09/01/18 17:28:50 JSU0DQqV
いくらかのゴタゴタの末にティファニアが学院に馴染んでしばらくの時間が経った。
今現在、ベアトリスとその取り巻きも息を潜め、新たな学院の女子人気ヒエラルキーが形成されつつある。
言うまでもなく、トップに君臨するのは〝バストレボリューション〟と名高いハーフエルフの少女である。
まるで引力の大きい方へ衛星が引き寄せられるかのように、男子たちは彼女の周囲に集まっていた。
そんな若干様変わりした風景を前に、今日も食堂で一人の少女がため息をつく。
「はぁー、最近ヒマになったわ、ずいぶん……」
豊かな紅い長髪を指先で弄びながら、隣でただ一人座る友人に聞こえるよう呟く。
視線の先にはティファニアがいた。
今までは学院一を誇っていた自分の胸を軽く抜いてくれた張本人だ。
そうだ、そうなのだ。閑古鳥が鳴いているのはあの乳のおかげなのだ。
(忌々しい、ああ忌々しいわ)
微熱の二つ名を持つ少女はそう内心で連呼する。
なぜだか、最近自分の存在感が薄れていくような焦燥感が増すのだ。
「……そう」
パラリ、とページをめくり、タバサが応じた。