☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第90話☆at EROPARO
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第90話☆ - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/12/01 12:13:34 dNaI2JUh
【前スレ】
☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第89話☆
 スレリンク(eroparo板)

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【参考資料】
 ・Nanoha Wiki
  URLリンク(nanoha.julynet.jp)
  (用語集・人物・魔法・時系列考察などさまざまな情報有)
 ・R&R
  URLリンク(asagi-s.sakura.ne.jp)
  URLリンク(asagi-s.sakura.ne.jp)
  (キャラの一人称・他人への呼び方がまとめられてます)

☆魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫
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3:名無しさん@ピンキー
08/12/01 12:16:48 rzAsOdjr
>>1乙&卒寿おめ

4:名無しさん@ピンキー
08/12/01 12:30:16 niwK5H4B
スレ立て乙。とうとう卒寿を数えましたか・・・

5:名無しさん@ピンキー
08/12/01 13:43:15 NrqLFDR/
>>1乙~。

6:名無しさん@ピンキー
08/12/01 14:26:08 /wzWg4Dd
>>1


>>ID:NrqLFDR/
反応すんのイクナイ
もし次があったら、安価はずせ。削除依頼が通らなくなる

7:ぷよ ◆aWSXUOcrjU
08/12/01 16:14:35 mSAKzb9S
はじめまして。こちらでは初めて作品を投下させていただく、ぷよと申します。
1つ短編モノを書きましたので、これより投下します。
ノーヴェ主役モノで、ちょっぴり百合っぽいような、そうでないような?(ぉ

8:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:15:45 mSAKzb9S
ノーヴェの勘違い(前編)



 性別:不明。
 この無口で無表情な家族の特徴を述べるとすれば、いの一番に浮かんでくるのが、そんな言葉だった。
 少なくとも、不機嫌そうな眼差しを見せる彼女にとっては。
 戦闘機人ナンバーⅨ・ノーヴェの金色の目には、そいつは男とも女とも、どちらともつかぬように見える。
 茶髪を短く切り揃えた頭。彼女自身も、髪の毛は短くまとまっている方だったが、そいつの髪は更に短かった。
 専用のジャケットと長ズボン―ステルス機能を持った装備だ―の上からは、身体のラインは認識しづらい。
 男性の直線的なものなのか、女性の曲線的なものなのか。
 下手をすると、家族の中では目立って平坦な胸の分、十中八九は男でないかとさえ。
 かといって、ジャケットの袖からすらりと伸びた両腕も、男のそれにしては妙に細い。むしろ、前衛型の自分の方が太いくらいだ。
 そして極めつけが、
「さっきから僕のことをじっと見てるけど……どうしたの?」
 この口調である。
 特筆すべきは一人称。
 「僕」という表現は、間違いなく男性の用いるそれだ。口の悪いノーヴェですら、そんな言い回しはしない。
 世の中には、「ボクッ娘」という訳の分からない人種がいるらしい。それは同じ姉妹のウェンディからの情報。
 だからといって、それで納得はできなかった。
 声変わりしていない少年、という線は未だに捨てきれない。そもそもあのいい加減な妹の情報を、どこまで信じていいものか。
「う」
 視線に感付かれたノーヴェは、一瞬言葉に詰まった。
 ぎくり、とした様子で身を震わすと、ばつの悪そうな表情をうつむかせる。
 先ほどまで、彼とも彼女ともつかぬそいつを見ていた視界が、食堂のテーブルを捉えていた。
 ややあって、ようやくそこから顔を持ち上げる。ほんのり頬を紅潮させた顔。
 普段から悪かった目付きは更に悪くなり、じと目で視線の先の人間を睨んでいるようにも見えた。
「……結局、お前はどっちなんだよ」
「なにが?」
 相変わらずの無表情―ナンバーⅧ・オットーが、聞き返した。
 ぼんやりとした眠そうな瞳に、没個性的かつ無感情な声。
 どこかすっとぼけたように見えるそれらとコミュニケーションを取るのが、実はノーヴェは、苦手だ。
 果たして自分の発する言葉は、本当に届いているのだろうか。
 そんな風に思いたくなるのはしょっちゅうだし、事実、今の問いの意味も伝わっていない。
「だから、お前の性別だよ! 男なのか女なのか、どっちなんだって聞いてんだ」
 この手の人間とはどう接していいか分からない。故に苛立ち、語気も荒くなる。
 いかにも機嫌が悪いといった様子のノーヴェの声音が、2人きりの食堂に響き渡った。
 普段はセインやウェンディもいるはずだが、この時は珍しく、彼女ら2人以外の人間の姿がない。
 皆訓練が長引いたり、外回りがあったりといった偶然が重なって、おやつ時でありながら、入室が遅れているのだ。
 前述の2人は、今頃はトーレ直々にみっちりしごかれていることだろう。
 ついでに言えば、オットーと常に連れ添っているディードもだ。
 身内でもまことしやかに囁かれている、オットー男性説。その根拠の1つとも言える、いつもべったりと引っ付いている双子の妹。
 これでもなお女性だとしたら、恐らくそっちの趣味でもあるのだろう。そうまで言われるラブラブぶり。
 そんなディードがいないという状況に、これ幸いと思ったノーヴェは、オットーを食堂へと連れ出したのである。
 理由は簡単。先ほどぶちまけた、かねてよりの疑問の解決のため。
「どうして? どっちの性別だとしても、特に問題はないと思うんだけど」
 だが、その返答がこれだ。
 ああ、やはりこいつは世間知らずなんだな。本気で首を傾げてるあたり、そう実感せざるを得なかった。
 戦闘目的に特化された教育を受けたこいつら最後発組は、それまでの姉妹よりも更に一般常識に疎い。

9:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:17:29 mSAKzb9S
「……その……集団洗浄の時とか……気になるじゃねえか」
 ぶすっとした様子で、視線を逸らしながら呟く。その顔はもうトマトのように真っ赤だ。
 本当に男だったらぶっ飛ばしてやりたい。曲がりなりにも女の自分に、わざわざこんなことを言わせるだなんて。
 仮にオットーが男性だったとすると、そうしたいわゆる入浴の時に、自分は男の前で裸身をさらしているということになる。
 それが前々から気になっていたのだ。
 前述の通り、ノーヴェも曲がりなりにも女。男に素っ裸を見られるというのはいい気がしないし、何より恥ずかしかった。
「なんだ、そんなこと」
 びゅん。ぱしっ。
 今度こそ怒りの鉄拳が飛んだ。そして直撃寸前で止められた。
 改造人間たるノーヴェの拳は、空を切り裂き一直線にオットーへと向かった。
 だが、いかに遠距離戦型の細身の体格といえど、オットーだって改造人間である。そう易々と喰らってやるはずもない。
 片や今にも喚きだしそうな形相で。片やいつものぼんやりとした表情で。
 一瞬のうちに交わされた攻防は、思いっきり不機嫌な顔をしたノーヴェが、席に座り直すことで事なきを得た。
「……でも、ごめん。クアットロ姉様に、性別は隠せってきつく言われてるから」
 それを確認すると、オットーは改めて口を開いた。
「どうしても言えねぇのか?」
「どうしても」
「ホントに?」
「うん」
「くそっ! あの嫌味メガネめ……!」
 忌々しげに、ノーヴェが吐き捨てた。オットーの前でなければ、唾も吐いていたかもしれない。
 元々お世辞にも性格がいいとは言えないクアットロだったが、今日ほど彼女に苛立ちを覚えたことはない。
 大体、何で性別を隠さなければならないんだ。ようやく積年の疑問に決着がつくところだったというのに。
 いや、あの人のことだ。明らかにこうした状況を想定しているだろう。
 12人の姉妹の中に、1人だけ男かもしれない人間がいる。当然、こうした問題も起きてくる。
 こうして自分があたふたしている状況は、まさにクアットロの言葉を借りるならば、「面白い」といったところだろう。
「本当にごめん。……じゃあ、僕はこれで」
 言いながら、オットーが席を立つ。
 恐らくディードのもとにでも行くつもりなのだろう。そのまま入り口をくぐり、食堂を出ていった。
 後に残されたのはノーヴェ1人。普段は大勢の姉妹で賑わうこの部屋の、なんと広く感じることか。
「……となると、ディードに聞いても同じだろうしなぁ……クア姉に聞くのも癪だし」
 左腕で頬杖をつきながら、次なる手を模索する。その態勢のまま、右手のスプーンでプリンを掬って食べた。
 随時と行儀の悪い姿勢だが、今はそれをたしなめる姉達がいない。
 ディードもオットー同様、上からの指示には従順だ。
 いくら何でも、彼女まで性別を知らされてないということはないだろうが、口止めはされているに違いない。
 クアットロなら尚更で、絶対に意地の悪い笑顔と共に軽くいなしてくる。 となれば、取るべき方法は1つ。
「……自力で調べるしかねーな、うんっ」
 ぐっと拳を握りしめながら、ノーヴェが呟いた。
 他人からの情報が全く頼りにできない以上、自分の目で確かめるしかない。
 じっくり、じっくりと。あの何を考えているかも分からない、男とも女ともつかぬ、正体不明の存在の真実を。
 もちろん、そうしたスパイ紛いの仕事など、猪突猛進タイプのノーヴェに経験があるはずもない。
 短い生涯の中でも、初めて実行する情報作戦だ。自然と、彼女の緊張感も高まった。

10:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:18:32 mSAKzb9S
 それからというもの、ノーヴェはひたすらオットーに張りついていた。
 もちろん、面と向かってあれこれと交流を重ねていたわけではない。
 単細胞なノーヴェには、誘導尋問などという発想は浮かばない。そもそもそれの実行にはディードが邪魔だ。
 じゃあどうしたのかというと、そこは要するに、推理モノ・探偵モノのお約束に従ったわけである。
 すなわち―尾行。
 物陰に潜みながら様子を伺った。
 角に隠れながら後をつけた。
 ひどい時には段ボールが動き出した。
 そんなバレバレの尾行をたっぷり2週間は続けながら、ノーヴェはオットーがボロを出す瞬間を待ったのである。
 もっとも彼女自身が、そんなことを微塵も思っていないのだから、なおのこと質が悪かったのだが。
 そんなこんなで今日もまた、曲がり角でじっと息を潜めるノーヴェの姿があった。
 視線の向こうにいるオットーの様子を伺い、時折そっと頭を出しながら。
 思ったよりも、尾行というのは骨が折れるものだ。
 未だ何の手がかりも得られぬノーヴェは、そう痛感する。
 当然自室にまでは侵入できないわけだし、集団洗浄の際も、自分だけ隠れていては感付かれる。
 この際セインに協力を仰ぐべきかとも思ったのだが、どう考えても不利にしかならなさそうだったのでやめた。
(にしても、あたしもよく頑張るよな……)
 缶コーヒーを一口含みながら、内心で呟いた。
 ちなみにこのコーヒー、刑事ドラマの尾行シーンなどで飲んでいたのを、そのまま真似しただけだ。
 まずは形から入らねば、と思って携帯し始めたようだが、やっぱりどこかずれている。
 軽い気持ちから始めた尾行だったが、その割には随分と長続きしているし、随分と頑張っている。
 オットーの性別がどちらなのか。本人いわく「そんなこと」の解明に、随分と躍起になっている自分がいた。
(単純なことの割に……どうも気になるんだよなぁ)
 毎日オットーの顔ばかり見る日が続いているわけだが、そうでもしてないといやに落ち着かない。
 いつしか彼とも彼女ともつかぬそいつを見るのが当たり前になり、そいつのことを考えるのが日課になった。
 だが、それは何故だろう。最初はともかく、今こうして続けている動機は何なのだろう。
 そう考えているうちに、ふと、あらぬ仮説が脳裏をよぎった。
(……い、いや……そんなことはねーよ?)
 ぽっ、と。
 瞬間、ノーヴェの顔に赤みが差した。
 どくどくと鼓動が加速し、上昇した体温がだらだらと汗を流させる。どうみても不審人物。
(うん、そんなことはない。断じて違う。べ、別にアイツ個人のことが気になるとかじゃなくてだな? た、単に疑問がハッキリしないと、もも、もやもやして気持ち悪いからであって―)
「何をしているんだ?」
「うわあああぁぁぁぁ!?」
 仰天。
 どきり、と。
 人工の心臓が脈動を止めるどころか、粉々に吹っ飛ぶかと錯覚するほどの衝撃。
 突然背後からかけられた声に、ノーヴェは大声を張り上げて全身を硬直させた。
 かの忌々しき、機動六課の真竜もかくやという大絶叫。既にオットーがこの場を離れていたことが、幸いとしか言いようがない。
 さながら小動物のように、おどおどとしながら振り返る。そこに顔が見えないのに気付き、更に慌てて視線を落とした。
 銀色の髪をロングストレートにした隻眼の幼女は、ナンバーⅤのチンクである。
「い、いいいや違うんだチンク姉っ! べ、べべ別に何も怪しいことは、し、してねーですよっ!? 不審人物とかそんなんじゃ全然なくて……」
「いや……先ほどまで、そこで見てたんだが」
 思いっきり不審者全開であたふたする妹へと、半ば呆れたような表情で姉が告げる。
 両者の身長を客観的に比較すると、何ともシュールな光景なのだが、当人達にしてみればこれが普通なのだ。

11:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:19:48 mSAKzb9S
「あ……そっか……」
 先ほどまでの慌てぶりが嘘のように、一瞬で意気消沈となるノーヴェ。
 どうやら、自分が何を熱心に見ていたのかは、もうチンクにはばれていたらしい。しゅんとした様相をうつむかせる。
「オットーと何かあったのか? 姉でよければ、話を聞いてやるが」
 目線を少し動かせば、チンクが若干心配そうに、自分の顔を覗き込んでいる。ノーヴェと同じ金色の目。
 この場にいたのが、この心優しい小さな姉でよかった。これがセインやウェンディならば、今頃どうなっていたことか。
「……最初は、アイツが男なのか女なのか、ってのが気になってただけなんだけどさ……」
 この人になら、話してもいいと思えた。この人なら信じられると思った。
 故に、ノーヴェの口は正直に言葉を紡ぐ。
「なんだかよく分からないけど……気付いたら、アイツのことが気になってるんだ。アイツのこと見てないと、どうも落ち着かなくて」
 いいや、最近に始まった話ではない。
 程度の違いこそあれど、彼女がこうした調査を始める前から、その兆候は見られていた。
 アイツが男なのかもしれない。そう気付いたその瞬間から、いつも心のどこかにその存在があった。
 でなければ、わざわざオットーを呼びつけたりはしない。それも、2人っきりの時を狙ってなど。
「何か、変だよな……どうしたのかな、あたし……?」
 僅かに困ったような表情を浮かべ、ノーヴェが問いかけた。
「うむ……」
 眉間に皺を寄せ、チンクが小さく唸る。
 己が右手を顎に当てると、そのまま思考の態勢へと移った。
 難しい問題であることは、なんとなくだが理解している。でなければ、チンクに答えを求めたりはしない。
「……そうだな……」
 どれほど沈黙が続いただろうか。思考の海へと意識を沈めていたチンクが、静かに呟く。
 胸をどきどきとさせながら答えを待つノーヴェへと向けて、口を開いた。

「要するに……惚れたんじゃないか?」

「……なななななななんなあああぁぁぁぁぁぁっ!?」
 再度、ノーヴェは飛び上がる。
 平静はほんの一瞬で粉々に打ち砕かれ、顔面は耳に至るまで真っ赤に染まった。
 チンクの思考を見守っていた時とは、比較にならない激動が、心臓から五体全てへと伝達されていく。
 頭から湯気でも出ているんじゃないのだろうか。そう錯覚させるほどの狼狽ぶり。
「いや、姉も色恋沙汰に詳しいわけではないのだがな? だが、前にウーノから聞いた話と照らし合わせると―」
「ちちち違う違う絶対違うからっ! そそ、そんなアイツのことなんて、す、す、す、好きとも何とも思ってないってば! それじゃっ!」
 真っ赤にした顔全体を汗ばませて。その前で両手をブンブンと振り回して。
 チンクが言い終えるよりも早くに盛大に喚き散らすと、そのまま一目散に逃げ出した。
 電光石火。疾風迅雷。ジェットエッジより速いんじゃなかろうか、これ。
 ぴゅーん!という擬音が聞こえてきそうな見事な逃走の後、取り残されたのは、半ば呆然とするチンク1人。
「……私は何か、おかしなことを言ったのだろうか?」
 ふぅむと小さな首を傾げながら、心底怪訝そうな響きと共に呟いた。

12:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:21:16 mSAKzb9S
 暗い部屋の自動扉を、開く。
 割り当てられた個室へと入ったのは、やはり赤毛のノーヴェだった。
 その表情は冴えない。部屋の明かりもつけないまま、ぼふっとベッドに上半身を投げ出す。
「……チンク姉のいじわる」
 ぽつり、と。
 他の誰にも聞き取れないような音量で、呟いた。
 溺愛する姉を否定する言葉は、そうそう滅多に聞けるものではない。
 チンクに例の相談をした日から、既に3日が経過していた。
 その間にオットーに関して、何か進展があったわけでもない。だがノーヴェ自身の心境は、明らかに変化していた。
「まともにアイツの顔……見れなくなっちゃったじゃないか」
 彼女のあの発言以来、自分は確実にオットーを意識するようになっている。
 今では顔を合わせるだけで、どくどくと心臓が暴れだす始末だ。噂好きなセイン達が異変を嗅ぎ付けるのも、時間の問題だろう。
 どうしてこんなことになってしまったのか。こんな感触を覚えるのは初めてだ。
 敢えて例えるのならば、集団洗浄の時に、男かもしれないあいつを意識した時の緊張。あれが一番近いのか。
 そしてそれを近いとするならば、自分は間違いなく、異性としてのあいつを意識しているのではないか。
 どうしてあいつが気になるのか分からない。
 あの無感情な瞳は自分の理解をことごとくはね除けるし、少女のようにか細い腕には、男らしさなど欠片もない。
 万が一、自分が誰かと結ばれるならば、自分以上に逞しい奴がよかった。それが第一条件のはずだった。
 そんな自分が、あんな奴を好きになるはずがない。好きになんてなれるはずがない。
 そもそも、あいつが男であるという確証すらもないのだから。
(でも……)
 す、と。
 まどろみかけた意識を揺り起こし、布団に飲み込まれた身体へと、力を込める。
 柔らかな感触から引き剥がすように、ぐ、と上体を持ち上げた。
 科学者ジェイル・スカリエッティにより産み出されし、戦闘機人ナンバーズ。その身を包むフィットスーツの身体を一望する。
 首元のファスナーへと手をかけ、それを臍の辺りの高さまで一気に引き下ろした。
 ぷるん、と踊る胸元。
 女性のシンボルとでも言うべきそれが露わになる。
 決して姉妹達の中では目立つ方でもないが、それでも人並み以上のサイズは有した双丘。
 つんと立ったピンクの天頂が、みずみずしい肌色の乳房の中心で、その存在をアピールしていた。
 女性らしい起伏に富んだ肢体から、左右の胸と臍周りのみが露出した、一種扇情的な光景。
 自分のスタイルに自惚れる趣味はないが、それでも客観的事実として、自分とあいつの体格は大きく異なっていた。
 この豊かな乳房に比べれば、まな板のようなあいつの胸。胸板と表現してもいいかもしれない、男性的なそれ。
「アイツにはこんなもん、ついてないしな……」
 ふに、とした感触が指に伝わる。
 自身に備わった女性を確かめるように、ノーヴェの両手が下部から胸をなぞった。

13:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:22:35 mSAKzb9S
「―っ」
 瞬間、びくり、と。
 微かにノーヴェの肩が跳ねる。
 不意に身体を襲った感触に、筋肉が細かく振動した。
 両手の中で2つの果実が躍動。反射的に閉じた瞼を恐る恐る開き、何事かを引き起こしたそれへ視線を向ける。
(なんだ、今の……)
 ゆっくりと視野に入れた両手のうち、片方の人差し指が、頂点の肉豆に当たっているのが分かった。
 どうやらこの未知の感覚は、ちょうどこの辺りから湧き出したものらしい。
 自然と、両の指が左右の乳頭へと、伸びた。ほとんど無意識的に、両手が突き動かされていた。
 人差し指と親指を器用に操り、赤みの差したそれを摘まむ。
「んんっ……!」
 全身を電流が駆け巡ったか。
 途端、ノーヴェの身体が、そんな錯覚を訴えかけた。
 先ほどよりも強烈な刺激。肩を震わす程度には留まらず女の肢体が弓なりにしなる。
 呼吸が苦しくなった。身体が熱くなった。脳裏に浮かんだのは、漠然とした背徳感。
 これを続けていてはいけない。何故だか、そう思えていた。
 だがその思考に反し、ノーヴェの手のひらは、更なる刺激を乳房に加えようとする。
(駄目だ……これ以上、続けちゃ……)
 可能な限りの自制を働かせ、その手を理性のもとに従わせようとする。
 全神経を手先へと集中させた。そうでもしなければ止められなかった。
(待て待て待て……駄目だって……それはやっちゃまずいってばぁ……!)
 されど、止まらず。
 自分の両手でありながら、さながら別の生き物のようにその意識をはね除ける。
 一切の命令に応えることなく、ただその麻薬のごとき感触を求めて。
 未知の刺激の中に見出した、禁忌の果実のごとき悦楽を目指し。
「あぁっ!」
 遂にノーヴェの両指が、その肉豆を弄んだ。
 ころころと指先で転がされ、徐々に乳首がその硬度を増していく。快楽の源泉から溢れ出す刺激が、少女の脳を貫いていく。
(止まれよ……とまれよぉ……っ!)
 もはやノーヴェの黄金の瞳は、ほとんど涙目になっていた。
 上気した頬、艶っぽく潤んだ瞳。理性では快感を拒絶しつつも、その表情は既に、蕩けるような女のそれだ。
 自制の檻より解き放たれた、獣のような両の腕。触れているのは自分なのに、他の誰かに触れられているような。
 こうなればもう、堕ちるまでに時間はかからない。
「はぁっ、ん……あっ……」
 乳首のみを重点的に責めていたたどたどしい手付きは、やがて胸全体を揉みしだくに至る。
 悦楽の波に煽られ、朦朧とする理性は、緩やかに深淵の底へと沈んでいった。
 ぬかるんでいく意識の中、ふと、昔どこかで聞いた記憶を思い出す。
 人間の乳房というものは、基本は自らの子供への授乳を目的とした器官である。
 だがその一方で、この胸という部分は、人体の中でもとりわけ敏感な性感帯でもあるのだそうだ。
 どうやら自分は、いわゆる「感じている」状態にあるらしい。うすのろになった脳味噌で、どうにかそれを理解する。
(人間ってのは、こういう風にヤッてんのか……)
 今一度自らの痴態を見つめ直し、羞恥に頬を赤く染めた。
 普段は気丈な突撃娘の、何と淫靡に乱れたことよ。この部屋に鏡でもあろうものなら、自責でどうにかなってしまうかもしれない。
 それでも、もうこの手を止めることはできなかった。
 貪るべき快感の味を知ってしまったから。情欲に脳髄を犯されてしまったから。

14:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:23:53 mSAKzb9S
「く……はぁっ! あ、あん……っ」
 口から漏れる甘い嬌声を止めようともせず、独りぼっちの情交の快楽に身を委ねる。
 スーツの手袋の生地の質感が、敏感な皮膚と擦れ合い、更なる刺激を与えていく。
 興奮に火照った身体は、次の瞬間には溶けてしまいそうな熱量を孕む。
 不意に、1人の人間の顔が浮かんだ。
(なんで……アイツのこと、考えてんだよ……っ)
 自分のそれよりも更に短い、茶色に染まったツンツン頭。
 自分のそれよりも更に細い、触れたら折れてしまいそうな華奢な身体。
 どうして今、自分はあいつを連想している。
 男と女のまぐわいのイメージに、どうしてあいつの顔が重なる。
「ひあぁっ! はあ、んんん……っ!」
 びくり、びくりと。
 押し寄せる快楽の波に足をとられ、遂にノーヴェの上半身がベッドに倒れた。
 もはやがくがくと震える両足は、身体を支えることはかなわない。己が体重を布団に預け、ただひたすらに乳房を揉み続ける。
 不思議と、胸元より溢れる快感の度合いが、先ほどよりも増した気がした。
 あの緑色の瞳を感じた瞬間、ぴんと立った乳首の感度が増した気がした。
 これがあいつの指だったら。
 自分があいつに抱かれているとしたら。
「オットー……おっとおぉぉ……っ」
 口はひたすらに名を呟く。
 瞳はひたすらに姿を求める。
 あいつが女かもしれないというのは、もう彼女にとってはどうでもいい。
 今この瞬間、ノーヴェにとってオットーとは、紛れもなく1人の雄であり。
 ノーヴェの乳を貪るのは、紛れもなくオットーの手のひらであった。
「ひゃうっ! んぁ、あああっ!」
 ぞくぞくとした感触が背筋を襲う。全身が粟立つ感覚に囚われる。
 記憶の中のオットーが、自分をその手で犯している。
 客観的には、ありもしない虚構であることは明白だった。
 だが、脳まで痺れた彼女の主観という一点において、それは何物にも揺るがせぬ事実となった。
「やっ、ああぁ! なんか……なんか、くるぅ……っ!」
 快楽の振れ幅は次第に増幅していく。絶頂というものが近いのかもしれない。
 何よりも、徐々にボリュームを上げていくノーヴェ自身の声が、それを雄弁に物語っていた。
 未体験の悦楽に、半ば麻痺しかけた脳髄を渦巻く感情が2つ。
 1つは恐怖。
 今ですら快感に翻弄されているというのに、これ以上の刺激を与えられ続ければ、一体どうなってしまうのか。
 五体も意識も何もかも、ぐちゃぐちゃに溶けて壊れてしまう。それが堪らなく怖い。
 しかしその一方で、それとはまた別の思考が、ノーヴェの手を絶え間なく動かしていた。
 それは―期待。
 更なる高みがもたらす興奮への、漠然とした期待。
 もっと先を知りたい。もっと気持ちよくなりたい。
 いっそ壊れても構わない。
 あいつと一緒ならば―怖くない。
 不思議と、そう思えていた。
「ひぅ、あ……ぁああああんっ!! ふぁあああぁぁぁっ!!」
 びくん、びくん、びくん。
 一際大きな叫びをぶちまけると共に、ベッドに預けた上体が暴れ回る。
 朱に染まりきった顔をを振り回し、玉のような汗を振り撒いて。
 理性も自制も投げ出した、本能そのものが放つ咆哮。
 遂に達した。絶頂の高みを迎えた。ただ胸への愛撫を重ねただけで。
 理性で怖れ、本能で求めた。
 轟々と逆巻くカオスの最中で受け止めた、極大の快楽に身を委ね、雌の獣の叫びを上げる。
 急速な興奮と強烈な刺激が、光の速さで五体全てを駆け回る。
 全ての思考は真っ白に蕩け、打ち寄せる波に任せるままに、思いっきり吼えながら果てた。

15:ノーヴェの勘違い(前編)
08/12/01 16:25:17 mSAKzb9S
「……はぁ……はぁ……はぁ……」
 戦闘後の疲労以上の何かが呼吸を妨げるのを感じながら、上半身を仰向けになるように転がす。
「あっ」
 オルガスムスを迎えた直後で鋭敏になった乳首がシーツに触れ、また短く声が上がった。
 乱れた息を整えながら、ただ天井をぼうっと見つめる。
 その焦点は天井にすら合わず。その遥か先にある、茶髪の少年の姿に、黄金の双眸は向けられていたのだろうか。
 初めて知った手淫の味は、どこか恐ろしくて、すごく心地よくて―少し、切ない。
「オットー……」
 誰もいない天井へと、呟く。
 絶頂を終えたノーヴェの思考は、急速に冷静さを取り戻していく。
 自分の身体を抱いたのは、実像を持ったオットーではない。そう見えただけの、ただの虚構だ。
 自分の乳房を陵辱したのは所詮妄想の産物であり、自分を犯したのは自分自身だ。
 ただ快楽に支配されるままに、ノーヴェの腕がノーヴェ自身を慰めた。
(誰かに惚れる、ってのは……こういうことなのかな……)
 今はまだ、分からない。
 この一瞬の出来事が、男女の恋愛感情に基づくものなのかは定かではない。
 それを他の誰かに問うつもりはなかったし、言ってはいけないことのような気もした。
 未だもやもやとした、どこか満たされぬ想いを胸に抱えたまま、ベッドに預けた身体を起こす。
 と、不意に、違和感を感じた。
 奇妙な感触は下半身から来る。恐る恐るそちらを見ると、スーツの色が微かに変化していた。
(濡れてら……)
 ノーヴェの花弁から漏れた蜜が、股ぐらにじわりと浮いている。
 太腿を動かしてみれば、尿とはまた違う、粘性を伴った湿り気が感じられた。
 何故かは分からない。ただ何となく、ひどく淫猥な雰囲気を漂わせる自身の愛液。
(ここを触れば、もっと気持ちよくなれるかな……)
 す、と。
 布団をついていた腕が動く。 ただ本能的な直感のままに、自らの蜜壺を目指していく。
 この身を火照らす快感も、この身を苛む切なさも、全てが肉欲によるものならば。
 男の怒張を受け止めるべく生まれたその場所ならば、より高次の感情へと、導いてくれるのだろうか。
 胸を締め付けられる感触も、未知に迷う恐怖心も。
 何もかも飲み込み、忘却の彼方へと洗い流してくれるような―

「―遅くにごめん。ドクターからの連絡、が……」

 突如、割り込む声。
 扉の方より差し込む光。
 はっ、と。
 反射的に持ち上げられたノーヴェの顔が、そちらを向く。
 そして、上気した顔色が、一気に青ざめた。
 開かれた入り口に立っていたのは、まさしく渦中の少年の姿。
 短い茶髪をつんつんと逆立たせ、フィットスーツの上からジャケットとズボンを羽織った男。
 彼女自身も知らぬ俗な言い回しをするならば、自慰に当たって「おかず」にしていた相手。
 そのオットーの無表情な視線が、今まさにノーヴェに向けられている。
 そして、自らの姿を省みると同時に、再びその顔が紅潮していく。
 ノーヴェから見れば、性欲のままに乱れる自身の痴態。
 事情を知らぬオットーの立場を考慮しても、剥き出しの裸の乳を見られたことになる。
 あられもない姿を、異性に。
「……じ……」
 わなわなと震えるノーヴェの手が、スーツ越しに触れようとしていた股間を離れ、床に転がったガンナックルを掴んだ。
「……じろじろと見てんじゃねええぇぇぇぇ――っ!!!」
 がんっ、と。
 怒号と共に放り投げた鉄塊が、オットーの額を直撃していた。

16:ぷよ ◆aWSXUOcrjU
08/12/01 16:27:41 mSAKzb9S
以上、投下終了。
「(集団洗浄の際に)ノーヴェがオットーの存在を意識していた」という知人の発言から、
何故か一瞬でこの話を妄想した次第。もう駄目かもしんない、俺w

(前編)とある通り、もう少しだけ続きます。
後編の方は、また完成次第、後ほど。

17:名無しさん@ピンキー
08/12/01 18:04:25 3Vin0g5C
>前スレ、B・A氏
GJっした!
いやはや、始まりましたね決戦が。
もうルーやヴァイスがどうなるかとか、色々と期待と不安で脳汁が溢れまくりますです。
そしてウェンディ……君は良い子だったよ。

>>1
ってかレティさんすげえwww
流石は人妻、あの淫蕩な魅力に90人もの男が振り返るかwww
とりあえず本スレ中にレティさんのエロを投下する事をお約束しよう。

>>16
ぷよ氏GJ!
オットー×ノーヴェとは、なんという新次元開拓。
そのフロンティアスピリッツは見習いたいものです!
しかしノーヴェ、胸だけでこれだけ乱れるとは、こりゃ相当なスキモノと見た。
次回はどんな姿を見せてくれるか、期待してお待ちしております。

18:名無しさん@ピンキー
08/12/01 18:27:39 ha/WQtyO
♪どうやっても、勝てない悪魔(なのは)が~、女神の顔をしてちゃっかり~。

19:名無しさん@ピンキー
08/12/01 18:33:54 kPLxjVLl
あたしゃてっきりまだガ○アネタが続いててゾグのことかと思ったよ

20:名無しさん@ピンキー
08/12/01 19:24:20 b9TX8BN0
…何と言うか、とんだ災難でしたね(前スレ)。
こっちが立ち上がらなかったら、ホント如何しようかと。

21:名無しさん@ピンキー
08/12/01 19:45:41 niwK5H4B
よせよ兄弟。それ以上言うのは野暮ってもんだ
さぁ、新たな兄弟のGJな投下作品を楽しもうぜ

22:名無しさん@ピンキー
08/12/01 22:04:14 0OcbpC5p
>>16
GJだ!
ノーヴェかわゆいな
惚れっぽそうなイメージはあったけど、面白い空回り方だw

23:名無しさん@ピンキー
08/12/01 22:34:27 c01/SPg6
前スレ野狗氏
GJ!!!
なのは、フェイト、はやて軍団怖すぎる
確かに三人いれば街一つ吹き飛ばすくらい何ともないパーティだ…
そしてローヴェン、まだ何か重要なことを隠してるような感じが
ルーテシアとキャロの救出、ローヴェンとクアの討伐、色々気になる展開だ…

前スレB・A氏
GJ!!!
。゜。゜(ノД`)゜。゜。ウェンディ…本当に涙目になってもうた…
野狗氏の方ではまだ生き残る可能性があるけど、こっちではもう本当に……
そしてスバルとカルタスは自分の姉妹と殺し合って、エリオはルーテシアと…
しかしルーテシアがウェンディも殺してしまったようなものなのか
エリルーの(性的な)絡み…ゲフンゲフンいや、邂逅が待ちきれねえ!

24:野狗
08/12/02 00:14:13 gXuoySTp
 さて。
 欝・エロ・鬼畜アットロ。三題噺で参りますよ。

 駄目な人は注意してください。
 あぼんはコテハンで。

25:野狗
08/12/02 00:15:00 gXuoySTp
     1/3

 メガーヌは、不自然な振動に意識を呼び起こされつつあった。

 ……いったい……?
 
 ゼストに率いられた部隊は全滅した。最後に覚えているのは、クイントと互いの背中を守りあっていたことだけだ。
 おそらく、高速機動を可能としていた戦闘機人にやられたのだろう。
 しかし、それにしては自分は生きている。ゼストがあれから盛り返したのだろうか。いや、それはない。すでにゼストは傷だらけだった。
仮にあの場を切り抜けたとしても、自分たちを連れて帰る余力はなかっただろう。
 レジアスが助けをよこした。それはますますありそうにない。戦闘機人に混じってレジアスの部下がいた、と言われた方がまだわかるというものだ。
 徐々に意識がはっきりとしていく、それに連れて、自分の身体の異変もわかってくる。
 この振動は……

 ビクン、と衝撃が下半身を揺らした。

「あうっ!」

 声が漏れてしまう。それも、衝撃の中に艶の混ざった声が。
 紛れもない快楽の響きをメガーヌは自分の声の中に感じていた。
 勘違いではない。意識が蘇るにつれ快楽も同じように、いや、自乗倍で上がっていく。
 何かが背後から貫いている。
 秘部ではない。そこには何の感触もない。
 後ろを貫かれていた。肛門を、ざらついたなにかで。

「いっいっ…………」

 あげかけた声を必死で抑える。いったい、何が起きているのか。
 快楽を感じる身体を理性で押さえつけながら、メガーヌは周囲の様子を見ようとした。
 一糸纏わない自分の身体が、柱のようなものに抱きつく形で拘束されているのがわかる。
 柱の反対側にはもう一人いた。

「ひっひっ……あ……」

 同じように自分を抑えながら喘いでいる姿はクイントだ。

「く……クイント?」
「ひっ、ひぁっ……き、気付い……ああっ!」
「いったい……何がぁあっ!!!」

 言葉を交わそうとすると尻への刺激がさらに強くなる。どうやら、クイントも同じようだった。
 メガーヌは必死で状況を確認した。
 そしてわかったのは、自分とクイントが一つの柱に抱きつくように向かい合わせで縛られていること。
 両足は開く形で固定され、アナルにバイブのようなものが固定されていること。
 そして二人の横に立つ影。

「あら~、ようやく気付きましたかぁ~♪」

 クアットロだった。

26:野狗
08/12/02 00:15:48 gXuoySTp
      2/3

「なかなか目が覚めないから、どうしたのかと思いましたよぉ。そんなにお尻って気持ちいいんですかぁ? ものすごく喘いでますけどぉ~♪」
「これは……くっ……いった…ぁあっ!!」

 話そうとするたびに、絶妙な動きでバイブは腸内をえぐるのだ。バイブではない。少なくとも普通のバイブではない。
 表面に柔毛のようなものが生え、表面をくすぐりながら振動している。
 そのうえ、いつからそうなっているのかはわからないが、自分の尻穴はバイブを受け入れきっているのだ。
まるでそこだけが別の意志を持つように、バイブをくわえ込んでいる。

「イクときは素直にイクといいですよぉ、クアットロはそんなこと全然気にしませんからぁ」

 クアットロはニコニコと笑っている。

「ゼスト隊の生き残りは貴方達二人だけです。もっとも、もうすぐ一人になりますけれど」

 クアットロは一本の試験管を取り出す。

「今、母親候補を探している所なんです。悔しいけれど、クアットロは戦闘機人なのでドクターの子供が産めないんですよぉ。
だからぁ、このドクターの遺伝子で子供を作ってくる人を募集中なんです。ちなみに、子供を作れなかった方には死んでもらいますから」

 汗で見えづらくなってきた視界で、メガーヌはクアットロをにらみつけていた。後ろの刺激に耐えながら、何とか抜け出す方法を模索する。
 ふと気付くと、柱が異常に濡れている。
 そしてすぐに気付いた。
 自分の愛液と小水だと。
 尻の刺激が高まるたびに潮を吹くように愛液を分泌し、わずかだが小水を漏らしているのだ。
 屈辱に歯がみしつつ、それでも快楽が否定できない、感じていなければこうはなっていないのだから。

「はうっ! だめっ、止めてっ! もう、もうだめっ!!」
「クイント! 駄目よ、頑張って」

 言ったメガーヌのバイブもより強く動き出す。
 さらに、柱の表面に仕込まれていたのだろうローターが、クリトリスを刺激し始めたのだ。

「やっ、嫌ッ!! 止めて!!! あ、あああっ!! はぁっ!」

 強制された快楽に喘ぐクイントの顔が目の前にあった。それがひどく美しく見える自分を、メガーヌは恐れていた。

「子供を作りたくなったらいつでも言ってくださいね。作りたくなったら、前にも入れてあげますから」

 クアットロはそう言うと、くるりと振り向いて、歩いていく。
 放置される。そう悟ったメガーヌが必死でもがいた。

「離して!! 離してぇ……あ、あああああっひぃっ!!」
「子供が産みたくなったら、前にして欲しくなったらいつでも言ってください。この部屋はモニターされてますから」

 歩き出し、そしてふと止まる。

「管理局の偉い人たちも、見てますよ?」

 メガーヌとクイントの悲鳴が上がる。微妙に別の何かをを含んだ悲鳴が。

27:野狗
08/12/02 00:16:36 gXuoySTp
         3/3

 声を上げ、えびぞり、脱力する。それを何度繰り返しただろうか。
 絶頂を感じるたびに、縛られた身体から体力が奪われていく。それがわかってはいても、快楽を断ち切ることはできない。
 もがき続けて多少は拘束が甘くなったのか、それとも最初からそのように作られていたのか。
いつの間にかメガーヌとクイントの顔は、少し首を伸ばせば届く位置まで近づいていた。
 最初はただ、励ますつもりだった。
 いつの間にか、それは情熱的な口づけに変わっていた。
 そして、絶頂を同時に迎えるたびに二人は互いの唇をむさぼった。
 こんな機械に絶頂へと押しやられるのなら、大事なパートナーとの交合で絶頂を感じた方がいい。
 それが誤魔化しだとは二人とも気付いていた。それでもその行為は、二人の理性をギリギリで押しとどめていた。
 いずれ、どちらかがより以上の刺激を望むのだろうか。そのときは、相手を裏切るのだろうか。
 尻をえぐられ、腸を撫でられ、下半身から駆け上る快楽にうちふるえながら、二人は唇を貪るように合わせ続ける。


 
 クアットロは管理局の施設を訪れていた。
 今から帰るところである。
 ふと足元を見ると、あり得ないことに返り血がついている。
 死体は完璧に始末したのに、これでは画竜点睛を欠くというものだ。
 跪いて、足下を丁寧に拭く。
 子供であっても、体内にあれだけの血が流れているのか、とクアットロは妙なところで感心する。
 そしてもう一度、ドアの前の名前を確認する。

 ルーテシア・アルピーノ

 もう、決まっているのだ。
 殺すのは、悲しむ家族の多い方が楽しいに決まっている。つまり、夫と娘のいる方。しかも、その娘もただ者ではない。
ドクターから研究成果をかすめ取った愚か者のでっち上げた戦闘機人もどきである。
 だったら、これは天罰と言ってもいいだろう、とクアットロは思う。
 そしてメガーヌには子供を産んでもらおう。いい実験材料になるはずだ。メガーヌ自身も人造魔道師の素体としては悪くない。
 なに、生まれた子供にはルーテシアと名付けて、少しだけ成長を早めてやればいい。
 ほんの少し脳みそを弄ってやれば、互いに自分たちが母娘だと思ってくれるだろう。

「ゼストの一味のことだが、後始末は全て君に一任するよ。報告はいらない。ただし、使える素材があれば取っておくこと、いいね、クアットロ」
「はい、ドクター」

 これなら、ドクターの出した指示には従っている。そして自分の趣味も満足している。
 
 ……クアットロってば、天才ですわぁ。

 クアットロは、鼻高々な思いで帰っていくのだった。 

28:野狗
08/12/02 00:17:20 gXuoySTp
 以上 お粗末様でした。

 IrregularSの没エピソードだっていうことは内緒だ!

29:野狗
08/12/02 00:18:20 gXuoySTp
タイトル忘れてた「エンバーミング前日」

30:名無しさん@ピンキー
08/12/02 01:04:00 5V5MkC55
な、なんという外道……流石は鬼畜眼鏡姉。

GJでした。
しかしメガーヌさんは出番少ないのにやたらエロい印象があるなぁwww

31:名無しさん@ピンキー
08/12/02 01:36:02 pxyRR9ZJ
初登場は全裸でポットに浮いていたしw

32:名無しさん@ピンキー
08/12/02 02:03:58 mczR8YkG
>>16
ノーヴェの自慰………
ハァハァさせていただきました!!


>>28
テメェ……、クアットロォッッ!!

好きです!
結婚してください!!1

33:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:33:12 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
       |  ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi  |
        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi  |
       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


34:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:34:06 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
       |  ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi  |
        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
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       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


35:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:35:06 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
       |  ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi  |
        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
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        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
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36:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:36:08 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


37:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:37:10 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi  |
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      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
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        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
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38:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:38:08 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
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         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
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       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
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        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi  |
       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


39:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:39:07 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
       |  ;if≡|ヾヾヾミミミミヾヾ、//巛iiリ≡キi  |
        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
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       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
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         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


40:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:40:06 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
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      |  ,if ,f=|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリ=t、キi  |
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       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
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41:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:41:05 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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42:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:43:10 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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43:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:44:08 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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44:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:45:06 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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                 ノ    ゞ


45:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:46:18 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
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       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
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      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


46:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:47:07 sAj0E5Fz
      上、      /⌒ヽ, ,/⌒丶、       ,エ
       `,ヾ   /    ,;;iiiiiiiiiii;、   \   _ノソ´
        iキ /    ,;;´  ;lllllllllllllii、    \ iF
        iキ'     ,;´  ,;;llllllllllllllllllllii、    ナf
         !キ、._  ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fサヘ.
       /  `ヾ=;三ミミミミヾ仄彡彡ミミヾ=`´  'i、
       i'   ,._Ξミミミミミヾ巛彡////iii_    |
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        |  if!  |l lヾヾシヾミミミ川|ii//三iリ `キi  |
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        |  ;iナ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ キi キi  |
        |   iナ ;サ |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ キi キi  |
       |  iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,キi キi  |
       |  iサ ;サ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,キi :キ、  |
        ,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,キi `ヘ、
      ,√  ;サ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,キi   `ヾ
     ´    ;サ,  |彡彡彡彡川川リゞミミリ  ,キi
         ;サ,  |彡彡彡彡リリリミミミシ   ,キi
         ,;#,    |彡彡ノリリリリミミミシ    ,キi
        ;メ'´    !彡ノリリリリリゞミミシ     `ヘ、
       ;メ      ヾリリリリノ巛ゞシ       `ヘ、
      ;メ        ``十≡=十´         `ヘ、
                 ノ    ゞ


47:名無しさん@ピンキー
08/12/02 12:50:20 sAj0E5Fz
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

589 :名無しさんなのね~:2008/12/02(火) 12:41:45
リリカルなのはのエロパロスレが昨日から酷い事になってるな
あそこは比較的まともな作品が多いからヲッチャーとしては物足りないが

48:名無しさん@ピンキー
08/12/02 14:15:40 y0Zs5hkh
コピペ連投荒らしって報告したら規制して貰えるとか無かったっけ
まぁ、NGすればいいだけといえばそれだけだけど

49:名無しさん@ピンキー
08/12/02 16:03:29 9rkvYWiN
温泉につかってる猿ってすげぇ可愛いよな

ところで風呂につかってるウェンディってすげえ可愛いよな

50:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:02:12 sAj0E5Fz
面白いSS

URLリンク(civer.blog122.fc2.com)
URLリンク(mai-net.ath.cx)
URLリンク(mai-net.ath.cx)
URLリンク(mai-net.ath.cx)

51:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:18:02 BBWRRvK3
>>50
三番目のはそこまで酷くなくね?w
というか未だU1書いてるヤツいるとは思わなんだwww

あと
URLリンク(www9.nhk.or.jp)
・・・アルフ。。。

52:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:19:58 y0wos+B3
はいはい自演乙

53:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:22:25 Vim0ef7D
>>51
それは荒らしだから触るなよ
ID見てみ

54:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:25:46 y0Zs5hkh
例えID違ったとしても他のサイトのアドレス貼る奴が荒らしだなんて分かるだろうに・・・
>>51はおまけに中傷じみたことも言ってるし自演に一票かな

55:名無しさん@ピンキー
08/12/02 17:56:02 WZxU4Gov
>>49
確かに可愛いなぁ。
これがギンガやディードになると色っぽくなる。

56:名無しさん@ピンキー
08/12/02 20:07:16 mpK3LgIn
>>前スレB・A氏
GJ!!
ウェンディも死んでしまい、またしてもルーは手を汚してしまった
エリオとガリューには何としてでも助けて欲しい
でも心を壊してしまった相手をどうやって助ければ…


57:名無しさん@ピンキー
08/12/02 21:33:46 pxyRR9ZJ
>>49
きっと、頭に畳んだタオル置いて「あー、ビバビバ」ってしているんだろうな。
で、湯上りには腰に手を当てフルーツジュースorコーヒー牛乳。
ところで、何故か傍らにヴィヴィオがいて一緒に「グビッ・・・ぷはぁっ・・・・・」ってしている画が浮かんだ。

58:名無しさん@ピンキー
08/12/02 21:39:39 gXuoySTp
「あー、せめて身体にタオルはまかないと、はしたないッスよ、陛下」
「陛下禁止ーーー。ついでにタオルも禁止ーーーー」
「ええええーーーーっ!!」

59:野狗
08/12/02 22:59:56 gXuoySTp
なんかスイッチが入ったみたいですわ。
連発ごめん。

4レス。
あぼんはコテハンで。
タイトル「雨の日は外に出しません」

60:野狗
08/12/02 23:00:38 gXuoySTp
       1

 盾の守護獣ザフィーラ。今は子供のお守り犬として重宝されている。
 そのことは別にいい。子供を守るというのは大切なことだ。幸い、ヴィヴィオも自分には懐いてくれている。

「ザフィーラ、ご飯だよ」

 ヴィヴィオの置いたご飯に口を付ける。ヴィヴィオは、その横でテーブルに座ってごはんを食べている。
 当然食べているのは同じものではないが、一緒に食べるということはそれだけでも気分が全然違う。心が豊かになれるのだ。

「食べたら、歯磨きだよ」
 
 ヴィヴィオはいい子だ。アイナさんやなのはに言われたことをきちんと守っている。
それどころか、食後の歯磨きの大切さを言い聞かされた結果、ザフィーラにまで歯磨きを勧めるのだ。
 食後に歯磨きをする狼など聞いたことがない。そもそも、どうやって歯ブラシを持てばいいのか。
 最初にヴィヴィオに歯磨きを勧められたときは正直途方に暮れたものだ。失望はさせたくないが、こればかりは無理である。
まさか歯を磨くために人間型になるわけにもいくまい。
 どうしたものかと考えていると、ヴィヴィオが新しい歯ブラシを用意していた。

「ザフィーラはお手手がないから、ヴィヴィオが磨いてあげるね」

 本当に優しい子だ。こんな子を守るためなら、自分は喜んでこの姿のままでいよう。
 ザフィーラは決意を新たにしていた。

「はい、お水」

 水を口に含んでうがいする。実際の狼なら無理だろうが、ザフィーラにはできるし、この程度ならやって見せても問題はないだろう。

「えーと」

 ヴィヴィオが辺りを見回した。どうやら、ザフィーラが口に含んだ水をどうするか考えているらしい。
 ザフィーラは、今自分が飲んだ水入れの中に戻すつもりだった。水はまた新たに汲んでもらえばいい。
 顔を水入れに近づけると、ヴィヴィオが制止した。

「駄目、汚いから。こっちだよ。お外に出してね」

 ベランダに連れて行かれる。なるほど、外なら、地面に吐いてもどうということはない。
 ザフィーラは素直に、しかしなるべく隅の方、すぐに排水溝に流れていく側に水を吐いた。



61:野狗
08/12/02 23:01:14 gXuoySTp
   2

 フェイトはソファに寝そべったまま、漫然と窓の外を眺めていた。
 雨。せっかくのお休みなのに雨。
 なのはやヴィヴィオとずっと過ごせるという意味ではありがたいのだけど。

(いいのか? 私はいつでも帰るぞ?)
(あ、いいよいいよ、ザフィーラ。気にしないで。ヴィヴィオも一緒にいられて喜んでるし)

 家族団欒を邪魔していると思っているのか、ザフィーラは居心地が悪そうだ。
 女だらけの中に男が一人、という状況は八神家で嫌と言うほど慣れているはずなので、気後れしているわけではあるまい。

(だったら、せめてその格好を何とかしてくれないか。目のやり場に困る)

 言われてフェイトは、自分が下着姿だと言うことに思い当たる。

(別に、見慣れてるでしょう? はやての所にはよくお泊まりに行ったし)
(……それはお前たちがまだ子供の頃だ。今の年齢を考えろ)
(私は気にしないよ?)
(私が気になると言ってるんだ!)
(気になるの? アルフとはやてに言いつけてやる)
(何故そうなる)

 ザフィーラは、器用に念話で溜息をついた。

(まったく、将がこのていたらくを知ったら嘆くぞ。やつのお前への評価は高いというのに)
(う。それを言われると……)
(第一、ヴィヴィオの教育にも良くないだろう。室内では下着姿が当たり前だと覚えてしまったらどうするんだ)
(そういうのは、なのはとアイナさんに任せてるから)
(……キャロがあんな風に育ったのが奇跡だな)

 実際、キャロもあまり羞恥心はないのだけれど。

(頼むから服を着ろ)
(えー。めんどくさいよ)
(ティアナやハラオウンが見たら泣くぞ)
(クロノは喜ぶと思うよ。ああ見えてむっつりだから)
(そんな裏情報はいらん)

62:野狗
08/12/02 23:01:49 gXuoySTp
     3

 ヴィヴィオは台所にいる。今日、大好きなママが二人ともお休みだと知ったヴィヴィオが「朝ご飯を作る」と言い出したのだ。
 ちなみに、昨夜から言い出したことなので、フェイトとなのはは昨夜の内にサラダを作って冷蔵庫に入れてある。
 ヴィヴィオがやることはパンを焼くこと、冷蔵庫からサラダと牛乳を出すこと、コーヒーメーカーのスイッチを入れること。それだけだ。
勿論、立派なお手伝いである。
 並べられたパンとサラダを見て、ヴィヴィオを褒めるフェイト。見ると、ザフィーラのご飯もちゃんと準備されてある。
 何故かヴィヴィオは、フェイトに褒められるとベランダへと駆けていく。

「雨、降ってるね」
「そうだよ。今日はずっと雨だよ」
「ねえ、フェイトママ。ザフィーラがお外に出ると濡れちゃうよ」
「それじゃあ今日はザフィーラもお家の中だね」
「お外に出せないと、ザフィーラがお水を出すところがないの」

 慌ててザフィーラが状況を念話で説明する。

(…ということだ。水飲み用のボウルが余分にあれば、それを出してくれれば助かる)
(あるよ。別に、水飲み用でなくてもいいよね? 吐き出すだけだから)
(それはそうだが)
(洗面器が余分にあるよ)
(充分だ)

「良かったね、ザフィーラ。これで濡れなくて済むよ」

(本当に、いい子だな、ヴィヴィオは)
(それは、私となのはの子供だもの)
(その高町はどうした。休みの日はいつもこんなに遅くまで寝ているのか?)
(普段が早起きだからね。お休みの日はこんなものだよ)

「ヴィヴィオ、そろそろなのはママを起こしてきて」
「はーい」

(高町の寝覚めはいいのか?)
(うーん。ヴィヴィオはしばらく戻ってこれないかも)
(なら、ちょうどいい)

 ヴィヴィオの背を見送って、人間型になるザフィーラ。

「あれ? どうしたの?」
「腕ずくでも服を着てもらう」
「え」

63:野狗
08/12/02 23:02:31 gXuoySTp
     4

 ユーノがなのはの胸元で喘いでいる。

「出すよ、なのは、出すよ」
「出して、ユーノ君、中に、中にいっぱいっ!」

「起きてよ、なのはママ」

 一瞬で夢の世界が消えて、現実に戻されるなのは。

 ……うわ……なんて夢………

 顔が真っ赤なのが自分でもわかる。ユーノに抱かれている夢なんて。
 欲求不満だろうか? いや、昨夜は久しぶりに休暇が合ったフェイトと遅くまで……………。うん。欲求不満はないはず。

「今日はヴィヴィオが朝ご飯作ったんだよ」

 その言葉がなのはの意識をさらに覚醒した。
 そうだった。なのはは思い出して上半身を起こす。ヴィヴィオの作った朝ご飯を食べないなんて、それは絶対に駄目だ。
 夢なんて忘れてしまっていい。

「今日は雨が降ってるから、お外に出れないんだよ」

 室内着に着替えるなのはの周りで、ヴィヴィオが踊るようにはしゃぎながらその朝の出来事を報告している。

「それでね、フェイトママが許してくれたから、外じゃなくて中で出せるの」
「え?」

 思わず聞き返すなのは。

「だからね、ザフィーラが中で出せるの」

 脳裏に蘇る夢の内容。
 いや、フェイトとザフィーラがそんな関係だとなんて聞いたことがない。
 なのはは軽く頭を振って部屋を出た。

「いいからはやくしろっ!」
「ちょ、ザフィーラ……」

 そこでは、下着姿のフェイトがザフィーラに押し倒されていた。

 何やってるの? と聞く前に反射的にディバインバスターを放った自分は間違ってなかった。なのは今でもそう信じている。

64:野狗
08/12/02 23:04:00 gXuoySTp
以上、お粗末様でした

65:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:11:02 ezwZcRhj
GJです!
なのはさんは……まぁ間違ってはないと思いますよ?www
しかしなのはさんとフェイトが遅くまで××してる所で一晩過ごしたザフィーラ、羨ましい様なそうでないような。
気分はパパさんなのにも吹いたww

66:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:19:55 P9eB75TQ
ちょっと一ついいか?
……なのはさんの夢はいつ正夢になるんすかwwwwwwwww

ともあれGJ。冒頭からこのオチは予想外すぎた

67:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:22:48 2jdc97C/
>>66
このなのはさんガチっぽいし、トワになさそうだがw

そして野狗氏GJ

68:名無しさん@ピンキー
08/12/03 00:17:30 ktlu2jjD
なんかなのはの夢で萎えた

69:名無しさん@ピンキー
08/12/03 00:20:44 7RxcB3EG
>>66
野狗氏が書くなのユーフェ3Pか……読んでみたい気がする。

70:名無しさん@ピンキー
08/12/03 00:28:56 PefO3Hn6
>>49
・朝一の銭湯の湯に浸かり、日々の疲れ(?)を癒そうとするゼスト
   ↓
・そこにチンクが!
 「背中を流すぐらいしてもいいだろう!」
   ↓
・チンクの外見年齢がアレだから無問題!!
   ↓
・逞しい身体に接する内に……
   ↓
・疲れを取るはずが、精根吸い取られたように疲労を感じるゼスト。
 一方チンクはお肌がピチピチになっていた

風呂と聴いてここまで幻視できた。
チンクの外見って卑怯だよな!!

71:名無しさん@ピンキー
08/12/03 00:32:08 WNdQ26nQ
このなのはさんなら男も女もばっち来いな感じが

72:名無しさん@ピンキー
08/12/03 01:49:52 mCwtjlxB
>>64
精力的ですな(執筆活動的に)
GJ
ザフィーラにゃ眼福にならないのにディバられるとか読んだ後で微笑ましい気持ちになりました

しかし幼女なのフェイ、八神家のお泊り会とか妄想しただけでごはんトーレ杯はいける
パジャマ姿の女の子(シャマル含)がこんなにたくさん!!このままではフトンに入ってみんなで好きな人白状大会はもはや避けられん!!

73:B・A
08/12/03 04:13:16 P2CcfmE2
>>64
GJ。
なのはさん、それは飛躍し過ぎだってw
ザフィーラの忠犬っぷりとヴィヴィオの可愛さにほのぼのしました。


ええ、では打って変ってハードな時間を提供したいと思います。
軽く世界一巡したくらいの温度差で。


注意事項
・非エロでバトルです
・時間軸はJS事件から3年後
・JS事件でもしもスカ側が勝利していたら
・捏造満載
・一部のキャラクターは死亡しています
・一部のキャラクターはスカ側に寝返っています
・色んなキャラが悲惨な目にあっています、鬱要素あり
・物騒な単語(「殺す」とか「復讐」とか)いっぱい出てきます
・クアットロが悪女全開
・名前のあるキャラが死にます←注目(今度から、こうしておこう)
・主人公その1:エリオ
     その2:スバル(絶賛姉妹喧嘩中につき、出番なし)
・タイトルは「UNDERDOGS」  訳:負け犬

74:UNDERDOGS 第九話①
08/12/03 04:14:31 P2CcfmE2
戦場で再会したルーテシアは、明らかに様子がおかしかった。
いつもの物静かな表情も、暗闇の洞窟で見せた不器用な笑みもそこにはない。
とめどなく涙が溢れる目は焦点が合っておらず、小さな唇からは絶えず呪詛のような叫びが漏れている。
繰り出される魔法も戦略的な意味などないただの暴力であり、敵と味方の区別すらついていないようだ。
あれほど信頼していたガリューすら、自分を傷つけようとする敵として認識しており、自分の言葉にも耳を貸そうとしない。
3年前にも似たようなことがあった。一度は自分とキャロの言葉に耳を傾けようとした瞬間、
まるでスイッチが入ったかのように激情に駆られて襲いかかってきた時が。
だが、今回はそれとはまた少し違う。ルーテシアからはあの時のような憎悪や憤怒は感じられない。
あるのは恐怖と悲哀。差し伸べられる手すら悪意として認識しているかのような拒絶だ。
まるで世界の全てを恐れているかのような態度に、エリオは幼き頃の暗黒の日々を思い出した。
今のルーテシアは研究所で実験動物扱いされていた頃の自分と同じなのだ。
憎悪と恐怖という違いこそあれど、溢れ出る感情に心を蝕まれて何も信じられなくなっている。

「ルー、これ以上魔法を使うんじゃない! 君のリンカーコアが、命が・・・・・」

「ううああぁぁぁじらいおうぅぅぅぅぅぅっ!!!」

エリオの制止を聞かず、ルーテシアは限界を遙かに超える魔力を汲み上げて飛翔する地雷王達へと注ぎ込む。
途端に、地雷王達は感電したかのように痙攣し、全身から眩い金色の光を発しながら周囲を手当たり次第に攻撃し始めた。
放射された電撃は飛び交っていたガジェットや戦闘機も巻き込み、地雷王が通り過ぎた後に黒煙が立ち上る。
それと共に、地雷王達の体は崩壊を始めていた。過剰なブーストによって肉体の限界を超えた発電を行わされ、
刃をも弾く強固な外骨格が溶けだしているのだ。身を守る外郭を失って脆い内側を曝け出した彼らは、
それでも発電を止めずに肉体を燃やし尽くしながら敵味方諸とも巻き込んで爆発していく。
空を引き裂く金切り音は、放電の激痛に苦しむ地雷王の慟哭だ。

「やめろ! ルー、止めさせるんだ!」

《Düsenform》

フリードの上から飛び降り、ガリューと共にルーテシアへと斬りかかる。
ルーテシアに彼らを止める気がないのなら、力づくで黙らせるしかない。
だが、展開された防壁は2人の斬撃を持ってしても破ることはできなかった。

「つう・・あ・あ・・あ・あ・ぁぁぁ・・・・・」

「ルー、地雷王を止めるんだ! 彼らの苦しみが、聞こえないのか!?」

「ううああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

瞬時に放たれた無数の短剣が言葉をかき消し、エリオはバランスを失ってガリューに抱えられる。
そこへルーテシアは更なる追撃をかけんと、インゼクトを召喚して突撃させる。
いつもなら簡単に払うことのできるインゼクトも、今回は射撃魔法並の脅威だった。
召喚されたインゼクト一匹一匹に、ルーテシアが補助魔法をかけているからだ。
だが、それは同時にインゼクトの死を意味している。彼らはその小さな体では許容し切れない魔力を受け、
爆弾と化して突撃してきているのだ。

「・・・・・・フリード、ブレストレイ!」

身を引き裂かれるような痛みを覚えながら、エリオはフリードに命じる。
直後、突撃してきたインゼクト達はフリードの火炎放射によって跡形もなく消滅した。

「ルー、約束したじゃないか! 新しい自分を始めるために頑張ってみるって。これが君の答えかい!?」

背後から襲いかかって来た地雷王をガリューが食い止めようとするが、我が身を省みない放電で黒い外骨格が溶かされていく。
フリードが体当たりで地雷王を突き飛ばすが、純白の翼はあちこちに焦げた跡や返り血の跡が見て取れる。

75:UNDERDOGS 第九話②
08/12/03 04:15:49 P2CcfmE2
「お願いだ、戦いを止めて! ガリューだってこんなことは望んでいない! これ以上、召喚蟲を傷つけちゃいけない!」

放たれた短剣をストラーダで薙ぎ払い、再びルーテシアへと肉薄する。
一瞬、彼女と視線が重なった。
恐怖と絶望に彩られた瞳がこちらを見つめている。
覚えるような眼差しが突き刺さり、それに気を取られた隙に衝撃波がエリオを吹き飛ばした。
だが、吹っ飛ばされる直前、エリオはルーテシアが怨念の呪詛に紛れて何かを自分に訴えていることに気づいた。

『殺して』

ただ一言、彼女の唇はそう告げていた。
自分自身でも止められないのだ。
3年前と同じく、ルーテシアは何者かに操られている状態にある。

「ルー・・・・・・・・止めろろぉぉっ! もう止めさせろっ! ルーをこれ以上、傷つけるのは止めろぉっ!!」

『だったら、自分でとどめを刺してあげれば良いんじゃない?』

エリオの悲痛な叫びに呼ばれたように、仮想ディスプレイが開いて栗色の髪の女性が映し出される。
見覚えのあるその顔に、ストラーダを握る手に力がこもる。
忘れもしない、彼女は3年前の戦いでルーテシアを暴走させた張本人だ。

「あなた・・・・・あなたはまたルーを!」

『ええ、お嬢様ってば顔に似合わず意外とわがままみたいで、ちょっぴりお灸を据えてあげたら何でも言うことを聞く
良い子になってくれました。今のルーお嬢様は、誰もが認める殺・戮・兵・器! 目に映るもの全てを壊し尽くすまで
戦いを止めることはないわ。人も建物も自然も、自分自身や召喚蟲でさえも、何もかも壊し切るまでね。
誰かが止めてあげなくちゃ、お嬢様は止まらないんですぅ』

「すぐに止めさせてください。あなたならそれができるはずだ!」

『できますよぉ。けど、しちゃって良いのかなぁ?』

画面が切り替わり、瓦礫の街が映し出される。それは、3年前の戦いの映像だった。
自分がガリューとの戦いで自滅し、気を失っている間に起きた出来事。
キャロ・ル・ルシエが、ルーテシア・アルピーノによって殺される瞬間。

『エリオ・・・・くん・・・・・』

映像の中のキャロがか細い声で自分を呼び、息絶える。
紫紺の短剣によって胸を貫かれ、地雷王の電撃で無残にも焼け爛れた肌が露出する。
傍らに横たわるフリードが悲痛な声で慟哭していた。
吹き荒ぶ風がバリアジャケットの帽子を吹き飛ばし、二度と微笑むことのないキャロの顔が映る。

「キャロ・・・・・」

冷たくなった彼女の死体を抱きかかえた感触が蘇る。
込み上げてくるのは自身の運命を呪う嘆きと、ルーテシアに対する憎しみ。
あんなにも必死になって呼び掛けたのに、傷つきながらも諦めずに手を差し伸ばしたのに、
あの娘はそれを拒んで自分から大事なものを奪った。


76:UNDERDOGS 第九話③
08/12/03 04:16:49 P2CcfmE2
『今なら、お嬢様を殺しても咎める人はいませんよ。暴走したお嬢様を止めるには、殺すしかなかった。
それで良いじゃない? 誰もあなたを責めたりしないわ。さあ、今こそあの女の子の仇を討つ時なの。
大事な人だったんでしょう? ルーお嬢様のことを殺しても殺し足りないくらい憎んでいるんでしょう? 
さあ、その手の槍でお嬢様の胸を貫くの。あの娘が味わった苦しみを、今度はお嬢様に味あわせるの。
でないと地雷王はまだまだ暴れ続けるわ。主の命に従って、自分の命が消えるその瞬間まで人を殺し続けるの。
そんなのを許してはおけないでしょう、勇敢なベルカの騎士さん』

悪魔の囁きがエリオの心を激しく揺さぶる。
憎しみに身を委ねる。それはとても簡単なことだった。
目の前にいる相手が、自分と同じ人ではないと思えば良いのだ。
そんな風に考えるのはいけないことだとわかってはいたが、今度ばかりは抑えが利きそうにない。
内側から込み上げてくる怒りと憎しみは、既に沸点を超越して堰すら破壊し、全身を隈なく駆け回っていく。
そして、エリオは憎悪に駆り立てられるまま、画面の向こうでほくそ笑むクアットロへとストラーダを突き立てた。

『なっ・・・・』

クアットロの表情が驚愕で歪む。
それを無視して、エリオは消費したカートリッジを再装填し、ストラーダの先端をルーテシアへと向ける。

「ストラーダ、飛ぶよ」

《Jawohl》

魔力噴射に引きずられ、エリオは体ごとルーテシアが展開するバリアにぶつかった。
たちまち、全身に激しい痛みが走る。だが、そんなものは気にならなかった。
ルーテシアは、限界を超えた魔力行使をさせられて死の苦しみを味わっているのだ。
大切な召喚蟲を自らの手で傷つけさせられ、辛い痛みを味わっているのだ。
この程度の激痛、痛みの内になど入らない。

「ルー、あんな奴の言いなりになっちゃダメだ! 今の君にならできる。あの日、あの美しい高原で、
前を向くことを約束してくれた君になら!」

「ううああっぁぁああふあうはぁあがうあぁっぁぁぁっぁっ!!」

「僕の声を聞くんだ! ルー、拒絶するだけじゃ何も変わらない! 自分から変わらなきゃいけないんだ! 
自分から変えなきゃいけないんだ! 君は、守られるだけで良いのかい!? 助けられるだけで、
救われるだけで!? また奪われるよ! 何度だって、何度だって、悪い奴らは君から平穏を奪おうとする」

バリアの熱量で手の平が焦げていく。
バリアジャケットも上着が焼け落ちてインナーのみになっていた。ストラーダの刀身も少しずつ溶け始めており、
何度も視界がスパークする。それでもエリオは説得を止めなかった。あんな悪魔みたいな女の好きになどさせない。
自分はルーテシアを救うのだ。絶対に、彼女を呪縛から解き放つのだ。

『馬鹿な子、そんことをしても自分が傷つくだけなのに。お嬢様、そんな奴さっさと振り払ってくださいな』

「お前は黙っていろ!」

『ぅ・・・・!』

悪鬼もかくやというエリオの形相に、さしものクアットロも息を飲んでしまう。
エリオは今、本気で怒っているのだ。クアットロの非道な仕打ちが、エリオの精神テンションを監禁時代へと引き戻したのだ。

「ルー、目を覚ますんだ!」

「いあやぁぁぁぁぁぁっ! 来ないでぇぇっ、誰も来ないでぇぇぇぇぇっ、誰も、誰もぉっ・・・はくてんおぉぉっ!!!」

ルーテシアの叫びに呼応し、天空に紫紺の召喚陣が展開する。
そこから出現したのは天を衝くほどの威容。全てを無に帰す究極召喚、白天王だ。

77:UNDERDOGS 第九話④
08/12/03 04:17:51 P2CcfmE2
「わたしはひとり・・・ひとりなんだぁぁぁっぁぁぁっ!!」

白天王の巨大な爪が、エリオの体を叩き潰さんと振り下ろされる。
咄嗟にエリオはバリアを蹴って離脱するものの、あまりにも大きな腕から逃れることはできず、
背中をやすりのように削られてしまう。

「ぐあぁぁっ!!」

何とかフリードの上に着地したが、激痛で意識が飛びそうになった。
背中の傷からどくどくと血が流れ、急速に熱が奪われていく。
流れ落ちた血はフリードの純白の羽根を真っ赤に染めていった。

『つまらない子ね、エリオ・モンディアル。憎むことも嘆くこともできるのに、
あなたはそれをしようとしない。殺しちゃえば良いじゃない。それとも殺される方が良いの? 
あなたって、ひょっとしてマゾ?』

「黙れ」

『・・・・・・・良いわ。お嬢様、さっさと殺しちゃいなさい!』

白天王の威容が迫る。
その巨大な腕でフリードごと叩き落とす気だ。
体はボロボロで、魔力も残り少ない。あんな巨大な召喚蟲を相手にすることはできない。
どう転んだとしても、待ちうけるのは死だけだ。
それでも、エリオは抗うことを止めなかった。
ストラーダを杖にして立ち上がり、霞む目でルーテシアを見上げる。

「1人だぁっ! 僕を殺しても、世界を拒絶しても、君は一人ぼっちだ! 誰にも理解されない! 
誰にも必要とされない・・・・・・・・君は、自分からそんな世界に行く気なのか!?」

自分でも何を言っているのかわからなくなっていた。
だが、込み上げてくる怒りが傷ついた体を突き動かしていく。
理性ではなく感情で、彼は言葉をまくしたてる。

「ずっと一人ぼっちで、それで良いのかぁっ! そんなのは、僕が許さない! もう僕は、君に何も奪わせやしない! 
キャロを殺されて、騎士の誇りも傷つけられて、今度は僕から君を救う機会すら奪うのか!? 僕から何もかも奪って、
そんなに楽しいか!? だったら許さない、君はキャロを殺したんだ、僕を殺すんだ! 許さないぞ! 
どんな理由があったって、どれだけ時間が過ぎ去ったって、僕は君を許さない! この憎しみを忘れない! 
世界中の人間が君に恐れをなしたとしても、僕は君を許さない。君の罪を、君が受けるべき罰を、僕は訴える! 
君がどこに逃げたって、次元の果てまでも追いかけてしかってやる! 罰してやる! だから、ずっと僕の側にいろ、ルーテシア! 
僕は君を、1人にはさせない! 目を覚ますんだ、ルーテシアァァァァァっ!!」

叫びと共に、桃色の光がエリオの体を包み込む。
その優しい光に、戦場にいた誰もが目を奪われた。
その輝きに込められた意味に、シグナムとザフィーラは静かに頷き、
ティアナとリインは慟哭し、スバルは胸に痛みを覚えた。
あれほど叫び狂っていたルーテシアですら大人しくなり、白天王も攻撃を躊躇っている。
見上げた空には、白天王が呼び出されたのと同じ大きさの召喚陣が描かれていた。
それを彩るのは、今は亡き召喚師の桃色の魔力だ。

《stand by ready》

輝きの源は、エリオの両手であった。焼け爛れてケロイド状になった彼の手を、宝玉が嵌めこまれたグローブが包んでいる。
3年前に持ち主が死んで以来、ずっと沈黙を守り続けてきたケリュケイオンが起動しているのだ。


78:UNDERDOGS 第九話⑤
08/12/03 04:18:43 P2CcfmE2
「ケリュケイオン・・・・・・・」

《我が主が遺せし祈り、今こそ唱える時だと判断しました》

ケリュケイオンに蓄えられていた魔力がエリオの体を満たし、激痛が引いていく。
懐かしい温もりに、エリオは思わず涙した。これは、キャロの魔力だ。

《召喚師キャロ・ル・ルシエは、死の直前に祈りを遺しました。自分ではあの召喚師の少女を救うことができない。
自分の力では及ばない。だから、主は死の間際に残された魔力を私に託し、ある術式を唱えたのです。
自分の後に続く者が、彼女を救える力添えになるようにと》

「キャロが・・・・・・・・キャロ、そこにいるんだね。まだ、一緒に戦っていたんだ」

《さあ、あなたにはそれを唱える資格があります。ただの一度、今回限りの奇跡。
我が主の無念を今こそ晴らしてください、竜騎士エリオ》

「いくよ、キャロ・・・・・・ケリュケイオン!」

呼吸を整え、生成した魔力をケリュケイオンへと流し込む。
桃色の輝きに黄色の光が混じり、二色のコントラストが青空を染め上げていく。
キャロが遺した祈りは、エリオの紡ぐ詠唱と重なって召喚の調べとなる。
それは彼女に託された最後の希望、召喚魔法の遅延発生。

「竜騎召喚、天地轟鳴・・・・・・・来よ、ヴォルテール!」

一際輝きが増し、空間すら引き裂くように黒い威容が姿を現す。
アルザスの守護竜。それは黒き火竜として恐れられ、神として崇められている稀少古代種だ。
本来ならば竜使役の技能、それもキャロのような天賦の才がなければ力を貸すどころか逆に自身を滅ぼされかねない
凶暴性と凶悪性を兼ね備えた生きた神。事実、彼を召喚したことでエリオは心臓を鷲掴みにされたかのような苦痛に
苛まれた。真竜とまで呼ばれるヴォルテールが求めている魔力量が桁外れなのだ。
エリオのキャパシティもそれなりだが、神の求める贄はそれよりも遙かに多い。
このままでは、1分と保たずにヴォルテールは強制送還されてしまう。
だが、こんな奇跡は一度しか起こせない。アルザスの巫女にしか使役されないヴォルテールが、
生前の巫女の祈りに応えて力を貸してくれているのだ。このチャンスを逃せば、もうルーテシアを救うことはできない。

「ヴォルテール、キャロの願いを果たすんだぁっ! 白天王をぉぉぉっ!!」

咆哮を上げて、ヴォルテールは白天王を押さえつける。
力は完全に互角、放出される膨大な魔力は空間すら捻じ曲げ、大気そのものが爆ぜる。
それは3年前の焼き直しであった。
飛び交うガジェット、対峙する2匹の巨大召喚獣、暴走した少女とそれを救い出そうとする者。
その構図が、ルーテシアの精神を激しく揺さぶった。彼女は覚えているのだ。
あの竜を使役していた少女が、何度も自分に呼びかけてくれていたことを。
そして、その手を振り払って自分が彼女を殺してしまったことを。
込み上げてくる罪の意識に、ルーテシは怯えるように後退する。
だが、逃げようとすると激しい頭痛が彼女を襲った。体内に埋め込まれた機械が彼女に逃走を許そうとしない。
残る生命力の一滴までもを絞り出して、敵を倒せと訴えている。

「あぐあぐあ・・ああ・・あ・・ああぁぁぁっ・・・・・」

「ルー、これが君の罪だ! 目を反らすな! 逃げるんじゃない! 逃げたって何も変わらない!」

再度、エリオはルーテシアへの特攻を試みる。
しかし、彼の前には無数のインゼクト達が待ち構えていた。
ボロボロのバリアジャケットでは、たった一匹のインゼクトの特攻を受けただけでも致命傷となる。
ヴォルテールが消滅するまで後40秒。迫りくるインゼクトと全て薙ぎ払っている暇はない。
その時、漆黒の影がエリオの前に躍り出た。

79:UNDERDOGS 第九話⑥
08/12/03 04:19:41 P2CcfmE2
「・・・・!」

「ガリュー!?」

「・・!」

全身にインゼクトの突撃を受けながら、ガリューは無言でエリオに「行け」と命じた。
行ってルーテシアを解放しろと。
自分にはそれができないから、お前がやれと。
ヴォルテールが消滅するまで後35秒。エリオは残った魔力を総動員し、ストラーダのブースターを点火した。
立ち塞がるガジェットは、全てフリードの火炎放射が焼き払ってくれた。
エリオとルーテシアを阻むものはもう何もなく、光の弾丸と化したエリオの体は凄まじい衝撃を伴って
ルーテシアのバリアに叩きつけられる。

「ルー!」

「いや・・・・こないでぇ・・・・こないでぇ・・・・」

「嫌だ、君はそうやってまた逃げる気だ。いつも自分勝手で、自分の都合しか考えていなくて、
気紛れでわがままで・・・・人殺しだ!」

「ひぃっ・・・・あ・・・やぁぁ・・・・・」

「それでも、僕は君が・・・・君のことが・・・・・・」

渾身の力を込めて、エリオはストラーダをバリアに突き立てる。
背後からとてつもなく大きな気配が近づいてきている。白天王が主に纏わりつく敵を払い落とそうとしているのだ。
だが、臆することはない。ヴォルテールが文字通り我が身を賭けて押さえ込んでくれている。ガリューもフリードも、
敵を近づけぬために奮闘している。だから、自分がするべきことは思いを言葉にしてルーテシアに届けることだけだ。

「君のことが放っておけない! 君のことが好きなんだ! ずっと友達でいたいんだ!
だから、一生僕の側にいろ! 僕は君を、1人にはしない!」

過負荷に耐えきれず、とうとうバリアが砕け散る。

「ルウゥゥゥゥゥッ!」

転がり込むようにねじ込んだ体が、ルーテシアと重なり合った。
そのまま2人はもつれ合うようにガジェットⅡ型の上から転がり落ち、回り込んでいたフリードの背中に着地する。
戦場に場違いな静寂が訪れた。
あれほど荒れ狂っていた白天王が沈黙し、地雷王達にも安らかな死が訪れていく。インゼクトも次々に送還されていき、
戦場のただ中でありながらも穏やかな風が彼らを包み込んだ。
やがて、ルーテシアはおずおずとエリオの背中に手を回し擦れるような弱々しい声で囁いた。

80:UNDERDOGS 第九話⑦
08/12/03 04:20:32 P2CcfmE2
「側にいて、良いの?」

か細くも、ハッキリとした声でルーテシアは思いを形にする。

「私、いっぱい人を殺した・・・・・・あなたのことも傷つけた。そんな私が友達で、良いの?」

「良いんだよ。一緒に歩いていこう。守ったり守られたりじゃない、手を繋いで、一緒に並んで歩くんだ。
僕は君を放さない。君が嫌だって言っても、1人になんかさせるものか」

「私、1人じゃないんだ」

「1人になんかさせない。世界中の人達が君のことを忘れても、僕は君を覚えている。
君への憎しみを忘れない、君の犯した罪を忘れない。僕が君への罰になる。君が自分の罪から目を反らしたら、
引っ叩いてでも目を覚まさせる。君が罪から逃げ出したら、追いかけていって罰してあげる。
君は一生を賭けて罪を償わなくちゃいけない。君が償いを終えるその日まで、僕は君を許さない」

そっとルーテシアの頬に手を添える。すると、ケリュケイオンに残っていた魔力残滓が小さな少女の姿を形取り、
傷つきながらもようやく分かり合えた2人を祝福するかのように微笑むと、儚い塵となって崩れていく。
死してなお、自分のことを気にかけてくれていた少女の優しさに、ルーテシアはとうとう耐えきれずにエリオの胸の中で涙した。

「ごめ・・・・ごめんな、さい・・・・ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・」

まるで幼子のように泣きじゃくるルーテシアを抱きしめ、エリオはキャロの願いに応えてくれたヴォルテールに目をやった。
役目を終えたアルザスの守護竜はただ静かに頷き、透けるように消えていく。同時に、ケリュケイオンのコアに亀裂が走り、
指の先端からひび割れて消滅していく。3年間、ずっと主の無念を晴らすことだけを思い続けてきたケリュケイオンもまた、
主の待つ天へと昇ろうとしているのだ。

「ありがとう、ケリュケイオン。ありがとう、ヴォルテール。そして・・・・・・・さようなら、キャロ」

砕け散ったケリュケイオンと桃色の塵が混ざり合い、空へと還っていく。
ケリュケイオンからの答えはなかった。ひょっとしたら、ヴォルテールを呼び出した時点で彼女は既に壊れていたのかもしれない。
それでも、自分がルーテシアのもとに辿り着くまでヴォルテールの存在を維持し続けてくれたのだ。
過酷な戦いの果ての、あまりに呆気ない別れ。だが、これで良かったのだ。
死者は死者のいるべき世界へ。ルーテシア・アルピーノの解放は、キャロ・ル・ルシエの解放でもあったのだ。
それに気づいた時、エリオもまた静かに涙した。





元の世界へ送還されていくヴォルテールを見届け、ティアナは安堵の息を吐いた。
ここからでは詳しい様子はわからないが、白天王の動きが止まったところを見ると、
エリオがルーテシアに何かしたのだろう。とりあえず、地雷王の暴走が治まっただけでも僥倖だ。
あのまま暴れ続けられれば、そう遠くない内に全滅していたかもしれない。

(こちらティアナ、状況の報告をお願いします)

(ギャレットだ。召喚蟲に足止めを食らったが、ザフィーラのおかげで被害は軽微だ。作戦続行に問題はない)

(了解、そのまま北上すればアインヘリアルに辿り着けるはずです)

(敵の防衛線を突破できれば、だけどな。とにかくやるしかないか)

ギャレットとの念話を切り、ティアナは戦局図を睨みつける。
召喚蟲の暴走で戦況はかなり混乱したが、立て直しはまだ利くレベルだ。
エリオ達は戦線離脱するだろうが、シグナムやオットー、ディードにはまだ余力がある。
地雷王達が敵も巻き込んで自滅してくれたので、エリオ達が抜けた穴も3人で十分埋めることができるはずだ。
場合によっては、ザフィーラを空に上げることもできる。

81:UNDERDOGS 第九話⑧
08/12/03 04:21:50 P2CcfmE2
(けど、どうしてあんなことを? 確かにルーテシアの召喚蟲は強敵だけど、あんな爆弾みたいな使い方じゃ味方の被害も大きくなる。
そもそも、自分が巻き込まれるかもしれないのに、わざと暴走させるなんて・・・・・・・・・まさか、自分は確実に安全な場所に隠れている?)

「ティアナ、どうしたですか?」

「リイン曹長、エリアサーチできますね。クロスミラージュとリンクさせて、調べて欲しいことが・・・・・・・」

言い終わる寸前、ティアナは弾かれたようにリインに覆いかぶさった。直後、さっきまでリインがいた場所を
浅葱色の直射弾が通り過ぎていく。ティアナが危険を感じてリインを押し倒さなければ、彼女はその小さな体に
大きな穴を空けられていた。

「曹長、消えます」

「はいです!」

何者かは知らないが、自分達の位置を嗅ぎつけてきた者がいる。
しかも、狙撃の精度から考えてかなりの手練のようだ。幻術で姿を隠さねば、狙い撃ちにされてしまう。

(さっきの魔力弾の色、ヴァイス陸曹のと同じだった。まさか、あの人がここに・・・・・・・・・)

動揺した瞬間、足下に魔力弾が飛来する。
姿を消しているにも関わらず、向こうはこちらを探知しているようだ。
ジッとしていてはまずい。とにかく動き回って狙いをつけさせないようにしなければ。
自分とリインだけで狙撃兵を相手にするにはあまりに分が悪い。だが、今から救援を呼んでも間に合わないだろう。
ここは、何としてでも自分達だけで切り抜けるしかない。





スコープの向こうで敵が幻術を使用したのを見ても、ヴァイスは慌てずにスコープの倍率を上げて敵の動きを追いかけていく。
魔力資質が低く、狙撃以外の技能は壊滅的ではあるが、彼は狙撃でエースと呼ばれた男だ。
それはつまり、如何なる状況、如何なる相手であろうとも、その頭蓋骨に魔力弾を叩き込んできたことを意味している。
あの管制らしき融合デバイスを庇った女は良いカンをしていた。何百メートルも離れた場所から、魔力反応も探知されぬよう
細心の注意を払っていたにも関わらず、自分達が狙われていることに気づいたようだ。
恐らく、彼女は自分と同じガンナーだ。反応と動きから推測するに、相当の訓練を積んでいる。
だが、狙撃手ではない。相手に狙わせないように動き回るのは、真っ向から撃ち合って場を制圧するフォワードの戦い方だ。
あれではいくら姿を消したとしても、草木を踏み締めた跡を追えば容易に現在地を割り出すことができる。

(だが、俺の弾を避けたことは褒めてやるよ)

狙撃と言うのは、基本的に標的がこちらの存在に気づく前に行うものである。
相手が決定的な隙を見せ、油断し切っているところに探知不能の距離から防御不能の一撃を叩き込む。
だから、狙撃手にとって二度目の狙撃は屈辱にも等しい。
自分は今まで、一度も撃ち損じをしたことがない。その経歴に、あの女は泥を塗ったのだ。


82:UNDERDOGS 第九話⑨
08/12/03 04:23:17 P2CcfmE2
(・・・・・いや、違う。俺は・・・・・確かラグナの・・・・・いや、ミスなんてしたことないはずだ。
けど、ならラグナはどうして目を・・・・・そもそも、ラグナが失明したのは右目だったか? 
左目だったような気も・・・・・・いや、考えるな。それよりも仕事だ、仕事をするんだ)

呼吸を整え、スコープの向こうに映る仮想の敵に狙いを定める。
無言で引き金を引き、発射された直射弾が標的の足を捉える。
見えない相手の頭を狙うなんて不確かな真似はしない。あの幻術使いは2発で仕留める。
次の1発で彼女は終わりだ。
だが、足を撃たれたショックで姿を現した幻術使いの少女の顔を見て、ヴァイスは衝撃の余り引き金にかけた指を硬直させてしまった。

(・・ティアナ!?)

途端に、脳裏に覚えのない光景が蘇る。
瓦礫の街。
逃げ惑う人々。
廃墟の中で戦う橙色の髪の少女。
救うために手に取った愛用のデバイス。
スコープの向こうに映る敵。
撃ち出された魔力弾。
少女の右目へと吸い込まれていく魔力弾。
二度目の狙撃ミス。

「あああぁぁ・・・・わああぁぁぁぁぁぁっ!! そうだ、俺は・・・・俺は・・・・わああぁぁぁぁぁぁぁっっ!! 
俺はぁ・・・・・俺の、俺のせいで・・・・・俺のぉぉっ!!」

真横の地面に橙色の直射弾が飛んでくる。
動揺してこちらの居場所を突き止められたのだ。
狙撃手としての本能でヴァイスは逃げ出そうとするが、パニックを起こした頭では満足に体を動かすこともできず、
無様に躓きながら坂を転がり落ちていく。

『どうした? お兄ちゃん、何かあったの? ヴァイス、返事をしろ!?』

知らぬ間に通信気のスイッチが入っていたのか、ラグナの声がイヤホンから聞こえてくる。
戦いの最中なのか、背後では樹木の倒れる音や何かが爆ぜる音が聞こえてきた。

83:UNDERDOGS 第九話⑩
08/12/03 04:24:18 P2CcfmE2
『ヴァイス!? ヴァイス!?』

「ラグナ、ラグナぁ、俺、俺・・・・ああぁ・・・ううわぁぁっぁぁぁっ!!」

『・・・・すぐにそっちに行く、通信機を切るな! 良いか、すぐにそっちに行くからな!』

泥水に顔面から突っ込み、ヴァイスは震える手で黒い土の上を這いつくばりながら岩陰へと身を潜める。
混乱を鎮めようとしているラグナの言葉も耳には入らなかった。
身に覚えのない記憶に震えながら、ヴァイスは救いを乞うように虚空へと手を伸ばす。
何か大事なことを忘れている。
自身の記憶に欠落があることを、ヴァイスは今、初めて自覚した。





「チンクちゃん! チンクちゃん、戦域を離れているわよ、チンクちゃん!」

『ヴァイスに何かあった。彼を保護しなければ』

「捨てておきなさい、それよりも敵を倒さなきゃ・・・・・・」

『私の兄だ、放ってなどおけるか!』

半ば一方的に通信を切られ、クアットロは苛立ちからギリギリと歯を噛みしめた。
何もかも計算違いばかりだ。こちらの戦力が自動機械と自我のない戦闘機人ばかりなら、
いっそルーテシアの召喚蟲を大暴れさせて敵味方諸とも殲滅させる心づもりだった。
それは半ばまではうまくいっていたが、あの巨大な竜が現れたことで状況が一変した。
虎の子の白天王は抑え込まれ、完膚無きまでに心を破壊したはずのルーテシアはエリオ・モンディアルの説得によって
自力でコンシデレーション・コンソールを解く始末だ。飼い犬に手を噛まれたような気分に、
クアットロは端正な美貌を歪めながらエリオ・モンディアルへの怒りを露にした。

「何なの・・・・何なのよあのガキ。何なのよいったい!?」

エリオ・モンディアルはこちらの目論見通り、激しい怒りを露にして自分に憎悪をぶつけてきた。
だが、そこから先の行動は理解不能だった。クアットロが望んでいた結末は、エリオ・モンディアルが
怒りと憎悪で自身の身を滅ぼす最期を見届けることだ。
自分への恨み言を吐きながらルーテシアに殺される。
大切な家族の復讐を果たし、それでも晴れぬ憎悪に押し潰されて自滅する。
どちらに転んでも、クアットロにとって好ましい結末であった。
だが、現実はそのどちらでもなかった。エリオ・モンディアルはまるで自分に興味がないかのように一喝するだけで、
ルーテシアへの説得を止めようとしなかった。いや、あれはそもそも説得などではない。
ただ憎しみをぶつけただけだ。他人に傷つけられることを何よりも嫌うルーテシアがあれで自我を取り戻すことができた訳が、
クアットロにはまるで理解できなかった。

「・・つぅっ!?」

不意に大きな揺れが襲い、クアットロはバランスを崩してコンソールの上に倒れ込んだ。
何者かの攻撃を受けている。
クアットロはすぐにコンソールを操作し、モニターにその人物の姿を映し出した。

「オットー、ディード・・・・・・・」

『見つけたよ、クアットロ姉様』

『こそこそ隠れて悲劇を観覧する、あなたらしい趣向ですね』

オットーのレイストームが直撃し、グラリと船体が揺れる。
同時に、景色が明滅するように変色し、船体に施していたシルバーカーテンの偽装が解けていく。



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