08/12/20 02:02:16 hf64pJoa
>>194
指は自由だったため人形を動員して自分に馬乗り状態の早苗さんを横に押し倒すアリス。
くるっと反転して先程とは逆の体勢になったところで
「私はあなたの作る肉じゃがを『この家で』食べたいのだけど？」
と早苗さんの耳元でささやき、勝利を確信したアリス。
しかし次の瞬間、大江戸ちゃんが誤作動を起こし部屋の片隅で小爆発する奇跡。
それにアリスが気をとられた一瞬を早苗さんが見逃すはずもなく、またもや反転。
次は人形の動員を阻止するため恋人繋ぎで指の自由を奪う早苗さん。
「肉じゃがなら神社でたくさん食べさせてあげますよ。もちろんうちの神様直伝の味です。
だからあなたは毎朝私のためにぶれっくふぁすとを作って下さい。もちろんうちの神社で。」
先程のアリスを真似て耳元でささやく早苗さん。息を吹きかけるのも忘れない。
身体をビクッとさせ一気に余裕のなくなったアリス。もはや絶体絶命かと思われたが…
「神と聞いて小走りで来ました！ちょっと！あなた！アリスちゃんをお嫁になんてあげませんよ！
あなたがお嫁に来るならともかく！」
派手な魔法陣とともに現れたのは魔界の誇るアホ毛様であった。
安堵のため息を漏らすアリスに対して急に形勢が逆転したことに呆然とする早苗さん。
多勢に無勢、自分に勝ち目はない。
もはやこれまでか―と思った瞬間であった。
家の前に何か巨大なものが墜落したような音とインパクト。そして
「その娘は私らのもんだよ。勝手に嫁にされちゃあ困るんだがねぇ。」
「神と聞いて神奈子の自家用ジェットで飛んできたよー！」
「御柱だよ！お・ん・ば・し・ら！」
衝撃で開いたドア、そこから二つの影がそのような会話を伴って家の中に入ってきた。
「神奈子様！諏訪子様！」
本日何度目かになる勝利の確信をする早苗さんと、一気に絶望するアリス。
なにしろ二対三でしかもこちらの味方はあの神綺様。平和ボケした神様一柱のみなのである。
「さて、こちらの神様にはさっさと歩いてお帰り願おうかね。」
「大丈夫だよ～シンちゃんの娘さんは幸せにするからさ！」
「勝手なこと言わないでよスワッちゃん？！」
「…あんたらいつの間にそんな仲良くなったんだい？」
緊迫した空気に似つかわしくない神綺様と諏訪子様の子供っぽい会話に
呆れたような声で突っ込み（御柱にあらず）を入れる神奈子様。
「この前の出雲集会でちょっと。ねー♪」
「ねー♪」
「あぁそう…まぁいいや。挙式の日は後日改めてこちらからお伝えしますので、ひとまず今は歩いてお帰り下さい。」
「そんなぁ！」
御柱と鉄輪を構えて魔界への強制帰還を促す二柱と壁際に追いつめられた一柱。
その時であった。
「さぁ」とばかりににじり寄る神奈子様の前にトトトッと数本の剣が刺さる。
驚愕し瞬時に数間ほど跳び下がった二柱が顔を上げると…
怯えるアホ毛神を護るように一人のメイドが瀟酒に姿を現した。