■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■at EROPARO
■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その三 ■ - 暇つぶし2ch309:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 16:56:03 V4kCGJo5
ここまでだ……そう思いながらお茶をごくって飲む、そんな様子の私に対して土生から話しかけてくる
「で…神楽坂さんはどうやってお前さんと大泉を仲直りさせたんだ?今は普通にバッテリーなんだろ?」
とまあここまでの話でなんで和解できたのかって表情で顛末を聞いてくる…でも流石にこれは土生に言えることじゃないし……

仕方なく私は
「まあここで沙織が私と久美を仲直りさせてくれて…その次の日から仲良く私たちはバッテリーを組むことになって
まあこれ以上こっぱずかしいから聞かないで♪
それよりも私は土生や理奈それとユキちゃんって娘とか光陵の事を知りたいな♪♪」
強引に話を切り替えるのだった。

理奈はそこで何かあったんだなと感づいて、少し頬を赤くしながらも
「翔♪まあこれ以上は優子も話したがらないだろうからさ…私たちの話とか……あっ!そうだ!!今思い出したけど優子やリリアムで被害にあった人いない?」
と唐突に変な事を言い出す、土生の方も最初どうしたんだろうって表情だったが直に思い出したようで

「あれか~理奈?この間付属小近くで練習試合したときブラジャー盗まれたって…お前たちは大丈夫か?みんな女だし…」
と誰が盗んだか分からないが、私は理奈のブラジャーを盗んだ下着泥棒が出たと聞きビックリするも、理奈ほど胸が大きければとち狂って欲情する奴もいるんだろうなと妙に納得してしまう。
それと理奈の性格を考えて警察とかにはこの事は言っていないのだろう、でも犯人は一体誰? とりあえず私は犯人が分かったら理奈の前で引きずり出してやろうと思った。
また下着泥棒に関してはリリアム自体セキュリティがかなりしっかりしているため。外部の人が入ったりすることはまずないが心配をしてくれた返礼に

「ああリリアムでそんな事はまず起きないから心配しないで土生…でも沙織とかには一応気を付けるように言っとくから」
と土生に対してお礼を言い話を戻し

「それじゃあ差し障りないところだけでいいから光陵の事私に聞かせて?」
と再び光陵の活動などを教えてもらうのだった。

310:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 16:57:36 V4kCGJo5
ACT9
私はひとり部屋で宿題などを終わらせ、ベットで横になっていた。
理奈と土生は色々な事を教えてくれた…光陵のチーム事情や理奈が入ってから先ほど教えてくれた。4年生でユキこと瑞原勇気、そして6年生の緒方かな子さんと言う具合に
綺麗な女の子がチームメイトだという事や引き抜き云々など巨神との因縁など……光陵は色々な意味で前途多難だが今年は理奈がいる…正直どこまでやれるか分からないが応援しよう。

それが私が思いつく限りで一番有効な理奈の支え方だと思った…理奈の家の方角を見ながら、今頃理奈は土生と一緒で添い寝や少しディープな事をしているのだろうなと思うと顔が赤くなるが
猛練習の疲れが襲ってくるのか…私はいつの間にか眠っていたのだった。そして夢を見た…あの日の夢。

311:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 16:59:11 V4kCGJo5
ACT10
「困りましたね」
私は久美と二人で座りながら、正面には困り顔の沙織がいた。

「沙織お姉様。石引さんが優秀なキャッチャーだって事は私も認めます…でも……これだけはお姉様でもそうそう譲れません
私の球を受けられるのはお姉さましかいないんです」
久美は私の事を認めながらもはっきりと私を拒絶する意志を示し、沙織に熱く見つめるような視線をする。

私も久美の言い分は薄々と分かっていたが、せっかくルールにのっとってキャッチャーになったのだ…私の方も沙織を見つめながら。
「神楽坂キャプテン…大泉さんには悪いですけど、私はキャッチャーをやめる気もキャプテンにポジションを返上する意思もありません」
と私もはっきりと久美とのバッテリーを降りる気はないと言い切る。

お互い主張を全く譲らず…先ほども同級生なり先輩なり集まり一悶着になった事は私も久美も分かっていた…分かっていたのだが
譲歩などお互い認めなかったため練習どころでは無くなり、こうして三人だけで話をすることになったのだがやはり一向に進展しない。
そんな私と久美を見かねながらも沙織はペットボトルのドリンクを私と久美に手渡しつつ
「ひとまずこういうときは落ち着いて飲み物を飲むのです…少しは落ち着きますよ」
と優しく声をかけてくれる。

「すいません神楽坂キャプテン…」
「お姉様…頂きます」
私達は沙織にお礼を言いながら、そのドリンクをゆっくりと飲みほし…しばらく三人無言で部屋にいたが、意を決したように沙織から
「ではひとまずお二人とも落ち着いたと思うのでひとまずシャワーにまいりませんか?久美・優子さん。お互い裸で話してみるのも手というやつですよ」

と三人一緒にシャワールームに行こうと声をかけられる。
私も久美も何もこんな時にという表情になったのだが、同時に裸同士腹を割って話してみるというのも悪くない。
その為私も久美も頷きシャワールームへと向かい、私や久美、沙織の三人とも一糸まとわぬ姿となってシャワーを浴びながら沙織から

312:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 17:00:38 V4kCGJo5
「優子さん、リリアムの縁結び伝説って知ってますか?」
と突然言われる。私は何が言いたいか分からなかったが、久美は目を輝かせ沙織の言葉を待ちながら沙織に近寄り。

「その反応ではご存知無いみたいですので説明しますわね。リリアムはピッチャーとキャッチャー同士のバッテリーは永遠に結ばれるという伝説があるのです。
久美はその事を私から聞き、それからずっと私とバッテリーを組みたいと努力し、リリアムに入団して私とバッテリーを組んだのです。だから……」

沙織は久美を抱きよせキスをしながら私に告げる
続いて久美からきつく沙織に抱かれながら、沙織にこだわる理由がわかったでしょと言わんばかりに

「石引さん。これで分かったでしょ私が選手としてだけじゃなくてお姉さまを選んだ理由。
私は誰よりもお姉さまを愛してる♪だから一番大事お姉さまといつまでも結ばれたいの…
それとさっきも言ったけど石引さんは私以外のだれかを想定していつも球を受けているから…貴女が凄いキャッチャーなのは異論無いけど
石引さんだったら別ポジションでも十分通用するからキャッチャーだけはあきらめて。私とお姉さまの間に…入らないで」

と本気で自分は沙織を愛していること、だからこそいつまでもバッテリーを組みたい事、そして実際久美と沙織は姉妹以上に仲が良い事はリリアムメンバー全員知っていたが
沙織は決して身贔屓する人物ではなく、実際情実縁故一切関係なく久美は精一杯努力を重ね、エースとなったのは私も知っていた。
確かに昔から親密な関係である二人の間に入る事は私も無理だろうし…どうしても久美の球を理奈の球を比べてしまう限り心からの信頼を勝ち取るのは難しい。

くっどうすれば…久美の気持ちや思いも十分私には理解できるし…私だって理奈の事は大事な幼馴染の親友…そして昔から理奈の事……。
キャッチャーを降りたくないけどこれじゃあ久美を説得できない。
手詰まりかと正直私は思った…だけど突然立っていられないほどの衝撃が私の体を走った。

「うぁっ…ぁぁっぁ…体…どうしたの?何か…変……はぁぁ」
そのまま私は腰が抜けおちた様に座り込んでしまう、だけど体中思いっきりオナニーした後のあそこ見たいにジンジン感じちゃう。
誰も触ってもいないのに乳首もしっかり勃起して、あそこのからおしっこみたいに愛液が溢れて自分の体じゃない位にHになっていく。

少し動くだけでも体が溶けるような快楽が私を襲うが、よくよく見てみると久美も沙織によりかかって辛そう…違うな。
たぶん私同様にいきなり盛りがついたように体が壊れそうなほどの快楽が襲いかかりフラフラになっている……いったいなんで?
強制的に浴びせかけ続けられる快楽に耐えながらも私は理由を探っていたが、意外なところから答えが現れる。

313:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 17:03:22 V4kCGJo5
「ふふふ。優子さん、久美…ごめんなさいね。
実はさっき飲み物を渡した時媚薬を混ぜときました…凄く強力なものですのでしばらく走ったりはできないと思いますよ」
と悪びれる様子もなく微笑みながらあの時のドリンクかと私も久美も確信した。

「お姉さまいったい…どういうおつもりなのですか?」
されど沙織の思惑が分からず頬を赤くし、私同様久美も小粒で可愛らしい乳首を勃起させあそこもお漏らししたようにドロドロになっている。
十分媚薬でHになったからだで、切なげな吐息のまま沙織に問いただす。

苦しそうだがそれ以上にHに体をくねらせた久美を抱きしめながら沙織も
「久美…確かに貴女が優子さんに言った事は事実…それは優子さんも認めてますわ。ただ久美の言葉はそのままあなたにも跳ね返ってますよ」
と優しく答える。

「どういう…事ですか? ああっん♪お姉さまぁぁ」
久美は嬌声混じりの吐息で沙織に聞き返すも…今度は久美の胸を揉みながら答える。

「私を慕いリリアムやプライベートでも努力してきたのは知ってます。
ただプレイ中いつも私ばかりを見て他のチームメイトからすると少し浮いている気がしました。
そういう意味では久美も優子さん同様に“違う人を見ながらプレイをしている”という事になってますよ♪」

思わぬ展開に私は必死でよがり声を抑えつつも、目の前で見る久美と沙織の絡みに目が離せなくなっていく。
そんな私の視線を気に留めず沙織は久美のあそこに右手指を突き刺し、左手は乳房を揉み
「はぅぅ!!石引さんの前でこんな事ぉ♪別にお姉さましか見てないわけではぁ♪」

甘ったるい嬌声を上げながらよがる久美…それでも今度はクリトリスを右手の親指と人差し指で思いっきりつねって
「ぎにゃぁぁぁ!!クリトリスただでさえ敏感なのにもっと凄いことにぃ…お姉さまぁ……」
と久美の激しい叫びと沙織の凄く激しい攻め、そんな激しい行為をしながら沙織は私にも聞こえるようにはっきり言う

「嘘…とまでいかなくてもソフトボールの試合で私を最優先にしすぎるのはあまり好ましいとは思えませんし。
それと私がリリアムをやめたら久美もリリアムを辞めるのですか? それではただのなれ合いになってしまいます。
リリアムのキャッチャーは私に勝った優子さんのもの、だから貴女方を騙しても結ばれるべきだと思いました」

あまりに突然の展開に私は面食らうが久美は沙織に対し
「お姉さま…まさかもう私はいらないという事…ですか?
私は……お姉さまといつまでも一緒にいたいのです…石引さんではわたしを……」
困惑と不必要という事なのかという不安…そして自分の想いを否定するのかと思って涙を流しながら、どうしても沙織と組みたいと言う。

そんな泣いている久美を沙織は抱きしめながら
「私は貴女をいらないなんて事はたとえ天地が裂けてもあり得ません。
少し言い方が悪かったので言い直しますね久美…あなたはずっと私のもの…でも私以上の逸材でしかも同級生の優子さんならずっとバッテリーを組めると思ったから
それに…久美は女性に関してもう少し私以外の子も知っていた方がいいです、私が保証します…優子さんと久美のバッテリーなら選手としても恋人としてもうまくいくと」

と私を認めてくれるのだ…でも私は…理奈と本当はこういう関係に……
少し私は迷いを見せるが、沙織から久美と体を抱きあうような態勢を取らせながら。
「貴女が別の人…それも同性の方が好きだっていうのは何となくですがわかります。
ですけど今は久美を抱いてあげてくださいな…久美は本当にいい子ですよ。それとこういうときはしっかりと自分の思いを相手に刻みつけることが肝心です。
単に体の相性がとか、そういった不純のない愛…それこそが美しいのです。貴女が抱えている事情は今後貴女自身で解消していけばいいのですから」

314:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 17:05:32 V4kCGJo5
と沙織は私に久美を抱くように促し、私の手を久美の手を握らせる。
私は正直不安だったが勇気を出して、久美に口付けをする。
「キスはお姉さまと…あぁっ…石引さんの唇……甘い」
当初は久美も困惑しながらだったが、私の唇を拒むことなく久美もキスをしてくれた。

私は理奈の事や媚薬で本当は好きでもないのに体が勝手に求めているのではとかというネガティブな思いを持っていたが、正直言うと久美は可愛く。
久美の唇もとても甘く耽美的なものだった。
「私も…大泉さんの唇……好き。じゃあ今度は舌入れていい大泉さん?」

もっと久美の事を知りたい…体を強制的に発情させられたとはいえ、本心で私は久美の事が愛おしくなってきた。
そう思ったがいったん久美から「待って」といわれる…それ以上はだめなのか?それとも…私は憂いを帯びた瞳で久美を見つめ彼女の答えを待つ。

「石引さん。私の事…大泉さんじゃなくて……“久美”って呼んでほしいな
いくらなんでもこんなことしながら名字で呼び合うのも他人行儀もいいところだし」
と私の思いが通じたのかと感動を覚える…私も心から久美の事を…

私は久美を熱い視線で射ぬきながらも
「分かった久美。私も石引さんじゃなくて“優子”って呼んで」
と私も久美から名前で呼んでもらう事を望む。

久美は手を固く握り返しながらも、優しい目線で
「ありがとう優子…沙織お姉さまと比べちゃうかもしれないけど…今は一緒に…私から行くね」
と二人で登りつめることを選ぶのだった……その証として情熱的なまでに久美は私の唇に舌を激しく絡ませ、唾液を掬っていき。

激しい唾液のからみがシャワールームに反響していくのだ。
私も久美を受け入れ、必死で舌を絡ませ舌相撲のような格好でからめ合う。

それをほほえましく見つめながら沙織は眺めていた。
でも今は沙織の事は…いや理奈や他のリリアムメンバーの事などどうでもよくなった…私と久美はお互い激しく舌を絡み合いながら固く抱き合い
私から久美のお尻を優しく撫でれば、久美は私の肛門を強めに指で刺激し
久美から乳首を私の乳房で擦られれば、私も自分の乳首を久美の乳房に押し当て獣のように快楽を欲する。

いつしか握り合った手は片手から両手になり、お互いよたよたとしながらも必死でお互い強く抱き合い。
Hに濡れた私と久美の媚肉がキスをした瞬間
「「あぁぁっ!」」
二人同時に嬌声を上げながら倒れこみ、お互いあらゆる意味で相性が最高だと悟りながら気絶しかけるが
今度は沙織が私と久美の媚貝肉から出るジュースをおいしそうに飲みながら微笑み。

315:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 17:06:09 V4kCGJo5
「良かった…貴女方が結ばれて私も嬉しいですわ。
でも次は私の肉をしっかり刻んでさし上げます…覚悟してくださいね。久美…そして優子も……」
と私を呼び捨てにしながら徐々に媚肉へと指を入れていき私と久美を同時に相手をする。

「ああっ…今度は神楽坂キャプテンまでぇぇ
凄い…キャプテンの手で触られるだけで…私ぃ…わたしぃぃ」
媚薬の効力が残っていたとはいえ、沙織に指を挿入されるだけで天に昇りそうなほどの快楽が私の頭
いや私と同様に恍惚を笑みを浮かべている久美も同じように感じていたのだった。

そしてそんな私のしっかり大粒に勃起したクリトリスを沙織はつまみながら私に対して
「プライベートの時は名前で呼んでくださいな…優子
私もこれから個人としては貴女を優子と呼びたいのです…さあ言ってください」
くりくりっと痛くないようにクリトリスを愛撫され、私は否応抜きで

「ふぁあああ!ふぁい!わかりましたぁ。さ…さおり…さおりぃぃ」
と沙織に対して無意識ですがるような声をあげ、沙織の愛撫に身を任せようとするが久美も私の胸に近寄って

「お姉さまの愛撫は本当に体が溶けちゃいそうになるよ優子…そして私はお姉さまと連携を組むのが得意!
今度は私と沙織お姉さまで優子をとことん…イカせてあげるんだから」
と久美も相変わらずよれよれしながらも、私のおっぱいの愛撫を始め二人で一気に責められる事となった…

ACT11
「夢…か」
夢…それはカーテンから光が差し込み初夏の暖かいい光があたった事で確信した。
私はそっとパンティの割れ目を触ってみるとやっぱりぬるっとしたような感触を感じた…夢でも私沙織と久美にいっぱい凄い事されたんだな。

現実でもあのあと何回イカされたか分からかったが…次の日から久美の呼吸とかきっちり把握ができるようになり、久美も私の言う事をちゃんと聞いていい球を投げてくれる様になった。
そして私・沙織・久美の三人は大抵居残り練習をするのでその時いつも三人で激しく愛し合うのが日課となった。

もちろんオーバーワークにならないよう少しは投球や打撃はするも、たいてい基礎トレーニングで体の芯をいつも鍛えているのだ。
幸いなことにリリアムは大きいジムとかも併設されているので、雨天時でも普通の鉄アレイから最新の加圧トレーニングとかを受けることが出来
苦しいけど実際やればやるほど体力の向上が実感でき、もっと強くなれると思えるのだった。

そしてずっと忘れないあの日の思い出があるからそこ特に憂いも無く私はソフトボールが出来るんだ。
そう思いながら学校の準備の支度をし、これからもリリアムで頑張ろうと思えるのだった。 終

316:とにかくキャッチ 過去と今と 後編 ◆q5tFVKFOs2
09/01/18 17:13:50 V4kCGJo5
投下終了です。

SDS ◆cStOEcFYHcさんへ
鷲沢奈津嬢を早速名前だけですが使わせていただきました。
本格出演は次くらいになります。それとリスキー・ゲーム6期待して待ってます。

暴走ボート ◆z95s/qs7OMさんへ
早速優子を使ってもらってありがとうございます。

落ちます。

317:名無しさん@ピンキー
09/01/18 19:36:54 geSgE6CD
いつも楽しく読ませてもらってます。GJでした。

自分も何か書こうと思っているのですが設定で一つ手詰まりが……皆さんはT138 B89 W56 H85て小四はありですか?


318:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/18 20:52:14 i6aAAlmZ
>名無しさんXさん
奈津はリリアムにいたってことですか。こりゃまたややこしい。
彼女らが互いを認め合うのはソフトではなく肉体的関係を持った時、ですか。
まあ、それでこそエロパロですね。

土生が何故久美と沙織を知っているかはこっちが書きます。
とりあえず矛盾のないようにうまくやりますので。

>>317
スレッドのテーマ故バストはどんなに大きくても問題ないでしょう。
しかし、その数値を見る限り、かなり太ってますね…
ウェストはいいとして、腰回り85ってのは…
もう10cm小さくてもいいと。スポーツ選手ならまだともかく。

319:名無しさん@ピンキー
09/01/18 21:10:36 0M06VvQa
>>317
まず投下、だと思うけど西小シリーズなら有名人だろうね。その娘。

320:名無しさん@ピンキー
09/01/19 00:34:27 NvLiSfvv
>>317
胸はこどものじかんのうさみみみたくあるかなーって感じだけど
多分腰と尻はもっと小さくなるはず。
ぽっちゃりを超えた者を書きたくないなら胸以外は気にしないほうがいいかも

321:名無しさん@ピンキー
09/01/19 04:56:49 +piS4JbQ
成人女性の話だが、身長とスリーサイズの比率は、
身長1に対して、B:0.54 W:0.38 H:0.54 がもっとも美しく見えるらしい。

子供ならこれよりウェストは太く、ヒップはやや小さくってのが
それっぽいバランスだとは思うがね

322:名無しさん@ピンキー
09/01/20 14:05:36 lSmlcTsE
千晶待ち

323:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/01/20 21:49:44 Ir2uuYWD
>>309
SDS ◆cStOEcFYHcさんごめんなさい
付属小のまちがえでした。

>>318 暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんへ
趣向としては結構百合が好きなので

ハイ私もどう使っていただけるか楽しみにしてます。


324:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/22 20:51:55 jAQhpD51
それじゃあ投下します。

スレッドの目的を重んじかなーり短縮。
おかげで某野球まんがと同じような流れになったようなならないような…

325:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:52:17 jAQhpD51
「…で?なんで来たんだよ。」
「そっちこそ、なんで理奈の家に来るのよ。」

優子が持ってきた料理を並べて行く。土生が負けじと料理を作って並べて行く。
お互いの料理が、どけよどけよと意地を張る。

「そんな事より、試合で疲れたでしょ、さっさと帰れば?」
「疲れてて外に出られない。石引こそ、いつまでいる気だよ。」
「さあね。それより、疲れてるって言うにしてはてきぱきと料理してるけど?」
「作らないと理奈がピーピーうるさいからな。雛を世話する親鳥の気持ちにもなれ。」

「あのー…」

もはや戦場と化しているリビングとキッチン。

「あたしの料理さえあればいいんだから、あんたが作る必要ないって。」
「持ってくる方が労力使うんじゃねえのか?これからは理奈の料理は俺一人で十分だ。」

優子が、土生と理奈の同棲を知っていることを、土生は知らない。
何とかして、早く帰さなければ…

「てめえは先食ってろ、食い終わったら即帰れ。理奈の分はまだできてないから、まだ食べるなよ理奈。」
「あたしは理奈と食べに来たの!それに何よてめえって!」
「名前忘れた。」

「あのー…」

ようやく料理を並べ終わる。
土生の料理皿と優子の料理皿、2種類の皿が織りなす陣取りゲーム。

(食べきれないよ…出しゃばって、作りすぎだって…)
「理奈、これと、これと、これを食べてね?」
「理奈、これと、それ、そしてこれを食えよ。」
「…。」

板挟みになる方の身にもなってよ。

「そんな不味そうな料理、誰が口にするのよ!」
「この皿の事か?」
「それあたしの料理!まずいわけないじゃない!」
「理奈、そのわけのわからんものじゃなくて、その野菜炒めを食べろよ。ビタミンはしっかり摂らなきゃな。
 さもなくば…次の試合、スタメン落ち&登板回避な。」

やりかねない。
たった2分の遅刻でもスタメンから自分とあたしを外した翔なら、やりかねない。

326:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:52:40 jAQhpD51
「いい加減にしてよ!いくらなんでも言いすぎじゃないの!?」
「いただきまーす。…パク。」
「…え?」

優子の抗議を無視して土生が口に運んだのは、…優子の持ってきた料理。
一瞬場が静まるが、やがて土生が口を開く。

「うん、うまいじゃん。」
「え…」
「食ってみろよ理奈、うまいぞ、この焼きそば。」
「パスタですぅーっ!」

思いやりの中にも、皮肉も当然忘れない。

「…おいしいよ、優子!」
「ホント!?
 …ありがと。あんたの料理も、おいしいよ。」
「はいはい。」

いつまでも意地を張って、悪口を言ってもしょうがない。
キレさせる一歩手前でそっと気配りをする、そんな駆け引きの巧さがキャッチャーに求められるものである。

…ちなみに、『あたしの料理』と言いつつも、実際に作っているのは優子の母親だが。
その優子も、本当は素直な女の子。素直さもキャッチャーにはもちろん必要な要素。


「そういえば。
 なんであんたが久美と沙織を知ってんのよ?」

食べ終えた後は情報交換。
同じ野球選手として、互いのチームの事は気になる。

「あんな奴とは、もう2度とバッテリーを組みたくない。」
「…え!?」
「まあ、バッテリーというよりは、…説明したほうが早いな。」

327:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:53:04 jAQhpD51
――…一年前・4月…――

「なんでソフトの連中と練習するんすか、監督?」
「言ったろ新井。もっと速い球を投げる投手、&アンダースロー対策。
 体感速度は、女子ソフトのピッチャーの球の方が圧倒的に早いからな。」
「どーせマウンドからの距離の近さに頼ってるにすぎないでしょ…」
「…そのお前の天狗を治すために、連れてきたんだよ。」

女子相手に負けるわけないじゃん、そんな顔をする新井。
西村も、白濱も、二岡も、そして土生も内心はそう感じていた。

「着いたぞ。
 ちょっと向こうの監督と話してくるから、待ってろ。」

中井監督が向こうの監督と何やら話している。

「ほんとに、こんな練習に意味なんてあんのかねえ。」
「まあ、打ち込めば監督も意味がないってわかってくれるんじゃね?西村。」
「おーい!なんか向こうのキャッチャーが風邪でダウンしてるらしくってさ。
 病気を押して無理やり練習してたみたいなんだが、さっき倒れたらしくって。」

しめた。
これで練習が中止…

「あのピッチャーの球、そのキャッチャーしか取れないらしいから、お前ら、誰か代わりにキャッチャーやって。」

最悪だ。
逆に最悪の事態だ。なんでソフトボールのピッチャーの球を…

「おい白濱、お前やれよ。」
「やだね!なんで俺が…キャッチャーの感覚が狂う。つっても、俺たち以外の他の奴じゃあ捕れずに怪我するし…
 そうだ土生、お前のセンスなら取れるだろ、やれよ。」
「え、なんで…」
「先輩の言う事、聞けるよな?」
「うう…」

尊敬する半面、この人たち最悪の先輩だ…


「なんですか監督、男の子たちに投げるのはいいとして、私はお姉さまとしかバッテリーを組む気は…」
「しょうがないじゃない。
 あなたの球をとれるのは沙織だけだし、向こうに頼むしか無いのよ、ね?」
「はあ…」

向こうもキャッチャーを用意したみたいだし、しょうがないなあ…


(…サウスポー、か。
 さあて、さっさと打ち込んで練習終わらせるか…)
「負けんなよー、新井ー!」

なんか向こうの奴ら、私を馬鹿にしてるみたい…見てなさい!

328:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:53:25 jAQhpD51
「うおっ!」
「新井ー!何空振りしてんだー!」
「いや、めちゃくちゃはええぞ!?しかも、アウトコースいっぱいに…
(でも、変だ。それだけなら空振りだけはしないはず…)」

第2球。低めの球。

「ぐっ!(だめだ、当てるだけで精一杯だ…)」

女子ソフトの球は女子ソフトにしか打てない。レベルが高ければなおさらである。
マウンドからの距離が近いとはいえ、体感距離がいつもより圧倒的に早い。
しかも、ソフトボールは使っているボール自体が重く、飛距離も伸びない。

さらにオーバースローがほとんどの野球にとって、ソフトの球には手も足も出ない。

(まさかこの球…)
「ちょっと、そこのキャッチャー!ちゃんととってよ!」
「…?
 俺はちゃんと捕ってるけど。」
「捕り方がまるでなってないのよ!お姉さまとは雲泥の差だわ。」
(俺キャッチャーじゃないし…)

土生も取るだけで精一杯。
だが、土生は久美のストレートの正体に、気付いていた。

「畜生…白濱、交代だ!」
「情けねえなあ…」

だが、白濱も、西村も、二岡も打てない。
実力差もあるし、相手をなめてかかってひたすら長打狙い、というのも原因の一つ。

「…ちょっと、そこのキャッチャー、来てよ!」
「え?なんだよ、ったく…」

…そして何を思ったか、もう限界と言った様子で久美が土生を呼び寄せる。

「なんでちゃんと捕れないの?沙織なら投げる方も気持ちよく投げられるようにとってくれるのに…
 あんたのはただ捕ってるだけ!捕るのもやっと見たいじゃない!」
「…しょうがないだろ。あんたの球、とるだけでも精一杯だ。」
「たかがストレートすら、捕ることができないわけ?」
「…。続けましょう。」

久美が不機嫌なまま、土生が戻っていく。
監督の頼みでなければ、今すぐにでも切り上げたいよ。

そして、全く打てないチームメイト達を見かねて、

「すんません、俺にも打たせてくださいよ。なんとかなりそうなんで。」
「ああ?…ったく、おい、白濱、キャッチャー代わってやれ。」
「しゃあねえなあ…まあ、一応お前は実力があるし、打たせてやるよ。」
「ありがとうございます。」

土生の実力はすでに白濱達に認められている。
キャッチャーとして久美の球を見てる以上、勝算があるのだろう。
男子の意地と誇りを、土生に賭けてみた。

329:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:53:49 jAQhpD51
(男子のレベルが、ここまで低いなんてね…あたしにたてつくこのキャッチャーも、さっさと…)

低めに制球された、ストレート。
土生が狙い澄ましたかのように、ジャストミート。

「なにっ!?」
「お、土生の奴、ヒット打ちやがった。」

野球とソフトでは守備位置は少し違うものの、文句なしのヒット性の強いゴロ。
久美が今日初めて喫したヒット。

(うそ…お姉さまですら、初対戦では私のストレートを打てなかったのに…
 あいつ、初球をいとも簡単に…)
「仕組みさえ分かれば簡単だ。
 西村さんも、新井さんも、白濱さんも二岡さんも、全員右打者。うちのチームは俺以外はほとんどが右打者だ。」
「え…」
「どうりでみんな打てないわけだ。
 あんたはサウスポーだが、本来対左には右打者が有利だと思ってたけど、ソフトにそれは通用しないらしいな。」
「う…うるさいっ!」

頭に血が上る。思わずボールを手に取り、投げ込む。だが、

「おおっ!」
「2打席連続!」

久美の足元を、抜けて行く。完璧なセンター返し。

「な…なんで…」
「あんたの球、一応ストレートみたいだが、直球じゃないってこった。」
「!」
「図星らしいな。まあ、マスク越しに見た地点で一発で分かったがな。
 まさか小学生でツーシームの使い手がいるとは、思ってなかったぜ。」
「あ、あいつのストレート、ツーシームなのか!?」


一口にストレートといっても、いくつか種類がある。
日本の主流のストレートはフォーシームファストボールと呼ばれており、スピードとパワーはこの球種が一番。
我々が『ストレート』と呼ぶのは大抵これを指している。

他には、螺旋回転をかける事によって圧倒的な球威とノビを生み出すジャイロボール、
あとは、フォーシームと同じ球速で打者の手元でぐぐっと落ちる、ムービングファストボール。

そして、大リーグでよく目にする、打者の手元で微妙に揺れたり、食い込んだりするツーシームファストボール。

330:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:54:11 jAQhpD51
「ツーシームの最大の特徴は、打者の手元で変化する、という事。
 その変化の仕方がミソだ。」

ツーシームは投手の利き手方向に、落ちるように変化する球。
つまり、サウスポーの久美の場合、右打者には逃げるように、左打者には食い込むように変化する。

「つまり、右打者の皆さんにとっては見づらい球だが、
 左打者の俺にとっては、入ってくるように変化するからまだ球の動きが見やすいって事。
 アウトコース厳しいところ突かれたら、いくらみなさんでも打てっこありませんよ。」
「…さっきからうるさいわね!沙織と違って、まともに捕れないあんたに言われたくないわ!」
「やれやれ…ストレートとはいえ、変化するんだから捕りにくくても当然だろ。
 フォーシームとと同じスピードであんな鋭い変化するんだからな。」
「そんな球、よく打てたな…」
「その上ボール自体に重量があるから、低めに投げられたら飛距離も望めない。
 だから強くたたいて転がすことを意識して、どうにかヒットを打ちましたよ。」

ちなみに、上投げであろうと下投げであろうと、変化の方向に変わりはない。

「…ん?てことは、フォーシームより遅いツーシームであれだけ早いんだから、
 ソフトのストレートはまだまだ早いって事か!?」
「そういう事になりますねえ。」

ツーシームを操る故か久美のボールは球速は遅い方らしいが、男子野球の目から見たら十分早い。
ということは、トップクラスのフォーシームを操る女子の球は…

「…マジ?」



……。


「てなことがあったわけだ。
 去年の4月頃の話だから、石引はまだ入りたてでこの事は知らないだろうな。」
「そういえば、リリアムに入った時、男子が練習に来た日があったような…」
「それだ。
 まあ、俺が打てたのもストレートだけ、チェンジアップやカーブが絡むとファールが精いっぱいだ。」

土生がコップにお茶を注ぎ、グイッと一口。

「…ま、とり方一つでガミガミ言われて、こっちも何度嫌だと思ったことか。
 ほんと、よくあいつとバッテリー組んでるもんだ。」
「あんたと違って、あたしはキャッチャーとして優秀だから。」
「それでも、ああ言う球もあるって事は、すごく勉強になった。
 さて、明日は学校だし、理奈、まだ宿題やってないだろ。」

一筋の汗が流れる。

331:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 20:54:47 jAQhpD51
「金曜日に終わらせとけよ…ったく、終わらせっぞ!」
「あ…じゃあ、帰ろっか?」
「悪いな、邪魔者扱いみたいで。」
「…今の恋女房は、あんただから。」

いつまでも理奈に固執しちゃいけない。あたしは今はリリアム所属の正捕手。
なんだかんだで、今理奈のそばにいてあげるべきなのは、…ああ、くやしいなあ、もう!


「うーん…楽勝楽勝♪」
「って、ほとんど俺がやったようなもんじゃねえか!」

体を洗いながら、笑顔で伸びをする理奈。
浴槽から聞こえる不満の声も、なんのその。

「いいじゃない、困った時は…」
「明らかに俺ばかり助けてる気がするぞ。」
「そうだっけ?まあまあ♪」

言っても無駄だ。
あーあ、なんか一打席しかたってないのに、疲れた気がする…


…だって、ベットでまた俺のあそこを狙ってんだかんな。

「やめろって、ズボンに手ぇかけんな!」
「いいじゃん、いつもあたしのおっぱい飲んでる癖にさ!」
「宿題といてるんだから、それくらい当然だろ!」
「なによ!こんな可愛い女の子と、セックスしたくないの!?」

…あのなあ。
もう少し自分を大切にしろって。
2回ほど俺のあそこを理奈に好きにさせたけど、あれは状況が状況だったからって事、…分かってねえよなあ。

「だから、もしもの事が」
「大丈夫、ほらっ!」

…なんでそんなもん持ってるんだ!?
これはいわゆるあれですか!東京ドームじゃなくて、名古屋ドームじゃなくて、札幌

「…そんなボケ、いいって。
 あたしはさ、…翔と、初めてをともにしたいんだって…」
「なんでだ?」
「10年くらいたって、適当な男と流れでやるくらいなら、
 たとえ小さくたって、今翔とやって…その方が、絶対に後悔、しないもん!」
「…。」

泣きそうだよ。こりゃ軽い気持ちじゃなく、本当に俺とヤりたいんだな…
ここまでされると、流石にその気持ちを蔑ろには…

…そうだ。

332:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:25:03 jAQhpD51
「ギブ、&、テイク。」
「へ?」
「それじゃあこうしよう。
 次の試合、もし理奈がノーヒットノーランを達成したら、…そのご褒美だ。」
「せ、セックスしてくれるって事!?」
「ああ。…って、抱きつくな!ただでさえ狭いんだから、このベット!」
「やったあ、やったあっ!」


…ま、相手はベスト4だから、絶対に無理だろ。
理奈にとって初めての大会だし、県トップレベルがどういうものか、理奈には分からないしな、

…大丈夫、だろう。多分。


「…ところで、さ。」
「なあに?気が変わって今から」
「理奈の父さん、…いつ帰ってくるんだ?」

かれこれ3週間経つ。
スカウト業がどのようなものかは皆目見当もつかないが、
シーズンはどんどん進んでいる以上、補強は迅速に行うべきである。

…となれば、ラリナパパが現地について2,3日で話をまとめる可能性も十分あり得るのだが…

「うん…まだ、連絡が来ないの。
 さすがに、翔もこの家に飽きてきちゃった?」
「い、いや、そんな事はない。
 ただ…」
「…うん、寂しいよ。翔がいてくれても、…やっぱりあたしのパパは、一人だけ。ごめんね。」
「悪いな、泣かせるような話を、振っちまった。」
「もう慣れっこだから。」

長い髪を、手で梳いてやる。
土生にとっては幸せな時間でも、理奈にとっては必ずしもそうではない。

…本当は、3人で暮らすのが一番楽しい。でも、それもできないけどね。



「やれやれ、せっかく日本に帰れると思ったら今度は韓国球界か…
 担当にトラブルがあったからとはいえ、俺を派遣させなくても…」

外国人の獲得に手間取り、結局3週間経ってしまった。
しかも、明日の朝早く、すぐに韓国行きの便に乗らねばならないというから、たまったもんじゃない。

0時半発の空港行きの深夜バスの予約をしており、それに乗る事になる。
現在午後9時。たった3時間の家族サービス。

「まあ、まだ起きているだろう。さみしがってるだろうし、何かしてあげないとな。」

家に着くが、明かりは消えている。
もしかして、もう寝たのだろうか?親がいないのだから、夜更かしくらいしているはずだと思うが。

「まあ、帰る連絡をしてなかったからなあ。
 家に電話しても、出てくれなかったけど、遊びにでも行ってたんだろか。」

鍵をかけて、家にはいる。
幽霊が出そうな薄暗さが、電球によってぶち破られる。

333:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:25:45 jAQhpD51
「理奈ー。…寝室かな?」

理奈の部屋は2階。
土生とぐっすり寝ている部屋に、階段を1段1段あがりながら近づいてゆく。

そして、ドアノブに手をかける。


「…あれま、こんな時間なのにぐっすり…ん?」

隣に誰かがいるのに、気がついた。
起こさないように、恐る恐る、近づいてゆく。

「この子は、確か…」

思い出した。
以前理奈が家に連れてきた、土生という少年。…少年?この少年と、もうこんな関係まで行っていたのか?

(すー…すー…)
(すー…すー…)

どこのだれか分からない異性と、はだけかけた薄手のパジャマ一枚だけを羽織って、密着して寝ている。
普通なら、怒りもこみあげてこよう。

…だが、不思議とラリナパパにそのような感情は芽生えなかった。


まだ10才だから?大人じゃないから?セックスをするような年頃じゃないから?
…いや、それは違う。だって、理奈の胸は確実に大人になっているのだから。

多分、理由はほかにある。


(巨乳で、いじめられていた、理奈が…)


1つのきっかけで、人間は大きく変わるもの。
その変化に嬉しさと寂しさを覚えながら、静かに寝室から出て行った。

334:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:26:39 jAQhpD51
そして当日。
今日勝てば、あのラミレーズやルウィズも使うスタジアムで巨神と戦える。

「よーし、今日勝って、あのスタジアムで巨神と戦うぜー!」

意気揚々と乗り込む赤松。しかし周りにはだれもいない。
スタメン落ちしたくないからとはいえ、10時集合のところを6時に来る馬鹿はどこにもいない。

…いや、そんな馬鹿もいた。

「翔ー…いくらなんでも早過ぎない…?」
「投手はさっさと起きて、調整しねえとな。」
「でも、4時にたたき起され、5時半に出発するこっちの身にもなってよ…あ!」

誰もいないだろうと思っていたところに、赤松の姿が。

「おいおい、10時集合だったろ?」
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ。」
「とりあえず、これから4時間どうする?」
「俺、朝飯今からなんで…ちょっと店探してきます。」
「俺たちもだ。3人でどこか食べに行こうぜ。」

ちょうど近くにファストフード店があったので、入ってみる。
『朝ミール』なるメニューがあったので、それを頼んでみた。

「そういえば…今日の第1試合は、巨神が…」
「知っている。」
「…見に、行きますか?」
「決めてねーよ。」

赤松の言っている事に興味はないと言わんばかりに、ジュースを口にする。

「とにかく、今日勝てばベスト8、まずはそれだ。」
(…そんなわけ…ないのに。)

無理しなくてもいいのに。
でも、それが翔の求める、キャプテン像なのかな?エースとキャプテンって、どう違うんだろ…


「っ!!」
「どうしたの?」

はっとした顔で後ろを向く。

「どうしたの!?」
「…理奈には、…赤松にもわかんないだろうな。」
「え?」
「ずっと一緒にいたから、姿が見えなくても、感覚で分かるんだよ。」

土生がまた姿勢を元に戻し、ハンバーガーを口にはこぶ。

335:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:27:19 jAQhpD51
「いらっしゃいませー。」

誰かが入ってくる。ふと見てみると、同い年ぐらいの少年が4人。
…4人?まさかね。

「…。」
「しょ…土生君?」
「…ふー…」

落ち着け、落ち着け。
今はもう、何の関わりも…


「光陵、1回戦、勝ったらしいな。」



「よお、元気そうだな。」
「…。」
「どしたどした、なーにそんなに暗い顔してやがる。」

ふざけるな。
どのツラさげて俺の前に現れた。

「彼女とデートか?いや、それにしては一人多いか。」
「で、デートって…あなたたちは」
「黙ってろ、理奈。」
「そいつ…もしかして選手か?よほど人数不足なんだな、出てってよかったぜ。」

すっと立ち上がると、腹の底から湧き出る怒りを必死に沈める。

「あいつらは元気か?橡浦とか、山下とか。」
「…なぜ話す必要がある。」
「おいおい、俺たち元チームメートだろ?」
「…あのノート、お前らが書いた欄は、すべて塗りつぶした。」
「!
 …この野郎!」
「よせ!」

大声につられて、残りの2人もやってくる。

「あれは、俺たちの魂だ!」
「…だからこそだ。お前たちは、俺たちを裏切った。」
「翔、この人たち、まさか…」
「俺たちは、裏切ったんじゃねえよ!」

336:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:27:49 jAQhpD51
「…同じことだ。
 チームの事より自分の事を考えてる地点でな。」
「自分がかっこいいとでも思ってるつもりか?」
「俺は、あんたたちが裏切ったと言いたいだけだ。」

たとえ嘘をつかれようと、たとえ監督が勧めようと、
自分の未来を優先してチームを見捨てるのは、

「…許せねえな。」

何事かと思ったか、店員が駆け付ける。
君たち、喧嘩はやめなさい、そう注意され、席に戻っていく。

「土生君…」
「さっさと出るぞ。早く食え。」

残りのハンバーガーを丸のみし、一足先にゴミを片づけた。


南海リトル

1、4・井口
2、6・川崎
3、8・秋山
4、5・小久保
5、3・松中
6、2・城島
7、7・村松
8、9・柴原
9、1・斉藤(和)


光陵リトル

1、9・橡浦
2、6・赤松
3、2・土生
4、3・山下
5、8・瑞原(ユキ)
6、5・白井
7、4・青野
8、7・赤星
9、1・野村(ラリナ)

控え 緒方 黒田 青山

337:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:28:45 jAQhpD51
「…試合前に言っておくことがある。あそこを見ろ。」
「え…あ、さっきの!?」
「あいつら、まさか…」
「…以上だ。」

視線の先には、あの4人。
チームを出ていった、あの4人。

「おいおい、あいつら、こっち見てるぜ。」
「懐かしの面々もいるなあ。」

あえて午前に巨神の試合がある事は伏せておき、偵察もしなかった。
すべては、試合直前に士気を高めるために。

…そして、巨神のコールド勝ちを、隠しておくために。


「よーし、やるぜ!」
「おう!」

各々闘志を燃やして、各守備位置に散っていく。
4人の事を直接は知らない、ユキも、赤松も、緒方も、

(勝たなきゃ、みんなのためにも…)
「よーし、やるぞー…」
(…。)

「さーて、あのおっぱいちゃん、どんな球投げるのかなー?」
「二岡、あんまり期待すんなって、どーせ大したことないってば。」

…そして、理奈も。

(…翔、あたしは…)

一心同体に、なりたい。
翔がどれだけ辛い思いをしたか、知っているから。悔しさ、辛さを、共有したい。

…だから、まずは目の前の敵を倒す。
少しでも翔に近づくために、一心同体に、なるために。


「プレイボール!」

(来い、理奈!)
(うんっ!)

理奈の、直球、一閃。

338:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:29:12 jAQhpD51
『月曜日発刊 週刊MAX』

光陵リトル、野村理奈ちゃん、完全試合達成!~女子初の快挙・華麗に舞い降りたノーヒッター~


「すげえよな、これ!」
「ありがと、雅人くん。」

赤松と2人で、今朝の朝刊に挟まっていた地元のスポーツ情報誌を見ている。
地元のプロアマのスポーツ情報が載っており、小学生のスポーツなんかも小さく載っている。

その小学生スポーツ用である3面の、半分を理奈の記事が独占している。


『6日に行われた硬式野球県予選(小学生の部)2回戦第2試合で、
 光陵リトル・野村理奈さん(小5)が、去年ベスト4の南海リトルを相手に完全試合を達成した。』

「みんなにも見せてあげたいけど…」
「ダメだよ、東小とつるんでるってのが、ばれちゃうから。」
「ちぇっ。」

ここは校舎の屋上。
2人で仲良く、理奈の記事を見ている。

『野村さんはこの試合まで登板記録がなく、初登板初先発完全試合という離れ業を達成。
 今後の活躍が注目される選手。

 野村さんのコメント・とてもうれしいです。次の試合もチームが勝てるように頑張ります。
 南海リトル、王監督・彼女の速球には脱帽しました。今日は成す術もない、完敗です。』

「えへへ、なんか恥ずかしいや。」
「でも、明日の新聞に乗るって聞いて、父さんに頼んでもらってきたかいがあったよ。」

339:迷わずストレート!『意地っ張りなストレート』
09/01/22 21:30:08 jAQhpD51
『コラム・少女が思い出させてくれた少年野球

 最近の小学生は、知識ばかり豊富で、理屈だけで、頭だけで野球をやっているように見える。
 その証拠に、変化球に頼ったピッチングが目立つ。妙にフォームがぎくしゃくしている。
 体を動かさず、故に身体能力に自信を持ててない、という事の裏付けである。
 まだ小学生なのだから、勝ち負けとか技術的な事は気にせず、とにかく体を動かせばいいと思うのだが、
 僕の考え方の方が時代遅れなのか、と思いかけていた。

 それを彼女…野村理奈ちゃんが、僕のぐらついた情けない根性をたたき直してくれた。
 ただひたすら直球を磨き、ただひたすら直球を信じ、ただひたすら直球で押しまくる。
 小細工など一切なし、完璧な真っ向勝負。

 僕の掲げる少年野球の理想像が正しいと、証明してくれるようなピッチングだった。
 彼女には失礼だが、女の子が証明してくれたのだ。
 やっぱり、少年野球は、がむしゃらという言葉が一番似合っている。

 さあ、次の光陵の相手は、去年の県大会の覇者、全国ベスト4の巨神リトル。
 『最強打線vsノーヒッター』、こんな見出しを考えるだけで、わくわくする。』


思わず立ち上がった。
そして、景色がよく見える柵のそばに駆け寄る。

「ラリナ?」
「雅人くん、キャッチボールしよっ!」

理奈もとっても、わくわくしていた。

340:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/22 21:31:30 jAQhpD51
投下完了

久美の設定を一部勝手に決めてしまいましたが、
変化球重視と言う事でくせ球がぴったりと考えました。

341:名無しさん@ピンキー
09/01/22 23:30:11 fKw2PbG0
投下乙。初代スレで、巨乳スレオールスター少年野球て話題が出てたの思い出した。


342:名無しさん@ピンキー
09/01/25 01:25:20 IGo4N9fF
保守

343:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:12:38 Hc+5mB//
千秋シリーズいつまでもお待ちします。

344:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:18:09 xtnbvTKi
上に同じ…だが、千秋⇔千晶っう表記の違いはアナザーを表してるのか?

345:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:37:28 WyKimaNU
おれ ぱいずり みたい ろりすき

346:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:50:25 Hc+5mB//
>>344
すまん素で間違えた。

>>345
パイズリみんな出来そうだもんね大きさ的に
それと現在純粋にバストサイズトップ5だったらこれくらいかな?
今はっきりとバストサイズが出ている順では

1位 野村理奈(101)
2位 ハウメア(96)
3位 石引優子(94)
4位 神楽坂沙織(91)
5位 作倉歩美(90)

大人以上におっぱい大きい

347:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/01/27 21:03:09 JrgccGzp
>>344
他にも結構間違える人はいるからなあ…
ていうか、しばらく書き手の人が誰も来てない気がする。
まあ、今は大学受験、大学のテストの時期だからなあ。

>>346
こうしてみると、ちょっとやりすぎたよな;
ただ、スポーツ選手という事で
胸だけでなく体本体も多少がっちりしてるから、
…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。

348:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:52:42 PlSbQR1l
>>346
大人のおっぱいが、「なだらかな平野」、すなわち貧しいだけじゃないか?

349:名無しさん@ピンキー
09/01/28 22:00:10 q3rWTR1U
>>348
藤原先生か
そういや成人女性ってほとんど出てない

別に良いけど


350:名無しさん@ピンキー
09/01/28 23:07:27 QU9DDPvP
>>347
>…まあ、いくら大きくてもいいじゃん、そういう趣旨の掲示板だし。

オリジナル作品だし本来その通りだとも思いますが、
人の既存の作品にリンクさせる形で書いた作品で原作で高スペック設定のキャラをはるかに凌駕するスペックのキャラを出すのは
やりすぎではないかと思います。暴走ボートさんに限ったことではないのですが。
U-1SS的で原作の方が書きづらくならないかと少し心配になりました。

351:名無しさん@ピンキー
09/01/29 15:35:36 KevgF7T6
文章で細かく数値決めたって上手く活かすのは困難だし男も女も小学生なんだからスゲーデカいとか超デカいとか適当でいいじゃん

352:名無しさん@ピンキー
09/01/29 17:14:59 kpZAl1rK
でも数値の需要って結構あるよなw


353:名無しさん@ピンキー
09/01/29 20:45:52 o+aEfZQJ
まあ、書き手さんもあえて貧乳設定のキャラ出しにくいだろうし……高学年女子で巨乳設定じゃないのは東小の脇役ぐらいか?



354:名無しさん@ピンキー
09/01/30 00:37:06 vW4JtVuj
数字とカップの需要はありますよw

355:名無しさん@ピンキー
09/01/30 02:12:32 zJV+oKwA
ちょっと疑問なんだけど著作権作品のエロパロってありなんかい?
マンガでもゲームでも誰かのサイトのオリキャラとかの。

356:名無しさん@ピンキー
09/01/30 18:27:38 oj72H/dE
>>355
スレの趣旨に添っていて、パロ元の明記があれば良いんじゃないですかね。

357:名無しさん@ピンキー
09/01/30 19:38:58 05OjHzXJ
>>346
しかもよく考えたら小学生だからアンダーだって大分小さいだろうからなぁ・・・
アンダー60cm以下だと考えると相当大きくなるぞ

358:名無しさん@ピンキー
09/01/30 20:37:26 Cnu/UO0Z
>>318
自分ならこんな感じにする。↓

4年生になったこの春、初めてのブラを買った。
最近サイズが合わなくなり、2回目の買い替えをした。
肩幅や股下は大人にもひけを取らないが
身長が伸びないのが悩み。
小さい頃から水泳や体操をやっていて体は丈夫。

>>357
逆にスポーツやってる子やふっくら系の子なら
アンダーが70とか75とかあったとしても不思議じゃないけどね。
ポチャ系やガッチリ系の子なら尚更。



359:名無しさん@ピンキー
09/01/30 21:05:51 Cnu/UO0Z
失礼、先程の書き込みの前半は>>317へのレスです。

360:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:13:06 OpfTH/JH
>>356


361:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:17:34 OpfTH/JH
>>356
巨乳小学生が出てたら大概おkってことですな。

362:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:32:34 nMlDuuZX
オリジナル小説はだめですか?

363:名無しさん@ピンキー
09/01/30 22:44:04 OpfTH/JH
>>362
とりあえずここじゃね?URLリンク(same.ula.cc)

364:名無しさん@ピンキー
09/02/01 12:42:22 exH5OYp2
※業務連絡※
>>SDSさん
以前『夕立バージョンSDS』に名前だけ登場した、
西小五年生のバンこと板東宗介くんに関して、
何か設定等ありましたら教えていただけないでしょうか?
決闘少女空間4で出来ればお借りしたいのですが。

365: ◆selJPZyjjY
09/02/01 12:42:48 exH5OYp2
鳥出し忘れました……

366:SDS ◆cStOEcFYHc
09/02/01 16:48:06 4Hr82F2f
※業務連絡※

とりあえず設定しましたが、細部は御都合にあわせご自由に。


坂東宗介 西小五年二組
西小五年生の悪ガキのひとり。色々と騒がしい五年生のなか、谷川、八坂体制の忠実な一員。
千晶への憧憬はその腕っぷしに対してか淡い恋心なのかは謎。背伸び真っ盛りの年頃で、六年生を追い回すあまり、同級生を見下す傾向あり。
『かつての明』といった少年らしい風貌で、身長144cm

その他、拙作の西小キャラ、設定等は全て、selJPZyjjY様の裁量で動かして頂れば結構です。

『決闘少女空間』首を長くして待っております!!

367:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/01 18:53:11 Hfidrb55
>>365
>>366
生きてなさって一安心。
ずっと書いていないとさみしいものがあります;
※ここから業務連絡※
あと、
>>350
に書いてあることは実際のところどうなんでしょうか?

お二人の小説、気長に待っています。



368:SDS ◆GudqKUm.ok
09/02/01 21:55:20 4Hr82F2f
※業務連絡※

生きてますよw
でも私はバストサイズの件では描写不足なダメ書き手なのでコメント出来る立場じゃないですね…
ま、GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸でして、今後も切磋琢磨していこうと思います。
…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…



369:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/02 01:02:14 MJX888Gn
>GBH名義が私なりのインフレ回避の新機軸
知らなかった俺涙目;
思えば、俺はインフレ度外視の行動してるよな…

>…どなたか、拙作キャラのサイズ設定集、作ってくれないかな…
作りましょうか?こういうの大好きです。
設定を作ってほしいキャラを全員挙げてくれさえすればやりますよ。

身体的特徴とサイズだけでいいですよね?

370:名無しさん@ピンキー
09/02/02 10:10:21 o0+/9vIf
>>369
それじゃ近々投下予定のSSから、末尾に人物紹介付けますので、ボディサイズ補記頂けたら嬉しいです。宜しくお願いします。

西小女子はselJPZyjjY様の判断、東に関してはまだ煮詰まってない奴が多いので、主にGBH名義の新キャラ中心になると思います…


371:名無しさん@ピンキー
09/02/02 10:12:31 o0+/9vIf
すいません!
上げちゃった…

372:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 10:23:06 QBmG4x12
※保守ついでに業務連絡※

私も何とか生存してます。
それと本編は色々と書く暇がなくて昨日何とかでだしを少し書いた程度です。

暴走ボート ◆z95s/qs7OM さん
優子&久美を使っていただきありがとうございます。
監督に関してもこれから出しますよ。

実は今後剛速球使いのラスボスを出す予定だったので、物凄く有り難かったです。
後は一つだけ…久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
色々間違った事を書いた私が言うなって感じですけど、どうしてもそこだけ気になったので…すいません(涙)

SDS ◆GudqKUm.ok さんに
わたしもGBHさんと同一人物とは全く気がつきませんでした。
それと以前使用を承諾してくれたので本格的に鷲沢嬢を使わせてもらいますね。
鷲沢奈津嬢のサイズはこちらも考えていたので、次で落としておきます。

373:とにかくキャッチ! 設定資料集 その1.5 ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 10:38:16 QBmG4x12
私の拙作 とにかくキャッチ!第三話 戦乙女たちのプライドに登場する女監督と鷲沢嬢です。
ちょっとネタバレも

小倉伊織(おぐら・いおり)
162cm 53kg 24歳
81(B) 59 85

リリアムの監督業を務めている。
元はリリアムのキャッチャーを務めていたこともあるが、打撃よりも守備あるいは頭脳戦を得意としていた。

ただ素は子供っぽくいい加減なところのある人物で結構沙織や奈津の方が頼りになるとまで言われることもあるが
相談事など大人として親身になってくれるので、前述の欠点をひっくるめてチームメンバー全員から愛されている。

光陵の中井監督とは先輩後輩の間柄で、そのつてで練習試合をたまにしたりする。
リリアム所属の為女性から女の子の味などもよく知っているが、実は中井監督の才能に惹かれるものをかんじ色々空回りながらアプローチをしている模様。
また今でこそスレンダーだが選手時代は優子のように良く胸に球を浴び腫れと成長で爆乳といえる胸の大きさだった。

おまけ
小倉伊織(おぐら・いおり)選手時代
154cm 62kg 
98(I) 61 85

鷲沢奈津(わしざわ・なつ)
165cm 56kg
86(E) 55 84

リスキー・ゲーム5からの出演 付属小6年A組 ポジションはショート
リリアム副キャプテンで付属小ソフトボール部のキャプテンを務めている。愛称はナッちん(ただし付属小ローカルのみで基本的に鷲沢副キャプテン)
選手としてトータルバランス全てに秀でており周囲の人望も篤い。
その為当時のリリアムでも沙織か奈津のどちらをキャプテンにするか議論が割れたが打撃勝負で何とか沙織が勝ち
副キャプテンに収まった(最もかなりの僅差でお互いギリギリの勝負だった)また付属小のキャプテンをしている影響で自主連はオーバーワークになるためあえてしない。

「リスキー・ゲーム5より一部省略」
スパイキーに逆立ったショートカットに日焼けした浅黒い肌に見合った強靭でしなやかな四肢。
意外に白く豊かな乳房が覗いている。

精悍でワイルドな美貌を備え、生半可な男子より腕力も勝る奈津は附属小の女子児童に人気が高く、事実、校内には何人かの『彼女』もいる。
言い寄ってくるまま彼女たちを受け入れてきた奈津は、今まで自分の性癖にさしたる疑問を抱いたことは無かったが、
この日、奈津を襲った感情、野村理奈という名の可憐なエースに抱いた想いは、紛れもなく激しい『恋』そのものだった。


男役という意味で付属小やリリアムでも女の子にモテ、そういった意味でも沙織と二分するほど
また付属小の試合に来た野村理奈(ラリナ)の投球を見て、一目で彼女に恋におち
ついラリナのブラジャーを盗んでしまう。

普段は言動こそ乱暴だが同級生・後輩とも沙織とは別ベクトルで公平に振る舞う、しかし前述のとおり理奈に対して固執しているところもあり
理奈をリリアムに引き抜きたいと思っていたが、優子との勝負で自分の非を認め、完全に優子と久美のバッテリーを認める。
最も選手として誇りを持ってプレイしており、自分を高める為。優子や沙織に対しても自分は引けを取るまいと改めてライバル心を燃やす様になる。

ひとまず投下します

374:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/02 11:17:13 te1mP2nr
>>370
名前が不明になってるけど…
たぶんSDSさん、と言う事でいいんだろう;

>久美は沙織をまず呼び捨てで呼びません。呼ぶとしたら沙織お姉さま・お姉さまのみとなってます
うぐ、気をつけていたはずだけど、確かに2か所…
そうだ、間違って書いたセリフはすべて土生に対して言った言葉。
おねえさまと呼んでいることを男子には知られたくなかったから…

…見苦しいですね、すみません(

果たして久美のストレートがツーシームと言う設定はやってよかったんだろうか…
今さらと言われそうな気はしますが;
とりあえずこっちも書きすすめて参ります。

375:名無しさん@ピンキー
09/02/02 20:41:22 CrC+SOpx
>>355
マンガゲームはわかるがどっかのサイトのオリキャラとかピンポイントにもほどがあるだろw

376:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:54:40 7pi6GaSy
>>375
書いた後に邪悪小学生しか存在しないと気づいた ないよね?

377:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/02 23:55:32 QBmG4x12
暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんから返信が来ていましたのでご返信。

>>374 
いえいえ凄く久美のくせ球ツーシーム設定は本当にありがたかったです
野球とかソフトボールは全然知らないのでそういう設定を付けて下さるのは本当助かります。
それだったら理奈とは別の意味合いで久美の捕球が困難っていう裏ずけしやすくなりますしね。

ここの書き手の皆様頑張ってください。
私も出来る限り頑張ります。以上落ちです。

378:GBH ◆GudqKUm.ok
09/02/03 22:17:32 t+q6Gr9V
投下開始

379:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:18:37 t+q6Gr9V
人間は決して立ち入ることが出来ない不思議な極北の次元。
そこには宇宙の均衡を保ち、脆弱な世界を支える為、『生命』を超越したものだけが住む氷の城がある。

今、彼らの基準ではまだ幼いひとりの半神が、この凍てついた城の荘厳な長い回廊を風のように駆けてゆく。
彼女の名はハウメア。まだ自らの名前を持つ、最も年若い北の精霊の一人だ。

(姉様!!)

回廊に響く彼女の元気よく弾んだ思念に応えて疾風が渦巻き、ハウメアが最も慕う姉である、『北風』がその姿を現した。
長い髪と瞳は深く清澄な湖の青。いささか冷たく落ち着いた美貌は『北風』という名にふさわしい。

(姉様!! お久しゅうございます!! 末妹のハウメアがご挨拶申し上げます…)

ハウメアは上位の精霊に対する礼を欠くことなく優美に姉に対し挨拶を送る。
『氷の城』を離れていることが多いこの眉目秀麗なハウメアの姉は、人間の時間で十年位前、幼くして北の精霊のなかでも厳しい務めとされる『北風』の任に就き、古い名を捨てて久しい。

(…ハウメア、元気にしていた? まだ『授業』じゃなかったの?)

姉の言葉にハウメアはペロリと舌を出して笑う。

(だってぇ…)



380:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:20:26 t+q6Gr9V
つい先日の聖夜、はじめてこの広大な城を出て、極東の島国へ祖父の代理として子供達に贈り物を届けた武勇伝を早くこの姉に話したくて、今日は幾つかの修練を怠って学舎を飛び出して来たのだ。

(…なんて悪い子でしょう…)

『北風』は妹を優しく諫めながら抱き寄せ、彼女が伝えたくてウズウズしている冒険談に意識を傾ける。

(さ…お見せなさい…)

視覚、触覚、嗅覚、そして思惟や感情までも瞬時に共有出来る彼女たちにはごく当たり前の力を使って『北風』はハウメアの聖夜の記憶を生きる。もう、眼下はイルミネーション瞬く街だ…

…子供達の安らかな寝顔。暖かく輝くクリスマスツリー。幸せを包んだ静かな闇。
…小さな恋、友情、未来への憧れと…少しの哀しみ。そんな全てが詰まった遠い国の夜…

『北風』がその冷たく整った顔に思わず優しい微笑みを浮かべたとき、だしぬけに、久しく味わっていない強烈な性感が彼女の全身を貫いた。

「あああっ!?」

端正な『北風』の眉が下がる。思わず漏らした呻きと共に、ガクガクと膝が震えた。
ハウメアの記憶を通じ、美しい東洋の少女の濃厚な愛撫が『北風』の全身にくまなく淫靡な刺激を与えてゆく…




381:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:22:51 t+q6Gr9V
「ハ、ハウメア!!」

妹の記憶に潜んでいたこの『ビックリ箱』に、『北風』は思わず本来の短気な性格を露呈して叫んだ。
ハウメアはあの夜、最後の訪問先で堪能した淫らな愉悦の記憶を用いて、たちの悪いいたずらを姉に仕掛けたのだ。

(うふふっ。姉様へのプレゼント。気持ち…よかったでしょ?)

(なんてはしたない…)

ハウメアは、相変わらず冗談の通じない姉の手を逃れ、ひらりと浮遊しながら陽気な笑い声を上げる。
この生真面目な姉は、たちまち吹雪を纏い、怒りの形相で彼女を『氷の城』中追い回す筈…だった。

「…奇遇ね、ハウメア。私はこの国、この街で、真の『北風』になったの。…お祖父様のお計らいなのかしら?」

一向に怒りの色を見せず、懐かしそうに自分を見上げて話す『北風』にいささか拍子抜けして、ハウメアはゆっくりと姉のもとへ舞い降りる。




382:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:24:20 t+q6Gr9V
「えっ!? 姉様もあの街へ?」

「…そう。ちょうど今のあなた位の頃だった。『六階梯』の終わり頃、私が『北風』になった街…」

『北風』は水晶の床に降り立ったハウメアを再びその腕に抱き寄せ、懐かしい記憶の蓋を開く。


…今、ハウメアと共に過去へ飛び立ったのは、青い髪を短く揃えた、冷たく勝ち気そうなかつての幼い『北風』だった…




383:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:25:36 t+q6Gr9V
(…吼えよ我が同胞、雪の狼よ。吹雪を纏い、霜で全てを覆え…)

『北風』は上機嫌で凍てつく疾風と化し、極東の島国の冬空を翔ける。
『小六階梯』を優秀な成績でほぼ終了し、『北風』の名を最年少で勝ちとった彼女は、順調に『冬』をもたらしつつ、遥かな北の故郷から、この街にやってきたのだ。

(…全て日程通り。お祖父様は、私を過小評価し過ぎておられる…)

彼女の独り立ちに終始反対を続けたのは、他ならぬ北方の大神、彼女の祖父たる大サンタクロースその人だけだった。
しかし傲慢、性急、冷徹という祖父が戒める欠点は全て、彼女には『北風』に必要な優れた資質としか思えない。
オドオドと緩慢に、周囲に気を遣いつつやってくる冬などあるだろうか? そんなものは怠惰な南風の仕事だ…

(…舞えよ我が同胞、雪の梟よ。霧を纏い、霙で全てを覆え…)

人には見せぬ満足の笑みをかすかに浮かべ、『北風』は気まぐれに低空を縫って飛ぶ。未曽有の寒波に震えあがる非力な人間たちを見る為に。

(…!?)

堅く門を閉ざし、屋内で風の音に怯える人々の気配に満足していた彼女は突然、微弱な、しかし切実な意識の波動を感じて不快げに眉を曇らせた。



384:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:27:32 t+q6Gr9V
(…どこ?)

彼女の鋭敏な知覚はすぐ微弱な思念の発信源を察知する。小さな公園の一角、円筒形の遊具のなかだ。

紛れもない、死にゆく者の発する諦めの意識。まだ若い人間のものだ。彼女は舌打ちしつつ、その公園に舞い降りる。

(…今日みたいな日は一人や二人逝かせても、全く問題ないんだけど…)

すでにこの旅で、彼女は何人かの無謀な雪山登山者を黄泉の国へ送っていた。
彼女の知る人間とは、その低い知能と幾多の奇妙な習性のせいで絶えず厄介を起こす、たかだか零下の気温に耐えきれず死ぬか弱い愚かな生物だ。
そんな生き物が何匹死んでも、冬とはそういうもの。彼女には何の感慨もない。しかし…

(…お祖父様がうるさいわ。もうお年だから、そんなことが気になるのね…)

祖父の叱責が怖い訳ではない。しかし自らの評価を下げてまで、わざわざ無意味に命を奪うのも愚かなことだ。

(…全く、こんな温暖で豊かな土地にいて、凍死寸前なんて…)

『北風』は不機嫌に眉を吊り上げ、公園の遊具へ舞い降りた…





385:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:31:03 t+q6Gr9V
…もう寒さは感じない。冷たい鉄の円筒の中、仰向けに横たわり震える少年は、たまらない睡魔のなかではじめて迫り来る『死』を実感した。

(…父ちゃん、母ちゃん、ごめんよ。でも、俺さえいなくなりゃ…)

彼は朦朧とした意識のなか、秋の終わりに弱々しい産声を上げ、いまだ生死の境をさ迷っている彼の末弟、大人の掌にすっぽり収まる小さな赤ん坊を懸命に案ずる。

(…俺が母ちゃんに迷惑かけてばっかりだったから… 『貰いっ子』の俺が…)

ちょうど母親のお腹が目立ち始めた頃、知ってしまった驚愕の事実。
自分が養護施設からの養子であったという衝撃は彼を変えてしまった。
クラスでは人望あるリーダーであり、他校にもその名を轟かせていた少年は次第に、その自暴自棄な振る舞いと暴力で周囲に恐れられる存在となり、そして今日、最後まで彼の傍らにいた幼なじみの少女までが、辛そうに彼に別れを告げた。

『…ごめんね。私、もう、健一が怖い…』

寒々と彼を蝕む孤独。虚ろな目で辿りついた、家族の待つ病院でもまた、絶望的な現実が彼を待ち受けていた。




386:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:32:55 t+q6Gr9V
『…母体は山を越しました。でも、新生児は…』

分娩後、未だ起き上がれぬ母。いや、血の繋がらぬ彼を分け隔てなく育てた恩人。

(…俺が朝礼で暴れたときも、母ちゃん薄着のままで謝りにきた…)

身重の母親とお腹の弟にかけ続けた大きな負担を思うと、やはり自分は死ぬしかない、と少年は思う。
母の乳すら吸う力のない彼の哀れな末弟を、今夜死神は無情にも連れ去るのだ。

(…厄介者の俺が、父ちゃんと母ちゃんの子供を殺すんだ…)

暗く寒い病院の待合室で、憔悴つつも息子たちに笑顔を見せる父と、不安のなかいつしか眠り込んだまだ幼い弟たち。
いたたまれなくなって彼は逃げた。雪のちらつく暗い夜道をひたすら駆けて。
しかし自責の激しい痛みはどこまでも彼に追い縋り、今、死に場所と定めた公園の冷たい遊具の中でも、彼を離そうとしなかった。



「…あなたに過失はない。死ぬ必要なんかないのよ。」

不意に響いた冷たい声にぼんやりと瞼を開いた少年は焦点の定まらぬ眼で、いつの間にか傍らに座り込んだ一人の少女を見上げた。
青みがかった短い髪と少年めいた顔立ち。闇に妖しく光る双眸が、この来訪者が人外のものだと少年に告げる。



387:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:34:59 t+q6Gr9V
(…死神か)(…綺麗なんだな…)

自分の姿を見てもさして驚いた様子を見せない少年に『北風』は再びそっ気なく告げた。

「…あなたが死んでも赤ちゃんの生死には関係ないの。だから、生きなさい。」

しかしすでに心身ともに疲労困憊し、思考力を失いつつある少年は、興味無さげに目を閉じ答える。

「…ほっといて…くれ。」

人間のくせに心を読まれていることにすら全く動揺を見せぬ彼の答えに、『北風』は苛立ったが、いやしくも神族たるもの、懸命に北風としての威厳を守りつつ彼への説得を続けた。
とりあえず今夜、ここから追い払えればいい…

「…私なら、赤ちゃんを助けられるかもしれないわよ?頼んでみれば?」

返事はない。冷えきった金属の床は彼の体温を着実に奪い、彼の思考もまた、吸い込まれるように虚無に堕ちてゆく。

(…もう、どうでもいい…)


『北風』は静かに舌打ちした。非論理的な彼の言動は、恐らく意識の混濁によるものに違いない。
人間の心と体の脆さに呆れながら、少年をすっぽりと覆う、かたくなな絶望のマントを取り上げる方策を『北風』は冷静に思案する。




388:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:36:43 t+q6Gr9V
(…『北風と太陽』、ね…)

祖父から聞かされたとき、鼻で笑い飛ばした下らない人間の説話だ。しかし、試してみる価値はあるだろう。彼の体温が下がりきってしまう前に。
それに、死と苦痛をあれほど恐れる人間が、他の個体の為に自ら死にたがる理由にも、少し気紛れな興味があった。

『北風』は一瞬にして自らの体に人と同じ温もりと潤いを与える。低温と乾燥を好む彼女には少し不快だが仕方がない。

『物語を額面通りにしか解釈できない。』

これも祖父の彼女への苦言だ。『北風』は苦笑いしながら豊かな胸に少年を抱きしめる。いつも怯えた雪狼を宥めるときのように。
冷え切り強張った少年の四肢に少しづつ熱が伝わると、彼の微弱な思考が『北風』の意識の中に、これまでにない鮮明さで伝わってきた。

(…あったかい、おっぱい…)(母ちゃん?)(由希?)(違う…)(…死神だ…)

少年の勘違いに『北風』はまた失笑する。しかし彼と体温を分かち合う今、なぜか先刻の苛立ちは嘘のように消えていた。


389:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:39:33 t+q6Gr9V
(…死神は言った)(『助けられるかも』)(でも)(俺はまた逃げた)(眠い…)

初めて触れる人間の魂は未熟で、矛盾に満ちていた。しかし葛藤のなかで自らを厳しく省みるその魂に、『北風』の表情がゆっくりと変わる。

僅か百年足らずの人生を無謀に駆け抜ける単純な生物、動物と大差ないと思っていた人間の心はいま、『北風』の温もりのなかで不屈の輝きを持って躍動を始めていた。


(…由希に見捨てられたくらいで)(ごめんよ)(由希)(たとえ夢でも)(幻でも)(俺は弟を助けるチャンスから)(自分だけ死んで逃げようとした…)

瞬きに等しい寿命しか持たぬ肉体に宿る、溢れるような他者への慈しみ。
『北風』の心に、彼女がこれまで知ろうともしなかった人というものの心が、少年の鼓動と共に波のように押し寄せる。
それは、信じられない事に、幾千年を生きる彼女たち神族と何ら変わらぬ正しき魂だった。

(…私は、何を学んできた?…)

複雑な召還式より、次元構造の理解よりも、もっともっと大事なもの。

…雪山で力尽きた遭難者たちは最期の瞬間、一体何と叫んでいたのか?
彼女の耳にはその声は断末魔の獣の悲鳴としか聴こえなかった。



390:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:42:50 t+q6Gr9V
(…違う。聴こうともしなかった。ただ『記録』と『日程』のために…)

『北風』は取り返しのつかぬ悔悟に青ざめる。人間は自分たちの弟妹、いつか宇宙の秩序を共に背負う同じ形の魂だと、ようやく気づいて。


(…まだ終わっちゃいない)(諦めちゃだめだ)(最後まで足掻いてみよう)(俺は)(俺は)(泣く子も黙る…)

『北風』の裂けそうに痛む胸の下で、少年は名付けられたばかりの弟の名を叫ぶ。『ただ健やかであれ』という両親の願いを、そして、血縁を超えた絆の文字を込めた名前を。

「…死神、聞いてるか!!弟を…健太を助けてくれ!! 代わりに俺が…」


譫言のように叫ぶ少年を『北風』は強く強く抱きしめる。『北風』と少年、未熟な二人が過ちを乗り越え、新たな道のりを歩き始める為に。
今、祖父の言葉に少年の熱い血潮が通い、『北風』を満たしてゆく。

…北風とは無慈悲な災禍の疾風に非ず。厚い雪の下でもじっと春を待つ木の芽を見守り慈しむ、厳しく優しい冬の運び手たれ…

「…駄目だよ。どちらも、私が死なせない。」

やがて決然と顔を上げた『北風』は、輝く青い瞳を虚空に向けて呼びかけた。



391:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:44:48 t+q6Gr9V
(…深國の姫神、豊かなる胸持つ豊穣の女神よ。『北風』が畏み畏み申し上げます…)

彼女には人の死を食い止める力はない。しかし確実にその力を持つ強大な存在がこの地に鎮座することは知っていた。
『北風』の呼びかけに少し遅れ、虚空から返る強大な思念。この地を統べる女神、『深國姫』の声が厳かに応える。

(…何用か? 吹雪の姫よ?)

(…はい、畏くも女神におかれては、今夜、御身の統べるこの街で、赤子が一人、母の乳も吸えぬまま哀れに息絶えんとしておるのをご存知でしょうか?)

(…はて、赤子が死ぬるとな?)

『北風』は恭しく頭を下げて続ける。

(…不憫な赤子の親兄弟は悲嘆に暮れております。何卒御身のお力をもって…)

しかし『北風』の嘆願は不機嫌に遮られた。身震いするような静かな怒りの波動が『北風』を包み込む。

(…木枯らしの小娘よ、この深國はそなたの下僕かの? 北の風神どもはいつからかような事にまで采配を振るようになったのか?)

厳しい叱責は当然だ。自分がこのような無謀な行為に出るなど、つい先ほどまでの『北風』には考えられないことだった。


392:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:50:40 t+q6Gr9V
(…無礼は承知です。されどこの小さき北風の願い、何卒お聞き届けの程…)

『北風』はその誇り高い頭をさらに深々と垂れる。
少年は小さな命を『北風』に賭けたのだ。たとえこの女神の逆鱗に触れ、魂ごと灰にされようと彼の願いに応えなければ、自分は荒れ野に吹く虚ろな一陣の風に過ぎない、と彼女は思う。

(…くどい。騒がしい雪狼共を連れて、早々にこの地を去るがよい。ここまでの無礼は、大目にみてやろう程に…)

しかし『北風』は去り行く深國姫の意識に追い縋り、粉雪が舞う静けさに、氷柱の鋭さを秘めた声を恐れることなく送った。

(…重ねてお願い申し上げます!! 御身は育む神!! 命を慈しむ神!!)


夜の大気に恐るべき女神の力が雷撃のように充満し、『北風』は消滅を覚悟して歯を食いしばる。

(…お祖父様…)

耐えきれぬ長い沈黙に、『北風』が堅く閉じた瞳をおずおずと開いたとき、先刻までの猛々しさが嘘のように穏やかな深國姫の思念が優しく彼女を包んだ。

(…まだ幼き北風よ、『ハウメア』の名は、妹御に譲ったのか?)

悪戯っぽい響きに、『北風』は当惑しつつ答える。

「…御意、幼い妹が次なるハウメアでございます。」



393:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:52:25 t+q6Gr9V
(左様か。…その名に免じて、微力ながら力を貸すとしよう…)

安堵の吐息と共に、『北風』の端正な顔に素直な笑みと涙がこぼれる。

「…感謝、致します… 恵み深き深國の姫神よ。…御身におかれては、私と妹を御存じなのでしょうか?」

(…いかにも。『ハウメア』とは古くは我が姉妹の名。はるか南国の、我と同じ産み育てる女神の名…)

『北風』の心に届く深國姫の慈愛に満ちた思念は、微かな悲しみを帯びる。

(…星となった我が姉の大切な名じゃ。その名を持ったそなたのことはよく知っておる。今日までの見事な成績も、な…)

おそらく少年との一部始終をじっと見守っていたに違いない深國姫に、改めて『北風』は深々と頭を下げた。

(ゆめゆめ忘れぬよう…我々もまた、無限の梯子を登るあどけない赤子に過ぎぬ事を…)

冬の星座の下、遠のいてゆく女神の思念に深い感謝を贈り、『北風』は少年を抱き起こした。
しっかりした寝息と確かな鼓動を確認し、『北風』はこの新たな兄弟に別れを告げる。

「…ほら…迎えがきたよ。みんなの所へお帰り…」



394:『その名を継ぐもの』
09/02/03 22:58:19 t+q6Gr9V
凍てつく闇のなか、まるで導かれるように公園へ駆け込んで来た少女に見つからぬよう、『北風』は霧に姿を変え、狼笛を短く吹いて少年の場所を彼女に教える。
片時も少年の心から離れなかった『由希』が、泣き笑いを浮かべて少年をぎゅっと抱きしめたのを見届けてから、『北風』はこの公園から静かに飛び立った。


「…待たれよ。北風どの。」

次なる地へ飛翔を始める為、瞬く冬の星座に向け舞い上がった『北風』は、背後で響いた澄んだ声に振り返った。
そこには古風に束ねた黒髪を両肩に垂らしたたおやかな少女が、柔和な笑みを浮かべて『北風』を見つめている。

「…深國…さま?」

先ほどの圧倒的な力の気配は微塵もなかった。


「いかにも。…実は年末年始は色々と忙しゅうての…膝元の赤子のことまでつい、気が回らなんだ。許されよ…」

ふわりと『北風』に寄り添った小さく愛らしい深國姫は、その不釣り合いに豊かな胸を『北風』の体に密着させ、『北風』は少年めいた顔を少し赤らめる。

「…しからば詫びのしるしに、今宵はこの深國の社で休むがよい。さ、来るのじゃ。」

「お、お戯れを…」

慌てて辞退しようとする『北風』の懐に深國姫の小さな手がするりと滑り込み、同時に熱い唇が耳元で囁く。




395:『その名を継ぐもの』
09/02/03 23:00:56 t+q6Gr9V
「…来るのじゃ。 姫はの、ずっとずっと前から、碧眼の凛々しい女子に大層興味があったのじゃ♪」



「…姉…さまぁ…も、もう駄目ぇ…」

膝の上で悶えるハウメアの喘ぎ声で我に返った『北風』は、懸命に姉の記憶から逃れようともがく妹の心と体を、改めてがっちりと組伏せて微笑む。

「…人の話は最後まで聴くものですよ。ハウメア。」

深國姫との一夜の記憶は未だ『北風』の体を疼かせる。
あの夜、まだ未成熟だった彼女の体を、無垢な少女の姿とはうらはらに果てしなく好色な深國姫は夜明けまでたっぷりと責め苛み、『北風』は人間の天気予報を大幅に狂わせる羽目になった。

「あ、ひぃ…」

『北風』は深國姫の淫らな指先を、唇を丹念に回想し、悶え狂うハウメアの五感にくまなくその信じられぬ程の悦びを伝える。学校をさぼり、姉をからかったお仕置きだ。
ハウメアは純白の乳房をあのときの『北風』と同じようにビクビクと震わせ、逃れられぬ快楽の波に溺れる。

「ふぁぁぁぁぁ!!」

厳格だった『北風』ですら夢中で啜った深國姫の媚薬のような母乳の味まで鮮明に舌に感じながら、ハウメアは幾度となく絶頂に達し、氷の回廊に切ない声を響かせ続けた。

END



396:『その名を継ぐもの』
09/02/03 23:02:23 t+q6Gr9V
登場人物紹介

『北風』(先代ハウメア
)
冬をもたらす北の精霊。最年少で『北風』の称号を得た秀才。若さゆえの傲慢と未熟さをを初めての任務で自覚し、人間的(?)に成長を遂げる。

→『その名を継ぐもの』
関連→『メリークリスマス!』(名無しさんX氏)


深國姫
とある街に祀られる安産と授乳の神。
戦時中郊外の山中にあった元々の祠が空襲で焼失し、近年改めて市街中央部の神社に祠が祀られた。
『深國比売縁起』によるとかつてはその好色さで近隣の村に害を為し、危うく退治されそうになって改心したという。

→『その名を継ぐもの』 『ンディラのいた夏』 『おっぱいの神様』


健一(芝浦健一)
東小を牛耳る初代シバケン。物心つくまえに弟の健佑と共に芝浦家の養子となる。養父母の実子、正智、健太と四人兄弟。
→『その名を継ぐもの』

由希 (槙原由希)
健一の幼なじみの東小学校六年生

→『その名を継ぐもの』



397:GBH ◆GudqKUm.ok
09/02/03 23:03:39 t+q6Gr9V
投下終了です。

398:『その名を継ぐもの』設定資料集
09/02/04 01:39:36 HLpSdCSY
北風(先代ハウメア)
T169 B99(I) W59 H89
昔はやんちゃな、現在はおとなしい性格を映した外見となっている。
ただし、怒るとそのギャップが激しい…らしい。

深國姫
T125 B113(P) W49 H64
やたらとプライドが高い性格の通り、ふてぶてしい外見をしている。
安産授乳の神と言うだけあり、異常なまでに胸が大きい。
しかし流石は神、垂れたり伸びたりはせず、何の支えがなくとも球状を保っている。

健一(初代シバケン)
T148(当時)
グレてからも外見は変わっていないが、
あまりの変わりように周りの者は外見も変わったように錯覚している。

由希(幼馴染)
T146 B83(D) W56 H74
昔から活発だったシバケン一緒故か、そこそこおとなしめ、体も華奢な印象を受ける。

399:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/04 01:42:32 HLpSdCSY
おつかれです。
神様の力とは偉大なもの…なのかなあ(ぇ
神や仏は信じない性質だけど、こういう話を見てみると…

設定はこんな感じですかね?
また何かあればお気軽にどうぞ。
由希はちょっと決めつけすぎた感があるか…
シバケンが活発故に対照的になり、故に華奢な体…うーん。

400:名無しさん@ピンキー
09/02/04 20:31:19 +tBvOlAX
>>376
詳しく

401:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/04 22:11:54 gxsClkta
GBH ◆GudqKUm.ok さん御礼を言うのが遅くなって申し訳ないです

まさかハウメアという名前が世襲で壮大な設定になったこと。
本編もこんなにもHでだけどシリアスな作品が生まれるとは夢にも思ってませんでした。
『その名を継ぐもの』本当に一読者としていい作品でしたよ。

それと暴走ボート ◆z95s/qs7OM さんお疲れです。
深國姫と先代ハウメアこと北風、その設定資料とても魅力的ですよ。

ではこちらは落ちます

402:名無しさん@ピンキー
09/02/05 01:54:57 q+4TQpkX
>>400
URLリンク(www1.odn.ne.jp)
ロリ巨乳自体が少ないから巨乳小学生サイトはないねー 
SSはこのスレ以外存在するだろうか。

403:名無しさん@ピンキー
09/02/05 05:03:41 nPIAyYEf
そもそもマンガアニメに巨乳小学生キャラがそういないからな
せいぜい膨らみかけ程度で

404:名無しさん@ピンキー
09/02/08 08:22:36 KVHlrVs7
サルゲッチュのチャルはアニメ版だとエライ巨乳だった。
俺の中じゃロリ巨乳の代名詞になってる

405:名無しさん@ピンキー
09/02/11 22:54:23 8y5+Y0Vk
保守


406:名無しさん@ピンキー
09/02/12 19:50:22 eqx8jCjs
>>402
こんなマイナーなサイトにまで目を光らせてるとかすごいなお前ら

407:名無しさん@ピンキー
09/02/13 01:50:59 PhLnuEUD
マイナーかな 一度ひっかかるとリンクでぽろぽろいけるし。
URLリンク(microdat.rdy.jp) こっちのほうがズバリだろデフォルメ強いが

408:名無しさん@ピンキー
09/02/13 06:33:23 rFGONzJC
>>407
閉鎖したと思ったらあったのか・・・
横からサンクス

409:名無しさん@ピンキー
09/02/13 23:49:48 GyHB+sv7
絵サイトの方が見つけやすいのは当然か。SSサイト見あたんね。

410:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/15 18:03:31 GMhmpnEF
ここんとこ2週間投下されてないな…
みんなどこ行ったんだろ?

今夜中に投下しますかね…

411:名無しさん@ピンキー
09/02/15 18:10:21 jPQ403+T
wktk

412:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:46:34 GMhmpnEF
「よーい…ピッ!」

東小の体育の時間。5年2組の月曜日の4時間目は、みんなが大好き体育の時間。
5年2組の体育の時間は、いつも50m走から始まる。

今日は4年2組も加わっての合同授業。
もちろん、クラスの注目を集めるのは、この男。

「っしゃあっ!」

後ろの3人ははるか後方。
圧倒的な速さでフィニッシュ。

「5秒9!」
「さっすが橡浦!」

自己ベスト。
コンディションやスタートダッシュ、諸々がすべて完ぺきでなんとか出せるタイムとはいえ、
小学生でこのスピードは素晴らしい。
当然陸上の関係者ものどから手が出るほど欲しい逸材だが、野球一本、故に全ての誘いを断っている。

「あのチビの唯一の取り柄だもんな。」
「誰がチビだ?このデカブツが。」
「うお、いつの間に…」

遠くで悪態をついたつもりの山下の後ろに、突如現れる橡浦。
遠くにいたはずなのに、いつの間にかそばに現れる速さ。ハッキリ言って、勝負にならない。

「山下、勝負しようぜ!」
「えー?チビとやってくれよ…」

当然誰も橡浦と勝負したがらない。
標的は身長181cm、体重79kg、いかにも動きの鈍そうな山下が標的なのだが、

「6秒9!」

小学生で6秒台は普通に速い。
橡浦より1秒も遅いが、橡浦が異常なだけである。

「なーんで勝てないんだー!」
(そりゃ、一応スポーツやってるからなあ…ただデカイだけじゃねえし…)

413:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:47:12 GMhmpnEF
「よーし、そろそろ終わりにするかー!
 最後にもう1本だけやるか。やりたい奴!」
「もちろん!」

真っ先に橡浦がスタートラインに立つ。
こうなると責任のなすりつけ合いが始まる。

「お前行けよ!」
「お前も!」
(まーたか…)

土生は校舎からそれを眺めている。
ちなみにこの少年、足は速いが走るのはさほど好きではない。

「まったく…」

そして駆り出された双子コンビ。いかにも気の抜けた嫌そうな顔。
そんな中、スタートラインに向かって土を蹴る音。

「ユキ?」
「よーし、4人そろったな。」

橡浦の隣に立ち、静かに構える。
野球の時こそ明るいものの、普段はおとなしく、人と接することも好まない。50m走も手抜き。

だけど。

「よーい…ピッ!」

全力の彼女の走りは、速い。
やる気のない双子コンビを、あっという間に突き放した。


歓声が上がる。
わずか6秒ほどの世界に、皆がとりこになる。

「6秒3!」
「おおおおおっ!」

橡浦にとってベストなタイムではないし、ユキにとっては限界ぎりぎり。
でも、そんなの関係ない。自分と肩を並べて走るヤツがいた、それが橡浦には嬉しかった。

「ナイスラン!」
「…うん!」

恥ずかしそうに、ハイタッチをかわすユキ。
さあ、今日は楽しいソフトボールの時間だ。

414:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:47:36 GMhmpnEF
給食と昼休みの休憩時間は連動している。
合わせて90分の休憩、土生は東小所属の光陵リトル全員を集めた。

橡浦、山下、黒田、そしてユキ。
クラスや学年の隔たりを超えて、5人が机を並べ、土生が給食を運んでくる。

「まあ、まずはこれだな。『華麗に舞い降りたノーヒッター』!」
「すごいよね…ラリナ。」
「理奈さんと違って、あたしなんか、16安打も浴びたからなあ…」
「それでも勝ったんだ。すごいことだよ。」
「…あ、ありがと。」

ふとした橡浦の言いまわし。土生は気にかかりつつも、

「ま、だからこそ俺たちも理奈に負けてられないって話だぜ。
 とにかく、来週の大会のミーティングだ!」
「これは?」
「監督に頼んどいた。
 こないだの巨神のスコアブック。ま、こんなの見ても分からないだろうから…」

巨神は1回戦はシードなので、実質昨日の試合のデータしかない。
監督に頼んでデータを取ってもらい、スタメンと補足情報をもらい、土生が要約。

「ほら、みんなで見てくれ。」


巨神 13-0 太洋(たいよう) (2回コールド)

1、8・鈴木(尚) 3打数3安打
2、6・二岡    3打数2安打1打点
3、3・新井    3打数3安打7打点
4、7・金本    1打数1安打
5、5・小笠原   1打数1安打2打点
6、9・高橋(由) 2打数1安打1打点
7、4・鳥谷    1打数1安打
8、2・矢野    2打数1安打2打点
9、1・下柳    2打数0安打


「太洋は守備に評価の高いチームのはずなのに…」
「得点経過も、なんかすごいや…とどめが新井の満塁弾か。」
「投手もフォアボール連発、か…」

その圧倒的な力の前に、制球も乱される。
まあ、もともとコントロールが今一つの理奈にはそんなに関係のない話ではあるが。

「…あれ?西村と白濱は?」
「その事だが。こっちに資料がある。監督が集めてくれた。」
「これは?」
「監督が練習試合での総合成績をまとめてくれた。各投手の特徴もまとめて書いてある。」

415:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:48:25 GMhmpnEF
※ちなみに、分かりやすいように防御率や奪三振率はプロとおなじ9回基準としておく。


西村―白濱バッテリー 防御率0,66 奪三振率13,50
(とにかく剛球とカーブで押す。まあ、お前らならよく知ってるだろ。)

下柳―矢野バッテリー 防御率0,50 奪三振率2,00
(絶妙のコントロールとチェンジアップ、スライダーを駆使し、打者を手玉に取る。)

上原―阿部バッテリー 防御率0,25 奪三振率18,00
(球の速さは西村なみ。ストレートと落差の激しいフォークが武器の、リリーフバッテリー。)


「フォークか…厄介だな、打てるかなあ?」
「ハッキリ言えば、フォークはほとんど打てないだろう。
 だが制球やスタミナ消費の点から、多用もできないがな。」

小学生でフォークは使う選手は殆どいない。
だが、落差とキレのあるフォークは、物にさえしてしまえばまず間違いなく打たれることはない。
プロでも、フォーク100%という配球で相手を抑えるクローザーは存在する。

「実質的なエースは上原という事になるが、さっきも言ったがフォークは長い事使えない。
 千発は西村と下柳がローテを組んで、クローザーに上原が入る、という形になる。」
「じゃあ、次の試合では…」
「西村が来る、と考えるのが普通だろう。」

かつての仲間と、ついに戦う事になる。
おもむろに土生が牛乳を口に運び、

「まあ、とにかく勝ちにいくまでだ。この話はおしまい。」

もちろん、他の4人の心の中は、片付いているはずもないのだが。
強力打線に加え、剛の西村、柔の下柳、…えっと、そしてクローザーの西村。


勝てるのか?って思う。
でも、いちばんそう感じてるのは、間違いなく翔。みんなのために、気付かれないように必死に隠している。

「それじゃあ、ミーティング終了!
 まあ木曜あたりにもう一度やると思うから、今はこの話は流していいぜ。」

言わなきゃいけない。
…でも、この話は、流してほしい。そうだよね、そう思ってるんだよね、翔?

「それじゃあ、あとは自由解散!
 好きなだけ練習して、帰ってくれ。」

今日のリトルの練習は、こんな不安と隣り合わせのミーティングから始まった。…って、もう解散?

416:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:48:49 GMhmpnEF
「え?か、解散って…」
「お前らの顔見てるとさ、なーんか嫌気がさすんだよな。なんでだろ?やる気がしない。
 ヤル気だして練習してくれよ、どうせやるんならさ。」

遠回しに言われたって、その意味は分かるよ。
でも、しょうがないじゃない。

「うーん…じゃあ、今日は解散、マジで解散!練習、禁止!」
「え?」
「練習するな、まっすぐ帰れ!そんじゃあな!」
「あ、翔!」

バッグを持って、走っていった翔。
周りの目に気を止めず、あたしの脚も、自然と翔を追いかけてゆく。


「…どうする?」
「と、とりあえず俺たちだけでも…」
「そ、そうさ、土生さんは、俺たちに…」

「お前ら、さっさと帰れ。」

少しだけ盛り上がっていた雰囲気が、一気に静まる。
その声の主は、まぎれもなく監督自身。

「か、監督…どうしてですか!」
「土生さんは、俺たちにやる気を出させるために、あえて辛く当って…」
「…帰れ。」

いつもの監督じゃない。
凍るような背筋を感じるとともに、すごすごと帰り支度を始めた。


「あんな状態で、とても練習なんてできねえよ。」

練習を中断させた理由を聞いた。その返事がこうだ。

「でも、もう1週間もないのよ?少しでも上手くなるには練習するしかない!」
「心のショックってのは、意外とダメージがでかいもんだぜ。」
「でも…」
「100%意味のない努力は、しない。」

努力に無駄はつきもの。でも確かに、完全に無駄以外の何物でもない努力は、別。
ずっと翔に助けられてきたあたし達が、そんな努力しかできない。…情けない。

「…あいつらも、チームとしてまとまったと思ったんだけどな…」

ちょっとしたつぶやきが、あたしに重くのしかかる。
たまらなくなって、ソファーに突っ伏した。

「…悪い、言い過ぎた。」
「…そうだね、言い過ぎたね。」

…悪態をつかずには、いられなかった。
例え悪いのが、翔ではなく、あたしだったとしても。

後ろに置かれた、『週刊MAX』。そこには、笑顔で写っているあたしの姿がある。

417:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:49:23 GMhmpnEF
「ん?どした?」
「…途中まで、一緒に帰ろ?」

帰り道が同じでも、ユキは人付き合いには疎い。
土生の練習禁止令で、暗い雰囲気の中、橡浦はチームメイトと帰る気にはなれない。

…夕陽の下で、初めてのユキとの帰り道、それも二人きり。

「…でも、なんでこんな大事な時期に…」
「ミーティングはしないわけにいかないだろ。
 巨神との試合が決まったのは昨日。それより前にミーティングする馬鹿はいない。」
「…そっか、試合前日にミーティングして、今日みたいな事になったら…」
「さすが、あんちゃんだよ。」

最近、アップ時に2人でキャッチボールすることが多くなった。
最近、同じ位置で外野ノックを受けることが多くなった。
最近…一緒に話すことが、多くなった。

「ねえ、あたし…次の試合、登板あるかな…?」
「ある。」
「え…。」

即答だった。

「ユキちゃんはかっこいい。俺はそう思うな。」
「…。」

1回戦のあの試合。
自分を認めてくれた、橡浦隼人が隣にいる。

「…と…。」
「どうした?」

橡浦の一歩前に出て、向き合う。

「橡浦くんの事、…なんて呼べば、いい?」

バッティングセンターの明かりが、2人を照らしている。
ユキの頬は、2種類の紅に染まっている。


「ば、バット振りながら、考えていいか?」

困ったら、とりあえず先延ばし。
気持ちの変化についていけない時は、体を動かすのが一番いい。

そう思ってマシンを相手に打席に立ったのだが。

(あ、当たらない…)

バッティングに集中できない。
それを見ていたユキの心中は、いかに。

418:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:49:43 GMhmpnEF
「お疲れさま。」

50球打って、ヒットは5本ほど。

「…。」
「ご、ごめんね、変な事言って。やっぱり、橡浦く」
「名字はやめろ。」

目の前の自販機。
財布の中の小銭を入れようとして、…やめた。

恥ずかしいけど、言いたい事がある。
それをジュースと一緒に飲み込んでいいものかどうか。

「それって…」
「…。
 あー!言わなきゃなんないのかなー!」
「うん!」
「そこ、元気よく返事する場所でもないだろう…」

ちょっぴり真剣な目。
がらがらのバッティングセンター内での、2人の子供の小さな勇気。


「じゃあ…はいっ!」

チュッ。

「…え?え?え!!?」
「こういうことで、いいんでしょ?」
「そ、そりゃそうだけど、いきなり…」
「…そだ、今のキスで思いついた!」

おそらくはニックネームの事だろうが、どんなふうに思いついたのやら。
と思ったら、それは今発した擬音語からとったらしい。

「チュウ!」
「…へ?」

419:迷わずストレート!『気になるあいつのストレート』
09/02/15 22:50:12 GMhmpnEF
「ほー、勇気が新しく始めた野球のチームメイト、君なのかい。」
「は、はい…」
「どんな子供かと思っていたが、なかなかいい体をしてるね。
 お遊びではないかと心配してたが、レベルのそこそこのようだ。」

以前一度話した事があったはず。ユキの親父さんは、ユキにスポーツを思いきりやらせる教育方針。
故に適当なお遊びではなく、そこそこのレベルのスポーツ集団でないと納得しないのである。

「リトルという事でレベルが高いとは思っていたが、勇気の話や君の姿を見て、安心したよ。
 それに、最近ユウキは君の話をよくするし、ずいぶん明るくなった。」
「は、はあ…」

どうやら体格を見るだけである程度の身体能力は分かるらしい。
橡浦は華奢だが、スプリンターは足の筋肉はすらっとして無駄がない。
そこを見破れれば、確かに橡浦が俊足だという事が分かってもおかしくはない。

「ね、ご飯も食べていってよ、チュウ!」
「え?」
「そうしなさい、せっかく来たんだ。」
「はあ…」

半ば無理やり端原家に連れてこられた。
時間も遅いわけではないので、しぶしぶついてきたが…なんか後悔。


「…食い過ぎ…じゃない、食わされ過ぎた…」

栄養満点、食事内容はまさしくスポーツ選手にぴったりのメニュー。
だが、『たくさん食べて、しっかり動く』とかなんとか言われて、

…カロリー計算は度外視ですか?親父さん。

「てか、親父さんの前でもチュウって呼ぶなよ。2人の時だけにしてくれ。」
「ユキってニックネームだって、みんなから言われてるよ。他の人にチュウって聞かれたって、問題ないって。」
「ユキはほとんど代名詞…ていうか、最初に会ったときからユキって呼ばれてたろ。」

あーあー、止めても無駄だこりゃ。
…いや、そんな事より。

「なんで、『チュウ』、なんだ?」
「え?さっきキスした時、思いついたの。ほら、『チュッ』ってさ。」
「…それだけ?」
「それだけ。」
「…。」

恥ずかしくてたまらない。キスをそのまま名前にされたのだから。
絶対にニックネームの由来だけはばれちゃいけない。

…ト『チウ』ラハヤト、から取った、というのはユキだけの秘密。

420:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
09/02/15 22:50:36 GMhmpnEF
投下完了。

今回は短めに。

421:名無しさんX ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:57:00 mpjyxLl0
暴走ボート◆z95s/qs7OM GJです!
橡浦君とユキちゃんもカップルになりそうで楽しみです。

さてこちらも遅くですが投下
属性として赤松君が優子にXXされるのと
今回鷲沢嬢と優子の絡みつきの55KBの長編になりました
では改めて第三話 とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド

422:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:58:52 mpjyxLl0
ソフトボールの戦場に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、白と赤のユニフォーム。
短めのホットパンツからは白魚のような足を露出させ、豊かな胸もとを泥まみれにしながら激しく揺らして走るのがここでのたしなみ。
ここは東日本最強ソフトボールサークルリリアム。ここは、乙女たちの楽園にて地獄。

とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド

ACT12
そして私は今日もいつものように学校へ向かう。
勿論理奈と一緒に行くために理奈の家に向かうのだが、ふと見ると理奈家の玄関前に男の子が待っている様だ
(だれだろう?)

気になった私はその男の子に背後から近寄り、一気に背中から抱きつきながら声をかけてみる。
「あんた誰?家の前でなにしてるの??」
と誰だか知らないけど、籠絡を狙う意味でも私のおっぱいを思いっきりくっつけながら見知らぬ少年の素姓を確認する。

もしも理奈のストーカー、または昨日理奈達から聞いた下着泥棒だったら…
キンタマでも握りつぶせばいいか。
そう思い少し恥ずかしかったが股間にも手を伸ばし、少し玉袋の方に力をくわえ握る
もし叫べばどうなるか……私は少年のものにしては大きめなキンタマだなと思ったが
だが少年の方は下手をすれば小学生で女の子になると本能的な恐怖を持ったのか
少年は怯えた様子で私に話しかける。

「や…止めてください…俺…いや僕は怪しい者じゃありません……」
明らかな動揺とともに、私に対して男の子とはいえまだまだ発育途中なのか
可愛らしい女の子のような声…しかも怯えている声に私は少しどきっとしながらも
先ほどよりちょっとだけ強くキンタマを握り、搾りながらも軽く脅す様に

「自分の事を怪しいなんて言う奴はいないよね
まず最初にアンタ誰?幼馴染の理奈の家の前でなにしてるの?」
とその少年を問い詰めながらキンタマをころころ回すのだったが
「理奈?…あなたはもしかしてラリナの友達なんですか?
ボクもラリナ同様光陵に所属してる赤松雅人って言います!
本当にラリナと光陵の事を話そうって思っただけなんです!ふあぁっ!らめぇ!それ以上力入れられたら!!
出ちゃう!!もう許してください…ボクこのままじゃ学校に行く前にお漏らししちゃう!!」

赤松……あっ!そういえば土生や理奈昨日言ってたな
確かうちの小学校4年で光陵のショートやってるって……。

まずったな~少しナーバスになりすぎたか
私は赤松のキンタマの感触が先ほどより膨らみ、竿もズボンはテントみたいに勃起してしまっていた。

更に言うと勃起したおチンチンの先端に触れているズボンが少しだけ湿り気を帯び
赤松の顔も蕩けそうなうえ。明らかに性的に女の子の様な吐息…本気で感じている吐息を洩らし
なんとか射精を…でも4年生だったらオナニーとかまだ知らない年頃だろう
それでも本能的にちんぽミルクをたくさん出さないよう堪えているって感じだった。

423:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 22:59:57 mpjyxLl0
私はビンビンにしこった大きめな赤松のおチンチンを見ながらも
淫熱を帯び出したキンタマから慌てて手を離し、取り繕うように話しかける。

「あ~ごめんねっ!君の事は理奈と土生から聞いてるよ
すっごく足速いんだってね赤松雅人君!!それとゴメンネ乱暴なことして
付属小との試合で理奈の下着を盗んだやつがいるって聞いたからついね!」

赤松は少しだけ名残惜しそうな呆けた表情をするも、なんとか呼吸を整え
ペニスを意識しないようにしながら
「あぁぁ…良かったボクの事ラリナや土生さんが話しててくれていて
これ以上触られたら…ぼくおしっこ洩らしてましたよ
ところで貴女は……ラリナの幼馴染って言ってましたけど…だれれすか?」
と私の素姓を聞いてくる。

確かにこちらから話してなかったな。
少し離れ赤松の正面に向かいあいながら
「私は石引優子
理奈の幼馴染で今はリリアムのキャッチャーをしているよ♪」
と微笑みまだ苦しそうな赤松の手を出して立ち上がらせる。
同時に玄関があき、理奈が玄関から出てくるのだが…私と赤松の二人を見て
奇妙な表情を浮かべたのは言うまでもない。
(ちなみに土生は赤松が来る事を知っていたので早めに東小へ行っていた)

そんな理奈の最初の言葉は
「雅人君が来るのは知ってたけど…いったいどうしたの?
なんか苦しそうだし…それに優子も来て何があったの?」
と全くどうしてって言葉だった。

で事情の知らない理奈を置き
「ごめん理奈。赤松君ちょっと色々あるから少し理奈の家で休ませてあげて」
と理奈の許可を取ろうと声をかけ

「何だか分からないけど…じゃあ雅人君私の家で少し休んでからね」
と理奈は赤松を家に招き、赤松はつかれながら理奈の家で休憩を取る。
勃起が収まる前にちんぽミルクをパンツの中に射精してない事を私は祈るのみだ。

で勿論私に対してどう考えてもお前がなんかやったろって表情をしている理奈は
「雅人君に何かやったでしょ!」
と私に雷を落とす。

勿論私のミスなのでストーカーか下着泥棒と間違えた事をちゃんと説明し
キンタマをこりこりいじくって脅したら、精通をしそうになった事を正直に話すのだった。

「優子~~あんたね~
いくらなんでもそこまでしなくていいって犯人探しとか優子が危ない目にあったら私だって辛いんだから~
それに改めて雅人君に謝ってよね!!」
と二度目の雷を食らうのだったが、正直にいえば大抵理奈は許してくれるし
何より私は理奈にウソをつきたくなかったのだ。

そして玄関から落ち着き勃起も収まった赤松が現れたので、私は改めて赤松に謝り許してもらったのだった。

424:とにかくキャッチ 戦乙女たちのプライド ◆q5tFVKFOs2
09/02/16 23:02:09 mpjyxLl0
ACT13
そんなこんなで私たちは三人パーティとしていろいろ話をしていた。
光陵はこれから春の前哨戦として西部リトルと試合をすることになったようだ。
順当にいけば因縁深い巨神とは三回戦目になるけど、その前に西部リトル
そして強豪として少し名前を聞いた事がある南海リトルが相手

流石に赤松は少しビビっているようだったが、やっぱり理奈はやる気満々で私もほほえましくなってくる。

「優子さん。所でリリアムもソフトボールで春の前哨戦出るのですか?」
と赤松が聞いてくるが、小倉監督も沙織も鷲沢副キャプテンも特にそういう話はしてないからな。
たぶん沙織が少しふれていた強敵に備えて本大会まで練習だろう。

「たぶん出ないだろうね…まず夏の東日本選抜本大会で優勝したら
秋に西日本大会優勝チームと試合らしいからそれまで温存だと思うよ」
と私は答えるが、更に私は理奈と赤松を励ます意味でも

「それと練習があるから西部リトルの試合は無理だけど
南海リトルの方は開けられそうだから応援に行くね理奈!それと土生や赤松君たちもね!」
と熱く声をかけるのだった。

そんなとき後ろから声をかけられる
「石引先輩おはようございます!」

私たちはおやって表情で振り向くとそこには
縦ロールの女の子
伊達眼鏡をかけた女の子
そしてロングヘアーのアクセントとして横にコンセントみたいに伸ばしている女の子

彼女達は私同様今年リリアムに入り、外野手として選出された天馬三姉妹
しかも4年でスタメン入りを果たすほどの逸材で今後のホープだ。
流石にまだ体が出来上がっていないため、通常練習だけで手いっぱいだが、一生懸命やっているのはみんな知っている。
ちなみに今私にお淑やかな挨拶したのは天馬三姉妹長女の泉ちゃんだった。

続いて天馬三姉妹二女の美咲ちゃんが私に対して熱っぽく、だけどはきはきと
「石引先輩♪今日もお美しい❤あっ申し訳ありません石引先輩
赤松君は見たことあるから知ってますけど、失礼ですが石引先輩の隣にいらっしゃる方は何方ですか?」
と確かに天馬三姉妹と理奈はまだ面識がなかったなと思い理奈の事を軽く説明し

それを聞いた天馬三姉妹三女の今日子ちゃんが
「石引先輩の幼馴染さんなんですか理奈さんって!
それと理奈さんは久美様とまたタイプの違うピッチャーって話ですけど今度よかったら
投球を見せてもらえませんか?」

と元気よく今日子ちゃんは理奈に投球を見せてくれとおねだりしてみる。


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