09/01/19 13:34:59 B39xqUGp
翌朝。
死ぬほどうるさいラジオの音で目が覚めた。中国は不快そうに上半身を起こした。
ソファの上でそのまま寝ていたはずの台湾がいない。
手首の縄はあのあとはずしてしまったから、動いていてもおかしくはないが。
うるさい音へ向かって歩いて行くと、東の部屋で、台湾は上着だけ羽織った格好でぺたんと足を床につけて座り、朝日を眺めていた。
傍らの大きな木製のラジオからシンバルが特徴的なオーケストラが響く。
「こんな朝っぱらから何やってるある。」
台湾は返事をしない。中国は舌打ちをしてラジオを消そうと近寄ると、
「来ないで」
返事が返ってきた。毅然とした風を装っているのだろうが、声が震えていた。
中国はお構いなしに近づいてラジオを消してしまった。
急にあたりがシンとなる。鳥の鳴き声や古時計の振子の音がやけに大きく聞こえる。
「――」
唸り声にもならないような小さな声を漏らし、台湾は涙をこぼし始めた。
痛ければよかったのに。相性が悪ければよかったのに。
どうして・・・
あれじゃ、流されない自信がない。
「リー・・・」
何かを言いかけたところで、中国が背中から無言で台湾を抱きしめた。
心地よい体温を感じて嫌になる。
確固とした自分の意思が溶けてしまいそうで怖い。
「日本(リープン)・・・」
中国にも聞こえないような小声で、ひっそりと台湾はつぶやいた。
おしまい。
途中から書き直したりしたので微妙に投稿を分けてしまいました。
三跪九叩頭之礼でお詫び申し上げます。
ちなみに、ラジオから流れてた曲はラジオ体操の前に流れる「あーたーらしーい あーさがきたー」です。
まあ、どうでもいいですが(笑;