■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■at EROPARO
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■ - 暇つぶし2ch334:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:26:39 jAQhpD51
そして当日。
今日勝てば、あのラミレーズやルウィズも使うスタジアムで巨神と戦える。

「よーし、今日勝って、あのスタジアムで巨神と戦うぜー!」

意気揚々と乗り込む赤松。しかし周りにはだれもいない。
スタメン落ちしたくないからとはいえ、10時集合のところを6時に来る馬鹿はどこにもいない。

…いや、そんな馬鹿もいた。

「翔ー…いくらなんでも早過ぎない…?」
「投手はさっさと起きて、調整しねえとな。」
「でも、4時にたたき起され、5時半に出発するこっちの身にもなってよ…あ!」

誰もいないだろうと思っていたところに、赤松の姿が。

「おいおい、10時集合だったろ?」
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。」
「とりあえず、これから4時間どうする?」
「俺、朝飯今からなんで…ちょっと店探してきます。」
「俺たちもだ。3人でどこか食べに行こうぜ。」

ちょうど近くにファストフード店があったので、入ってみる。
『朝ミール』なるメニューがあったので、それを頼んでみた。

「そういえば…今日の第1試合は、巨神が…」
「知っている。」
「…見に、行きますか?」
「決めてねーよ。」

赤松の言っている事に興味はないと言わんばかりに、ジュースを口にする。

「とにかく、今日勝てばベスト8、まずはそれだ。」
(…そんなわけ…ないのに。)

無理しなくてもいいのに。
でも、それが翔の求める、キャプテン像なのかな?エースとキャプテンって、どう違うんだろ…


「っ!!」
「どうしたの?」

はっとした顔で後ろを向く。

「どうしたの!?」
「…理奈には、…赤松にもわかんないだろうな。」
「え?」
「ずっと一緒にいたから、姿が見えなくても、感覚で分かるんだよ。」

土生がまた姿勢を元に戻し、ハンバーガーを口にはこぶ。

335:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:27:19 jAQhpD51
「いらっしゃいませー。」

誰かが入ってくる。ふと見てみると、同い年ぐらいの少年が4人。
…4人?まさかね。

「…。」
「しょ…土生君?」
「…ふー…」

落ち着け、落ち着け。
今はもう、何の関わりも…


「光陵、1回戦、勝ったらしいな。」



「よお、元気そうだな。」
「…。」
「どしたどした、なーにそんなに暗い顔してやがる。」

ふざけるな。
どのツラさげて俺の前に現れた。

「彼女とデートか?いや、それにしては一人多いか。」
「で、デートって…あなたたちは」
「黙ってろ、理奈。」
「そいつ…もしかして選手か?よほど人数不足なんだな、出てってよかったぜ。」

すっと立ち上がると、腹の底から湧き出る怒りを必死に沈める。

「あいつらは元気か?橡浦とか、山下とか。」
「…なぜ話す必要がある。」
「おいおい、俺たち元チームメートだろ?」
「…あのノート、お前らが書いた欄は、すべて塗りつぶした。」
「!
 …この野郎!」
「よせ!」

大声につられて、残りの2人もやってくる。

「あれは、俺たちの魂だ!」
「…だからこそだ。お前たちは、俺たちを裏切った。」
「翔、この人たち、まさか…」
「俺たちは、裏切ったんじゃねえよ!」

336:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:27:49 jAQhpD51
「…同じことだ。
 チームの事より自分の事を考えてる地点でな。」
「自分がかっこいいとでも思ってるつもりか?」
「俺は、あんたたちが裏切ったと言いたいだけだ。」

たとえ嘘をつかれようと、たとえ監督が勧めようと、
自分の未来を優先してチームを見捨てるのは、

「…許せねえな。」

何事かと思ったか、店員が駆け付ける。
君たち、喧嘩はやめなさい、そう注意され、席に戻っていく。

「土生君…」
「さっさと出るぞ。早く食え。」

残りのハンバーガーを丸のみし、一足先にゴミを片づけた。


南海リトル

1、4・井口
2、6・川崎
3、8・秋山
4、5・小久保
5、3・松中
6、2・城島
7、7・村松
8、9・柴原
9、1・斉藤(和)


光陵リトル

1、9・橡浦
2、6・赤松
3、2・土生
4、3・山下
5、8・瑞原(ユキ)
6、5・白井
7、4・青野
8、7・赤星
9、1・野村(ラリナ)

控え 緒方 黒田 青山

337:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:28:45 jAQhpD51
「…試合前に言っておくことがある。あそこを見ろ。」
「え…あ、さっきの!?」
「あいつら、まさか…」
「…以上だ。」

視線の先には、あの4人。
チームを出ていった、あの4人。

「おいおい、あいつら、こっち見てるぜ。」
「懐かしの面々もいるなあ。」

あえて午前に巨神の試合がある事は伏せておき、偵察もしなかった。
すべては、試合直前に士気を高めるために。

…そして、巨神のコールド勝ちを、隠しておくために。


「よーし、やるぜ!」
「おう!」

各々闘志を燃やして、各守備位置に散っていく。
4人の事を直接は知らない、ユキも、赤松も、緒方も、

(勝たなきゃ、みんなのためにも…)
「よーし、やるぞー…」
(…。)

「さーて、あのおっぱいちゃん、どんな球投げるのかなー?」
「二岡、あんまり期待すんなって、どーせ大したことないってば。」

…そして、理奈も。

(…翔、あたしは…)

一心同体に、なりたい。
翔がどれだけ辛い思いをしたか、知っているから。悔しさ、辛さを、共有したい。

…だから、まずは目の前の敵を倒す。
少しでも翔に近づくために、一心同体に、なるために。


「プレイボール!」

(来い、理奈!)
(うんっ!)

理奈の、直球、一閃。

338:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:29:12 jAQhpD51
『月曜日発刊 週刊MAX』

光陵リトル、野村理奈ちゃん、完全試合達成!~女子初の快挙・華麗に舞い降りたノーヒッター~


「すげえよな、これ!」
「ありがと、雅人くん。」

赤松と2人で、今朝の朝刊に挟まっていた地元のスポーツ情報誌を見ている。
地元のプロアマのスポーツ情報が載っており、小学生のスポーツなんかも小さく載っている。

その小学生スポーツ用である3面の、半分を理奈の記事が独占している。


『6日に行われた硬式野球県予選(小学生の部)2回戦第2試合で、
 光陵リトル・野村理奈さん(小5)が、去年ベスト4の南海リトルを相手に完全試合を達成した。』

「みんなにも見せてあげたいけど…」
「ダメだよ、東小とつるんでるってのが、ばれちゃうから。」
「ちぇっ。」

ここは校舎の屋上。
2人で仲良く、理奈の記事を見ている。

『野村さんはこの試合まで登板記録がなく、初登板初先発完全試合という離れ業を達成。
 今後の活躍が注目される選手。

 野村さんのコメント・とてもうれしいです。次の試合もチームが勝てるように頑張ります。
 南海リトル、王監督・彼女の速球には脱帽しました。今日は成す術もない、完敗です。』

「えへへ、なんか恥ずかしいや。」
「でも、明日の新聞に乗るって聞いて、父さんに頼んでもらってきたかいがあったよ。」

339:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:30:08 jAQhpD51
『コラム・少女が思い出させてくれた少年野球

 最近の小学生は、知識ばかり豊富で、理屈だけで、頭だけで野球をやっているように見える。
 その証拠に、変化球に頼ったピッチングが目立つ。妙にフォームがぎくしゃくしている。
 体を動かさず、故に身体能力に自信を持ててない、という事の裏付けである。
 まだ小学生なのだから、勝ち負けとか技術的な事は気にせず、とにかく体を動かせばいいと思うのだが、
 僕の考え方の方が時代遅れなのか、と思いかけていた。

 それを彼女…野村理奈ちゃんが、僕のぐらついた情けない根性をたたき直してくれた。
 ただひたすら直球を磨き、ただひたすら直球を信じ、ただひたすら直球で押しまくる。
 小細工など一切なし、完璧な真っ向勝負。

 僕の掲げる少年野球の理想像が正しいと、証明してくれるようなピッチングだった。
 彼女には失礼だが、女の子が証明してくれたのだ。
 やっぱり、少年野球は、がむしゃらという言葉が一番似合っている。

 さあ、次の光陵の相手は、去年の県大会の覇者、全国ベスト4の巨神リトル。
 『最強打線vsノーヒッター』、こんな見出しを考えるだけで、わくわくする。』


思わず立ち上がった。
そして、景色がよく見える柵のそばに駆け寄る。

「ラリナ?」
「雅人くん、キャッチボールしよっ!」

理奈もとっても、わくわくしていた。

340:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/22 21:31:30 jAQhpD51
投下完了

久美の設定を一部勝手に決めてしまいましたが、
変化球重視と言う事でくせ球がぴったりと考えました。

341:名無しさん@ピンキー
09/01/22 23:30:11 fKw2PbG0
投下乙。初代スレで、巨乳スレオールスター少年野球て話題が出てたの思い出した。


342:名無しさん@ピンキー
09/01/25 01:25:20 IGo4N9fF
保守

343:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:12:38 Hc+5mB//
千秋シリーズいつまでもお待ちします。

344:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:18:09 xtnbvTKi
上に同じ…だが、千秋⇔千晶っう表記の違いはアナザーを表してるのか?

345:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:37:28 WyKimaNU
おれ ぱいずり みたい ろりすき

346:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:50:25 Hc+5mB//
>>344
すまん素で間違えた。

>>345
パイズリみんな出来そうだもんね大きさ的に
それと現在純粋にバストサイズトップ5だったらこれくらいかな?
今はっきりとバストサイズが出ている順では

1位 野村理奈(101)
2位 ハウメア(96)
3位 石引優子(94)
4位 神楽坂沙織(91)
5位 作倉歩美(90)

大人以上におっぱい大きい

347:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/27 21:03:09 JrgccGzp
>>344
他にも結構間違える人はいるからなあ…
ていうか、しばらく書き手の人が誰も来てない気がする。
まあ、今は大学受験、大学のテストの時期だからなあ。

>>346
こうしてみると、ちょっとやりすぎたよな;
ただ、スポーツ選手という事で
胸だけでなく体本体も多少がっちりしてるから、
…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。

348:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:52:42 PlSbQR1l
>>346
大人のおっぱいが、「なだらかな平野」、すなわち貧しいだけじゃないか?

349:名無しさん@ピンキー
09/01/28 22:00:10 q3rWTR1U
>>348
藤原先生か
そういや成人女性ってほとんど出てない

別に良いけど


350:名無しさん@ピンキー
09/01/28 23:07:27 QU9DDPvP
>>347
>…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。

オリジナル作品だし本来その通りだとも思いますが、
人の既存の作品にリンクさせる形で書いた作品で原作で高スペック設定のキャラをはるかに凌駕するスペックのキャラを出すのは
やりすぎではないかと思います。暴走ボートさんに限ったことではないのですが。
U-1SS的で原作の方が書きづらくならないかと少し心配になりました。

351:名無しさん@ピンキー
09/01/29 15:35:36 KevgF7T6
文章で細かく数値決めたって上手く活かすのは困難だし男も女も小学生なんだからスゲーデカいとか超デカいとか適当でいいじゃん

352:名無しさん@ピンキー
09/01/29 17:14:59 kpZAl1rK
でも数値の需要って結構あるよなw


353:名無しさん@ピンキー
09/01/29 20:45:52 o+aEfZQJ
まあ、書き手さんもあえて貧乳設定のキャラ出しにくいだろうし……高学年女子で巨乳設定じゃないのは東小の脇役ぐらいか?



354:名無しさん@ピンキー
09/01/30 00:37:06 vW4JtVuj
数字とカップの需要はありますよw

355:名無しさん@ピンキー
09/01/30 02:12:32 zJV+oKwA
ちょっと疑問なんだけど著作権作品のエロパロってありなんかい?
マンガでもゲームでも誰かのサイトのオリキャラとかの。

356:名無しさん@ピンキー
09/01/30 18:27:38 oj72H/dE
>>355
スレの趣旨に添っていて、パロ元の明記があれば良いんじゃないですかね。

357:名無しさん@ピンキー
09/01/30 19:38:58 05OjHzXJ
>>346
しかもよく考えたら小学生だからアンダーだって大分小さいだろうからなぁ・・・
アンダー60cm以下だと考えると相当大きくなるぞ

358:名無しさん@ピンキー
09/01/30 20:37:26 Cnu/UO0Z
>>318
自分ならこんな感じにする。↓

4年生になったこの春、初めてのブラを買った。
最近サイズが合わなくなり、2回目の買い替えをした。
肩幅や股下は大人にもひけを取らないが
身長が伸びないのが悩み。
小さい頃から水泳や体操をやっていて体は丈夫。

>>357
逆にスポーツやってる子やふっくら系の子なら
アンダーが70とか75とかあったとしても不思議じゃないけどね。
ポチャ系やガッチリ系の子なら尚更。



359:名無しさん@ピンキー
09/01/30 21:05:51 Cnu/UO0Z
失礼、先程の書き込みの前半は>>317へのレスです。

360:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:13:06 OpfTH/JH
>>356


361:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:17:34 OpfTH/JH
>>356
巨乳小学生が出てたら大概おkってことですな。

362:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:32:34 nMlDuuZX
オリジナル小説はだめですか?

363:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:44:04 OpfTH/JH
>>362
とりあえずここじゃね?URLリンク(same.ula.cc)

364:名無しさん@ピンキー
09/02/01 12:42:22 exH5OYp2
※業務連絡※
>>SDSさん
以前『夕立バージョンSDS』に名前だけ登場した、
西小五年生のバンこと板東宗介くんに関して、
何か設定等ありましたら教えていただけないでしょうか?
決闘少女空間4で出来ればお借りしたいのですが。

365: ◆selJPZyjjY
09/02/01 12:42:48 exH5OYp2
鳥出し忘れました……

366:SDS ◆cStOEcFYHc
09/02/01 16:48:06 4Hr82F2f
※業務連絡※

とりあえず設定しましたが、細部は御都合にあわせご自由に。


坂東宗介 西小五年二組
西小五年生の悪ガキのひとり。色々と騒がしい五年生のなか、谷川、八坂体制の忠実な一員。
千晶への憧憬はその腕っぷしに対してか淡い恋心なのかは謎。背伸び真っ盛りの年頃で、六年生を追い回すあまり、同級生を見下す傾向あり。
『かつての明』といった少年らしい風貌で、身長144cm

その他、拙作の西小キャラ、設定等は全て、selJPZyjjY様の裁量で動かして頂れば結構です。

『決闘少女空間』首を長くして待っております!!

367:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/01 18:53:11 Hfidrb55
>>365
>>366
生きてなさって一安心。
ずっと書いていないとさみしいものがあります;
※ここから業務連絡※
あと、
>>350
に書いてあることは実際のところどうなんでしょうか?

お二人の小説、気長に待っています。



368:SDS ◆GudqKUm.ok
09/02/01 21:55:20 4Hr82F2f
※業務連絡※

生きてますよw
でも私はバストサイズの件では描写不足なダメ書き手なのでコメント出来る立場じゃないですね…
ま、GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸でして、今後も切磋琢磨していこうと思います。
…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…



369:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/02 01:02:14 MJX888Gn
>GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸
知らなかった俺涙目;
思えば、俺はインフレ度外視の行動してるよな…

>…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…
作りましょうか?こういうの大好きです。
設定を作ってほしいキャラを全員挙げてくれさえすればやりますよ。

身体的特徴とサイズだけでいいですよね?

370:名無しさん@ピンキー
09/02/02 10:10:21 o0+/9vIf
>>369
それじゃ近々投下予定のSSから、末尾に人物紹介付けますので、ボディサイズ補記頂けたら嬉しいです。宜しくお願いします。

西小女子はselJPZyjjY様の判断、東に関してはまだ煮詰まってない奴が多いので、主にGBH名義の新キャラ中心になると思います…


371:名無しさん@ピンキー
09/02/02 10:12:31 o0+/9vIf
すいません!
上げちゃった…

372:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 10:23:06 QBmG4x12
※保守ついでに業務連絡※

私も何とか生存してます。
それと本編は色々と書く暇がなくて昨日何とかでだしを少し書いた程度です。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM さん
優子&久美を使っていただきありがとうございます。
監督に関してもこれから出しますよ。

実は今後剛速球使いのラスボスを出す予定だったので、物凄く有り難かったです。
後は一つだけ…久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
色々間違った事を書いた私が言うなって感じですけど、どうしてもそこだけ気になったので…すいません(涙)

SDS ◆GudqKUm.ok さんに
わたしもGBHさんと同一人物とは全く気がつきませんでした。
それと以前使用を承諾してくれたので本格的に鷲沢嬢を使わせてもらいますね。
鷲沢奈津嬢のサイズはこちらも考えていたので、次で落としておきます。

373:とにかくキャッチ! 設定資料集 その1.5 ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 10:38:16 QBmG4x12
私の拙作 とにかくキャッチ!第三話 戦乙女たちのプライドに登場する女監督と鷲沢嬢です。
ちょっとネタバレも

小倉伊織(おぐら・いおり)
162cm 53kg 24歳
81(B) 59 85

リリアムの監督業を務めている。
元はリリアムのキャッチャーを務めていたこともあるが、打撃よりも守備あるいは頭脳戦を得意としていた。

ただ素は子供っぽくいい加減なところのある人物で結構沙織や奈津の方が頼りになるとまで言われることもあるが
相談事など大人として親身になってくれるので、前述の欠点をひっくるめてチームメンバー全員から愛されている。

光陵の中井監督とは先輩後輩の間柄で、そのつてで練習試合をたまにしたりする。
リリアム所属の為女性から女の子の味などもよく知っているが、実は中井監督の才能に惹かれるものをかんじ色々空回りながらアプローチをしている模様。
また今でこそスレンダーだが選手時代は優子のように良く胸に球を浴び腫れと成長で爆乳といえる胸の大きさだった。

おまけ
小倉伊織(おぐら・いおり)選手時代
154cm 62kg 
98(I) 61 85

鷲沢奈津(わしざわ・なつ)
165cm 56kg
86(E) 55 84

リスキー・ゲーム5からの出演 付属小6年A組 ポジションはショート
リリアム副キャプテンで付属小ソフトボール部のキャプテンを務めている。愛称はナッちん(ただし付属小ローカルのみで基本的に鷲沢副キャプテン)
選手としてトータルバランス全てに秀でており周囲の人望も篤い。
その為当時のリリアムでも沙織か奈津のどちらをキャプテンにするか議論が割れたが打撃勝負で何とか沙織が勝ち
副キャプテンに収まった(最もかなりの僅差でお互いギリギリの勝負だった)また付属小のキャプテンをしている影響で自主連はオーバーワークになるためあえてしない。

「リスキー・ゲーム5より一部省略」
スパイキーに逆立ったショートカットに日焼けした浅黒い肌に見合った強靭でしなやかな四肢。
意外に白く豊かな乳房が覗いている。

精悍でワイルドな美貌を備え、生半可な男子より腕力も勝る奈津は附属小の女子児童に人気が高く、事実、校内には何人かの『彼女』もいる。
言い寄ってくるまま彼女たちを受け入れてきた奈津は、今まで自分の性癖にさしたる疑問を抱いたことは無かったが、
この日、奈津を襲った感情、野村理奈という名の可憐なエースに抱いた想いは、紛れもなく激しい『恋』そのものだった。


男役という意味で付属小やリリアムでも女の子にモテ、そういった意味でも沙織と二分するほど
また付属小の試合に来た野村理奈(ラリナ)の投球を見て、一目で彼女に恋におち
ついラリナのブラジャーを盗んでしまう。

普段は言動こそ乱暴だが同級生・後輩とも沙織とは別ベクトルで公平に振る舞う、しかし前述のとおり理奈に対して固執しているところもあり
理奈をリリアムに引き抜きたいと思っていたが、優子との勝負で自分の非を認め、完全に優子と久美のバッテリーを認める。
最も選手として誇りを持ってプレイしており、自分を高める為。優子や沙織に対しても自分は引けを取るまいと改めてライバル心を燃やす様になる。

ひとまず投下します

374:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/02 11:17:13 te1mP2nr
>>370
名前が不明になってるけど…
たぶんSDSさん、と言う事でいいんだろう;

>久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
うぐ、気をつけていたはずだけど、確かに2か所…
そうだ、間違って書いたセリフはすべて土生に対して言った言葉。
おねえさまと呼んでいることを男子には知られたくなかったから…

…見苦しいですね、すみません(

果たして久美のストレートがツーシームと言う設定はやってよかったんだろうか…
今さらと言われそうな気はしますが;
とりあえずこっちも書きすすめて参ります。

375:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:41:22 CrC+SOpx
>>355
マンガゲームはわかるがどっかのサイトのオリキャラとかピンポイントにもほどがあるだろw

376:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:54:40 7pi6GaSy
>>375
書いた後に邪悪小学生しか存在しないと気づいた ないよね?

377:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 23:55:32 QBmG4x12
暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんから返信が来ていましたのでご返信。

>>374 
いえいえ凄く久美のくせ球ツーシーム設定は本当にありがたかったです
野球とかソフトボールは全然知らないのでそういう設定を付けて下さるのは本当助かります。
それだったら理奈とは別の意味合いで久美の捕球が困難っていう裏ずけしやすくなりますしね。

ここの書き手の皆様頑張ってください。
私も出来る限り頑張ります。以上落ちです。

378:GBH ◆GudqKUm.ok
09/02/03 22:17:32 t+q6Gr9V
投下開始

379:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:18:37 t+q6Gr9V
人間は決して立ち入ることが出来ない不思議な極北の次元。
そこには宇宙の均衡を保ち、脆弱な世界を支える為、『生命』を超越したものだけが住む氷の城がある。

今、彼らの基準ではまだ幼いひとりの半神が、この凍てついた城の荘厳な長い回廊を風のように駆けてゆく。
彼女の名はハウメア。まだ自らの名前を持つ、最も年若い北の精霊の一人だ。

(姉様!!)

回廊に響く彼女の元気よく弾んだ思念に応えて疾風が渦巻き、ハウメアが最も慕う姉である、『北風』がその姿を現した。
長い髪と瞳は深く清澄な湖の青。いささか冷たく落ち着いた美貌は『北風』という名にふさわしい。

(姉様!! お久しゅうございます!! 末妹のハウメアがご挨拶申し上げます…)

ハウメアは上位の精霊に対する礼を欠くことなく優美に姉に対し挨拶を送る。
『氷の城』を離れていることが多いこの眉目秀麗なハウメアの姉は、人間の時間で十年位前、幼くして北の精霊のなかでも厳しい務めとされる『北風』の任に就き、古い名を捨てて久しい。

(…ハウメア、元気にしていた? まだ『授業』じゃなかったの?)

姉の言葉にハウメアはペロリと舌を出して笑う。

(だってぇ…)



380:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:20:26 t+q6Gr9V
つい先日の聖夜、はじめてこの広大な城を出て、極東の島国へ祖父の代理として子供達に贈り物を届けた武勇伝を早くこの姉に話したくて、今日は幾つかの修練を怠って学舎を飛び出して来たのだ。

(…なんて悪い子でしょう…)

『北風』は妹を優しく諫めながら抱き寄せ、彼女が伝えたくてウズウズしている冒険談に意識を傾ける。

(さ…お見せなさい…)

視覚、触覚、嗅覚、そして思惟や感情までも瞬時に共有出来る彼女たちにはごく当たり前の力を使って『北風』はハウメアの聖夜の記憶を生きる。もう、眼下はイルミネーション瞬く街だ…

…子供達の安らかな寝顔。暖かく輝くクリスマスツリー。幸せを包んだ静かな闇。
…小さな恋、友情、未来への憧れと…少しの哀しみ。そんな全てが詰まった遠い国の夜…

『北風』がその冷たく整った顔に思わず優しい微笑みを浮かべたとき、だしぬけに、久しく味わっていない強烈な性感が彼女の全身を貫いた。

「あああっ!?」

端正な『北風』の眉が下がる。思わず漏らした呻きと共に、ガクガクと膝が震えた。
ハウメアの記憶を通じ、美しい東洋の少女の濃厚な愛撫が『北風』の全身にくまなく淫靡な刺激を与えてゆく…




381:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:22:51 t+q6Gr9V
「ハ、ハウメア!!」

妹の記憶に潜んでいたこの『ビックリ箱』に、『北風』は思わず本来の短気な性格を露呈して叫んだ。
ハウメアはあの夜、最後の訪問先で堪能した淫らな愉悦の記憶を用いて、たちの悪いいたずらを姉に仕掛けたのだ。

(うふふっ。姉様へのプレゼント。気持ち…よかったでしょ?)

(なんてはしたない…)

ハウメアは、相変わらず冗談の通じない姉の手を逃れ、ひらりと浮遊しながら陽気な笑い声を上げる。
この生真面目な姉は、たちまち吹雪を纏い、怒りの形相で彼女を『氷の城』中追い回す筈…だった。

「…奇遇ね、ハウメア。私はこの国、この街で、真の『北風』になったの。…お祖父様のお計らいなのかしら?」

一向に怒りの色を見せず、懐かしそうに自分を見上げて話す『北風』にいささか拍子抜けして、ハウメアはゆっくりと姉のもとへ舞い降りる。




382:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:24:20 t+q6Gr9V
「えっ!? 姉様もあの街へ?」

「…そう。ちょうど今のあなた位の頃だった。『六階梯』の終わり頃、私が『北風』になった街…」

『北風』は水晶の床に降り立ったハウメアを再びその腕に抱き寄せ、懐かしい記憶の蓋を開く。


…今、ハウメアと共に過去へ飛び立ったのは、青い髪を短く揃えた、冷たく勝ち気そうなかつての幼い『北風』だった…




383:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:25:36 t+q6Gr9V
(…吼えよ我が同胞、雪の狼よ。吹雪を纏い、霜で全てを覆え…)

『北風』は上機嫌で凍てつく疾風と化し、極東の島国の冬空を翔ける。
『小六階梯』を優秀な成績でほぼ終了し、『北風』の名を最年少で勝ちとった彼女は、順調に『冬』をもたらしつつ、遥かな北の故郷から、この街にやってきたのだ。

(…全て日程通り。お祖父様は、私を過小評価し過ぎておられる…)

彼女の独り立ちに終始反対を続けたのは、他ならぬ北方の大神、彼女の祖父たる大サンタクロースその人だけだった。
しかし傲慢、性急、冷徹という祖父が戒める欠点は全て、彼女には『北風』に必要な優れた資質としか思えない。
オドオドと緩慢に、周囲に気を遣いつつやってくる冬などあるだろうか? そんなものは怠惰な南風の仕事だ…

(…舞えよ我が同胞、雪の梟よ。霧を纏い、霙で全てを覆え…)

人には見せぬ満足の笑みをかすかに浮かべ、『北風』は気まぐれに低空を縫って飛ぶ。未曽有の寒波に震えあがる非力な人間たちを見る為に。

(…!?)

堅く門を閉ざし、屋内で風の音に怯える人々の気配に満足していた彼女は突然、微弱な、しかし切実な意識の波動を感じて不快げに眉を曇らせた。



384:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:27:32 t+q6Gr9V
(…どこ?)

彼女の鋭敏な知覚はすぐ微弱な思念の発信源を察知する。小さな公園の一角、円筒形の遊具のなかだ。

紛れもない、死にゆく者の発する諦めの意識。まだ若い人間のものだ。彼女は舌打ちしつつ、その公園に舞い降りる。

(…今日みたいな日は一人や二人逝かせても、全く問題ないんだけど…)

すでにこの旅で、彼女は何人かの無謀な雪山登山者を黄泉の国へ送っていた。
彼女の知る人間とは、その低い知能と幾多の奇妙な習性のせいで絶えず厄介を起こす、たかだか零下の気温に耐えきれず死ぬか弱い愚かな生物だ。
そんな生き物が何匹死んでも、冬とはそういうもの。彼女には何の感慨もない。しかし…

(…お祖父様がうるさいわ。もうお年だから、そんなことが気になるのね…)

祖父の叱責が怖い訳ではない。しかし自らの評価を下げてまで、わざわざ無意味に命を奪うのも愚かなことだ。

(…全く、こんな温暖で豊かな土地にいて、凍死寸前なんて…)

『北風』は不機嫌に眉を吊り上げ、公園の遊具へ舞い降りた…





385:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:31:03 t+q6Gr9V
…もう寒さは感じない。冷たい鉄の円筒の中、仰向けに横たわり震える少年は、たまらない睡魔のなかではじめて迫り来る『死』を実感した。

(…父ちゃん、母ちゃん、ごめんよ。でも、俺さえいなくなりゃ…)

彼は朦朧とした意識のなか、秋の終わりに弱々しい産声を上げ、いまだ生死の境をさ迷っている彼の末弟、大人の掌にすっぽり収まる小さな赤ん坊を懸命に案ずる。

(…俺が母ちゃんに迷惑かけてばっかりだったから… 『貰いっ子』の俺が…)

ちょうど母親のお腹が目立ち始めた頃、知ってしまった驚愕の事実。
自分が養護施設からの養子であったという衝撃は彼を変えてしまった。
クラスでは人望あるリーダーであり、他校にもその名を轟かせていた少年は次第に、その自暴自棄な振る舞いと暴力で周囲に恐れられる存在となり、そして今日、最後まで彼の傍らにいた幼なじみの少女までが、辛そうに彼に別れを告げた。

『…ごめんね。私、もう、健一が怖い…』

寒々と彼を蝕む孤独。虚ろな目で辿りついた、家族の待つ病院でもまた、絶望的な現実が彼を待ち受けていた。




386:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:32:55 t+q6Gr9V
『…母体は山を越しました。でも、新生児は…』

分娩後、未だ起き上がれぬ母。いや、血の繋がらぬ彼を分け隔てなく育てた恩人。

(…俺が朝礼で暴れたときも、母ちゃん薄着のままで謝りにきた…)

身重の母親とお腹の弟にかけ続けた大きな負担を思うと、やはり自分は死ぬしかない、と少年は思う。
母の乳すら吸う力のない彼の哀れな末弟を、今夜死神は無情にも連れ去るのだ。

(…厄介者の俺が、父ちゃんと母ちゃんの子供を殺すんだ…)

暗く寒い病院の待合室で、憔悴つつも息子たちに笑顔を見せる父と、不安のなかいつしか眠り込んだまだ幼い弟たち。
いたたまれなくなって彼は逃げた。雪のちらつく暗い夜道をひたすら駆けて。
しかし自責の激しい痛みはどこまでも彼に追い縋り、今、死に場所と定めた公園の冷たい遊具の中でも、彼を離そうとしなかった。



「…あなたに過失はない。死ぬ必要なんかないのよ。」

不意に響いた冷たい声にぼんやりと瞼を開いた少年は焦点の定まらぬ眼で、いつの間にか傍らに座り込んだ一人の少女を見上げた。
青みがかった短い髪と少年めいた顔立ち。闇に妖しく光る双眸が、この来訪者が人外のものだと少年に告げる。



387:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:34:59 t+q6Gr9V
(…死神か)(…綺麗なんだな…)

自分の姿を見てもさして驚いた様子を見せない少年に『北風』は再びそっ気なく告げた。

「…あなたが死んでも赤ちゃんの生死には関係ないの。だから、生きなさい。」

しかしすでに心身ともに疲労困憊し、思考力を失いつつある少年は、興味無さげに目を閉じ答える。

「…ほっといて…くれ。」

人間のくせに心を読まれていることにすら全く動揺を見せぬ彼の答えに、『北風』は苛立ったが、いやしくも神族たるもの、懸命に北風としての威厳を守りつつ彼への説得を続けた。
とりあえず今夜、ここから追い払えればいい…

「…私なら、赤ちゃんを助けられるかもしれないわよ?頼んでみれば?」

返事はない。冷えきった金属の床は彼の体温を着実に奪い、彼の思考もまた、吸い込まれるように虚無に堕ちてゆく。

(…もう、どうでもいい…)


『北風』は静かに舌打ちした。非論理的な彼の言動は、恐らく意識の混濁によるものに違いない。
人間の心と体の脆さに呆れながら、少年をすっぽりと覆う、かたくなな絶望のマントを取り上げる方策を『北風』は冷静に思案する。




388:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:36:43 t+q6Gr9V
(…『北風と太陽』、ね…)

祖父から聞かされたとき、鼻で笑い飛ばした下らない人間の説話だ。しかし、試してみる価値はあるだろう。彼の体温が下がりきってしまう前に。
それに、死と苦痛をあれほど恐れる人間が、他の個体の為に自ら死にたがる理由にも、少し気紛れな興味があった。

『北風』は一瞬にして自らの体に人と同じ温もりと潤いを与える。低温と乾燥を好む彼女には少し不快だが仕方がない。

『物語を額面通りにしか解釈できない。』

これも祖父の彼女への苦言だ。『北風』は苦笑いしながら豊かな胸に少年を抱きしめる。いつも怯えた雪狼を宥めるときのように。
冷え切り強張った少年の四肢に少しづつ熱が伝わると、彼の微弱な思考が『北風』の意識の中に、これまでにない鮮明さで伝わってきた。

(…あったかい、おっぱい…)(母ちゃん?)(由希?)(違う…)(…死神だ…)

少年の勘違いに『北風』はまた失笑する。しかし彼と体温を分かち合う今、なぜか先刻の苛立ちは嘘のように消えていた。


389:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:39:33 t+q6Gr9V
(…死神は言った)(『助けられるかも』)(でも)(俺はまた逃げた)(眠い…)

初めて触れる人間の魂は未熟で、矛盾に満ちていた。しかし葛藤のなかで自らを厳しく省みるその魂に、『北風』の表情がゆっくりと変わる。

僅か百年足らずの人生を無謀に駆け抜ける単純な生物、動物と大差ないと思っていた人間の心はいま、『北風』の温もりのなかで不屈の輝きを持って躍動を始めていた。


(…由希に見捨てられたくらいで)(ごめんよ)(由希)(たとえ夢でも)(幻でも)(俺は弟を助けるチャンスから)(自分だけ死んで逃げようとした…)

瞬きに等しい寿命しか持たぬ肉体に宿る、溢れるような他者への慈しみ。
『北風』の心に、彼女がこれまで知ろうともしなかった人というものの心が、少年の鼓動と共に波のように押し寄せる。
それは、信じられない事に、幾千年を生きる彼女たち神族と何ら変わらぬ正しき魂だった。

(…私は、何を学んできた?…)

複雑な召還式より、次元構造の理解よりも、もっともっと大事なもの。

…雪山で力尽きた遭難者たちは最期の瞬間、一体何と叫んでいたのか?
彼女の耳にはその声は断末魔の獣の悲鳴としか聴こえなかった。



390:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:42:50 t+q6Gr9V
(…違う。聴こうともしなかった。ただ『記録』と『日程』のために…)

『北風』は取り返しのつかぬ悔悟に青ざめる。人間は自分たちの弟妹、いつか宇宙の秩序を共に背負う同じ形の魂だと、ようやく気づいて。


(…まだ終わっちゃいない)(諦めちゃだめだ)(最後まで足掻いてみよう)(俺は)(俺は)(泣く子も黙る…)

『北風』の裂けそうに痛む胸の下で、少年は名付けられたばかりの弟の名を叫ぶ。『ただ健やかであれ』という両親の願いを、そして、血縁を超えた絆の文字を込めた名前を。

「…死神、聞いてるか!!弟を…健太を助けてくれ!! 代わりに俺が…」


譫言のように叫ぶ少年を『北風』は強く強く抱きしめる。『北風』と少年、未熟な二人が過ちを乗り越え、新たな道のりを歩き始める為に。
今、祖父の言葉に少年の熱い血潮が通い、『北風』を満たしてゆく。

…北風とは無慈悲な災禍の疾風に非ず。厚い雪の下でもじっと春を待つ木の芽を見守り慈しむ、厳しく優しい冬の運び手たれ…

「…駄目だよ。どちらも、私が死なせない。」

やがて決然と顔を上げた『北風』は、輝く青い瞳を虚空に向けて呼びかけた。



391:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:44:48 t+q6Gr9V
(…深國の姫神、豊かなる胸持つ豊穣の女神よ。『北風』が畏み畏み申し上げます…)

彼女には人の死を食い止める力はない。しかし確実にその力を持つ強大な存在がこの地に鎮座することは知っていた。
『北風』の呼びかけに少し遅れ、虚空から返る強大な思念。この地を統べる女神、『深國姫』の声が厳かに応える。

(…何用か? 吹雪の姫よ?)

(…はい、畏くも女神におかれては、今夜、御身の統べるこの街で、赤子が一人、母の乳も吸えぬまま哀れに息絶えんとしておるのをご存知でしょうか?)

(…はて、赤子が死ぬるとな?)

『北風』は恭しく頭を下げて続ける。

(…不憫な赤子の親兄弟は悲嘆に暮れております。何卒御身のお力をもって…)

しかし『北風』の嘆願は不機嫌に遮られた。身震いするような静かな怒りの波動が『北風』を包み込む。

(…木枯らしの小娘よ、この深國はそなたの下僕かの? 北の風神どもはいつからかような事にまで采配を振るようになったのか?)

厳しい叱責は当然だ。自分がこのような無謀な行為に出るなど、つい先ほどまでの『北風』には考えられないことだった。


392:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:50:40 t+q6Gr9V
(…無礼は承知です。されどこの小さき北風の願い、何卒お聞き届けの程…)

『北風』はその誇り高い頭をさらに深々と垂れる。
少年は小さな命を『北風』に賭けたのだ。たとえこの女神の逆鱗に触れ、魂ごと灰にされようと彼の願いに応えなければ、自分は荒れ野に吹く虚ろな一陣の風に過ぎない、と彼女は思う。

(…くどい。騒がしい雪狼共を連れて、早々にこの地を去るがよい。ここまでの無礼は、大目にみてやろう程に…)

しかし『北風』は去り行く深國姫の意識に追い縋り、粉雪が舞う静けさに、氷柱の鋭さを秘めた声を恐れることなく送った。

(…重ねてお願い申し上げます!! 御身は育む神!! 命を慈しむ神!!)


夜の大気に恐るべき女神の力が雷撃のように充満し、『北風』は消滅を覚悟して歯を食いしばる。

(…お祖父様…)

耐えきれぬ長い沈黙に、『北風』が堅く閉じた瞳をおずおずと開いたとき、先刻までの猛々しさが嘘のように穏やかな深國姫の思念が優しく彼女を包んだ。

(…まだ幼き北風よ、『ハウメア』の名は、妹御に譲ったのか?)

悪戯っぽい響きに、『北風』は当惑しつつ答える。

「…御意、幼い妹が次なるハウメアでございます。」



393:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:52:25 t+q6Gr9V
(左様か。…その名に免じて、微力ながら力を貸すとしよう…)

安堵の吐息と共に、『北風』の端正な顔に素直な笑みと涙がこぼれる。

「…感謝、致します… 恵み深き深國の姫神よ。…御身におかれては、私と妹を御存じなのでしょうか?」

(…いかにも。『ハウメア』とは古くは我が姉妹の名。はるか南国の、我と同じ産み育てる女神の名…)

『北風』の心に届く深國姫の慈愛に満ちた思念は、微かな悲しみを帯びる。

(…星となった我が姉の大切な名じゃ。その名を持ったそなたのことはよく知っておる。今日までの見事な成績も、な…)

おそらく少年との一部始終をじっと見守っていたに違いない深國姫に、改めて『北風』は深々と頭を下げた。

(ゆめゆめ忘れぬよう…我々もまた、無限の梯子を登るあどけない赤子に過ぎぬ事を…)

冬の星座の下、遠のいてゆく女神の思念に深い感謝を贈り、『北風』は少年を抱き起こした。
しっかりした寝息と確かな鼓動を確認し、『北風』はこの新たな兄弟に別れを告げる。

「…ほら…迎えがきたよ。みんなの所へお帰り…」



394:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:58:19 t+q6Gr9V
凍てつく闇のなか、まるで導かれるように公園へ駆け込んで来た少女に見つからぬよう、『北風』は霧に姿を変え、狼笛を短く吹いて少年の場所を彼女に教える。
片時も少年の心から離れなかった『由希』が、泣き笑いを浮かべて少年をぎゅっと抱きしめたのを見届けてから、『北風』はこの公園から静かに飛び立った。


「…待たれよ。北風どの。」

次なる地へ飛翔を始める為、瞬く冬の星座に向け舞い上がった『北風』は、背後で響いた澄んだ声に振り返った。
そこには古風に束ねた黒髪を両肩に垂らしたたおやかな少女が、柔和な笑みを浮かべて『北風』を見つめている。

「…深國…さま?」

先ほどの圧倒的な力の気配は微塵もなかった。


「いかにも。…実は年末年始は色々と忙しゅうての…膝元の赤子のことまでつい、気が回らなんだ。許されよ…」

ふわりと『北風』に寄り添った小さく愛らしい深國姫は、その不釣り合いに豊かな胸を『北風』の体に密着させ、『北風』は少年めいた顔を少し赤らめる。

「…しからば詫びのしるしに、今宵はこの深國の社で休むがよい。さ、来るのじゃ。」

「お、お戯れを…」

慌てて辞退しようとする『北風』の懐に深國姫の小さな手がするりと滑り込み、同時に熱い唇が耳元で囁く。




395:『その名を継ぐもの』
09/02/03 23:00:56 t+q6Gr9V
「…来るのじゃ。 姫はの、ずっとずっと前から、碧眼の凛々しい女子に大層興味があったのじゃ♪」



「…姉…さまぁ…も、もう駄目ぇ…」

膝の上で悶えるハウメアの喘ぎ声で我に返った『北風』は、懸命に姉の記憶から逃れようともがく妹の心と体を、改めてがっちりと組伏せて微笑む。

「…人の話は最後まで聴くものですよ。ハウメア。」

深國姫との一夜の記憶は未だ『北風』の体を疼かせる。
あの夜、まだ未成熟だった彼女の体を、無垢な少女の姿とはうらはらに果てしなく好色な深國姫は夜明けまでたっぷりと責め苛み、『北風』は人間の天気予報を大幅に狂わせる羽目になった。

「あ、ひぃ…」

『北風』は深國姫の淫らな指先を、唇を丹念に回想し、悶え狂うハウメアの五感にくまなくその信じられぬ程の悦びを伝える。学校をさぼり、姉をからかったお仕置きだ。
ハウメアは純白の乳房をあのときの『北風』と同じようにビクビクと震わせ、逃れられぬ快楽の波に溺れる。

「ふぁぁぁぁぁ!!」

厳格だった『北風』ですら夢中で啜った深國姫の媚薬のような母乳の味まで鮮明に舌に感じながら、ハウメアは幾度となく絶頂に達し、氷の回廊に切ない声を響かせ続けた。

END



396:『その名を継ぐもの』
09/02/03 23:02:23 t+q6Gr9V
登場人物紹介

『北風』(先代ハウメア
)
冬をもたらす北の精霊。最年少で『北風』の称号を得た秀才。若さゆえの傲慢と未熟さをを初めての任務で自覚し、人間的(?)に成長を遂げる。

→『その名を継ぐもの』
関連→『メリークリスマス!』(名無しさんX氏)


深國姫
とある街に祀られる安産と授乳の神。
戦時中郊外の山中にあった元々の祠が空襲で焼失し、近年改めて市街中央部の神社に祠が祀られた。
『深國比売縁起』によるとかつてはその好色さで近隣の村に害を為し、危うく退治されそうになって改心したという。

→『その名を継ぐもの』 『ンディラのいた夏』 『おっぱいの神様』


健一(芝浦健一)
東小を牛耳る初代シバケン。物心つくまえに弟の健佑と共に芝浦家の養子となる。養父母の実子、正智、健太と四人兄弟。
→『その名を継ぐもの』

由希 (槙原由希)
健一の幼なじみの東小学校六年生

→『その名を継ぐもの』



397:GBH ◆GudqKUm.ok
09/02/03 23:03:39 t+q6Gr9V
投下終了です。

398:『その名を継ぐもの』設定資料集
09/02/04 01:39:36 HLpSdCSY
北風(先代ハウメア)
T169 B99(I) W59 H89
昔はやんちゃな、現在はおとなしい性格を映した外見となっている。
ただし、怒るとそのギャップが激しい…らしい。

深國姫
T125 B113(P) W49 H64
やたらとプライドが高い性格の通り、ふてぶてしい外見をしている。
安産授乳の神と言うだけあり、異常なまでに胸が大きい。
しかし流石は神、垂れたり伸びたりはせず、何の支えがなくとも球状を保っている。

健一(初代シバケン)
T148(当時)
グレてからも外見は変わっていないが、
あまりの変わりように周りの者は外見も変わったように錯覚している。

由希(幼馴染)
T146 B83(D) W56 H74
昔から活発だったシバケン一緒故か、そこそこおとなしめ、体も華奢な印象を受ける。

399:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/04 01:42:32 HLpSdCSY
おつかれです。
神様の力とは偉大なもの…なのかなあ(ぇ
神や仏は信じない性質だけど、こういう話を見てみると…

設定はこんな感じですかね?
また何かあればお気軽にどうぞ。
由希はちょっと決めつけすぎた感があるか…
シバケンが活発故に対照的になり、故に華奢な体…うーん。

400:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:31:19 +tBvOlAX
>>376
詳しく

401:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/04 22:11:54 gxsClkta
GBH ◆GudqKUm.ok さん御礼を言うのが遅くなって申し訳ないです

まさかハウメアという名前が世襲で壮大な設定になったこと。
本編もこんなにもHでだけどシリアスな作品が生まれるとは夢にも思ってませんでした。
『その名を継ぐもの』本当に一読者としていい作品でしたよ。

それと暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんお疲れです。
深國姫と先代ハウメアこと北風、その設定資料とても魅力的ですよ。

ではこちらは落ちます

402:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:54:57 q+4TQpkX
>>400
URLリンク(www1.odn.ne.jp)
ロリ巨乳自体が少ないから巨乳小学生サイトはないねー 
SSはこのスレ以外存在するだろうか。

403:名無しさん@ピンキー
09/02/05 05:03:41 nPIAyYEf
そもそもマンガアニメに巨乳小学生キャラがそういないからな
せいぜい膨らみかけ程度で

404:名無しさん@ピンキー
09/02/08 08:22:36 KVHlrVs7
サルゲッチュのチャルはアニメ版だとエライ巨乳だった。
俺の中じゃロリ巨乳の代名詞になってる

405:名無しさん@ピンキー
09/02/11 22:54:23 8y5+Y0Vk
保守


406:名無しさん@ピンキー
09/02/12 19:50:22 eqx8jCjs
>>402
こんなマイナーなサイトにまで目を光らせてるとかすごいなお前ら

407:名無しさん@ピンキー
09/02/13 01:50:59 PhLnuEUD
マイナーかな 一度ひっかかるとリンクでぽろぽろいけるし。
URLリンク(microdat.rdy.jp) こっちのほうがズバリだろデフォルメ強いが

408:名無しさん@ピンキー
09/02/13 06:33:23 rFGONzJC
>>407
閉鎖したと思ったらあったのか・・・
横からサンクス

409:名無しさん@ピンキー
09/02/13 23:49:48 GyHB+sv7
絵サイトの方が見つけやすいのは当然か。SSサイト見あたんね。

410:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/15 18:03:31 GMhmpnEF
ここんとこ2週間投下されてないな…
みんなどこ行ったんだろ?

今夜中に投下しますかね…

411:名無しさん@ピンキー
09/02/15 18:10:21 jPQ403+T
wktk

412:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:46:34 GMhmpnEF
「よーい…ピッ!」

東小の体育の時間。5年2組の月曜日の4時間目は、みんなが大好き体育の時間。
5年2組の体育の時間は、いつも50m走から始まる。

今日は4年2組も加わっての合同授業。
もちろん、クラスの注目を集めるのは、この男。

「っしゃあっ!」

後ろの3人ははるか後方。
圧倒的な速さでフィニッシュ。

「5秒9!」
「さっすが橡浦!」

自己ベスト。
コンディションやスタートダッシュ、諸々がすべて完ぺきでなんとか出せるタイムとはいえ、
小学生でこのスピードは素晴らしい。
当然陸上の関係者ものどから手が出るほど欲しい逸材だが、野球一本、故に全ての誘いを断っている。

「あのチビの唯一の取り柄だもんな。」
「誰がチビだ?このデカブツが。」
「うお、いつの間に…」

遠くで悪態をついたつもりの山下の後ろに、突如現れる橡浦。
遠くにいたはずなのに、いつの間にかそばに現れる速さ。ハッキリ言って、勝負にならない。

「山下、勝負しようぜ!」
「えー?チビとやってくれよ…」

当然誰も橡浦と勝負したがらない。
標的は身長181cm、体重79kg、いかにも動きの鈍そうな山下が標的なのだが、

「6秒9!」

小学生で6秒台は普通に速い。
橡浦より1秒も遅いが、橡浦が異常なだけである。

「なーんで勝てないんだー!」
(そりゃ、一応スポーツやってるからなあ…ただデカイだけじゃねえし…)

413:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:47:12 GMhmpnEF
「よーし、そろそろ終わりにするかー!
 最後にもう1本だけやるか。やりたい奴!」
「もちろん!」

真っ先に橡浦がスタートラインに立つ。
こうなると責任のなすりつけ合いが始まる。

「お前行けよ!」
「お前も!」
(まーたか…)

土生は校舎からそれを眺めている。
ちなみにこの少年、足は速いが走るのはさほど好きではない。

「まったく…」

そして駆り出された双子コンビ。いかにも気の抜けた嫌そうな顔。
そんな中、スタートラインに向かって土を蹴る音。

「ユキ?」
「よーし、4人そろったな。」

橡浦の隣に立ち、静かに構える。
野球の時こそ明るいものの、普段はおとなしく、人と接することも好まない。50m走も手抜き。

だけど。

「よーい…ピッ!」

全力の彼女の走りは、速い。
やる気のない双子コンビを、あっという間に突き放した。


歓声が上がる。
わずか6秒ほどの世界に、皆がとりこになる。

「6秒3!」
「おおおおおっ!」

橡浦にとってベストなタイムではないし、ユキにとっては限界ぎりぎり。
でも、そんなの関係ない。自分と肩を並べて走るヤツがいた、それが橡浦には嬉しかった。

「ナイスラン!」
「…うん!」

恥ずかしそうに、ハイタッチをかわすユキ。
さあ、今日は楽しいソフトボールの時間だ。

414:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:47:36 GMhmpnEF
給食と昼休みの休憩時間は連動している。
合わせて90分の休憩、土生は東小所属の光陵リトル全員を集めた。

橡浦、山下、黒田、そしてユキ。
クラスや学年の隔たりを超えて、5人が机を並べ、土生が給食を運んでくる。

「まあ、まずはこれだな。『華麗に舞い降りたノーヒッター』!」
「すごいよね…ラリナ。」
「理奈さんと違って、あたしなんか、16安打も浴びたからなあ…」
「それでも勝ったんだ。すごいことだよ。」
「…あ、ありがと。」

ふとした橡浦の言いまわし。土生は気にかかりつつも、

「ま、だからこそ俺たちも理奈に負けてられないって話だぜ。
 とにかく、来週の大会のミーティングだ!」
「これは?」
「監督に頼んどいた。
 こないだの巨神のスコアブック。ま、こんなの見ても分からないだろうから…」

巨神は1回戦はシードなので、実質昨日の試合のデータしかない。
監督に頼んでデータを取ってもらい、スタメンと補足情報をもらい、土生が要約。

「ほら、みんなで見てくれ。」


巨神 13-0 太洋(たいよう) (2回コールド)

1、8・鈴木(尚) 3打数3安打
2、6・二岡    3打数2安打1打点
3、3・新井    3打数3安打7打点
4、7・金本    1打数1安打
5、5・小笠原   1打数1安打2打点
6、9・高橋(由) 2打数1安打1打点
7、4・鳥谷    1打数1安打
8、2・矢野    2打数1安打2打点
9、1・下柳    2打数0安打


「太洋は守備に評価の高いチームのはずなのに…」
「得点経過も、なんかすごいや…とどめが新井の満塁弾か。」
「投手もフォアボール連発、か…」

その圧倒的な力の前に、制球も乱される。
まあ、もともとコントロールが今一つの理奈にはそんなに関係のない話ではあるが。

「…あれ?西村と白濱は?」
「その事だが。こっちに資料がある。監督が集めてくれた。」
「これは?」
「監督が練習試合での総合成績をまとめてくれた。各投手の特徴もまとめて書いてある。」

415:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:48:25 GMhmpnEF
※ちなみに、分かりやすいように防御率や奪三振率はプロとおなじ9回基準としておく。


西村―白濱バッテリー 防御率0,66 奪三振率13,50
(とにかく剛球とカーブで押す。まあ、お前らならよく知ってるだろ。)

下柳―矢野バッテリー 防御率0,50 奪三振率2,00
(絶妙のコントロールとチェンジアップ、スライダーを駆使し、打者を手玉に取る。)

上原―阿部バッテリー 防御率0,25 奪三振率18,00
(球の速さは西村なみ。ストレートと落差の激しいフォークが武器の、リリーフバッテリー。)


「フォークか…厄介だな、打てるかなあ?」
「ハッキリ言えば、フォークはほとんど打てないだろう。
 だが制球やスタミナ消費の点から、多用もできないがな。」

小学生でフォークは使う選手は殆どいない。
だが、落差とキレのあるフォークは、物にさえしてしまえばまず間違いなく打たれることはない。
プロでも、フォーク100%という配球で相手を抑えるクローザーは存在する。

「実質的なエースは上原という事になるが、さっきも言ったがフォークは長い事使えない。
 千発は西村と下柳がローテを組んで、クローザーに上原が入る、という形になる。」
「じゃあ、次の試合では…」
「西村が来る、と考えるのが普通だろう。」

かつての仲間と、ついに戦う事になる。
おもむろに土生が牛乳を口に運び、

「まあ、とにかく勝ちにいくまでだ。この話はおしまい。」

もちろん、他の4人の心の中は、片付いているはずもないのだが。
強力打線に加え、剛の西村、柔の下柳、…えっと、そしてクローザーの西村。


勝てるのか?って思う。
でも、いちばんそう感じてるのは、間違いなく翔。みんなのために、気付かれないように必死に隠している。

「それじゃあ、ミーティング終了!
 まあ木曜あたりにもう一度やると思うから、今はこの話は流していいぜ。」

言わなきゃいけない。
…でも、この話は、流してほしい。そうだよね、そう思ってるんだよね、翔?

「それじゃあ、あとは自由解散!
 好きなだけ練習して、帰ってくれ。」

今日のリトルの練習は、こんな不安と隣り合わせのミーティングから始まった。…って、もう解散?

416:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:48:49 GMhmpnEF
「え?か、解散って…」
「お前らの顔見てるとさ、なーんか嫌気がさすんだよな。なんでだろ?やる気がしない。
 ヤル気だして練習してくれよ、どうせやるんならさ。」

遠回しに言われたって、その意味は分かるよ。
でも、しょうがないじゃない。

「うーん…じゃあ、今日は解散、マジで解散!練習、禁止!」
「え?」
「練習するな、まっすぐ帰れ!そんじゃあな!」
「あ、翔!」

バッグを持って、走っていった翔。
周りの目に気を止めず、あたしの脚も、自然と翔を追いかけてゆく。


「…どうする?」
「と、とりあえず俺たちだけでも…」
「そ、そうさ、土生さんは、俺たちに…」

「お前ら、さっさと帰れ。」

少しだけ盛り上がっていた雰囲気が、一気に静まる。
その声の主は、まぎれもなく監督自身。

「か、監督…どうしてですか!」
「土生さんは、俺たちにやる気を出させるために、あえて辛く当って…」
「…帰れ。」

いつもの監督じゃない。
凍るような背筋を感じるとともに、すごすごと帰り支度を始めた。


「あんな状態で、とても練習なんてできねえよ。」

練習を中断させた理由を聞いた。その返事がこうだ。

「でも、もう1週間もないのよ?少しでも上手くなるには練習するしかない!」
「心のショックってのは、意外とダメージがでかいもんだぜ。」
「でも…」
「100%意味のない努力は、しない。」

努力に無駄はつきもの。でも確かに、完全に無駄以外の何物でもない努力は、別。
ずっと翔に助けられてきたあたし達が、そんな努力しかできない。…情けない。

「…あいつらも、チームとしてまとまったと思ったんだけどな…」

ちょっとしたつぶやきが、あたしに重くのしかかる。
たまらなくなって、ソファーに突っ伏した。

「…悪い、言い過ぎた。」
「…そうだね、言い過ぎたね。」

…悪態をつかずには、いられなかった。
例え悪いのが、翔ではなく、あたしだったとしても。

後ろに置かれた、『週刊MAX』。そこには、笑顔で写っているあたしの姿がある。

417:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:49:23 GMhmpnEF
「ん?どした?」
「…途中まで、一緒に帰ろ?」

帰り道が同じでも、ユキは人付き合いには疎い。
土生の練習禁止令で、暗い雰囲気の中、橡浦はチームメイトと帰る気にはなれない。

…夕陽の下で、初めてのユキとの帰り道、それも二人きり。

「…でも、なんでこんな大事な時期に…」
「ミーティングはしないわけにいかないだろ。
 巨神との試合が決まったのは昨日。それより前にミーティングする馬鹿はいない。」
「…そっか、試合前日にミーティングして、今日みたいな事になったら…」
「さすが、あんちゃんだよ。」

最近、アップ時に2人でキャッチボールすることが多くなった。
最近、同じ位置で外野ノックを受けることが多くなった。
最近…一緒に話すことが、多くなった。

「ねえ、あたし…次の試合、登板あるかな…?」
「ある。」
「え…。」

即答だった。

「ユキちゃんはかっこいい。俺はそう思うな。」
「…。」

1回戦のあの試合。
自分を認めてくれた、橡浦隼人が隣にいる。

「…と…。」
「どうした?」

橡浦の一歩前に出て、向き合う。

「橡浦くんの事、…なんて呼べば、いい?」

バッティングセンターの明かりが、2人を照らしている。
ユキの頬は、2種類の紅に染まっている。


「ば、バット振りながら、考えていいか?」

困ったら、とりあえず先延ばし。
気持ちの変化についていけない時は、体を動かすのが一番いい。

そう思ってマシンを相手に打席に立ったのだが。

(あ、当たらない…)

バッティングに集中できない。
それを見ていたユキの心中は、いかに。

418:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:49:43 GMhmpnEF
「お疲れさま。」

50球打って、ヒットは5本ほど。

「…。」
「ご、ごめんね、変な事言って。やっぱり、橡浦く」
「名字はやめろ。」

目の前の自販機。
財布の中の小銭を入れようとして、…やめた。

恥ずかしいけど、言いたい事がある。
それをジュースと一緒に飲み込んでいいものかどうか。

「それって…」
「…。
 あー!言わなきゃなんないのかなー!」
「うん!」
「そこ、元気よく返事する場所でもないだろう…」

ちょっぴり真剣な目。
がらがらのバッティングセンター内での、2人の子供の小さな勇気。


「じゃあ…はいっ!」

チュッ。

「…え?え?え!!?」
「こういうことで、いいんでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど、いきなり…」
「…そだ、今のキスで思いついた!」

おそらくはニックネームの事だろうが、どんなふうに思いついたのやら。
と思ったら、それは今発した擬音語からとったらしい。

「チュウ!」
「…へ?」

419:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:50:12 GMhmpnEF
「ほー、勇気が新しく始めた野球のチームメイト、君なのかい。」
「は、はい…」
「どんな子供かと思っていたが、なかなかいい体をしてるね。
 お遊びではないかと心配してたが、レベルのそこそこのようだ。」

以前一度話した事があったはず。ユキの親父さんは、ユキにスポーツを思いきりやらせる教育方針。
故に適当なお遊びではなく、そこそこのレベルのスポーツ集団でないと納得しないのである。

「リトルという事でレベルが高いとは思っていたが、勇気の話や君の姿を見て、安心したよ。
 それに、最近ユウキは君の話をよくするし、ずいぶん明るくなった。」
「は、はあ…」

どうやら体格を見るだけである程度の身体能力は分かるらしい。
橡浦は華奢だが、スプリンターは足の筋肉はすらっとして無駄がない。
そこを見破れれば、確かに橡浦が俊足だという事が分かってもおかしくはない。

「ね、ご飯も食べていってよ、チュウ!」
「え?」
「そうしなさい、せっかく来たんだ。」
「はあ…」

半ば無理やり端原家に連れてこられた。
時間も遅いわけではないので、しぶしぶついてきたが…なんか後悔。


「…食い過ぎ…じゃない、食わされ過ぎた…」

栄養満点、食事内容はまさしくスポーツ選手にぴったりのメニュー。
だが、『たくさん食べて、しっかり動く』とかなんとか言われて、

…カロリー計算は度外視ですか?親父さん。

「てか、親父さんの前でもチュウって呼ぶなよ。2人の時だけにしてくれ。」
「ユキってニックネームだって、みんなから言われてるよ。他の人にチュウって聞かれたって、問題ないって。」
「ユキはほとんど代名詞…ていうか、最初に会ったときからユキって呼ばれてたろ。」

あーあー、止めても無駄だこりゃ。
…いや、そんな事より。

「なんで、『チュウ』、なんだ?」
「え?さっきキスした時、思いついたの。ほら、『チュッ』ってさ。」
「…それだけ?」
「それだけ。」
「…。」

恥ずかしくてたまらない。キスをそのまま名前にされたのだから。
絶対にニックネームの由来だけはばれちゃいけない。

…ト『チウ』ラハヤト、から取った、というのはユキだけの秘密。

420:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/15 22:50:36 GMhmpnEF
投下完了。

今回は短めに。

421:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:57:00 mpjyxLl0
暴走ボート◆z95s/qs7OM GJです!
橡浦君とユキちゃんもカップルになりそうで楽しみです。

さてこちらも遅くですが投下
属性として赤松君が優子にXXされるのと
今回鷲沢嬢と優子の絡みつきの55KBの長編になりました
では改めて第三話 とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド

422:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:58:52 mpjyxLl0
ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。

とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド

ACT12
そして私は今日もいつものように学校へ向かう。
勿論理奈と一緒に行くために理奈の家に向かうのだが、ふと見ると理奈家の玄関前に男の子が待っている様だ
(だれだろう?)

気になった私はその男の子に背後から近寄り、一気に背中から抱きつきながら声をかけてみる。
「あんた誰?家の前でなにしてるの??」
と誰だか知らないけど、籠絡を狙う意味でも私のおっぱいを思いっきりくっつけながら見知らぬ少年の素姓を確認する。

もしも理奈のストーカー、または昨日理奈達から聞いた下着泥棒だったら…
キンタマでも握りつぶせばいいか。
そう思い少し恥ずかしかったが股間にも手を伸ばし、少し玉袋の方に力をくわえ握る
もし叫べばどうなるか……私は少年のものにしては大きめなキンタマだなと思ったが
だが少年の方は下手をすれば小学生で女の子になると本能的な恐怖を持ったのか
少年は怯えた様子で私に話しかける。

「や…止めてください…俺…いや僕は怪しい者じゃありません……」
明らかな動揺とともに、私に対して男の子とはいえまだまだ発育途中なのか
可愛らしい女の子のような声…しかも怯えている声に私は少しどきっとしながらも
先ほどよりちょっとだけ強くキンタマを握り、搾りながらも軽く脅す様に

「自分の事を怪しいなんて言う奴はいないよね
まず最初にアンタ誰?幼馴染の理奈の家の前でなにしてるの?」
とその少年を問い詰めながらキンタマをころころ回すのだったが
「理奈?…あなたはもしかしてラリナの友達なんですか?
ボクもラリナ同様光陵に所属してる赤松雅人って言います!
本当にラリナと光陵の事を話そうって思っただけなんです!ふあぁっ!らめぇ!それ以上力入れられたら!!
出ちゃう!!もう許してください…ボクこのままじゃ学校に行く前にお漏らししちゃう!!」

赤松……あっ!そういえば土生や理奈昨日言ってたな
確かうちの小学校4年で光陵のショートやってるって……。

まずったな~少しナーバスになりすぎたか
私は赤松のキンタマの感触が先ほどより膨らみ、竿もズボンはテントみたいに勃起してしまっていた。

更に言うと勃起したおチンチンの先端に触れているズボンが少しだけ湿り気を帯び
赤松の顔も蕩けそうなうえ。明らかに性的に女の子の様な吐息…本気で感じている吐息を洩らし
なんとか射精を…でも4年生だったらオナニーとかまだ知らない年頃だろう
それでも本能的にちんぽミルクをたくさん出さないよう堪えているって感じだった。

423:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:59:57 mpjyxLl0
私はビンビンにしこった大きめな赤松のおチンチンを見ながらも
淫熱を帯び出したキンタマから慌てて手を離し、取り繕うように話しかける。

「あ~ごめんねっ!君の事は理奈と土生から聞いてるよ
すっごく足速いんだってね赤松雅人君!!それとゴメンネ乱暴なことして
付属小との試合で理奈の下着を盗んだやつがいるって聞いたからついね!」

赤松は少しだけ名残惜しそうな呆けた表情をするも、なんとか呼吸を整え
ペニスを意識しないようにしながら
「あぁぁ…良かったボクの事ラリナや土生さんが話しててくれていて
これ以上触られたら…ぼくおしっこ洩らしてましたよ
ところで貴女は……ラリナの幼馴染って言ってましたけど…だれれすか?」
と私の素姓を聞いてくる。

確かにこちらから話してなかったな。
少し離れ赤松の正面に向かいあいながら
「私は石引優子
理奈の幼馴染で今はリリアムのキャッチャーをしているよ♪」
と微笑みまだ苦しそうな赤松の手を出して立ち上がらせる。
同時に玄関があき、理奈が玄関から出てくるのだが…私と赤松の二人を見て
奇妙な表情を浮かべたのは言うまでもない。
(ちなみに土生は赤松が来る事を知っていたので早めに東小へ行っていた)

そんな理奈の最初の言葉は
「雅人君が来るのは知ってたけど…いったいどうしたの?
なんか苦しそうだし…それに優子も来て何があったの?」
と全くどうしてって言葉だった。

で事情の知らない理奈を置き
「ごめん理奈。赤松君ちょっと色々あるから少し理奈の家で休ませてあげて」
と理奈の許可を取ろうと声をかけ

「何だか分からないけど…じゃあ雅人君私の家で少し休んでからね」
と理奈は赤松を家に招き、赤松はつかれながら理奈の家で休憩を取る。
勃起が収まる前にちんぽミルクをパンツの中に射精してない事を私は祈るのみだ。

で勿論私に対してどう考えてもお前がなんかやったろって表情をしている理奈は
「雅人君に何かやったでしょ!」
と私に雷を落とす。

勿論私のミスなのでストーカーか下着泥棒と間違えた事をちゃんと説明し
キンタマをこりこりいじくって脅したら、精通をしそうになった事を正直に話すのだった。

「優子~~あんたね~
いくらなんでもそこまでしなくていいって犯人探しとか優子が危ない目にあったら私だって辛いんだから~
それに改めて雅人君に謝ってよね!!」
と二度目の雷を食らうのだったが、正直にいえば大抵理奈は許してくれるし
何より私は理奈にウソをつきたくなかったのだ。

そして玄関から落ち着き勃起も収まった赤松が現れたので、私は改めて赤松に謝り許してもらったのだった。

424:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:02:09 mpjyxLl0
ACT13
そんなこんなで私たちは三人パーティとしていろいろ話をしていた。
光陵はこれから春の前哨戦として西部リトルと試合をすることになったようだ。
順当にいけば因縁深い巨神とは三回戦目になるけど、その前に西部リトル
そして強豪として少し名前を聞いた事がある南海リトルが相手

流石に赤松は少しビビっているようだったが、やっぱり理奈はやる気満々で私もほほえましくなってくる。

「優子さん。所でリリアムもソフトボールで春の前哨戦出るのですか?」
と赤松が聞いてくるが、小倉監督も沙織も鷲沢副キャプテンも特にそういう話はしてないからな。
たぶん沙織が少しふれていた強敵に備えて本大会まで練習だろう。

「たぶん出ないだろうね…まず夏の東日本選抜本大会で優勝したら
秋に西日本大会優勝チームと試合らしいからそれまで温存だと思うよ」
と私は答えるが、更に私は理奈と赤松を励ます意味でも

「それと練習があるから西部リトルの試合は無理だけど
南海リトルの方は開けられそうだから応援に行くね理奈!それと土生や赤松君たちもね!」
と熱く声をかけるのだった。

そんなとき後ろから声をかけられる
「石引先輩おはようございます!」

私たちはおやって表情で振り向くとそこには
縦ロールの女の子
伊達眼鏡をかけた女の子
そしてロングヘアーのアクセントとして横にコンセントみたいに伸ばしている女の子

彼女達は私同様今年リリアムに入り、外野手として選出された天馬三姉妹
しかも4年でスタメン入りを果たすほどの逸材で今後のホープだ。
流石にまだ体が出来上がっていないため、通常練習だけで手いっぱいだが、一生懸命やっているのはみんな知っている。
ちなみに今私にお淑やかな挨拶したのは天馬三姉妹長女の泉ちゃんだった。

続いて天馬三姉妹二女の美咲ちゃんが私に対して熱っぽく、だけどはきはきと
「石引先輩♪今日もお美しい❤あっ申し訳ありません石引先輩
赤松君は見たことあるから知ってますけど、失礼ですが石引先輩の隣にいらっしゃる方は何方ですか?」
と確かに天馬三姉妹と理奈はまだ面識がなかったなと思い理奈の事を軽く説明し

それを聞いた天馬三姉妹三女の今日子ちゃんが
「石引先輩の幼馴染さんなんですか理奈さんって!
それと理奈さんは久美様とまたタイプの違うピッチャーって話ですけど今度よかったら
投球を見せてもらえませんか?」

と元気よく今日子ちゃんは理奈に投球を見せてくれとおねだりしてみる。

425:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:02:40 mpjyxLl0

それを見た泉ちゃんが
「今日子!はしたないわよ」
と注意し

美咲ちゃんも
「理奈さんだって光陵の試合とかで忙しいんだからわがまま言わないの今日子」
と叱る

ちょっとへこんだ今日子ちゃんは
「はーいお姉ちゃん。
でも理奈さん。リトルトーナメントが終わったら私たちと練習試合考えてくださいね」
と諦めて後日にでもと話を振る

理奈と赤松は苦笑交じりだが
「うーん。じゃあ中井監督とかに話をしてみるから
理奈の方もリリアムの監督さんに話してくれない?私だけじゃ何とも言えないし」
と私にも話をふってくるが、確かにしばらく光陵は練習試合出来るかどうか分からないけど
改めて私の眼でも理奈や土生たちがどれだけの力を付けたのかは気になり
「わかった!それじゃあ私からも小倉監督とかに話をしてみるから
正式に決まったら練習試合してみよ!ソフトボールルールでも野球でも何とかなるし」
と前向きな発言をすると

「わーい!石引先輩大好き~」
と猛然と今日子ちゃんが私のおっぱいめがけて
今日子ちゃんのふくよかなEカップバストが私の胸に押しつけられる。

それを見た美咲ちゃんは悲鳴を上げそうな顔で
「ああっ!石引先輩の胸ぇ…じゃなくていきなり道で石引先輩に抱きつかないの今日子!!」
美咲ちゃんは今日子ちゃんに雷を落とすのだった

426:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:05:08 mpjyxLl0
ACT14
学校も終わり私は部屋でユニフォームをかばんに入れ、今日も元気よくリリアムに行く準備をする。
さてと昨日は楽しかったな…学校ではいつも一緒だけど、プライベートでゆっくり理奈と話ができて…
まあ土生って恋人候補がいつの間にかできているのにはびっくりしたけど。
それにしても土生良く理奈の家に行くのかな?まさか同棲…まさかね~

まあ土生の家庭の事情とかは全然知らないけど、まあ理奈のお父さんに許可はもらってるから
たぶん土生も家の人から理奈の家に遊びに行く許可はもらっているんだろう。
土生の家の人って理解のある人なんだろうな…
私は悔しいが理奈にとって一番大事な人なんだろう土生に対してぼんやり考えていた

そして私も
踏ん切りって意味では私にとっても良かったかも
もしも理奈がフリーだったら、どうしても必要以上に気をかけちゃいそうだったし
今理奈は光陵のエース。そして私はリリアムの正捕手。
だから少なくてもマウンドにいる時一番見なきゃいけないのはリリアムのエース久美なんだ。
強豪として常に勝つために……。負けたチームの誇りとかも背負って。
改めて強豪に籍をしかもスターティングメンバーに選ばれた重みを噛み締めるのだった。

そして私は家を出て
手荷物をしょいながらリリアム所属の証であるブレスレットを装着し
西小前にいる天馬三姉妹やリリアム所属の先輩。同期の同級生・下級生などと合流し
東小地区にあるリリアムのグラウンドへ急ぐ。

西小・東小が抗争関係にある以上東小児童に絡まれないように固まって私たちは行動する。
もっとも取り決めとして抗争と無関係な児童やリリアム・光陵などスポーツチームを巻き込まないと
うちの学校の6年生リーダー八坂先輩と谷川先輩
東小のリーダーさんと沙織がみんなで決めたルールなため、せいぜい東小地区の児童から
変な目で見られるくらいしか実害がなかったし、リリアムからもたびたびよほどの事がない限り抗争などには近寄らないことときつく言われているのだ。

そうこうしているうちに私達はリリアム・グラウンドに付き
IDカードを係員さんに提示して、そのカードでロッカーなどを開け
さっそく私はユニフォームに着替える

私は薄手のアーミーシャツとジーパンを脱ぎ、下着のみになると
短めなショートパンツとユニフォームを装着すると、まず最初にブリーティングの時間が待っている。

そこに待っていたのは小倉伊織監督と沙織、そして鷲沢副キャプテンが中央に立ち
今日のメニューや今後の予定をつらつらと沙織が…というより
本来小倉監督がするべき話を全くせず、沙織と鷲沢副キャプテンに全てしゃべらせている。

「…で話は以上です
皆様他に連絡する事とかありましたらおっしゃってくださいな」
と話が終わりメンバーの話を聞こうと沙織が切り出す。

427:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:06:09 mpjyxLl0
やっぱり春の大会には不参加を決め、夏・秋の為全力を出し切るようだ。
!!そうだっ…せっかくメンバー全員居るんだったら。
私は手をあげて発言の意志がある事を沙織たちに伝える。

それに気が付き声をかけたのは沙織ではなく
「おっどうした石引?何かあんのかい??」
と男らしい口ぶりで鷲沢副キャプテンが私の意思を拾ってくれる。

「はい。少し個人的なことなんですけど私たちも無関係ではなさそうですので…」
と私は会釈を鷲沢副キャプテンや沙織・小倉監督を見つめて発言する。

「どうしたの優子?私たちにも関係するって?」
と今度は小倉監督が私を見て何かしらという表情を浮かべる。
周囲も少しざわついているようだったが…まあみんなこの事で気を付けてくれればいいか
意を決して喋る。

「はい。この間私の幼馴染の下着を何者かが盗んだという事件が発生しました
その幼馴染やチームメイトから心配されたのでそういった事が起きたことを報告します」

さらに周囲がざわつく…それはそうだろう
下着泥棒なんて基本的に男の変態が性欲、または商売の道具として使用するものなのだから。

「それで…具体的にはどういった状況で起きたのですか石引さん?
差支えがなければ詳しく教えていただけませんか?」
と沙織も詳しく状況を聞こうと詰め寄ってくるのだった。

「わかりました。では詳しくお話しします、実は……」
そして私は具体的に理奈の名前を出し、光陵と付属小の練習試合中何者かが
理奈の下着を盗んだと告げるのだった。

「そんな事って……」
鷲沢副キャプテンの表情が暗く重い物となる
それはそうだろう…鷲沢副キャプテンは付属小のソフトボールキャプテンを務めている
付属小の事はあまり知らないが、いいところの子息の通う学校の上。野球とソフトボールの試合があった以上、先生たちも多くいただろう。
まず部外者が立ち入れるとは私だってとても思えず、余程の凄腕というわけでもなければ
学校関係者としか思えない。
鷲沢副キャプテンは身内に下着泥棒が出て苦しいのだろうと私は思った。

「それにしても一体誰が下着泥棒なんて…」
「怖い……」
「うちは大丈夫だろうけど、付属小のセキュリティを破る位のプロだったら……」

周囲は皆不安の声でざわざわしている。
こうなる事は織り込み済みだけど、話とかないと怖いからね。
でも流石にみんな不安な表情なのを察したのか…ここはびしっと小倉監督が締めてくれる。

「とりあえずみんな身の回りはより注意しましょうってことね
まず浮き足立つ前に点検・チェックは怠らないようにすれば何とかなる!
みんな?他に話とか連絡事項はない?ないんだったらいつも道理練習するけど!!」

と話を切り替えてくれる
おっとっといけない!もう一つ連絡したい事があるんだった。

428:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:07:24 mpjyxLl0
「すいません監督
先ほど言った光陵なんですけど…たまに練習試合組むってことですが今度機会があれば
やってもらえませんか?いろいろと面白そうだと思うんですが」
と私も空気読んで話を変えてみる

「ええー。いまさら光陵と試合しなくても~」
と横を見ると久美が嫌そうな、つまらなそうな何とも言えない表情で発言するが

そんな久美の発言を遮って小倉監督が
「いやいや久美。最近戦力強化されてるみたいよ光陵♪
それに先輩❤おっと失礼中井監督も本気だったら馬鹿にはできないわ
OK優子!!近いうちに中井監督から私からも頼んでみるわね」

と超ノリノリで私の発言を受け入れるのだった。
そしてとくに意見が出なかったのでミーティングは終わり、早速練習のためグラウンドへと移動する。

そんな移動中久美からちょっと嫌そうなつらで
「何で光陵なのよ優子~
よりによってあんたの幼馴染が超剛速球ピッチャーってことは何とかボールの取れそうな
土生とバッテリー組んでるんでしょ?
そりゃ私も色々あって落ち込んでたあいつをけちょんけちょんにしたって仕方ないけど~」

落ち込んでた?
そっかあ…まだ聞いてなかったな土生に…どういう経緯で沙織や久美と知り合いになったとか
それにクラスメートとも言ってたし何か知っているのかな?土生には悪いけど久美に対して

「土生…何かあったの?」
と聞いてみる。

「ふーリリアム絡みで土生の事は話したくない。でもこれだけは知ってた方がいいかも
優子は土生とも知り合いになったみたいだから」

と久美は打って変わり真面目な顔で土生の事情の説明を始める
「土生って両親が蒸発しちゃったんだって。だから光陵の中井監督が今親代わりになってるの
それにこれは土生から聞いたと思うけど
土生の先輩が巨神に引き抜き食らって一時期土生はすっごく落ち込んで
光陵もろともしばらくダメダメになったのは知ってる」

と久美は語るのだった。

「…そうだったんだ。だから……」
道理でやたらと料理が上手だったんだ…両親の事を全く言わないし触れないから薄々私も変だと思ったけど。
でもそんな土生のどん底状態を救ったのはやっぱり……理奈だよね。
そんな改めて理奈の前向きさが土生を救ったのだと思うと胸が熱くなる。

そんな理奈パワーに驚きながらも久美は今度ニヤニヤし
「まあのこのこ巨神の引き抜きに乗った裏切り者4匹全部私が昔……」
と巨神に移籍した土生の先輩に対して言いかけるが

「久美。人の触れられたくない話をむやみに話したり、過剰に自分の事を誇るのは高慢というものですよ」
と沙織が後ろから現れ優しく、だけど厳しめに注意する。

「はわわっ!すいませんお姉さま」
「失礼しました!!」
私達は沙織から釘をゴツンゴツン叩かれるような恐怖を感じ急いで謝る。

そして前半パートのメニューをこなし、休憩時間!

429:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:09:16 mpjyxLl0
ACT15
「ちょっといいか石引?」
と基礎体力作りで干からびた体を洗うため軽くシャワーを浴びていた私に対して
鷲沢副キャプテン自ら話しかけてくる。

汗と泥がかかっていたがそれでも鷲沢副キャプテンの体は
まず日焼けがたくましくその褐色肌の下に隠された猫のように柔軟なたくましい筋肉に包まれた四股
引き締まり艶やかな色合いな褐色の腹部
野性味あふれた美しく顔立ちと艶やかで獅子の鬣みたいな短い髪
だけど女性らしい膨らみを立派に持ち合わせており、日焼けを免れた為か
白く美しいおっぱいと同様にきゅっとほどよい筋肉美に溢れ締まった綺麗な白いお尻
乳首も褐色の肌とはまるで違う真紅のルビーみたいな小粒のものだ

そんな沙織とはまた違う魅力を副キャプテンに感じながら
「どうしたんですか?鷲沢副キャプテン」
と私は鷲沢副キャプテンがいつになく硬い表情のまま、私に要件を伝える話し。

「野村理奈の事だけど…リリアムに引き抜けないか話して見てくれないか?」
と意外な事に理奈を光陵からリリアムへと引き抜けないかとの話だった

私は突然の事に驚いていると矢継ぎ早に鷲沢副キャプテンから

「石引と大泉が上手くいっている事は私もみればわかる
でも石引だったら野村理奈の球がどれだけ凄いか知っているだろ?
野村理奈が入団したら基本的なことすべて私が面倒みる!
だから野村理奈を光陵からスカウトするのを手伝ってほしいんだ」

熱心に鷲沢副キャプテンは私の肩をしっかりつかみ理奈のスカウトを勧める。
身ぶり手ぶりが大きくなるたび鷲沢副キャプテンの胸もたゆんたゆん艶めかしく揺れ
短めな陰毛も少し揺れるも、話は続き。

「石引と大泉は全国レベルだ!!
だけど剛速球持ちの野村理奈がうちに入団すればリリアムはもっと強くなる!
ピッチャーの二枚看板が整えば私や沙織が打ちさえすれば絶対に負けないし
去年の虎にだって勝てる!」

虎?去年って?
まあ虎はいいや…沙織は待てば相手の方が出てくるって言ってた。
それより鷲沢副キャプテンの力が強まり方が少し痛くなってくるほどになってきて
ちょっとまずそうになってきたので私からも口を開く。
実際もしも理奈がリリアムに入団したとしての仮定。あくまで仮の話として。

430:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:11:19 mpjyxLl0
「確かに…理奈だったらリリアムに入っても、剛速球投手として十分通用すると思います」
そう正直な実力で理奈ならリリアムでも投手として十分通用すると言い切る

そんな私の答えに鷲沢副キャプテンは
「やっぱり!じゃあ今度あいている日に私と石引の二人で野村理奈の家に行ってスカウトしに!!」
とても喜んだ表情になる鷲沢副キャプテン。でも私は…私は話を続ける。

「ただ理奈は決して全てできる選手じゃありません。
剛速球を投げれるとしても、ミーティングは土生達から指導を受けているとはいえ
打撃はとても勘定に入れられるものではありません…それに……」

私は鷲沢の表情が曇り出したのをはっきり確認しながら一息つき言葉を述べる。
「それに理奈は小さい時からずっと野球一筋でした。
いまさらソフトボールに鞍替えする事はあり得ないでしょう
鷲沢副キャプテン。申し訳ないですがその話を理奈が聞いても迷惑がるだけです」

はっきりと…子供のころからの理奈の意志を組んで無理だと告げる。

今度こそはっきりと鷲沢副キャプテンが苦虫をつぶした表情となり

「待ってよ石引!あんたは野村理奈と一緒にリリアムでやろうとは思わないのか?
幼馴染だったら大泉以上に息が合うだろうし、打撃はだめでも守備は問題ないんだろ?
それにさっきも言ったけど打撃の方は私が面倒みるから大丈夫だって!!」

といつもの鷲沢副キャプテンらしくなく私に食い下がって肩を乱暴に揺らし
私の94cmのバストがぶるんって揺れて、鷲沢副キャプテンの86cmのおっぱいと当たり
破裂音がシャワールームに響く。

そんな様子に近くでシャワーを浴びていた
天馬三姉妹やレギュラーなどがこちらを見出してきた。
たぶん久美と沙織は奥の方で今ごろ楽しんでいるんだろうな…

私は弱り顔のまま
「鷲沢副キャプテン。ここで話しても埒が明きません。
とりあえずこの話はまたあとで…理奈がどれだけ野球に打ち込んでいるかとか説明しますから」
と話を切り上げシャワールームから出ようと
鷲沢副キャプテンに背を向けるが後ろから鷲沢副キャプテンから声がかかる

431:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:12:49 mpjyxLl0
「待ちな石引!光陵に野村理奈の生かしきれるキャッチャーがいるのか?
もしいたとしても人員が乏しい光陵でやるよりうちの方がいいとは思わないのか?」

っ!私はつい腹部が重くなるような感じを覚えて振り返ってしまう。
流石にそれは光陵の侮辱、強いては理奈が選んだものの否定だと思ったからだ。
どうしてそこまで理奈の選んだ道に鷲沢副キャプテンが茶々を入れたがるのか
理解に苦しみながら、私は言い返す。

「だから…今理奈とバッテリーを組んでいるのは私ではなく光陵の土生です!
それに理奈一人で勝てるほど試合は甘くない事は鷲沢副キャプテンだってわかるはずですよ!!」

私は思いっきり思いの丈を鷲沢副キャプテンに告げる

私はリリアム入団直前時。理奈の意志を組んでリリアムには誘わなかった
本当はずっと一緒にバッテリーをやっていきたかったけど
理奈が望まないのに誘ったところで無意味な軋轢が出来るだけ

確かにあの時まで私は理奈と久美の球を比べていたけど今私は久美のパートナー
そして理奈と土生を見て、いま理奈がパートナーとして必要としているのは私ではなく
土生だってはっきりわかったから恋愛対象としてもう理奈は見ないし変に固執しない。

でも大事な親友なのは間違えない。
だから私は自分のメンツ以前に理奈の想いを守りたかった。

それでも鷲沢副キャプテンは引き下がらず、なるだけ人のいなさそうな所に私を押し込み
「…ちょっと待ってよ……土生土生って?
私も土生を見たことあるけど男の子だよ?なのに大丈夫なのか?
あんな爆乳でかわいくてとってもいいにおいのする女の子だよ?送りオオカミに化けるんじゃ」
と少しおかしなことを言い出す
もしかして鷲沢副キャプテンって純粋に戦力として必要というよりも個人的に理奈の事。

それにいい匂いのする女の子って…
なんで?理奈達光陵があくまで試合したのは付属小の野球部で鷲沢副キャプテンのソフトボール部ではないはずだ。
まさか…でももしかしたら……私は嫌なことを考えてしまう

でも念のためカマをかけてみるか…もしそうだったら鷲沢副キャプテンは昔の私だ。
「少なくても私は土生と理奈がいる時直接話したことがありますが
土生はいきなり送りオオカミになって理奈を襲うなんてことはあり得ないでしょう。
なにより今理奈を守れるのは私じゃなくて土生なんです!理奈の下着だって!
お気に入りの赤いブラジャーとサンベローナのキャミソールとかだって守れるのは!」

と土生だったら下着泥棒からも理奈を守れると強く言ってみる

432:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:14:21 mpjyxLl0
鷲沢副キャプテンはカッとしながら私の胸を乱暴に揉みながら反論するも
「そんなはずはない!
あの子の…野村理奈の下着は白い102cmのブラジャーに
いい匂いの染み込んだサンベリーナのキャミソーあっ!!」

鷲沢副キャプテンは悟った。私がわざと挑発しぼろを出させたことに
自分が理奈の下着を盗んだ…少なくてもあの場で理奈の更衣室に忍び込んだのが自分だと認めてしまったのだ。

やっぱりそうか…変な意味で当たっちゃった私の勘
確かに鷲沢副キャプテンならロッカールームにも入れるだろうし、いても普通にしてればまず怪しまれない。

すっかり鷲沢副キャプテンは私の胸を揉む力も無くなり、手ブラのように私の胸を隠していた。
そんな鷲沢副キャプテンを見つめて
「鷲沢副キャプテン……貴女も理奈の事…」と呟く。
私は怒りというより驚きを感じていた…こんな近くで理奈に対して恋い焦がれてた人がいたなんて。
しかも沙織と対等に渡り合える人がこんなバカげたことを…

そんな感慨を持っていると突然鷲沢副キャプテンが私を押し倒してくる。
「何で?何で二度も??しかもよりによって野村理奈の幼馴染のあんたが
野村理奈のブラジャーを私が盗んだことを見抜くなんて……」

突然抑え込まれ身動きが取れない…それに鷲沢副キャプテンは強引に私を抱きよせ。
「落ち着いて…止めてくだ…ああっ」
しゃべらせないようにキスを交わしてくる。

433:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:15:53 mpjyxLl0
沙織とは全然違う力強いキス……でも今は感じるよりも恐怖が勝ってしまい懸命に振りほどこうと動いていくも

今度は副キャプテンの右中指が私の割れ目へと差し込まれていき
指のはらで私のクリトリスをいじりながら、指先はピアノのようにとんとんとあそこっを叩く。

左手は勃起しかけている乳首を丹念にしこり、もっと乳首を肥大化させながら
自分を騙した罪人の私を嘲る様に鷲沢副キャプテンは
「沙織や大泉に仕込まれた体なんでしょ石引の体って
もうとろとろの愛液がでてきてる!!なんてスケベなのあんたの体って」
と文字通り嬲るような愛撫を続け、実際彼女の愛撫で私の体はしっかり責めを喜んでいる。

確かに鷲沢副キャプテンの愛撫は沙織並みといってもいいくらいとても上手い
リリアムでも鷲沢副キャプテンのファンは多く、かわるがわる副キャプテンに
抱かれているという話も理解できると思った。
あそこから濃い愛液が流れ、乳首もしっかりとしこりきっているのがその証だ。

でも…それ以上に今の鷲沢副キャプテンに抱かれるのは嫌…凄く……嫌
たぶん鷲沢副キャプテンは私石引優子個人というより理奈の幼馴染としての私
もっというなら理奈の代わりで私を抱いているだけ…
そう思うと体は感じても心まで隷属するのはあまりにも惨めとしか思えなかった。

だから私は体をくねらせながらそれ以上愛撫されないように動きながら
「あふぅ♪駄目ですそれ以上は!
こんなことしたって余計鷲沢副キャプテン惨めになるだけです!
理奈が今見てるの私たちじゃないんです!!」
と必死で鷲沢副キャプテンをなだめてみる

だけどやっぱり何か足りないのか私の思いは鷲沢副キャプテンに届かず
むしろもっと愛撫は激しさを増し、副キャプテンの指が私のクリトリスを強くつねってこねまわし
つい私は「ひゃぁ!」って声をあげてしまい腰が抜けてしまう

あぅまずい…これじゃあ完全に抵抗できない
本気でこのままじゃあ理不尽に鷲沢副キャプテンに…シラフならまだしもこんな形のHなんて

そんな私を完全に押し倒した彼女は私の愛液まみれになった指を私の唇に差し込み、私に私が流した愛液を無理やり飲ませながら。
「そんなかっこつけたって思いっきり私の愛撫で喜んでるじゃない石引は!
野村理奈とこういう事したいってこんな淫乱なあんたなら絶対思ったはずだ!!
なのに何でそこまで野村理奈を私の…私たちのリリアムに引き入れようとするのを拒むんだ?
分からない…私にはまったく理解できないよ!5年の土生なんかより私の方が絶対野村理奈を守れるのに!!」

私はつい鷲沢副キャプテンをけがさせたくないと思い、少し吐き気がしたが押し込められた指を喉奥まで迎え入れるも
土生に対する対抗心・そしてひた向きなだけど一方通行としか思えない理奈に対する想い
それらが入り混じった思いを鷲沢副キャプテンは私にぶつけてくる。

434:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:18:40 mpjyxLl0
痛いぐらいにおっぱいを揉み・徐々に高度を下げ腹部をなでながら臍のゴマを弄るように嬲り
さらに完全に勃起したクリトリスを潰す位ににぎにぎし、さらに蜜まみれなあそこに指を三本もじゅぶじゅぶ入れてカクテルでも作る位にかき回す

確かにうまいけどそれ以上に私は気持ち悪くなってくるが、そんな状態だからこそ私は確信を持った。
完全に鷲沢副キャプテンは自分を見失っている、そうとしか思えないセックスだった。

息も絶え絶えに私は
「やぁぁ…もう嫌です…離してください……」
とこれ以上はできないとふらふらしながら私は言うが鷲沢副キャプテンは

「嘘ばっかり!あんた膣凄く私の指を加え込んで…どこまでもいやらしい体!!」
と聞く耳持たず私のおまんこに指をさらに深く突き刺していく

まずい!!本当にまずい!!これ以上指を挿入されたら私乙女じゃなくなっちゃう
「ひぃぃぁぁ!!ダメっそれ以上指をさされたら…処女膜が破けます!!
お願い…許してください!!それだけはいやぁぁぁ!!」
こんな形で処女を失うの?冗談じゃない!!でも私はもうろくに動けない……
そんな恐怖が全身を包み込み気がついた時は叫び、恐怖のあまり失禁と涙まで流してしまう。

流石にそこまで私が嫌がるとは鷲沢副キャプテンも予想外だったのか
「おい!落ち付け石引!!私だってそこまでシャレになんない事はしないよ!!
落ち付けって!!お願いだから!」
と私に落ち着くよう促すが今の今だけに乱暴で、一度高ぶった自分の精神は
私自身でもコントロール不能となり。

「怖い…今の鷲沢副キャプテンこわい…こわいよぉぉ…たすけてくみぃぃぃ!!」
と一番のパートナー久美に泣きつき大声をあげたままただ泣いてしまう。

だが幸か不幸か私たちの周囲には誰もいなかった
いなかったのだが物凄い駆け足の音が聞こえる
その足音は私の声の方向へ大急ぎで近寄ってくる

「どうしたの優子! っ!!鷲沢副キャプテン…なにしてるんですか……」

現れた少女は驚きと次の瞬間には憤怒の表情のままこちら…鷲沢副キャプテンを睨んでいた。
ロングヘアの美少女……彼女はツインテールを解いた久美だった。

435:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:21:40 mpjyxLl0
流石に無理やり乱暴しているような状況に弁解しようと鷲沢副キャプテンは
「大泉…違う。石引が野村理奈のスカウトを頑なに認めないからついカッとなって…
いじめとかする気なんて……」
何でこうなったか説明する。

それを聞いた久美はさらに怒気を増し食って掛かる
私はべそをかきながら聞くのが精いっぱいだった

「副キャプテン…ふざけてるんですか?
リリアムのエースは私でバッテリーを務めているのはそこで怖がって泣いている優子よ!
なんでそこまで副キャプテンが野村理奈にこだわるか興味ないし知りたくもないけど
私が気に入らないんだったら直接私に言え!優子や野村理奈を巻き込むな!!」

怒りまかせにまくしたてる久美
本気で切れた久美を見るのは私も初めてだった
鷲沢副キャプテンも同様だったのだろう…しばし呆然としていたが

少なくても鷲沢副キャプテン自体私達バッテリーに問題点はないと分かっていたのだ
その為弁明を続ける。

「いや違う!私は決して石引や大泉の事を不要な存在だと思った事はないよ!
ただ大泉だってわかってるだろ?自分が速球派では無いって…
だから私は速球派の野村理奈をリリアムに引き入れたい!」

確かに鷲沢副キャプテンの思いは本当だろう…でも不純物が多すぎる
今の鷲沢副キャプテンでは絶対理奈の事でリリアムが大混乱になる。
久美は拳を思いっきり握り締めて殴りかからんほどの勢いだが、これ以上私と理奈と
そして鷲沢副キャプテンの問題に久美を巻き込めないと覚悟を決め
私は今にも倒れそうな体でべそかきの状態で少し呂律の回らないまま私は口を開く。

「久美…ごめん。こんな展開になっちゃって……
鷲沢副キャプテン……私の思った事をはっきり言います…
今の鷲沢副キャプテンは理奈に惹かれすぎて瞳が曇ってます…
それでは理奈どころか光陵やリリアム全てに迷惑をかけてしまいます……」

苦しい…気持ち悪い…でも副キャプテンが理奈のスカウトをごり押しなんてやったら絶対に禍根が残る。
それは理奈だって絶対に望まない事だろう…だからギリギリ残った意識で思った事を言う。

だけど副キャプテンは後に引けなくなったのだろう
「今は黙って石引は!野村理奈なら十分リリアムでもやっていける!!
それに…私野村理奈の事……好きになったのよ!
付属小のマウンドで投げ込んだあの娘の球を見て、あの娘が…野村理奈がどうしても欲しくなったの!!
この気持ちを別のチームだからなんてもう…ごまかせるわけがないでしょ!!」
と久美に対しても個人的に自分が野村理奈を愛していることを宣言してしまう。

それを聞いた久美は細かい事情は分からないが、それを私が諦めさせようとして副キャプテンが強硬手段に出たのかと取り
問答無用で鷲沢副キャプテンを殴り飛ばそうと拳骨を振りかぶるが
その拳は鷲沢副キャプテンに当たる前に止められる。

436:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:23:02 mpjyxLl0
「お姉さま!!」

久美の怒りまかせに振り上げられた拳骨を沙織が横から手のひらで止めていたのだった。
「……納めなさい」
久美に対して母親のように優しく諭すように拳を引かせる

流石に沙織まで出てきて少し落ち着いたのか毒気が抜かれたのか、素直に拳を下げる
「わかりました…でも私は」
が久美の瞳はしっかりと鷲沢副キャプテンを睨んでいた

だがそんな久美を置いておき私に近寄って手を差し伸べ
「立てますか?石引さん?
でもこのコンディションでは午後の練習は無理ですね…医務室に休んでいてくださいな」
と医務室に行けと指示を出す

多少は落ち着いてきたのか…何とか立てそうな私は立ち上がり医務室に向かう
少しよろよろするも横で支えてくれているのは…
「大丈夫優子?私が支えるから医務室まで付いていくね…お姉さますいません……後の事は」

と久美は沙織に一瞥をし沙織と鷲沢副キャプテンを残したまま
私はシャワールームを出て、流石に全裸は無理なので
下着だけの簡単な姿のまま医務室に行くのだった

ACT16
そして私と久美は医務室に入る
そして久美は私を抱きながらてきぱきと久美はベットメークをして、私を寝かしつける

久美は心から私を心配した表情で
「優子。ゆっくり休んでてね…鷲沢副キャプテンの事はたぶんお姉さまか小倉監督が何とかするだろうし」
と声をかけてくれる

私も久美に対して
「ありがとう久美…いろいろ面倒かけちゃったけど、それと久美!聞いてほしい事があるの」
とお礼を言うが、今しかないだろうな…
私は久美を引き留める

「久美……前私が他の誰かを見てボールを取ってるって言ったよね…」
久美は今更そんな事って表情をするが私は「今だけは聞いて」と頼み
久美は私の寝ているベットに座り込んで聞く態勢を取る。

「実は理奈なの…私の幼馴染で……私の…初恋の人で理奈のお母さんになりたかった、ただ一人の理奈」
私は自分と理奈の顛末を話す、以前の久美だったら怒って聞かなかっただろう話だったが
私も久美もあの時から結ばれて、お互いの意思などを許容できるようになっていた

「ふーん。でもまあ野村理奈はいま土生の事好きなんでしょ?
土生はどう思っているかいまいち分からないけど?」
と適当なあいずちだが話はちゃんと聞いてくれる

437:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:24:02 mpjyxLl0
「そうだね…だから私は理奈の事を陰から守ろうって思ったの…理奈が理奈のままでいられるように
そういう意味では土生にも感謝してるかもね…料理では負けたかないけど」
とくすりと笑う…少し余裕が出てきたのかな…

「まあお姉さまが言ったように優子が野村理奈の事を吹っ切れたのは私にとってもありがたいしね」
と久美も微笑むがすぐに硬い表情に戻り

「それなのに今度は鷲沢副キャプテンが野村理奈に執着しだすなんて!
いったいあの人何考えてるの?
優子の話を聞く限り。まず野村理奈は野球をやめそうにないのに独りよがりにこだわって!
お姉さまに負けた人のくせに!!」
と鷲沢副キャプテンに対して怒りをあらわにし罵る。

そんな久美をなだめようと
「そんな事言ったらまた沙織に怒られるよ‘やたら相手の事を言うのは傲慢です’ってね!」
と笑いながら言ってみる。

久美はまだ固い表情で
「だって…乱暴な事されたんでしょ?
怒るなって方が無理よ…鷲沢副キャプテンは絶対リリアムから追い出して…」

とヒートアップする久美の唇を私の指で止め
「いや…私もあの時は怖かったけどもう怒ってないよ
ただある意味副キャプテンが昔の私のような激しい思いを理奈に持ってたんだなって
どうなるか分からないけど決着は私自身で決める。どんな事になっても理奈の事を本当に知ってほしいから…」
とある意味副キャプテンは鏡の裏返し的な存在。だからこそ諦めてほしかった

「まあいいや優子がそう言うんだったら。でもまた副キャプテンがあんたに乱暴したら
今度こそ殴るから…お姉さまが止めたとしてもね。
それじゃあ私グラウンドに戻るから。ゆっくり休んでてねっ」

そう言い終えた後で唇に軽くキスを久美はして、そのままグラウンドへと戻る。

残された私はゆっくり体を休め、心を落ち着かせる。
そうして暫くしているとノックが聞こえ、‘入るわね’と声がかかる
小倉監督か~何の用だろうと思うも横になっている私に近寄り

「いろいろ大変だったわね優子」
と声をかけてくれる

監督…しかも私たちの大先輩に当たる人に対して下着姿のまま横になるのは恐縮だったが
寝たままで
「すいません小倉監督。ご迷惑かけてしまって…」
と詫びを入れるのだった。

そんな私に小倉監督は首をふって心配ないってジェスチャーを見せ
「平気平気。結構色恋でもめたりすることってリリアムだとよくあることだし
それにしても光陵の野村理奈ちゃんって罪な女の子ね。知らないうちに人の心を引きよせ愛を抱かせる
でもその愛はその人の為になる場合もあれば、むしろ足かせになる可能性もある」
と理奈に対して評価をする。

438:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:24:41 mpjyxLl0

「理奈ってそんな魔性の女の子じゃないですって♪
現に理奈のおかげで土生は救われたようなものですし……」
少し笑いながら小倉監督にこたえるも

「でも…一度足かせになっちゃったんでしょ優子は?
それに…今は奈津が野村理奈の虜になって、優子を傷つけた…」
とまるで千里眼でも見たかのように、何も話してないのに大かた察しが付いているようだった。

敵わないな…まだまだ小倉監督…いや小倉先輩には
小倉監督いわく自分は打撃の神様にはいまいち微笑まれなかった
だから守備の女神さまに微笑んでもらおうと、精いっぱい守備練習に打ち込んだって言ってたな。
その真骨頂がうちでまだまだ現役なIDプレイの基礎そのものなわけで
小倉監督の洞察力の高さでもある。

「それに…本当は私気づいてたよ
十中八九付属小の下着泥棒は奈津がやったってね
いつもだったら怒るのに明らかに動揺してたから怪しいって思ったし、光陵を口に出したら瞳が過剰に輝いていた。
それに野村理奈ちゃん絡みで優子が医務室に来た…幾らなんでも理奈ちゃんの引き抜き云々だけで
奈津は強引に押し倒すほど馬鹿じゃないし、大方優子が下着泥棒だって見抜いたからだと
完璧に確信したよ」

そこまで見抜けるなんて……
私は小倉監督に対して畏怖に近い感情を持つ。
普段ボケーってしているのは…半分ぐらい素だろうけど……。

「まあこの後決着をつけるんでしょ奈津と…
今の様子だったら…大団円になりそう…違うわね大団円にして見せてね優子!
優子と奈津とリリアム全てが喜ぶ大団円を待ってるわ」
と私の肩をぱんって叩き励まして、小倉監督は出ていくのだった。

439:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:26:43 mpjyxLl0
ACT17
そんなこんなで私は一人でベットに横になっていると…
気がついた時には眠っていたらしく、練習終了のブザーが鳴り響くのを聞き
慌てて私はとび起きた!!

もう時間か…
実は医務室で迎えるのは初めてだったので少し新鮮な気分だが
少したってからノックが響いたので、ハーイと元気な声で返事をし招き入れる。

そこに来たのは…沙織だった。
そんな彼女をまっすぐ見つめて
「沙織…私の出番かな…それとも改めてって事?」
と沙織に対して聞いてみる

沙織は微笑みながら
「その調子なら大丈夫そうですね優子。
それじゃあ薄々私や小倉監督の意図は気付いていると思うので、ユニフォームを着て
グラウンドへ来てください…待ってますわ」

と要件を伝えるとさっさとグラウンドへ戻るのだった。

私はすっかり元気になった体で、更衣室にあった私のリリアムユニフォームを着て
グラウンドに移動する。全てのけりをつける為に

グラウンドには沙織と久美
小倉監督に鷲沢副キャプテンが待っていた

早速小倉監督がルールを説明してくれる
「やっぱり来た優子っ!!簡単に言うといつものように勝負だけど今日は少し変則だよ
優子と久美の二人がバッテリーを組んで、奈津と対決!!
五球勝負で安打三本以上なら奈津の勝ち。二本以下なら優子達バッテリーの勝ちよ」

なるほどね…確かに普通に打撃勝負よりもこれだったら
私はベンチに行きキャッチャー用のスタイルに完全防備を決め
みんなの前に現れる。

「なお奈津が勝った場合は野村理奈ちゃんのスカウトを私と一緒に中井監督に話に行く
優子達が勝った場合。奈津は野村理奈ちゃんの事を諦める
その条件でいいわね」

私達はその条件をのんだ…というよりも勝負が見てた

私はキャッチャーベースに陣を取り久美の正面に立つ
勿論バッターは鷲沢副キャプテンその人だった
‘リリアムの黒豹’というだけあり、プレッシャーを感じるが…

そんな鷲沢副キャプテンから私に話しかけてくる
「石引。私は野村理奈をリリアムにおいておきたい
どうしてもそれをあんたが嫌がるのなら…現時点で最強バッテリーの
あんた達を叩き潰してでも野村理奈を手に入れる」

と強い意気込みを感じさせるのだが…

私はただ一言
「させませんよ」とだけ言うだけだった。

そして結果は当然

440:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:28:24 mpjyxLl0
「0/5…石引さんと久美のパーフェクトゲームです」
と後見人としての沙織が全ての結果を告げる

私は久美を信じ、あえて全てストレートの球を投げてもらうよう指示を出した
決して鷲沢副キャプテンを甘く見ていたわけではない
ただ鷲沢副キャプテンは理奈の球を追い求めるあまり、フォーシームである久美の投球の微妙な変化に対して蔑になり、全部見事な空振りに終わったのだった。

自分で言うのもなんだけど、今の鷲沢副キャプテンだったら何十回やったって結果は変わらない。
今リリアムにいる久美を信じぬいた私と、いま光陵にいる理奈の幻影を追い求めた
鷲沢副キャプテンに対して負ける道理は少しもなかったのだ。

「そんな…幾らなんでも全然大泉の球打てないなんて…」
完全な敗北に鷲沢副キャプテンはただ項垂れていたが、そんな彼女に沙織は近寄り。

「これだけやれば貴女にも身にしみてわかるはずですよ。鷲沢さん?
野村理奈さんと久美の球は全然違う
それを見抜けず野村理奈さんの剛速球と魅力に瞳を曇らせたのが敗因だという事に」
少し冷たい表情でハッキリと言い切るのだった。

「だから…完全に負けたのか…私は……くっ!」
そんな沙織の言葉を聞き、鷲沢副キャプテンは自分が理奈に執着しすぎて負けた事を悟る。
そしてこの勝負に負けた以上この理奈の引き抜き自体リリアム自体認めないという事も…

そんな鷲沢副キャプテンの肩を小倉監督が叩きながら
「約束よ奈津。それと…わかっているでしょ?これから自分がしなきゃいけない事」
と全ての始末を自分でつけろと言い放つ

鷲沢副キャプテンは立ち上がって私の方に近寄り
「いろいろひどい事してごめん石引。
それとあの事の始末も私が付けるから……」
と私に謝罪をし、理奈の下着を盗んだことの決着をつけると約束してくれる。

そして近くにいた小倉監督は
「じゃあ行こうか。
実は前もって中井監督に連絡してあるの
‘野村理奈ちゃんの事で話があるから今日は理奈ちゃんを早めにあがらせてくれってね’
今頃光陵のグラウンドで待っているはずだから急がなきゃ!それじゃあ沙織・久美
練習が終わったら後かたずけお願いね」

と小倉監督は残った久美と沙織に後の事を任せてグラウンドを後にする
私と鷲沢副キャプテンは急いで私服に着替えて、小倉監督の車に乗り込み
光陵の練習場に向かうのだった。


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