キモ姉&キモウト小説を書こう!Part16at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part16 - 暇つぶし2ch650:名無しさん@ピンキー
09/01/08 00:46:48 TYqz13vY
だな
ゲームだと何本も道が作れるから
ヒロイン個別をそれぞれつくるんだが
SSは一本道が基本なので
恋に破れるヒロインがでてきたりハーレムルートになったりと
キャラごとの単独エンドがみれないやつもある

まぁ分岐を作ってキャラごとのエンドを作ってる人もいるがな

651:名無しさん@ピンキー
09/01/08 00:46:50 +hjC9H6H
キモウトプリンセスとかいうSSあったじゃん
かなりカオスな設定だったけど

652:名無しさん@ピンキー
09/01/08 00:50:07 vbChb7Yw
そろそろ淫獣の群れが来てもいい頃

653:名無しさん@ピンキー
09/01/08 10:05:34 nNc5a+1J
おそ松くんのうち1人だけが男とか
そんな6つ子とか

・・・キモキャラはどこいった

654:名無しさん@ピンキー
09/01/08 11:43:35 dfYN6Xev
そろそろ転生恋生の続きが来てもいい頃

655:名無しさん@ピンキー
09/01/08 14:03:02 cCReOOuS
そろそろ永遠の白が来てもいい頃

656:名無しさん@ピンキー
09/01/08 14:39:25 LOohjZC6
そろそろ俺にキモウトができていい頃

657:名無しさん@ピンキー
09/01/08 15:48:37 GHhuVias
>>656にいさーん
 
   / ̄ ̄\ 
  i/ ̄\_
  L_Y_|]_」_ ____
  |・  ・ |  | \  |   |
  | <   |  | \|_|__ |
  | ▽  人丿/ /     ∪
 ○\_/ ○=、
 ||_____|| ||_________∧
 ________________/ 


658:名無しさん@ピンキー
09/01/08 18:54:17 t1rvxhMk
そろそろノスタルジアが来てもいい頃

659:名無しさん@ピンキー
09/01/08 20:11:53 2KFHfiqo
ギモウト

660:名無しさん@ピンキー
09/01/08 21:16:54 NMh63LHQ
エロパロ板では
そろそろ = 三ヶ月  
に相当します。

661:名無しさん@ピンキー
09/01/09 04:15:14 ZpZZnG2+
こんな時間に起きてる者はいまい。
キモウトに気づかれずに家を出て行くなら今のうち・・・

662:名無しさん@ピンキー
09/01/09 04:42:11 j3t81zwD
こんな時間に>>661兄さんはどこに行く気かしら?
私から逃げる気なら
せめて兄さんの服全部に発信機がついてることに気付かないとお話にもならないって言うのに。

663:名無しさん@ピンキー
09/01/09 04:44:57 RG/iqOx8
ミぃつケた…





て弟君じゃないじゃない!
まぎらわしいのよ!
このっ!このっ!

664:名無しさん@ピンキー
09/01/09 04:46:10 RG/iqOx8
ごめん

665:名無しさん@ピンキー
09/01/09 06:51:13 vCaXwmlb
俺もキモウトに愛されたい

666:名無しさん@ピンキー
09/01/09 09:30:03 bBSgeaZ/
百万円使ってキモウトとキモ姉から三日間逃げ切ったら縁切り
捕まったら一生監禁される

そんなゲーム出ないかな
行き先と選択肢間違えたらゲームオーバー

667:名無しさん@ピンキー
09/01/09 09:34:31 oAFRwCpe
せっかくだから俺はわざと監禁されるぜ

668:名無しさん@ピンキー
09/01/09 12:57:32 d3mu/Z9D
監禁される間際に

どうして、どうして、何で俺がぁぁ!!
と叫ぶんですねわかります

669:名無しさん@ピンキー
09/01/09 13:15:52 /lAq8iRv
デスノート??

670:名無しさん@ピンキー
09/01/09 15:04:52 gd50TGvv
キモアネ/キモウトなら発振機なんて必要ないだろ。
特に何の理由も無く、素で探知されそう。


671:名無しさん@ピンキー
09/01/09 16:19:26 XtjwXlJz
女のカン・執念は尋常じゃないぞ、あれは怖すぎる…

赤の他人でもそうなのだから、+身内の情 が追加されたらどうなることやら… 

672:名無しさん@ピンキー
09/01/09 16:47:30 mqO21eZr
ある日キモウトは『アニノート』を拾う。
・これに書かれた兄は、思いや言葉とは無関係に、書かれた事を必ず実行してしまう。
 ―すらさらすら
『今夜、兄は、私をレイプする』。
そして、夜。兄は「違うんだ、違うんだ!」と叫びながらキモウトをレイプ。
罪悪感から言いなりになって、二人は一生幸せに暮らしましたとさ。
でめたしでめたし

673:名無しさん@ピンキー
09/01/09 16:50:35 oAFRwCpe
籠の中は最高だったな

674:名無しさん@ピンキー
09/01/09 20:31:01 XRCNxr1x
673…禿げ同。

675:名無しさん@ピンキー
09/01/09 21:03:12 7Y0/lPfJ
仕事から帰って来るなり甘えさせろと抱きついてくる姉

を、拒絶したい

676:名無しさん@ピンキー
09/01/09 22:27:25 D4v1Y9Vg
>>675
分かる分かる
弟に依存してる姉が拒絶されたときの反応と顔と脳内で考えてる事が見たい
そんでそのあとどんな行動に出るのかwktkしたい

677:名無しさん@ピンキー
09/01/09 22:32:25 4aozjFg0
頭の中では自分は無敵だからいくらでも妄想出来るw

678:名無しさん@ピンキー
09/01/10 00:43:39 2w+GAlKB
>>666
それちょっと読んでみたい

679:名無しさん@ピンキー
09/01/10 01:10:15 Mw7vAOXn
強気なキモ姉に「そんなことする姉さんなんか嫌いだ!!」って言うと
どうなるんですか?…ちょっと言ってきてみます

680:名無しさん@ピンキー
09/01/10 08:15:34 gHbOhwK5
キモウトもキモ姉もちょろいぜ

681:名無しさん@ピンキー
09/01/10 08:35:58 320yqiYS
とりあえず>>679はどうしたんだ?
7時間レスなしだが。

682:名無しさん@ピンキー
09/01/10 10:34:11 xKg+9Tmg
>>679
拉致監禁調教→性交妊娠出産

683:名無しさん@ピンキー
09/01/10 10:39:46 6sV3sLcf
>>681
いずれにせよ,>>679さんはもはや書き込みなど出来ない所に行ってしまったのですね

684:名無しさん@ピンキー
09/01/10 13:04:45 OFyjrG5e
奥さまは実姉だったのです!

685:名無しさん@ピンキー
09/01/10 13:28:01 nkx2Wfjn
>>679の父です。
 生前は679が大変お世話になりました。

 679ですが、残念なことに姉のベッドに全裸でくくりつけられ、ショック死しているところを発見されました。
 姉も、679と……大変申し上げにくいのですが……679に上に折り重なった状態で全裸死体がありました。
 解剖の結果ですが、姉の膣内には679の多量の精液が、679の胃内にはバイアグラや興奮剤の未消化分が
多量に発見されました。
 側の机には、大好きな弟と天国で夫婦になると書かれた書き置きがあり、遺書だろうと警察では見ている模様です。

 ただの仲が良い姉弟と思っていたのですが、因果は巡るというか、これが近親相姦の呪いなのかと思うと
自らの所行に深く思いを馳せざるを得ません。
 私も、今から妻であり妹であった最愛の人をこの手に抱きながら、皆様にご迷惑を掛けた報いを精算させていただこうと
思います。妻も笑顔で共に逝けて嬉しいと言っております。

 どうか皆々様方には、この悲しき事件を、親の資格のなき、タブーを踏みにじった者が子供を作った報いと思っていただき、
子達への非難や批判は全て私達のせいであるとお含み置き下さい。
 どうか、679や姉をそっとしてやってくださいますよう、これが最後のお願いでございます。

 それでは、皆様。ごきげんよう。

686:名無しさん@ピンキー
09/01/10 16:03:44 fm2CSgkl
>>685

「お願い…で…ございます、と。よーし完成ー。
679ちゃんの身代わりになってもらったあの人には悪いけど、しょうがないわ、わたしと679ちゃんの幸せのためだもの。
でも、そもそも679ちゃんというものがあるこのわたしに、ナンパなんかしてきたのがいけないのよね。
やたら迫ってきたから思わず顔面つぶしちゃったけど、結局おもわぬところで役に立ってもらえたわ。
わたしの身代わりがあの泥棒猫っていうのが気に入らないけどね。

さーて、遺書通りにお父さんとお母さんの始末をつけてこなくっちゃ」

687:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:10:30 oZF7lYZa
キモ姉Koeeeeeeeeeeeeeeee!

688:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:13:59 qK2Q5rr3
679羨ましいいいぃぃぃぃ!!!
俺にもキモ姉くれ!!!
キモウトなんて全然いらないからさ!

689:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:29:12 eGRF4a/1
今日未明、~県在住の>>688さんと妹の○○さんが行方不明になりました

>>688さんは「コンビニに行く」と行って家を出てから行方がわからなくなっており

5分ほど遅れて家を出た○○さんの行方もわからなくなっていることから
~県警は二人が事件に巻き込まれた可能性があるとして捜査しています

690:名無しさん@ピンキー
09/01/11 01:46:30 VA84KB75
test

691:未来のあなたへ5
09/01/11 02:06:23 Q/D96k9j
投下します。
話が進むごとにキモウト分が薄くなっていくのはスレ的にどうなんだろう。


692:未来のあなたへ5
09/01/11 02:07:31 Q/D96k9j
コンコン
「どうぞ」
「失礼します」
「おや、誰かと思ったら優香君じゃないか。よく此処がわかったね」
「藍園さんに伺いました。こんにちは、片羽先輩。こちらお土産です」
「おっと、ありがとう。鉢植えだね、飾っておくよ」
「それにしても、変わった部屋ですね」
「ああ、僕の部屋に入る人は大抵そう言うんだ。ちょっと、らしくないからね」
「体に障ったりはしないんですか?」
「大丈夫。僕の問題は別のところにあるからね」
「なるほど。というと?」
「ふふん。恋することのできない病、さ」
「は?」
「ところで榊君は一緒ではないんだね」
「ええ、まあ。私も、帰る時に思いついただけで、兄さんは違う学校ですから」
「なるほど。特に一緒に来る理由はない、ということかい?」
「そうです」
「優香君は。お兄さんとは、あまり仲は良くないのかな」
「兄さんに聞いたんですか?」
「まあね。榊君は、自慢の妹だとベタ褒めだったよ」
「兄さんは兄さんで、私は私です。別に、わざわざ……仲良くする必要は、ないと思います……が」
「なにか苦しそうだけど大丈夫かい、優香君」
「問題ありません」
「つまり一般的な兄妹の距離感、ということだね。僕はてっきり、何か榊君を恨んでるのかと思ったよ」
「……何を根拠に」
「ああ、気分を害したなら謝るよ。わざわざ来てくれた客人に不躾過ぎたね。この通り」
「いえ、頭を下げられても困ります。それより何故、そう思ったんですか?」
「まあ、そこは環境と勘、さ」

693:未来のあなたへ5
09/01/11 02:08:33 Q/D96k9j
片羽先輩が学校に来なくなって一週間が経った。
あの人とはまだ、連絡が取れない。

「はあ……」
「なんだなんだ榊。今日も冴えねーな」
「ああ……ん、まあな」
「あの先輩にフラれたのがそんなにショックなのかよ。もう一週間なんだし、いい加減吹っ切ったらどうだ?」
「フラれてねーよ!」
「どおお! 落ち着け榊! ギブギブ!」
「そんなんじゃなくて……連絡が取れないだけだよ」
「それをフラれたってーか自然消滅って言うんじゃね?」
「………」
「絞めんなって! わかった、なら会いに行けばいいじゃねーか!」
「先輩のクラスも見て来たんだけど、どうも休んでるみたいでさ……それも心配なんだよなあ……」
「風邪でもこじらせてんじゃね? まだ六月に入ったところだけどよ」
「かもしれないけどさ……だったらお見舞いぐらい行きたいよ」
「家、知ってんのか?」
「わからない……徒歩通学だから、学校の近くだとは思うんだけど……先輩のクラスに行っても教えてくれなかったし」
「あー、個人情報だから仕方ねーな。ていうか、上級生のクラスに毎日顔出してたのかよ。必死すぎ」
「美術部にも顔を出したけど、先輩の家は知らなかったし……あの人、友達いないみたいだ……」
「ふーん。人当たり良さそうな先輩だったけどなあ。美人だし」
「はあ……」

教室での昼休み。食事もそこそこに、机に突っ伏してため息をつく。
この一週間、ため息ばかりついている気がする。
ため息の原因を何とかしようと、できる限り動き回ってみたけど、結局手がかりは得られなかった。
最初は。部活を尋ねていけば、先輩の友達にでも住所を聞けるかと思ったけれど。柳沢の言うとおり、先輩に友達がいないのは誤算だった。
携帯は、やっぱりずっと電源が切れていて。それでも、毎日何回も短縮を押し、メールを打ってしまっている。
それでも諦められず、毎日先輩のクラスに顔を出したり、先輩と一緒に話した場所をうろついてるけど。傍から見ればストーカーなのかもしれない。
けれど……会いたかった。先輩に、会いたかった。
元々、連絡の途切れることが多い人だったけど。一週間も会えないというのは初めてだ。
いや……携帯番号を交換する前は、普通にそれくらいは開いていた。そのときは何てこともなかったけど、今はこんなにも、胸が掻き毟られる。
なんでだろう。
何度も、何度も。日曜日の最後、別れ際に笑った先輩の姿を思い出す。そのときの言葉を思い出す。
『それじゃ榊君。また会おう』
『はいっ。また明日』
あのときの俺は。なんの疑いもなく、次の日もまた片羽先輩に会えると思っていた。
けれど今思えば先輩は、また明日という約束に答えなかった。
あの人は、次の日に会えないと知っていたんだろうか。
けれど、また会おう、と言っていたじゃないか!
あの人の声が、聞きたかった。片羽先輩らしく、また胸を張ってほしかった。
けれど、今の俺には待つことしかできなくて。ああ、先輩に会いに行きたい、会いに行ければいいのに。

「となると、後は夜中に職員室に忍び込んで名簿を盗み出す! とかどうだ?」
「するわけないだろ……」
「ホントにしおれてんなあ。そこはツッコめよ」
「はあ……」
「後はそーだな。あー、そういやボーリングのとき、あっちの方向って言ってたよな」
「そういえばそうだけど。方向だけわかっても仕方ないだろ、どれだけ行けばいいのかもわからないし……」
「いや、ほら。たしか優香ちゃんの友達が、一緒に帰ってたじゃん。途中の道順ぐらいならわかるんじゃね?」
「!」


694:未来のあなたへ5
09/01/11 02:08:59 VA84KB75
そうだ……そうだ! あの日、晶ちゃんは先輩と一緒に帰ったんじゃないか!
もしも晶ちゃんの家のほうが遠かったなら、先輩の家まで付き添ったかもしれない!
そうだ、聞こう。今すぐ聞こう。落ち着け、俺。
晶ちゃんは携帯を持ってはいない。連絡を取るには放課後中学校に行くしか……いや、この時間なら!
自分の携帯を取り出し、アドレスから短縮を呼び出してプッシュする。
PRRRRRRR
PI
『もしもし。なんですか、兄さん』
「優香! 晶ちゃんに代わってくれないか!?」



「教えてよかったんですか?」
「不本意ですが、知らない場所で暴発されるより適度に発散した方がマシでしょう。私も放課後に向かいます」
「しっかし、榊先輩切羽詰ってましたよねー。アレはもう惚れてんじゃ?」
「……釣橋効果の一種かと思います。対象への不安を、恋愛感情と混同しているのではないでしょうか」
「なーるほどー。にしても、思い込んだら一直線なところに、ちょっと血の繋がりを感じましたよ」
「兄妹ですから」
「話は戻るんですが。榊先輩も物好きですよね。知り合って間もない先輩をそこまで気にかけるなんて、やっぱり外見は偉大だってことでしょうか」
「おそらく突然の不在期間で、幻想を膨らませてしまったのでしょう。実際に会えば幻滅しますよ。男女関係というのは、適度に離れた方がうまくいくものです」
「え、その発言は妹キャラ的にどうなんですか?」
「私が兄さんに与えるイメージは完璧です。幻滅だなんて、ボロを出すような真似はしませんよ」
「なんか色々墓穴を掘っている気がしないでもないですが。まあ、参考にさせてもらいますから、適度に頑張ってくださいねー」


695:未来のあなたへ5
09/01/11 02:09:51 VA84KB75
先輩に会うため、早退した。
もちろん。本来なら、その日の放課後まで待って、晶ちゃんに教えてもらった住所に向かうべき、だということはわかっている。
けれど、居ても立ってもいられなかった。あと二時間、我慢するなんてとてもできなかったのだ。
柳沢には盛大に呆れられたけど、体調不良ということで口裏を合わせてくれた。感謝。
校門前で、ちょうど来ていたバスに飛び乗る。
自分でも。
自分でも、こんなに片羽先輩に会いたい気持ちが募っていたなんて、思いもしなかった。
教室からバス停まで走りきったせいだろうか、動悸が激しい。どきどき、どきどき。
けれど動悸が激しいのは、もしかしたら運動のせいだけではないのかもしれない。体温が高いのは、陽気のせいだけではないのかもしれない。
夕陽の中で交わされた、妹の会話を思い出す。
『それは、男女として、ですか?』
『んー、どうかな。それはまだわからないけど。今は、普通に話してるだけで十分かな』
あの時、何気なく口にした言葉は、本音だった。
先輩との会話が、勉強ばかりの日々をどれだけ潤してくれたことか。陳腐な物言いだけど、失って初めて気付いたんだ。
バスの停留所案内を見て、自分が何処で降りるべきか確認する。
市立病院。
それが、晶ちゃんから聞いた、先輩のいる場所だった。



うららかな初夏の日差し。
そよ風にはためく、クリーム色のカーテン。
窓から臨む青い空。ざあざあと伝わる、街の発するざわめき。
ある平日の昼間、市立病院の個室で。
片羽桜子はベッドに腰を降ろして、イーゼルに立てかけられたカンバスに筆を走らせていた。
服装は水色の入院着。膝の上には使い込まれたスケッチブック。窓際にはサフランの小さな鉢植え。
壁の一面には彩色の終わったカンバスが何枚も立てかけられ、反対の一面には画材が積まれている。その上には、ハンガーに掛けられた制服。
病室らしく清潔に保たれてはいるが、まるで画家のアトリエのような一室だった。
「ふう」
一息ついて、片羽桜子が筆を置く。小休止。
テーブルに置かれた水を飲み、自分で肩を揉みながら窓の外を見やる。
そのまましばらく病院の庭を眺めていた彼女は、おや、と目を丸くする。
見覚えのある後輩が正門に止まったバスから飛び出して、正面玄関に走っていくのを発見したのだった。
「おお、まだ授業中のはずなんだが……若いなあ、榊君」

696:未来のあなたへ5
09/01/11 02:10:44 Q/D96k9j
「片羽先輩っ、大丈夫ですかっ!」
「やあ、いらっしゃい榊君。ひとまず水でも飲んで落ち着いたらどうかな、ほら」
「あ、はい」
ごくごくごく。
……あれ?
「落ち着いたかな?」
「じゃなくて! その、先輩……」
「ん? ああ。季節の変わり目だから入院してたけど、体調については大分良くなったよ。あと二三日で登校できるんじゃないかな」
「そ、そうなんですか。よかったあ……」
先輩の無事を確認して、へなへなと力が抜けた。此処まで走ってきた疲労がもろに出て、自分の膝に両手をつく。がっくり。
なでなで、とベッドに半身を起こした先輩が手を伸ばして、俺の頭を撫でた。
「ふふん。榊君は可愛いな。よしよし」
「や、やめてくださいよぅ」
わたわたと先輩とじゃれつく。ああ、癒されるなあ……
いや、男としてどうなんだ榊健太、飼い犬みたいな扱いを受けるというのは。まあ心地よいしどうでもいいか。
けど自分で言うのもなんだけど、先輩はちょっと落ち着きすぎじゃないだろうか。俺は平日の昼間に、学校を早退していきなり訪ねてきたんだから、もうちょっと驚いてもいい気がする。
「なに。この窓から正面玄関に入る君が見えただけだよ。さっきは驚いたとも。授業はちゃんと受けないと損だよ」
「ご、ごめんなさい。けど、先輩が入院してるって聞いて。いても立ってもいられなくて」
「入院なんて僕にとっては実家帰りみたいなものさ。珍しい話でもなし、気にしないでいいよ」
「珍しくもないって……あ。もしかして、時々携帯が通じなかったのは」
「ああ。病院では通話禁止だからね。榊君も電源は切らないとダメだからね」
「あ、すみません」
あたふたと携帯電話を取り出して電源を切る。
けど、そうか。先輩が時々連絡途絶するのは、病院にいるから、だったのか。
けれど逆に考えるなら、電話が通じない間は。先輩は入院、もしくは通院していたことになる。
それは……かなりの頻度だ。
平均して、一週間に二日は連絡が取れない日があったのだから。下手をすれば、学校と同じぐらい病院にいることになる。
そんなに、悪いんだろうか。
改めて先輩を見る。白い肌、長い髪、痩せた体、細い指。水色の病院着を着た先輩は、確かに美人ではあるけれど、紛れもない病人だった。
ベッドの脇にはカンバスと三脚、壁際には先輩の描いたと思わしき色とりどりの絵や、画材。窓際には花の鉢植え。壁にかけられているのは、見慣れた高校の制服。
この部屋は確かに、先輩の帰るべき場所だった。けれど、ここは病室なのだ。
観察の中でふと、壁に立てかけられた一枚の絵が目に付いた。見覚えのある絵柄。
「あれ? 先輩。この絵って……もしかして、雨の日にスケッチした、桜の絵ですか」
その絵は間違いなく。桜の季節が終わる頃、あの雨の日に。先輩と一緒に見た、雨に打たれて花びらの散った桜だった。あの時感じた悲しさが蘇る。
「ああ。入院中は暇だからね。昔から、退院中に書き溜めたものに筆を入れて時間を潰してるんだよ」
「…………」
言われて見てみれば。
壁に立てかけてある絵は、みんな俺にも見覚えのある内容ばかりだった。
夕陽に染まる校舎、人の居ない教室、サッカーに励む生徒、桜が満開の公園、青い空と町並。
この人は。
この人は、昔から、ずっとそうやって生きてきたのか。
絵に書かれた内容は、なんてことはない日々の風景ばかりだった。町を歩けば、学校に通えば、当たり前に目にすることのできる風景。
俺にとっては、当たり前すぎて辟易するほどの、ありふれた景色でしかない。
けれど、この人にとっては。この人の生きてきた道程にとっては。
当たり前の風景は。体の弱さと戦って、退院して、薬を飲みながら日々を過ごして、やっと見られるものなんだ。
限られた、その時間に。この細い体で、この細い指で。できるだけ多く描くだけの価値があるものなんだ。
胸の中に、暖かいものと、冷たいものが、同時に満ちて溢れた。
ああ。

697:未来のあなたへ5
09/01/11 02:12:01 VA84KB75
「う、う、う、う、う……」
「な、待て。ちょっと待て榊君。何故、突然泣き出すんだ」
「ご、ごめんなさい。でも……」
「え、えーと。そうだな、とりあえずほら、落ち着きたまえ」
あたふたと先輩の渡してくれたハンカチを受け取り、ぐしぐしと顔を拭う。なんてみっともない、なんてみっともない。この人の前で泣き出すのは二度目だ。
けれど、胸に満ちた感情はなかなか収まらず、しばらくしてようやく衝動は引いていった。消えるのではなく、胸のどこかに、収まる。
珍しく慌てていた先輩も、目に見えてほっとしたようで。
「やれやれ。体に悪いんだから、あまり驚かせないでほしいな。全く、榊君は泣き虫だなあ」
「ご、ごめんなさい……」
「よくわからないが。僕の絵で泣くほど感動してくれたのかな? もしそうなら、端くれとはいえ絵描き冥利に尽きるけどね」
自分で言っておきながら、先輩はあまりそうとは思っていないようだった。どちらかといえば冗談の調子だ。
俺には絵の善し悪しはよくわからないけれど、先輩の絵は普通に上手だと思う。
俺が泣いてしまったのは、絵の内容そのもののせいじゃない。これらの絵が示す、片羽桜子という人の生き方に、だ。
「いえ。先輩の絵はすごく上手だと思いますよ。なんというか、先輩らしくて」
「ふふん、ありがとう。一応、昔からの趣味だからね。褒められると嬉しいよ」
華奢な胸を張って、片羽先輩が笑う。
気付く。
俺は、先輩と話したくて。学校を早退してまでここに来たと思っていたけれど。
俺がこの人から貰っていたのは、言葉だけじゃなかった。
日々の生活は手応えがなくて。未来のことを考えると、辛いことがいくらでも思い浮かんで挫けそうになるけれど。
片羽先輩の。胸を張って、軽く笑って、この世の全てに相対しているその空元気に。俺は、何度も勇気付けられてきたんだ。
空元気だ。
片羽先輩は、優香のような完璧人間じゃない。俺と同じかそれ以上に、弱い部分を抱えた人だ。未来に対して、不安を抱かないわけがない。
それでも、この人は胸を張って笑っている。それなら、俺だって笑っていられるかもしれない。
人間は。どんなに不完全でも笑ってさえいられるなら、人生に堂々と相対できるということを。片羽先輩は、自らの生き方で教えてくれている。
この人に会えて良かった。
「先輩」
「なんだい、榊君」
「俺、先輩に会えて良かったです」
「なんだい、その唐突に死にフラグな台詞は。まあ、僕も榊君に会えて良かったと思ってるよ」
「そのうちでいいですけど。迷惑でなければ、俺も描いてくれませんか?」
「それは……悪くないね。うん、悪くない。いや、喜んで描かせて貰うよ」

698:未来のあなたへ5
09/01/11 02:13:06 VA84KB75
放課後。
榊優香が藍園晶と別れて柔道部に休む旨を伝え、下駄箱で靴を履き替えたところ。
ぶつんとスニーカーの紐が切れた。
「…………」
しばし沈黙してから、榊優香は鞄からGPS受信機を取り出した。兄の鞄に仕込んだ発信器の電波を受信するもので、携帯よりもかなりごつい。
起動。発信器の座標確認……榊健太の公立高校。
確認を終えた彼女は受信機を鞄にしまい、紐はそのままにして靴を履いた。
目的地である病院へのルートを思い浮かべながら、校門を抜けたところで。
しゅたた、と。電柱の陰から飛び出してきた黒猫が目の前を横切った。
「…………」
しばしの沈黙後、榊優香は携帯を取り出して一番上の短縮を押す。
『お客様のお掛けになった電話番号は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っておりません……』
榊優香は携帯を耳に当てたまま硬直した。
仮説1
 榊健太は何らかの事情で高校に残っており、携帯は偶然電池切れ。
仮説2
 榊健太は発信機の入った鞄を学校に置いて病院にいる。
「!」
榊優香は即座に、目標地点に向けて駆け出した。
途中、通りがかったアパートの脇に止めてある自転車の鍵がちゃちと見るや、ドライバー(マイナス)を鍵穴に突っ込んで鞄で一撃。がしゃんと鍵が外れた自転車に盗み乗った。この間僅か五秒。
目撃者は幸運にも居なかったが、居ても同様の行動を取らなかったかどうかは定かではない。最短ルートを検索し、しゃかしゃかと立ち漕ぎをする。
激しい運動に息を弾ませながら、彼女は一人呟いていた。
「っ……どうして……!」
どうして。
既に病院にいるとしたら、時間的に榊健太が放課後になってから病院行きのバスに乗ったとは考えにくい。ならば授業を早退したのだろう。この論理は明解だ。
その理由は、それだけ片羽桜子が心配だったからだろう。他に動機などありはしない。この論理もまた明解。
彼女が納得できないのは。どうして、そこまで、片羽桜子を大事に思っているのか、という点だった。
自分が、榊優香がいるというのに。
確かに片羽桜子と、容姿に於いては同レベル……いや、百歩譲って僅かに劣っているかもしれない。けれど他のあらゆるスペックに於いて、上回っているという自負が彼女にはあった。
頭脳も、運動能力も、戦闘能力も、性的魅力も、胸囲も、精神力も、社会性も、耐久力も、全て。勝っているはずなのだ。
全く違うタイプだというのなら比べようがないかもしれないが、この目で見るに二人の持つ方向性は同じのはずだ。
なのにどうして、劣った方を大事にするのか。
「どうしてっ……!」
その時道半ばで。向かい側から歩いてくる榊健太を発見。
急ブレーキしながらハンドルを切った。道路を横断。途中で迫る障害物を回避回避。
甲高いブレーキ音とクラクションを尻目に、榊優香は目を丸くした兄の元に到着した。
「にい……はーっ、はーっ……さん」
「ななななな、なにやってんだよ優香! 大丈夫か危ないじゃないか!?」
「問題、ありません……ふぅ」
ハンドルに体を預けて肩で息をする榊優香。優等生のイメージなど、どこかに飛んでいってしまっていた。
とはいえ、外面を取り繕うことに関しては年季が違う。深呼吸数回とハンカチで、普段の落ち着きを取り戻した。今更かどうかはさておき。
「兄さん。病院は?」
「あ、ああ。もう行って来た。さっきまで先輩と話してたんだけど、診察の時間になったから帰ることにしたんだ」
「授業を早退して、ですか」
「う」
「兄さん。兄さんは私が今まで散々言ってきた、学生の本分というものを理解しているんですか。放課後に何をしようが勝手ですが、学生として授業を無断で欠席するなどと……」
がみがみ。
以後五分にわたり説教タイム。
あーあーあー、と耳を押さえながら榊健太は自宅に向かって歩き出す。後ろからきこきこと自転車を引きながら、妹が続く。

699:未来のあなたへ5
09/01/11 02:13:52 VA84KB75
しばらくして、ようやくS気を満足させた榊優香が一息をつく。それを見計らって、兄は話題を変えようと話しかけた。
「そういえば。その自転車、どうしたんだ?」
「急いでいたので。一日だけ友達から借りました」
「へえー。そうだ、どうせなら二人乗りで帰るか? 俺が漕ぐからさ」
「ん……危なっかしいですね。体力も衰えてるでしょうし、大丈夫ですか?」
「んなおじいさんみたいに扱うなって。大丈夫だよ、ほら。どいたどいた」
ひょい、と榊健太が妹を押しのけてサドルにまたがる。榊優香はやれやれ、という顔だけして喜び勇んで荷台に腰掛けた。横座りである、無論。
「まあ、私も少々疲れましたから利用させてもらいますが。転倒したら迷わず逃げますからね」
「はいはい」
妹が兄の原に両腕を回す。落ちないようにという名目で強く、広い背中に上半身を押し付ける。計算。以前よりも胸は大きくなっているはず。いや、胸筋だから硬いのか?
知ってか知らずか。兄はよいしょと声をかけて、自転車を漕ぎ出した。
日は傾き始めていたが、まだ夕方には遠い。青空の下、二人乗りの自転車は家路を辿る。
「そういえば。お見舞いに行かなくてもいいのか? わざわざ自転車まで借りたのに」
「また後日にしておきます。ここで兄さんと別れて病院に行くというのも、非効率的ですし」
「んじゃ、また明日にでも一緒に行くか」
「明日ですか? 病人に対して、毎日押しかけるのも迷惑ですよ」
「う、そうかな」
ぐい、と角を曲がるときは二人一緒に体を傾ける。押しa付けられる体と体。
制服に包まれた兄の背中は、彼女が普段妄想する通りの広さと暖かさがあった。
地面をかむ車輪と、ゆっくりと漕がれるペダルの、一定のリズム。
穏やかな気分で、目を閉じる。久しぶりに、本当に久しぶりに、彼女は一切の計算をやめた。
頬を撫でる風さえも、自分達を祝福しているような気分。
「こうして二人乗りなんて、初めてじゃないでしょうか」
「んー、そうかもな。小学校の頃が一番自転車使ってたけど、昔から優香はなんていうか大人びてたしな」
「老けていた、と言いたげですね」
「ああ、そうかも」
「そういう兄さんは、昔からガキッぽいところが抜けませんね」
「ひでえ! ……ってまあ、お互い様か。考えてみれば俺たち、正反対な性格してるよな」
「それは私が心から感謝することの一つですね」
「うおい!」
その言葉に嘘はない。榊優香は心から感謝している。
比翼連理。
互いに互いを補い合う在り方の形。榊健太とそのような形で生まれてきたことに、榊優香は心の底から感謝する。
欠けた自分を補う欠片を持つのが、この榊健太であることに。榊優香は心の底から感謝している。
そんな妹の心を、兄は知らず。
そして妹もまた、兄の心を知らなかった。
「……なあ、優香」
「はい。なんですか、兄さん」


「俺……好きな人ができたよ」


『もしも兄さんに好きな人ができたら、私に―――

700:未来のあなたへ5
09/01/11 02:15:02 VA84KB75
その日の夜。
僕……片羽桜子は、市立病院の個室にて午後九時に就寝した。
早すぎると言うなかれ。今日は榊君の相手もしたし、何よりずっと絵を描いていた。
休憩を挟みながらとはいえ、結構集中力を使うんだよ、創作活動というのは。
そもそも消灯時間が午後九時だし、入院しているなら体力の回復が優先されるべきじゃないか。
入院中に趣味に熱中しすぎで倒れたなんて、本末転倒の見本にされてしまうよ。
まあとにかく。僕は午後九時に就寝したわけだ。ぐう、とね。
そして、ふと深夜―おそらくは午前一時頃に目を覚ました。
何故か? トイレ……おっと失敬。花摘みは就寝前に行っていたので、それは肉体的欲求ではなく精神的欲求だったのだろう。
もっと言えば虫の知らせ、第六感、そんなものの仕業と思われる。さておき。
目を覚ました僕は、ベッドの上で覆い被さる人影に押さえつけられていた。
「――!」
驚いたよ、そりゃ驚いたさ。
思わず心臓が止まってしまいそうになるほどだった。悲鳴を上げようにも、口元は手で塞がれていたけどね。
だって想像してみなよ。何事もなく一日が終わって、夜中にふと目が覚めたら。真っ暗な病室で、誰かに押さえ込まれてるんだよ。
しかもその上
「助けを呼んだら殺す。抵抗したら殺す」
こんなことを言われてみなよ。これはもう凄まじい恐怖だね。
ただ、その声を聞いて更なる驚愕が僕を襲ったんだ。やれやれ、強すぎる感情は体に毒なんだけどね。
なにしろ、その声には聞き覚えがあったんだから。
折り良く、雲が流れて月光がカーテンの間から差し込んだ。闇に慣れていた僕の目に映ったのは

榊優香君だった。

「…………」
「――」
信じられるかい? 僕はまた大声を上げそうになったよ。まあ、口元は押さえられていたけどね。
優香君は中学校のセーラー服を着ていた。まあ、紺一色は夜中での迷彩効果は高いかもしれない。
僕を押さえつけている体勢は、布団の上からお腹に乗り、両膝で僕の両腕を押さえ、左手で口を押さえている。
柔道の技なんだろうか。とにかく、僕の四肢は布団と膝に押さえられて、とても満足な動きはできそうになかった。
優香君は、空いた右手でベッドの脇にあるスイッチ……ナースコールを手にとって、そっと手の届かない場所に置いた。さっき自分で言った通り、まず助けを呼ぶ手段から潰していくらしい。
僕はといえばその間、なんとか興奮と驚愕を落ち着かせようと努力していた。
クールになれ、片羽桜子。落ち着いて素数を数えるんだ。素数は孤独な数字。この僕に勇気を与えてくれる。
2、3、5、7、11、13、17,19、23、28、いや違う29だ……ふう。落ち着いて状況を整理してみよう。
状況から判断するに。優香君が病院に忍び込み、消灯後まで人目をやり過ごし、その上で僕の部屋に押し入ってきた、ということになる。正気だろうか。
僕の記憶が確かなら、看護婦の見回りは三時間ごと。そして午前一時という時間感覚が確かなら、後二時間は見回りは来ない。
おっと、今は看護師と言うんだったね。失敬。
具体的な危険についてだが、警告を受けたということは下手を打たなければ殺されることはなさそうだ。僕もまだ命は惜しいんで、これは非常に助かる。
では彼女の目的は何なのか、というと。これが全く謎なのだった。まあ、優香君が話してくれるだろう。
「…………」
す、と。試すように僕の口元から手が離され、喉に当てられる。軽く絞められた。ぐえ。いつでも絞め殺せるというパフォーマンスらしい。
僕が叫びださないのを確認してから、彼女はこの場に来た目的を、口にした。

「兄さんに……これ以上、近づくな。でなければ……殺す。このことを誰かに話しても、殺す」

……ああ。

「なるほど。つまり君は、榊君のことを異性として愛してる、ということか」


701:未来のあなたへ5
09/01/11 02:16:58 Q/D96k9j

驚きではなかった。
何故かって? まあ、それは環境と勘、さ。
榊君から話を聞いていて、どうも彼の人生に優香君が何かと働きかけているようだ、ということはわかっていた。進学とか勉強法とかね。
わからないのは動機だが、あんな働きかけは並大抵の労力じゃできやしない。しかも本人には気付かれずに、だ。執念としか言いようがない。
であるなら、考えられる動機は二つ。榊君にとてつもない恨みを抱いていて、その復讐だという線。
榊君の人生に影を落とす以上、僕としてはこの線だと疑っていたが。どうもこんな風に脅迫にかかるのでは、もう一つの可能性のほうが高そうだ。
即ち、愛ゆえに。
「どうしてそれが、榊君の人生に影を落とすような真似をするのかわからないが。今こうしてるのは、どう考えても嫉妬に狂った末の行動だからね」
「……っ! 私は、兄さんの人生に、影など落としていない……っ!」
「ああ。そういえば愛とは独占欲を伴うものだったね。となると、榊君を進学校に入れさせた理由も説明がつく。いや、すっきりしたよ」
「……今となっては、後悔していますよ」
「榊君と会えたんだ。僕は感謝しないとね」
僕が答えると、優香君の目付きが一際暗く、沈んだ。
腰につけたポシェットを後ろ手で開くと、凶器の柄が幾本も飛び出す。小型ハンマー、ドライバー、ペンチ、ナイフ、釘。
あ、あれ、柔道って素手でやるんじゃなかったっけ……?
右手を宙に浮かせ、指を鉤爪のように曲げて、優香君が言葉を搾り出す。
「片羽先輩も……兄さんが好きなんですか」
……おや?
「待ってくれ、優香君。『も』ということはつまり、榊君は僕のことが好きだと言うのか?」
「……っ!」
ザン!と
優香君がポシェットから抜き出したドライバー(マイナス)が、僕の顔の真横、枕に突き刺さった。
……や、薮蛇だった。今更ながら、ものすごく怖かった。落ち着け、素数を数えるんだ。
運動能力の圧倒的な差で、反応すらできなかったのだが。それが優香君には余裕と取れたようだった。
呟く。
「夜中に押さえ込まれて、殺すと脅されて、随分余裕があるのですね」
「いや、怖がってるよ。けどまあ、常に平静であらんとするのが僕の信念でね」
「……どうして、兄さんは、貴女のような人を……」
ふむ。
どうやら、榊君が僕のことを好きだというのは、ガセネタではないようだった。だからこそ、こうして今日忍び込んできたのだろうし。
まあ、言われてみれば榊君の態度に思い当たる節もないではない。また泣き出したり、絵を描いてくれと頼まれたりね。
ただ、それがどうしてなのか。
どうして、榊君は僕のことを好きになったのか。
そんなものは弓を持った天使でなければわからない……と言いたい所だが。実は推測がないわけでもなかった。
「前にも言ったが。性的魅力では僕よりも君のほうが遥かに上だよ」
「っざけ……!」
「いや、落ち着きたまえ。侮辱してるわけじゃないんだ、ただの事実だからね」
今度はペンチを抜いて振りかざした優香君を必死で止める。日曜大工用具の、そんな斬新な使い方は絶対体験したくない。
それにしても普段の優等生振りとは掛け離れた激情だ。ぱっと見の方向性は似ていても、中身は僕とは正反対だな。
「逆に言えば、僕と君とは外見の方向性は似ている……それが問題だったんだろうね」
「なにを……」
「まあ推測だよ。君のことだから、日々弛まず気づかれないよう榊君にアプローチしてきたんだろう」
間違った勉強の方法論を教え込んだのと同じように。正しいかはさておき、優香君は日々の努力を怠らないタイプだな。
「そしてその効果は出ていたはずだ。君は客観的に見ても、魅力的だからね」
「嘘をつくな! なら、兄さんは、どうして、私でなく、貴女なんかを……!」
「代償行為だよ」
ぴたりと。
優香君が動きを止めた。
頭のいい彼女のことだ。今の言葉で、どういうことか、完全に理解したのだろう。
「欲しいものが手に入らない時。代わりに似たものを手に入れることで欲求を満たす心理的防衛機能。それが代償だ」
「私が……妹だから……」
「そう。榊君は優香君に強い魅力を感じていた。だが優香君は榊君にとって妹であり、恋愛対象にはできなかった。そこで榊君は」
「無意識に。タイプが似ている貴女を……好きになった、ということですか」
「推測だがね」
「…………!」


702:未来のあなたへ5
09/01/11 02:18:07 VA84KB75
優香君が天井を仰いで絶叫した。声を出すわけにも行かず、音はすべて胸の中で噛み殺し、ただ無言で。
まあ……この推測が正しいなら。思いっきり優香君の自爆だからね。彼女は彼女なりにプライドがあるようだし、衝撃も大きいだろう。
そして。
しばらくして、優香君はまた僕を見下ろし……ペンチを構えなおした。
「……みんな殺す」
おいおいおいおいおい。
「私が妹である限り、代わりを求めるというのなら……兄さんに近付く女は、みんな殺してやる」
そう断言した彼女の瞳は。
僕から見ても……ああ。君も、か。
「絶望の向こうには何がある?」
「自由です」
そうだ。
絶望とは何処にも行き場のないということ。行くべき道全てが、閉ざされているということ。
だからこそ、それを乗り越えたとき。その絶望を受け入れたとき、人は自由になれる。
その境地は、無敵だ。
たが、まあ……だとしても。僕もまだ、命が惜しいんだ。
「待ってくれ、優香君」
「待ちません」
だよね。
優香君がペンチを振り上げる。どうも狙いは喉のようだ。まずは助けを呼ばれないように声を潰すというわけか。この期に及んで冷静だね。
だが。冷静だというのは良いことだ。まだ、僕の言葉で止まる余地はある。さて、もったいぶっている暇はないようだ。言ってしまおう。
「僕は榊君と恋人同士になるつもりはないよ」
ぴたりと、優香君の動きが止まった。
後はもう、賭けだ。これを侮辱か嘘か出任せと受け取り、激情と狂気に身を任せるなら僕はまあ高い確率で殺される。
だが。優香君とは、多少なりとも話はした。僕がどういう人間か、僅かなりとも見抜くかどうか。彼女の知性を信じるしかない。
そうして。
「……何故、ですか」
勝った。


「僕は重度の心臓病でね。過度の興奮は心臓に負担をかけ、死を招く。ホラー映画も、過度の運動も、過激なアトラクションも、そして性的興奮……性交も、全て医者に禁じられているんだ」

「言っただろう。僕は恋することのできない病にかかってる」


703:未来のあなたへ5
09/01/11 02:20:40 VA84KB75
以上です。
次は5.5で先輩キャラのスーパースレチタイム。
キモウトスレ的には余分な展開が続く予定です。

704:名無しさん@ピンキー
09/01/11 03:28:52 eGRF4a/1

先輩クールすぎワロタww

705:名無しさん@ピンキー
09/01/11 03:39:26 zwM/GX//
GJ
天国へ行く方法を考えてそうな先輩カワイイ
ポシェットの中身吹いた

706:名無しさん@ピンキー
09/01/11 09:25:55 nGG7kmrb
キモウト分、減ってねー!
だからこそGJ!

707:名無しさん@ピンキー
09/01/11 09:44:44 NeSTnaEU
素数ワロタww
何もともあれGJ!!!

708:名無しさん@ピンキー
09/01/11 11:29:22 4U6lTPL2
GJ
ついに強行たんが表に出たか

709:名無しさん@ピンキー
09/01/11 15:11:19 7TfXZr+j
兄の告白が来た時、優香の脳内はどうなってたんだろう?

710:名無しさん@ピンキー
09/01/11 15:47:03 folK1dXk
あの状況で話術を駆使してうまいこと誤魔化して、キモウトの憤怒をあらぬ方向に受け流している。
この先輩が仮にヤンデレなら、優香はうまく操られたあげくにボロ負け確実だなww

711:名無しさん@ピンキー
09/01/11 16:27:13 CNvS6CIb
GJ!
優香が策士系キモウトのジンクスに打ち勝てますように

712:名無しさん@ピンキー
09/01/11 16:34:07 wqmhZt5E
すごい面白いです。
先輩に勝ってる部分で戦闘力が出てくるところに笑ったw

713:名無しさん@ピンキー
09/01/11 16:58:13 dULsnkWR
ふふん、GJだな
先輩は良いキャラしてるね

714:名無しさん@ピンキー
09/01/11 18:38:19 Cx3v53hq
>>713
出たわね!この泥棒猫!!

715:名無しさん@ピンキー
09/01/11 19:06:14 G5/yvBkW
泥棒猫
雌豚

動物系の罵り言葉って他にどんなのがある?

716:名無しさん@ピンキー
09/01/11 19:18:58 W8y/b4Op
>>715
・鼠がぁ!!
・○○の飼い犬は引っ込んでろぉ!


717:名無しさん@ピンキー
09/01/11 19:36:11 SUzbcBWe
ビッチ(雌犬)

718:名無しさん@ピンキー
09/01/11 20:15:19 P1hz4VvK
三月ウサギは罵りになるかな?ビッチとか尻軽とかのニュアンスで

719:名無しさん@ピンキー
09/01/11 20:56:54 Y7D9adjn
「この女狐がっ!」が抜けてるぜ。
先輩と妹が主軸だが愛染かつら…じゃないアキラの方がどう絡んでくるのか気になる木。
ともあれGJ!

720:名無しさん@ピンキー
09/01/11 21:25:53 eCmgh4J8
「フッカーの成りそこないが私の弟に手を出そうなんていい度胸してるじゃない。
そんなにヤりたいのならそこら辺にうろつている下衆にでも声をかけたらどうかしら?
下品で教養も無い貴方にはとてもお似合いよ。
それで弟には手出し無用に願います。・・・・あら勘違いしないでね。
お願いではないの、命令よ。あなたの意思は関係ないの。
子宮で物事を考える人は理解がなくて困るわ。」


721:名無しさん@ピンキー
09/01/11 21:44:00 W8y/b4Op
この狸もだな

722:名無しさん@ピンキー
09/01/11 21:47:49 002+NXvz
はぁ・・・片羽先輩によしよししてもらいたい・・・

723:名無しさん@ピンキー
09/01/11 21:55:41 YvxxsqBb
先輩は骨を持っているんだろうか……

724:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:13:50 XMMCyV88
ドミネ・クォ・ヴァディス

725:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:22:54 zUqAyg12
>>724
神よ、貴方は何処へ行くのか……か。
ふふっ、詩人だね。

726:名無しさん@ピンキー
09/01/12 00:42:53 /Tha5lXF
「おまえは磔刑だ―――ッ!」は優香が言いそうな台詞だ

今回の脳内会議では満場一致で「やろう、ぶっころしてやる!」なのか

727:名無しさん@ピンキー
09/01/12 05:56:49 1A07YLBs
>>726
なぜかドラえもんを思い出したww

728:名無しさん@ピンキー
09/01/12 08:18:25 dAhN2sBM
>>726
キモウトだらけ。
……天国じゃまいか!

729:名無しさん@ピンキー
09/01/12 09:02:37 KTzOv+SK
ジョジョ好きなんだなおまいらw
次は潔癖か性欲のターンかな

730:名無しさん@ピンキー
09/01/12 11:06:54 qpGb82rh
>>726
恐慌に駆られた強行さんが、脳内議場で凶行を…

731:名無しさん@ピンキー
09/01/12 12:47:35 2N/scee7
ボクっ娘ふふん先輩かわいいです

732:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:17:23 TnYTzD0X
先輩サイコー過ぎる……
しかしながらキモウトがいい具合になってきたな。
どちらにも、居なくなってほしくないぜ!
GJです!

733:名無しさん@ピンキー
09/01/12 15:03:12 mlr8ErYc
おいィ?GJすぎるぞォ?

734:名無しさん@ピンキー
09/01/12 18:51:50 nC02IVrZ
>>143



735:名無しさん@ピンキー
09/01/12 18:56:48 6NO+Rz+6
GJ! 先輩も優香も可愛いすぎる

736:名無しさん@ピンキー
09/01/12 22:49:42 1k19hBNF
>>728
だが、そこにお前はいないだろう…
キモウトにとって兄以外の人間は全て映画でいうエキストラだからな


737:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:07:52 dNk3IaxQ
姉「弟くんの純潔は頂きだぁ!」
妹「
ッ! やられる!!

その時、彼の着ていた服が……いや、皮膚を含む彼が着ていた肌着が
全てパージされ中から長髪をの少女が現れた

姉「な、何ッ!?」
妹「お兄ちゃんの中に人が……」

なんという失態だ!こんな早期に、この姿を晒してしまうなんて……
あの子に嫌われてしまった……ぁぁ、神よ、俺は……僕は……私は……


下手で本当にスイマセン

738:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:19:50 UP/oVCOl
>>737
ナドレ…

739:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:27:43 5jRYsJHE
てっきり弟くんが拘束衣やら猿轡やら貞操帯やらをキャストオフして
『羽ばたけ、アジアンビューティードリーム』
とか何とか言ってる間に美味しくいただかれる話かと思った

740:名無しさん@ピンキー
09/01/13 04:17:54 riob2dxp
姉妹「お…

オネニ-サマ?」

741:名無しさん@ピンキー
09/01/13 07:48:09 xcpCFgHT
>>740
かしましじゃねえかwww

742:名無しさん@ピンキー
09/01/13 12:54:04 nnuALlk5
>>740
MAZE爆熱時空かよwww

743:名無しさん@ピンキー
09/01/13 13:19:18 jHQJzEoU
「お兄ちゃん(弟)をどこに隠した?」と拷問されそうだ。自分がそうだと言っても
信じるはずもなく…

744:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:21:02 7GyXmKXk
投下します。
内容は先輩キャラの自分語りなので、基本的にスレチです。
キモウトは全く出てこないので、興味ない方は飛ばしてくれて構いません。


745:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:22:21 7GyXmKXk
絶望を越えたなら、自由はそこにある。
世界はなんて美しい。





片羽桜子の奇妙な人生 ~経絡秘孔の一つを突いた、お前は既に死んでいる!~





僕は片羽桜子だ。命はまだある。
さて。僕という人間を語るとき、どこから話せばいいのか、少し悩むことがある。
過去の僕を語るか、現在の僕を語るか、未来の僕を語るか。
そういう区分分けになるのだが。それぞれのパートでオチがつくので、どのオチを最後に持って来るべきか悩むわけだ。
というわけで、三項目にざっとした内容を設けたので好きなところから見てほしい。
1.過去編(家族のこととか)
2.未来編(病気と心構えのこととか)
3.現在編(今の環境のこととか)
もっとも、そもそも僕の語りなんて興味ない人もいるだろうから、そういう人は全飛ばしでも構わない。どうせ本筋には影響ないしね。
それにこの先は、多かれ少なかれ死を取り扱った話になる。普通の人にとっては卑怯な話題だから、話半分程度に受け取るのがちょうどいいんじゃないかな。
それでは。退屈な話になるだろうが、片羽桜子という人間の半生を語ろうか。

746:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:24:08 7GyXmKXk

1.過去編
愛ゆえに生き、愛ゆえに死す。

僕も今では身寄りはないが、六年前までは家族がいた。父と母、そして僕という核家族構成。
今はもういない。二人とも死んでしまった。
父は僕が見るに普通の人だった。少々頼りないところがあり、お人好しなのが取り柄、そんな人だった。榊君に少し似ているかもしれないね。
僕の病気は生まれつきで、昔から入退院を頻繁に繰り返していた。昔からその世話を見てくれるのは父の役目で、よく背負われては病院に通った。
少し変な話だけど、僕にとって父は兄のような人だった。無論、僕には兄などいないけど、いたとしたらそんな感じだったんだろう。
父自身が実年齢よりもかなり若く見える、要するに童顔だったせいもあるんだろうけど。何より彼自身の性格に、押しというものが決定的に欠けていたのが原因だろう。
総じて、彼は誰かに害を及ぼすことのない人間だった。静かに生きて、静かに消える。僕にもそういうところがあるのは、遺伝なんだと思うことにしている。
今でも時々思う。父の人生は一体なんだったのだろう。
あんなふうに生きて、あんなふうに死ぬ。そこに父自身の意思は、どこまで通っていたんだろう。
それとも僕みたいに、妙な悟りでも開いていたんだろうか。悲しいことのはずなのに。そう思えば少し微笑ましい、というのは不謹慎なんだろうな。
母は、まあ、その、なんというか。
端的に言うと、狂っていた。母は、夫……父への愛に狂っていた。
あの人の人生には、たった二人。父と自分しか存在せず、父と自分しか必要としなかった。他の人間は障害物程度にしか思っていなかったし、それは僕とて例外じゃない。
愛のためならあらゆる倫理を突破する。そういう気性が存在することを、僕は生い立ちから知っていた。優香君も同じ方向性だね。
母自身のステータスはずば抜けたものがあった。僕の美人は母譲りだし、女ながらに大企業の管理職を勤めていたと聞いている。能力が高いだけにその行動を阻止するのは容易ではなく、母は我が家で絶対権力者だった。
その狂いっぷりを示す事例はいくらでもあるんだが。その中でも特大三つを一気に列挙してみよう。
1.父とは実の姉弟。
2.自分の両親(僕にとっての祖父母)を殺害。
3.死因は父との無理心中。
どうだい、酷いだろう。半端じゃない。


747:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:24:44 7GyXmKXk
まず、1のそもそも血の繋がった姉弟という点からおかしい。しかも僕という子供までいる。近親相姦以外の何物でもない。これはちょっと成歩堂氏でも弁護はしきれない。
ただし、父と母が姉弟という間柄にも関わらず、なぜ未婚とはいえ夫婦なのか。その経緯を推測するとき、僕の存在は鍵となる。つまり近親相姦妊娠逆レイプ。つくづく父のお人好しには頭が下がる。
自身が、父を繋ぎ止めるための道具として生まれた。そのことについて思い悩んだこともある。まあ結論から言えば、他にも色々ありすぎてその程度は埋もれてしまったわけだけど。
そうそう。というわけで、優香君が榊君を愛している、という推測に至ったのはこういう環境からだった。僕にとっては前例ありまくりな訳だからね。二回も係わり合いになるとは、一体どういう確率なんだろう。
ちなみに僕がどうやって1の驚愕事実を知ったのかといえば、母は家で父に姉さんと呼ばせていたからだ。おかげで世間に接するまで、姉というのは妻への呼称だと思ってたさ!
2の祖父母殺害についてだが、実のところ裏付けはない。事故死だったとは聞いているけど、当時の状況も詳しくは知らないのだ。
ならばどうしてそう思うのかといえば、父や母の言葉の端々を集積したとしか言えない。たとえばこんな具合だ。
『大丈夫。泥棒猫はお姉ちゃんが殺してあげるから……ね? 父さんや母さんみたいに』『や、やめてよ姉さんっ! 僕が悪かったから!』
ちなみに姉がそんな凶行に走ったとして考えられる動機は、言うまでもないので省略する。それはまあ、普通の親なら絶対認めないだろうなあ。
3は、僕自身が目の当たりにした最後だ。とはいえ、その瞬間を目にしたわけじゃない。ある日退院して両親の待つ家に戻ったら、二人は血塗れでロビーに倒れていた。凶器は包丁。喉と腹がざっくりと開いていた。
ちなみに僕もその場で卒倒して死にかけた。興奮や驚愕で不整脈に陥るようになったのはこの日からだ。全く、これ以上の驚きが一体どこにあるって言うんだろう!
母がどうして父を刺したのか。その理由は未だにわからない。いい加減父も我慢の限界だったか、あるいは浮気でもしてると誤解したのか。もはや永遠の謎だが、僕としては理由をあまり気にしてはいない。
今思えば、理由なんてきっかけに過ぎない。母がああいう人間である以上、遅かれ早かれこうなっていただろう。生きた不発弾のようなものだ。
僕の母は、愛が強すぎた。
愛は人を殺す。
今はもういない、僕の家族から得たものの幾つか。
僕の、色恋沙汰に対する淡白な態度は。こうした精神的な土台からも生まれてきたものだと思う。
そして、この僕の病も。生まれついての心臓病も。
血の繋がった姉弟で愛し合ったことに対する、神様の辻褄合わせなのかもしれないね。

748:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:25:23 7GyXmKXk
2.未来編
死を恐れるな、だが命は惜しめ。

僕は、生まれついて重度の心臓病を負っている。
簡単に言うと、他人よりも心臓の筋肉が弱いという病気で。普段は何とか普通に行動はできるんだが、ちょっとしたことで心臓がパニックになると心不全に陥ったりする。
いわゆる奇病で、治療法はまだ確立されていない。心臓移植が唯一効果があるそうなんだが、僕は体質的に稀なパターンらしく(血液型にもあるよね)かなり絶望的なんだそうだ。宝くじで前後賞がまとめて当たるぐらいの確率だとか。
というわけで、僕はこの心臓と生涯付き合っていかなければならない。今からこいつのことは心臓君と呼ぼう。
心臓君は貧弱な坊やで、興奮するとすぐにばててしまう。それだけなら僕も倒れるだけで済むんだが、心臓君がひっくり返って気絶してしまったりすると、僕はもれなく心停止で死んでしまうという、困った一蓮托生だったりする。
一応、症状を和らげる薬は常備してはいるけれど、市販の風邪薬と同じ程度の効能らしい。ま、それでも無いより余程心強いけどね。
何より大事なのは、興奮しないこと、平静を心がけること。
そうして僕は生きてきた。
興奮を過剰に煽る諸々、遊園地の絶叫系アトラクション、ホラー映画、急激な運動、恋愛、唐辛子。そういったものを能動的に避けるのは勿論ある。
そして、後は受動。突然遭遇した出来事に対しても、驚愕や動揺をしないように、常に心がけていなければならない。
平静であれ、感情を乱すな、クールになれ、素数を数えろ……
朝起きた時から、夜寝るまで。物心ついた時から、ずっと。
生きるために。

そうして、当たり前だが僕は。感情をほとんど表さない人間になっていった。
いいや。表さないだけじゃない。感情というものを、心底下らないと思うようになっていったんだ。
何があっても笑いもしないし、泣きもしない。美しいものを見ても感動などしないし、自分の病状にも失望しない。逆に、そういった事柄に一喜一憂する人間を軽蔑していた。
愛など僕には不要だ。
世界はなんて下らない。
全く、なんて可愛げのないロリだろう。いや、ガキだろう。ラッシュを見開きで五ページぐらい食らわせたいよ。おらおらー。
心が歪めば世界も歪む。
その時の僕には、世界は平坦にしか見えなかった。外に興味を持たず、病院と家と学校を往復する日々。それだけで満足する日々。
勿論、それは僕自身の心が平坦だったわけだが。けれど、決して自ら改めようとはしなかった。
本当は、怖かったからだ。
そう。下らないと決めつけながら、僕は本当は怖かった。恐ろしくて恐ろしくて仕方がなかった。
脅威と興味に満ちた、外の世界が。そして、脅威と興味の果てに訪れる、死が。僕は恐ろしかったんだ。
まさに、取れないブドウは酸っぱい論理。
まあ、結局僕は甘ったれているだけだった。心の底では、いつか病気が治って普通に生きられると思っていたんだからね。
何故なら、自分はこんなにも我慢しているのだから。我慢して生きているんだから、報われないとおかしい、と。
表では世の中全てを興味がないと見下して、裏では死を恐れながら他人から与えられる救いをただ待っている。いやあ、なんて可愛げのないロリ(略)
さて、そんなガキに皆さんお待ちかねの天罰が二度ほど下る。
正に絶望というものを味わい、その衝撃で発作を起こし、二度ほど死の淵を彷徨うことになる。

ところで。ここで脱線するのだけど、まず絶望の定義からしてみよう。おっと、これは単なる僕の持論だからね。
簡単に言うと、絶望とは『どうしようもなさ』だと僕は思う。
ある問題が存在するとして、それが解決可能なものなら。人は怒ったり悲しんだりするかもしれないが、解決のために手段を執るだろう。
けれど、その問題を解決する方法がないのだとしたら。人はいったい、どうすればいいのか。
勿論、そんな問題は幾らでもある。例えば、死など最たるものだ。人間はどう足掻いても死ぬ。それはどうしようもない。だから、死と絶望は強く結びついている。
ただし人間は面の皮が厚くできている。どうしようもない問題は、スルーすることを知っている。深入りしてもどうしようもないことに、わざわざ自分から深入りする人はあまりいない。
だが、問題は時に。問答無用で人間に突きつけられることがある。スルーしようがないほど、どうしようもなく。
つまり絶望とは。『どうしようもない』問題を『どうしようもなく』突きつけられた時に、起こるものだと思う。
問題そのものに絶望するんじゃない。避けようのない問題に対して一切何の手も取れないことに、絶望するんだ。


749:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:26:05 7GyXmKXk

さて、分かり難いあやふやな話はこれくらいにして。具体例にいってみようか。
第一の絶望は、両親の死。
僕がどう足掻いたところで、父と母は生き返らない。
第二の絶望は、余命の宣告。
僕がどう足掻いたところで、僕はあと数年で死ぬ。
いやはや。間を置かずほぼ二連発だったからね。例えるならガゼルパンチからデンプシーロールを食らったようなものだよ。
余命に関しては、以前からわかっていたことではあるんだろうが。両親は本人に伝えないことを選んだんだろうね。で、二人が死んで本人に来ただけのことだ。
これで、いつかは治るなんて無根拠な願望を抱いていたんだから、全くもって。人生はショートで見れば悲劇、ロングで見れば喜劇だね。
ま、数年と言いつつ余命予測は二十代半ばだったのはさておき。
絶望したよ。
某先生風に表現するなら。絶望した! 両親が死んだことに絶望した! あと数年で死ぬことに絶望した! といったところだね。
目の前で無惨に死んでいた両親。近い内に自分も辿る未来。
正に、『どうしようもない』問題を、『どうしようもなく』突きつけられたわけだ。
死のうと思ったよ。
死のうと思って、病院の屋上に登った。
いずれ死ぬのに今死ぬなんて、馬鹿げてると思うかい? けど、絶望の中で何年も生きるなんて、死ぬより余程辛いとそのときは思ったものさ。
いや、これは今でも思っている。死ぬよりも、生きるほうが余程辛い。
病院の屋上に登ったのは、看護師が最も忙しい夕方だった。シーツが取り込まれ、誰もいないがらんとした屋上に、物干し台だけが立ち並んでいた。墓標のようだと思ったよ。
屋上の端まで歩き、フェンスを乗り越える。死ぬと決めたからか、体は妙に軽かった。
病院暮らしが長いから、たまに飛び降りる患者がいることも知っていた。死にたくない人は、足から落ちて両足を折る。だから、頭から落ちないといけないな、と考えてたよ。
フェンスの向こう側の迫り出しに立つ、その向こうにあるのは、夕焼けと朱に染まった街並みだ。
ま、引っ張るのはこれくらいにしておこう。ありきたりな話だが、結局僕は死ぬのをやめた。直前で心変わりしたんだ。
夕焼けと朱に染まった街並みが、あまりに美しかったから。
死に対する恐怖で、世の中全てを興味がないと見下していた僕は。死が確定したことで、やっとそんな下らなさから開放されたんだ。
君は目が覚める音、というのを知っているかい? めりめりと、目ヤニで固まった瞼が痒痛と共に開いていくんだよ。額にもう一つ、目ができたような感じだったよ。
世界はなんて美しい。
そうして、開いた目で自分を見てみれば。
この美しい世界と同じように。僕が生きていることが、急に惜しくなったんだ。
わかるかい? みんなや僕の足元に共通で広がる死の淵が怖いんじゃない。みんなや僕がそれぞれ持っている、命という火が惜しいんだ。
僕の命は、もうすぐ消える蝋燭の火のようなものだ。
だが、それだけだ。それ以上でも、それ以下でもない。数年後には消えるが、まだ消えてはいない。
それが、僕の持って生まれた命で。それをどうするかは、完全に僕の自由だ。
生きるというのは。死を恐れて逃げ回ることじゃなかった。
この命を、どう使うか。生きるというのは、そういうことじゃないか。



750:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:27:55 7GyXmKXk

3.現代編
覚悟は『幸福』だぞエンポリオ!

両親が死んだ後、僕は数少ない親戚から引取りを断固として拒否された。
そりゃまあそうだろう。なにしろ無理心中した姉弟の娘なんだからね。その上重度の心臓病で、祖父母も不審な死を遂げている。忌まわしいことこの上ない。
結局、一応の保護者として大叔父の庇護下に入るけど、基本的に親族とは断交することになった。まあ両親の遺産がかなりあり、当時すでに十四歳だからこそできた芸当だね。

おっと、少し脱線するがここで数字の誤謬を正しておこう。
問:両親が死んだのは六年前なのに、当時十四歳とはどういうことか。
答:僕は今年で二十歳になる。成人式を迎えられる年齢だ。
はっはっは。いや、別に騙すつもりはなかったんだけど。わざわざ言い出すのも変かなあ、と思ってね。榊君には悪いことをしたなあ。
ま、普通に考えれば当たり前で。これだけ入退院を繰り返してれば、当然出席日数も足りなくなる。ちなみに小学五年生で一回、高校二年生で一回留年してる。
ちなみに今年の誕生日は既に迎えているので、僕は既に二十歳だ。名前の通り、春生まれだったのでね。

すっぱいブドウ理論で武装していたせいで、僕には友達というものができたことが無い。そこから自由になっても、出席日数の少なさと留年による大先輩扱いで結局無理だった、まあ仕方ない。
そんなわけで。僕は入退院を繰り返しながら、一人で絵をかいては暇を潰すという生き方を続けてきた。
それができる程度の遺産は両親、そして祖父母は残してくれていた。というか父と祖父母の保険金……まあいいか。
絵を描き始めたのは父の影響だ。といっても、父が絵描きだったわけじゃない。入院中、退屈そうにしている僕に、クレヨンとお絵かき帳を渡したのが父だった、というだけの話さ。
何しろ暇だけは有り余っていたから、才能はさておき腕前は上達していった。画材もクレヨンからスケッチ、パステル、水彩とエスカレートしていったけど、流石に油絵はやめておいた。体力的に。
けれどそのうち、モチーフに行き詰った。前述の通り、僕は外界に関わることが恐ろしかったから。病院周辺の景色ばかり、いつまでも描いていては飽きもくる。
そうして飽きたということで、その時は絵筆を投げ出した。けれどそれは、ただ自分や周囲を上辺だけで誤魔化しただけだ。
本当は、外の世界を描きたかった。
だから、目が覚めた後は。外の世界を描くことにした。
夕焼けに染まる街並みを。青春を謳歌する生徒達を。日々通う平和な場所を。ゆっくりと巡る季節の移り変わりを。それらの景色を目の当たりにした時に抱く、僕の感情全てを込めて。
この美しい世界を、描きたいと思ったんだ。
感動とか悲しみとか、ありのままを感じた末に、倒れたこともよくあったけど。まあ、まだ生きているから結果オーライでいいだろう。その程度のリスクは織り込み済みだ。
それに、理由はそれだけじゃない。その、なんだ、あれだよ。
僕は死ぬまで性交ができない。膜が破れると同時に心臓も破れてしまうからね。HAHAHA。
逆説的に。性的興奮が御法度なら、下手くそ相手ならいいのか? という考え方もあるが、となると僕は童貞専門というすごいレッテルを貼られてしまう。それに童貞でテクニシャンだったらどうするんだ。
ま、冗談はさておき。この場合の問題は快楽ではなく、その結果。つまり子供だ。
僕の体力で妊娠、出産に耐えられるかどうか、がまずかなり怪しい。更に、僕自身があと数年で死ぬのというのに、子供に対して無責任でしかない。トドメに、僕自身の先天的疾患が遺伝しないとは限らない。
色々あるが、僕は子供を残せそうにない。
だからまあ、絵を描くのはその代償行為だ。いずれ消えるこの命を、形にしてこの世界に残したい。それは生物としてごく自然な欲求じゃないかな。
僕が死んだら、これらの絵は数少ない知人に配布してもらうよう、既に遺言状に書いてある。その中には榊君も柳沢君も優香君も晶君も含まれている。何しろ何時死ぬかわからない身だ、頻繁に書き換えないとね。
勝手に押しつけるわけだから、下手くそだと捨てられないよう、一枚一枚できるだけ上手に描いている。それでなくても、僕の人生を塗り込んでいるようなものだ。手など抜けるわけがない。
ま、ただのオナニーにならないように頑張るよ。

751:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:30:40 7GyXmKXk

僕の語りはこんなところだ。長々と退屈な話題ですまなかったね。
最後に、榊君と優香君のことでも話そうか。
榊君と付き合うつもりはない、と言ったのは本心だ。前述の通り、僕は子供を残せない。性交も無理だ。それなら、男女交際を行う理由がない。
それに僕はあと数年で死ぬ。そんなどうしようもないものを、榊君に突きつけるつもりはない。絶望を越えた時、人は自由になれる。だが、越えられなければ屍と化す。
とはいえ、優香君を応援するのかといえば。それもなんだかな、という気もする。
僕は近親相姦自体を否定するつもりはない。何しろ僕自身がその結果だ。自分自身を否定することになる。
問題は純粋に、果たしてそれで榊君が幸福になれるのか、ということだ。
どうも優香君には僕の母と同じ臭いがするんだよな。その願望だけじゃなく、高いスペックで事態をごり押しするところとか、相手の感情を実は全く思いやっていないところとか。
このまま行くと、父のようになんじゃこりゃーと終わりそうな気がしてならない。いや、父が不幸だったかといえばノーと言いたいけど、妙な悟りを開かなければ幸せとは言えないだろうなあ。
榊君には恋愛感情はないけれど、大事な後輩であることには変わりない。せめて卒業するまでは、面倒を見てあげたい気持ちはある。今まで気付かなかったけど、僕は過保護なタイプなのかもしれないな。
あと数年で死ぬからといって、無責任に投げ出したくはないんだ。
僕が死んでも彼等は生きていくし、僕が影響を与えたことは彼等の中で続いていく。
絵と同じだ。遺伝子ではないけれど、この世界に僕が残す生きた証の一つ。それなら、せめて良い影響でありたいよ。

死は不可避だが、僕はそれを恐れてはいない。
胸を張って、軽く笑って、命を好きに使えばいい。
自由な心さえあるのなら、世界はなんて美しい。
ふふん。


752:未来のあなたへ5.5
09/01/13 17:31:59 7GyXmKXk
以上です。
次の話ですが、5.6を入れて先輩キャラと兄キャラがいちゃつくスレチを無駄に続けるか。
さっさと本編6.0に進めてキモウト的展開への復帰を早めるか(6.0も大分先輩キャラ的な話)
どっちにするか悩んでます。


753:名無しさん@ピンキー
09/01/13 18:16:50 DBQyIuhx
GJ。
スレチなら、6,0進んじゃっていいんじゃないか?

754:名無しさん@ピンキー
09/01/13 18:25:26 9S/wHGrH
スレチか……しかし
賭ける(コール)

なんでかって? フフフ……
つまり、「キモウト」や「キモ姉」という力は、ビッグバンより先に存在していて、
全ての兄や弟は彼女らに導かれ、すでに保有されているからだよ。
しかし、これから先輩が 兄になにをしようと…決して…
…逆上して冷静さを失ってはいけないぞ…

755:名無しさん@ピンキー
09/01/13 19:25:50 F3cqqJyc
>>752
はー、先輩ってこういう人だったのね、惚れちまいそうです。
展開に関しては投下スピードとの兼ね合いによるのではないかと思います。5.6の後に間隔が
空きすぎるのなら、キモウト的展開が薄くなってアレだし、いっそのこと書きだめして間を空けずに投下
してみるとか。

756:名無しさん@ピンキー
09/01/13 19:29:47 dNk3IaxQ
>>743
結局男にプットオン
姉妹「これで元の鞘に……戻れるかぁ!!」

757:名無しさん@ピンキー
09/01/13 19:49:02 zUdDulz3
>>752
GJ
過去話で先輩がさらに可愛く見えてきた、特に20歳っていうのがツボだ

>宝くじで前後賞がまとめて当たるぐらいの確率だとか。
これにはちょっと期待してる

758:名無しさん@ピンキー
09/01/13 20:19:52 R+XWuM2p
>>752ーーーッ!
キミが次を書くまでGJをやめない!!
WRYYYYYYYY

759:名無しさん@ピンキー
09/01/13 20:20:44 8FV44M6Y
>>752
GJ
優香には幸せになってもらいたいんだけどなー
無理なのかなー

先輩の心臓にだけはならんでくれと願うばかりです

760:名無しさん@ピンキー
09/01/13 20:20:57 hPzR3FBg
>>752
GJ

先輩がただの好意→恋愛感情になる(気付く)のが楽しみ

761:名無しさん@ピンキー
09/01/13 20:26:08 A2rBI3vU
GJ
こういうのどっかで見た事あるな、何だっけ















走馬灯?

762:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:05:11 UilVZ9Jg
GJ

5.6が先輩とイチャイチャなら5.7でキモウトとイチャイチャすればバランス取れると思うんだ。

個人的にはキモウトが日常どうやって兄にアプローチしてるか読みたい。

763:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:18:59 lDXHaf6Y
先輩イラネ

764:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:17:28 F3cqqJyc
キモスレとしては、先輩の恋愛パートはいらないと言う意見はうなずける所もある。
でも個人的には先輩の恋愛しているとこともみたいんで、スピンオフで素直クールスレあたりで
先輩主人公でひとつ書いてみてくれないかなぁとか思う

765:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:30:15 f5gTUPVX
なんだよこのスレwwww
姉とか妹とか普通にありえないだろwwww

766:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:30:35 f5gTUPVX
t

767:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:31:21 f5gTUPVX
ごめんごめん(笑)
さっきのはうそだよ~
お姉ちゃんって最高だよね(笑)

768:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:36:19 ovxTY1Nw
>>752
GJ! 個人的には5.6は物凄く読みたい

769:名無しさん@ピンキー
09/01/13 22:57:32 9Pgh9Mu5
長編だし、キモウトの観察者である先輩のエピソードは入ってもいいんじゃないかな
というか個人的にすごく好きなキャラなので、ぜひおねがいします

770:名無しさん@ピンキー
09/01/13 23:14:12 wO0qph0Y
494kbまで来てるのに次スレなんで立てないの?

771:名無しさん@ピンキー
09/01/13 23:21:22 wO0qph0Y
次スレ
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part17
スレリンク(eroparo板)
このスレもギリギリで気づいて立てたのでニ連続で次スレ立てずにスレ落ちするとこでした。

772:名無しさん@ピンキー
09/01/13 23:42:01 H+bpnIQT
キモ分がないとおもったらまとめてtxtでうpするとか
別のスレでひそかに投下するとか工夫したほうがいいかもね

773:名無しさん@ピンキー
09/01/14 01:20:07 kLF69/V+
遅くなったがGJ
しかしまた偉大なる謀略家シスターが志半ばで倒れそうなオーラを感じるぜ

774:名無しさん@ピンキー
09/01/14 07:23:38 dBe8oY7O
おっつっつ
経絡秘孔吹いた

775:名無しさん@ピンキー
09/01/14 07:48:37 tEzZNr4I
先輩の話は是非とも見たい
だがスレ違い話はいらないという意見ももっともだ
ということで↓で投下してはくれまいか
スレリンク(eroparo板)

776:名無しさん@ピンキー
09/01/14 08:48:28 DsN6/Lpg
別にキモウト分が足りなくてもこのスレに投下するべき。

読みたくない人はとばせばいいだけだし。

777:名無しさん@ピンキー
09/01/14 10:43:09 roP1JY1d
その一話にキモウト分が足りなくてもキモウトSSの話の一部な訳だしね

778:名無しさん@ピンキー
09/01/14 10:53:53 139TfjDJ
それにこの先輩は優秀なキモウト観察者だ
こういう視点は面白い

779:名無しさん@ピンキー
09/01/14 15:21:08 guZ+K5wT
長編なんだから、それぞれのキャラへの肉付け的にそういうのは欲しいところ。メインはキモ姉妹だけど、他の登場者(特にライバル)の背景は、個人的に話を面白くすると思う。

780:名無しさん@ピンキー
09/01/14 15:45:25 7P9MDFVT
同意
1話がスレチであってもキモウトSSの一部なことには変わりないし、キャラの個性がでてきていいと思う
ただやっぱり5.6と6.0の間隔をあけるとキモウト分が薄くなるから、5.6を載せるなら書きだめして間隔をあけずに両方のせてほしい


てか5.6がよみたい

781:未来のあなたへ
09/01/14 20:49:17 PKjfu72l
意見どうもありがとうございました。
ではしばらく書き溜めてから投下します。

782:名無しさん@ピンキー
09/01/14 21:14:55 pOISKE1Q
駄目だ! 書きためられたら、こちとら欠乏病を起こして死んでしまう!

783:名無しさん@ピンキー
09/01/14 21:58:30 roP1JY1d
>>781
期待してます。

784:名無しさん@ピンキー
09/01/14 22:50:29 kLF69/V+
>>782…キモウト欠乏症にかかって…

785:名無しさん@ピンキー
09/01/14 23:33:10 JGBVWx5o
押してもダメなら引いてみる。
この戦術を使うキモウトを読んでみたい

786:名無しさん@ピンキー
09/01/15 01:01:52 BS10iA69
たまにはキモウトの想いが成就するSSがあってもいいと思うんだ

ねぇ、おにいちゃんもそう思うよね?

787:名無しさん@ピンキー
09/01/15 01:27:30 bCkLuUJW
そうかぁ?
妹の兄に対する想いが実るって…ありえないだろ
でもお前が普通の妹で本当に良かっ…どうしたんだよそんなにびっくりした顔して
俺はもう寝るからな
お前も早く寝るんだぞ

788:名無しさん@ピンキー
09/01/15 15:16:40 QxyhbHy9
インフルエンザの熱で脳がオーバーヒートする中
「血縁が無いからこそ成立するキモウト」という、わけのわからないテーマが浮かぶ。
18歳の誕生日を迎えたその日から、ありとあらゆる手段を使って婚姻届に署名
させようするキモウト…いまひとつじゃ。
皆様も御身大切に。

789:名無しさん@ピンキー
09/01/15 15:31:36 vvmRITjV
 7時~15時までの8時間。
 15時~23時までの8時間。
 23時~7時までの8時間。
 『中身は』その三交替で順次ループし、
 『二つの身体は』毎日24時に順次移り変わってループする。
 表に出る人格は、8時間ごとに兄と妹で切り替わり、
身体は24時を迎えると、らんま1/2みたいに男と女で切り替わる。
みたいなのを思い付いた。
兄は幼馴染みが好きで、妹は兄が好き。
そんで妹は、男の身体から女の身体に切り替わるギリギリでオナニーして、
射精すると同時に女の身体へ。
その後に、精液の着いた手でオナニーして妊娠しようとする……みたいなの。

誰か書いてくれんかな。

790:名無しさん@ピンキー
09/01/15 16:43:51 QxyhbHy9
また複雑な設定を。中身と体の入れ替わりが別周期ってのは描写が…

791:名無しさん@ピンキー
09/01/15 19:35:04 BS10iA69
>>789
Remember11か

792:名無しさん@ピンキー
09/01/16 00:38:57 vCSzjflK
>>788
やあ、俺は風間信。飛行学校に通っている学生さ!
今は同じ飛行学校に通ってる、孤児院時代から妹みたいな存在だった神崎佐鳥と一緒に飲みにいってるんだ!

「やば……ねむ………」
「お兄ちゃん、起きてよ!起きてこれにサインしてよ!」
「サイン?……どこにだよ、したら寝かせてくれるのか」
「ホラ、ここだよ。外泊許可なんだからしっかり書いてね」
「外泊用紙ってこんな色だったかねぇ………酔ってんのか?……と、これでいいかねぇ……ZZZ」
「お兄ちゃん、ありがとうね♪」


「ん……もう朝か?……頭痛い……」
「おはよう、あ・な・た」
「ああ、佐鳥。おはよう………あなた?」


酒で酔い潰されてサインした書類で傭兵部隊に飛ばされたヤツもいるんだ。酒で酔い潰させて適当な事言えば書くと思うぞ。

793:名無しさん@ピンキー
09/01/16 02:45:33 tfEnhBSp
埋めようか

794:名無しさん@ピンキー
09/01/16 02:57:35 uDiHKlya
>>792
黒髪ロングで某国王女の生徒会長がいるんですね
わかります

795:名無しさん@ピンキー
09/01/16 10:07:21 EtHUZMvW
埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め埋め
埋め埋め埋め埋め埋めうめうめうめうめうめうめうめうめうめうめ
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