■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■at EROPARO
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■ - 暇つぶし2ch44:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/08 19:40:46 liy5uNAV
おつかれです。
コンプレックスを持っている胸を、ギブ&テイクとはいえ
兄に触らせるのは少々意外でした。
校長はともかく、白瀬を書かせるのは非常に彼らしいですね。
そして何よりも、

…元ネタが分からない(ぁ


と言うわけで俺も投下します。
シリーズ第3弾、お題は「新たなストレート!」

45:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:42:15 liy5uNAV
「…今何時だ?」

…6時か。
そして、俺のそばにある柔らかいすべすべしたもの。

「全く起きる気配がないな。」

お互い裸同士。でも、最終段階には至らなかったんだっけ。
…どうでもいいか。さて、今日はどこに行くんだろうか。まさか球場?勘弁してくれ。

パン焼いて、卵焼いて、野菜切って盛り付けて。
すっかりこの家の雇いシェフに定着してしまった気がする。
2人分作って、自分だけ食べて、寝ぼすけが起きてくるまで何してようか。


「俺、どれくらい投げられるんだろ。」

庭のブルペンのマウンド。
十数球ボールの入れてあるかごをそばに置いて、マウンドのプレートに足を乗せて。

「そりゃっ!」

的を外れる。
うーん、やっぱり野手の送球と比べて段違いに難しい。

「第2球…」

ダメだ、当たらない。
あーあ、ピッチングの知識はあるにしても、いざやってみるとなると体がうまく動かないもんだ。

「もっと体重移動をスムーズに、肘も下がってるし、目線もあさっての方向向いてるよ。」
「起きたのか。」
「おはよ。ピッチング練習なんて、またどうしたのよ?」
「暇だからな。今日はどこか行くのか?野球はチームがアウェーだからやってねーし。」
「知ってるよ。今日どうするかは考えてないや。とりあえずご飯食べてくるね。」
「ああ。」

体重移動…ひじ…えっと、あとは目線…

「それっ!」

…あ、また外れた。



「あの…」
「ん?」

誰かの声がしたような。
日曜日の朝っぱらから、この家に用事でもあるのか?

…そして、なんでこいつがこの家を知ってるんだ。

46:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:43:19 liy5uNAV
「ユキちゃんか…なんだ、急に。てか、どうしてここが…」
「いつもこのあたりまでランニングしていますから。」

同じ東小でこのあたりをランニングコースにしているやつがいたのか。
となると、ここに来たのは偶然という事になるが…

「で、どうした?」
「えっと、その…」

通りがかっただけだし、まあ用はないか。
理奈が飯を食べ終わるまで暇だし、こいつとでも話しておくか。

「ランニングって、スポーツでもやってるのか…そういや、空手をやってたんだっけ。」
「あ、はい。
 小さいころからずっと。でも喧嘩は好きじゃないし、それを親に伝えたら、」
「怒られて家を追い出されて、今に至る、と。」
「いえ、そんな!
 それじゃあ、他に別のやりたいスポーツを探さなきゃなって。」
「…スポーツなら何でもいいのか?」
「はい。」

変わった教育方針だな。
まあ、他人の家庭の教育方針に難癖つけたところで、なんにもならんか。

「しかし、スポーツなら何でもいいってやり始めた空手が、4段って言うのは…」
「やり始めたころは楽しかったです。どんどん強くなっていって。
 …でも、最近面白い勝負が出来なくなって。飽きてきて。」
(4段って言ったら相当なもんだろうからな。
 周りが弱かったら、そりゃあ楽しくないだろう。)
「だから、新しく別のスポーツを…あ、あの!」
「なんだ?」

何かを決意したような目。
そして、眼球が飛び出るような一言。

「野球をやられてるんですよね?チームに入れてもらえませんか!?
 あなたのチームで一緒にやりたいんです!」

…はあ!?

「あ、えっと、あなたのチームって言ったのは…その、他に知ってる野球チームの人がいなくって…」
「いや、別にそれはいいんだが…俺自身は別に迷惑じゃねえし。
 ただ、いきなり野球転向を宣言して、いきなり入団志望を言われても、こっちは驚くしかないが。」
「す、すみません!えっと、でも、あなたのチームで…」
「とーりーあーえーず!
 明日監督に話しつけてみるから、とりあえず家に…」

家に…は、超軽装の理奈がいる。
流石にまずい。変な疑いを持たれかねないし、その上その疑いは事実だし。

「家はちょっといま取り込み中だから…どうしようか…」
「誰か来てるんですか?」
「そういうわけじゃないが…」

47:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:44:14 liy5uNAV
軋むような音。すなわちドアの開く音。
姿を現したのは当然この家の住人、理奈。ちゃんと服を着ている。

「どうしたの?翔…って、その子は!」
「あ…どうも。一緒に住んでらしたんですね。てことは、お二人の関係って…」
「ああ、いや、べ、別に俺たちは…」
「そ、そうそう!その…」

まずい。非常にまずい。
そう思ったのは、半分体の関係を持っていたこの2人だけの感覚に過ぎなかった。

「兄妹だったんですね。」
「…え?」

普通に考えれば。
一緒に住んでいる同じくらいの年の男女。どう見ても兄妹である。

「ああ、いや…そういうわけじゃないんだけど…さ!
 とにかくあがってよ。ここじゃなんだからさ。」
「あ、はい。」


とりあえず、『昨日たまたまお泊まりに来たお友達』という事で通し、
親がいないという事になるとそれもまずいので朝早く用事で出て行った、と言ってごまかした。

「この子が野球を?」
「ああ。やったことはないらしいけど。」
「しかしまたどうして?」
「空手に飽きて、他のスポーツをやりたいんだってさ。ある程度の運動神経は保証されてると思う。」
「あ…えっと、それで…」
「とりあえず監督には言っておくからさ。明日にでも入団できると思うよ。」
「あ、ありがとうございます。」

かなり物静かな性格のようである。
時計を見ると10時を指していた。そろそろ午後の事を考えてもいいころかもしれない。

「で、午後の事どうする?翔。」
「ん?そうだな…そうだ、ユキちゃんに野球を教えるのも兼ねて、バッセン行くか!」
「いいね、それ!ねえ、そうしない?」
「あ…あ、はい!おねがいします!
 えっと、この服装じゃあれなんで、一旦家に戻っていいですか?」

ユキの姿はジャージ。
そんなのではとてもお出かけ、とはいくまい。

「それじゃあ…どこで待ち合わせしよう。そうだ、公園の近くに新装開店したコンビニに…12時半!」
「パパから今日の分のお小遣い貰ってるから、お金は持ってこなくていいよ!」
「あ…どうも。それじゃ!」

少し恥ずかしそうに家を出て行った。
なにも今家を出ることはないんじゃない?…と言いかけたが、なぜか口から出なかった。

「さって、お昼ごはん♪」
「まだはやいぞ。ったく…はいはい、何作ってやろうか?」
「オムライス!」

48:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:45:04 liy5uNAV
新装開店したコンビニに行くのは、わけがあった。
ソフトクリーム1つ31円。資金の少ない子供の強い味方がそこにいるからである。

「あ、いたいた!おー…あ。」
「ん?…って、西小のボスじゃん!」

また厄介な相手に出会ったもんだな、瞬時にそう感じていた。
そして、隠れる場所もなく、ユキも来ていたのでやむなくコンビニの前へ向かう事に。
明を含め、3人の男子が何かを話している。

「あ……いや……。なんか、さっきから……誰かに、見られてたような気がして―」
「誰か? って」
「……誰もいねーぞ……?」
「あれ?」

あーあ、見つかったか、そう思っていたが、どうやら別の相手のようである。

「っかしいなあ……。気のせいかな?」
「昨日の今日だしな。さすがにお前も疲れてるんじゃね?」
「うーん……」

どうやら気付かれていないのか。真相は『国境地帯』参照。
とにかくユキのもとに向かうが、ついにばれた。

「あれ、またあったな、土生君!」
「…どーも。」

その声で気がつき、ユキも土生のもとへ小走りしてくる。

「君も31円アイス目当て?」
「今日は近くのバッティングセンターに行くんで、その途中です。な、2人とも。」
「うん!」
「あ、はい。」

以前より口調が明るくなっている。こっちが本来の明なのだろうか。
おそらくは土生が東小だという事を最初から受け止めているからだろうが。
喧嘩が達者な明、そして真夏の日光。2つの圧力が土生に襲いかかり、汗を絞り出させる。

49:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:47:18 liy5uNAV
「明、誰だよこいつ?」
「ん?ああ、野球やっているんだけど、いろいろあってな!まあきにするな!」
「男の方じゃねえ、その2人の女の子が、おまえのなんなんだよ!」
「こいつら、2人とも…すげえ!片方は谷川以上なんじゃね!?」
「ば、馬鹿!」

何の話だろう、首をかしげる。
もっとも、内容がばれると豪速球と周り蹴りが飛んでくる可能性もあったが、土生がそれを制す。
…げんこつで。

「てっ…いてえよ、明!」
「今日の学校でも痛い目にあったってのに、まだ俺たちを殴らねえと気が済まねえのか?」
「え?学校…って、今日日曜日なんじゃ…」
「何言ってんだよ、今日は参観日だぜ?3時間目に親が来て、それから下校だっただろ。」

一瞬、頭が真っ白になる。
確かに今日は参観日なのだが、父親が出張中という事もあり理奈の頭から完全に離れていた。
なお、1時間目の前後で国東も含めいろいろあり、3時間目の千晶の変貌ぶりには保護者も少し戸惑っていたとか。
(『はじめての日』と同じ時間帯だが、つじつま合わせの完全オリジナル設定なのであしからず。)

土生とユキは東小なのでもちろん休みなのだが。理奈は完全に固まった。


「お、おい…まさか、知らなかったとか言うんじゃねえだろうな?」
「…。」
「理奈!?」
「今日言ってた用事って、参観日の事ですよね。なんで行かなかったんですか…」

ユキにまで突っ込まれる。どちらにせよ、理奈の頭は完全にショートしていた。
そんなとき、偶然ショートの赤松が通りかかり。

「ん?土生さん!ラリナ!」
「お…?あ、赤松!おい、ちょっと来てくれ!」
「な、なんです?」

チーム内では橡浦に次ぎ、土生と同等の俊足を持つ快足を飛ばす赤松。
汗をふきだしながらたどり着くと、土生の質問一閃。

「なあ、お前確か西小だったな!今日参観日あったの、本当か!?」
「そうですよ!ラリナのいる5年生のフロア探したのに、今日はどこにもいなかったんですよ?
 聞いたら休みだって言うし…風邪じゃないんですか!?」

光陵リトルで、理奈を除けば唯一の西小である赤松。
赤松が1年下だが、理奈がリトルに入ってからは暇を見つけては会っている。

「…ど、どうしよ…」
「と、とにかく、もう終わったことはしょうがないからさ、な?」
「明日…先生になんて言おうか…」
「か、風邪ひいてて親もいなかったって言えばいいんだよ!
 電話できなくてすみませんでした、ってさ!」
「雅人くん(=赤松)に風邪ひいてないってばれてるのよ!?」
「そんなもん関係ねえだろ!赤松、このことはだまってろよ!」
「は、はい!」

パニックとパニックの応酬。
参観日なんて言わない方が良かっただろうか。明は何とも言えない顔をするしかない。

50:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:48:37 liy5uNAV
「はあ…ふう…だ、大丈夫、だよね!」
「ああ、だから落ち着け!」
「そうだよ、ラリナ!だったら俺が見舞いに行ったって先生に言っておくから!」
「と、とにかく何か食って落ち着こうぜ!31円アイスで頭冷やすぞ!」
「は、はい!」

4人がコンビニになだれこむ。
その姿に呆然としながら、外からコンビニ内部を覗くと。
両手にアイスの千晶と理奈がぶつかり、レジ前でパニックを売る羽目になっていた。

「あーあ…あぶねえなあ。」
「何とかアイスは落とさなかったか。」
「さすが谷川。食べ物の執着心。」
「やれやれ…谷川の胸といい、あの2人の胸といい、今の騒ぎといい…」
「そういや、さっきも明が言ってたけど、谷川の胸って…」

慌てたり、謝ったり、戸惑ったり。
そんなこんなでなんとか千晶達数人は店内からクーラーの冷気とパニックの余韻と共に出てきた。

(なんだったんだろ、さっきの子たち。危うくボクのアイス2つが…)
「いちきろ……いちきろぐらむ……」
「谷川……お前ってやっぱスゲーな!」
「へっ……?」

無論『国境地帯』の作者にとって、作中にこんなトラブルがあったなどとは思いもよらなかっただろう。
正直、つじつま合わせや話の流れをつくるのに大変でした、ハイ。

「でも、作中に1ヶ所、『平日』って書かれてるよな。by明」
「無理に世界観共有しようとするからこうなるんだよ。by土生」
「もうそういう突っ込みとかなしね、
 2日という短い設定の中に3話もぶち込む無茶を人に言ってよ。by暴走ボート」
「知らないわよ。感想の代わりにクレームが来たって。byラリナ」

…。


アイスとクーラーに体だけではなく意識も冷やされ、何とか落ち着いた。
31円アイスに舌鼓を打ち、コンビニを出るころには明たちはおらず、ようやくバッティングセンターへ。

「ふっ!」 パキーン!
「ふっ!」 カキーン!

一瞬で吐き出す呼吸。気持ちのいい打球音。
この流れが土生の理想の打撃を作り出す。130kmのボールを軽々と打ち返す。
周囲の人間も土生のバッティングに見とれている。

「すごい…」
「ね?しょ…土生君はすごいんだから!」
「土生さん、次俺の打撃見てもらえます?」
「ああ。」

51:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:49:10 liy5uNAV
いつもはチーム方針から、赤松たち下っ端の選手には守備練習に特化したメニューを組んでいる。
当然バッティング練習はさせてもらえないが、今日は楽しむために、遊ぶために来ている。
土生も今日は何も言ったりはせず、バッティングを見てやることに。

「少し脇が甘いな。もっと閉めろ。」
「あ、はい!」
「あと、スイングの軌道が少しぎくしゃくしてるな。
 スムーズにバットを動かすために、バットを縦に持たずに少し寝かせて持ってみろ。」

パキーン。


…スカッ、…スカッ、

「…理奈、お前には何も言う事はない。」
「わーん!」

投球は一流、守備も軽快にこなしたりと、ここまでは普通の男子よりよっぽどいい選手。
…打撃は、箸にも棒にもかからない。これが光陵リトルのエース、野村理奈。


「打てるかい?」
「えっと…見よう見まねでやってみます。」

打席に立つ。
ここのバッティングセンターはケージの外からもボールの操作を出来るようになっている。

「まずは…100kmかな。速いかな?まあいいか。」
(脇を閉めて…脚は開きすぎずに…バットは立てずに斜めに…)

先ほど赤松にアドバイスしていた土生の言葉、
そして、見ていた赤松や土生のフォームを思い出す。

(お、割といいフォームじゃん。)
(ふん、どうせ素人なんだから、あたしより下手に決まってる!)

100km/hの軟球が、飛び出してくる。


カキーン!


…ドン。


打球音と…『ホームラン』と書かれた的に当たる音。
それは即ち、周囲を驚きの渦に巻き込む音。

「な…嘘だろ…」
「い、今の打球…」
「土生さんでも、あんな鋭い打球は…」
「ま、まぐれよ、どうせ!2球目は豪快に空振り…」

52:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:50:02 liy5uNAV
カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
そして、イタズラで球速をアップさせる三男・赤松。

(ひひひ…球速を120に…!)

ボール発射。

(速い!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
遂には、イタズラで球種を変更する三男・赤松。

(…な、ならば、変化球MIX!)

ボール発射。
ユキは左足を踏み込むが、その直前、ボールが斜めに落下。

(あれ!?)


カキーン!


「…当たったよ。」
「…当たったな。」
「…当たったね。」

土生、理奈、赤松。驚き3兄弟。
もはやいたずらの手段もなくなった三男・赤松。
女の子が快打連発、この事実に周りにいた他の人たちも、驚き兄弟と化していた。


空振りはおろか、打ち損じすらほとんどなかった。
120kmの後の80kmくらいのチェンジアップすらうまく打ち返していた。

「すごいな…」
「なによ!どっかで野球やってたんでしょ!」
「そうだそうだ!俺が球速変えたり、変化球混ぜたり、緩急したのによ!」
「あ、いえ、単に無我夢中でバット振っただけで…
 ボールが曲がったりもしたけど、慌ててその変化に合わせて…」

もうこれは天性の打撃センスを持っているとしか言いようがない。
空手で4段を取っただけあり、運動神経は抜群、と結論付けるしかないのである。

53:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:50:51 liy5uNAV
(ええい、みてなさい!こうなったらあたしのすごさ、見せつけてあげる!)

ストライクゾーンの中を9つに分け、番号がふってある。
そこにいくつボールを当てられるか、というピッチング競争。
一番手はもちろん、本職が投手の理奈。

「は、はやい…」
「だろ?あれがうちのエースのラリナさ!」

(なんだ?あの女の子…)
(おっぱい大きいけど、それ以上になんだ、あのストレート…)

周りがざわつく。
110kmを大きく超える豪速球。それを子供、しかも女の子が操っているとなれば、当然の運び。
ピッチャーとしてのコントロールは悪いが、それでも12球投げ、9マス中6マスが命中。


「あれ、あまり当たらない…」

赤松の球速はそこそこ。一般人と同じくらい。
当然コントロールもままならず、結果は9マス中3マス。…そして。


「てりゃ!」
「そりゃ!」
「おりゃ!」

…。

「な、なんでだよ…」
「ま、まあまあ。しょ…土生君、しょうがないって。」

12球全部外れ。しかも枠にすら当たらないという超ノーコン。
ピッチャーとしての才能は0に等しい。

「で、最後はユキちゃんか…行って来いよ。」
「あ、はい。」
「バッティングであれだけの打撃を見せたんだ、あのセンスを持ってすればそこそこは…」

ビュッ!ドン!

「…え?」
「な、なんだよ、あの速さ…」
「理奈には負けるにしても、110は超えてるんじゃないのか?」

ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!ビュッ!ドン!

「…っ!」
「10球で全部…当てやがった…!」
「あたらかなかったボールも、最後に残った的の横スレスレ…」

とんでもないコントロールである。
プロでも9分割のストライクゾーンを思い通りに操れる選手はほとんどいない。

「お、おまえ、どこかで野球を…」
「い、いえ…理奈さんのフォームを見よう見まねで…」

確かに理奈のオーバースローは理想的なフォームではある。
だが自分にフィットするフォームは人それぞれであり、仮にフィットするフォームだとしても
一朝一夕で自分のものにする事などとてもできない。

54:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:51:25 liy5uNAV
「むーっ…」
「理奈、そう怒るなって…」
「なんでよ、なんでなのよ…」
「だーいじょうぶ、ボールの速さだけならお前の方が早いんだ、」
「…速さだけ?」
「う。」

3時はおやつの時間。ファストフード店で思い思いに頼んだメニューにかじりつく。
向かって右側の席には理奈と土生。店内の一部の人から、やはり胸に目線が来る。

「速さだけって…速さは重要だぜ?
 ユキのボールは確かに早いが、あの速さのボールを投げる選手はほかにも何人かいる。
 だから、あのボールを打てる選手もたくさんいる。
 …でも、理奈ほどのボールならほとんどだれも投げられない、誰も打てない。エースは理奈だよ。」
「しょ…土生君。明日からまた練習よ。」
「…あ、ああ。やる気になるのはいいことだ。」

向かって左側はユキと赤松。
ユキの胸も大きいが、理奈のおかげであまり目立っていない。

「でもすごいね、あんなに野球がうまいなんて。うちのチームに入るんだろ?」
「うん。明日から。」
「俺も数少ない4年生さ、よろしく!」

口数は少ないが、最低限の会話はきちんとする。
ユキのコミニュケーションについてもとりあえず問題はないだろう。

しかし、もう1人の女性選手とのコミニュケーションは、どうだろうか。

「明日からよろしくです、理奈さん。」
「ふん、まあ、上下関係はしっかり守るこtあいたっ!」
「リ・ナ~…焼きもちはその辺でな…」
「なによ!いいじゃない翔!こっちが1つ上よ!」
(え、ショウ?)

赤松の目の前で2人でいる時の土生の呼び名。
非常にまずいが、今はそんな事は二の次である。

「こうなったらユキ、勝負よ!」
「え?」
(あーあ…ったく、理奈の奴…)
(だから、ショウってなんなんだ?)


で、結局街からグラウンドに戻ってきた。

「ったく、どうするつもりだ、理奈。」
「あたしとユキ、交互に互いの球と勝負して、多くヒットを打った方の勝ち、単純かつ明快な勝負でしょ?」
「…。」
「…。」
「何、どうしたの?」
「ラリナ、すごく単純かつ明快かつ…簡単に勝負がつくよ。」
「理奈。お前がピッチャーの時ユキちゃんを抑えられるのはともかくとして…
 お前、確実に打てないぞ。」
「ラリナ。90kmも満足に打てないのに、打てるわけないだろ。
 ラリナの球もそうそう打たれないけど、いつかヒットの1本くらい、ユキなら打つよ。」
「…。
 ええい、翔!雅人!力を貸して!」

2人が戸惑う中、赤松をショートに、土生をセカンドに移動させる。

55:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:52:33 liy5uNAV
「こっちの守備はあたしと翔と雅人君のみ!
 あたしがストライクを10球投げる!
 そのうち、内野安打でも何でも、1回でもファーストにたどり着けたら、ユキの勝ち!」
「え?でも…」
「おい理奈!外野に飛ばされたら終わりだぞ!内野も2人だけじゃ、ファーストとサードのホットコーナー付近は…」
「任せなさいって!
 外野に飛ばさせない直球が、あたしの武器!迷わずストレートを投げ込めば、あたしは勝てる。」
「ラ、ラリナ…」

バッティングセンス抜群のユキ。理奈のストレートに十分ついていくポテンシャルはある。
どう見ても不利だが、土生はやれやれと思いつつ。

「ま、好きにやらせてみようや。負けたところで何があるわけでもなし。」
「翔!あたしが負けるとでも思ってるの!?」
「いや…相変わらず面白い奴だなって。さ、投げろよ。」
「うん!ユキ、準備はいい?」
「…ええ。楽しみです!」

いろいろごちゃごちゃあったが、勝負となればユキもやる気になる。
先ほどの構えを思い出し、バットを掲げる。

(でもね。
 エースとして、そう簡単に打たれるわけにはいかないのよ!)
(速い!)

ホームベースを通過し、後方のフェンスに激突。

「どうよっ!」
(ユキでも手が出ないか…でも、あと9球もあれば、合わせてくるはず。)

ギューン…ガシャン!
ギューン…ガシャン!

(すごい、ラリナの奴2球連続で空振りを…)
(…。)

キン!ガシャン!

(だがやはり、タイミングが合ってきたか…
 ファールボールが後方のフェンスに一直線という事は、タイミングが合っている証拠だ。)

カキーン!

「まずい!」
「いや、これはファールだ。」

打球がサードベンチの向こう側に飛んで行く。
そろそろ打球が前に飛び出してくる頃。ここからは土生や赤松に対するウェートも大きくなる。

56:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:53:11 liy5uNAV
「えいっ!」
「セカンド!」
「理奈!お前もベースカバーだ!」
「あ…そっか!」

センターよりのセカンドへの打球。
ファーストがいない以上、理奈がベースカバーに入るしかない。

「!?…速い!」
(打ってからのスタートダッシュも早いし、あきらめずに全力で走ってやがる!
 スポーツへの真摯な姿勢もかなり強い!)

何とかベースカバーに入りつつ、送球を受け取る。

「ふう…間一髪。」
「理奈、ユキちゃんが右打ちだから良かったものの、左打ちだったらセーフだったかもな。」
「う、うるさいわね!あと4球、全部空振りよ!」

だが、何球もそのストレートを目に焼き付けたユキに、もう空振りはあり得なかった。

「しまった、がら空きのサード方向に!」
「理奈!いいからベースカバーだ!」
(本来ならサードがとる打球…でも、これだけショート寄りなら!)

逆シングルで取り、右足でフルパワーで踏ん張り、大遠投。

「ラリナっ!」
「ナイスキャッチ!」

少々危なかったが、なんとかラリナもキャッチ。
元から守備範囲はかなり広く、最近は特訓の成果も出て守備の確実性も増している。

(守備で一番成長を見せているのはこいつだ。
 もともとセンスはあるし、時間をかけて教えればバッティングも橡浦クラスに匹敵する。
 足も俺に迫る速さだしな…)

8球目も真っ芯で捕らえる。センター前へ抜けようと言うあたり。
赤松が飛び付くも、抜けて行く。

(だめだ、追いつけない!)
「まだまだ、そんなんじゃ甘いぜ、赤松。」
「え?」

土生が飛びついて捕る。

「え?」
「理奈!捕れ!」

そして倒れこんだ不安定な体勢のまま、送球。
だが、ボールは理奈のグローブへ一直線。完璧なコントロール。

「あと2球だ、理奈!」
(すごい、ピッチングはあれだけノーコンなのに…)

野手としての感覚が身についているのだろう。
ピッチャーのように、ゆったりした、体勢の安定したマウンドで自分のタイミングで投げるよりも、
体勢的に不安定な、ぎりぎりの状態での送球でこそ、精神が研ぎ澄まされ、土生の真価が発揮される。

57:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:54:18 liy5uNAV
(けど、もうだいぶ慣れられてしまった。
 2球とも完全に真っ芯でとらえられてたし…)
「赤松。状況だけで勝ち負けを判断するのは、どうだろうな。」
「え?」
「理奈とユキちゃんの決定的な違い。それは、野球に対する経験、そしてプライドだ。」

ギューン…ガシャン!

「こ、ここにきて空振り!?」
「理奈の中にも、秘められたポテンシャルがある。負けたくないという思いが、さらにボールを加速させる。
 勝負の中では何が起こるか分からない。その何かを起こせる、それが理奈がエースたる所以さ。」

ここにきての空振りに、一番驚いていたのはほかでもないユキ。
知らず知らずにうちに自信を持っていた彼女にとって、この空振りは信じられないものだった。
そして、精神的にも理奈が圧倒的に有利となって…

(うそ…)
(これで決めるわよ、おしまいよ!)

低めぎりぎりいっぱいの素晴らしいストレート。
ユキも必死になってバットを出し、

「当たった!」
「打ちとったが…バウンドが高い!理奈!ファーストに行ってろ!」

高い高いバウンド。土生が構えるが、ユキは俊足。
理奈がファーストに行って思い切り体を伸ばしてグローブを構え、送球を待つ。

「理奈っ!」

理奈に伝わる、ボールの感触。
それとほぼ同時に、ベースにユキの足が踏みつけられるのを感じた。

…。


「アウト!」
「セーフでしたよ。」
「アウトったらアウト!」
「どう見てもセーフでしたって。」

「さっきからあんな調子ですね。」
「ま、いいんじゃないか?頼もしい仲間が加入したところで、春の前哨に意気揚々と乗り込めるわけだし。」
「ですね。」

その言葉に気が付く女子2人。
この2人は当然、リトルリーグの大会に出るのは初めて。ちなみに赤松もだが。

58:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/08 19:56:42 liy5uNAV
「春の前哨戦?」
「言ってしまえば全国大会のない大会だな。まあ秋の大会の前座ってところか。2週間後にある。」
「え?もうそんなに早く!?」
「おめえら2人にかなりのウェートを示させることになるが、…まあ頑張れ。
 この大会に本気になってるリトルもあれば、全力でやらないリトルもあるがな。
 本番は全国大会にいける秋の大会、それまでに経験を積む上では、重要になってくる。」
「県内一を目指して、みんなで頑張っていこうよ!」

秋の大会は知っていたが、春に大会があるのは全く知らなかった。
だが、そうときまれば練習あるのみ。

…練習、あるのみなのだが…

「だからって、もうちょっとメニューを軽くしてよー!」
「コラ立て、理奈!ほかの奴もだらしがないぞ!」
「う…うえーい…」

翌日。ユキがチームに加入し、すぐにチームに溶け込んだ。
チーム自体が溶け込みやすい体質であり、女性選手という点も理奈がチームにいる地点で違和感はみじんもなかった。
…そのユキは、ほとんどへばっていない。

「…はあ…はあ…」
「ユキちゃん、君はまだまだ行けそうだね。」
「ええ、まあ。」
「てめえら、まさか新入りに負けるつもりじゃねえだろうな!」
「な、なにを…」

全員立ちあが…らなかった。
白井だけはうずくまったままである。

「おい、白井!お前も立てよ!」
「あ、ああ…」
「待て!白井、脚を見せろ!」
「え?…うあっ!」

足首が赤くなっている。
内出血を起こしている、おそらくは打撲か捻挫の類だろう。

「どうしたんだ!」
「いえ、さっき練習が一段落ついて倒れこんだ時に、」
「変に倒れこんで足をひねったってわけか。病院行って来い。」
「いえ、まだまだ…」
「ダメだ、さっさと行け!」
「!…はい…」

根性を推奨する土生だが、怪我には相当気をつけている。
打撲やねん挫ならその場の応急処置で本来は十分だが、念のために監督と一緒に病院に行かせた。

「不思議ね、土生君。
 普段からあれだけ根性と練習量を前面に押し出すのに、怪我にはこんなにも…」
「そんなに意外だったか?
 俺は怪我しないようにメニューを組んでいるはずだが。」
「いや、こんなに練習がきついと怪我の1つもしちゃいそうよ…」
「練習の仕方、メニューにさえ気を使えばいくら練習したって怪我はしない。
 逆を言えば、怪我の原因は練習の仕方やメニューの組み方に問題がある。
 …まあ、試合のアクシデントだけは、どうしようもないけどな。」

土生が何かを思い出したようにうつむいた。
過去にいた選手?それとも自分自身?土生君の過去という黒い影、もっと知りたいよ。

59:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/08 19:57:29 liy5uNAV
投下完了。

名無しさんXさんと俺との二本立てでござーい。

60:名無しさん@ピンキー
08/12/08 20:03:25 s9OA8DjJ
二人とも乙!
リアルタイムで見てましたw

61:名無しさん@ピンキー
08/12/08 23:07:18 0EMAPCyi
>>国境を越えた夜に
スゲエ展開w つぎはだれの濡れ場を!?

>>新たなストレート
整合性より勢い!! 良いと思います。

どちらもGJでした!!



62:名無しさん@ピンキー
08/12/09 14:09:59 EbmItLqJ
Wgj!!

63:名無しさん@ピンキー
08/12/09 18:38:50 isV2DpN6
↑sageは半角小文字のほうが…
どちらもGJ!!
つかもはや二次スレだな…。


64:名無しさん@ピンキー
08/12/10 13:47:56 fss0+BQf
この流れじゃ本番ありの純粋エロはスレ違いになりそうだ…

65:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:01:36 Comt/ljh
んな事はないでしょ
住民は色々な作品楽しみに待ってます

66:名無しさん@ピンキー
08/12/10 14:40:59 Y0nBmB82
種の多様性はそれこそが強さだからな
質量ともに充実するなら歓迎

67:名無しさん@ピンキー
08/12/10 18:33:07 yLpdwK7U
本番歓迎だが今の流れも好きだ。
SSに挑戦したくなる。


68:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:26:45 zF+4ZRZ2
ある小学校の足のサイズデータ

       最大      最小      平均
女教師  24.0cm  21.0cm  23.1cm
小6女子 26.5cm  22.5cm  23.8cm

大人の女教師がみんな小学生に負けてるよ。



69:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:44:50 zF+4ZRZ2
足フェチの人は精神年齢が高めだと聞いた。
下に向かえば向かうほど精神年齢が高くなると聞いた。


70:名無しさん@ピンキー
08/12/11 19:15:50 gyMxOT0L
つまり胸の巨乳に集中しているこのスレ住人は、
今なおみずみずしい小学生の心を失っていないということだな

71:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:04:07 wKTCyjD8
>>68
小萌先生が近所の巨乳天然ロリ姪っ子に幻覚みせられて、
「もう大人なのにぃ・・・おとなぁ・・・かふっっ」
とかイッチャって延々といじられつつ、その子はこれまた天然で、童貞の幼なじみの子に処女を奪われるも、最初からあえいじゃうんですね、

先生、前が妄想でよく見えません。

72:名無しさん@ピンキー
08/12/12 03:21:55 XRuqnKnr
>>69
髪フェチが最も幼いんですか

73:名無しさん@ピンキー
08/12/12 04:20:28 J8xM+yim
胸に固執するのはアジアに多くて、欧米は尻が好きとは聞く。
確かにスパンキングとかは洋物ばっか。


74:名無しさん@ピンキー
08/12/12 07:08:19 1zi5GFoD
コピぺに反応しすぎ。


75:名無しさん@ピンキー
08/12/12 16:57:11 R7kxRhAq
保守ついでにSDS◆cStOEcFYHcさんと暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに質問します
3サイズとかいくつくらいなのでしょうか?
SDS◆cStOEcFYHcさんに登場した4名
白瀬紗英
嶋野理沙
宮田桜
芹沢綾女
暴走ボート◆z95s/qs7OMさんに登場した2名
野村理奈(ラリナ)
ユキ
計6名のスリーサイズとかどれくらいかなって気になります。
もし差し支えなかったら設定資料集その2とかで公開してほしいとおもいお願いします

おまけに
現在小説で陰毛の有無について
ラリナ(パイパン)
千晶(パイパン…ただし外伝設定)
歩美(濃い…ただし外伝設定)とかなんで陰毛描写とかや
男の子のおちんちん
明(大人並みで12cm位)とか少し興味があります

76:名無しさん@ピンキー
08/12/12 17:17:18 JK79iKH4
>>75
SDSさんはそういう細かい数字は苦手とか言ってたような。
宮田桜は決闘少女空間でそのうち出るって話がなかったっけ?

77:名無しさん@ピンキー
08/12/12 18:22:54 FRH4ZYKE
紗英はちょろり希望!!
あとはパイパンかな・・・


78:SDS◇ ◆cStOEcFYHc
08/12/12 20:03:17 +stg17w3
おいおい設定したいと思います… 来週中には投下予定。またエロ無しかも…

79:名無しさん@ピンキー
08/12/12 23:04:39 1zi5GFoD
巨乳高校生(中学生)スレ立ったな。

80:名無しさん@ピンキー
08/12/13 07:37:15 gD5a0HFw
>>79
どうやって盛り上げていくつもりなんだろうな……?

81:名無しさん@ピンキー
08/12/13 11:24:30 48jLXqxi
ここの卒業待つとか?

82:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/14 17:00:05 SPeV5TE6
書けるかな?

83:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/14 17:01:55 SPeV5TE6
↑規制を喰らっておりました。

>>76
俺は結構そういう細かい設定を決めるの好きです。
登場人物紹介でも書こうかな。
でも、それを書くためにもう1つやっておかなければならないことがある。

ただ、スリーサイズなんてわからないぞ…
下手に数値を誇張してしまうとそれこそ大変なことに…

84:名無しさん@ピンキー
08/12/14 20:59:07 9kuDm9EV
美少女、バストカップ数測定スクリプト
URLリンク(www.d9.dion.ne.jp)

貼るべしと言われた気がした

85:名無しさん@ピンキー
08/12/14 21:18:13 ozlf/xGg
これ前スレでも出てたなw

86:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/15 20:54:28 RQH0fr2e
>>84
ありがたい。さっそく使わせてもらった。


とりあえず、新章投下。

87:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:56:49 RQH0fr2e
「あの事件ですか?もういいじゃないですか、俺達には関係ないし。」
「まあ、関係はないがな。…だが、同じ悲劇をお前たちに起こさせるわけにはいかないだろ。」
「そりゃそうですけど…今になってもまだ引きずっている姿は、見たくないです。」
「な、何の話?」

橡浦や山下は何か知っているようである。
土生とともに、去年ベンチ入りしていた4年生は他にはこの2人しかいない。

「実はな姉御、姉御はリトルには女性選手で名を残したとか、今活躍した選手は皆無と思ってるかもしれないけど。」
「え?うん。」

理奈は女の子はリトル選手としては不利な立場と考えていた。
なぜなら、女性選手で活躍した話を聞いたことがなかったからである。

「でも、いたんだよ。昔、男子に交じって活躍してた選手が。
 …巨神リトルに。」
「そ、そのリトルの事は…!」
「赤松。確かに俺達は巨神に仲間を奪われた。だが今は、巨神のとある女性選手の話をしたいだけだ。」
「え…まさか、1年前に移籍した4人の選手って…」
「まったく…話がどんどんややこしくなって行く…まあいいや、理奈、順に話すから黙って聞いとけ。」



―1年前・光陵vs巨神の練習試合―

「おっしゃあ、いいぞ新井!」
「すげえ、巨神とここまでいい勝負できるなんて…」

2点負けていたが、新井のタイムリーで1点差。
だが、後続は続かず、この回は追加点ならず。

「あっちゃあ、ツーベース…」
「ドンマイ西村。つぎ抑えろよ。」
「次は…ん?代打か?」

巨神の監督が代打を告げる。
6番の選手に代打を送るのだから、かなりの選手なのだろう。

「6番代わって、代打・緒方!」
「緒方…どんな選手なんだ…って!え!?」

88:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:57:36 RQH0fr2e
髪が長くくりっとした可愛い目。
胸も膨らんでるのがしっかりと目視確認でき、くびれや骨盤、下半身の膨らみ具合。

どうみても、女の子。
バッターボックスに入ると、腰を数回振り、膝と腰を曲げてバットを縦に揺らしながら構える。
腰の振り様は色気すら感じる。

(ど、どう言う事だ?)
(とにかく西村、いつも通りに投げろ、それでいい!)

白濱がアウトコースに構える。西村も白濱も、…無意識に弱気になっていた。
そして緒方は―その女の子は―アウトコースからシュート回転して甘く入った失投を、見逃さなかった。


…。

「6回の表まで終わって、6-2…」
「あの緒方って女の子が出てきて、全てが変わったな…」
「右中間に抜けそうな当たりをとられて、さっきの2ランに続いてタイムリーも打たれたし…」

緒方に全ての流れを変えられた。
結局逆転どころか突き放されるばかり。

「やばい、2アウト…何とかしろ、土生!」
「このまま終わって…たまるかよっ!」

初球を振りぬくと、打球はセンターへぐんぐん伸びる。

「いったか?」
「やばい、緒方が追いついてきてる!」
「抜けろー!」

激しい衝撃音とともに、緒方が倒れこむ。
審判が確認に行くと、

「アウト、アウトー!」
「ああ…」
「ちっ、だめだったか…ん?」

緒方が起き上がってこない。
フェンスにぶつかって、どこかを怪我したのか。

(おい、大丈夫か!)
(しっかりしろ、緒方!)

――。

89:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:58:12 RQH0fr2e
「後日調べたところ、緒方は抜群のセンスを持っていて、不動の1番だったらしい。」
「巨神の1番…」
「理奈同様いろんなリトルを回った物の女だからと受け入れてもらえずに、
 結局巨神に入ったのは5年生になってかららしかったがな。
 すぐにレギュラーに上り詰めて、あの日がデビュー戦だったらしい。」
「なんで試合に遅れてきたんだろう…」
「それに深い意味はない。単に親戚の法事で遅れてきただけらしい。」

だが、問題はそんな事じゃない。その後緒方がどうなったか、という事である。

「その緒方って人は、どうなったの?」
「…フェンスにぶつかった際、左膝の皿が割れたらしい。
 とにかく、緒方は大怪我をして、その後グラウンドに戻って来たという話は聞かないな。」

かなり残酷な話である。
西村や二岡達、4人なら何か知っているかもしれないが、連絡方法など分かろうはずもなく…

「目の前であんなの見せられちゃ、怪我に過敏になったって、当然だろ。」
「う…。」

全員が静まり返る。
こんな状態では、気の入った練習などできない。

「悪い、変な話聞かせちまったな。」
「それで、巨神に仲間を奪われたってのは…」
「何となくわからないか?あの4人を奪っていったリトルが、巨神だ。
 あの練習試合のすぐ後、あの4人をスカウトし、連れ去っていった。
 おそらく、練習試合でその高い能力を見てほしくなったか、緒方の代わりが必要だったのか…
 …もういい、今日は最後にランニングをして、あがるぞ。」


堤防の上のコンクリートの道を走る。
土生、理奈、橡浦、そしてユキは余裕の表情だが、

「…待ってくれー…」
「どこまで走る気だー…」
「お前ら、遅れるなー!」
「へーい…」

しばらく走っていくと、向こうから同じくらいの年の女の子が走ってきた。
そして近付くと、土生がある事に気付いた。

「…?
 ちょっと先を走ってるな。」
「え?ちょっと…」

さらに距離を縮めると、土生がその女の子に話しかける。

「(あの時少ししか姿は見えてなかったけど…間違いない!)
 おい、君!ちょっと止まってくれ!」
「…何?」

女の子が土生の呼び掛けに応じ、止まる。

90:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:58:44 RQH0fr2e
「お前、緒方だろ?」
「…それがどうしたって言うのよ。」
「そうか!1年前に姿を消してから行方が気になってたけど…ここにいたのか!」
「…何?巨神の奴?」

あんまり友好的な雰囲気とはいえない。
だが、土生はずっと気にかけていたのか、いろいろ聞き出そうとする。

「いや、そんなんじゃないけど…」
「巨神以外のリトルの選手で、わたしを知っているやつはいないはず。」
「練習試合に出たのが、一度だけだからか?でもその練習試合の相手が俺だったとしたら、どうする?」
「!
 …そう。そういうことね。」

理奈達も追いついた。
土生と緒方のやり取りを淡々と聞いている。

「あの試合の後、何があったか、聞かせてくれないか?」
「…何で言う必要があるの?」
「それは…。」
「わたしに、あのつらい事を思い出させたいわけ?」
「あ、いや…ごめん。」

完全に手詰まりになってしまった。
緒方はため息をつくと、

「はあ…いいわ、来なさい。話してあげるから。
 そこのファストフード店に行きましょ。お金なら出してあげるから。」
「あ、ああ…」

ようやく全員追いつく。
それを確認すると、緒方達は店に入っていった。

91:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 20:59:56 RQH0fr2e
「で、何を聞きたいんだっけ?」
「怪我の状態や、巨神からいなくなったその後だ。」
「なぜわたしが退団したとわかるの?」
「巨神は県内トップクラスのリトル。そこのレギュラーなら、おのずと名が知れるはずだ。」
「…そう、まあいいけど。」

11人全員が同じテーブルに着くのは不可能なので、
理奈、土生、山下、橡浦、赤松、ユキ、そして緒方が同じテーブルに座っている。

「知っての通り、わたしは膝の皿が割れた。ほかにも靱帯が損傷したりやらなんやらで、
 …二度と野球はできないって、医師から通告された。」
「マジかよ…」
「でも…膝が万全でなくっても、5分くらいなら持つ。
 そう考えたわたしは、代打専任としてチームに残してもらえないか…そう頼んだんだけど…」
「あの監督は冷徹だからな。
 おそらく、戦力にならないと言われチームを追われたんだろう。」
「でもおかしくない?
 プロ野球ならともかく、チームから選手に出て行け、なんて普通は…」
「あのチームならそんな事をしてもおかしくはない…そういう事だ。」

もう1つのテーブルでは全く関係ない話が繰り広げられていた。
書くのもめんどくさいので割愛。

「で、まあいくつかリトルを回っているものの、どこもかしこも女だからって受け入れちゃくれない。」
「でも、さっきランニングしていたって事は、野球をやりたいんだろ?
 見ての通りうちには女子が2人もいる。女子だって当然のように受け入れるさ。」
「…あんたたちのチームに、入れって事?」
「ああ、怪我をしているかもしれないが、少なくとも打撃は健在なんだろ?」
「…気が乗らないわね。」

そこ断るとこ!?
…いや、普通に入らない?そこはさ!

「あの5人のうち、4人がいない。わたしが分からないとでも思ったわけ?」
「!」
「あの時5年生だったはずの彼らに何があったかは知らないけど、
 あのスタメンの9人の中で、優秀な選手はあの5人だけ。…ほかの4人は、言ってしまえば数合わせね。」
「…。」
「今いるのはあんた1人。勝てないチームに、わたしは入るつもりはない。」

勝てるチームを選んでいたら、当然女だからと言って拒否されるのも無理はない。
弱小チームなら女子を拒むことはあまりないが、
強豪だと、ましてや怪我持ちの6年生なら拒まれることは多々ある。

「なぜそこまで勝ちにこだわる?」
「決まってるでしょ?
 あたしを捨てた巨神に、復讐するのよ。」
「なーる…その物静かな態度は、復讐を意味するってわけか。」
「復讐の何が悪い?
 試合でぶちのめす、その何が悪いの?」
「じゃあ、こういえばいいか?俺たちも、巨神に仲間を奪われた。
 さっき言ってた、いなくなった4人。巨神に奪われたんだ。」
「…ふうん。」
「目的は同じ、悪くはないんじゃねえの?」
「…でも、あんたたちが弱かったら復讐なんてかなわない。あんたたちにその実力はあるわけ?」

しめた。
この運びになれば、もうこっちのもんだ。

92:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:00:51 RQH0fr2e
「なら、俺たちが相手になってやる。
 それで俺たちの強さが分かったら、俺たちに巨神を倒すための力を貸してくれ。」
「…。」
「一生野球ができないと言われた以上、怪我の酷さも相当のものだろう。
 おそらく、野球を再開しても、その膝は長くはもたない。お前の野球人生は今年限りだろう。」
「花道を作ってやるとでも言うの?」
「人が言おうとしていたことを…」
「そんなのわたしが決める事。勝負したいのなら、さっさとグラウンドに案内してちょうだい。」
「やれやれ…まあいい、戻るぞ。…あ。」

隣のテーブルの連中はまだ食べ終わっていない。
というより、土生達は遠慮の意味合いを込めて水しか頼んでいない。

「まあいい…お前ら、それ食い終わったら各自勝手に解散!」
「へーい!うまいな、これ!」
「はあ…」
「こんなチームが勝てるなんて、到底思えないけど?」

反論できない。
とりあえず、理奈が何とかしてくれるだろう。


「当然ピッチャーは理奈。
 赤松がショート、山下がサード、俺がセカンド、橡浦とユキちゃんで外野を頼む。」
「もろい守備体型ね。」
「これで十分だ!キャッチャーは本来俺だが、人数が足りないから大目に見てくれ。
 3打席勝負でヒットを1本でも打てれば、そっちの勝ちだ!」
「…勝負の勝ち負けより、あたしは内容を見たいんだけど。」
「俺たちに、内容が伴っていれば仲間になれって甘えなんざねえよ!」
「入るかどうかはあたしが決めること。
 まあいいわ、そっちが勝ったら無条件でこのチームに入ってあげるわよ。」

たった6人の守備体型。
対するは、怪我のブランクがあるとはいえ県内最強クラスの強打者。

「それにしても、女子がエースなんて、このチーム本当に人数が少ないのね。」
「自分だって女のくせに。
 見せてあげるわよ、あたしの…」

第1球。

「ストレートっ!」


…。

93:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:01:28 RQH0fr2e
(な、何、今の…男子でも、巨神であんな球を投げるやつは…
 去年戦った西村ってやつも、ここまではやくはなかったはず…)
「もういっちょ!」
(くっ!)

辛うじて当てるが、ベンチ前にころころ転がっている。
そして、

「ウィニングショット!」
(速い!)

高めの釣り玉に、完全に引っかかった。
いや、その速すぎる球速に、バットを止める事自体が難しすぎる。

(?…今のスイング…)
「さあ、あと2打席!」
「…ああもう、やめやめ。」
「え!?」
「こっちはブランクがあるのよ、あんまり勝負が長引くと膝にも影響が来るし、このあたりであがるから。」

バットを放り出し、去っていく。

「おい、じゃあこの勝負は」
「だから、わたしは巨神以外との勝ち負けなんてどうでもいいの。
 あんたたちと白黒つける気なんて元からない。さよなら。」

階段を上っていき、去っていく。
それを、ただただ眺めることしかできなかった。

(緒方…何を思っているんだ、お前は?)



結局、翌日以降、緒方は姿を見せなかった。
打撃力が決定的に不足している光陵リトルにとって、
1打席限定とはいえ緒方の打撃力は、代打の切り札として非常に魅力的な存在なのだが。

「探さないの?このあたりをまた走ってるかもしれないよ。」
「無い物ねだりしたところで、しょうがないだろ。
 だめならだめ。そこで終わり。はいおしまい。」

練習の合間の休憩のときも、土生は素振りを欠かさない。
かと思えば、バットをバトントワリングのようにくるくる回す。

94:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:02:11 RQH0fr2e
「もー。本気で勝つ気あるの?」
「俺もそう思うぜ。」
「赤松。
 今日からお前も打撃練習をしてもらう。バントと守備は、だいぶうまくなったからな。」
「俺も…打つ、役割を?」
「…やっぱ間に合わないか。そだ、必殺技の練習でもすっか。
 おーい、あとは各自勝手に守備練習してろ。」

緒方と会ってからというもの。
練習内容が奔放になった。土生の様子も何か腑抜けた様子。
もちろんだれ一人練習を手抜いてはいないものの、以前の厳しい練習は影をひそめた。

「赤松はバントの時、右足に体重がかかり過ぎている。
 正確なバントをするためには、本来体のバランスをしっかり保ってないといけない。」
「はい、すみません。」
「だが、それでもそんなアンバランス状態できっちりバントを決める事が出来る。
 だったら、バランスを調整して安定感を磨くより、この短所を逆手に取るんだ。」
「へ?」


緒方を加えた12人という青写真。
それが崩れ去り、優勝から大きく遠のき、どこか以前の土生に戻って、

…そんなのは嫌だ。

「…翔。」
「なんだ?今特訓中だ。(その呼び名は2人だけの時だろ!)」
「…いいよ、聞こえないようにすれば。あたしの親しい人として、今話してるんだから。
 あたしちょっと走ってくる。」
「好きに練習すればいいって言ったろ、なーにが親しい人だ。
 そういう内容ならチームメイトとして…」
「…何も分かってないね。いいよ、許可さえもらえればそれでいいから。行ってくるね。」

土を蹴る音がリズミカルに聞こえる。
なんで理奈はあんな事を?チームメイトとしてではなく、親しい人として…

「…。やれやれ、練習のために走ってくるわけじゃないって事かよ。」

新しい友達を作りたい。
そういう話はチームメイトではなく、親しい人にするべきだからね。



「…とはいったものの…そうそう都合よく見つけられるわけないか…」

うろついている間に、賑やかな所に出てきた。
もっとも、買い物しようにも今は持ち合わせがあまり無かったりする。

…ふと、因縁の場所にたどり着いた。
『スポーツアミューズメントパーク バビッチャ』

「…。」

95:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:02:46 RQH0fr2e
ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブン!ブン!ブン!

「もう1回!」

ブンブンブンブンブン…


金と引き替えにボタンを押す権利を与えられる、自動販売機。
ボタンを押す権利と引き替えに、ガコンとジュースを落してくれる、自動販売機。

「ぷはぁ…なんなのよ、もう。」
「ひどいスイング。ピッチングとのギャップが激しいにもほどがあるわよ。」
「そうなのよ…って、緒方さん!?」
「胸が大きいせいで必要以上に内角球を怖がり、外角に手を出せない。おまけに内角を捌くこともできない。
 そりゃ打てっこないわよ。」
「…しょうがないじゃないですか…昔はそれなりに打てていたけど、
 前に在籍していたリトルで…」

前に在籍していたリトルでは、監督の目の見えないところで打撃練習させてやるとは名ばかりに、
チームメイトにわざとボールを胸に当てられていたりもした。

「ふーん…」
「…だから必要なんですよ。」
「え?」
「あたしが打てないから、緒方さんの力が必要なんです!」
「…そう。
 じゃあ、わたしからも1つ問題を出そうか。」
「へ?」

問題。
なぜわたしはあの時の勝負を途中でやめたのでしょう?

「えっと、そりゃあ、怪我を悪化させちゃいけなかったから…」
「確かにわたしの怪我の具合はまだよくはないし、守備にも問題はある。
 でも打撃だけなら、3打席ぐらい余裕でこなせるわよ。」

目の前のマシンが空く。
コインを入れて、バットを持ち、構える。

「その答えはね…」
「…!」

飛んできたボールを、カット。
…そのスイングを見て、理奈はその理由にはっきりと気付いた。

「あの勝負、間違いなく負けていた。」
「まさか…スイングが戻ってないって事!?」
「昔なら簡単に飛ばせていたのに、今はちゃんとミートできるのは半分ほど。
 当たり前よね、怪我で下半身にガタが来てて、筋力も落ちて。
 なによりも、そんな状態で、一振りに賭ける代打なんて、無理よ。それにね…」
「それに?」
「わたし、ひとつ嘘をついてた。」

緒方がボールを撃ち続けながら、自分の過去の嘘を告白していく。

96:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:03:50 RQH0fr2e
「女だから最初から入団を拒否された、なんてのは嘘なの。
 女だって入団か、入団テストだけならどこのリトルだってやってくれる。」
「え…」
「4年生なら入団テストなんてなくたって入団できるけど、5,6年生は即戦力でないといけない。
 これでも巨神のレギュラー張ってたんだから、表向きには有名でなくても、
 各リトルの監督は、みんなわたしの事を知っていた。」
「…じゃあ、まさか。」
「ええ。
 怪我の状態も知っていた。だから、どのリトルも、怪我の状態の回復さえ見込めれば入団していい、
 そのためにテストを受け、テストの合格を入団条件としてくれた。でも…」

打てなかった。
膝がまだ完全に治っていないのと、衰えている筋力。
そもそも、二度と野球ができないとすら通告された怪我。完全に治せという方が酷だ。

「…単にあたしの実力がないだけ。
 あの時あなたとの勝負を打ち切ったのも、あなたに負けて恥をさらしたくなかったから、
 …巨神への復讐のためにわたしを必要と言ってくれた土生を、落胆させたくなかったから…」
「緒方さん?」

話を進めれば進めるほど、涙があふれてくる。
初めて自分を必要と言ってくれたリトルがある、選手がいる。
…その選手に応えられない自分を責めていた。嘆いていた。

打ち終わって出てきたときの彼女は、もう理奈を正視できる状態ではなかった。

「…でも、それでも野球やりたいんですよね、巨神を倒したいんですよね。」
「え?」
「だって、バット振ってるじゃないですか。ランニングしてるじゃないですか。
 怪我の状態が良くなってから、ずっとずっと練習してきたんでしょ?」
「!」

涙をぬぐいながら、今までの練習を思い出す。

「あたしは信じますよ。
 そのひたむきな努力が、あたし達に、とても大きな力を与えてくれるって。」
「…あなたの、名前は?」
「ラリナ、って、呼んでください。」
「ラリナ、ちゃん…」
「いつでも待ってますから、信じて待ってますから!」

理奈は走って去っていく。希望を胸に去っていく。

彼女に足りないのは、そう、自信だけ。
自分に出来るのは、ここまで。後は彼女自身が強く決断し、光陵に来てくれることを信じるだけ。

…だって、バットを振っている限り、野球をやりたいはずなんだからさ!

97:迷わずストレート!『新たなストレート』
08/12/15 21:04:24 RQH0fr2e
「そんじゃ、今日も練習始めるかー。」

土生ののんきな声を皮切りに、全員が散って思い思いの練習をする。
ベースランニングするもの、ノックを受けるもの、長距離を走るもの…
さて、あたしもピッチング練習しなきゃ!…って時に、監督に呼び出されちゃった。

「え、何ですか?」
「今日お前たちが来る前に、手紙をもらったんだ。
 渡し主曰く、ぜひお前に呼んでほしい、との事だ。」
「え…誰だろ。」
「考えるまでもねえだろ、あいつだよ。」
「あれ、土生君。」

後ろを振り向くと、いつの間にいたのか、翔の姿。
まあいいや、読ませてもらおっと。

『本当にありがとう、ラリナちゃん。
 あの試合の日から、選手として必要だと言ってくれる人が出てくるなんて、思わなかった。
 土生の遠回しに言っていたのも内心嬉しかったけど、
 なんでだろ、あなたのその馬鹿がつくぐらいのかわいさに、単純さに、
 なんであそこまで泣いちゃったんだろ。

 …うん、大丈夫、本番までには間に合わせるから、大会当日にね。』

同じ練習はこなせないから、大会まで打撃に特化したマイペース調整をするつもりだろう。
…そんな事より、もっと大事な事がこの手紙の中には書いてあるが。

「なんて書いてあるんだ?」
「あ、あの、実は…
 緒方さんって覚えてます?」
「1年前、まだあの4人がいた頃に巨神との練習試合で…」
「…ああ、そいつか!」
「数日前その子と会ったんですけど。うちに来てくれることになったんです。」
「…あれ、でも確か…怪我してなかったっけ?」

緒方の過去に何があったかを話した。
もちろん、昨日のバッティングセンターでのやり取りは理奈と緒方の秘密。
元巨神の切り込み隊長が来る、という話に監督は嬉しさを隠せない。

「ほお…
 しかし、打てるヤツが来るのは、嬉しいな。
 そうか、どこかで見た顔だと思ったら、あの子は1年前に会っていた緒方、か…」
「ただ、私たちと合流するのは、大会当日になりそうなんです…」
「かまわんさ、1年前のあの姿は、未だ記憶に残ってるよ。」
「…しかし、怪我であいつの打撃が衰えてなければいいんですがね…」

数日前の理奈と緒方の対決で、緒方のスイングが鈍くなっていることを土生は見抜いていた。が、

「大丈夫だよ土生君!絶対に、大会までに間に合ってくれるよ!」
「…まあ、理奈がそう言うなら信じるか。監督。大会のメンバー登録に…」
「ああ、加えておくよ。」

これで大会の布陣がそろった。
監督にさっさと練習に移れと言われると、手紙を携えたまま理奈と土生がブルペンへと向かう。

(この汚れ…塩?)

手紙についているへこみ、そして無機物。
手紙の内容も、手紙についている汚れも、理奈と緒方以外は誰も知らない。

98:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/15 21:05:19 RQH0fr2e
投下完了。
次回いよいよ試合。

…この章はエロがまったくもって0だったな…

99:名無しさん@ピンキー
08/12/15 21:26:35 zr03YE6t
ここまで来ると、いつかエロになるのが逆に恐ろしい。
登場人物の若さゆえ、その純粋さを感じてしまうw

100:名無しさん@ピンキー
08/12/15 21:51:20 H1DKXhAv
GJ!!
ドラマが面白くてこそ、エロも映える。緒方は
学校どっちなんだろ?
次回にも期待。

101:名無しさん@ピンキー
08/12/16 18:06:47 OFFInKhr
gj!!

102:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/16 23:37:05 5yCtyvpZ
緒方の設定はまだ考えてなかった…

SDSさん、次回ちょっと白瀬紗英を借りたいのですが、
よろしいでしょうか?
(そういえばSDSさんもラリナを使うと言ってたっけ)

103:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/16 23:43:19 5yCtyvpZ
緒方の設定はまだ考えてなかった…

SDSさん、次回ちょっと白瀬紗英を借りたいのですが、
よろしいでしょうか?
(そういえばSDSさんもラリナを使うと言ってたっけ)

104:名無しさん@ピンキー
08/12/17 06:50:48 0sKFVx1c
>>暴走ボート様
GJでした!!


…実は今週投下予定の拙作『秋風…』に、つい展開上、土生くん出しちゃってるんです…(ラリナちゃんは後編で登場願う予定でした。)そのうえで問題なければ、宜しくお願いします。事後承諾になってしまい、申し訳ありません…



105:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/17 11:20:40 ygOCtM+X
>>104
SDSさんですよね?いや、名前が書いてないもんだから(ぁ

全く問題ありませんよ。
むしろ、理奈を出して土生を出さないってことに個人的に違和感があったくらいで。
こっちも紗英をありがたく使わせていただきます。

106:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/17 16:20:15 z8xivPqd
新作書いてみたのですが一つだけ許可を取りたいので…。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM様直接こちらからお願いするのは初なので
改めてはじめまして名無しさんXです。

お願いの前に
>>44の返信を
歩美のお兄さんがオタク趣味がある事以外わからなかったのでエッチに書いてみました。
エロ絵だけじゃなく恋人同士にならないという前提でいろいろ体触らせてるというのは
あくまで私のファンジンでselJPZyjjY様の想定する歩美のお兄さんではないですが
実際結構仲良しなんだろうなとも思って書いてみました。

それと念の為元ネタ公開
轟!男ゼミナール 校長枝岡兵三郎=魁!男塾 塾長江田島平八
家庭ティーチャーアサシンリヴァイブ=家庭教師ヒットマンリボーン
紗那=沢田綱吉(ツナ)響=笹川京子 など性別反転

シバケンと白瀬紗英がこれからラブイチャや凄いからみとか期待してます。
SDS ◆cStOEcFYHc 様!

で暴走ボート ◆z95s/qs7OM様改めて本題なのですが
拙作「キャッチ」シリーズの女性主人公と貴方の作品「ストレート」シリーズの主人公
野村里奈(ラリナ)と幼馴染という設定にしたいのですが宜しいでしょうか。
まずいようでしたら少し訂正して改めて発表しますので、貴方の方から返事が出来る時でいいのでご返信ください。
ではひとまずこちらは落ちますね。
最後に凄い素敵でした「新たなストレート」では失礼を…。

107:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/17 17:12:56 i6PhFoge
里菜ではなく、理奈です;
自分のHNを間違えられるのはいいのですが、
自分で作ったキャラを間違えられるのは…まあどうでもいいですね。

>念の為元ネタ公開
ご丁寧にどうも。
ただ、説明されたところで、全く分からなかったり(ぁ

>本題
かまいませんよ。
ただ、理奈が母親と別々に暮らしていることとか、
ずっと野球とともに成長してきた、と言う事はしっかりと残しておいてください。

後ほど投下します。
ただ、予告と違いまだ試合じゃないですけど;

108:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/17 20:01:30 z8xivPqd
>>107 【一スレ借ります】
暴走ボート ◆z95s/qs7OM様へ
すいません!私の確認ミスでした。以後気をつけますね。

>本題
はいありがとうございます!
それはちゃんと抑えますし、あまり野村理奈ことラリナが迷惑するような
無茶な展開にならないようにしますのでご心配なく!

投下お待ちしてますよ!頑張ってください。ひとまず落ちます。

109:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/17 21:05:31 i6PhFoge
それでは投下します。

…紗英を借りるとは言ったものの、
借りるどころか主役同然になってしまってるような…
シバケンまで引っ張り出しちゃったし…

110:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:06:40 i6PhFoge
「いよいよ、」
「あさって、」
「でーっす!」

大会は日曜日に開幕し、毎週週末に執り行われ、1ヶ月間激戦が繰り広げられる。
金曜の練習も無事終わり、いよいよ明後日という事で秘密基地で打ち上げ。

…ほら、無印版で一度出てきたじゃん、覚えてない?こいつらに秘密基地があったって事。

「それでは、俺たちの優勝という未来を祝って!」
「土生さんにひとつ、お言葉をいただきましょう!」
「え、俺?」
「あたりまえでしょ、土生さんが、俺たちのリーダーなんですから!」

促されるがままにみんなの前に出てきて、適当に思いついたことを並べて。

「えーと、とりあえず今日までよく頑張った。
 明日は東小は登校日という事で、練習は休み、各自練習なり休養なりしてくれ。」
「それじゃ、お願いします!」
「…やっぱやんのか?」

赤星にせかされて、しょうがないなと軽く両手を広げ。

「それではみなさん、お疲れさまでした、最後にご唱和下さい。いよぉー、」

パン!


カキーン!…カキーン!

「…ふう。
(大分仕上がったかな。明後日までには何とか…)」
「ナーイスバッティング。ていうか今までどこ行ってたの?」
「…!?」

人も少なくなった夕暮れ時のバッティングセンター。
夕日に染まった美人2人が、久しぶりの再会。

「紗英…。なんであなたがいるのよ。ていうか、体ボロボロになって姿消したって聞いてたけど?」
「あら、そのほうがよかったかしら。」
「だれも恨んでるなんて言ってない。
『Tesra』でトップモデルに成れなかったのは、わたしの実力がなかったせい。」
「野球と両立させていただけでも、十分すごいと思うよ。」
「ケージの中に入らないで、危ないから。」
「まあまあ、硬いのはナシ♪」

足元に転がっていたボールを拾い上げる。
そして、舌を出して微笑みながら、軟球をぐっと力を入れて握り…

「何やってんのよ、オロチヒメ。あんなものCGに決まってるじゃない。」
「あはは、必殺技、『破岩一勝』。出来るわけないか。」
「岩を砕いた力で相手を粉砕…全くふざけた技よ。」
「でも、それが野球じゃないの?相手のボールを、バットで粉砕できれば勝ち。そうでなければ負け。」
「あのねえ…。まったく、そんなにいい性格だったっけ?」

あはは、とわらいながら目線を明後日の方へ。

111:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:07:16 i6PhFoge
「実はね…恋しちゃった♪」
「はあ?恋されたんじゃなくって?」
「やっぱり故郷が一番ってことかな。故郷といっても母さんの故郷だけどね。」
「それでこのあたりにいるってわけね。」
「そゆこと。東小にいるよ、遊びに来れば?」

人は変わるもんだね。ほとんどの同年代と話をしなかった、あの陰気な性格の紗英が、ねえ…
人は人を変える、たった一つの恋で、ここまで変われる。

(はあーあ、わたしももっと子供らしく生きるべきなのかな。)
「何か言った?」
「ううん。」
「そういえば、もうすぐ大会の時期だけど、…主役になってほしいな。」

スタイルはともかく、胸という決定的なディスアドバンテージを背負っていた緒方。
こればかりはどうしようもなく、紗英にスポットライトを独占されて…

「無理、よ。」
「ど、どうして?強豪チームの主力選手なら、主役になるのは…」
「巨神から戦力外受けたのよ、そして今は東小…あなたの小学校にいる男子に誘われて、別の小さなリトルでさ。」
「東小!?あたしの、学校の…」
「…そうね、紗英は特別。」

屈んで、足首の方まで手を伸ばし、少しためらい、
…ズボンのすそを、引き上げた。

「こ、これ…!」
「…誰にも見せたくない。これだけは。わたしが数少ない話し相手だった紗英だけ、特別。」

少女に見せるにはあまりにも酷で、見るに堪えない光景だった。
膝を覆わんばかりのどす黒い血の塊。手で口を押さえ、化粧室の方へ行ってしまった。

(カナたん…どうして?どうしてっ…!)


「でよぉ、紗英の胸がまた…」

東小6年1組は、今日も飽きずに馬鹿話。いつも教室に入ってく時に聞こえてくるシバケンの馬鹿話。
本来はシカトして軽く聞き流すが、今日はずんずんとシバケンの方に向かってきて、

「健太!」
「な、なんだよ!?悪かった、悪かったって…」
「そんなんじゃない、いいから来て!」

手首をつかんで、ぐいぐい引っ張っていく。
紗英が教室にいた時間、わずか10秒。

「土生ってやつを知らない!?」
「えっと、この時間なら多分みんなでキャッチボールをしてるよ。」
「おい、紗英、なにを…」

1つ下の階には、5年生。
手がかりを元にグラウンドへ。情報通りに、キャッチボールをしている数名。

112:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:07:51 i6PhFoge
「どいつ?」
「土生は、えっと…あいつだな。でもどうする気だ?」
「いいからついてきて。」

キャッチボールをしている数名。
とりわけとんでもない巨人が混じっているが、もちろん土生ではない。

「ねえ、土生って名前の子は、君?」
「ん?悪い、ちょっと俺抜きでやっててくれ。なんか用ですか?」

キャッチボールの輪から離れ、紗英に近付く。
グローブを外した土生だが、この地点で土生は紗英の殺気を察知していた。

「…カナたんを、野球に引きずり込んだのは、君?」
「カナたん?…もしかして、緒方の事か?ああ、その通り…」

平手打ちを食い止める土生。
突然の攻撃にも、冷静に対処。

「…なんで…なんでそんなことするのよ…」
「は、はい?」
「あんな野蛮なスポーツに、あいつを巻き込むなって言ってんのよ!」

グーパンチを食い止めるシバケン。
珍しく頭に血がのぼり手を出してしまったが、さすがは東小のボスというだけはある。

「はなせよ、シバケンさん。」
「土生、女に手を挙げるのは、あんまりいいことじゃないぜ。
 手をあげていい女は、西小の…」

開いていた左手でグーパンチ。
当然シバケンは軽々と受け止める。周囲も騒がしくなってきた。

「やめとけって。ほら、周りにこんなにもギャラリーがいるしよ、ひと波乱あったらただじゃ済まねえ。
 確か試合は明日だろ?」
「…何も思わねえのかよ…野球を馬鹿にした言葉を聞いてよ…
 あんただって柔道やってんだろうがぁ!」
「悪かったって。だから落ち着け、紗英にはちゃんといっとくから。」

橡浦と山下はぼそぼそ声で止めようとするが、当然土生の耳に届くはずもなく。

「うるせえ!
 そうだよなあ、人気があれば、守ってもらえるから、それを盾に言いたい放題だもんなあ!」

腹にグーパンチ一発。
その場に倒れこむ。

「ぐふぅ…」
「兄貴!」「あんちゃん!」

怒りに燃えるシバケン。
駆け寄る橡浦と山下を、たった一度睨みつけただけで怯ませた。

113:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:08:25 i6PhFoge
…大切な仲間、そして想いを寄せる女の子への愚弄。シバケンもまた、野球を馬鹿にされた土生同様の状態。

「…悪いな、明日野球だから暴力はいけないんだろうがよ。
 だがそのツラに一発入れとかなきゃ気が済まねえ!」

振り上げた右腕に、自らの動きに逆らう違和感。
見ると、肘がつかまれている。半端ない握力を感じる。

「お互い様じゃない。喧嘩両成敗って知ってる?」
「…誰だ?」
「全部暴力で解決?ふーん、乱暴な考えね。
 でも、そうでないと戦争はやってられないか。」
「ユキ…」

土生が見上げた先には、ユキの姿。

「でも、そういう考え、あたしは嫌いじゃないかな。その考えが正義なら、あたしにとってどれほどいいか♪」
「…。」

次の瞬間、シバケンの耳に回し蹴り。
だがシバケンも流石と言ったところ。瞬時に反応して受け止めた。

「…。
 暴力で解決しようというのなら、いつでも相手になりますから。
 土生さん、さっさとその人と話をつけちゃってください。」
「…分かった。」

1歩2歩と歩み寄り、先に口を開いたのは、紗英。

「カナたんは、あたしと一緒に仕事をしてて。
 …でも、あたしがいたせいで、カナたんはトップになれなくて、モデルをやめてしまって…」
「遠回しの自慢か?」
「誰が自慢よ!…来て。他の人には聞かれたくない。」
「…いいだろう。」

シバケンが、山下が橡浦が、心配そうに見ているが、紗英が、土生が首を横に振る。
心配するな、そう言い残すように。

114:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:09:00 i6PhFoge

校舎の屋上で、全てを話した。
数少ない友達だった緒方、その緒方を蹴落とす形となってしまった過去。
それにくじけずに頑張る緒方に、襲った悲劇。

「…で、何が言いたい。
 俺は、野球をやりたいと思っていた緒方に、野球をやらせてやりたくて誘った。
 何の問題がある。」
「これ以上…カナたんを傷つけないでって言ってるのよ!
 もう見たくないよ…カナたんが傷つくのは!」
「…。」

緒方は、今年限りで野球をやめると決めているはず。だったら、今更怪我をしようと関係ない。
怪我をしようがしまいが、来年以降彼女に野球選手としての未来はないのだから。

「見たくないの…もうこれ以上、傷つく姿を、痛みや苦しみを受ける姿を、見たくないの!」
「…。
 例え緒方がそれを覚悟してたとしても、か?」
「ええ。」
「緒方のためじゃなく、自分のために野球をさせるな、といいたいのか?」
「それは…」
「間違いなくそうだろ。なら、せめてその理由を言えよ。そうでなきゃ筋が合わねえ。」

当然のように口を紡ぐ。
そして覚悟を決めたように唇を噛みながら、1枚の写真を取り出す。

「これは?」
「殆ど…だれにも見せた事のない、あたしの過去。
 捨てたくても、どうしても捨てられなかった、過去と写真。」
「ボロボロだな。…こんな状態になる前に、逃げなかったのか?…いや、逃げられなかったのか。
 子供は弱いからな、ずっと大人のいいなりに…」
「ちがう!」

土生に渡した写真をすぐさま取り返す。
ポッケに入れると、自分の苦しい胸の内を明かす。

「モデルをやめると決めた時のカナたんは、泣いてた。本当につらそうだった。
 だから、あたしは!カナたんの分まで頑張らないといけなかった!たとえどんなにぼろぼろになっても…」
「だが、こんな状態にまでなったら、止められるか見捨てられるな。」
「…あたしは、どれだけ苦しくても、身も心も壊れても、それでもカナたんの分まで…
 でも…」

力尽きた。
母親に抱えられ、故郷まで逃げてきた。

115:迷わずストレート!『檜舞台のストレート・前夜』
08/12/17 21:09:30 i6PhFoge
「…で、それがどうしたんだ?」
「な、何いってるのよ!だからあたしは…」
「結局のところ、モデルから逃げ出した、緒方の分まで頑張れなかった事、
 それに対するせめてもの罪滅ぼしのつもりで野球をやらせたくないだけだろ。」

涙があふれる。
そこまで言う事ないじゃない。少しは言葉を選んでよ!…そう心の中で叫ぶ。

「だからさ、いつまで過去にこだわってるんだ?
 あいつはモデルになれなかった、でもそれをバネに、新たに野球を頑張った、ただそれだけだろ。」
「!」
「そして怪我をしても懸命にリハビリをした、
 どんなに踏みつぶされても、必死になって這い上がった!」
「あたしだって自分なりに頑張ってるよ!
 …今はまだ決まってないけど、母さんの仕事の、お手伝いをするために頑張ろうと思ってる!」
「ならなおさらだ!」

土生が最大パワーで言い放つ。
紗英がそのハイパーボイスに一瞬怯む、それを見逃さない。

「なんで、あいつの応援をしてやれない!」

応援。
今の紗英の頭の中から、完全に離れていた言葉だった。

「っ!」
「あんたが緒方の夢を奪ったと思ってるなら、それにたいして後ろめたさを持っているのなら!
 なんで新しい夢を応援してやれない!
 あんたの言ってることは、緒方を野球から引き離すってのは、野球という夢を奪うって事じゃねえのか!」
「それは…」

「もうやめてあげて。」

出入口の方から、声がした。
そこには、この場所にはいないはずの、

「か、カナたん…?」
「緒方、なんでいるんだ?」
「昨日会って、紗英がこの小学校にいるのを聞いてね。
 今日はこの学校以外は休みだから、遊びに来たの。そしたらユキちゃんに会って、事情を聞いてね。」
「カナ…たん…」
「土生、もうやめてあげて。
 …ねえ、紗英、もしよかったら、明日の試合、見に来てくれない?」

突然の提案。
土生は静かに動向を見守る。

「わたしの姿を、見てほしいの。
 わたしが、新しい世界で頑張ってる姿を、見てほしい。」
「カナたん…」
「だって、モデルの世界でしか、がんばってる姿を見てないでしょ?」

野球の緒方かな子だって、がんばってる。
それを伝えて、土生を連れて立ち去った。

「最後に1つだけ言っておく。過去はむやみに捨てるべきものじゃない。
 だが…未来に怯えていちゃ、過去がある意味なんて、ないぜ。」


去り際の一言が、朝の予令と共に、紗英の中に響いていた。

116:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/12/17 21:11:01 i6PhFoge
投下完了。
次こそ試合かな?

しかし、ちょっと紗英の設定をもらいすぎましたね;すみません。
やっぱりやり過ぎはよくないですよね…

117:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
08/12/17 21:40:32 z8xivPqd
皆さんこっちも戻ってきました。
暴走ボート ◆z95s/qs7OM様。投下お疲れ様です。
緒方嬢と白瀬嬢の友情。そして漢な土生とシバケンがいい感じですね。

そしていよいよ私も新作を投入してみます。
長丁場でどれだけ書けるか自分でもわかりませんが、私も西小・東小シリーズそしてSDS様やストレートシリーズの一員になれるように書きます。
では『とにかくキャッチ!』第一話行きます!
属性としてレズものです!

118:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:42:07 z8xivPqd
とにかくキャッチ! 

ACT 1

「それーいくよ!」
グラウンドでさわやかな女の子の声が聞こえる。

彼女達はみずみずしい肉体にユニフォームを包み、さらによく見ると全員泥だらけだ…。

そしてさわやかな声の主はボール…しかも大きめのソフトボール用の球をつかみ、
軽快に相手に向かって打つ。
その少女のスイングはとても綺麗で、しかも…
ぶるん!ぶるん!彼女がノックするたびに彼女の背丈以上に育った
人並み外れたバストが大きく揺れ、爽やかな声とは裏腹な色気が滲んでいく。

他の選手もよくよく見てみると、みな胸の大きさはまちまちだが、
一番小柄に見える少女ですらその背丈からしたら十分立派な胸がぷるるん!と揺れ
もし盗撮されていたら立派なマニア向け作品として商売が成り立つ事だろう。

そして少女達はみなマウンドが暗くなるまで続け
ブザーが鳴った時には殆どのメンバーはフラフラになっていたが
一番背の高い少女がまるで朝飯前と言わんばかりに軽々と身長に見合う立派な胸を
プルプルと震わせ歩きながら皆に対し
「今日はこれまでにいたしましょう。皆様お片付けを開始してくださいな」
とその背の高い少女は率先して指揮をとり、みなでグラウンド整備をする。

ここは東町地区のソフトボール練習所
そしてこのチームは地区どころか東日本ブロック最強とうたわれる女子小学生ソフトボールサークル リリアム
皆ここでは常勝をリリアムに捧げる為文字通りに血を吐く練習量をする事でも知られている。

ノックをやっていた健康的な少女もグラウンドをきれいにした後。アイシングを使って腕を冷やしている。
そんな様子を見ながら背の高い少女はリリアムメンバーすべてを集め、連絡事項を述べる。
「皆様お疲れ様でしたね。今日一日のメニューはこれで終了ですが、
自主トレーニングをしたい方はこのまま残って練習を続けてください、では本日解散です」
と今日の練習が終わったことを告げ、殆どのメンバーは急いでシャワールームへと汚れた体を洗いに一目散と向かう。

119:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:44:24 z8xivPqd
グラウンドに残っていたのは長身の美しい少女
ノックをしていた年相応の背にはち切れんばかりの胸を震わす少女
そして一番比較として胸の小さく小柄な少女の三名だけだった。

そして長身の少女は「ふう」と息をつきながら残りの少女に声をかける。
「やはり貴女方は残ると思っていましたわ。私たちで続きをしましょうか…優子・久美。」
まずアイシングを終えた少女はキャッチャー用のグローブに変え、
プロテクターやマスク・レガースをつけて凄い爆乳をガードしながらばんとグローブを鳴らしながら
「OK!私まだボール受けてないからもう少しやろう沙織!久美!」
キャッチャーとして少女…優子は大きな声を上げ構え
ピッチャーマウンドに向かう小柄な少女…久美をしっかりと見据える。

久美の方もピッチャーとしてしっかりかまえて
「かるいけど500位で切り上げよう。優子!沙織お姉さま!!」
長身の少女…沙織もしっかりバットを構えて、久美を睨むように立ち改めて
「ではそうしますか…では…来てください久美!」
そういうと久美の方も
「では行きますお姉さま!しっかり私のボールとってよ優子!」
切れのあるカーブが飛び、沙織をしっかり振らせつつも…普通の捕手なら取るのも困難な久美のカーブをきっちり取り。
「久美!今日も冴えてるねボールの切れ。じゃあもう一球!沙織を私たちで打ち取っちゃおう!」
と綺麗なフォームで久美にボールを投げ返す。

綺麗な破裂音とともに久美のグローブへと滑り込むように優子の投げた球がミットに収まる。
「ナイス優子!この調子でお姉さまを打ち取ろう!」
と久美からも掛け声が入る。

沙織の方も素直に
「流石ね久美…そして優子も。でも容易く私を打ち取れると思わないでくださいよ!」
久美の切れを認めながら、エースバッターとしての誇りを燃やし
何が何でも久美を打ち取ってやろうと先ほど以上の闘志を燃やす。

そんな沙織の闘志に触発されたか、優子も久美もいままで以上に闘志を燃やし必死で投げ込み
沙織に打たれまいとするが、久美の投げた球を沙織は場外にまで吹っ飛ばす!
場外に吹っ飛んだボールを見ながら久美は沙織を見て
「…やっぱり凄い沙織お姉さま…でも私だって早々負けませんよお姉さま!」
と改めて凄いバッターを相手にしていると体の底から熱くなってくる。
勿論二人の熱い戦いをまじかに見ている優子も同様に体が熱くて仕方がなかった。
「久美!しまっていこ!!沙織だってそう容易くあんたの球打てないんだから!」

三人の火傷するほど熱い練習は続き、しまいには三人とも立てないほどの勝負をし尽くした。久美の投げた球は500を大幅に超えた850球
そのうち沙織がバックスクリーンに運んだのは76でその内場外まで持って行ったのは13、そして安打の類は297本だった
久美の方も全球すべて優子のミットに収め、優子も切れ味鋭い久美の変化球全てグラブから落とすことはなかった。

120:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:46:07 z8xivPqd
グラウンドに三人とも大の字で寝転びながらも優子から沙織と久美に話しかけてみる。
「疲れたね~でも毎日こんなたくさん練習できて私本当にうれしい!本気でこのチーム入ってよかった!」
とこれからの人生でもこれほどの猛練習にこれほど突き合えるパートナーは
そうそう現れないだろうと思った…たった一人大事な幼馴染を除いては。

そんな優子の言葉に合わせ久美からも
「本当にここまで私のボールを取りきれるなんて…ちょっと前だったら考えられなかった。
でも今じゃあ沙織お姉さまと優子と私の三人で寝転んでいるのが自然なくらいだからね」
と素直に賛同し、沙織の方も少し息を切らせながらも
「私は本当に幸せですわ。貴女方のような素晴らしい選手と巡り合うなんて…」
とやはり素直に二人に賛同する。

そんな心地いい会話をしばらく三人で交わし、寝ころんでいたが三人同時に立ち上がり
「さあ片づけましょう。優子…久美…もう時刻の方が遅くなっていますわ」
と沙織は二人に言いながらバッターボックスの掃除に取り掛かり
久美はピッチャーボックスの清掃、優子は散らばったボールを片づけテキパキ片付ける。

そしてすべて終わった後。三人とも泥と汗まみれのユニフォームを着たまま集まり
沙織は優子と久美の肩に両手を抱き乗せて囁く。
「さあ私たちもシャワー浴びましょう。優子…久美。」
どこか沙織の言葉には妖しい響きを感じられた。
実際に沙織の両手はそれぞれ優子の爆乳・久美の美乳を掴み揉んでいたのだ。

優子は顔を赤くし、久美はぽぉっとテレ出す。
「うぅっ…もう沙織ったらぁ…じゃあいっしょに入ろうかシャワーをね」
と優子も沙織の美巨乳を揉み返し、自分の爆乳もより沙織の手とくっつけながらそう答える。
優子の胸は張りの強いツンとたったロケットのような爆美胸。
沙織の胸はマシュマロのように柔らかい、だけどお椀のように上を向いた美巨胸。
どちらも小学生離れしている圧倒的な肉の質量だ。それをお互いの手でお互いの肉を感じあう。

久美の方も同様に沙織に胸をもまれながらも、自分のユニフォームをはだけさせてより積極的に沙織の愛撫を受け入れ。
「お姉さまぁ…今日もたっぷり久美を可愛がってください。もちろん優子も一緒に…ね」
久美の形のいい胸をむにゅむにゅと沙織の手が愛撫する。
11歳らしく固く成長途中な美胸の感触が心地よく沙織の手を迎え入れるのだ。

沙織は両方の手で最上級と言っても過言ではない二人の胸を揉みつつ、
自分も自身の美巨乳を優子に揉まれ、久美の乳房で手をパイズリされながら
「うふふ…二人とも待ちきれないようですね。では三人で楽しみましょう…
他の皆様はもう今ごろ帰宅されているはずですしね」
と少し熱く吐息を出しながらシャワールームに向かう。

121:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:49:15 z8xivPqd
ACT 2

三人はシャワールーム前の更衣室で泥と汗だくなユニフォームを脱ぎ、三様三者の下着姿になる。

まずは沙織の下着。沙織の下着は全般的にスポーツ選手らしからぬ高価な下着…いや大人顔負けなランジェリーと言えるもので
お淑やかな沙織の内面の熱さを表現したクリムゾンレッドの色合いに91cmという美巨乳を収めたFカップブラジャー
生地面積は89cmという美尻を納めるのには小さめ、そして股間部位にシースルーが入ったセクシーな紅いパンティー
少し透けているためか陰毛もそこからうっすらと見え、普通に考えたらただイヤラシイだけの下着なのだが。
沙織が付けるとその下着はとたんに洗練された装いを見せ
優子も久美もあまりの下着の鮮やかさとその下着を上下見事に着こなしている沙織の女神のような美しさ。
そして大人以上といえるプロポーションの良さにドキドキしてしまう。
「凄い…お姉さまはいつ見ても…素敵です。」
久美は沙織の美しさに目を輝かせ、優子も言葉なく見つめている。

沙織は賛辞を寄せる久美に対して微笑み首を軽く甘噛しながら囁き
「ありがとう久美。貴女の下着もきれいだし…この分だともっと女の子らしい体になれますわ」と久美の髪をなでる
久美は体をぶるっと震わせ82cmDカップバストもぽよんと揺れる。
沙織に触れられるたびに久美は体の芯まで淫らな熱がしみわたる気がした。
そんな久美の下着。久美の下着はスタンダードな女の子用のもので
背丈からしたら発育した白いDカップのブラジャーがぎゅむと押し込まれた可憐なもの

パンティーも青と白のストラップカラーが入った可愛らしい物だった。
まだまだ成熟途中の青い果実ながら十分に美味しそうな81cmのヒップを閉じ込め少しむちむちしてる。
「でも流石に大きさだったら…優子が一番だね!形の綺麗さや感度もお姉さま並み…
だけどお姉さまとはまた違う胸の揉み心地!!」

甘噛を受けドキドキが止まらない久美は、近くに寄ってきた優子の巨大な小学5年とは思えない94cmのバストを思いっきり両手で両胸とも揉みしだく
「やだっ…久美っ。まだ私のおっぱい大きくする気なの?あっまたっ…ブラジャー切れちゃう…かも」
優子は荒っぽいも女の子の感じるツボを押さえた胸揉みで乳牛みたいな胸を
精いっぱい揉むが、張りの強い優子の胸は硬く久美の手を押し返す。
そして優子の下着は一見ボーイッシュな青いスポーツブラに白い普通のパンティーなのだが、
そのスポーツブラジャーは物凄い山のような盛り上がりをした94cmのHカップが窮屈そうに
ブラジャー越しからも揺れ、今にも破いてぼよんと出て来そうな位大きく、
よくよく見るとバストがブラジャー下から下乳は完全に見えていることでエロティックな装いになっており。

白いパンティーもキャッチャーという下半身の筋肉が要求されるポジションの為か…
91cmという引き締まった…だがそれでもボリュームたっぷりの爆美尻を納めたパンティーは
キュウキュウ泣くようにとてもむっちりしていた。

122:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:50:55 z8xivPqd
「やだったらぁ…久美ぃ。あんたの胸だってぷりぷりで気持ちいいんだからぁ。
それに感度良いのはあんたも同じでしょう…どれ……やっぱりもう……湿ってるじゃないの久美。」
優子は胸を思いっきりもまれて気持ちよさげに、久美の可愛らしいストラップパンティの股布に手を当て触ると、
沙織の甘噛と自身から優子の胸を揉んだことでパンティーから心地よく股から滴が漏れ
パンティーが透け恥丘の形までくっきり浮かんでいき、ブラジャー越しからもうっすら乳首が隆起していくのだが。

「あふぅ…優子とお姉さまの体触ったり触られるだけで…いつもこうなるんだよ……。
でも…あんただって…もうこんなに……白いパンティーからとろとろ愛液で黄色くなってきてるよ…」
そう言いながらすかさず久美も優子の蜜が溢れている淫らな蜜壺目がけパンティー越しに指をくりくりするとぷっくりした秘裂が二つに割れ
ブニュと愛液がパンツからジュワーと染み出し黄色い染みの部分が広がっていく。

「はわぁっ!私をこんなにしたのぉあんたと沙織じゃない…でも……こういうの好き…っ
てハッキリ認められるようになったのも二人の…おかげだよね…ありがと」
とHな声でいじられるまま二人に礼をする。立派すぎる胸を揺らしながら。
バストサイズの大きさのため必然的に薄めなスポーツブラからぽくっと乳首が隆起していき、
久美の軽い攻めがしっかり優子の女…いや雌である部分を乳首の勃起と共に浮き彫りにしていく。
スポーツマンが付けるブラジャーとしては大粒な乳首をはっきり勃起させ、下乳全開の装いはとてもエロティックだ。

そんな淫らな二人を見つつ、沙織と優子の胸を今度はブラジャー越しで優しく揉みながら
二人の勃起乳首を強めに捻ってよりヒートアップさせてみる。
「やぁ…ん沙織ぃ…今日も…激しい。」
「ふにゃぁぁ!おねえさまぁ!」
二人の嬌声がシャワールーム全体に淫らなハーモニーを奏で、反響で物凄く響き渡ると
沙織も頬を赤く染め、彼女の赤いパンティーはぐっしょり淫ら汁でびっしょり濡れて陰毛がよりクリアに見え
赤いブラジャーの下で沙織も二人同様にしっかりと雌の証として勃起した乳首をびんとしこらしていた。
「久美と優子の声を聞いて私もドキドキして濡れて…勃ってますわ…
では下着を脱いで洗っておきましょうか…私たち三人ともこの下着では…ね」

そんな三様三者のHな下着を三人それぞれ鑑賞しながら。
いよいよ三人一緒にブラジャーとパンティーを脱いでそれぞれユニフォームと一緒に下着も全自動洗濯機へと入れる。
一時間もあればきれいに乾いていることだろうそれまでの間たっぷりと…三人とも顔を見合せてお互いの裸身をみつめあう。

123:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:53:39 z8xivPqd
最初に久美の裸体は全般的に瑞々しく、背丈こそ低いがそれを感じさせない
生命力にあふれたものだ。
だが胸とおしりの膨らみは十分女を意識させるにふさわしい。
ツインテールを結んでいたリボンを解くと沙織と同じくらい鮮やかな長髪となり
また違った色気が久美からあふれる、彼女の髪は綺麗な薄い茶が入った黒髪だ。
陰毛の方はまだそんなに生えていないが…逆に薄ら生えている姿が成長途中であることを示し、これからもっと陰毛が濃くなることだろう。

そして全般的に陰毛があまり生えていない為。ヴァギナの形もはっきりわかり薄めだが、形は小さめでとても綺麗だった。
もしも彼女のヴァギナにペニスを入れたら瞬く間に絶頂に導かれる…そんな魔性を思わせるヴァギナだった。
乳首や乳輪の色も全体的に色素は薄く形も小さめだ、白の入った薄いピンク色に
乳首も勃起してなお小さくぽちっと乗っている可愛らしい乳首だ。

続いて沙織の裸体は小学生とは思えない完成度に満ち、社交界の令嬢と思えるほどの
美しさにくわえて気高い匂いを漂わせる高貴な美しさに満ち溢れていた。
煌びやかな長髪は艶々しており、黒々としたとても綺麗な髪だ。
それとしっかり合うように陰毛も程よく黒く覆われ、もう姿だけなら立派なレディ…いや神話に出てくる女神を思わせるものだ。
流石に陰毛に覆われておりはっきりとヴァギナの形ははっきりとわからないが、
うっすらとだがはっきりと貝は肉厚でとても綺麗な…男好みと言い切れる一品だと言い切れるほどだ。
乳首・乳輪も程よい大きさで、勃起していても中くらいでとても可憐なローズカラーだ。

最後に優子の裸体だが背丈など普通の小学五年生のもので、顔もくりくりとしとてもかわいらしいものだが、
その可愛らしさとはあまりに真逆である豊満なバストとヒップ…そして筋肉が付いて引き締まったウェストの三点が大人そのものという
子供の可愛らしい容姿と背丈。大人のグラマラスなスタイルがアンバランスでチャーミング。
そしてそれがとてもエロティックな舐め回したくなるほどの肢体だ。
黒いセミショートの髪も更々し優子にジャストしてより優子を可愛らしく見せるも
陰毛は全然生えておらず、俗にいうパイパンと呼ばれる状態だ。

そのためはっきりヴァギナの様子が見て取れる…その様子は沙織以上にヴァギナの鮮やかな色に満ちた肉は厚いが、
膣の入口自体はほどほどの大きさで滴る愛液の量からいってあらゆる男を受け入れる包容力に満ちた優子らしいヴァギナだ。
乳首や勃起しているとはいえとても大きく、優子の肉筒は自分の人差し指大に膨れており
乳輪も乳首同様濃いヴァージンピンクだが乳輪そのものが500円玉並の大きい乳輪でとてもHだ。

そんなあまりに三人とも凄い体を披露しつつも本来の目的通りシャワールームへと6つのバストを激しく揺らし
ヴァギナからは淫らな蜜を垂らしながらも急いで駆け込む。
シャワールームでは、既にほかのメンバーが入ってしばらくたっているのか、湯気や湿り気も残っているが少しひんやりしている。
だが良く嗅ぐと…周囲には湯気や湿り気だけでなく…メンバーみんなでそこかしこで愛し合った痕跡や蜜の残り香も感じされる。

124:とにかくキャッチ!
08/12/17 21:56:43 z8xivPqd
そんないつもの光景と匂いを嗅ぎながら優子は、改めて沙織とも久美ともあるいは自分自身に言い聞かせるように口にする。
「最初の頃は慣れてなかったから…びっくりしちゃったよ。シャワーを浴びながらみんなキスしたりおっぱい揉み合ったりして…それに……」
少し前のことを懐かしげに思い出しながら、少ししんみりとする。
そんな優子の立派すぎる94cmのおっぱいを後ろからぎゅむと久美がつかんで揉む。
久美のかわいい勃起乳首が優子の背中に当たりながら、
徐々に優しいタッチで久美は優子の硬くHな大粒の勃起乳首を指でいたずらしつつ囁く。

「その件もあるけど。ここから私たちが本当の意味で一つになった場所だよね優子…
いろいろな意味でさ…お姉さまもいろいろと手伝ってくれて……嬉しかったです。」
と久美が認めた一番の親友。そして敬愛する沙織と同じくらいに大好きな優子の胸を
うっとりするペースで揉みながら、改めて嬉しそうに優子と沙織に言う。
「もぉ…沙織が見てるよ久美ぃ。最初は恥ずかしかったけど今は…ね。」
照れながらも優子は自分の方から久美の方に体を向けキス、しかも舌を絡ますディープキスを仕掛けてみる。

久美は優子の胸を揉みながら突然優子の舌が自分の舌と触れ合い、一瞬びくっとするが
直に久美も舌を絡めお互い唾液や舌を舐めあいながら二人より添うように抱きあう。
その様子はお互いの年以上に妖艶な様子にくわえ、若い肉の触れて擦れ合う音など生命力そのものだ。

そんな若い恋人二人の様子を微笑みながら沙織は眺めていたが、ボディシャンプーを
自らの91cmの美巨乳にかけ、ちゅりゅんと久美の背中を洗いあてる。
濃密な乳肉とその先端の突起が擦れ久美は優子とフレンチキスを交わしながらも、
体をぶるんと震わせ肉の快感に酔いしれる。
「ふぁぅ!お姉さまの柔らかおっぱいと優子の硬いおっぱいに挟まれてぇ…わたし…イッちゃいそう…ですぅ!」
口から舌を出した久美は二大巨美乳に挟まれ、もう昇天しそうな位に昇り詰めていく。
そして心から気持ちよさそうな久美を見て優子も沙織同様自分の94cmバストにボディシャンプーをかけて
まるで久美を男性のペニスと見立てるように沙織と一緒に自分のおっぱいで久美そのものにパイズリをかけた瞬間。
久美は弾けるようにより強く優子に抱きつきながら
「あぁぅぉ!お姉さまの柔らかバストぉわたしのおしりにあっ!優子のおっぱいが
私のおっぱいと合わさってむにゅんむにゅんって硬いバストで…二人一緒のおっぱいでわたし犯されてるぅぅ!!」
美しいソプラノ音で嬌声をさらに上げ登り詰めていき息も絶え絶えとなっていく。
これは久美が優子・沙織よりも背が小さいからできる愛撫であり二人は徐々に高度を下げて。
お腹や太股など久美の穢れなき体すべてにボディシャンプーを塗りたくり、止めとして優子は久美のヴァギナに沙織はアナル。
二人同時におっぱいを二大性感帯へと挿入するように激しく押しつけた途端。

「あはぁぁ!らめぇぇ!わたしさおりお姉さまとゆうこのおっぱいで…イクぅぅぅ!!」
全身激しく久美は震わせ、その後は優子の胸にむにゅっと倒れこみ絶頂したまま気絶する
その様子はヴァギナから多量の蜜を流しながらも安らかな表情で眠っているようだった。

125:とにかくキャッチ!
08/12/17 22:00:03 z8xivPqd
気絶した久美を見届けた優子と沙織は久美のボディシャンプーまみれの体を洗い、丹念に温かいお湯で洗い流し。
仕上げに二人仲良く舌で久美の体の埃を舐め取るように舐めだす。
顔をぺろぺろ犬のように舐めたかと思えばすべすべとした白い肌の両手両足を舐め、徐々に腋や肘・膝をもぺろぺろ嬉しそうに舐め。
さらには足の指や手の指…仕舞には肛門から菊門…そして奇麗なヴァギナを思わす
ルビー色の括約筋をも丁寧に舐め取って。
両胸も左は沙織右は優子が愛撫より優しく冷やすよう舐める。
もちろん生えかけのヴァギナにも舌を挿入し、気絶してあふれる蜜全てを舐めきる勢いで愛撫をし。
小粒なクリトリスにも奉仕を終え、久美を壁に横たわらせる。

そしてまだシャンプーまみれの優子と沙織は久美が自分たちの愛撫で達してくれた事に
微笑みながらも今度はお互いの体を合わせて綺麗にする。
にゅるにゅるん!若々しくもお互いに豊満な優子の94cmのおっぱいと沙織の91cmのおっぱいがぽみゅぽみゅ重なり合って弛み
肉がゆがむ、そしてぱんぱんっと乳がぶつかるたび激しい音がシャワールームに鳴り響く。
そんな淫媚で美しい絡みをしながら二人は互いの体を褒めあう。
「うふふっ。優子のおっぱいって水風船のようにパンパンと張り詰めてて…心地いいですわ。」
「はぅぅ。沙織のおっぱいだってぇ柔らかいけど形すごくきれいで私のおっぱい飲み込んじゃいそう。」
あまりに美しい乳房4つが縦横無尽に絡み、シャンプーのてかてかしたヌルヌルが乳房全体から引き締まったウェスト。
そして好対照な無毛と黒々した陰毛…二人の愛液まみれのヴァギナ…白い足に降り注ぐ。

そしてあまりに激しく交尾のような激しさで胸がぶつかりあい、
肩や顔にもシャンプーが飛び、それが男性のザーメンを連想させるのだ。
そして二人とも我慢できずにしゃがみつつ足を慣れた動きでドッキングさせ、お互いの美しい美貝肉を重ね合わせ、より深くお互いと繋がり。

「うふっ!優子のお肉大洪水ですね…それにクリトリスも硬く勃起していて…かわいいですわ!」
そう言いながら沙織から激しく腰を振り、自分の濡れた秘肉を思いっきり優子のヴァギナにあて、
勃起したクリトリスを男の子のように膣にガツンガツン挿入しながらクリトリスをこすり合わせ絶頂の頂に飛ぼうとする。
あまりにすさまじい連続攻撃と沙織自身の陰毛が優子のヴァギナをより刺激し、
とろっとろに溶かしていくほどの快楽を与え、二人のヴァギナに泡が行き渡って
まるで底なし沼のようなぬかるみと泡に満ちた世界となっていき、
いつオーバーヒートを迎えてもおかしくないほどの快楽が、攻め立てる沙織にも受けに回る優子も襲いかかってるが。

優子も沙織だけに任せないで自分からクリトリスを沙織のクリトリスにぶつけてからめ合い。
二人の淫らな雫がぴちゃぴちゃ跳ねるも、お互い全然かまわず古代の性交のように
ひたすら激しく腰を振る…振りながら優子は沙織の太股をさすり…徐々に上に持っていく
優子同様に引き締まった沙織のお腹…柔らかく豊満なバスト…そして乳首を軽くなで。
肩に手をまわして思いっきり沙織を引き寄せながら抱きしめて激しく久美にしたような
接吻を…もちろん柔らかい舌も沙織に絡ませていく。

ただ受けるだけでなくより相手に合わせた受け、ひたすらな献身こそ優子の最大の武器で
自分と相手の沙織が一緒に上り詰める為の行為であり。快楽の涙を瞳と雌貝から流しながら優子は沙織に対してとぎれとぎれに
「あうぅ♪沙織凄いよぉ…私もう意識飛んじゃいそう…でも私がイク時には沙織も一緒に…イカせてあげる……。」
と最後まで最大限の努力をするといい、実際に腰が砕けそうなほどグラインドをし
沙織を快楽の淵に導きながら自分もそこへと飛ぼうと努力をする。

にゅちゅう!にゅりゅるん!!激しくお互いの淫肉がもっと激しくこすれ合い
凄く淫縻な共音が響く中…優子の華芯からマグマのように熱い何かが溢れて、一気に心を覆い…。
「あん!らめぇぇ!!私イクぅ!!でもぉさおりもいっしょにぃぃ!!」
一足先に激しく狂おしいほどの情炎が体を焦がし意識を失うが…気を失う瞬間まで
腰を振るのはやめず、そのまま先ほどの久美の様に沙織の胸に倒れこんだ所で沙織の方も
「ああっ!最高でした…ゆうこぉ…私もあなたと一緒に…イキ…ますぅ…」
そのまま自分も優子の肉の重みを感じながら…冷たいタイルの床に失神し意識を失うのだった。

126:とにかくキャッチ!
08/12/17 22:03:51 z8xivPqd
ACT 3
(んんっ…だれぇ?私の体羽のようなもので…でも少し水気を帯びてる……いい!あそこ丁度ひんやり冷やして……
しかもすごく自分の感じる所をずっとほぐしてくれている…無毛のあそこぉを舌でパックリ開いて舐めてくれ……
あれ?胸のまだ固くなってるところだれか……舐めてる?間違えないや…私体を舐められているんだ……)

優子は光導く方に覚醒し、瞳をあけると沙織と久美の二人が自分の体を丹念に舐めて解してくれていた。
優子が気づいたのを確認し、沙織も久美も優子の方を微笑みながら見つめ、久美の方から声をかけてくれる。
「おっはよう優子!優子と沙織お姉さまがイッたすぐ後私起きてさ~。
まず先にお姉さまへ私が御奉仕してたらお目覚めになって…今お姉さまと一緒にあんたを仕上げてた所!」
久美の方を見てみると久美は自分のアナルを舐め終えて、パイパンヴァギナの処理の途中だった。

続けて沙織も優子に対して胸を舐めつつ話しかける。ねちっこく勃起した乳首に対して
ちょろちょろと舌で巻きながらしごきあげつつ舐めていた。
「お目覚めになりましたね優子。今久美と一緒に貴女のお体を綺麗に舐めていた所ですわ。
それにしても甘くて素敵ですね…何時もながら優子の大きい乳首と乳輪は…。」
とひたすらおいしそうに乳首や大きめの乳輪に対して舐めつくす。

そんなダブルの奉仕に優子は体をとろけさせながら、先ほどイッた反動でまだ動けず
ひたすら優子は体全部を二人に舐められながら沙織と久美は愉快そうに笑い。
「うふっ。いいですわ…私は徹底的に優子を責めるのも好きですよ。」
「私もっ!あんたに責められるのも好きだけどね…お姉さまと一緒にあんたを責めるのが一番うまくいくかも!」
二人とも嬉しそうに優子の体を丹念に舐めすぎて…優子の体は唾液まみれとなっていき、
無毛の股間もまたぷっくりと開いて処女の証を全開で見せてしまう。
「あぅっ!らめだってぇ…いつも責められてばっかぁ…私ぃ…でもぉ」
(久美と沙織の攻めは何時だって…私の心を溶かしてく…攻められれば攻められるほどぉ燃えちゃう!)
そんなマゾヒストの性質な優子は一方的に体を舐められるという変態プレイに心から淫欲に染まって燃えるのだ。

そんな心の底からうれしそうな優子を見て二人とも楽しく舐め続け…久美は優子の足をVの字にと処女膜所か子宮口までくっきり見えるほど足を開き
沙織も優子の94cmHカップのバストを激しく掴みながら揉み倒し…胸をむにゅっとくっつけて…両乳首をひっつける。
そして二人同時に…かぷっ!と沙織が両乳首を…久美がまだ勃起していたクリトリスを甘噛すると…。
「ふぁぁ!はぷぅぅ!!イッちゃう!また…とんじゃうぅぅ!!」
優子は激しくヴァギナから潮を吹きながら、また女同士の契りの心地よさに染まっていき…
湯あたりしたようにぽおっとしたままの状態で悦楽を受け入れるのだった。

が周囲から強い勢いで水が飛んでくる。放心状態の優子を覚醒させるのは十分だった…
なぜならその水流は優子の感じやすい乳首と膣に重点的に当てられていたからだ。
「いい絶頂ぷりでしたが…もう一度くらい貴女のイキ顔を見たいですわ…優子。」
「あははぁ!今度は水でイカせてあげるんだからぁ!」
まだまだ二人は満足していなかったようで優子はまだまだ自分をイカせたいんだなと思いながら
激しい水流がマッサージのように体を熱くし三度目でまたイクこともそう遠くなかったと思った。

127:とにかくキャッチ!
08/12/17 22:08:06 z8xivPqd
そして
そんなこんなで一時間丸々三人は激しい荒淫で潰し、結果的に普通にシャワーを浴びる以上に体の艶は増し、より色気を増していったのだ。
そんな三人だったがきっちりシャワーから上がり、綺麗になった下着を穿いて
ユニフォームをかばんにしまうと、さっさと私服に着替えて周囲の戸締りをしっかりとし、三人一緒に帰宅する。
ちなみに沙織はノーブルにフレアスカートに青いブラウスといったさわやかな装い。
久美は女の子らしいショートスカートにワンピース。
そして優子はジーパンにTシャツというラフな格好だった。

「今日も一日お疲れさま!沙織!久美!」
練習以上に激しい肉の契りで体がドロドロに感じた優子だったが、逆にこういうスペシャルな行為が体を活性化させ、
より沢山の練習とより激しい性交が出来るものだと心から思いつつ、いつもの仲間二人に対して元気に一日楽しくできた事を労う。

久美の方もにっこりしながら
「うん!私とバッテリーやってくれてありがとうね優子!私のボール100%取れるのはあんたかお姉様だけだから…
他のチームメンバーを馬鹿にする気なんか全然私は無いけどね」
と改めて久美は自分の球を確実に捕球してくれるという安心感で優子に対して改めて信頼していると素直に言う。
そんな名バッテリーを優しげな瞳で見つめながら沙織も口を開く。
「本当に仲が良くなって私も嬉しいですわ。久美…優子も…これだったら私は何時でもリリアムを心おきなく……」
といつでも安泰に引退できると言い出すが久美と優子は口をそろえてはっきり言う。

「まだ引退には早いです!お姉さま」
「まだ私だって沙織に習わなきゃいけないこと沢山あるんです!」
「「まだまだリリアムに残ってください!」」
と息の合ったコンビネーションで必死に弱音に聞こえた沙織の言葉を打ち消す。
そんな様子を見て沙織は
「ぷっ…ふふふ!可笑しいですわ。そんな所まで揃わなくても…それに私が辞めるのは彼女を倒してからって決めているのですよ。
久美も優子も安心してくださいな。まだまだ…私神楽坂沙織はリリアムキャプテンを続けますわ」
と笑いながらもまだまだ引退シーズンには早いと言い切り、改めてだれかにか分からないが闘志を燃やす。

少し事情の呑み込めない優子と沙織はそこまで沙織が闘志を燃やす相手が誰なんだろうと思いながらも沙織の方から。
「彼女とは戦っていれば絶対に会えますよ。それまで私たちは練習に全て注ぎましょうね」
と話をはぐらされてしまう。

そんな心地いい会話を続けながら、優子は周囲こそ暗いが自分の母校西小学校が見えた、という事は…。
今日はお別れだなと沙織たちを見て「じゃあ私はここで」と優子は二人と別れ家路に急ぐ。
こんなに遅いと両親は心配するだろうし…そろそろ彼女も…大事な幼馴染の娘もそろそろ帰ってくる時間だった。

128:とにかくキャッチ!
08/12/17 22:10:26 z8xivPqd
急いで家の道をひたすらに走るが曲がり角を曲がった処で同じように急いでいた誰かにぶつかってしまう。
ぷるるん!
自分とぶつかった女性…いや背丈はさほど変わらないから…女の子…でも……。

優子は自分とぶつかった少女もはち切れんばかりの大きさをした胸をしており
それが激しく触れてそして潰れて柄も知れぬ快楽が自分にどくんとくるように感じた。
だがとりあえず急いでいていきなり現れてぶつかったのは自分だ…とにかくその少女に謝ろうとその少女の顔を見る前に頭を下げる。
「ごめんなさい!私慌てていて…怪我しませんでしたか?」
と今度は怪我してないか少女の体を見るが、全身泥だらけの少女のユニフォーム…少女にしては大きすぎる寸法のまるで合ってないものだったが。
その大きいユニフォームでようやくフィットするほどのとんでもないほどの爆乳が少女に付いていた…。
まさか…優子はその少女の顔を覗き込もうとするがその前にその少女から声をかけられる。

「私は大丈夫…私こそ前見てなくて……てっ!優子?こんな時間までリリアムで練習してたの?私も人のこと言えないけどさ」
やっぱり…優子はぶつかった時の胸の大きさと彼女の声で顔を見なくても確信した。
今ぶつかった少女は自分の小さいころからいつも一緒だった大切な幼馴染…野村理奈だった事に。

続くといいな


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