【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ10【ボーカロイド】at EROPARO
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ10【ボーカロイド】 - 暇つぶし2ch350:メグルオトを待つ人 (がくミク) 4
09/01/16 23:40:38 VqU5Kkub
「っ……」
「あ、っ」
繋がった途端、思わず声を漏らした。
互いの濡れた瞳が、ぶつかる。

「がくぽ……さん……っ」
舌足らずに名前を呼ばれ、がくぽは体温が上昇するのを感じた。

二人の吐息と絡み合う音、布擦れの音。
外が静かな分、やけに響く。
雪でも降っているのだろうか?と、がくぽは快楽に霞む思考で、何気なく考えた。

「あ、あ……っ」
耳に注がれる声で、ふと現実へと返る。
頬だけでなく全身を上気させ、自分の体の下で翻弄されている恋人。
体内で何かが震え、滾るのが分かった。

―後で、一緒に雪見をしよう。
そう考えたことすら、流されてゆく。

「ミク、殿」
「ふぁっ、あっ」
耳朶を甘噛みすると、ミクはびくりと跳ねた。

少し強めに突き上げてやる。
布団の上を彷徨っていた手が、がくぽの背中へと回される。
しがみついて、縋りついて、揺さぶられるミク。
首筋を這っていた唇が、彼女の白い肌に赤い痕を残した。

「あ、う……あ、ぁあっ」
「く……っ」
がくぽに合わせてミクが、ミクに合わせてがくぽが。互いがそれぞれ良いように動き、
やがてシンクロする。
絶頂が近い。
その証拠に、何も考えられなくなっている。

「だめ、がくぽさ、ん、もう」
「ならば、達け……好きなだけ、存分、に」
「やっ……あ、あ!」
がくぽの動きが、一層激しくなる。
ただただ翻弄され、欲望と快楽が導く方へ溺れてゆくのみ。

「あ、―っ……!」
ミクの体が大きく跳ね、震えた。
苦しそうな呼吸を繰り返し、汗ばむ体。
達した後の余韻に、暫く身を投げ出している。

「っ……は、っ」
間もなく、がくぽも達し、果てた。
爆ぜる快感に目を細め、荒い息を吐く。
全てを注ぎ込むと、やはり余韻と気怠さに、ミクの隣へと横たわった。

愛し合った後だからこその、満足感と幸福感。

真っ白な布団の上には、淡い紫の髪と浅葱色の髪が、重なり合って広がっていた。


351:メグルオトを待つ人 (がくミク) 5
09/01/16 23:41:11 VqU5Kkub
重い。
体というか、主に腰が、だ。
ミクがどうにかして起き上がると、隣は空っぽで、おまけに自分は脱げたはずの浴衣を着ていた。

「…………」
いつ着たのか、いや、着せてもらったのか。
夜のうちだろうが朝のうちだろうが、冷静になっている相手に裸を見られたことは確実だ。
気まずいなあ、と思っていた、その矢先。

「お早う」

ミクは思わず、びくりとした。
背を向けていた窓辺から、聞き慣れた低い声。
ぎこちない動作で振り返ると、相手もこちらに背を向けていた。
窓の前で胡座を組み、外を眺めながら。

「お、おは、おはようござい、ます」
「不躾だとは思ったが、その、浴衣を着せておいた。女中などおらぬゆえ……
まあ、目は伏せておったが」
「有難うございます……」
やっぱり。ミクは途端に恥ずかしくなった。
穴があったら入りたい、二度寝が出来たらしてみたい。

いつまで経っても、妙なところでウブな二人である。

「と、ところでがくぽさん、そんなところで何を」
「ん?ああ、雪見をだな」
「雪見?」
「昨夜から降っておったようで、少しだが積もっておる。ミク殿もどうだ?」
「見ます!積もってるんですか!?」
雪と聞いて飛んできたミクに、がくぽは笑みを漏らした。
先程の恥じらいは何処へやら、しかし彼女らしい。そう思っていた。

「ミク殿、風邪を引くぞ」
羽織を、そっと肩に掛けてやった。
窓に張り付いていたミクが、少し大人しくなって、頬を染める。

「有難う、ございます」
ミクは遠慮がちに、がくぽの肩に寄り掛かってみた。
それに対して、やはり戸惑いながら抱き寄せてくれる、手。

雪景色の中、庭にある南天の赤い実が目に入った。
雪兎を作ってみせたら、彼女は喜んでくれるだろうか―。

取り敢えず朝食はもう少し後にしよう、と思うがくぽであった。



352:メグルオトを待つ人 (がくミク) 6
09/01/16 23:41:40 VqU5Kkub

「ところで。どう致すつもりかな、ルカ殿のことは」
湯気の立つ朝食を前に、がくぽが尋ねた。
ミクが抱え込んでいた不安が、簡単に解消されたわけではないことを、彼も気付いていた。
昨夜ほど、深く悩んではいないようだったが。

「んー……、がくぽさんが言うように、あんまり難しく考えないで、気軽に話し掛けてみようかなって……」
「そうか」
「だめですか?」
「いや、素直で結構だが」
ミクの皿に、がくぽは自分の卵焼きを一切れ、載せてやる。
また子供扱いして、とミクは不満そうに呟きながらも、貰った卵焼きを頬張った。

「まだ小難しく考えているようなら、我も一緒に話し掛けてみようかと思ったのだがな。
どうやら大丈夫そうだ」
「がくぽさんも、一緒に?」
「うむ、挨拶もまだなのでな。似たような境遇の者がおれば、幾分かは気が楽かと」
「…………」
通じ合うものがあれば、打ち解けるのも早いのではないか、と。
……打ち解ける。男女が。

「だめーっ!」
「!?」
「そんな、何かが始まるフラグなんて!恋に落ちる音がするからだめぇーっ!」
「お、落ち着いてくれ、ミク殿」
箸を持った手をぶんぶんと振り回しながら、ミクは叫んだ。
彼女が静止し、がくぽの姿を認めたとき、その目には涙が浮かんでいた。

「がくぽさんのカノジョは、私だもん……」
「え?」
「確かにルカさんは美人だし、大人だし、落ち着いてるし、胸もおっきいし、」
「……何を申すか、馬鹿者」
泣き出しそうなミクの頭を、がくぽは顔を赤くしながら、優しく撫でた。

「雪兎を作ってやるから、泣くな」
可愛いお主のために、などとは言わないが。
ヤキモチを焼いてくれて嬉しい、とも言えない代わりに、ミクを喜ばせてあげたかった。



353:メグルオトを待つ人 (がくミク) 7
09/01/16 23:42:21 VqU5Kkub

***


「あ、ミク姉おかえりー!」
ミクが玄関を開けたとき、真っ先に飛び出してきたのはリンだった。

「ただいま、リン。これ、お土産」
「わあ、雪うさぎ!どうしたの、お盆なんかに載っけて」
「がくぽさんがね、作ってくれたの。お主のために作ったのだから持ってゆけ、って」
「……いいねぇ、ラブラブで」
リビングだと解けちゃうから、とケータイのカメラで撮影しながら、リンは呟いた。
そんな彼女の、姉を見る眼差しは、羨望というよりは呆れているのに近い。

「そういえば今ね、テレビにがっくんのお父さんが出てたよ。再放送だけど」
「え、まだやってる?」
「うん、多分。レンが見てた」
そんな会話を交わしながら、リビングの扉を開ける。
寛ぎモード全開のレンも、ひっくり返ったまま迎えてくれた。

「おっかえりー、ミク姉。今さ、神威さんのお父」
「残念でしたー、もう教えてあげたもんねー!」
「~っくそ、リン!」
「何よ!」
「あーあ、兄弟喧嘩しちゃって……」
力の差もお構いなしに、ぼかすかと喧嘩を始める鏡音ツインズ。
本人たちには悪いが、こんな光景を見ていると、うちは平和だなあ、とミクは思うのだった。

「あ」
その時、騒ぎの所為なのか、二階にいたルカが顔を出し、ミクと目が合った。
やはりまだ遠慮しているのだろう、気まずそうに目を逸らす。

「っ、ルカさん!」
再び部屋に戻ろうとしたルカを、ミクが呼び止める。
勿論ルカは驚いて―呼び止められたというよりは、硬直しているようだった。


354:メグルオトを待つ人 (がくミク) 8
09/01/16 23:42:51 VqU5Kkub

「えと、その……部屋に一人で閉じこもってないで、皆と一緒にテレビ、見ましょう?」
外じゃ雪も積もってるし、雪遊びでもしますか?と、呼び止めた勢いで付け加える。
体も表情も動かさないルカに、ミクが内心怯えていた、その時だった。

「……ふふっ」
「?」
「楽しい人ですね、ミクさんは。人気者なのがよく分かるわ」
綺麗なポーカーフェイスは崩れ、小さく笑うルカがいた。
慣れていないのか、少し不器用ではあったが、彼女は確かに、心から笑っていた。

「一緒にテレビ、見ても良いんですか?」
「も、もちろん!おこたでミカンもどうぞ!」
「雪遊び、しても良いんですか?」
「はい!雪合戦じゃ、手加減はしませんから!」
「……有難う」
ルカが、本当に嬉しそうに微笑む。
それに気付いた双子も、おいでよルカさん!と手招きした。

―メールしなきゃ、がくぽさんに!
不意にそんな意識に駆られて、ケータイを取り出し、急いでメールを打つ。
誤字・脱字も確認せず、勢いよく送信ボタンを押した。

『ルカさをと仲良くなれました!一歩前進です!がくぽさんのおかげ☆』

「……“さを”?これは“さん”と打ちたかったのか?ミク殿」
気持ちは分かるが動揺しすぎだろう、と呆れながらも、気付くと笑みを漏らしていたがくぽだった。
侍という古風な設定とは裏腹に、最新機器を指先で器用に操り、返信する。

『それは良かった。近々、我もルカ殿にご挨拶致したい所存。宜しくお伝え下され。
 追伸、誤字や脱字には注意されたし。面白いので構わぬが。』

「だめー!宜しくお伝えするけど、だめー!って、誤字や脱字……きゃー!?」
「「「?」」」
いきなり慌てはじめ、奇声を上げたミクを、三人は不思議そうに見つめる。
テレビの中では相変わらず、がくぽの父上が格付けチェックされていた。

ルカが一員として溶け込んだ、仲睦まじい一家が見られるようになるまで、あと少しである。



終。

355:メグルオトを待つ人 、の人
09/01/16 23:46:27 VqU5Kkub
以上です。
ルカを絡ませたいのか双子を絡ませたいのか、
それとも単にがくミクをいちゃつかせたかったのか。
収拾付かんかったorz
ルカの今後にwktkしつつ、がくミクが増えてくれたらとか何とか思ってます。

gdgdと長くてすみませんでした。
読んでくださった方、感謝です。

356:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:05:30 iOQ3HCzh
>>355
甘いがくミクいいねぇ
ルカも双子も自然で好きだ

格付けw

357:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:07:42 vz1ftYox
>>355
GJ!
ミクかわええしがくぽも良いな
ルカと双子もほのぼのしたわ

358:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:17:58 PVpifYfU
GJ!がくミク好きすぎる。
こう、身体重ねてもウブな二人っていいよね。

359:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:56:19 +7Ar8oUh
うおお久々のがくミクGJ!!
静かな雰囲気がいいなぁ
そして格付けにワロタw

360:名無しさん@ピンキー
09/01/17 14:15:19 4OKh9/oI
性欲を持て余す純情少年マスターと優しいお姉さんなルカってどーよ。









べ、別にルカに「この、豚!」って罵られたくなんかないよ?
…………ナイヨ?

361:名無しさん@ピンキー
09/01/17 17:22:03 H71I2MwZ
>>355
GJ!!
二人とも可愛いのう、甘くて純な雰囲気に読んでて少し恥ずかしかったぜ!
がくミクいいよがくミク

362:名無しさん@ピンキー
09/01/17 20:09:00 TzbpLao8
>>342 >>344
シンセネタktkr!思わずニヤニヤしてしまったw
プロユースすげぇwww

>>355
二人が大好きストライクです!
ミク可愛いしがくぽカッコいいし!
萌え萌えさせていただきましたGJ!

363:名無しさん@ピンキー
09/01/17 21:57:09 w4uiEllL
密かに255のがくメイの続きを待ってたりするんだ

364:名無しさん@ピンキー
09/01/18 00:15:42 i19ByyJG
奇遇だな自分もだ

365:名無しさん@ピンキー
09/01/18 02:07:57 ZZ81OYkY
現代社会に疲れ果てて仕事も上手くいかず荒んでいくマスターを
ミクが見かねて楽にさせてあげようとミクがマスターを
アンインストールしてしまう夢を見て憂うつな気分になった。

そしてそのお話を書き起こしてたら
「ミクはそんなことしないよー?ミク独りじゃ歌えないんだもん><」
とミクが後ろから語りかけてくる気がして、余計憂うつな気分になった。



かつてミクの居たところには、今はもう別のソフトウェアが住み着いて無言で走りつづけているというのに。

366:名無しさん@ピンキー
09/01/18 02:32:24 rawMquZl
>>365
お前は…!だから泣かせるなよ…!

367:名無しさん@ピンキー
09/01/18 03:03:55 9pFZwPFP
>>363
俺なんて8スレ目の222を待ち続けてるぜ…。

368:名無しさん@ピンキー
09/01/18 13:03:47 DUXmfNgn
>>365
とりあえず書いたなら読みたい

369:名無しさん@ピンキー
09/01/18 22:23:39 m1ZBXoeF
純情マスターとルカさんSS、また続編が出来たので投下します

・マスルカなので苦手な人注意
・またエロなし ごめん
・バカップル成分多目
・前作より更に長い

ノリは一作目と二作目を足して2で割った感じ
またエロなしで申し訳ない…
では行きます

370:純情マスターとお料理ルカさん
09/01/18 22:24:42 m1ZBXoeF
ボーカロイドは飯を食う。
ミクはネギが好物だと言うし、双子はおやつを出さないと働いてくれないと聞いた。
KAITOと言えばアイスだし、MEIKOと言えば酒。がくぽも茄子を食うとか食わないとか。
とにかく、ボーカロイドは食事によってエネルギーを補給することが出来る最新型ロボットだ。
エコなんだかそうでないんだかよくわからん。間違いなく財布には優しくないな。
そして当然、巡音ルカも食事をとるわけなのだが、別に食べなくてもいいらしい。
付属品のコードを装着、コンセントに差せば、それでエネルギーが補給出来るそうだ。
従来のボーカロイドとは違う――コンセプト通りだ。
月末に限り、俺はそうすることにした。何故かって?金がないからだよ!
…正直あんまりやりたくない。気分的に。
でも、ルカはそれでかまいませんといつものように言って、微笑んだ。
…そして、今日は月末。バイトでへとへとになった俺はいつも通り湯を沸かしたのだった。

「マスター」

不意に、カップ麺をすする俺を見ていたルカが言った。

「マスターは最近ほぼ毎日、夕食にカップ麺を食していますね」

うぐ、よく観察していらっしゃいますねルカさん。
まあ、金のない大学生なんてこんなもんさ。
ちゃんとしたものは作れないし、外食は金がかかるし。
だから安売りのカップ麺が多くなるのはしょうがないんだよ。
――と言うと、ルカは僅かに首を傾げた。

「マスター、そんなにお金がないのですか」
「というか料理すんのがめんどいってのもあるなぁ」
「けれど、カップ麺ばかりでは健康に悪いのではないでしょうか」
「うーん、そりゃな」

スープを飲み干す。腹一杯には当然ならない。
ちくしょう、大盛りは売ってないのかよ…

「……」
「どした?ルカ。あ、充電終わった?」
「はい」
「よし、じゃあ歌の練習すっか」
「…あの、マスター」

ルカが遠慮がちに口を開いた。

「私が何か作りましょうか」
「何かって?作詞?」
「違います。料理です」

371:純情マスターとお料理ルカさん2
09/01/18 22:25:37 m1ZBXoeF
俺の思考が停止したのは言うまでもない。
いやいやいやだって、ルカはボーカロイドだろ?歌うロボットだろ?
…いや!この際それは大した問題じゃねえ!
問題はたった一つのシンプルなこと!

「女の子の手料理!!」
「え?」
「いやなんでもない」

思わず本音が出ちまったぜ。
ルカは確かにボーカロイドだ。歌うロボットだ。
俺だってそもそも、ロボロボしさに推されてルカを購入した。
…実際はそうでもなかったけどね。今は満足してるからいいとして。
とにかく、女の子には変わりない!女の子が俺のために料理を作ってくれる!
…ん?でも待てよ。

「ルカ、料理作ったことあんの?」
「ありません」

きっぱりと答えるルカ。うん、クール。
じゃなくて。

「…やっぱりいいよ。うん。さあ歌の練習だ」
「待ってくださいマスター。何故ですか」
「いやぁ、だって、いやあははは」
「このままでは栄養が偏って、いつか身体を壊します。それはいけません」

と、ルカは一瞬何かを考えるかのように沈黙を挟んだ。
そして再び口を開く。

「…いえ、正確には、私はマスターに身体を壊して欲しくないのです」

…こう言われて喜ばない男がいるだろうか。いないだろ。
断れる男もいない。

「…お」
「お?」
「…お願いします」

真剣だったルカの顔が柔らかくなり、彼女はぺこりと頭を下げた。

「感謝します、マスター」

372:純情マスターとお料理ルカさん3
09/01/18 22:27:23 m1ZBXoeF


***


カップ麺だけじゃ足りねーよと抗議の声をあげるあたり、俺の腹はまだだいぶ余裕がある。
さっそくだけど軽食を作ってもらうことにした。まだ八時だし大丈夫だろ。うん。
ちなみに材料はある。示し合わせたように、一昨日かーちゃんが送ってきたものだ。
…俺だって、まったく料理しないってわけじゃない。不味い飯は作れる。
ただ、講義にバイトに作曲してると時間がなくなるってだけなんだ…
そして貯まっていく食材たち。ネギや茄子が多いのは俺の気のせい。

「マスター」

と、台所のルカがこっちを見た。
(リビングと台所は繋がっている。安い部屋だしな)
「なんだ?」
「塩はどこにありますか」
「あーと、右の戸棚の…上の段、だったかな」
「ありました。ありがとうございます」

がたがたとんとん。
…ルカの料理姿は、正直感動ものだ。包丁を動かす度に、長いピンクの髪が揺れる。
彼女がいたらこんな感じなんだろうな。
いやもういっそのことルカはもう俺のよm

「マスター」
「ふぁいっ!」
「? どうかしましたか」
「いっいやっ!なんでもない!で、なんだ!?」
「薄味と濃い味、どちらがよろしいですか」
「…じゃ、薄味」
「わかりました」

あぶねえ心臓止まるかと思った。
…というか。

「…なあルカー、やっぱ俺も手伝うよ」
「それはなりません。これは私が言い出したことです。私の役目です」
「でも不便じゃないか?」
「問題ありません。マスターはそこでお待ちください」

低い声できっぱりと断られた。変なところで頑固だなこやつめ。

373:純情マスターとお料理ルカさん4
09/01/18 22:28:30 m1ZBXoeF
――そんなこんなで10分が経過した。
俺はその間、ルカが「るっかるっかにしましょうか~♪」と歌うのを聞いていた。
…いつの間に覚えたんだ。あ、この前聞かせといたっけ。
…既成事実聞かせとけば良かった。
るかるかが三週目に突入したあたりで、ルカが満足そうに頷いた。

「出来ました、マスター」

…さあ一体どんなものが出来たのか。
正直に言う。
俺は死亡フラグを覚悟している。
可愛い女の子が料理が不得意なのはお約束だからな。この間見たアニメでもそうだった。
だが俺は食うぜルカ。お前が真剣に作ってくれた料理だ!
据え膳食わぬは男の恥!さあ来い!!

「冷めると味が落ちます。なるべく早くお召し上がりを」

そう言ってルカが出したのは。

「…野菜炒め?」
「はい。今のマスターに不足しているのは、食物繊維だと思いましたので」

ちょっと焦げてるが、間違いなくそれはまともな野菜炒め。
人参、キャベツ、もやし、ニラ、…正統派な野菜炒めだ。
予想外のいい匂いに、思わず唾がわいた。
ちら、とルカを見る。
ルカは期待と、僅かな不安を湛えた目で俺を見ていた。
それは俺の背を押す、最後の一手となった。

「いただきます!」

箸で無造作に野菜の群を刺し――俺は食べた。

「…」
「…マスター?…マスター、あ、あの」
「うまい」
「え」
「うめぇ。…お前すごいなルカ!」

俺は今、猛烈に感動している。
死亡フラグを覚悟していたせいか、ものすごくうまく感じた。
いや、実際その野菜炒めはうまかった。心なしかお袋の味がするぞ。

「お前、料理初めてって嘘だろ?」
「い、いえ…初めてです…」

374:純情マスターとお料理ルカさん5
09/01/18 22:29:35 m1ZBXoeF

あ、また赤くなってる。可愛いやつめ。
俺は思わず笑いながら、箸で掬った一掴みをルカの前につき出した。

「マジでうまいよ。ほれ食ってみ」
「いえ、それはマスターの」
「俺がルカにあげるんだ。いいだろ?」

躊躇したが、ルカは小さく口を開けて、それを頬張った。
無表情のまま咀嚼する。やがてごくんと飲み込むと、ルカは妙な顔をした。

「…久しぶりに食べました」
「へ?久しぶり?」

俺がルカに野菜炒めを食べさせたのはこれが初めてだぞ。

「開発室にいた時、チェックの段階で食べたことがあります」
「なるほど、その記憶を辿って作ったのか」
「はい」

でもなんで野菜炒めなんだ開発者…

「なんとなく、と言っていました」

あぁそうなんだ…
まあ、開発者に感謝だな。お陰でルカの手料理が食えたし。
白い皿の中をあっという間に空にして、テーブルの上に箸を置く。

「ごちそうさま!…てか、作れるなら早く言えよなー、ルカ」
「も…う、しわけ…」

…うん?
高速でルカを振り返る。
するとルカは、床の上に座り込んでいた。

「ルカ!?」

椅子を蹴って、ルカの側に膝をつく。
ルカはこうべを垂れ、顔を両手で覆っていた。
泣いているのかと思ったが、声は聞こえない。代わりに苦しそうなブレス音がした。

「ルカ、おいっ!どうしたんだよ!!」

375:純情マスターとお料理ルカさん6
09/01/18 22:31:16 m1ZBXoeF

まさか、慣れないことさせたから?
料理を作る機能なんて持ち合わせていないだろう。無理をしていたに違いない。
まさか、今度こそ本当のエラーが…?
血の気が引いて、思わずルカの肩を掴んだ。

「ルカ、ルカ!しっかりしてくれ!」
「ま…マス……マスター…」

ルカがやっと頭を上げた。
ほっとしたのもつかの間、ルカの顔がかつてないほど赤くなっているのに気が付いた。
例えればパプリカだ。赤カブだ。――明らかにヤバい。

「る、ルカ…!」
「マス…た…うう…」
「苦しいのか?どこが苦しい!?どうしたのか言ってくれ!」

俺のせいでルカが死ぬ?
壊れる、なんて言葉は思い浮かばなかった。
ああ、こんなことなら一緒に飯作って、一緒に食べたかった。
まだ言いたいことだってたくさんあるのに!

「マ……マスター…」
「ルカ、ルカ…!ごめん、ごめん、俺が…!!」
「……か……」
「か?どうした?苦しいのか!?」

ルカが激しいブレスの中で、俺の耳に口を寄せる。
やばい涙腺崩壊する。どうしよう、どうしたら。
そして、ルカが微かに呟いたその言葉は――、


「……間接キス……」


……。
………?
うん?なんだって?

「…ごめん、もう一回」
「かっ…かかか、間接キス…!」

耳の穴に指を突っ込んで、抜く。うん、音は正常だ。
俺は聞き間違えてない。脳みそも多分大丈夫。
…OK、少し落ち着こうか。

376:純情マスターとお料理ルカさん7
09/01/18 22:32:38 m1ZBXoeF
いつの間にやら抱き締めていたルカを解放し、顔を付き合わせる。
しかしルカは再び顔を両手で覆っていた。耳が真っ赤だ。

「…間接キスって、さっきの?野菜炒めの?」

ルカがこくこくと頷く。
…いや、これはもうこくこくなんてもんじゃないな。ビュンビュンだ。

「…ルカ、落ち着いてよく聞いて欲しい」

ルカがまた頷いた。

「お前、この前、冷蔵庫のペ●シ飲んだだろ?」

こくこく。

「あれ、俺の飲みかけだったんだけど」

こくこ…… !!?
そんな感じでルカはうろたえ始めた。顔を覆ったまま左右に首を振っている。
…あぁ、どっと疲れた…無事で良かったけど。

「…ルカー」
「……」
「手、どけてくれ」
「……はい」

ルカがおずおずと両手を離すと、真っ赤な顔が現れた。
俺は思わず笑ってしまう。

「お前、小学生みたいだな」
「…申し訳…ありませ…」
「しかも気付くの微妙に遅いし」
「う……すみません…」
「…でも、なんともなくてよかったわ」
「……ゴメンナサイ」

素直なのは良いことだ。
…さて、じゃあ次は俺のターンということで。

377:純情マスターとお料理ルカさん8
09/01/18 22:33:36 m1ZBXoeF

「ルカ」

呼ぶと、うつむき加減だったルカの顔がこちらを向く。

「なん――」

なんでしょうか、とでも言おうとしたんだろうか。
でもその続きは残念ながら聞けない。

俺は、ルカにキスをした。

予想以上に柔らかい唇に心臓がバクバクいってる。ヤバい。
目を瞑っているからルカの顔は見えない。そんな余裕はない。でもきっと真っ赤になってるんだろうな。
それは時間にして僅か三秒。
実際はもっと早かったかもしれない。
俺は唇を離し、ルカの様子を見た。
…ルカは…ええと…すごい顔をしていた。固まってるぞ。
少しばかり釣りがちな青い目は見開かれ、顔は夕日以上に真っ赤。
でもまあ多分意識はあるだろう。手が震えてるし。

「ルカ」

――わかったことが一つある。
ルカはいつも、こうした俺の言葉や行動に、過剰な程の反応を示してきた。
ルカが俺の分まで赤くなるから、俺は何だって素直に出来るんだ。
今だって死ぬほど恥ずかしい。けど言える。
ごくりと喉を鳴らして、俺は未だ動かないルカを真っ直ぐに見据えた。

「好きだ」

――当然というか何というか。
ルカはあわあわともあああとすら言わないまま、フローリングの上に倒れた。

378:純情マスターとお料理ルカさん9
09/01/18 22:34:44 m1ZBXoeF


***


初めてのキスは、野菜炒めの味がした。
…カッコ悪すぎる。涙の味とかならカッコいいのに。
ソファーに横たわるルカの側で、俺はぐるぐると余計なことを考えていた。
ああわかってたさ。可愛いって言っただけで真っ赤になるルカのことだ。
キスなんぞに耐えられるはずがないわけで。
けど俺も耐えられない。沈黙に耐えられない!
うひぃぃさっきから唇が妙な感じがする誰か助けてうぼぁー。

「…マスター?」

その時、衣擦れの音と同時に声がした。
心臓が情けないほど飛び上がって、身体中の血液が忙しなく流れる。
ルカの声は普通だったが、俺が背中を向けたまま動かないでいると、「あっ」と言って黙りこくってしまった。
…気まずい。俺のせいなんだけど。反省している。
だが後悔はしてない!…と自分を励まして、ようやっと口を開いた。

「…ぐ、具合、大丈夫、かな?」

何が「かな?」だ俺。誰だよ。

「どぅあ、だっ、大丈夫、です」

ルカもどもりすぎだろ!どぅあって何だどぅあって!
けどやっぱり、そのお陰で落ち着いた。
振り返りはしない。そうしたらまたルカが卒倒する気がする。
だから顔を向けないまま、また声を捻り出した。

「…ルカ、その、あのな」
「はは、ふぁい」
「いい、嫌だった?か?」
…言うに事欠いてなに言ってんだ俺は。
もし嫌だったって言われたら再起不能だぞ。墓穴にも程がある!

「そん、そそんなこと」
「あ、ああ、ならよかっ…たっていうか、うん、まあ、な」
「は…はい」

駄目だ会話が続かない。あれだけシミュレートしただろ俺!しっかりしろ!
ああ駄目だもう初めてのキスはニラの味がしたーとかもう頭メルト溶けてしまいそうであばばばば。

379:純情マスターとお料理ルカさん10
09/01/18 22:35:53 m1ZBXoeF

「…マスター…」

その時。
ルカの白い手が、不意に肩に乗った。
心臓が、壊れるんじゃないかってほど激しく動く。すぐ後ろにルカがいる。
俺の好きな女の子が。

「わ…私は、…人間では、ありません」

知ってるよ。俺が起動させたんだから。

「感情も乏しいです…」

わかってるよ。その上で好きなんだ。

「……マスター」

なに、ルカ。

「…好き、とは、どういう、ことですか」

――我慢できずに振り返った。
長い桃色の髪。釣りがちな青い瞳。透き通るような白い肌。
正直に言う。恋をしそうで怖いと思った。ロボット相手に本気にしそうで恐ろしかった。
感情がないなら俺も本気にならないと、安心してルカを選んだ。
でも結局俺はルカを好きになった。しかも後悔なんて微塵もしてないと言い切れるほど強く。
そう、後悔はしてない。反省もしてない。
ただ彼女がいなくなるのが怖い。これはさっき初めて気付いたことだ。
焦ったのは否めないけど、早すぎたとも思わない。間違っているとも。
俺はルカの頭に手を乗せて、笑った。

「恋人になって下さいってことだよ」

ルカは、仄かに頬を染めた。
それから目にうっすらと涙を浮かべて、震える唇で言う。

「パートナー、ではなく?」
「うん。恋人」
「私は人間ではないのですよ?」
「ルカが好きなんだよ、俺は」
「……マスター」
「ルカは?」

ルカが身を強張らせた。一気に頬の色が濃くなる。

380:純情マスターとお料理ルカさん11
09/01/18 22:36:58 m1ZBXoeF
俺は多分、初めて会った時からずっとルカが好きだった。
だから知りたい。もう後には引けない。

「…わ、私は」

…いや、知りたいと言うよりは「聞きたい」だな。
自意識過剰かもしれないけど、ルカは多分、俺と同じように思ってくれてるだろうから。

「……」

ルカは必死に言葉を探しているように見えた。
けど見つけられないのか、俺を困ったように見てくる。
…そんな目で見るなよう。俺だって素人なんだぞ。恋愛の。
と、その時だった。ルカが何かひらめいた!というような顔をして、ごくりと喉を鳴らす。
よし来いルカ!俺の心臓が爆発しないうちに!

「――」

しかし、ルカは俺の期待を裏切って、何も言わなかった。
代わりに、ぐっと近づいてきた。
唇に唇が触れる。
目を閉じたルカの顔がかつてないほど近くにある。

――キスされたのだと気付くまで、数瞬。

俺は頭のてっぺんから爪先まで、血が氾濫した川の如く猛烈な勢いで流れるのを実感した。
目の前でルカの睫毛が揺れている。白い肌は上気していた。
…頭がどうにかなりそうだ。何でいきなりキス!?あ、俺もか!
目を閉じることも出来やしない。全神経が唇に集中する。不意打ちはかくも刺激的なもんなのか。
…そして、何の前触れもなく、ルカが離れた。
閉じられた瞼が、離れる動きと同時進行で開かれ、青い瞳に俺の間抜け面が写り込む。

「……! …!?」

俺は口を開いたが、言葉なんか出てくるはずもない。金魚のようにパクパクとするのが関の山だ。
けどそれはルカも同じで、彼女は俺のジェスチャーに頷くだけ。
こくこく、こくこくと。それだけでわかった。
――こうしてルカは、無言の告白を成し遂げたのだった。
真っ赤な顔で泣きながら笑って一生懸命頷く、俺だけのルカ。
たまらなくなり、俺は彼女を抱き締めて、叫ぶように言った。

「俺も大好きだ!!」

三度目のキスは、涙の味がした。


***

381:純情マスターとお料理ルカさん12
09/01/18 22:37:57 m1ZBXoeF


「マスター、食事が出来ました」

台所から、ルカが俺を呼ぶ。俺は課題の手を止めて立ち上がった。
あれ以来、ルカはたまに夕食を作ってくれる。大体が野菜炒めだが、最近は味噌汁も覚えたようだ。
買ってきた惣菜と、湯気がたつ野菜炒め(大盛)と、ワカメの味噌汁。そして白米。

「お、今日はワカメか」
「出汁はにぼしです」
「いつも悪いなぁ、ルカ。よし、いただきま」
「あ…あの、マスター」

椅子に座る俺の服を引っ張るルカ。
…またか、と思いつつ、緩む頬を抑えながら振り向いた。
そしてスタンバイ完了なルカの唇にかるーく口づけて、苦笑いする。

「…ありがとうございます、マスター」
「おー」

ルカはエプロンを外して、満足した顔で正面の席に座った。
…あれ以来、ルカはキスにハマったらしい。ことあるごとに要求してくるようになった。
応える俺も俺だけどな。しょうがないじゃない、好きなんだもの!
でも相変わらず、ルカは言葉で何かを言われると真っ赤になる。…基準がわからん。
まあ恋人にキスを求められて嫌な奴はいないだろう。俺も例外じゃない。
ルカが飽きるまで、彼女に応えようと思っている。

「いただきます」
「おっと。いただきます」

ルカが箸を持ち、礼儀正しく手を合わせた。俺も慌ててそれに倣う。
―今日は月始め。懐は温かい。腹の虫が鳴っている。

「美味しいですか」

目の前には俺の嫁。
野菜炒めを口いっぱいに頬張って、俺は大きく頷いた。

「うまい!」

ルカの料理は、今日もうまい。




おわり

382:名無しさん@ピンキー
09/01/18 22:39:39 m1ZBXoeF
以上です。またエロなしでほんとすんません
よくよく考えてみたら、純情×照れ屋って全くエロいことしてくれそうにないんだ
だから今回でルカさんにキス魔になってもらいました

あ、料理が野菜炒めってことに特に意味はないんで、あしからず
あとこのルカさんもはやクーデレじゃない、クー照れだ

では、読んでくださってありがとうございました

383:名無しさん@ピンキー
09/01/18 22:52:07 mwhSwkCx
何だこの甘さは!糖尿病になるわ!

『間接キス』で全力でこけそうになったwルカさん、あーたって人は……

384:名無しさん@ピンキー
09/01/18 22:58:22 uOxdRMIK
甘スレ並みかそれ以上の糖度だぜ
手近にある壁とかテーブルにダムダムせざるを得ない(実際は付近を薙いでただけだが)

385:名無しさん@ピンキー
09/01/18 23:16:41 2S7DVsS9
グフッ

ごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろごろ
↑あまりの甘さに床を転げ回っている


ごろごろごろごろ ドスッ

…グ、GJ!!

386:名無しさん@ピンキー
09/01/19 00:38:06 JoLrwXBI
あまーい!

387:名無しさん@ピンキー
09/01/19 00:53:53 ab/JByqt
生キャラメルか俵屋の水飴レベルにあまいです(^p^)

388:名無しさん@ピンキー
09/01/19 02:20:18 IL731m8Y
何回言っても言い足りないほどGJ

389:名無しさん@ピンキー
09/01/19 04:57:10 UePU41gq
大盛りぜんざいより甘いです!

390:名無しさん@ピンキー
09/01/19 07:41:04 S7shqzZ0
甘い、甘過ぎるぜ!!
砂糖にシロッp(ry


GJ!!

391:名無しさん@ピンキー
09/01/19 12:43:57 pHoovNkj
あま~い!やみつきの甘さ~
マスターとルカ二人とも飼いたい
GJ!!

392:名無しさん@ピンキー
09/01/19 14:53:41 2kIk6N7Q
>>385-387
不覚にもw

393:名無しさん@ピンキー
09/01/19 19:18:59 ls2OJtRq
GJ!毎度毎度いい仕事を…
料理ときたらそろそろ『風呂』だよな?

394:名無しさん@ピンキー
09/01/19 21:21:27 rdJ1w7Is
>>337
ルカ様はいませんがそれでよければ。。
因みに超遅筆です。

395:名無しさん@ピンキー
09/01/19 22:29:04 eH+G+Pws
>>393
いやいや、ここはむしろ、隠していたエロ本をルカが見つけてだな(ry

396:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:05:55 sHOCdNWn
赤面しながら読み耽るのですね?

397:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:07:04 aJMXN7jo
赤面しながら音読、と目が滑った

398:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:10:04 aYsT87ag
ルカ「そう…そのまま飲み込んで、僕のエクスカリバー…」

399:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:50:59 KP0x7dX9
よし、ルカに官能小説を音読させてみよう。そしてそれをじっくりと観察ry

400:名無しさん@ピンキー
09/01/21 08:34:02 ZEYrRdE/
>>398
BLじゃねえかwwwww

401:名無しさん@ピンキー
09/01/23 00:22:22 14t5SV7I
変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター→が、一人になった途端に火照った躰を慰めだし…

ここまで電波を受信したが、文章化できない。

402:名無しさん@ピンキー
09/01/23 01:11:06 S979INAq
俺に任せろ!!!

変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター
→「晩ご飯作りますね」と台所に立つルカ様→乳房の先端と股間に違和感を覚えるルカ様
→片手が無意識に…

くっ、もう少しのところで電波が途切れた…

403:名無しさん@ピンキー
09/01/23 01:48:01 VgGs4+vA
俺にまかせろぉぉお!

変態マスターが官能小説を朗読させる→が、眉一つ動かさず冷静に全部読み上げるルカ様→がっかりするマスター
→「晩ご飯作りますね」と台所に立つルカ様→乳房の先端と股間に違和感を覚えるルカ様
→片手を無意識に違和感を覚えた場所へと伸ばすルカ様→「…っあ」初めての感覚に戸惑いながらも手の動きを止められないルカ様
→そこへ「晩ご飯できるまでに風呂はいっちゃおうかな」と台所へ来るマスター
→頬を桜色へ染め、息の上がるルカ様を見てマスターは…

くそっ、電波が途切れやがった!無念。

404:姉弟ごっこ1
09/01/24 18:02:37 a3sulzvW
オール気味の小話投下します。

-----------
「リンお姉ちゃんのおやついいなぁ…」
「ふぇ!?…えぇっと……あー半分あげよっかーなぁ……んて」
それは食後のおやつを頬張る、黄色い二人の会話。
メイコとカイトはソファで談笑、ミクはファッション誌を手に
同じリビングでそれぞれの時間を過ごしていたのだが、
思わず耳を疑うような会話に3人は顔を合わせた。

「あんた達一体どうしたの?」
真っ先に口を開いたのはメイコだった。
リンが大好きなおやつをレンに半分あげるなんて珍しい。
それだけじゃない、今日は朝からずっと違和感があったのだ。
"リンお姉ちゃん"?
世間では双子だなんだと言われてるが、
うちの鏡音は二人は同時に生まれたと言い張り、
一方を姉や兄扱いする事を兄弟にも禁止させていた。
だというのに、今日は何回"リンお姉ちゃん"という言葉を聞いただろうか。
「何かの罰ゲームかな?」
「違うよぅ」
同じくずっと気になってたらしく問いかけた兄に答えたのは、
当事者の二人ではなくミクだった。
「年上気分を味わってるんだって」
お兄ちゃん達は昨日仕事で居なかったから知らないけど
昨日はレン君が"お兄ちゃん"だったんだよ、そう続けるミクに
ソファに座る二人はさっぱりわからないという風に目を合わせる。
読んでいた雑誌を床に置くと、ミクは更に続けた。
「ちょっと前にCV03、ルカさんの話題で盛り上がったとき
 リンレンは末っ子のままで残念だねって言われてたでしょ」
―確かにそういう話はネットの至る所でされていた。
だけど、うちのリンレンに限ってはまるで気にしてないようで
『当たり前じゃん、うちらより年下が出るわけないし』
『マスターの大好きなえっちな本に出したら犯罪だもんねぇ~』
なんて茶化していたというのに。

405:姉弟ごっこ2
09/01/24 18:02:59 a3sulzvW
「…あんまり周りが言うから、妹が出来るってどんな気分なんだろって
 年上気分を味わってみようと始めた遊びなのよ…」
やっと口を開いたリンは酷く落ち込んでいた。
一方でおやつを一個半食べてるレンはご機嫌だ。
ちまちまと半分になってしまったおやつを食べながら、リンはカイトの事を見た。
「カイ兄、今までごめんね…
 大好きなおやつを半分あげるって、こんなに辛かったんだね。」
涙目のリンを見て思わずカイトはたじろぐ。
今まで何度リンにお願いされてアイスを半分あげただろう。
だけどそれはけして強制じゃなくって
「だーいじょうぶよ、案外、下の子の言うことはかわいいもんなんだから」
カイトの気持ちを読んだようにメイコが笑う。
「ほんと?」
「…はは、不思議だよね。自分の分が半分になっても
 相手が喜んでくれるなら嬉しいんだよ」
パッと笑顔になったリンは、にこにことした顔でレンを見つめてみた。
同じようにとびっきりの笑顔でレンが返す。
「やー、お姉ちゃんから貰うおやつは格別に美味しいね!」
嫌みたっぷりでにっこり笑う"弟"を
…やっぱこいつかわいくなぁい……そんな顔で睨む彼女に
思わずみんな苦笑する。そりゃあいつも対等だった相手を
いきなり下の子扱いするなんて無理だろう。

「言っとくけど、昨日は俺が同じ目にあったんだからね」
仕返しも兼ねてるから、と弁明するレンを尻目に
リンは突然何かを思いついたように立ち上がった。
「あ そうだ
 マスターにお願いしてショタレンにして貰えばいーんだぁ!」
「…は?なんでそう…」
「マスタぁー!!おねがいがあるのー!!!」
思いついたや否や、マスターの部屋へとダッシュするリン、
青い顔で怒鳴りながらそれを追いかけるレン、
ドタドタと走る音が遠くへ響いていって、やがて
マスターの部屋を開けたのであろうドアの音が聞こえた。

「まったくあの二人は…毎日が楽しそうね」
リビングにぽつんと残された3人は思わず笑い合う。

406:名無しさん@ピンキー
09/01/24 18:03:35 a3sulzvW
***** オマケ *****
「ね、うれしい?れんきゅんの為にお姉ちゃんが
 大好きなハンバーグつくってあげたんだよぉ~」
にっこにこのリンに、俯いたままのレン。
「ほらー、食べないの?あ、食べさせてあげるね」
ハンバーグの切れ端を無理矢理食べさせようとする
リンに耐えかねて思わずレンが叫んだ。
「やめてよお姉ちゃん!」
それまで出来るだけ普通に接しようと振る舞っていた3人は、
そのショタボイスに思わず吹き出してしまった。
「~~~!!!笑うなぁ!」
すっかり悪ノリしたマスターにショタ声に替えられてしまったレンは
その声だけでなく性格や容姿にまで影響が出てしまい
身長はリンより低く、顔も少し幼くなっていた。
どっからどうみても今の彼はカワイイ"弟"である。
「ごはんの後はお風呂一緒にはいろうね~♪」
「みんな笑ってないで助けてよぉー!」
助けを求める彼の声はむなしくも届かず
その日の0時までリン姉の天下は続いたのだった―…

407:名無しさん@ピンキー
09/01/24 18:20:08 FsXAsiCk
>>404-406
面白かったGJ!
0時過ぎてからレンがベッドで仕返しする所まで想像したぜ

408:名無しさん@ピンキー
09/01/25 07:43:32 MzcqTCzP
途中のものって書き込まないほうがいいよね

409:名無しさん@ピンキー
09/01/25 08:46:20 UD2RNJSA
枯れ木も山のにぎわいってミクが言ってた

410:名無しさん@ピンキー
09/01/25 10:15:21 7ycTbqVJ
可愛いな

411:名無しさん@ピンキー
09/01/25 16:39:17 MzcqTCzP
レンルカでレンがルカに弄ばれる感じの書いているけど
文才なさすぎてワロタ、何度も読み返して改正しないと
投稿できねぇ

412:名無しさん@ピンキー
09/01/25 17:14:05 ubAil+S5
>>411
私がチェックしてあげるから安心して来なさい!
ってめーちゃんが言ってた。

413:名無しさん@ピンキー
09/01/25 17:17:19 2DwSXbse
>>411
今から全裸待機するわ

414:名無しさん@ピンキー
09/01/25 18:26:15 uJxlOM6X
>>401-403
>>411
職人の執筆待ち時間の暇つぶしにでも、の小ネタを投下するよ

カプは特にないけど若干カイミク?
KAITOが残念なので素敵KAITO派はすっ飛ばしてほしい。申し訳ない。。
エロなし。全裸の人は服を着ることをおすすめする

415:残念KAITO小ネタ1/3
09/01/25 18:29:36 uJxlOM6X
「わっ」

風呂からでたら脱衣所にミクがいた。
タオルを取りに来たらしい。
俺は体を隠してくれる布なんてもちろん持ち合わせていなくて少しうろたえる。
ミクは一瞬ギョっとした目をした。けどすぐに

「あ。おにいちゃん。ごめんね」

と何事もなかった様に脱衣所を後にしたので
ビックリしたけれど、まぁ兄妹だしな、と
うろたえた自分を反省し、バスタオルを手に取る。




……その頃リビングでは


「大変なのぉ!」とミクが叫ぶ。
「なになになになに!?」と目を輝かせたリンが言う。
「なんか、おにいちゃんの足の間に謎の物体が生えていたわ」と真剣な顔でミク。
「ゴフッッ!!」
リンの隣でオレンジジュースを飲んでいたレンがむせながら
「ばっバナナみたいなやつ!?」と聞く。
少し考える素振りをして
「ちがうわ。もっとこんな、こんな得体の知れない物体よ!」とミクは両手で形作ってみせる。
「え~リンよくわからない。もっと詳しく!」


……という会話が繰り広げられているとはまったく知らず
俺は風呂上がりの爽やかな気分でリビングに向う。
入口のドアに手をかけると


「そんなにデカくないだろぉぉおおおっ!!」


とレンの叫び声が聞こえ飛び出してきた本人と衝突した。
レンは顔を上げるとまるでライバルを睨んでいるかのような鋭い視線をこちらへ向けてくる。
その瞳にはうっすら涙がたまっているようだが…

「えっえっどうしたんだっ」

と俺は慌てて尋ねる。
そんな言葉はお構いなしにレンはドンッと俺を押しのけ自室の方へ走り去っていった。
なんだったんだろうか?疑問に思いながらリビングの中へ入っていくと
ソファーに座るリンが不審なものを見るような視線を俺に向けていた。

416:残念KAITO小ネタ2/3
09/01/25 18:31:01 uJxlOM6X
これは……!

そうか!思春期によくなる病気だな!名前を何といったかな。中…二病?
レンとリンもそうに違いない。こんなときはこちらから歩み寄っていかなければ!
兄さんにはわかるぞ!と俺はうなずく。

何か楽しい話題を一緒に、と笑顔でソファーに近寄ると
机の上にクレヨンと画用紙が何枚かあるのが目に入った。


「お絵かきかい?何を描いたのかな?」
その中の一枚を手に取り俺はさりげなく話題に入る。
「ミクちゃんが描いてくれたの。ね?」
とリンは隣に座るミクに視線を向ける。
「あっあんまり上手く描けなかったんだけど…」
と少し気まずそうにミクが答えた。


きのこ…?マツタケ?…にしてはピンクがかっている。
魚肉ソーセージだろうか?
たしかに画用紙にはあまり素敵ではないものが絵描かれている。
ピンク…ああ、なるほど。巡音さんの持ち物を考えていたんだなと俺は察知して


「上手くかけているよ」
とほのぼのとした家族の会話を演出する。
「本当に!?本当に上手く描けてるのっ?」
とリンが話しに喰い付いてくる。良い感じだ。
「ああ。とても上手く描けているよ。兄さんびっくりだ。」
ととびきりの笑顔で俺は答える。
「へぇ~…」
とリンは関心したように目を丸くし
「レンにも教えなきゃっ」
と興奮気味にリビングを出て行った。


417:残念KAITO小ネタ3/3
09/01/25 18:31:54 uJxlOM6X
良い家族の関係を保てたと俺は満足しながら持っていた絵をミクに渡す。


「おにいちゃんは、その…コレ、どうする…つもりなの?」
と絵を受取ったミクが恐る恐る訪ねてきた。


コレ…巡音さんの持ち物か。
俺の案と対立してしまうことを恐れているのだろう。
持ち物が魚肉ソーセージ?でいいのかはわからないけれど、
ここはかわいい妹に案を譲ろうと


「ミクの好きなようにしていいんだよ」
と俺は兄らしく答える。
「え…っ!」
予想外の意見だったのかミクはとても驚いた様子で声を上げ
「いいの?ミクの好きなようにして、いいのっ?」
と聞き返してくる。
「そうだよ。ミクの自由にしていいんだよ。その方がおにいちゃんもうれしいなあ」
とミクの頭をなで俺は答える。
「じゃあ、じゃあミク色々考えるからっ!後でおにいちゃんのお部屋に行くねっ」
とミクは瞳をきらきらと輝かせリビングを後にした。




「みんな良い子達だなあ」
と良い兄の手本の様になれたことに大満足している俺の後ろで
テレビを見ながら俺達の会話を聞いていた姉さんがむせながら肩を震わせている理由を
今夜、部屋に訪ねてくるミクによって知ることになるとは
まだ、まったく予想していない、
平和な時間の話し。


418:名無しさん@ピンキー
09/01/25 18:49:05 mPMNBneh
>>414
カキフライ吹いたwww

メイコ、カイトにちゃんと説明するんだwww

419:名無しさん@ピンキー
09/01/25 22:29:44 gpqWuOgm
なんというアホ兄妹wwwwwwww

これは死亡フラグですね、わかりますwwww

420:名無しさん@ピンキー
09/01/25 23:42:10 ubAil+S5
>>414
面白いwニヤニヤが止まらないw

その後興味でソーセージ触ったら大きくなっちゃって、
「もっと大きくなったー!」
とリンレンを呼ぶ姿を妄想したw

421: ◆G/JDSVg/gE
09/01/26 03:22:41 1a61NHp5
こんばんは、鬼畜ド(ryです。
カイメイ[服従 4日目]投下ですが、今回は露骨な台詞が多いので注意してください。

それではお手柔らかに。

422:カイメイ[服従 4日目](1/9)
09/01/26 03:23:35 1a61NHp5
「メイコ、今回は発声練習を兼ねてやろうか。今度やって来るルカに負けない様にさ。」
カイトがあたしを背中から抱きしめて、甘く囁く。それは淫らなセッション開始の合図。
鼓膜を擽る様な彼の声にあたしの身体は素直に反応し、小さく頷いた。


こんばんは、メイコです。
またミク達は夜通しレコで、あたしとカイトの二人きり。
カイトが背中からあたしをしっかり抱きしめる。こうされるのは…結構好き。勿論
二人きりの時だけ。
「今回も俺の部屋でね、行こうか。」
そう言ってカイトはあたしをまた[お姫様抱っこ]して自室へ連れていく。
あたしを軽々と運んでしまうカイトってほんと力があるんだなぁとつくづく思う。
部屋に着き、あたしをベッドに下ろすと、悪戯っぽく微笑んでそのまま押し倒した。
「ん、ふ…」
唇を重ね、舌を絡め合いながら服を脱がす。あたしを生まれたままの姿にすると
カイトも脱ぎ、あたし同様生まれたままの姿になった。
マラソン選手の様な引き締まった身体。色白なんだけど意外と逞しかったりする。
[裸マフラー]ネタとかあるから、それなりに身体を鍛えているのよね。
そんな彼に抱かれ、触れ合う体温に安堵感を感じる自分がいる。彼が存在(い)る確かな証拠。
あたしがカイトの温もりを味わっているとカイトは
「今回はエッチな台詞、沢山言ってもらうからね。」
と言って悪戯っぽく微笑んであたしを覗き込んだ。
「そんなの発声練習じゃ―」
と反論する間もなく、カイトは自身を垂直にして秘処を塞いだ。
「あっ―」
一番敏感な箇所が感じ取った違う体温。クチュっと卑猥な水音を奏でる。
「メイコは本当いやらしいね、もう濡れてる…」
涼しい顔をして意地悪な事を言う。その表情に身体が震える。
「違、やぁ…」
カイトはそのまま腰を動かし、バイオリンの弦の様に自身を秘処に擦りつけ、あたしを
焦らし続けた。
「あっ、あひっ…」


423:カイメイ[服従 4日目](2/9)
09/01/26 03:24:45 1a61NHp5
接点は熱くなり淫らな水音が溢れ、あたしも自然に腰を動かしてしまう。
段々カイトに弱くなっていく…もう駄目、我慢出来ないよぉ…。
「カイトぉ、早くぅ…」
あたしが耐え切れず涙声で催促するとカイトは
「気持ち良くなりたいなら、まず俺を気持ち良くさせなよ。御奉仕してもらおう
かな、口でさ。」
とあたしの隣に座り、脚を投げ出した。
カイトの自身はこれでもかと言うくらいギンギンで、あたしを待っているかの様に
天井を指している。
「んん…」
あたしは言われるがままカイトの自身をしゃぶりつく。奉仕しているとカイトは
優しく頭を撫でてくれた。好きな人に頭を撫でられるって不思議と嬉しい。もっと
撫でてほしくて舐め方が大胆になっていった。パイズリしながら鈴口を舌先で弄ったり、
カリ部分を舐め回したり、しゃぶりながらスライドしたりと次第に夢中になっていく。
夢中になっていたから、カイトがあたしの足首に手を伸ばしていたなんて気付かなかった。
足首を掴み、引っ張られて身体の位置を逆にされた。早い話シックスナイン状態。
「ふぁ…やだ、恥ずかしいよぉ…」
あたしが身体をよじろうとするとカイトは
「メイコ、嬉しいけど夢中になり過ぎ。」
そう言ってクリトリスを弄りながら秘処を舐めあげた。
「ひゃ…あ…ふあぁっ!」
あたしはカイトの自身から口を離し甲高い嬌声をあげた。秘処から頭にかけて電撃が走った。
頭の中が真っ白…軽くイッちゃった。秘処が熱い。痺れた様に痙攣している。
「メイコ、口がお留守だよ?ちゃんと御奉仕しろよ。それにしても凄いパクパク
してるよ、メイコの…」
「っ!言わないで、お願い…」
身体を震わせ涙声で懇願する。あまりの恥ずかしさに涙が零れた。
「あーあ、こんなに蜜を溢れさせて。いやらしいよ、メイコ。」
カイトは執拗にあたしの秘処を攻め続ける。舌先を入れたり啜ったり…もう奉仕
出来ず快楽に震えながら嬌声をあげるのみ。
「ああっ、ひっ…カイ…ひゃあぁ…」


424:カイメイ[服従 4日目](3/9)
09/01/26 03:25:38 1a61NHp5
気持ち良いけど、もっと気持ち良くなりたい。欲しいの、カイトの…
「カイトぉ、頂戴…これ、早くぅ…」
あたしは快楽に震えながら、目の前にあるカイトのを指先で弄りながら懇願した。
「それじゃあ何処に何が欲しいか、ちゃんとはっきり言わなきゃ駄目だよ?
あーあ、もう大洪水だ。メイコのいやらしいピクピク淫乱おまんこが。」
「あぁっ、言わないで…」
カイトの意地悪な言葉。でも、その意地悪な言葉に反応してしまう自分がいる。
快楽と羞恥、それに抗う理性が奏でる心地良いゾクゾク感。
「欲しいの?欲しくないの?」
カイトの凛とした声が部屋に響く。まるで宣告を告げる様な声。あたしに拒否権はない。むしろ
「欲しい…です。」
早く、カイトのコレであたしを奏でて、唄わせてよ…
「俺の、何を?」
言わなきゃ駄目?今まではお酒入っていたから言えたの。普通じゃあ…
「許して、恥ずかしいよぉ…」
あたしが小さく首を左右に振ると
「それならこれで終了だね。」
そう言ってカイトは秘処から口を離し、身体をどかそうとした。
嫌…やめないで。カイトが欲しいの。
「やだぁ…言うからやめないでぇ…」
「それなら、俺の顔を見て言ってもらおうかな。こっち向いて。」
カイトは身体を起こしてあたしを抱きしめた。
「さぁ、言ってごらん。」
悪戯っぽく微笑むその潤んだ瞳は、欲情の炎が宿っている様でキラキラしている。
恥ずかしいからそんなに見ないで…なのに気持ちはゾクゾクしている。
恥ずかしさで泣きたい気持ちと、早くカイトが欲しい気持ちが混ざり合う。
「あ、あたしの…」
「あたしの?」
…困った、焦りで卑猥な言葉が見つからない。あたしは黙り込んでしまった。
「どうしたの?やめる?」
カイトが覗き込む。
「…違うの。言葉が、見つからないの。」
「じゃあ、俺が言うのを復唱してみようか。」
それなら、と思ったのが大間違いだった。
「えーっと…[カイトのギンギンで逞しいおちんぽを]、はい、復唱してごらん。」


425:カイメイ[服従 4日目](4/9)
09/01/26 03:28:41 1a61NHp5
聞いていて恥ずかしさのあまり顔が熱くなる。
そうしているうちにカイトの指があたしの秘処を弄りだした。
「あっ…」
「ほら、メイコも触って、俺の。触りながら言ってごらん。」
弄りながらカイトは、あたしの手を掴んで自身に触れさせた。
熱くて固い。カリも凄く張っているカイトの自身。これがあたしの秘処に入ると
あたしは彼だけの淫らな歌を奏でる楽器になる。
昔、マスターのお宝エロフォルダを見たけど…カイトより大きい人はいなかった。
カイトの全てを知った日から、次第にあたしはカイトに従順になっていった。
逆らえない。欲しくて我慢出来ない。勝つ術はないのだ。
「か、カイトの…ギンギンで逞しい、おちんぽを…」
あたしが愛撫に震えながら涙声で復唱すると、カイトは邪な笑みを浮かべた。
「続くよ。[あたしの寂しがりや淫乱おまんこに入れて下さい]って、言ってごらん。」
意地悪。でもあたしは素直に復唱する。
「あたしの…寂しがりや…淫乱おまんこに、入れて下さい…」
ああ、これで一つになれる…と思いきや
「その台詞を卑猥なポーズをつけて言ったら、ちゃんと入れて上げるよ。」
と、カイトは微笑みながらあたしを見つめた。
あたしの中で何かが外れた。
早くカイトと一つになりたい…その思いがとうとうあたしの羞恥心を麻痺させた。
仰向けに寝転んで脚をM字に広し、秘処を指で広げ、淫らなあたしを晒す。
「カイトの…ギンギンで逞しいおちんぽを、あたしの寂しがりや淫乱おまんこに
入れてください…早くぅ…」
するとカイトはあたしに覆い被さり、キスをして優しく頭を撫でてくれた。
「はい。よく言えたね。待ち望んでいたご褒美だよ。」
そう言って熱い自身をあたしに突き刺した。
「はぁんっ…!あぁっ、カイトぉ…ひ、あひっ…来て来てぇ…」
あたしは嬌声を上げ身体をよじらせた。身体が、心がどんどん淫らになっていく。
実感した。カイトの事が言えないくらい、あたし…凄いエッチなんだ。彼の行為を
素直に受け止め、従う。従順ドMだって…


426:カイメイ[服従 4日目](5/9)
09/01/26 03:30:01 1a61NHp5
「メイコの表情、凄いエロいよ…俺をこんなに締め付けて、舌突き出しちゃって…可愛い。」
そんな事を言って、カイトは入れただけで腰を動かしてくれない。我慢出来ずあたしは
腰を動かしてしまう。
「カイトぉ、早く掻き回してぇ…我慢出来ないよぉ…いっぱい突いてよぉ…」
これ以上我慢したら壊れちゃう。カイトの首に抱き着き、泣きながら懇願していた。
なのにカイトは
「メイコ、何処に何をどうしてほしいの?ちゃんと言わなきゃ駄目だよ?」
って。だから…ちゃんと言ったの。
「あ、あたしの淫乱おまんこの奥を、カイトのギンギンおちんぽでいっぱい突いて
虐めて下さいっ…!」
もう[淫らな牝][従順ドM]と言われてもいい。カイトと快楽を共有出来るのなら。
「よく頑張って言ったねメイコ。お望みどおりいっぱい突いてあげるよ。」
カイトはそう言いながらあたしの頭を撫でて腰を動かし、あたしの中を引っ掻き回した。
まるで感電した様に全身に快楽が駆け巡り、身体が弓なりになる。
「はあぁっ!カイトぉ…凄く気持ちイイよぉ、もっとぉ…!」
もう気持ち良過ぎて何も考えられない。喘ぎながらカイトの背中に爪を立ててしまう。
「っ…爪、立てるなよ。」
「あん、ごめ…あひぃっ!」
中でカイトの先端があたしの子宮口にぶつかり、コツコツと突き上げる。あまりの
気持ち良さに頭脳回路が焼き切れそう…いっその事、焼き切れてもいい。
愛する男性に全てを支配される喜び。これが「牝の喜び」なんだろうか…
「はあ…カイトの先っぽ、奥に…あああっ…」
「ふふっ、可愛いよメイコ。突いてあげるから、もっと…唄って。」
そう言って規則正しくあたしの奥を突き上げる。その度にあたしは「あっ、あっ…」と、
短い嬌声をあげる。まるでメトロノームだ
(楽器じゃないけど)
「メイコ、凄い締め付けだ…我慢、出来ない…」
カイトの苦しそうな表情。腰の動きが早くなり、あたしの中でカイトの自身が固くなる。
「固いっ…あぁっ来て来てぇ…」


427:カイメイ[服従 4日目](6/9)
09/01/26 03:31:38 1a61NHp5
「ふ…くっ!」
カイトは切ない吐息と共にあたしの中でビクッビクッと脈を打ちながら熱い欲望を
吐き出した。この卑猥な感覚がたまらない。
「ああっ!カイトの凄い熱い…ビクビクしてるぅ…」
「メイコに…搾り取られているよ…」
あたししか知らない、欲望を放った後の微笑を見せる。この表情が好きで思わず唇を重ねた。
絶頂の余韻も収まり、これで今夜はおしまいかな?と思っていると、カイトの自身が
萎える事なく未だギンギン。え?元気になっちゃってる?なんか普段より回復が早過ぎる。
「さぁーて、今夜はオールナイトで犯るからな。覚悟しとけよメイコ。」
カイトがあたしをしっかり抱きしめ、卑怯な笑みを浮かべた。
「え?え?…ああんっ!」
カイトが腰を動かすと、グチュグチュといやらしい水音と共にあたしとカイトの混ざり
合った愛液が結合部から溢れる。
「あーゆー夕食の献立にしたメイコが悪いんだよ?」
「あふ、夕食?あひっ…はぁんっ」
落ち着いた快感が再び沸き上がる。
「[カキフライ]だよ。食べたらなんかさ、普段より凄ぇ元気になちゃって…今夜は
目茶苦茶にしてやるからな。」
カイトは切ない表情を見せて腰の動きに強弱をつけ、あたしの子宮口を執拗に幾度も
突き上げる。押し寄せてくる絶頂感。
「あぅっ固いっ、壊れちゃう…らめぇ、イくぅ…はあぁんっ!」
快感が全身を駆け巡る。それでもカイトは腰を動かすのをやめない。
「ひぃ…イッ…イッた、ばかり…だからぁ、おかしく…なっちゃ、あぁっ…」
「メイコっ…凄い締め付けだ、俺も…あぁっ!」
カイトの身体が震え、再びあたしの子宮口に熱い欲望をぶちまけた。卑猥な感覚に
全身が犯される。
「カイトのおちんぽ、凄いビクビク…はあぁ…」
「あー…カキフライ効き過ぎだ…」
快楽の余韻が収まり、カイトが自身を引き抜いてあたしの秘処を見つめる。
やだ、恥ずかしいよ…


428:カイメイ[服従 4日目](7/9)
09/01/26 03:33:12 1a61NHp5
痙攣している秘口からカイトの精液が零れ、股を伝っていくのが感覚的にわかる。
「メイコの淫乱おまんこ、口をパクパクしながら俺のをこんなに零して…凄い卑猥だ。」
「やんっ、見ないで…見ないで…」
身体をよじり逃げようとしたけど、両足をカイトにしっかり掴まれ逃げられない。
恥ずかしい…でも心地良いゾクゾク感。やっぱりあたし、マゾなんだ…
「こんなに零したんだから、また注がないとね。」
そう言いながらカイトはあたしを俯せにし、腰を自分の方へ寄せた。
「もう許してぇ…はうぅ…」
逃げたくても脚はカイトに掴まれているし、脚腰に力が入らない。
ぐちゅりと卑猥な水音をたててカイトがあたしの中に入った。腰を激しく動かし、
膣内を自身で引っ掻き回す。駄目、凄く気持ちイイよぉ…
「ふあぁ…もう駄目、あぁんっ!」
「もっと…もっとだ…!」
気持ち良過ぎて喘ぎ声しか出ない。「カイトに[カキフライ]は危険過ぎる」と、
快楽で真っ白になりつつある頭でそんな事を考えた。



外が次第に明るくなってきた。
カイトってば本当に眠らせてくれなかった。何回イッたのか、中出しされたのか
覚えていない。頭はぼーっとして、身体はぐったり。秘処は熱さ以外の感覚が麻痺状態。
カイトが精液を拭き取ってくれたけど、まだ秘口から零れていく感覚が残ってる。
正直激し過ぎたけど…あたしの身体には気持ち良くて心地良い、幸せな疲労感と
安堵感が広がっていく。そしてそれを共有した男があたしを抱きしめている。
「ごめん、メイコ。ハメを外し過ぎた。」
カイトが申し訳なさそうな顔をしてあたしを抱きしめ、頭を撫でる。
「…気が済んだ?」
あたしが聞くとカイトはすっきりした顔で頷いた。

そろそろミク達が夜通しレコから帰ってくる。朝食作らなきゃ…。
身体を起こそうとするとカイトに押さえられた。
「駄目、もう無理よ…」
「違うよ。俺が朝食作るから、お昼まで寝てていいよ。」
カイトだって寝てないのに…こんなタフじゃあ確かに負けるわ。


429:カイメイ[服従 4日目](8/9)
09/01/26 03:34:14 1a61NHp5
眠気が来て瞼が重い、彼の言葉に甘えよう。
「そうさせてもらうわ…ありがとう。」
あたしは瞳を閉じて眠りにつこうとすると、カイトは耳元で優しく囁いた。
「メイコ、愛してる。おやすみなさい。」
「あたしも。カイト、愛してる。おやすみなさい。」
軽くキスをしてカイトは服を持って退室し、あたしは眠りについた。



どうも、カイトです。
カキフライやばい、マジやばい。あんなに絶倫になるとは…
昨晩俺はハメを外しmyマイク暴走、疲弊したメイコの代わりに朝食の準備中。
これくらいやらないとメイコに申し訳ないしね。
しっかりシャワー浴びたし、ミク達には「めーちゃんは寝かせてあげといて」と
伝えれば大丈夫だろう。そろそろ帰ってくる頃だ。
「「「ただいま~」」」
ソプラノ三重奏が玄関から響いた。そのまま食堂へ来るだろう。
「お帰り、お疲れ様。朝ご飯出来てるからおいで。」
自分で言うのもなんだが優しいテノールで年少組を呼ぶ。
「は~い…って、お兄ちゃん、お姉ちゃんは?」
最初に入ってきたミクが早速聞いてきた。
「めーちゃんは寝かせておいてあげて。疲れているみたいだから。」
ミクに伝えると「わかった」と言って廊下へ向かった。
リンとレンに伝えに言ったのだろう。よく出来た妹分だ。これでメイコは昼まで
眠れると安心した。…が、甘かった。
戻って来たミクが
「お兄ちゃん、レンが「お兄ちゃんの部屋にある楽譜取るから部屋に入るね~」だって。」
…え?
「っ!ちょっ…!」
バターン!
…遅かった。廊下から聞こえるレンが倒れる音。多分鼻血を出しながら失神したのだろう。
俺はシンクの縁に両手を置き、うなだれた。
そして廊下からやってきたリン。
「な~んでぇ、メイ姉がカイ兄の部屋で寝てるのかなぁ~?しかも裸でwww


430:カイメイ[服従 4日目](9/9)
09/01/26 03:34:53 1a61NHp5
独特な匂いしてるしぃ~[昨夜はおたのしみでしたね]みたいなwww
あ、メイ姉爆睡してるから安心してwww」
………気まずい沈黙が部屋に広がる。
リン…お前今、目茶苦茶ニヤニヤしてるだろ?俺は背中を向けているけど十分わかる。
いや、今は向けない。顔面が熱い。がくぽみたいに[真っ白フリーズ]しそうだ…
「…お兄ちゃん、「お姉ちゃんは[お兄ちゃんの部屋で]寝てる」なんて言って
なかったよ?言葉足らずだよ…」
俺のミスを指摘するミク。そんなミクに俺は背中を向けたまま、いつもの台詞を吐いた。
「否定はしません…」


431: ◆G/JDSVg/gE
09/01/26 03:35:28 1a61NHp5
以上。お目汚し失礼しました。

蛎にはミネラル豊富だから、淡泊な男性にお勧めらしいw
実際うちn(ry
今の時期、美味しいよね!

読んでいただいてありがとうございました。それではまた。

432:名無しさん@ピンキー
09/01/26 03:44:48 WG4gtoKB
>>431
GJ!!
そしてカキすげぇwww

433:名無しさん@ピンキー
09/01/26 07:22:22 9xIh9M9w
>>431
GJ!!
体験談も別スレで聞いてみたいですww

434:名無しさん@ピンキー
09/01/26 10:16:38 MBAgre94
>>431
カキフライ吹いたwww

ネタの取り入れ方がジェバンニすぎるww

435:名無しさん@ピンキー
09/01/26 20:49:35 P2WSgEmi
>>431
きっとこの連日の特訓によりマスターのミク新曲はすさまじいクオリティになってるだろうなw
はしたないMEIKO面白かった!GJ!

436:名無しさん@ピンキー
09/01/26 21:42:45 c1PGMbNH
ちょっとカキフライ食ってくる

437:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:44:42 ICFuXaSx
亜鉛が含まれてる食べ物が良いそうだね。>ミネラル

>>436
ちゃんと火を通さないと、違う意味で大変になるからカキは気をつけるんだ!


438:名無しさん@ピンキー
09/01/26 23:40:26 P2WSgEmi
>>436
相手がいないと

439:名無しさん@ピンキー
09/01/27 00:14:27 4Ho0w8mx
GJ
エロイヨーエロイヨー
カイトが意地悪でよかったです

440:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:15:30 ZyM5uX4L
で、その日の夕方。MEIKOが珍しくパソコンで調べ物。何を調べたのかな?と、KAITOが検索履歴を覗くと…

「牡蠣」
「牡蠣 調理法」
「牡蠣 産地」
「牡蠣 通販」
「牡蠣 10kg」

で、KAITOがゾッとするわけですねw

441:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:18:48 4W+dBIwt
>>436
母乳プレイが好きな某マスターがカキフライ食べて、メイコさんが為すがままにされる電波を受信した

442:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:41:50 bGzVXu69
>>441
そういやあの人、最近弾数に自信がないらしいんだっけ。

443:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:49:59 0QgDV+8P
10kg てどんだけ問屋買い。

444:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:54:18 mXkUpQL/
>>441
海のミルクを食べて…いやなんでもない

445:名無しさん@ピンキー
09/01/27 02:00:39 ybCjpclu
>>443
殻つきで、がくぽ含…更にルカも入れて7人分

446:名無しさん@ピンキー
09/01/27 06:35:15 mXkUpQL/
>>445
ハクとネルとテトにもあげよう

447:名無しさん@ピンキー
09/01/27 07:20:47 tKyFA6Ma
そうか…そういえば7人になるのか。七福神ができる!

448:名無しさん@ピンキー
09/01/27 07:58:58 sJqhvKdo
レンきゅんの勃起角度に涙目のKAITO、を受信したので吊ってくる

449:名無しさん@ピンキー
09/01/27 08:17:11 ZyM5uX4L
>>448
吊らんで書いてくれ!
おそらくレンはレンでKAITOのでかさと剥けっぷりにorzなんだろな。

450:名無しさん@ピンキー
09/01/27 08:31:33 pUI9889m
コンコン

「レンくーん、今いいかしら?」
「ルカねぇ?どうぞー」
「おじゃまします」
「ルカねぇなに?」

ガチャリ

「あれ、ルカねぇなんでドアのロックを閉めるの・・・?」
「うふふ、レン君が可愛いから食べちゃおうと思って」
「え・・・!?」

って感じの書いてくれる人いねぇかなぁ

451:名無しさん@ピンキー
09/01/27 08:34:22 psC3UnyO
>>450
言い出しっぺの(ry
続けてくれ

452:名無しさん@ピンキー
09/01/27 15:44:37 ybCjpclu
ルカの中の人、離婚したらしいね。

ルカの持ち物、離婚届ケテーイ!!www

ボカロ家にやって来る時、大荷物でやってきて暗い表情で
「…よろしくお願いします…」てイメージが浮かんじまったw

453:名無しさん@ピンキー
09/01/27 16:39:52 z9tYBiEA
中の人の話出しちゃダメだろw
とマジレスしながらも
カイメイ夫婦に「しねばいいのに」とか黒いオーラを出してるルカを想像した。

454:名無しさん@ピンキー
09/01/27 17:08:54 4W+dBIwt
>>452
海外でALと暮らしていたルカが些細な理由で喧嘩して日本に帰ってくる、というよく分からん電波を(ry

今日は何故か電波を受けまくりだ…きっと疲れてるんだな

455:名無しさん@ピンキー
09/01/27 17:30:46 CGDcmO0E
中の人ネタならバツイチどうし、がくぽと愚痴ってそうだと思ゲフゲフ

456:名無しさん@ピンキー
09/01/27 18:06:54 z9tYBiEA
今まで不在だった姉が遅れてやってくる、みたいな状況って
出戻りと考えるとものすごくしっくりくるなと思ったけど怒られるからやめとくw

457:名無しさん@ピンキー
09/01/27 18:34:00 4edg6ndb
マスター「ルカぁっ!」
ルカ「今更何よっ」
マスター「俺が悪かった・・・」
ルカ「ばかぁっ!…寂しかった」

ガラッ

MEIKO「この泥棒猫」
ルカ「お義姉様!?」

こうですかわかりません><

458:名無しさん@ピンキー
09/01/27 19:13:10 gO1A0mzj
じゃあカイメイカプをバツイチ組が誘惑してある意味ダブル不倫とか。
カイルカとメイがく。
ニヨニヨしつつ昼メロ感覚で観察を楽しむミクリン。
レンはハクにショタ狩りに合う。

459:名無しさん@ピンキー
09/01/27 20:14:01 bGzVXu69
>>457
昼ドラ先生吹いたwwwww

460:名無しさん@ピンキー
09/01/27 20:31:35 6WI2bu4m
中の人を言うならKAITOとMEIKOの中の人は年齢的に既婚でないの?
KAITOの方は孫までいたりして

461:名無しさん@ピンキー
09/01/27 22:47:41 20XKl9Qy
>>457
ちょwwwナツカシスww

462:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:15:25 bbY383ZL
>>457の後、MEIKOの部屋にて。

MEIKO「この小娘…私を差し置いて…」
ルカ「お義姉様、私はそんなつもりは」
MEIKO「うそおっしゃい!!」 ドン
ルカ「ああっ!」

ベッドにうち倒されるルカ。

MEIKO「服を脱ぎなさい」
ルカ「え…」
MEIKO「お脱ぎなさいと言っているの! 何度も言わせないで!!」
ルカ「は、はい…」
MEIKO「あたしよりくびれた腰…それに」
ルカ「お義姉様、やめて、おねがい…あっ」
MEIKO「…この作り立ての餅のような乳房!」 ギュ
ルカ「いやぁ…んんっ…許して…あっ…」
MEIKO「そんな可愛い声を出して…あたしまで身体が熱くなって…」


(省略されましたry)

463:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:27:43 tDwgl5SJ
然るべき板で、続き、待ってる。

464:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:32:31 ZJcBpr8n
>>460
そろそろスレチだがKAITOの中の人は確か独身でデブぬこと暮らしてる


465:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:32:38 QFa4PZHR
>>462
百合スレ池


いや、来てくださいお願いしますこの通りです

466:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:33:26 mXkUpQL/
>>462
俺の待ち望んだメイルカ、ここにいたのか

467:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:41:47 bbY383ZL
>>463
>>465
そんな板あるんだ。知らんかった orz

468:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:28:26 UdUJvPPd
リン唱う「歌舞伎町の女王」と、カイト唱う「二丁目ブルース」
に触発されて書いてしまったものを、投下。
「暗黒街のカイト」+「田舎町のがくぽ」を締めくくる完結編だけど、
一応、単品で読める仕上げのつもりです。

なお、流れとしては一応、「リン×カイト」。


「鏡音の歓楽街」


 ふと見上げれば、空は暗たんたる闇だった。だが、その下界でうごめく人間共は、いま
だ怒濤の往来を見せる。
 この街のなにもかもは、眠りにつかない。
 なぜなら、ここは人の欲望と絶望が幾重にも錯綜しあい、そして生まれた混沌が支配す
る空間だからだ。
 絶え間ない喧騒の中では、誰も眠ってなどいられなかった。

 だが、同時にそれは誰をも惹きつけて止まない魅力となる。
 人はただただ、平穏に浸りきって生き続けられるほど安穏たる存在ではなく、本能は時
折、激烈なまでに生への葛藤を要求するものだ。
 だから、そんな感情の一部を垣間見せてくれるこの街を、彼らは「歓楽街」と、呼び親
しんだ。

 その中を、一台のバイクが征く。
 車種はカワサキ・W650。
 古めかしい外見に最新鋭の中身、というのが売りのバイクであり、その姿は映画「大脱
走」の中で、スティーブ・マックイーン操ったバイク(トライアンフ・TR6)の様だとい
えば、お解りになるだろうか。
 解らなければ、日本なら昭和も三〇年代……戦後間もない、三輪トラックが走っていた
頃の風合を持つバイク、と思っていただければいい。

 だが、W650に乗っているのは捕虜の兵士ではなく、小柄な女だった。
 もっといえば、クリプトン社製ボーカロイド「鏡音リン」であるが……子供並の背丈し
か持たない彼女がバイクに乗るのは、いろいろと大変なものがあるだろう。
 華奢な脚に、シークレットブーツが履かされていることからも、それが解る。
 そんな労力をもってしてでも乗るには、単なる足の確保という以外に理由を求めねばな
るまい。

 なぜか?
 それはW650のデザイン元となった「W1」というかつてのカワサキがラインナップに持っ
た旗艦的バイクにあったことに端を発する。
 W1はマックイーンの時代当時を走ったもので、日本国内では最大最高の性能を示し、全
ライダーの憧れになる程の物だったのだ。
 値段も相応に高価であった。
 だが、まだまだ工業技術は欧米に大きく遅れをとる時代である。
 そのため、設計が英国車のコピーといっても差し支えのないもので、主たる輸出先であ
る欧米においては「しょせん紛い物」という評価を抜け出せなかった曰くがあった。

 しかし、それから数十年の時が経ったとき……日本は一大躍進し、少なくとも自動二輪
製造の技術においては他国の追随を許さぬレベルに達していた。
 その成熟した技術をもって生まれたW650は、海外へ輸出されるや、今度は英国に後追い
製品を出させるという復讐を遂げた歴史があるのだ。
 もし工業製品に感情があるとすれば「見たか!!」と、声高に叫んだところであろう。

469:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:29:29 UdUJvPPd
 ここだ。
 ここにリンは、自身の夢を重ね合わせている節があった。
 というのも彼女は、ある出生の秘密により「自分はしょせん人間の複製品に過ぎない」
というコンプレックスが大きい。
 それだけに、W650の生い立ちを省みればみるほど、

「だけど。じっと待てば。もしかすれば! こいつみたいに、なれる時が来るかもしれない……」

 そういう想いが強まったのだ。
 リンは想いをエンジンに込め、ばらばらと軽く連続する排気音を奏でながら路を舞う。
 頬へ当たる走行風が心地よかった。
 だが遠くへは行けない。
 彼女には、ここが唯一、生きることを許された世界だからだ。
 なぜならリンはマスターを持たない、いわゆる野良アンドロイドだった。

 それがどうして生きる世界の限定に繋がるのかといえば、ボーカロイドをはじめとする
全アンドロイドは、「者」ではなく「物」として規定される事が挙げられる。
 そのため、人間のマスターの元で管理される事が義務づけられていて、それをもっては
じめてアンドロイドは人の世を生きることが許されたのだ。

 だから野良アンドロイドは発見次第、捕獲される運命にあり、その後は初期化され中古
として市場に流通するか、さもなくばバラバラに分解されてしまう。
 野犬の境遇と似ている。
 ただ、捕まえに来るのが保健所でなく、警察だという違いがある程度だろう。

 しかしだ。
 その追っ手もこの混沌が支配する歓楽街の深部へは、易々と及べはしない。
 つまり、ここに潜む限りはなんとか、生を全うできるわけである。逆にいえば、ここを
抜け出し光を浴びることは、死を意味した。

 ……だが、なぜ彼女にはマスターがいないのだろう?

「それは……」

 リンがいった。
 彼女は製造段階で欠陥が見つかり、本来、人工生命体として目覚める前に、単なる産業
廃棄物として処分されるはずだったという。
 造る側が人間である以上、一〇〇の固体を造ればその中から一つはどうしても、欠陥品
が出てきてしまうのは仕方のないことではある。

 だが、なんの因果か。
 リンを保管していた工場は、彼女が処分される前に何者かの襲撃を受け、施設の主要部
分をことごとく爆破されるという被害をこうむった。
 その時の衝撃のせいか、リンは不完全ながらも起動したのだ。

 目覚めたばかりのリンは、黒々と燃えさかる炎の中にあって、アンドロイドの本能とい
えるロボット三原則の内、「人間に害を及ぼす可能性の無い限り、自己を護らねばならな
い」というプログラムに従って、走った。
 走って、走って、また走った。

 ……それから、どれほど経っただろう。
 少なくとも自分の置かれた境遇を明確に把握できる程度の時間が過ぎたとき、彼女は歓
楽街の下、不法に営業する娼館へ身を置くセクサロイドとなっていた。

 なお性交については、ボーカロイドという歌唱に特化したアンドロイドであっても、少
しの改造を施せば、快楽を感じるためだけの目的でなら可能だ。
 もちろん表向きには風俗目的に造られていないアンドロイドに対し、性的接触をするこ
とは禁じられている。

470:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:30:10 UdUJvPPd
 だが、それゆえに非風俗目的のアンドロイドに性的倒錯感を覚える人間が居て、そんな
輩を相手に不法営業の娼館も成り立っていた。
 それも「ヒトガタ」の由縁だ。
 そもそも、そこに人間の複製を求めないなら、別にボーカロイドなど箱形で無機質な機
械でも、単なるソフトウェアでも構わないのだから。

 さて。
 そんななかでも、リンは一四歳ほどの少女を模した姿をしていることから、ペドフィリ
ア性向者の顧客相手には絶大な人気があった。
 しかも、世間が持つ変種性癖への嫌悪は、正規のセクサロイドを極端に幼い外見に造る
ことを禁じていて、彼らはアンドロイドを欲望のはけ口にする事ができずにいる。
 ゆえにリンは非常に貴重な存在だった。
 そのことを彼女もよく承知していて、顧客が望めばボディに損傷が起こらない限り、ど
んな欲求であっても応えてやったものだ。

 そのためか……いつしか彼女は、地下において名声を得ていた。
 今日も短いライディングが終われば、世間から排他された暗い性欲を放つためにやって
来る男たちとの、短い饗宴が待っているだろう。
 が、それはリンにとってある意味、待ち望む時間なのだ。

 たとえW650の様な存在に淡い憧れを抱きつつも、今、このとき、彼女を必要として存在
価値を認めてくれるのは、その男どもに他ならず、彼らに弄ばれている時だけが自身の存
在意義を確かめられる時間だった。

 ただし、だからといって客の男に愛情を求めるわけにはいかない。
 いくら肉体を重ね合わせようとも、それは恋の感情が発展したうえではなく、カネとい
う名目のもとに実行されることだ。
 お互いに剥き出しの欲望をぶつけあっていないと成立しない肉体関係である。
 そこを勘違いし、情を求めてボロボロに壊れていった女や、逆に女に夢中になるがあま
り人生を破滅させてしまった男たちを、リンはアイセンサーが腐るほど見てきたのだ。
 この世界では、過度の思い入れは厳禁である。

「だから、さ」

 リンは、またいう。

「せいぜい下半身の方を満足させてやるよ。それがあたしの満足にもなるし」

 それが答えであった。
 ただし、今日は男と遊ぶ前に行かなければならない所がある。
 それはリンではなく、彼女の中にあるもう一つの人工人格、レンの用事だ。

「さて、んじゃ交代ね。事故んじゃねーぞ」
「……わかってるよ!」

 という独り言のような会話をこなして、W650のシートの上でハンドルを握ったまま、リ
ンはレンへとチェンジする。
 といっても、変身ヒーローのごとく見た目が変わるわけではなく、ボディを支配する人
格が移行するだけの話だ。
 ……では、ここからどうして、この物語のリンが欠陥品だったかを書くことになる。
 それはこのレンを通して理解できるだろう。

 この二人は、本来商品としてラインナップされる時「鏡音リン・レン」として売られ、
起動の際はどちらか一つの人格を選ぶことになる……という、かなり実験的な内容を持っ
たボーカロイドだった。
 そして起動される時に選ばれなかったの方の人格は、自動消去されるようになっている
というのが特殊性を際だたせているのだが、なぜ消去されてしまうのかというと、こうい
う理由があった。

471:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:30:59 UdUJvPPd
 まず、乖離性同一性障害、と医学的には呼ばれる心理状態がある。
 これはジキルとハイド博士を代表する二重人格のような、いわゆる多重人格障害という
旧い呼び名の方が有名であろう。
 自我が固まっていない時期の人間が、虐待のような重度の苦しみに苛まれた際、発しや
すい、とされているのだが……。
 じつは、その正体は自我の防衛機構であるらしく、耐えられない苦しみを経験した人間
の脳が「これほどまでに苦しまねばならないのは、きっと自分とは別の誰かなのだ」と、
人格の一部を隔離してしまうことで起きるという。

 たしかに心の防衛という意味では、理にはかなっていよう。
 だが、こうなれば、ひとつの人格が覚醒している時の経験を、眠っていた他の人格は全
く記憶していなかったり、さもなくば、内在する人格同士が憎しみ合ってしまうケースま
であって、一個しかない体は苦しまねばならない。
 ヒトの心が精密すぎるゆえの難だろう。

 さて、ここで「鏡音リン・レン」が問題になった。
 彼らはアンドロイドゆえ技術的には、お互いの人格を残したまま起動されたとしても、
コンピュータがログインユーザーを複数同時に扱う様に、完全なコントロールができる。
 できるのだが、アンドロイドという人間の複製品が、人格の入れ替わることを商品にす
るというのは世間の倫理観が許さなかった。

 逆に指摘すれば「鏡音リン・レン」の共生を許さないというのは、乖離性同一性障害者
の存在を否定することにもなりかねないのだが、世間はそこまで突っ込んだ倫理観をもっ
てして事には当たらなかった。

 だから、起動後には「鏡音リン」と「鏡音レン」がひとつのボディに共生することは、
あり得ない。
 何らかの欠陥を抱えた個体を除いては……。
 ここまで書けば、もうお解りであろうか。

 そう。このリンとレンは、まさにその部分が実行されないという欠陥があったのだ。
 先にも書いたが、造る側が人間である以上、百を千をと物を量産すれば、そのうち一つ
はどうしても欠陥品が出てきてしまう。
 だが、リンとレンの持つ「欠陥」はシステムとして支障があるわけではないのだ。
 起動してしまった以上、意味なく死を受け入れるのはアンドロイドの基本プログラムが
許さない。

「ま、人間ってのもあれが駄目これが駄目って、面倒くさい生き物だよな」

 と、ボディの主導権を得たレンがブツクサやりながら、リンに代わってアクセルを一捻
りする。
 一瞬遅れ、ヴァルルンッ、と太い排気音をあげるW650は、人と物でごった返す街の中を
縫って走り、やがて裏路地から裏路地へと往くと、一件の店の前で止まった。

 毒々しいイルミネーションに飾られる看板には「BAR.kate」とある。
 中へ向かって、レンは何の迷いもなく足を踏み入れる……と、表の表情とは打って変わ
って薄暗い照明が支配する空間が現れた。
 そこへ、すらりと背の高いイブニングドレスが彼を出迎えると、開口一番、

「いらっしゃい……ああら、レン君じゃなぁい」

 と、いまどき使われなくなった女言葉を、少々太い声に乗せて笑顔を向ける。
 それに対してレンは「どうも」と、片手をあげる仕草を見せると、ずかずかと店内に進
入していき、備え付けられたカウンターに腰を落す。
 すれば、すぐに彼の目の前にショットグラスに満たされた、琥珀色の液体が置かれた。
 中身はサントリー・ローヤル一二年だ。

472:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:31:55 UdUJvPPd
 レンは早速それに口をつけると、東洋人好みの滑らかな甘みと、ほどほどの香ばしさを
嗅覚と味覚センサー越しに味わった。
 センサーは人間が高濃度アルコールを口にした時の、焼けるようなしびれまでを再現し
てくれる。だが、酔っぱらっても即座にアルコール分解を完了してしまえるのが、人間と
異なるところだ。
 このあとのバイクの運転もなんら心配はない。
 ともかくウイスキーを差し出したイブニングドレスの男は、待っていたように、

「レン君、待ってたのよ。あなたがいないと、陳腐な音ばかりでつまんないわ」

 と、太い声でいった。
 じつはこれの正体、カイトタイプのボーカロイドなのだ。
 見た目は蒼いショートの髪を、乱れがちつつ艶やかに配置させた顔に、紫のアイシャド
ーを塗りたくっている。
 さらにその下、すらりと長い体躯を見ればまさしく女を想わせたが、しかしドレスから
覗く肩はいかめしい。

 要するに「おかま」である。
 なぜこのカイトがそういう思考を持っているのかを、レンは知らない。
 知ろうともしない。
 だが、ここでの彼女(あえて彼女と呼ぼう)は、カイトでなく「ケイト」である。今後
はその名称を持って表記することにしよう。

「ごめん。俺も、いろいろ忙しくって」
「あぁ……そうね、仕方ないわよね。でも今日はせっかくだから、歌声を披露していって
ちょうだいよ。お駄賃はずむわよ」
「りょ~かい」
「ありがと。で、何を歌ってくれるの?」
「ママの好きなアレでいくよ」
「はいはい」

 と、レンはわずかばかりのウイスキーを飲み干すと、けろけろと周囲に居た客たちに愛
想笑いを振りまきながら、店内の中央に設えられた円形のステージに立った。
 そして流れ始めた音楽に合わせてボーカロイドの本領を発揮しはじめる。
 曲は「歌舞伎町の女王」。
 歓楽街に魅せられし若く愚かな娘の姿を、しかし、どんな女優よりも艶やかに歌い上げ
た詩である。
 昔の楽曲だが、この界隈に寄り集う者にはしっくりくるようだ。

 それをはじめとして、やがていくつかの唄を終えたレンは、ばらまかれる拍手を背に、
ケイトの元へと戻っていく。
 すれば、その手に真新しい札が数枚ほど置かれた。
 札を懐におさめつつ、レンはにっこりと顔をほころばせる。
 これがまた、抱きしめたくなるほどに可愛いから、ケイトにはたまらないのだった。

「さんきゅう、ママ」
「いいのよ、あんたはお気に入りだから。それより、また歌いに来てね。リンちゃんにも
よろしくいっておいて頂戴」
「はぁい」

 返事も可愛い。
 そんなレンが薄暗い店内から、手を振るケイトの姿を背に退出していくと、外では無事
にW650が主の帰りを待っていた。
 無事に、と書いたのはこういう治安の悪い街では、バイクなどという四ツ輪に比べれば
軽く、それでいて換金性のある物体はわりとあっさり盗まれるからだ。

473:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:32:39 UdUJvPPd
 行き着く先は、東南アジアのあたりであろう。
 そんなリスクまで背負って、なお乗りたがるのは、リンのこだわりなのか、レンのこだ
わりなのか、はたまた総意だろうか。
 まあ、問うても仕方のないことだ。
 それは置いておくとしよう。
 レンがW650のシートに跨ると、再び人格はリンへとチェンジする。

「おつかれ」
「おう。ママがお前によろしくってさ」
「あっそう。それじゃ、あたしも仕事しなきゃね」
「よろしくぅ。んじゃ俺はまた寝てるから」
「へいへい」

 と、人格が立ち替わる中で再びエンジンに火を入れられたW650が、リンを乗せて歓楽街
の表通りへと走り出していった。
 ちなみに、これは675ccという排気量の割りに小柄なバイクなのだが、乗っているリン
が子供程度の背丈しかないとなると、対比で巨象の様にも見えた。
 このことからも、人間の感覚というのがいかに不確かなものかが解るというものだ。

 価値観や倫理観にしてもそうだ。
 その時代、その時代で、正義は簡単に悪へと転じ、悪は正義へと変化してしまう。
 だからこそリンはこの街に身を潜め、自分のような存在も認める時代が来るのをじっと
待ち続けている。
 幸いにして、機械の体はきちんとした整備さえ受け続ければ、人間よりも永い刻を生き
ながらえることができるから、単なる夢物語ではないのだ。

 もちろん、通常に使用されるアンドロイドの多くはマスターとなる人間の都合によって
長くてもせいぜい半世紀かそこらで打ち棄てられ、文字通りの廃棄物と化するが、その運
命はリンに関係がない。
 そう思えばこそ、光に吸い寄せられる真夏の虫がごとき男どもも、素敵な恋人たちに変
わるのではないか。
 いつか訪れると信じる「その時」までは、この街こそが自分の庭であり、家だった。

「でもま、その前に腹ごしらえだね」

 自分の住み処なのだから、当然、食事だっておきまりの場所がある。
 それは大通りを隔てて一番通りと二番通りに別れる街の内の、後者を路地裏からちょっ
と入れば見える、雑然とした小さく古臭いビルを、さらに地下へ二階ほど下ったところに
ある支那料理店だった。
 そこへW650を駐めて入店するやいなや、

「いらさぁいませー」
「和風チャーハンひとつね」
「ふぁい。わふちゃーはん、ヒトツ」

 と、従業員から間の抜けたイントネーションの日本語が返ってくる。
 時折、その従業員が仲間とだけ交す理解不能の言葉は、高低が忙しく動くような音で、
かれらが大陸系の人間であろうと予測させた。

 だが、出てくる料理はどれも絶品だ。
 すくなくともリンのもつ人工の味覚には、絶品であった。
 それに思想や言動がどうであれ、彼らもまた異国という環境下において様々な運命を背
負って生きている連中だろう。

(つまり、あたしと同じで、甘い環境でヌクヌクしていない仲間同士だしね)

 実際はその限りでないのだが、リンは勝手にそう思って、ここを常食店に定めているの
であった。

474:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:33:34 UdUJvPPd
 従業員たちの方は生きるのに必死で、そんなことなど、つゆ程にも考えていないであろ
うが。
 そんなこんなで、注文した和風チャーハンは、あっという間にリンの座った席へと置か
れる。
 さっそく、レンゲでもって丸まった飯を崩しながら食べ始めるのだが、どう味わっても
四川料理の紛い物にしか感じられない、焼いた飯だった。
 それでもお気に入りなのだ。
 しばらくパクパクと口を動かしてエネルギーを得ると、リンは勘定を払って店をでる。
 なお、彼女はアンドロイドといっても体内構造を人間のそれと酷似させた、いわゆる、
「バイオロイド」と称されるタイプなので、体の維持には食事が必要だった。

 そうして腹ごしらえが終われば、今日も仕事のはじまりだ。
 W650に飛び乗って歓楽街の表通りへ出て走り、その外れをまた裏通りに潜り込めば、そ
こが秘密の仕事場だった。
 従業員用に割り当てられた駐車スペースに車体を置くと、コソリと入店して仲間ではな
い仲間たちに適当な挨拶を済ませてから、仕事に取りかかる。

 その日は運が良かった。
 なぜなら客の第一号は、常連でなく、また、彼女の嫌いな醜く肥え太ったタイプではな
く、そこそこの容貌と体格で、あまり女を抱き慣れていなさそうな青年だったからだ。
 こういう客は、たいしたサービスをせずとも満足して帰ってくれるパターンが多いから
楽なのだ。
 ……それでも、不法営業の店と知って入ってくるのだから、心の底に秘める欲望は相当
のものであろうが。
 リンは青年を個室に連れ込みつつ、そそと寄り添いつつ

「こんちわニーサン、リンだよ。……見ない顔だけど、はじめて?」

 という、少々スレ気味の少女という設定での、自己紹介をはじめる。
 どうせ客もこの場が違法の世界であるのは承知なのだから、年下ポジションでも無理に
甘々とした態度を取らない方が、リアリティがあって欲情するだろうと計算しているから
だが、狙いはそれなりに当たって、好評だった。
 そして、それはこの男にも十分と通用する……はずだった。
 だが。

「そんなところか。だが、女を買いに来たわけじゃなくてな」
「えっ」

 予測しなかった言葉を受けとまどうリンをよそに、男はその特徴的な蒼い髪をぐしゃぐ
しゃやると、

「やっと見つけた」

 と、一息つくようにいった。

「な、なにを」
「君をだ。会うのはあの工場以来だな……といっても、まだ起動していなかったから覚え
ちゃいないだろうが」
「……!」

 たった短い会話だったが、それだけでリンは自身のはじまりである、忌まわしい記憶を
鮮明に思い出す。
 爆破され、燃えさかる工場からの逃避行だ。
 その犯人はいまだ見つかっておらず、事件がいつだったのかすら大衆が忘れるほどの年
月が経過していることからも、迷宮入りになっていたはずだった。
 犯人はきっと今も逃走を続けていることだろう。

475:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:34:04 UdUJvPPd
 しかし、逃走し続ければならないのは、リンとて同じことなのだ。
 自分の生い立ちを知るこの男が、どこの誰で、なにを目的として接触してきたのか……
それは解らないが、穏やかでないのは確かである。
 緊張の糸が、一瞬で張り詰めていった。

「……なんのことか解らないよ」
「そう警戒するな。俺は君を捕まえにきたりした訳じゃあない」

 そこまで言うと、男は身につける真っ白なロングコートの懐へ手をやって、一本の煙草
を取り出した。
 銘柄はフィリップ・モリス。
 クセが少なく、マイルドでほどよい軽さの甘みが特徴の種である。
 唇に運んで点火すべく火の種を探すが、その必要はなかった。リンの手の中に煌々と燃
えさかるオイルライターが、その口元へと添えられていたからだ。

「……はい」
「お、悪いな」

 世の中が禁煙ムードで一色になろうとも、快楽を求め寄り集う者どもが主役の街には、
関係のないことだ。
 客が喫煙者であれば、リンは迷うことなくその楽しみを演出する。
 愛車W650の姿が彫ってある、少しばかり洒落たライターで……。
 もっとも、今は相手が本当に客がどうか解らないのだが。

「癖なの」
「うん。こういう学習能力だって、人間に劣らないよな。『俺たち』はさ」
「たち……?」
「そうだ。俺の顔を見て、なにか思い出さないか?」

 そう言われてまじまじと男の顔を見つめると、リンの電子頭脳に記録されている幾千億
の映像データから、類似した姿が割り出された。
 それは蒼い髪と細い顎、そして長身の体躯が特徴で、多くの場合は白を基調としたロン
グコートを羽織っている……そんないでたちだった。
 これらの特徴に目の前の男は、合致するのだ。
 すなわち彼は、

「まさか、ボーカロイド……カイト」

 であった。
 あのバーの店主と同じ、カイトタイプだ。
 今度は通常通り男性思考型だが、顔や体型の造りを少し改造してあるらしい。
 ぱっと見ではそれと判別できなかったが、よく観察すると確かにカイトなのである。
 だが……人間の道具であるアンドロイドが、女を買いにくるなどというのはあり得ない
話のはずだった。
 なぜなら、彼らは自分から勝手に欲情することは無いようにプログラムされているから
だ。それはセクサロイドであろうと例外でない。
 すべては人間の安全のためである。
 それがゆえ、このアンドロイドの常軌を逸した行動に、リンは恐れを隠すことが出来な
かった。

「あ、あんたは、いったい」
「察しの通り、ボーカロイドだよ。ただし」
「ただし?」
「君と同じ、規格外の存在だってだけさ」
「……あたしは、好きこのんで規格外になったわけじゃない」
「ああ知ってる。なんたって君を起動したのは、俺だからな」
「!?」
「信じる、信じないは、君の勝手だが……まあちょっと話を聞かないか」

476:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:34:39 UdUJvPPd
 と、カイトは紫煙をくゆらせながら、リンをつつと見る。
 すれば彼女の瞳は、じいっとカイトのことを見定めているようであった。信じる信じな
いは別として、ともかく話は聞く、ということなのであろう。
 それを確認して、カイトはまた語りはじめる。

「昔……俺のマスターになるはずだった、変人がいてな。ちゃんと検査に合格した個体だ
った俺を、違法改造してまで人間と対等の立場に置いたんだよ。
 たとえばロボット三原則縛りの解除とか、成人男性並に身体能力を強化とかな。おかげ
さんで随分、自由な時間を送ったものさ」
「そりゃ良かったね」
「まあそう言うな。だが、自由なだけに、ついな。人間的な情にほだされちまって……気
づいたら、一人の女アンドロイドをかっさらって逃亡してたんだ」
「……犯罪じゃん。それ」
「罪もなにも、俺という存在ははじめから犯罪だよ。君だって、解るだろう」

 カイトのいうことは簡単だ。
 リンのような欠陥アンドロイドが存在を許されないのと同じで、意図的に規定から外れ
た存在を創ることは犯罪にあたるのだ。
 万一創られれば、当然、制作者は処罰され、制作物には廃棄処分が待っている、という
ことである。

「だがその女も、まともなアンドロイドじゃなくてな。なんのかんので一緒に逃亡生活を
続ける内に、ちょっとばかり事件が起きた。リン、人間の内にもアンドロイドの人権論を
唱える連中がいるのは、知ってるか」
「表沙汰になるニュースぐらいには知ってるよ」
「そうか。そんな連中の一部にも過激派がいてな、で、そいつらの目的っていうのが、君
みたいに処分されかかった『生きる権利を蹂躙されたアンドロイド』の強奪と起動だ」
「……それをして、なんになるわけ?」
「自分たちの正当性を主張するんだよ。社会的には欠陥とされているアンドロイドを起動
して、まともに動いているところを世間に見せることでな」

 と、カイトが紫煙を吐き出した。
 アンドロイドが自由に生きられる権利を主張する、という点ではリンにもカイトにも、
不満はないところだろう。
 だが、やり方があまりにも急進的で独善的すぎるではないか。
 そんなことで世間がアンドロイドに対する認識を変えてくれるのだろうか?
 少なくともリンには、大きな疑いが持てた。

「自己満じゃんよ、それ。こっちは良い迷惑だよ」
「そうだな。しかし生き物ってのは、犬でも猫でも、常に自分が正義でなくては生きてい
けない存在だ。人間はときたま反省もするが、基本は変わらない」
「……」
「だから、俺も目を付けられた。『アンドロイド権のために、ぜひとも協力してくれ。身
の上は我々が保証する』ってな」
「で、あんたはその手先になったわけ?」
「まあ最初は……だが、その後に目を付けられたのが君だった」
「……」
「あの爆破事故な、犯人は連中だよ。ムチャクチャだぜ、あれで中のアンドロイドや人間
が、どれぐらい死傷したと思う?」
「そう、だったの。……ニュースで知っただけでも、数十人は軽く死んでたね」
「そんなことを平気でやる連中と解っていたら、最初からつるんでないさ。いや、俺が人
間を甘く見ていただけだが……ともかく、俺自身や、君がそんな奴らの道具になりはてる
のは我慢ならなかった」

 また紫煙を吐き出す。

「だから、あんたは奴らを出し抜いて、あたしを起動した……そういうわけ?」
「そうだ。ただ、連中の手が君に伸びないように色々やってたら、いつの間にか見失って
しまってな。四方探して、今やっと再開できたと、そういうわけだ」
「ああそう。長話おつかれさま。でも、そんな話を信じると思う?」

477:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:35:09 UdUJvPPd
「好きにしてくれ。これは俺の身勝手さ、なんせ人間並みのアンドロイドだからな。だが
……もし、君が俺を信じるというなら、どうだ。俺と、メイコと、一緒に来ないか」
「メイコ?」
「ああ、俺がさらったアンドロイドの名だ」
「どんな奴なの」
「いい女さ」

 その言葉をもって、カイトは煙草を手の内で握り潰す。と、リンの差し出した灰皿の上
に置いて彼女の反応を待った。
 それは、灰皿を置き直してからしばらく経ったあとのことだった。

「……へぇ。なんか、信じてみたい気分にはなるね。だけど、あたしはこの目で見たもの
しか信じない主義なんだ」
「そうか」
「たださ」

 と、その時、急激にリンの声色が低くなった。
 レンである。
 いつの間にかスタンバイの状態で起動していたのであろう。即座にリンと入れ替わって
言葉を紡いだのだ。
 その変化にカイトは多少、面食らったようだが、すぐさま落ち着きを取り戻す。
 もとよりリンとレンの身の上を知ると言うのだから、この反応は相応のものといえた。

「少なくともあんたに居場所を知られてるってことは、ここに居続けるのも安全じゃない
って証明にはなる。でかいバクチでも打つつもりで話に乗ってみても、いいぜ」
(ちょっと、レンッ!?)
「なんだよリン。今いった通り、こいつに俺たちの居場所を知られてるんだから、もうこ
こらも安全地帯じゃないのは確かじゃねえか。潮時だぜ」
(そりゃ、そうだけど)
「乗ってみよう。この一生、生きるか死ぬかの連続っていうなら、俺は待ってばかりいる
のは好きじゃねえんだよ」
(ちぇ、強引なこといって……でもま、レンの言うことも確かか。いいよいいよ、どうせ
体はヒトツだし、あたしも乗ってやんよ)
「決まりだな。じゃ、俺はまた寝てるから」

 と、レンは喋るだけ喋って、また引っ込んでしまった。
 残されたリンは、溜息ひとつついて、個室に備え付けられた小型冷温庫から、サービス
用の缶コーヒーを取り出すと、それをカイトに差し出さず自分で飲み干す。
 飲み干してから、ぐいっと長身のカイトを見上げていった。

「でもま、どっちにせよ今日の仕事は終わらせないとなんないの。終わったら行くから、
指定する場所で待ってなよ。そうでなきゃ付いていけないね」

 あんなことをいっているカイトだが、その言葉が真実かどうかなど誰も保証はしてくれ
ないのだ。
 確かなことはさっきレンがいった通り、少なくとも娼館の部外者にも自分の潜伏場所を
知られているということだけである。
 だったら、少しばかりの時間をかせいで、自由意思で逃げ出せる準備も整えておかなけ
ればならないというものだ。

「待ち合わせ場所は中央公園。仕事が終わるのは深夜ごろ」
「いいだろう」
「決まりだね。さって……ところでさ、あんた違法改造体ってことは、もちろんコッチの
方も追加されてるよね?」

 と、口約束が終わったリンは唐突にその幼い顔に似合わない、卑下た表情をつくってき
いた。
 もちろんコッチというのは、性交渉できるかどうかのことだ。

478:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:35:49 UdUJvPPd
 セクサロイド以外のアンドロイドは、基本的にはそれが出来ないことになっているが、
少しな改造で可能になるのは、先にも書いた。
 もちろん発覚すれば重罪だから一般人が手を出せば大変なことになる。
 が、同時に違法改造として検挙されるのは、この性交渉が可能なように改造したパター
ンが最も多くの場合を占めていたのだ。
 人間にとって性欲が切っても切り離せない情である証拠だろう。

「まあ、な」
「ならまだ時間があるし、気持ちよくなっていきなよ」
「よしておく。俺はロリコンじゃない」
「あれ、遠慮しなくていいんだよ?」

 と、リンはそれまでの本性を引っ込めカイトにすり寄る。そしてその下半身を護る生地
の上から人工皮膚をなで回すと、湿っぽい息を吹きかけて反応を確かめた。
 すれば、ビクンと肌が蠢く。
 反応アリである。

「嫌でもやっちゃうもんね。このまま固っ苦しく終了時間まで語り合いなんて、冗談じゃない」

 そういって笑うリンは下半身の生地をずり降ろすと、ボロリと現れた後付のソレに頬を
すりつけて、長い舌を這わせ始めれば、

「ううっ」

 すぐにカイトの全身に電流が走ったようだった。
 もとより人間と違って、こういう事のためだけに取り付けられているパーツだ。
 フィードバックされる快楽は人間のそれより数段高い、とされている。
 こうなってはもはや、逆らう訳にはいかなかった。
 それに、ここは敵娼の館なのである。仮に騒げばカイトの目論見が泡になるどころか、
自身の身が危うくなるだろう。

「そうそう。大人しくしてなよ、すぐ終わるからさ」

 諦めて全てを相手に委ねた男を見て、リンはますますニンマリとする。
 そして、手の内でしごいていたモノが十分にいきり立ったと見るや、その小振りな口の
中に咥えこんでいく。
 最初はゆるゆると上下し、時折とがらせた舌先で、最も敏感な部分を刺激しつつ愛撫を
加えていき、それにカイトが呻くのを愉しむ。
 やがて速度は増していき、口の中の感触が熱く重くなっていくことで限界が近づくのを
知る。
 と、そこでちゅぽんと唇を離し、とどめを加えるべく、いままで咥えていた竿を掌に包
みこんで、ひときわ強く刺激をあたえた。
 にちゃにちゃと湿っぽい音が続き、最後にカイトの腰がわずかに震えるとリンの手の内
のモノが脈動し、

「ぐ……っ」

 呻き声と共に、精液に似せて精製された白くどろりと濁った液体が、その膨れあがった
先端から放出されて、果てた。

「はい、一丁あがりぃ」

 その様をせせら笑うようにいうリンは、先端にまとわりついた液を舐め取って「掃除」
してやると、衣服を正してやって事を終えた。
 最後にうがいで口内と喉を清掃をする。
 もっとも、しなくてもアンドロイドには自浄作用があるので問題はないが。

「はは、さすが、プロだな」
「誰のせいでこうなったと思ってンの」

479:名無しさん@ピンキー
09/01/28 00:36:27 UdUJvPPd
「……俺か」
「そういうこと。口答えしないでね。さ、やることやったんだし、帰った帰った」

 と、リンはまたも本性を現わしてカイトの腕を組むと、送り出すフリをしつつ追い出し
にかかるのだった。
 だが娼館を出る際に、カイトがぽつりとつぶやいた

「じゃあ、待っている」

 という言葉が妙に胸に突き刺さったのは誰にも、むろんレンにも解らないことだった。
 それからは幾人かの客を相手にし、いつも通りの仕事をつづけた挙げ句、いつものよう
に終業時間が来て、彼女は娼館を後にする。
 待っていてくれるのは、W650だ。
 跨ってキーを差しこみエンジンをスタートすると、冷間時で……生物でいえば、寝起き
直後で落ち着かぬ排気音がばらけて奏でられる。
 その中でリンはぽつりといった。

「さて、ちょっとお金の工面しなきゃね。何かあった場合は入り用になるし」

 万が一のとき、カイトからも、この歓楽街からも逃げ出すための金策である。
 歓楽街から抜け出せば待っているのは死だけといっても、最初から全てを諦めてしまう
のはリンの気性では許せないものだった。
 少しばかりエンジンの回転が落ち着くのを待ちながら、なんとなしにリンはレンに話し
かける。
 すればやはりスタンバイで起きていたレンが、

「ああ、それは俺にアテがある。ちょっと代わってくれよ」

 という。
 そのアテが例の「ママ」のところにあるということは、リンにもすぐに解ったから返事
をする代わりにボディの主導権をぱっとレンに譲渡して応じた。

「ありがとよ」

 レンの操縦でW650は、これが最後のライディングになるかもしれない歓楽街の大通りへ
と軽やかに滑り出す。
 すれば、何も邪魔するものはない視界に、この街の様々な景色が、匂いが、彼の体に飛
び込んでくる。

 もはや天空を支配してバベルの塔さえあざ笑う高層ビル、煌びやかな光源に彩られる巨
大宝石の様な建物。
 高度成長期の中で建てられたまま、改築されることもなく現代に生き延びて色褪せた雑
居ビルの群、悠久の歴史を感じさせる旧い木造建築、ほとんどバラック同然の居住スペー
ス……。
 人を見れば、
 足早に歩くビジネスマン、酩酊し騒ぎながら闊歩する集団、それを呼び止める酒場の売
り子、なにか事ありげな表情を浮かべて黙々と往く人。
 街頭の立ちんぼ、座り込みをして怪しげな品々を売る者、警察官に挟まれて連行される
異国人、そして、混雑の中でも二人だけの世界に浸る恋人たち……。

 そんな、歓楽街の華たちがレンの目から入り込んで、電子頭脳の中を次々と駆けめぐっ
ていくのだ。

(あのカイトタイプに啖呵は切ったけど、ここから離れるのは少し寂しいかもな……)

 と、レンは引っかかった信号待ちの中でそんなことを想った。
 ふと首を回せば、そこには歩道の駐輪スペースに旧型の大排気量バイク「スズキ・
GSX1100S『刀』」を駐める横で談笑する、がくっぽいどタイプと、初音ミクタイプのボー
カロイドがいた。
 アンドロイド同士のカップルであろう。


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