかしたが、『もしも』の時とは間違いなくアルマリスが死ぬという意味であろう。
「ア、ア、アルマリスが……、アルマリスが……」
アレクサンダーの顔色は見る見るうちに青くなり、凍えているかのように両腕を体に巻いてガタガタと震え始めている。
自分が焼いたおせっかいのせいで、アルマリスは喜ぶどころか死の縁に立たされている。
自分のせいで、アルマリスが死んでしまうかもしれない。
そう考えるだけで、アレクサンダーの体の震えはますます大きくなっていった。
「ただ……」
そこまで言って、ナールスが思わせぶりに天井のほうを眺めた。
「アルマリス様がお吸いになった花粉は、このメルキルス城周辺では自生していない花なのですよ。
一体、どこでお体の中に入れたのやら……、アレクサンダー様はご存じないでしょうかね?」
そう言われても、アレクサンダーはガタガタと体を震わせながら僅かに首を横に振るだけだった。
「ふぅん……。ま、よろしいでしょう。
アレクサンダー様、アルマリス様のお傍に寄ってももうよろしいですが、決して大声は出さないようにお願いします。
なにしろ、アルマリス様のご容態は予断を許さない状況ですゆえ…」
そう言うと、ナールスは他の大多数の医者と一緒にアルマリスの部屋から出て行った。どうやら今後の投薬や治療の方法を
模索しに行くようだ。
「………」
だが、ナールスたちがいなくなってもアレクサンダーはその場から立つことが出来なかった。自分のせいでアルマリスが
生死を彷徨う羽目になったのが相当にショックだったのだろう。
「王子…、アルマリス様の所に行かれないのですか?」
「あ…?ああ……」
ここまでショックを受けているアレクサンダーを見たことがないララディアが心配そうに声をかけると、アレクサンダーは
ようやっと重い腰を上げた。
そのまま覚束ない足取りでアルマリスのところへと進み、青い顔をして意識がないアルマリスの手をぎゅっと掴んだ。
体温が低下して、まるで死人のように冷たい感触がアレクサンダーの手に伝わってくる。
「ハア…ハア……っこほっ!こほっ……!」
まだ時折発作がくるのか、アルマリスは意識が無いながらも一定の感覚を持って弱々しく咳き込んでいた。
「ア、アルマリス……アルマリス……
ごめんな、ごめんな…。僕が余計なことをしたばかりに、お前をこんな目に……」
アレクサンダーの目から涙がだばだばと溢れ、アルマリスが眠るベッドに大きな染みを作っていっている。
762:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:48:44 nihhmszL
「ごめん、本当にごめん………」
何に謝っているのかわからずぱちくりとしている居残りの医者を尻目に、ララディアは泣き崩れるアレクサンダーにかける
言葉も見つけられず、ただじっと見つめていた。
「王子…」
ふと横を見ると、ティフォンも二人のことを心配そうに見ている。アレクサンダーとアルマリスとの付き合いはララディア
よりはるかに長いこの犬も、おそらくここまで心が折れたアレクサンダーを見たのは初めてのことだろう。
その後、アレクサンダーはじっとアルマリスの手を握り続け、ようやっと離した時にはもう時計の針は昼にさしかかろうとしていた。
「……行こう、ララディア…」
まるで幽鬼のような顔つきになったアレクサンダーは、ララディアの返事も聞かず駆け足で部屋を出て行った。
これ以上アルマリスの顔を見るのが辛いのか、アルマリスをこんな目にあわせた自分がこの部屋にいる資格は無いと思ったのか。
「!ま、待ってください王子!!」
今のアレクサンダーを放っておいたら何をするかわかったものではない。ララディアは慌てて、アレクサンダーの後を追いかけていった。
「王子、王子!!」
ララディアは走りながら必死にアレクサンダーへ呼びかけるが、アレクサンダーは全く脚を緩めることなく駆け進んでいる。
そのままアレクサンダーは自室へと駆け込み、部屋の鍵をかけるとベッドの中へどすん!と突っ伏してしまった。
「僕のせいで!!
僕のせいでアルマリスは、アルマリスは!!」
それは酷い後悔であった。自分が良かれと思ってアルマリスに施したことが、結果としてアルマリスの命の灯火を消す羽目に
なるかもしれない事態になってしまったのだ。
まさか、アルマリスの体がそこまで環境の変化に弱いとはアレクサンダーも思いはしなかった。もしかしたら、父や母はその
事を知っていて、アルマリスにむやみな外出をさせなかったのかもしれない。
だとしたら、自分はなんと愚かなことをしてしまったのだろう。
「ララディア!僕はバカだ!大バカだ!!
自分ではアルマリスのことを考えていたと思っていながら、実はアルマリスの命を縮めていたなんて!」
アレクサンダーはわんわんと慟哭しながら、ベッドの角に自分の頭をガンガンと打ち付けていた。その衝撃で額が裂け赤い
血が流れ落ちてきているが、それでもアレクサンダーは打ち付けるのを止めようとしない。
「お、王子!お止めください!!」
その時、鍵のかかったドアをこじ開けて入ってきたララディアが飛んで入ってきた。
ララディアはアレクサンダーを後ろから取り押さえ、それ以上自分で自分の体を傷つけるのを何とか止めさせようとした。
「離せ、離せララディア!僕は、僕なんか死んだほうがいいんだ!」
「王子、王子は悪くありません!これは不可抗力なんです!誰も悪くありません!
アルマリス様だって、王子に外に連れて行かれるのを凄く楽しみにしていたではありませんか!!
こんなことは誰にも予想できなかったのです!ですから、そんなにお気を病む事はないのです!
ですからいつもの、いつもの小生意気で悪たれのアレクサンダー様に戻ってください!お願いします!!」
ララディアは自虐に心が潰れかけているアレクサンダーを何とか立ち直らせようと、悪態をついてまでアレクサンダーの
心を奮わせようとした。
だが、アレクサンダーは立ち直るどころか、ララディアがどんなに声をかけようがついに一言も発しなくなってしまった。
長く気まずい沈黙の時間がすぎることしばし
「…ララディア」
ようやっと発したアレクサンダーの声は、何かに取り憑かれでもしたかのようにひどく暗く重いものだった。
「ララディア、どうして神様はアルマリスをあんなに弱い体にして生まれさせたんだ?
ろくに外に出ることも出来ず、ちょっとした事で体を壊し、挙句の果てには大人にならずに死ななければならないのか?!
それじゃあアルマリスは何のために生まれてきたんだ?!酷すぎるだろ!可哀相過ぎるだろ!」
763:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:49:44 nihhmszL
「おう、じ……?」
アレクサンダーの出す声は次第に澱んだ狂気を帯び始めてきている。アレクサンダーが非常に妹思いだというのはララディ
アも知っているが、それにしてもこれは異常だ。
「アルマリスが若くして死ぬのが神様が決めたことだとしたなら、そんなものはくそくらえだ!!
こんなことで、アルマリスを死なせてたまるか!!もしアルマリスが死なずにすむなら、僕はどんなことでもしてみせる!
どんなことでも…!!」
ララディアが見ても、アレクサンダーの決意の程は相当なものだということがわかる。もしアルマリスの命が助かる出立て
が見つかったならば、今のアレクサンダーは死を厭わずにそれを実行しようとするだろう。
ただ、ララディアは今のアレクサンダーの心境は危険だと考えていた。アレクサンダーはまるでアルマリスが死ぬことを前
提に物事を考え、アルマリスが死ぬことに勝手に心を奮わせているように見えてならない。
「王子…、アルマリス様が死ぬなどと軽軽しく言わないでください…。それではまるで、王子がアルマリス様を死なせたが
っているようにしか見えない……」
「なんだと?!」
ララディアとしてはアレクサンダーに忠告としていったつもりだったのだが、心の余裕をとうの昔に無くしているアレクサ
ンダーはそれを言ったまんまの意味にとらえてしまった。
「死なせたい?!僕がアルマリスを死なせたいだって?!
そんなわけ無いだろララディア!!どうして僕が、アルマリスの死を望まなければならないんだ!!バカ言うのも大概にしろ!」
当然の如くアレクサンダーは激高し、ララディアに食って掛かった。
「そんなことを言うララディアなんか見損なった!出てけ!僕の部屋から出て行け!!」
「お、お静まりください王子、私は……」
アレクサンダーが酷く誤解していると思ったララディアがなんとか真意を伝えようとしたが、それを言う前にララディアに
向って枕や花瓶やらがぼんぼんと飛んできた。
「うるさい!うるさい!!
出てけ、出てけ!出て行けぇーっ!!」
自分に向って投げつけられる物体に怯まず、なんとかアレクサンダーに話を聞いてもらおうとしたララディアだったが、さ
すがにアレクサンダーが腰につけていた剣に手を伸ばすのを見て、これは今は何を言っても無駄だと悟った。
「……わかりました。失礼致します……」
ララディアは口をきゅっと横一文字に結び、すすっと部屋から退出していった。なにはともかく、今は少し時間を置いてア
レクサンダーの頭を冷やさなければどうにも話が進まないと考えたのだ。
「ハアッ、ハアッ……!ララディアの、バカ野郎……」
ララディアがいなくなり、途端に静かになった部屋の中でアレクサンダーは一人アルマリスをすくう手立ては無いのか考えていた。
「そもそも、アルマリスの体が弱いのが全ての元凶なんだ。アルマリスの体を強くするには、するには……」
その時、アレクサンダーの頭に以前サンディから聞いた言葉が蘇ってきた。
”この世には人間の体質を変えてしまう術法もあると聞きます。それらを用いてアルマリス様の体質そのものを変えてしまえば、
病魔に冒されない健康な体を手に入れることが出来るかもしれません”
「アルマリスの、体質を変える……」
だがどうやって……
すると、次にララディアと今朝交わした言葉が思い浮かんでくる。
”ララディア、ララディアは昨夜とっても危険な状況だったんだよ…
ララディアを襲った賊……、それは間違いなく吸血鬼だ”
764:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:51:10 nihhmszL
「吸血鬼……」
心臓を貫かれない限り死なず、不老不死の永遠の命を持つ怪物。
「………」
アレクサンダーの頭にいろいろと思い浮かぶものがある。
結局アレクサンダーはその日の夕方まで部屋から出てくることは無く、ようやく出てきたときも何かに思いつめたような硬
い表情をしていた。
「あの…、王子……」
ララディアは心配そうにアレクサンダーに手を差し伸べたが、アレクサンダーはその手をバンッと跳ね除けると一言も発し
ないで前を通り過ぎてしまった。
これは相当重傷だ。明日以降にでもならないと曲がった臍は元に戻りそうもない。
(クーラの時もそうだけれど…、私って空気が読めないのかしら…)
これはまた、じっくりと腰をすえて話し合わなければならないかもしれない。ララディアは気を落としながら自室のほうへ
と戻っていった。
だが、結果的にララディアとアレクサンダーがこの件で言葉を交わす機会はやってくることはなかった。
それどころではない事態がこの日の夜に起こってしまったのだ。
「三人とも、今日は夜の仕事には出かけなくて結構です」
夜がふけそろそろ人が寝床に入りそうな時間、ナルストの部屋に集まった三体の吸血鬼はナルストの言葉に一瞬ぽかんとした。
「え…?それって…」
「もう、人間の血を吸うなって、ことですか…?」
サンディもクーラも、ナルストへ明らかな不満をぶつけている。せっかく夜になってまた喉の渇きを潤せると思っていたの
に直前でお預けを食らわされたのだから当然ではあるが。
「その通りです。少し性急ではありますが、事情が変化いたしましたので…」
そう言いながらナルストは、奥の薬品棚から薬ビンを取り出してきた。ラベルも何も貼られていないそのビンの中は、光も
通さないような真っ黒な物体で満たされている。
「本当ならもう少し時間をかけたかったのですが、王女の容態が突然悪くなってしまいましたからね。
はっきり言ってしまえば、王女はもう三日も持たないでしょう。このままのペースで吸血を続けていたら全てが完了する前
に王女の命は尽きてしまいます。それでは面白くありませんからね」
「ナ、ナルスト様……?面白いって、なんですか……?」
三体の中で唯一ナルストの下僕ではないマーシュが、ナルストの言葉への疑問を問い掛けてきた。確かにアルマリスが死ぬ
ことが面白くないというのは話のつじつまが合わない。
「…このまま王女に死なれてしまっては国中がそれに対する悲しみで包まれてしまい、これから起こす仕掛けの効果が半減
してしまうと言うことです。
やはり、国中が希望と幸せで満ち溢れている中で起こる大惨劇により、国全体が絶望と悪夢によって転がり落ちていく様が
見ていて面白いんですよ。そうするためにも、王女が死ぬ前に始めなければ……」
「「「??」」」
そう言われても、三人にはナルストが何を言いたいのかさっぱり理解できない。もっとも、三人ともナルストには人間の血
を吸血鬼にしない程度に吸え、としか言われていないのでわからないのも道理ではある。
「ふふ…、お前達に吸血鬼が増えないように加減して血を吸わせてきたのは全てはこれの下準備なのですよ」
要領を得ないサンディたちを見て、ニッと笑ったナルストは指をパチリと鳴らした。
すると、部屋の奥の扉が開き、白い影がふらふらとこちらへ近づいてきた。
「え、あれって……」
ナルストに意識を奪われているのか焦点の合わない瞳を中空に向け、首筋に二つの歯形を穿たれ、まるで操り人形のように
ギクシャクとした足取りでやってくるその影は、三人ともとてもよく知っている人間だった。
「お……王妃様?!」
「なんで、ここに…」
そう、それは紛れも無くメルキル16世の妻であり、アレクサンダーとアルマリスの実母であるメルキルス王妃だった。
予想もしない人物が突然あらわれ呆然とする三人を、ナルストは苦笑を浮かべた。
765:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:52:08 nihhmszL
「おいおいお前達、私がこの城に入った理由を忘れましたか?私は王妃の治療を名目にしてこの城に仕えることになったのですよ。
既に一番最初の段階で、王妃には私の口付けを与えてあります。その後も、吸血鬼化しない程度に定期的に王妃からはその
血を戴いてきました。乙女ではありませんがさすがに一国の王妃、なかなかいい血を持っておられましたよ」
まあ確かにナルストが吸血鬼だということを考えれば、王妃に手を出していても全然不思議ではない。この国を乗っ取ると
いう意図を持っているならば下僕にするのも自然な流れではある。
が、解せない事がある。
王妃はサンディたちと違い人間のままである。いっそのこと王諸共完全な吸血鬼にして下僕にし、さっさとこの国の頂点に
なってしまえばいいのではないだろうか。
果たしてナルストがどんな先のビジョンを持っているのか、サンディたちにはまるで読むことが出来なかった。
「…私が何をしたいのかわからない、といった顔をしていますね。まあそれも道理。
これから行うことを、その眼でじっくりと見ていなさい。とても面白いものが見られますからね」
そう言ったナルストは、再び指をぱちりと鳴らした。
「………、っ?!こ、ここは……?!私は自分の部屋にいたはず……」
その瞬間、虚ろだった王妃の目に光が戻り、正気に戻った王妃は何が起こっているのかわからず辺りをおどおどと見回した。
「私がここにお呼び致したのですよ、王妃様」
「?!ナールス…。私はあなたに呼ばれた覚えなど……?!」
そこまで言って王妃の口は凍りついた。目の前にいるナルストの雰囲気が、あまりにいつものナルストのものと違っていたからだ。
温和そうな物腰は居丈高なものに変わり、人当たりの良かった顔つきは横柄で独尊的なものになっている。
そして何より、血の抜けたような白い肌とそれに反した真っ赤な瞳が、目の前の青年が人外のものであることを証明していた。
「私は別に貴方様を呼んだ覚えはございません。ここに来いと命令したんですよ…」
「ナールス…!お前は……」
王妃はナルストの気配に恐怖を覚え、振り向いて逃げようとした。
が、体が動かない。まるで蛇に睨まれた蛙のように全身が萎縮して指先一本動かすことも出来なくなっていた。
「失礼。逃げられても困るので体の動きを封じさせていただきました。
あと、私の名前はナールスではありません。吸血子爵・傾国のナルスト。それが私の本当の名前なのです」
「なる、すと……け、いこく……?!」
正直王妃の頭にナルストの名前や二つ名はあまり入っていかなかった。その前に出た吸血子爵という単語がそれ以上のイン
パクトを持っていたからだ。
王妃とて爵位持ちの吸血鬼の恐ろしさは伝聞ではあるが知っている。爵位持ちに滅ぼされた国や英雄の話など、それこそい
くらでもあるのだから。
その爵位持ちが今目の前にいる。それも、今まで優秀な側近と思っていた人間がずっと正体を隠していたというおまけつきで。
「王妃様には今まで非常に良くしてくださいました。王妃様の後添えがありましたからこそ、私はこうして城の中で確固た
る地位を築け、だれにも邪魔されること無く企てを進めることが出来ましたのだから。実に感謝の念に耐えません」
ナルストはそれまで王妃に接していた態度そのままに深々と王妃に頭を垂れた。もっともその顔には冷笑が浮かび出ており
ナルスト一流の皮肉であることは言うまでもないのだが。
「ですから王妃、貴方には私がこれから行う計画の最終段階の、最初の一人になってもらいます。
メルキルス全ての人間の中の最初の一人になれるのです。ああ王妃、貴方はなんて幸運な方なのでしょう!!」
「ひ……」
大仰に演説ぶるナルストに、王妃は何も発せられなかった。ナルストが何を意図しているかはわからないが、このメルキル
ス全体に及ぼす恐ろしい事を考えていることだけは明らかだったからだ。
766:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:53:08 nihhmszL
「王妃、これを御覧ください」
ナルストが先ほど取り出した薬ビンの蓋を開け、内容物をサラサラと自分の手の上に落としている。
それはきめの細かい真っ黒な粉末で、まるで黒色火薬のような代物だった。
「これは、かつて滅ぼされた吸血鬼の灰にある特別な調合を施したものです。これだけを作るのに並の吸血鬼200体分の
灰が必要なんですから相当な貴重品なんですよ」
「そ、れが……、なに……」
「いえ、ね……」
脅える王妃の前でナルストが懐から短剣を取り出した。喰らい銀色に輝く剣は、まるでナルストの心そのもののようだ。
「これは普通の灰と違って、血を落としても吸血鬼に蘇生しません。その代わり……」
ナルストは灰を持っている掌をぷつりと剣で刺し、浮かんできた血溜まりを灰のほうへと流した。
すると、灰はたちまち黒い煙をぶすぶすと噴き出してきた。
「吸血鬼の血を落として発したこの煙を吸い込んだ人間は、ある条件下によって吸血鬼と化します。それは……」
そこまで言ってから、ナルストは短剣で王妃の首を指し示した。
「吸血鬼に血を吸われた人間です」
「ハッ!」
ナルストに指差され、王妃は反射的に自分の首筋に手を当てていた。そこには間違いなくナルストによって穿たれた吸血鬼
の歯傷がある。
「そ、そんな…。私が、吸血されていた……?!」
「今まではばれないように傷口を隠し、記憶も弄ってましたがもうそんな必要もありませんからね。先ほど血を吸った時に
は後処理はしないでおきましたよ。
さあ王妃、これを一吸いするだけでいいのです。それだけで、貴方は私と同じ存在になるのですよ……」
ナルストが煙を噴いている手をじわり、じわりと近づけてくる。一気に王妃の前にかざさないのは王妃が脅える姿を愉しん
でいるからなのだろう。
「や、やめよ!来るな……?!
お、お前達!!早くこの者を除きなさい!!」
絶望的な状況に慄く王妃の目に、ナルストの後ろにいる三人が入ってきた。冷静に考えればナルストの部屋にいる時点で真
っ当な人間であるはずが無いのだが、王妃はそんなこと思いもせずサンディたちに助けを求めた。
「「「………」」」
が、当然三人は助けに入るどころか動こうともしない。
「な、何故動かないのです!私の、私の命令……」
「無駄ですよ。あの者たちは既に私の下僕となっております。貴方の命令など、聞きはしません」
そう言われ、王妃は件の三人を改めて見てみた。なるほど、よく見れば三人が三人ともナルストと同じ紅い瞳をし、口元か
らは人間ではありえない長さの牙を生やしている。
「つまり、貴方を助けるものはここには存在しないのですよ……」
「ああっ……」
絶望に震える王妃の目の前に煙がもうもうと漂ってくる。ナルストの言うことが本当なら、これを一吸いするだけで王妃は
吸血鬼へとその身を変えてしまうことになる。
「ほら、もう観念して吸ってしまいなさい」
「んーっ!んーーっ!!」
それでも王妃は息を止め、ナルストの責めに精一杯の抵抗を試みた。が、それも長くは続くはずもなく
「……っはあっ…!」
たまらず息を吐いた王妃の口の中に、黒い煙がするすると入っていった。
767:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:54:08 nihhmszL
「はあっ、はあっ……うぐっ!!」
肺の中に酸素をいれようと激しく息を切らしていた王妃は、胸の中に広がってくる寒々とした感触に思わず息を詰まらせた。
体の奥がずんと冷え、体温がどんどんと失われていっている。まるで、一瞬で体が凍り付いてしまったみたいに。
そして、凍りついたのはの中だけでなく、心の中にまで及んでいった。
それまであった人間味ある感情がどんどんと凍て付き、固まり、粉々に壊れていく。しかも、それを止めることも出来ない。
それを悲しむ感情も砕け散っていく。
「………」
王妃の体と心はだんだんと人間のものから吸血鬼のものへと変化していったが、もうそのことを嘆き悲しむ感情など消え失せていた。
「は~~~っ」
王妃の姿が見る見るうちに変わっていくのを、三体の吸血鬼はあっけにとられて見ていた。
「確かに面白いものだとは思うけれど…、これって何か意味があるのかしら?」
「ですね。わざわざこんな方法で吸血鬼にしなくても、普通に血を吸って仲間にすればいいですし…」
その疑問は当然であろう。この煙を使って吸血鬼を増やすことに何の意味があるのか彼女達にはまるで理解できない。
だが、あれやこれやと姦しく騒ぐ吸血鬼たちを尻目に、ナルストは王妃へと近づきその冷たい手をとった。
「…ご気分はいかがですか?王妃殿」
「…素晴らしいですわ。ご主人様」
ナルストに血を吸われて吸血鬼になった王妃は、当然の事ながらナルストをご主人様と呼び、生えたての牙を惜しげもなく
見せて微笑んだ。
「吸血鬼になるのがこれほど素晴らしいことだったなんて、人間のときは思いもしませんでした。
心も体も、すっきりと晴れ渡っていますわ。ふふふ、ぞくぞくしてくる……」
王妃は伸びた牙を手でなぞり、その長さと鋭さ感触で確認してぞくぞくと体を震わせた。
「あぁ…、吸いたい。血を吸いたい…
夫の、息子の、娘の血管をこの牙で貫いて、ぴゅうぴゅう吹き出る血をお腹一杯飲み込みたいです……」
既に人間の心を無くし、何のためらいも無く肉親の血を啜ろうとする王妃は身も心も完全に吸血鬼になっていた。
「いいでしょう。ですが、その前にお前にはやってもらわねばならないことがあります」
そんな王妃を、ナルストは手を握ったまま外へと連れ出そうとした。
「お前達もついてきなさい。お前達が疑問に思っていることの答えを、教えてあげましょう」
「「「は、はい…」」」
ナルストに促され、三人もよくわからないままナルストの後をついていった。
(そう、すぐにわかりますよ……)
ほくそ笑むナルストのもう一つの手には、例の薬ビンがしっかりと握られていた。
ナルストが先行したどり着いたのは王城の一番高いところ、物見の塔であった。この日の夜はメルキルスにしては珍しく
強い風が吹き、上空にはどんよりと雲が覆っている。
「で、ここに何があるんですかご主人様?息子や夫はどこに?」
もう待ちきれないといった忙しない顔で、王妃はナルストに尋ねてきた。王妃としては、てっきりここにナルストがご馳走
を用意しておいてくれたと思っていたからだ。
「いえ、ここには人間は誰もいませんよ。
言ったでしょ。お前にはその前にやってもらう事があるって」
768:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:56:05 nihhmszL
ナルストは手に持った黒い灰が詰まった薬ビンの蓋を開け、中身をばさばさと石畳の上に落としている。ナルストの足元に
は、くるぶしくらいまでの高さを持った灰の山が出来上がっていた。
「さっき王妃は自分で経験したからわかりますよね。この灰は、吸血鬼の血を落とすことによって吸血を受けた人間を吸血
鬼にする煙を発します。
こんな風の強い日にここで煙を炊いたら、風に乗った煙はあっという間にこの狭いメルキルスの国中に拡散されることでしょう。
そうすると…、どうなりますか?」
「それは……、あっ!!」
その効果が何をもたらすか、頭の切れるサンディは即座に結論に思い至った。
「そうすれば、国中のあちこちで同時に大量の吸血鬼が生まれ、一晩のうちにこのメルキルス全体が吸血鬼の闊歩する夢の
ような国になるのですね!!」
「そうです。お前達が一人一人吸血して吸血鬼を作ったとしても、所詮一体ずつでは簡単に滅ぼされてしまいます。
しかし、この方法を用いれば例え教会の手の者がいようとも全てを滅ぼし尽くせるはずがありません。同時に多数の箇所で
手におえないくらいの数の吸血鬼が発生するわけですからね…」
この説明を受け、サンディもクーラもマーシュもようやっとなるほどと納得することが出来た。
確かに吸血鬼の増殖は、ある一定の数を超えたら手におえなくなるがそこに達するまでに大抵は狩られ滅ぼされてしまう。
夜間にしか動けない行動制限と、強力な割に弱点の多い吸血鬼のスペックは大量の増殖を阻む大きな壁なのだ。
だが、ナルストのとった策ならあっという間にその『ある一定の数』に吸血鬼の数をのせることが出来る。そうなってしま
えば、もう吸血鬼の増殖を抑える手段はない。
「凄い…。さすがはご主人様。そんな深謀遠慮があったなんて……」
思うままに血を吸えず不満を漏らしていた自分が恥ずかしい。サンディは改めて、ナルストに対する畏敬と忠誠の心を深めていった。
「はぁ……」
だが、今吸血鬼になったばかりの王妃には今ひとつピンとこなかったようだ。
「で、それと私にやってもらう事の何が関係あるのでしょうか?」
「ええ、それは……
もうとにかく早く事を済ませ血を貪りに行こうとしている王妃に、ナルストは腰に抱えた剣をスッと抜いた。
「さっきも言ったとおり、この灰から煙を出すためには吸血鬼の血を必要とします。それも、この国中を覆うくらいの煙を
吐かすくらいの大量の血がね…」
ナルストはニヤケながらも非常に冷たい光を帯びた瞳で王妃を見つめている。そこには王妃に対する思いや感情といったも
のは見受けられず、ただ一介のモノとしてしか王妃を見ていない。
「ご、主人様……?!どうなされたのですか……」
言いようの無い不安に狩られ、王妃は媚を作ってナルストを見るが、ナルストのほうは全く動じない。
「ですからこの灰に、大量の血を振りまかねばならないのですよ。たっぷりと、吸血鬼の血を…」
ナルストの持つ剣が王妃の首の脇にぴたりと付けられる。体温をなくした王妃だが、剣の刃先の冷たい感触は人間の時以上
に鋭敏に感じられていた。
「お、お待ちくださいご主人様!私を、私をどうして斬るのですか!貴方様の忠実な下僕たる私を…!」
「私の下僕であるならば、私の行うことにいちいち不平を垂れないでください。私がお前に求めたのはその高貴なる血のみです。
それも吸血鬼になってしまったからには不用。他の下僕のように知識も力も持ってないお前が私に出来ることは、せいぜい
その血を有効に使われることぐらいですよ」
ナルストの剣が王妃の首につぷぷと吸い込まれていっている。王妃はまだ何事が言いたそうだったが、すでに空気が気管か
ら漏れ出しておりひゅうひゅうと風を切る音にしかなっていない。
「では失礼、王妃殿。私の礎になったあなたのことは記憶の片隅に止めておきましょう」
口をパクパクと動かす王妃に軽く頭を下げたナルストは、そのまま一気に剣を横になぎ払った。
。
769:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/20 23:57:09 nihhmszL
ズバッと言う音を立てて吹き飛んだ王妃の首は、そのまま物見の塔から落下し屋根を転がり落ちて階下の森へと転落していった。
もちろん吸血鬼は首を切られたぐらいでは易々とは死なないが、それこそナルストの思い描いたとおりのことだ。
頭を失った王妃の体は、首から血を盛大に噴出しながらどさりと前のめりに倒れた。その血がナルストの足元の灰に触れ、
たちまちのうちにもうもうと煙を吐き出してくる。
「ふふふ…、王妃の体が灰になるまではしばらくはかかります。その間にはこの煙が国中に行き渡っていることでしょう…
さあ、宴の始まりです。人間の血を呑み、喰らい、嘗め尽くす、傾国の宴がね!!ははははは!ははははははっ!!
ひゃーっはっはははははぁーーっ!!!」」
内から湧き出してくる悦びを抑え切れないのか、ナルストはそれまで見せたことがない狂気の表情を浮かべ、盛大に笑いとばした。
その姿は、ナルストを敬愛するサンディやクーラから見ても非常におどろおどろしいものだった。
「ママ……」
ようやっと片付け物を終え、そろそろ寝ようとしていた母親の後ろから息子の声が聞こえてきた。
「………あら…」
これは母親にとって予想外のことだった。今から2時間ぐらい前、この母親は自分の息子が寝床の中で寝入っているのを確認している。
そしてこの息子はいつもくたくたになるまで外で遊んできて、一旦寝入ったら近くで大声を出しても決して起きてこない寝
つきの良さをもっていた。
その息子がこんな夜に起きてきている。なにかあったのだろうか。
「どうしたの?眠れないの?」
母親が優しく語り掛けると、息子はこっくりと頷いた。
「うん…。僕、お腹がすいちゃった……」
「お腹がすいた……?」
今日の夕食もぺろりと平らげ、おかわりまでしたっていうのに?
ちょっとこれは聞き入れるわけにはいかない。こんなことを一回許して悪い癖になったら大変だ。
「…我慢しなさい。こんな夜に食べたらお腹に悪いわよ。
それに、今は何も作っていないからすぐに食べられるものなんてない……」
「ううん……」
母親の言うことに息子は首を横に振り、母親の裾をきゅっと掴んだ。
心なしか、息子の口元が笑っているように見える。
「あるよ…。すぐに食べられるもの。僕、今すぐ欲しいんだ………」
「ち、ちょっと…、何を言っているの?!」
さすがに息子の様子がおかしいと感じ、母親は顔を引きつらせながら裾を持った息子の手を振り払おうとする。
が、息子の手の先の伸びた爪がガッチリと食い込んで全然離れない。
「欲しいんだ、僕…、ママの……」
息子の顔が母親の目に飛びこんでくる。その顔は餓えと渇きに苛まれ、目の前にそれを満たせるものがあることへの悦びに歪んでいる。
「ママの……、血が!」
「ひっ!!」
母親が生前最後に目にしたのは、乱喰歯を煌かせながら自分の喉に食いついてくる息子の顔だった。
770:猟血の狩人~緋が暮れた国の王子と王女
09/02/21 00:01:14 nihhmszL
メルキルスのあちこちから悲鳴と騒音と嬌声が響いてくる。
風に乗ってメルキルス中に舞った吸血鬼の煙が、それまでにサンディたちによって血を吸われた犠牲者達を吸血鬼へと変貌
させ、吸われていない人間たちに向って牙を向け始めたのだ。
父が、母が、息子が、姉が、友人が親戚が知人が恩師が突然血を喰らう化け物になって襲い掛かってくる。
ある地区では吸血鬼が群れを成して襲い掛かり、ある病院では医師が入院患者を次々に襲い始める。
国民を守るはずの兵士は国民を喰らう側に回り、吸血鬼から逃れるために匿ってくれた老婆が実は吸血鬼になっていて襲わ
れた犠牲者もいる。
人々は突然現れた吸血鬼の群れにパニックになり、所々で起こった失火が折からの強風にあおられ、次第に国中に広がっていった。
山岳国家メルキルス王国の最後の日は、こうして唐突にやってきたのだ。
三章終
以上です。長文失礼しました
いよいよ国中が吸血鬼だらけになってきました。もちろん城内も…。彼も誰も吸血鬼に
771:名無しさん@ピンキー
09/02/21 00:14:30 tOGzWtlR
乙。いやこれは面白くなってきたなあ……一夜のうちに吸血鬼パニックとは。
本編での兄妹のこともあるし、どういう結末を迎えるのか実に楽しみですよ。
しっかし王子、この頃はこんな年相応のいい奴だったのか……w
772:名無しさん@ピンキー
09/02/21 00:39:37 0Gc1M+mi
増える増える! 吸血鬼が増える♪
猟血の狩人様、長文お疲れ様です。そしてGJ!
しかし王妃かわいそうですね。まあ仲間を増やすためには犠牲も必要っと
773:名無しさん@ピンキー
09/02/21 02:54:31 +8hSNjVI
>>754
画像うp!うp!
774:名無しさん@ピンキー
09/02/21 03:19:17 s5/FtTv4
拝読てwww
どんだけ上から目線よpgr
775:名無しさん@ピンキー
09/02/21 03:59:33 pQefZHjV
>>753
それって自分で作ってるの?
もしそうならソフトを教えてくれるとうれしい
776:名無しさん@ピンキー
09/02/21 04:01:11 pQefZHjV
と書き込んだ後下の「オブリ」で調べたらそれっぽい画像が・・・
お騒がせしました
777:名無しさん@ピンキー
09/02/21 04:36:53 0Gc1M+mi
お前らスルーしすぎ
だから書き手が減るんだよ
778:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:06:53 khWmX49K
禿同
>>776みたいなのをみると、書き手でもないのにイラっとする
GJしたくないなら、せっかく投下してくれたんだから黙ってろ
779:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:18:01 BPphuzyY
途中で読むのがだるくなった……
780:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:19:44 AMI2VnFI
>>777
さすがに絶賛を強要するのはどうかと思う
781:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:21:27 khWmX49K
ゆとり乙
こんな短い文章も読めないなら、自分の名前でも読んでオナってろ
782:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:22:36 giaKbx1h
誰も絶賛しろとは書いてないと思うが
783:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:41:05 F+bawbVl
>>778
正義感溢れるお前の論理を流用すると、そのせっかく書いてくれたSSに対して
画像投下直後に別のモノ持ち出して話題流してるの見ると、貼った本人でもないのにイラッとする。
画像に興味ないなら、せっかく貼ってくれたんだから流れ落ち着くまで慎んでろ
とか言えちゃうわけだが。
>>782
絶賛以外のレスはやめろと言う>>778は、実質的に絶賛しろと言ってるようなものだと思うがどうか。
784:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:45:32 7sas8drB
>>777はまだしも、>>778なんて
作者さんのやる気が出るような感想を、自分が書くより
他人を否定して強要するのが先っておかしいだろ
785:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:48:01 giaKbx1h
>>783
内容は兎も角「投下」したことに対して「GJ」ってことだろ?
内容…それに対しての感想は千差万別。
まずはお疲れ様、ありがとう。労わりの気持ちすらないのか?
786:名無しさん@ピンキー
09/02/21 06:59:57 7sas8drB
>>771=>777かと思ったら見間違いだった、失礼した
感想を書いた一人が誰かは不明だが
文句、強要の前にまず自ら感想を書くべき、という趣旨は変わらない
>>785
他人に強要できるこっちゃないよ
できることは、自分らが良いと思うことを率先してやって
範を示して雰囲気作りすること
GJに対するスタンスや、込める意味合いだって万人に共通なわけでもない
>>783のいうように、画像に対してはレスしてはいけない、というのもおかしな話でな
787:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:00:13 F+bawbVl
>>785
俺SSの内容の話なんて一言もしてないよ。話ややこしくすんのやめよう。あとその労りの気持ちとかいうのを強制すると
「画像貼り直後に誰かが労ったり詳細希望とかで話題盛り上げたりするのを待ちもしないタイミングで」
投下されたSSなんてのは画像貼った人に対する労りの気持ちに欠けるとかで真っ先に非難されそうなもんだけど。ってそういう事言ってんの
788:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:03:01 giaKbx1h
いや、労わりの気持ちを強制する…って、どんだけワガママな受身体質なんだよw
極当たり前の感情じゃねーの?
789:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:07:08 khWmX49K
>>787
まぁ、確かに俺もGJをし忘れてたのは謝るが…
お前、色々、その…大丈夫か?
790:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:19:10 l/P62NQF
>>770
GJ! だが、ちょっと一夜で吸血鬼が増えすぎたような気も・・・しかし、よかったんだぜ!
>>787
別に画像のことを聞きたいなら、GJといったあとで聞けばいいじゃねーか。
SSを投下しにくくなるような雰囲気はやめろ。ここはエロパロ板だ。
>>787みたいな自治厨がいるから書き手が減るんだよ・・・
せっかく投下してくれたってのに・・・相変わらずこのスレは本当に嫌な雰囲気だな
791:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:20:06 F+bawbVl
大丈夫かとか揚げ足取ってワガママだとか、SSは読めても人のレスはちゃんと読めないみたいで俺ガッカリだわ。
何かした人を労るのはパッと見当たり前な感じがしても、それを徹底させてしまうと逆におかしな事にもなり得るぞって話してるんだけど。
もっと言うと君らの行き過ぎた配慮がそのままSSの作者さんを非難する論理になるんだって話をしてるんだけど。
>>786
>>772=>>777ではあるようだな。
792:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:20:07 7sas8drB
GJの意味なんて人によって違うし、>>788の価値観にすぎないよ
>>177-185のように、間に無関係のレスがあったって
感想があるときはきちんとあるスレなわけだし
どんどん感想を盛り上げていけばいい
>>788
他人のSSを大義名分に、俺がイライラするからやめろという方が、ずっとワガママな話だな
ここまで言うのにまともな感想一つしかないことといい
はっきりいえば他人のSSを使って
叱りつけて自分のイライラを発散したい、としか見えない
やるにせよ、雰囲気を悪くして反感をかう前に
「GJをつけて労りの気持ちをあらわそうぜ」と誘えばいいじゃん
労りの気持ちを持っていれば、自分をきっかけにこんな状態になったら
作者さんがやりにくくなるだろう、というのが想像できないか?
793:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:26:43 giaKbx1h
>>792
だからさ、長文書く割に日本語理解できてないのか?
内容=自分の好む堕ちだった「GJ」もあるが
投下自体に対しての「GJ」もあるだろ?と
自分の嫌いな内容だとしても、投下お疲れ様、の意味でGJはできるだろ、と
まあ、君には何を言っても無駄なようだ。エゴイスト大帝に悪堕ち洗脳でも食らってるみたいだから
794:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:29:43 l/P62NQF
もう自治厨は黙ってろよ・・・イライラするとかわがままだとか・・・
>>778も>>791も>>792も自分の正義感に酔いたいんなら他に言ってくれ。ただssが読みたい俺には全部害虫でしかない
半年どころかお前ら全員10年はROMってろ
795:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:32:46 P4ozGXmn
一番有害なのは否定されると黙ってられず意味の無い議論を延々と続けたがるアホ
796:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:40:57 l/P62NQF
そして各々の正義感や推測を言って、言いたい事が終わったら去っていく、と。
ガキと変わんねえな。厨二病か。
まあ、こんなこと言ってたら俺も同じか。
それより聞きたいんだが、なんかのマジックアイテムとかをつけられて強制的に悪に堕ちる、とかも悪堕ちでいいんだよな?ちょっと邪道だったりする?
797:名無しさん@ピンキー
09/02/21 07:46:23 giaKbx1h
>>796
方法、は問わないんじゃね?
その辺のラインはそれこそ人それぞれだと思うけどw
首輪付けられてそこからの脳波が~的なのとか。
洋服買いに行って薦められたチョーカーの類が洗脳装置で
ファッション誌の編集長乗っ取ってブームを起こして
一般人、ヒロイン巻き込んで大量洗脳、みたいなのアリだと思うしw
798:名無しさん@ピンキー
09/02/21 08:03:39 tpTUesaI
>マジックアイテムとか
男だけど仮面ライダーカブトの地獄兄弟の弟とか
悪堕ちかといわれると違うかもしれんが人間からワーム(作品内での敵)
に変えられてた、意識や記憶はまったく変わってないっぽかったけど
799:名無しさん@ピンキー
09/02/21 08:06:47 pDF5UekE
>>777は言うタイミングが早すぎると思う
別にスルーしてたんじゃなくて単純にまだ読めてない人多かったんじゃないかなぁ
俺もさっき起きて読み終えたし
そういうわけで
>>755-770
こんな方法で王国の人間たちを堕とすとは思ってなかったなぁ
アレクサンダーとアルマリスがどうなるか、そしてナルストとの関係がどうなるのか…
また、ララディアは犠牲になるのか、それとも誰かの僕になるのか、いや、「誰の」僕になるのか…
ほんと誰がどのような展開を迎えるのか非常に楽しみです
GJでした!
>>796
強制的に、ってことは今までいやいや抵抗していたのが
そのアイテムとかつけられるといきなり悪の思考に染まるってことかな
別に邪道ではないと思うけど、ちょっとあっさりしすぎかなぁとも思う
ただ、アイテムをつけられてる間元の人格も少しずつ改変されてて
アイテムを破壊した時にはすでに遅く元の人格が完全に悪の心になっている展開なら俺歓喜
800:名無しさん@ピンキー
09/02/21 09:00:40 JUYdR0PI
デュアルマスターズの幽ってヒロイン
兄に洗脳され、優しい娘が悪になってんのね。
しかも自分を元に戻そうとしている幼なじみを、苦しませた末に消去してあげる!みたいな。
801:名無しさん@ピンキー
09/02/21 09:52:42 z6adKZR4
スレが伸びてるとおもったらいつものか
マスターコーヒーひとつ
802:名無しさん@ピンキー
09/02/21 09:58:32 D/gYaP56
>>801
シュッ シュッ
∧∧ シュッ シュッ
(`・ω・) シュッ シュッ
(つ と彡 / シュッ
/// /
/c□ /
/旦 /
//c□ ./
/旦 Y /
| | 旦 |
|旦 ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン ガシャーン
803:名無しさん@ピンキー
09/02/21 11:59:06 DZauxzcb
変な流れになってしまったみたいですが
>>770お疲れ様でした
今回も面白かったです
また宜しくお願いします
804:名無しさん@ピンキー
09/02/21 12:00:20 6B/NYbLa