キモ姉&キモウト小説を書こう!Part16at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part16 - 暇つぶし2ch250:名無しさん@ピンキー
08/12/17 11:52:38 PiKhISTR
>>249、250 レスサンクス。冒頭じゃなく冒涜でした、スマン。
ちなみにプラス思考な妹で、兄とエロいことが出来たら神に感謝するって設定。

雑談再開。

251:名無しさん@ピンキー
08/12/17 12:16:17 Hc/Mv0xE
あれ?確かキリスト教って、近親は認めてるけど浮気は認めないんじゃなかったけ?

252:名無しさん@ピンキー
08/12/17 14:36:16 PvEZ/9hd
巨乳の妹の作品がないのはどういうことなんだ

253:名無しさん@ピンキー
08/12/17 14:46:30 GEqL5e5f
>>251
キリスト教といってもいろいろだが、歴史的にカソリックの場合、結婚を司るのは教会なので
基本的にはローマ法王庁がどこまでの関係で結婚していいのか許可を出してた

で、これが変更されるときはたいがい政治的な理由だったりする
このルールをコントロールすることで、特定の王族同士の結婚を認めたり認めなかったりして、
法王庁がカソリック諸国の政治に影響力を保持する手段の1つにしてたわけだ

254:名無しさん@ピンキー
08/12/17 15:59:00 Ac6IT+eS
いつもよくわかからないのは、なぜ教会が政治的影響力を欲したか、なんだけどね。
なんとなくわかるけど、つきつめるとよくわからん。
カトリックは「精神的近新婚」とかで事実上の離婚を認めていたらしい。
そこで質問だが、今の日本で、×1奥さんの連れ子は当然に新しい夫の子になるの?
法律を知ってる人教えてください。


255:名無しさん@ピンキー
08/12/17 17:17:02 m5TlNCgq
>>247
宗教ネタはヤバいと思うなら濁しておくのも一つの手段じゃないか
『ねずみの国』、『夢の国』みたいに
近年声優が代わった国民的アイドルも絵だと一発アウトだけど、文章だと明言しない限り訴えにくいらしいから

256:名無しさん@ピンキー
08/12/17 17:55:54 bedcAViY
>>254
なりません。連れ子とは別途養子縁組しない限り親子関係は発生しません。
連れ子系義姉妹は獲物を引きずって最寄の市役所婚姻届窓口にGo!

257:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:18:33 54ppfNGf
うぜえ

258:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:19:40 RJqMknsH
目の前には澄み渡った空。
眼下には金色の砂の海。
高度8000m、私の得物にして約束された棺、武器商人がウクライナ経由で格安で手に入れたSu-27が蒼空を駆ける。
「マコト!私の獲物に手を出さないでね!」
レシーバーから入ったのは隣を飛ぶF-14のミキの声だ。
「MiGにミキの名前が書いてあればとって置くわ」
「そっちこそ、自分の稼ぎまで盗られても知らないわよ」
と、早速レーダーに反応がきた。
機体はいつもの反政府軍のMiG、カモだ。
私は機体を下降させて相手の死角に潜り込む。対してミキは一気に加速をかけた。
「FOX2!」
ミキが叫ぶ。何秒かして、静かだった空に赤い花が咲いた。
MiG編隊はいきなりの襲撃にあわてふためき、編隊も崩れはじめてきている。
私は編隊から少し離れかけたMiGに死角を生かしながら接近する。
MiGがやっとこちらに気付いた時には、最早そいつはこちらの機銃射程内だ。
「本当に鈍いわね……まあいいわ」
私は機銃ボタンを指で軽く押してやる。
ヴォォォン、と重い唸り。そして次の瞬間、爆散するMiG。
これで1機。
もう少し、あともう少しだ。

あと少しで最愛のあの人のいる日本に帰れる。


「待っててね、お兄ちゃん」

私をこの場所に追いやったあの雌犬をぶち殺して、最愛の兄と身も心も血も繋がったつがいになるためにも。
私は一人でも多く殺すだけだ。



ここは中東……作戦地区名エリア83(病み)……

最前線中の最前線!地獄の激戦区エリア83!!

生きて滑走路を踏める運は全てアラーの神まかせ!!

私達は神さまと手をきって、地獄の悪魔と手をとった……百戦錬磨のキモ姉妹!!

259:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:43:01 RJqMknsH
と、ドキッ!キモ姉・キモウトだらけのエリア88を想像してみた。

従姉妹の策略によって傭兵部隊に送られ、日本に帰ろうと一人でも多く敵を殺す日本生まれのキモウト
敵側にいるパパを無理矢理奪って自分の愛で埋めつくそうとするでこっぱち指揮官
弟にまとわりつく泥棒猫を殺しまくって、自分と弟とは済む世界が違いすぎると弟を忘れるべく戦場に身を投じたメリケンキモ姉。
その他いろいろな病んだ娘たちがそれぞれの想い人への愛を叫び、子宮をうずかせながら空戦を繰り広げる……


やばい。読みたい

260:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:44:19 3uT4slbb
妄想が暴走とな

261:名無しさん@ピンキー
08/12/17 23:29:40 EUEnn7QM
次はエースコンバットキモ姉妹だw

262:名無しさん@ピンキー
08/12/17 23:58:10 Nj1IFwC2
>>259
退役してやっと愛する兄と過ごす日が来るんだ、って空港に行った妹が
通りすがりのひったくりに刺されちゃうよー

263:名無しさん@ピンキー
08/12/18 00:02:36 zn496/PK
>>238のss読んでて思ったんだけど、姉が上京するのヤダって言ったとき
弟に泣いてすがってきて、そのあと弟が拒絶した時に弟がはじめて姉の涙を
見たって言ってたけど、やっぱりキモ姉キモウトとなると泣いても涙を
出さないこともできんのかな?


264:名無しさん@ピンキー
08/12/18 02:02:23 Kai+a4n3
聖母マリア様に似てる女性のヌードを本に乗っけただけで反発する国があるらしいが
ここはそんなことねぇよな

265:名無しさん@ピンキー
08/12/18 03:32:52 p22B8l7P
>>263
鳴いたんだって

266:名無しさん@ピンキー
08/12/18 20:18:56 /UK5uhla
キモウトに愛の鉄槌を下されたい

267:名無しさん@ピンキー
08/12/18 20:35:19 TO2aRMXL
そういう技術はキモ耐性がある兄弟のほうができそうだがね


268:名無しさん@ピンキー
08/12/18 20:52:40 SVRqPFQL
アイーダってこのスレにぴったりなんじゃ。転生させて云々
女→男→仲良くあの世行き←女

既出かな

269:フライングですが
08/12/18 23:02:22 D8CxRh7A
 気付けば、”その日”を迎えるのに10日を切っていた。

 12月24日、クリスマスイヴ
 そして、私が生まれた日…。

 誕生日とクリスマスが一緒だった事が、昔は本当に嫌だった。
 クリスマスも誕生日もどちらもついでになるこの日に生まれた事を、何度恨んだか分からない。

 でも、今年は違う。
 今年には、クリスマスと誕生日の二つが揃った最高のプレゼントが、私にあるんだ。

 言ったよね、兄さん。
 今年はお前が望むプレゼントを上げるって、
 クリスマスと誕生日、両方を満たせるプレゼントをくれるって。

 分かってるよね、兄さん、それが何なのかを。
 もし分かってなかったとしたら、
 それでも良いよ、
 私が貰いに行くだけだから。

 最高の日に最高のプレゼント…

 待ってるよ、兄さん

 その日が私と兄さんの始まりの日になる事を。


270:名無しさん@ピンキー
08/12/19 01:33:31 Z+1kOOIQ
流石に兄が幼女にキスされて嫉妬狂うキモウトはいないだろう
もしそれで幼女を殺すようなら、そんなのキモウトじゃなくて…キミョウトだよ!

271:名無しさん@ピンキー
08/12/19 01:46:26 u+4o1Nfa
>>270
将来の禍根を断つのは当たり前

272:名無しさん@ピンキー
08/12/19 02:24:47 R3wo8ffk
>>270
つまり年の離れた幼女キモウトが姉の目を盗んでお兄ちゃんを横取りですね
相手が幼女なら兄も甘ガードが緩むだろうし、幼女の特権で兄にキスしたりベタベタ甘えたりもできる
・・・やっぱ姉に邪魔されそうじゃね?

273:名無しさん@ピンキー
08/12/19 03:14:19 C3zgQuwf
キモウト大明神

274:名無しさん@ピンキー
08/12/19 05:35:54 2/2blhUb
>>270
おまえ、それではキモウト補ですら落ちるぞ
もっと勉強せな、あかんな

275:名無しさん@ピンキー
08/12/19 07:31:47 XvCtnY99
>>269
むしろ誕生日ぐらい一緒に祝って攻撃できる

276:名無しさん@ピンキー
08/12/19 09:52:09 axI37K8j
キモイのは歓迎するんだが、キチ○イは困るんだなーチョットさ

277:名無しさん@ピンキー
08/12/19 13:08:26 pdUSFd5F
要求レベルが高すぎてそれスレスレじゃないとダメになってきてるんですがw

278:名無しさん@ピンキー
08/12/19 13:30:06 hT8GS8BB
>>261
ナイスバディなフランカー姉さんと小柄なロリッ娘ファルクラム姉さんが力を合わせて可愛い弟のベルクート君を守り抜く感動秘話

まで思い浮かんだが、ラプターを敵に回すと勝負にならなさそうなので却下だな

279:名無しさん@ピンキー
08/12/19 14:10:42 z/gRh9cL
なぁに、ロシア生まれのキモ姉妹には射程300キロ以上の味噌がある

280:名無しさん@ピンキー
08/12/19 16:31:21 cCJrbIiP
>>270
確か幼女キモウトのssが短編であったはず。確かクラナドみたいなキャラが使われてるの

281:名無しさん@ピンキー
08/12/19 16:35:17 cCJrbIiP
・・・い、一応言っとくが、作者じゃないぞ。本当だぞ!?

282:名無しさん@ピンキー
08/12/19 16:53:20 NIIiAmLj
なんか可愛いぞ。作者本人のほうがむしろ萌え

283:名無しさん@ピンキー
08/12/19 18:59:08 UcLfLpR4
ジョジョネタで書いてもいいんかね? 荒れる?

284:名無しさん@ピンキー
08/12/19 19:00:16 QpY9uy2Z
>>261

Pixy《このV2で私達の愛を阻む全てをゼロに戻して、私達は晴れて永遠に結ばれるの。素敵でしょ、弟くん》

PJ《うるさい!お姉ちゃんにお兄ちゃんは渡さないんだからぁっ!今ここで死ねやぁぁぁぁっっ!!》


二機のモルガンが円卓で殺しあいを演ずるなか、『円卓の鬼神』のイーグルは恐ろしくなったのかさっさと逃げたと言う。
彼の消息はそこで絶たれ、今も彼は逃げているらしい。


ちなみに、彼の最後の言葉は「MiG-31でこればよかった……」らしい。

285:やぶ
08/12/19 19:49:13 OKiGyU6L
『姉と僕の1』

 昼寝中にふと目が覚めた。
「あれ?」
 身体が動かない。いわゆる金縛り、というやつだ。
 とりあえず首から上は動かせるので、辺りを見回してみる。
「えーと。なにやってんだ、姉貴?」
 金縛りではなかった。姉が一生懸命、俺をロープで縛り上げていた。
「あらっ?起きるの早いわよ。ちょっと待ってて、もうすぐ終わるから」
「ん、わかった」
 そう返事をすると俺はまた心地良い眠りの世界へと…。
「行けるかーっ!なにやってんだ姉貴っ!?」
 抗議をしようとしたが、すでに自由は奪われているわけで。
「んしょっ!おーわった♪」
 俺の抗議などどこ吹く風。姉はにんまりと笑みを浮かべ、勝ち誇った表情で俺を見下ろす。
「んっふっふ。教えて欲しい?」
「まあ、一応は…」
 なんかどーせろくでもないことを聞かされて、後悔するんだろうが。
「聞いて驚け!題して『生意気な弟を再教育しちゃうよ計画』発動なのよ!」
 ほら、後悔した。
「で?」
「で、っていうな!だいたいあんた姉に対する口の聞き方がなってないのよ!おまけに、勝手にいつの間に
か巨大化しちゃうし!」
 えーと、俺は背の順で列ぶと相変わらず前の方な訳で。
「いや、姉貴の背が伸びてないだげふぅっ!」
 姉貴のニーソに包まれた足先がえぐるように腹を貫く。
「ゆーてはならんことを。よほど死にたいようね?」
「ゴメ、悪かった!」
 実はたいして痛くないが、この場合そうした方が早く飽きるので下手にでる。
「んっふっふ、分かればよろしい。さてと、えーと、どうしよう?」
「考えてねーのかよ!?ガキか!」
 とりあえず俺を縛る、というところまでしか考えていなかったのだろう。
「ガ、ガキとはなによ!ガキとは!?私のいったいどこがガキだってゆーのよ!?」
「全体的に!」
 姉は身長が小学4年生の平均と一緒で体つきも同等、おまけに童顔なうえこの性格なので、何と言うか、
お子様のオーラを発しているのだ。姉は高校生だが、はっきりいって10人中10人が中坊の俺の妹と間違
える。特に今日は服装も子供っぽい。てか、高校生にもなってクマさんパンツはやめとけ。ベッドに縛り付
けられてる俺を平気で跨ぐから、スカートの中がよく見える。色気というものが皆無なので、全然嬉しくな
いが。
「特に今日の服装はどっからどーみてもガキ」
 とりあえずパンツのことは伏せて服装を指摘してみた。
「今日は映画見に行ったからよ!」
 あー、姉貴、普通にお子様料金で済むもんな。
「って、お子様料金で済ましてる時点でガキじゃん!」
「うっ!?」
 痛いところを突かれたらしく一瞬言葉に詰まる姉。が、すぐににんまりと不敵な笑みを浮かべる。
「ふふ、そんなことを言ってられるのも今のうちよ。あんたが早く目覚めるから忘れてたけど、弟再教育計
画のために大人のアイテム買ってきたんだから!」
 お、大人のアイテム?なんか、そういうもの買ってきたことを誇らしげに言う時点でガキと言わないか?

286:やぶ
08/12/19 19:52:06 OKiGyU6L
『姉と僕の2』

「ちょっと着替えるからあんた目をつむってなさい!」
 へいへい。とりあえず素直に目をつむると、ガサゴソと紙袋をまさぐる音が響く。
「ちょ、何よコレ?XSなのにダブついちゃう。仕方ない、念のため買ってきた膝下までの方を…。ってなん
で太腿まで来ちゃうのよ!?」
 やばい、すごい見たい。そーっと目を開けると、本来膝下丈のストッキングタイプのソックスをダブつか
ないよう一生懸命に合わせている姉がいた。
「ちょ、あんた何見てんのよ!」
 かなり恥ずかしいらしく、顔を真っ赤にして怒る姉。だったらちゃんと自分の部屋で着替えてこいよ。

URLリンク(imepita.jp)

 俺の顔の上に布団を被せ、着替えを再開する。
「うーっ、ガーターベルトも落ちちゃうーっ。しくしく、高かったのにー」
 大人用のXSだとサイズが大きいのだろう。お子様体形のずん胴腹のせい、という真実はさすがにかわいそ
うで言えない。
「いいや、ソックタッチで固定しちゃえば。よっと」
 布団が引きはがされると氷の微笑よろしくストッキングを強調するように脚を組んで椅子に座っていた。
 学習机の椅子、というのが姉らしくて笑えるが。
「ちょ、なに笑ってるのよ!」
 大人っぽい自分を見てドキマギする弟、というのを期待していたのか、抗議の声をあげる姉。
「いやだってソレ、太腿までの丈じゃなくてほんとは膝下丈なんでしょ?」
「き、聞いてたの!?…わ、笑うなぁーっ!」
 ニヤつく俺の顔を、そのストッキングに包まれた足先でフニフニと踏み付ける。椅子に座ったままなので
体重がかからず、全く痛くない。それどころかマッサージを受けてるようで心地良いくらいだ。
 が、顔に足を乗せられるのはさすがに腹が立つので、口の近くに来たときにぱくっと噛み付く。
「いたぁっ!ちょっと離してよ!」
 姉の小さな足先は俺の口にすっぽりはまり込み、そこから引き抜こうとして自由な方の足でポカポカと蹴
りつける。相変わらず痛くないのだが。
「あ、ちょ、ふぁ!?ん、んぁ、や、そんなとこ舐め、やぁんっ!」
 俺は捕まえた足先を舌でくすぐってやる。案の定極端にくすぐったがりの姉は蹴るのをやめ、むず痒さに
身を悶えさせる。
「ちょ、お願いやめ、ふぁあっ!」
 顔を真っ赤にし身もだえる姉は、その手の趣味がある人からみれば絶大な破壊力を有しているかもしれない。
 調子に乗って足の指をストッキング越しに舐めまわしていると、不意に大きくぶるぶると身体を震わせ、押し殺した悲鳴をあげた。
 びっくりして思わず足を離したが、姉はそれに気付かず身体をわななかせ続ける。
 しばらくすると、しくしくと泣き始める姉。
「ご、ごめん、やり過ぎた」
 さすがに気まずくなって謝る俺。だが、イヤイヤをするように首を振り、顔を伏せる。
 うぁー、やっちゃった。こうなると長いんだよな。「…されちゃった…」
 姉がぼそりと呟く。
「え?ごめん、よく聞こえなかった」
 俺が聞き返すと、涙でぐしょぐしょになった顔をあげる。その顔はどこかボンヤリしていた。
「弟に、イかされちゃった…」
え?
 最初なんのことかわからなかった。が、意味を理解したとたん、カッと頭に血が上る。
「ふぇぇ。これじゃ、たまってるって言われても言い返せないよぉ。うぇぇ…!」

287:やぶ
08/12/19 20:01:06 OKiGyU6L
『姉と僕の3』

 や、やばい、本格的に泣き出す!一瞬でクールダウンすると、姉の機嫌を直すべく紫色の脳細胞をフル活
動させる。
 が、緊急事態過ぎて何も思い付かない。
「あれ?」
 どうしようか悩んでいると、姉が不意に素っ頓狂な声を出した。
「な、なに?」
 俺が恐る恐る声をあげると、姉は泣き顔のままにんまりと笑みを浮かべた。
「なーんだ、あんたこそたまってるんじゃない!」
へ?
 ニヤつく姉の目線にそって下を見ると、俺の股間のところに大きな膨らみが。「あ、いや、これはその、ちょっと」

 クールダウンし過ぎて血が全部下半身にいってしまった、とか苦しい言い訳を考えてみる。
「ふふ、私がイってるとこ見て興奮しちゃったんだ。あんなとこ舐めるし、お姉ちゃんのこと辱めるし、あ
んたってば変態?」
 さっきまでの泣き顔はどこにいったのか、新しいおもちゃを見つけた子供のように、生き生きとした表情
になる姉。
「ほらほら、何か言い返してみなさいよ」
 椅子に座ったまま、俺のジュニアをズボン越しにグニグニと足で踏み付ける。
「ちょ、姉貴、まって」
「なーに?ふふ、もどかしい?直接触って欲しいの?そうよね、だってあんた変態さんだもんね」
 そういうと器用に両足の指でズボンのチャックを下ろす。
 Gパンの下は何も履かない主義なので、その途端俺の息子がどーんと飛び出す。
「お、大きいじゃない。弟のくせに生意気よ」
 そうなのか?たぶん人並みなはずだけど?
「ふ、ふふん、急所をなぶられて喜ぶんだから、男ってみんなマゾよね」
 ストッキングに包まれた足がグニグニと俺の息子を蹂躙する。
「びくびくしてる…」
 興奮して顔を真っ赤にした姉は、やばいぐらい可愛いくて。
「もっと恥ずかしい目にあわせちゃうんだから!」
 いきり立った息子の上で口をグニグニ動かし、たっぷりためた唾液をとろーっ、と垂らす。
 姉貴、それ凄くやらしいです…。
「うっわ最低!こんなことされてるのにビンビン!」
 これで興奮しなかったらインポだって。
 にっちゃにっちゃという卑猥な音をさせながら、姉の足の動きが速まる。
「くっ…!」
 あと1擦りでイく。そんなぎりぎりのところで足の動きが止まった。ちょ、そこで止めるか!?
「ねぇ…。」
 鼻にかかったような、上ずった声。
「しちゃお…、っか?」
そういって俺を見つめる顔は、今まで見たこともないエロい表情なわけで。
「だ、駄目だよ。俺達きょうだ、うぷ!?」
 思い止めさせようと開いた口が姉の柔らかな唇にふさがれ。
 ぬちゃ、ぬちゃっ、といやらしい音をたてる。
「んっ!?」
 口内に姉の唾液が流し込まれる。それはとても甘くて切なくて。俺は夢中で吸い上げ、お代わりを急かすように舌を突き入れる。
 侵入してきた俺の舌を、姉の小さな舌先が躊躇いがちにつんつんと突く。
 我慢出来ずに絡めとると、あふっ、と熱い吐息が漏れた。
「お尻でするから。ね、それならいいでしょ?おもちゃでいっぱい練習したから、たぶん大丈夫だよ」
 お、お尻!?初めてがお尻っていうのは…。しかし、かといって血の繋がった姉弟で万が一子供が出来たことを考えると。
「お願い、我慢出来ないの…」
 涙をいっぱい浮かべた瞳で、俺にすがるような目。俺の理性は簡単にふっとんだ。

288:やぶ
08/12/19 20:04:49 OKiGyU6L
『姉と僕のラスト』

「うっ!んぁっ!くぁぁ…!」
 普段からは想像もつかないような甘い声。その声だけでイってしまいそうになる。
 本来排泄物を出すだけの矮小な穴。そこにローションをたっぷりと塗した剛直がぐっちゃぐっちゃと卑猥
な音をたてて掻き回す。
「おねが…、もうやめっ、うぁ!」
 何度白い液体を吐き出しただろう。もうぐったりしているというのに、私の欲望は全然収まらない。



「ほらほら何休んでるのよ!?お尻犯されながらチンチンしごかれるの、気持ちいいんでしょ!?」
「お、俺が掘られる方だなんて聞いてな…、うぁあん!」
 まるで女の子のような声をあげ、びくびくと身体を震わせる可愛い弟。
 小遣いをはたいて買ったかいがあるというものだ。私の股間からは巨大な双頭バイブがそそり立ち、片方
はもちろん私のアソコ、もう一方は弟の可愛いらしいアナルに突き立てられている。
「ほーら、チンチンシュッシュッ♪」
 激しく腰を振りながらチンチンをしごく。
「あと何回イけるかしらねー♪」
「アッー!」
 またも悲鳴をあげ、おチンチンから赤ちゃんの元をほとばしらせる弟。
 うふふ。これってクセになりそう♪

289:名無しさん@ピンキー
08/12/19 21:12:15 OWLO/rOK
>>288
えぐい……でも、こういうの大好きです。

290:名無しさん@ピンキー
08/12/20 03:25:28 3W2VMt8o
>>288
『お姉ちゃんに足を舐めさせられたい』とか書こうと思ったら先にもっと上質なのを書かれた
こうなったら俺と結婚してくれないか……?

291:名無しさん@ピンキー
08/12/20 05:02:57 qqrNPySK
うぜえ

292:名無しさん@ピンキー
08/12/20 10:06:08 YPS1ti1J
投下します。

293:傷 (その8)
08/12/20 10:07:28 YPS1ti1J

「弥生さん、少し、いいですか?」

 放課後、教室を出て廊下を歩いていた弥生が振り返ると、長瀬透子がそこにいた。
 もっとも、確認するまでもなく、背後から聞こえる、あけっぴろげな足音から、自分を追ってきた者の見当は付いてはいたのだが。
「あら生徒会長……どうしたの一体?」
 だが、まあ、弥生はさあらぬ態を装い、あどけなく笑った。

「会長呼ばわりは勘弁して下さいよ……先代生徒会長閣下」

 そう言って長瀬は苦笑いした。
 なにせ弥生は、抜群の指導力と企画力で、臨海学校・体育祭・文化祭・球技大会・修学旅行とあらゆるイベントに口を出し、任期中の学園の日常に空前の盛り上がりを演出して見せた元カリスマ生徒会長である。
 いかに長瀬が当代の生徒会執行部を率いているといえど、弥生の前では口の悪いタダの後輩に戻らざるを得ない。かつて弥生の下で生徒会副会長を務めていた長瀬は、弥生のことを心から尊敬しているからだ。

「で、用件は何なの、とーこ? 私これから図書館で勉強しようと思ってたんだけど」
 そう言われて長瀬は、少し奥歯に物が挟まったような顔をしたが、何かをごまかすように乾いた笑いを浮かべると、
「あ、その……とりあえず、ちょっと生徒会室までいいですか? 立ち話では、ちょっとアレですので」
 と言って、弥生の返事も聞かずに振り返り、ずんずんと歩き始めた。
 いかにも傲岸不遜・唯我独尊で鳴らした長瀬透子らしい言動であるが、実は、そうではない。余人ならば知らず、弥生相手に長瀬が、こんな失礼な真似をする事はめったにない。もし例外があるとすれば、よほど長瀬が照れている時か、困っている時くらいなのだ。

(存外、遅かったわね。もっと早く来ると思ってたんだけど)
 無論、弥生には、長瀬の用件とやらの見当は付いている。おそらく、ほぼ100%近い確率で、冬馬の話をする気であろう。―むしろ弥生は、長瀬が声を掛けてくるのを待っていたとも言える。

 弥生は、長瀬が冬馬にフラれた事実も知っているし、執拗に拒絶の理由を追求する長瀬に、冬馬が姉の自分の名を出したことも知っている。そして彼が、弥生の名を出したことを、永遠の秘密としてくれと長瀬に頼んだ事も。
 しかし、弥生に個人的な縁を持つ長瀬としては、やはり黙ってはいられないのであろう。
 可能な限り、彼の“禁じられた恋”に干渉し、その成就のために世話を焼くつもりに違いない。
 弥生としては、そんな長瀬のお節介がくすぐったくもあるし、後輩として可愛くも思うのだが、それでもやはり困惑せざるを得ない。
 冬馬が長瀬の告白を拒絶する口実として出した自分の名。そこに果たして、どれほどの真実が込められているのか、現段階では、まだまだ未知数であったからだ。
 
 弥生は冬馬を愛している。
 家族の一員である弟としてではなく、純粋に、そこにいる一人の男としてだ。
 だから、彼の言葉が嬉しくないと言えば、嘘になる。
 しかし、冬馬という少年が、普段のあっけらかんとした態度とは裏腹に、その内面はかなり食えない人間である事を弥生は知っている。
 彼は嘘つきではない。
 だが、それは嘘が不得手だという意味ではない。必要とあらば、冬馬は他人にも自分にも平然と嘘をつける男である。こういう言い方は哀しいが、そんな冬馬が吐いた言葉を、簡単に信用するわけにはいかなかった。


 生徒会室。
 かつて生徒会長であった弥生が、その辣腕を校内に振るう司令室として存在した空間。
 そこに存在する、これ見よがしに豪華なアンティークが目を引く。数人がけのフカフカのソファと彫刻を施したテーブル。一見しただけで値打ち物とわかる逸品だが、これらはみな、弥生が会長だった時代に自費で購入したものだ。
 現会長が直々に淹れた紅茶を、そのソファに座った前会長が、形のいい鼻を鳴らして香りを楽しむ。
「へえ……」
 一口、軽く口に含む。
 おいしい。
 湯温、茶葉の量、ともに申し分ない。


294:傷 (その8)
08/12/20 10:09:19 YPS1ti1J

「少しは上達したじゃない、とーこ。おいしいわよ」
「でも、あたしが直々に紅茶なんか淹れてあげる相手は、弥生さんだけですよ?」
「貴女自身と、でしょ?」
 そう言われて、長瀬は一瞬、棒を呑んだような顔になり、たははと笑う。
 生徒会時代、副会長だった長瀬に、紅茶の旨さと美味しい淹れ方を教えたのは弥生自身であった。その長瀬が、こんなに紅茶の淹れ方が上達しているということは、誰よりも彼女自身が紅茶の味の魅力に取り付かれたからだろう。

「相変わらず、何でもお見通しなんですね」
 呆れたように長瀬は頭を掻き、そんな彼女に、弥生はにっこりと笑う。
 弥生が生徒会を引退するまで、よく二人はこうしてティータイムを楽しんだものだ。
 かつて学園No.1百合カップルと噂されたのは、ダテではない。彼女たち二人に同性愛の事実はあくまで存在しなかったが、柊木弥生と長瀬透子という美女たちが、こうして一時を過ごしている空間は、まるで一幅の絵画のように、余人の入り込む隙をまったく感じさせない。
 弥生自身はまるでその気がなかったが、実は、そんな自分に性別を超えた憧れを長瀬が抱いていたことも、弥生は見抜いていた。長瀬ほどに我の強い少女が、冬馬に興味を持ったのは、なによりも“弥生の弟”という要因が強く働いているからであろう。弥生には、それが分かる。

(私の代償として冬馬くんに目をつけるなんて、……身の程知らずもいいところね)
 そう思っても、弥生はそんな長瀬を小面憎くは思わない。
 やはり弥生にとっても長瀬は―葉月ほどではないが―それでも損得抜きに可愛気を感じることができる、貴重な存在だったからだ。
 だが、冬馬に手を出そうとしたことだけは、あまりいただけない。
 しかもそれが、男性としての冬馬自身に魅力を覚えたからではなく、あくまで「弥生の実弟である」という事実が根底にあるような好意ならば尚更だ。自分の愛した男に、他の女の目が注がれるのも面白くないが、その男を軽く見られるというのは、さらに不愉快だ。

(でも、それも……とーこなら仕方ないか)
 あとは考え方次第だ。
 その手の好意ならば、一度感情面での決着がついてしまえば、たとえフラれても後にしこりを残さない。長瀬は後腐れなく冬馬のことを忘れてくれるであろう。
 ならば、彼女の存在は利用できる。
(いや、利用できるできないの話じゃないわ)
 せっかく自分と弟のために、お節介を焼いてくれる気になっているのだ。それを分かっていて無下に扱うバカはいない。長瀬には思う存分キューピッドになってもらおう。

「弥生さんは、ずっと彼氏とか作らないですよね」

―きた。
 おずおずと口を開いた長瀬に弥生は、何故そんなことを訊くのかという表情を見せる。
「その……やっぱり心に決めた男とかいるんですか?」
「私は受験生よ。そんな暇があると思って?」
「でも、弥生さんは、ほら、受験が忙しくなる前からオトコなんかに目もくれなかったじゃないですか? やっぱりそれって……?」

 何気ない会話を装いながらも、ちらちらとこちらに向ける瞳に込められた熱は、まぎれもなく長瀬の言葉が真剣なものである事を物語っている。その、あまりの大根役者ぶりに、弥生は失笑しそうになるのを懸命にこらえながら、うつむいた。
 笑っている場合ではない。楽しんでいる場合ではない。
 これから会話の主導権を奪い、気付かせぬまま、長瀬の心理を操作せねばならないのだ。
 会話という情報操作によって、相手の心理を巧妙に誘導し、己の意図を、それと気付かせずに相手に刷り込ませ、その行動をコントロールする。―こう説明すれば、心理学的な超絶技術に聞こえなくもないが、しかし、弥生にとってはそれほどの難事ではない。
(でも、それが本当にベスト……?)

 無論、問題もある。
 長瀬はかなり非常識な人間だ。
 彼女の思考パターンを完璧に把握しない限り、その意思を誘導したつもりでも、長瀬が弥生の想定外の行動を取る可能性は非常に高い。そして、弥生は二年の付き合いなれど、長瀬の考え方を完全に理解しているとは、とても言えなかった。
 だからこそ弥生は、そういう長瀬を面白がっていたと言えなくもないが、この場合は少し話が違う。
 ならば、どうすればいい?
(仕方ないわね)


295:傷 (その8)
08/12/20 10:10:27 YPS1ti1J

「―いたわ。好きな男なら、確かにね」
「いた? 過去形ですか?」
「あきらめたのよ」
「あきらめたって……弥生さんなら、男なんて選り取りみどりでしょう?」
「ただの男なら、ね」

 そのとき、長瀬は凍りついた。
 成績はいいが、弥生と違って彼女は人間の心の機微にうとい。長瀬独特の尊大さや突拍子のなさはそれゆえなのだが、いくら何でも、ここまで話を誘導してやれば分かるはずだ。
「まさか……弥生さんの好きな男って……!?」
 弥生は静かに頷いた。
「好きになっちゃいけない人を好きになるなんて……この世に本当にあるのね」
「じゃあ……弥生さんも……柊木のことを……ッッッ!!」
―この場合、長瀬が言った“柊木”とは、無論、ここにいる柊木弥生でも、ここにいない柊木葉月のことでもない。渦中の人物たる弥生の弟・柊木冬馬その人のことである。

 カミングアウト。
 これこそが、この場におけるベストの選択であるはずだ。
 弥生の洞察力をしても長瀬の行動や心理を誘導しきれない可能性がある以上、上から目線で、こちらが望む行動を直接に指定してやる方が、まだリスクは少ない。
 さいわい、長瀬は弥生を慕っている。弥生の指示ならば、彼女はまず逆らわないだろうし、なにより現役の生徒会長という校内随一の権力者でもある。ただの利用相手としてより、協力者―または共犯者―として、傍らに置いた方が何かと役に立つはずだ。
 だが、それをこっちから頼み込むつもりはない。
 葉月の言い草ではないが、やはり弥生にとっても、恋愛感情などというプライベートすぎる話に積極的に関わってくれと、第三者に頭を下げる趣味はない。
 たとえ相手が、自分を慕う可愛い後輩であったとしても、そんなことを身内以外に頼み込むなど、弥生の自尊心が許さないのだ。つまり、この場合―長瀬の方から自発的に協力を申し出る形に持ってゆかねば、弥生としては話が始まらない。

「ふんっ……バカなこと言ったわ」
 紅茶をくいっと飲み干すと、弥生は照れたように顔を赤らめて立ち上がり、
「今の話は忘れなさい。ここにいるのが貴女だからこんな恥かしい話をしたけども、やっぱり他人に話せるような事じゃないわよね」
「え……?」
「お紅茶ごちそうさま。おいしかったわ」
 そう言って、大股にドアに向けて歩き出そうとした弥生に、長瀬があわてて立ち塞がる。
「まっ、待って下さい、弥生さんっ!!」
「え?」
「もし、もしもですよ、もし柊木のやつが、―弥生さんを好きだったとしたら、どうします……?」

 しかし、弥生は顔色も変えない。
 むしろ、バカなこと言ってるんじゃないわよ、とでも言いたげな表情で長瀬を見つめる。
 そんな弥生の冷静な視線に、話を振ったはずの長瀬が逆に焦りだす。
「本当なんですよ弥生さんっ!! 正真正銘、柊木の本命は弥生さんなんですってば!!」
「とーこ……貴女、私をからかっているの? それとも一体どういう意図で―」
「ストップ!! だからマジなんですってば!! だいたい、あたしが弥生さんにウソをつくわけないでしょうっっ!?」
「いい加減にしなさいっ!! 冬馬くんは私の―いい? あの子は私の実の弟なのよ!? そんなバカな話があるわけないでしょうっっ!!」
「とにかく!! 座って下さいっ!! ちゃんと順を追って話しますからっっ!!」

 長瀬は、ぽつりぽつりと話し出した。
 その内容は、弥生も先刻承知しているとおり、長瀬が冬馬にフラれ、その際に彼が弥生の名を想い人として出したという話だったが、そこから顔を上げた長瀬の表情は、妙にサッパリしていた。
「でも、そこで弥生さんの名前を出されちゃ、あたしにゃ手も足も出ませんよ。いくら何でも、女としての魅力で弥生さんに勝てると思う程、自惚れちゃいませんからね」
「…………」
「まあ、確かに話を聞いた瞬間、ばかな相手に惚れやがったと思ったのは事実です。よりにもよって、実の姉なんですからね。でも、そんな報われぬ相手に操を立てて、近寄る女を片っ端から断っている柊木に、少し感動しちゃったのも本当なんです」
「……で?」
「ですから、あたし『応援する』って約束したんですよ、柊木のやつに。―でも、弥生さんまでアイツに気があったなんて、……ちょっとスゴイですよね、これって?」


296:傷 (その8)
08/12/20 10:12:30 YPS1ti1J

 しかし弥生はしかめっ面を崩さない。
「他人事みたいに貴女は言うけど、実際どうしようもないでしょう? 私とあの子は姉弟なんだから」
「え?」
 そこで長瀬は、初めて意外そうな表情を弥生に向けた。
「じゃあ……弥生さんは、成就させるつもりがないんですか、アイツとのことを……?」
「なにバカなこと言っているのっ!? 私とあの子じゃ近親相姦になっちゃうのよ!? 成就もクソも、そんなことできるわけ無いでしょうっっ!!」
「……弥生さん」

 弥生はそこで、しばし顔を伏せた。
「そりゃあ……嬉しくないと言ったら嘘になるわ。好きだった男が、実は私を好いてくれていたなんて聞いたらね。でも……でも、それを聞いた以上は、なおさら諦めざるを得ないじゃないの……!!」
「でも……そんな……せっかく……」
「自ら進んで畜生道に堕ちるわけにはいかないのよ。禁忌を破っても、その先に待っているのは不幸しかないんだから」

(我ながら、よくもまあ、ぬけぬけと言えるものね)
 凝然と俯きながらも、その心中では苦笑しそうになる。
 実際、弥生は近親相姦など屁とも思ってはいないし、それどころか近親婚さえも、段取り的には手に届くところまで来ているのだが、いかに何でも、それを言えるものではない。
 ここは、世間の一般常識の前に膝を屈して、自らの想いを諦める女を演じなければ、長瀬のような女を、その気にさせることはできない。弥生にはその確信があった。

「何をだらしない事を言ってるんですかぁっ!!」

 果たして長瀬は乗ってきた。
 生徒会長在職中の弥生は、穏やかな笑みをつねに崩さず、それでいて、必要とあらば校長や理事会とも対立を辞さなかった女傑であった。その彼女が、こんな弱気な顔を見せたのは、家族以外では、この場の長瀬透子が初めてであろう。
 そして、予想通り長瀬は、そんな弥生を見過ごせなかった。
「なにが畜生道ですか! なにが禁忌ですかっ!! 柊木弥生ともあろう者が、そんな常識に囚われて自分の恋を捨てるなんて、そんなのおかしいですよっ!! あたしの弥生さんは、自分がほしいものは、何が何でも手に入れる人だったはずですっ!!」
「…………」
「オンナという生き物は、恋に生きてこその存在でしょう? それを……それを……諦めるなんて軽々しく言わないで下さいっ!!」

「冬馬くんを……諦めるなと言うの……?」
「はい!」
「でも―」
「でもじゃありません!! せめて弥生さんと柊木が幸せになってくれなくちゃ、あたしが何のためにフラれたのか分からないじゃありませんかっ!!」
「とーこ……」
「弥生さん」
 そのまま長瀬は、ぐいっと弥生に顔を近づけると、
「柊木を口説いて下さい。口説いてモノにして下さい。近親相姦がどうとか、そんなことで悩むなんて哀しいこと言わないで下さい。弥生さんは、弥生さんである事を貫いて下さい」
 と、熱っぽく語った。

 その言葉は弥生にとって、目が眩みそうになるほど嬉しいものだった。
 しかし、弥生はそんな喜びをおくびにも出さずに、近寄る長瀬をぐいっと押しやり、
「とーこ、冷静になりなさい。だいたい諦めるなって貴方は言うけど、それはもう私一人では、どうにもならないことでしょう?」
「え?」
「貴女も知ってのとおり恋愛には相手が要るわ。もし私がその気になったとしても、肝心の冬馬くんがすでに諦めてしまっていたら、どうにもならないんじゃないの?」
「そんな……っ!!」
 長瀬は絶句した。


297:傷 (その8)
08/12/20 10:14:30 YPS1ti1J

 ようやく話をここまで持って来た。
 だが、ここからだ。
 弥生が、長瀬という後輩を協力者として欲するのも、彼女の暴れ馬のような行動力を、現状打破の起爆剤と睨んでいるからだ。
 現状―すなわち、さっき弥生が言った“冬馬の気持ち”であった。
 いかに“非血縁”の根拠となりうるDNA鑑定の偽造報告書を用意したところで、肝心の柊木冬馬本人が弥生を拒絶したならば、彼女にはもう、なすすべがないのだ。
 いや、鑑定書だけではない。弥生は、冬馬との仲を妨げる全てを排除する自信があるが、それでも、柊木冬馬の意思がどっちに転ぶかは、いまだ確信を持てるに至ってはいない。

 冬馬の過去は、弥生の綿密な調査にもかかわらず、かつて完全に薮の中であった。だから彼女としては、冬馬の“現在”から、彼の人格形成を洞察するしかなかった。
 しかし、弥生はその点、事態を楽観視していたといっていい。
 この数年の生活で、冬馬の人となりは大体把握したつもりだったし、いざとなれば、なりふり構わず誘惑してしまえば、冬馬が自分を拒絶できるとは考えていなかった。
 弥生は自分自身の魅力について十分自覚していたし、しょせん相手は年頃の少年に過ぎないと甘く見ていたからだ。最悪、薬物を使用してでも、既成事実を作ってしまえば、もうこっちのもの。―その程度に考えていたのだ。

 だが先日、冬馬の“元妹”千夏と会い、彼の過去を聞いた瞬間、さすがに弥生は、己の危機感が足りなかった事を改めて意識せずにはいられなかった。
 芹沢事件―少年少女強制売春事件の関係者という酸鼻きわまる過去を、冬馬が持つと判明した以上、性に対する多大なトラウマを彼が抱えている可能性がある。ならば、色仕掛けを含め、普通のやり方で冬馬をなびかせるのは困難だと判断せざるを得ない。
(やっぱ一歩ずつ外堀を埋めていくしかないか……)
 とは思うものの、そのためには、どうしても自分ひとりでは手が足りない。葉月をプライベートにおける“共犯者”とするなら、学校生活における“共犯者”というべきポジションを誰かに振り分ける必要がある。
 弥生が、長瀬に自ら志願させようとしている役目は、まさしくそれであった。


「……あたしが、手伝います」
「とーこ?」
「不肖・長瀬透子、全力を尽くして弥生さんの恋を手伝います。近親相姦がどうこうと理屈をこねて、あいつがへっぴり腰になるようなら、ケツ蹴り飛ばしてでも目を覚まさせてやりますよ」
「…………」
「昔を思い出してください。あたしが副会長で弥生さんが会長だった頃は、どんな仕事だろうが誰が相手だろうが、不可能なんて無かったじゃないですか? あたしたちが手を組めば、それこそ鬼に金棒みたいなもんですよ!」
「……本当にいいの? 仮にも貴女、冬馬くんにフラれたんでしょう? ……つらくないの?」
 長瀬が一瞬、喉に何か詰まったような顔をしたが、それでも彼女の瞳に迷いは無かった。
「手伝わせて下さい。弥生さんのためなら、あたし何でもします―!!」


 弥生の空気が変わった。
(気のせい、よね……?)
 長瀬には、そのとき、弥生が密かに笑ったような気がしたのだ。無論、気がしただけだ。表情を変えるどころか、外見的には、弥生はその体勢を微動だにさせていない。

「そう……わかったわ」
 弥生は染み入るような声で呟いた。
「条件は二つ。私の指示には絶対に従うこと。それと勝手な独断専行は絶対にしない事。誓える?」
 その瞬間、長瀬は愁眉を開いた。
「弥生さん、じゃあ……ッッッ!?」
 これが嬉しくないわけが無い。
 彼女が唯一尊敬する先輩・柊木弥生が、ようやく一般論の軛(くびき)から脱し、その本心のままに振舞うことを決意したのだ。かつて教師さえも歯牙にかけず、学園を思うがままに支配した美しい女王が帰ってきたのだ。
 そう、これが嬉しくないわけが無い。
 長瀬透子にとって、かつて“女帝”と謳われた弥生の姿は、永遠の目標であると同時に、神聖不可侵たる絶対の偶像だったのだから。
 だが―すぐに長瀬は眼前の弥生に違和感を覚えた。

「貴女は『何でもする』って言ったわよね……それは、本気なの……?」
「え……?」


298:傷 (その8)
08/12/20 10:16:25 YPS1ti1J

 そこにいる弥生は、長瀬が知っている、かつての光り輝くカリスマではなかった。
「冬馬くんを私のものにする。そのためには、彼を誰もいない場所に誘い出してもらう事もあるだろうし、嫌がる冬馬くんの手足を押さえ付ける手伝いをしてもらうかも知れない。あの子に近付く雌ネコの排除にも手を貸して貰うわ」
 長瀬は何かを言おうとしたが、弥生の口調は、さらに有無を言わせぬものだった。
「一度こうと決めた以上は、私は冬馬くんを落とすために何でもするわ。だから念のためにもう一度だけ訊くけど、―貴女は本気で、こんな私を手伝ってくれるのよね……?」

 そう尋ねる弥生の眼差しは、かつて長瀬が見たことも無い、妖しさを―いや、妖しさだけではない、おそろしいほどに強圧的な意思を含んだ瞳だった。
 一応、質問の形は取っているが、これは間違いなく“命令”だ。『NO』と答える選択肢など初めから存在しない、ただ『YES』と頷くしかない命令だ。
 長瀬は、自分が憧れてやまなかった弥生の姿は、単なる一面に過ぎなかったのではないかと、ようやく思った。これこそが、初めて剥き出しにした弥生の“オンナ”の顔なのだ。
 だが―そこに嫌悪感は生まれなかった。
(弥生さんが、あたしに、ナマの自分を見せてくれている……!!)
 そこにあったのは、感動だった。

「はい。あたしは……弥生さんあっての長瀬透子ですから……!!」


//////////////////////////

「―なるほど、じゃあ兄さんは、好きな女性などはいらっしゃらないのですか?」

 会話の流れ的に、自然と口に出た質問。
 だが葉月は、その瞬間に、猛烈な後悔に襲われた。
 それはタブーとすべき話題だった。口にしてはいけない言葉のはずだった。
 もしも自分が弥生だったなら、こんな質問はタイミングと空気を十分に考慮した上でなければ、まず口にしなかったろう。少なくとも、いま自分がしたような、いかにも「口が滑りました」と言わんばかりの迂闊な訊き方は、絶対しないに違いない。
(なんでわたしは……いつもいつも……っっ!!)
 葉月は数秒前の自分を、歯軋りするほどに呪ったが、しかしもう遅い。
 言葉はすでに放たれてしまったからだ。


 葉月が引き篭もりから復帰して、すでに三日。
 彼女はすでに、以前の生活を取り戻している。
 中学校への通学と、大学や企業の研究機関への出向。そして自室でパソコンに向かい、論文やレポートの作成に時間を費やす日常。だが、いかに葉月といえど、勉強と研究にどっぷり肩まで浸からせた24時間を、年中無休で過ごしているわけではない。
 研究室に於ける葉月は、基本的に客員研究員という立場だし、プライベートの時間まで学者としての顔をしてはいない。彼女は、あくまで自分を“中学生”だと定義していたし、家族の前では、一家の末っ子としての自己を崩さない。
 TVやゲームに興じて我を忘れる事もあったし、母に言われればお使いにも行くし、掃除も手伝う。そしていま、葉月は兄とともに台所に立ち、夕食の準備を手伝っていた。

 今宵は両親の帰りが遅い。
 夫婦水入らずでディナーを楽しんでくる、と連絡があったのだ。
(子供をほったらかして贅沢なんて……あの二人は親としての自覚があるのかしら)
 そう思うのも事実だが、いまさら葉月は両親に怒りを覚えたりはしない。
 二月に一度ほどの頻度だが、両親が二人だけで出掛けるのは毎度のことだし、むしろ、今でもそういう恋人気分が抜け切らぬ両親に、羨望さえ感じるくらいだ。
 そういう晩は、残された子供たちだけで、外食をするなり出前を取るなり勝手にしろと言われているし、そのための必要経費(晩飯代)を、生活費から抜く許可も貰っている。
 だが、そんな両親不在の晩に、子供たちが指示どおり素直に金を使うことはあまりない。冷蔵庫のありあわせで自炊し、晩飯代を山分けして懐に入れてしまうのが常だった。

 姉は、まだ学校から戻ってこない。
 いつもならば両親不在の夜は、弥生は、待ってましたとばかりに冬馬にべったり甘えるのが常なのだが、今宵は何故か帰って来ない。父も母もいない夜だとすでに知りながらだ。
 引き篭もりを止めた葉月に、久し振りに、冬馬と二人だけの時間をプレゼントしてくれたつもりなのだろうか。―しかし、
(ちょっと、裏目に出ちゃいましたね)
 二人きりだと気まずくなった時、それを打破するのが、やや難しい。
 弥生がいれば、こんな雰囲気はたちまち何とかしてくれるのだろうが……。


299:傷 (その8)
08/12/20 10:18:02 YPS1ti1J

 冬馬は、いかにも手慣れた様子で包丁を操り、キャベツの千切りを作っている。
 今晩のメニューはお好み焼きなのだそうだ。
 一時期、母とともにキッチンに張り付き、花嫁修業と見紛う熱意で料理を覚えていた兄の手際のよさは、不器用な葉月の比ではない。しかし葉月も、危なっかしい手付きながらも、何とか豚肉を切っている。
 そして、とりとめのない会話をしながら、葉月がその質問をしてしまったのは、そういう、あくびが出そうになるほどに穏やかな瞬間だった。


 規則正しい、包丁の音がキッチンに響く。
 葉月の質問を境に二人の会話は止まったが、それでも兄の手は止まらない。
 キャベツを刻むその音に乱れが生じた様子も、ほとんど無い。
 だが、冬馬の背中から漂う空気は、明らかに変わっていた。
(まずい……)
 怒らせてしまったかも知れない。
 そう思うと、葉月は冬馬に視線を向けることさえ怖くなってくる。


 弥生と秘密攻守同盟を結び、兄に対する情報交換を済ませた今、葉月は冬馬の過去の事情を少なからず知っていた。そして問題視すべきは、彼の肉体に刻み込まれた大量の傷ではなく、その悲惨な経験がもたらした精神の傷であるということも。
 無論、冬馬は、弥生と葉月が自分の過去を知っている事実を知らない。
 それでも兄の過去の片鱗を知った以上は、彼に男女の話はタブーだ。道理としての次元ではない。それは純粋な思いやりとしての話だ。
 だが葉月は、現役の研究者であるだけに、胸のうちの疑問をそのままにしておけない性分であった。それだけについ―口に出た。

 冬馬が、女性全般に対して無差別的な苦手意識を抱いていない事は、これまでの生活で分かっている。何故なら、彼は、自分たち姉妹に向けて、そういう生理的な拒絶反応を示した事が無いからだ。
 柊木家の姉妹と冬馬は『生まれながらの家族』では決してない。数年前に再会を果たすまでは、単なる他人でしかなかった仲なのだ。そういう意味では、出会った当初の自分たちは、冬馬にとって転校先のクラスメートに等しい関係しか持っていなかったことになる。
 だが、葉月の記憶が確かならば、その当時の冬馬が自分たちに向けた眼差しは、むしろ染み入るような人懐っこさを伴ったものだった。相手が女性であるという理由だけで怯えるような真似を、かつて冬馬がした事はなかったはずなのだ。

 つまりそれは、兄が言い寄る女たちを近づけない理由が無意識的なものではなく、あくまで意図的なものだという事を意味する。ならば葉月は―いや葉月のみならず弥生も―そんな理由があるならば、絶対に知っておかねばならない。

 考えようによっては、これはいい機会なのかも知れない。
 柊木冬馬という人間が、一般的な女性をどういう視点で捉えているのか。多少成り行き任せな話だが、今はそれを聞きだすチャンスだと考えれば、さっきの失言も少しは意味あるものと、葉月は自分を慰めることができる。
 結果として、冬馬を怒らせてしまうかも知れないが、それでも葉月は兄を信じていた。
 さっき前述したが、なにしろ冬馬は、自分たち姉妹が、彼の過去についての情報を握っている事を、まだ知らない。ならば、妹が兄に『好きな女はいないのか?』と訊くこと自体は、単なる兄妹のコミュニケーションの範疇をさほど逸脱しないやりとりのはずだ。
(だったら兄さんが、わたしの質問を“無神経”だと考えるはずがない)
 
「ねえ兄さ―」
「葉月」

 いつもながらの兄の、のんびりとした声。
 だがタイミング的には、同時というよりむしろ、葉月には冬馬が自分の言葉を遮ったように聞こえた。
 だが、そのことを兄に突っ込むつもりは葉月には無い。
 まったくペースを崩さずキャベツを刻む小気味いい音を響かせる冬馬の背中には、ぴんと伸びた緊張の糸が張り詰めているのが、葉月にも見て取れたからだ。

「……なんですか、兄さん」


300:傷 (その8)
08/12/20 10:18:44 YPS1ti1J

「お前はなんで、おれのことをそんなに気にするんだ?」
 その語調に咎めるような勢いは無い。だが、その言葉には明確に、のんきな声音に隠された棘があった。―いや、兄のことだ。語尾の裏にうっすら見え隠れする緊張すらも、実は意図的なものかも知れない。
「おかしいじゃないか。普通はお前、年頃のオンナノコって言えばよ、おれみたいな男の家族を避け始めるのが当たり前なんだろ?」

 それはそうだ。
 思春期に突入した年齢の女性は、まず“家庭”という最も身近な環境にいる異性を、敏感に意識し始める。幼い頃はともかく、普通の家族ならば思春期以降は、なかなか以前の親密さを保持することは難しい。
 葉月にとっても、例を挙げろと言われれば、それこそ枚挙にいとまが無い。クラスの女の子たちは、ほぼ例外なく、実家に同居する父親や兄弟の“男臭さ”に辟易している者たちばかりだからだ。
 だが、この際、問題はそこではない。どう考えても兄の発言は、葉月の質問をはぐらかそうとしているのが丸見えなのだから。
 こういう時、弥生ならばどう答えるのだろうか。―しかし葉月には、それがまったく想像できない。



「それは多分……わたしが兄さんのことを好きだから、でしょう」



 言ってから唖然とした。
 迂闊どころではない。何故こんなムチャクチャな発言をしているのか、葉月は自分が、まったく分からない。
 いや、唖然としているのは、葉月だけではない。
 冬馬もその口をあんぐりとさせて、呆然とこちらを振り返っている。

 葉月はバカではない。少なくとも机に向かった彼女を指して、バカと呼べる人間は、今の日本にはいないはずだった。だが例外が無いわけではない。
 柊木冬馬。
 事態が彼に関わると、途端に葉月はいつものペースを崩し、失言・失態を繰り返す。たとえば―そう、いまだ。
 そして、こうなってしまった以上、もはや仕方が無い。
 さっきの失言にしてもそうだが、一度口に出した言葉は、もう無かったことにはできないのだ。
 葉月は肚をくくった。

「兄さんはどうなのですか? こんなわたしを、迷惑に思いますか……?」

 行けるところまで行ってやる。
 姉が不在の夜、妹は兄を前にそう思った。


301:名無しさん@ピンキー
08/12/20 10:19:19 YPS1ti1J
今回はここまでです。

302:名無しさん@ピンキー
08/12/20 10:30:42 5nrLqgl1


303:名無しさん@ピンキー
08/12/20 10:41:18 OLjzfiqu
いつも楽しみにしてます


304:名無しさん@ピンキー
08/12/20 19:59:25 Z3w856Kt
GJ!今からキモウトのターン!!

305:名無しさん@ピンキー
08/12/20 23:31:33 HuDEMH60
葉月なかなか突っ込んだな
これは弥生の反応が気になるw
GJ!

306:名無しさん@ピンキー
08/12/21 01:01:57 p6BAdOdj
URLリンク(up2.viploader.net)

307:名無しさん@ピンキー
08/12/21 03:01:28 gbbAP/4r
>>306
zip

308:名無しさん@ピンキー
08/12/21 11:48:22 p6BAdOdj
URLリンク(iroiro.zapto.org)
URLリンク(iroiro.zapto.org)
URLリンク(iroiro.zapto.org)
URLリンク(iroiro.zapto.org)

309:名無しさん@ピンキー
08/12/21 12:12:29 azFxlQ6s
よくもまぁこんなのがアニメ化されたものだ。。

310:名無しさん@ピンキー
08/12/21 12:28:56 Sd2hiilo
>>306
詳細教えて

311:名無しさん@ピンキー
08/12/21 12:41:30 fOjE0+7H
おや、>>310は興味津々みたいだぞ、みんな?

312:名無しさん@ピンキー
08/12/21 13:01:08 YthJTRgz
>>310
vipでやれカス

めいびいっぽいけどどうだろ

313:名無しさん@ピンキー
08/12/21 13:57:44 EqYAilIG
>>306
>>308
タイトルが知りたい

314:名無しさん@ピンキー
08/12/21 14:22:46 Q58ox4Of
>>306
これヤングチャンピオン烈の7代目のとまりとかいうめいびいの作品だったはず。
>>308
これキスシスとかいうやつだったような?尿で有名な人だったはず

315:ユルキモ1
08/12/21 15:20:38 NhB+tg9W
 文香、君こそ真ノキモウトダ、君には「敵意」がナイ。「敵意」には力が向カッテ来ル…。
ヨリ強い力が「敵意」を必ずタタキにヤッテ来ル…。「敵意」はイツカ倒サレル、実に単純ダ。
ダガ君は違ウ。君には「敵意」もナケレバ悪気もナイシ。兄にも迷惑ナンカかけてナイと思っテイル。
だがソレコソ、スイーツ(笑)より悪い「キモウト」と呼バレルものダ。

この物語は、妹と兄による100年以上にわたる戦いの歴史だ。
彼女の名前は文香。ツヤのあるセミロングの黒髪、
お人形のように小さな顔にくりっとした丸い目をした少女。口癖は語尾に~でし、~じょ。


「お兄ちゃまが、帰って来る前にキレイにしなきゃ!」

それにしても、お兄ちゃまはお片付けが下手でしねぇ~。あたしが、毎日掃除してるのに…。
でもそれを口実に、お兄ちゃまの部屋に入れるんだから良しとしよっ。
まぁ、本当の目的は掃除なんかじゃないんでし…ぐひっ…ぐふ

「まずは…ゴミ箱、ゴミ箱っと」

まず目的1は、ゴミ箱の中の精液の回収。大体はティッシュにへばりついて、カピカピになってるけど。

「ラッキー!今日はコンドームじゃん…うはっ」

たまにこうやって、コンドームに入っている原液が手に入るんだよ。
しかもお兄ちゃまは、コンドームを縛って中身を出さない様にしているから、
意外と新鮮な精液が採集できるんでし。お兄ちゃまは、
文香が部屋掃除をしてゴミ捨てをしているのも知ってるのに、いつもティッシュとかコンドームを、
ゴミ箱に捨ててある。一応コンビニの袋に入れて、入り口を縛ってからゴミ箱に入れているが、
あんまりにも無防備だ。しかも一階までトイレに行くのが面倒らしく、ペットボトルにオシッコをしてあって、
それを片付けるのもあたしの役目だ。1日以上経つと菌が繁殖してるのか発酵してるのか、
開けるときに炭酸飲料みたいにプシュッと音がして、なんとも言えない匂いがする。
でもこの匂いを嗅げるのは、世界中でたったの一人だけ。とは言ってもさすがに行儀が悪い、
オシッコを手に入れる手段がこれしかないからしょうがないけど、
なにか方法が見つかったらすぐに止めさせなきゃ。
文香に相応しいお婿さんになってもらうんでし、お行儀も大事でし。

316:ユルキモ2
08/12/21 15:22:23 NhB+tg9W
「それはさておき、これだけ有れば精液を培養出来るじょ~!培養して、増殖させて…
お料理しよ~…でひっ…ストック切れそうだから助かったでし!ん~…なんでこんなにいい匂いなの~?
でもお兄ちゃまは、こんなゴムに出さないであたしに出せばいいって、何回言ったらわかるんでしぃ?」

指でコンドームの先端を触ると、 精液がグニュっと音を立てて変形する。
直接触らないでも、ドロドロとした感触が伝わる。
次に文香は、アーンッと小さな口を開けて精子の詰まったコンドームの先端を口に含み、
モゴモゴと口の中で楽しむ。ゴムの苦い感触も慣れたものだ。
まるで母親のおっぱいを吸うように口から離さない。
手にコンドームのローションがついているが、気にせずに制服のポケットにそれをしまう。
 そして回収の次は排除だ。文香は、お人形のようなクリクリした丸い目で室内を見渡す。
そして机の上の一枚の写真を発見した。

「んっ…このビッチ、お兄ちゃまとツーショット…き~!キー!」

ビリッ、ビリッ…ビリリリリッ

あたしでも、たまにしか撮ってもらえないのに~。
顔は覚えたから今度会ったら、ただじゃおかないんでし。はぁ…はぁ…

「おいっ、文香?」

「でしぃ?」

排除に夢中になっていたために、兄が帰宅していたのに気がつかなかったようだ。
文香は、慌てて写真の残骸をゴミ箱に入れる。

「あはっ…あははっ、お兄ちゃま…お帰りなさい。」

「お帰りなさいって、コンビニ行っただけだし。あれっ、ここにあった写真知らない?
阿部さんとツーショットのやつ」

「アベドゥルは…粉みじんになって…死んだ…」

「えっ…アベドゥ?…粉みじん?…まぁいいや、見つけたら言って」

「うん…」

「あれっ…部屋掃除してくれたのか?」

「うんっ!あと、ベッドの下からこんなの出て来たよ」

317:ユルキモ3
08/12/21 15:25:15 NhB+tg9W
文香の手には、アダルトな雑誌やらアイテムやらが。

「いっ…それは…」

「あたしがいるんだから、こんなの要らないでしょ?」

ピリッ、ビリリリリッ

文香はまずアダルト雑誌を力任せにビリビリ破り、次にアダルトDVDを真っ二つにする。
さらには、オナホールを裂けるチーズの如く細かくむいていく。

「面白~い!ほら…このオナホール簡単に裂けるよ~!お兄ちゃまもやるぅ?」

顔は笑っているが声は笑っていない。この調子だから、兄のアダルトグッズは寿命はかなり短い。
彼女を作りたくない訳ではないが、
アダルトグッズと同じ運命を辿ってしまうのではないかと考えると気が進まない。

「この写真集さぁ…前も燃やしたのに~。どう考えても文香の方が可愛いのに、おかしいな~?もう一回燃やさなきゃ」

「おいっ!それ限定版だぞっ、止めろっ…」

「離してよっ…こんなカキタレ、お兄ちゃまには似合わないっ」

「写真集くらいいだろっ」

ビリビリ、ビリりッ!ビリッヒィィィーンッ!

取っ組み合いの結果、限定版の大事な写真集はグシャグシャのビリビリ状態だ。

「あぁ…限定版が…二万もしたのに」

余程気に入っていたのか少年は、床に女の子のようにへたり込んだ。

「大丈夫、大丈夫ぅ~!今度ぉ~、文香の写真集プレゼントしてあげるからぁ。
もっと過激なポーズしてあげるでし…ぐひっ…それみてぇ…いっぱいシコってね!
写真集に直接ぶっかけてもいいんだじょ!」


アダルト・DVD→殺害
アダルト・雑誌→殺害
アダルト・グッズ→殺害
アイドル・写真集→間接的に(協力して)殺害


 キモ妹第一部の主人公は女性です。なぜ女性なのか、そこのところなのだ問題は。
キモ妹の主人公なのだから、兄にパンチをされてもへこたれないタフさが必要だ。
兄のベッドを無断で這いずり回ることもあるし、時には大股開きで兄の腰に落下する事もあるだろう。
女性にはちょっとキツい設定だ。でも考えてみると、そのギャップが面白いかもしれないと考えた。
しかも、聖母マリア様のような大きな兄妹愛を持つ女性。主人公は女性しかいないと思った。

318:名無しさん@ピンキー
08/12/21 15:27:17 NhB+tg9W
かわりにジョジョネタ書いたわ。ビッリヒヒィィーーンッはジョッリヒヒィィーーンッね。ちなみに続きます。

319:名無しさん@ピンキー
08/12/21 17:17:48 p6BAdOdj
URLリンク(paint.s13.dxbeat.com)

320:名無しさん@ピンキー
08/12/21 21:52:09 P3pjOHXd
はっとりみつる先生の作品だということまでは分かるがそこから先が分からん

321:名無しさん@ピンキー
08/12/21 21:54:00 yCBIl0kB
キモウトがよかろうなのだァッ!

322:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:03:23 YTTJ5YSl
>>319
修羅場かよ

323:名無しさん@ピンキー
08/12/22 00:56:51 VoH+OaT1
キモ姉妹系の漫画ならコミックハイで連載中(現在3話)の「ぶらこんッ!?」がいい感じ
「2人で近親相姦の扉を開けましょう」「BLに比べたら生産的よ」などのキモウト発言があり
兄が「何を生産するんだ」って心の中で突っ込んでたのが笑ったw

324:名無しさん@ピンキー
08/12/22 15:44:01 sf2Otdzc
>>323
ありゃ駄作だろ

325:名無しさん@ピンキー
08/12/22 21:27:45 K1wkkm1D
>>324
では、君のお勧めなのか教えてくれないか?

俺のお勧めは……ベタだが、「でろでろ」。ああいうつかず離れずの距離関係ってめちゃくちゃいいぜ……!


326:名無しさん@ピンキー
08/12/22 21:56:46 ELUN/PIi
まとめの「蝶変態超変態」ってやつにリアルタイムGJ!ってレスも入ってて吹いた

327:名無しさん@ピンキー
08/12/22 23:09:02 +kF5yHWd
>>325
でろでろは兄妹コミックであってキモウトコミックではないだろ
妹もデレるけど基本はシスコン兄の暴走だし

328:名無しさん@ピンキー
08/12/23 08:09:42 JMHcbQxa
漫画のキモウトと言えば、普段はそっけないくせに、兄に彼女ができそうになったら殺すこともいとわない妹がいたっけ
よく兄の持ち物を盗んでたやつ

329:名無しさん@ピンキー
08/12/23 11:01:51 GaWdN7gb
>>328
なんだその俺の好物はkwsk

330:名無しさん@ピンキー
08/12/23 11:18:39 rmmPVrlr
>普段はそっけないくせに
俺もツボだ

331:名無しさん@ピンキー
08/12/23 12:54:27 38e9UILQ
携帯のみだけど、こんなのなら
URLリンク(hittatu.com)

332:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:30:36 IN/7LRg9
遅くなりましたが投下します。
今回も完全にスレチです。こんなんばっかりでごめんなさい。
実はキモ姉とか、そんな予定もありません。あしからず。

333:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:31:48 IN/7LRg9
世界はなんて美しい。






高校に入学してから一週間ぐらい経ったある日。
良い天気だったので、俺は散歩がてら学校の敷地内を探検するつもりで歩いていた。
この高校は割と広くて、古い。戦前からある進学校という奴だった。ちなみに公立で、家からはバス通学になる。
このあたりでは普通に偏差値の高い高校だ。俺のような馬鹿がここにいることが、今でも信じられない。
全ては半年前の、何気ない会話から始まった。

『兄さん。ところで進学先は何処にするか決めているんですか?』
『ん? いや、別に。近くの適当なところにしようかと思ってるけど。歩いて通えるところがいいかな』
『…………』
『なんだよ、その盛大なため息は』
『兄さん。世の中には、定職に就けず毎日すり切れるほど働いて、それでも貯金もできない人間がたくさんいます。そうして、体を壊して働けなくなりゴミ

のように死んでいく……』
『そういった人間と、そうでない人間を分けるのはいったい何なのか、兄さんにはわかりますか? 幸運? 生まれ? いいえ、いいえ』
『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言われている。けれど人の立場に上下があるのは何故なのか。それは学問の差から生まれるものなり』
『人生の上下を決定づけるのは、幸運でも生まれでもなく、それまで積み上げてきた努力のみ。それが唯一、有意義な信仰というものですよ』
『自分の将来を想像してください。惨めな大人になるのが怖いのなら、今、努力するしかないんですよ。しないと言うのなら、未来を捨てると言うことです』
『あ……ああ』
そんなわけで、次の日から受験勉強の日々が始まったのだった。とほほ。
当初から目標は、偏差値が高く学費の安い公立高校と言うことで決まっていたけど、当時の学力ではとても無理にしか思えなかった。
それでもこうして入学できたのは、妹に尻を叩かれて遊びにも行かず、この半年ひたすら勉強をしてきた成果だ。
辛かったなあ……人生であれだけ、長期間勉強したのは間違いなく初めてだ。
しかし優香の奴、この高校一本に絞って、もし落ちたらどうするつもりだったんだ。


334:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:34:40 IN/7LRg9
そういうわけで。
そうして入った高校の敷地内を、俺は感慨深く歩いていた。
放課後の学校。
グラウンドでは野球部とサッカー部、陸上部が掛け声をあげながら練習している。体育館ではバスケとバレー、他にも弓道部、剣道部、柔道部、空手部と、活発に活動しているみたいだった。
とりあえず、しばらくサッカー部の練習を見ている。うーん、人が多いし結構熱心に練習してる。血が騒ぐ。
けど、部活に入るかどうかといえば否定的だった。
これは妹にも注意されていることだけど、俺は元々あまり頭がよくないから。毎日勉強していないと、あっという間に授業に追い付けなくなってしまう。
なので気晴らし程度に遊ぶならともかく、中学のように毎日部活に打ち込むというのは無理だ。まあ、妹は両立させてるけど、あいつは出来が違うからなあ。
「ふう」
軽くため息をついて、旧校舎の裏に回る。
木造の旧校舎は、今ではもう使っていないようだ。窓には板が打ちつけられ、周囲にも人気はない。
その裏手。なにもないと思ったそこでは、女生徒が一人倒れていた。

「いや、すまなかったね。助かったよ」
「あの、本当に大丈夫なんですか? 救急車とか……」
「ふふん、気にすることはない。この程度は日常茶飯事さ。ちょっとした運動不足に過ぎないよ」
「倒れるのが日常茶飯事って……それに、なんか薬飲んでましたけど」
正確には。俺が半分パニックになりながら彼女に駆け寄ると。ひゅーひゅーと息をしながらポケットを叩いていたので、そこに入っていた薬を二粒飲ませたのだった。
とても、本人が言うような軽い貧血には思えなかったけどなあ……
「ああ、昔から少し体が弱くてね。これはそのための薬だよ。運動不足とは関係ない。ふふん」
鼻で笑われた。そこは笑うところなんだろうか。
その人はどうも上級生のようだった。リボンの色を見るに三年生、最上級生だ。当たり前だけど初対面。
綺麗な人だった。
まず目に付くのは、とてもボリュームのある黒髪。お腹のあたりまで伸ばされて、毛先は一直線に切り揃えられている。
優香も髪は背中まで伸ばしてるけど、運動のために側面は切り落としている。けれど彼女は前髪以外が全てストレートで伸ばしている。運動するとき邪魔そうだ。
切れ長の瞳に、薄い唇。よく不適に笑う口元にギャップがあるけれど、俺は妹以上(かもしれない)美人には初めて会った。
背は、同じクラスの女子平均ぐらいだろうか。年長ということを考慮すると、若干低めなのかもしれない。
体の線は細い。スレンダーと言うよりは痩せている。プロポーションもまあ推して知るべし。肌はびっくりするほど白く、そのあたりはやっぱり体が弱い関係だろうか。
着ているのは紺のセーラー服で、これは学校指定のもの。特徴的な装備といえば、小脇に抱えたスケッチブック。
「ああ、これかい? 見ての通り、スケッチのつもりだったんだけどね。目的地に着く前に貧血でばったり倒れてしまったよ。我ながら不甲斐ないね」
「はあ……え、と。美術部の人ですか?」
「一応ね。君は一年生だね」
「あ、はい」
「なるほど。暇ならちょっとついてくるといい。お礼と言っては難だが、いい場所に案内してあげよう」
さっと髪をなびかせて、偉そうにきびすを返した先輩に、俺は言われるままに着いていった。やたら胸を張っているのが、この人のデフォルトなんだろうか。
旧校舎の裏を抜けて、破れたフェンスを潜って、林の中に入り、獣道を抜けて。その先は。


335:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:35:21 IN/7LRg9
「わあ……」
思わず、感嘆の声が漏れる。
その先は急に開けて、桜でいっぱいの公園になっていた。満開だ。
風が吹くたびに、ぱらぱらと花びらが舞っている。
公園は石畳の立派なもので、生徒や老人が数人、ベンチで花見やおしゃべりに興じていた。
「ふふん、どうだい。残念ながら独り占めとは言わないが、この季節はなかなかだろう」
「そうですね。へえ……裏にこんな公園があったんだ」
「道沿いだと、ぐるりと回らなければいけないからね。あまり人は来ないが、裏手を抜ければすぐそこだ」
言いながら先輩はスケッチブックを手に、桜の方に歩いていく。ああ、ここでスケッチするつもりだったのか。
なるほど確かに、絵に残さなければ勿体ないぐらいの風景だ。実際、写真を撮っている人もいる。
ざあ、と風が吹いた。
一際舞い散る桃色の中で、彼女は風になびく黒髪を片手で押さえる。
それは。それ自体が一つの絵として成り立つような、とても綺麗な光景だった。
何かが、胸を押し上げるように溢れる。たぶんそれは、感動だったんだろう。
先輩が微笑んだ。
「そういえば、名乗っていなかったね。僕は片羽、桜子だ」
「俺は榊健太っていいます、先輩」
「そうか。よろしくな、榊君」
そうして俺は。高校に入学して一週間で、片羽桜子という奇妙な先輩に出会ったのだった。

片羽先輩は、初対面の時から、妙に気になる人だった。
それは彼女がすごく美人だとか、発見したときに倒れているとか、そういうインパクトを除いたとしても。なんだか気になる人だった。
なんというか……二つ上で赤の他人なんだけど、すごく放っておけない気がした。
それが何故なのかは、うまく口では言えない。もしかしたらそれは、一目惚れという類のものだったのかもしれない。
その日は再会の約束もなく、ただ普通に別れた。家に帰って、勉強して、家族と話して、勉強して、寝た。
その人のことが胸に焼き付いて寝れなかったとか、そんなことはなかった。
ただ
次の日から。登校して、授業を受けて、友達と帰って、勉強して、寝る。その繰り返しの中で何となく、あの妙な先輩のことを捜すようになっていたと思う。
もしかしたら、またどっかで倒れてるんじゃないんだろうか、と。たぶんそんな心配をしていたんだと思う。
片羽先輩と次に会ったのは、一週間後のことだった。


336:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:35:50 IN/7LRg9
「こんにちは、片羽先輩」
「やあ、榊君」
その日。片羽先輩はグラウンドの隅で、石段にぽつんと腰掛けていた。
膝の上には例によってスケッチブックを広げて、鉛筆を走らせている。
今日はどうやら、グラウンドのサッカー部を描いているようだった。先輩の指先が、魔法のように輪郭を書き出していく。あ、袖がテカテカだ。
言うべきことを探して、そんな自分に戸惑った。自慢じゃないが人付き合いは得意な方だ。普通に話す方法ぐらい、意識するまでもなく身に付いているはずだった。
そうだ、考えてみれば作業の邪魔をするなんて馬鹿げている。俺も倣ってサッカー部の練習風景を見ていることにした。
グラウンドを見やる先輩の横顔は、普段と違って笑うことなく口を真一文字に引き結んで真剣だった。そうしていると一つの彫像のような美しさがある。
邪魔はしないと決めたはずなのに、気付けば口を開いていた
「サッカー、好きなんですか?」
「ん? いや、競技に特別な興味はないよ。被写体としての彼等には魅力を感じるけどね」
「魅力的……」
自分の足を見る。去年までボールを蹴っていた、制服のズボンに包まれた脚。
たぶん。いや、間違いなく、すごくなまっている。もう半年近くも練習してないのだ。
それに、サッカーに打ち込んだら今のペースで勉強ができるわけがない。今のペースで勉強してたら、満足な練習ができるわけがな……はあ。
「ふふん。君の方はサッカーが好きみたいだね」
「え? いや、好きっていうか、中学までサッカー部にいたんで」
「なるほど。トランペットを見つめる黒人少年のような目つきだったよ」
「トランペット……え?」
はてな顔になった俺を見て、また軽く笑う先輩。冷たい感じの美人なんだけど、よく笑う人だ。
その笑顔は無邪気とはとても言えず、明らかに毒を含んでいるはずなのに。俺は悪い気はしなかった。
うーん……俺ってマゾなのか。それとも、普段から毒舌を浴びてるせいで耐性ができてしまったんだろうか。
まあ、単に美人は得だってだけかもしれない。
それから、横に座って、とりとめのない話をした。
天気のこと、スケッチのこと、この前の公園のこと、サッカーのこと。
「榊君は、もうサッカーをやらないのかな」
「ん……いやあ。俺、バカだから勉強しないとあっという間に赤点まみれになっちゃうんで」
「なるほどね。君が辛くなければそれでいいけど」
「……!」

言われて気付いた。
そうか……俺は、辛いのか。
この半年、ずっと勉強してきて、幸運と努力のおかげでこの高校に合格できたけど。
身の丈に合わない場所にいる俺は、やはり努力をし続けなければ、落ち零れてしまう。
半年、頑張れば終わると思って来たけれど。その先にあったのは、変わらない日々だった。
中学の時のように、自分のやりたいことに最大限打ち込むような自由は、もうない。サッカー部を引退したときに、そんな自由は終わってしまった。
圧力。
俺は、人生にかかる圧力を、初めて明確に意識する。ああ、今まで気付かなかったなんて、俺はなんて鈍感なんだ。
水の中に、潜り続けているような憂鬱。

「先輩は、成績いい方ですか?」
「はは、立派な劣等生さ。まあ、僕の場合は既に諦めてしまってこの位置だけどね」
「うわあ、気楽そうですねえ……」
「ふふん」
けれど、そんなことを知り合ったばかりの先輩に言えるわけもなく。しばらく、どうでもいい話をして、その日は別れた。
それに。そんなことを考えてもどうしようもないから……結局、深く考えることはやめた。


337:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:36:51 IN/7LRg9
高校に入ってしばらくしても、友達はあまりできなかった。
中学の時は、自慢じゃないけど交友関係は広かったと思う。
それは部活という接点があったんだろうけど、やっぱり自由だったからだ。
受け続ける圧力が小さく、精神的な自由があったから、他人のことに気を回すことができた。
今だって、友達といるときは馬鹿でいられるけど。一人になるとため息をついていることが多い。
けれど、これくらいの圧力なんて、誰だって背負っているはずなんだ。少なくとも、今の高校に合格した人間は、俺と同じぐらい勉強してきたはずだ。
それでも、屈託無く笑っていられる生徒がいるのだから……単に、俺の器が狭いだけなんだろう。
妹のことを思う。
俺の知る範囲で、間違いなく俺よりも努力し続けている人間。
部活に、勉強に、家事において、絶え間なく努力し続けている、俺の妹。
優香は、どうしてそんな生き方ができるんだろう。
俺は妹が休んでいる時を、特にここ最近見たことがなかった。俺と違って、日々の努力を誰かに強制される場面も見たことがない。
いったい、どうして優香は。そんな日々に一言も弱音を吐かずにいられるのだろう。
それともやっぱり、俺の知らない場所で、我慢し続けているだけなのだろうか。
だとしたら、俺はやっぱり。妹のことを何もわかっていないんだな……

338:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:37:42 IN/7LRg9
そんなある日。
帰宅時。友達の一人と一緒にアーケードを歩いていると、制服姿の優香と出会った。
あれ? 行動範囲的に遭遇しても不思議はないけど……部活の時間、だよな?
「優香? なにやってるんだ、こんなところで」
「あら、奇遇ですね。今日はどうしても買いたいものがあったので、部活は休ませてもらいました」
「買いたいもの?」
「携帯電話です。近くのショップで契約してきたところですよ」
「へえー、母さんは反対してた気がするけど許したのか。頑張ったなあ、優香」
「……ちょっと待ってもらおうか、榊」
がしい、と一緒にいた友人に襟首を捕まれてずるりと引きずられた。
「てんめええ! 何めちゃくちゃ可愛い娘とナチュラルに会話してんだよ! 彼女いないって言ったじゃねえかっ!」
「おおお、落ち着けっ! 首を絞めるな柳沢!」
俺をがっくんがっくんと揺するのは、柳沢というクラスメイト兼友人だった。
席が後ろなので自然に話すようになり、お互い帰宅部なのでたまに(途中まで)一緒に帰ったり、こうして寄り道したりする。
ちなみに性格は……悪い奴ではないんだけど女好き。今の高校も、レベルの高い女子が多いということで死にものぐるいの勉強をしてきたらしい。
外見は茶髪の愛嬌ある顔立ち。俺が言える義理じゃないけれど、相当アホだ。そんな努力に関わらず、未だに彼女は募集中。
「ち、ちがっ! 妹! 妹だって!」
「ああん? 適当な嘘じゃないだろうな、全然似てねえじゃんか」
「俺は母さんに、妹は親父に似たんだよ! いいから離せって!」
「なんだ、そういうことは早く言えよな。可愛いなら特に!」
ぱっと満面の笑みを浮かべて、俺から離れる友人。と思ったら、今度は優香にアピールを始めた。
「俺は柳沢浩一。お兄さんの親友です」
「親友だったのか……?」
「柳沢さんですね。兄からいつもお話は伺っています」
「おい、榊。俺のこと、ちゃんとよろしく伝えてるんだろうな……?」
「普通に言ってるよ。ていうか、俺と妹でよくそこまで表情変えられるなあ」
むしろ感心した。やっぱり、彼女を作るにはこれくらい積極的でないとダメなのかもな。
ちなみに柳沢のことを妹には『スケベでアホだけど悪い奴じゃない』と話している。すまん。でも、どうせ優香は色恋沙汰に関しては鉄壁だから許してくれ。
「優香ちゃん、携帯買ったんだって? じゃあ、せっかくだから番号交換しようぜ」
「あのなあ柳沢。いきなり……」
「メールで良ければ構いませんよ」
「ぶっ!?」
えええええええええええええ!
ど、どういうことだ? 優香の奴、確かに今間まで携帯は持ってなかったけど。好きと言われた相手に何一つ譲歩なんてしたこと無かったのに。熱でもあるのか?
いや、もしかして柳沢みたいな奴が好みのタイプなのか? いやいや、今までだって同じような奴から求愛はされてるって。いやいやいや、優香にしかわからないものがあったのかもしれない。
いや、しかし、けど……
「何を目を白黒させているんですか。兄の御学友と交友を結ぶのに何か問題でもありますか? 登録しますから、兄さんも携帯を出してください」
「あ、ああ……ん? 俺と同じ型式じゃんか」
「そうでしたか、偶然ですね……はい。登録しました。次は柳沢さんですね」
「おうっ」
こうしてつつがなく、番号交換は終了した。優香は、柳沢にはメールアドレスしか教えなかったようだけど、それでもすごい譲歩だなあ。
「柳沢。優香は携帯買ったばっかりなんだから、あんまりメールするんじゃないぞ」
「おいおい、いきなり兄貴面するなよ。俺と優香ちゃんの関係じゃねえか」
「兄貴だってーの」
「残念ながらその通りです。それから確かに、まだ慣れてませんから返事は遅れるかもしれません」
「おっけーおっけー。帰ったらメールするからさ!」
うーん……なんか釈然としないな。

339:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:38:54 IN/7LRg9

その日から、妹と友人は定期的にメール交換しているようだった。
何でそんなことがわかるかというと、柳沢が毎日優香があーだーこーだと自慢してくるからだった。うーん、正直うざい。
考えられる可能性は二つ。優香は意外と、メールでのやりとりが好きなのか。それとも柳沢本人を気に入ってるのか。
けれど、優香から俺にメールが来ることなんてほとんど無い。かといって、優香本人から柳沢について聞くこともない。
うーん、妹に彼氏ができても別におかしいとは思わないけど、それが柳沢だっているのはなあ……ちょっとどうかと思うが、口出しするのも筋違いだ。
それにしても……メール、か。携帯電話は高校入学の時に買ってもらったけど、あまり活用はしていない。
そういえば俺、片羽先輩の携帯番号もメールアドレスも知らないんだよな……
放課後にちょくちょく探してはいるんだけど、見つかったり見つからなかったりのレアモンスターみたいな人なので。
今度会ったら、携帯の番号を交換しよう。

それからまた、しばらくして。
桜の季節が終わる頃。
小雨の降る放課後、学校の裏手にある公園までふと出向いた俺は。公園の中で一人、傘を差してベンチに座る先輩を見つけた。
サアアアアアアアアア……
「片羽せんぱーい」
「おや、榊君じゃないか。久しぶりだね」
「ですね。でも、雨の日にこんなところで何やってるんですか?」
「ああ。まあ、桜を見に来たんだよ」
「桜? でも……」
雨に打たれた花びらは、既に軒並み地面に落ちてしまっている。あれだけ綺麗だった光景は、もう見る影もない。
前は、桃色の絨毯のようだった花びらも。泥にまみれた今となっては、ただのゴミでしかなかった。
そういう、末路を直視すると。胸が締め付けられるような思いがする。
「悪いけど。傘、持っていてくれないかな」
「……あ、どうぞ」
先輩から傘を受け取り、二本の傘を持つことになる。どちらも地味な紺色の物。受け取った小さな方を、先輩の上にかざす。
傘を受け取る時に触れた手は、とても冷たく、とても細かった。思わず、戸惑ってしまうほどに。
「産まれてこの方、ダイエットの努力が必要なかったことが僕の密かな自慢なんだ。世の女性から非難されてしかるべき体質だね」
俺の表情を読みとったのか、軽口を叩きながら先輩がスケッチブックを取り出して広げる。この人、ほんとに絵を描くのが好きなんだなあ。
けど、この間の桜吹雪なともかく。なんでこんな雨の日の桜を描きたがるんだろう。
サアアアアアアアアアア……
「悲しいね。美しい物の末路は、やはり悲しい」
「あ……はい。けど……どうして、そんなものを描くんですか?」
「悲しいからだよ」
「え……」
「悲しみは、けして間違った感情じゃない。怒りも、絶望も、人が生きるのに必要な感情だと、僕は思うよ。ただ、人はそこから目を逸らしたがる」
「……」
「今のこの悲しみを、できるかぎり形にして残しておきたい。まあ、僕が絵を描く理由は、大なり小なりそんなものさ。日記のようなものだ」
「……」
悲しみ……怒り……目を逸らしたがる……
俺も……目を反らしていることがある。
どうにかして忘れようとしている。
けれど……けれど、仕方ないじゃないか。
考えたってどうにもならないことなんだ。目を逸らさずにいたって、辛いだけじゃないか。
毎日勉強を続けなければいけないこと。俺はバカだから、他の趣味に打ち込むような余裕はないこと。
そして何より。この状況を打開する方法が思いつかず、きっとずっと続いていくという……閉塞感。
どうしようもない。
どうしようもないじゃないか。
どうしようもないことを直視したって辛いだけだ。
誰でもこの程度の閉塞感は感じているっていうのなら、誰だって目を逸らしているはずだ。
……

340:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:40:12 IN/7LRg9
「どうしようもないことだって……あるじゃないですか」
「うん?」
「見続けたって、辛いことは、たくさんあるじゃないですか」
「たとえば?」
スケッチブックに走らせる鉛筆を止めず、無残な桜を描き続けながら。
先輩が、俺に背を向けたまま。思わず漏れた、俺の情けない言葉を当たり前のように問い返していた。
たとえば。
勉強が辛い、なんて。下らない泣きごとでしかない。言えば誰だって軽蔑するだろう。
成績を保つために、誰だって勉強はしているのだ。それに耐えられないのは、俺が小さい人間だから。それ以外にはない。
飲み込め、飲み込め。苦痛は、飲み込め。そうして生きていくしか、ないんだ。
「勉強が……辛いとか」
ああ。
「これから。ずっと、勉強し続けなきゃいけなくて……卒業しても、働き続けなくちゃいけなくて……」
「うん」
「それなら、もう二度と……うまく言えないんですけど。二度と……」
「人生に二度と自由は訪れない。それが君の絶望なのか」
先輩が。
鉛筆を動かしながら、自分自身形にできなかったことを、あっさりと言い当てた。
ああ……いや……そうじゃない。
俺が、形にしたくなかったもの。わかっていて、形にしたくなかったものを。
絶望……ああ、そうか。これが絶望、っていうものなのか。こんなよくあるものが、絶望なのか。
何処にも行けないという閉塞感。大切なものを奪われ二度と戻らないという喪失感。それこそが絶望なのか。
「幼年期の終わり。労苦への絶望……まあ、それ自体はどうしようもないね。この桜と同じで、どうしようもないことはいくらでもある」
「だったら……!」
「どうしようもないことに直面したとき、どうすればいいのか。君は絶望への対処の仕方を知っているかな?」
「え……」
絶望を、どうすればいいのか?
俺は……知らない。今まで絶望なんてものに遭ったことがなかった。今まで、どんなぬるま湯の中で生きてきたのか、よくわかる。
だから、目を逸らすことしかできなかった。見ない振りをして、気付いたことを忘れようとするしかできなかった。
何故か、優香のことを思いだした。物心ついたときから、心の中で誰からも離れた場所にいた妹のことを。
先輩は。
「越えるんだ。絶望は、強固な目的意識で越えられるものなんだよ」
きっぱりと。
「絶望を越えたとき、それはとても強いものになる。怒りも、悲しみも、絶望も。人が生きていく上で糧になるものだと、僕は思うよ」
ひどいことを言った。とてもとてもひどいことを、振り向きもせずに堂々と言った。

目的……意識。
俺の、目的意識。
それは……
それは……
それは……ない。
ないんだ。
俺には、目的意識なんて、何もないんだ。
ただ
『兄さん。世の中には、定職に就けず毎日すり切れるほど働いて、それでも貯金もできない人間がたくさんいます。そうして、体を壊して働けなくなりゴミのように死んでいく……』
『そういった人間と、そうでない人間を分けるのはいったい何なのか、兄さんにはわかりますか? 幸運? 生まれ? いいえ、いいえ』
『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言われている。けれど人の立場に上下があるのは何故なのか。それは学問の差から生まれるものなり』
『人生の上下を決定づけるのは、幸運でも生まれでもなく、それまで積み上げてきた努力のみ。それが唯一、有意義な信仰というものですよ』
『自分の将来を想像してください。惨めな大人になるのが怖いのなら、今、努力するしかないんですよ。しないと言うのなら、未来を捨てると言うことです』
『想像してください、兄さん。恐ろしいでしょう?』
ただ、怖かった。
俺には目的意識なんてものはなく、ただ背後から恐怖に追い立てられてきただけだった。
そして、これからも一生、追い立てられていくしかないという……絶望。
ああ。
この絶望からは逃げられない。逃げてしまえばそれこそ、優香に散々言い聞かされたような惨めな人生しか待ってはいない。
けれど、そんな恐怖に追い立てられ続けたとしても……待っているのは、永遠に続く未来への絶望だけ。
先輩の言うように、立ち向かうしかない。
けれど、俺には……立ち向かうための確固たる目的意識なんて、無いんだ。


341:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:42:23 IN/7LRg9

「無いんです……」
泣き言。
気がつけば、俺は本当に泣いていた。ぼろぼろと、涙が零れて頬を濡らす。
情けない、情けない。何で俺は、こんなことで泣いてるんだ。
目尻を拭おうとしたけれど、両手で傘を持っているせいで無理だった。せめて嗚咽を噛み殺して、先輩が振り向かないよう祈る。
「俺には……そんな、目的意識なんて、無くて……」
「目的なんて、ほんの小さなことでいいのさ。この学校は、好きじゃないのかい? 一緒にいたい友達はいないのかい?」
「それも……」
この学校に対して少なくとも今は、辛い勉強というイメージが強すぎる。友達だって何人かはいるけれど、心底一緒にいたい存在は、いないと思う。
そもそも。学校や友達に対する好意で……毎日、毎日、勉強をし続けることなんてできるとは思えない。
俺が今、戻りたいのは。何も考えずに部活へ打ち込めたあの頃だ。けれど時間は戻らない。それもまた、一種の絶望だ。
うう。
「やれやれ、困った後輩だね、君は」
ぱたん、と先輩がスケッチブックを閉じて膝の上に載せる。ポケットからハンカチを取り出して、振り向いた。
突然の行動にあっけにとられ、直後。涙まみれであろう自分の顔に気付く。
見られっ……!
「ふふん、思ったより泣き虫だね、榊君。よしよし」
「わぷっ」
ぐいぐい、と顔にハンカチを押しつけられる。布は水色単色のシンプルなものだった。やっぱり指が、とても細い。
咄嗟に抵抗しようとしたけれど、両手に傘じゃ動くのもままならない。あっという間に顔の涙は拭われた。
な……なんで?
俺が混乱している間に、先輩はハンカチを手早くしまって偉そうに胸を張った。
「さて。榊君。どうやら君は自分から動くための目的意識に欠けているようだね」
「は、はい」
「つまり、自ら学校に来るような目的意識さえあれば、いい年してぴーぴー泣き喚くようなこともない、と」
「うぐっ……」
「ふふん。それなら榊君。僕と付き合ってみないか」
「……え?」
………………………………………………………え?
「恋人の一人でも作ったらどうか、ということだよ。青春の張り合いといえばこれだろう」
「え、いや、ていうか、ええ!?」
「ああ。他にお目当てがあるならそれでいいんだ。僕と、というのはただの保険さ。一応僕は美人だからね、ふふん」
偉そうに胸を張る片羽先輩は、ちょっと細いところがあったけど、確かに文句なしの美人だった。
一方十人並みな外見の俺は、極度の混乱で呆然としていた。当たり前だ。
俺がみっともなく泣きだして、それがどうして付き合うかどうかと言う話になるんだろう。むしろ逆に、愛想を尽かされるのが当然じゃないんだろうか。
わけがわからない。
大体、恋人になるというのは。一緒に過ごすうちに、好きになって、告白して、それを受け入れてもらって、そうしてやっとなるものなんじゃないか。
確かに、俺には狙っているというか今好きな人なんていないけど、そんな風に自分を軽々しく扱うっていうのはどうなんだってすごく思う。
「おっと、ちなみに恋人になったからといって、すぐ不埒な真似ができるなんて思わない方がいいよ。僕に触れるまでは長い長い審査が待っているからね」
「え、審査……ですか?」
「あからさまにがっかりしたね。当然だろう? 榊君に対する僕の好感度は初期値のままなんだからね」
「は、はあ……」
え、えーと……これはなんというか。恋人、というよりも。友達から始めよう、ということなのかな?
ふふんと偉そうに胸を張る、すごい美人の先輩をもう一度見やる。なんだか、笑えた。
は、はは。
あはははは。
笑うことで、少し楽になった。少しだけ、自由になれた気がした。
先輩は、慰めてくれたんだろうな。
発想も言い方も無茶苦茶だったけど、心の中で感謝する。色恋かどうかはまあ別にして、この人のことを俺は好きになれそうだった。
ああ、悪くない。この変な先輩と話をするために、この学校に来るために、勉強をし続けるのだって悪くない。
ほんの些細な理由だけれど、それを自ら望むのなら。
しとしとと降りしきる雨の日だけど、視界が少しだけ開けた気がした。

342:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:43:17 IN/7LRg9
「ありがとうございます。でもとりあえず、友達から始めませんか?」
「その意見はやぶさかではないよ。そうそう、それを言いたかったんだ」
「あ、それじゃ先輩。携帯の番号交換しましょうよ」
「おっと、それもそうだね」
お互いそれぞれの傘を持って、片手で携帯番号とメールアドレスを交換する。先輩の携帯はシンプルなストレートタイプだった。
「これでよし、と。先輩って何処にいるかわからないから、これで普通に会えますね」
「おや、わざわざ探していたのか。それは悪いことをしたね。ただ僕は携帯の電源が切れてることが多いから、あまり期待はしないでくれよ」
「そ、それって携帯の意味がないんじゃ……」
「ふふん。いちいち充電するのが面倒でね」
それから、先輩が桜のスケッチを再開して。俺は結局それが終わるまで、先輩に傘を差していた。
会話はほとんど無かったし、腕は疲れたし、体は冷えたけど、けして嫌じゃなかった。
真剣に絵を描く先輩の横顔はとても綺麗で見ていて飽きなかったし、雨に打たれる桜の悲しさに俺もまた引き込まれていた。
その後、校門のバス停まで並んで歩き、そこで別れた。先輩は徒歩通学のようだ。
「それじゃ、後でメールしますね」
「ああ。さよなら、榊君」




送信
件名:こんばんわ
本文:
今日はありがとうございました。
描いていた絵ができたら教えてくださいね。
体が冷えたと思うのでゆっくりお風呂に入ってください。


受信
件名:Re:こんばんは
本文:
子供か、僕は。心配されなくても、可能な限り毎日入浴しているとも。
絵については、何時になるかはまだわからないが、完成したら君に見せることを約束しよう。
それから、言いそびれたが傘を持ってくれて感謝するよ。結局最後まで付き合わせてしまったな。
機会があれば何か礼をしよう。それでは。



「…………登録は『先輩』…………」

「………………誰?」


343:未来のあなたへ3.5
08/12/23 17:44:21 IN/7LRg9
以上です。
次はキモウトのターン。

344:名無しさん@ピンキー
08/12/23 18:14:05 vc+ppYCj
会いたかった…会いたかったぞ職人!
君の圧倒的な妹愛に心奪われた…この気持ち、まさしくGJだ!

345:名無しさん@ピンキー
08/12/23 18:54:13 teAiMZKR
GJ!なんというラブ米・・・
ていうか兄貴逃げてー

346:名無しさん@ピンキー
08/12/23 19:50:25 X+dh/AmN
というか先輩逃げてー
GJ!

347:名無しさん@ピンキー
08/12/23 20:29:50 JsJLMiAj
GJ! 
話は変わるが、クールな感じのキモ姉の場合
内面もクールな感じで溺愛してるパターンか、それとも弟ハァハァなキモい感じの内面だったらどっちが好みだ?

348:名無しさん@ピンキー
08/12/23 20:32:24 CDWU6rE3

先輩Re:なのに件名直しとるなんて細かいな

349:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:03:26 Z8V6j7Ls


350:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:13:35 7meSZcWn
――あの人は歪んでいます。
幼馴染にそう言われたのはいつのことだったろう。
「あの人」が私の姉を指すと気づいたのも最近のことだ。

姉さんはいつも私に優しかった。
それこそ、生まれたときから私は姉さんの怒った姿をあまり見たことがない。
年の近い弟だからか、姉さんはいつも私と遊んでくれた。
傍にいてくれた。

けれど、そのことに違和感を覚えたのはつい先日のことだった。
私は幼馴染の娘と恋仲になった。
初恋は叶わないとはよく言うが、私たちにはどうやら当てはまらなかったらしい。

姉さんも喜んでくれる―
そう思って一番に姉さんに報告しに行ったのだ。
ことあるごとに、いつも私が付いていますからね、お前の面倒はずっと見ますから、などと
言われ続けてきたのだ。周りでも評判になるほど美人の姉さんが、縁談を断り続けてきたのも
私が不甲斐ないせいだったのだと思っていた。
しかし、これで姉さんの肩の荷を降ろしてやることができる。良い相手を探してくれる。

そう思っていた。


351:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:14:54 7meSZcWn

最初、姉さんは無表情で聞いていた。
しかし、話が進むにつれてその顔は少しづつ、私の知らないものになっていった。
驚かそうとしてもそうはいきませんから、と笑っていた時はまだ良かった。
ところが、次第に顔が紅潮し、私の大切な宗太郎さんを、とか、あの糞猫が、とか喚き始めた。
かと思うと、私にもたれ掛かり、愛しています、だからどこにも行かないで、などと泣き出す始末。

ぞっとした。そしてその時初めて気が付いた。
姉さんは私のことを男として見ていたことに。

―確かに姉さんは歪んでいた。
けれども、私も姉さんのことは家族として愛していた。
だからこそ、真っ当な道に進んでほしかった。
―故に私は姉さんを拒絶した。

それからの姉さんは抜け殻のようだった。
あんなに美しかった長い髪も乱れ、生気を吸い取られたかのよう。
だが、私には距離を取ることしかできなかった。
時間が解決してくれる―私は根拠もなくそう思っていた。いや、ただ逃げていただけだった。

しばらくして姉さんは立ち直った。
以前と変わらない、淑やかな姉さんに戻ったのだ。
私は嬉しかった。これで家族として、お互いが上手くやっていけるのだと。

なのに、ここに転がっている幼馴染の首は何なのだろう。
出来の悪い人形のようになってしまった胴体に、何度も何度も刃を突き立てているあの人は誰なんだろう。

嗚呼。そうか。
彼女が言っていた言葉の意味が、真意がようやく理解できた。
確かに姉さんは歪んでいる。こんなにも醜く、美しく。
私に気付いて振り返った姉さんの顔は、私が見たこともないくらい綺麗な血染めの笑顔だった。


352:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:17:36 7meSZcWn
スレ汚しすんません。
でもキモ姉が大好きなんです。
イメージは和服です。
わかりにくくてすんません。

353:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:22:07 GaWdN7gb
>>352
とんでもない
激しくGJ
和風お姉ちゃんとかたまんねぇ

354:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:55:54 QCRuNdUP
久しぶりの泥棒猫惨殺だ…
だが352にGJ!

355:名無しさん@ピンキー
08/12/23 22:52:27 ciEBB7Qk
>>347
後者

356:名無しさん@ピンキー
08/12/24 00:15:17 QUVb76yr
おいおい、疲れてるんだからよ…>>343>>352もGJなんて言わせるんじゃねえよちくしょう……

357:名無しさん@ピンキー
08/12/24 07:32:16 8x+G3Hg7
>>352
GJなんだぜ
あんたのいう和風キモ姉、俺は大好きなんだぜ
今度は長編を頼むんだぜ

358:名無しさん@ピンキー
08/12/24 12:17:22 TJdOh3Gd
イヴの朝に絶望し、夜に妹が来て、次の日の朝に違う意味で絶望するわけですよ

359:名無しさん@ピンキー
08/12/24 17:24:20 zQWkANeJ
>>343>>352もGJ。

イブに良い物を見れた。もう悔いはない。

360:名無しさん@ピンキー
08/12/24 18:34:13 qX8Lmz++
>>352
感想を一言だけ言わせてくれ。

歪み姉(ねぇ)な。

361:名無しさん@ピンキー
08/12/24 20:35:40 Jb1NFb86
く、クリスマスネタはないんですか?

362:名無しさん@ピンキー
08/12/24 20:41:31 xDZcvYIk
処女をプレゼントして、お返しに子どもの種を膣内にプレゼントしてもらうんですね。

363:名無しさん@ピンキー
08/12/24 21:03:52 fr/l5YJA
そういや、去年の妄執のサンタクロースは神過ぎだったな

364:352
08/12/24 21:54:26 pZsmsMbQ
「お兄ちゃん。私、クリスマスプレゼントが欲しいんだけど。」

いつも通り二人で飯を食ってる最中に、妹がそんなことを言ってきた。
中学3年にもなって高校生の兄貴にプレゼントをねだるな、とも思ったが、
可愛い妹の頼みだ。できるだけ聞いてやりたい。とはいっても・・・

「お前、今日になってそんなこと言うなよ。」

そう。今日はクリスマスイブ。言ってくるのが少しばかり遅いんじゃないか?
もっと早く言ってくれれば、まあ、大したものじゃないけど買ってやれたのに。

「大丈夫。すぐにあげれるものだから。」
「何だそれ?まさか現金か?」

だとしたら夢もロマンもあったもんじゃない。

「違うよ。私が欲しいのは・・・お兄ちゃん。」
「・・・は?」

俺?俺をあげる?妹に?

「なんだ?肉体労働でもしろってか?
 そんなのクリスマスじゃなくたってやってやるのに。」
「ふふふ・・・肉体労働といえば肉体労働かな。」

わけわからん。まあ、でもあいつのたまのおねだりだ。

「よくわからんが、まあお前がそうしろって言えばやってやるさ。」
「・・・うん。じゃあ、後でお兄ちゃんの部屋に行くね。」
「え?・・・ああ、うん。」

妹が俺の部屋に来ることは珍しいことじゃない。
いつもゲームをやったり、ウダウダとテレビを見たり。
なんだ。結局普通のことじゃないか。
それとも、クリスマスだからって一人で家にいる兄に気をつかってくれているのだろうか。
・・・だとしたら俺、惨め過ぎる・・・


365:352
08/12/24 21:55:41 pZsmsMbQ
そんな俺の軽いヘコミ具合も知らずに、風呂上りの妹がやってきた。
綺麗なショートヘアがまだ軽く湿っている。

「ちゃんと拭かないと風邪ひくぞ。」
「うん。ありがと。」

全く。いつまでたっても子供なんだからなあ。

「じゃあ、テレビでも見るか?」
「うん!」

・・・まあ、可愛いからいっか。

それからしばらく二人でいつも通りの時間を過ごした。
なんだかんだでもう日付が変わる時間だ。俺も眠い。

「なあ。そろそろ寝ようか。」
「そうだね。・・・でもその前にやっておきたいことがあるの。」
「ん?何だ?もう一対戦やってく・・・」

いつの間にか。
俺の口は妹の唇で塞がれていた。
何だこれ。何が・・・?あれ?
思考が追いつかない。
どれくらいたったか。妹がようやく唇を離した。

「・・・お、おま、何やって・・・」
「言ったじゃん。お兄ちゃんが欲しいって。お兄ちゃんもいいっていったじゃない。」
「いや、でもお前・・・」

違う。こんなんじゃない。
俺が言いたかったのは、こんなんじゃ・・・・!

「お前な!俺はそんな・・・」

その瞬間
妹が俺の首に顔を近づけて
歯を
突き立てようと

366:352
08/12/24 21:57:31 pZsmsMbQ
「・・・・・え?」

噛み千切られる。
何故か反射的にそう思った。
妹の顔はよく見えないけれど、確信があった。
けれど。

チュッ・・・チゥ・・・ンチュ・・・

・・・キスしてるのか?俺の首に?妹が?
よくわからないが俺は生き永らえたらしい。
それと同時に言いようのない興奮と、気持ちよさが襲ってくる。
俺の首筋が妹の唾液まみれになって、ようやくあいつは顔を離した。
口の周りが輝いていて、何故か目が離せなかった。

「ふふ・・・噛み付いたりしないから安心してよ。
 それより、私プレゼントが欲しいな。」

・・・何言ってる?プレゼント?・・・俺が欲しい?

「それもあるけど・・・今年はお兄ちゃんをもらうでしょ。
 で、来年のプレゼントも考えちゃった。」

来年?

「うん。
 私ね。来年は」

お兄ちゃんとの赤ちゃんが欲しいな


367:352
08/12/24 21:59:06 pZsmsMbQ
ごめんなさい。
キモウトも大好きなんです。
大してキモくなくてすんません。

368:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:04:50 2lWQPJW7

GJ!長編希望!

369:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:12:52 Jb1NFb86
マーヴェラス!!!!!!!!
……こういうのが、いいんだよ、やっぱり!

370:名無しさん@ピンキー
08/12/25 01:15:08 E+Gyo6hI
 クリスマスは家族で過ごすというのが我が家のルールである。
 それは姉さんと二人だけで暮らしている今も変わらないルールだと、姉さんは言っていた。
 もとよりクリスマスを他のだれかと過ごせるあてもなく、料理上手の姉さんがいつも以上に気合を入れて作る料理は、とてもおいしい。
 そんな感じで今年も姉さんとクリスマスを過ごすことになったわけだが。

「姉さん、さすがにこれは作りすぎじゃない?」
 と、目の前に広がる料理の山を見ながら言ったら、いつも冷静な姉は少し頬を染めながら。
「少し、はしゃぎすぎた」
「少しって量じゃないよ姉さん、そこは途中で気付こうよ」
「あなたのためって思うと、つい」

 その反応は反則だろ、と思うと同時にそのまま姉さんに襲い掛かりたくなる衝動に襲われるが、そこは我慢だ。
 相手は実の姉だ、いくら無防備でいつも一緒の布団で寝たり、一緒に風呂に入ったり、子どもの頃からおはようとおやすみのキスを欠かさなかったりしてるが、その一線は越えてはいけない。
 倫理感がどうとかではなく、それは眠れる獅子を起こす行為であり、虎穴に入って虎との子を得る行為でもある。
 
「いただきます」
「いただかれます」

 危ない思考に耽っていたせいか、反射的にそんな返事にを返してしまう。
 姉さんの瞳に怪しい光が灯るが、気にせず料理に手を付けようとすると。

「待って、忘れてた」
 と言って、姉さんは冷蔵庫へ向いシャンパンらしきものを持ってきた。
「姉さん、お酒は……」
「大丈夫、アルコールは入ってない」
 発言を途中で遮り、グラスになみなみと注いでくる、当然瞳に灯った怪しい光はそのままに。
 つい嘘だっ、とか叫びたくなるのを堪えつつ、席に戻った姉さんとグラスを交わす。

371:名無しさん@ピンキー
08/12/25 01:16:15 E+Gyo6hI
 姉さんがやけにシャンパンもどきを勧めてきたことを除けば、無事平穏に食事とその後片付けも終わったんだが、姉さんの顔がやたら赤い、そのことを姉さんに言っても、気のせいだの一点張りだ。
 姉さんこっちの酌を断らなかったからなあ、とか考えつつ風呂の準備をしていると、ソファに倒れこんでいた姉さんから声が掛かる。

「お風呂行くなら私も」
「姉さん、お風呂入って大丈夫なの?」
「あなたと一緒なら問題ない」

 だから姉さんはこう不意打ちというか、なんというか、アルコールによって理性が麻痺している今の状態にはハードなことをする。
 そしてさらに追い打ちをかけてきた。

「だっこ」
 
 無言で姉さんを持ち上げ、脱衣所まで連れて行く。

「脱がして」

 またも無言で手早く脱がせるが、息が荒くなっているのを自覚できる。
 手早くこちらも裸になり、また姉さんを抱え直し風呂場に侵入する。
 ほのかに赤く色付いた白い肌に目を毒されつつ、湯船のお湯をかける。

「ん」

 ……今日の姉さんはやばい、赤いからなのかいつもの3倍はやばい。
 なんとか平静を保ちつつ、後ろから抱き抱える形で湯船に入っていく、一気にお湯が溢れるが気にしない。
 ただでさえ蕩けていた姉さんの表情が一層、ふにゃっとしたものになる。
 逆に普段はふにゃっとした部分が元気になりそうだったが、ポジショニングに著しい問題があるので涙ぐましい努力をして鎮める。
 うつら、うつらと船を漕いでいる姉さんに注意を払いつつ、いったん体を洗うため一緒に湯船から出る。

「洗って」
「わかってますよ」
「全部、隅々まで」

372:名無しさん@ピンキー
08/12/25 01:17:21 E+Gyo6hI
 姉さんの長い黒髪に丁寧にシャワーをかける、容器から洗髪料を取り出し手に馴染ませる。
 姉さんの髪は一日中触ったり、なでたり、弄ったりしても飽きがこない程、素晴らしい部分なので、驚くほどに艶やかで指通りのよい髪をひたすら丁寧に丁寧に洗っていく。
 そしてシャワーで洗髪料を流しきると、ついに問題のゾーンに突入だ。
 姉さんの皮膚は強くないのでスポンジではなく手を使って洗わなければならない。
 弱くしたシャワーの水流を姉さんにかけ、石鹸を泡立てなめらかなな肌に手を伸ばす。
 
「あ…ん、」
 いきなり艶めいた声を出してくる、意識的に気にせず、首筋から背中。
「ん」
 脇を通って腕。
「ひゃ」
 そこからお腹、そして第一の関門である胸へ、思わず喉を鳴らしてしてしまう。
 やさしく、やさしくなでていく。
「もっと」
 リクエストに応える。
「いいよぉ、もっとして」
 
 その声にいつの間にか飛んでいた理性を精一杯手繰り寄せつつ、なんとか胸から手を放し、尻をスルーして脚を洗う。
 付け根の辺りは、とばしてふともも、ひざ、膝裏、ふくらはぎ、すね、足首、くるぶし、足の甲を順にこすっていき、最後に足の指を一本、一本丁寧に洗っていく。
「あはぁ」
 さようなら理性、こんにちは本能、脳内で馬鹿なやりとりをして懸命に堪えるが、次がこの苦行のクライマックスだ。
 再び石鹸で手を泡立たせつつ、尻を撫でて、撫でて撫でる。
「ん、ん」
 そしてそのまま女性器に取り掛かる、神経をすり減らしつつ、繊細に、繊細に指先で洗っていく。
「いいのぉ、そこぉ」
 
 耐えた、耐えた、耐えきったぞ、と全行程の終了に安堵した後に興奮のしすぎなのか、意識は白く染まっていった。


 意識を失った弟はその後スタッフがおいしく頂きました。


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