09/01/19 14:36:51 J3bcN+z9
小ネタ。ほとんどエロがない。
山本もちゅわんも腹黒っぽいから苦手な奴はすまん。
もう誰も残っていないと思っていた教室から、いやらしい声が零れている。
僅かにあいたそこから漏れるそれにわたしは少し驚いて、溜息を吐く。
「…!?っきゃあ!」
容赦なく―音を強調するように―扉をあげれば、今の今まで彼の上であんあん善がっていた
女子生徒が一転して悲鳴を上げ、顔を蒼白させながら剥き出しになった乳房を両手で覆う。
それよりもっと、隠す所があるよなあ、とか、
あ、よくみればこの人女バスのキャプテンだ、とか、
その年にして騎乗位なんてチャレンジャーだなあ、とか、思っている内に
ほとんど引っ掛ける様にして服を着た女子生徒が風のような早さでわたしの横を通り抜けていった。
「はは、どうした笹川。忘れもんか?」
一目散に逃げて行ってしまった彼女とは対照的に、彼―山本くんは、
ひょうひょうとそう言うと、寝転ばせていた身体を起こし、わたしがいる方へと歩み寄ってきた。
「…うん、理科で出されたプリント、机に置いてきちゃって。」
「え、んなもん出されたっけ?」
「提出期限、明日だよ?」
「げっ。まじで?」
まいったなー、と頭を掻く山本くんの様子はまるで何時も通りの姿だ。
さっきの事なんかなかったみたいな、そんな彼の姿はいっそ清々しいといえば清々しいけど、
彼があまりに爽やかだから、今頃どこかで頭を抱えている女子生徒が気の毒に思えてきてしまう。
おかしなの。さっきまでは寧ろ、嫉妬していたぐらいなのに。